説明

新しい四級化キヌクリジンエステル

式(I)
【化1】


(式中、異なる置換基および/もしくはラジカルは、請求項で定義された値を有する)
の化合物。本発明はまた、当該化合物の製造方法、それらを含む医薬組成物、ならびに当該化合物の、呼吸器、泌尿器もしくは胃腸疾患または障害の処置に活性のある他の化合物との組合せに関する。最後に、本発明はまた、呼吸器、泌尿器もしくは胃腸疾患または障害の処置のための、式(I)の化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、新しい治療的に有用なキヌクリジン誘導体、それらの製造のためのいくつかの方法、およびそれらを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
本発明の新規構造物は、強力且つ長期間有効な抗ムスカリン剤である。特に、これらの化合物は、ムスカリンM3受容体に高い親和性を示す。ムスカリン受容体のこのサブタイプは、腺および平滑筋に存在し、腺分泌および内臓平滑筋の収縮にて副交感神経系の興奮作用を仲介する(H.P. Rang et al., Pharmacology, Churchill Livingstone, New York, 1995;第6章、Cholinergic Transmission)。
【0003】
それ故に、M3アンタゴニストは、副交感神経性緊張亢進、腺分泌過剰もしくは平滑筋収縮を特徴とする疾患の処置に有用であると知られている(R.M. Eglen and S.S. Hegde, (1997), Drug News Perspect., 10(8):462−469)。
【0004】
この種の疾患の例は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支炎、気管支過敏症、喘息、咳嗽および鼻炎のような呼吸器障害;尿失禁、頻尿、神経因性もしくは不安定膀胱、膀胱痙攣および慢性膀胱炎のような泌尿器障害;過敏性大腸症候群、痙攣性大腸炎、憩室炎および消化性潰瘍のような胃腸障害;ならびに、迷走神経誘発性洞性徐脈のような心血管障害である(Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th edition, McGraw Hill, New York, 2001;第7章、Muscarinic Receptor Agonists and Antagonists)。
【0005】
本発明の化合物を、単独で、もしくはこれらの疾患の処置に有効であると通常見なされる他の薬物と共に用いることができる。例えば、それらを呼吸器疾患の処置において同時、個別もしくは連続使用のために、β−アゴニスト、ステロイド、抗アレルギー剤、ホスホジエステラーゼIV阻害剤および/もしくはロイコトリエンD4(LTD4)アンタゴニストと併用して投与することができる。請求の化合物は、β−アゴニスト、ステロイド、抗アレルギー剤もしくはホスホジエステラーゼIV阻害剤と共に、上記で詳細に示される呼吸器疾患の処置に有用である。
関連する構造を有する化合物は、いくつかの特許において抗コリン作動性および/もしくは抗痙攣性の薬剤として記載されている。
【0006】
例えば、FR2012964は、式
【化1】

[式中、RはH、OHもしくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり;Rはフェニルもしくはチエニル基であり;そしてRはシクロヘキシル、シクロペンチルもしくはチエニル基であるか、または、RがHであるときには、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、式
【化2】

(式中、Xは−O−、−S−もしくは−CH−である)
の三環式基を形成する]
のキヌクリジノール誘導体またはそれらの酸付加塩もしくは第四級アンモニウム塩を記載している。
【0007】
米国特許US4,465,834には、式
【化3】

〔式中、Rは、3〜8個の炭素原子の炭素環式もしくは分岐脂肪族基(例えば、フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロプロピル、シクロヘプチル、およびイソプロピルなど)であり、Rは、1個もしくは2個のオレフィン結合またはアセチレン結合を有し3〜10個の炭素原子を含有する分岐または直鎖脂肪族基であるか、またはフェニルエチニル、スチリル、もしくはエチニル基であり、そしてRは、第四級アミノ窒素を含有する4〜12個の炭素原子のアルキル基もしくは環状基である〕
を有する抗コリン作動性薬物のクラスが記載される。この発明の化合物は、それらの遊離塩基もしくは酸付加塩および第四級アンモニウム塩形態のいずれかも請求する。
【0008】
米国特許4,843,074には、式
【化4】

〔式中、X=H、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシであり、そしてR=モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカニル、4−(2,6−ジメチルモルホリニル)、4−ケトピペリジニル、4−ヒドロキシピペリジニル、4−置換ピペラジニルである〕
の生成物が記載される。ハロゲン化低級アルキル・四級塩および薬学的に許容される酸付加塩は、この発明に含まれる。
【0009】
米国特許4,644,003は、下記
【化5】

(式中、Rは、非置換かもしくは、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、およびトリフルオロメチルを含む三個までの置換基で置換されたフェニルであり、そして、Rは水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アルキルオキシアルキル、シクロアルキルオキシアルキル、ハロアルキルもしくはハロアルケニルである)
のアルファ二置換グリコール酸の3−キヌクリジノールエステルおよびそれらの薬学的に許容される塩を記載している。
【0010】
WO92/04346には、式
【化6】

〔式中、Xはフェニル(任意に置換された)もしくはチエニル基であり、そして“Het”は、(a)五員の窒素を含有する複素環式基、(b)オキサジアゾリルもしくはチアジアゾリル基、または(c)六員の窒素を含有する複素環式基のいずれかであり、そしてmは1もしくは2である(更に詳しい説明については、上記の刊行物を参照されたい)。〕
の化合物およびそれらの薬学的に許容される塩が記載されている。
本発明の化合物に関係する一般構造のアゾニア二環式化合物は、WO01/04118およびWO02/053564に開示されている。
【0011】
WO2004/096800は、式
【化7】

[式中、四級化基(R)は、特に、−OR11、−OCO−R13、または−COO−R14(式中、R11は、水素、C1〜8−アルキル、C1〜8−アルキル−C1〜8−アルコキシもしくはC1〜8−アルキル−O−C3〜15炭素環式基であり、R13は、C1〜8−アルキルもしくはC3〜15−炭素環式基であり、そしてR14は、水素、C3〜15−炭素環式基、C1〜8−アルケニル、もしくはC3〜15−炭素環式基により任意に置換されたC1〜8−アルキルである)により置換されたC1〜8−アルキル基である]
の四級化キヌクリジノールのエステルを示し、具体的に、特に、化合物:1−アリルオキシカルボニルメチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジ−チオフェン−2−イル−アセトキシ)−1−アゾニア−ビシクロ−[2.2.2]オクタンおよび1−カルボキシメチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジ−チオフェン−2−イル−アセトキシ)−1−アゾニア−ビシクロ−[2.2.2]オクタンを開示している。
【0012】
本発明は、式(I)に記載される化学構造を有する、ムスカリンM3受容体において強力なアンタゴニスト活性を有する新しいキヌクリジンエステル誘導体を提供する:
【化8】

[式中、Bは、水素原子または−R、−OR、ヒドロキシ、−O(CO)R、シアノおよび1個もしくはそれ以上のヘテロ原子を有する任意に置換された非芳香族複素環(ここで、Rは、水素原子、任意に置換されたC1〜8アルキル、任意に置換されたC2〜8アルケニルおよび任意に置換されたC〜Cシクロアルキルからなる群より選択される)から選択される基を表し;
nは、0〜4の整数であり;
Aは、−CH−、−CH=CR−、−CR=CH−、−CR−、−O−、−CO−、−O−(CH)−O−(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子もしくはC1〜8アルキル基を表わす)から選択される基を表し;
mは、0〜8の整数であり;
pは、1〜2の整数であり
そして、アゾニア二環式環における置換は、不斉中心の全ての可能性のある立体配置を含む2、3もしくは4位にあり得;
【0013】
Dは、
【化9】

〔式中、Rは、フェニル、2−チエニル、3−チエニル、2−フラニル、3−フラニルから選択される基を表し、その基は、1個もしくはそれ以上の置換基Raにより任意に置換され得;
は、2−チエニル、3−チエニル、2−フラニル、3−フラニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C1〜8−アルキル、C2〜8−アルケニル、C2〜8−アルキニル、ベンジルおよびフェニルエチルから選択される基を表し、その基は、1個もしくはそれ以上の置換基Rbにより任意に置換され得;
は、水素原子もしくはヒドロキシ、ヒドロキシメチルおよびメチルから選択される基を表し;
Qは、単結合もしくは−CH−、−CHCH−、−O−、−O−CH−、−S−、−S−CH−、および−CH=CH−から選択される基を表し;
およびRbは、独立して、ハロゲン原子、任意に置換されたC〜Cアルキル、任意に置換されたC〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、−COOR、−NR(式中、RおよびRは、独立して、水素原子もしくはC〜Cアルキル基を表わす)から選択される基を表し;
yは0〜3の整数である〕
から選択される基であり;
は、一価もしくは多価酸の薬学的に許容される陰イオンを表すが;
ただし、B−(CH)−A−(CH)−基は、直鎖C1〜4アルキル基ではない]
の化合物、さらにただし、
1−アリルオキシカルボニルメチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2、−ジチオフェン−2−イル−アセトキシ)−1−アゾニア−ビシクロ−[2.2.2]オクタン;および
1−カルボキシメチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジ−チオフェン−2−イル−アセトキシ)−1−アゾニア−ビシクロ−[2.2.2]オクタンのうち一つではない化合物。
【0014】
本発明の他の局面は、a)式(I)の化合物の製造方法、b)有効量の当該化合物を含む医薬組成物、c)呼吸器、泌尿器および/もしくは胃腸疾患の処置のための医薬品の製造における当該化合物の使用;ならびにd)呼吸器、泌尿器および/もしくは胃腸疾患の処置の方法であって、処置が必要な対象に本発明の化合物を投与することを含む方法である。
【0015】
本明細書中で用いる低級アルキルなる用語は、1〜8個、好ましくは1〜6個、そしてさらに好ましくは1〜4個の炭素原子を有する任意に置換された直鎖もしくは分岐鎖ラジカルを包含する。
例には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、イソペンチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシルもしくは1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、トリフルオロメチルならびにイソヘキシルラジカルが含まれる。
【0016】
本明細書中で用いる低級アルケニルなる用語は、2〜8個、好ましくは2〜6個、そしてさらに好ましくは2〜4個の炭素原子を有する任意に置換された直鎖もしくは分岐鎖モノまたはポリ置換ラジカルを包含する。特に、アルケニルラジカルは、モノもしくはジ置換されることが好ましい。
例には、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニルおよび4−ペンテニルのラジカルが含まれる。
【0017】
本明細書中で用いる低級アルキニルなる用語は、2〜8個、好ましくは2〜6個、そしてさらに好ましくは2〜4個の炭素原子を有する任意に置換された直鎖もしくは分岐鎖モノまたはポリ置換ラジカルを包含する。特に、アルキニルラジカルは、モノもしくはジ置換されることが好ましい。
例には、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニルのラジカルが含まれる。
【0018】
本明細書中で用いる低級アルコキシなる用語は、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個、そしてさらに好ましくは1〜4個の炭素原子をそれぞれ有する任意に置換された直鎖もしくは分岐鎖オキシを含有するラジカルを包含する。
【0019】
好ましいアルコキシラジカルには、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ヒドロキシメトキシ、2−ヒドロキシエトキシもしくは2−ヒドロキシプロポキシが含まれる。
本明細書中で用いるシクロアルキルなる用語は、飽和炭素環式ラジカルを包含し、そして、他に得に記載がない限り、シクロアルキルラジカルは、典型的に、3〜7個の炭素原子を有する。
【0020】
シクロアルキルラジカルは、典型的に、非置換であるかまたは同一もしくは異なり得る1、2または3個の置換基で置換される。シクロアルキルラジカルが、2個もしくはそれ以上の置換基を担持するときには、置換基は同一かもしくは異なり得る。
例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが含まれる。それは好ましくは、シクロプロピル、シクロペンチルもしくはシクロヘキシルである。
本明細書中で用いるシクロアルケニルなる用語は、部分的に不飽和の炭素環式ラジカルを包含し、そして、他に得に記載がない限り、シクロアルケニルラジカルは典型的に3〜7個の炭素原子を有する。
【0021】
シクロアルケニルラジカルは、典型的に、非置換であるかまたは同一もしくは異なり得る1、2または3個の置換基で置換される。シクロアルケニルラジカルが2個もしくはそれ以上の置換基を担持するときには、置換基は同一かもしくは異なり得る。
例には、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプテニルが含まれる。それは好ましくは、シクロペンテニルもしくはシクロヘキセニルである。
【0022】
本明細書中で用いる複素環式ラジカルなる用語は、典型的に、5、6もしくは7員のラジカルのような、非芳香族、飽和または不飽和C〜C10炭素環式環を包含し、ここで1個もしくはそれ以上、例えば、1、2、3もしくは4個の炭素原子、好ましくは1個もしくは2個の炭素原子が、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子により置換されるが、基ベンゾ[1,3]ジオキソリルを除く。飽和複素環式ラジカルが好ましい。複素環式ラジカルは、単環であるか、または少なくとも一つの環がヘテロ原子を含有する、二個もしくはそれ以上の縮合環であり得る。複素環式ラジカルが2個もしくはそれ以上の置換基を担持するときには、置換基は同一かもしくは異なり得る。
【0023】
複素環式ラジカルは、典型的に、非置換であるかまたは同一もしくは異なり得る1、2または3個の置換基で置換される。置換基は、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子、ヒドロキシ基、オキソ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基および1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基から好ましく選択される。複素環式ラジカルが2個もしくはそれ以上の置換基を担持するときには、置換基は同一かもしくは異なり得る。
非芳香族複素環式ラジカルの例には、ピペリジル、ピロリジニル、ピロリニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、イミダゾリジニル、オキシラニルおよびアザリジニルが含まれる。
本明細書中で用いるハロゲン原子なる用語は、塩素、フッ素、臭素もしくはヨウ素原子、典型的にはフッ素、塩素もしくは臭素原子、最も好ましくは塩素もしくはフッ素を包含する。
【0024】
本明細書中で用いる際には、基もしくはラジカルが任意に置換されると言われるときには、それが、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基および1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基を含む群から選択される3個までの置換基により取り換えられた水素原子の幾らかを有し得ることが意味される。基が二つ以上の置換基を保持するときには、置換基が基の中で異なる原子に結合されることが好ましい。
【0025】
本明細書中で用いる一価もしくは多価酸なる用語は、無機酸、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸および硝酸、ならびに有機酸、例えば、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、アスコルビン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸もしくはp−トルエンスルホン酸の両方を含む薬学的に許容される酸を包含する。
【0026】
本発明の化合物が1個もしくはそれ以上のキラル中心を含有する場合には、キラル中心の全ての立体配置は本発明の範囲内に包含され、特に複数の立体配置に起因する鏡像異性体およびジアステレオマーは本発明の範囲内である。本発明の化合物中に存在し得るキラル中心の限定されない例は、アゾニア二環式環の四級窒素原子、基D−COO−が付着されるアゾニア二環式環中の炭素原子、および基Dがエステル基に連結されるところの炭素原子である。
【0027】
本発明の好ましい態様において、式(I)の好ましい化合物は、Bが、水素原子または−R、−OR、ヒドロキシ、−O(CO)R、シアノおよび1個もしくはそれ以上のヘテロ原子を含む任意に置換された非芳香族複素環(式中、Rは、水素原子、任意に置換されたC1〜8アルキル、任意に置換されたC2〜8アルケニルおよび任意に置換されたC〜Cシクロアルキルからなる群から選択される)から選択される基を表し;
nは、0〜4の整数であり;
Aは、−CH−、−CH=CR−、−CR=CH−、−CR−、−O−、−CO−、−O−(CH)−O−(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子もしくはC1〜8アルキル基を表わす)から選択される基を表し;
mは、0〜8の整数であり;
pは、1〜2の整数であり
そしてアゾニア二環式環における置換基は、不斉中心の全ての可能性のある立体配置を含む2、3もしくは4位にあり得;
【0028】
Dは、
【化10】

