文書管理装置、文書管理方法およびプログラム
【課題】 紙文書とその紙文書を表すデータを保存する場合に、所望の紙文書を探し出すことを容易にする。
【解決手段】 収納庫70から送信されたタグ識別子を受信し、タグ識別子と収納庫70を特定する情報とを対応付けて記憶させる。次に、受信されたタグ識別子に対応する文書の収納庫70内における位置を表す位置情報を取得する。次に、取得された位置情報に基づいて、収納庫70に収納されているすべての文書の収納庫70内での配置を図示する画像を生成して表示する。抽出された文書データに対応する文書の収納庫70内での位置を強調して表示する。
【解決手段】 収納庫70から送信されたタグ識別子を受信し、タグ識別子と収納庫70を特定する情報とを対応付けて記憶させる。次に、受信されたタグ識別子に対応する文書の収納庫70内における位置を表す位置情報を取得する。次に、取得された位置情報に基づいて、収納庫70に収納されているすべての文書の収納庫70内での配置を図示する画像を生成して表示する。抽出された文書データに対応する文書の収納庫70内での位置を強調して表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙等に記録された文書とその文書を表すデータとを保存する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
紙に印刷された文書を保存するにあたっては、保管場所の確保、文書管理の手間など。様々な問題がある。これらの問題を解決するために、紙文書をスキャナで読み取ることによって電子化し、記憶装置に格納する、いわゆる電子ファイリングが行われるようになった。電子ファイリングによれば、紙文書を保存する場合と比べて少ないスペースで大量のデータを保存することができる。また、文書に関するデータを記憶したデータベースを作成することによって、データの検索・抽出が容易になるという利点もある。
【0003】
ところが、実際には、文書を電子化したにも関わらず、紙文書を廃棄せずに保存しておくケースが少なくない。原本が保存されていれば記憶装置に障害が起こった場合でも安心である。また、手早くページをめくって必要箇所を探し出すことができるといった紙媒体ならではの使い勝手の良さがある。また、原本自体が資料的価値を有するために廃棄できないというケースもある。このような理由から、紙文書とそれを電子化した電子データとをともに保存しておくということが行われる。
【0004】
ところで、紙文書の保存においては、紙文書が必要になったときにその保管場所がわかるように、文書名と保管場所とを対応付けて記憶するデータベースなどが用いられる。しかしながら、現実には、紙文書の使用後に誤って所定の保管場所と異なる場所に返却してしまい、次回の使用の際にその紙文書の所在がわからなくなってしまうといった事態が生じ得る。そこで、このような問題を解決するための技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、紙文書にRFID(Radio Frequency Identification)タグを付しておき、紙文書を電子化して得られた電子データとタグのIDとを記憶手段に記憶させておく。紙文書を収納する書棚にはタグのIDを読み取るタグリーダが設けられており、紙文書が書棚に収納されたときに、タグのIDと位置情報を読み取って記憶手段に記憶させる。これによって、任意の場所に収納された紙文書の位置を表す情報が記憶され、タグのIDを用いて紙文書の収納場所を知ることができるようになる。
【0005】
しかし、紙文書と電子データとの保存においてはさらに改善の余地がある。例えば、特許文献1における記憶手段に記憶されている位置情報は、書棚の場所や書棚を識別する番号などの情報が提供されるだけであり、そのような情報に基づいて実際に書棚の中の文書を探し出すには手間がかかるものである。
【特許文献1】特開2003−242158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、紙文書とその紙文書を表すデータを保存する場合に、所望の紙文書を容易に探し出すことのできる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明は、文書の内容を表す文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する文書記憶手段と、前記文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて前記文書記憶手段に記憶させる記憶手段と、前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書の前記収納庫内における位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記収納庫に収納されている文書の前記収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する表示手段と、前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の前記収納庫内での位置を、前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記表示手段で表示された画像上で強調して表示する強調表示手段とを有することを特徴とする文書管理装置を提供する。
【0008】
上記の文書管理装置によれば、まず、受信手段により、文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する。次に、記憶手段が、受信手段が受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて文書記憶手段に記憶させる。次に、位置情報取得手段が、受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書の収納庫内における位置を表す位置情報を取得する。次に、表示手段が、位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、収納庫に収納されている文書の収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する。次に、強調表示手段が、受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の収納庫内での位置を、位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、表示手段で表示された画像上で強調して表示する。
【0009】
また、本発明は、文書の内容を表す文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する文書記憶ステップと、前記文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する受信ステップと、前記受信ステップで受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて記憶する記憶ステップと、前記受信ステップで受信されたタグ識別子に対応する文書の前記収納庫内における位置を表す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記位置情報取得ステップで取得された位置情報に基づいて、前記収納庫に収納されている文書の前記収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する表示ステップと、前記受信ステップで受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の前記収納庫内での位置を、前記位置情報取得ステップで取得された位置情報に基づいて、前記表示ステップで表示された画像上で強調して表示する強調表示ステップとを有することを特徴とする文書管理方法を提供する。
【0010】
また、本発明は、コンピュータ装置を、文書の内容を表す文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する文書記憶手段と、前記文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて前記文書記憶手段に記憶させる記憶手段と、前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書の前記収納庫内における位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記収納庫に収納されている文書の前記収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する表示手段と、前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の前記収納庫内での位置を、前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記表示手段で表示された画像上で強調して表示する強調表示手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、紙文書とその紙文書を表すデータを保存する場合に、所望の紙文書を容易に探し出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<構成>
