説明

文書管理システム

【課題】誤って文書が廃棄されることを防止することを技術的課題とする。
【解決手段】文書(20)に付与された文書識別情報(20a)と前記文書(20)の保管期間とを少なくとも含む管理情報を記憶する文書管理情報記憶手段と、文書(20)に付与された文書識別情報(20a)を読取る識別情報読取部材(24)と、前記識別情報読取部材(24)で読取られた文書識別情報(20a)に基づいて、前記文書(20)が所定の読取り条件を満たす場合に、前記文書(20)の画像を読取る文書読取部材(29)と、前記文書(20)が所定の廃棄条件を満たす場合に、文書廃棄部材(34)を制御して前記文書(20)を廃棄する文書廃棄部材制御手段と、前記文書読取部材(29)によって読取られた前記文書(20)の画像を記憶する文書画像記憶手段と、を備えた文書管理システム(S)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書を管理する文書管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、企業のオフィスや市役所などの公共機関では、部外秘や社外秘などの機密文書を扱うことが多い。こうした機密文書の原本は、第三者への漏洩を防止するために、厳重な管理のもとで保管される。また、不要になった機密文書は、シュレッダなどを用いて廃棄される。
このような、文書の保管や廃棄等の管理に関する技術として、下記の特許文献1ないし特許文献4記載の技術が公知である。
【0003】
特許文献1(特開2005−190365号)には、印刷文書に対する文書IDと印刷した用紙を識別する用紙IDと印刷枚数をデータベースに登録して、印刷した文書の履歴を管理する出力文書管理システムが記載されている。特許文献1記載の技術では、予め用紙IDが付与された専用の用紙を使用し、プリンタにより用紙に印刷する時点から文書の管理を開始しており、用紙に固有の用紙IDによって、出力から廃棄までの紙文書の履歴を追跡可能としている。また、特許文献1記載の技術では、印刷した文書に対して、閲覧が許可される期間を設定することが可能となっており、未破棄文書を抽出し、当該未破棄文書の出力からの経過期間と、閲覧許可期間を比較し、許可されている期間を超過している場合には機密文書を保持しているユーザに破棄するように通知するという技術が開示されている。
【0004】
特許文献2(特開平11−339024号公報)には、廃棄する文書を取り込む文書取込手段と、前記文書取込手段により取り込まれた文書の画像を読み取り、読み取った画像から画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データ生成手段により生成された画像データをネットワークへ送信する送信手段と、前記文書取込手段により取り込まれた文書を貯蓄する文書貯蓄手段と、を有する文書廃棄装置と、前記ネットワークに接続され、前記ネットワークから前記文書廃棄装置の送信手段により送信された画像データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信された画像データを蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段により蓄積された画像データを表示・印刷する等、再利用する再利用手段と、を有する文書管理装置とからなる文書廃棄支援システムが開示されている。特許文献2記載の技術では、廃棄された文書を再利用するために廃棄文書の画像データを蓄積してファイリングしておく技術である。特許文献2記載の技術は、今後一切利用されない文書であると判断して廃棄した文書が後々再度必要となることが多いために、結果的に文書の廃棄という重大な決断を下すことができずに、文書が廃棄できずにたまってしまうという課題を解決するための発明である。
【0005】
特許文献3(特開2002−342329号公報)には、廃棄される文書を再利用するために、廃棄される書類を読取って蓄積し、蓄積情報を利用して廃棄された画像データの検索可能とする技術が記載されている。すなわち、特許文献3には、廃棄される書類を電子化してファイリングする技術が記載されている。
特許文献4(特開2003−62476号公報)には、廃棄処理する書類から書類記載情報を取得し(読取り)、利用者の選択に応じて、書類記載情報を保管し、閲覧可能とする技術が記載されている。すなわち、特許文献4には、廃棄される書類を電子化して、利用者の選択に応じてファイリングする技術が記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−190365号公報(「0074」〜「0078」)
【特許文献2】特開平11−339024号公報 (「0062」、「0067」)
【特許文献3】特開2002−342329号公報(「0011」〜「0013」)
【特許文献4】特開2003−62476号公報(「0094」、「0136」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記事情に鑑み、誤って文書が廃棄されることを防止することを第1の技術的課題とする。
また、文書を後から確認可能とすることを第2の技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を解決するために請求項1に記載の文書管理システムは、
文書に付与された文書を識別するための情報と前記文書の廃棄に関する情報とを少なくとも含む文書管理情報の管理を行う文書管理手段と、
文書に付与された文書を識別するための情報を読取る識別情報読取部材と、
前記識別情報読取部材で読取られた文書識別情報に基づいて、文書の保管期間が経過しているか否かを判別する保管期間判別手段と、
前記保管期間判別手段により、文書の保管期間が経過したと判別された場合に当該文書を廃棄するように制御する手段と、
前記保管期間判別手段により、文書の保管期間が経過していないと判別された場合に当該文書を容器に収容するとともに、少なくとも当該文書を識別するための情報を含む廃棄失敗情報を前記文書管理手段に送信する廃棄失敗情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
前記技術的課題を解決するために請求項2に記載の文書管理システムは、
文書に付与された文書を識別するための情報と前記文書の廃棄に関する情報とを少なくとも含む文書管理情報の管理を行う文書管理手段と、
文書に付与された文書を識別するための情報を読取る識別情報読取部材と、
文書を廃棄する廃棄者を特定する廃棄者認証手段と、
前記廃棄者認証手段により特定された廃棄者が、文書を廃棄する権限があるか否かを判別する廃棄権限判別手段と、
前記廃棄権限判別手段により、前記廃棄者が、文書を廃棄する権限があると判別した場合に当該文書を廃棄するように制御する手段と、
前記廃棄権限判別手段により、前記廃棄者が、文書を廃棄する権限がないと判別した場合に当該文書を容器に収容するとともに、少なくとも当該文書を識別するための情報および前記廃棄者の識別情報とを含む廃棄失敗情報を前記文書管理手段に送信する廃棄失敗情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記技術的課題を解決するために請求項3に記載の文書管理システムは、
文書に付与された文書を識別するための情報と前記文書の廃棄に関する情報とを少なくとも含む文書管理情報の管理を行う文書管理手段と、
文書に付与された文書を識別するための情報を読取る識別情報読取部材と、
文書に、文書を識別するための情報が含まれていない場合に、当該文書を廃棄するように制御する手段と、
文書に、文書を識別するための情報が含まれていない場合に、当該文書を容器に収容するとともに、少なくとも廃棄に失敗した廃棄失敗日の情報を含む廃棄失敗情報を前記文書管理手段に送信する廃棄失敗情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の文書管理システムにおいて、
前記文書を収容する容器が、施錠手段により施錠されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の文書管理システムにおいて、
前記文書の画像を読取る文書読取り部材と、
前記文書読取り部材により読取られた前記画像を記憶する廃棄文書画像記憶手段と、
を備え、
前記文書が、保管期間が経過していないと判別された場合に、前記文書読取り部材が、前記文書の画像を読取ることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の文書管理システムにおいて、
前記文書の画像を読取る文書読取り部材と、
前記文書読取り部材により読取られた前記画像を記憶する廃棄文書画像記憶手段と、
を備え、
前記廃棄者に廃棄権限がないと判別された場合に、前記文書読取り部材が、前記文書の画像を読取ることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の文書管理システムにおいて、
前記文書の画像を読取る文書読取り部材と、
前記文書読取り部材により読取られた前記画像を記憶する廃棄文書画像記憶手段と、
を備え、
前記文書に、前記文書を識別するための情報が含まれていない場合に、前記文書読取り部材が、前記文書の画像を読取ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、保管期間が経過していない場合に、誤って文書を廃棄することを防止できる。
請求項2に記載の発明によれば、廃棄権限がない廃棄者によって、誤って文書が廃棄されることを防止できる。
請求項3に記載の発明によれば、文書を識別するための情報が付与されていない文書を、誤って廃棄することを防止できる。
請求項4に記載の発明によれば、施錠されていない場合に比べて、容器から文書が取り出されて、誤って文書が廃棄されることが防止できる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、保管期間が経過していない文書が廃棄されようとした場合に、画像が読み取られ、後から文書を確認することができる。
請求項6に記載の発明によれば、廃棄権限がない廃棄者により文書が廃棄されようとした場合に、画像が読み取られ、後から文書を確認することができる。
請求項7に記載の発明によれば、文書を識別するための情報が含まれていない文書が廃棄されようとした場合に、画像が読み取られ、後から文書を確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の実施例1の文書管理システムの全体説明図である。
図1において、実施例1の文書管理システムSでは、インターネット回線1やローカルエリアネットワーク(LAN)2を含む通信回線の一例であるネットワークNを有する。前記ローカルエリアネットワーク2は、ルーターRを介してインターネット回線1に接続されている。実施例1では、前記ローカルエリアネットワーク2には、廃棄者が使用する廃棄者端末3や、文書管理システムSの管理者が使用する管理者端末4、監査等で廃棄の確認を証明する必要がある証明相手が使用する端末である証明相手使用端末6、文書の廃棄を行う文書廃棄装置7、画像情報の印刷が可能な画像形成装置8、文書管理システムSで管理される文書の文書管理情報が管理される管理装置の一例である文書管理情報サーバ9が接続されており、相互に情報の送受信が可能である。
また、前記インターネット回線1には、時刻認証を行うための正確な時刻情報を提供する時刻認証局の時刻認証端末11が接続されている。また、前記インターネット回線1には、廃棄者、管理者、証明相手等の利用者や、文書廃棄装置7から送受信する際に暗号化または復号化に使用される公開鍵情報を提供する公開鍵提供端末12が接続されている。なお、前記時刻認証局として、従来公知のいわゆるタイムスタンプ局を利用可能であり、公開鍵提供端末として、従来公知の認証機関の公開鍵サーバを利用可能である。
【0019】
