新規な多量体CD40リガンド、その製造方法及び医薬を製造するためのそれらの使用
本発明は式(I)
(式中、Yは大員環を表し、この環は9〜36の原子を含み、3つのアミン又はCOOH官能基により機能化され、Rcは式H−Xa−Xb−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−(式中、iは0又は1を表し、Xaは特にリジン、アルギニン、オルニチン残基から選択され、Xbは特にグリシン、アスパラギン、L−プロリン又はD−プロリン残基から選択され、Xc及びXdは特にチロシン、フェニルアラニン又は3−ニトロチロシン残基から選択され、Xe及びXfは特に下記のアミノ酸残基NH2−(CH2)n−COOH(nは1〜10の範囲である)又はNH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH(mは3〜6の範囲である)から選択され、但し、アミノ酸残基Xa、Xb、Xc及びXdのうちの少なくとも1つが天然のCD40Lの143Lys−Gly−Tyr−Tyr146断片の配列において対応するアミノ酸とは異なる))
の化合物に関する。
(式中、Yは大員環を表し、この環は9〜36の原子を含み、3つのアミン又はCOOH官能基により機能化され、Rcは式H−Xa−Xb−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−(式中、iは0又は1を表し、Xaは特にリジン、アルギニン、オルニチン残基から選択され、Xbは特にグリシン、アスパラギン、L−プロリン又はD−プロリン残基から選択され、Xc及びXdは特にチロシン、フェニルアラニン又は3−ニトロチロシン残基から選択され、Xe及びXfは特に下記のアミノ酸残基NH2−(CH2)n−COOH(nは1〜10の範囲である)又はNH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH(mは3〜6の範囲である)から選択され、但し、アミノ酸残基Xa、Xb、Xc及びXdのうちの少なくとも1つが天然のCD40Lの143Lys−Gly−Tyr−Tyr146断片の配列において対応するアミノ酸とは異なる))
の化合物に関する。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明の目的は、新規な多量体CD40リガンド、それらの製造方法、並びに医薬製造のためのそれらの使用である。
本発明の目的は、免疫応答の活性化又は抑制可能な分子でもある。
【0002】
免疫応答におけるCD40/CD40Lペアの重要性は、多くのグループを、これら2つの分子に対する抗体の、免疫システムの抑制又は活性化のための治療目的の使用に導いた。抗CD40L抗体の投与は、マウスの実験的アレルギー性脳脊髄炎等の自己免疫疾病の治療(ヒト多発性硬化症のモデル)(Howard等、1999)又はサルの腎臓同種移植の拒絶反応の治療(Kirk等、1999)において好意的な結論を生みだしている。これら2つの場合において、抗体は免疫システムの有害な活性化を抑制する。反対にアゴニスト抗CD40抗体の使用は、一方では、マウスでのペプチドベースの抗腫瘍ワクチンの免疫を強く改善することを可能にし(Diehl等、1999)、他方では、マウス腫瘍に対する闘いにおけるCD4+T細胞の効果を増加する(Sotomayor等、1999;Lode等、2000)ことを可能にした。マウスモデルにおける腫瘍の退行は、CD40Lをコードするアデノウイルスによりトランスフォームした樹状細胞(DCs)の注入後に見られる。最後に、CD40LとCD40分子との相互作用による樹状細胞の活性化は、寄生虫であるTrypanosoma Cruzi(Chaussabel等、1999)による感染からマウスを保護することを可能にする。これらすべての研究において、CD40と六価の複合体を形成するために、三量体の形で結合しているCD40L分子の特定の結合価が、CD40/CD40Lペアの作用を干渉することができる機能的抗体を産生することを困難にしている。CD40Lをコードしているアデノウイルスコードの開発は、この欠点に部分的に対応している。しかし、それらの使用は、ヒトにおいて問題がないわけではない。最後に、システムの特定の結合価は、CD40/CD40L相互作用を干渉することができる合成分子の発見を困難にさせる。
【0003】
本発明の目的は、タンパク質間相互作用に干渉するためにデザインされた多量体リガンドを提供することである。
本発明の目的は、多価のタンパク質―タンパク質相互作用を干渉することのできる分子を製造することでもある。
本発明の目的は、新規な三量体CD40リガンドを提供することによりCD40/CD40Lシステムに作用する合成分子を提供することである。
本発明の目的は、アジュバント又は免疫抑制剤として作用することのできる分子を提供することでもある。
【0004】
本発明は、下記の式(I)に対応する化合物に関する。
【化1】
(式中、
− Yは大員環を表し、この環は9〜36の原子を含み、3つのアミン又はCOOH官能基により機能化され、
− Rcは式H−Xa−Xb−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−又はH−X’a−L−X’b−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−の基を表し、
●iは0又は1を表し、
●Xaは下記のアミノ酸残基から選択され、
− リジン;
− アルギニン;
− オルニチン;
− α位又はβ位で置換を有する、リジン、アルギニン又はオルニチンに対応するβ−アミノ酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− 4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●Xbは、下記のアミノ酸残基から選択され、
− グリシン;
− アスパラギン;
− D−アラニン;
− D−バリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換L−プロリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換D−プロリン;
− N−アルキル化された天然アミノ酸であり、アルキル基はメチル基、エチル基又はベンジル基;
− 下記の式で表される非環式ジアルキルアミノ酸
【化2】
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表す);
− 下記の式で表される環式ジアルキルアミノ酸
【化3】
(式中、kは1、2、3又は4を表す);
●Xcは下記のアミノ酸残基から選択され、
− チロシン;
− フェニルアラニン;
− 3−ニトロ−チロシン;
− 4−ヒドロキシメチル−フェニルアラニン;
− 3、5−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
− 2、6−ジメチル−チロシン;
− 3、4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン(DOPA);
●Xdは下記のアミノ酸残基から選択され、
− チロシン;
− フェニルアラニン;
− 3−ニトロ−チロシン;
− 4−ヒドロキシメチル−フェニルアラニン;
− 3、5−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
− 2、6−ジメチル−チロシン;
− 3、4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
●Xeは下記のアミノ酸残基から選択され、
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●Xfは下記のアミノ酸残基から選択され、
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●−L−は、X’aとX’bとの間のシュードペプチド結合を表し、特に下記のリストから選択され、
−L−は、
−Ψ(CH2CH2)−;−Ψ(CH(Fk)=CH(Fk’))−;−Ψ(CH2NH)−;−Ψ(NHCO)−;−Ψ(NHCONH)−;−Ψ(CO−O)−;−Ψ(CS−NH)−;−Ψ(CH(OH)−CH(OH))−;−Ψ(S−CH2)−;−Ψ(CH2−S)−;−Ψ(CH(CN)−CH2)−;−Ψ(CH(OH))−;−Ψ(COCH2)−;−Ψ(CH(OH)CH2)−;−Ψ(CH(OH)CH2NH)−;−Ψ(CH2)−;−Ψ(CH(Fk))−;−Ψ(CH2O)−;−Ψ(CH2−NHCONH)−;−Ψ(CH(Fk)NHCONFk’)−;−Ψ(CH2−CONH)−;−Ψ(CH(Fk)CONH)−;−Ψ(CH(Fk)CH(Fk’)CONH)−;
又は−Ψ(CH2N)−;−Ψ(NHCON)−;−Ψ(CS−N)−;−Ψ(CH(OH)CH2N)−;−Ψ(CH2−NHCON)−;−Ψ(CH2−CON)−;−Ψ(CH(Fk)CON)−;−Ψ(CH(Fk)CH(Fk’)CON)−であり、ここでX’bはプロリンの側鎖を表すものとし、
シュードペプチド型結合は、特にSpatolaの論文(1983)に記載され、
Fk及びFk’は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン基、1〜20の炭素原子のアルキル基、又は5〜20の炭素原子を含む環式構造のアリール基を表し、
●X’aはリジン、アルギニン又はオルニチンの側鎖を表し、及び
●X’bは下記のアミノ酸残基の1つの側鎖を表し、
− グリシン;
− アスパラギン;
− D−アラニン;
− D−バリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換L−プロリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換D−プロリン;
− N−アルキル化された天然アミノ酸であり、アルキル基がメチル基、エチル基又はベンジル基;
− 下記の式で表される非環式ジアルキルアミノ酸
【化4】
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表す);
− 下記の式で表される環式ジアルキルアミノ酸
【化5】
(式中、kは1、2、3又は4を表す);
但し、アミノ酸残基Xa、Xb、Xc及びXdのうちの少なくとも1つが、天然のCD40Lの143Lys−Gly−Tyr−Tyr146断片の配列において対応するアミノ酸とは異なる)
【0005】
従って、例えば、H−X’a−L−X’b−基を下記の式の1つにより示すことができる。
【化6】
【0006】
本発明の化合物は、Xa−Xb−Xc−Xd鎖がLys−Gly−Tyr−Tyr鎖と異なる、式(I)に対応する。
Y基を3つのCOOH官能基により機能化する場合には、Yを−CO−基によりRcに結合し、Yを3つのアミン官能基により機能化する場合には、Yを−NH−基によりRcに結合する。
本発明の化合物もまた、下記の式により表すことができる。
【化7】
Y、Xa、Xb、Xc、Xd、Xe、Xf及びiを、前記で定義している。
Xe−(Xf)i−基は、YにH−Xa−Xb−Xc−Xd−を結合するための腕としての役割を果たす。
【0007】
本発明の化合物は、C3シンメトリーをもち、新規な三量体CD40リガンドに対応する化合物である。
本発明の枠内において、用語「アミノ酸」は、具体的には天然アミノ酸又は非天然アミノ酸、具体的にはアルファ、ベータ、ガンマ、デルタアミノ酸、又はω−アミノ酸を意味する。
用語「大員環」は、窒素、炭素又は酸素原子、合計数が9以上の原子を含む環を意味する。
用語「α位又はβ位で置換を有する、リジン、アルギニン又はオルニチンに対応するβ−アミノ酸」は、下記の式の1つに対応する化合物、H2N−CH2−CH(Rb)−COOH(α位)又はH2N−CH(Rb)−CH2COOH(β位)(式中、Rbはリジン、アルギニン又はオルニチン残基に対応する)を意味する。
【0008】
さらに正確には、Xaは下記の基から選択される。
【化8】
【化9】
【0009】
Xbは下記の基から選択される。
【化10】
Xc及びXdは下記の基から選択される。
【化11】
【0010】
Xe及びXfは下記の基から選択される。
【化12】
【化13】
【0011】
本発明による好ましい化合物は、前記式(I)で表される化合物であり、Xaがリジン残基ではない、及び/又はXbがグリシン残基ではない。
リジン残基の置換は、一方、CD40へのリガンドの結合を最適化、すなわちCD40への前記リガンドの結合の親和性の増加を可能にし、他方、そのリガンドの親油性の改質を可能にする。
グリシン残基の置換は、Xa−Xb−Xc−Xd鎖の生物活性構造を安定化することを可能にする。
【0012】
好ましい実施態様によると、本発明の化合物は式(I)で表される化合物であり、式中、Xaはリジン残基ではない。
従って、本発明の好ましい化合物は、Xaが式NH2−(CH2)n−COOH(nは1から10まで変化する)のアミノ酸残基を表し、好ましくはXaがアミノヘキサン酸残基を表すことを特徴とする。
このような化合物は、天然のCD40の143Lys−Gly−Tyr−Tyr146断片のリジン残基を式NH2−(CH2)n−COOH(n=1〜10)のアミノ酸残基と置換する化合物である。
【0013】
本発明の好ましい化合物は、下記の式1つに対応する化合物である。
【化14】
(式中、nは前記で定義している)
n=5に対応する好ましい化合物を下記の式で表している。
【化15】
前記リガンドの効果的な機能のいくらかを保護しながら、前記化合物における前記リジン残基のアミノヘキサン酸による置換は本発明のリガンドの親油性の調節を可能にし、それらはCD40との相互作用に起因する(リンパ腫アポトーシス試験、実施例参照)。
【0014】
好ましくは、本発明の化合物は、式(I)で表される化合物である(式中、Xaはリジン残基ではなく、Xb、Xc及びXd残基はCD40Lの天然の配列の残基と同一である)。
本発明はまた、Xbがグリシン残基ではないことを特徴とする、式(I)で表される化合物に関する。
従って、本発明による好ましい化合物は、XbがD−プロリン残基で表されることを特徴とする。このような化合物は下記の式で表される。
【化16】
【0015】
その化合物における天然のCD40Lの143Lys−Gly−Tyr−Tyr146断片のグリシン残基のD−プロリンによる置換は、天然のCD40の143Lys−Gly−Tyr−Tyr146ループにより形成されたタイプIIフォールディングを安定化することにより、前記リガンドを安定化することを可能にする。従って、その安定化は、特に天然のCD40リガンドに対するBリンパ種のより特異的なアポトーシスを誘発するための能力によって、より選択的なリガンドを得ることを可能にし、リンパ腫のアポトーシスの枠内において特に有用である。
好ましくは、本発明の化合物は、式(I)で表される化合物(式中、Xbはグリシン残基ではなく、Xa、Xc及びXd残基はCD40Lの天然の配列の残基と同一である)である。
本発明による好ましい化合物は、XbがL−プロリン残基で表される化合物である。その化合物における天然のCD40の143Lys−Gly−Tyr−Tyr146断片のグリシン残基のL−プロリン残基による置換は、CD40への天然のリガンドと同様の結合性を有するが、関連する生物学的特性を有しないリガンドを得ることを可能にする。従って、そのリガンドはBリンパ種のアポトーシスの効果を有しない。
【0016】
本発明は、式(I)で表される化合物にも関し、
− Xaはリジン残基ではなく、及び
− Xbはグリシン残基ではない。
好ましくは、その化合物は、
− Xaが好ましくは式NH2−(CH2)n−COOH(式中、nは1から10まで変化する)のアミノ酸残基を表し、具体的にはアミノヘキサン酸残基を表し、
− Xbが好ましくはD−プロリン残基を表すことを特徴としている。
その化合物は下記の一般式の1つに対応する。
【化17】
【0017】
本発明は、式(I)に対応するビオチンで標識された化合物にも関する。
これらの化合物は、ポリマーから本発明のリガンドを多量体にすることを可能にする機能化されたリガンドを調製するために使用される。このために、具体的には種々のビオチンに結合することのできるストレプトアビジンを使用することを可能にする。
従って、本発明は多量体形状、すなわち本発明の種々のリガンドが結合するポリマー分子に対応する本発明のリガンド、並びに標識としてこれらの多量体リガンドの使用にも関する。
これらの化合物もまた、具体的には樹状細胞による腫瘍の免疫療法の枠内において、これらの化合物によるグラフトされたカラムの使用によりCD40レセプターを精製し、又はこれらの標識された化合物を使用することにより細胞の表面上のCD40レセプターを容易に検出することを可能にする。
【0018】
本発明は、式(I)の化合物に関し、Yが下記の式(II)に対応することを特徴とする。
【化18】
(式中、
− jは0又は1;
− Aは下記のいずれかから選択されるアミノ酸残基又はアミノ酸誘導体を表し、
【化19】
・nは0、1、2又は3を表し;
・pは0、1、2又は3を表し;
・EはNH又はOを表し;
− B1は下記から独立に選択されるアミノ酸残基又はアミノ酸誘導体であり、
【化20】
・nは0、1、2又は3を表し;
・pは0、1、2又は3を表し;
・EはNH又はOを表し;
・Raは、C1−C8アルキル化された、プロテイノジェニック(proteinogenic)アミノ酸の側鎖を表し;
− B2はB1と同一であることができるか、又は下記の基から独立に選択され、
【化21】
・nは0、1、2又は3を表し;
・pは0、1、2又は3を表し;
・EはNH又はOを表し;
・Raは、C1−C8アルキル化された、プロテイノジェニック(proteinogenic)アミノ酸の側鎖を表し;
・Dは下記の基の1つを表し、
(+)−ビオチニル−、(+)−ビオチニル−Xg−、HS−(CH2)q−CO−、Pys−S−(CH2)q−CO−、Npys−S−(CH2)q−CO−、HS−(CH2)q−CO−Xg−、Pys−S−(CH2)q−CO−Xg−、Npys−S−(CH2)q−CO−Xg−
qは2〜6の整数を表し;
Xgは下記の基の1つの残基に対応し、
−NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
−NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
トラネキサム酸;
N−メチル−トラネキサム酸;
4−(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
3−(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
N−(4−アミノブチル)−グリシン;
4−カルボキシメチル−ピペラジン;
4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
4−アミノフェニル酢酸;
4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
4−アミノ安息香酸;
4−(2−アミノエトキシ)安息香酸)
【0019】
式(II)において、Aは式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)又は(12)の基である;B1は式(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)又は(20)の基であり、B2は式(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(21)、(22)、(23)又は(24)の基である。
Xgは、Xe及びXfとして同様に定義している。
用語「Pys」はピペリジンサルフェニル基を表し、用語「Npys」はニトロピリジンサルフェニル基を表している。
ビオチンを下記の式により表す。
【化22】
従って、ビオチニル基を下記の式により表す。
【化23】
【0020】
用語「プロテイノジェニック(proteinogenic)アミノ酸の鎖」は、遺伝情報の20アミノ酸の1つに対応する又は対応しない、タンパク質中に存在するアミノ酸の側鎖を表している。
式(II)で表される化合物は下記の一般式の1つに対応する。
【化24】
【0021】
本発明はまた、下記の式の1つに対応する、化合物に関する。
【化25】
(式中、Ra、Rc及びpを前記で定義している)
【0022】
式(III)で表される化合物は、式(II−c)に対応するYを持つ式(I)で表される化合物を表し、Aは式(5)で表される基であり、B1は式(16)で表される基(n=0)である。
式(IV)で表される化合物は、式(II−c)に対応するYを持つ式(I)で表される化合物を表し、Aは式(6)の基であり、B1は式(15)の基(n=0)である。
式(V)で表される化合物は、式(II−a)に対応するYを持つ式(I)で表される化合物を表し、Aは式(5)の基(n=1)である。
式(VI)で表される化合物は、式(II−a)に対応するYを持つ式(I)で表される化合物を表し、Aは式(11)の基(E=NH)である。
式(VII)で表される化合物は、式(II−a)に対応するYを持つ式(I)で表される化合物を表し、Aは式(10)の基(E=NH)である。
【0023】
これらの異なる化合物は、それらの構造がレセプター(Xa、Xb、Xc及びXd)と接触する残基の位置を確認し、位置を決めることを可能にする明確な立体構造をもち、選択的な相互作用の形状及び距離をもつ、剛性の平らな環式構造の範囲にとって特に有用である。
有利な実施態様によると、本発明の化合物は下記の式(III−a)で表される。
【化26】
式(III−a)で表される化合物は、式(III)で表される化合物(式中、Raはメチル基及びp=3で表される)である。
【0024】
有利な実施態様によると、本発明の化合物は下記の式(V−a)で表される。
【化27】
式(V−a)で表される化合物は、式(V)の化合物(p=3)で表される。
【0025】
有利な実施態様によると、本発明の化合物は下記の式の1つで表される。
【化28】
(Rcは前記で定義されている)
【0026】
式(III−b)、(III−c)及び(III−d)で表される化合物は、それぞれビオチン、−CO−(CH2)2−SH及び
【化29】
により標識された式(III−a)に対応する化合物である。更に正確には、これらの化合物は式(II−b)に対応するYを持つ式(I)で表される化合物であり、Aは式(5)の基であり、B1は式(16)の基(n=0)であり、B2は式(22)基(p=3)である。
式(III−b)で表される化合物において、Dはビオチニル基である。
式(III−c)で表される化合物において、Dは−CO−(CH2)q−SH基(q=2)である。
式(III−d)で表される化合物において、Dは−CO−(CH2)q−S−pys基(q=2)である。
本発明の好ましい化合物は、式(I)で表される化合物であり、
Rcは、H−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−又はAhx−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−又は
H−Lys−Ψ(CH2N)−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−(式中、−Ψ(CH2N)−はメチレンアミノ型のシュードペプチド結合を表す)又は、H−Lys−Gly−DOPA−Tyr−NH−(CH2)5−CO−である。
H−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−基はRc基であり、i=0、Xaはリジン残基であり、XbはD−プロリン残基であり、Xcはチロシン残基であり、Xdはチロシン残基であり、Xeは式NH2−(CH2)n−COOH(n=5)で表されるアミノ酸残基である。
【0027】
H−Lys−Gly−DOPA−Tyr−NH−(CH2)5−CO−基はRc基であり、i=0、Xaはリジン残基であり、Xbはグリシン残基であり、XcはDOPA(3,4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン)残基であり、Xdはチロシン残基であり、Xeは式NH2−(CH2)n−COOH(n=5)のアミノ酸残基である。
H−Lys−Ψ(CH2N)−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−基はRc基であり、i=0、X’aはリジン残基であり、X’bはD−プロリン残基であり、−Ψ(CH2N)−はメチレンアミノ型のシュードペプチド結合(ペプチド結合のCONH基はCH2−N基により置換される)であり、Xcはチロシン残基であり、Xdはチロシン残基であり、Xeは式NH2−(CH2)n−COOH(n=5)のアミノ酸残基である。
【0028】
その化合物は、下記の式の1つで表す。
【化30】
【0029】
その化合物もまた、下記の式の1つで表すことができる。
【化31】
【0030】
本発明の好ましい化合物は、下記の式の1つで表す。
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【0031】
式(III−e)で表される化合物は、式(III−a)で表される化合物であり、RcはH−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−である。
式(V−b)で表される化合物は、式(V−a)で表される化合物であり、RcはH−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−である。
式(III−f)で表される化合物は、式(III−a)で表される化合物であり、RcはAhx−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−である。
式(III−i)で表される化合物は、式(III−a)で表される化合物であり、RcはH−Lys−Ψ(CH2N)−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−である。
本発明は、また下記の式の1つに対応する化合物に関する。
【化36】
【化37】
【0032】
化合物(III−g)は、式(III−e)で表されるビオチンで標識された化合物である。この化合物は、また式(III−b)で表される化合物に対応し、RcはH−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−基である。
化合物(III−h)は、式(III−f)で表されるビオチンで標識された化合物である。この化合物は、また式(III−b)で表される化合物であり、RcはAhx−(D)Pro−Tyr−Tyr−基である。
