説明

文書管理方法及び文書管理システム

【課題】 文書が更新されることにより不要になる文書の廃棄を促す。
【解決手段】 サーバ10は、クライアントが作成した文書データ(文書ID含む)、及びアクセス権(文書IDに対応づけられたクライアントID)などを受信し、記憶すると共にアクセス権を有するクライアント(通知先)に対して文書登録通知を送信する。また、サーバ10は、アクセス権を有するクライアントから文書データの送信要求があると文書データを送信する。さらに、サーバ10は、アクセス権を有するクライアントから更新された文書データを受信すると、更新文書データを記憶し、文書更新通知を通知先であるクライアントに対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、更新可能な文書を管理する文書管理方法及び文書管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の文書を管理する文書管理装置として、廃棄日を指定されて登録された文書に対して、廃棄日と不要文書検索日とを比較することにより不要文書を判定し、判定された不要文書を削除することは公知である(特許文献1参照)。また、複製により作成された文書と、複製の元となった文書との関係を表すテーブルを格納し、複製履歴を表示することは公知である(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平2−310668号公報
【特許文献2】特開平5−324438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例においては、例えば文書の内容の一部を更新して新たな文書を作成した場合に、内容が類似している不要な文書が抑止されることなく保存されてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、文書が更新されることにより不要になる文書の廃棄を促すことができる文書管理方法及び文書管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴とするところは、更新可能な文書データと、所定の情報を通知すべき通知先を示す通知先データとを記憶し、文書データが更新された場合に、所定の情報を前記通知先データに応じて通知先へ通知する文書管理方法にある。即ち、文書データが更新された場合に、所定の情報が通知先データに応じて通知されるので、文書が更新されることにより不要になる文書のユーザによる廃棄を促すことができる。
【0007】
好適には、文書データが更新された場合に、文書データの更新及び文書データの廃棄指示の少なくともいずれかを前記通知先データに応じて通知先へ通知する。
【0008】
また、好適には、文書データの複製が作成された場合、文書データの複製を作成した装置を、文書データが更新された場合に所定の情報を通知すべき通知先に加える。したがって、文書データの複製を作成した装置に対しても、文書データが更新された場合に、所定の情報が通知先データに応じて通知されるので、文書が更新されることにより不要になる文書のユーザによる廃棄を促すことができる。
【0009】
また、本発明の第2の特徴とするところは、更新可能な文書データ、及び所定の情報を通知すべき通知先を示す通知先データを記憶する記憶手段と、この記憶手段が記憶する文書データを更新する文書データ更新手段と、前記記憶手段が記憶する文書データを前記文書データ更新手段が更新した場合に、前記記憶手段が記憶する通知先データに応じて所定の情報を通知先へ送信する送信手段と、前記送信手段が送信した所定の情報を通知先で受信する受信手段とを有する文書管理システムにある。即ち、記憶手段が記憶する文書データが更新された場合に、所定の情報が通知先データに応じて送受されるので、文書が更新されることにより不要になる文書のユーザによる廃棄を促すことができる。
【0010】
好適には、前記記憶手段が記憶する文書データが更新された場合に、前記送信手段は、前記記憶手段が記憶する文書データが更新されたことを示す情報を通知先へ送信する。
【0011】