〔式中、Rはフェニル、2−チエニル、3−チエニル、2−フラニル、3−フラニルから選択される基を表し、その基は1個もしくはそれ以上の置換基Raにより任意に置換され得;
は、2−チエニル、3−チエニル、2−フラニル、3−フラニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ベンジルおよびフェニルエチルから選択される基を表し、その基は1個もしくはそれ以上の置換基Rbにより任意に置換され得;
は、水素原子もしくはヒドロキシ、ヒドロキシメチルおよびメチルから選択される基を表し;
Qは、単結合もしくは−CH−、−CHCH−、−O−、−O−CH−、−S−、−S−CH−、および−CH=CH−から選択される基を表し;
およびRbは、独立して、ハロゲン原子、任意に置換されたC〜Cアルキル、任意に置換されたC〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、−COOR、−NR(式中、RおよびRは、独立して、水素原子もしくはC〜Cアルキル基を表わす)を表し;
yは0〜3の整数である〕
から選択される基であり;
は、一価もしくは多価酸の薬学的に許容される陰イオンを表す;
の化合物であるが、
ただし、基B−(CH)−A−(CH)−は、直鎖C1〜4アルキル基かまたは−OR11、−OCO−R13、−COO−R14(式中、R11は水素、C1〜8−アルキル、C1〜8−アルキル−C1〜8−アルコキシもしくはC1〜8−アルキル−O−C3〜15−炭素環式基であり、R13は、C1〜8−アルキルもしくはC3〜15−炭素環式基であり、そしてR14は、水素、C3〜15−炭素環式基、C1〜8−アルケニル、もしくはC3〜15−炭素環式基により任意に置換されたC1〜8−アルキルである)により置換されたC1〜8アルキル基のいずれでも無い。
【0029】
本発明の態様では、式(I)の好ましい化合物は、Aが、−CH−、−CH=CR−、−CR=CH−、−CR−、−O−、−CO−、−O−(CH)−O−(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子もしくはC1〜8アルキル基を表わす)から選択される基を表すものである。
【0030】
本発明のもう一つの態様では、式(I)の好ましい化合物は、Bが、水素原子、ヒドロキシ基、任意に置換されたC〜Cアルキル、任意に置換されたC〜Cアルケニルおよび任意に置換されたC〜Cシクロアルキルならびに少なくともヒドロキシ基で置換された非芳香族複素環式基からなる群から選択されるものである。
【0031】
本発明のさらにもう一つの態様では、アゾニア二環式基は、窒素原子において、アリル、4−メチルペント−3−エニル、イソプロピル、シクロプロピルメチル、イソブチル、ヘプチル、シクロヘキシルメチル、3−シクロヘキシルプロピル、3,7−ジメチルオクタ−(E)−2,6−ジエニル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシへキシル、2−エトキシエチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、オキシラニルメチル、2−[1,3]ジオキソラン−2−イルエチル、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エトキシ]エチル、3−[1,3]ジオキソラン−2−イルプロピル、2−エトキシカルボニルエチル、3−エトキシカルボニルプロピル、4−エトキシカルボニルブチル、4−アセトキシブチル、2−シアノエチル、3−シアノプロピル、4−シアノブチル、6−シアノヘキシル、4,4,4−トリフルオロブチル、3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピルおよび4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ブチルから選択される基で置換される。さらに好ましくは、アゾニア二環式基は、窒素原子において、アリル、4−メチルペント−3−エニル、イソプロピル、シクロプロピルメチル、イソブチル、ヘプチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシへキシル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、4−エトキシカルボニルブチル、4−アセトキシブチル、3−シアノプロピルおよび4−シアノブチルから選択される基で置換される。アゾニア二環式基は、窒素原子において、アリル、4−メチルペント−3−エニル、n−ヘプチルから選択される基で、さらに好ましくはアリルおよびn−ヘプチルから選択される基で、最も好ましくはアリル基で置換されることが特に好ましい。
本発明のもう一つの態様では、pは2である。
【0032】
本発明のさらにもう一つの態様では、アゾニア二環式環における置換は3位にあって、不斉炭素の全ての可能な立体配置を含む。さらに好ましくは、アゾニア二環式環における炭素3の立体配置はR立体配置である。
本発明のもう一つの態様では、Rは、非置換フェニル、2−チエニル、3−チエニル、2−フリルもしくは3−フリル基を表す。
本発明のもう一つの態様では、Rは、2−チエニル、3−チエニル、2−フリル、3−フリルもしくはシクロペンチル基を表す。
【0033】
本発明のさらにもう一つの態様では、式−O−CO−C(R)(R)(R)の基は、2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ、2,2−ジチエン−2−イルプロピオニルオキシ、2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ、2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−チエン−2−イルアセトキシ、2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトキシ、2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ、(2)−2−ヒドロキシ−2,3−ジフェニルプロピオニルオキシ、2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルペント−4−エノイルオキシ、(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシおよび(2R)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシから選択される基を表す。さらに好ましくは、−O−CO−C(R)(R)(R)基は、2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ、2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ、2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ、2,2−ジチエン−2−イルプロピオニルオキシ、2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−チエン−2−イルアセトキシ、2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシおよび2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトキシから選択される基を表す。なおさらに好ましくは、−O−CO−C(R)(R)(R)基は、2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシおよび(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシから選択される基を表し、ならびに最も好ましくは、2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ基を表す。
【0034】
本発明のさらにもう一つの態様では、式D−COO−の基は、9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ、9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ、9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ、9−メチル−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ、9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ、9,10−ジヒドロアントラセン−9−カルボニルオキシおよび10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボニルオキシから選択される基を表す。さらに好ましくは、式D−COO−の基は、9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ、9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ、9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ、9−メチル−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシおよび9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシから選択され、そして最も好ましくは、9−メチル−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシおよび9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシから選択される基を表す。
本発明のもう一つの態様では、R、RおよびRにより置換された炭素は、R立体配置を有する。
本発明のもう一つの態様では、R、RおよびRにより置換された炭素は、S立体配置を有する。
【0035】
以下の化合物は、例示を目的とし、本発明の範囲を限定することを意図するものではない:
(3R)−1−アリル−3−(2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(2,2−ジチエン−2−イルプロピオニルキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−(2,2−ジチエン−2−イルプロピオニルキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−イソプロピル−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−シクロプロピルメチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−イソブチル−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−ヘプチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−シクロヘキシルメチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(3−シクロヘキシルプロピル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−アリル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(3,7−ジメチルオクタ−(E)−2,6−ジエニル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(2−ヒドロキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−ヒドロキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(4−ヒドロキシブチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(2−エトキシエチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・クロライド
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−オキシラニルメチル−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(2−[1,3]ジオキソラン−2−イルエチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エトキシ]エチル}−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(3−[1,3]ジオキソラン−2−イルプロピル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(3−エトキシカルボニルプロピル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(4−エトキシカルボニルブチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(4−アセトキシブチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(3−シアノプロピル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(4−シアノブチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(6−シアノヘキシル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(4,4,4−トリフルオロブチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−アリル−3−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−チエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−ヘプチル−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−オキシラニルメチル−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(2−[1,3]ジオキソラン−2−イルエチル)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(9−メチル−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(3−ヒドロキシプロピル)−3−(9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−[(2)−2−ヒドロキシ−2,3−ジフェニルプロピオニルオキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2)−2−ヒドロキシ−2,3−ジフェニルプロピオニルオキシ]−1−(4−メチルペント−3−エニル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−[2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルペント−4−エノイルオキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−[2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルペント−4−エノイルオキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−[(2R)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−ヒドロキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(3−ヒドロキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(4−ヒドロキシブチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(6−ヒドロキシヘキシル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(5−ヒドロキシペンチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ブチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(9,10−ジヒドロアントラセン−9−カルボニルオキシ)−1−(2−ヒドロキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(*立体配置は特定されていない)
【0036】
顕著な興味があるのは以下の化合物である:
1−ヘプチル−(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
1−アリル−(3R)−3−(9−メチル−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
1−アリル−(3R)−3−(9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド。
もう一つの態様において、本発明はまた、式(I)の化合物を製造する方法を提供する。
【0037】
一般式(I)の新しい四級アンモニウム誘導体は、以下のスキームに例示されるように、二つの可能な(a)もしくは(b)法を用いて、実験の部に詳細に記載のように、式(II)のアルキル化剤の一般式(III)の化合物との反応により製造され得る。(b)法は、数個の化合物の並行製造を可能にする固相抽出技法の使用を伴う。
【化11】

