説明

新規なジアセタール組成物、該組成物からなるポリオレフィン樹脂用核剤、該核剤を含むポリオレフィン樹脂組成物及び成形体

【課題】
透明性が優れ、成形加工時などの熱履歴によりジアセタールから発生するベンズアルデヒド類の発生量並びに最終成形体中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性が抑制され、且つポリオレフィン樹脂の着色が抑制されているポリオレフィン樹脂成形体を提供する。
【解決手段】
ジアセタールから選ばれる少なくとも1種、糖アルコールから選ばれる少なくとも1種及び分子内に少なくとも1個の水酸基を有する炭素数8〜32の飽和又は不飽和脂肪族モノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種をポリオレフィン樹脂に含有せしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なジアセタール組成物、該ジアセタール組成物を含むポリオレフィン樹脂用核剤、該核剤を含むポリオレフィン樹脂組成物及び該樹脂組成物を成形してなるポリオレフィン樹脂成形体、並びにポリオレフィン樹脂の着色を抑制する方法及び着色抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ジベンジリデンソルビトール及びその核置換誘導体に代表されるジアセタール類は、ポリオレフィン樹脂、特にエチレン、プロピレンのホモポリマー又はそれらを主成分とするコポリマーの核剤として有用な化合物である。ジアセタール類は、特に透明性を向上させる効果に優れ、透明性が要求される各種容器等の成形品分野の樹脂添加剤として広く用いられている。
しかしながら、該ジアセタール類は、成形加工時などに一部熱分解して、ジアセタール類を構成するベンズアルデヒド類が遊離し、臭気が発生することがある。そのために、最終成形体中にもアルデヒド臭が残存する場合がある。また、最終成形体を食品等の包装材又は容器として使用する場合には、該成形体に接触する食品等にベンズアルデヒド類の味が移行することもある。このため、該ジアセタール類は、食品、化粧品等の容器、包装材等の分野において、好まれない場合がある。
これまでにも上記問題点の改善のために様々な提案がなされている。具体的には、ヒドロキシアミン或いはフェニルヒドラジン類による処理(特許文献1)、非芳香族有機アミンの添加(特許文献2)、脂肪族金属塩及び乳酸金属塩等による表面処理(特許文献3)、脂肪族アミンの配合(特許文献4)、ソルビン酸及び/又はソルビン酸カリウムの添加(特許文献5)、アミノ酸アルカリ金属塩の添加(特許文献6)、ポリオールや水酸基含有脂肪族カルボン酸の添加(特許文献7、特許文献8)の方法が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開昭60−32791号公報
【特許文献2】特開昭62−4289号公報
【特許文献3】特開昭62−50355号公報
【特許文献4】特開平2−1906841号公報
【特許文献5】特開平5−202055号公報
【特許文献6】特開平9−286787号公報
【特許文献7】特開平9−286788号公報
【特許文献8】国際公開第03/093360号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者らは、上記特許文献7に記載の臭気改善技術及びグリーン調達・環境負荷等の観点から、糖アルコールに着目した。発明者らが研究検討したところ、糖アルコールはジアセタール類の分解抑制効果を示すものの、ポリオレフィン樹脂成形体が着色(特に黄色着色)する傾向があった。その為に、例えば、食品容器等の分野において用途範囲が限定される可能性があった。
本発明の目的は、
(i)透明性が優れ、成形加工時などの熱履歴によりジアセタールから発生するベンズアルデヒド類の発生量並びに最終成形体中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性が抑制され、且つポリオレフィン樹脂の着色(特に黄色着色)が抑制されている樹脂成形体を与えることができるジアセタール組成物(核剤)の提供、
(ii)前記(i)の性能を具備したポリオレフィン樹脂組成物の提供、
(iii)前記(ii)の樹脂組成物を成形して得られる、透明性が優れ、成形加工時などの熱履歴によりジアセタールから発生するベンズアルデヒド類の発生量並びに最終成形体中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性が抑制され、且つポリオレフィン樹脂の着色(特に黄色着色)が抑制されているポリオレフィン樹脂成形体の提供、
(iv)ポリオレフィン樹脂の着色(特に黄色着色)を抑制する方法の提供、及び
(v)着色(特に黄色着色)抑制剤の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、特定のジアセタール、糖アルコール及び水酸基含有脂肪族モノカルボン酸を含有するジアセタール組成物をポリオレフィン樹脂用核剤として用いた場合、ポリオレフィン樹脂成形品の透明性は殆ど損なわれることなく、成形加工時などの熱履歴によりジアセタールから発生するベンズアルデヒド類の発生量並びに最終成形体中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性が抑制され、且つその樹脂の着色(特に黄色着色)が抑制されるという効果が同時に得られることを見い出した。
本発明は、かかる知見に基づき、更に検討を加えて完成されたものであり、次の項目の発明を提供するものである。
【0006】
[項1](A)成分:
一般式(1)
【化1】

[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を表す。a及びbは、夫々0〜5の整数を示す。cは0又は1を示す。aが2である場合、2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよく、又、bが2である場合、2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
で表されるジアセタールから選ばれる少なくとも1種、
(B)成分:糖アルコールから選ばれる少なくとも1種、及び、
(C)成分:分子内に少なくとも1個の水酸基を有する炭素数8〜32の飽和又は不飽和脂肪族モノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種
からなるジアセタール組成物。
【0007】
[項2](B)成分:(C)成分の重量比が1:0.1〜5の範囲である上記項1に記載のジアセタール組成物。
【0008】
[項3](A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計重量に対して、(B)成分の含有量が0.5〜20重量%、且つ、(C)成分の含有量が0.5〜20重量%である上記項1又は項2に記載のジアセタール組成物。