図1は、本発明の実施形態の全体構成を示す図である。図2は、文書管理装置10のハードウェア構成を示す図である。ROM(Read Only Memory)13または記憶部14には、OS(Operating System)等のプログラムが記憶されている。CPU(Central Processing Unit)11は、プログラムを読み出して実行することにより、文書管理装置10の各部を制御する。RAM(Random Access Memory)12は、CPU11がプログラムを展開して実行するためのワークエリアとして用いられる。記憶部14は例えばハードディスクドライブであり、後述する文書管理の手順を記述したプログラムが記憶されている。通信I/F(インターフェイス)15は、文書管理装置10と外部の機器との間でのデータの送受信を仲介する。指示入力部16は、キーボード、タッチパネル機能を備えた液晶パネルなど(図示省略)からなり、文書管理装置10を操作するための指示を入力することができる。
【0013】
給紙部17は、記録シートを収納する複数のトレイ(図示省略)を備えている。複数のトレイのうちの1つには、後述するフェイスシート30が収納されており、他のトレイには通常の記録紙が収納されている。
表示部18は、CRT(Cathode Ray Tube)あるいは液晶パネルであり、後述する収納庫70における文書の配置を図示する。
【0014】
画像読取部50は、文書を光学的に読み取って、ビットマップ形式の文書画像データを生成するスキャナである。画像読取部50は、プラテン、光源、受光素子、信号処理部(図示省略)を有し、プラテン上に載置された文書に光源により光を照射し、その反射光を受光素子で受光し、画像信号を生成する。そして、この画像信号を信号処理部で画像データに変換して出力する。
【0015】
画像形成部60は、例えば電子写真方式によって画像を形成するプリンタであり、画像データに基づいて記録シート表面にトナー像を形成する。
文書管理装置10には、通信I/F15を介して記憶装置40が接続されている。記憶装置40はハードディスクドライブを備え、文書DB(データベース)が記憶されている。文書DBには、文書管理装置10から送信された文書データおよびそれに関連するデータが対応付けられて格納される。
【0016】
図3は、文書DBの構成を示す図である。文書DBには、文書を一意に識別する文書識別子、当該文書に添付されたフェイスシート30に付されているRFIDタグを一意に識別するタグ識別子、当該文書の保管場所、当該文書に施された処理の内容、タイトルや目次など当該文書の特徴を表す情報が当該文書を表す文書データと対応付けられて記憶されている。
【0017】
文書管理装置10には、RFIDタグに書き込まれているデータを読み取るタグリーダ20および21と、RFIDタグにデータを書き込むタグライタ22が備えられている。タグリーダ20は画像読取部50の近傍に設けられており、画像読取部50のプラテン上に文書または文書の格納されたバインダが載置されたときに、文書に添付されているフェイスシート30に付されているRFIDタグまたはバインダに付されているRFIDタグからデータを読み取る。一方、タグリーダ21およびタグライタ22は、画像形成部60の近傍に設けられている。
【0018】
文書管理装置10は、CPU11がプログラムを実行することによって図4に示す各手段として機能する。
文書取得手段101は、文書を読み取ることにより生成された文書画像データを取得する手段である。具体的には、CPU11が画像読取部50を制御することによって画像読取部50に文書を読み取らせ、読み取った文書を表す文書画像データを生成させる。
文書識別子生成手段102は、文書を一意に識別する文書識別子を生成する手段である。文書識別子生成手段102は、予め定められたコード体系に従って、文書を一意に識別する文書識別子を生成する。このコード体系は、文書DBに登録された順番を表す通し番号でもよいし、ユーザが任意に定めたコード体系でもよい。
【0019】
タグ識別子生成手段103は、文書に添付するフェイスシート30に付されたRFIDタグを一意に識別するタグ識別子を生成する手段である。
文書記憶手段104は、文書データとタグ識別子と文書識別子とを対応付けて記憶する手段である。具体的には、CPU11は、文書データとタグ識別子と文書識別子とを対応付けて記憶装置40に出力する。記憶装置40には文書DBが記憶されており、記憶手段104から出力された文書データとタグ識別子と文書識別子とが対応付けられて文書DBに記憶される。
【0020】
書込手段105は、タグライタ22を用いてRFIDタグにデータを書き込む手段である。
読取手段106は、タグリーダ20または21を用いてRFIDタグに書き込まれているデータを読み取る手段である。
画像形成手段107は、画像形成部60を用いてフェイスシート30表面に画像を形成する手段である。具体的には、CPUが画像形成部60に画像データを供給し、供給された画像データに基づいて画像形成部60が記録シート表面に画像を形成する。
【0021】
情報抽出手段108は、文書データで表される文書画像を解析し、当該文書の特徴を表す文書情報を抽出する手段である。情報抽出手段108は、公知のレイアウト解析手法によって文書のレイアウトを解析し、さらに、公知の文字認識手段を用いて文字列を抽出し、文書のタイトル、見出し、図表のタイトルなどの文書情報を抽出する。そして、抽出された文書情報を表す画像が画像形成部60によってフェイスシート30表面に形成される。あるいは、抽出された情報がフェイスシート30に付されたRFIDタグに書込手段105によって書き込まれる。あるいは、抽出された情報が記憶手段により文書データと対応付けられて記憶装置40に出力される。
【0022】
受信手段109は、外部から送信されたデータを受信する手段である。具体的には、受信手段109は、文書を収納する収納庫70などから送信されたデータを受信する。
位置情報取得手段110は、受信手段109で受信されたタグ識別子に対応する文書の収納庫70内における位置を表す位置情報を取得する手段である。
【0023】
図7は、収納庫70の構成を示す図である。収納庫70は、左右の側板71、天板72、底板73、棚板74から構成されている。収納庫70内部は、1または複数の棚板74によって区切られている。図8は棚板74の構成を示す図である。なお、底板73は棚板74の機能も兼ね備えており、これ以降の説明においては、棚板74と底板73とを棚板74と総称する。棚板74の各々には、RFIDタグからデータを読み取るタグリーダ75およびアンテナ76、読み取られたデータを送信する通信制御部77が設けられている。タグリーダ75は数cm間隔で設けられている。この間隔は、バインダ35の標準的な厚さ(例えば、5cm程度)と等しくなるように定められている。そして、タグリーダ75の各々の受信可能範囲は、隣接するタグリーダ75の受信可能範囲と重複しないようになっている。これによって、2つ以上のタグリーダ75によって同一のタグ識別子を重複して読み取らないようになっている。
【0024】
タグリーダ75は、収納庫70に収納されている文書のフェイスシート30あるいはバインダ35に付されているRFIDタグ31あるいは36からタグ識別子を一定時間間隔で読み取り、読み取ったタグ識別子と当該収納庫70を識別する情報、例えば予め収納庫70に与えられた識別番号を文書管理装置10に送信する。このとき、タグリーダ75は、当該タグリーダを識別するタグリーダ識別子も一緒に送信する。文書管理装置10は、収納庫70に設けられた各タグリーダ75の収納庫70内における位置を表す位置情報をタグリーダ識別子と対応付けて記憶部14に記憶している。この位置情報は、例えば、収納庫70の左下隅を原点とする座標値である。文書管理装置70は、タグリーダ75からデータを受信すると、そのデータに含まれるタグリーダ識別子に対応する位置情報を記憶部14から読み出す。この位置情報で表される位置は、当該タグリーダでタグ識別子を読み取られた文書の位置を表す。このようにして、収納庫70に収納されているすべての文書について位置情報を取得する。
【0025】
表示手段111は、位置情報取得手段110で取得された位置情報に基づいて、収納庫70に収納されているすべての文書の収納庫70内での配置を図示するとともに文書情報を表す画像を生成して表示する手段である。文書管理装置は、予め、収納庫70の正面からの外観を模式的に図化するための画像データを記憶しており、収納庫70に文書が収納されている画像を作成する。このとき、各文書の位置情報で表される位置を画像上に位置に変換し、収納庫70に文書が収納されている画像を作成する。また、このとき、各文書の背表紙に相当する位置に、上述の文書情報(例えば、タイトル)を表示するのも好ましい。図10は、表示手段によって表示された画像の例を示す図である。
【0026】
さらに、表示手段111は、文書記憶手段104から抽出された文書データに対応する文書の収納庫70内での位置を、位置情報取得手段110で取得された位置情報に基づいて、表示手段111で表示された画像上で強調して表示する強調表示手段112を有する。例えば、バインダ35の輪郭とその内部をハイライト表示する。
また、表示手段111は、表示された画像上での位置を指定する位置指定手段と、位置指定手段で指定された位置にある文書に対応する文書データを文書記憶手段104から抽出する抽出手段とを有する。具体的には、画面上に表示されているいずれかのバインダの画像にマウスのカーソルを移動しクリックすると、クリックされた点の画像内における位置を求め、この位置を収納庫70内における位置に変換し、この位置に対応する文書の文書データを文書DBから読み出す。そして、読み出された文書データに基づいて、文書の内容を表示部に表示する。