【0038】
式(II)では、Wは、任意の適当な脱離基、好ましくは、一般式(I)の化合物について上記で定義のようなX基を表す。WがX以外の脱離基であるとき、式(I)の四級アンモニウム塩は、(a)もしくは(b)法の生成物から、陰イオンWを望ましい陰イオンXと取り換えるための標準方法に従う交換反応により製造される。
【0039】
市販されていない一般式(II)のそれらの化合物を、標準方法に従って製造し得る。例えば、式(II)〔式中、A=−O−、−S−、−NR−〕の化合物のいくつかの例を、相当するアルコール、チオールもしくはアミン誘導体、またはそのナトリウム塩もしくはカリウム塩と、一般式Y−(CH)−W〔式中、Wは上記に定義の通りであり;最も好ましくは、Wはハロゲン原子であって、Yはハロゲン原子もしくはスルフォン酸エステルである〕のアルキル化剤の反応により得ることができる。他の例では、一般式(II)の化合物は、一般式(IV)
【化12】

の相当するアルコール誘導体から当技術分野で公知の方法により合成され得る。
【0040】
式(I)および(III)の化合物は、1個もしくはそれ以上の不斉炭素を有し得る。全ての可能性のある立体異性体、単一の異性体および異性体の混合物もまた、本発明の範囲内に含まれる。化合物のジアステレオマーは、常套方法により、例えばクロマトグラフィーもしくは結晶化により分離され得る。
【0041】
式(III)の化合物は、以下のスキームに記載され、実験の部で詳述されるように、三つの異なる(c)、(d)、および(e)法により作製され得る。
【化13】

(c)法において記載される式(VI)の化合物では、R10は低級アルキル基である。
【0042】
式(V)の以下の化合物は、文献に記載されている:
4−ヒドロキシ−1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンは、WO93/15080に記載されている
4−ヒドロキシ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンは、Grob, C.A. et.al. Helv.Chim.Acta (1958), 41, 1184−1190に記載されている
(3R)−3−ヒドロキシ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンもしくは(3S)−3−ヒドロキシ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンは、Ringdahl, R. Acta Pharm Suec. (1979), 16, 281−283に記載されていて、CU Chemie Uetikon GmbHにより市販されている。
【0043】
一般式(III)〔式中、Dは式i)の基であり、RおよびRは上記の通りであって、Rはヒドロキシ基である〕のいくつかの化合物は、一般式(VII)のグリオキサル酸エステルから、以下のスキームに記載され、実験の部((f)法)で詳述されるように、相当する有機金属誘導体との反応によっても作製され得る。
【化14】

式(VII)の化合物は、相当するグリオキシル酸から、標準方法(c)、(d)および(e)に従い、もしくはWO01/04118およびWO92/04346に記載のように作製され得る。
【0044】
以下のスキームに記載されるように、式(III)(式中、Rは−CHOH基である)の化合物は、相当する式(III)(式中、RはH原子である)の化合物から、塩基性条件でホルムアルデヒドとの反応によっても作製され得る((g)法、WO93/06098およびWO02/053564を参照)。
【化15】