また、好適には、前記記憶手段が記憶する文書データの複製を作成する複製作成手段をさらに有し、前記複製作成手段が文書データの複製を作成した場合、前記記憶手段は、前記複製作成手段を通知先とする通知先データをさらに記憶する。したがって、複製作成手段が文書データの複製を作成しても、文書データが更新された場合に、所定の情報が通知先データに応じて通知されるので、文書が更新されることにより不要になる文書のユーザによる廃棄を促すことができる。
【0012】
また、好適には、前記複製作成手段が文書データの複製を作成した後に、前記記憶手段が記憶する文書データが更新された場合、前記送信手段は、前記複製作成手段が作成した文書データの複製の破棄を指示する情報を、前記複製作成手段を通知先とする通知先データに応じて通知先へ送信する。したがって、複製作成手段が文書データの複製を作成しても、文書データが更新された場合に、文書データの複製の破棄が指示されるので、文書が更新されることにより不要になる文書の廃棄を促すことができる。
【0013】
また、好適には、文書データの複製を削除する複製削除手段をさらに有し、前記記憶手段が記憶する文書データが更新された場合に、前記複製削除手段は、前記複製作成手段が作成した文書データの複製を削除する。したがって、記憶手段が記憶する文書データが更新された場合、ユーザが文書データの複製を削除しなくても、複製削除手段が文書データの複製を削除するので、文書の更新により生じた不要文書が保存されることを防止することができる。
【0014】
また、好適には、前記記憶手段が記憶する文書データが更新された場合に、前記送信手段は、前記記憶手段が記憶する通知先データに応じて、更新された文書を通知先へ送信する。即ち、記憶手段が記憶する文書データが更新された場合、ユーザが指示することなく、通知先データに応じて更新された文書が送信される。
【0015】
また、好適には、前記複製削除手段が文書データの複製を削除した場合、前記記憶手段は、前記複製削除手段が文書データの複製を削除した旨をさらに記憶する。また、好適には、前記複製削除手段が文書データの複製を削除した場合に、前記複製削除手段が文書データの複製を削除した旨を示す情報を出力する情報出力手段をさらに有する。また、好適には、前記情報出力手段の出力を制御する制御手段をさらに有する。したがって、文書データの複製の削除の管理を容易にすることができる。
【0016】
また、好適には、前記記憶手段が記憶する文書データに応じて文書を印刷する印刷手段をさらに有し、前記印刷手段が文書を印刷した場合、前記記憶手段は、前記印刷手段を通知先とする通知先データをさらに記憶する。即ち、印刷された文書に対しても、記憶手段が記憶する文書データが更新された場合、所定の情報が通知先データに応じて通知されるので、文書が更新されることにより不要になる文書のユーザによる廃棄を促すことができる。
【0017】
また、好適には、前記印刷手段が文書を印刷した後に、前記記憶手段が記憶する文書データが更新された場合、前記送信手段は、前記印刷手段が印刷した文書の破棄を指示する情報を、前記印刷手段を通知先とする通知先データに応じて通知先へ送信する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、文書が更新されることにより不要になる文書の廃棄を促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本発明の実施形態に係る文書管理システム1の構成が示されている。図1に示すように、文書管理システム1は、例えばネットワーク2を介して接続されたサーバ10と、PC(パーソナルコンピュータ)12,14,16及びプリンタ18などの複数のクライアントとを有する。
【0020】
サーバ10は、後述する文書管理データベース3を記憶する記憶装置及びCPU(共に図示せず)を具備すると共に、文書管理システム1を構成する複数のクライアントを管理・制御する。
【0021】
PC12,14,16それぞれは、固有のクライアントIDが設定されており、文書を作成及び更新(改版・上書き)等することができるようにされている。クライアントIDは、例えば各クライアントのIPアドレス、MACアドレス、メールアドレス又は電話番号(FAX番号)などであってもよい。また、PC12,14,16は、それぞれ例えば同じ機能を有し、サーバ10の制御に応じて文書管理データベース3にアクセスすることができるようにされており、例えば作成した文書に文書固有のID(文書ID)を付して文書データを生成し、文書IDにクライアントIDを対応づけることにより、文書データに対するクライアントのアクセス権を設定して、文書データ及び文書IDに対応づけたクライアントIDをサーバ10に対して送信する。
