説明

新規なジアザビシクロアルカン誘導体及びその医療上の使用

本発明は、ニコチン性アセチルコリン受容体におけるコリン作動性のリガンドであり、モノアミン受容体及びトランスポーターのモジュレーターであることが見出されている、新規なジアザビシクロアルカン誘導体に関する。本発明の化合物は、その薬理学的特性により、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動性系に関するもののように多様な疾患又は障害、平滑筋収縮に関する疾患又は障害、内分泌の疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症に関連する疾患又は障害、疼痛、及び化学物質の乱用を終了したことによって引き起こされる禁断症状の処置に有用であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチン性アセチルコリン受容体におけるコリン作動性のリガンドであり、モノアミン受容体及びトランスポーターのモジュレーターであることが見出されている、新規なジアザビシクロアルカン誘導体に関する。本発明の化合物は、その薬理学的特性により、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動性系に関するもののように多様な疾患又は障害、平滑筋収縮に関する疾患又は障害、内分泌の疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症に関連する疾患又は障害、疼痛、及び化学物質の乱用を終了したことによって引き起こされる禁断症状の処置に有用であり得る。
【背景技術】
【0002】
内因性のコリン作動性神経伝達物質であるアセチルコリンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)及びニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の2つのタイプのコリン作動性受容体によって、その生物学的作用を発揮する。
【0003】
十分立証されているように、ムスカリン性アセチルコリン受容体は、記憶及び認知にとって重要な脳の領域において、量的にニコチン性アセチルコリン受容体の優位に立っており、記憶に関連する障害の処置のための物質の開発を目指した多くの研究は、ムスカリン性アセチルコリン受容体モジュレーターの合成に集中している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、最近は、nAChRモジュレーターの開発に対する関心が現れている。いくつかの疾患、即ち、アルツハイマー型の老年認知症、脳血管性認知症、及びアルコール依存症に直接関連する器質的脳損傷疾患による認知欠陥が、コリン作動性系の変性に関連している。実際に、いくつかのCNS障害は、コリン作動性の欠陥、ドパミン作動性の欠陥、アドレナリン作動性の欠陥、又はセロトニン作動性の欠陥に起因し得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ニコチン性受容体、及び/又はモノアミン受容体の新規なモジュレーターの提供に専心するものであり、このモジュレーターは、コリン作動性受容体、特にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)、セロトニン受容体(5−HTR)、ドパミン受容体(DAR)、及びノルエピネフリン受容体(NER)に関する疾患又は障害、並びにセロトニン(5−HT)、ドパミン(DA)、及びノルエピネフリン(NE)に対する生体アミントランスポーターの処置に有用である。
【0006】
本発明の第1の態様では、本発明は、
式I:
【化1】


[式中、
nは、1、2、又は3であり、
Aは、芳香族単環又は二環の、炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されており、
Bは、フェニル若しくはナフチル基、5〜6員の芳香族単環複素環基、又は芳香族二環複素環基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR”’R””、−NR”’(C=Z)R””、及び−NR”’(C=Z)NR”’R””からなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されていてよく、ここで、
Zは、O、S、又はNR””’を表し、ここで、
R””’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、
R”’は、水素又はアルキルを表し、
R””は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回、場合により置換されている、単環の炭素環若しくは複素環基を表し、
Lは、単(共有)結合(即ち、Lは非存在);又は、−CH−、−O−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Y−(CH−、−(CH−Y−、−CONR”””−、−NR”””CO−、−NR”””CONR”””−、−(SO)NR”””−、及び−NR”””(SO)−から選択される連結基を表し、ここで、
R”””は水素又はアルキルを表し、
Yは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−SO−、−NR”””’−を表し、ここで、
R”””’は水素又はアルキルを表し、
mは、0、1、2、又は3である]
によって表される、新規なジアザビシクロアルカン誘導体、その異性体、若しくはその異性体の混合物、又は薬学的に許容できるその塩を提供する。
【0007】
本発明の第2の態様では、本発明は、治療上有効な量の本発明のジアザビシクロアリール誘導体、又は薬学的に許容できるその付加塩を、少なくとも1つの薬学的に許容できる担体又は希釈剤と一緒に含む薬剤組成物を提供する。
【0008】
さらなる一態様では、本発明は、ヒトを含めた哺乳動物の疾患、又は障害、又は状態の処置、防止、又は軽減のための薬剤組成物/薬物の製造のための、本発明のジアザビシクロアリール誘導体、又は薬学的に許容できるその付加塩の使用に関し、その疾患、障害、又は状態は、コリン作動性受容体、及び/又はモノアミン受容体の変調に反応性である。
【0009】
最後の一態様では、本発明は、コリン作動性受容体、及び/又はモノアミン受容体の変調に反応性である、ヒトを含めた動物生体の疾患、障害、又は状態を処置、防止、又は軽減する方法を提供し、この方法は、それを必要とするこのような動物生体に、治療上有効な量の本発明のジアザビシクロアリール誘導体を投与するステップを含む。
【0010】
本発明の他の目的は、以下の詳しい記載及び実施例から、当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ジアザビシクロアリール誘導体
第1の態様では、新規なジアザビシクロアルカン誘導体を提供する。本発明のジアザビシクロアルカン誘導体は、式I:
【化2】


[式中、
nは、1、2、又は3であり、
Aは、芳香族単環又は二環の、炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されており、
Bは、フェニル若しくはナフチル基、5〜6員の芳香族単環複素環基、又は芳香族二環複素環基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR”’R””、−NR”’(C=Z)R””、及び−NR”’(C=Z)NR”’R””からなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されていてよく、ここで、
Zは、O、S、又はNR””’を表し、ここで、
R””’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、
R”’は、水素又はアルキルを表し、
R””は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回、場合により置換されている、単環の炭素環若しくは複素環基を表し、
Lは、単(共有)結合(即ち、Lは非存在);又は、−CH−、−O−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Y−(CH−、−(CH−Y−、−CONR”””−、−NR”””CO−、−NR”””CONR”””−、−(SO)NR”””−、及び−NR”””(SO)−から選択される連結基を表し、ここで、
R”””は水素又はアルキルを表し、
Yは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−SO−、−NR”””’−を表し、ここで、
R”””’は水素又はアルキルを表し、
mは、0、1、2、又は3である]
によって表され、その異性体、若しくはその異性体の混合物、又はその薬学的に許容できる塩であってよい。
【0012】
好ましい一実施形態では、本発明のジアザビシクロアルカン誘導体は、nが1、2、又は3である、式Iの化合物である。
【0013】
より好ましい一実施形態では、nは、1又は2である。
【0014】
最も好ましい一実施形態では、nは2である。
【0015】
別の好ましい一実施形態では、本発明のジアザビシクロアルカン誘導体は、式Iの化合物であり、Aは芳香族単環又は二環炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されている。
【0016】
より好ましい一実施形態では、Aは、フェニル基;又は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、及びチアジアゾリルから選択される5員芳香族単環複素環基;又は、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択される6員芳香族単環複素環基;又は、インドリル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チエニル、及びベンゾチアゾリルから選択される芳香族二環複素環基を表す。