【0027】
図5は、本実施形態におけるフェイスシート30の例を示す図である。フェイスシート30は、文書に添付する表紙であり、例えば、JIS(日本工業規格)A4サイズの紙、プラスチックフィルムなど任意の材料で作成されている。フェイスシート30の表面の底辺付近にはRFIDタグ31が付されている。RFIDタグ31は、書き込まれたデータを保持する不揮発性の半導体メモリ、アンテナまたはアンテナとして機能するコイル等(図示省略)からなり、外部の機器との間でマイクロ波、誘導電磁界等を用いて通信を行うことができる。フェイスシート30にRFIDタグ31を付す方法はいかなる方法を用いてもよい。例えば、粘着性を有する材料で両者を接着してもよいし、フェイスシート30に半導体メモリおよびアンテナからなる回路基板を印刷してもよい。あるいは、超小型のRFIDタグを紙の繊維の間に埋め込んでもよい。
【0028】
図6は、複数の文書を綴じて保存するためのバインダ35の例を示す図である。バインダ35は、文書に開けられたパンチ孔にリング状または棒状の部材を挿通させることにより、複数の文書をまとめて保管することができる。バインダ35には、フェイスシート30に付されているのと同様の構成を有するRFIDタグ36が付されている。
【0029】
<動作>
次に、上記の構成を有する文書管理装置10の動作について説明する。なお、文書管理装置10はCPU11がプログラムを実行することによって動作する装置であるから、以下の説明においては動作の主体をCPU11とする。
【0030】
<文書画像データの登録>
図9は、文書を読み取って文書画像データを生成し、この文書画像データを記憶装置40に出力するまでのフローを示す図である。
まず、ステップA01では、CPU11は、画像読取部50によって文書の画像を読み取り、文書画像データを生成する。具体的には、ユーザが文書を画像読取部50のプラテン上に載置し、指示入力部16を用いて、文書の読み取りを表す指示を入力する。文書画像データはビットマップ形式の画像データであるが、公知の文字認識手段によって文書画像データに含まれる文字列を抽出し、この文字列を表すテキストデータを文書画像データとともに保存するようにしてもよい。
【0031】
ステップA02では、CPU11は、画像読取部50で読み取った文書を一意に識別する文書識別子を生成する。CPU11は、予め定められたコード体系に従って文書識別子を生成する。文書識別子は、例えば、文書DBへの登録順を表す通し番号などを用いる。
ステップA03では、CPU11は、文書画像を解析することによって、文書の特徴を表す情報を抽出する。例えば、文書のタイトル、見出し、図表のタイトルなどの情報を抽出する。
ステップA04では、CPU11は、画像形成部60を用いて、文書識別子を表す画像をフェイスシート30表面に形成する。このとき、ステップA03で抽出された情報を表す画像をフェイスシート30に形成するようにしてもよい。
【0032】
本実施形態においては、タグ識別子が予め書き込まれていないRFIDタグをも用いることができるように、タグ識別子を生成してRFIDに書き込むことができる構成となっている。ステップA05では、CPU11は、フェイスシート30に付されたRFIDタグ31を一意に識別するタグ識別子を生成する。そして、ステップA06では、CPU11は、ステップA05で生成したタグ識別子をフェイスシート30に付されたRFIDタグ31にタグリーダ21を用いて書き込む。ここで、RFIDタグ31が十分な記憶容量を有しているならば、ステップA03で抽出された情報をタグ識別子とともにRFIDタグ31に書き込むようにしてもよい。
なお、予めタグ識別子が書き込まれたRFIDタグを用いる場合には、タグ識別子をタグリーダ21を用いて読み取る。
【0033】
ステップA07では、文書画像データを文書DBに記憶させる。このとき、当該文書の文書識別子、RFIDタグ31に書き込まれたタグ識別子を文書画像データと対応付けて文書DBに記憶させる。さらに、ステップA03で抽出された情報を文書画像データと対応付けて文書DBに記憶させる。
このようにして文書DBに文書画像データを記憶させることにより、紙などに記録された文書とそれに対応する文書画像データとを対応付けて管理することが可能となる。
【0034】
<バインダ>
次に、上述のバインダ35を用いた文書管理について説明する。バインダ35には1または複数の文書が綴じられている。この文書は、既に文書読取部50で読み取られ、この文書を表す文書画像データが文書DBに記憶されている。文書の各々には上述したフェイスシート30が添付されており、フェイスシート30にはRFIDタグ31が付されている。RFIDタグ31には、RFIDタグ31を一意に識別するタグ識別子が書き込まれている。さらに、バインダ35に付されたRFIDタグ36に書き込まれたタグ識別子には、このRFIDタグ36がバインダ35に付されたものであることを表す識別情報が付加されている。
【0035】
さて、ユーザが文書の綴じられたバインダ35を文書管理装置10のプラテン上に載置し、文書およびバインダ35の登録を表す指示を指示入力部16により入力する。このとき、ユーザがバインダ35を識別するための登録番号やバインダ35のタイトルなどを指示入力部16により入力する。すると、バインダ35およびフェイスシート30に付されているRFIDタグ36および31からタグ識別子がタグリーダ20によって読み取られる。CPU11は、タグリーダ20によって読み取られたタグ識別子を受け取り、上記の識別情報の有無によって、フェイスシート30のRFIDタグ31から読み取られたタグ識別子(第1のタグ識別子)とバインダ35のRFIDタグ36から読み取られたタグ識別子(第2のタグ識別子)とを判別し、第1のタグ識別子と第2のタグ識別子とを対応付けて文書DBに記憶させる。このとき、バインダ35の登録番号やタイトルなどの情報を第2のタグ識別子に対応付けて記憶させる。これによって、文書とバインダ35の対応付けがなされるから、バインダ35の登録番号やタイトルなどの情報を検索キーとして、ユーザが所望の文書画像データを文書DBから抽出することができるようになる。
また、バインダ35に対して文書の入れ替え、追加、破棄を行った場合にも上記の処理を行うようにすれば、バインダ35と文書との対応を表す情報を更新することができる。
【0036】
<収納庫>
次に、上述の収納庫70を用いた文書管理について説明する。収納庫70に備えられているタグリーダ75は、収納庫70に収納されている文書のフェイスシート30あるいはバインダ35に付されているRFIDタグ31、36からタグ識別子を一定時間間隔で読み取り、読み取ったタグ識別子と当該収納庫を識別する情報、例えば予め収納庫70に与えられた識別番号を文書管理装置10に送信する。文書管理装置10のCPU11は、収納庫70から送信されたタグ識別子、収納庫70の識別番号を受信し、フェイスシート30のRFIDタグ31から読み取られたタグ識別子(第1のタグ識別子)とバインダ35のRFIDタグ36から読み取られたタグ識別子(第2のタグ識別子)とを判別し、第1のタグ識別子と第2のタグ識別子と収納庫70の識別番号とを対応付ける。そして、第1のタグ識別子に対応するデータを文書DBから抽出し、抽出されたデータと収納庫70から送信されたデータとを比較する。両者が相違しているならば、文書DBに収納庫70から送信されたデータを上書きする。また、文書DBに記憶されている第1のタグ識別子に対応するデータが受信されなかった場合には、当該第1のタグ識別子に対応する文書が収納庫70から持ち出されたものとして、文書DBに記憶されている収納庫70の識別番号を削除する。なお、上述したデータの比較を第2のタグ識別子毎に行ってもよい。
【0037】
上記の処理によって、ユーザは、文書のタイトル、バインダ35のタイトルなどの情報を検索キーとして、所望の文書あるいはバインダ35が収納されている収納庫70の識別番号を文書DBから抽出することができるようになる。収納庫70のタグリーダ75が一定時間間隔でタグ識別子を読み取ることにより、文書DBに記憶されているデータが一定時間間隔で更新される。
【0038】
収納庫70のタグリーダ75でタグ識別子を読み取る時間間隔を例えば1分といった間隔に設定すると、ある収納庫70からバインダ35が持ち出された場合に、1分以内に文書DBの情報が更新される。収納庫70にバインダ35が返却された場合にも同様である。あるいは、持ち出されたときと異なる収納庫70にバインダ35が返却された場合には、1分以内にその収納庫70の識別番号がバインダ35のタグ識別子と対応付けられて文書DBに記憶される。タグ識別子を読み取る時間間隔を短くして常時監視するようにすれば、バインダ35の持ち出しや返却があったのとほぼ同時に文書DBの内容を更新することができる。これらは一例であり、ユーザに求められる情報の精度に応じて、1時間毎、24時間毎など、より長い時間間隔を設定しておいてもよいし、時刻を設定してもよい。あるいは、ユーザが文書DBにアクセスして検索要求を入力した時点で収納庫70のタグリーダ75にタグ識別子を読み取らせるようにしてもよい。
【0039】
上記の例では、収納庫毎に識別番号が与えられている場合について説明したが、棚板74にも識別番号を与えておき、ラグリーダ75が収納庫70および棚板74の識別番号をタグ識別子とともに文書管理装置10に送信するようにしてもよい。そして、文書DBにこれらのデータを対応付けて記憶させておくことにより、所望の文書が収納されている収納庫70および収納庫70内における位置を棚板の単位で知ることができるようになる。