化合物(III−j)は、ビオチンで標識された化合物である。この化合物もまた、式(III−b)で表される化合物に対応し、RcはH−Lys−Gly−DOPA−Tyr−NH−(CH2)5−CO−基である。
本発明は、また薬学的に許容可能なベクターと組み合わせて、活性成分として、式(I)に対応する、前記化合物を含むことを特徴とする医薬組成物に関する。
本発明は、また薬学的に許容可能なアジュバントと組み合わせて、活性成分として、式(I)に対応する、前記化合物を含むことを特徴とするワクチン組成物に関する。
【0033】
本発明は、また免疫応答の抑制又は活性化を含む病状の治療を意図する薬の調製のための、式(I)に対応する、前記化合物の使用に関する。
免疫応答は、炎症性疾患(炎症性リウマチ)、自己免疫性疾患、通常の超過敏反応及び具体的にはアレルギー、組織不適合、ホストに対するグラフト(graft)の反応の過程において、抑制されるに違いない。
免疫応答は、通常のワクチン接種、癌免疫療法、免疫抑制を誘発する細菌性疾患又はウィルス性疾患(はしか、AIDS、ヘルペス・ウイルス、サイトメガロ・ウイルス等)、細菌性疾患、ウィルス性疾患又は一次免疫不全又は二次免疫不全を示す個々人の従来にない病原体(プリオン)を含む疾患の治療において活性化されるに違いない。
本発明は、免疫応答、例えば組織不適合、アレルギー疾患又は自己免疫疾患の抑制を含む病状の治療を意図する薬の調製のための、前記使用にも関する。
【0034】
免疫応答の抑制を含む疾病は、自己免疫疾病、糖尿病、多発性硬化症、播種性淋菌感染又は関節リウマチ、同種移植片、異種移植片の枠内での組織不適合、ホストに対するグラフトの反応、並びにアレルギー等の超過敏反応、具体的にはアレルギー性鼻炎及びアトピー性皮膚炎、又は肉芽腫を含む。
本発明の化合物を、免疫応答の抑制の枠内において使用し、静注経路、粘膜経路(経口、気道、鼻、膣)、皮下経路、皮内経路又は表面経路により投与することが可能である。
本発明は、また、医薬組成物に関し、免疫応答抑制を含む病状の治療のために、本発明の化合物を含み、その化合物を個々人へ1日当たり約100ng〜約5mgの割合で投与することができる量で医薬組成物に存在していることを特徴とする。
本発明は、免疫応答を高めることを含む病状、例えば癌、又は寄生性感染、細菌性感染、ウィルス性感染、又はプリオン等の非従来的な感染体に関連する感染の治療を意図する医薬の製造のための、前記使用に関する。
【0035】
免疫応答の活性化を含む場合において、通常のワクチン接種、具体的にはインフルエンザに対するワクチン又は小児病に対するワクチン、癌免疫療法、具体的にはメラノーマ又は転移を伴う癌の枠内で、免疫抑制を誘発する細菌性疾患又はウィルス性疾患、具体的には、はしか、AIDS、ヘルペス・ウイルス又はサイトメガロ・ウイルス、又は一次免疫不全又は二次免疫不全を示す個々人を対象とするワクチンを含む。
本発明の化合物は、免疫応答の活性化の枠内で使用され、静注経路により、粘膜経路(経口、気道、鼻、膣)により、皮下経路、皮内経路又は表面経路により投与することが可能である。
本発明は、また医薬組成物に関し、免疫応答の活性化を含む病状の治療のために、本発明の化合物を含み、その化合物を個々人へ1日当たり約100ng〜約5mgの割合で投与することができる量で医薬組成物に存在していることを特徴とする。
【0036】
本発明は、また
− Yのリニアー前駆体の形成工程であって、前駆体がN−保護アミノ酸残基(それらの3つは、アミン型のRa基を有し、Ra基は請求項7で定義されている)と成長ペプチド鎖のアミン官能基との間の結合、及び固体支持体に付着している最初のアミノ酸残基脱保護の連続サイクルによって合成される、成長ペプチド鎖を形成するアミノ酸の連鎖形成により構成される形成工程、
− 前記Yの保護リニアーの前駆体の環化工程、
− 前記保護アミン官能基を遊離するための、前記保護用の基の開裂工程、
− 前記遊離されたアミン官能基の、請求項1で定義されたRc基に対応するアミノ酸配列の連続のアッセンブリーにより、既に形成されているか、又はインサイチューで形成されるペプチドへの連結工程、
− 前記Rc基の官能化された側鎖に存在する全ての保護基の削除の後に、本発明の化合物を得るための、前記固体支持体からの分子の開裂工程、
を含むことを特徴とする、固体支持体上における、式(1)で表される化合物の製造方法に関する。
【0037】
本発明で表される化合物は、下記の方法による固体支持体上の合成により得られる。Y基はリニアーの前駆体の合成及び環化により固体支持体上に最初に構成される。従って、第1アミノ酸残基(それらの酸の作用は適切に保護されている(例えば、アリルエステル))は、アルデヒドにより機能化された樹脂(市販の樹脂)を使用し、還元アミン化反応による支持体に結合する。その後、リニアーの前駆体YはN−保護アミノ酸(例えば、N−Fmoc−Xaa−OH、Xaaはいくらかのアミノ酸又は成長ペプチド鎖を示す)を持つ連続カップリング環化(標準のペプチド合成方法)及び脱保護(Fmoc基の開環のためのDMF中の20%ピペリジン)により組み立てられる。樹脂の洗浄方法及び濾過方法並びにFmoc基の脱保護方法は、固相中のペプチド合成に一般に使用されている。アミノ型鎖を有する3つのアミノ酸は機能化され、アミン官能基は他(例えば、TEOC又はメチルトリチル)に直交する保護基により保護される。アッセンブリーの終わりに、最後のN−保護基は開裂され(Fmoc基の場合にはDMF中の20%ピペリジン存在下)及びC末端エステルの保護基は開裂する。その後、リニアーの前駆体はカップリング試薬(標準のペプチド合成)及び例えばDIEA又はコリジン等の第3塩基の存在下において「頭から尻尾(head to tail)」で環化する。環化反応の後に、カイザー試験(カイザーら、1970)等の比色試験を行うことができる。環化の終わりに、保護されたアミン官能基を有するアミノ酸の保護基は開裂し、適切に保護されているスペーサーアーム(例えば、Fmoc−Ahx(6−アミノヘキサン酸)−COOH)は、カップリング試薬の存在下において3つの遊離アミン官能基にカップリングされる。このカップリングの終了後、スペーサーアームの保護基は開裂し、Rc基は標準のペプチド合成方法により組み立てられる。合成の最後に、すぐに最後の保護基は除去され、分子は例えばトリフルオロ酢酸での処理により樹脂から開裂し、エーテルから沈殿後に凍結乾燥し、例えばC18カラムの逆相分取HPLCにより精製する。
【0038】
本発明はまた、下記の式に対応するビオチンで標識された化合物に関する
【化38】
(式中、
− Rcは式H−Xa−Xb−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−又はH−X’a−L−X’b−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−の基を表し、
●iは0又は1を表し、
●Xaは下記のアミノ酸残基から選択され、
− リジン;
− アルギニン;
− オルニチン;
− α位又はβ位で置換を有する、リジン、アルギニン又はオルニチンに対応するβ−アミノ酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− 4−(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3−(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4−(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●Xbは、下記のアミノ酸残基から選択され、
− グリシン;
− アスパラギン;
− D−アラニン;
− D−バリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換L−プロリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換D−プロリン;
− N−アルキル化された天然アミノ酸、アルキル基はメチル基、エチル基又はベンジル基;
− 下記の式で表される非環式ジアルキルアミノ酸
【化39】
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表す);
− 下記の式で表される環式ジアルキルアミノ酸
【化40】
(式中、kは1、2、3又は4を表す);
●Xcは下記のアミノ酸残基から選択され、
− チロシン;
− フェニルアラニン;
− 3−ニトロ−チロシン;
− 4−ヒドロキシメチル−フェニルアラニン;
− 3、5−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
− 2、6−ジメチル−チロシン;
− 3、4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン(DOPA);
●Xdは下記のアミノ酸残基から選択され、
− チロシン;
− フェニルアラニン;
− 3−ニトロ−チロシン;
− 4−ヒドロキシメチル−フェニルアラニン;
− 3、5−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
− 2、6−ジメチル−チロシン;
− 3、4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
●Xeは下記のアミノ酸残基から選択され、
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 4−(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3−(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4−(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●Xfは下記のアミノ酸残基から選択され、
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 4−(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3−(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4−(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●−L−は、X’aとX’bとの間のシュードペプチド結合を表し、特に下記のリストから選択され、
−L−は、
−Ψ(CH2CH2)−;−Ψ(CH(Fk)=CH(Fk’))−;−Ψ(CH2NH)−;−Ψ(NHCO)−;−Ψ(NHCONH)−;−Ψ(CO−O)−;−Ψ(CS−NH)−;−Ψ(CH(OH)−CH(OH))−;−Ψ(S−CH2)−;−Ψ(CH2−S)−;−Ψ(CH(CN)−CH2)−;−Ψ(CH(OH))−;−Ψ(COCH2)−;−Ψ(CH(OH)CH2)−;−Ψ(CH(OH)CH2NH)−;−Ψ(CH2)−;−Ψ(CH(Fk))−;−Ψ(CH2O)−;−Ψ(CH2−NHCONH)−;−Ψ(CH(Fk)NHCONFk’)−;−Ψ(CH2−CONH)−;−Ψ(CH(Fk)CONH)−;−Ψ(CH(Fk)CH(Fk’)CONH)−;
又は−Ψ(CH2N)−;−Ψ(NHCON)−;−Ψ(CS−N)−;−Ψ(CH(OH)CH2N)−;−Ψ(CH2−NHCON)−;−Ψ(CH2−CON)−;−Ψ(CH(Fk)CON)−;−Ψ(CH(Fk)CH(Fk’)CON)−であり、ここでX’bはプロリンの側鎖を表すものとし、
Fk及びFk’は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン基、1〜20の炭素原子のアルキル基、又は5〜20の炭素原子を含む環式構造のアリール基を表し、
●X’aはリジン、アルギニン又はオルニチンの側鎖を表し、及び
●X’bは下記のアミノ酸残基の1つの側鎖を表し、
− グリシン;
− アスパラギン;
− D−アラニン;
− D−バリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換L−プロリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換D−プロリン;
− N−アルキル化された天然アミノ酸、アルキル基がメチル基、エチル基又はベンジル基;
− 下記の式で表される非環式ジアルキルアミノ酸
【化41】
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表す);
− 下記の式で表される環式ジアルキルアミノ酸
【化42】
(式中、kは1、2、3又は4を表す))。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例5の保護ペンタペプチド(1)のHPLCクロマトグラフィーを示す。
【0040】
【図2】実施例5の非環式ヘキサペプチド(2)のHPLCクロマトグラフィーを示す。
【0041】
【図3】実施例5の環化及び脱保護ヘキサペプチド(3)のHPLCクロマトグラフィーを示す。
【0042】
【図4】実施例5の化合物A(L41)のHPLCクロマトグラフィーを示す。
【0043】
【図5A】DiOC6で標識後、フローサイトメトリーを使用し、16時間インキュベートされたL36リガンドにより誘導された、BL41細胞のアポトーシスの百分比を示す。実曲線はL36リガンドにより誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。点曲線はCD40を発現しないJurkat細胞株のL36リガンドにより誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。黒四角の実曲線はBL41の対照ペンタペプチド(L37)(H−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−Ahx−OH)により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、白丸の実曲線はJurkatの対照ペンタペプチド(L37)により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。
【0044】
【図5B】DiOC6で標識後、フローサイトメトリーを使用し、16時間インキュベートされたL4及びL41リガンドにより誘導された、BL41細胞のアポトーシスの百分比を示す。実曲線はL4リガンドにより誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。点曲線はL41リガンドにより誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。
【0045】
【図5C】DiOC6で標識後、フローサイトメトリーを使用し、16時間インキュベートされたL4及びL40リガンドにより誘導された、BL41細胞のアポトーシスの百分比を示す。数値は、BL41細胞の3つの独立した実験の平均±平均偏差に対応する。白のヒストグラムはL4により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒のヒストグラムはL45により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、灰色のヒストグラムはL40により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。D−プロリンをL−プロリンで置換した対照ペプチド(L45)(H−Lys−Pro−Tyr−Tyr−Ahx−OH)は活性を有しない。
【0046】
【図5D】DiOC6で標識後、フローサイトメトリーを使用し、16時間インキュベートされた、L4、L43及びL44リガンドにより誘導された、Raji細胞のアポトーシスの百分比を示す。実曲線はL4により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、点曲線はL43により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒四角の曲線はL44により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。
【0047】
【図6】L40リガンドとCD40との直接相互作用の反応速度を測定したセンサ−グラムを示す(時間の関数としての応答)。ここで、L40リガンドは4分間にわたり流速30μL/minで濃度25,100及び200nMにより注入される。
【0048】
【図7A】ストレプトアビジン−FITCにより発色されたビオチニル化L41リガンドを使用したBL41細胞のフローサイトメトリーでの標識を示す。y軸はL41リガンドとストレプトアビジンで標識された細胞の蛍光強度(FL1−H)に対応し、x軸は細胞の大きさ(FSC−H)に対応している。左側の濃度曲線はストレプトアビジンなしのビオチニル化されたリガンドで標識された細胞に対応し、右側の濃度曲線は蛍光色素FITCと結び付いたストレプトアビジンがあるビオチニル化されたリガンドで標識された細胞に対応する。黒色から灰色への色合いは、x軸(FSC)及びy軸(FL1)上のポイントでの減少する細胞濃度を示す。
【0049】
【図7B】ビオチニル化されたL41リガンド及びCD40に対する抗体を使用するBL41細胞の蛍光顕微鏡検査法での標識(ストレプトアビジンAlexa546及び蛍光色素Alexa488で結び付いたマウス抗体のFc部分に対するヤギ抗体によりそれぞれ発色する)を示す。図の左側の灰色の色合いはCD40に対する抗体の標識に対応し、図の右側の灰色の色合いはビオチニル化されたL41リガンドの標識に対応する。
【0050】
【図8A】種々の濃度のL4及びL62リガンドの存在下における16時間の培養後5x105cells/mLでのBurkitt Rajiリンパ腫(CD40+)及びT Jurkat白血病(CD40−)細胞のあるアポトーシスの百分比を示す。白ダイヤの曲線はRaji細胞のL4により誘導された用量反応に対応し、白四角の曲線はRaji細胞のL62により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒三角の曲線はJurkat細胞のL4により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒丸の曲線はJurkat細胞のL62により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。
【0051】
【図8B】独立した実験において図8Aと同じ条件下での種々のL62及びL40で処理されたRaji, Jurkat及びBurkitt BL41リンパ腫(CD40+)細胞の特異的なアポトーシスの百分比を示す。白丸の実曲線はRaji細胞のL40により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、白三角の実曲線はRaji細胞のL62により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒丸の実曲線はBL41細胞のL40により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒三角の実曲線はBL41細胞のL62により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒四角の点曲線はJurkat細胞のL40により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒丸の点曲線はJurkat細胞のL62により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。
【0052】
《略記リスト》
ACN アセトニトリル
AcOH 酢酸
BOP ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)
ホスホニウムヘキサフルオロフォスフェイト
TLC 薄層クロマトグラフィー
CMA クロロホルム、メタノール及び酢酸の混合物
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4,0]ウンデセン−7−エン
DCM ジクロロメタン
DEA ジエチルアミン
DIC ジイソプロピルカルボジイミド
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DiOC6 3.3’−ジヘキシルオキサカルボシアニン ヨウ化物
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
EDC 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
メチオダイド
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−
テトラメチルウラン ヘキサフルオロフォスフェイト
HOAt 7−アザベンゾトリアゾール
HoBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
IpOH イソプロパノール
NMM N−メチルモルホリン
OAll −O−アリル
OMtt −O−メチルトリチル
TFA トリフルオロ酢酸
【実施例】
【0053】
《実施例1:保護されたペンタペプチド及び脱保護されたペンタペプチドの合成》
I.保護されたペンタペプチドL44’及び脱保護されたペンタペプチドL44
脱保護されたペンタペプチドL44は下記の式に対応する。
H−Ahx−(D)Pro−Tyr−Tyr−Ahx−OH
1)保護されたペンタペプチドBoc−Ahx−(D)Pro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L44’)の調製
1.4g(1当量)の2−クロロトリチルクロライド樹脂(R1−A)(1.3mmol/g)を注射器に入れ、蒸留されたDCMにより撹拌下で2回洗浄する。その後、1.3g(2当量)のFmoc−6−アミノカプロン酸及び1.9mL(6当量)のDIEAのDCM中溶液を樹脂に添加する。3時間撹拌後、混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄する。その後、樹脂をメタノールに入れ、1時間の撹拌で膨張させる。その後、それを濾過し、DMF、IpOH、DCM、エーテルで洗浄する。R−2Aを乾燥後に得る。
得られたR−2Aを、撹拌下で20分間、25%ピペリジン/DMF溶液中に入れる。その後、樹脂を濾過し、R3−Aを生成し、溶液を集める。集められた溶液をUV試験することにより、樹脂R−2A(0.6mmol/g)の置換を決定することを可能とする。
【0054】
〔アミノ酸のカップリングの一般方法〕
5当量のFmoc−Xaa−OH、5当量のBOP及び5当量のHoBtのDMF中溶液を1当量の樹脂R2−Aに添加する。その後15当量のDIEAを系に添加し、混合物を30分撹拌する。この操作を2回繰り返す。カップリングをニンヒドリン試験により確認する。Fmoc基の脱保護を、撹拌下で30分間、25%ピペリジン/DMF溶液中で行う。第2カップリングを再び行うこともできる。
樹脂R−4Bは、ペプチドを合成するための種々の所望のアミノ酸の結合後に得られる。
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールとDCM(60/40)との混合物を樹脂R4−Bに添加する。注射器を2時間撹拌し、その後濾過し、DCMで数回すすぎ洗いする。この操作を2回繰り返す。その溶液を混ぜ合わせ、蒸発し、保護されたペプチドL44’を生成する。
【化43】
ペプチドL44’は、下記を特徴とする。
HPLC:tR14.909分(直線のグラジエント、30−100%B、20分)
MALDI−TOF:C48H73N5O10Na[M+Na+]の計算値:903.12;実測値:902.57
【0055】
2)保護されたペンタペプチドL44の調製:NH2−Ahx−(D)Pro−Tyr−Tyr−Ahx−OH
ペプチドL44’を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、凍結乾燥し、L44を生成する。
【化44】
このペプチドL44は、下記を特徴とする。
HPLC:tR10.272分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C35H50N5O8[M+H+]の計算値:667.8;実測値:668.2;C35H49N5O8Na[M+Na+]の計算値:690.8;実測値:690.23
【0056】
II.保護されたペンタペプチドL37’及び脱保護されたペンタペプチドL37
下記の式に対応する脱保護されたペンタペプチドL37:
H−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−Ahx−OH
1)保護されたペンタペプチドL37’の調製:Boc−Lys(Boc)−(D)Pro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH
1.4g(1当量)の2−クロロトリチルクロライド樹脂(R1−A)(1.3mmol/g)を注射器に入れ、蒸留されたDCMにより撹拌下で2回洗浄する。その後、1.3g(2当量)のFmoc−6−アミノカプロン酸及び1.9mL(6当量)のDIEAのDCM中溶液を樹脂に添加する。3時間撹拌後、混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄する。その後、樹脂をメタノールに入れ、1時間の撹拌で膨張させる。その後、それを濾過し、DMF、IpOH、DCM、エーテルで洗浄する。R−2Aを乾燥後に得る。
得られたR−2Aを、撹拌下で20分間、25%ピペリジン/DMF溶液中に入れる。その後、樹脂を濾過し、R3−Aを生成し、溶液を集める。集められた溶液をUV試験することにより、樹脂R−2A(0.6mmol/g)の置換を決定することを可能とする。
【0057】
〔アミノ酸のカップリングの一般方法〕
5当量のFmoc−Xaa−OH、5当量のBOP及び5当量のHoBtのDMF中溶液を1当量の樹脂R2−Aに添加する。その後15当量のDIEAを系に添加し、混合物を30分撹拌する。この操作を2回繰り返す。カップリングをニンヒドリン試験により確認する。Fmoc基の脱保護を、撹拌下で30分間、25%ピペリジン/DMF溶液中で行う。第2カップリングを再び行うこともできる。
樹脂R−4Aは、ペプチドを合成するための種々の所望のアミノ酸の結合後に得られる。
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールとDCM(60/40)との混合物を樹脂R4−Aに添加する。注射器を2時間撹拌し、その後濾過し、DCMで数回すすぎ洗いする。この操作を2回繰り返す。その溶液を混ぜ合わせ、蒸発し、保護されたペプチドL37’を生成する。