前記各端末3,4,6や文書管理情報サーバ9は、コンピュータ装置により構成されており、コンピュータ本体H1と、ディスプレイH2と、キーボードH3やマウスH4等の入力装置、図示しないHDドライブ(ハードディスクドライブ)、CDドライブ(コンパクトディスクドライブ)等により構成されている。前記端末等3,4,6,9には、コンピュータ装置の基本動作を制御する基本ソフト(オペレーティングシステム)や、文書作成ソフトウェアや作図ソフトウェア、電子メール送受信用のソフトウェア等のアプリケーションプログラム、画像形成装置8を制御するためのソフトウェアの一例であるドライバ等が組み込まれている。
前記画像形成装置8は、印刷用紙を給紙するための複数の給紙容器8aと、印刷された用紙が排紙される排紙容器8bとを有している。なお、前記画像形成装置8は、プリンタ、FAX、ネットワークスキャナ、複写機の機能を併せ持つ、従来公知の電子写真方式の複合機(例えば、特開2004−287297号公報等参照)を使用可能であり、種々の画像形成装置を採用可能である。
【0020】
図2は実施例1の文書廃棄装置の説明図であり、図2Aは全体説明図、図2Bは平面図である。
図1、図2において、前記文書廃棄装置7は、作業者が入力等を行う入力部材19が前面に支持されており、入力部材19には、使用者認証用の認証情報記憶部材の一例であるICカードが挿入されて、読取られるカード挿入口19aや、表示部19b、入力釦19c等が設けられている。前記文書廃棄装置7の上面には、廃棄される文書20が収容される廃棄文書収容部21を有する。前記廃棄文書収容部21は、用紙搬送方向下流側に向かうにつれて下方に傾斜して形成されており、下端部には、廃棄される文書の前端縁が突き当てられる用紙突き当て部22が支持されている。前記用紙突き当て部22は、廃棄文書収容部21の上面よりも上方に突出して文書の前端縁が突き当てられる突出位置(図2の実線参照)と、廃棄文書収容部21の上面よりも下方に移動して文書が搬送可能となる搬送位置(図2の破線参照)と、の間で移動可能に構成されている。
前記用紙突き当て部22の用紙搬送方向上流側には、用紙突き当て部22まで文書が挿入されたことを検知する用紙検知部材の一例である用紙センサ23が支持されている。前記用紙センサ23の上方には、廃棄される文書20に付与された文書識別画像20aを読取るための識別画像読取り部材24が配置されている。実施例1の文書管理システムSでは、前記文書識別画像20aとして、従来公知の2次元コードが採用されており、前記識別画像読取部材24として文書識別画像20aを読取る光学系、いわゆる、コードリーダが使用されている。
【0021】
前記識別画像読取部材24の用紙搬送方向上流側には、廃棄文書収容部21に収容された文書の上面に接触して回転し、廃棄文書20を給紙する給紙部材26が配置されている。実施例1の給紙部材26は、昇降可能に構成されており、文書の上面に接触、離隔可能に構成されている。
前記給紙部材26の下方の廃棄文書収容部21上面には、廃棄文書20が複数枚ある場合に1枚ずつに分離して捌く捌き部材27が支持されている。実施例1の捌き部材27は、捌き部材の一例であるパッド状の捌きパッドにより構成されている。
前記用紙突き当て部材22の用紙搬送方向下流側には、廃棄される文書を搬送する搬送部材28が支持されている。前記搬送部材28の用紙搬送方向下流側には、廃棄される文書の画像を読取る文書読取装置29が支持されている。実施例1の文書読取装置29は、上下一対の文書読取部材29a,29bを有し、廃棄される文書の表裏両面を一度に読取り可能に構成されている。実施例1の前記文書読取部材29a,29bは、従来公知のいわゆるスキャナにより構成されている。
【0022】
前記文書読取装置29の下方には、用紙搬送路31が形成されている。前記用紙搬送路31は、細断、廃棄される文書が搬送される廃棄文書搬送路31aと、廃棄されない文書が搬送される非廃棄文書搬送路31bとを有し、廃棄文書搬送路31aと非廃棄文書搬送路31bとの分岐部には、廃棄文書搬送路31aおよび非廃棄文書搬送路31bのいずれかに文書を案内する分岐案内部材32が配置されている。
前記廃棄文書搬送路31aに搬送された廃棄文書20は、廃棄搬送部材33により搬送され、文書廃棄部材の一例としての細断装置34により細断され、廃棄文書収容容器36に収容され、廃棄される。
前記非廃棄文書搬送路31bに搬送された文書20は、非廃棄搬送部材37により搬送され、廃棄文書収容部の一例である非廃棄文書収容容器38に収容され、回収される。なお、実施例1の非廃棄文書収容容器38は、廃棄されるべきでない文書が廃棄されようとした時に搬送されて収容される容器であり、非廃棄文書収容容器38は図示しない施錠装置により施錠され、権限のある管理者等しか解錠できないように設定されている。
【0023】
(実施例1の制御部の説明)
(管理装置の制御部の説明)
図3は実施例1の管理装置の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図3において、管理装置9のコンピュータ本体H1は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有している。
前記構成の管理装置9は、前記ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0024】
前記管理装置9の前記ハードディスクドライブには、管理装置9の基本動作を制御する基本ソフト(オペレーティングシステム)OSや、文書作成ソフトウェアや作図ソフトウェア等のアプリケーションプログラムAP、文書管理プログラムP1が記憶されている。以下、従来公知のオペレーティングシステムOSやアプリケーションプログラムAPを除く各機能(制御手段)を説明する。
【0025】
前記文書管理プログラムP1は、文書管理手段101と、管理装置用秘密鍵記憶手段102と、情報受信手段103と、未登録識別情報抽出手段104と、管理情報有無判別手段105と、情報送信手段106と、を有し、ネットワークNに接続された各端末3,4,6や文書廃棄装置7等との間で情報の送受信をして、文書の作成や、廃棄等がされたことを管理する。
前記文書管理手段101は、文書管理情報記憶手段101Aを有し、各端末3,4,6や文書廃棄装置7から送信された文書の作成や廃棄に関する情報に応じて、文書情報の新規登録、更新等の管理を行う。
【0026】
図4は、実施例1の文書管理情報の説明図である。
前記文書管理情報記憶手段101Aは、文書識別情報記憶手段101A1と、文書作成時刻記憶手段101A2と、保管期限記憶手段101A3と、文書作成者記憶手段101A4と、廃棄権限記憶手段の一例としての文書管理者記憶手段101A5と、廃棄時刻記憶手段101A6と、廃棄者記憶手段101A7と、廃棄文書画像記憶手段101A8と、廃棄失敗情報記憶手段101A9と、を有し、文書の作成や廃棄を管理する文書管理情報を記憶する。図4において、実施例1の文書管理情報記憶手段101Aに記憶される文書管理情報は、文書識別情報の一例である処理IDと、文書が作成された時刻である文書作成時刻の一例である文書作成日と、文書の保管期限と、文書を作成した文書作成者の識別情報の一例である文書作成者IDと、文書の管理者の識別情報の一例である文書管理者IDと、管理される文書の種類である文書種類と、読取られた文書の画像情報の一例である文書画像データと、文書が廃棄された廃棄時刻の一例である文書廃棄日と、文書が廃棄された文書廃棄装置7を特定する廃棄装置識別情報の一例である文書廃棄装置IDと、文書を廃棄した文書廃棄者の識別情報の一例である文書廃棄者IDと、廃棄された文書の画像情報の一例である廃棄文書画像データと、文書の廃棄に失敗した情報である廃棄失敗情報とが、各記憶手段101A1〜101A9により記憶される。なお、実施例1の廃棄失敗情報には、廃棄失敗者の識別情報の一例である廃棄失敗者IDと、廃棄に失敗した際に使用されていた廃棄装置の識別情報の一例である廃棄失敗装置IDと、廃棄に失敗した廃棄失敗時刻の一例としての廃棄失敗日とが含まれる。なお、実施例1では、文書管理システムSを利用する各利用者(廃棄者、管理者、証明相手等)に個別に識別情報としての3桁の数字のIDが設定されており、利用者の権限が強くなるのに応じて、IDの百番台の数字が大きくなるように設定されている。すなわち、IDが「1××」の利用者よりもIDが「2××」の利用者の方が、文書管理システムS上での権限が強く設定されている。
【0027】
前記管理装置用秘密鍵記憶手段102は、管理装置9に対して固有に設定された管理装置用秘密鍵を記憶する。実施例1の管理装置用秘密鍵は、従来公知の暗号化通信を行うために使用されるものであり、情報の送受信時に改竄等されないために暗号化したり、復号化する際に使用される。
前記情報受信手段103は、未登録識別情報送信要求受信手段103Aと、管理情報受信手段103Bと、管理情報送信要求受信手段103Cと、文書廃棄情報受信手段103Dと、廃棄失敗情報受信手段103Eと、を有し、ネットワークNに接続された各装置から送信された情報を受信する。
前記未登録識別情報送信要求受信手段103Aは、管理対象の文書が作成される際に各端末3,4,6から送信された未登録の識別情報の送信要求を受信する。
【0028】
前記管理情報受信手段103Bは、各端末3,4,6で新たに作成された文書の管理情報を受信する。実施例1の管理情報受信手段103Bは、前記管理情報として、処理IDと、文書作成日と、文書保管期限と、文書作成者IDと文書管理者IDとを含む新規登録用の管理情報を受信する。
前記管理情報送信要求受信手段103Cは、文書を廃棄する前に管理情報を確認するために各端末3,4,6から送信された管理情報の送信要求を受信する。
前記文書廃棄情報受信手段103Dは、廃棄情報復号化手段103D1と、証明情報作成手段103D2と、公開鍵取得手段103D3と、証明情報復号化手段103D4と、廃棄情報判別手段103D5とを有し、文書廃棄装置7から送信された文書の廃棄に関する文書廃棄情報を受信する。なお、実施例1の文書廃棄情報受信手段103Dは、文書廃棄日と、文書廃棄装置IDと、文書廃棄者と、廃棄文書画像データ(ある場合)と、を含む廃棄情報を受信する。また、実施例1の文書廃棄情報受信手段103Dは、公開鍵提供端末12により提供される管理装置9用の秘密鍵に対応する公開鍵により廃棄情報が暗号化され、且つ、廃棄情報に基づく証明情報を廃棄装置7用の秘密鍵で暗号化した電子署名の一例としてのデジタル署名が付加されたデジタル署名付廃棄情報を受信する。
【0029】
前記廃棄情報復号化手段103D1は、受信した電子署名付廃棄情報の一例としてのデジタル署名付廃棄情報に含まれる廃棄情報を、管理装置9用の秘密鍵で復号化する。
前記証明情報作成手段103D2は、復号化された廃棄情報から証明情報を作成する。実施例1の証明情報作成手段103D2は、従来公知のいわゆるハッシュ関数を使用して、前記証明情報の一例としてのハッシュ値を演算、作成する。
前記公開鍵取得手段103D3は、公開鍵提供端末12から、廃棄情報の送信元である廃棄装置7の公開鍵を取得する。
前記証明情報復号化手段103D4は、取得した公開鍵を使用して、デジタル署名付廃棄情報に含まれるデジタル署名を復号化する。すなわち、廃棄装置7において、廃棄装置7の秘密鍵で暗号化されたハッシュ値である前記デジタル署名を復号化して、ハッシュ値を取得する。
前記廃棄情報判別手段103D5は、受信した廃棄情報が改竄されていないか否かを判別する。実施例1の廃棄情報判別手段103D5は、証明情報作成手段103D2で作成された証明情報としてのハッシュ値と、証明情報復号化手段103D4により取得したハッシュ値とが一致するか否かを判別することにより、受信した廃棄情報が改竄されていないか否かを判別する。
【0030】
前記廃棄失敗情報受信手段103Eは、廃棄装置7において、文書の廃棄に失敗した場合に送信される前記廃棄失敗情報を受信する。
前記未登録識別情報抽出手段104は、前記管理情報を参照して未登録の文書識別情報である未登録の処理IDを抽出する。
前記管理情報有無判別手段105は、管理情報の送信要求を受信した場合に、管理情報を参照して、受信した処理IDに対応する管理情報が登録されているか否かを判別する。
前記情報送信手段106は、未登録識別情報送信手段106Aと、管理情報送信手段106Bとを有し、ネットワークNに接続された各装置3〜8に情報を送信する。
前記未登録識別情報送信手段106Aは、前記未登録の識別情報の送信要求に応じて、未登録の識別情報である処理IDを送信する。