【0022】
プリンタ18は、例えばファクシミリ、複写機などの機能を具備する複合機であり、固有のクライアントIDが設定されている。また、プリンタ18は、サーバ10又はPC12,14,16の制御に応じて文書などの画像を印刷する。
このように、各クライアントには固有のクライアントIDが設定されており、文書データに含まれる文書IDに対応付けられたクライアントIDを設定されているクライアントが文書データに対してアクセス権を有するように設定される。例えばPC12は、文書IDに自己のクライアントID、PC14のクライアントID及びプリンタ18のクライアントIDを対応づけて、文書データと共にサーバ10に対して送信することにより、PC12が送信した文書に対してPC12,14及びプリンタ18にアクセス権を付与する。
【0023】
図2において、サーバ10内に記憶されている文書管理データベース3の構成が示されている。
図2に示すように、文書管理データベース3は、例えば第1の文書データベース30及び第2の文書データベース32から構成される。第1の文書データベース30及び第2の文書データベース32は、それぞれ文書データ記憶領域300、アクセス権・通知先データ記憶領域302及びログ情報記憶領域304を有する。
【0024】
文書データ記憶領域300は、例えばPC12,14,16から送信される文書データを記憶する。なお、PC12,14,16から送信される文書データには、上述したように例えば文書IDが含まれている。
アクセス権・通知先データ記憶領域302は、PC12,14,16が文書データと共に送信するクライアントIDを文書IDごとに対応させて記憶する。また、アクセス権・通知先データ記憶領域302にクライアントIDを記憶されたクライアントは、文書IDにより特定される文書データに対するアクセス権を有すると共に、サーバ10の制御により、文書IDにより特定される文書データが更新された場合に、文書データが更新された旨などを示す情報が通知されるべき通知先となる。つまり、アクセス権・通知先データ記憶領域302に記憶されたクライアントIDは、文書IDにより特定される文書データが更新された場合に情報を通知するための通知先データにもなっている。
第1の文書データベース30及び第2の文書データベース32のログ情報記憶領域304は、PC12,14,16が文書管理データベース3に対してアクセスした履歴をそれぞれログ情報として記憶する。
【0025】
次に、PC12,14,16が実行する各動作について、PC12,14を例にして説明する。
図3は、PC12が文書を作成し、文書管理データベース3に登録する処理(S10)を示すフローチャートである。
図3に示すように、ステップ100(S100)において、PC12は、ユーザの操作に応じて文書を作成する。
【0026】
ステップ102(S102)において、PC12は、S100の処理で作成した文書、又は記憶している文書からサーバ10に登録する文書をユーザの操作に応じて指定する。
【0027】
ステップ104(S104)において、PC12は、例えば文書管理データベース3の第1の文書データベース30又は第2の文書データベース32のいずれかを、ユーザの操作に応じて文書の登録先データベース(登録先DB)として指定する。
【0028】
ステップ106(S106)において、PC12は、ユーザの操作に応じてクライアントIDを指定することにより、文書管理システム1を構成する任意のクライアントに対し、登録する文書データに対するアクセス権を設定する。例えばPC12は、PC12(自己)及びPC14のクライアントIDを指定することにより、登録する文書データに対するアクセス権をPC12,14に対して設定する。
【0029】
ステップ108(S108)において、PC12は、S100の処理で作成した文書に対して固有の文書IDを生成し、文書IDを含む文書データを生成する。
【0030】
ステップ110(S110)において、PC12は、文書(文書ID含む)、アクセス権、登録先DB情報、及び文書を登録するクライアントを示す登録クライアントIDを示すデータをサーバ10に対して送信する。
【0031】
ステップ112(S112)において、PC12は、S110の処理により送信したデータを受信したサーバ10から、文書登録通知を受信する。