【化45】
ペプチドL37’は下記を特徴とする。
HPLC:tR15.605分(直線のグラジエント、30−100%B、20分)
MALDI−TOF:C53H82N6O12Na+[M+Na+]の計算値:1018.25;実測値:1018.40;C53H82N6O12K+[M+K+]の計算値:1034.25;実測値:1034.64
【0058】
2)脱保護されたペンタペプチドL37の調製:NH2−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−Ahx−OH
ペプチドL37’を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、凍結乾燥し、L37を生成する。
【化46】
このペプチドL37は下記を特徴とする。
HPLC:tR9.065分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C35H51N6O8[M+H+]の計算値:683.81;実測値:682.91;C35H50N6O8Na[M+Na+]の計算値:705.81;実測値:705.22;C35H50N6O8K+[M+K+]の計算値:721.81;実測値:721.67
脱保護されたL45は、L37及びL44の合成方法と同様の方法により合成される。
【0059】
III.保護されたペンタペプチドL63’及び脱保護されたペンタペプチドL63
下記の式に対応する脱保護されたペンタペプチドL63
H−Lys−Ψ(CH2N)DPro−Tyr−Tyr−Ahx−OH
1)脱保護されたペンタペプチドBoc−Lys(Boc)Ψ(CH2N)DPro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L63’)の調製
0.3g(1当量)の2−クロロトリチルクロライド樹脂(R1−A)(1.6mmol/g)を注射器に入れ、蒸留されたDCMにより撹拌下で2回洗浄する。その後、340mg(2当量)のFmoc−6−アミノカプロン酸及び478μl(6当量)のDIEAのDCM中溶液を樹脂に添加する。3時間撹拌後、混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄する。その後、樹脂をメタノールに入れ、1時間の撹拌で膨張させる。その後、それを濾過し、DMF、IpOH、DCM、エーテルで洗浄する。R−2Aを乾燥後に得る。
得られたR−2Aを、撹拌下で20分間、25%ピペリジン/DMF溶液中に入れる。その後、樹脂を濾過し、R3−Aを生成し、溶液を集める。集められた溶液をUV試験することにより、樹脂R−2A(0.44mmol/g)の置換を決定することを可能とする。
【0060】
〔アミノ酸のカップリングの一般方法〕
5当量のFmoc−Xaa−OH、5当量のBOP及び5当量のHoBtのDMF中溶液を1当量の樹脂R2−Aに添加する。その後15当量のDIEAを系に添加し、混合物を30分撹拌する。この操作を2回繰り返す。カップリングをニンヒドリン試験により確認する。Fmoc基の脱保護を、撹拌下で30分間、25%ピペリジン/DMF溶液中で行う。第2カップリングを再び行うこともできる。
樹脂R−4Cは、D−プロリン残基の結合後に得られる。
Boc−Lys(Boc)−H(3当量)のDMF中溶液を1当量の樹脂R−4Cに添加する。その後、DMF中に可溶化されたNaBH3CNを系に添加し、混合物を1時間撹拌する。カップリングをニンヒドリン試験により確認する。樹脂R−4Dが得られる。
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールとDCM(60/40)との混合物を樹脂R4−Dに添加する。注射器を2時間撹拌し、その後濾過し、DCMで数回すすぎ洗いする。この操作をDCMで2回繰り返す。その溶液を混ぜ合わせ、蒸発し、保護されたペプチドL63’を生成する。
【化47】
ペプチドL63’は下記を特徴とする。
HPLC:tR13.77分(直線のグラジエント、30−100%B、20分)
MALDI−TOF:C53H84N6O11H+の計算値:982.28;実測値[M+H+]=982.38;C53H84N6O11Na+の計算値:1004.28;実測値1004.44;C53H84N6O11K+の計算値:1020.28;実測値1020.45
【0061】
2)保護されたペンタペプチドNH2−LysΨ(CH2N)DPro−Tyr−Tyr−Ahx−OH(L63)の調製
ペプチドL63を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、凍結乾燥し、L63を生成する。
【化48】
このペプチドL63は下記を特徴とする。
HPLC:tR9.77分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C35H52N6O7Na+の計算値:691.82;実測値689.68;C35H52N6O7K+の計算値:707.82;実測値707.15
【0062】
IV.保護されたペンタペプチドL69’及び脱保護されたペンタペプチドL69
脱保護されたペンタペプチドL69は下記の式に対応する。
H−Lys−Gly−Dopa−Tyr−Ahx−OH
1)保護されたペンタペプチドBoc−Lys(Boc)−Gly−Dopa(Acetonid)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L69’)の調製
0.3g(1当量)の2−クロロトリチルクロライド樹脂(R1−A)(1.6mmol/g)を注射器に入れ、蒸留されたDCMにより撹拌下で2回洗浄する。その後、340mg(2当量)のFmoc−6−アミノカプロン酸及び478μl(6当量)のDIEAのDCM中溶液を樹脂に添加する。3時間撹拌後、混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄する。その後、樹脂をメタノールに入れ、1時間の撹拌で膨張させる。その後、それを濾過し、DMF、IpOH、DCM、エーテルで洗浄する。R−2Aを乾燥後に得る。
得られたR−2Aを、撹拌下で20分間、25%ピペリジン/DMF溶液中に入れる。その後、樹脂を濾過し、R3−Aを生成し、溶液を集める。集められた溶液をUV試験することにより、樹脂R−2A(0.44mmol/g)の置換を決定することを可能とする。
【0063】
〔アミノ酸のカップリングの一般方法〕
5当量のFmoc−Xaa−OH、5当量のBOP及び5当量のHoBtのDMF中溶液を1当量の樹脂R2−Aに添加する。その後15当量のDIEAを系に添加し、混合物を30分撹拌する。この操作を2回繰り返す。カップリングをニンヒドリン試験により確認する。Fmoc基の脱保護を、撹拌下で30分間、25%ピペリジン/DMF溶液中で行う。第2カップリングを再び行うこともできる。
樹脂R−4Eは、ペプチドを合成するための種々の所望のアミノ酸の結合後に得られる。
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールとDCM(60/40)との混合物を樹脂R4−Eに添加する。注射器を2時間撹拌し、その後濾過し、DCMで数回すすぎ洗いする。この操作をDCMで2回繰り返す。その溶液を混ぜ合わせ、蒸発し、保護されたペプチドL69’を生成する。
【化49】
ペプチドL69’は下記を特徴とする。
HPLC:tR12.83分(直線のグラジエント、30−100%B、20分)
MALDI−TOF:C49H74N6O13Na+の計算値:978.15;実測値979.55;C49H74N6O13K+の計算値:994.15;実測値995.89
【0064】
2)保護されたペンタペプチドH−Lys−Gly−Dopa−Tyr−Ahx−OH(L69)の調製
ペプチドL69を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、凍結乾燥し、L69を生成する。
【化50】
このペプチドL69は下記を特徴とする。
HPLC:tR9.18分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C32H46N6O9K+の計算値:697.74;実測値697.40
【0065】
《実施例2:式(V−b)(L36)の化合物の調製》
【化51】
13mg(1当量)の保護された環1をTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をシクロヘキサンで蒸発し、化合物2を生成する。
化合物2をDMF中に取り込む。56mg(3.3当量)のペンタペプチドL37’
Boc−Lys(Boc)−(D)Pro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(前記参照)、25mg(3.3当量)のBOP及び30μL(10当量)のDIEAを添加する。反応を室温で25時間撹拌し、NaHCO3(水溶液)から沈殿する。濾過後、沈殿物をH2O、1NKHSO4、H2O及びAcOEtで連続して洗浄する。
その後、その固形物を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、35mgのL36リガンド(粗反応収率86%)を生成する。11mgの純粋なL36は、精製後RP−HPLCにより得られる(精製後の収率27%)。
L36リガンドは下記を特徴とする。
HLPC:tR10.115分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C126H187N24O24[M+H+]の計算値:2422;実測値:2420.68
【0066】
《実施例3:L40及びL43の大員環の調製》
【化52】
【0067】
化合物1
Z−Lys(Boc)−OH(5.99g;15.75mmol)を、HClを含むDMF(50mL)に溶解し、H2N−(D)Ala−OMe(2.09g;15mmol),BOP(6.96g;15.75mmol)及びDIEA(7.6mL;45mmol)をこの溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌する。その後、飽和重炭酸ナトリウム溶液(500mL)攪拌下で添加し、酢酸エチル(200mL)を添加する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2x100mL)、水(2x100mL)、1M酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、白色固体を得る。収率:98%(6.85g);HPLC:tR=9.3分、純度>97%、20分間にわたり30〜100。
【0068】
化合物2
化合物1(4.66g;10mmol)を室温でHCl(10mmol)を含むMeOH(100mL)に溶解し、10%Pd/C触媒の存在下で水素化する。3時間後、触媒を濾過により取り除き、濾過されたものを真空下で濃縮し、白色固体を得る。収率:100%(3.71g)、純度HPLC>97%、TLC Rf0.3CMA60/10/5。
HCl塩(3.68g;10mmol)をZ−(D)Ala−OH(2.34g;10.5mmol)及びBOP(4.64g;10.5mmol)を含むDMF(20mL)に溶解する。DIEA(3.4mL;20mmol)をこの溶液に添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌する。その後、飽和重炭酸ナトリウム溶液(500mL)攪拌下で添加し、酢酸エチル(200mL)を添加する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2x100mL)、水(2x100mL)、1M酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、白色固体を得る。収率:97%(5.2g);HPLC:tR=8.9分、純度>88%、20分間にわたり30−100。
【0069】
化合物3
化合物2(5.1g;9.5mmol)を室温でHCl(9.5mmol)を含むMeOH(100mL)に溶解し、10%Pd/C触媒の存在下で水素化する。3時間後、触媒を濾過により取り除き、濾過されたものを真空下で濃縮する。予想されるHCl塩をエーテルから結晶化し、KOHにより真空乾燥する。収率:100%(4.2g)。
HCl塩(4.2g;9.5mmol)をZ−Lys(Boc)−OH(3.8g;10.5mmol)及びBOP(4.42g;10mmol)を含むDMF(20mL)に溶解する。DIEA(4.2mL;25mmol)をこの溶液に添加し、反応混合物を室温で一晩攪拌する。その後、飽和重炭酸ナトリウム溶液(500mL)を攪拌下で添加し、酢酸エチル(200mL)を添加する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2x100mL)、水(2x100mL)、1M酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、ヘキサン中で粉砕する間に固まる残留物を放置する。それを集め、ヘキサン、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、KOHにより真空乾燥する。収率:93%(6.8g);HPLC:tR=10.9分、純度90%、20分間にわたり30−100。
【0070】
化合物4
化合物3(6.8g;8.9mmol)を室温でHCl(8.9mmol)を含むMeOH(100mL)に溶解し、10%Pd/C触媒の存在下で水素化する。3時間後、触媒を濾過により取り除き、濾過されたものを真空下で濃縮し、白色固体を生成する。収率:91%(5.4g);TLCRf0.3CMA60/10/5。
HCl塩(5.4g;8.1mmol)をZ−(D)Ala−OH(1.9g;8.5mmol)及びBOP(3.8g;8.5mmol)を含むDMF(20mL)に溶解する。DIEA(4.2mL;25mmol)をこの溶液に添加し、反応混合物を室温で6時間攪拌する。その後、飽和重炭酸ナトリウム溶液(500mL)を攪拌下で添加し、酢酸エチル(200mL)を添加する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2x100mL)、水(2x100mL)、1M酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、ヘキサン中で粉砕する間に固まる残留物を残す。それを集め、ヘキサン、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、KOHにより真空乾燥する。収率:78%(5.3g);HPLC:tR=10.67分、純度77%、20分間にわたり30−100。
【0071】
化合物5
化合物4(5.3g;6.3mmol)を室温でHCl(6.3mmol)を含むMeOH(100mL)に溶解し、10%Pd/C触媒の存在下で水素化する。5時間後、触媒を濾過により取り除き、濾過されたものを真空下で濃縮する。予想されるHCl塩をエーテルから結晶化し、KOHにより真空乾燥する。収率:91%(4.7g)。
HCl塩(4.7g;5.5mmol)をZ−Lys(Boc)−OH(2.2g;5.8mmol)及びBOP(2.2g;5.8mmol)を含むDMF(20mL)に溶解する。DIEA(1.9mL;11mmol)をこの溶液に添加し、反応混合物を室温で一晩攪拌する。その後、飽和重炭酸ナトリウム溶液(500mL)を攪拌下で添加し、酢酸エチル(200mL)を添加する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2x100mL)、水(2x100mL)、1M酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、ヘキサン中で粉砕する間に固まる残留物を残す。それを集め、ヘキサン、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、KOHにより真空乾燥する。収率:90%(5.3g);HPLC:tR=12.26分、純度60%、20分間にわたり30−100。
【0072】
化合物6
化合物5(5.3g;4.9mmol)をアセトン(20mL)に溶解し、1NNaOHソーダ(5.9mmol)を0℃で添加する。反応混合物を、室温に温める前に1時間0℃で維持する。6時間後、反応混合物を真空下で濃縮する。その後、酢酸エチル(200mL)を攪拌下で添加し、有機相を1N酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、ヘキサン中で粉砕する間に固まる残留物を残す。それを集め、ヘキサン、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、KOHにより真空乾燥する。粗ペプチドを、CMA120/10/5を使用するシリカゲルカラムのクロマトグラフィーにより精製する。収率:44%(2.3g);HPLC:tR=11.28分、純度78%、20分を超える30−100。
【0073】
化合物7
化合物6(1.5g;1.46mmol)を室温でMeOH(100mL)に溶解し、10%Pd/C触媒の存在下で水素化する。4時間後、触媒を濾過により取り除き、濾過されたものを真空下で濃縮する。予想されるHCl塩をジイソプロピルエーテルから結晶化し、KOHにより真空乾燥する。収率:88%(1.17g);HPLC:tR=16.9分、純度70%、20分を超える5−65。
【0074】
化合物8
化合物7(800mg;0.87mmol)を、室温でEDCを含むDMF(80mL)に溶解し、HCl(201mg;1.05mmol),HOBt(142mg;1.05mmol)及びDIEA(373mL;2.19mmol)をこの溶液に添加する。反応混合物を2日間室温で撹拌し、反応混合物を真空下において濃縮する。
飽和重炭酸ナトリウム溶液、酢酸エチル(100mL)を攪拌下で添加する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2x100mL)、水(2x100mL)、1N酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、白色固体を生成する。収率:100%(0.78g);M+H+=896。
【0075】
化合物9
化合物8(650mg;0.76mmol)を室温で1時間TFA(6mL)に溶解する。混合物のアミンを真空下で濃縮する。予想されるアミンをエーテル(50mL)から沈殿する。それを集め、エーテルで洗浄し、真空乾燥する。収率:98%(0.70g);M+H+=598.5(計算値=597.6)。
【0076】
《実施例4:式(III−e)(L40)の化合物の調製》
化合物L40は下記の式に対応する。
【化53】
【化54】
35mg(3.3当量)のペンタペプチドBoc−Lys(Boc)−(D)Pro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L37’)、16mg(3.3当量)のBOPをDMF中の10mg(1当量)の環9(実施例3参照)に添加し、20μL(10当量)のDIEAを添加する。反応混合物を室温で25時間撹拌し、NaHCO3(水溶液)から沈殿する。濾過後、沈殿物をH2O、1NKHSO4、H2O及びAcOEtで連続して洗浄する。
その後、その固形物を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、40mgのL40リガンドを生成する。
6mgの純粋なL40をRP−HPLCにより精製後得る(精製後の収率22%)。
L40は下記を特徴とする。
HPLC:tR10.203分(直線のグラジエント,5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C132H196N27O27[M+H+]の計算値:2593.16;実測値:2593.24;C132H195N27O27Na[M+Na+]の計算値:2616.16; 実測値2616.78。
【0077】
《実施例5:式(III−f)(L43)の化合物の調製》
化合物L43は下記の式に対応する。
【化55】
【化56】
35mg(3.3当量)のペンタペプチドBoc−Ahx−(D)Pro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L44’)、16mg(3.3当量)のBOPをDMF中の10mg(1当量)の環9(実施例3参照)に添加し、20μL(10当量)のDIEAを添加する。反応混合物を室温で25時間撹拌し、NaHCO3(水溶液)から沈殿する。濾過後、沈殿物をH2O、1NKHSO4、H2O及びAcOEtで連続して洗浄する。
その後、その固形物を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、20mgのL43リガンドを生成する。
8mgの純粋なL43をRP−HPLCにより精製後得る(精製後の収率30%)。
L43は下記を特徴とする。
HLPC:tR13.935分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C132H193N24O27[M+H+]の計算値:2548.11;実測値:2547.88;C132H192N24O27Na+[M+Na+]の計算値:2571.11;実測値:2570.62;C132H1932N24O27K+[M+K+]の計算値:2587.11;実測値:2586.13。
【0078】
《実施例6:化合物L41の調製》
化合物L41は下記の式に対応する。
【化57】
下記の式により表すこともできる。
【化58】
化合物A(L41)の合成は下記に記載する。中間体1及び2は固相において行い、下記の段階を溶液中で行った。
【化59】
【0079】
1)ペンタペプチドBoc−Lys(Boc)−Gly−Tyr(OtBu)−Tyr(OtBu)−Ahx−OH(1)の合成
このペプチドの合成を、下記の段階的な固相Fmoc方法により行った。ペプチドは2−クロロトリチル樹脂(Senn chemicals、1.3mmoles/g)上に集めた。合成のスケールは1.3mmolesであった。
第1アミノ酸のカップリングを、2当量のFmoc−Ahx−OH及び6当量のDIEAを含む無水ジクロロメタン中で3時間行う。樹脂の洗浄及び乾燥後に行った置換試験は、0.6mmoles/gの置換レベルを示す。
下記のアミノ酸、Fmoc−Tyr(OtBu)−OH、Fmoc−Gly−OH及びBoc−Lys(Boc)−OHのカップリングを、BOP/HOBt及びDIEAの存在下において5当量のアミノ酸を含むDMF中で行う。二重のカップリングを体系的に行う。
Fmoc基の脱保護を、ピペリジンの25%DMF溶液を使用し、20分間行う。
樹脂からペプチドの開裂を、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール/ジクロロメタン溶液(60/40)を使用し、室温で2時間行う。
樹脂を濾過し、濾過されたものを濃縮し、真空乾燥する。保護されたペプチドを、精製せずに直接使用する。合成の収率は定量的である。
水/アセトニトリル/TFA混合物、20分間を超える30〜100%Bのグラジエント(A:水、0.1%TFA;B:アセトニトリル、0.08%TFA)、流速1.2mL/分及び210nmにおける吸収を使用し、HPLC(カラムC18、Macherey Nagel、SP250/10nucleosil 300−7)により、保護されたペプチドを分析する(図1)。純度レベルは92%である。
【0080】
2)環化ヘキサペプチドの合成(2):
ヘキサペプチドH−(D)Ala−Lys(Boc)−(D)Lys(Biot)−Lys(Boc)−(D)Ala−Lys(Boc)−OHの合成は、下記の段階的な固相Fmoc方法、及び下記のアミノ酸、Fmoc−Lys(Boc)−OH,Fmoc−(D)Ala−OH及びFmoc−(D)Lys(Biot)−OH(ビオチン−標識)を使用するペンタペプチドの合成において記載された同じ方法により行う。
水/アセトニトリル/TFA混合物、20分間を超える20〜80%Bのグラジエント(A:水、0.1%TFA;B:アセトニトリル、0.08%TFA)、流速1.2mL/分及び210nmにおける吸収を使用し、HPLC(カラムC18、Macherey Nagel、SP250/10 nucleosil 300−7)により、非環式ヘキサペプチドを分析する(図2)。
ヘキサペプチド(660mg;0.55mmol)を、室温で、EDCを含むDMF(70mL)、HCl(127mg;0.66mmol)、HOBt(89mg;0.66mmol)及びDIEA(140μl、0.82mmol)を溶解する。48時間後、反応媒体を、飽和NaHCO3(300mL)を含む溶液から沈殿する。その後、環式ヘキサペプチドを1N KHSO4溶液で洗浄し、飽和NaCl溶液を真空乾燥する(540mg;収率:83%)。
Boc基の脱保護を、トリフルオロ酢酸(3mL)で1時間行う。その後、ペプチドをジエチルエーテル(50mL)の添加により沈殿し、濾過し、真空乾燥する(510mg;収率:95%)。
水/アセトニトリル/TFA混合物、20分間を超える5〜65%Bのグラジエント(A:水;0.1%TFA;B:アセトニトリル;0.08%TFA),流速1.2mL/分及び210nmにおける吸収を使用するHPLC(カラムC18、Macherey Nagel、SP250/10 nucleosil 300−7)により、環式ヘキサペプチド及び脱保護されたヘキサペプチドを分析する(図3)。
【0081】
3)中間体(1)及び(2)のカップリング
環式ヘキサペプチド及び脱保護されたヘキサペプチド(2)(61mg;50μmol)を、室温で、ペンタペプチド(1)(157mg;165μmol)を含むDMF(2mL)、BOP(73mg;165μmol)、及びDIEA(85μL)中に溶解する。48時間後、反応媒体を、飽和NaHCO3(300mL)を含む溶液から沈殿する。その後、沈殿物を1N KHSO4溶液で洗浄し、飽和NaCl溶液を真空乾燥する(180mg;収率:100%)。
化合物(3)のBoc及びtBu基の脱保護を、トリフルオロ酢酸(3mL)で行う。その後、ペプチドをジエチルエーテル(50mL)により沈殿し、濾過し、真空する(精製前160mg;収率:100%)。
その後、水/アセトニトリル/TFA混合物、30分間を超える5〜65%Bのグラジエント(A:水、0.1%TFA;B:アセトニトリル−0.08%TFA)及び流速6mL/分を使用し、Perkin−Elmer preparative HPLC、カラムC18(Macherey Nagel、SP 250/10 nucleosil 300−7)の逆相HPLCにより精製する。97%より大きい純度を有するフラクションを混ぜ合わせ、凍結乾燥する(図4:精製後の化合物AのHPLCプロファイル;純度レベル=97.2%)。
HPLC精製収率は17%である。
【0082】
