説明

新規な安息香酸ピロロピリジン誘導体

【課題】新規な安息香酸ピロロピリジン誘導体の提供。
【解決手段】本発明は、式(I):
[化1]


(式中、A、Cy、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は明細書中と同義である)で表される化合物に関する。本発明の化合物は、NURR−1核内受容体モジュレータである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なピロロピリジン化合物、特に安息香酸ピロロピリジン誘導体に関するものであり、さらに、該化合物の製造方法、及び、医薬品、特にNURR−1核内受容体が関与する疾患の治療及び/又は予防を目的とした医薬品の有効成分としての該化合物の使用に関する。更に具体的には、本発明は、神経変性疾患、特にパーキンソン病の治療及び/又は予防を目的とした医薬品を製造するための該化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
神経変性疾患は、神経系の進行性機能障害を特徴とする疾患と定義される。これらの疾患は、多くの場合、罹患した中枢/末梢神経系構造の萎縮を伴う。例として、特に、アルツハイマー病、クロイツフェルト・ヤコブ病、ハンチントン病、パーキンソン病、ライソゾーム病、進行性核上性麻痺、多発性硬化症及び筋萎縮性側索硬化症等が挙げられる。これらの神経変性疾患のなかでも、パーキンソン病は世界中で約400万人もの患者が存在する疾患である。どの年代の人でも罹患しているが、年配の人により多く見られる(65歳以上の人口の2%がこの疾患を罹患している)。この疾患の特徴は、黒質に存在するドーパミン作動性ニューロンが神経変性することである。この種のニューロンはドーパミンを合成し、それを神経伝達物質として使用する。
【0003】
これまでに、ドーパミンの欠乏と神経障害とが関連していることが証明されている。ドーパミンは、随意運動の制御、認知機能、及び、感情に関する行動の発達において中心的な役割を果たしている。
【0004】
現在行われているパーキンソン病の基本的な治療戦略は、L−DOPA等の代謝前駆体を投与してドーパミンの欠乏を補い、症状を緩和するというものである。
【0005】
しかしながら、この病変の発生頻度が近年増加していることから、神経の生存及び分化に利益をもたらすような新しい治療薬の開発が求められている。
【0006】
この開発において、パーキンソン病の原因に関与する核内受容体を活性化できる化合物が同定された。
【0007】
オーファン核内受容体スーパーファミリーのメンバーであるNURR−1転写因子は、脳内で高度に発現するが、中脳におけるドーパミン作動性ニューロンの発生や維持に不可欠な役割を果たすことが確認されている(非特許文献1)。
【0008】
NURR−1核内受容体は、ドーパミン作動性(DA)ニューロンの特定の遺伝子を制御することで、ドーパミン作動性表現型の維持に関与する。また、DAニューロンを毒性攻撃から保護することで、その生存を促進している。従って、NURR−1核内受容体はドーパミン作動性ニューロンの特異的転写因子として機能するものであり、その活性を制御すれば、パーキンソン病におけるドーパミン作動性神経伝達が変調し得る。
【0009】
この受容体は、単量体、ホモ二量体、又は、RXR(レチノイドX受容体)とのヘテロ二量体の形態でDNAに結合する。RXRとは、核内受容体ファミリーの他の多くのメンバーのヘテロパートナーとなる核内受容体である。RXRは、脂質及びグルコースの代謝、発生、分化などといった多くの生理学的過程に関わっている。このように、NURR−1はRXRのα及びγアイソフォームと相互作用する。RXRαは遍在的に発現しているが、RXRγは主に脳内、特に線条体、視床下部及び下垂体に集中的に発現している。
【0010】
形成されたNURR−1/RXRα複合体及びNURR−1/RXRγ複合体は、RXRのリガンドに応答して転写を制御できる。従って、RXRは、NURR−1の転写の活性化を促進方向に調節できる。
【0011】
故に、NURR−1/RXRα複合体及びNURR−1/RXRγ複合体を活性化できる化合物を同定することで、パーキンソン病治療の新たな手段を提供できるはずである。
【0012】
特許文献1には、パーキンソン病の治療に有効な複素環式化合物が記載されている。特許文献2には、PPAR受容体に対して親和性を有する複素環式化合物が記載されている。
【0013】
さらに、特許文献3、特許文献4及び特許文献5には、NURR−1受容体の活性化剤である化合物が記載され、特許文献6には、NGFI−Bファミリー(そのメンバーの1つがNURR−1)に属する受容体の活性を調節できる複素環式化合物の使用が記載されている。
【0014】
特許文献7には、第Xa因子阻害剤としての複素環式化合物が記載されている。特許文献8及び特許文献9には、他の複素環式化合物が5−HT6受容体モジュレータとして記載されている。
【0015】
非特許文献2には、以下の1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン誘導体が記載されている。
・2−[[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]カルボニル]安息香酸;
・N,N−ジエチル−4−[ヒドロキシ[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−2−メトキシ−3−ピリジンカルボキサミド;
・N,N−ジエチル−2−メトキシ−4−[[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]カルボニル]−3−ピリジンカルボキサミド;及び
・N,N−ジエチル−4−[1−ヒドロキシ−1−[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]エチル]−2−メトキシ−3−ピリジンカルボキサミド。
これらの化合物は、四環式ポリアザ環状化合物の合成における中間体である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開第2003/015780号
【特許文献2】国際公開第2005/009958号
【特許文献3】仏国特許出願公開第2903105号明細書
【特許文献4】仏国特許出願公開第2903106号明細書
【特許文献5】仏国特許出願公開第2903107号明細書
【特許文献6】国際公開第2005/047268号
【特許文献7】国際公開第98/25611号
【特許文献8】国際公開第2008/101247号
【特許文献9】国際公開第2010/002802号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Zetterstrom et al.,1997,Science,276,(5310):248−50
【非特許文献2】Tetrahedron,vol.53,No.10,pp.3637−3648,1997
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
第一の態様によれば、本発明は、NURR−1/RXRαアゴニスト及びNURR−1/RXRγアゴニストであって、パーキンソン病にみられる神経変性を抑制できる新規なピロロピリジン化合物に関し、該化合物は以下より選択される。
(i)式(I):
【0019】
【化1】