【0009】
[項4](B)成分が、キシリトール、ソルビトール、マンニトール及びイノシトールからなる群より選ばれる少なくとも1種である上記項1〜3の何れかに記載のジアセタール組成物。
【0010】
[項5](C)成分が、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸及び9,10−ジヒドロキシステアリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記項1〜4の何れかに記載のジアセタール組成物。
【0011】
[項6]上記項1〜5の何れかに記載のジアセタール組成物を含有するポリオレフィン樹脂用核剤。
【0012】
[項7]上記項6に記載のポリオレフィン樹脂用核剤及びポリオレフィン樹脂を含有するポリオレフィン樹脂組成物。
【0013】
[項8]ポリオレフィン樹脂用核剤の含有量が、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部である上記項7に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
【0014】
[項9]上記項7又は項8に記載のポリオレフィン樹脂組成物を成形してなる(ジアセタールから発生する臭気及び味の移行性が抑制され且つ糖アルコールに起因する着色が抑制されている)ポリオレフィン樹脂成形体。
【0015】
[項10]食品、化粧品又は医薬品の容器又は包装材であって、該容器又は包装材が上記項9に記載のポリオレフィン樹脂成形体からなる(ジアセタールから発生する臭気及び味の移行性が抑制され且つ糖アルコールに起因する着色が抑制されている)容器又は包装材。
【0016】
[項11]ポリオレフィン樹脂及び(B)成分:糖アルコールから選ばれる少なくとも1種を含有するポリオレフィン樹脂組成物が受ける熱履歴により生じる着色を抑制する方法であって、
(C)成分:分子内に少なくとも1個の水酸基を有する炭素数8〜32の飽和又は不飽和脂肪族モノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種を該ポリオレフィン樹脂組成物に含有せしめることを特徴とするポリオレフィン樹脂の着色を抑制する方法。
【0017】
[項12](B)成分:(C)成分の重量比が1:0.1〜5の範囲である上記項11に記載のポリオレフィン樹脂の着色を抑制する方法。
【0018】
[項13]さらに、ポリオレフィン樹脂組成物に、
(A)成分:
一般式(1)
【化2】


[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を表す。a及びbは、夫々0〜5の整数を示す。cは0又は1を示す。aが2である場合、2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよく、又、bが2である場合、2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
で表されるジアセタールから選ばれる少なくとも1種を含有する上記項11又は項12に記載のポリオレフィン樹脂の着色を抑制する方法。
【0019】
[項14](A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計重量に対して、(B)成分の含有量が0.5〜20重量%、且つ、(C)成分の含有量が0.5〜20重量%である上記項13に記載のポリオレフィン樹脂の着色を抑制する方法。
【0020】
[項15]ポリオレフィン樹脂及び(B)成分:糖アルコールから選ばれる少なくとも1種を含有するポリオレフィン樹脂組成物が受ける熱履歴により生じる着色の抑制剤であって、
(C)成分:分子内に少なくとも1個の水酸基を有する炭素数8〜32の飽和又は不飽和脂肪族モノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする着色抑制剤。
【0021】
[項16](C)成分が、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸及び9,10−ジヒドロキシステアリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記項15に記載の着色抑制剤。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、透明性が優れ、成形加工時などの熱履歴によりジアセタールから発生するベンズアルデヒド類の発生量並びに最終成形体中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性が抑制され、且つポリオレフィン樹脂の着色(特に黄色着色)が抑制されているポリオレフィン樹脂成形体を与えることができる新規有用なジアセタール組成物及びポリオレフィン樹脂組成物を得ることができる。
又、本発明のジアセタール組成物をポリオレフィン樹脂用核剤として使用した場合、透明性が優れ、成形加工時などの熱履歴によりジアセタールから発生するベンズアルデヒド類の発生量並びに最終成形体中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性が抑制され、且つポリオレフィン樹脂の着色(特に黄色着色)が抑制されているポリオレフィン樹脂成形体が得られる。
【0023】
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、結晶化温度が高いので成形サイクル時間の短縮に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
<ジアセタール組成物>
[(A)成分:ジアセタール]
本発明に係る(A)成分は、上記一般式(1)で表されるジアセタールから選ばれる少なくとも一種である。
【0025】
一般式(1)に記載のR及びRで表される炭素数1〜4(好ましくは炭素数1〜3、特に炭素数1〜2)のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が例示される。炭素数1〜4(好ましくは炭素数1〜3、特に炭素数1〜2)のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が例示される。また、炭素数1〜4(好ましくは炭素数1〜3、特に炭素数1〜2)のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等が例示される。さらにハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が例示される。
【0026】