《実施例7式(III−i)(L62)の化合物の調製》
化合物L62は下記の式に対応する。
【化60】
【化61】
35mg(3.3当量)のペンタペプチBoc−Lys(Boc)Ψ(CH2N)DPro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L63’)、16mg(3.3当量)のBOPをDMF中の10mg(1当量)の環9に添加し(実施例3参照)、20μL(10当量)のDIEAを添加する。反応混合物を室温で2時間混合し、NaHCO3(水溶液)から沈殿する。濾過後、沈殿物を連続してH2O、1N KHSO4、H2O及びAcOEtで洗浄する。
その後、固形物を水の存在下においてTFAで処理する。攪拌30分後、溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、20mgのL62リガンドを生成する。
2mgの純粋なL62をRP−HPLCにより精製後得る(精製後の収率7%)。
L62リガンドは下記を特徴とする。
HPLC:tR11.6分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C132H201N27O24H+の計算値:2550.21;実測値2551;C132H201N27O24K+の計算値:2590.21;実測値2590
【0083】
《実施例8:式(III―j)(L68)の化合物の製造》
化合物L68は下記の式に対応する。
【化62】
【化63】
39mg(3.3当量)のペンタペプチドBoc−Lys(Boc)−Gly−Dopa(Acetonid)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L69’)、18mg(3.3当量)のBOPを、DMF中の15mg(1当量)のビオチン環(2)(実施例3を参照)に添加し、30μL(10当量)のDIEAを添加する。反応混合物を室温で25時間撹拌し、NaHCO3(水溶液)から沈殿する。濾過後、沈殿物をH2O、1N KHSO4、H2O及びAcOEtで連続して洗浄する。
その後、固形物を水の存在下においてTFAで処理する。30分攪拌後、溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、50mgのL68リガンドを生成する。
9mgの純粋なL68をRP−HPLCにより精製後に得る(精製後の収率21%)。
L68リガンドは下記を特徴とする。
HPLC:tR11.1分(直線のグラジエント、5〜65%B、20分)
MALDI−TOF:C136H204N30O32SH+の計算値:2804.35;実測値2802.96;C136H204N30O32SNa+の計算値:2827.35;実測値2824.91;C136H204N30O32SK+の計算値:2841.35;実測値2841.98
【0084】
生物学的試験
これらの試験を3つの段階において実施する。最も有用なリガンドは簡易のリンパ腫細胞アポトーシス活性化試験を用いて最初に選択され、次に、CD40との相互作用はBIAコア技術で詳細に分析され、そして最後にビオチン化リガンドと膜性のCD40との相互作用は蛍光顕微鏡検査法及びフローサイトメトリーにより研究される。
リガンドのアゴニスト又はアンタゴニスト効果を2つの標準の生物学的試験を用いて試験した。最初の試験は、膜性のCD40分子の架橋中に、増殖を中止し、アポトーシスに入る、あるBリンパ腫の特性に基づくものである(Tongら、1999)。実際、抗CD40抗体により、又は可溶性CD40Lにより、CD95分子と独立して架橋中において、あるBリンパ腫はアポトーシスに入る。このアポトーシスの誘導は、増殖を減少する効果を有する。CD40のアゴニストリガンドはアポトーシスの増加を誘導し、その結果、増殖の減少を誘導するであろう。この試験において、BL41細胞はCD40リガンドとインキュベートされ、24時間後、これら細胞の増殖の阻害はトリチウム化チミジンの取り込みの検討により測定されるか、又はアポトーシス細胞の割合はフローサイトメトリーの検討により測定される。第2試験において、CD40−CD40L相互作用による活性化(Schattnerら、1996)後の形質転換B細胞(バーキットリンパ腫)による膜性のCD95分子の発現が研究されている。この試験において、CD40Lパートナーは、トランスフェクションされた線維芽細胞(3T6−CD40L)(Buelensら、1997)において発現される。BL41バーキットリンパ腫細胞は、CD40Lをトランスフェクションされ又はトランスフェクションされない線維芽細胞とインキュベートされる。48時間後、CD95の発現はフローサイトメトリーにより評価される。CD95の発現はCD40Lの存在下において誘導され、CD40−CD40L相互作用を市販の抗CD40L抗体は阻害する。
リガンドのアゴニストの効果を、リガンドとB細胞のインキュベーション後に、フローサイトメトリーを使用したCD95の発現又は増殖の阻害及び/又はアポトーシスによる死の増加のいずれかを測定することにより評価した。アンタゴニストの効果は、種々のリガンドの存在下におけるCD40Lにより誘導されるCD95の発現の減少を測定することにより評価される。
【0085】
A.リガンドのアゴニスト生物学的効果の研究
〔原理〕
リガンドのアンタゴニスト効果は、膜性のCD40分子の架橋中に、アポトーシスに入る、あるBリンパ腫の特性に基づく簡易な生物学的試験生物学的試験を用いて試験される(Tongら、1999)。実際、抗CD40抗体により、又は可溶性のCD40LによるCD40分子の架橋中において、これらのBリンパ腫はアポトーシスに入る。CD40のアゴニストリガンドは、フローサイトメトリーの正確な分析により測定されるバーキットリンパ腫細胞のアポトーシスにおける増加を同様に誘導するであろう。
【0086】
〔操作方法〕
BL41バーキット又はRaji(ATCC CCL−86)リンパ腫細胞(5.105/mL)、2つの類似の細胞株を、所望の濃度での種々のリガンドの存在下において培養する。16時間後、細胞を40nMの3,3’−ジヘキシルオキサカルボシアニン(DiOC6)で標識し(Petitら,1995)、フローサイトメトリーを使用しアポトーシス細胞の割合を評価する。対照として、CD40を発現せず、可溶性又は膜性のJCD40リガンドの存在下において反応しない、Jurkat Tリンパ腫細胞においてリガンドの効果を試験する。
【0087】
〔結果〕
25μMにおいて80%を超える特異的なアポトーシスを検出するので、L36(V−b)リガンドはBL41細胞のアポトーシスを強く誘導する。ビオチン化リガンドL41は、非ビオチン化同族体L4(非−ビオチン化L41)に相当する生物学的活性を有する(図5B)。12.5μMにおいて、L40は37.5%の特異的なアポトーシス及びL4は24%を誘導するので、L40リガンドはL4よりも効果的である(図5C)。最後に、L43リガンドはその同族体L4よりも効果的ではない(図5D)。これらのリガンドはJurkat株の細胞のアポトーシスを誘導しないことを示すことができる。
さらに、図8A及び図8Bによれば、最初の2つの残基(L62)間の還元結合の導入は、効果的で、選択的なリガンドを得ることを可能にすることを示している。
【0088】
B.リガンドとCD40との相互作用の研究
〔原理〕
BIAコア3000は、2つの分子間の相互作用の研究を可能にする装置である。表面プラズモン共鳴に基づき、リアルタイムでの測定の実施と、それに続く「リガンド」(測定を担持しているマイクロチップ上に固定化されている)と「分析物」(注入された溶液において発見される)の相互作用の反応速度(結合及び解離)の理解を可能にする。分析物の種々の濃度における反応速度は、リガンドと分析物との相互作用のアフィニティー定数を計算することを可能にする。マイクロチップは種々の測定で4つのセルを含んでおり、非該当のタンパク質(調査される分析物に親和性を有しないが、リガンドに対して接近するタンパク質)が固定化される参照セルとリガンドが固定化されるセルとを直接に比較することを可能にする。
試験は2つの段階で実施される。リガンドとマイクロチップ上に固定化されたCD40との直接相互作用の測定及びリガンドCD40−CD40L相互作用の阻害の測定。
【0089】
《1.CD40におけるリガンドの相互作用》
〔操作方法〕
マウス免疫グロブリンの定常部分に対するウサギ抗体をマイクロチップ上に固定化した。100nMのアイソタイプIgG2aのマウスモノクローナル抗体を、1分間で流速5μL/分で参照セルに固定化する。リガンドセルにおいて、マウスIgG2aの重鎖の定常部分と会合する組換えCD40(ヒトCD40muIg融合タンパク質、ANCELL社、Bayport、MN)を同様の条件下で固定化する。
その後、CD40リガンドを、2つのセル(参照及びリガンド)に種々の濃度で、分析物として、注入する。流速を4分間にわたり30μL/分とし、会合を調べた。次に、分析物不存在下において、条件を同様とし、解離を調べた。
セルを再生するために(すなわち、非共有の方法で吸着されたすべてのタンパク質を除去する)、50mMHCl溶液を1分間にわたり5μL/分で注入する。その後、そのセルを新しい分析のために準備する。
【0090】
〔結果〕
L40及びL41リガンドのCD40への直接会合の反応速度を測定(図6)し、L40においては3.1x10−7M及びL41においては2.8x10−8Mの解離定数を計算することを可能にした。情報として、同様の条件下でL4の計算された解離定数は9.4x10−8Mである。
【0091】
《2.CD40−CD40L相互作用の阻害》
〔操作方法〕
マウス免疫グロブリンの定常部分に対するウサギ抗体をマイクロチップ上に固定化した。40nMのアイソタイプIgG2a(LG11.2)のマウスモノクローナル抗体を、2分間で流速5μL/分で参照セルに固定化する。リガンドセルにおいて、マウスIgG2aの重鎖の定常部分と会合する組換えCD40(ヒトCD40muIg融合タンパク質、ANCELL社、Bayport、MN)を同様の条件下で固定化する。
その後、35nMのCD40L(ヒトCD154muCD8融合タンパク質、ANCELL社)を、種々の濃度でのリガンドの存在下において、2つのセル(参照及びリガンド)において、分析物として注入した。会合を調べるために、分析物の存在下で、流速を5分間にわたり10μL/分とし、次に、分析物不存在下において、条件を同様とし、解離を調べた。
セルを再生すために、(すなわち、非共有の方法で吸着されたすべてのタンパク質を除去する)、10mMHCl溶液を1分間にわたり5μL/分で注入する。その後、そのセルを新しい分析のために準備した。
【0092】
〔結果〕
CD40のCD40Lへの会合を、種々の濃度のL40又はL43リガンドの存在下において調べた。1μMにおいて、L40リガンドはCD40へのCD40Lの結合を100%阻害しており、同様の条件下においてL43リガンドはそれを30%阻害する。
【0093】
C.ビオチン化リガンドと膜性のCD40との間の相互作用の研究
〔原理〕
膜性のCD40とリガンドとの相互作用の直接分析は、リガンドのビオチン化で可能である。CD40へのこれらリガンドの結合は、ビオチンに特異的で高アフィニティーであるリガンドである、蛍光色素で標識されたストレプトアビジンを使用して発色される。目的は、モノクローナル抗CD40抗体と同様の方法での、特異的なリガンドを使用するCD40の検出である。これらの抗CD40抗体と同じエピトープを認識しない特異的なリガンドは、抗CD40抗体との共局在、すなわちCD40への特異性を確認するために、蛍光顕微鏡を使用する二重標識実験において、それらを使用することが可能である。
【0094】
〔操作方法〕
フローサイトメトリーにおいて、106細胞を100μLのリン酸緩衝液中の2.5μMのビオチン化リガンドと15分間、4℃でインキュベートする。その後、細胞を蛍光染色フルオレセインイソチオシアネートで標識されたストレプトアビジンの存在下におき、10分間にわたり4℃で100μLのリン酸緩衝液で500倍に希釈する。その後、その標識細胞を、フローサイトメトリーを使用し分析する。
蛍光顕微鏡分析又は共焦点顕微鏡分析において、106細胞を4℃で一晩リン酸緩衝液中の1%パラホルムアルデヒドで固定する。次の日、2.5μMビオチン化リガンド及び100倍希釈されたCD40に対するモノクローナルマウス抗体の存在下の1%ウシ血清アルブミンを含む100μLのリン酸緩衝液中で、30分間、4℃で置く。その後、500倍に希釈した蛍光色素Alexa546標識ストレプトアビジン及び500倍に希釈した蛍光色素Alexa488結合マウス抗体のFc部分に対するヤギ抗体を含む100μLのリン酸緩衝液/ウシ血清アルブミン中で、15分間、4℃インキュベートする。そのように標識された細胞を、その後、スライドとラメラとの間に配列する前に固定媒体に再懸濁し、顕微鏡下でそれらを観察した。
【0095】
〔結果〕
ビオチン化L41リガンドを、フローサイトメトリーを使用する標識に使用した。BL41細胞の膜性のCD40との相互作用は、サイトメーターのFL1チャネル中で検出される蛍光染色フルオレセインイソチオシアネート(FITC)で標識されたストレプトアビジンを使用し、検出される(図7A)。顕微鏡検査を使用する二重標識の結果は、標識はCD40に対する抗体のそれに対応するので、L41リガンドはCD40に特異的であることを示す(図7B)。
【0096】
《参考文献》
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【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明の目的は、新規な多量体CD40リガンド、それらの製造方法、並びに医薬製造のためのそれらの使用である。
本発明の目的は、免疫応答の活性化又は抑制可能な分子でもある。
【0002】
免疫応答におけるCD40/CD40Lペアの重要性は、多くのグループを、これら2つの分子に対する抗体の、免疫システムの抑制又は活性化のための治療目的の使用に導いた。抗CD40L抗体の投与は、マウスの実験的アレルギー性脳脊髄炎等の自己免疫疾病の治療(ヒト多発性硬化症のモデル)(Howard等、1999)又はサルの腎臓同種移植の拒絶反応の治療(Kirk等、1999)において好意的な結論を生みだしている。これら2つの場合において、抗体は免疫システムの有害な活性化を抑制する。反対にアゴニスト抗CD40抗体の使用は、一方では、マウスでのペプチドベースの抗腫瘍ワクチンの免疫を強く改善することを可能にし(Diehl等、1999)、他方では、マウス腫瘍に対する闘いにおけるCD4+T細胞の効果を増加する(Sotomayor等、1999;Lode等、2000)ことを可能にした。マウスモデルにおける腫瘍の退行は、CD40Lをコードするアデノウイルスによりトランスフォームした樹状細胞(DCs)の注入後に見られる。最後に、CD40LとCD40分子との相互作用による樹状細胞の活性化は、寄生虫であるTrypanosoma Cruzi(Chaussabel等、1999)による感染からマウスを保護することを可能にする。これらすべての研究において、CD40と六価の複合体を形成するために、三量体の形で結合しているCD40L分子の特定の結合価が、CD40/CD40Lペアの作用を干渉することができる機能的抗体を産生することを困難にしている。CD40Lをコードしているアデノウイルスコードの開発は、この欠点に部分的に対応している。しかし、それらの使用は、ヒトにおいて問題がないわけではない。最後に、システムの特定の結合価は、CD40/CD40L相互作用を干渉することができる合成分子の発見を困難にさせる。
【0003】
本発明の目的は、タンパク質間相互作用に干渉するためにデザインされた多量体リガンドを提供することである。
本発明の目的は、多価のタンパク質―タンパク質相互作用を干渉することのできる分子を製造することでもある。
本発明の目的は、新規な三量体CD40リガンドを提供することによりCD40/CD40Lシステムに作用する合成分子を提供することである。
本発明の目的は、アジュバント又は免疫抑制剤として作用することのできる分子を提供することでもある。
【0004】
本発明は、下記の式(I)に対応する化合物に関する。
【化1】
(式中、
− Yは大員環を表し、この環は9〜36の原子を含み、3つのアミン又はCOOH官能基により機能化され、
− Rcは式H−Xa−Xb−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−又はH−X’a−L−X’b−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−の基を表し、
●iは0又は1を表し、
●Xaは下記のアミノ酸残基から選択され、
− リジン;
− アルギニン;
− オルニチン;
− α位又はβ位で置換を有する、リジン、アルギニン又はオルニチンに対応するβ−アミノ酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− 4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●Xbは、下記のアミノ酸残基から選択され、
− グリシン;
− アスパラギン;
− D−アラニン;
− D−バリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換L−プロリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換D−プロリン;
− N−アルキル化された天然アミノ酸であり、アルキル基はメチル基、エチル基又はベンジル基;
− 下記の式で表される非環式ジアルキルアミノ酸
【化2】
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表す);
− 下記の式で表される環式ジアルキルアミノ酸
【化3】
(式中、kは1、2、3又は4を表す);
●Xcは下記のアミノ酸残基から選択され、
− チロシン;
− フェニルアラニン;
− 3−ニトロ−チロシン;
− 4−ヒドロキシメチル−フェニルアラニン;
− 3、5−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
− 2、6−ジメチル−チロシン;
− 3、4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン(DOPA);
●Xdは下記のアミノ酸残基から選択され、
− チロシン;
− フェニルアラニン;
− 3−ニトロ−チロシン;
− 4−ヒドロキシメチル−フェニルアラニン;
− 3、5−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
− 2、6−ジメチル−チロシン;
− 3、4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
●Xeは下記のアミノ酸残基から選択され、
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●Xfは下記のアミノ酸残基から選択され、
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●−L−は、X’aとX’bとの間のシュードペプチド結合を表し、特に下記のリストから選択され、
−L−は、
−Ψ(CH2CH2)−;−Ψ(CH(Fk)=CH(Fk’))−;−Ψ(CH2NH)−;−Ψ(NHCO)−;−Ψ(NHCONH)−;−Ψ(CO−O)−;−Ψ(CS−NH)−;−Ψ(CH(OH)−CH(OH))−;−Ψ(S−CH2)−;−Ψ(CH2−S)−;−Ψ(CH(CN)−CH2)−;−Ψ(CH(OH))−;−Ψ(COCH2)−;−Ψ(CH(OH)CH2)−;−Ψ(CH(OH)CH2NH)−;−Ψ(CH2)−;−Ψ(CH(Fk))−;−Ψ(CH2O)−;−Ψ(CH2−NHCONH)−;−Ψ(CH(Fk)NHCONFk’)−;−Ψ(CH2−CONH)−;−Ψ(CH(Fk)CONH)−;−Ψ(CH(Fk)CH(Fk’)CONH)−;
又は−Ψ(CH2N)−;−Ψ(NHCON)−;−Ψ(CS−N)−;−Ψ(CH(OH)CH2N)−;−Ψ(CH2−NHCON)−;−Ψ(CH2−CON)−;−Ψ(CH(Fk)CON)−;−Ψ(CH(Fk)CH(Fk’)CON)−であり、ここでX’bはプロリンの側鎖を表すものとし、
シュードペプチド型結合は、特にSpatolaの論文(1983)に記載され、
Fk及びFk’は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン基、1〜20の炭素原子のアルキル基、又は5〜20の炭素原子を含む環式構造のアリール基を表し、
●X’aはリジン、アルギニン又はオルニチンの側鎖を表し、及び
●X’bは下記のアミノ酸残基の1つの側鎖を表し、
− グリシン;
− アスパラギン;
− D−アラニン;
− D−バリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換L−プロリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換D−プロリン;
− N−アルキル化された天然アミノ酸であり、アルキル基がメチル基、エチル基又はベンジル基;
− 下記の式で表される非環式ジアルキルアミノ酸
【化4】
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表す);
− 下記の式で表される環式ジアルキルアミノ酸
【化5】
(式中、kは1、2、3又は4を表す);
但し、アミノ酸残基Xa、Xb、Xc及びXdのうちの少なくとも1つが、天然のCD40Lの143Lys−Gly−Tyr−Tyr146断片の配列において対応するアミノ酸とは異なる)
【0005】
従って、例えば、H−X’a−L−X’b−基を下記の式の1つにより示すことができる。
【化6】
【0006】
本発明の化合物は、Xa−Xb−Xc−Xd鎖がLys−Gly−Tyr−Tyr鎖と異なる、式(I)に対応する。
Y基を3つのCOOH官能基により機能化する場合には、Yを−CO−基によりRcに結合し、Yを3つのアミン官能基により機能化する場合には、Yを−NH−基によりRcに結合する。
本発明の化合物もまた、下記の式により表すことができる。
【化7】
Y、Xa、Xb、Xc、Xd、Xe、Xf及びiを、前記で定義している。
Xe−(Xf)i−基は、YにH−Xa−Xb−Xc−Xd−を結合するための腕としての役割を果たす。
【0007】
本発明の化合物は、C3シンメトリーをもち、新規な三量体CD40リガンドに対応する化合物である。
本発明の枠内において、用語「アミノ酸」は、具体的には天然アミノ酸又は非天然アミノ酸、具体的にはアルファ、ベータ、ガンマ、デルタアミノ酸、又はω−アミノ酸を意味する。
用語「大員環」は、窒素、炭素又は酸素原子、合計数が9以上の原子を含む環を意味する。
用語「α位又はβ位で置換を有する、リジン、アルギニン又はオルニチンに対応するβ−アミノ酸」は、下記の式の1つに対応する化合物、H2N−CH2−CH(Rb)−COOH(α位)又はH2N−CH(Rb)−CH2COOH(β位)(式中、Rbはリジン、アルギニン又はオルニチン残基に対応する)を意味する。
【0008】
さらに正確には、Xaは下記の基から選択される。
【化8】
【化9】
【0009】
Xbは下記の基から選択される。
【化10】
Xc及びXdは下記の基から選択される。
【化11】
【0010】
Xe及びXfは下記の基から選択される。
【化12】
【化13】
【0011】
本発明による好ましい化合物は、前記式(I)で表される化合物であり、Xaがリジン残基ではない、及び/又はXbがグリシン残基ではない。
リジン残基の置換は、一方、CD40へのリガンドの結合を最適化、すなわちCD40への前記リガンドの結合の親和性の増加を可能にし、他方、そのリガンドの親油性の改質を可能にする。
グリシン残基の置換は、Xa−Xb−Xc−Xd鎖の生物活性構造を安定化することを可能にする。
【0012】
好ましい実施態様によると、本発明の化合物は式(I)で表される化合物であり、式中、Xaはリジン残基ではない。
従って、本発明の好ましい化合物は、Xaが式NH2−(CH2)n−COOH(nは1から10まで変化する)のアミノ酸残基を表し、好ましくはXaがアミノヘキサン酸残基を表すことを特徴とする。
このような化合物は、天然のCD40の143Lys−Gly−Tyr−Tyr146断片のリジン残基を式NH2−(CH2)n−COOH(n=1〜10)のアミノ酸残基と置換する化合物である。
【0013】
本発明の好ましい化合物は、下記の式1つに対応する化合物である。
【化14】
(式中、nは前記で定義している)
n=5に対応する好ましい化合物を下記の式で表している。
【化15】
前記リガンドの効果的な機能のいくらかを保護しながら、前記化合物における前記リジン残基のアミノヘキサン酸による置換は本発明のリガンドの親油性の調節を可能にし、それらはCD40との相互作用に起因する(リンパ腫アポトーシス試験、実施例参照)。
【0014】
好ましくは、本発明の化合物は、式(I)で表される化合物である(式中、Xaはリジン残基ではなく、Xb、Xc及びXd残基はCD40Lの天然の配列の残基と同一である)。
本発明はまた、Xbがグリシン残基ではないことを特徴とする、式(I)で表される化合物に関する。
従って、本発明による好ましい化合物は、XbがD−プロリン残基で表されることを特徴とする。このような化合物は下記の式で表される。
【化16】
【0015】
その化合物における天然のCD40Lの143Lys−Gly−Tyr−Tyr146断片のグリシン残基のD−プロリンによる置換は、天然のCD40の143Lys−Gly−Tyr−Tyr146ループにより形成されたタイプIIフォールディングを安定化することにより、前記リガンドを安定化することを可能にする。従って、その安定化は、特に天然のCD40リガンドに対するBリンパ種のより特異的なアポトーシスを誘発するための能力によって、より選択的なリガンドを得ることを可能にし、リンパ腫のアポトーシスの枠内において特に有用である。
好ましくは、本発明の化合物は、式(I)で表される化合物(式中、Xbはグリシン残基ではなく、Xa、Xc及びXd残基はCD40Lの天然の配列の残基と同一である)である。
本発明による好ましい化合物は、XbがL−プロリン残基で表される化合物である。その化合物における天然のCD40の143Lys−Gly−Tyr−Tyr146断片のグリシン残基のL−プロリン残基による置換は、CD40への天然のリガンドと同様の結合性を有するが、関連する生物学的特性を有しないリガンドを得ることを可能にする。従って、そのリガンドはBリンパ種のアポトーシスの効果を有しない。
【0016】
本発明は、式(I)で表される化合物にも関し、
− Xaはリジン残基ではなく、及び
− Xbはグリシン残基ではない。
好ましくは、その化合物は、
− Xaが好ましくは式NH2−(CH2)n−COOH(式中、nは1から10まで変化する)のアミノ酸残基を表し、具体的にはアミノヘキサン酸残基を表し、