【0040】
<表示>
次に、収納庫70の画像の表示について説明する。上述のようにして、収納庫70に収納されている文書あるいはバインダ35から読み取られたタグ識別子が送信する際、タグリーダ75は、当該タグリーダを識別するタグリーダ識別子をタグ識別子とともに送信する。タグリーダ識別子を受信した文書管理措置10のCPU11は、受信したタグリーダ識別子に対応する位置情報を記憶部14から読み出す。この位置情報に基づいて、収納庫70に収納されているすべての文書の収納庫70内での配置を図示する画像を作成して表示部に表示する。そして、ユーザが文書記憶手段104から抽出した文書データに対応する文書の収納庫70内での位置を、位置情報取得手段110で取得された位置情報に基づいて、表示手段111で表示された画像上で強調して表示する。例えば、バインダ35の輪郭とその内部をハイライト表示する。
【0041】
また、画面上に表示されているいずれかのバインダ35の画像にマウスのカーソルを移動しクリックすると、クリックされた点の画像内における位置を求め、この位置を収納庫70内における位置に変換し、この位置に対応する文書の文書データを文書DBから読み出す。そして、読み出された文書データに基づいて、文書の内容を表示部に表示する。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、収納庫に収納されている文書の位置を容易に知ることができるようになる。文書DBから抽出した文書データに対応する文書の位置をディスプレイ上で強調表示するから、収納庫のある場所に赴く前に、所望の文書の位置を予め把握しておくことができる。これによって、収納庫に収納されている文書を迅速に取り出すことができるようになる。
また、収納庫の画像が表示された画面上で選択した文書に対応する文書データを文書DBから抽出することができる。これによって、当該文書の内容を画面上に表示させることが可能となり、収納庫に赴くことなく、文書の内容を知ることができるようになる。
【0043】
<変形例>
以上説明した形態に限らず、本発明は種々の形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形した形態でも実施可能である。
上述の実施形態では、収納庫70の例として、内部を棚板で区切られた書棚の例を示したが、引き出し式のキャビネットなど、いかなる構成の収納庫でも本発明は適用可能である。
画像読取部50を文書管理装置10と別体としてもよい。また、画像形成部60を文書管理装置10と別体としてもよい。また、記憶装置40を文書管理装置10に組み込んだ構成としてもよい。
【0044】
上述の実施形態では、文書DBに登録する文書を画像読取部50を用いて読み取って文書画像データを生成し、この文書画像データを記憶装置に記憶させる例を示したが、ワードプロセッサなどを用いて作成された文書データを文書DBに記憶するようにしてもよい。この場合、文書の読み取りを行う代わりに、この文書データに基づいて画像形成部60により記録紙に対して画像形成を行い、この記録紙にフェイスシートを添付して保存する。
【0045】
上述の実施形態では、所望の文書の位置を強調表示する例を示したが、所望の文書が収納されている棚板の単位で強調表示するようにしてもよい。この場合、各棚板に1つのタグリーダを設け、その棚板全体を受信範囲とするようにアンテナを設ければよい。
画面上で指定した文書に対応する文書データに基づいて、当該文書の内容を用紙に印刷するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の全体構成を示す図である。
【図2】文書管理装置10のハードウェア構成を示す図である。
【図3】文書DBの構成を示す図である。
【図4】文書管理装置10の機能を示す図である。
【図5】フェイスシート30の例を示す図である。
【図6】バインダ35の例を示す図である。
【図7】収納庫70の構成を示す図である。
【図8】棚板74の構成を示す図である。
【図9】本実施形態における処理のフローを示す図である。
【図10】表示手段111によって表示された画像の例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10…文書管理装置、11…CPU、12…RAM、13…ROM、14…記憶部、15…通信I/F、16…指示入力部、17…給紙部、20…タグリーダ、21…タグリーダ、22…タグライタ、30…フェイスシート、31…RFIDタグ、35…バインダ、36…RFIDタグ、40…記憶装置、50…画像読取部、60…画像形成部、70…収納庫、71…側板、72…天板、73…底板、74…棚板、75…タグリーダ、76…アンテナ、77…通信制御部、101…文書取得手段、102…文書識別子生成手段、103…タグ識別子生成手段、104…文書記憶手段、105…書込手段、106…読取手段、107…画像形成手段、108…情報抽出手段、109…受信手段、110…位置情報取得手段、111…表示手段、112…強調表示手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙等に記録された文書とその文書を表すデータとを保存する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
紙に印刷された文書を保存するにあたっては、保管場所の確保、文書管理の手間など。様々な問題がある。これらの問題を解決するために、紙文書をスキャナで読み取ることによって電子化し、記憶装置に格納する、いわゆる電子ファイリングが行われるようになった。電子ファイリングによれば、紙文書を保存する場合と比べて少ないスペースで大量のデータを保存することができる。また、文書に関するデータを記憶したデータベースを作成することによって、データの検索・抽出が容易になるという利点もある。
【0003】
ところが、実際には、文書を電子化したにも関わらず、紙文書を廃棄せずに保存しておくケースが少なくない。原本が保存されていれば記憶装置に障害が起こった場合でも安心である。また、手早くページをめくって必要箇所を探し出すことができるといった紙媒体ならではの使い勝手の良さがある。また、原本自体が資料的価値を有するために廃棄できないというケースもある。このような理由から、紙文書とそれを電子化した電子データとをともに保存しておくということが行われる。
【0004】
ところで、紙文書の保存においては、紙文書が必要になったときにその保管場所がわかるように、文書名と保管場所とを対応付けて記憶するデータベースなどが用いられる。しかしながら、現実には、紙文書の使用後に誤って所定の保管場所と異なる場所に返却してしまい、次回の使用の際にその紙文書の所在がわからなくなってしまうといった事態が生じ得る。そこで、このような問題を解決するための技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、紙文書にRFID(Radio Frequency Identification)タグを付しておき、紙文書を電子化して得られた電子データとタグのIDとを記憶手段に記憶させておく。紙文書を収納する書棚にはタグのIDを読み取るタグリーダが設けられており、紙文書が書棚に収納されたときに、タグのIDと位置情報を読み取って記憶手段に記憶させる。これによって、任意の場所に収納された紙文書の位置を表す情報が記憶され、タグのIDを用いて紙文書の収納場所を知ることができるようになる。
【0005】
しかし、紙文書と電子データとの保存においてはさらに改善の余地がある。例えば、特許文献1における記憶手段に記憶されている位置情報は、書棚の場所や書棚を識別する番号などの情報が提供されるだけであり、そのような情報に基づいて実際に書棚の中の文書を探し出すには手間がかかるものである。
【特許文献1】特開2003−242158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、紙文書とその紙文書を表すデータを保存する場合に、所望の紙文書を容易に探し出すことのできる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明は、文書の内容を表す文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する文書記憶手段と、前記文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて前記文書記憶手段に記憶させる記憶手段と、前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書の前記収納庫内における位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記収納庫に収納されている文書の前記収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する表示手段と、前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の前記収納庫内での位置を、前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記表示手段で表示された画像上で強調して表示する強調表示手段とを有することを特徴とする文書管理装置を提供する。
【0008】