【0045】
作製された化合物の構造を、H−NMRおよびMSにより確認した。NMRを、Varian 300 MHz機器を用いて記録し、そして化学シフトを、内部標準のテトラメチルシランからの百万分の1の率(δ)として示す。それらの純度を、Waters機器での逆相クロマトグラフィーを用い、HPLCにより測定した。分子イオンを、Hewlett Packard機器での電気スプレーイオン化質量分光測定法により取得した。
旋光度を、PERKIN−ELMER 241 MC旋光計を用いて測定した。
【0046】
以下の実施例は、上記の実験手順を例示するがそれらに限定することを意図していない。
【0047】
(a)法
実施例37
(3R)−1−ヘプチル−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル(中間体I−3)250mg(0.75mmol)を、アセトニトリル4mlおよびCHCl6ml中に溶解した。この溶液に、1−ブロモヘプタン0.59ml(0.67g、3.75mmol)を加えた。室温でN雰囲気下に72時間撹拌後に、溶媒を蒸発させた。エーテルを加え、混合液を撹拌した。得られた固体をエーテルで数回洗浄し、ろ過した。表題化合物の収量は、330mg(85.8%)であった。
融点:214.9〜216.6℃
MS [M−Br] : 434
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 0.88 (t, 3 H), 1.12−1.70 (m, 12 H), 1.70−1.93 (m, 2 H), 2.04 (m, 1 H), 2.78 (m, 1 H), 2.96−3.18 (m, 3 H), 3.18−3.48 (m, 3 H), 3.77 (m, 1 H), 5.01 (m, 1 H), 6.84 (s, 1 H, OH), 7.34 (m, 2 H), 7.45 (m, 2 H), 7.61 (m, 2 H), 7.84 (d, 2 H)。
【0048】
実施例39
(3R)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル(中間体I−3)0.5g(0.0015mol)を、アセトニトリル10mlおよびCHCl15ml中に溶解した。この溶液に、1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン1.02ml(1.37g、0.0075mol)を加え、混合液を室温で96時間撹拌した。その後、新しく一部(0.2ml、0.27g,0.0015mol)の1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタンを加え、混合液を室温で24時間以上撹拌した。その後に、溶媒を蒸発させた。エーテルを加え、混合液を撹拌して、固体を得、溶媒を除き、更にエーテルを加えた。残存するアルキル化剤を除去するために、この手順を数回繰り返した。最後に、懸濁液をろ過し、得られた固体をエーテルで洗浄し、乾燥させた。表題化合物の収量は、610mg(78.2%)であった。
融点:194℃
MS [M−Br] : 438
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.44 (m, 1 H), 1.64 (m, 1 H), 1.85 (m, 2 H), 2.09 (m, 1 H), 2.93 (m, 1 H), 3.18−3.28 (m, 1 H), 3.26 (s, 3 H), 3.30−3.60 (m, 9 H), 3.73 (m, 2 H), 3.88 (m, 1 H), 5.00 (m, 1 H), 6.83 (s, 1 H, OH), 7.35 (m, 2 H), 7.45 (m, 2 H), 7.61 (m, 2 H), 7.83 (d, 2 H)。
【0049】
実施例43
(3R)−1−アリル−3−(9−メチル−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
9−メチル−9H−キサンテン−9−カルボン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル1.05g(3mmol)を、THF15ml中に溶解し、3−ブロモプロペ−1−エン(臭化アリル)0.544g(4.5mmol)を加えた。混合液を4時間還流し、撹拌を室温で15時間継続した。その後に、溶媒を初めの容積の1/4にまで濃縮した。エーテルを加え、混合液を20分間撹拌して、固体を得、溶媒を除去し、更にエーテルを加えた。残存するアルキル化剤を除去するために、この手順を数回繰り返した。最後に、懸濁液をろ過し、得られた固体をエーテルで洗浄して、乾燥させた。表題化合物の収量は、1.04g(73.8%)であった。
融点:64.3〜67.8℃
MS [M−Br] : 390
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.35 (m, 1 H), 1.65 (m, 1 H), 1.73−1.91 (m, 2 H), 1.89 (s, 3 H), 2.11 (m, 1 H), 2.75 (m, 1 H), 3.00 (m, 1 H), 3.15−3.45 (m, 3 H), 3.70−3.90 (m, 3 H), 5.03 (m, 1 H), 5.50−5.65 (m, 2 H), 5.86 (m, 1 H), 7.12−7.19 (m, 4 H), 7.35 (m, 2 H), 7.42 (m, 2 H)。
【0050】
(b)法
実施例29
(3R)−1−(6−シアノヘキシル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル60mg(0.17mmol)を、DMSO0.7ml中に溶解した。この溶液に、DMSO0.3ml中に溶解した7−ブロモヘプタンニトリル161mg(0.128ml、0.85mmol)を加えた。室温で一晩撹拌後に、混合液を、予め0.1M NaHPO緩衝液でpH=7.5に調節された、陽イオン交換Mega Bond Elutカートリッジでの固相抽出により精製した。反応混合液をカートリッジに適用し、最初にDMSO2ml、次いでCHCN5mlで3回洗浄して、全ての出発物質を洗い流した。アンモニウム誘導体を、CHCN:CHCl(2:1)中の0.03M TFA溶液5mlで溶離した。この溶液をポリ(4−ビニルピリジン)300mgで中和し、ろ過して、蒸発乾固した。表題化合物の収量は、19.1mg(19.6%)であった。
MS [M−CF3COO] : 459
【0051】
(c)法
一般式(VI)のメチルエステル誘導体は、相当するカルボン酸からのエステル化の標準的な方法により、もしくは文献:Larsson, L. et al., Acta Pharm, Suec. (1974), 11 (3), 304−308; Nyberg, K. et al., Acta Chem. Scand. (1970), 24, 1590−1596; Cohen, V.I. et al., J. Pharm. Sciences (1992), 81, 326−329;WO01/04118、WO02/053564およびそれらに引用されている参照文献に記載された手順に従って製造され得る。
【0052】
中間体I−1
2,2−ジチエン−2−イル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステルの製造
2,2−ジチエン−2−イル酢酸メチルエステル1.67g(0.007mol)を、トルエン40ml中に溶解した。この溶液に、(3R)−3−ヒドロキシ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン1.04g(0.0082mol)およびHNa(鉱油中60%懸濁液)0.14g(0.0035mol)を加えた。混合液を10分間還流し、その後に、必要なときは2時間、新鮮なトルエンと取り換えて、蒸留液を連続除去しながら還流した。冷却した混合液を2N HCl酸で抽出し、水層を酢酸エチルで洗浄し、KCOで塩基性にして、CHClで抽出した。有機層を少量の水で洗浄し、NaSOで乾燥させて、蒸発した。得られた油(2g)をCHCl/MeOH/NHOH 95:5:0.5で溶離するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。適する画分を合わせ、蒸発させ、表題生成物を油(0.82g、35%)として得た。
この生成物を、フマル酸塩の形成により固形化した。得られた油(遊離塩基)0.43g(0.00128mol)の一部をアセトン/ジエチルエーテル中のフマル酸で処理し、固体を得、それをろ過して、エーテルで洗浄した。フマル酸塩の収量は0.44gであった。
2,2−ジチエン−2−イル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステルフマル酸塩:
融点:122℃
MS [M遊離塩基+1]: 334
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.44 (m, 1 H), 1.64 (m, 3 H), 2.03 (m, 1 H), 2.62−2.98 (m, 5 H), 3.30 (m, 1 H), 4.89 (m, 1 H), 5.84 (s, 1 H), 6.54 (s, 2 H), 7.01 (m, 2 H), 7.09 (m, 2 H), 7.48 (m, 2 H)。
2,2−ジチエン−2−イル酢酸メチルエステルを、F. Leonard; I. Ehranthal, J. Am. Chem. Soc, Vol 73, page 2216−2218, (1951)に記載の方法に従い、2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イル酢酸メチルエステルの還元により作製した。
【0053】
中間体I−2
2,2−ジチエン−2−イルプロピオン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト
−3−イルエステルの製造
2,2−ジチエン−2−イルプロピオン酸メチルエステル0.86g(0.0034mol)をトルエン25ml中に溶解した。この溶液に、(3R)−3−ヒドロキシ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン0.51g(0.004mol)およびHNa(鉱油中60%懸濁液)0.055g(0.0014mol)を加えた。混合液を10分間還流し、その後に、必要なときは1.5時間、新鮮なトルエンと取り換えて、蒸留液を連続除去しながら還流した。冷却した混合液を2N HCl酸で抽出し、水層を酢酸エチルで洗浄し、KCOで塩基性にして、CHClで抽出した。有機層を少量の水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、蒸発した。油としての表題化合物の収量は、1.11g(94.07%)であった。
GC/MS [M]: 347
この生成物をシュウ酸塩の形成により固形化した。遊離塩基0.25g(0.00072mol)をアセトン/ジエチルエーテル中のシュウ酸(0.065g、0.00072mol)で処理した。固体を得、それをろ過して、エーテルで洗浄した。収量は0.25g(79.4%)であった。
2,2−ジチエン−2−イルプロピオン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステルシュウ酸塩:
融点:126.7〜128.6℃
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.61 (m, 2 H), 1.83 (m, 2 H), 2.08 (s, 3 H), 2.19 (m, 1 H), 2.88 (m, 1 H), 2.95−3.28 (m, 4 H), 3.61 (m, 1 H), 5.09 (m, 1 H), 7.01 (m, 2 H), 7.07 (m, 2 H), 7.51 (m, 2 H), 9.15 (br. s., 2 H)。
2,2−ジチエン−2−イルプロピオン酸メチルエステルを、M. Sy et al; Bull. Soc. Chim. Fr.; Vol 7, 2609−2611, (1957)に記載の通り、2,2−ジチエン−2−イルプロピオン酸からエステル化の標準的方法により作製した。
【0054】
中間体I−3
9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステルの製造
9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボン酸メチルエステル1.0g(0.0042mol)をトルエン25ml中に溶解した。この溶液に、(3R)−3−ヒドロキシ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン0.67g(0.0053mol)およびHNa(鉱油中60%懸濁液)0.064g(0.0016mol)を加えた。混合液を15分間還流し、その後に、必要なときは1.5時間、新鮮なトルエンと取り換えて、蒸留液を連続除去しながら還流した。冷却した混合液を2N HCl酸で抽出し、水層をジエチルエーテルで洗浄し、KCOで塩基性にして、CHClで抽出した。有機層を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、蒸発した。得られた固体をジエチルエーテルで処理して、ろ過した。得られた生成物をCHCl/ジイソプロピルエーテルの混合溶液から再結晶し、ろ過して、ジイソプロピルエーテルで洗浄した。表題化合物の収量は、0.75g(53.2%)であった。
融点:217℃
MS [M+1] : 336
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.00 (m, 2 H), 1.25−1.50 (m, 2 H), 1.60 (m, 1 H), 2.0−2.16 (m, 2 H), 2.37−2.56 (m, 3 H), 2.91 (m, 1 H), 4.57 (m, 1 H), 6.74 (br. s., 1 H, OH), 7.31 (m, 2 H), 7.42 (m, 2 H), 7.51 (m, 2 H), 7.81 (m, 2 H)。
9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボン酸メチルエステルを、9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボン酸(市販されている)から、エステル化の標準的方法を用いて作製した。
【0055】
式(III)の以下の化合物は、(c)法によっても製造される:
2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル、
2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−フェニル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル、
2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル、
9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル
9−メチル−9H−キサンテン−9−カルボン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル
9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル
2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルペント−4−エン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル、
(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステルおよび
(2R)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル
(最後の2個の化合物は(f)法によっても製造される)。
【0056】
(d)法
中間体I−4
10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステルの製造
10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボン酸2.15g(9.0mmol)をCHCl(エタノールなし)40ml中に溶解した。この溶液を0℃に冷却し、塩化オキサリル0.86ml(9.9mmol)およびDMF一滴を加えた。混合液を撹拌し、室温まで温めた。この温度で1時間後、溶媒を蒸発し、残渣をCHCl中に溶解して、再び蒸発した。この手順を二回繰り返した。得られた油をトルエン20ml中に溶解し、熱いトルエン40ml中の(3R)−3−ヒドロキシ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン1.26g(9.9mmol)の溶液に加えた。反応混合液を2時間還流した。冷却後に、混合液を2N HCl酸で抽出した。水層をKCOで塩基性にして、CHClで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発乾固した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl/MeOH/NHOH、95:5:0.5)により精製した。表題生成物の収量は1.5g(48%)であった。
融点:112〜113℃
CG/MS [M]: 347
1H−NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm : 1.10−1.35 (m, 2 H), 1.40−1.52 (m, 1 H), 1.52−1.68 (m, 1 H), 1.90 (m, 1 H), 2.40−2.60 (m, 2 H), 2.60−2.77 (m, 3 H), 2.83−2.96 (m, 2 H), 3.07−3.19 (m, 1 H), 3.25−3.40 (m, 2 H), 4.80 (m, 2 H), 7.10−7.30 (m, 8 H)。
10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボン酸を、Kumazawa T. et al., J. Med. Chem., (1994), 37, 804−810に記載のように作製した。
【0057】
式(III)の以下の化合物は、相当するカルボン酸から(d)法によっても製造される:
9H−キサンテン−9−カルボン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル。
【0058】
(e)法
中間体I−5
(2R)−2−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−2−フェニル酢酸1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステルの製造
(2R)−2−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−2−フェニル酢酸(WO02/053564に記載のように得られた)660mg(0.00282mol)をDMF9ml中に溶解した。この溶液を室温で撹拌し、1,1'−カルボニルジイミダゾール548mg(0.00338mol)を加えた。反応を、イミダゾリドの形成後に、TLC(CHCl/MeOH/AcOH 70:30:2)によりモニターした。1時間後に、反応を完了した。反応混合液を0℃に冷却し、4−ヒドロキシ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン394mg(0.0031mol)およびHNa(鉱油中60%懸濁液)104mg(0.00259mol)を加えた。室温での44時間撹拌後、反応混合液を水で処理し、ジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を蒸発し、残渣をCHCl〜CHCl/MeOH 15:1で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。表題生成物の収量は300mg(31%)であった。
[α]22D = −27.6°(c=1, CHCl3)
MS: [M+1]: 344
1H−NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm: 1.0−1.55 (m, 7H), 1.55−1.75 (m, 2H), 1.75−1.85 (m, 1H), 1.85−2.05 (m, 6H), 2.10−2.22 (m, 1H), 2.90−3.10 (m, 6H), 3.60−3.80 (bs, 1H, OH), 7.20−7.40 (m, 3H), 7.57−7.67 (m, 2H)。
【0059】
(f)法
中間体I−6
2−ヒドロキシ−2,2−ジフェニルプロピオン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステルの製造
塩化ベンジルマグネシウム0.00386mol(THF中2M溶液の1.93ml)を、THF8ml中に溶解した2−オキソ−2−フェニル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル1g(0.00385mol)の溶液に、−70℃でN雰囲気下に加えた。混合液をこの温度で10分間撹拌し、次いで室温に温め、THF4ml以上で希釈した。1時間後に、反応混合液を10%KCO溶液で処理して、酢酸エチルで二回抽出した。有機層を合わせ、NaSOで乾燥させた。溶媒の除去後、得られた油を2N HClとジエチルエーテル間に分配させた。水相をKCOで塩基性にし、CHClで抽出した。有機溶液を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発して、油1.2gを与えた。
この反応工程を2−オキソ−2−フェニル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル2g(0.0077mol)および塩化ベンジルマグネシウム0.0077mol(THF中2M溶液の3.85ml)から出発して再び作製し、最終的に油2.91gを得た。
生成物の全量(4.11g)をCHCl/MeOH/NHOH 99:1:0.1→95:5:0.5で溶離するカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製した。適する画分を合わせ、ジアステレオマーI−6aおよびI−6bの固体混合物として純粋な生成物1.86gを得、それらをジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルを用いる解離により分離した。
【0060】
中間体I−6a
(2)−2−ヒドロキシ−2,2−ジフェニルプロピオン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル(ジアステレオマー1、得られた第一のジアステレオマー)の製造
ジアステレオマー(I−6)の混合物1.86gをジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルの混合溶液で処理し、ろ過して、純粋なジアステレオマーとして確認された固体を得た。収量は0.87g(単一の異性体に基づき42.6%)であった。
融点:132℃
MS [M+1] : 352
1H−NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm : 1.30−1.60 (m, 2 H), 1.60−1.90 (m, 2 H), 2.05 (m, 1 H), 2.20−2.35 (m, 1 H), 2.50−2.90 (m, 4 H), 3.0−3.15 (m, 1 H), 3.25 and 3.60 (dd, 2 H), 3.70 (br.s., 1 H, OH), 4.70−4.80 (m, 1 H), 7.15−7.45 (m, 8 H), 7.65−7.75 (m, 2 H)。
【0061】
中間体I−6b
(2)−2−ヒドロキシ−2,3−ジフェニルプロピオン酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル(ジアステレオマー2、得られた第二のジアステレオマー)の製造
第一のジアステレオマーのろ過の母液は、第二のジアステレオマーを富化していた。溶媒の蒸発後に、残渣0.55gをジエチルエーテルで処理し、ろ過して、純粋な第二のジアステレオマーとして確認された固体を得た。収量は0.23g(単一異性体に基づき11.2%)であった。
融点:107℃
MS [M+1] : 352
1H−NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm : 1.20−1.35 (m, 1 H), 1.35−1.55 (m, 2 H), 1.55−1.70 (m, 1 H), 1.80−1.95 (m, 1 H), 2.55−2.90 (m, 5 H), 3.10−3.20 (m, 1 H), 3.25 and 3.60 (dd, 2 H), 3.80 (br.s., 1 H, OH), 4.65−4.80 (m, 1 H), 7.20−7.50 (m, 8 H), 7.65−7.75 (m, 2 H)。
(():未特定の立体配置、上記の化合物の(2R)−もしくは(2S)−異性体のどちらかが得られる)
2−オキソ−2−フェニル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステルを、WO92/04346に記載のように製造した。
【0062】
式(III)の以下の化合物は、(f)法によっても製造される:
(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル、