− Xbが好ましくはD−プロリン残基を表すことを特徴としている。
その化合物は下記の一般式の1つに対応する。
【化17】
【0017】
本発明は、式(I)に対応するビオチンで標識された化合物にも関する。
これらの化合物は、ポリマーから本発明のリガンドを多量体にすることを可能にする機能化されたリガンドを調製するために使用される。このために、具体的には種々のビオチンに結合することのできるストレプトアビジンを使用することを可能にする。
従って、本発明は多量体形状、すなわち本発明の種々のリガンドが結合するポリマー分子に対応する本発明のリガンド、並びに標識としてこれらの多量体リガンドの使用にも関する。
これらの化合物もまた、具体的には樹状細胞による腫瘍の免疫療法の枠内において、これらの化合物によるグラフトされたカラムの使用によりCD40レセプターを精製し、又はこれらの標識された化合物を使用することにより細胞の表面上のCD40レセプターを容易に検出することを可能にする。
【0018】
本発明は、式(I)の化合物に関し、Yが下記の式(II)に対応することを特徴とする。
【化18】
(式中、
− jは0又は1;
− Aは下記のいずれかから選択されるアミノ酸残基又はアミノ酸誘導体を表し、
【化19】
・nは0、1、2又は3を表し;
・pは0、1、2又は3を表し;
・EはNH又はOを表し;
− B1は下記から独立に選択されるアミノ酸残基又はアミノ酸誘導体であり、
【化20】
・nは0、1、2又は3を表し;
・pは0、1、2又は3を表し;
・EはNH又はOを表し;
・Raは、C1−C8アルキル化された、プロテイノジェニック(proteinogenic)アミノ酸の側鎖を表し;
− B2はB1と同一であることができるか、又は下記の基から独立に選択され、
【化21】
・nは0、1、2又は3を表し;
・pは0、1、2又は3を表し;
・EはNH又はOを表し;
・Raは、C1−C8アルキル化された、プロテイノジェニック(proteinogenic)アミノ酸の側鎖を表し;
・Dは下記の基の1つを表し、
(+)−ビオチニル−、(+)−ビオチニル−Xg−、HS−(CH2)q−CO−、Pys−S−(CH2)q−CO−、Npys−S−(CH2)q−CO−、HS−(CH2)q−CO−Xg−、Pys−S−(CH2)q−CO−Xg−、Npys−S−(CH2)q−CO−Xg−
qは2〜6の整数を表し;
Xgは下記の基の1つの残基に対応し、
−NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
−NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
トラネキサム酸;
N−メチル−トラネキサム酸;
4−(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
3−(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
N−(4−アミノブチル)−グリシン;
4−カルボキシメチル−ピペラジン;
4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
4−アミノフェニル酢酸;
4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
4−アミノ安息香酸;
4−(2−アミノエトキシ)安息香酸)
【0019】
式(II)において、Aは式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)又は(12)の基である;B1は式(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)又は(20)の基であり、B2は式(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(21)、(22)、(23)又は(24)の基である。
Xgは、Xe及びXfとして同様に定義している。
用語「Pys」はピペリジンサルフェニル基を表し、用語「Npys」はニトロピリジンサルフェニル基を表している。
ビオチンを下記の式により表す。
【化22】
従って、ビオチニル基を下記の式により表す。
【化23】
【0020】
用語「プロテイノジェニック(proteinogenic)アミノ酸の鎖」は、遺伝情報の20アミノ酸の1つに対応する又は対応しない、タンパク質中に存在するアミノ酸の側鎖を表している。
式(II)で表される化合物は下記の一般式の1つに対応する。
【化24】
【0021】
本発明はまた、下記の式の1つに対応する、化合物に関する。
【化25】
(式中、Ra、Rc及びpを前記で定義している)
【0022】
式(III)で表される化合物は、式(II−c)に対応するYを持つ式(I)で表される化合物を表し、Aは式(5)で表される基であり、B1は式(16)で表される基(n=0)である。
式(IV)で表される化合物は、式(II−c)に対応するYを持つ式(I)で表される化合物を表し、Aは式(6)の基であり、B1は式(15)の基(n=0)である。
式(V)で表される化合物は、式(II−a)に対応するYを持つ式(I)で表される化合物を表し、Aは式(5)の基(n=1)である。
式(VI)で表される化合物は、式(II−a)に対応するYを持つ式(I)で表される化合物を表し、Aは式(11)の基(E=NH)である。
式(VII)で表される化合物は、式(II−a)に対応するYを持つ式(I)で表される化合物を表し、Aは式(10)の基(E=NH)である。
【0023】
これらの異なる化合物は、それらの構造がレセプター(Xa、Xb、Xc及びXd)と接触する残基の位置を確認し、位置を決めることを可能にする明確な立体構造をもち、選択的な相互作用の形状及び距離をもつ、剛性の平らな環式構造の範囲にとって特に有用である。
有利な実施態様によると、本発明の化合物は下記の式(III−a)で表される。
【化26】
式(III−a)で表される化合物は、式(III)で表される化合物(式中、Raはメチル基及びp=3で表される)である。
【0024】
有利な実施態様によると、本発明の化合物は下記の式(V−a)で表される。
【化27】
式(V−a)で表される化合物は、式(V)の化合物(p=3)で表される。
【0025】
有利な実施態様によると、本発明の化合物は下記の式の1つで表される。
【化28】
(Rcは前記で定義されている)
【0026】
式(III−b)、(III−c)及び(III−d)で表される化合物は、それぞれビオチン、−CO−(CH2)2−SH及び
【化29】
により標識された式(III−a)に対応する化合物である。更に正確には、これらの化合物は式(II−b)に対応するYを持つ式(I)で表される化合物であり、Aは式(5)の基であり、B1は式(16)の基(n=0)であり、B2は式(22)基(p=3)である。
式(III−b)で表される化合物において、Dはビオチニル基である。
式(III−c)で表される化合物において、Dは−CO−(CH2)q−SH基(q=2)である。
式(III−d)で表される化合物において、Dは−CO−(CH2)q−S−pys基(q=2)である。
本発明の好ましい化合物は、式(I)で表される化合物であり、
Rcは、H−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−又はAhx−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−又は
H−Lys−Ψ(CH2N)−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−(式中、−Ψ(CH2N)−はメチレンアミノ型のシュードペプチド結合を表す)又は、H−Lys−Gly−DOPA−Tyr−NH−(CH2)5−CO−である。
H−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−基はRc基であり、i=0、Xaはリジン残基であり、XbはD−プロリン残基であり、Xcはチロシン残基であり、Xdはチロシン残基であり、Xeは式NH2−(CH2)n−COOH(n=5)で表されるアミノ酸残基である。
【0027】
H−Lys−Gly−DOPA−Tyr−NH−(CH2)5−CO−基はRc基であり、i=0、Xaはリジン残基であり、Xbはグリシン残基であり、XcはDOPA(3,4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン)残基であり、Xdはチロシン残基であり、Xeは式NH2−(CH2)n−COOH(n=5)のアミノ酸残基である。
H−Lys−Ψ(CH2N)−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−基はRc基であり、i=0、X’aはリジン残基であり、X’bはD−プロリン残基であり、−Ψ(CH2N)−はメチレンアミノ型のシュードペプチド結合(ペプチド結合のCONH基はCH2−N基により置換される)であり、Xcはチロシン残基であり、Xdはチロシン残基であり、Xeは式NH2−(CH2)n−COOH(n=5)のアミノ酸残基である。
【0028】
その化合物は、下記の式の1つで表す。
【化30】
【0029】
その化合物もまた、下記の式の1つで表すことができる。
【化31】
【0030】
本発明の好ましい化合物は、下記の式の1つで表す。
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【0031】
式(III−e)で表される化合物は、式(III−a)で表される化合物であり、RcはH−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−である。
式(V−b)で表される化合物は、式(V−a)で表される化合物であり、RcはH−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−である。
式(III−f)で表される化合物は、式(III−a)で表される化合物であり、RcはAhx−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−である。
式(III−i)で表される化合物は、式(III−a)で表される化合物であり、RcはH−Lys−Ψ(CH2N)−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−である。
本発明は、また下記の式の1つに対応する化合物に関する。
【化36】
【化37】
【0032】
化合物(III−g)は、式(III−e)で表されるビオチンで標識された化合物である。この化合物は、また式(III−b)で表される化合物に対応し、RcはH−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−基である。
化合物(III−h)は、式(III−f)で表されるビオチンで標識された化合物である。この化合物は、また式(III−b)で表される化合物であり、RcはAhx−(D)Pro−Tyr−Tyr−基である。
化合物(III−j)は、ビオチンで標識された化合物である。この化合物もまた、式(III−b)で表される化合物に対応し、RcはH−Lys−Gly−DOPA−Tyr−NH−(CH2)5−CO−基である。
本発明は、また薬学的に許容可能なベクターと組み合わせて、活性成分として、式(I)に対応する、前記化合物を含むことを特徴とする医薬組成物に関する。
本発明は、また薬学的に許容可能なアジュバントと組み合わせて、活性成分として、式(I)に対応する、前記化合物を含むことを特徴とするワクチン組成物に関する。
【0033】
本発明は、また免疫応答の抑制又は活性化を含む病状の治療を意図する薬の調製のための、式(I)に対応する、前記化合物の使用に関する。
免疫応答は、炎症性疾患(炎症性リウマチ)、自己免疫性疾患、通常の超過敏反応及び具体的にはアレルギー、組織不適合、ホストに対するグラフト(graft)の反応の過程において、抑制されるに違いない。
免疫応答は、通常のワクチン接種、癌免疫療法、免疫抑制を誘発する細菌性疾患又はウィルス性疾患(はしか、AIDS、ヘルペス・ウイルス、サイトメガロ・ウイルス等)、細菌性疾患、ウィルス性疾患又は一次免疫不全又は二次免疫不全を示す個々人の従来にない病原体(プリオン)を含む疾患の治療において活性化されるに違いない。
本発明は、免疫応答、例えば組織不適合、アレルギー疾患又は自己免疫疾患の抑制を含む病状の治療を意図する薬の調製のための、前記使用にも関する。
【0034】
免疫応答の抑制を含む疾病は、自己免疫疾病、糖尿病、多発性硬化症、播種性淋菌感染又は関節リウマチ、同種移植片、異種移植片の枠内での組織不適合、ホストに対するグラフトの反応、並びにアレルギー等の超過敏反応、具体的にはアレルギー性鼻炎及びアトピー性皮膚炎、又は肉芽腫を含む。
本発明の化合物を、免疫応答の抑制の枠内において使用し、静注経路、粘膜経路(経口、気道、鼻、膣)、皮下経路、皮内経路又は表面経路により投与することが可能である。
本発明は、また、医薬組成物に関し、免疫応答抑制を含む病状の治療のために、本発明の化合物を含み、その化合物を個々人へ1日当たり約100ng〜約5mgの割合で投与することができる量で医薬組成物に存在していることを特徴とする。
本発明は、免疫応答を高めることを含む病状、例えば癌、又は寄生性感染、細菌性感染、ウィルス性感染、又はプリオン等の非従来的な感染体に関連する感染の治療を意図する医薬の製造のための、前記使用に関する。
【0035】
免疫応答の活性化を含む場合において、通常のワクチン接種、具体的にはインフルエンザに対するワクチン又は小児病に対するワクチン、癌免疫療法、具体的にはメラノーマ又は転移を伴う癌の枠内で、免疫抑制を誘発する細菌性疾患又はウィルス性疾患、具体的には、はしか、AIDS、ヘルペス・ウイルス又はサイトメガロ・ウイルス、又は一次免疫不全又は二次免疫不全を示す個々人を対象とするワクチンを含む。
本発明の化合物は、免疫応答の活性化の枠内で使用され、静注経路により、粘膜経路(経口、気道、鼻、膣)により、皮下経路、皮内経路又は表面経路により投与することが可能である。
本発明は、また医薬組成物に関し、免疫応答の活性化を含む病状の治療のために、本発明の化合物を含み、その化合物を個々人へ1日当たり約100ng〜約5mgの割合で投与することができる量で医薬組成物に存在していることを特徴とする。
【0036】
本発明は、また
− Yのリニアー前駆体の形成工程であって、前駆体がN−保護アミノ酸残基(それらの3つは、アミン型のRa基を有し、Ra基は請求項7で定義されている)と成長ペプチド鎖のアミン官能基との間の結合、及び固体支持体に付着している最初のアミノ酸残基脱保護の連続サイクルによって合成される、成長ペプチド鎖を形成するアミノ酸の連鎖形成により構成される形成工程、
− 前記Yの保護リニアーの前駆体の環化工程、
− 前記保護アミン官能基を遊離するための、前記保護用の基の開裂工程、
− 前記遊離されたアミン官能基の、請求項1で定義されたRc基に対応するアミノ酸配列の連続のアッセンブリーにより、既に形成されているか、又はインサイチューで形成されるペプチドへの連結工程、
− 前記Rc基の官能化された側鎖に存在する全ての保護基の削除の後に、本発明の化合物を得るための、前記固体支持体からの分子の開裂工程、
を含むことを特徴とする、固体支持体上における、式(1)で表される化合物の製造方法に関する。
【0037】
本発明で表される化合物は、下記の方法による固体支持体上の合成により得られる。Y基はリニアーの前駆体の合成及び環化により固体支持体上に最初に構成される。従って、第1アミノ酸残基(それらの酸の作用は適切に保護されている(例えば、アリルエステル))は、アルデヒドにより機能化された樹脂(市販の樹脂)を使用し、還元アミン化反応による支持体に結合する。その後、リニアーの前駆体YはN−保護アミノ酸(例えば、N−Fmoc−Xaa−OH、Xaaはいくらかのアミノ酸又は成長ペプチド鎖を示す)を持つ連続カップリング環化(標準のペプチド合成方法)及び脱保護(Fmoc基の開環のためのDMF中の20%ピペリジン)により組み立てられる。樹脂の洗浄方法及び濾過方法並びにFmoc基の脱保護方法は、固相中のペプチド合成に一般に使用されている。アミノ型鎖を有する3つのアミノ酸は機能化され、アミン官能基は他(例えば、TEOC又はメチルトリチル)に直交する保護基により保護される。アッセンブリーの終わりに、最後のN−保護基は開裂され(Fmoc基の場合にはDMF中の20%ピペリジン存在下)及びC末端エステルの保護基は開裂する。その後、リニアーの前駆体はカップリング試薬(標準のペプチド合成)及び例えばDIEA又はコリジン等の第3塩基の存在下において「頭から尻尾(head to tail)」で環化する。環化反応の後に、カイザー試験(カイザーら、1970)等の比色試験を行うことができる。環化の終わりに、保護されたアミン官能基を有するアミノ酸の保護基は開裂し、適切に保護されているスペーサーアーム(例えば、Fmoc−Ahx(6−アミノヘキサン酸)−COOH)は、カップリング試薬の存在下において3つの遊離アミン官能基にカップリングされる。このカップリングの終了後、スペーサーアームの保護基は開裂し、Rc基は標準のペプチド合成方法により組み立てられる。合成の最後に、すぐに最後の保護基は除去され、分子は例えばトリフルオロ酢酸での処理により樹脂から開裂し、エーテルから沈殿後に凍結乾燥し、例えばC18カラムの逆相分取HPLCにより精製する。
【0038】
本発明はまた、下記の式に対応するビオチンで標識された化合物に関する
【化38】
(式中、
− Rcは式H−Xa−Xb−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−又はH−X’a−L−X’b−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−の基を表し、
●iは0又は1を表し、
●Xaは下記のアミノ酸残基から選択され、
− リジン;
− アルギニン;
− オルニチン;
− α位又はβ位で置換を有する、リジン、アルギニン又はオルニチンに対応するβ−アミノ酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− 4−(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3−(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4−(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●Xbは、下記のアミノ酸残基から選択され、
− グリシン;
− アスパラギン;
− D−アラニン;
− D−バリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換L−プロリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換D−プロリン;
− N−アルキル化された天然アミノ酸、アルキル基はメチル基、エチル基又はベンジル基;
− 下記の式で表される非環式ジアルキルアミノ酸
【化39】
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表す);
− 下記の式で表される環式ジアルキルアミノ酸
【化40】
(式中、kは1、2、3又は4を表す);
●Xcは下記のアミノ酸残基から選択され、
− チロシン;
− フェニルアラニン;
− 3−ニトロ−チロシン;
− 4−ヒドロキシメチル−フェニルアラニン;
− 3、5−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
− 2、6−ジメチル−チロシン;
− 3、4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン(DOPA);
●Xdは下記のアミノ酸残基から選択され、
− チロシン;
− フェニルアラニン;
− 3−ニトロ−チロシン;
− 4−ヒドロキシメチル−フェニルアラニン;
− 3、5−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
− 2、6−ジメチル−チロシン;
− 3、4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
●Xeは下記のアミノ酸残基から選択され、
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 4−(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3−(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4−(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●Xfは下記のアミノ酸残基から選択され、
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 4−(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3−(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4−(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●−L−は、X’aとX’bとの間のシュードペプチド結合を表し、特に下記のリストから選択され、
−L−は、
−Ψ(CH2CH2)−;−Ψ(CH(Fk)=CH(Fk’))−;−Ψ(CH2NH)−;−Ψ(NHCO)−;−Ψ(NHCONH)−;−Ψ(CO−O)−;−Ψ(CS−NH)−;−Ψ(CH(OH)−CH(OH))−;−Ψ(S−CH2)−;−Ψ(CH2−S)−;−Ψ(CH(CN)−CH2)−;−Ψ(CH(OH))−;−Ψ(COCH2)−;−Ψ(CH(OH)CH2)−;−Ψ(CH(OH)CH2NH)−;−Ψ(CH2)−;−Ψ(CH(Fk))−;−Ψ(CH2O)−;−Ψ(CH2−NHCONH)−;−Ψ(CH(Fk)NHCONFk’)−;−Ψ(CH2−CONH)−;−Ψ(CH(Fk)CONH)−;−Ψ(CH(Fk)CH(Fk’)CONH)−;
又は−Ψ(CH2N)−;−Ψ(NHCON)−;−Ψ(CS−N)−;−Ψ(CH(OH)CH2N)−;−Ψ(CH2−NHCON)−;−Ψ(CH2−CON)−;−Ψ(CH(Fk)CON)−;−Ψ(CH(Fk)CH(Fk’)CON)−であり、ここでX’bはプロリンの側鎖を表すものとし、
Fk及びFk’は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン基、1〜20の炭素原子のアルキル基、又は5〜20の炭素原子を含む環式構造のアリール基を表し、
●X’aはリジン、アルギニン又はオルニチンの側鎖を表し、及び
●X’bは下記のアミノ酸残基の1つの側鎖を表し、
− グリシン;
− アスパラギン;
− D−アラニン;
− D−バリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換L−プロリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換D−プロリン;
− N−アルキル化された天然アミノ酸、アルキル基がメチル基、エチル基又はベンジル基;
− 下記の式で表される非環式ジアルキルアミノ酸
【化41】
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表す);
− 下記の式で表される環式ジアルキルアミノ酸
【化42】
(式中、kは1、2、3又は4を表す))。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例5の保護ペンタペプチド(1)のHPLCクロマトグラフィーを示す。
【0040】
【図2】実施例5の非環式ヘキサペプチド(2)のHPLCクロマトグラフィーを示す。
【0041】
【図3】実施例5の環化及び脱保護ヘキサペプチド(3)のHPLCクロマトグラフィーを示す。
【0042】
【図4】実施例5の化合物A(L41)のHPLCクロマトグラフィーを示す。
【0043】
【図5A】DiOC6で標識後、フローサイトメトリーを使用し、16時間インキュベートされたL36リガンドにより誘導された、BL41細胞のアポトーシスの百分比を示す。実曲線はL36リガンドにより誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。点曲線はCD40を発現しないJurkat細胞株のL36リガンドにより誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。黒四角の実曲線はBL41の対照ペンタペプチド(L37)(H−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−Ahx−OH)により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、白丸の実曲線はJurkatの対照ペンタペプチド(L37)により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。
【0044】
【図5B】DiOC6で標識後、フローサイトメトリーを使用し、16時間インキュベートされたL4及びL41リガンドにより誘導された、BL41細胞のアポトーシスの百分比を示す。実曲線はL4リガンドにより誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。点曲線はL41リガンドにより誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。
【0045】
【図5C】DiOC6で標識後、フローサイトメトリーを使用し、16時間インキュベートされたL4及びL40リガンドにより誘導された、BL41細胞のアポトーシスの百分比を示す。数値は、BL41細胞の3つの独立した実験の平均±平均偏差に対応する。白のヒストグラムはL4により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒のヒストグラムはL45により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、灰色のヒストグラムはL40により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。D−プロリンをL−プロリンで置換した対照ペプチド(L45)(H−Lys−Pro−Tyr−Tyr−Ahx−OH)は活性を有しない。
【0046】