一般式(1)に記載のa及びbは、それぞれ0〜5の整数であり、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2である。cは、0又は1であり、好ましくは1である。
上記R及びRで表される置換基の置換位置は特に限定されるものではないが、a及びbが1の場合はオルト位、メタ位又はパラ位であり、a及びbが2の場合は2,4位、3,4位、3,5位等が例示される。またa及びbが3の場合は2,4,5位、3,4,5位等が例示される。
【0027】
一般式(1)で表されるジアセタールは、いずれも公知であるか、又は日本国特公昭48−43748号、特開昭53−5165号、特開昭57−185287号、特開平2−231488号等の公知方法に従って製造できる。
【0028】
上記一般式(1)で表されるジアセタールの代表例としては、次のものを例示できる。
1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−イソブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−t−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,3−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,5−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,3−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,5−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4,5−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4,5−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロピルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−エチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−エチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−クロルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−クロルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチル−ベンジリデン−2,4−O−p−エチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−p−エチル−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチル−ベンジリデン−2,4−O−p−クロルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−クロル−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトールなどが例示される。これらは、夫々単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。
【0029】
これらのうち、より効果的な化合物として、1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−t−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトールが好ましい。これらは、夫々単独又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。
【0030】
これらの中でも、特に1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールが好ましい。これらは、夫々単独又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。
【0031】
上記ジアセタールの結晶形態は、本発明の効果が得られる限り特に限定されず、六方晶、単斜晶、立方晶、三方晶、斜方晶等の任意の結晶形態が使用できる。これらの結晶は公知であり、また公知の方法に従って製造できる。
本発明に係るジアセタールは、一般式(1)で表される1,3:2,4位の化合物の純度が実質的に100%であるものが好ましいが、若干不純物(例えば、構造異性体やトリアセタール類など。)を含むものであっても構わない。
【0032】
本発明に係るジアセタールを含有するポリオレフィン樹脂成形体は、その樹脂成形体の製造過程での熱履歴によりジアセタールからベンズアルデヒド類が遊離することがある。その遊離したベンズアルデヒド類は、樹脂成形体の臭気として感知される場合がある。又、遊離したベンズアルデヒド類を含有する樹脂成形体が食品、化粧品、その他の物品を収容するための容器や包装材として使用される場合、それらに収容される食品、化粧品、その他の物品にその臭気ないし味が移行する場合がある。
本発明では、ジアセタールの熱分解によるベンズアルデヒド類の発生量並びに最終成形体中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性を抑制することを目的として、下記(B)成分を(A)成分と共に含有せしめている。
【0033】
[(B)成分:糖アルコール]
本発明に係る(B)成分は、糖アルコールから選ばれる少なくとも一種であり、商業的に入手できるものを使用しても良い。上記糖アルコールは、一般には、トウモロコシやイモなどの澱粉、米ぬか、蔗糖、乳清、キシランなどの原材料を加水分解してブドウ糖、果糖、麦芽糖、オリゴ糖、キシロース、麦芽糖水飴、パラチノース、乳糖などの原料糖類とし、それらを水素還元して種々の糖アルコールが得られる。
具体的には、糖アルコールとして、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニット、イノシトールなどが挙げられる。中でも、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、特にキシリトール、ソルビトール、マンニトールが推奨される。夫々単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。
【0034】
(B)成分を含有するポリオレフィン樹脂の成形体は、その樹脂の成形体の製造過程における熱履歴によりポリオレフィン樹脂が着色(特に黄色着色)することがある。そのように着色した最終成形体は、商品価値が低い。本発明は、(B)成分に起因する着色(特に黄色着色)を抑制することを目的として、下記(C)成分を(B)成分と共に含有せしめている。これは、上記(項11)〜(項16)に係る発明を提供していることになる。