上記の文書管理装置によれば、まず、受信手段により、文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する。次に、記憶手段が、受信手段が受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて文書記憶手段に記憶させる。次に、位置情報取得手段が、受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書の収納庫内における位置を表す位置情報を取得する。次に、表示手段が、位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、収納庫に収納されている文書の収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する。次に、強調表示手段が、受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の収納庫内での位置を、位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、表示手段で表示された画像上で強調して表示する。
【0009】
また、本発明は、文書の内容を表す文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する文書記憶ステップと、前記文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する受信ステップと、前記受信ステップで受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて記憶する記憶ステップと、前記受信ステップで受信されたタグ識別子に対応する文書の前記収納庫内における位置を表す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記位置情報取得ステップで取得された位置情報に基づいて、前記収納庫に収納されている文書の前記収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する表示ステップと、前記受信ステップで受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の前記収納庫内での位置を、前記位置情報取得ステップで取得された位置情報に基づいて、前記表示ステップで表示された画像上で強調して表示する強調表示ステップとを有することを特徴とする文書管理方法を提供する。
【0010】
また、本発明は、コンピュータ装置を、文書の内容を表す文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する文書記憶手段と、前記文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて前記文書記憶手段に記憶させる記憶手段と、前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書の前記収納庫内における位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記収納庫に収納されている文書の前記収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する表示手段と、前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の前記収納庫内での位置を、前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記表示手段で表示された画像上で強調して表示する強調表示手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、紙文書とその紙文書を表すデータを保存する場合に、所望の紙文書を容易に探し出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<構成>
図1は、本発明の実施形態の全体構成を示す図である。図2は、文書管理装置10のハードウェア構成を示す図である。ROM(Read Only Memory)13または記憶部14には、OS(Operating System)等のプログラムが記憶されている。CPU(Central Processing Unit)11は、プログラムを読み出して実行することにより、文書管理装置10の各部を制御する。RAM(Random Access Memory)12は、CPU11がプログラムを展開して実行するためのワークエリアとして用いられる。記憶部14は例えばハードディスクドライブであり、後述する文書管理の手順を記述したプログラムが記憶されている。通信I/F(インターフェイス)15は、文書管理装置10と外部の機器との間でのデータの送受信を仲介する。指示入力部16は、キーボード、タッチパネル機能を備えた液晶パネルなど(図示省略)からなり、文書管理装置10を操作するための指示を入力することができる。
【0013】
給紙部17は、記録シートを収納する複数のトレイ(図示省略)を備えている。複数のトレイのうちの1つには、後述するフェイスシート30が収納されており、他のトレイには通常の記録紙が収納されている。
表示部18は、CRT(Cathode Ray Tube)あるいは液晶パネルであり、後述する収納庫70における文書の配置を図示する。
【0014】
画像読取部50は、文書を光学的に読み取って、ビットマップ形式の文書画像データを生成するスキャナである。画像読取部50は、プラテン、光源、受光素子、信号処理部(図示省略)を有し、プラテン上に載置された文書に光源により光を照射し、その反射光を受光素子で受光し、画像信号を生成する。そして、この画像信号を信号処理部で画像データに変換して出力する。
【0015】
画像形成部60は、例えば電子写真方式によって画像を形成するプリンタであり、画像データに基づいて記録シート表面にトナー像を形成する。
文書管理装置10には、通信I/F15を介して記憶装置40が接続されている。記憶装置40はハードディスクドライブを備え、文書DB(データベース)が記憶されている。文書DBには、文書管理装置10から送信された文書データおよびそれに関連するデータが対応付けられて格納される。
【0016】
図3は、文書DBの構成を示す図である。文書DBには、文書を一意に識別する文書識別子、当該文書に添付されたフェイスシート30に付されているRFIDタグを一意に識別するタグ識別子、当該文書の保管場所、当該文書に施された処理の内容、タイトルや目次など当該文書の特徴を表す情報が当該文書を表す文書データと対応付けられて記憶されている。
【0017】
文書管理装置10には、RFIDタグに書き込まれているデータを読み取るタグリーダ20および21と、RFIDタグにデータを書き込むタグライタ22が備えられている。タグリーダ20は画像読取部50の近傍に設けられており、画像読取部50のプラテン上に文書または文書の格納されたバインダが載置されたときに、文書に添付されているフェイスシート30に付されているRFIDタグまたはバインダに付されているRFIDタグからデータを読み取る。一方、タグリーダ21およびタグライタ22は、画像形成部60の近傍に設けられている。
【0018】
文書管理装置10は、CPU11がプログラムを実行することによって図4に示す各手段として機能する。
文書取得手段101は、文書を読み取ることにより生成された文書画像データを取得する手段である。具体的には、CPU11が画像読取部50を制御することによって画像読取部50に文書を読み取らせ、読み取った文書を表す文書画像データを生成させる。
文書識別子生成手段102は、文書を一意に識別する文書識別子を生成する手段である。文書識別子生成手段102は、予め定められたコード体系に従って、文書を一意に識別する文書識別子を生成する。このコード体系は、文書DBに登録された順番を表す通し番号でもよいし、ユーザが任意に定めたコード体系でもよい。
【0019】
タグ識別子生成手段103は、文書に添付するフェイスシート30に付されたRFIDタグを一意に識別するタグ識別子を生成する手段である。
文書記憶手段104は、文書データとタグ識別子と文書識別子とを対応付けて記憶する手段である。具体的には、CPU11は、文書データとタグ識別子と文書識別子とを対応付けて記憶装置40に出力する。記憶装置40には文書DBが記憶されており、記憶手段104から出力された文書データとタグ識別子と文書識別子とが対応付けられて文書DBに記憶される。
【0020】
書込手段105は、タグライタ22を用いてRFIDタグにデータを書き込む手段である。
読取手段106は、タグリーダ20または21を用いてRFIDタグに書き込まれているデータを読み取る手段である。
画像形成手段107は、画像形成部60を用いてフェイスシート30表面に画像を形成する手段である。具体的には、CPUが画像形成部60に画像データを供給し、供給された画像データに基づいて画像形成部60が記録シート表面に画像を形成する。
【0021】
情報抽出手段108は、文書データで表される文書画像を解析し、当該文書の特徴を表す文書情報を抽出する手段である。情報抽出手段108は、公知のレイアウト解析手法によって文書のレイアウトを解析し、さらに、公知の文字認識手段を用いて文字列を抽出し、文書のタイトル、見出し、図表のタイトルなどの文書情報を抽出する。そして、抽出された文書情報を表す画像が画像形成部60によってフェイスシート30表面に形成される。あるいは、抽出された情報がフェイスシート30に付されたRFIDタグに書込手段105によって書き込まれる。あるいは、抽出された情報が記憶手段により文書データと対応付けられて記憶装置40に出力される。