(2R)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル(化合物は(c)法によっても作製される)および2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−チエン−2−イル酢酸(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル。
【0063】
作製(またはそれらの誘導体であるメチルエステル、塩化物もしくはイミダゾリドの合成)が(c)、(d)、(e)法に記述されておらず、そして市販されていない式D−C(O)OHの他のカルボン酸を、以下の参考文献中に記載のように製造することができた:
FR2012964
M.A. Davis et al; J. Med. Chem. (1963), 6, 513−516。
T. Kumazawa et al; J.Med. Chem, (1994), 37(6), 804−810。
M.A. Davis et al; J. Med. Chem., (1964), Vol(7), 88−94。
Sestanj, K; Can. J. Chem., (1971), 49, 664−665。
Burtner, R. ; J. Am. Chem. Soc., (1943), 65, 1582−1585
Heacock R.A. et al; Ann. Appl. Biol., (1958), 46(3), 352−365。
Rigaudy J. et.al; Bull. Soc. Chim. France, (1959), 638−43。
Ueda I. et al; Bull. Chem. Soc. Jpn; (1975), 48 (8), 2306−2309。
E.L. May et.al.; J. Am. Chem. Soc., (1948), 70, 1077−9。
G.W. Moersch et al; Synthesis, (1971), 647−648;
A. Waldemar et al; J.Org. Chem., (1977), Vol 42 (1), 38−40。
WO01/04118およびWO02/053564。
【0064】
薬学的に許容される担体もしくは希釈剤と共に、少なくとも一つの一般式(I)のキヌクリジン誘導体を活性成分として含む医薬組成物もまた、本発明の範囲内に含まれる。好ましくは、組成物を、経口投与に適する形態に製造する。
【0065】
活性化合物(複数を含む)と混合して本発明の組成物を形成する薬学的に許容される担体もしくは希釈剤は、それ自体で周知であって、使用される実際の賦形剤は、組成物の投与の意図する方法にとりわけ依存する。
【0066】
本発明の組成物は、好ましくは経口投与に適する。この場合には、経口投与用の組成物は、錠剤、フイルムコート錠、液体吸入薬、粉末吸入薬および吸入エーロゾルの形態を取り得;全ては1個もしくはそれ以上の本発明の化合物を含有し;そのような製剤は当分野で周知の方法により製造され得る。
【0067】
組成物の作製に用いられ得る希釈剤には、所望により、着色剤もしくは風味剤と共に、活性成分と適合性である液体および固体の希釈剤が含まれる。錠剤もしくはフイルムコート錠は、1〜500mg、好ましくは5〜300mgの活性成分を便利に含有し得る。吸入組成物は、1μg〜1,000μg、好ましくは10μg〜800μgの活性成分を含有し得る。ヒトの治療では、一般式(I)の化合物の服用量は、望ましい効果および処置の継続期間に依存して変わり;成人の服用量は一般に、錠剤として1日当り3mg〜300mg、および吸入組成物として1日当り10μg〜800μgである。
【0068】
(薬理学的作用)
ヒトムスカリン受容体への結合およびモルモットにおける気管支攣縮の試験の結果を、下に記載されているように得た。
【0069】
(ヒトムスカリン受容体の研究)
ヒトムスカリン受容体への[3H]−NMSの結合を、Waelbroek et al (1990), Mol. Pharmacol., 38: 267−273に従って行った。アッセイを25℃で行った。ヒトムスカリン受容体M3の遺伝子を発現している、安定にトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣−K1細胞(CHO)からの膜調製物を用いた。
【0070】
IC50測定のために、膜調製物を、DPBS中、M3サブタイプについて89μg/mlの最終濃度で懸濁した。膜懸濁液をトリチウム標識化合物と共に60分間インキュベートした。インキュベーション後、膜画分をろ過により分離し、結合した放射能を測定した。非特異的結合を10−4Mのアトロピンの添加により測定した。少なくとも六個の濃度をデュプリケートで分析し、個々の置換曲線を作成した。
【0071】
本発明者らの結果は、本発明の化合物が、ムスカリンM3受容体、好ましくはヒトムスカリン受容体に対して高い親和性を有することを示している。本発明の好ましい化合物は、50未満の、好ましくは25未満の、さらに好ましくは15未満の、最も好ましくは10、8もしくは5未満の、M3受容体に対するIC50(nM)値を有している。
【0072】
(モルモットにおける気管支攣縮の試験)
試験を、H. Konzett and F. Roessler (1940), Arch. Exp. Path. Pharmacol. 195: 71−74に従って実施した。試験すべき薬剤の水溶液を、麻酔され、人工呼吸を行われている雄のモルモット(Dunkin−Hartley)に噴霧および吸入させた。静脈注射によるアセチルコリン負荷に対する気管支の応答を、薬物投与前後で測定し、幾つかの時点における肺の抵抗性の変化を気管支攣縮の阻害の割合として示した。
【0073】
本発明の化合物はアセチルコリンに対する気管支攣縮の応答を強力かつ長時間の作用継続をもって阻害した。
上記の結果から、本発明の化合物が優れた抗ムスカリン受容体活性(M3)を有し、かくして、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支炎、気管支過敏症、喘息、咳嗽および鼻炎のような呼吸器障害;尿失禁、頻尿、神経因性膀胱もしくは不安定膀胱、膀胱痙攣および慢性膀胱炎のような泌尿器障害;過敏性大腸症候群、痙攣性大腸炎、憩室炎および消化性潰瘍のような胃腸障害;ならびに迷走神経誘発性洞性徐脈のような心臓血管障害を含む、ムスカリンM3受容体が関与する疾患の処置に有用であることを当業者は容易に理解することができる。
【0074】
本発明はさらに、治療によるヒトまたは動物体の処置の方法、特に呼吸器、泌尿器もしくは胃腸疾患または障害の処置の方法における使用のための式(I)の化合物または式(I)の化合物を含む薬学的に許容される組成物を提供する。
【0075】
本発明はさらに、呼吸器、泌尿器もしくは胃腸疾患または障害の処置のための医薬品の製造のための、式(I)の化合物または式(I)の化合物を含む薬学的に許容される組成物の使用を提供する。
【0076】
さらに、式(I)の化合物または式(I)の化合物を含む薬学的に許容される組成物を、呼吸器、泌尿器もしくは胃腸疾患または障害を処置する方法に使用することができ、その方法は、そのような処置を必要とするヒト患者または動物に式(I)の化合物もしくは式(I)の化合物を含む医薬組成物の有効、かつ非毒性な量を投与することを含んでいる。
【0077】
さらに、式(I)の化合物および式(I)の化合物を含む医薬組成物を、これらの疾患の処置に有効な他の薬物と併用して使用することができる。式(I)の化合物を、例えば、呼吸器疾患の処置において同時、個別もしくは連続使用のために、β−アゴニスト、ステロイド、抗アレルギー剤、ホスホジエステラーゼIV阻害剤および/もしくはロイコトリエンD4(LTD4)阻害剤と併用し得る。
【実施例1】
【0078】
(式(I)の化合物の実施例)
(3R)−1−アリル−3−(2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って中間体I−1から合成した。最終工程の収量は310mg、90.9%であった。
MS [M−Br] : 374
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm : 1.72−2.07 (m, 4 H), 2.28 (m, 1 H), 3.07−3.56 (m, 5 H), 3.78−3.99 (m, 3 H), 5.19 (m, 1 H), 5.52−5.68 (m, 2 H), 5.89 (s, 1 H), 5.98 (m, 1 H), 7.01 (m, 2 H), 7.12 (m, 2 H), 7.50 (m, 2 H)。
【実施例2】
【0079】
(3R)−3−(2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って中間体I−1から合成した。最終工程の収量は270mg、72.9%であった。
融点:163.5〜165.1℃
MS [M−Br] : 416
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm : 1.62 (s, 3 H), 1.67 (s, 3 H), 1.73−2.03 (m, 4 H), 2.20−2.43 (m, 3 H), 3.05−3.46 (m, 6 H), 3.52 (m, 1 H), 3.92 (m, 1 H), 4.98 (m, 1 H), 5.18 (m, 1 H), 5.89 (s, 1 H), 7.01 (m, 2 H), 7.13 (m, 2 H), 7.50 (m, 2 H)。
【実施例3】
【0080】
(3R)−1−アリル−3−(2,2−ジチエン−2−イルプロピオニルキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って中間体I−2から合成した。最終工程の収量は260mg、77.2%であった。
融点:156〜158℃
MS [M−Br] : 388
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm : 1.65 (m, 1 H), 1.80 (m, 1 H), 1.95 (m, 2 H), 2.08 (s, 3 H), 2.28 (m, 1 H), 3.06 (m, 1 H), 3.25−3.52 (m, 4 H), 3.82−4.05 (m, 3 H), 5.20 (m, 1 H), 5.53−5.67 (m, 2 H), 5.97 (m, 1 H), 7.01 (m, 2 H), 7.10 (m, 2 H), 7.51 (m, 2 H)。
【実施例4】
【0081】
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−(2,2−ジチエン−2−イルプロピオニルキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って中間体I−2から合成した。最終工程の収量は380mg、100%であった。
融点:130〜131℃
MS [M−Br] : 430
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm : 1.57−1.82 (m, 2 H), 1.62 (s, 3 H), 1.67(s, 3 H), 1.91 (m, 2 H), 2.07 (s, 3 H), 2.22−2.42 (m, 3 H), 3.10 (m, 1 H), 3.17 (m, 2 H), 3.25−3.42 (m, 3 H), 3.48 (m, 1 H), 3.92 (m, 1 H), 4.98 (m, 1 H), 5.19 (m, 1 H), 7.02 (m, 2 H), 7.09 (m, 2 H), 7.50 (m, 2 H)。
【実施例5】
【0082】
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−イソプロピル−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は21.6mg、25.2%であった。
MS [M−CF3COO] : 392。
【実施例6】
【0083】
(3R)−1−シクロプロピルメチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は5.5mg、6.2%であった。
MS [M−CF3COO] : 404。
【実施例7】
【0084】
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−イソブチル−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は25.0mg、28.3%であった。
MS [M−CF3COO] : 406。
【実施例8】
【0085】
(3R)−1−ヘプチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は490mg、66.6%であった。
融点:134℃
MS [M−Br] : 448
1H−NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm: 0.86 (t, 3 H), 1.16−1.32 (m, 8 H), 1.60 (m, 2 H), 1.91 (m, 2 H), 2.05 (m, 2 H), 2.42 (m, 1 H), 3.32−3.48 (m, 2 H), 3.48−3.80 (m, 5 H), 4.24 (m, 1 H), 5.28 (m, 1 H), 5.98 (s, 1 H, OH), 6.95 (m, 2 H), 7.17 (m, 1 H), 7.22−7.28 (m, 3 H)。
【実施例9】
【0086】
(3R)−1−シクロヘキシルメチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は23.4mg、24.6%であった。
MS [M−CF3COO] : 446。
【実施例10】
【0087】
(3R)−1−(3−シクロヘキシルプロピル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は12.6mg、12.6%であった。
MS [M−CF3COO] : 474。
【実施例11】
【0088】
(3R)−1−アリル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は400mg、70.0%であった。
融点:176℃
MS [M−Br] : 390
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm : 1.77 (m, 2 H), 1.92 (m, 2 H), 2.31 (m, 1 H), 3.15 (m, 1 H), 3.20−3.52 (m, 4 H), 3.81−4.01 (m, 3 H), 5.24 (m, 1 H), 5.53−5.68 (m, 2 H), 5.96 (m, 1 H), 7.02 (m, 2 H), 7.16 (m, 2 H), 7.48 (s, 1 H, OH), 7.53 (m, 2 H)。
【実施例12】
【0089】
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は260mg、36.0%であった。
融点:199℃
MS [M−Br] : 432
1H−NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm: 1.58 (s, 3 H), 1.64 (m, 3 H), 1.87 (m, 2 H), 2.03 (m, 2 H), 2.26−2.47 (m, 3 H), 3.22−3.45 (m, 2 H), 3.45−3.82 (m, 5 H), 4.23 (m, 1 H), 4.92 (m, 1 H), 5.27 (m, 1 H), 6.07 (s, 1 H, OH), 6.93 (m, 2 H), 7.15 (m, 1 H), 7.24 (m, 3 H)。
【実施例13】
【0090】
(3R)−1−(3,7−ジメチルオクタ−(E)−2,6−ジエニル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は14.5mg、14.2%であった。
MS [M−CF3COO] : 486。
【実施例14】
【0091】
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(2−ヒドロキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は16.6mg、19.3%であった。
MS [M−CF3COO] : 394。
【実施例15】
【0092】
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−ヒドロキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は16.0mg、18.0%であった。
MS [M−CF3COO] : 408。
【実施例16】
【0093】
(3R)−1−(4−ヒドロキシブチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は6.5mg、7.1%であった。
MS [M−CF3COO] : 422。
【実施例17】
【0094】
(3R)−1−(2−エトキシエチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は220mg、31.0%であった。
融点:155℃
MS [M−Br] : 422
1H−NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm: 1.15 (t, 3 H), 1.88 (m, 2 H), 2.03 (m, 2 H), 2.46 (m, 1 H), 3.49 (q, 2 H), 3.54−3.96 (m, 8 H), 4.06 (m, 1 H), 4.31 (m, 1 H), 5.27 (m, 1 H), 5.73 (s, 1 H, OH), 6.97 (m, 2 H), 7.20 (m, 1 H), 7.22−7.33 (m, 3 H)。
【実施例18】
【0095】
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・クロライド
表題化合物を、cおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は580mg、14.0%であった。
融点:156℃
MS [M−Cl] : 438
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm : 1.72 (m, 2 H), 1.92 (m, 2 H), 2.27 (m, 1 H), 3.10−3.70 (m, 11 H), 3.79 (m, 2 H), 3.96 (m, 1 H), 4.72 (m, 1 H), 5.21 (m, 1 H), 6.97 (m, 2 H), 7.15 (m, 2 H), 7.51 (m, 3 H)。
【実施例19】
【0096】
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は260mg、35.0%であった。
MS [M−Br] : 452
1H−NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm: 1.87 (m, 2 H), 2.04 (m, 2 H), 2.44 (m, 1 H), 3.32 (s, 3 H), 3.48 (m, 2 H), 3.54−3.96 (m, 10 H), 3.98−4.08 (m, 1 H), 4.30 (m, 1 H), 5.26 (m, 1 H), 6.0 (b.s., 1 H, OH), 6.97 (m, 2 H), 7.20 (m, 1 H), 7.23−7.32 (m, 3 H)。
【実施例20】
【0097】
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−オキシラニルメチル−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は240mg、35.0%であった。
MS [M−Br] : 406。
【実施例21】
【0098】
(3R)−1−(2−[1,3]ジオキソラン−2−イルエチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は15.7mg、16.4%であった。
MS [M−CF3COO] : 450。
【実施例22】
【0099】
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エトキシ]エチル}−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は7.9mg、7.8%であった。
MS [M−CF3COO] : 482。
【実施例23】
【0100】
(3R)−1−(3−[1,3]ジオキソラン−2−イルプロピル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は17.1mg、17.4%であった。
MS [M−CF3COO] : 464。
【実施例24】
【0101】
(3R)−1−(3−エトキシカルボニルプロピル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は15.1mg、15.4%であった。
MS [M−CF3COO] : 464。
【実施例25】
【0102】
(3R)−1−(4−エトキシカルボニルブチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は15.0mg、14.9%であった。
MS [M−CF3COO] : 478。
【実施例26】
【0103】
(3R)−1−(4−アセトキシブチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は10.7mg、10.9%であった。
MS [M−CF3COO] : 464。
【実施例27】
【0104】
(3R)−1−(3−シアノプロピル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は14.0mg、15.5%であった。
MS [M−CF3COO] : 417。
【実施例28】
【0105】
(3R)−1−(4−シアノブチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は16.2mg、17.5%であった。
MS [M−CF3COO] : 431。
【実施例29】
【0106】
(3R)−1−(6−シアノヘキシル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は19.1mg、19.6%であった。
MS [M−CF3COO] : 459。
【実施例30】
【0107】
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(4,4,4−トリフルオロブチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
表題化合物を、cおよびb法に従って合成した。最終工程の収量は18.4mg、18.8%であった。
MS [M−CF3COO] : 460。
【実施例31】
【0108】
(3R)−1−アリル−3−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−チエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、fおよびa法に従ってジアステレオマーの混合物として合成した。最終工程の収量は350mg、50.0%であった。
融点:170℃
MS [M−Br] : 384
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm : (ジアステレオマーの混合物) 1.46−1.79 (m, 2 H), 1.81−2.02 (m, 2 H), 2.28 (m, 1 H), 3.07 (m, 1 H), 3.17−3.46 (m, 4 H), 3.80−4.0 (m, 3 H), 5.23 (m, 1 H), 5.53−5.67 (m, 2 H), 5.96 (m, 1 H), 7.03 (m, 1 H), 7.12 (m, 1 H), 7.20 (s, 1 H, OH), 7.29−7.42 (m, 3 H), 7.42−7.49 (m, 2 H), 7.53 (m, 1 H)。
【実施例32】
【0109】
(3R)−1−アリル−3−(2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従ってジアステレオマーの混合物として合成した。最終工程の収量は120mg、88.8%であった。
MS [M−Br] : 368
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm : (ジアステレオマーの混合物) 1.45−1.80 (m, 2 H), 1.80−2.03 (m, 2 H), 2.26 (m, 1 H), 2.95−3.24 (m, 2 H), 3.24−3.47 (m, 3 H), 3.75−3.98 (m, 3 H), 5.20 (m, 1 H), 5.52−5.67 (m, 2 H), 5.96 (m, 1 H), 6.28 (dd, 1 H), 6.46 (m, 1 H), 6.95 (d, 1 H, OH), 7.31−7.45 (m, 3 H), 7.48 (m, 2 H), 7.68 (m, 1 H)。
【実施例33】
【0110】
(3R)−1−アリル−3−(2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従ってジアステレオマーの混合物として合成した。最終工程の収量は170mg、62.9%であった。
MS [M−Br] : 374
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm : (ジアステレオマーの混合物) 1.58−1.83 (m, 2 H), 1.83−2.06 (m, 2 H), 2.28 (m, 1 H), 3.06 (m, 1 H), 3.18 (m, 1 H), 3.25−3.54 (m, 3 H), 3.78−4.02 (m, 3 H), 5.22 (m, 1 H), 5.52−5.68 (m, 2 H), 5.97 (m, 1 H), 6.33 (dd, 1 H), 6.46 (m, 1 H), 7.04 (m, 1 H), 7.15 (m, 1 H), 7.29 (d, 1 H), 7.55 (m, 1 H), 7.69 (m, 1 H)。