前記管理情報送信手段106Bは、管理情報の送信要求に応じて、対応する処理IDが存在する場合には管理情報を送信し、対応する処理IDが無い場合にはその旨の情報を送信する。
【0031】
(廃棄者端末の制御部の説明)
図5は実施例1の廃棄者端末の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図5において、廃棄者端末3のコンピュータ本体H1は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有している。
前記構成の廃棄者端末3は、前記ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0032】
前記廃棄者端末3の前記ハードディスクドライブには、廃棄者端末3の基本動作を制御する基本ソフト(オペレーティングシステム)OSや、文書作成ソフトウェアや作図ソフトウェア等のアプリケーションプログラムAP、管理情報作成手段201、廃棄者用秘密鍵記憶手段202、廃棄情報受信手段203等が記憶されている。以下、従来公知のオペレーティングシステムOSやアプリケーションプログラムAPを除く各機能(制御手段)を説明する。
なお、実施例1の文書管理システムSでは、他の端末4,6も前記廃棄者端末3と同様に構成されているので詳細な説明および図示は省略する。
実施例1の廃棄者端末3の管理情報作成手段201は、管理情報登録画像表示手段201Aと、未登録識別情報送信要求手段201Bと、未登録識別情報受信手段201Cと、文書識別画像作成手段201Dと、文書印刷手段201Eと、管理情報読取り手段201Fと、時刻情報取得手段201Gと、管理情報送信手段201Hとを有し、文書管理システムSで新たに管理される文書を印刷し、文書に関する管理情報を作成する。
【0033】
図6は実施例1の管理情報登録画像の説明図である。
図7は実施例1の領収書の一例の説明図であり、図7Aは領収書が貼り付けられる前の状態の説明図、図7Bは領収書が貼り付けられた後の説明図である。
前記管理情報登録画像表示手段201Aは、廃棄者となる可能性のある端末3の利用者が新規の管理情報の作成、登録を行うための管理情報新規登録画像41(図6参照)をディスプレイH2に表示する。図6において、管理情報新規登録画像41は、管理される文書毎に固有に設定される文書識別情報の一例としての処理IDが表示される処理ID表示欄41aと、作成される文書の管理者を入力する文書管理者入力欄41bと、文書を作成する文書作成者である端末3の利用者である廃棄者が表示される文書作成者入力欄41cと、作成される文書の種類を設定する文書種類設定欄41dと、文書の印刷を実行するための印刷指示画像の一例である「印刷」アイコン41eと、画像形成装置8の画像読取装置により管理される文書の画像の読み込みを開始するための読取り開始画像の一例である「スキャン」アイコン41fとを有する。
【0034】
なお、実施例1の管理情報登録新規画像41では、処理IDには、管理装置9に記憶された管理情報で未登録の処理IDが自動的に表示される。また、文書作成者欄41cには、端末3の利用者情報、すなわち、端末3のログイン情報に基づいて、文書作成者IDが表示される。また、実施例1の文書管理システムSでは、作成可能な文書は、書種類設定欄41dに示すように、保管期間が10年に設定された商業帳票、保管期間が7年の領収書、保管期間が5年の注文書、保管期間が10年の技術レポート、保管期間が1年の会議議事録、保管期間が「永久」か「なし」に設定可能なその他の文書に設定されている。また、図7において、実施例1の書類設定欄41dで領収書が選択された場合、図7Aに示す領収書貼り付け欄20bを有する文書20が作成され、領収書46が貼付された状態でスキャンアイコン41fの入力がされ、画像形成装置8の読取装置、いわゆる、ネットワークスキャナで読取ることで貼付された領収書46の内容を前記文書画像データとして取り込むことができる。
【0035】
前記未登録識別情報送信要求手段201Bは、新規登録文書用の処理IDとしての未登録識別情報の送信要求を管理装置9に対して送信する。
前記未登録識別情報受信手段201Cは、管理装置9から送信された未登録識別情報としての未登録処理IDを受信する。
前記文書識別画像作成手段201Dは、文書20に印刷される処理IDに応じた文書識別画像20aを作成する。実施例1の文書識別画像作成手段201Dは、文書識別画像20aの一例としての二次元コードを作成する。
前記文書印刷手段201Eは、前記管理情報登録新規画像41への入力に応じた文書の画像情報を画像形成装置8に送信して文書の印刷を行う。
前記管理情報読取り手段201Fは、管理情報登録新規画像41で「スキャン」アイコン41fが選択された場合に、登録する文書の画像情報を含む管理情報を読取る。実施例1の管理情報読取り手段201Fは、ネットワークNを介して接続された画像形成装置8から領収書等の読取り画像データを取り込むことにより、管理情報を取得する。
【0036】
時刻情報取得手段201Gは、文書を作成した時刻を取得する。実施例1の時刻情報取得手段201Gは、時刻認証局の時刻認証端末11との間で情報の送受信を行って、正確な文書作成時刻を取得する。具体的には、端末3から管理情報のハッシュ値を送信し、これに応じて時刻認証端末11から送信された時刻情報とハッシュ値とを含む暗号化情報を受信して、時刻認証端末11に固有に設定された公開鍵で復号化し、送信した管理情報のハッシュ値と比較することで、改竄等の無い正確な文書作成時刻を取得している。
前記管理情報送信手段201Hは、新たに作成された管理情報を管理装置9に送信する
前記廃棄者用秘密鍵記憶手段202は、廃棄者となる可能性のある利用者毎に固有に設定された廃棄者用秘密鍵を記憶する。実施例1の廃棄者用秘密鍵は、従来公知の暗号化通信を行うために使用されるものであり、情報の送受信時に改竄等されないために暗号化したり、復号化する際に使用される。
【0037】
前記廃棄情報受信手段203は、廃棄情報復号化手段203Aと、証明情報作成手段203Bと、公開鍵取得手段203Cと、証明情報復号化手段203Dと、廃棄情報判別手段203Eとを有し、文書廃棄装置7から送信された文書の廃棄に関する文書廃棄情報を受信する。なお、実施例1の廃棄情報受信手段203は、文書廃棄日と、文書廃棄装置IDと、文書廃棄者と、廃棄者の設定に応じた付加情報(廃棄文書画像データ等)と、を含む廃棄情報を受信する。また、実施例1の廃棄情報受信手段203は、公開鍵提供端末12により提供される廃棄者9用の秘密鍵に対応する公開鍵により廃棄情報が暗号化され、且つ、廃棄情報に基づく証明情報を廃棄装置7用の秘密鍵で暗号化したデジタル署名が付加されたデジタル署名付廃棄情報を受信する。
【0038】
前記廃棄情報復号化手段203Aは、受信したデジタル署名付廃棄情報に含まれる廃棄情報を、廃棄者用の秘密鍵で復号化する。
前記証明情報作成手段203Bは、復号化された廃棄情報から証明情報を作成する。実施例1の証明情報作成手段203Bは、従来公知のいわゆるハッシュ関数を使用して、前記証明情報の一例としてのハッシュ値を演算、作成する。
前記公開鍵取得手段203Cは、公開鍵提供端末12から、廃棄情報の送信元である廃棄装置7の公開鍵を取得する。
前記証明情報復号化手段203Dは、取得した公開鍵を使用して、デジタル署名付廃棄情報に含まれるデジタル署名を復号化する。すなわち、廃棄装置7において、廃棄装置7の秘密鍵で暗号化されたハッシュ値である前記デジタル署名を復号化して、ハッシュ値を取得する。
前記廃棄情報判別手段203Eは、受信した廃棄情報が改竄されていないか否かを判別する。実施例1の廃棄情報判別手段203Eは、証明情報作成手段203Bで作成された証明情報としてのハッシュ値と、証明情報復号化手段203Dにより取得したハッシュ値とが一致するか否かを判別することにより、受信した廃棄情報が改竄されていないか否かを判別する。
【0039】
(文書廃棄装置の制御部の説明)
図8は実施例1の文書廃棄装置の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図8において、文書廃棄装置7は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するマイクロコンピュータにより構成されている。
前記構成の文書廃棄装置7は、前記ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
以下、前記文書廃棄装置7の廃棄装置制御プログラムP2の各機能(制御手段)を説明する。
【0040】
図9は、実施例1の廃棄装置の初期画像の一例の説明図である。
廃棄装置制御プログラムP2の初期画像表示手段301は、入力部材19の表示部19bに、廃棄装置7の利用者認証用の認証用画像の一例としての初期画像51(図9参照)を表示する。図9において、実施例1の初期画像51は、パスワード入力欄51aと、パスワード入力用画像51bと、利用者認証を実行する認証実行画像の一例としての「ログイン」アイコン51cとを有する。
廃棄者認証手段302は、初期画像51のパスワード入力欄51aに入力されたパスワードと、カード挿入口19aに挿入されたICカードに記憶された認証情報から、廃棄装置7の利用者である廃棄者の認証を行う。実施例1の廃棄者認証手段302では、ICカードにパスワードが記憶されており、パスワード入力欄51aに入力されたパスワードと、ICカードから読取ったパスワードとを照合することで認証を行う。
【0041】
図10は実施例1の廃棄装置のメニュー画像の一例の説明図である。
図8、図10において、メニュー画像表示手段303は、廃棄装置7の各種操作の一覧が表示されるメニュー画像56(図10参照)を、表示部19bに表示する。図10において、実施例1のメニュー画像56は、認証された利用者である廃棄者名が表示される利用者表示欄56aと、廃棄する際の各種設定を行う廃棄設定画像の一例である「廃棄設定」アイコン56bと、廃棄を実行するための廃棄実行画像の一例である「廃棄実行」アイコン56cと、廃棄装置7の使用を終了するための使用終了画像の一例である「ログアウト」アイコン56dとを有する。
図8において、廃棄設定手段304は、廃棄設定画像表示手段304Aと、設定権限判別手段304Bと、廃棄者用設定手段304Cと、証明者用設定手段304Dと、管理者用設定手段304Eとを有し、ユーザの入力に応じて廃棄する際の各種設定を行う。
【0042】
図11は実施例1の廃棄設定画像の一例の説明図である。
前記廃棄設定画像表示手段304Aは、廃棄する際に廃棄文書に関する廃棄情報が送信される送信対象の一例である被送信者について、廃棄設定を行う被送信者を選択するための廃棄設定画像61(図11参照)を表示部19bに表示する。図11において、廃棄設定画像61は、廃棄者名が表示される廃棄者表示欄61aと、廃棄者に関する設定を行うための廃棄者設定開始画像の一例としての「廃棄者設定」アイコン61b、廃棄したことを証明したい証明相手に関する設定を行うための証明相手設定開始画像の一例としての「証明相手設定」アイコン61c、廃棄される文書の管理者に関する設定を行うための管理者設定開始画像の一例としての「管理者設定」アイコン61dと、設定を終了するための「設定終了」アイコン61eとを有する。
前記設定権限判別手段304Bは、認証された廃棄者に、各被送信者用の設定を変更、登録する権限があるか否かを判別する。実施例1の設定権限判別手段304Bでは、例えば、ICカードに記憶された認証情報に基づいて、利用者のIDが「3××」以上で証明相手の設定を行う権限があり、IDが「5××」以上で管理者の設定を行う権限があると判別する。
【0043】
図12は実施例1の廃棄者用の設定画像の一例の説明図である。