【0022】
受信手段109は、外部から送信されたデータを受信する手段である。具体的には、受信手段109は、文書を収納する収納庫70などから送信されたデータを受信する。
位置情報取得手段110は、受信手段109で受信されたタグ識別子に対応する文書の収納庫70内における位置を表す位置情報を取得する手段である。
【0023】
図7は、収納庫70の構成を示す図である。収納庫70は、左右の側板71、天板72、底板73、棚板74から構成されている。収納庫70内部は、1または複数の棚板74によって区切られている。図8は棚板74の構成を示す図である。なお、底板73は棚板74の機能も兼ね備えており、これ以降の説明においては、棚板74と底板73とを棚板74と総称する。棚板74の各々には、RFIDタグからデータを読み取るタグリーダ75およびアンテナ76、読み取られたデータを送信する通信制御部77が設けられている。タグリーダ75は数cm間隔で設けられている。この間隔は、バインダ35の標準的な厚さ(例えば、5cm程度)と等しくなるように定められている。そして、タグリーダ75の各々の受信可能範囲は、隣接するタグリーダ75の受信可能範囲と重複しないようになっている。これによって、2つ以上のタグリーダ75によって同一のタグ識別子を重複して読み取らないようになっている。
【0024】
タグリーダ75は、収納庫70に収納されている文書のフェイスシート30あるいはバインダ35に付されているRFIDタグ31あるいは36からタグ識別子を一定時間間隔で読み取り、読み取ったタグ識別子と当該収納庫70を識別する情報、例えば予め収納庫70に与えられた識別番号を文書管理装置10に送信する。このとき、タグリーダ75は、当該タグリーダを識別するタグリーダ識別子も一緒に送信する。文書管理装置10は、収納庫70に設けられた各タグリーダ75の収納庫70内における位置を表す位置情報をタグリーダ識別子と対応付けて記憶部14に記憶している。この位置情報は、例えば、収納庫70の左下隅を原点とする座標値である。文書管理装置70は、タグリーダ75からデータを受信すると、そのデータに含まれるタグリーダ識別子に対応する位置情報を記憶部14から読み出す。この位置情報で表される位置は、当該タグリーダでタグ識別子を読み取られた文書の位置を表す。このようにして、収納庫70に収納されているすべての文書について位置情報を取得する。
【0025】
表示手段111は、位置情報取得手段110で取得された位置情報に基づいて、収納庫70に収納されているすべての文書の収納庫70内での配置を図示するとともに文書情報を表す画像を生成して表示する手段である。文書管理装置は、予め、収納庫70の正面からの外観を模式的に図化するための画像データを記憶しており、収納庫70に文書が収納されている画像を作成する。このとき、各文書の位置情報で表される位置を画像上に位置に変換し、収納庫70に文書が収納されている画像を作成する。また、このとき、各文書の背表紙に相当する位置に、上述の文書情報(例えば、タイトル)を表示するのも好ましい。図10は、表示手段によって表示された画像の例を示す図である。
【0026】
さらに、表示手段111は、文書記憶手段104から抽出された文書データに対応する文書の収納庫70内での位置を、位置情報取得手段110で取得された位置情報に基づいて、表示手段111で表示された画像上で強調して表示する強調表示手段112を有する。例えば、バインダ35の輪郭とその内部をハイライト表示する。
また、表示手段111は、表示された画像上での位置を指定する位置指定手段と、位置指定手段で指定された位置にある文書に対応する文書データを文書記憶手段104から抽出する抽出手段とを有する。具体的には、画面上に表示されているいずれかのバインダの画像にマウスのカーソルを移動しクリックすると、クリックされた点の画像内における位置を求め、この位置を収納庫70内における位置に変換し、この位置に対応する文書の文書データを文書DBから読み出す。そして、読み出された文書データに基づいて、文書の内容を表示部に表示する。
【0027】
図5は、本実施形態におけるフェイスシート30の例を示す図である。フェイスシート30は、文書に添付する表紙であり、例えば、JIS(日本工業規格)A4サイズの紙、プラスチックフィルムなど任意の材料で作成されている。フェイスシート30の表面の底辺付近にはRFIDタグ31が付されている。RFIDタグ31は、書き込まれたデータを保持する不揮発性の半導体メモリ、アンテナまたはアンテナとして機能するコイル等(図示省略)からなり、外部の機器との間でマイクロ波、誘導電磁界等を用いて通信を行うことができる。フェイスシート30にRFIDタグ31を付す方法はいかなる方法を用いてもよい。例えば、粘着性を有する材料で両者を接着してもよいし、フェイスシート30に半導体メモリおよびアンテナからなる回路基板を印刷してもよい。あるいは、超小型のRFIDタグを紙の繊維の間に埋め込んでもよい。
【0028】
図6は、複数の文書を綴じて保存するためのバインダ35の例を示す図である。バインダ35は、文書に開けられたパンチ孔にリング状または棒状の部材を挿通させることにより、複数の文書をまとめて保管することができる。バインダ35には、フェイスシート30に付されているのと同様の構成を有するRFIDタグ36が付されている。
【0029】
<動作>
次に、上記の構成を有する文書管理装置10の動作について説明する。なお、文書管理装置10はCPU11がプログラムを実行することによって動作する装置であるから、以下の説明においては動作の主体をCPU11とする。
【0030】
<文書画像データの登録>
図9は、文書を読み取って文書画像データを生成し、この文書画像データを記憶装置40に出力するまでのフローを示す図である。
まず、ステップA01では、CPU11は、画像読取部50によって文書の画像を読み取り、文書画像データを生成する。具体的には、ユーザが文書を画像読取部50のプラテン上に載置し、指示入力部16を用いて、文書の読み取りを表す指示を入力する。文書画像データはビットマップ形式の画像データであるが、公知の文字認識手段によって文書画像データに含まれる文字列を抽出し、この文字列を表すテキストデータを文書画像データとともに保存するようにしてもよい。
【0031】
ステップA02では、CPU11は、画像読取部50で読み取った文書を一意に識別する文書識別子を生成する。CPU11は、予め定められたコード体系に従って文書識別子を生成する。文書識別子は、例えば、文書DBへの登録順を表す通し番号などを用いる。
ステップA03では、CPU11は、文書画像を解析することによって、文書の特徴を表す情報を抽出する。例えば、文書のタイトル、見出し、図表のタイトルなどの情報を抽出する。
ステップA04では、CPU11は、画像形成部60を用いて、文書識別子を表す画像をフェイスシート30表面に形成する。このとき、ステップA03で抽出された情報を表す画像をフェイスシート30に形成するようにしてもよい。
【0032】
本実施形態においては、タグ識別子が予め書き込まれていないRFIDタグをも用いることができるように、タグ識別子を生成してRFIDに書き込むことができる構成となっている。ステップA05では、CPU11は、フェイスシート30に付されたRFIDタグ31を一意に識別するタグ識別子を生成する。そして、ステップA06では、CPU11は、ステップA05で生成したタグ識別子をフェイスシート30に付されたRFIDタグ31にタグリーダ21を用いて書き込む。ここで、RFIDタグ31が十分な記憶容量を有しているならば、ステップA03で抽出された情報をタグ識別子とともにRFIDタグ31に書き込むようにしてもよい。
なお、予めタグ識別子が書き込まれたRFIDタグを用いる場合には、タグ識別子をタグリーダ21を用いて読み取る。
【0033】
ステップA07では、文書画像データを文書DBに記憶させる。このとき、当該文書の文書識別子、RFIDタグ31に書き込まれたタグ識別子を文書画像データと対応付けて文書DBに記憶させる。さらに、ステップA03で抽出された情報を文書画像データと対応付けて文書DBに記憶させる。
このようにして文書DBに文書画像データを記憶させることにより、紙などに記録された文書とそれに対応する文書画像データとを対応付けて管理することが可能となる。
【0034】
<バインダ>
次に、上述のバインダ35を用いた文書管理について説明する。バインダ35には1または複数の文書が綴じられている。この文書は、既に文書読取部50で読み取られ、この文書を表す文書画像データが文書DBに記憶されている。文書の各々には上述したフェイスシート30が添付されており、フェイスシート30にはRFIDタグ31が付されている。RFIDタグ31には、RFIDタグ31を一意に識別するタグ識別子が書き込まれている。さらに、バインダ35に付されたRFIDタグ36に書き込まれたタグ識別子には、このRFIDタグ36がバインダ35に付されたものであることを表す識別情報が付加されている。
【0035】
さて、ユーザが文書の綴じられたバインダ35を文書管理装置10のプラテン上に載置し、文書およびバインダ35の登録を表す指示を指示入力部16により入力する。このとき、ユーザがバインダ35を識別するための登録番号やバインダ35のタイトルなどを指示入力部16により入力する。すると、バインダ35およびフェイスシート30に付されているRFIDタグ36および31からタグ識別子がタグリーダ20によって読み取られる。CPU11は、タグリーダ20によって読み取られたタグ識別子を受け取り、上記の識別情報の有無によって、フェイスシート30のRFIDタグ31から読み取られたタグ識別子(第1のタグ識別子)とバインダ35のRFIDタグ36から読み取られたタグ識別子(第2のタグ識別子)とを判別し、第1のタグ識別子と第2のタグ識別子とを対応付けて文書DBに記憶させる。このとき、バインダ35の登録番号やタイトルなどの情報を第2のタグ識別子に対応付けて記憶させる。これによって、文書とバインダ35の対応付けがなされるから、バインダ35の登録番号やタイトルなどの情報を検索キーとして、ユーザが所望の文書画像データを文書DBから抽出することができるようになる。