【0020】
(式中、1つのA基は窒素原子、残りのA基は炭素原子であり;Cyは、フェニル基又は5〜6員複素芳香族環であり;R1は、水素原子、ハロゲン原子、全部若しくは一部がハロゲン化されていてもよいC−Cアルキル基、又は、C−Cアルコキシ基であり;R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、水酸基又はC−Cアルコキシ基であり;R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−Cアルキル基若しくは水酸基であるか、又は、R4及びR5は、それらが結合した炭素原子と共にエチレン基(C=CH)若しくはカルボニル基(C=O)を形成し;R6は、−COOR9基、又は、カルボン酸の生物学的等価基、好ましくは−COOR9基であり;R7は、C−Cアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又は、C−Cアルキル基で置換されていてもよい6〜10員複素芳香族環であり;R8は、水素原子、C−Cアルキル基又はハロゲン原子であり;R9は、水素原子又はC−Cアルキル基である)で表される化合物、及び、
(ii)該式(I)で表される化合物の医薬的に許容される塩。
【0021】
第二の態様によれば、本発明は、治療上有効な成分として使用される、特に神経変性疾患、なかでもパーキンソン病の治療及び/又は予防において治療上有効な成分として使用される上記化合物に関するものであり、さらに、該化合物を含有する医薬組成物に関する。
【0022】
第三の態様によれば、本発明は、NURR−1受容体が関与する疾患、特に神経変性疾患、なかでもパーキンソン病等の治療を目的とした医薬品を製造するための、有効成分としての少なくとも1つの式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の使用に関する。
【0023】
第四の態様によれば、本発明は、NURR−1受容体が関与する疾患、特に神経変性疾患、なかでもパーキンソン病を予防及び/又は治療する方法であって、式(I)の化合物若しくは該化合物の医薬的に許容される塩、又は、そのような化合物を含有する医薬組成物を治療上有効な量で投与を必要とする患者に投与する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
「アルキル基」とは、直鎖でも分枝状でもよい飽和炭化水素鎖を意味する。炭素原子を1〜6個有するアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、1−メチルエチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、1−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
「ハロゲン」とは、臭素、フッ素又は塩素原子を意味する。
【0026】
「全部若しくは一部がハロゲン化されたアルキル基」とは、上記と同義のアルキル基の1以上の水素原子が1以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
【0027】
「アルコキシ基」とは、OR基(Rは、上記と同義のアルキル基)を意味する。炭素原子を1〜4個有するアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、1−メチルエトキシ、1,1−ジメチルエトキシ、1−メチルプロポキシ、2−メチルプロポキシ基等が挙げられる。
【0028】
「5〜6員複素芳香族環」とは、窒素、酸素及び硫黄から選択されるヘテロ原子を1〜3個、好ましくは1〜2個有する芳香族の単環を意味する。例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル基等が挙げられる。
【0029】
「6〜10員複素芳香族環」とは、窒素、酸素及び硫黄から選択されるヘテロ原子を1〜4個、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個有する不飽和又は一部不飽和の単環又は二環式基を意味しており、該基は、C−Cアルキル基で置換されていてもよい。例としては、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、1,2,3,4−イソキノリニル、キノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラジニル、インドリル、2,3−ジヒドロインドリル、ベンゾフリル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、3,4−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサジニル、1,3−ベンゾジオキソリル、2,3−ジヒドロベンゾジオキシニル、イミダゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル基等が挙げられる。
【0030】
「カルボン酸の生物学的等価基」とは、化学的及び物理的類似性を示し、且つ、カルボキシル基と概ね類似した生物学的性質を生み出す基を意味しており、例えば、Lipinski,Annual Reports in Medicinal Chemistry,1986,21,p.283,“Bioisosterism In Drug Design”;Graham,Theochem.,1995,343,pp.105−109,“Theoretical Studies Applied To Drug Design:ab initio Electronic Distributions In Bioisosteres”等に記載されている。
【0031】
カルボン酸の生物学的等価基としては、置換されていてもよいアシルヒドラジン、置換されていてもよいアシルヒドラジンカルボキシレート、置換されていてもよいアルキル及びアリールスルホニルカルバモイル、カルボキサミド、置換されていてもよいスルホンアミド、オキサジアゾロン、置換されていてもよいホスホネート、置換されていてもよいイソチアゾール、置換されていてもよいイソオキサゾール、置換されていてもよいイソオキサゾロン、テトラゾール、置換されていてもよいチアゾリジンジオン、置換されていてもよいチオキソチアゾリジノン基等が挙げられる。上記カルボン酸の生物学的等価基は、−SONHR10基、−CONHNHCOOR11基、−CONR12R13基及び−CONHSOR14基(式中、R10、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子又はC−Cアルキル基)から選択されることが有利であり、−CONR12R13基及び−CONHSOR14基から選択されることが好ましい。カルボン酸の生物学的等価基は、下記基:
【0032】
【化2】

【0033】
(式中、「*」はCy環に結合する位置を示す)から選択してもよい。
【0034】
置換基R4及びR5が異なる式(I)の化合物は、不斉中心を有する。これらの化合物について、本発明は、そのラセミ化合物、及び、別々なものとした各光学異性体の両方を包含する。
【0035】
R6がCOOH基である式(I)の化合物は、遊離酸又は塩として使用できるカルボン酸であり、そのような塩は、該酸と、非毒性の、好ましくは医薬的に許容される、無機又は有機塩基とを化合させて得られる。無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムの水酸化物等が挙げられる。有機塩基としては、例えば、アミン、アミノアルコール、リシンやアルギニン等の塩基性アミノ酸、及び、ベタインやコリン等の四級アンモニウム官能基含有化合物等が挙げられる。式(I)に係る酸と無機又は有機塩基との塩は、当業者に周知の方法によって従来通り得ることができる。例えば、R6=COOHである式(I)の酸と塩基を化学量論量ずつ、水や水/アルコール混合物等の溶媒中で混合し、得られた溶液を凍結乾燥することで得られる。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、本発明は、以下の化合物を除いた式(I)の化合物に関する。
・2−[[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]カルボニル]安息香酸;
・N,N−ジエチル−4−[ヒドロキシ[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−2−メトキシ−3−ピリジンカルボキサミド;
・N,N−ジエチル−2−メトキシ−4−[[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]カルボニル]−3−ピリジンカルボキサミド;及び
・N,N−ジエチル−4−[1−ヒドロキシ−1−[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]エチル]−2−メトキシ−3−ピリジンカルボキサミド。
【0037】
本発明に係る化合物の好ましい一群は、R1がハロゲン原子、又は、全部若しくは一部がハロゲン化されていてもよいC−Cアルキル基であり、及び/又は、R8が水素原子である式(I)に相当する。
【0038】
本発明に係る化合物の別の好ましい一群は、
Cyがフェニル基又は5〜6員複素芳香族環であり;
R1がハロゲン原子、又は、全部若しくは一部がハロゲン化されていてもよいC−Cアルキル基であり;
R2及びR3が、それぞれ独立に、水素原子又はハロゲン原子であり;
R4及びR5が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子若しくは水酸基であるか、又は、R4及びR5が、それらが結合した炭素原子と共にカルボニル基(C=O)を形成し;
R6が−COOR9基であり;
R7が、C−Cアルキル基で置換されていてもよいフェニル基であり;
R8が水素原子であり;
R9が水素原子又はC−Cアルキル基である式(I)に相当する。
【0039】
この一群の中でも、R4及びR5が、それぞれ独立に、水素原子又は水酸基である式(I)の化合物が好ましい。
【0040】
上記化合物の中でも、以下の条件を少なくとも1つ満たすものが好ましい。
・Cyがフェニル基、チエニル基、チアゾリル基、フリル基又はピリジル基、好ましくはフェニル基又はチエニル基である;
・R2及びR3が、それぞれ水素原子である;
・R4及びR5が、それぞれ水素原子である。
【0041】
極めて特に好ましい化合物としては、以下のものが挙げられる。
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]−チオフェン−2−カルボン酸、
3−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−2−安息香酸、
2−クロロ−4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−フラン−3−カルボン酸、
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−ピリジン−3−カルボン酸、
4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−チオフェン−2−カルボン酸、
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−2−フルオロ−安息香酸、
2−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]−チアゾール−4−カルボン酸、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[3−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸、
4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−{ヒドロキシ−[1−(3−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メチル}−安息香酸メチル、
4−[1−(3−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[3−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−{ヒドロキシ−[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メチル}−安息香酸メチル、
4−[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−{ヒドロキシ−[5−クロロ−1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メチル}−安息香酸メチル、
4−[5−クロロ−1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ−[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
5−{ヒドロキシ[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル}チオフェン−2−カルボン酸、
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]フルオロメチル]−N,N−ジエチル−2−チオフェンカルボキサミド、
5−{1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボニル}チオフェン−2−カルボン酸、
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸のナトリウム塩、
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸のピペラジン塩、
4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−3−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸、
5−[[1−[[4−(1,1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]チオフェン−2−カルボン酸、
N−{4−[1−(3−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]ベンゾイル}メタンスルホンアミド。
【0042】
調製例及び実施例も含め、以下の合成例により、式(I)に係る化合物の製造方法を説明する。これらの合成例において、置換基A、Cy、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、特に記載のない限り、式(I)の化合物について上述した意味である。
【0043】
第一の実施形態によれば、以下に記載したスキーム1によって、R4がH、OH又はC−Cアルキル基であり、R5がHである式(I)の化合物が製造できる。
【0044】
【化3】