【0032】
図4は、PC12が作成した文書をPC14が取得する処理(S20)を示すフローチャートである。
図4に示すように、ステップ200(S200)において、PC14は、ユーザの操作に応じて取得すべき文書が登録されている登録先DBを指定する。
【0033】
ステップ202(S202)において、PC14は、取得すべき文書が登録されている登録先DB情報、PC14(自己)のクライアントID、取得すべき文書の文書IDを示すデータを伴う文書データ送信要求をサーバ10に対して送信する。
【0034】
ステップ204(S204)において、PC14は、サーバ10からアクセス(取得)許可を受信したか否かを判定し、受信した場合にはS206の処理に進み、受信しない場合には処理を終了する。例えば、PC12がPC14のクライアントIDを送信することにより、PC14にアクセス権を付与している場合には、PC14は、サーバ10からアクセス(取得)許可を受信し、S206の処理に進む。
【0035】
ステップ206(S206)において、PC14は、サーバ10から送信される文書データを受信することにより、PC12が作成した文書の複製を取得する。
【0036】
図5は、PC12が作成し、PC14が取得した文書を更新する処理(S30)を示すフローチャートである。
図5に示すように、ステップ300(S300)において、PC14は、S20の処理などにより取得した文書をユーザの操作に応じて変更し、文書の改版・上書きを行う。
【0037】
ステップ302(S302)において、PC14は、S300の処理で変更した文書を登録する登録先DBをユーザの操作に応じて指定する。
【0038】
ステップ304(S304)において、文書を更新登録する登録先DB情報、PC14(自己)のクライアントID、更新登録する文書の文書IDを示すデータをサーバ10に対して送信し、文書データの更新要求を行う。
【0039】
ステップ306(S306)において、PC14は、サーバ10からアクセス(更新)許可を受信したか否かを判定し、受信した場合にはS308の処理に進み、受信しない場合には処理を終了する。例えば、PC12がPC14のクライアントIDを送信することにより、PC14にアクセス権を付与している場合には、PC14は、サーバ10からアクセス(更新)許可を受信し、S308の処理に進む。
【0040】
ステップ308(S308)において、PC14は、更新文書データ(文書ID含む)をサーバ10に対して送信する。
【0041】
ステップ310(S310)において、PC14は、S308の処理により送信したデータを受信したサーバ10から、文書更新通知を受信する。
【0042】
図6は、PC12が作成した文書をPC12が廃棄(削除)する処理(S40)を示すフローチャートである。
図6に示すように、ステップ400(S400)において、PC12は、ユーザの操作に応じて廃棄すべき文書が登録されている登録先DBを指定する。
【0043】
ステップ402(S402)において、PC12は、廃棄すべき文書が登録されている登録先DB情報、PC12(自己)のクライアントID、廃棄すべき文書の文書IDを示すデータをサーバ10に対して送信し、旧文書データの廃棄要求を行う。
【0044】
ステップ404(S404)において、PC12は、サーバ10からアクセス(削除)許可を受信したか否かを判定し、受信した場合にはS406の処理に進み、受信しない場合には処理を終了する。例えば、PC12がPC12(自己)のクライアントIDを送信し、自己にアクセス権を付与している場合には、PC12は、サーバ10からアクセス(削除)許可を受信し、S406の処理に進む。
【0045】
ステップ406(S406)において、PC12は、指定した登録先DBに登録されている旧(更新前)文書データをサーバ10が廃棄するように、サーバ10に対してデータ廃棄(削除)指示を送信する。
【0046】
ステップ408(S408)において、PC12は、S406の処理により送信した指示を受信したサーバ10から、文書廃棄通知を受信する。
【0047】
次に、サーバ10が実行する各動作について説明する。
図7は、例えばPC12が送信した文書をサーバ10が保存(記憶)する処理(S50)を示すフローチャートである。
図7に示すように、ステップ500(S500)において、サーバ10は、PC12が送信した文書(文書ID含む)、アクセス権、登録先DB情報、及び文書を登録するクライアントを示す登録クライアントIDを示すデータを受信する。