【実施例34】
【0111】
(3R)−1−アリル−3−(9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は180mg、88.2%であった。
融点:75.2〜76.8℃
MS [M−Br] : 374
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm : 1.54 (m, 1 H), 1.69 (m, 1 H), 1.76 (s, 3 H), 1.87 (m, 2 H), 2.11 (m, 1 H), 3.00 (m, 1 H), 3.16−3.47 (m, 4 H), 3.79 (m, 1 H), 3.91 (m, 2 H), 4.99 (m, 1 H), 5.52−5.66 (m, 2 H), 5.93 (m, 1 H), 7.30−7.50 (m, 4 H), 7.64 (d, 1 H), 7.72 (d, 1 H), 7.90 (d, 2 H)。
【実施例35】
【0112】
(3R)−1−アリル−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って中間体I−3から合成した。最終工程の収量は550mg、80.3%であった。
融点:260℃
MS [M−Br] : 376
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm : 1.40 (m, 1 H), 1.64 (m, 1 H), 1.85 (m, 2 H), 2.08 (m, 1 H), 2.77 (m, 1 H), 3.03 (m, 1 H), 3.17−3.41 (m, 3 H), 3.70−3.94 (m, 3 H), 5.03 (m, 1 H), 5.50−5.68 (m, 2 H), 5.90 (m, 1 H), 6.85 (s, 1 H, OH), 7.35 (m, 2 H), 7.46 (m, 2 H), 7.60 (m, 2 H), 7.83 (d, 2 H)。
【実施例36】
【0113】
(3R)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って中間体I−3から合成した。最終工程の収量は490mg、65.5%であった。
融点:192.4〜193.1℃
MS [M−Br] : 418
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.40 (m, 1 H), 1.55−1.72 (m, 1 H), 1.61 (s, 3 H), 1.66 (s, 3 H), 1.84 (m, 2 H), 2.04 (m, 1 H), 2.26 (m, 2 H), 2.76 (m, 1 H), 2.98−3.16 (m, 3 H), 3.18−3.45 (m, 3 H), 3.79 (m, 1 H), 4.95 (m, 1 H), 5.01 (m, 1 H), 6.82 (s, 1 H, OH), 7.33 (m, 2 H), 7.44 (m, 2 H), 7.59 (m, 2 H), 7.82 (d, 2 H)。
【実施例37】
【0114】
(3R)−1−ヘプチル−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って中間体I−3から合成した。最終工程の収量は330mg、85.5%であった。
融点:214.9〜216.6℃
MS [M−Br] : 434
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 0.88 (t, 3 H), 1.12−1.70 (m, 12 H), 1.70−1.93 (m, 2 H), 2.04 (m, 1 H), 2.78 (m, 1 H), 2.96−3.18 (m, 3 H), 3.18−3.48 (m, 3 H), 3.77 (m, 1 H), 5.01 (m, 1 H), 6.84 (s, 1 H, OH), 7.34 (m, 2 H), 7.45 (m, 2 H), 7.61 (m, 2 H), 7.84 (d, 2 H)。
【実施例38】
【0115】
(3R)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−オキシラニルメチル−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って中間体I−3から合成した。最終工程の収量は270mg、38.0%であった。
MS [M−Br] : 392。
【実施例39】
【0116】
(3R)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って中間体I−3から合成した。最終工程の収量は610mg、78.2%であった。
融点:194℃
MS [M−Br] : 438
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.44 (m, 1 H), 1.64 (m, 1 H), 1.85 (m, 2 H), 2.09 (m, 1 H), 2.93 (m, 1 H), 3.18−3.28 (m, 1 H), 3.26 (s, 3 H), 3.30−3.60 (m, 9 H), 3.73 (m, 2 H), 3.88 (m, 1 H), 5.00 (m, 1 H), 6.83 (s, 1 H, OH), 7.35 (m, 2 H), 7.45 (m, 2 H), 7.61 (m, 2 H), 7.83 (d, 2 H)。
【実施例40】
【0117】
(3R)−1−(2−[1,3]ジオキソラン−2−イルエチル)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って中間体I−3から合成した。最終工程の収量は660mg、85.7%であった。
融点:62℃
MS [M−Br] : 436
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.43 (m, 1 H), 1.64 (m, 1 H), 1.71−2.15 (m, 5 H), 2.86 (m, 1 H), 3.0−3.64 (m, 8 H), 3.74−3.97 (m, 3 H), 4.89 (m, 1 H), 5.00 (s, 1 H), 7.34 (m, 2 H), 7.45 (m, 2 H), 7.63 (m, 2 H), 7.82 (d, 2 H)。
【実施例41】
【0118】
(3R)−1−アリル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、dおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は170mg、51.5%であった。
融点:57℃
MS [M−Br] : 376
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.63−2.00 (m, 4 H), 2.17 (m, 1 H), 3.06−3.56 (m, 5 H), 3.77 (m, 1 H), 3.92 (m, 2 H), 5.03 (m, 1 H), 5.30 (s, 1 H), 5.50−5.70 (m, 2 H), 5.94 (m, 1 H), 7.20 (m, 4 H), 7.38 (m, 2 H), 7.50 (m, 2 H)。
【実施例42】
【0119】
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、dおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は270mg、72.9%であった。
融点:225℃
MS [M−Br] : 418
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.60−2.0 (m, 4 H), 1.64 (s, 3 H), 1.69 (s, 3 H), 2.16 (m, 1 H), 2.32 (m, 2 H), 3.10−3.46 (m, 6 H), 3.53 (m, 1 H), 3.85 (m, 1 H), 4.93−5.08 (m, 2 H), 5.32 (s, 1 H), 7.19 (m, 4 H), 7.38 (m, 2 H), 7.52 (m, 2 H)。
【実施例43】
【0120】
(3R)−1−アリル−3−(9−メチル−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は1.04g、73.8%であった。
融点:64.3〜67.8℃
MS [M−Br] : 390
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.35 (m, 1 H), 1.65 (m, 1 H), 1.73−1.91 (m, 2 H), 1.89 (s, 3 H), 2.11 (m, 1 H), 2.75 (m, 1 H), 3.00 (m, 1 H), 3.15−3.45 (m, 3 H), 3.70−3.90 (m, 3 H), 5.03 (m, 1 H), 5.50−5.65 (m, 2 H), 5.86 (m, 1 H), 7.12−7.19 (m, 4 H), 7.35 (m, 2 H), 7.42 (m, 2 H)。
【実施例44】
【0121】
(3R)−1−アリル−3−(9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は270mg、67.5%であった。
融点:232℃
MS [M−Br] : 392
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.29 (m, 1 H), 1.62 (m, 1 H), 1.70−1.94 (m, 2 H), 2.06 (m, 1 H), 2.62 (m, 1 H), 2.79 (m, 1 H), 3.13−3.42 (m, 3 H), 3.64−3.87 (m, 3 H), 5.02 (m, 1 H), 5.47−5.65 (m, 2 H), 5.81 (m, 1 H), 7.18 (s, 1 H, OH), 7.25 (m, 4 H), 7.44 (m, 2 H), 7.65 (m, 2 H)。
【実施例45】
【0122】
(3R)−1−(3−ヒドロキシプロピル)−3−(9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は315mg、90.5%であった。
融点:87.6〜89.1℃
MS [M−Br] : 410
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.28 (m, 1 H), 1.50−1.95 (m, 5 H), 2.05 (m, 1 H), 2.63 (m, 1 H), 2.83 (m, 1 H), 3.10−3.50 (m, 7 H), 3.73 (m, 1 H), 4.76 (t, 1 H, OH), 5.0 (m, 1 H), 7.18 (s, 1 H, OH), 7.18−7.30 (m, 4 H), 7.40−7.50 (m, 2 H), 7.60−7.70 (m, 2 H)。
【実施例46】
【0123】
(3R)−1−アリル−3−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、dおよびa法に従って中間体I−4から合成した。最終工程の収量は260mg、95.6%であった。
融点:219.5〜220.3℃
MS [M−Br] : 388
1H− NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm: 1.52 (m, 1 H), 1.71 (m, 1 H), 1.93 (m, 2 H), 2.20 (m, 1 H), 2.79−2.94 (m, 2 H), 3.02 (m, 1 H), 3.11−3.31 (m, 2 H), 3.40−3.52 (m, 1 H), 3.52−3.75 (m, 3 H), 4.06−4.39 (m, 3 H), 5.10 (m, 1 H), 5.21 (s, 1 H), 5.57−5.87 (m, 3 H), 7.16 (m, 6 H), 7.39 (m, 2 H)。
【実施例47】
【0124】
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、dおよびa法に従って中間体I−4から合成した。最終工程の収量は290mg、97.9%であった。
融点:216℃
MS [M−Br] : 430
1H− NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm: 1.53 (m, 1 H), 1.62 (s, 3 H), 1.67 (s, 3 H), 1.81 (m, 1 H), 1.98 (m, 2 H), 2.18−2.35 (m, 3 H), 2.75−2.98 (m, 3 H), 3.11−3.46 (m, 5 H), 3.54−3.76 (m, 3 H), 4.20 (m, 1 H), 4.95 (m, 1 H), 5.14 (s, 1 H), 5.10−5.20 (m, 1 H), 7.19 (m, 6 H), 7.36 (m, 2 H)。
【実施例48】
【0125】
(3R)−1−アリル−3−[(2)−2−ヒドロキシ−2,3−ジフェニルプロピオニルオキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド(ジアステレオマー1)
表題化合物を、fおよびa法に従って中間体I−6aから合成した。最終工程の収量は250mg、75.7%であった。
融点:180℃
MS [M−Br] : 392
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.72 (m, 2 H), 1.92 (m, 2 H), 2.21 (m, 1 H), 3.02 (m, 1 H), 3.11 (m, 1 H), 3.18−3.52 (m, 5 H), 3.74 (m, 1 H), 3.84 (m, 2 H), 5.04 (m, 1 H), 5.49−5.64 (m, 2 H), 5.90 (m, 1 H), 6.15 (s, 1 H, OH), 7.14 (m, 5 H), 7.23−7.40 (m, 3 H), 7.53 (m, 2 H)。
()立体配置は未特定。
【実施例49】
【0126】
(3R)−3−[(2)−2−ヒドロキシ−2,3−ジフェニルプロピオニルオキシ]−1−(4−メチルペント−3−エニル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(ジアステレオマー1)・ブロミド
表題化合物を、fおよびa法に従って中間体I−6aから合成した。最終工程の収量は280mg、77.7%であった。
融点:224℃
MS [M−Br] : 434
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.61 (s, 3 H), 1.67 (s, 3 H), 1.63−1.75 (m, 2 H), 1.75−2.00 (m, 2 H), 2.21 (m, 1 H), 2.28 (m, 2 H), 2.99−3.20 (m, 4 H), 3.20−3.50 (m, 5 H), 3.77 (m, 1 H), 4.97 (m, 1 H), 5.04 (m, 1 H), 6.14 (s, 1 H, OH), 7.14 (m, 5 H), 7.23−7.39 (m, 3 H), 7.54 (m, 2 H)。
()立体配置は未特定。
【実施例50】
【0127】
(3R)−1−アリル−3−[2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルペント−4−エノイルオキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従ってジアステレオマーの混合物として合成した。最終工程の収量は210mg、61.8%であった。
融点:62.6〜63.9℃
MS [M−Br] : 348
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: (ジアステレオマーの混合物) 1.68−2.05 (m, 4 H), 2.26 (m, 1 H), 2.76 (m, 1 H), 2.95 (m, 1 H), 3.08−3.53 (m, 5 H), 3.74−4.00 (m, 3 H), 5.02−5.21 (m, 3 H), 5.51−5.67 (m, 2 H), 5.78 (m, 1 H), 5.97 (m, 1 H), 6.49 (d, 1 H, OH), 7.01 (m, 1 H), 7.15 (m, 1 H), 7.48 (m, 1 H)。
【実施例51】
【0128】
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−[2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルペント−4−エノイルオキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従ってジアステレオマーの混合物として合成した。最終工程の収量は290mg、78.4%であった。
融点:56.2〜57.9℃
MS [M−Br] : 390
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: (ジアステレオマーの混合物) 1.52−2.06 (m, 4 H), 1.63 (d, 3 H), 1.69 (s, 3 H), 2.16−2.43 (m, 3 H), 2.78 (dd, 1 H), 2.96 (m, 1 H), 3.07−3.59 (m, 7 H), 3.88 (m, 1 H), 4.92−5.23 (m, 4 H), 5.78 (m, 1 H), 6.48 (d, 1 H, OH), 7.01 (m, 1 H), 7.15 (m, 1 H), 7.46 (m, 1 H)。
【実施例52】
【0129】
(3R)−1−アリル−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、fおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は180mg、78.3%であった。
融点:68.2〜70.1℃
MS [M−Br] : 376
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.26−1.66 (m, 8 H), 1.78−2.08 (m, 4 H), 2.30 (m, 1 H), 2.81 (m, 1 H), 3.14 (m, 1 H), 3.20−3.58 (m, 4 H), 3.78−4.03 (m, 3 H), 5.15 (m, 1 H), 5.52−5.68 (m, 2 H), 5.97 (m, 1 H), 6.18 (s, 1 H, OH), 7.01 (m, 1 H), 7.16 (d, 1 H), 7.45 (d, 1 H)。
【実施例53】
【0130】
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、fおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は290mg、71.7%であった。
融点:84℃
MS [M−Br] : 418
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.19−1.76 (m, 8 H), 1.63 (s, 3 H), 1.68 (s, 3 H), 1.77−2.05 (m, 4 H), 2.20−2.42 (m, 3 H), 2.81 (m, 1 H), 3.11−3.24 (m, 3 H), 3.24−3.61 (m, 4 H), 3.89 (m, 1 H), 5.01 (m, 1 H), 5.14 (m, 1 H), 6.19 (s, 1 H, OH), 7.00 (m, 1 H), 7.16 (d, 1 H), 7.44 (d, 1 H)。
【実施例54】
【0131】
(3R)−1−アリル−3−[(2R)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、cおよびa法に従って合成した。最終工程の収量は230mg、85.2%であった。
融点:65.3〜66.0℃
MS [M−Br] : 376
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: (ジアステレオマーの混合物(3R,2R):(3R,2S) 72:28) 1.30−1.66 (m, 8 H), 1.67−2.05 (m, 4 H), 2.23 and 2.30 (m, 1 H), 2.83 (m, 1 H), 3.06−3.55 (m, 5 H), 3.74−4.03 (m, 3 H), 5.14 (m, 1 H), 5.53−5.68 (m, 2 H), 5.99 (m, 1 H), 6.18 and 6.19 (s, 1 H, OH), 7.00 (m, 1 H), 7.16 (m, 1 H), 7.44 (m, 1 H)。
【実施例55】
【0132】
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−ヒドロキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、fおよびa法に従って合成した。粗混合物を、生成物を水で溶離する逆相クロマトグラフィーにより精製した。最終工程の収量は148mg、66%であった。
MS [M−Br] : 380
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.25−1.99 (m, 12H), 2.29 (m, 1H), 2.75−2.85 (m, 1H), 3.30−3.60 (m, 7H), 5.13 (m, 1H), 5.29−5.32 (t, 1H), 6.21 (s, 1H), 6.98−7.01 (dd, 1H), 7.13−7.15 (dd, 1H), 7.42−7.44 (dd, 1H)。
【実施例56】
【0133】
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(3−ヒドロキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、fおよびa法に従って合成した。粗混合物を、生成物を水で溶離する逆相クロマトグラフィーにより精製した。最終工程の収量は145mg、53%であった。
MS [M−Br] : 394。
【実施例57】
【0134】
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(4−ヒドロキシブチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、fおよびa法に従って合成した。粗混合物を、生成物を水で溶離する逆相クロマトグラフィーにより精製した。最終工程の収量は40mg、20%であった。
MS [M−Br] : 408
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.25−1.93 (m, 18H), 2.29 (m, 1H), 2.81 (m, 1H), 3.08−3.48 (m, 5H), 3.75−3.90 (m, 1H), 4.61−4.64 (tm 1H), 5.10−5.20 (m, 1H), 6.23 (s, 1H), 6.99−7.02 (t, 1H), 7.14−7.16 (m, 1H), 7.43−7.45 (d, 1H)。
【実施例58】
【0135】
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、fおよびa法に従って合成した。粗混合物を、生成物を水で溶離する逆相クロマトグラフィーにより精製した。最終工程の収量は110mg、37%であった。
MS [M−Br] : 424
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.10−1.53 (m, 14H), 1.82−2.04 (m, 3H), 2.17−2.37 (m, 1H), 2.76−2.87 (m, 1H), 3.23−3.51 (m, 5H), 3.79−3.95 (m, 2H), 4.67−4.71 (t, 1H), 5.09−5.19 (m, 1H), 6.20 (s, 1H), 6.99−7.01 (dd, 1H), 7.14−7.16 (m, 1H), 7.42−7.44 (dd, 1H)。
【実施例59】
【0136】
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(6−ヒドロキシヘキシル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
表題化合物を、fおよびa法に従って合成した。粗混合物を、生成物を水で溶離する逆相クロマトグラフィーにより精製した。最終工程の収量は90mg、35%であった。
MS [M−Br] : 436
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ ppm: 1.20−2.00 (m, 20H), 2.28 (m, 1H), 2.81 (m, 1H), 3.10−3.50 (m, 9H), 3.81 (m, 1H), 4.38−4.41 (t, 1H), 5.12 (m, 1H), 6.20 (s, 1H), 6.69−7.02 (t, 1H), 7.14−7.15 (m, 1H), 7.43−7.46 (m, 1H)。
【0137】
以下の実施例は、本発明の医薬組成物およびそれらの製造方法を例示する。
【実施例60】
【0138】
医薬組成物の製造:錠剤
【表1】