【図5D】DiOC6で標識後、フローサイトメトリーを使用し、16時間インキュベートされた、L4、L43及びL44リガンドにより誘導された、Raji細胞のアポトーシスの百分比を示す。実曲線はL4により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、点曲線はL43により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒四角の曲線はL44により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。
【0047】
【図6】L40リガンドとCD40との直接相互作用の反応速度を測定したセンサ−グラムを示す(時間の関数としての応答)。ここで、L40リガンドは4分間にわたり流速30μL/minで濃度25,100及び200nMにより注入される。
【0048】
【図7A】ストレプトアビジン−FITCにより発色されたビオチニル化L41リガンドを使用したBL41細胞のフローサイトメトリーでの標識を示す。y軸はL41リガンドとストレプトアビジンで標識された細胞の蛍光強度(FL1−H)に対応し、x軸は細胞の大きさ(FSC−H)に対応している。左側の濃度曲線はストレプトアビジンなしのビオチニル化されたリガンドで標識された細胞に対応し、右側の濃度曲線は蛍光色素FITCと結び付いたストレプトアビジンがあるビオチニル化されたリガンドで標識された細胞に対応する。黒色から灰色への色合いは、x軸(FSC)及びy軸(FL1)上のポイントでの減少する細胞濃度を示す。
【0049】
【図7B】ビオチニル化されたL41リガンド及びCD40に対する抗体を使用するBL41細胞の蛍光顕微鏡検査法での標識(ストレプトアビジンAlexa546及び蛍光色素Alexa488で結び付いたマウス抗体のFc部分に対するヤギ抗体によりそれぞれ発色する)を示す。図の左側の灰色の色合いはCD40に対する抗体の標識に対応し、図の右側の灰色の色合いはビオチニル化されたL41リガンドの標識に対応する。
【0050】
【図8A】種々の濃度のL4及びL62リガンドの存在下における16時間の培養後5x105cells/mLでのBurkitt Rajiリンパ腫(CD40+)及びT Jurkat白血病(CD40−)細胞のあるアポトーシスの百分比を示す。白ダイヤの曲線はRaji細胞のL4により誘導された用量反応に対応し、白四角の曲線はRaji細胞のL62により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒三角の曲線はJurkat細胞のL4により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒丸の曲線はJurkat細胞のL62により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。
【0051】
【図8B】独立した実験において図8Aと同じ条件下での種々のL62及びL40で処理されたRaji, Jurkat及びBurkitt BL41リンパ腫(CD40+)細胞の特異的なアポトーシスの百分比を示す。白丸の実曲線はRaji細胞のL40により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、白三角の実曲線はRaji細胞のL62により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒丸の実曲線はBL41細胞のL40により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒三角の実曲線はBL41細胞のL62により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒四角の点曲線はJurkat細胞のL40により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応し、黒丸の点曲線はJurkat細胞のL62により誘導されたアポトーシスの用量反応に対応する。
【0052】
《略記リスト》
ACN アセトニトリル
AcOH 酢酸
BOP ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)
ホスホニウムヘキサフルオロフォスフェイト
TLC 薄層クロマトグラフィー
CMA クロロホルム、メタノール及び酢酸の混合物
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4,0]ウンデセン−7−エン
DCM ジクロロメタン
DEA ジエチルアミン
DIC ジイソプロピルカルボジイミド
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DiOC6 3.3’−ジヘキシルオキサカルボシアニン ヨウ化物
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
EDC 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
メチオダイド
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−
テトラメチルウラン ヘキサフルオロフォスフェイト
HOAt 7−アザベンゾトリアゾール
HoBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
IpOH イソプロパノール
NMM N−メチルモルホリン
OAll −O−アリル
OMtt −O−メチルトリチル
TFA トリフルオロ酢酸
【実施例】
【0053】
《実施例1:保護されたペンタペプチド及び脱保護されたペンタペプチドの合成》
I.保護されたペンタペプチドL44’及び脱保護されたペンタペプチドL44
脱保護されたペンタペプチドL44は下記の式に対応する。
H−Ahx−(D)Pro−Tyr−Tyr−Ahx−OH
1)保護されたペンタペプチドBoc−Ahx−(D)Pro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L44’)の調製
1.4g(1当量)の2−クロロトリチルクロライド樹脂(R1−A)(1.3mmol/g)を注射器に入れ、蒸留されたDCMにより撹拌下で2回洗浄する。その後、1.3g(2当量)のFmoc−6−アミノカプロン酸及び1.9mL(6当量)のDIEAのDCM中溶液を樹脂に添加する。3時間撹拌後、混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄する。その後、樹脂をメタノールに入れ、1時間の撹拌で膨張させる。その後、それを濾過し、DMF、IpOH、DCM、エーテルで洗浄する。R−2Aを乾燥後に得る。
得られたR−2Aを、撹拌下で20分間、25%ピペリジン/DMF溶液中に入れる。その後、樹脂を濾過し、R3−Aを生成し、溶液を集める。集められた溶液をUV試験することにより、樹脂R−2A(0.6mmol/g)の置換を決定することを可能とする。
【0054】
〔アミノ酸のカップリングの一般方法〕
5当量のFmoc−Xaa−OH、5当量のBOP及び5当量のHoBtのDMF中溶液を1当量の樹脂R2−Aに添加する。その後15当量のDIEAを系に添加し、混合物を30分撹拌する。この操作を2回繰り返す。カップリングをニンヒドリン試験により確認する。Fmoc基の脱保護を、撹拌下で30分間、25%ピペリジン/DMF溶液中で行う。第2カップリングを再び行うこともできる。
樹脂R−4Bは、ペプチドを合成するための種々の所望のアミノ酸の結合後に得られる。
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールとDCM(60/40)との混合物を樹脂R4−Bに添加する。注射器を2時間撹拌し、その後濾過し、DCMで数回すすぎ洗いする。この操作を2回繰り返す。その溶液を混ぜ合わせ、蒸発し、保護されたペプチドL44’を生成する。
【化43】
ペプチドL44’は、下記を特徴とする。
HPLC:tR14.909分(直線のグラジエント、30−100%B、20分)
MALDI−TOF:C48H73N5O10Na[M+Na+]の計算値:903.12;実測値:902.57
【0055】
2)保護されたペンタペプチドL44の調製:NH2−Ahx−(D)Pro−Tyr−Tyr−Ahx−OH
ペプチドL44’を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、凍結乾燥し、L44を生成する。
【化44】
このペプチドL44は、下記を特徴とする。
HPLC:tR10.272分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C35H50N5O8[M+H+]の計算値:667.8;実測値:668.2;C35H49N5O8Na[M+Na+]の計算値:690.8;実測値:690.23
【0056】
II.保護されたペンタペプチドL37’及び脱保護されたペンタペプチドL37
下記の式に対応する脱保護されたペンタペプチドL37:
H−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−Ahx−OH
1)保護されたペンタペプチドL37’の調製:Boc−Lys(Boc)−(D)Pro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH
1.4g(1当量)の2−クロロトリチルクロライド樹脂(R1−A)(1.3mmol/g)を注射器に入れ、蒸留されたDCMにより撹拌下で2回洗浄する。その後、1.3g(2当量)のFmoc−6−アミノカプロン酸及び1.9mL(6当量)のDIEAのDCM中溶液を樹脂に添加する。3時間撹拌後、混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄する。その後、樹脂をメタノールに入れ、1時間の撹拌で膨張させる。その後、それを濾過し、DMF、IpOH、DCM、エーテルで洗浄する。R−2Aを乾燥後に得る。
得られたR−2Aを、撹拌下で20分間、25%ピペリジン/DMF溶液中に入れる。その後、樹脂を濾過し、R3−Aを生成し、溶液を集める。集められた溶液をUV試験することにより、樹脂R−2A(0.6mmol/g)の置換を決定することを可能とする。
【0057】
〔アミノ酸のカップリングの一般方法〕
5当量のFmoc−Xaa−OH、5当量のBOP及び5当量のHoBtのDMF中溶液を1当量の樹脂R2−Aに添加する。その後15当量のDIEAを系に添加し、混合物を30分撹拌する。この操作を2回繰り返す。カップリングをニンヒドリン試験により確認する。Fmoc基の脱保護を、撹拌下で30分間、25%ピペリジン/DMF溶液中で行う。第2カップリングを再び行うこともできる。
樹脂R−4Aは、ペプチドを合成するための種々の所望のアミノ酸の結合後に得られる。
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールとDCM(60/40)との混合物を樹脂R4−Aに添加する。注射器を2時間撹拌し、その後濾過し、DCMで数回すすぎ洗いする。この操作を2回繰り返す。その溶液を混ぜ合わせ、蒸発し、保護されたペプチドL37’を生成する。
【化45】
ペプチドL37’は下記を特徴とする。
HPLC:tR15.605分(直線のグラジエント、30−100%B、20分)
MALDI−TOF:C53H82N6O12Na+[M+Na+]の計算値:1018.25;実測値:1018.40;C53H82N6O12K+[M+K+]の計算値:1034.25;実測値:1034.64
【0058】
2)脱保護されたペンタペプチドL37の調製:NH2−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−Ahx−OH
ペプチドL37’を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、凍結乾燥し、L37を生成する。
【化46】
このペプチドL37は下記を特徴とする。
HPLC:tR9.065分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C35H51N6O8[M+H+]の計算値:683.81;実測値:682.91;C35H50N6O8Na[M+Na+]の計算値:705.81;実測値:705.22;C35H50N6O8K+[M+K+]の計算値:721.81;実測値:721.67
脱保護されたL45は、L37及びL44の合成方法と同様の方法により合成される。
【0059】
III.保護されたペンタペプチドL63’及び脱保護されたペンタペプチドL63
下記の式に対応する脱保護されたペンタペプチドL63
H−Lys−Ψ(CH2N)DPro−Tyr−Tyr−Ahx−OH
1)脱保護されたペンタペプチドBoc−Lys(Boc)Ψ(CH2N)DPro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L63’)の調製
0.3g(1当量)の2−クロロトリチルクロライド樹脂(R1−A)(1.6mmol/g)を注射器に入れ、蒸留されたDCMにより撹拌下で2回洗浄する。その後、340mg(2当量)のFmoc−6−アミノカプロン酸及び478μl(6当量)のDIEAのDCM中溶液を樹脂に添加する。3時間撹拌後、混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄する。その後、樹脂をメタノールに入れ、1時間の撹拌で膨張させる。その後、それを濾過し、DMF、IpOH、DCM、エーテルで洗浄する。R−2Aを乾燥後に得る。
得られたR−2Aを、撹拌下で20分間、25%ピペリジン/DMF溶液中に入れる。その後、樹脂を濾過し、R3−Aを生成し、溶液を集める。集められた溶液をUV試験することにより、樹脂R−2A(0.44mmol/g)の置換を決定することを可能とする。
【0060】
〔アミノ酸のカップリングの一般方法〕
5当量のFmoc−Xaa−OH、5当量のBOP及び5当量のHoBtのDMF中溶液を1当量の樹脂R2−Aに添加する。その後15当量のDIEAを系に添加し、混合物を30分撹拌する。この操作を2回繰り返す。カップリングをニンヒドリン試験により確認する。Fmoc基の脱保護を、撹拌下で30分間、25%ピペリジン/DMF溶液中で行う。第2カップリングを再び行うこともできる。
樹脂R−4Cは、D−プロリン残基の結合後に得られる。
Boc−Lys(Boc)−H(3当量)のDMF中溶液を1当量の樹脂R−4Cに添加する。その後、DMF中に可溶化されたNaBH3CNを系に添加し、混合物を1時間撹拌する。カップリングをニンヒドリン試験により確認する。樹脂R−4Dが得られる。
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールとDCM(60/40)との混合物を樹脂R4−Dに添加する。注射器を2時間撹拌し、その後濾過し、DCMで数回すすぎ洗いする。この操作をDCMで2回繰り返す。その溶液を混ぜ合わせ、蒸発し、保護されたペプチドL63’を生成する。
【化47】
ペプチドL63’は下記を特徴とする。
HPLC:tR13.77分(直線のグラジエント、30−100%B、20分)
MALDI−TOF:C53H84N6O11H+の計算値:982.28;実測値[M+H+]=982.38;C53H84N6O11Na+の計算値:1004.28;実測値1004.44;C53H84N6O11K+の計算値:1020.28;実測値1020.45
【0061】
2)保護されたペンタペプチドNH2−LysΨ(CH2N)DPro−Tyr−Tyr−Ahx−OH(L63)の調製
ペプチドL63を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、凍結乾燥し、L63を生成する。
【化48】
このペプチドL63は下記を特徴とする。
HPLC:tR9.77分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C35H52N6O7Na+の計算値:691.82;実測値689.68;C35H52N6O7K+の計算値:707.82;実測値707.15
【0062】
IV.保護されたペンタペプチドL69’及び脱保護されたペンタペプチドL69
脱保護されたペンタペプチドL69は下記の式に対応する。
H−Lys−Gly−Dopa−Tyr−Ahx−OH
1)保護されたペンタペプチドBoc−Lys(Boc)−Gly−Dopa(Acetonid)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L69’)の調製
0.3g(1当量)の2−クロロトリチルクロライド樹脂(R1−A)(1.6mmol/g)を注射器に入れ、蒸留されたDCMにより撹拌下で2回洗浄する。その後、340mg(2当量)のFmoc−6−アミノカプロン酸及び478μl(6当量)のDIEAのDCM中溶液を樹脂に添加する。3時間撹拌後、混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄する。その後、樹脂をメタノールに入れ、1時間の撹拌で膨張させる。その後、それを濾過し、DMF、IpOH、DCM、エーテルで洗浄する。R−2Aを乾燥後に得る。
得られたR−2Aを、撹拌下で20分間、25%ピペリジン/DMF溶液中に入れる。その後、樹脂を濾過し、R3−Aを生成し、溶液を集める。集められた溶液をUV試験することにより、樹脂R−2A(0.44mmol/g)の置換を決定することを可能とする。
【0063】
〔アミノ酸のカップリングの一般方法〕
5当量のFmoc−Xaa−OH、5当量のBOP及び5当量のHoBtのDMF中溶液を1当量の樹脂R2−Aに添加する。その後15当量のDIEAを系に添加し、混合物を30分撹拌する。この操作を2回繰り返す。カップリングをニンヒドリン試験により確認する。Fmoc基の脱保護を、撹拌下で30分間、25%ピペリジン/DMF溶液中で行う。第2カップリングを再び行うこともできる。
樹脂R−4Eは、ペプチドを合成するための種々の所望のアミノ酸の結合後に得られる。
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールとDCM(60/40)との混合物を樹脂R4−Eに添加する。注射器を2時間撹拌し、その後濾過し、DCMで数回すすぎ洗いする。この操作をDCMで2回繰り返す。その溶液を混ぜ合わせ、蒸発し、保護されたペプチドL69’を生成する。
【化49】
ペプチドL69’は下記を特徴とする。
HPLC:tR12.83分(直線のグラジエント、30−100%B、20分)
MALDI−TOF:C49H74N6O13Na+の計算値:978.15;実測値979.55;C49H74N6O13K+の計算値:994.15;実測値995.89
【0064】
2)保護されたペンタペプチドH−Lys−Gly−Dopa−Tyr−Ahx−OH(L69)の調製
ペプチドL69を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、凍結乾燥し、L69を生成する。
【化50】
このペプチドL69は下記を特徴とする。
HPLC:tR9.18分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C32H46N6O9K+の計算値:697.74;実測値697.40
【0065】
《実施例2:式(V−b)(L36)の化合物の調製》
【化51】
13mg(1当量)の保護された環1をTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をシクロヘキサンで蒸発し、化合物2を生成する。
化合物2をDMF中に取り込む。56mg(3.3当量)のペンタペプチドL37’
Boc−Lys(Boc)−(D)Pro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(前記参照)、25mg(3.3当量)のBOP及び30μL(10当量)のDIEAを添加する。反応を室温で25時間撹拌し、NaHCO3(水溶液)から沈殿する。濾過後、沈殿物をH2O、1NKHSO4、H2O及びAcOEtで連続して洗浄する。
その後、その固形物を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、35mgのL36リガンド(粗反応収率86%)を生成する。11mgの純粋なL36は、精製後RP−HPLCにより得られる(精製後の収率27%)。
L36リガンドは下記を特徴とする。
HLPC:tR10.115分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C126H187N24O24[M+H+]の計算値:2422;実測値:2420.68
【0066】
《実施例3:L40及びL43の大員環の調製》
【化52】
【0067】
化合物1
Z−Lys(Boc)−OH(5.99g;15.75mmol)を、HClを含むDMF(50mL)に溶解し、H2N−(D)Ala−OMe(2.09g;15mmol),BOP(6.96g;15.75mmol)及びDIEA(7.6mL;45mmol)をこの溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌する。その後、飽和重炭酸ナトリウム溶液(500mL)攪拌下で添加し、酢酸エチル(200mL)を添加する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2x100mL)、水(2x100mL)、1M酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、白色固体を得る。収率:98%(6.85g);HPLC:tR=9.3分、純度>97%、20分間にわたり30〜100。
【0068】
化合物2
化合物1(4.66g;10mmol)を室温でHCl(10mmol)を含むMeOH(100mL)に溶解し、10%Pd/C触媒の存在下で水素化する。3時間後、触媒を濾過により取り除き、濾過されたものを真空下で濃縮し、白色固体を得る。収率:100%(3.71g)、純度HPLC>97%、TLC Rf0.3CMA60/10/5。
HCl塩(3.68g;10mmol)をZ−(D)Ala−OH(2.34g;10.5mmol)及びBOP(4.64g;10.5mmol)を含むDMF(20mL)に溶解する。DIEA(3.4mL;20mmol)をこの溶液に添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌する。その後、飽和重炭酸ナトリウム溶液(500mL)攪拌下で添加し、酢酸エチル(200mL)を添加する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2x100mL)、水(2x100mL)、1M酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、白色固体を得る。収率:97%(5.2g);HPLC:tR=8.9分、純度>88%、20分間にわたり30−100。
【0069】
化合物3
化合物2(5.1g;9.5mmol)を室温でHCl(9.5mmol)を含むMeOH(100mL)に溶解し、10%Pd/C触媒の存在下で水素化する。3時間後、触媒を濾過により取り除き、濾過されたものを真空下で濃縮する。予想されるHCl塩をエーテルから結晶化し、KOHにより真空乾燥する。収率:100%(4.2g)。
HCl塩(4.2g;9.5mmol)をZ−Lys(Boc)−OH(3.8g;10.5mmol)及びBOP(4.42g;10mmol)を含むDMF(20mL)に溶解する。DIEA(4.2mL;25mmol)をこの溶液に添加し、反応混合物を室温で一晩攪拌する。その後、飽和重炭酸ナトリウム溶液(500mL)を攪拌下で添加し、酢酸エチル(200mL)を添加する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2x100mL)、水(2x100mL)、1M酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、ヘキサン中で粉砕する間に固まる残留物を放置する。それを集め、ヘキサン、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、KOHにより真空乾燥する。収率:93%(6.8g);HPLC:tR=10.9分、純度90%、20分間にわたり30−100。
【0070】
化合物4
化合物3(6.8g;8.9mmol)を室温でHCl(8.9mmol)を含むMeOH(100mL)に溶解し、10%Pd/C触媒の存在下で水素化する。3時間後、触媒を濾過により取り除き、濾過されたものを真空下で濃縮し、白色固体を生成する。収率:91%(5.4g);TLCRf0.3CMA60/10/5。
HCl塩(5.4g;8.1mmol)をZ−(D)Ala−OH(1.9g;8.5mmol)及びBOP(3.8g;8.5mmol)を含むDMF(20mL)に溶解する。DIEA(4.2mL;25mmol)をこの溶液に添加し、反応混合物を室温で6時間攪拌する。その後、飽和重炭酸ナトリウム溶液(500mL)を攪拌下で添加し、酢酸エチル(200mL)を添加する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2x100mL)、水(2x100mL)、1M酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、ヘキサン中で粉砕する間に固まる残留物を残す。それを集め、ヘキサン、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、KOHにより真空乾燥する。収率:78%(5.3g);HPLC:tR=10.67分、純度77%、20分間にわたり30−100。
【0071】
化合物5
化合物4(5.3g;6.3mmol)を室温でHCl(6.3mmol)を含むMeOH(100mL)に溶解し、10%Pd/C触媒の存在下で水素化する。5時間後、触媒を濾過により取り除き、濾過されたものを真空下で濃縮する。予想されるHCl塩をエーテルから結晶化し、KOHにより真空乾燥する。収率:91%(4.7g)。
HCl塩(4.7g;5.5mmol)をZ−Lys(Boc)−OH(2.2g;5.8mmol)及びBOP(2.2g;5.8mmol)を含むDMF(20mL)に溶解する。DIEA(1.9mL;11mmol)をこの溶液に添加し、反応混合物を室温で一晩攪拌する。その後、飽和重炭酸ナトリウム溶液(500mL)を攪拌下で添加し、酢酸エチル(200mL)を添加する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2x100mL)、水(2x100mL)、1M酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、ヘキサン中で粉砕する間に固まる残留物を残す。それを集め、ヘキサン、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、KOHにより真空乾燥する。収率:90%(5.3g);HPLC:tR=12.26分、純度60%、20分間にわたり30−100。