【0017】
さらにより好ましい一実施形態では、Aは、フェニル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、又はピリダジニル基を表す。
【0018】
なおより好ましい一実施形態では、Aはフェニル基又はナフチル基を表す。
【0019】
なおいっそうより好ましい一実施形態では、Aはフェニル基を表す。
【0020】
この上より好ましい一実施形態では、Aはフェニル基、特に、フェン−1,2−ジイル、フェン−1,3−ジイル、又はフェン−1,4−ジイル基を表す。
【0021】
第3の好ましい一実施形態では、本発明のジアザビシクロアルカン誘導体は式Iの化合物であり、Bは、フェニル基若しくはナフチル基、5〜6員芳香族単環複素環基、又は芳香族二環複素環基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR”’R””、−NR”’(C=Z)R””、及び−NR”’(C=Z)NR”’R””からなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されていてよく、式中、Zは、O、S、又はNR””’を表し、ここで、R””’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、R”’は、水素、又はアルキルを表し、R””は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回、場合により置換されている、単環の炭素環若しくは複素環基を表す。
【0022】
より好ましい一実施形態では、Bは、フェニル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、又はインドリル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)R””からなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されていてよく、ここで、R””は、水素、アルキル、又はシクロアルキルを表す。
【0023】
さらにより好ましい一実施形態では、Bは、フェニル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、又はピリダジニル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)R””からなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されていてよく、ここで、R””は、水素、アルキル、又はシクロアルキルを表す。
【0024】
なおより好ましい一実施形態では、Bは、フェニル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、又はインドリル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されていてよい。
【0025】
なおいっそうより好ましい一実施形態では、Bは、フェニル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、又はピリダジニル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されていてよい。
【0026】
この上より好ましい一実施形態では、Bは、フェニル基、ピリジル基、又はインドリル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されていてよい。
【0027】
なおこの上より好ましい一実施形態では、Bはフェニル基又はピリジル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)−アルキルからなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されていてよい。
【0028】
なおこの上より好ましい一実施形態では、Bはフェニル基又はインドリル基を表し、この芳香族基は、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されていてよい。
【0029】
なおこの上より好ましい一実施形態では、Bはフェニル基を表し、このフェニルは、ヒドロキシ又はアルコキシ、特にメトキシ又はエトキシで場合により置換されていてよい。
【0030】
なおこの上より好ましい一実施形態では、Bはインドリル基、特に1H−インドール−2−イル、1H−インドール−5−イル、又は1H−インドール−6−イルを表す。
【0031】
なおこの上より好ましい一実施形態では、Bはフェニル基を表し、このフェニルは、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、アミノ、又はニトロで、場合により置換されていてよい。
【0032】
なおこの上より好ましい一実施形態では、Bはフェニル基を表す。
【0033】
第4の好ましい実施形態では、本発明のジアザビシクロアルカン誘導体は、式Iの化合物であり、Lは、単(共有)結合(即ち、Lは非存在);又は、−CH−、−O−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Y−(CH−、−(CH−Y−、−CONR”””−、−NR”””CO−、−NR”””CONR”””−、−(SO)NR”””−、及び−NR”””(SO)−から選択される連結基を表し、ここで、R”””は、水素又はアルキルを表し、Yは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−SO−、−NR”””’−を表し、ここで、R”””’は、水素又はアルキルを表し、mは、0、1、2、又は3である。
【0034】
より好ましい一実施形態では、Lは、単(共有)結合(即ち、Lは非存在);又は、−CH−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Y−(CH−、−(CH−Y−、−CONR”””−、−NR”””CO−、−NR”””CONR”””−、−(SO)NR”””−、及び−NR”””(SO)−から選択される連結基を表し、ここで、R”””は、水素又はアルキルを表し、Yは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−SO−、−NR”””’−を表し、ここで、R”””’は、水素又はアルキルを表し、mは、0、1、2、又は3である。
【0035】
さらにより好ましい一実施形態では、Lは、−CH−、−O−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Y−(CH−、−(CH−Y−、−CONR”””−、−NR”””CO−、−NR”””CONR”””−、−(SO)NR”””−、及び−NR”””(SO)−から選択される連結基を表し、ここで、R”””は、水素又はアルキルを表し、Yは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−SO−、−NR”””’−を表し、ここで、R”””’は、水素又はアルキルを表し、mは、0、1、2、又は3である。
【0036】
なおより好ましい一実施形態では、Lは、−CH−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Y−(CH−、−(CH−Y−、−CONR”””−、−NR”””CO−、−NR”””CONR”””−、−(SO)NR”””−、及び−NR”””(SO)−から選択される連結基を表し、ここで、R”””は、水素又はアルキルを表し、Yは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−SO−、−NR”””’−を表し、ここで、R”””’は、水素又はアルキルを表し、mは、0、1、2、又は3である。
【0037】
第5の好ましい実施形態では、本発明のジアザビシクロアルカン誘導体は式Iの化合物であり、Lは単(共有)結合(即ち、Lは非存在)を表し、又は、Lは、−CH−、−O−、若しくは−NRHCO−から選択される連結基を表す。
【0038】
より好ましい実施形態では、Lは単(共有)結合(即ち、Lは非存在)を表す。
【0039】
別のより好ましい実施形態では、Lは、−CH−、−O−、又は−NRHCO−から選択される連結基を表す。
【0040】
第3のより好ましい一実施形態では、Lは、−CH=CH−、−C≡C−、−CONR”””−、及び−NR”””CO−から選択される連結基を表し、ここで、R”””は水素又はアルキルを表す。
【0041】
第4のより好ましい一実施形態では、Lは、−C≡C−、及び−NR”””CO−から選択される連結基を表し、ここで、R”””は水素又はアルキル、特にメチル、エチル、又はプロピルを表す。
【0042】
第5のより好ましい一実施形態は、Lは−C≡C−、及び−NHCO−から選択される連結基を表す。
【0043】
最も好ましい一実施形態では、本発明のジアザビシクロアルカン誘導体は、
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−フェニルエチニル−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−ベンゾイルアミノ−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸2−フェノキシ−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸3−フェノキシ−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−フェノキシ−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−ベンジル−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−(4−メトキシ−ベンゾイル−アミノ)−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−(3−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−(2−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−フェニルエステル;又は