【0035】
[(C)成分:水酸基を有する脂肪族モノカルボン酸]
本発明に係る(C)成分は、分子内に少なくとも1個(好ましくは1〜2個、特に1個)の水酸基を有する炭素数8〜32(好ましくは炭素数10〜22)の飽和又は不飽和脂肪族モノカルボン酸から選ばれる少なくとも一種である。
好ましい例示としては、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、9,10−ジヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。これらは、夫々単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。
上述の通り、(C)成分は、(B)成分に起因するポリオレフィン樹脂の着色(特に黄色着色)を抑制することを目的として、(B)成分と共に含有せしめている。これは、上記(項15)〜(項16)に係る発明も同時に提供している。
【0036】
[ジアセタール組成物の各成分の組成比]
本発明のジアセタール組成物では、ジアセタールの熱分解によるベンズアルデヒド類の発生量並びに最終成形体中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性を抑制し、且つ樹脂成形体の着色(特に黄色着色)を抑制することを目的として、(B)成分と(C)成分とを含有せしめている。本発明のジアセタール組成物は、本質的には上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分のみからなる組成物である。
本発明のジアセタール組成物の各成分の組成比は、次の(i)及び/又は(ii)に記載の割合で使用することにより、本発明の効果がより顕著に発現される。
(i)(B)成分:(C)成分の重量比が、好ましくは1:0.1〜5の範囲(より好ましくは1:0.2〜3の範囲)にある。
(ii)(B)成分の使用割合が、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計重量に対して、好ましくは0.5〜20重量%の範囲(より好ましくは1〜10重量%の範囲)にあり、且つ、(C)成分の使用割合が、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計重量に対して、好ましくは0.5〜20重量%の範囲(より好ましくは1〜10重量%の範囲)にある。
上記の使用割合について、(B)成分の使用割合が0.5重量%未満の量では、(A)成分に起因して発生する臭気及び味の移行性を抑制する効果が十分に発揮されないことがある。また、(C)成分の使用割合が0.5重量%未満の量では、ポリオレフィン樹脂の着色抑制効果が十分に発揮されないことがある。又、(B)成分及び(C)成分をいずれも20重量%を越えて使用しても、ポリオレフィン樹脂に対する核剤特性(特に透明改質効果)を低下させる傾向がある。
【0037】
[ジアセタール組成物の各成分の組み合わせ]
本発明に係るジアセタール組成物の各成分の組み合わせとしては、特に限定されるものではなく、適宜選択できる。
好ましい各成分の組み合わせとしては、次の(A−1)成分、(B−1)成分及び(C−1)成分に示した化合物の組合せが例示される。
(A−1)成分:1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール及び1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールからなる群より選ばれる少なくとも1種。
(B−1)成分:キシリトール、ソルビトール、マンニトール及びイノシトールからなる群より選ばれる少なくとも1種。
(C−1)成分:9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸及び9,10−ジヒドロキシステアリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種。
【0038】
より具体的には、1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール+キシリトール+12−ヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール+ソルビトール+12−ヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール+ソルビトール+9,10−ジヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール+マンニトール+12−ヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール+キシリトール+12−ヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ソルビトール+12−ヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ソルビトール+9,10−ジヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール+マンニトール+12−ヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール+キシリトール+12−ヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ソルビトール+12−ヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ソルビトール+9,10−ジヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール+マンニトール+12−ヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール+キシリトール+12−ヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ソルビトール+12−ヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ソルビトール+9,10−ジヒドロキシステアリン酸、
1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール+マンニトール+12−ヒドロキシステアリン酸など組み合わせが、好ましい組み合わせとして例示される。
【0039】
[ジアセタール組成物の製造方法]
本発明に係るジアセタール組成物の製造方法は、所望のジアセタール組成物が得られる限り、特に限定されるものではない。
【0040】