【0048】
ステップ502(S502)において、サーバ10は、S500の処理で受信した登録先DB情報に応じて、受信した文書データ(文書ID含む)を登録先DBの文書データ記憶領域300に保存する。
【0049】
ステップ504(S504)において、サーバ10は、S500の処理で受信したアクセス権(文書IDに対応づけられたクライアントID)を指定された登録先DBのアクセス権・通知先データ記憶領域302に記憶する。
【0050】
ステップ506(S506)において、サーバ10は、例えばS500の処理で受信した各情報を相互に関連付ける。例えば、サーバ10は、文書データと文書データの登録を要求したクライアントを示す登録クライアントIDとを関連付ける。
【0051】
ステップ508(S508)において、サーバ10は、PC12が文書管理データベース3に対してアクセスした履歴をそれぞれログ情報として記憶する。
【0052】
ステップ510(S510)において、アクセス権を有するクライアントを示すクライアントIDは、上述したように文書データが更新された場合に情報を通知するための通知先データにもなっているので、アクセス権・通知先データ記憶領域302に記憶されているクライアントIDに対応するクライアントそれぞれに対し、サーバ10は文書登録通知を送信する。なお、サーバ10が送信する文書登録通知などの情報は、各クライアントの出力装置(PC12,14,16の表示装置又はプリンタ18が印刷する用紙)などに出力するようにしてもよい。
【0053】
図8は、クライアントが文書管理データベース3に対してアクセス許可を申請した場合に、サーバ10がクライアントのアクセス権の有無を判断する処理(アクセス権限処理:S60)を示すフローチャートである。
図8に示すように、ステップ600(S600)において、サーバ10は、クライアントからのアクセス許可申請の対象となる登録先DB情報、アクセス許可申請をしているクライアントのクライアントID及びアクセス許可申請の対象となる文書の文書IDを示すデータを受信する。
【0054】
ステップ602(S602)において、サーバ10は、アクセス権・通知先データ記憶領域302に記憶されている文書IDごとのクライアントIDと、S600の処理で受信したクライアントID及び文書IDとを比較し、S600の処理で受信したクライアントIDを設定されたクライアントが文書IDにより特定される文書に対してアクセスを許可されているか否かを判定し、アクセスを許可されていない場合にはS604の処理に進み、アクセスを許可されている場合にはS606の処理に進む。
【0055】
ステップ604(S604)において、サーバ10は、文書管理データベース3に対してアクセス許可を申請したクライアントに対して、文書アクセスを許可しない(不許可である)通知を行う。
【0056】
ステップ606(S606)において、サーバ10は、文書管理データベース3に対してアクセス許可を申請したクライアントに対して、文書アクセスを許可する通知を行う。
【0057】
ステップ608(S608)において、サーバ10は、文書管理データベース3に対してアクセス許可を申請したクライアントに対して、文書データを送信する必要があるか否かを判定し、文書データを送信する必要がある場合にはS610の処理に進み、送信する必要がない場合にはS612の処理に進む。例えば、クライアントが文書データを取得するために、文書管理データベース3に対してアクセス許可を申請している場合には、サーバ10はS610の処理に進む。
【0058】
ステップ610(S610)において、サーバ10は、アクセス許可を申請したクライアントに対して文書データの複製を送信する。
【0059】
ステップ612(S612)において、サーバ10は、PC12が文書管理データベース3に対してアクセスした履歴をそれぞれログ情報として記憶する。
【0060】
図9は、文書管理データベース3に記憶されている文書データをサーバ10が更新する処理(S70)を示すフローチャートである。
図9に示すように、S60(図8参照)において、サーバ10は、アクセス許可を申請したクライアントのアクセス権の有無を判断する処理(アクセス権限処理)を行う。
【0061】
ステップ700(S700)において、サーバ10は、文書IDに基づいて更新対象の文書データを特定する。