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−(1H−インドール−5−イル)−フェニルエステル;
又は鏡像異性体、若しくはその鏡像異性体の混合物、又は薬学的に許容できるその塩である。
【0044】
本明細書に記載した2つ又はそれを超える実施形態のあらゆる組合せが、本発明の範囲内にあるとみなされる。
【0045】
置換基の定義
本発明の文脈では、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを表す。したがって、トリハロメチル基は、例えば、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、及び類似のトリハロ置換したメチル基を意味する。
【0046】
本発明の文脈では、ハロアルキル基は、ハロで1回又は複数回置換されている、本明細書で定義するアルキル基を指定する。本発明の好ましいハロアルキル基には、トリハロメチル、好ましくはトリフルオロメチルが含まれる。
【0047】
本発明の文脈では、ハロアルコキシ基は、ハロで1回又は複数回置換されている、本明細書で定義するアルコキシ基を指定する。本発明の好ましいハロアルコキシ基には、トリハロメトキシ、好ましくはトリフルオロメトキシが含まれる。
【0048】
本発明の文脈では、アルキル基は、1価の、飽和の、直鎖の、又は分枝の炭化水素鎖を指定する。炭化水素鎖は、1個から18個までの炭素原子を含む(C1〜18アルキル)のが好ましく、1個から6個までの炭素原子を含む(C1〜6アルキル、低級アルキル)のがより好ましく、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、3級ペンチル、ヘキシル、及びイソヘキシルが含まれる。好ましい一実施形態では、アルキルは、C1〜4アルキル基を表し、ブチル、イソブチル、2級ブチル、及び3級ブチルが含まれる。本発明の別の好ましい一実施形態では、アルキルはC1〜3アルキル基を表し、これは特にメチル、エチル、プロピル、又はイソプロピルであってよい。
【0049】
本発明の文脈では、アルケニル基は、1個又は複数個の二重結合を含む、直鎖又は分枝の炭素鎖を指定し、ジエン、トリエン、及びポリエンが含まれる。好ましい一実施形態では、本発明のアルケニル基は、少なくとも1個の二重結合を含む、2個から8個までの炭素原子を含み(C2〜8アルケニル)、より好ましくは2個から6個までの炭素原子を含む(C2〜6アルケニル)。最も好ましい一実施形態では、本発明のアルケニル基は、エテニル;1−若しくは2−プロペニル(アリル);1−、2−、若しくは3−ブテニル、又は1,3−ブタジエニル;1−、2−、3−、4−、若しくは5−ヘキセニル、又は1,3−ヘキサジエニル、又は1,3,5−ヘキサトリエニル;1−、2−、3−、4−、5−、6−、若しくは7−オクテニル、又は1,3−オクタジエニル、又は1,3,5−オクタトリエニル、又は1,3,5,7−オクタテトラエニルである。
【0050】
本発明の文脈では、アルキニル基は、1個又は複数個の三重結合を含む、直鎖又は分枝の炭素鎖を指定し、ジイン、トリイン、及びポリインが含まれる。好ましい一実施形態では本発明のアルキニル基は、少なくとも1個の三重結合を含む、2個から8個までの炭素鎖を含み(C2〜8アルキニル)、より好ましくは2個から6個までの炭素鎖を含む(C2〜6アルキニル)。その最も好ましい実施形態では、本発明のアルキニル基は、エチニル;1−、若しくは2−プロピニル;1−、2−、若しくは3−ブチニル、又は1,3−ブタジイニル;1−、2−、3−、4−ペンチニル、又は1,3−ペンタジイニル;1−、2−、3−、4−、若しくは5−ヘキシニル、又は1,3−ヘキサジイニル、又は1,3,5−ヘキサトリイニル;1−、2−、3−、4−、5−、若しくは6−ヘプチニル、又は1,3−ヘプトジイニル(heptdiynyl)、又は1,3,5−ヘプトトリイニル(hepttriynyl);1−、2−、3−、4−、5−、6−、若しくは7−オクチニル、又は1,3−オクトジイニル(octdiynyl)、又は1,3,5−オクトトリイニル(octtriynyl)、又は1,3,5,7−オクトテトラニイル(octtetraynyl)である。
【0051】
本発明の文脈では、シクロアルケニル基は、上記に定義したようなアルケニル基の環状の形態を指定する。本発明の好ましい環状アルケニル基の例には、シクロペント−1−エニル、シクロペンタ−1,3−ジエニル、シクロヘキス−1−エニル、シクロヘキサ−1,3−ジエニル、シクロヘプト−1−エニル、シクロヘプタ−1,3−ジエニル、シクロオクト−1−エニル、及びシクロオクタ−1,3−ジエニルが含まれる。
【0052】
本発明の文脈では、シクロアルキル基は、好ましくは3個から7個までの炭素原子を含む環状のアルキル基を指定し(C3〜7シクロアルキル)、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルが含まれる。
【0053】
本発明の文脈では、シクロアルキル−アルキル基は、上記に定義したようなシクロアルキル基を指定し、このシクロアルキル基は、やはり上記に定義したようなアルキル基上に置換されている。本発明の好ましいシクロアルキル−アルキル基の例には、シクロプロピルメチル、及びシクロプロピルエチルが含まれる。
【0054】
本発明の文脈では、アルコキシ基は「アルキル−O−」基を指定し、ここで、アルキルは上記で定義した通りである。本発明の好ましいアルコキシ基の例には、メトキシ及びエトキシが含まれる。
【0055】
本発明の文脈では、ヒドロキシ−アルコキシ基は、上記で定義したようなアルコキシ基を指定し、アルコキシ基は1個又は複数個のヒドロキシ基で置換されている。本発明の好ましいヒドロキシ−アルコキシ基には、2−ヒドロキシ−エトキシ、3−ヒドロキシ−プロポキシ、4−ヒドロキシ−ブトキシ、5−ヒドロキシ−ペントキシ、及び6−ヒドロキシ−ヘキソキシが含まれる。
【0056】
本発明の文脈では、アルコキシ−アルキル基は、「アルキル−O−アルキル−」基を指定し、ここで、アルキルは上記で定義した通りである。本発明の好ましいアルコキシ−アルキル基の例には、メトキシ−メチル、メトキシ−エチル、エトキシ−メチル、及びエトキシ−エチルが含まれる。
【0057】
本発明の文脈では、アルコキシ−アルコキシ基は、「アルキル−O−アルキル−O−」基を指定し、ここで、アルキルは上記で定義した通りである。本発明の好ましいアルコキシ−アルコキシ基の例には、メトキシ−メトキシ、メトキシ−エトキシ、エトキシ−メトキシ、及びエトキシ−エトキシが含まれる。
【0058】
本発明の文脈では、シクロアルコキシ基は「シクロアルキル−O−」基を指定し、ここで、シクロアルキルは上記で定義した通りである。本発明の好ましいアルコキシ基は、シクロプロポキシである。
【0059】
本発明の文脈では、シクロアルコキシ−アルキル基は「シクロアルキル−O−アルキル」基を指定し、ここで、シクロアルキル及びアルキルは上記で定義した通りである。
【0060】
本発明の文脈では、シクロアルコキシ−アルコキシ基は「シクロアルキル−O−アルキル−O−」基を指定し、ここで、シクロアルキル及びアルキルは上記で定義した通りである。
【0061】
本発明の文脈では、ヒドロキシ−アルコキシ基は、上記で定義したようなアルコキシ基を指定し、このアルコキシ基は1個又は複数個のヒドロキシ基で置換されている。本発明の好ましいヒドロキシ−アルコキシ基には、2−ヒドロキシ−エトキシ、3−ヒドロキシ−プロポキシ、4−ヒドロキシ−ブトキシ、5−ヒドロキシ−ペントキシ、及び6−ヒドロキシ−ヘキソキシが含まれる。
【0062】
本発明の文脈では、シアノ−アルキル基は、−CNで置換されているアルキル基を指定し、ここで、アルキルは上記で定義した通りである。
【0063】
本発明の文脈では、単環、二環、又は多環の炭素環基は、環状原子として炭素だけを保有している、単環、二環、又は多環の炭素環基である。環構造は、特に、芳香族(即ちアリール基)であってもよく、又は飽和若しくは部分的に飽和されていてもよい。
【0064】
本発明の文脈では、単環、二環、又は多環の複素環基は、その環構造に1個又は複数個のヘテロ原子を保有している、単環、二環、又は多環の化合物である。「二環及び多環複素環基」の語には、1個又は複数個のヘテロ原子を含む、ベンゾ縮合5員及び6員の複素環が含まれる。好ましいヘテロ原子には、窒素(N)、酸素(O)、及びイオウ(S)が含まれる。
【0065】
本発明の好ましい炭素環基には、フェニル、インデニル、ナフチル、アズレニル、フルオレニル、及びアントラセニルが含まれる。最も好ましい一実施形態では、本発明のアリール基はフェニルである。
【0066】
本発明の好ましい複素環基には、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、及びチアジアゾリルから選択される5員の芳香族単環複素環基;並びに、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択される6員芳香族単環複素環基が含まれ、本発明の好ましい二環複素環基には、インドリル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チエニル、及びベンゾチアゾリルが含まれる。
【0067】
薬学的に許容できる塩
本発明のジアザビシクロアリール誘導体を、意図する投与に適するあらゆる形態で提供することができる。適切な形態には、薬学的に(即ち、生理学的に)許容できる塩、及び本発明の化学物質のプレドラッグ又はプロドラッグの形態が含まれる。