前記廃棄者用設定手段304Cは、利用者の入力部材19への入力に応じて、廃棄者に関する廃棄情報の送信の設定を行う。実施例1の廃棄者用設定手段304Cでは、表示部19bに、図12に示すような廃棄者用設定画像66を表示して、利用者の入力に応じた設定内容を記憶する。図12において、廃棄者用設定画像66は、廃棄者名が表示される廃棄者表示欄66aと、廃棄情報を廃棄者の端末に送信するか否かを設定するための廃棄情報送信有無設定欄66bと、送信先を設定するための送信先入力欄66cと、廃棄情報に文書種類情報を含めるか否かを設定するための文書種類有無設定欄66dと、廃棄情報に読取り文字情報としての読取りキーワードを含めるか否かを設定するためのキーワード有無設定欄66eと、廃棄情報に廃棄した文書の全体画像を含めるか否かを設定するための全体画像有無設定欄66fと、文書種類と読取りキーワードと全体画像を送信する優先順位を設定するための優先順位設定欄66gと、設定を終了するための設定終了画像の一例としての「設定終了」アイコン66hとを有する。実施例1では、送信先や優先順位は、入力部材19の入力釦19cにより入力される。また、実施例1の廃棄情報には、文書種類、読取りキーワード、全体画像のいずれか1つが含まれるように設定される。
【0044】
前記証明者用設定手段304Dは、利用者の入力部材19への入力に応じて、証明相手に関する廃棄情報の送信の設定を行う。なお、証明者用設定手段304Dは、図12の廃棄者用設定画像66において、廃棄者が証明相手に変更されただけで同様の画像が表示され、同様に設定されるため、画像の図示や詳細な説明は省略する。
前記管理者用設定手段304Eは、利用者の入力部材19への入力に応じて、管理者に関する廃棄情報の送信の設定を行う。なお、管理者設定手段304Eは、図12の廃棄者用設定画像66において、廃棄者が管理者に変更されただけで同様の画像が表示され、同様に設定されるため、画像の図示や詳細な説明は省略する。
図8において、廃棄実行手段305は、下記の各手段305A〜305X、および画像取得フラグFL1を有し、廃棄者の入力に応じて文書の廃棄を実行する。
【0045】
図13は実施例1の文書セット催促画像の一例の説明図である。
文書セット催促画像表示手段305Aは、文書の廃棄を実行する際に、廃棄する文書を廃棄文書収容部21にセットする(収容する)ように催促する文書セット催促画像71(図13参照)を表示部19bに表示する。図13において、文書セット催促画像71は、廃棄者名が表示される廃棄者表示欄71aと、廃棄する文書をセットするように促す催促画像71bとを有する。
識別情報読取部材制御手段305Bは、識別情報読取部材24の駆動を制御して、廃棄文書収容部21に収容された文書に付与された文書識別情報を読取る。実施例1では、文書識別情報としての処理IDが変換された識別画像としての二次元コードを読取る。
前記文書読取部材制御手段305Cは、文書読取部材29や搬送部材28,33,37等の駆動を制御して、廃棄される文書の画像を読取る。
文書廃棄部材制御手段305Dは、文書廃棄部材の一例である細断装置34の駆動を制御して、文書を細断して廃棄する。
【0046】
文書識別画像復号化手段305Eは、前記識別情報読取部材24で読取られた識別画像としての二次元コードを復号化して、文書識別情報としての処理IDを取得する。
文書識別情報有無判別手段305Fは、識別情報読取部材24で、読取った画像に文書識別情報が含まれているか否かを判別する。すなわち、廃棄される文書に文書識別情報が付与されているか否かを判別する。
管理情報送信要求手段305Gは、文書識別情報としての処理IDが取得できた場合に、管理装置9に対して、処理IDに対応する管理情報の送信を要求する管理情報送信要求を送信する。
管理情報受信手段305Hは、管理情報送信要求に応じて管理装置9から送信された管理情報を受信する。
【0047】
保管期間経過判別手段305Jは、受信した管理情報に基づいて、廃棄される文書の保管期間が経過しているか否かを判別する。実施例1の保管期限経過判別手段305Jは、図示しない内蔵時計と、管理情報に含まれる保管期間の情報とに基づいて、保管期間が経過しているか否かを判別する。
廃棄権限識別手段305Kは、利用者である廃棄者の権限を識別する。実施例1の廃棄権限識別手段305Kは、カード挿入口19aに挿入されたICカードに記憶されたID、例えば「1××」等に基づいて、権限を識別する。
廃棄文書権限識別手段305Lは、受信した管理情報に基づいて、廃棄される文書に廃棄権限が設定されている場合に、廃棄権限を識別する。実施例1の廃棄文書権限識別手段305Lは、管理情報に文書管理者が設定されている場合に、管理者のID、例えば、「3××」に基づいて、権限を識別する。
廃棄権限判別手段305Mは、廃棄者に文書を廃棄する権限があるか否かを判別する。実施例1の廃棄権限判別手段305Mは、廃棄者のIDの3桁目の数値が管理者のIDの3桁目の数値以上であるか否かを判別することで、廃棄する権限があるか否かを判別する。
【0048】
図14は実施例1の廃棄開始時に表示される廃棄開始画像の説明図である。
廃棄実行時画像表示手段305Nは、廃棄開始画像表示手段305N1と、廃棄失敗画像表示手段305N2とを有し、各判別結果に応じて、表示部19bに画像を表示する。
前記廃棄開始画像表示手段305N1は、処理IDの有無や、保管期間、権限等により、廃棄が行われる場合に、図14に示す廃棄を開始するための廃棄開始画像76を表示する。図14において、廃棄開始画像76は、廃棄者名が表示される廃棄者表示欄76aと、廃棄者に文書の最終確認を促す最終確認催促画像76bと、廃棄を開始するための廃棄開始用画像の一例である「廃棄開始」アイコン76cとを有する。
【0049】
図15は実施例1の廃棄失敗時に表示される廃棄失敗画像の一例の説明図である。
廃棄失敗画像表示手段305N2は、処理IDの有無や、保管期間、権限等により、文書の廃棄ができず、廃棄に失敗した場合に、図15に示す廃棄の失敗を告知する廃棄失敗画像81を表示部19bに表示する。図15において、実施例1の廃棄失敗画像81は、廃棄者名が表示される廃棄者表示欄81aと、文書が廃棄できなかったことを告知する廃棄失敗告知画像81bとを有する。
廃棄時刻情報取得手段305Pは、文書を廃棄した文書廃棄時刻を取得する。実施例1の廃棄時刻情報取得手段305Pは、前記時刻情報取得手段201Gと同様に、時刻認証局の時刻認証端末11との間で情報の送受信を行って、正確な文書廃棄時刻を取得する。具体的には、文書廃棄装置7から廃棄情報のハッシュ値を送信し、これに応じて時刻認証端末11から送信された時刻情報とハッシュ値とを含む暗号化情報を受信して、時刻認証局の公開鍵で復号化し、送信した管理情報のハッシュ値と比較することで、改竄等の無い正確な文書廃棄時刻を取得している。
【0050】
送信用廃棄情報作成手段305Qは、送信設定判別手段305Q1と、文書種類情報取得手段305Q2と、文字認識手段305Q3と、登録キーワード抽出手段305Q4とを有し、管理装置9に送信される廃棄情報や、設定に応じて各端末3,4,6に送信される廃棄情報を作成する。なお、実施例1の送信用廃棄情報作成手段305Qでは、廃棄に失敗した場合には、廃棄情報の代わりに廃棄失敗情報が作成される。また、実施例1では、管理装置9に送信される前記廃棄情報または廃棄失敗情報は管理情報を更新するための所定の形式の情報が作成される。さらに、各端末3,4,6に送信される廃棄情報等は、従来公知の電子メールの形式の情報が作成され、廃棄された文書に関する廃棄情報等を確認するための情報として使用できる。
前記送信設定判別手段305Q1は、前記廃棄設定手段304で設定された廃棄設定を判別し、廃棄情報の送信の有無や画像読取りの有無等を判別する。
前記文書種類情報取得手段305Q2は、管理情報に基づいて、文書の種類(商業帳票や領収書等)を取得する。
前記文字認識手段305Q3は、廃棄される文書中に含まれる予め設定された特定のキーワードを抽出するために、読取った文書の画像の文字認識処理を実行する。なお、前記文字認識処理は、従来公知のOCR(Optical Character Reader)処理を採用可能である。
【0051】
前記登録キーワード抽出手段305Q4は、廃棄文書に処理IDが読みとれなかった場合や、処理IDが付与されていなかった場合に、文字認識処理後の廃棄文書の画像情報に予め設定された特定のキーワードが含まれていないか否かを判別する。したがって、例えば、画像情報から「領収書」や「領収証」、「レシート」等のキーワードが抽出された場合には、文書書類を「領収書」と判別でき、「技術レポート」や「技術報告書」、「テクニカルレポート」等のキーワードが抽出された場合には、文書種類を「技術レポート」と判別できる。
文書廃棄装置用秘密鍵記憶手段305Rは、文書廃棄装置7に固有に設定された文書廃棄装置用秘密鍵の情報を記憶する。実施例1の文書廃棄装置用秘密鍵は、従来公知の暗号化通信を行うために使用されるものであり、情報の送受信時に改竄等されないために暗号化したり、復号化する際に使用される。
【0052】
証明情報作成手段305Sは、作成された廃棄情報から証明情報を作成する。実施例1の証明情報作成手段305Sは、証明情報作成手段203Bと同様に、従来公知のいわゆるハッシュ関数を使用して、前記証明情報の一例としてのハッシュ値を演算、作成する。
電子署名手段の一例としてのデジタル署名手段305Tは、文書廃棄装置用秘密鍵を使用して、前記証明情報の一例としてのハッシュ値を暗号化することで、文書廃棄装置7で情報が作成されたことを証明するためのデジタル署名情報を作成する。
被送信者用公開鍵取得手段305Uは、廃棄情報を暗号化して送信する被送信先に応じた被送信者用の公開鍵を、公開鍵提供端末12から取得する。
廃棄情報暗号化手段305Vは、取得した被送信先の公開鍵を使用して、作成された廃棄情報を暗号化して、暗号化廃棄情報を作成する。
廃棄情報送信手段305Wは、作成された廃棄情報にデジタル署名を付与したデジタル署名付暗号化廃棄情報を送信対象に送信する。
廃棄失敗情報送信手段305Xは、作成された前記廃棄失敗情報を送信対象に送信する。
画像取得フラグFL1は、初期値は「0」であり、廃棄される文書の画像情報を取得するものと判別された場合に「1」となり、画像情報が不要な場合は「0」となる。
【0053】
(実施例1のフローチャートの説明)
次に、実施例1の文書管理システムSの管理装置9や廃棄者端末3、文書廃棄装置7の処理の流れをフローチャートを使用して説明するが、画像形成装置8が受信した画像情報に応じて印刷を実行する処理や、各端末3,4,6で廃棄情報を電子メールで受信する処理、時刻認証端末11や公開鍵提供端末12等の処理については、従来公知であるため、図示及び詳細な説明を省略する。
【0054】
(廃棄者端末3のフローチャートの説明)
図16は実施例1の廃棄者端末での管理情報作成処理のフローチャートである。
図16のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、コンピュータ本体H1のハードディスク等に記憶された管理情報作成プログラムとしての管理情報作成手段201に従って行われる。また、この処理は廃棄者端末3の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図16に示すフローチャートは廃棄者端末3において、管理情報作成プログラムが起動したときに開始される。
なお、管理者端末4や証明相手使用端末6の管理情報作成プログラムも同様であるため、詳細な説明及び図示は省略する。
【0055】
図16のST1において、管理装置9に対して未登録処理IDに関する問合せ、すなわち、未登録処理IDの送信要求を行う。そして、ST2に進む。
ST2において、管理装置9から送信された未登録処理IDを受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST3に進み、ノー(N)の場合はST2を繰り返す。
ST3において、未登録処理IDや利用者の情報等に応じた管理情報新規登録画像41をディスプレイH2に表示する。そして、ST4に進む。
ST4において、管理情報新規登録画像41において「印刷」アイコン41eを選択する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST5に進み、ノー(N)の場合はST15に進む。
ST5において、処理IDの識別画像を作成する。すなわち、処理IDを二次元コード20aに変換する。そして、ST6に進む。
ST6において、二次元コード20aを含む文書20を印刷する。すなわち、画像形成装置8に文書の画像を送信する。そして、ST7に進む。
ST7において、文書の種類は領収書であったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に戻り、ノー(N)の場合はST8に進む。