【0072】
化合物6
化合物5(5.3g;4.9mmol)をアセトン(20mL)に溶解し、1NNaOHソーダ(5.9mmol)を0℃で添加する。反応混合物を、室温に温める前に1時間0℃で維持する。6時間後、反応混合物を真空下で濃縮する。その後、酢酸エチル(200mL)を攪拌下で添加し、有機相を1N酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、ヘキサン中で粉砕する間に固まる残留物を残す。それを集め、ヘキサン、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、KOHにより真空乾燥する。粗ペプチドを、CMA120/10/5を使用するシリカゲルカラムのクロマトグラフィーにより精製する。収率:44%(2.3g);HPLC:tR=11.28分、純度78%、20分を超える30−100。
【0073】
化合物7
化合物6(1.5g;1.46mmol)を室温でMeOH(100mL)に溶解し、10%Pd/C触媒の存在下で水素化する。4時間後、触媒を濾過により取り除き、濾過されたものを真空下で濃縮する。予想されるHCl塩をジイソプロピルエーテルから結晶化し、KOHにより真空乾燥する。収率:88%(1.17g);HPLC:tR=16.9分、純度70%、20分を超える5−65。
【0074】
化合物8
化合物7(800mg;0.87mmol)を、室温でEDCを含むDMF(80mL)に溶解し、HCl(201mg;1.05mmol),HOBt(142mg;1.05mmol)及びDIEA(373mL;2.19mmol)をこの溶液に添加する。反応混合物を2日間室温で撹拌し、反応混合物を真空下において濃縮する。
飽和重炭酸ナトリウム溶液、酢酸エチル(100mL)を攪拌下で添加する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2x100mL)、水(2x100mL)、1N酒石酸水素カリウム水溶液(2x100mL)、水、食塩水(1x100mL)で洗浄し、混合物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮し、白色固体を生成する。収率:100%(0.78g);M+H+=896。
【0075】
化合物9
化合物8(650mg;0.76mmol)を室温で1時間TFA(6mL)に溶解する。混合物のアミンを真空下で濃縮する。予想されるアミンをエーテル(50mL)から沈殿する。それを集め、エーテルで洗浄し、真空乾燥する。収率:98%(0.70g);M+H+=598.5(計算値=597.6)。
【0076】
《実施例4:式(III−e)(L40)の化合物の調製》
化合物L40は下記の式に対応する。
【化53】
【化54】
35mg(3.3当量)のペンタペプチドBoc−Lys(Boc)−(D)Pro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L37’)、16mg(3.3当量)のBOPをDMF中の10mg(1当量)の環9(実施例3参照)に添加し、20μL(10当量)のDIEAを添加する。反応混合物を室温で25時間撹拌し、NaHCO3(水溶液)から沈殿する。濾過後、沈殿物をH2O、1NKHSO4、H2O及びAcOEtで連続して洗浄する。
その後、その固形物を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、40mgのL40リガンドを生成する。
6mgの純粋なL40をRP−HPLCにより精製後得る(精製後の収率22%)。
L40は下記を特徴とする。
HPLC:tR10.203分(直線のグラジエント,5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C132H196N27O27[M+H+]の計算値:2593.16;実測値:2593.24;C132H195N27O27Na[M+Na+]の計算値:2616.16; 実測値2616.78。
【0077】
《実施例5:式(III−f)(L43)の化合物の調製》
化合物L43は下記の式に対応する。
【化55】
【化56】
35mg(3.3当量)のペンタペプチドBoc−Ahx−(D)Pro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L44’)、16mg(3.3当量)のBOPをDMF中の10mg(1当量)の環9(実施例3参照)に添加し、20μL(10当量)のDIEAを添加する。反応混合物を室温で25時間撹拌し、NaHCO3(水溶液)から沈殿する。濾過後、沈殿物をH2O、1NKHSO4、H2O及びAcOEtで連続して洗浄する。
その後、その固形物を水の存在下においてTFAで処理する。30分撹拌後、その溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、20mgのL43リガンドを生成する。
8mgの純粋なL43をRP−HPLCにより精製後得る(精製後の収率30%)。
L43は下記を特徴とする。
HLPC:tR13.935分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C132H193N24O27[M+H+]の計算値:2548.11;実測値:2547.88;C132H192N24O27Na+[M+Na+]の計算値:2571.11;実測値:2570.62;C132H1932N24O27K+[M+K+]の計算値:2587.11;実測値:2586.13。
【0078】
《実施例6:化合物L41の調製》
化合物L41は下記の式に対応する。
【化57】
下記の式により表すこともできる。
【化58】
化合物A(L41)の合成は下記に記載する。中間体1及び2は固相において行い、下記の段階を溶液中で行った。
【化59】
【0079】
1)ペンタペプチドBoc−Lys(Boc)−Gly−Tyr(OtBu)−Tyr(OtBu)−Ahx−OH(1)の合成
このペプチドの合成を、下記の段階的な固相Fmoc方法により行った。ペプチドは2−クロロトリチル樹脂(Senn chemicals、1.3mmoles/g)上に集めた。合成のスケールは1.3mmolesであった。
第1アミノ酸のカップリングを、2当量のFmoc−Ahx−OH及び6当量のDIEAを含む無水ジクロロメタン中で3時間行う。樹脂の洗浄及び乾燥後に行った置換試験は、0.6mmoles/gの置換レベルを示す。
下記のアミノ酸、Fmoc−Tyr(OtBu)−OH、Fmoc−Gly−OH及びBoc−Lys(Boc)−OHのカップリングを、BOP/HOBt及びDIEAの存在下において5当量のアミノ酸を含むDMF中で行う。二重のカップリングを体系的に行う。
Fmoc基の脱保護を、ピペリジンの25%DMF溶液を使用し、20分間行う。
樹脂からペプチドの開裂を、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール/ジクロロメタン溶液(60/40)を使用し、室温で2時間行う。
樹脂を濾過し、濾過されたものを濃縮し、真空乾燥する。保護されたペプチドを、精製せずに直接使用する。合成の収率は定量的である。
水/アセトニトリル/TFA混合物、20分間を超える30〜100%Bのグラジエント(A:水、0.1%TFA;B:アセトニトリル、0.08%TFA)、流速1.2mL/分及び210nmにおける吸収を使用し、HPLC(カラムC18、Macherey Nagel、SP250/10nucleosil 300−7)により、保護されたペプチドを分析する(図1)。純度レベルは92%である。
【0080】
2)環化ヘキサペプチドの合成(2):
ヘキサペプチドH−(D)Ala−Lys(Boc)−(D)Lys(Biot)−Lys(Boc)−(D)Ala−Lys(Boc)−OHの合成は、下記の段階的な固相Fmoc方法、及び下記のアミノ酸、Fmoc−Lys(Boc)−OH,Fmoc−(D)Ala−OH及びFmoc−(D)Lys(Biot)−OH(ビオチン−標識)を使用するペンタペプチドの合成において記載された同じ方法により行う。
水/アセトニトリル/TFA混合物、20分間を超える20〜80%Bのグラジエント(A:水、0.1%TFA;B:アセトニトリル、0.08%TFA)、流速1.2mL/分及び210nmにおける吸収を使用し、HPLC(カラムC18、Macherey Nagel、SP250/10 nucleosil 300−7)により、非環式ヘキサペプチドを分析する(図2)。
ヘキサペプチド(660mg;0.55mmol)を、室温で、EDCを含むDMF(70mL)、HCl(127mg;0.66mmol)、HOBt(89mg;0.66mmol)及びDIEA(140μl、0.82mmol)を溶解する。48時間後、反応媒体を、飽和NaHCO3(300mL)を含む溶液から沈殿する。その後、環式ヘキサペプチドを1N KHSO4溶液で洗浄し、飽和NaCl溶液を真空乾燥する(540mg;収率:83%)。
Boc基の脱保護を、トリフルオロ酢酸(3mL)で1時間行う。その後、ペプチドをジエチルエーテル(50mL)の添加により沈殿し、濾過し、真空乾燥する(510mg;収率:95%)。
水/アセトニトリル/TFA混合物、20分間を超える5〜65%Bのグラジエント(A:水;0.1%TFA;B:アセトニトリル;0.08%TFA),流速1.2mL/分及び210nmにおける吸収を使用するHPLC(カラムC18、Macherey Nagel、SP250/10 nucleosil 300−7)により、環式ヘキサペプチド及び脱保護されたヘキサペプチドを分析する(図3)。
【0081】
3)中間体(1)及び(2)のカップリング
環式ヘキサペプチド及び脱保護されたヘキサペプチド(2)(61mg;50μmol)を、室温で、ペンタペプチド(1)(157mg;165μmol)を含むDMF(2mL)、BOP(73mg;165μmol)、及びDIEA(85μL)中に溶解する。48時間後、反応媒体を、飽和NaHCO3(300mL)を含む溶液から沈殿する。その後、沈殿物を1N KHSO4溶液で洗浄し、飽和NaCl溶液を真空乾燥する(180mg;収率:100%)。
化合物(3)のBoc及びtBu基の脱保護を、トリフルオロ酢酸(3mL)で行う。その後、ペプチドをジエチルエーテル(50mL)により沈殿し、濾過し、真空する(精製前160mg;収率:100%)。
その後、水/アセトニトリル/TFA混合物、30分間を超える5〜65%Bのグラジエント(A:水、0.1%TFA;B:アセトニトリル−0.08%TFA)及び流速6mL/分を使用し、Perkin−Elmer preparative HPLC、カラムC18(Macherey Nagel、SP 250/10 nucleosil 300−7)の逆相HPLCにより精製する。97%より大きい純度を有するフラクションを混ぜ合わせ、凍結乾燥する(図4:精製後の化合物AのHPLCプロファイル;純度レベル=97.2%)。
HPLC精製収率は17%である。
【0082】
《実施例7式(III−i)(L62)の化合物の調製》
化合物L62は下記の式に対応する。
【化60】
【化61】
35mg(3.3当量)のペンタペプチBoc−Lys(Boc)Ψ(CH2N)DPro−Tyr(tBu)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L63’)、16mg(3.3当量)のBOPをDMF中の10mg(1当量)の環9に添加し(実施例3参照)、20μL(10当量)のDIEAを添加する。反応混合物を室温で2時間混合し、NaHCO3(水溶液)から沈殿する。濾過後、沈殿物を連続してH2O、1N KHSO4、H2O及びAcOEtで洗浄する。
その後、固形物を水の存在下においてTFAで処理する。攪拌30分後、溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、20mgのL62リガンドを生成する。
2mgの純粋なL62をRP−HPLCにより精製後得る(精製後の収率7%)。
L62リガンドは下記を特徴とする。
HPLC:tR11.6分(直線のグラジエント、5−65%B、20分)
MALDI−TOF:C132H201N27O24H+の計算値:2550.21;実測値2551;C132H201N27O24K+の計算値:2590.21;実測値2590
【0083】
《実施例8:式(III―j)(L68)の化合物の製造》
化合物L68は下記の式に対応する。
【化62】
【化63】
39mg(3.3当量)のペンタペプチドBoc−Lys(Boc)−Gly−Dopa(Acetonid)−Tyr(tBu)−Ahx−OH(L69’)、18mg(3.3当量)のBOPを、DMF中の15mg(1当量)のビオチン環(2)(実施例3を参照)に添加し、30μL(10当量)のDIEAを添加する。反応混合物を室温で25時間撹拌し、NaHCO3(水溶液)から沈殿する。濾過後、沈殿物をH2O、1N KHSO4、H2O及びAcOEtで連続して洗浄する。
その後、固形物を水の存在下においてTFAで処理する。30分攪拌後、溶液をエーテルから沈殿し、濾過し、50mgのL68リガンドを生成する。
9mgの純粋なL68をRP−HPLCにより精製後に得る(精製後の収率21%)。
L68リガンドは下記を特徴とする。
HPLC:tR11.1分(直線のグラジエント、5〜65%B、20分)
MALDI−TOF:C136H204N30O32SH+の計算値:2804.35;実測値2802.96;C136H204N30O32SNa+の計算値:2827.35;実測値2824.91;C136H204N30O32SK+の計算値:2841.35;実測値2841.98
【0084】
生物学的試験
これらの試験を3つの段階において実施する。最も有用なリガンドは簡易のリンパ腫細胞アポトーシス活性化試験を用いて最初に選択され、次に、CD40との相互作用はBIAコア技術で詳細に分析され、そして最後にビオチン化リガンドと膜性のCD40との相互作用は蛍光顕微鏡検査法及びフローサイトメトリーにより研究される。
リガンドのアゴニスト又はアンタゴニスト効果を2つの標準の生物学的試験を用いて試験した。最初の試験は、膜性のCD40分子の架橋中に、増殖を中止し、アポトーシスに入る、あるBリンパ腫の特性に基づくものである(Tongら、1999)。実際、抗CD40抗体により、又は可溶性CD40Lにより、CD95分子と独立して架橋中において、あるBリンパ腫はアポトーシスに入る。このアポトーシスの誘導は、増殖を減少する効果を有する。CD40のアゴニストリガンドはアポトーシスの増加を誘導し、その結果、増殖の減少を誘導するであろう。この試験において、BL41細胞はCD40リガンドとインキュベートされ、24時間後、これら細胞の増殖の阻害はトリチウム化チミジンの取り込みの検討により測定されるか、又はアポトーシス細胞の割合はフローサイトメトリーの検討により測定される。第2試験において、CD40−CD40L相互作用による活性化(Schattnerら、1996)後の形質転換B細胞(バーキットリンパ腫)による膜性のCD95分子の発現が研究されている。この試験において、CD40Lパートナーは、トランスフェクションされた線維芽細胞(3T6−CD40L)(Buelensら、1997)において発現される。BL41バーキットリンパ腫細胞は、CD40Lをトランスフェクションされ又はトランスフェクションされない線維芽細胞とインキュベートされる。48時間後、CD95の発現はフローサイトメトリーにより評価される。CD95の発現はCD40Lの存在下において誘導され、CD40−CD40L相互作用を市販の抗CD40L抗体は阻害する。
リガンドのアゴニストの効果を、リガンドとB細胞のインキュベーション後に、フローサイトメトリーを使用したCD95の発現又は増殖の阻害及び/又はアポトーシスによる死の増加のいずれかを測定することにより評価した。アンタゴニストの効果は、種々のリガンドの存在下におけるCD40Lにより誘導されるCD95の発現の減少を測定することにより評価される。
【0085】
A.リガンドのアゴニスト生物学的効果の研究
〔原理〕
リガンドのアンタゴニスト効果は、膜性のCD40分子の架橋中に、アポトーシスに入る、あるBリンパ腫の特性に基づく簡易な生物学的試験生物学的試験を用いて試験される(Tongら、1999)。実際、抗CD40抗体により、又は可溶性のCD40LによるCD40分子の架橋中において、これらのBリンパ腫はアポトーシスに入る。CD40のアゴニストリガンドは、フローサイトメトリーの正確な分析により測定されるバーキットリンパ腫細胞のアポトーシスにおける増加を同様に誘導するであろう。
【0086】
〔操作方法〕
BL41バーキット又はRaji(ATCC CCL−86)リンパ腫細胞(5.105/mL)、2つの類似の細胞株を、所望の濃度での種々のリガンドの存在下において培養する。16時間後、細胞を40nMの3,3’−ジヘキシルオキサカルボシアニン(DiOC6)で標識し(Petitら,1995)、フローサイトメトリーを使用しアポトーシス細胞の割合を評価する。対照として、CD40を発現せず、可溶性又は膜性のJCD40リガンドの存在下において反応しない、Jurkat Tリンパ腫細胞においてリガンドの効果を試験する。
【0087】
〔結果〕
25μMにおいて80%を超える特異的なアポトーシスを検出するので、L36(V−b)リガンドはBL41細胞のアポトーシスを強く誘導する。ビオチン化リガンドL41は、非ビオチン化同族体L4(非−ビオチン化L41)に相当する生物学的活性を有する(図5B)。12.5μMにおいて、L40は37.5%の特異的なアポトーシス及びL4は24%を誘導するので、L40リガンドはL4よりも効果的である(図5C)。最後に、L43リガンドはその同族体L4よりも効果的ではない(図5D)。これらのリガンドはJurkat株の細胞のアポトーシスを誘導しないことを示すことができる。
さらに、図8A及び図8Bによれば、最初の2つの残基(L62)間の還元結合の導入は、効果的で、選択的なリガンドを得ることを可能にすることを示している。
【0088】
B.リガンドとCD40との相互作用の研究
〔原理〕
BIAコア3000は、2つの分子間の相互作用の研究を可能にする装置である。表面プラズモン共鳴に基づき、リアルタイムでの測定の実施と、それに続く「リガンド」(測定を担持しているマイクロチップ上に固定化されている)と「分析物」(注入された溶液において発見される)の相互作用の反応速度(結合及び解離)の理解を可能にする。分析物の種々の濃度における反応速度は、リガンドと分析物との相互作用のアフィニティー定数を計算することを可能にする。マイクロチップは種々の測定で4つのセルを含んでおり、非該当のタンパク質(調査される分析物に親和性を有しないが、リガンドに対して接近するタンパク質)が固定化される参照セルとリガンドが固定化されるセルとを直接に比較することを可能にする。
試験は2つの段階で実施される。リガンドとマイクロチップ上に固定化されたCD40との直接相互作用の測定及びリガンドCD40−CD40L相互作用の阻害の測定。
【0089】
《1.CD40におけるリガンドの相互作用》
〔操作方法〕
マウス免疫グロブリンの定常部分に対するウサギ抗体をマイクロチップ上に固定化した。100nMのアイソタイプIgG2aのマウスモノクローナル抗体を、1分間で流速5μL/分で参照セルに固定化する。リガンドセルにおいて、マウスIgG2aの重鎖の定常部分と会合する組換えCD40(ヒトCD40muIg融合タンパク質、ANCELL社、Bayport、MN)を同様の条件下で固定化する。
その後、CD40リガンドを、2つのセル(参照及びリガンド)に種々の濃度で、分析物として、注入する。流速を4分間にわたり30μL/分とし、会合を調べた。次に、分析物不存在下において、条件を同様とし、解離を調べた。
セルを再生するために(すなわち、非共有の方法で吸着されたすべてのタンパク質を除去する)、50mMHCl溶液を1分間にわたり5μL/分で注入する。その後、そのセルを新しい分析のために準備する。
【0090】
〔結果〕
L40及びL41リガンドのCD40への直接会合の反応速度を測定(図6)し、L40においては3.1x10−7M及びL41においては2.8x10−8Mの解離定数を計算することを可能にした。情報として、同様の条件下でL4の計算された解離定数は9.4x10−8Mである。
【0091】
《2.CD40−CD40L相互作用の阻害》
〔操作方法〕
マウス免疫グロブリンの定常部分に対するウサギ抗体をマイクロチップ上に固定化した。40nMのアイソタイプIgG2a(LG11.2)のマウスモノクローナル抗体を、2分間で流速5μL/分で参照セルに固定化する。リガンドセルにおいて、マウスIgG2aの重鎖の定常部分と会合する組換えCD40(ヒトCD40muIg融合タンパク質、ANCELL社、Bayport、MN)を同様の条件下で固定化する。
その後、35nMのCD40L(ヒトCD154muCD8融合タンパク質、ANCELL社)を、種々の濃度でのリガンドの存在下において、2つのセル(参照及びリガンド)において、分析物として注入した。会合を調べるために、分析物の存在下で、流速を5分間にわたり10μL/分とし、次に、分析物不存在下において、条件を同様とし、解離を調べた。
セルを再生すために、(すなわち、非共有の方法で吸着されたすべてのタンパク質を除去する)、10mMHCl溶液を1分間にわたり5μL/分で注入する。その後、そのセルを新しい分析のために準備した。
【0092】
〔結果〕
CD40のCD40Lへの会合を、種々の濃度のL40又はL43リガンドの存在下において調べた。1μMにおいて、L40リガンドはCD40へのCD40Lの結合を100%阻害しており、同様の条件下においてL43リガンドはそれを30%阻害する。
【0093】
C.ビオチン化リガンドと膜性のCD40との間の相互作用の研究
〔原理〕
膜性のCD40とリガンドとの相互作用の直接分析は、リガンドのビオチン化で可能である。CD40へのこれらリガンドの結合は、ビオチンに特異的で高アフィニティーであるリガンドである、蛍光色素で標識されたストレプトアビジンを使用して発色される。目的は、モノクローナル抗CD40抗体と同様の方法での、特異的なリガンドを使用するCD40の検出である。これらの抗CD40抗体と同じエピトープを認識しない特異的なリガンドは、抗CD40抗体との共局在、すなわちCD40への特異性を確認するために、蛍光顕微鏡を使用する二重標識実験において、それらを使用することが可能である。
【0094】
〔操作方法〕
フローサイトメトリーにおいて、106細胞を100μLのリン酸緩衝液中の2.5μMのビオチン化リガンドと15分間、4℃でインキュベートする。その後、細胞を蛍光染色フルオレセインイソチオシアネートで標識されたストレプトアビジンの存在下におき、10分間にわたり4℃で100μLのリン酸緩衝液で500倍に希釈する。その後、その標識細胞を、フローサイトメトリーを使用し分析する。
蛍光顕微鏡分析又は共焦点顕微鏡分析において、106細胞を4℃で一晩リン酸緩衝液中の1%パラホルムアルデヒドで固定する。次の日、2.5μMビオチン化リガンド及び100倍希釈されたCD40に対するモノクローナルマウス抗体の存在下の1%ウシ血清アルブミンを含む100μLのリン酸緩衝液中で、30分間、4℃で置く。その後、500倍に希釈した蛍光色素Alexa546標識ストレプトアビジン及び500倍に希釈した蛍光色素Alexa488結合マウス抗体のFc部分に対するヤギ抗体を含む100μLのリン酸緩衝液/ウシ血清アルブミン中で、15分間、4℃インキュベートする。そのように標識された細胞を、その後、スライドとラメラとの間に配列する前に固定媒体に再懸濁し、顕微鏡下でそれらを観察した。
【0095】
〔結果〕
ビオチン化L41リガンドを、フローサイトメトリーを使用する標識に使用した。BL41細胞の膜性のCD40との相互作用は、サイトメーターのFL1チャネル中で検出される蛍光染色フルオレセインイソチオシアネート(FITC)で標識されたストレプトアビジンを使用し、検出される(図7A)。顕微鏡検査を使用する二重標識の結果は、標識はCD40に対する抗体のそれに対応するので、L41リガンドはCD40に特異的であることを示す(図7B)。
【0096】
《参考文献》
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
(式中、
− Yは大員環を表し、この環は9〜36の原子を含み、3つのアミン又はCOOH官能基により機能化され、
− Rcは式H−Xa−Xb−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−又はH−X’a−L−X’b−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−の基を表し、
●iは0又は1を表し、
●Xaは下記のアミノ酸残基から選択され、
− リジン;
− アルギニン;
− オルニチン;
− α位又はβ位で置換を有する、リジン、アルギニン又はオルニチンに対応するβ−アミノ酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− 4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4−(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●Xbは、下記のアミノ酸残基から選択され、
− グリシン;
− アスパラギン;
− D−アラニン;
− D−バリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換L−プロリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換D−プロリン;
− N−アルキル化された天然アミノ酸であり、アルキル基はメチル基、エチル基又はベンジル基;
− 下記の式で表される非環式ジアルキルアミノ酸
【化2】
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表す);
− 下記の式で表される環式ジアルキルアミノ酸
【化3】
(式中、kは1、2、3又は4を表す);
●Xcは下記のアミノ酸残基から選択され、
− チロシン;
− フェニルアラニン;
− 3−ニトロ−チロシン;
− 4−ヒドロキシメチル−フェニルアラニン;
− 3、5−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
− 2、6−ジメチル−チロシン;
− 3、4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン(DOPA);