混合機を用いて、本発明の化合物15gを乳糖340.8gおよび微結晶セルロース85.2gと混合した。混合物を、ローラーコンパクターを用いて圧縮成形に供し、フレーク様の圧縮物質を得た。フレーク様の圧縮物質を、ハンマーミルを用いて粉砕し、粉砕物質を20メッシュスクリーンを通してふるい分けした。軽質無水ケイ酸4.5gおよびステアリン酸マグネシウム4.5gをふるい分けした物質に加え、混合した。混合機の生成物を、直径7.5mmの臼/杵システムを備えた錠剤製造機に供し、それによりそれぞれ150mgの重量を有する3,000個の錠剤を得た。
【実施例61】
【0139】
医薬組成物の製造:コーティング錠
【表2】

流動層造粒機を用いて、本発明の化合物15gを乳糖285.6gおよびトウモロコシデンプン122.4gと混合した。これとは別に、ポリビニルピロリドン22.5gを水127.5g中に溶解し、結合溶液を調製した。流動層造粒機を用いて、結合溶液を上記の混合物に噴霧し、顆粒を得た。ステアリン酸マグネシウム4.5gを得られた顆粒に加え、混合した。得られた混合物を、直径6.5mmの臼/杵両凹面システムを備えた錠剤製造機に供し、それによりそれぞれ150mgの重量を有する3,000個の錠剤を得た。
これとは別に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910の6.9g、ポリエチレングリコール6000の1.2g、二酸化チタン3.3gおよび精製タルク2.1gを水72.6g中に懸濁することにより、コーティング溶液を調製した。High Coatedを用いて、上記で製造した3,000個の錠剤をコーティング溶液でコーティングし、それぞれ154.5mgの重量を有するフイルムコート錠を得た。
【実施例62】
【0140】
医薬組成物の製造:液体吸入薬
【表3】