【0062】
ステップ702(S702)において、サーバ10は、アクセス許可をしたクライアントから更新文書データ(文書ID含む)を受信する。
【0063】
ステップ704(S704)において、サーバ10は、S702の処理で受信した更新文書データ(文書ID含む)を文書データ記憶領域300に保存する。
【0064】
ステップ706(S706)において、アクセス権・通知先データ記憶領域302に記憶されているクライアントIDに対応するクライアントそれぞれに対し、サーバ10は、例えば文書更新通知又は旧(更新前)文書データの廃棄を指示する情報を送信する。
【0065】
ステップ708(S708)において、アクセス許可をしたクライアントが文書管理データベース3に対してアクセスした履歴をそれぞれログ情報として記憶する。
【0066】
図10は、文書管理データベース3に記憶されている文書データをサーバ10が廃棄する処理(S80)を示すフローチャートである。
図10に示すように、S60(図8参照)において、サーバ10は、アクセス許可を申請したクライアントのアクセス権の有無を判断する処理(アクセス権限処理)を行う。
【0067】
ステップ800(S800)において、サーバ10は、アクセス許可を申請したクライアントから文書データの廃棄(削除)指示を受信する。
【0068】
ステップ802(S802)において、サーバ10は、廃棄対象の文書データが更新済みか否かを判定し、更新済みでない場合にはS804の処理に進み、更新済みである場合にはS806の処理に進む。
【0069】
ステップ804(S804)において、サーバ10は、文書データの廃棄(削除)指示を送信したクライアントに対し、文書データの削除が不可である通知を行う。
【0070】
ステップ806(S806)において、サーバ10は、文書管理データベース3に記憶されている旧(更新前)文書データを削除する。
【0071】
ステップ808(S808)において、サーバ10は、アクセス権・通知先データ記憶領域302に記憶されている通知先のクライアントに対し、文書廃棄通知を送信する。
【0072】
ステップ810(S810)において、サーバ10は、文書データの廃棄(削除)指示を送信したクライアントが文書管理データベース3に対してアクセスした履歴をそれぞれログ情報として記憶する。
【0073】
次に、文書管理システム1の全体動作例について説明する。
図11は、文書データが更新されることによって不要になった文書を文書管理システム1が廃棄する処理例を示す処理シーケンス図である。
図11に示すように、例えばクライアントAであるPC12は、文書作成・登録の処理を行うことにより、サーバ10に対して、文書データ(文書ID含む)、アクセス権(文書IDに対応づけられたクライアントID)、登録先DB情報、及び文書を登録するクライアントを示す登録クライアントIDを示すデータを送信する。例えばPC12は、文書データに対するアクセス権をPC12(自己)及びPC14に付与し、PC12,14が通知先となるようにクライアントIDを送信する。
【0074】
サーバ10は、PC12からデータを受信すると、文書保存の処理を行うことにより、文書データ、文書データのアクセス権及びログ情報(アクセス履歴)を文書管理データベース3に記憶し、通知先であるPC12,14に対して文書登録通知を送信する。
【0075】
サーバ10から文書登録通知を受信したPC14は、例えば文書データを取得して更新するために、アクセス許可申請の対象となる登録先DB情報、PC14のクライアントID及びアクセス許可申請の対象となる文書の文書IDを示すデータを伴う文書データ送信要求をサーバ10に対して送信することにより、アクセス許可を申請する。
【0076】
サーバ10は、文書データの送信を要求するためのアクセス許可の申請を受信すると、アクセス権限処理を行うことにより、PC14がアクセス権を有することを判定し、文書アクセス許可の通知及び文書データをPC14に対して送信する。
【0077】
次に、PC14は、受信した文書データを変更する文書更新の処理により、更新文書データをサーバ10に対して送信する。
なお、PC14は、PC12が作成した文書データを受信する場合に、サーバ10によりアクセス権限処理が行われているので、例えばサーバ10がログ情報を用いることにより、新たにアクセス権限処理を行われることなく、サーバ10に対して更新文書データを送信できるようにされてもよい。