【0045】
工程(a)
LGが好ましくはヨウ素である式(II)のアミンをピリジン等の好適な塩基の存在下、室温で約2〜24時間、スルホニルクロリド(R7SOCl)と反応させる。こうして得られた反応媒質をジオキサン等の好適な溶媒中、室温〜溶媒還流温度で約1〜6時間、水酸化カリウム等の好適な塩基と反応させる。このようにして、式(III)の化合物が得られる。
【0046】
工程(b)
ヨウ化銅と、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド等のパラジウム系触媒との存在下、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の好適な溶媒中で式(III)の化合物を2−プロピン−1−オールと反応させる。次に、ジエチルアミンやトリエチルアミン等の好適な塩基を加え、反応混合物を室温〜溶媒還流温度で約1〜6時間加熱する。一変形例によれば、上記加熱は電子レンジで約5〜30分間行ってもよい。このようにして、R8が水素原子である式(IV)の化合物が得られる。
【0047】
工程(b’)
酢酸パラジウム等のパラジウム系触媒と塩化リチウムとの存在下、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の好適な溶媒中で式(III)の化合物を式(XXII)のアルキンと反応させる。次に、炭酸カリウム等の好適な塩基を加え、反応混合物を室温〜溶媒還流温度で約1〜24時間加熱する。一変形例によれば、上記加熱は電子レンジで約5〜30分間行ってもよい。このようにして、R8がC−Cアルキル基である式(IV’)の化合物が得られる。
【0048】
工程(c)
式(IV)又は式(IV’)の化合物をジクロロメタン(DCM)等の好適な溶媒中、0℃又は室温で約1時間〜4日間、三臭化リン等の臭素源と反応させる。あるいは、同化合物をアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の存在下、還流四塩化炭素等の好適な溶媒中で24時間、N−ブロモスクシンイミド(NBS)と反応させる。このようにして、式(V)の化合物が得られる。
【0049】
工程(d)
エタノール/ジオキサン混合物等の好適な溶媒に溶解した式(V)の化合物を、Pd(dppf)Cl・CHCl錯体等のパラジウム系触媒と、炭酸カリウム等の好適な塩基との存在下、式:(HO)B−Cy(R2,R3)−R6で表される化合物と反応させ、反応混合物を室温〜溶媒還流温度で約1〜6時間加熱する。一変形例によれば、上記加熱は電子レンジで約5〜30分間行ってもよい。このようにして、式(I)の化合物が得られる。必要に応じて(R6=COOR9基及びR9=C−Cアルキル基の場合)、式(I)の化合物のエステル官能基を、当業者に周知の手順に従って、水酸化リチウム等の無機塩基の作用などを介して加水分解すると、R6=COOHの式(I)の化合物が得られる。
【0050】
第二の実施形態によれば、スキーム2に記載されるように、R4及びR5がHである式(I)の化合物を製造できる。
【0051】
【化4】

【0052】
工程(e)
式(VI)の化合物を、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)等の好適な塩基の存在下、室温で約1〜6時間、シュウ酸ジエチルと反応させる。必要に応じて、得られた化合物をアセトニトリル等の好適な溶媒中、0〜50℃で約1〜96時間、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)等のハロゲン化剤と反応させる。このようにして、式(VII)の化合物が得られる。
【0053】
工程(f)
式(VII)の化合物をテトラヒドロフラン(THF)等の好適な溶媒中、室温で約1〜6時間、水素化ナトリウム等の好適な塩基で処理し、続いて、室温で約2〜24時間、スルホニルクロリド(R7SOCl)と反応させる。このようにして、式(VIII)の化合物が得られる。
【0054】
工程(g)
式(VIII)の化合物をトルエン等の好適な溶媒中、約−78℃〜室温で約1〜24時間、DIBAL−HやLiAlH等の好適な還元剤で処理する。このようにして、式(IV)の化合物が得られる。
【0055】
工程(c)
本工程はスキーム1に記載の工程(c)と同様であり、式(V)の化合物が製造される。
【0056】
工程(d)
本工程はスキーム1に記載の工程(d)と同様であり、式(I)の化合物が製造される。必要に応じて(R6=COOR9基及びR9=C−Cアルキル基の場合)、式(I)の化合物のエステル官能基を、当業者に周知の手順に従って、水酸化リチウム等の無機塩基の作用などを介して加水分解すると、R6=COOHの式(I)の化合物が得られる。
【0057】
第三の実施形態によれば、スキーム3に記載されるように、R2、R3、R4、R5及びR8がHであり、Cyがチアゾリル基であり、R6がCOOHである式(I)の化合物を製造できる。
【0058】
【化5】

【0059】
工程(a)
本工程はスキーム1に記載の工程(a)と同様であり、式(III)の化合物が製造される。
【0060】
工程(b)
本工程はスキーム1に記載の工程(b)と同様であり、式(IV)の化合物が製造される。
【0061】
工程(c)
本工程はスキーム1に記載の工程(c)と同様であり、式(V)の化合物が製造される。
【0062】
工程(h)
式(V)の化合物をテトラブチルアンモニウムブロミド等の相間移動触媒の存在下、DCM等の好適な溶媒中、室温で約1〜4日間、シアン化カリウムと反応させる。このようにして、式(IX)の化合物が得られる。
【0063】
工程(i)
THF/水混合物等の好適な溶媒に溶解した式(IX)の化合物を約80〜120℃で約1〜6時間、ジエチルジチオホスフェートと反応させる。このようにして、式(X)の化合物が得られる。
【0064】
工程(j)
式(X)の化合物をエタノール等の好適な溶媒中、室温で約12〜36時間、ブロモピルビン酸と反応させる。このようにして、式(I)の化合物が得られる。
【0065】
第四の実施形態によれば、スキーム4に記載されるように、R4及びR8がHであり、Cyがフェニル基である式(I)の化合物を製造できる。
【0066】
【化6】

【0067】
工程(a)
本工程はスキーム1に記載の工程(a)と同様であり、式(III)の化合物が製造される。
【0068】
工程(k)
トリエチルシラン等のトリアルキルシランと、必要に応じてトリフルオロ酢酸等の触媒量の酸との存在下、DCM等の好適な溶媒中、室温で約4〜8日間、式(XV)のアセチレン誘導体を還元する。このようにして、式(XIV)の化合物が得られる。
【0069】
工程(l)
ヨウ化銅と、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド等のパラジウム系触媒との存在下、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の好適な溶媒中で式(III)の化合物と式(XIV)の化合物を反応させる。次に、ジエチルアミンやトリエチルアミン等の好適な塩基を加え、反応混合物を室温〜溶媒還流温度で約1〜6時間加熱する。一変形例によれば、上記加熱は電子レンジで約5〜30分間行ってもよい。このようにして、式(XII)の化合物が得られる。
【0070】
工程(m)
R9がH以外の場合には、当業者に周知の手順に従って、例えば、水酸化リチウム等の無機塩基の作用を介して、THFやTHF/水混合物等の好適な溶媒中、室温〜溶媒還流温度で式(XII)の化合物のエステル官能基を加水分解する。このようにして、式(I)の化合物が得られる。
【0071】
第五の実施形態によれば、スキーム5に記載されるように、R8がHである式(I)の化合物を製造できる。
【0072】
【化7】