本発明の化合物40mgを生理食塩水90ml中に溶解し、溶液を同じ生理食塩水で総容積100mlに調整し、1ml容量のアンプルの中に1ml分量で分配し、次いで115℃で30分間滅菌して、液体吸入薬を得た。
【実施例63】
【0141】
医薬組成物製造:粉末吸入薬
【表4】

本発明の化合物20gを乳糖400gと均一に混合し、混合物200mgを、粉末吸入薬を製造するための専用の粉末吸入器の中に充填した。
【実施例64】
【0142】
医薬組成物の調製:吸入エーロゾル
【表5】

活性成分の濃縮液を、本発明の化合物0.0480gをエチルアルコール2.0160g中に溶解することにより製造する。濃縮液を、適切な充填器に加える。活性成分の濃縮液を、エーロゾル容器中に分配し、容器のヘッドスペースを窒素もしくはHFC−134Aの蒸気(パージする成分は2ppm以上の酸素を含有してはならない)でパージし、バルブを閉じる。次いで、HFC−134A噴射剤11.2344gを封入容器中に加圧充填する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、Bは、水素原子または−R、−OR、ヒドロキシ、−O(CO)R、シアノおよび1個もしくはそれ以上のヘテロ原子を有する任意に置換された非芳香族複素環(ここで、Rは、水素原子、任意に置換されたC1〜8アルキル、任意に置換されたC2〜8アルケニルおよび任意に置換されたC〜Cシクロアルキルからなる群より選択される)から選択される基を表し;
nは、0〜4の整数であり;
Aは、−CH−、−CH=CR−、−CR=CH−、−CR−、−O−、−CO−、−O−(CH)−O−(ここで、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子もしくはC1〜8アルキル基を表わす)から選択される基を表し;
mは、0〜8の整数であり;
pは、1〜2の整数であり;
そして、アゾニア二環式環における置換は、不斉中心の全ての可能な立体配置を含む2、3もしくは4位にあり得;
Dは、
【化2】


〔式中、Rは、フェニル、2−チエニル、3−チエニル、2−フラニル、3−フラニルから選択される基を表し、その基は1個もしくはそれ以上の置換基Raにより任意に置換され得;
は、2−チエニル、3−チエニル、2−フラニル、3−フラニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、ベンジルおよびフェニルエチルから選択される基を表し、その基は1個もしくはそれ以上の置換基Rbにより任意に置換され得;
は、水素原子もしくはヒドロキシ、ヒドロキシメチルおよびメチルから選択される基を表し;
Qは、単結合もしくは−CH−、−CHCH−、−O−、−O−CH−、−S−、−S−CH−、および−CH=CH−から選択される基を表し;
およびRは、独立してハロゲン原子、任意に置換されたC1〜8アルキル、任意に置換されたC1〜8アルコキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、−COOR、−NR(式中、RおよびRは、独立して水素原子もしくはC1〜8アルキル基を表わす)から選択される基を表し;
yは0〜3の整数である〕
から選択される基であり;
は、一価もしくは多価酸の薬学的に許容される陰イオンを表す。
ただし、B−(CH)−A−(CH)−基は、直鎖C1〜4アルキル基ではなく、そして
さらに、1−アリルオキシカルボニルメチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2、−ジチオフェン−2−イル−アセトキシ)−1−アゾニア−ビシクロ−[2.2.2]オクタン;および
1−カルボキシメチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジ−チオフェン−2−イル−アセトキシ)−1−アゾニア−ビシクロ−[2.2.2]オクタンのうち1個ではない]
で示される、化合物。
【請求項2】
Bが、水素原子、ヒドロキシ基、任意に置換されたC1〜8アルキル、任意に置換されたC2〜8アルケニル、任意に置換されたC〜Cシクロアルキルおよび少なくともヒドロキシ基で置換された非芳香族複素環基からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記アゾニア二環式基が、窒素原子にて、アリル、4−メチルペント−3−エニル、イソプロピル、シクロプロピルメチル、イソブチル、ヘプチル、シクロヘキシルメチル、3−シクロヘキシルプロピル、3,7−ジメチルオクタ−(E)−2,6−ジエニル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシへキシル、2−エトキシエチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、オキシラニルメチル、2−[1,3]ジオキソラン−2−イルエチル、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エトキシ]エチル、3−[1,3]ジオキソラン−2−イルプロピル、2−エトキシカルボニルエチル、3−エトキシカルボニルプロピル、4−エトキシカルボニルブチル、4−アセトキシブチル、2−シアノエチル、3−シアノプロピル、4−シアノブチル、6−シアノヘキシル、4,4,4−トリフルオロブチル、3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピルおよび4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ブチルから選択される基で置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記アゾニア二環式基が、窒素原子にて、アリル、4−メチルペント−3−エニル、イソプロピル、シクロプロピルメチル、イソブチル、ヘプチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシへキシル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、4−エトキシカルボニルブチル、4−アセトキシブチル、3−シアノプロピルおよび4−シアノブチルから選択される基で置換される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
pが2である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
アゾニア二環式環における置換が3位にあって、不斉炭素の全ての可能な立体配置を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
アゾニア二環式基の3位における炭素原子がR立体配置を有する、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
アゾニア二環式基の3位における炭素原子がS立体配置を有する、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
Dが式(i)の基を表し、Rが、非置換フェニル、2−チエニル、3−チエニル、2−フリルもしくは3−フリル基を表す、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
Dが式(i)の基を表し、Rが、2−チエニル、3−チエニル、2−フリル、3−フリルもしくはシクロペンチル基を表す、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Dが式(i)の基を表し、ここで基−O−CO−C(R)(R)(R)が、2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ、2,2−ジチエン−2−イルプロピオニルオキシ、2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ、2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−チエン−2−イルアセトキシ、2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトキシ、2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ、(2)−2−ヒドロキシ−2,3−ジフェニルプロピオニルオキシ、2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルペント−4−エノイルオキシ、(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシおよび(2R)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシから選択される基を表す、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
前記基−O−CO−C(R)(R)(R)が、2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ、2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ、2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ、2,2−ジチエン−2−イルプロピオニルオキシ、2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−チエン−2−イルアセトキシ、2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシおよび2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトキシから選択される基を表す、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Dが式(ii)の基を表し、ここで基D−COO−が、9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ、9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ、9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ、9−メチル−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ、9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ、9,10−ジヒドロアントラセン−9−カルボニルオキシおよび10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボニルオキシから選択される基を表す、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
前記基D−COO−が、9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ、9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ、9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ、9−メチル−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシおよび9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシから選択される基を表す、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
、RおよびRにより置換された炭素がR立体配置を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
、RおよびRにより置換された炭素がS立体配置を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
(3R)−1−アリル−3−(2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(2,2−ジチエン−2−イルプロピオニルキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−(2,2−ジチエン−2−イルプロピオニルキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−イソプロピル−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−シクロプロピルメチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−イソブチル−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−ヘプチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−シクロヘキシルメチル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(3−シクロヘキシルプロピル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−アリル−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(3,7−ジメチルオクタ−(E)−2,6−ジエニル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(2−ヒドロキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−ヒドロキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(4−ヒドロキシブチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(2−エトキシエチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・クロリド
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−オキシラニルメチル−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(2−[1,3]ジオキソラン−2−イルエチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エトキシ]エチル}−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(3−[1,3]ジオキソラン−2−イルプロピル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(3−エトキシカルボニルプロピル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(4−エトキシカルボニルブチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(4−アセトキシブチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(3−シアノプロピル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(4−シアノブチル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−(6−シアノヘキシル)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(4,4,4−トリフルオロブチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・トリフルオロアセテート
(3R)−1−アリル−3−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−チエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(2−フル−2−イル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−ヘプチル−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−オキシラニルメチル−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(2−[1,3]ジオキソラン−2−イルエチル)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(9−メチル−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(3−ヒドロキシプロピル)−3−(9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−[(2)−2−ヒドロキシ−2,3−ジフェニルプロピオニルオキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2)−2−ヒドロキシ−2,3−ジフェニルプロピオニルオキシ]−1−(4−メチルペント−3−エニル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−[2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルペント−4−エノイルオキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−[2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルペント−4−エノイルオキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(4−メチルペント−3−エニル)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−アリル−3−[(2R)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−ヒドロキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(3−ヒドロキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(4−ヒドロキシブチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(6−ヒドロキシヘキシル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(5−ヒドロキシペンチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ブチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−3−(9,10−ジヒドロアントラセン−9−カルボニルオキシ)−1−(2−ヒドロキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(9−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド
(3R)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン・ブロミド、
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
式(I)
【化3】

[式中、B、n、A、m、p、およびDは、請求項1〜17のいずれか一項に定義される通りである]
の化合物を製造する方法であって、式(III):
【化4】

(式中、pおよびDは上記で定義の通りである)
の化合物のアザ二環式環の窒素原子を、式(II):
【化5】

(式中、B、n、Aおよびmは、上記で定義の通りであり、Wは脱離基を表す)
のアルキル化剤と四級化させることを含む、方法。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物を、薬学的に許容される担体もしくは希釈剤と混合して含む、医薬組成物。
【請求項20】
ヒトもしくは動物体の処置の方法における治療的使用のための、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物、または請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
呼吸器、泌尿器もしくは胃腸疾患または障害の処置のための医薬の製造における、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物、または請求項19に記載の医薬組成物の使用。
【請求項22】
呼吸器、泌尿器もしくは胃腸疾患または障害を処置する方法であって、処置を必要とするヒト患者または動物に、有効で、非毒性量の請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物または請求項19に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項23】
同時、個別もしくは連続使用のための、
(i)請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物;および
(ii)呼吸器、泌尿器もしくは胃腸疾患または障害の処置に有効なもう一つの化合物
を含む、組合せ製品。
【請求項24】
呼吸器疾患の処置において、同時、個別もしくは連続使用のための、
(i)請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物;ならびに
(ii)β−アゴニスト、ステロイド、抗アレルギー剤、ホスホジエステラーゼIV阻害剤および/もしくはロイコトリエンD4(LTD4)アンタゴニスト
を含む、請求項23に記載の組合せ製品。

【公表番号】特表2007−529444(P2007−529444A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503242(P2007−503242)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002523
【国際公開番号】WO2005/090342
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(598032139)ラボラトリオス・アルミラル・ソシエダッド・アノニマ (69)
【氏名又は名称原語表記】Laboratorios Almirall,S.A.
【Fターム(参考)】