●Xdは下記のアミノ酸残基から選択され、
− チロシン;
− フェニルアラニン;
− 3−ニトロ−チロシン;
− 4−ヒドロキシメチル−フェニルアラニン;
− 3、5−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
− 2、6−ジメチル−チロシン;
− 3、4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
●Xeは下記のアミノ酸残基から選択され、
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●Xfは下記のアミノ酸残基から選択され、
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●−L−は、X’aとX’bとの間のシュードペプチド結合を表し、特に下記のリストから選択され、
−L−は、
−Ψ(CH2CH2)−;−Ψ(CH(Fk)=CH(Fk’))−;−Ψ(CH2NH)−;−Ψ(NHCO)−;−Ψ(NHCONH)−;−Ψ(CO−O)−;−Ψ(CS−NH)−;−Ψ(CH(OH)−CH(OH))−;−Ψ(S−CH2)−;−Ψ(CH2−S)−;−Ψ(CH(CN)−CH2)−;−Ψ(CH(OH))−;−Ψ(COCH2)−;−Ψ(CH(OH)CH2)−;−Ψ(CH(OH)CH2NH)−;−Ψ(CH2)−;−Ψ(CH(Fk))−;−Ψ(CH2O)−;−Ψ(CH2−NHCONH)−;−Ψ(CH(Fk)NHCONFk’)−;−Ψ(CH2−CONH)−;−Ψ(CH(Fk)CONH)−;−Ψ(CH(Fk)CH(Fk’)CONH)−;
又は−Ψ(CH2N)−;−Ψ(NHCON)−;−Ψ(CS−N)−;−Ψ(CH(OH)CH2N)−;−Ψ(CH2−NHCON)−;−Ψ(CH2−CON)−;−Ψ(CH(Fk)CON)−;−Ψ(CH(Fk)CH(Fk’)CON)−であり、ここでX’bはプロリンの側鎖を表すものとし、
Fk及びFk’は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン基、1〜20の炭素原子のアルキル基、又は5〜20の炭素原子を含む環式構造のアリール基を表し、
●X’aはリジン、アルギニン又はオルニチンの側鎖を表し、及び
●X’bは下記のアミノ酸残基の1つの側鎖を表し、
− グリシン;
− アスパラギン;
− D−アラニン;
− D−バリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換L−プロリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換D−プロリン;
− N−アルキル化された天然アミノ酸であり、アルキル基がメチル基、エチル基又はベンジル基;
− 下記の式で表される非環式ジアルキルアミノ酸
【化4】
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表す);
− 下記の式で表される環式ジアルキルアミノ酸
【化5】
(式中、kは1、2、3又は4を表す);
但し、アミノ酸残基Xa、Xb、Xc及びXdのうちの少なくとも1つが、天然のCD40Lの143Lys−Gly−Tyr−Tyr146断片の配列において対応するアミノ酸とは異なる)
で表される化合物。
【請求項2】
Xaがリジン残基ではないこと、及び/又はXbがグリシン残基ではないことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xaがリジン残基ではないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
Xbがグリシン残基ではないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
Xaがリジン残基ではないこと、及びXbがグリシン残基ではないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
ビオチンで標識された、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Yは下記の式(II)
【化6】
(式中、
− jは0又は1;
− Aは下記のいずれかから選択されるアミノ酸残基又はアミノ酸誘導体を表し、
【化7】
・nは0、1、2又は3を表し;
・pは0、1、2又は3を表し;
・EはNH又はOを表し;
− B1はアミノ酸残基又は下記から独立に選択されるアミノ酸誘導体であり、
【化8】
・nは0、1、2又は3を表し;
・pは0、1、2又は3を表し;
・EはNH又はOを表し;
・Raは、C1−C8アルキル化された、プロテイノジェニックアミノ酸の鎖を表し;
− B2はB1と同一であることができるか、又は下記の基から独立に選択され、
【化9】
・nは0、1、2又は3を表し;
・pは0、1、2又は3を表し;
・EはNH又はOを表し;
・Raは、C1−C8アルキル化された、プロテイノジェニックアミノ酸の鎖を表し;
・Dは下記の基の1つを表し、
(+)−ビオチニル−、(+)−ビオチニル−Xg−、HS−(CH2)q−CO−、Pys−S−(CH2)q−CO−、Npys−S−(CH2)q−CO−、HS−(CH2)q−CO−Xg−、Pys−S−(CH2)q−CO−Xg−、Npys−S−(CH2)q−CO−Xg−
qは2〜6の整数を表し;
Xgは下記の基の1つの残基に対応し、
−NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
−NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
トラネキサム酸;
N−メチル−トラネキサム酸;
4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
N−(4−アミノブチル)−グリシン;
4−カルボキシメチル−ピペラジン;
4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
4−アミノフェニル酢酸;
4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
4−アミノ安息香酸;
4(2−アミノエトキシ)安息香酸)
で表されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
下記の式
【化10】
(式中、
Ra、Rc及びpは請求項1〜7のいずれか一項において定義されている)
の1つに対応する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
下記の式(III−a)
【化11】
に対応する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
下記の式(V−a)
【化12】
に対応する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
下記の式
【化13】
(式中、
Rcは請求項1において定義されている)
に対応する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
Rcが、
H−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−又は、
Ahx−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−又は、
H−Lys−Ψ(CH2N)−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−(式中、−Ψ(CH2N)−はメチレンアミノ型のシュードペプチド結合を表す)又は、
H−Lys−Gly−DOPA−Tyr−NH−(CH2)5−CO−である、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
下記の式
【化14】
【化15】
で表される1つに対応する、請求項1〜10及び12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
下記の式
【化16】
【化17】
で表される1つに対応する、請求項1〜8、11及び12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
薬学的に許容可能なベクターと組み合わせて、活性成分として、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項16】
薬学的に許容可能なアジュバントと組み合わせて、活性成分として、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物を含むことを特徴とするワクチン組成物。
【請求項17】
免疫応答の抑制又は活性化を含む病状の治療を意図する医薬の製造のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項18】
免疫応答の抑制を含む病状、例えば組織不適合、アレルギー疾患又は自己免疫疾患の治療を意図する医薬の製造のための、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
免疫応答を高めることを含む病状、例えば癌、又は寄生性感染、細菌性感染、ウィルス性感染、又はプリオン等の非従来的な感染体に関連する感染の治療を意図する医薬の製造のための、請求項17に記載の使用。
【請求項20】
機能化されたリガンドの製造又はCD40の製造のための、請求項6に記載の化合物の使用。
【請求項21】
− 請求項1で定義されたYのリニアー前駆体の形成工程であって、前駆体がN−保護アミノ酸残基(それらの3つは、アミン型のRa基を有し、Ra基は請求項7で定義されている)と成長ペプチド鎖のアミン官能基との間の結合、及び脱保護の連続サイクルによって合成され、最初のアミノ酸残基が固体支持体に付着している、成長ペプチド鎖を形成するアミノ酸の連鎖形成により構成される形成工程、
− 前記Yの保護リニアーの前駆体の環化工程、
− 前記保護アミン官能基を遊離するための、前記保護用の基の開裂工程、
− 前記遊離されたアミン官能基の、請求項1で定義されたRc基に対応するアミノ酸配列の連続のアッセンブリーにより、既に形成されているか、又はインサイチューで形成されるペプチドへの連結工程、
− 前記Rc基の官能化された側鎖に存在する全ての保護基の削除の後に、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物を得るための、前記固体支持体からの分子の開裂工程、
を含むことを特徴とする、固体支持体上における、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物の製造方法。
【請求項1】
式(I)
【化1】
(式中、
− Yは大員環を表し、この環は9〜36の原子を含み、3つのアミン又はCOOH官能基により機能化され、
− Rcは式H−Xa−Xb−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−又はH−X’a−L−X’b−Xc−Xd−Xe−(Xf)i−の基を表し、
●iは0又は1を表し、
●Xaは下記のアミノ酸残基から選択され、
− リジン;
− アルギニン;
− オルニチン;
− α位又はβ位で置換を有する、リジン、アルギニン又はオルニチンに対応するβ−アミノ酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− 4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4−(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●Xbは、下記のアミノ酸残基から選択され、
− グリシン;
− アスパラギン;
− D−アラニン;
− D−バリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換L−プロリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換D−プロリン;
− N−アルキル化された天然アミノ酸であり、アルキル基はメチル基、エチル基又はベンジル基;
− 下記の式で表される非環式ジアルキルアミノ酸
【化2】
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表す);
− 下記の式で表される環式ジアルキルアミノ酸
【化3】
(式中、kは1、2、3又は4を表す);
●Xcは下記のアミノ酸残基から選択され、
− チロシン;
− フェニルアラニン;
− 3−ニトロ−チロシン;
− 4−ヒドロキシメチル−フェニルアラニン;
− 3、5−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
− 2、6−ジメチル−チロシン;
− 3、4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン(DOPA);
●Xdは下記のアミノ酸残基から選択され、
− チロシン;
− フェニルアラニン;
− 3−ニトロ−チロシン;
− 4−ヒドロキシメチル−フェニルアラニン;
− 3、5−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
− 2、6−ジメチル−チロシン;
− 3、4−ジヒドロキシ−フェニルアラニン;
●Xeは下記のアミノ酸残基から選択され、
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●Xfは下記のアミノ酸残基から選択され、
− NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
− NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
− 8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
− トラネキサム酸;
− N−メチル−トラネキサム酸;
− 4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
− 3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
− N−(4−アミノブチル)−グリシン;
− 4−カルボキシメチル−ピペラジン;
− 4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
− 3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
− 4−アミノフェニル酢酸;
− 4−(2アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
− トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
− シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
− 4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
− 4−アミノ安息香酸;
− 4(2−アミノエトキシ)安息香酸;
●−L−は、X’aとX’bとの間のシュードペプチド結合を表し、特に下記のリストから選択され、
−L−は、
−Ψ(CH2CH2)−;−Ψ(CH(Fk)=CH(Fk’))−;−Ψ(CH2NH)−;−Ψ(NHCO)−;−Ψ(NHCONH)−;−Ψ(CO−O)−;−Ψ(CS−NH)−;−Ψ(CH(OH)−CH(OH))−;−Ψ(S−CH2)−;−Ψ(CH2−S)−;−Ψ(CH(CN)−CH2)−;−Ψ(CH(OH))−;−Ψ(COCH2)−;−Ψ(CH(OH)CH2)−;−Ψ(CH(OH)CH2NH)−;−Ψ(CH2)−;−Ψ(CH(Fk))−;−Ψ(CH2O)−;−Ψ(CH2−NHCONH)−;−Ψ(CH(Fk)NHCONFk’)−;−Ψ(CH2−CONH)−;−Ψ(CH(Fk)CONH)−;−Ψ(CH(Fk)CH(Fk’)CONH)−;
又は−Ψ(CH2N)−;−Ψ(NHCON)−;−Ψ(CS−N)−;−Ψ(CH(OH)CH2N)−;−Ψ(CH2−NHCON)−;−Ψ(CH2−CON)−;−Ψ(CH(Fk)CON)−;−Ψ(CH(Fk)CH(Fk’)CON)−であり、ここでX’bはプロリンの側鎖を表すものとし、
Fk及びFk’は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン基、1〜20の炭素原子のアルキル基、又は5〜20の炭素原子を含む環式構造のアリール基を表し、
●X’aはリジン、アルギニン又はオルニチンの側鎖を表し、及び
●X’bは下記のアミノ酸残基の1つの側鎖を表し、
− グリシン;
− アスパラギン;
− D−アラニン;
− D−バリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換L−プロリン;
− β位、γ位又はδ位における置換又は非置換D−プロリン;
− N−アルキル化された天然アミノ酸であり、アルキル基がメチル基、エチル基又はベンジル基;
− 下記の式で表される非環式ジアルキルアミノ酸
【化4】
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表す);
− 下記の式で表される環式ジアルキルアミノ酸
【化5】
(式中、kは1、2、3又は4を表す);
但し、アミノ酸残基Xa、Xb、Xc及びXdのうちの少なくとも1つが、天然のCD40Lの143Lys−Gly−Tyr−Tyr146断片の配列において対応するアミノ酸とは異なる)
で表される化合物。
【請求項2】
Xaがリジン残基ではないこと、及び/又はXbがグリシン残基ではないことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xaがリジン残基ではないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
Xbがグリシン残基ではないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
Xaがリジン残基ではないこと、及びXbがグリシン残基ではないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
ビオチンで標識された、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Yは下記の式(II)
【化6】
(式中、
− jは0又は1;
− Aは下記のいずれかから選択されるアミノ酸残基又はアミノ酸誘導体を表し、
【化7】
・nは0、1、2又は3を表し;
・pは0、1、2又は3を表し;
・EはNH又はOを表し;
− B1はアミノ酸残基又は下記から独立に選択されるアミノ酸誘導体であり、
【化8】
・nは0、1、2又は3を表し;
・pは0、1、2又は3を表し;
・EはNH又はOを表し;
・Raは、C1−C8アルキル化された、プロテイノジェニックアミノ酸の鎖を表し;
− B2はB1と同一であることができるか、又は下記の基から独立に選択され、
【化9】
・nは0、1、2又は3を表し;
・pは0、1、2又は3を表し;
・EはNH又はOを表し;
・Raは、C1−C8アルキル化された、プロテイノジェニックアミノ酸の鎖を表し;
・Dは下記の基の1つを表し、
(+)−ビオチニル−、(+)−ビオチニル−Xg−、HS−(CH2)q−CO−、Pys−S−(CH2)q−CO−、Npys−S−(CH2)q−CO−、HS−(CH2)q−CO−Xg−、Pys−S−(CH2)q−CO−Xg−、Npys−S−(CH2)q−CO−Xg−
qは2〜6の整数を表し;
Xgは下記の基の1つの残基に対応し、
−NH2−(CH2)n−COOH、nは1から10まで変化する;
−NH2−(CH2−CH2−O)m−CH2CH2COOH、mは3から6まで変化する;
8−アミノ−3、6−ジオキサオクタン酸;
トラネキサム酸;
N−メチル−トラネキサム酸;
4(ピペリジン−4−イル)ブタン酸;
3(ピペリジン−4−イル)プロピオン酸;
N−(4−アミノブチル)−グリシン;
4−カルボキシメチル−ピペラジン;
4−(4−アミノフェニル)ブタン酸;
3−(4−アミノフェニル)プロパン酸;
4−アミノフェニル酢酸;
4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸;
シス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
トランス−4−アミノシクロヘキサン酢酸;
4−アミノ−1−カルボキシメチルピペリジン;
4−アミノ安息香酸;
4(2−アミノエトキシ)安息香酸)
で表されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
下記の式
【化10】
(式中、
Ra、Rc及びpは請求項1〜7のいずれか一項において定義されている)
の1つに対応する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
下記の式(III−a)
【化11】
に対応する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
下記の式(V−a)
【化12】
に対応する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
下記の式
【化13】
(式中、
Rcは請求項1において定義されている)
に対応する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
Rcが、
H−Lys−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−又は、
Ahx−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−又は、
H−Lys−Ψ(CH2N)−(D)Pro−Tyr−Tyr−NH−(CH2)5−CO−(式中、−Ψ(CH2N)−はメチレンアミノ型のシュードペプチド結合を表す)又は、
H−Lys−Gly−DOPA−Tyr−NH−(CH2)5−CO−である、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
下記の式
【化14】
【化15】
で表される1つに対応する、請求項1〜10及び12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
下記の式
【化16】
【化17】
で表される1つに対応する、請求項1〜8、11及び12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
薬学的に許容可能なベクターと組み合わせて、活性成分として、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項16】
薬学的に許容可能なアジュバントと組み合わせて、活性成分として、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物を含むことを特徴とするワクチン組成物。
【請求項17】
免疫応答の抑制又は活性化を含む病状の治療を意図する医薬の製造のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項18】
免疫応答の抑制を含む病状、例えば組織不適合、アレルギー疾患又は自己免疫疾患の治療を意図する医薬の製造のための、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
免疫応答を高めることを含む病状、例えば癌、又は寄生性感染、細菌性感染、ウィルス性感染、又はプリオン等の非従来的な感染体に関連する感染の治療を意図する医薬の製造のための、請求項17に記載の使用。
【請求項20】
機能化されたリガンドの製造又はCD40の製造のための、請求項6に記載の化合物の使用。
【請求項21】
− 請求項1で定義されたYのリニアー前駆体の形成工程であって、前駆体がN−保護アミノ酸残基(それらの3つは、アミン型のRa基を有し、Ra基は請求項7で定義されている)と成長ペプチド鎖のアミン官能基との間の結合、及び脱保護の連続サイクルによって合成され、最初のアミノ酸残基が固体支持体に付着している、成長ペプチド鎖を形成するアミノ酸の連鎖形成により構成される形成工程、
− 前記Yの保護リニアーの前駆体の環化工程、
− 前記保護アミン官能基を遊離するための、前記保護用の基の開裂工程、
− 前記遊離されたアミン官能基の、請求項1で定義されたRc基に対応するアミノ酸配列の連続のアッセンブリーにより、既に形成されているか、又はインサイチューで形成されるペプチドへの連結工程、
− 前記Rc基の官能化された側鎖に存在する全ての保護基の削除の後に、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物を得るための、前記固体支持体からの分子の開裂工程、
を含むことを特徴とする、固体支持体上における、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【公表番号】特表2008−524173(P2008−524173A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546116(P2007−546116)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【国際出願番号】PCT/FR2005/003146
【国際公開番号】WO2006/064133
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(505409247)サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェ シアンティフィク (16)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【国際出願番号】PCT/FR2005/003146
【国際公開番号】WO2006/064133
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(505409247)サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェ シアンティフィク (16)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE
【Fターム(参考)】
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