【0073】
工程(a)
本工程はスキーム1に記載の工程(a)と同様であり、式(III)の化合物が製造される。
【0074】
工程(n)
ヨウ化銅と、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド等のパラジウム系触媒との存在下、DMF等の好適な溶媒中で式(III)の化合物と式(XV)の化合物を反応させる。次に、ジエチルアミンやトリエチルアミン等の好適な塩基を加え、反応混合物を室温〜溶媒還流温度で約1〜6時間加熱する。一変形例によれば、上記加熱は電子レンジで約5〜30分間行ってもよい。このようにして、式(XIII)の化合物が得られる。
【0075】
工程(o)
トリエチルシラン等のトリアルキルシランと、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体と、必要に応じてトリフルオロ酢酸等の触媒量の酸との存在下、DCM等の好適な溶媒中、室温で約6〜18時間、式(XIII)の化合物を還元する。このようにして、式(XII)の化合物が得られる。
【0076】
工程(m)
本工程はスキーム4に記載の工程(m)と同様であり、式(I)の化合物が製造される。
【0077】
第六の実施形態によれば、スキーム6に記載されるように、R4及びR5が、それらが結合した炭素原子と共にエチレン基(C=CH)を形成し、R6がCOOHであり、R8がHである式(I)の化合物を製造できる。
【0078】
【化8】

【0079】
工程(a)
本工程はスキーム1に記載の工程(a)と同様であり、式(III)の化合物が製造される。
【0080】
工程(n)
本工程はスキーム5に記載の工程(n)と同様であり、式(XVIII)の化合物が製造される。
【0081】
工程(o)
本工程はスキーム5に記載の工程(o)と同様であり、式(XVII)の化合物が製造される。
【0082】
工程(m)
本工程はスキーム4に記載の工程(m)と同様であり、式(I)の化合物が製造される。
【0083】
第七の実施形態によれば、スキーム7に記載されるように、R4及びR5が、それらが結合した炭素原子と共にカルボニル基を形成し、R8がHである式(I)の化合物を製造できる。
【0084】
【化9】

【0085】
工程(a)
本工程はスキーム1に記載の工程(a)と同様であり、式(III)の化合物が製造される。
【0086】
工程(n)
本工程はスキーム5に記載の工程(n)と同様であり、式(XXI)の化合物が製造される。
【0087】
工程(p)
式(XXI)の化合物をDCM等の好適な溶媒中、室温で約6〜18時間、重クロム酸ピリジニウム等の好適な酸化剤で処理する。このようにして、式(XX)の化合物が得られる。
【0088】
工程(m)
本工程はスキーム4に記載の工程(m)と同様であり、式(I)の化合物が製造される。
【0089】
第八の実施形態によれば、スキーム8に記載されるように、R4がハロゲン原子であり、R5が水素原子である式(I)の化合物を製造できる。
【0090】
【化10】

【0091】
工程(a)
本工程はスキーム1に記載の工程(a)と同様であり、式(III)の化合物が製造される。
【0092】
工程(n)
本工程はスキーム5に記載の工程(n)と同様であり、式(XIII’)の化合物が製造される。
【0093】
工程(q)
式(XIII’)の化合物を室温で約30分〜2時間、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)等のハロゲン化剤で処理し、式Iの化合物を得る。
【0094】
通常、R6がCOOHである式(I)の化合物のカルボン酸官能基は、以下に記載の方法など、当業者に周知の方法によってカルボン酸の生物学的等価基に置換することができ、この場合、有利である。
【0095】
本発明に係る、R6が生物学的等価基:アシルヒドラジン、アシルヒドラジンカルボキシレート又はオキサジアゾロンである式(I)の化合物は、以下の工程からなるプロセスによって製造できる。
a)R6がCOOHである式(I)の化合物を、特に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDCI)/1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)試薬対等のカップリング剤の存在下、特にトルエン等の有機溶媒中、室温で2〜24時間、カルバジン酸エステルと反応させ、R6がCONHNHCOOR11であり、R11が水素原子又はC−Cアルキル基である式(I)のアシルヒドラジンカルボキシレート化合物を得る工程;
b)必要に応じて、上記式(I)の化合物を当業者に周知の手順に従って、例えば、特にジクロロメタン等の溶媒中、トリフルオロ酢酸等の酸で処理するなどして脱保護し、アシルヒドラジンを得る工程;及び
c)必要に応じて、カルボニルジイミダゾール(CDI)等のカップリング剤の存在下、ジクロロメタン等の有機溶媒中、室温で2〜15時間、上記アシルヒドラジンを環化し、R6が下記基:
【0096】
【化11】

【0097】
である式(I)のオキサジアゾロンを得る工程。
【0098】
本発明に係る、R6が生物学的等価基:カルボキサミドである式(I)の化合物は、R6がCOOHである式(I)の化合物を、特に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド(EDCI)/1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)試薬対等のカップリング剤の存在下、特にジクロロメタン等の有機溶媒中、室温で2〜24時間、アミンと反応させ、R6がCONR12R13基(R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子又はC−Cアルキル基)である式(I)のカルボキサミド化合物を得る工程からなるプロセスによって製造できる。
【0099】
本発明に係る、R6が生物学的等価基:スルホニルカルバモイル又はその誘導基である式(I)の化合物は、R6がCOOHである式(I)の化合物を、特に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩/4−ジメチルアミノピリジン(EDCI/DMAP)試薬対等のカップリング剤の存在下、ジクロロメタン等の有機溶媒中、室温で12〜24時間、スルホンアミドとカップリングする工程からなるプロセスによって製造できる。
【0100】
本発明に係る、R6が生物学的等価基:イソオキサゾール又はその誘導基(イソオキサゾロン基等)である式(I)の化合物は、以下の工程からなるプロセスによって製造できる。
a)カルボニルジイミダゾール(CDI)を用いて、R6がCOOHである式(I)の化合物の酸官能基を活性化させ、それをモノマロン酸エチルのマグネシウム塩と反応させる工程;及び
b)ヒドロキシルアミンの存在下、塩基性媒体中、室温で2〜4日間、環化させ、R6が下記基:
【0101】
【化12】

【0102】
である式(I)の化合物を得る工程。
【0103】
式:R7SOCl、式:(HO)B−Cy(R2,R3)−R6、式(II)、式(VI)、式(XV)、式(XV’)、式(XVI)、式(XIX)及び式(XXII)で表される化合物は市販されているが、当業者に周知の手順に従って調製してもよい。本発明は、上述した製造プロセスに関するものであり、さらに、これらのプロセスで使用される中間体に関する。なかでも、本発明の主題は、式(IV)、式(IV’)、式(V)、式(VII)、式(VIII)、式(IX)、式(X)、式(XII)、式(XIII)、式(XIII’)、式(XVII)、式(XVIII)、式(XX)及び式(XXI)で表される化合物、並びに、存在し得るこれらの化合物の塩である。
【実施例】
【0104】
以下に示した式(I)に係る化合物の製造例により、本発明をより明確に理解できるだろう。
【0105】
以下の実施例は本発明の範囲を限定しない。「調製例」とは、中間体化合物の合成を記載した例であり、「実施例」とは、本発明に係る式(I)の化合物の合成を記載した例である。
【0106】
以下の略号が使用されている。
CuI:ヨウ化銅
DAST:ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド
DIBAL−H:水素化ジイソブチルアルミニウム
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCM:ジクロロメタン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
eq.:当量
h:時間
HCl:塩酸
min:分
mM:ミリモル
RT:室温
TEMPO:2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
【0107】
融点(m.p.)は、自動機器(Optimelt)を用いて測定した。核磁気共鳴スペクトル値の特徴は、TMS(テトラメチルシラン)に対して算出されたケミカルシフト(δ)、シグナルに関連するプロトン数、及び、シグナルの形状(s:一重線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、m:多重線、dd:二重線の二重線)で示した。測定周波数(単位:メガヘルツ)及び使用溶媒は、化合物ごとに記載した。
【0108】
室温は20℃±5℃である。
【0109】
調製例1:3−(1,1−ジメチルエチル)−N−(2−ヨード−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)ベンゼンスルホンアミド
【0110】
【化13】