【0068】
薬学的に許容できる付加塩の例には、制限なく、塩酸に由来する塩酸塩、臭化水素酸に由来する臭化水素酸塩、硝酸に由来する硝酸塩、過塩素酸に由来する過塩素酸塩、リン酸に由来するリン酸塩、硫酸に由来する硫酸塩、ギ酸に由来するギ酸塩、酢酸に由来する酢酸塩、アコニット酸に由来するアコニット酸塩、アスコルビン酸に由来するアスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸に由来するベンゼンスルホン酸塩、安息香酸に由来する安息香酸塩、ケイ皮酸に由来するケイ皮酸塩、クエン酸に由来するクエン酸塩、エンボン酸に由来するエンボン酸塩、エナント酸に由来するエナント酸塩、フマル酸に由来するフマル酸塩、グルタミン酸に由来するグルタミン酸塩、グリコール酸に由来するグリコール酸塩、乳酸に由来する乳酸塩、マレイン酸に由来するマレイン酸塩、マロン酸に由来するマロン酸塩、マンデル酸に由来するマンデル酸塩、メタンスルホン酸に由来するメタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸に由来するナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸に由来するフタル酸塩、サリチル酸に由来するサリチル酸塩、ソルビン酸に由来するソルビン酸塩、ステアリン酸に由来するステアリン酸塩、コハク酸に由来するコハク酸塩、酒石酸に由来する酒石酸塩、p−トルエンスルホン酸に由来するトルエン−p−スルホン酸塩などの非毒性の無機及び有機の酸付加塩が含まれる。このような塩は、当技術分野ではよく知られ、記載されている手順によって形成することができる。
【0069】
シュウ酸などの他の酸は、薬学的に許容できると考えられないことがあるが、本発明の化学物質、及び薬学的に許容できるその酸付加塩を得る上での中間物質として有用な塩の調製に有用であることがある。
【0070】
薬学的に許容できる付加塩のさらなる例には、制限なく、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコニット酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩由来、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩などの非毒性の無機及び有機の酸付加塩が含まれる。このような塩は、当技術分野ではよく知られ、記載されている手順によって形成することができる。
【0071】
本発明の化学物質の金属塩には、カルボキシ基を含む本発明の化学物質のナトリウム塩などの、アルカリ金属塩が含まれる。
【0072】
本発明の文脈では、N−含有化合物の「オニウム塩」も、薬学的に許容できる塩として企図されている。好ましい「オニウム塩」には、アルキル−オニウム塩、シクロアルキル−オニウム塩、及びシクロアルキルアルキル−オニウム塩が含まれる。
【0073】
異性体
当業者であれば、本発明の化合物は、鏡像異性体、ジアステレオマー、及び幾何異性体(シス−トランス異性体)を含めた、様々な立体異性体の形態で存在することができることを理解するであろう。本発明は、このような異性体、及び、ラセミ混合物を含めたそのあらゆる混合物をすべて含む。
【0074】
ラセミ形態は、知られている方法及び技術によって光学的対掌体に分解することができる。異性体の塩を分離する一方法は、光学活性な酸の使用により、及び塩基との処理により光学活性なアミン化合物を遊離することによる。ラセミ体を光学的対掌体に分解するための別の一方法は、光学活性なマトリックス上でのクロマトグラフィーに基づくものである。例えば、本発明のラセミ化合物を、このように、例えば、d−又はl−(酒石酸塩、マンデル酸塩、若しくはカンファースルホン酸塩)塩の分別再結晶によって、その光学的対掌体に分解することができる。
【0075】
本発明の化学物質を、光学活性な活性化したカルボン酸(例えば、(+)若しくは(−)フェニルアラニン、(+)若しくは(−)フェニルグリシン、(+)若しくは(−)カンファン酸由来のものなど)との反応によってジアステレオマーのアミドを形成することによって、又は本発明の化学物質を光学活性なクロロギ酸などとの反応によってジアステレオマー性のカルバミン酸を形成することによって、本発明の化学物質を分解することもできる。
【0076】
光学異性体を分解するためのさらなる方法は、当技術分野では知られている。このような方法には、Jaques J、Collet A、及びWilen S、「鏡像異性体、ラセミ体、及び分解(Enantiomers,Racemates,and Resolutions)」、John Wiley and Sons、New York(1981年)によって記載されているものが含まれる。
【0077】
光学活性な化合物は、光学活性な出発材料から調製することもできる。
【0078】
標識化合物
本発明の化合物を、その標識又は非標識の形態で用いることができる。本発明の文脈では、標識化合物は、通常天然に見出される原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換されている1個又は複数個の原子を有する。標識化により、前記化合物の容易な定量的な検出が可能になる。
【0079】
本発明の標識化合物は、診断上の手段として、放射性トレーサとして、又は様々な診断方法におけるモニター物質として、及びin vivoの受容体画像化に有用であり得る。
【0080】
本発明の標識異性体が、少なくとも1個の放射性核種を標識として含むのが好ましい。ポジトロン放出性の放射性核種が、使用のためのすべての候補である。本発明の文脈では、放射性核種を、H(重水素)、H(トリチウム)、13C、14C、131I、125I、123I、及び18Fから選択するのが好ましい。
【0081】
本発明の標識異性体を検出するための物理的方法は、ポジトロン放出断層撮影(PET)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)、磁気共鳴分光(MRS)、磁気共鳴画像(MRI)、及びコンピュータX線体軸断層撮影(CAT)、又はこれらの組合せから選択することができる。
【0082】
ジアザビシクロアリール誘導体を生成する方法
本発明のジアザビシクロアリール誘導体を、化学合成に対する従来の方法によって、例えば、実施例に記載した方法によって調製することができる。本出願に記載したプロセスに対する出発材料は知られており、又は市販の化学物質から従来の方法によって容易に調製することができる。
【0083】
本発明の一化合物を、従来の方法を用いて本発明の別の化合物に変換することもできる。
【0084】
本明細書に記載する反応の最終産物を、従来の技術によって、例えば、抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーなどによって単離してもよい。
【0085】
生物活性
本発明は、ニコチン性受容体の新規なリガンド及びモジュレーターの提供に専心するものであり、このリガンド及びモジュレーターは、コリン作動性受容体、特にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に関連する疾患又は障害の処置に有用である。本発明の好ましい化合物は、顕著なニコチン性アセチルコリンα7サブタイプ受容体の選択性を示す。
【0086】
本発明の化合物は、その薬理学的特性により、CNS関連疾患、PNS関連疾患、平滑筋の収縮に関連する疾患、内分泌障害、神経変性に関連する疾患、炎症に関連する疾患、疼痛、及び化学物質の乱用を終了したことによって引き起こされる禁断症状のように多様な疾患又は状態の処置に有用であり得る。
【0087】
好ましい一実施形態では、本発明の化合物は、認知障害、学習障害、記憶障害及び機能不全、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動性障害(ADHD)、トゥーレット症候群、精神病、うつ病、双極性障害、躁病、躁うつ病、統合失調症、統合失調症に関連する認知又は注意欠陥、強迫性障害(OCD)、パニック障害;神経性食欲不振症、過食症、及び肥満などの摂食障害;ナルコレプシー、侵害受容、エイズ認知症、老年認知症、自閉症、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、不安、非OCD不安障害、痙攣性障害、てんかん、神経変性障害、一過性無酸素症、誘導性神経変性、神経障害、糖尿病性神経障害、ペリフェリック(periferic)失読症、遅発性ジスキネジア、運動亢進症、穏やかな疼痛、中程度又は重症の疼痛;急性、慢性、又は再発性の性質の疼痛;偏頭痛によって引き起こされる疼痛、手術後の疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、慢性頭痛、中枢性疼痛;糖尿病性神経障害に関連する疼痛、治療後神経痛に関連する疼痛、又は、末梢神経傷害に関連する疼痛;過食症、外傷後症候群、対人恐怖、睡眠障害、仮性認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、黄体期後期症候群、慢性疲労症候群、無言症、抜毛症、時差ぼけ、不整脈、平滑筋の収縮、狭心症、早産、下痢、喘息、遅発性ジスキネジア、運動亢進症、早発射精、勃起困難、高血圧、炎症性障害、炎症性皮膚障害、ざ瘡、酒さ、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、下痢、或いはタバコなどのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン、及びモルヒネなどのオピオイド、ベゾジアゼピン、及びベンゾジアゼピン様薬物、並びにアルコールを含む習慣性物質の使用を終了したことによって引き起こされる禁断症状の処置、防止、又は軽減に有用であり得る。
【0088】