また、バインダ35に対して文書の入れ替え、追加、破棄を行った場合にも上記の処理を行うようにすれば、バインダ35と文書との対応を表す情報を更新することができる。
【0036】
<収納庫>
次に、上述の収納庫70を用いた文書管理について説明する。収納庫70に備えられているタグリーダ75は、収納庫70に収納されている文書のフェイスシート30あるいはバインダ35に付されているRFIDタグ31、36からタグ識別子を一定時間間隔で読み取り、読み取ったタグ識別子と当該収納庫を識別する情報、例えば予め収納庫70に与えられた識別番号を文書管理装置10に送信する。文書管理装置10のCPU11は、収納庫70から送信されたタグ識別子、収納庫70の識別番号を受信し、フェイスシート30のRFIDタグ31から読み取られたタグ識別子(第1のタグ識別子)とバインダ35のRFIDタグ36から読み取られたタグ識別子(第2のタグ識別子)とを判別し、第1のタグ識別子と第2のタグ識別子と収納庫70の識別番号とを対応付ける。そして、第1のタグ識別子に対応するデータを文書DBから抽出し、抽出されたデータと収納庫70から送信されたデータとを比較する。両者が相違しているならば、文書DBに収納庫70から送信されたデータを上書きする。また、文書DBに記憶されている第1のタグ識別子に対応するデータが受信されなかった場合には、当該第1のタグ識別子に対応する文書が収納庫70から持ち出されたものとして、文書DBに記憶されている収納庫70の識別番号を削除する。なお、上述したデータの比較を第2のタグ識別子毎に行ってもよい。
【0037】
上記の処理によって、ユーザは、文書のタイトル、バインダ35のタイトルなどの情報を検索キーとして、所望の文書あるいはバインダ35が収納されている収納庫70の識別番号を文書DBから抽出することができるようになる。収納庫70のタグリーダ75が一定時間間隔でタグ識別子を読み取ることにより、文書DBに記憶されているデータが一定時間間隔で更新される。
【0038】
収納庫70のタグリーダ75でタグ識別子を読み取る時間間隔を例えば1分といった間隔に設定すると、ある収納庫70からバインダ35が持ち出された場合に、1分以内に文書DBの情報が更新される。収納庫70にバインダ35が返却された場合にも同様である。あるいは、持ち出されたときと異なる収納庫70にバインダ35が返却された場合には、1分以内にその収納庫70の識別番号がバインダ35のタグ識別子と対応付けられて文書DBに記憶される。タグ識別子を読み取る時間間隔を短くして常時監視するようにすれば、バインダ35の持ち出しや返却があったのとほぼ同時に文書DBの内容を更新することができる。これらは一例であり、ユーザに求められる情報の精度に応じて、1時間毎、24時間毎など、より長い時間間隔を設定しておいてもよいし、時刻を設定してもよい。あるいは、ユーザが文書DBにアクセスして検索要求を入力した時点で収納庫70のタグリーダ75にタグ識別子を読み取らせるようにしてもよい。
【0039】
上記の例では、収納庫毎に識別番号が与えられている場合について説明したが、棚板74にも識別番号を与えておき、ラグリーダ75が収納庫70および棚板74の識別番号をタグ識別子とともに文書管理装置10に送信するようにしてもよい。そして、文書DBにこれらのデータを対応付けて記憶させておくことにより、所望の文書が収納されている収納庫70および収納庫70内における位置を棚板の単位で知ることができるようになる。
【0040】
<表示>
次に、収納庫70の画像の表示について説明する。上述のようにして、収納庫70に収納されている文書あるいはバインダ35から読み取られたタグ識別子が送信する際、タグリーダ75は、当該タグリーダを識別するタグリーダ識別子をタグ識別子とともに送信する。タグリーダ識別子を受信した文書管理措置10のCPU11は、受信したタグリーダ識別子に対応する位置情報を記憶部14から読み出す。この位置情報に基づいて、収納庫70に収納されているすべての文書の収納庫70内での配置を図示する画像を作成して表示部に表示する。そして、ユーザが文書記憶手段104から抽出した文書データに対応する文書の収納庫70内での位置を、位置情報取得手段110で取得された位置情報に基づいて、表示手段111で表示された画像上で強調して表示する。例えば、バインダ35の輪郭とその内部をハイライト表示する。
【0041】
また、画面上に表示されているいずれかのバインダ35の画像にマウスのカーソルを移動しクリックすると、クリックされた点の画像内における位置を求め、この位置を収納庫70内における位置に変換し、この位置に対応する文書の文書データを文書DBから読み出す。そして、読み出された文書データに基づいて、文書の内容を表示部に表示する。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、収納庫に収納されている文書の位置を容易に知ることができるようになる。文書DBから抽出した文書データに対応する文書の位置をディスプレイ上で強調表示するから、収納庫のある場所に赴く前に、所望の文書の位置を予め把握しておくことができる。これによって、収納庫に収納されている文書を迅速に取り出すことができるようになる。
また、収納庫の画像が表示された画面上で選択した文書に対応する文書データを文書DBから抽出することができる。これによって、当該文書の内容を画面上に表示させることが可能となり、収納庫に赴くことなく、文書の内容を知ることができるようになる。
【0043】
<変形例>
以上説明した形態に限らず、本発明は種々の形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形した形態でも実施可能である。
上述の実施形態では、収納庫70の例として、内部を棚板で区切られた書棚の例を示したが、引き出し式のキャビネットなど、いかなる構成の収納庫でも本発明は適用可能である。
画像読取部50を文書管理装置10と別体としてもよい。また、画像形成部60を文書管理装置10と別体としてもよい。また、記憶装置40を文書管理装置10に組み込んだ構成としてもよい。
【0044】
上述の実施形態では、文書DBに登録する文書を画像読取部50を用いて読み取って文書画像データを生成し、この文書画像データを記憶装置に記憶させる例を示したが、ワードプロセッサなどを用いて作成された文書データを文書DBに記憶するようにしてもよい。この場合、文書の読み取りを行う代わりに、この文書データに基づいて画像形成部60により記録紙に対して画像形成を行い、この記録紙にフェイスシートを添付して保存する。
【0045】
上述の実施形態では、所望の文書の位置を強調表示する例を示したが、所望の文書が収納されている棚板の単位で強調表示するようにしてもよい。この場合、各棚板に1つのタグリーダを設け、その棚板全体を受信範囲とするようにアンテナを設ければよい。
画面上で指定した文書に対応する文書データに基づいて、当該文書の内容を用紙に印刷するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の全体構成を示す図である。
【図2】文書管理装置10のハードウェア構成を示す図である。
【図3】文書DBの構成を示す図である。
【図4】文書管理装置10の機能を示す図である。
【図5】フェイスシート30の例を示す図である。
【図6】バインダ35の例を示す図である。
【図7】収納庫70の構成を示す図である。
【図8】棚板74の構成を示す図である。
【図9】本実施形態における処理のフローを示す図である。
【図10】表示手段111によって表示された画像の例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10…文書管理装置、11…CPU、12…RAM、13…ROM、14…記憶部、15…通信I/F、16…指示入力部、17…給紙部、20…タグリーダ、21…タグリーダ、22…タグライタ、30…フェイスシート、31…RFIDタグ、35…バインダ、36…RFIDタグ、40…記憶装置、50…画像読取部、60…画像形成部、70…収納庫、71…側板、72…天板、73…底板、74…棚板、75…タグリーダ、76…アンテナ、77…通信制御部、101…文書取得手段、102…文書識別子生成手段、103…タグ識別子生成手段、104…文書記憶手段、105…書込手段、106…読取手段、107…画像形成手段、108…情報抽出手段、109…受信手段、110…位置情報取得手段、111…表示手段、112…強調表示手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書の内容を表す文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する文書記憶手段と、
前記文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて前記文書記憶手段に記憶させる記憶手段と、