【0056】
ST8において、印刷した文書情報の証明情報としてのハッシュ値を取得する。そして、ST9に進む。
ST9において、時刻認証局であるタイムスタンプ局にハッシュ値を送信する。そして、ST10に進む。
ST10において、タイムスタンプ局から送信された時刻情報の一例であるタイムスタンプデータを受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST11に進み、ノー(N)の場合はST10を繰り返す。
ST11において、受信した暗号化時刻情報をタイムスタンプ局の公開鍵で復号化し、送信したハッシュ値と比較する。そして、ST12に進む。
ST12において、ハッシュ値が一致したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST13に進み、ノー(N)の場合はST21に進む。
【0057】
ST13において、受信した時刻情報に基づく文書作成日と、管理情報新規登録画像41で設定された文書種類または保管期間の情報とから、保管が必要な保管期限の日を算出する。そして、ST14に進む。
ST14において、管理情報新規登録画像41で登録された処理IDや、文書種類、文書作成日、文書作成者、保管期限等を含む管理情報を管理装置9に送信する。そして、ST4に戻る。
ST15において、管理情報新規登録画像41で「スキャン」アイコン41fの入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST16に進み、ノー(N)の場合はST23に進む。
ST16において、領収書46が貼付される等した読取り対象の文書20を読取る。すなわち、画像形成装置8で読取られた画像情報を取得する。そして、ST17に進む。
【0058】
ST17において、読取った文書に二次元コードが付加されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST18に進み、ノー(N)の場合はST21に進む。
ST18において、二次元コードを復号化して処理IDを取得する。そして、ST19に進む。
ST19において、処理IDが抽出されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST20に進み、ノー(N)の場合はST21に進む。
ST20において、読取った文書の画像情報、すなわち読取りデータのハッシュ値を取得する。そして、ST9に進む。
ST21において、判別結果に応じたエラー表示画像をディスプレイH2に表示する。そして、ST22に進む。
ST22において、エラーが解除されたか否か、すなわち、利用者がエラーの内容を確認して、何らかの入力をしたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に戻り、ノー(N)の場合はST22を繰り返す。
【0059】
ST23において、管理情報の新規登録を終了する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST図16の管理情報作成処理を終了し、ノー(N)の場合はST24に進む。
ST24において、管理情報新規登録画像41において、その他の入力がされたか否か、例えば、各欄への入力等がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST25に進み、ノー(N)の場合はST4に戻る。
ST25において、入力に応じて管理情報新規登録画像41を更新する。そして、ST4に戻る。
【0060】
(管理装置9のフローチャートの説明)
図17は実施例1の管理装置での文書管理処理のフローチャートである。
図17のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、コンピュータ本体H1のハードディスク等に記憶された文書管理プログラムP1に従って行われる。また、この処理は管理装置9の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図17に示すフローチャートは管理装置9において、文書管理プログラムP1が起動されたときに開始される。
【0061】
図17のST51において、各端末3,4,6から送信された未登録IDの送信要求を受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST52に進み、ノー(N)の場合はST54に進む。
ST52において、登録されている管理情報の処理IDの中で最も大きな値を取得する。そして、ST53に進む。
ST53において、取得した処理IDの値の次の値を未登録処理IDとして送信する。そして、ST51に戻る。
ST54において、各端末3,4,6から送信された管理情報を受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST55に進み、ノー(N)の場合はST56に進む。
ST55において、受信した管理情報を新規登録する。そして、ST51に戻る。
【0062】
ST56において、文書廃棄装置7から送信された管理情報の送信要求を受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST57に進み、ノー(N)の場合はST60に進む。
ST57において、受信した処理IDに対応する管理情報が存在するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST58に進み、ノー(N)の場合はST59に進む。
ST58において、処理IDに該当する管理情報を文書廃棄装置7に送信する。そして、ST51に戻る。
ST59において、管理情報が存在しないことを文書廃棄装置7に送信する。そして、ST51に戻る。
【0063】
ST60において、文書廃棄装置7から送信された廃棄情報を受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST61に進み、ノー(N)の場合はST68に進む。
ST61において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST62に進む。
(1)文書廃棄装置7の秘密鍵で暗号化されたデジタル署名を、文書廃棄装置7の公開鍵で復号化して、ハッシュ値を取得する。
(2)管理装置9の公開鍵で暗号化された廃棄情報を、管理装置9の秘密鍵で復号化して、廃棄情報を取得する。
ST62において、復号化した廃棄情報から証明情報であるハッシュ値を作成する。そして、ST63に進む。
【0064】
ST63において、デジタル署名を復号化して取得したハッシュ値と、廃棄情報から作成されたハッシュ値とが一致するか否かを判別する。ノー(N)の場合はST64に進み、イエス(Y)の場合はST65に進む。
ST64において、廃棄情報が改竄されている可能性があるため、廃棄情報を廃棄する。そして、ST51に戻る。
ST65において、受信した廃棄情報に処理IDが含まれているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST66に進み、ノー(N)の場合はST67に進む。
ST66において、対応する処理IDの廃棄情報を更新する。そして、ST51に戻る。
ST67において、廃棄情報に処理IDを付与して新規登録する。そして、ST51に戻る。
【0065】
ST68において、文書廃棄装置7から送信された廃棄失敗情報を受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST69に進み、ノー(N)の場合はST51に戻る。
ST69において、受信した廃棄失敗情報に処理IDが含まれているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST70に進み、ノー(N)の場合はST71に進む。
ST70において、対応する処理IDの廃棄失敗情報を更新する。そして、ST51に戻る。
ST71において、処理IDを付与して新規登録する。そして、ST51に戻る。
【0066】
(文書廃棄装置7のフローチャートの説明)
図18は実施例1の文書廃棄装置のメインフローチャートである。
図18のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、文書廃棄装置7のハードディスク等に記憶されたプログラムP2に従って行われる。また、この処理は文書廃棄装置7の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図18に示すフローチャートは文書廃棄装置7の電源がオンにされた時に開始される。
【0067】
図18のST101において、表示部19bに初期画像51を表示し、ST102に進む。
ST102において、パスワード入力用画像51bや入力釦19cによりパスワードの入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST103に進み、ノー(N)の場合はST104に進む。
ST103において、入力に応じて初期画像51を更新する。そして、ST102に戻る。
ST104において、初期画像51において、「ログイン」アイコン51cの入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST105に進み、ノー(N)の場合はST102に戻る。
【0068】
ST105において、カード挿入口19aにICカードが挿入されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST106に進み、ノー(N)の場合はST115に進む。
ST106において、ICカードから利用者の名前、すなわち、廃棄者名や、権限、パスワード等の利用者情報を取得する。そして、ST107に進む。
ST107において、初期画像51で入力されたパスワードと、ICカードに記憶されたパスワードとが一致したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST108に進み、ノー(N)の場合はST115に進む。
ST108において、認証された廃棄者名に応じたメニュー画像56を表示部19bに表示する。そして、ST109に進む。
【0069】
ST109において、「ログアウト」アイコン56dを選択する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST110に進み、ノー(N)の場合はST111に進む。
ST110において、利用者の認証を解除するログアウト処理を実行して、ST101に戻る。
ST111において、メニュー画像56において、「廃棄設定」アイコン56bの入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST112に進み、ノー(N)の場合はST113に進む。
ST112において、廃棄者や証明相手、管理者に廃棄情報の送信をするか否か等の設定を行う廃棄設定処理(後述する図19のサブルーチン参照)を実行して、ST109に戻る。
【0070】
ST113において、メニュー画像56において、「廃棄実行」アイコン56cの入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST114に進み、ノー(N)の場合はST109に進む。
ST114において、文書の廃棄を行う文書廃棄実行処理(後述する図20,図21のサブルーチン参照)を実行してST109に戻る。
ST115において、判別された内容に応じたエラー画像を表示部19bに表示する。そして、ST116に進む。
ST116において、エラーの内容を利用者が確認した入力がされたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST116を繰り返し、イエス(Y)の場合はST101に戻る。
【0071】
(廃棄設定処理(ST112のサブルーチン)のフローチャートの説明)
図19は実施例1の廃棄設定処理のフローチャートであり、図18のST112のサブルーチンの説明図である。
図19のST131において、廃棄設定画像61を表示部19bに表示する。そして、ST132に進む。