より好ましい一実施形態では、本発明の化合物は、疼痛、穏やかな、又は中程度、又は重症の疼痛;急性、慢性、又は再発性の性質の疼痛;偏頭痛によって引き起こされる疼痛、手術後の疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、慢性頭痛、中枢性疼痛;糖尿病性神経障害に関連する疼痛、治療後神経痛に関連する疼痛、又は、末梢神経傷害に関連する疼痛の処置、防止、又は軽減に有用であり得る。
【0089】
さらにより好ましい一実施形態では、本発明の化合物は、平滑筋の収縮、痙攣性障害、狭心症、早産、痙攣、下痢、喘息、てんかん、遅発性ジスキネジア、運動亢進症、早発射精、又は勃起困難を伴う疾患、障害、又は状態の処置、防止、又は軽減に有用であり得る。
【0090】
なおより好ましい一実施形態では、本発明の化合物は、神経変性障害、一過性無酸素症、又は誘導性神経変性の処置、防止、又は軽減に有用であり得る。
【0091】
なおいっそうより好ましい一実施形態では、本発明の化合物は、炎症性障害、炎症性皮膚障害、ざ瘡、酒さ、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、又は下痢の処置、防止、又は軽減に有用であり得る。
【0092】
この上好ましい一実施形態では、本発明の化合物は、糖尿病性神経障害、統合失調症、統合失調症に関連する認知若しくは注意欠陥、又はうつ病の処置、防止、又は軽減に有用であり得る。
【0093】
最後に、本発明の化合物は、習慣性物質の使用を終了したことによって引き起こされる禁断症状の処置に有用であり得る。このような習慣性物質には、タバコなどのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン、及びモルヒネなどのオピオイド、ベゾジアゼピン、ベンゾジアゼピン様薬物、並びにアルコールが含まれる。習慣性物質からの禁断は、不安及び欲求不満、怒り、不安、集中困難、不穏状態、心拍数の低減、並びに食欲の増大及び体重の増大を特徴とする、一般に心的外傷の経験である。
【0094】
この文脈では、「処置」は、禁断症状及び離脱の処置、防止、予防、及び軽減、並びに習慣性物質の摂取の自発的な低減をもたらす処置を網羅する。
【0095】
別の一態様では、本発明の化合物を診断用物質として、例えば、様々な組織におけるニコチン性受容体の同定及び位置決定のために用いる。
【0096】
現在、医薬品有効成分(API)の適切な投与量は、1日あたり約0.1mgから約1000mgAPIまでの範囲内であり、より好ましくは1日あたり約10mgから約500mgAPIまでの範囲内であり、最も好ましくは1日あたり約30mgから約100mgAPIまでの範囲内であることが企図されているが、正確な投与様式、それを投与する形態、考慮される適応、対象、特に関与する対象の体重、並びにさらに担当の医師又は獣医師の好み及び経験に応じる。
【0097】
本発明の好ましい化合物は、マイクロモル以下及びマイクロモルの範囲で、即ち1μM未満から約100μMの範囲で生物活性を示す。
【0098】
薬剤組成物
別の一態様では、本発明は、治療的に有効な量の本発明のジアザビシクロアリール誘導体を含む新規な薬剤組成物を提供する。
【0099】
治療で用いるための本発明の化学物質を、未加工の化学物質の形態で投与してよいが、場合により生理学的に許容できる塩の形態の有効成分を、1つ又は複数の助剤、賦形剤、担体、バッファー、希釈剤、及び/又は他の慣例的な製薬用の補助剤と一緒に薬剤組成物において導入することが好ましい。
【0100】
好ましい一実施形態では、本発明は、本発明のジアザビシクロアリール誘導体又は薬学的に許容できるその塩若しくは誘導体を、1つ又は複数の薬学的に許容できる担体と一緒に、したがって、並びに場合により、当技術分野では知られており用いられている、他の治療用及び/又は予防用の成分と一緒に含む薬剤組成物を提供する。担体は、製剤の他の成分と相容性であり、その受容者に有害ではないという意味で「許容でき」なければならない。
【0101】
本発明の薬剤組成物を、所望の治療に適するあらゆる便利な経路によって投与することができる。好ましい投与経路には、特に錠剤で、カプセル剤で、ドラジェ剤で、粉末剤で、又は液体形態の経口投与、及び、特に皮膚の、皮下の、筋肉内の、又は静脈内の注射の非経口投与が含まれる。本発明の薬剤組成物を、あらゆる技術者が、標準の方法、及び所望の製剤に好適な従来の技術を使用することによって製造することができる。所望により、有効成分の徐放性を与えるための組成物を用いてもよい。
【0102】
本発明の薬剤組成物は、経口の、直腸の、気管支の、経鼻の、肺の、局所の(口腔内及び舌下を含む)、経皮の、膣の、又は非経口の(皮膚の、皮下の、筋肉内の、腹腔内の、静脈内の、動脈内の、脳内の、眼内の注射若しくは注入を含む)投与に適するものであってもよく、或いは粉末及び液体のエアロゾル投与を含む、吸入若しくはガス注入による、又は徐放系による投与に適する形態のものであってもよい。徐放系の適切な例には、本発明の化合物を含む固体の疎水性ポリマーの半透性のマトリックスが含まれ、このマトリックスは、例えば、フィルム又はマイクロカプセルなどの成形した物体の形態であってよい。
【0103】
本発明の化学物質を、従来の助剤、担体、又は希釈剤と一緒に、このように、薬剤組成物及びその単位投与量の形態にしてもよい。このような形態には、すべて経口で使用するための、固体、特に錠剤、充填したカプセル剤、粉末剤、及びペレット剤の形態、並びに液体、特に水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、及びこれらで充填したカプセル剤、直腸投与のための坐剤、並びに非経口の使用のための滅菌注射溶液が含まれる。このような薬剤組成物及びその単位投与量形態は、さらなる有効化合物又は有効成分とともに又はそれなしで、従来の成分を従来の比率で含んでいてよく、このような単位投与量形態は、意図される使用すべき1日量の範囲に釣り合った有効成分のあらゆる適切な有効量を含んでいてよい。
【0104】
本発明の化学物質を、広範囲の経口及び非経口の投与量形態で投与することができる。以下の投与量形態は、有効成分として、本発明の化学物質、又は本発明の化学物質の薬学的に許容できる塩のいずれかを含むことができることは、当業者には明らかである。
【0105】
本発明の化学物質から薬剤組成物を調製するためには、薬学的に許容できる担体は、固体でも、又は液体でもよい。固体の形態の製剤には、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散可能な顆粒剤が含まれる。固体の担体は、希釈剤、着香料、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、又はカプセル化材料としても働くことができる1つ又は複数の物質であってよい。
【0106】
粉末剤では、担体は、微細の固体であり、これは微細の有効成分との混合物における。
【0107】
錠剤では、有効成分を、適切な比率で必要な結合能力を有する担体と混合し、所望の形状及びサイズに圧縮する。
【0108】
粉末剤及び錠剤は、5又は10から約70パーセントまでの有効化合物を含むことが好ましい。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオ脂などである。「製剤」の語は、有効化合物が担体とともに又はそれなしで担体によって取り囲まれているカプセル剤を提供する担体としての、したがってそれに伴っている、カプセル化材料と一緒の有効成分の製剤を含むことが企図される。同様に、カシェ剤及びトローチ剤も含まれる。錠剤、粉末剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及びトローチ剤を、経口投与に適する固体の形態として用いることができる。
【0109】
坐剤を調製するためには、脂肪酸のグリセリドの混合物又はカカオ脂などの、低融点ワックスを最初に溶解し、その中に有効成分を攪拌などにより均一に分散する。溶融した均一の混合物を、次いで、好都合のサイズにした型中に注ぎ、放冷し、それによって凝固させる。
【0110】
膣投与に適する組成物を、有効成分に加えて、当技術分野で好適であるとして知られている担体を含む、膣坐薬、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、泡又は噴霧剤として提供してもよい。
【0111】
液体製剤には、水、又は水−プロピレングリコール溶液などの溶液剤、懸濁剤、及び乳剤が含まれる。例えば、非経口の注射の液体製剤を、ポリエチレングリコール水溶液における液体として調合してもよい。
【0112】
本発明による化学物質を、このように、非経口投与(例えば、ボーラス注射又は連続注入などの注射による)のために調合してもよく、アンプルで、予め充填したシリンジで、小体積の注入で、又は保存剤を添加したマルチドーズの容器で、単位投与量形態で提供してもよい。組成物は、懸濁剤、溶液剤、又は油性若しくは水性のビヒクルにおける乳剤などの形態をとることができ、懸濁化剤、安定化剤、及び/又は分散剤などの製剤物質を含むことができる。或いは、有効成分は、滅菌の固体の無菌的な単離によって、又は溶液からの凍結乾燥によって得られた、使用前に、滅菌の、パイロジェンフリーの水などの適切なビヒクルで構成するための粉末の形態であってもよい。
【0113】
経口の使用に適する水溶液を、有効成分を水に溶解し、所望により適切な着色料、香味料、安定化剤、及び増粘剤を加えることによって、調製することができる。
【0114】
経口の使用に適する水性懸濁液を、微細の有効成分を、天然若しくは合成のゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又は他のよく知られている懸濁化剤などの、粘稠性の材料と水に分散することによって作製することができる。
【0115】
経口投与するために、使用直前に液体形態の製剤に変換することを意図した固体の形態の製剤も含まれる。このような液体の形態には、溶液剤、懸濁剤、及び乳剤が含まれる。このような製剤では有効成分に加えて、着色料、着香料、安定化剤、バッファー、人工及び天然の甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含むことができる。