【0111】
3−tert−ブチルベンゼンスルホニルクロリド9.07g(38.96mM)を、2−ヨード−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イルアミン6.60g(22.92mM)のピリジン(10.0mL)溶液に加えた。この反応混合物を室温で一晩攪拌した。この媒体を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を1N塩酸溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後、減圧下で濃縮した。蒸発残留物14.40gを1,4−ジオキサン50.0mLに溶解させ、3M水酸化カリウム56.4mL(169.28mM)を加え、反応混合物を1時間還流させた。この媒体を減圧下で濃縮した。残留物を水に溶解させ、この溶液を濃塩酸で酸性化し、DCMで2回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後、減圧下で濃縮した。残留物を石油エーテルで洗浄し、ブフナー漏斗でろ過した。表題生成物を白色固体として得た(8.80g、収率=86%、m.p.=125℃)。
【0112】
調製例2:[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メタノール
【0113】
【化14】

【0114】
3−tert−ブチル−N−(2−ヨード−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)ベンゼンスルホンアミド(調製例1)2.00g(4.13mM)のDMF(10.0mL)溶液を調製した。そこに、CuI0.04g(0.21mM)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド0.14g(6.19mM)及び2−プロピン−1−オール0.35g(6.19mM)を加えた。この混合物にトリエチルアミン5.0mLを加え、この反応混合物にマイクロ波を120℃で10分間照射した。この媒体を減圧下で濃縮し、蒸発残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。その際、90/10(v/v)→80/20(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出した。表題生成物をベージュ色固体として得た(1.29g、収率=76%、m.p.=118℃)。
【0115】
調製例3:2−ブロモメチル−1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【0116】
【化15】

【0117】
[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メタノール(調製例2)1.29g(3.13mM)のDCM(25.0mL)溶液を調製した。そこに三臭化リン1.69g(6.26mM)を滴下し、反応混合物を室温で4日間攪拌した。飽和炭酸カリウム溶液100mL及び水100mLを加え、混合物をDCM(50mL)で2回抽出した。有機相をひとまとめにし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。表題生成物をベージュ色固体として得た(1.62g、収率=100%、m.p.=124℃)。
【0118】
実施例1:5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]チオフェン−2−カルボン酸
【0119】
【化16】

【0120】
2−ブロモメチル−1−(3−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(調製例3)230mg(0.48mM)をエタノール(4.0mL)及び1,4−ジオキサン(1.0mL)に溶かして溶液を調製した。この溶液に、5−(ジヒドロキシボリル)−2−チオフェンカルボン酸99.8mg(0.58mM)、Pd(dppf)Cl・DCM錯体39.5mg(0.58mM)及び炭酸カリウム80mg(0.58mM)を加えた。この反応混合物にマイクロ波を120℃で20分間照射した。この媒体を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。蒸発残留物をUV検出液体クロマトグラフィー(LC−UV)(SunFire(登録商標)C18カラム使用)で精製した。その際、水/メタノール/0.1%TFA混合物で溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、減圧下で濃縮した。表題生成物を橙色油状物として得た(25mg、収率=10%)。
H NMR(400MHz,DMSO)δ=13.00(s,1H),8.68(d,1H),7.85(d,1H),7.75(d,1H),7.67−7.70(m,2H),7.55(d,1H),7.48(t,1H),7.00(d,2H),4.77(s,2H),1.18(s,9H).
【0121】
調製例4:4−メチル−5−ニトロ−2−トリフルオロメチルピリジン
【0122】
【化17】

【0123】
2−ブロモ−4−メチル−5−ニトロピリジン25.0g(115.2mM)、フルオロスルホニルジフルオロ酢酸メチル44.3g(230mM)及びCuI17.6g(92.2mM)をDMF250mLに懸濁させ、反応混合物を120℃で48時間攪拌した。この媒体を冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液1000mL及び水酸化アンモニウム100mLで希釈した後、攪拌して均質化した。生成物を酢酸エチルで3回抽出し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。その際、95/5(v/v)→90/10(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、減圧下で濃縮した。表題生成物を茶色油状物として得た(8.0g、収率=34%)。
H NMR(300MHz,DMSO)δ=9.29(s,1H),8.21(s,1H),2.68(s,3H).
【0124】
調製例5:5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル
【0125】
【化18】

【0126】
4−メチル−5−ニトロ−2−トリフルオロメチルピリジン(調製例4)6.0g(23.29mM)のシュウ酸ジエチル(14.8mL(109.45mM))溶液を調製した。そこにDBU8.65g(56.8mM)を加え、混合物を室温で4時間攪拌した。この媒体を減圧下で濃縮し、残留物を酢酸120mLに溶解させた。この混合物を60℃にし、鉄2.60g(46.6mM)を加えた。この媒体を70℃で一晩加熱し、水で希釈し、得られた析出物をろ別し、水で3回洗浄した。固体を酢酸エチルに溶解させ、溶液をろ過し、得られたろ液を減圧下で濃縮した。表題生成物を茶色固体として得た(5.70g、収率=95%、m.p.=142℃)。
【0127】
調製例6:1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル
【0128】
【化19】

【0129】
水素化ナトリウム(オイル中60%)1.55g(38.7mM)をアルゴン雰囲気下でTHF20.0mLに懸濁させた。5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(調製例5)5.0g(19.36mM)のTHF(20.0mL)溶液を調製し、この溶液をゆっくりと反応混合物に加えた。この媒体を室温で1時間攪拌し、次いで3−tert−ブチルベンゼンスルホニルクロリド6.76g(29.0mM)を加え、この反応混合物を室温で一晩攪拌した。この媒体を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。蒸発残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。この際、90/10(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、減圧下で濃縮した。表題生成物を白色固体として得た(7.25g、収率=82%、m.p.=70℃)。
【0130】
調製例7:[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メタノール
【0131】
【化20】

【0132】
1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(調製例6)7.25g(15.9mM)のトルエン(140mL)溶液をアルゴン雰囲気下で調製した。この溶液を−78℃まで冷却し、DIBAL−H(1.0mol/L)のトルエン溶液40mLを滴下した。この反応混合物を−70℃で3時間攪拌した。この媒体を水300mLで希釈し、炭酸水素ナトリウム溶液及び酢酸エチルを加えた。この混合物を室温で2日間攪拌した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。蒸発残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。この際、90/10(v/v)→70/30(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチルの勾配とした。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、減圧下で濃縮した。表題生成物をベージュ色固体として得た(4.08g、収率=62%)。
H NMR(300MHz,DMSO)δ=9.43(s,1H),8.19(s,1H),8.00(d,1H),7.93(d,1H),7.80(d,1H),7.57(t,1H),6.99(s,1H),5.85(m,1H),4.92(d,2H),1.23(s,9H)
【0133】
調製例8:2−ブロモメチル−1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン
【0134】
【化21】

【0135】
調製例3に記載した手順に従い、調製例7の化合物から本化合物を白色固体として得た(収率=68%、m.p.=115℃)。
【0136】
実施例2:3−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−2−安息香酸
【0137】
【化22】