好ましい製造方法としては、
(a)従来から慣用されている各種の製造方法(例えば、特開平2−231488号)に従って、ソルビトールとベンズアルデヒド類とからジアセタールが製造される過程中に、(B)成分及び(C)成分を添加してジアセタール組成物を製造する方法、
(b)(A)成分、(B)成分及び(C)成分を、慣用の混合機であるヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー等のミキサーを用いて粉体混合(ドライブレンド)して、ドライブレンドタイプのジアセタール組成物を製造する方法、
(c)(A)成分、(B)成分及び(C)成分を、メタノール、エタノール等の炭素数1〜4の低級アルコール類や水と炭素数1〜4の低級アルコール類との溶液等の分散媒存在下で攪拌混合した後、該分散媒を留去・乾燥してジアセタール組成物を製造する方法、
などが挙げられる。
【0041】
上記(a)の製造方法における(B)成分及び(C)成分の添加時期は、ソルビトールとベンズアルデヒド類とのジアセタール化反応終了後が好ましい。
また、上記(c)の製造方法において、混合時間や混合温度は(A)成分がスラリー状態(膨潤状態)となるように設定することが好ましく、混合温度としては20〜100℃が推奨され、混合時間としては0.1〜12時間程度が推奨される。
【0042】
かくして得られた本発明のジアセタール組成物は、必要に応じて粉砕・解砕、或いは造粒、分級等を行うことができる。本発明のジアセタール組成物の形態は、一般的には粉状や粒状、顆粒状、円柱状、ペレット状等の造粒物などの形態を適宜選択できる。
本発明のジアセタール組成物の形態が粉状の場合、その粒子直径の平均値は3〜2000μm、好ましくは7〜200μmである。3μm未満では、粉体特性が悪くなる傾向が認められる。そのような微粉末の製造には特別な粉砕装置が必要となる。
また、本発明のジアセタール組成物の形態が造粒物の場合、上記方法より得られる粉状ジアセタール組成物から、造粒機等を使用して任意の形状と大きさに造粒して、造粒形態のジアセタール組成物を得ることができる。ジアセタール組成物の造粒形態化は、粉状形態のジアセタール組成物と比較して、発塵の抑制や粉体流動性の向上に貢献する。
【0043】
上記の何れの形態も、公知の造粒機、粉砕機・解砕機、分級機などを適宜用いて製造できる。例えば、造粒機では乾式または湿式押出し造粒機、混合攪拌造粒機、タブレットマシーン、乾式圧縮ロール造粒機、球形整粒機など、粉砕機・解砕機ではピンミル、ジェットミル、パルベライザー、カッターミル、ハンマーミル、プレーナークラッシャー、フレーククラッシャー、ニブラーなど、分級機では振動ふるい機、風力分級機などが例示される。
【0044】
かくして得られる本発明のジアセタール組成物は、ポリオレフィン樹脂用核剤として使用した場合、透明性が優れ、成形加工時などの熱履歴によりジアセタールから発生するベンズアルデヒド類の発生量並びに最終成形体中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性が抑制され、且つポリオレフィン樹脂の着色(特に黄色着色)が抑制されているポリオレフィン樹脂成形体を与えることができる。
【0045】
<ポリオレフィン樹脂用核剤>
本発明のポリオレフィン樹脂用核剤は、本発明のジアセタール組成物自身か、或いは該ジアセタール組成物に本発明の効果を損なわない範囲内で公知のポリオレフィン用改質剤等の「その他の添加剤」を適宜使用目的やその用途に応じて添加してなるものである。
本発明のポリオレフィン樹脂用核剤は、上記本発明のジアセタール組成物と同様に、透明性が優れ、成形加工時などの熱履歴によりジアセタールから発生するベンズアルデヒド類の発生量並びに最終成形体中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性が抑制され、且つポリオレフィン樹脂の着色(特に黄色着色)が抑制されているポリオレフィン樹脂成形体を与えることができ、ポリオレフィン樹脂に対して良好な核剤特性を示す。
【0046】
上記ポリオレフィン用改質剤としては、例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリストの添加剤要覧」(2002年1月)に記載されている各種添加剤が挙げられ、より具体的には、安定剤(金属化合物、エポキシ化合物、窒素化合物、燐化合物、硫黄化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等)、界面活性剤、滑剤、充填剤、発泡剤、発砲助剤、ポリマー添加剤の他、可塑剤(ジアルキルフタレート、ジアルキルヘキサヒドロフタレート等)、架橋剤、架橋促進剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、有機無機の顔料、加工助剤、他の核剤等の各種添加剤が例示される。
【0047】
本発明のポリオレフィン樹脂用核剤に酸化防止剤が含有されている場合、貯蔵安定性が向上する傾向が認められる。この場合、酸化防止剤の使用量は、ジアセタール組成物100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜3重量部である。
かかる酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸エステル系化合物、イオウ系酸化防止剤等が例示され、より具体的には、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオーネート]等が例示され、中でもテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが推奨される。
【0048】
上記の「その他の添加剤」を配合する方法としては、特に限定は無く、本発明のジアセタール組成物の製造方法と同様の方法を用いることができが、通常ドライブレンドする方法が推奨される。
【0049】
<ポリオレフィン樹脂組成物>
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、所望の当該樹脂組成物が得られれば特に限定されることはなく、常法に従って所定の成分を配合して製造できる。
【0050】
例えば、(a)ポリオレフィン樹脂(形態:粉末、フレーク、顆粒)、本発明のポリオレフィン樹脂用核剤、及び(該核剤にその他の添加剤が含有されていない場合には)必要に応じて上述のポリオレフィン用改質剤等を、慣用の混合機を用いて粉体混合(ドライブレンド)して、ドライブレンドブレンドタイプのポリオレフィン樹脂組成物を得る方法、
(b)そのドライブレンドタイプのポリオレフィン樹脂組成物を、慣用の混練り機(例えば一軸又は二軸の押し出し機等)を用いて、所望の温度で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却し、得られたストランドをカッティングすることでペレットタイプのポリオレフィン樹脂組成物を得る方法等が例示される。又、ペレットタイプとする方法の中には、当該核剤を2〜15重量%の高濃度マスターバッチペレットのポリオレフィン樹脂組成物を得る方法も含まれる。