【0078】
サーバ10は、PC14から受信した更新文書データ文書更新処理を行い、更新文書データを文書管理データベース3に記憶し、例えば文書更新通知を通知先であるPC12,14に対して送信する。
【0079】
次に、サーバ10から文書更新通知を受信したPC12は、文書管理データベース3に記憶されている旧(更新前)文書データを廃棄するために、アクセス許可申請の対象となる登録先DB情報、PC12のクライアントID及びアクセス許可申請の対象となる文書の文書IDを示すデータを伴う旧文書データの廃棄要求をサーバ10に対して送信することにより、アクセス許可を申請する。
【0080】
サーバ10は、旧文書データを廃棄するためのアクセス許可の申請を受信すると、アクセス権限処理を行うことにより、PC12がアクセス権を有することを判定し、文書アクセス許可の通知をPC12に対して送信する。
【0081】
次に、PC12は、文書管理データベース3に記憶されている旧(更新前)文書データをサーバ10が廃棄するように、サーバ10に対してデータ廃棄(削除)指示を送信する。
【0082】
サーバ10は、データ廃棄(削除)指示をPC12から受信すると、文書管理データベース3に記憶されている旧文書データを文書廃棄処理により廃棄し、文書廃棄通知を通知先であるPC12,14に対して送信する。
【0083】
なお、図11に示した文書管理システム1の全体動作例においては、サーバ10がPC12から文書廃棄指示を受信することにより、文書廃棄処理を行って旧文書データを廃棄する例を示したが、これに限定されることなく、例えばサーバ10は、PC14から更新文書データが送信されることにより、文書管理データベース3に記憶されている旧文書データを廃棄するようにしてもよいし、さらに、通知先であるPC12などに記憶されている旧文書データをサーバ10が廃棄(削除)し、廃棄した結果をログ情報記憶領域304が記憶するようにしてもよい。
【0084】
また、プリンタ18がサーバ10に対して文書データを要求して文書データに応じた文書を印刷した場合、文書管理システム1は、プリンタ18のクライアントIDをアクセス権・通知先データ記憶領域302に記憶し、文書データ記憶領域300に記憶されている文書データが更新されると、プリンタ18が文書更新通知などを印刷するようにされてもよい。また、文書データ記憶領域300に記憶されている文書データが更新されると、通知先である各クライアントに対し、サーバ10が更新された文書データを送信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施形態に係る文書管理システムの構成を示す構成図である。
【図2】サーバ内に記憶されている文書管理データベースの構成を示す構成図である。
【図3】PCが文書を作成し、文書管理データベースに登録する処理(S10)を示すフローチャートである。
【図4】PCが作成した文書をPCが取得する処理(S20)を示すフローチャートである。
【図5】PCが作成し、PCが取得した文書を更新する処理(S30)を示すフローチャートである。
【図6】PCが作成した文書をPCが廃棄(削除)する処理(S40)を示すフローチャートである。
【図7】PCが送信した文書をサーバが保存(記憶)する処理(S50)を示すフローチャートである。
【図8】クライアントが文書管理データベースに対してアクセス許可を申請した場合に、サーバがクライアントのアクセス権の有無を判断する処理(アクセス権限処理:S60)を示すフローチャートである。
【図9】文書管理データベースに記憶されている文書データをサーバが更新する処理(S70)を示すフローチャートである。
【図10】文書管理データベースに記憶されている文書データをサーバが廃棄する処理(S80)を示すフローチャートである。
【図11】文書データが更新されることによって不要になった文書を文書管理システムが廃棄する処理例を示す処理シーケンス図である。
【符号の説明】
【0086】
1・・・文書管理システム
10・・・サーバ
12,14,16・・・PC
18・・・プリンタ
2・・・ネットワーク
3・・・文書管理データベース
30・・・第1の文書データベース
32・・・第2の文書データベース
300・・・文書データ記憶領域
302・・・アクセス権・通知先データ記憶領域