【0138】
実施例1に記載した手順に従い、調製例8の化合物及び3−(ジヒドロキシボリル)安息香酸から本化合物を白色固体として得た(収率=36%、m.p.=196℃)。
【0139】
実施例3:2−クロロ−4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸
【0140】
【化23】

【0141】
実施例1に記載した手順に従い、調製例8の化合物及び4−(ジヒドロキシボリル)−2−クロロ安息香酸から本化合物を白色固体として得た(収率=21%)。
H NMR(500MHz,DMSO)δ=13.35(s,1H),9.45(s,1H),8.15(s,1H),7.78(m,4H),7.52(t,1H),7.39(s,1H),7.26(d,1H),6.70(s,1H),4.56(s,2H),1.20(s,9H).
【0142】
実施例4:5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]フラン−3−カルボン酸
【0143】
【化24】

【0144】
実施例1に記載した手順に従い、調製例8の化合物及び5−(ジヒドロキシボリル)−3−フランカルボン酸から本化合物を茶色固体として得た(収率=8%)。
H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.70(s,1H),9.45(s,1H),8.22(s,1H),8.14(s,1H),7.82(m,3H),7.54(t,1H),6.72(s,1H),6.49(s,1H),4.59(s,2H),1.20(s,9H).
【0145】
実施例5:5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]ピリジン−3−カルボン酸
【0146】
【化25】

【0147】
実施例1に記載した手順に従い、調製例8の化合物及び5−(ジヒドロキシボリル)−3−ピリジンカルボン酸から本化合物を黒褐色固体として得た(収率=7%)。
H NMR(500MHz,DMSO)δ=13.50(s,1H),9.45(s,1H),8.96(s,1H),8.73(s,1H),8.14(s,1H),8.07(s,1H),7.77(m,3H),7.51(t,1H),6.72(s,1H),4.63(s,2H),1.19(s,9H).
【0148】
実施例6:4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]チオフェン−2−カルボン酸
【0149】
【化26】

【0150】
実施例1に記載した手順に従い、調製例8の化合物及び4−(ジヒドロキシボリル)−2−チオフェンカルボン酸から本化合物を茶色固体として得た(収率=11%)。
H NMR(500MHz,DMSO)δ=13.15(s,1H),9.45(s,1H),8.14(s,1H),7.78(m,3H),7.64(s,1H),7.57(s,1H),7.52(t,1H),6.69(s,1H),4.50(s,2H),1.20(s,9H).
【0151】
実施例7:5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−2−フルオロ安息香酸
【0152】
【化27】

【0153】
実施例1に記載した手順に従い、調製例8の化合物及び5−(ジヒドロキシボリル)−2−フルオロ安息香酸から本化合物を茶色固体として得た(収率=18%)。
H NMR(500MHz,DMSO)δ=13.25(s,1H),9.40(s,1H),8.13(s,1H),7.77(m,3H),7.69(m,1H),7.51(m,2H),7.27(t,1H),6.62(s,1H),4.53(s,2H),1.20(s,9H).
【0154】
調製例9:[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]アセトニトリル
【0155】
【化28】

【0156】
2−ブロモメチル−1−(3−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(調製例3)1.62g(3.41mM)のDCM(13mL)溶液を調製した。そこに、水3.24mL、テトラブチルアンモニウムブロミド0.11g(0.34mM)及びシアン化カリウム0.33g(5.11mM)を加え、反応混合物を室温で3日間攪拌した。この媒体に10%チオ硫酸ナトリウム溶液100mLを加え、得られた混合物をDCM100mLで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ひとまとめにし、減圧下で濃縮した。蒸発残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。その際、95/5(v/v)→90/10(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、減圧下で濃縮した。表題生成物を黄色樹脂として得た(280mg、収率=19%)。
H NMR(300MHz,DMSO)δ=8.67(d,1H),7.92−7.50(m,4H),7.20(s,1H),4.68(s,2H),1.22(s,9H).
【0157】
調製例10:2−[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]チオアセトアミド
【0158】
【化29】

【0159】
[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]アセトニトリル(調製例9)280mg(0.66mM)をTHF(5.6mL)及び水(11.2mL)に溶かして溶液を調製した。ジエチルジチオホスフェート494mg(2.66mM)を加え、この反応混合物を100℃で一晩攪拌した。ジエチルジチオホスフェート2000mg(10.74mM)を加え、100℃で4時間攪拌し続けた。この媒体を水100mLで希釈し、混合物をDCM50mLで4回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ひとまとめにし、減圧下で濃縮した。蒸発残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。その際、90/10→80/20→70/30シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、減圧下で濃縮した。表題生成物を黄色固体として得た(280.00mg、収率=92%)。
H NMR(300MHz,DMSO)δ=8.62(d,1H),7.76−7.83(m,4H),7.57(t,1H),6.95(s,1H),4.40(s,2H),1.22(s,9H).
【0160】
実施例8:2−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]チアゾール−4−カルボン酸
【0161】
【化30】

【0162】
2−[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]チオアセトアミド(調製例10)200mg(0.44mM)のエタノール(2.0mL)溶液を調製し、ブロモピルビン酸110mg(0.66mM)を加えた。この反応混合物を室温で24時間攪拌した。この媒体に酢酸エチル150mLを加え、得られた混合物を10%炭酸ナトリウム50mL、更に0.2M塩酸50mLで3回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。表題生成物を白色固体として得た(94mg、収率=41%、m.p.=180℃)。
【0163】
調製例11:N−(3−ヨード−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド
【0164】
【化31】

【0165】
調製例1に記載した手順に従い、3−ヨード−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルアミン及び4−イソプロピルベンゼンスルホニルクロリドを出発材料として、本化合物を黄色固体として得た(収率=52%、m.p.=124℃)。
【0166】
調製例12:4−プロプ−2−イニル安息香酸メチル
【0167】
【化32】

【0168】
4−(1−ヒドロキシプロプ−2−イニル)安息香酸メチル5.97g(31.4mM)のDCM(40mL)溶液を調製した。トリフルオロ酢酸20mL(62.9mM)、次いでトリエチルシラン10.0mL(62.9mM)を加え、この反応混合物を室温で7日間攪拌した。この媒体を減圧下で濃縮し、蒸発残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。その際、95/5(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、減圧下で濃縮した。表題生成物を白色固体として得た(3.23g、収率=61%、m.p.=78℃)。
【0169】
実施例9:4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]安息香酸メチル
【0170】
【化33】

【0171】
調製例2に記載した手順に従い、調製例11及び調製例12の化合物を出発材料として、本化合物をベージュ色固体として得た(収率=56%、m.p.=123℃)。
【0172】
実施例10:4−[[1−[[3−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸
【0173】
【化34】

【0174】
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]安息香酸メチル(実施例9)140mg(0.27mM)をTHF(16.0mL)及び水(4.0mL)に溶かして溶液を調製した。水酸化リチウム13.65mg(0.33mM)を加え、この反応混合物を室温で22時間攪拌した。この媒体を水で希釈し、濃塩酸で酸性化し、DCMで2回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後、減圧下で濃縮した。蒸発残留物をUV検出液体クロマトグラフィー(LC−UV)(SunFire(登録商標)C18カラム使用)で精製した。その際、水/アセトニトリル/0.1%TFA混合物で溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、減圧下で濃縮した。表題生成物を白色固体として得た(113mg、収率=83%、m.p.=218℃)。
【0175】
調製例13:4−ヨード−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イルアミン
【0176】
【化35】