【0051】
ポリオレフィン樹脂に対する本発明のポリオレフィン樹脂用核剤の配合量は、所定の効果が得られる限り特に限定されるものではなく、広い範囲から適宜選択することができる。推奨される配合量としては、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部が好ましく、特に0.07〜1重量部が好ましい。これらの範囲内で配合することにより、より効果的に本発明の効果を得ることができる。
【0052】
本発明に係るポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂が例示され、より具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、エチレン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のエチレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、プロピレン50重量%以上、好ましくは70重量%以上のプロピレンコポリマー、ブテンホモポリマー、ブテン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のブテンコポリマー、メチルペンテンホモポリマー、メチルペンテン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のメチルペンテンコポリマー、ポリブタジエン等が例示される。
【0053】
上記コポリマーはランダムコポリマーであってもよく、ブロックコポリマーであってもよい。これらの樹脂の立体規則性がある場合は、アイソタクチックでもシンジオタクチックでもよい。
上記コポリマーを構成し得るコモノマーとして、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン等の炭素数2〜12のα−オレフィン、1,4−エンドメチレンシクロヘキセン等のビシクロ型モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等が例示できる。
【0054】
かかる重合体を製造するために適用される触媒としては、一般に使用されているチーグラー・ナッタ型触媒はもちろん、遷移金属化合物(例えば、三塩化チタン、四塩化チタン等のチタンのハロゲン化物)を塩化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウムを主成分とする担体に担持してなる触媒と、アルキルアルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド等)とを組み合わせてなる触媒系やメタロセン触媒も使用できる。
【0055】
本発明に係るポリオレフィン樹脂の推奨されるメルトフローレート(以下「MFR」と略記する。JIS K 7210−1999)は、その適用する成形方法により適宜選択されるが、通常、0.01〜200g/10分、好ましくは0.05〜100g/10分である。
【0056】
かくして得られる本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、透明性が優れ、成形加工時などの熱履歴によりジアセタールから発生するベンズアルデヒド類の発生量並びに最終成形体中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性が抑制され、且つポリオレフィン樹脂の着色(特に黄色着色)が抑制されているポリオレフィン樹脂成形体を与えることができる有用なポリオレフィン樹脂組成物である。また、ペレットタイプのポリオレフィン樹脂組成物はそのペレット製造過程で熱履歴を受けるが、同様にジアセタールから発生するベンズアルデヒド類の発生量並びにペレット中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性は抑制され、且つポリオレフィン樹脂の着色(特に黄色着色)も抑制されている。
【0057】
<ポリオレフィン樹脂成形体>
本発明のポリオレフィン樹脂成形体は、上記本発明のポリオレフィン樹脂組成物を、慣用の成形法に従って成形することにより得られる。成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧空成形、回転成形、フィルム成形などが例示される。成形条件は、従来採用されている条件が広い範囲から適宜選択できる。
本発明のポリオレフィン樹脂成形体は、透明性が優れ、成形加工時などの熱履歴によりジアセタールから発生するベンズアルデヒド類の発生量並びに最終成形体中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性が抑制され、且つポリオレフィン樹脂の着色(特に黄色着色)が抑制されているポリオレフィン樹脂成形体であり、外観も良好である。
【0058】
かくして、本発明のポリオレフィン樹脂成形体は、従来から上記ジアセタールを核剤として配合してなるポリオレフィン樹脂成形体が用いられてきたと同様の分野において用いられ、特に食品包装材、食品容器、化粧品容器、医薬品容器等の分野で有利に使用することができる。
具体的には、熱や放射線等により滅菌されるディスポーザブル注射器、輸液・輸血セット、採血器具等の医療用器具類;放射線等により滅菌される食品・植物等の包装物;衣料ケースや衣料保存用コンテナ等の各種ケース類;食品を熱充填するためのカップ、レトルト食品の包装容器;電子レンジ用容器;ジュース、茶等の飲料用、化粧品用、医薬品用、シャンプー用等の缶、ビン等の容器;味噌、醤油等の調味料用容器及びキャップ;水、米、パン、漬物等の食品用ケース及び容器;冷蔵庫用ケース等の雑貨;文具;電気・機械部品;自動車用部品等の素材として好適である。
【実施例】
【0059】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。尚、各実施例及び比較例における分析値は以下の評価方法により求めた。
【0060】
[透明性の評価]
東洋精機製作所製のヘイズメータを用いて、JIS K 7136に準じて、厚さ1mmのポリオレフィン樹脂成形体のヘイズ値(%)を測定した。得られた数値が小さい程、透明性に優れる。
【0061】
[着色度の評価]
分光測色計(商品名「CM −3500d 」、ミノルタ株式会社製)を用いて、ASTM D1925 に準じて、厚さ2mm のポリオレフィン樹脂成形体の黄色度を測定した。得られた数値が小さい程、黄系の着色がなく外観に優れる。
【0062】
[結晶化温度の測定]