【0116】
表皮に局所投与するために、本発明の化学物質を、軟膏剤、クリーム剤、若しくはローション剤として、又は経皮パッチ剤として調合してもよい。軟膏剤及びクリーム剤は、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を加えて、水性又は油性のベースで調合してもよい。ローション剤を、水性又は油性のベースと調合してもよく、また一般的に1つ又は複数の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、又は着色剤を含む。
【0117】
口における局所投与に適する組成物には、香味づけたベース、通常はショ糖及びアラビアゴム又はトラガカントゴムに有効成分を含むトローチ剤;ゼラチン、及びグリセリン又はショ糖、及びアラビアゴムなどの不活性のベースに有効成分を含むパステル剤;並びに適切な液体の担体に有効成分を含む洗口剤が含まれる。
【0118】
溶液剤又は懸濁剤は、例えば、ドロッパ、ピペット、又はスプレーなどの従来の手段によって、鼻腔に直接適用する。組成物を、単一の、又はマルチドーズの形態で提供してもよい。
【0119】
気道への投与は、有効成分を、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、若しくはジクロロテトラフルオロエタンなどのクロロフルオロカーボン(CFC);二酸化炭素、又は他の適切なガスなどの適切な噴霧剤とともに加圧充填で提供する、エアロゾル製剤によって実現することができる。エアロゾル剤は、好都合には、レシチンなどの界面活性剤も含むことができる。薬物の投与量は、計量バルブを提供することによってコントロールすることができる。
【0120】
或いは、有効成分を、例えば、ラクトース、デンプン;ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのデンプン誘導体;及びポリビニルピロリドン(PVP)などの適切な粉末ベースにおける化合物の粉末混合物など、乾燥粉末の形態で提供してもよい。粉末の担体が鼻腔においてゲルを形成すると好都合である。粉末の組成物は、例えば、ゼラチンなどのカプセル剤若しくはカートリッジ、又は、それから粉末を吸入器によって投与することができるブリスター包装における単位投与量形態で提供することができる。
【0121】
鼻腔用組成物を含めた、気道に投与することを意図した組成物では、化合物は、例えば5ミクロン又はそれより小さいオーダーの、小型の粒子サイズを一般に有する。このような粒子サイズは、当技術分野では知られている手段によって、例えば微粒子化によって得ることができる。
【0122】
所望により、有効成分の徐放を与えるように適用された組成物を用いてもよい。
【0123】
製剤は、単位投与量形態におけるのが好ましい。このような形態では、製剤は、好適な量の有効成分を含む単位投与量に細分されている。単位投与量形態は、包装された製剤であってもよく、包装は、バイアル又はアンプルに、包装された錠剤、カプセル剤、及び粉末剤など、個々の量の製剤を含む。また、単位投与量形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、若しくはトローチ剤それ自体であってもよく、又は好適な数の、包装された形態におけるこれらのいずれかであってもよい。
【0124】
好ましい組成物は、経口投与のための錠剤又はカプセル剤、並びに静脈投与及び連続注入のための液体である。
【0125】
製剤及び投与に対する技術に関するさらなる詳細は、「レミントンの薬剤科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」(Maack Publishing Co.、Easton、ペンシルベニア州)の最新版に見ることができる。
【0126】
実際の投与量は、処置する疾患の性質及び重症度に依存し、医師の裁量の範囲内であり、所望の治療効果をもたらすための本発明の特定の状況に対する投与量の滴定によって変化し得る。しかし、現在、個々の投与量あたり有効成分約0.1mgから約500mgまで、好ましくは約1mgから約100mgまで、最も好ましくは約1mgから約10mgまでを含む薬剤組成物が治療的処置に適することが企図されている。
【0127】
有効成分を、1日あたり1回又は数回の投与量で投与してもよい。ある場合には、0.1μg/kgi.v.、及び1μg/kgp.o.程度の低投与量で満足な結果を得ることができる。投与量範囲の上限は、現在、約10mg/kgi.v.及び100mg/kgp.o.であると考えられている。好ましい範囲は、約0.1μg/kgから約10mg/kg/日i.v.まで、及び約1μg/kgから約100mg/kg/日p.o.までである。
【0128】
治療方法
本発明のジアザビシクロアリール誘導体は、価値のあるニコチン性受容体、及びモノアミン受容体のモジュレーターであり、したがってコリン作動性の機能不全に関与するある範囲の病気、及びnAChRモジュレーターの作用に反応性の、ある範囲の障害の処置に有用である。
【0129】
別の一態様では、本発明は、ヒトを含めた動物生体の疾患、又は障害、又は状態を処置、防止、又は軽減する方法を提供し、これらの疾患、障害、又は状態はコリン作動性受容体、及び/又はモノアミン受容体の変調に反応性であり、この方法は、ヒトを含めたそれを必要とするこのような動物生体に、有効量の本発明のジアザビシクロアリール誘導体を投与することを含む。
【0130】
本発明の文脈では、「処置」の語は、処置、防止、予防、又は軽減を網羅し、「疾患」の語は、病気、疾患、障害、及び問題の疾患に関連する状態を網羅する。
【0131】
本発明に従って企図されている好ましい医学的徴候は、上記で述べたものである。
【0132】
現在、好適な投与量範囲は、通常通り、投与の正確な様式、投与する形態、それに対して投与が向けられる指示、関与する対象、関与する対象の体重、並びにさらに担当の医師又は獣医師の好み及び経験に応じて、1日0.1ミリグラムから1000ミリグラムまで、好ましくは1日10ミリグラムから500ミリグラムまで、より好ましくは1日30ミリグラムから100ミリグラムまでであることが企図されている。
【実施例】
【0133】
本発明を以下の実施例を参考にしてさらに説明するが、これは特許請求する本発明の範囲を決して限定しようとするものではない。
【0134】
(実施例1)
予備的実施例
空気に敏感な試薬又は中間体に関わる反応はすべて、窒素及び無水の溶剤の下で行った。硫酸マグネシウムはワークアップ手順において乾燥剤として用い、溶剤は減圧下で蒸発させた。
【0135】
方法A
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−フェニルエチニル−フェニルエステルフマル酸塩(化合物A1)
対応する遊離の塩基に変換した1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−ブロモ−フェニルエステル塩酸塩(2.25g、6.22mmol)、フェニルアセチレン(14.6g,143mmol)、パラダサイクル(0.23g、0.25mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(3.2g、24.8mmol)、ヨウ化銅(0.24g、1.24mmol)、及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.12g、0.104mmol)の混合物、並びにジオキサン(40ml)を、4週間、還流させながら攪拌した。混合物を室温に放冷した。水酸化ナトリウム水溶液(100ml、1M)を加えた後、ジクロロメタンで抽出した(3×50ml)。粗製の混合物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、ジクロロメタン、メタノール、及びアンモニア水(9:1+1%)の混合液を用いることによって、4回、繰返し精製した。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合液(9:1)を加えることによって、対応する塩を得た。収量190mg(6.6%)。融点160〜177℃。
【0136】
方法B
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−ブロモ−フェニルエステル塩酸塩(中間化合物)
文献に従って得た1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン(5.49g、43.5mmol)を、クロロギ酸4−ブロモフェニル(10.25g、43.5mmol)及び1,2−ジメトキシエタン(100ml)の混合液中にゆっくりと加えた。混合液を室温で15時間、攪拌した。沈澱した生成物をろ過し、1,2−ジメトキシエタンで洗浄した。収量11.3g(72%)。融点242℃。
【0137】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸2−フェノキシ−フェニルエステルフマル酸塩(化合物B1)
方法Bに従って調製した。LC−ESI−HRMSの[M+H]は337.191Da、計算値337.191603Da、dev.−1.8ppmを示す。
【0138】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸3−フェノキシ−フェニルエステルフマル酸塩(化合物B2)
方法Bに従って調製した。LC−ESI−HRMSの[M+H]は339.1695Da、計算値339.170868Da、dev.−4ppmを示す。
【0139】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−フェノキシ−フェニルエステルフマル酸塩(化合物B3)
方法Bに従って調製した。LC−ESI−HRMSの[M+H]は339.1726Da、計算値339.170868Da、dev.5.1ppmを示す。