【0177】
a)(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチル
3−アミノ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン5.0g(30.84mM)及び二炭酸ジ−tert−ブチル6.73g(30.84mM)の1,4−ジオキサン(30mL)溶液を調製し、この反応混合物を還流下で19時間攪拌した。二炭酸ジ−tert−ブチル8.08g(37.01mM)を加え、この媒体を還流下で24時間攪拌した。二炭酸ジ−tert−ブチル6.73g(30.84mM)を加え、この媒体を還流下で24時間攪拌した。この媒体を減圧下で濃縮し、蒸発残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。その際、90/10(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、減圧下で濃縮した。保護された生成物をベージュ色固体として得た(10.9g、収率=100%、m.p.=117℃)。
【0178】
b)(4−ヨード−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチル
(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチル10.80g(41.19mM)のジエチルエーテル(300mL)溶液を調製し、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン15.5mLを加えた。この反応混合物をドライアイス/アセトン浴にて−78℃まで冷却した後、n−ブチルリチウムの1.60Mヘキサン溶液64.3mL(103mM)を5分かけて滴下した。この媒体を−10℃で30分間攪拌し、−78℃まで冷却した。ヨウ素13.59g(53.5mM)のTHF(16.0mL)溶液を速やかに加えた。反応混合物を室温まで戻し、室温で16時間攪拌した。この媒体を水200mL、次いで飽和亜硫酸水素ナトリウム溶液400mLで加水分解し、エーテルで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。蒸発残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。その際、100/0(v/v)→95/5(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、減圧下で濃縮した。ヨウ素含有生成物を黄色油状物として得た(5.04g、収率=37%)。
H NMR(250MHz,DMSO)δ=9.05(broad s,1H),8.62(s,1H),8.36(s,1H),1.40(s,9H).
【0179】
c)4−ヨード−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イルアミン
(4−ヨード−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチル5.04g(13mM)のDCM(100mL)溶液を調製し、トリフルオロ酢酸10mLをこの溶液に加えた。この反応混合物を室温で18時間攪拌し、この媒体を水で希釈した後、DCMで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。蒸発残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。その際、100/0(v/v)→95/5(v/v)→90/10(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、減圧下で濃縮した。表題生成物をベージュ色固体として得た(620.00mg、収率=16%、m.p.=116℃)。
【0180】
調製例14:N−(2−ヨード−4−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホンアミド
【0181】
【化36】

【0182】
調製例1に記載した手順に従い、4−ヨード−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イルアミン(調製例13)及び3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イルスルホニルクロリドを出発材料として、本化合物を黄色油状物として得た(収率=68%)。
H NMR(300MHz,DMSO)δ=10.14(s,1H),8.35(s,1H),8.26(s,1H),6.95(m,2H),6.80(d,1H),4.29(t,2H),3.29(t,2H),2.80(s,3H).
【0183】
実施例11:4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸メチル
【0184】
【化37】

【0185】
調製例2に記載した手順に従い、調製例12及び調製例14の化合物を出発材料として、本化合物を白色固体として得た(収率=25%、m.p.=207℃)。
【0186】
実施例12:4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸
【0187】
【化38】

【0188】
実施例10に記載した手順に従い、実施例11の化合物を出発材料として、本化合物を白色固体として得た(収率=43%、m.p.=192℃)。
【0189】
調製例15:N−(4−トリフルオロメチル−6−ヨードピリジン−3−イル)−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド
【0190】
【化39】

【0191】
調製例1に記載した手順に従い、4−ヨード−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イルアミン(調製例13)及び4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホニルクロリドを出発材料として、本化合物をベージュ色固体として得た(収率=95%、m.p.=156℃)。
【0192】
実施例13:4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イルメチル]安息香酸メチル
【0193】
【化40】

【0194】
調製例2に記載した手順に従い、調製例12及び調製例15の化合物を出発材料として、本化合物をベージュ色固体として得た(収率=33%、m.p.=160℃)。
【0195】
実施例14:4−[[1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸
【0196】
【化41】

【0197】
実施例10に記載した手順に従い、実施例13の化合物を出発材料として、本化合物を白色固体として得た(収率=24%、m.p.=218℃)。
【0198】
調製例16:N−(2−ヨード−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド
【0199】
【化42】

【0200】
調製例1に記載した手順に従い、2−ヨード−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イルアミン及び4−イソプロピルベンゼンスルホニルクロリドを出発材料として、本化合物を淡黄色固体として得た(収率=98%)。
H NMR(300MHz,DMSO)δ=10.35(s,1H),7.87(d,1H),7.72(dd,2H),7.62(d,1H),7.48(d,2H),2.98(m,1H),1.20(d,6H).
【0201】
実施例15:4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]安息香酸メチル
【0202】
【化43】

【0203】
調製例2に記載した手順に従い、調製例12及び調製例16の化合物を出発材料として、本化合物をベージュ色固体として得た(収率=15%、m.p.=98.5℃)。
【0204】
実施例16:4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]安息香酸
【0205】
【化44】

【0206】
実施例10に記載した手順に従い、実施例15の化合物を出発材料として、本化合物を白色固体として得た(収率=14%)。
H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.89(s,1H),8.66(d,1H),7.83(d,3H),7.72(d,2H),7.36(d,2H),7.30(d,2H),6.84(s,1H),4.58(s,2H),2.91(m.1H),1.13(d,6H).
【0207】
調製例17:N−(3−ヨード−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホンアミド
【0208】
【化45】

【0209】
調製例1に記載した手順に従い、3−ヨード−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルアミン及び3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イルスルホニルクロリドを出発材料として、本化合物を茶色油状物として得た(収率=66%)。
H NMR(300MHz,DMSO)δ=10.43(s,1H),8.54(s,2H),7.33(s,1H),7.24(d,1H),6.80(d,1H),4.28(t,2H),3.28(t,2H),2.88(s,3H).
【0210】
実施例17:4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸メチル
【0211】
【化46】

【0212】
調製例2に記載した手順に従い、調製例12及び調製例17の化合物を出発材料として、本化合物を橙色固体として得た(収率=30%、m.p.=202℃)。
【0213】
実施例18:4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸
【0214】
【化47】

【0215】
実施例10に記載した手順に従い、実施例17の化合物を出発材料として、本化合物を白色固体として得た(収率=21%、m.p.=234℃)。
【0216】
調製例18:N−(6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−イル)−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド
【0217】
【化48】

【0218】
調製例1に記載した手順に従い、6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−イルアミン及び4−イソプロピルベンゼンスルホニルクロリドを出発材料として、本化合物を橙色固体として得た(収率=97%、m.p.=160℃)。
【0219】
実施例19:4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イルメチル]安息香酸メチル
【0220】
【化49】

【0221】
調製例2に記載した手順に従い、調製例12及び調製例18の化合物を出発材料として、本化合物を茶色固体として得た(収率=44%、m.p.=123℃)。
【0222】
実施例20:4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸
【0223】
【化50】

【0224】
実施例10に記載した手順に従い、実施例19の化合物を出発材料として、本化合物をベージュ色固体として得た(収率=13%、m.p.=228℃)。
【0225】
実施例21:4−[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]安息香酸メチル
【0226】
【化51】

【0227】
調製例2に記載した手順に従い、調製例1及び調製例12の化合物を出発材料として、本化合物を橙色ペーストとして得た(収率=4%)。
H NMR(300MHz,DMSO)δ=8.67(d,1H),7.86(m,3H),7.73(d,1H),7.71(d,1H),7.62(d,1H),7.46(t,1H),7.36(d,2H),6.85(s,1H),4.60(s,2H),3.45(s,3H),1.18(s,9H).
【0228】
実施例22:4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸
【0229】
【化52】

【0230】
実施例10に記載した手順に従い、実施例21の化合物を出発材料として、本化合物を白色固体として得た(収率=33%、m.p.=240℃)。
【0231】
調製例19:N−(3−ヨード−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド
【0232】
【化53】