示差走査熱量計(商品名「DSC7」、パーキンエルマー社製)を用いて、JIS K7121に準じて、結晶化温度(℃)を測定した。結晶化温度(℃)が高い程、結晶化速度が速く、成形サイクルの短縮に寄与する。
【0063】
[臭気評価]
ペレットタイプのポリオレフィン樹脂組成物60gを225mlのガラス瓶中に密封した後、所定温度の恒温槽に2時間放置し、室温まで冷却した。冷却後直ちに、10名のパネラーにより、下記の判定基準に従って判定し、10名の合計値で評価した。点数が低いほど臭気特性に優れている。
上記の所定温度とは、アイソタクチックランダムポリプロピレン樹脂及びアイソタクチックホモポリプロピレン樹脂を使用している場合は80℃、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂及び高密度ポリエチレン樹脂を使用している場合は40℃である。
【0064】
<判定基準>
0ポイント:不快臭なし
1ポイント:ほとんど不快臭なし
2ポイント:僅かに不快臭あり
3ポイント:はっきり不快臭あり
4ポイント:強い不快臭
【0065】
[実施例1〜5]
(A)成分である1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール(以下、「Me−DBS」と略記する。)、(B)成分である糖アルコール、及び(C)成分である脂肪族モノカルボン酸を表1の記載の組成比となるように調整し、次いでメタノール6倍重量(対Me−DBS)を加えて、還流温度の条件下で1.5時間攪拌混合した。系内は、白色ペースト状(スラリー状態)となった。次に、メタノールを減圧下で除去し、さらに真空乾燥機を用いて、圧力133Pa、温度80℃の条件下で4時間乾燥して、本発明のジアセタール組成物(以下、「Me−DBS組成物」と略記する。)を得た。
エチレン含量3.0重量%のアイソタクチックランダムポリプロピレン樹脂(MFR=20g/10分,以下、「r−PP」と略記する。)100重量部に対して、Me−DBS組成物0.2重量部、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名、イルガノックス1010、チバスペシャルティーケミカルズ社製)0.05重量部及びステアリン酸カルシウム0.05重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで混合後、樹脂温度240℃に設定した直径25mmの一軸押出機で溶融混練してペレット化して、本発明のペレットタイプのポリオレフィン樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を樹脂温度240℃、金型温度40℃の条件下で射出成形して、本発明のポリオレフィン樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片を用いて、結晶化温度(℃)、ヘイズ値(%)及び黄色度の測定並びに臭気評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
【0066】
[実施例6]
Me−DBSに代えて、1,3:2,4−ジベンジリデン−D−ソルビトール(以下、「DBS」と略記する。)を用いた以外は実施例3と同様に行って、本発明のポリオレフィン樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片を用いて、実施例3と同様に評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
【0067】
[実施例7]
Me−DBSに代えて、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール(以下、「Et−DBS」と略記する。)を用いた以外は実施例3と同様に行って、本発明のポリオレフィン樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片を用いて、実施例3と同様に評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
【0068】
[実施例8]
Me−DBSに代えて、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール(以下、「3,4−DMDBS」と略記する。)を用いた以外は実施例3と同様に行って、本発明のポリオレフィン樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片を用いて、実施例3と同様に評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
【0069】
[実施例9]
r−PPに代えて、アイソタクチックホモポリプロピレン樹脂(MFR=30g/10分,以下、「h−PP」と略記する。)を用いた以外は実施例3と同様に行って、本発明のポリオレフィン樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片を用いて、実施例3と同様に評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
【0070】
[実施例10]
実施例3のMe−DBS組成物0.2重量部を、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度=0.926g/cm、MFR=20g/10分、以下「LLDPE」と略記する。)100重量部に配合し、ヘンシェルミキサーで混合後、樹脂温度200℃に設定した直径25mmの一軸押出機で溶融混練してペレット化して、本発明のペレットタイプのポリオレフィン樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を樹脂温度220℃、金型温度30℃の条件下で射出成形し、本発明のポリオレフィン樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片を用いて、結晶化温度(℃)、ヘイズ値(%)及び黄色度の測定並びに臭気評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
【0071】
[実施例11]
LLDPEに代えて、高密度ポリエチレン樹脂(密度=0.967g/cm3,MFR=6.7g/10分、以下「HDPE」と略記する。)を用いた以外は実施例10と同様に行って、本発明のポリオレフィン樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片を用いて、結晶化温度(℃)及び黄色度の測定並びに臭気評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
【0072】
[比較例1〜11]