【0140】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−ベンジル−フェニルエステルフマル酸塩(化合物B4)
方法Bに従って調製した。LC−ESI−HRMSの[M+H]は337.1922Da、計算値337.191603Da、dev.1.8ppmを示す。
【0141】
方法C
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−ベンゾイルアミノ−フェニルエステル塩酸塩(化合物C1)
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−アミノフェニルエステル(2.6g、8.56mmol)、塩化ベンゾイル(1.40g、8.56mmol)、及びエタノール(40ml)の混合液を15時間攪拌した。ジエチルエーテル(100ml)を加え、混合液を攪拌し、ろ過した。固体(2.5g)をエタノールから再結晶した。収量1.15g(33%)。融点>270℃。LC−ESI−HRMSの[M+H]は366.1804Da、計算値336.181767Da、dev.−3.7ppmを示す。
【0142】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−(4−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−フェニルエステル塩酸塩(化合物C2)
方法Cに従って調製した。LC−ESI−HRMSの[M+H]は396.1931Da、計算値396.192332Da、dev.1.9ppmを示す。
【0143】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−(3−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−フェニルエステル塩酸塩(化合物C3)
方法Cに従って調製した。LC−ESI−HRMSの[M+H]は396.1935Da、計算値396.192332Da、dev.2.9ppmを示す。
【0144】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−(2−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−フェニルエステル塩酸塩(化合物C4)
方法Cに従って調製した。LC−ESI−HRMSの[M+H]は396.1917Da、計算値396.192332Da、dev.−1.6ppmを示す。
【0145】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−アミノ−フェニルエステル塩酸塩(中間化合物)
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−ニトロ−フェニルエステル塩酸塩(2.9g、8.85mmol)、2−プロパノール(100ml)、及び活性炭上パラジウム10%(500mg)の混合液を、30分間水素雰囲気下で攪拌した。混合液をセライトを通してろ過した後、メタノール(100ml)で抽出した。粗製の混合液を蒸発させた。収量2.6g(99%)。
【0146】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−ニトロ−フェニルエステル塩酸塩(中間化合物)
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン(6.31g、50mmol)、及び1,2−ジメトキシエタン(40ml)の混合液を、室温でクロロギ酸4−ニトロフェニル(10.1g、50mmol)及び1,2−ジメトキシエタン(100ml)の混合液に加えた。混合液を室温で21時間、攪拌した。沈澱した固体をろ過し、1,2−ジメトキシエタン(100ml)中攪拌後、ろ過することによって精製した。収量12.3g(75%)。
【0147】
方法D
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−(1H−インドール−5−イル)−フェニルエステルフマル酸塩(化合物D1)
対応する遊離の塩基に変換した1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−ブロモ−フェニルエステル塩酸塩(0.50g、1.38mmol)、インドール5−ボロン酸(0.22g、1.13mmol)、炭酸カリウム(0.57g、4.15mmol)、1,2−プロパンジオール(0.32g、4.15mmol)、パラダサイクル(26mg、0.028mmol)、ビス(tri−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(14mg、0.028mmol)、及び1,2−ジメトキシエタン(30ml)の混合液を、24時間、還流して攪拌した。混合液を室温に放冷した。水酸化ナトリウム水溶液(30ml、1M)を加えた後、ジクロロメタンで抽出した(3×20ml)。粗製の混合物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによってジクロロメタン、メタノール、及びアンモニア水(9:1+1%)の混合液を用いることによって精製した。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合液(9:1)を加えることによって、対応する塩を得た。収量60mg(12%)。LC−ESI−HRMSの[M+H]は362.1877Da、計算値362.186852Da、dev.2.3ppmを示す。
【0148】
(実施例2)
ラット脳におけるH−α−ブンガロトキシン結合のin vitro阻害
この実施例では、本発明の化合物の、α−サブタイプのニコチン性受容体に対する結合に関する親和性を測定する。
【0149】
α−ブンガロトキシンは、コブラ科のヘビであるアマガサヘビ(Bungarus multicinctus)の毒から単離されるペプチドである。これは、神経及び神経筋のニコチン性受容体に対して高い親和性を有し、そこで強力な拮抗薬として作用する。H−α−ブンガロトキシンは、脳に見られるαサブユニットのイソ型、及び神経筋接合部におけるαのイソ型によって形成されるニコチン性アセチルコリン受容体を標識している。
【0150】
組織の調製
調製は0〜4℃で行う。オスWistarラット(150〜250g)からの大脳皮質を、NaCl 118mM、KCl 4.8mM、MgSO 1.2mM、及びCaCl 2.5mMを含む20mM Hepesバッファー(pH7.5)15ml中、Ultra−Turraxホモジナイザーを用いて、10秒間ホモジナイズする。組織懸濁液を、10分間、27000×gの遠心分離にかける。上清を捨て、ペレットを、新鮮なバッファー20mlで10分間、27000×gで遠心分離することによって、2回洗浄し、次いで、最終のペレットを0.01%BSAを含む新鮮なバッファー(最初の組織1gあたり35ml)で再懸濁し、結合アッセイに用いる。
【0151】
アッセイ
ホモジネート500μlのアリコートを、試験溶液25μl及びH−α−ブンガロトキシン25μl(最終濃度2nM)に加え、混合し、37℃で2時間インキュベートする。非特異性の結合を、(−)−ニコチン(最終濃度1mM)を用いて測定する。インキュベーション後、サンプルにPEI0.05%を含む氷冷したHepesバッファー5mlを加え、吸引しながらWhatmanGF/Cガラス繊維製フィルター(少なくとも6時間、0.1%PEI中予浸)上に直接注ぎ、氷冷したバッファー2×5mlで直ちに洗浄する。
【0152】
フィルター上の放射能の量を、従来の液体シンチレーション計数によって測定する。特異的な結合は、全結合から非特異的な結合を引いたものである。
【0153】
試験値を、IC50H−α−ブンガロトキシンの特異的な結合を50%阻害する試験物質の濃度)で表す。
【0154】
これらの実験結果を、以下の表1に示す。
【表1】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


[式中、
nは、1、2、又は3であり、
Aは、芳香族単環又は二環の、炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されており、
Bは、フェニル若しくはナフチル基、5〜6員の芳香族単環複素環基、又は芳香族二環複素環基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR”’R””、−NR”’(C=Z)R””、及び−NR”’(C=Z)NR”’R””からなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されていてよく、ここで、
Zは、O、S、又はNR””’を表し、ここで、
R””’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、
R”’は、水素又はアルキルを表し、
R””は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回、場合により置換されている、単環の炭素環若しくは複素環基を表し、
Lは、単(共有)結合(即ち、Lは非存在)、又は、−CH−、−O−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Y−(CH−、−(CH−Y−、−CONR”””−、−NR”””CO−、−NR”””CONR”””−、−(SO)NR”””−、及び−NR”””(SO)−から選択される連結基を表し、ここで、
R”””は水素又はアルキルを表し、
Yは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−SO−、−NR”””’−を表し、ここで、
R”””’は水素又はアルキルを表し、
mは、0、1、2、又は3である]
によって表される、ジアザビシクロアルカン誘導体、その異性体、若しくはその異性体の混合物、又は薬学的に許容できるその塩。
【請求項2】