【0072】
ST132において、「廃棄者設定」アイコン61bを選択する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST133に進み、ノー(N)の場合はST139に進む。
ST133において、ログインユーザ、すなわち、認証されている廃棄者に廃棄者の設定を修正する権限があるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST134に進み、ノー(N)の場合はST153に進む。
ST134において、廃棄者用設定画像66を表示部19bに表示する。そして、ST135に進む。
ST135において、「設定終了」アイコン66hを選択する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST136に進み、ノー(N)の場合はST137に進む。
ST136において、廃棄者用設定画像66で設定された設定内容を記憶する。そして、ST131に戻る。
ST137において、廃棄者用設定画像66の各設定を変更する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST138に進み、ノー(N)の場合はST135に戻る。
ST138において、入力に応じて、廃棄者用設定画像66を更新し、ST135に戻る。
【0073】
ST139において、「証明相手設定」アイコン61cを選択する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST140に進み、ノー(N)の場合はST146に進む。
ST140において、ログインユーザ、すなわち、認証されている廃棄者に証明相手の設定を修正する権限があるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST141に進み、ノー(N)の場合はST153に進む。
ST141において、廃棄者用設定画像66と同様の証明用設定画像を表示部19bに表示する。そして、ST142に進む。
ST142において、「設定終了」アイコン66hを選択する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST143に進み、ノー(N)の場合はST144に進む。
ST143において、証明相手用設定画像で設定された設定内容を記憶する。そして、ST131に戻る。
ST144において、証明相手用設定画像の各設定を変更する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST145に進み、ノー(N)の場合はST142に戻る。
ST145において、入力に応じて、証明相手用設定画像を更新し、ST142に戻る。
【0074】
ST146において、「管理者設定」アイコン61dを選択する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST147に進み、ノー(N)の場合はST154に進む。
ST147において、ログインユーザ、すなわち、認証されている廃棄者に管理者の設定を修正する権限があるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST148に進み、ノー(N)の場合はST153に進む。
ST148において、廃棄者用設定画像66と同様の管理者用設定画像を表示部19bに表示する。そして、ST149に進む。
ST149において、「設定終了」アイコン66hを選択する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST150に進み、ノー(N)の場合はST151に進む。
ST150において、管理者用設定画像で設定された設定内容を記憶する。そして、ST131に戻る。
ST151において、証明相手用設定画像の各設定を変更する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST152に進み、ノー(N)の場合はST149に戻る。
ST152において、入力に応じて、証明相手用設定画像を更新し、ST149に戻る。
【0075】
ST153において、廃棄者には設定を行うための権限が無いことを告知するエラー表示が表示部19bに表示される。そして、ST131に戻る。
ST154において、廃棄設定画像61において、「設定終了」アイコン61eを選択する入力がされたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST132に戻り、イエス(Y)の場合はST図19の廃棄設定処理を終了して、図18のメインフローチャートに戻る。
【0076】
(廃棄実行処理(ST114のサブルーチン)のフローチャートの説明)
図20は実施例1の廃棄実行処理のフローチャートの説明図であり、図18のST114のサブルーチンである。
図21は実施例1の廃棄実行処理のフローチャートの説明図であり、図20の続きの図である。
図20のST161において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST162に進む。(1)文書セットを促す画像である文書セット催促画像71を表示部19bに表示する。(2)画像取得フラグFL1を「0」とする。
ST162において、用紙センサ23により文書が検出されたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST162を繰り返し、イエス(Y)の場合はST163に進む。
ST163において、識別情報読取部材24により、文書20に付与された二次元コードを読取る。そして、ST164に進む。
【0077】
ST164において、識別情報読取部材24により読取った部分に二次元コードが存在するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST165に進み、ノー(N)の場合はST173に進む。
ST165において、読取った二次元コードを復号化して、処理IDを取得する。そして、ST166に進む。
ST166において、処理IDを管理装置9に送信して、管理情報の送信を要求する。そして、ST167に進む。 ST167において、管理情報を受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST168に進み、ノー(N)の場合はST167を繰り返す。
ST168において、受信した管理情報を記憶する。そして、ST169に進む。
【0078】
ST169において、受信した管理情報に基づいて、保管期限が経過しているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST170に進み、ノー(N)の場合は図21のST195に進む。
ST170において、受信した管理情報に基づいて、廃棄される文書に廃棄権限が設定されているか否か、すなわち、実施例1では管理者が設定されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST171に進み、ノー(N)の場合はST174に進む。
ST171において、ログインユーザ、すなわち、認証された廃棄者に廃棄権限があるか否かを判別する。イエス(Y)の場合(権限がある場合)はST172に進み、ノー(N)の場合はST図21のST195に進む。
ST172において、廃棄設定情報のいずれかに廃棄情報の送信設定がされているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST173に進み、ノー(N)の場合はST174に進む。
ST173において、画像取得フラグFL1を「1」とする。そして、ST174に進む。
【0079】
ST174において、廃棄準備が完了し、廃棄を開始するために最終確認をするように促す廃棄開始画像76を表示部19bに表示する。そして、ST175に進む。
ST175において、廃棄開始画像76において、「廃棄開始」アイコン76cを選択する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST176に進み、ノー(N)の場合はST175を繰り返す。
ST176において、文書廃棄装置7の各部材の駆動を開始して、文書を細断装置34で細断する廃棄を開始する。そして、ST177に進む。
ST177において、画像取得フラグFL1が「1」であるか否かを判別する。すなわち、読取り条件を満足する場合の一例としての二次元コードが無い場合、または保管期間が経過し且つ権限有る場合であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST178に進み、ノー(N)の場合はST182に進む。
【0080】
ST178において、読取り条件および廃棄条件を満たす場合には、画像読取装置29を駆動して文書20の画像を読取る。そして、ST179に進む。
ST179において、廃棄処理が完了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST180に進み、ノー(N)の場合はST179を繰り返す。
ST180において、文書廃棄装置7の駆動を停止する。そして、ST181に進む。
ST181において、時刻認証端末11との間で情報の送受信をして廃棄時刻の正確な時刻情報であるタイムスタンプを取得する。そして、ST182に進む。
ST182において、読取り画像や、廃棄者、文書廃棄日、文書が廃棄された文書廃棄装置7を特定する廃棄装置識別情報の一例としての廃棄装置IDを含む画像付の廃棄情報を作成する。そして、ST187に進む。
【0081】
ST183において、読取り条件を満たさず且つ廃棄条件を満たす場合には、廃棄処理が完了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST184に進み、ノー(N)の場合はST183を繰り返す。
ST184において、文書廃棄装置7の駆動を停止する。そして、ST185に進む。
ST185において、時刻認証端末11との間で情報の送受信をして廃棄時刻の正確な時刻情報であるタイムスタンプを取得する。そして、ST186に進む。
ST186において、廃棄者、文書廃棄日、文書廃棄装置7の識別情報を含む廃棄情報を作成する。そして、ST187に進む。
ST187において、次の処理(1)〜(3)を実行して、ST188に進む。
(1)作成された廃棄情報の証明情報の一例であるハッシュ値を作成して、ハッシュ値を文書廃棄装置7の秘密鍵で暗号化する。すなわち、デジタル署名を作成する。
(2)廃棄情報を送信対象の一例である管理装置9の公開鍵で暗号化する。
(3)管理装置9にデジタル署名付暗号化廃棄情報を送信する。
【0082】
図21のST188において、廃棄設定情報に基づいて、管理者への廃棄情報を送信する設定がされているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST189に進み、ノー(N)の場合はST191に進む。
ST189において、送信先、すなわち、送信対象の一例である被送信者として管理者を設定する。そして、ST190に進む。
ST190において、設定に応じて廃棄情報を送信する廃棄情報送信処理(後述する図22のサブルーチン参照)を実行して、ST191に進む。
ST191において、廃棄設定情報に基づいて、証明相手への廃棄情報を送信する設定がされているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST192に進み、ノー(N)の場合はST194に進む。
【0083】
ST192において、送信先、すなわち、送信対象の一例である被送信者として証明相手を設定する。そして、ST193に進む。
ST193において、設定に応じて廃棄情報を送信する廃棄情報送信処理(後述する図22のサブルーチン参照)を実行して、ST194に進む。
ST194において、廃棄設定情報に基づいて、廃棄者への廃棄情報を送信する設定がされているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST195に進み、ノー(N)の場合は図20,図21の廃棄実行処理を終了して、図18のメインフローチャートに戻る。