前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書の前記収納庫内における位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記収納庫に収納されている文書の前記収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する表示手段と、
前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の前記収納庫内での位置を、前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記表示手段で表示された画像上で強調して表示する強調表示手段と
を有することを特徴とする文書管理装置。
【請求項2】
前記表示手段で表示された画像上での位置を指定する位置指定手段と、
前記位置指定手段で指定された位置にある文書に対応する文書データを前記文書記憶手段から抽出する抽出手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項3】
前記収納庫から定期的に送信される前記タグ識別子を前記受信手段で受信し、
受信されたタグ識別子と前記収納庫を特定する収納庫情報とを対応付けて前記文書記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項4】
前記文書記憶手段に記憶されているタグ識別子のうち、前記受信手段で受信されなかったタグ識別子が存在する場合に、受信されなかったタグ識別子に対応する文書が収納庫に収納されていないことを表す情報を当該タグ識別子と対応付けて前記文書記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項5】
前記文書を読み取って該文書の画像を表す文書データを生成する文書取得手段を有し、
前記文書記憶手段は、前記文書取得手段で生成した文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項6】
文書の内容を表す文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する文書記憶ステップと、
前記文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて記憶する記憶ステップと、
前記受信ステップで受信されたタグ識別子に対応する文書の前記収納庫内における位置を表す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記位置情報取得ステップで取得された位置情報に基づいて、前記収納庫に収納されている文書の前記収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する表示ステップと、
前記受信ステップで受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の前記収納庫内での位置を、前記位置情報取得ステップで取得された位置情報に基づいて、前記表示ステップで表示された画像上で強調して表示する強調表示ステップと
を有することを特徴とする文書管理方法。
【請求項7】
コンピュータ装置を、
文書の内容を表す文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する文書記憶手段と、
前記文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて前記文書記憶手段に記憶させる記憶手段と、
前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書の前記収納庫内における位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記収納庫に収納されている文書の前記収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する表示手段と、
前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の前記収納庫内での位置を、前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記表示手段で表示された画像上で強調して表示する強調表示手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
文書の内容を表す文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する文書記憶手段と、
前記文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて前記文書記憶手段に記憶させる記憶手段と、
前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書の前記収納庫内における位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記収納庫に収納されている文書の前記収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する表示手段と、
前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の前記収納庫内での位置を、前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記表示手段で表示された画像上で強調して表示する強調表示手段と
を有することを特徴とする文書管理装置。
【請求項2】
前記表示手段で表示された画像上での位置を指定する位置指定手段と、
前記位置指定手段で指定された位置にある文書に対応する文書データを前記文書記憶手段から抽出する抽出手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項3】
前記収納庫から定期的に送信される前記タグ識別子を前記受信手段で受信し、
受信されたタグ識別子と前記収納庫を特定する収納庫情報とを対応付けて前記文書記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項4】
前記文書記憶手段に記憶されているタグ識別子のうち、前記受信手段で受信されなかったタグ識別子が存在する場合に、受信されなかったタグ識別子に対応する文書が収納庫に収納されていないことを表す情報を当該タグ識別子と対応付けて前記文書記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項5】
前記文書を読み取って該文書の画像を表す文書データを生成する文書取得手段を有し、
前記文書記憶手段は、前記文書取得手段で生成した文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項6】
文書の内容を表す文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する文書記憶ステップと、
前記文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて記憶する記憶ステップと、
前記受信ステップで受信されたタグ識別子に対応する文書の前記収納庫内における位置を表す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記位置情報取得ステップで取得された位置情報に基づいて、前記収納庫に収納されている文書の前記収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する表示ステップと、
前記受信ステップで受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の前記収納庫内での位置を、前記位置情報取得ステップで取得された位置情報に基づいて、前記表示ステップで表示された画像上で強調して表示する強調表示ステップと
を有することを特徴とする文書管理方法。
【請求項7】
コンピュータ装置を、
文書の内容を表す文書データと、前記文書に付されたRFIDタグに書き込まれているタグ識別子とを対応付けて記憶する文書記憶手段と、
前記文書を収納する収納庫が該文書に付されたRFIDタグから読み取った前記タグ識別子、および該収納庫を識別する収納庫情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したタグ識別子と収納庫情報とを対応付けて前記文書記憶手段に記憶させる記憶手段と、
前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書の前記収納庫内における位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記収納庫に収納されている文書の前記収納庫内での配置を図示する画像を生成して表示する表示手段と、
前記受信手段で受信されたタグ識別子に対応する文書データで表される文書の前記収納庫内での位置を、前記位置情報取得手段で取得された位置情報に基づいて、前記表示手段で表示された画像上で強調して表示する強調表示手段
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−1715(P2006−1715A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181381(P2004−181381)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]