303・・・ログ情報記憶領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
更新可能な文書データと、所定の情報を通知すべき通知先を示す通知先データとを記憶し、文書データが更新された場合に、所定の情報を前記通知先データに応じて通知先へ通知することを特徴とする文書管理方法。
【請求項2】
文書データが更新された場合に、文書データの更新及び文書データの廃棄指示の少なくともいずれかを前記通知先データに応じて通知先へ通知することを特徴とする請求項1記載の文書管理方法。
【請求項3】
文書データの複製が作成された場合、文書データの複製を作成した装置を、文書データが更新された場合に所定の情報を通知すべき通知先に加えることを特徴とする請求項1又は2記載の文書管理方法。
【請求項4】
更新可能な文書データ、及び所定の情報を通知すべき通知先を示す通知先データを記憶する記憶手段と、この記憶手段が記憶する文書データを更新する文書データ更新手段と、前記記憶手段が記憶する文書データを前記文書データ更新手段が更新した場合に、前記記憶手段が記憶する通知先データに応じて所定の情報を通知先へ送信する送信手段と、前記送信手段が送信した所定の情報を通知先で受信する受信手段とを有することを特徴とする文書管理システム。
【請求項5】
前記記憶手段が記憶する文書データが更新された場合に、前記送信手段は、前記記憶手段が記憶する文書データが更新されたことを示す情報を通知先へ送信することを特徴とする請求項4記載の文書管理システム。
【請求項6】
前記記憶手段が記憶する文書データの複製を作成する複製作成手段をさらに有し、前記複製作成手段が文書データの複製を作成した場合、前記記憶手段は、前記複製作成手段を通知先とする通知先データをさらに記憶することを特徴とする請求項4又は5記載の文書管理システム。
【請求項7】
前記複製作成手段が文書データの複製を作成した後に、前記記憶手段が記憶する文書データが更新された場合、前記送信手段は、前記複製作成手段が作成した文書データの複製の破棄を指示する情報を、前記複製作成手段を通知先とする通知先データに応じて通知先へ送信することを特徴とする請求項6記載の文書管理システム。
【請求項8】
文書データの複製を削除する複製削除手段をさらに有し、前記記憶手段が記憶する文書データが更新された場合に、前記複製削除手段は、前記複製作成手段が作成した文書データの複製を削除することを特徴とする請求項6又は7記載の文書管理システム。
【請求項9】
前記記憶手段が記憶する文書データが更新された場合に、前記送信手段は、前記記憶手段が記憶する通知先データに応じて、更新された文書を通知先へ送信することを特徴とする請求項8記載の文書管理システム。
【請求項10】
前記複製削除手段が文書データの複製を削除した場合、前記記憶手段は、前記複製削除手段が文書データの複製を削除した旨をさらに記憶することを特徴とする請求項8又は9記載の文書管理システム。
【請求項11】
前記複製削除手段が文書データの複製を削除した場合に、前記複製削除手段が文書データの複製を削除した旨を示す情報を出力する情報出力手段をさらに有することを特徴とする請求項8乃至10いずれか記載の文書管理システム。
【請求項12】
前記情報出力手段の出力を制御する制御手段をさらに有することを特徴とする請求項11記載の文書管理システム。
【請求項13】
前記記憶手段が記憶する文書データに応じて文書を印刷する印刷手段をさらに有し、前記印刷手段が文書を印刷した場合、前記記憶手段は、前記印刷手段を通知先とする通知先データをさらに記憶することを特徴とする請求項4又は5記載の文書管理システム。
【請求項14】
前記印刷手段が文書を印刷した後に、前記記憶手段が記憶する文書データが更新された場合、前記送信手段は、前記印刷手段が印刷した文書の破棄を指示する情報を、前記印刷手段を通知先とする通知先データに応じて通知先へ送信することを特徴とする請求項13記載の文書管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−268447(P2006−268447A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−85764(P2005−85764)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】