ST195において、送信先、すなわち、送信対象の一例である被送信者として廃棄者を設定する。そして、ST196に進む。
ST196において、設定に応じて廃棄情報を送信する廃棄情報送信処理(後述する図22のサブルーチン参照)を実行する。そして、図20,図21の廃棄実行処理を終了して、図18のメインフローチャートに戻る。
【0084】
ST197において、廃棄条件を満たさない場合の一例である保管期限を経過していない場合または廃棄権限が無い場合には、文書を廃棄することができないことを告知する廃棄失敗画像81を表示部19bに表示する。そして、ST198に進む。
ST198において、文書廃棄装置7を駆動して、分岐案内部材32により廃棄できない文書を非廃棄文書収容容器38に搬送、収容する。そして、ST199に進む。
ST199において、次の処理(1)、(2)を実行し、図20,図21の廃棄実行処理を終了して、図18のメインフローチャートに戻る。
(1)認証された廃棄者の識別情報と、文書の廃棄に失敗した文書廃棄装置を特定する廃棄失敗装置ID、廃棄に失敗した時刻の情報の一例であり内蔵時計から取得可能な廃棄失敗日の情報と、文書に処理IDが付与されている場合には処理IDと、を含む廃棄失敗情報を、送信対象の一例である管理装置9に送信する。
(2)送信対象の一例である管理者端末4に同じ廃棄失敗情報を送信する。
【0085】
(廃棄情報送信処理(ST190,ST193,ST196のサブルーチン)のフローチャートの説明)
図22は実施例1の廃棄情報送信処理のフローチャートであり、図21のST190、ST193,ST196のサブルーチンのフローチャートである。
図22のST211において、廃棄設定に基づいて、送信先(廃棄者、証明相手または管理者)への廃棄情報を送信する際の優先順位の第1位は、「文書種類」であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST212に進み、ノー(N)の場合はST222に進む。
ST212において、受信している管理情報に文書種類の情報が無いか否かを判別する。イエス(Y)の場合、即ち、文書種類の情報無い場合はST213に進み、ノー(N)の場合、すなわち、文書種類の情報がある場合はST214に進む。
ST213において、読取った全体画像の文字認識処理を実行する。そして、ST217に進む。
【0086】
ST214において、文書廃棄者や文書廃棄日、文書種類等を含む廃棄情報を作成する。そして、ST215に進む。
ST215において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST216に進む。
(1)作成された廃棄情報のハッシュ値を作成し、文書廃棄装置7の秘密鍵で暗号化し、デジタル署名を作成する。
(2)作成された廃棄情報を送信先の公開鍵で暗号化し、暗号化廃棄情報を作成する。
ST216において、デジタル署名付暗号化廃棄情報を設定された送信先に送信する。そして、図22の廃棄情報送信処理を終了し、図21の廃棄実行処理に戻る。
【0087】
ST217において、廃棄設定に基づいて、次の優先順位の設定があるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST218に進み、ノー(N)の場合はST219に進む。
ST218において、次の優先順位の設定は、「全体画像」であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST219に進み、ノー(N)の場合はST220に進む。
ST219において、全体画像を含む廃棄情報を作成し、ST215に進む。
ST220において、文字認識処理済画像に、予め設定された特定のキーワードが含まれているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST221に進み、ノー(N)の場合はST217に戻る。
ST221において、読取ったキーワードを含む廃棄情報を作成して、ST215に進む。
【0088】
ST222において、廃棄設定に基づいて、優先順位が1位に「キーワード」が設定されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST223に進み、ノー(N)の場合はST219に進む。
ST223において、全体画像の文字認識処理を実行する。そして、ST224に進む。
ST224において、文字認識処理済画像にキーワードが含まれているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST221に進み、ノー(N)の場合はST225に進む。
ST225において、廃棄設定に基づいて、次の優先順位の設定があるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST226に進み、ノー(N)の場合はST219に進む。
ST226において、次の優先順位の設定は、「全体画像」であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST219に進み、ノー(N)の場合はST227に進む。
ST227において、管理情報に文書種類の情報がないか否かを判別する。イエス(Y)の場合、即ち、文書種類の情報無い場合はST219に進み、ノー(N)の場合、すなわち、文書種類の情報がある場合はST214に進む。
【0089】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の文書管理システムSでは、新規に作成された文書20は、識別画像20aが付与されて出力され、保管されると共に、保管期限や文書の管理者等の情報が管理情報として登録され、管理される。
文書が廃棄される場合、文書20に識別画像20aが付与され管理情報で管理されている場合には、管理情報を参照する。一般に、経理関係の機密文書(請求書、領収書、精算書等)には、当該機密文書を保管しておかなければならない期間が指定されるものが多く、従来は、機密文書を廃棄する場合は、廃棄対象の機密文書が本当に廃棄してよいものかどうかを原本台帳などで確認しているが、実施例1の文書管理システムSでは、保管期限や廃棄者の権限が自動的に確認される。
そして、まだ保管期限になっていない場合や廃棄者に権限がない場合のように誤って廃棄されようとしている場合には、文書20の廃棄は行われず、非廃棄文書収容容器38に回収される。
【0090】
また、文書に識別画像20aが付与されておらず管理情報が無い文書が廃棄されようとしている場合には、正しく廃棄されているのか、誤って廃棄されそうになっているのかが不明であるため、廃棄文書を後に確認可能にするために文書の全体画像が読取られ、管理装置に登録、管理される。
さらに、実施例1の文書管理システムSでは、設定に応じて、廃棄者や証明相手、管理者に廃棄されたこと、及び、廃棄された内容に関する廃棄情報が送信される。このとき、時刻認証端末11との交信により正確な廃棄時刻が含まれ、且つ、改竄等がされないように安全性が高い暗号化およびデジタル署名がされた廃棄情報が送信される。また、廃棄情報には、設定に応じて文書種類、読取りキーワード、全体画像のいずれかが含まれる。
【実施例2】
【0091】
図23は本発明の実施例2の廃棄実行処理のフローチャートの説明図であり、実施例1の図20に対応する図である。
次に本発明の実施例2の文書管理システムSの説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図23において、実施例2の廃棄実行処理では、ST169およびST171においてノー(N)の場合にST197ではなく、ST173に進む以外は、実施例1の場合と同様である。この場合、ST197〜ST199は実質的に不要となり、省略される。
【0092】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の文書管理システムSでは、保管期限が過ぎていない場合や廃棄者に権限が無くても廃棄されるが、誤って廃棄された場合に後でそれがどのような文書であったのかを確認できるよう、文書の全体画像の読取が行われ、管理情報に登録される。すなわち、実施例2では、廃棄条件は自動的に満足し、読取り条件は、二次元コードがある場合、保管期限が経過していない場合、廃棄権限がない場合、廃棄情報の送信設定がある場合に満足するように設定されている。
【実施例3】
【0093】
図24は本発明の実施例3の廃棄実行処理のフローチャートの説明図であり、実施例1の図20に対応する図である。
図25は本発明の実施例3の廃棄実行処理の続きのフローチャートの説明図であり、実施例1の図21に対応する図である。
次に本発明の実施例3の画像形成装置の説明を行うが、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図24において、実施例3の廃棄実行処理では、ST164でノー(N)の場合はST173ではなく、ST197に進む。
【0094】
図25において、ST197の処理が行われた後、ST251に進む。
図25のST251において、次の処理(1)、(2)が実行され、ST198に進む。
(1)文書廃棄装置7の各部材の駆動を開始して、文書の搬送を開始する。
(2)画像読取装置29を駆動して文書20の画像を読取る。
ST198の処理がされた後、ST252に進む。
ST252において、時刻認証端末11との間で情報の送受信をして廃棄失敗時刻の正確な時刻情報であるタイムスタンプを取得する。そして、ST253に進む。
ST253において、画像情報、認証された利用者である廃棄失敗者の識別情報の一例である廃棄失敗者ID、廃棄失敗日、廃棄に失敗した文書廃棄装置7を特定する識別情報の一例である廃棄失敗装置IDとを含む廃棄失敗情報を作成する。そして、ST254に進む。
【0095】
ST254において、次の処理(1)〜(3)を実行して、ST255に進む。
(1)作成された廃棄失敗情報の証明情報の一例であるハッシュ値を作成して、ハッシュ値を文書廃棄装置7の秘密鍵で暗号化する。すなわち、デジタル署名を作成する。
(2)廃棄失敗情報を管理装置9の公開鍵で暗号化する。
(3)管理装置9にデジタル署名付暗号化廃棄失敗情報を送信する。
ST255において、次の処理(1)〜(3)を実行して、図24,図25の廃棄実行処理を終了する。
(1)作成された廃棄失敗情報の証明情報の一例であるハッシュ値を作成して、ハッシュ値を文書廃棄装置7の秘密鍵で暗号化する。すなわち、デジタル署名を作成する。
(2)廃棄失敗情報を管理者用の公開鍵で暗号化する。
(3)管理者端末4にデジタル署名付暗号化廃棄失敗情報を送信する。
【0096】
なお、実施例3の管理装置9では、実施例1の場合と異なり、暗号化された廃棄失敗情報を受信するが、暗号化された廃棄情報と同様の処理で廃棄失敗情報も復号化および改竄等の有無の判別が行われる。なお、この処理については、簡単であるため、説明およびフローチャートの図示は省略する。
【0097】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の文書管理システムSでは、文書20の識別情報である二次元コード20aが付与されておらず、管理情報が登録されていない場合にも、誤った廃棄を防止するために廃棄は行われない。そして、管理情報が登録されていない場合や、保管期限が経過していない場合、廃棄権限がない場合には、廃棄に失敗した文書20の保全のために画像情報が読取られる。読取られた画像情報は、廃棄失敗情報に含まれた状態で暗号化され、管理装置9および管理者に送信される。すなわち、実施例3では、廃棄条件は、保管期限が経過し且つ廃棄権限が設定されていない場合、保管期限が経過し且つ廃棄権限が設定され且つ廃棄検眼があり且つ廃棄情報の送信設定がされている場合に満たすように設定されている。一方、読取り条件は、保管期限が経過し且つ廃棄権限が設定され且つ廃棄検眼があり且つ廃棄情報の送信設定がされている場合に満たすように設定されている。