nが、1、2、又は3である、請求項1に記載のジアザビシクロアルカン誘導体。
【請求項3】
Aが芳香族単環又は二環の炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、及びニトロからなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されている、請求項1又は2に記載のジアザビシクロアルカン誘導体。
【請求項4】
Aが、フェニル基;又は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、及びチアジアゾリルから選択される5員芳香族単環複素環基;又は、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択される6員芳香族単環複素環基;又は、インドリル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チエニル、及びベンゾチアゾリルから選択される芳香族二環複素環基を表す、請求項3に記載のジアザビシクロアルカン誘導体。
【請求項5】
Aが、フェニル、チアジアゾリル、ピリジル、又はピリダジニル基を表す、請求項4に記載のジアザビシクロアルカン誘導体。
【請求項6】
Bが、フェニル若しくはナフチル基、5〜6員芳香族単環複素環基、又は芳香族二環複素環基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、−CONR”’R””、−NR”’(C=Z)R””、及び−NR”’(C=Z)NR”’R””からなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されていてよく、ここで、
Zは、O、S、又はNR””’を表し、ここで、
R””’は、水素、アルキル、又はシアノを表し、
R”’は、水素又はアルキルを表し、
R””は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル;又は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイル、フェニル、若しくはベンジルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回、場合により置換されている、単環の炭素環若しくは複素環基を表す、
請求項1から5までのいずれか一項に記載のジアザビシクロアルカン誘導体。
【請求項7】
Bが、フェニル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、又はインドリル基を表し、この芳香族基は、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、及び−NH(CO)R””からなる群から選択される置換基で1回又は複数回、場合により置換されていてもよく、ここで、R””は、水素、アルキル、又はシクロアルキルを表す、請求項6に記載のジアザビシクロアルカン誘導体。
【請求項8】
Bがフェニル又はインドリル基を表し、この芳香族基は、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されていてもよい、請求項7に記載のジアザビシクロアルカン誘導体。
【請求項9】
Lが、単(共有)結合(即ち、Lは非存在);又は、−CH−、−O−、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Y−(CH−、−(CH−Y−、−CONR”””−、−NR”””CO−、−NR”””CONR”””−、−(SO)NR”””−、及び−NR”””(SO)−から選択される連結基を表し、ここで、
R”””は、水素又はアルキルを表し、
Yは、−O−、−S−、−S−CH−、−SO−、−SO−、−NR”””’−を表し、ここで、
R”””’は、水素又はアルキルを表し、
mは、0、1、2、又は3である、
請求項1から8までのいずれか一項に記載のジアザビシクロアルカン誘導体。
【請求項10】
Lが、単(共有)結合(即ち、Lは非存在)、又は、−CH−、−O−、若しくは−NRHCO−から選択される連結基を表す、請求項1から8までのいずれか一項に記載のジアザビシクロアルカン誘導体。
【請求項11】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−フェニルエチニル−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−ベンゾイルアミノ−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸2−フェノキシ−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸3−フェノキシ−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−フェノキシ−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−ベンジル−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−(4−メトキシ−ベンゾイル−アミノ)−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−(3−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−フェニルエステル;
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−(2−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−フェニルエステル;又は
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−(1H−インドール−5−イル)−フェニルエステル;
又はその鏡像異性体、若しくはその鏡像異性体の混合物、又は薬学的に許容できるその塩である、請求項1に記載のジアザビシクロアルカン誘導体。
【請求項12】
治療上有効な量の、請求項1から11までのいずれか一項に記載のジアザビシクロアルカン誘導体、又は薬学的に許容できるその付加塩を、少なくとも1つの薬学的に許容できる担体又は希釈剤と一緒に含む薬剤組成物。
【請求項13】
コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の変調に反応性である、ヒトを含めた哺乳動物の疾患、又は障害、又は状態の処置、防止、又は軽減のための薬剤組成物/薬物の製造のための、請求項1から11までのいずれか一項に記載のジアザビシクロアルカン誘導体、又は薬学的に許容できるその付加塩の使用。
【請求項14】
疾患又は障害又は状態が、認知障害、学習障害、記憶障害及び機能不全、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動性障害(ADHD)、トゥーレット症候群、精神病、うつ病、双極性障害、躁病、躁うつ病、統合失調症、統合失調症に関連する認知又は注意欠陥、強迫性障害(OCD)、パニック障害;神経性食欲不振症、過食症、及び肥満などの摂食障害;ナルコレプシー、侵害受容、エイズ認知症、老年認知症、自閉症、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、不安、非OCD不安障害、痙攣性障害、てんかん、神経変性障害、一過性無酸素症、誘導性神経変性、神経障害、糖尿病性神経障害、ペリフェリック(periferic)失読症、遅発性ジスキネジア、運動亢進症、穏やかな疼痛、中程度又は重症の疼痛;急性、慢性、又は再発性の性質の疼痛;偏頭痛によって引き起こされる疼痛、手術後の疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、慢性頭痛、中枢性疼痛;糖尿病性神経障害に関連する疼痛、治療後神経痛に関連する疼痛、又は、末梢神経傷害に関連する疼痛;過食症、外傷後症候群、対人恐怖、睡眠障害、仮性認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、黄体期後期症候群、慢性疲労症候群、無言症、抜毛症、時差ぼけ、不整脈、平滑筋の収縮、狭心症、早産、下痢、喘息、遅発性ジスキネジア、運動亢進症、早発射精、勃起困難、高血圧、炎症性障害、炎症性皮膚障害、ざ瘡、酒さ、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、下痢、或いはタバコなどのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン、及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン、及びベンゾジアゼピン様薬物、並びにアルコールを含む習慣性物質の使用を終了したことによって引き起こされる禁断症状である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
ヒトを含めた動物生体の疾患、又は障害、又は状態を処置、防止、又は軽減する方法であって、その障害、疾患、又は状態がコリン作動性受容体、及び/又はモノアミン受容体の変調に反応性であり、それを必要とする前記動物生体に、請求項1から11までのいずれか一項に記載のジアザビシクロアルカン誘導体の治療上有効な量を投与するステップを含む上記方法。

【公表番号】特表2009−526776(P2009−526776A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553787(P2008−553787)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051396
【国際公開番号】WO2007/093600
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】