本発明のジアセタール組成物に代えて、(A)成分及び(B)成分が表2に記載の組成比となるように調製した本発明外のジアセタール組成物を使用した以外は、実施例1と同様に行って、本発明外のポリオレフィン樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片を用いて、実施例1と同様に評価を行った。得られた評価結果を表2に示す。
【0073】
[比較例12及び13]
本発明のジアセタール組成物に代えて、(A)成分及び(B)成分が表2に記載の組成比となるように調製した本発明外のジアセタール組成物を使用した以外は、実施例9と同様に行って、本発明外のポリオレフィン樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片を用いて、実施例9と同様に評価を行った。得られた評価結果を表2に示す。
【0074】
[比較例14及び15]
本発明のジアセタール組成物に代えて、(A)成分及び(B)成分が表2に記載の組成比となるように調製した本発明外のジアセタール組成物を使用した以外は、実施例10と同様に行って、本発明外のポリオレフィン樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片を用いて、実施例10と同様に評価を行った。得られた評価結果を表2に示す。
【0075】
[比較例16及び17]
本発明のジアセタール組成物に代えて、(A)成分及び(B)成分が表2に記載の組成比となるように調製した本発明外のジアセタール組成物を使用した以外は、実施例11と同様に行って、本発明外のポリオレフィン樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片を用いて、実施例11と同様に評価を行った。得られた評価結果を表2に示す。
【0076】
【表1】

【0077】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明のジアセタール組成物をポリオレフィン樹脂用核剤として使用した場合、透明性が優れ、成形加工時などの熱履歴によりジアセタールから発生するベンズアルデヒド類の発生量並びに最終成形体中のベンズアルデヒド類の臭気及び味の移行性が抑制され、且つポリオレフィン樹脂の着色(特に黄色着色)が抑制されているポリオレフィン樹脂成形体が得られる。
これら成形体は、食品包装材及び食品容器、化粧品容器、医薬品容器等の分野で特に有利に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:
一般式(1)
【化1】


[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を表す。a及びbは、夫々0〜5の整数を示す。cは0又は1を示す。aが2である場合、2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよく、又、bが2である場合、2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
で表されるジアセタールから選ばれる少なくとも1種、
(B)成分:糖アルコールから選ばれる少なくとも1種、及び、
(C)成分:分子内に少なくとも1個の水酸基を有する炭素数8〜32の飽和又は不飽和脂肪族モノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種
からなるジアセタール組成物。
【請求項2】
(B)成分:(C)成分の重量比が1:0.1〜5の範囲である請求項1に記載のジアセタール組成物。
【請求項3】
(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計重量に対して、(B)成分の含有量が0.5〜20重量%、且つ、(C)成分の含有量が0.5〜20重量%である請求項1又は請求項2に記載のジアセタール組成物。
【請求項4】
(B)成分が、キシリトール、ソルビトール、マンニトール及びイノシトールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3の何れかに記載のジアセタール組成物。
【請求項5】
(C)成分が、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸及び9,10−ジヒドロキシステアリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4の何れかに記載のジアセタール組成物。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載のジアセタール組成物を含有することを特徴とするポリオレフィン樹脂用核剤。
【請求項7】
請求項6に記載のポリオレフィン樹脂用核剤及びポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物。
【請求項8】
ポリオレフィン樹脂用核剤の含有量が、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部である請求項7に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載のポリオレフィン樹脂組成物を成形してなるポリオレフィン樹脂成形体。
【請求項10】
食品、化粧品又は医薬品の容器又は包装材であって、該容器又は包装材が請求項9に記載のポリオレフィン樹脂成形体からなる容器又は包装材。
【請求項11】
ポリオレフィン樹脂及び(B)成分:糖アルコールから選ばれる少なくとも1種を含有するポリオレフィン樹脂組成物が受ける熱履歴により生じる着色を抑制する方法であって、
(C)成分:分子内に少なくとも1個の水酸基を有する炭素数8〜32の飽和又は不飽和脂肪族モノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種を該ポリオレフィン樹脂組成物に含有せしめることを特徴とするポリオレフィン樹脂の着色を抑制する方法。
【請求項12】
ポリオレフィン樹脂及び(B)成分:糖アルコールから選ばれる少なくとも1種を含有するポリオレフィン樹脂組成物が受ける熱履歴により生じる着色の抑制剤であって、
(C)成分:分子内に少なくとも1個の水酸基を有する炭素数8〜32の飽和又は不飽和脂肪族モノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする着色抑制剤。

【公開番号】特開2007−277440(P2007−277440A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107050(P2006−107050)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(000191250)新日本理化株式会社 (90)
【Fターム(参考)】