【0098】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H012)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、ネットワークNの構成は、ローカルエリアネットワーク2とインターネット1とからなるものを例示したが、これに限定されず、イントラネットのみまたはインターネットのみとしたり、専用線を使用して接続等の任意の構成の回線とすることが可能である。例えば、時刻認証端末11は公開鍵提供端末12インターネット上に限定されず、イントラネットに接続された構成とすることも可能である。
【0099】
(H02)前記実施例において、情報の送受信をする際に、暗号化をすることが望ましいが、暗号化を省略することも可能である。なお、実施例において、暗号化しなかった管理情報の送信要求や実施例1の廃棄失敗情報の送信等においても、情報を暗号化して送受信することも当然可能である。
また、前記暗号化技術として、秘密鍵と公開鍵とを利用したが、暗号化技術は、この技術に限定されず、例えば、全て秘密鍵で暗号化したり、共通鍵を利用して送受信したり、あるいはパスワードを設定する等、任意の暗号化技術で暗号化することが可能である。
(H03)前記実施例において、廃棄情報を設定に応じて送信する際に、文書種類や読取りキーワードが検出されなかった場合に、読取り画像の送信が設定されていない場合でも、読取り画像を送信するようにしたが、読取り画像を送信しないように構成することも可能である。
【0100】
(H04)前記実施例において、文書廃棄装置は、細断装置と非廃棄文書収容容器とを有する構成としたが、この構成に限定されず、非廃棄文書収容容器を省略したり、廃棄できない文書を排出する排出トレイを設け、廃棄できない文書は廃棄者に返却するように構成することも可能である。
(H05)前記実施例において、文書管理システムSとして、管理装置9、端末3,4,6、文書廃棄装置7、スキャナを有する画像形成装置8等を有する構成を例示したが、これに限定されず、例えば、管理者端末4と管理装置9を共通化したり、文書廃棄装置7に管理装置9の機能を内蔵したり、端末3,4,6を共通化したり、文書廃棄装置7に貼付された領収書等を読取るためのスキャナおよび読取り終わった文書を排出する排出トレイを設けたり等任意の構成を採用可能である。このほかにも、時刻認証端末11を省略して管理装置9の内蔵時計で時刻を取得したり、公開鍵提供端末12で提供される公開鍵を管理装置9に記憶させて公開鍵提供端末12を省略することも可能である。すなわち、各装置3〜12の持つ機能は、集約させたり、分散させることが可能である。
【0101】
(H06)前記実施例において、各画像等は設計や設定、仕様に応じて、レイアウトや項目の削除、追加等、自由に変更可能である。
(H07)前記実施例において、文書識別情報として、二次元コードを例示したが、これに限定されず、いわゆるバーコードや、数字の文書識別情報等、任意の文書識別情報を採用することが可能である。また、このようなコードではなく、たとえば紙繊維のパターンを使った用紙の識別情報や、印刷画像に微細な濃度変化をつけることによって画像に埋め込まれた識別情報を、文書識別情報として用いることも可能である。
(H08)前記実施例において、保管期限や廃棄権限、文書識別情報、利用者による設定の有無に応じて、廃棄の許可や不許可、画像読取の有無等を判別する構成を例示したが、判別条件はこれらに限定されず、例えば、4つの中のいずれか1つまたは2つもしくは3つとしたり、さらに追加の判別条件を設定することも可能である。例えば、判別条件として時間帯を採用し、廃棄時刻が就業時間外は不許可としたり、判別条件として利用者毎に廃棄可能枚数を設定し、廃棄可能枚数を超えると廃棄できなくする等することができる。
【0102】
(H09)前記実施例において、1枚ずつ廃棄を行う毎に廃棄情報の送信等を行っていたが、これに限定されず、複数枚を連続廃棄したり、各頁の文書識別情報を順次読取って廃棄または保管することも可能である。
(H010)前記実施例において、文書に管理情報が無い場合や、保管期限が過ぎていない場合、廃棄者に権限が無い場合に、廃棄される文書の全体画像を読取り、登録する構成を例示したが、これに限定されず、文書がどの文書なのかがわかる程度の部分画像やキーワード画像とすることも可能である。なお、画像を読取る際に、カラーの文書をモノクロ画像として読取ったり、印刷による再製が可能な比較的高い解像度でなく、後から確認可能な程度の低い解像度で読取ることも可能である。
(H011)前記実施例において、保管期間が経過したか否かの判別は、保管期限の日と廃棄が実行される現在の日とを比較したが、これに限定されず、例えば、文書の作成日から現在の日までの経過期間を求め、予め設定されている保管期間と比較する等、任意の判別方法で判別することが可能である。
(H012)前記実施例において、廃棄失敗情報を送信する送信対象として、管理装置や管理者を例示したが、これに限定されず、廃棄失敗情報を送信対象としての廃棄者や証明相手に送信可能とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1は本発明の実施例1の文書管理システムの全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の文書廃棄装置の説明図であり、図2Aは全体説明図、図2Bは平面図である。
【図3】図3は実施例1の管理装置の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図4】図4は、実施例1の文書管理情報の説明図である。
【図5】図5は実施例1の廃棄者端末の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図6】図6は実施例1の管理情報登録画像の説明図である。
【図7】図7は実施例1の領収書の一例の説明図であり、図7Aは領収書が貼り付けられる前の状態の説明図、図7Bは領収書が貼り付けられた後の説明図である。
【図8】図8は実施例1の文書廃棄装置の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図9】図9は、実施例1の廃棄装置の初期画像の一例の説明図である。
【図10】図10は実施例1の廃棄装置のメニュー画像の一例の説明図である。
【図11】図11は実施例1の廃棄設定画像の一例の説明図である。
【図12】図12は実施例1の廃棄者用の設定画像の一例の説明図である。
【図13】図13は実施例1の文書セット催促画像の一例の説明図である。
【図14】図14は実施例1の廃棄開始時に表示される廃棄開始画像の説明図である。
【図15】図15は実施例1の廃棄失敗時に表示される廃棄失敗画像の一例の説明図である。
【図16】図16は実施例1の廃棄者端末での管理情報作成処理のフローチャートである。
【図17】図17は実施例1の管理装置での文書管理処理のフローチャートである。
【図18】図18は実施例1の文書廃棄装置のメインフローチャートである。
【図19】図19は実施例1の廃棄設定処理のフローチャートであり、図18のST112のサブルーチンの説明図である。
【図20】図20は実施例1の廃棄実行処理のフローチャートの説明図であり、図18のST114のサブルーチンである。
【図21】図21は実施例1の廃棄実行処理のフローチャートの説明図であり、図20の続きの図である。
【図22】図22は実施例1の廃棄情報送信処理のフローチャートであり、図21のST190、ST193,ST196のサブルーチンのフローチャートである。
【図23】図23は本発明の実施例2の廃棄実行処理のフローチャートの説明図であり、実施例1の図20に対応する図である。
【図24】図24は本発明の実施例3の廃棄実行処理のフローチャートの説明図であり、実施例1の図20に対応する図である。
【図25】図25は本発明の実施例3の廃棄実行処理の続きのフローチャートの説明図であり、実施例1の図21に対応する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書に付与された文書を識別するための情報と前記文書の廃棄に関する情報とを少なくとも含む文書管理情報の管理を行う文書管理手段と、
文書に付与された文書を識別するための情報を読取る識別情報読取部材と、
前記識別情報読取部材で読取られた文書識別情報に基づいて、文書の保管期間が経過しているか否かを判別する保管期間判別手段と、
前記保管期間判別手段により、文書の保管期間が経過したと判別された場合に当該文書を廃棄するように制御する手段と、
前記保管期間判別手段により、文書の保管期間が経過していないと判別された場合に当該文書を容器に収容するとともに、少なくとも当該文書を識別するための情報を含む廃棄失敗情報を前記文書管理手段に送信する廃棄失敗情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
文書に付与された文書を識別するための情報と前記文書の廃棄に関する情報とを少なくとも含む文書管理情報の管理を行う文書管理手段と、
文書に付与された文書を識別するための情報を読取る識別情報読取部材と、
文書を廃棄する廃棄者を特定する廃棄者認証手段と、
前記廃棄者認証手段により特定された廃棄者が、文書を廃棄する権限があるか否かを判別する廃棄権限判別手段と、
前記廃棄権限判別手段により、前記廃棄者が、文書を廃棄する権限があると判別した場合に当該文書を廃棄するように制御する手段と、
前記廃棄権限判別手段により、前記廃棄者が、文書を廃棄する権限がないと判別した場合に当該文書を容器に収容するとともに、少なくとも当該文書を識別するための情報および前記廃棄者の識別情報とを含む廃棄失敗情報を前記文書管理手段に送信する廃棄失敗情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする文書管理システム。
【請求項3】
文書に付与された文書を識別するための情報と前記文書の廃棄に関する情報とを少なくとも含む文書管理情報の管理を行う文書管理手段と、
文書に付与された文書を識別するための情報を読取る識別情報読取部材と、
文書に、文書を識別するための情報が含まれていない場合に、当該文書を廃棄するように制御する手段と、
文書に、文書を識別するための情報が含まれていない場合に、当該文書を容器に収容するとともに、少なくとも廃棄に失敗した廃棄失敗日の情報を含む廃棄失敗情報を前記文書管理手段に送信する廃棄失敗情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする文書管理システム。
【請求項4】
前記文書を収容する容器が、施錠手段により施錠されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記文書の画像を読取る文書読取り部材と、
前記文書読取り部材により読取られた前記画像を記憶する廃棄文書画像記憶手段と、
を備え、
前記文書が、保管期間が経過していないと判別された場合に、前記文書読取り部材が、前記文書の画像を読取ることを特徴とする請求項1に記載の文書管理システム。
【請求項6】
前記文書の画像を読取る文書読取り部材と、
前記文書読取り部材により読取られた前記画像を記憶する廃棄文書画像記憶手段と、
を備え、
前記廃棄者に廃棄権限がないと判別された場合に、前記文書読取り部材が、前記文書の画像を読取ることを特徴とする請求項2に記載の文書管理システム。
【請求項7】
前記文書の画像を読取る文書読取り部材と、
前記文書読取り部材により読取られた前記画像を記憶する廃棄文書画像記憶手段と、
を備え、
前記文書に、前記文書を識別するための情報が含まれていない場合に、前記文書読取り部材が、前記文書の画像を読取ることを特徴とする請求項3に記載の文書管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−303237(P2009−303237A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197718(P2009−197718)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【分割の表示】特願2007−263647(P2007−263647)の分割
【原出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】