【0233】
調製例1に記載した手順に従い、3−ヨード−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルアミン及び3−イソプロピルベンゼンスルホニルクロリドを出発材料として、本化合物を黄色油状物として得た(収率=84%)。
H NMR(300MHz,DMSO)δ=10.70(s,1H),8.55(s,1H),8.44(s,1H),7.91(s,1H),7.62(d,1H),7.51(m,2H),3.00(m,1H),1.23(d,6H).
【0234】
実施例23:4−{ヒドロキシ[1−(3−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル}安息香酸メチル
【0235】
【化54】

【0236】
調製例2に記載した手順に従い、調製例19の化合物及び4−(1−ヒドロキシプロプ−2−イニル)安息香酸メチルから本化合物を黄色油状物として得た(収率=60%)。
H NMR(300MHz,DMSO)δ=8.72(s,1H),8.49(s,1H),7.98(d,2H),7.79(d,1H),7.54(m,4H),7.43(t,1H),6.86(s,1H),6.57(m,2H),3.87(s,3H),2.74(m,1H),1.08(dd,6H).
【0237】
実施例24:4−[1−(3−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]安息香酸メチル
【0238】
【化55】

【0239】
4−{ヒドロキシ[1−(3−イソプロピルベンゼンスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル}安息香酸メチル(実施例23)220mg(0.41mM)のDCM(10mL)溶液を調製した。この溶液を氷浴で0℃まで冷却し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体4.19mL(33.05mM、80.00eq.)及びトリエチルシラン2.0mL(12.39mM)を加えた。この反応混合物を室温で一晩攪拌した。この媒体を飽和炭酸ナトリウム溶液でゆっくりと加水分解し、DCMで抽出した。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。蒸発残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。その際、95/5(v/v)→90/10(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、減圧下で濃縮した。得られた生成物をシクロヘキサンで洗浄し、ワットマン(登録商標)紙でろ過した。表題生成物を白色固体として得た(90mg、収率=42%、m.p.=110℃)。
【0240】
実施例25:4−[[1−[[3−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸
【0241】
【化56】

【0242】
実施例10に記載した手順に従い、実施例24の化合物を出発材料として、本化合物を白色固体として得た(収率=17%、m.p.=203℃)。
【0243】
調製例20:N−(3−ヨード−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3−(1,1−ジメチルエチル)−ベンゼンスルホンアミド
【0244】
【化57】

【0245】
調製例1に記載した手順に従い、3−ヨード−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルアミン及び3−tert−ブチルベンゼンスルホニルクロリドを出発材料として、本化合物をベージュ色固体として得た(収率=72%、m.p.=135℃)。
【0246】
実施例26:4−{ヒドロキシ[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル}安息香酸メチル
【0247】
【化58】

【0248】
調製例2に記載した手順に従い、調製例20の化合物及び4−(1−ヒドロキシ−プロプ−2−イニル)安息香酸メチルから本化合物を黄色油状物として得た(収率=92%)。
H NMR(300MHz,DMSO)δ=8.73(d,1H),8.47(d,1H),8.12(d,1H),7.97(d,2H),7.65−7.73(m,2H),7.52(d,2H),7.42(t,1H),6.75(s,1H),6.57(m,2H),3.87(s,3H),1.21(s,9H).
【0249】
実施例27:4−[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]安息香酸メチル
【0250】
【化59】

【0251】
実施例24に記載した手順に従い、実施例26の化合物を出発材料として、本化合物を黄色油状物として得た(収率=92%)。本化合物は下記実施例でそのまま使用した。
【0252】
実施例28:4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸
【0253】
【化60】

【0254】
実施例10に記載した手順に従い、実施例27の化合物を出発材料として、本化合物を白色固体として得た(収率=22%、m.p.=209℃)。
【0255】
調製例21:N−(5−クロロ−3−ヨードピリジン−2−イル)−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド
【0256】
【化61】

【0257】
調製例1に記載した手順に従い、5−クロロ−3−ヨードピリジン−3−イルアミン及び4−イソプロピルベンゼンスルホニルクロリドを出発材料として、本化合物を橙色固体として得た(収率=15%)。
H NMR(250MHz,DMSO)δ=10.42(s,1H),8.40(d,1H),8.23(s,1H),7.91(d,2H),7.44(d,2H),2.97(m,1H),1.21(d,6H).
【0258】
実施例29:4−{ヒドロキシ[5−クロロ−1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル}安息香酸メチル
【0259】
【化62】

【0260】
調製例2に記載した手順に従い、調製例21の化合物及び4−(1−ヒドロキシプロプ−2−イニル)安息香酸メチルから本化合物を黄色固体として得た(収率=58%、m.p.=77℃)。
【0261】
実施例30:4−[5−クロロ−1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]安息香酸メチル
【0262】
【化63】

【0263】
実施例24に記載した手順に従い、実施例29の化合物を出発材料として、本化合物をベージュ色固体として得た(収率=77%、m.p.=186℃)。
【0264】
実施例31:4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸
【0265】
【化64】

【0266】
実施例10に記載した手順に従い、実施例30の化合物を出発材料として、本化合物を白色固体として得た(収率=100%、m.p.=227℃)。
【0267】
調製例22:5−(1−ヒドロキシプロプ−2−イニル)チオフェン−2−カルボン酸
【0268】
【化65】

【0269】
5−ホルミル−2−チオフェンカルボン酸2.342g(15.0mM)の蒸留THF(23.4mL)溶液を調製した。エチルマグネシウムブロミド(0.50mol/l、30.0mM)溶液60.0mLを滴下し、この媒体を室温で2時間攪拌した。それを氷(200mL)とHCl(M)(70mL)の混合物に注ぎ、DCM100mL、次いで50mLで2回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ひとまとめにし、減圧下で濃縮した。表題生成物をベージュ色固体として得た(2.6g、収率=100%、m.p.=128℃)。
【0270】
実施例32:5−{ヒドロキシ[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル}チオフェン−2−カルボン酸
【0271】
【化66】

【0272】
調製例2に記載した手順に従い、調製例1及び調製例22の化合物から本化合物を白色固体として得た(収率=5%、m.p.=100℃)。
【0273】
実施例33:5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]フルオロメチル]−N,N−ジエチル−2−チオフェンカルボキサミド
【0274】
【化67】

【0275】
5−{ヒドロキシ[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル}チオフェン−2−カルボン酸(実施例32)160mg(0.30mM)のDCM(10mL)溶液を調製した。(n−Bu)N238.55μl(1.0mM)を加え、この媒体を5分間攪拌した。溶媒及び過剰量の試薬を留去し、得られたアモルファス固体をDCM10mLに再び溶解させた。この溶液をアルゴン雰囲気下で−78℃まで冷却し、DAST238.75μl(1.78mM)を滴下した。この媒体を−78℃で1時間攪拌し、室温に戻し、更に1時間攪拌した。炭酸ナトリウム溶液100mL、次いで10M HCl溶液40mLを加え、混合物をDCM100mL、次いで50mLで2回抽出した。有機相をひとまとめにし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去した。蒸発残留物を半分取LC−MS液体クロマトグラフィー(SunFire(登録商標)C18カラム使用)で精製した。その際、水/アセトニトリル混合物で溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、濃縮乾固した。表題生成物を茶色固体として得た(19.85mg、収率=11%)。
H NMR(500MHz,DMSO)δ=8.75(d,1H),7.93(d,1H),7.81(t,1H),7.76(d,1H),7.72(d,1H),7.69(d,1H),7.49(t,1H),7.32(dd,2H),7.30(d,1H),3.46(broad s,4H),1.18(m,15H).
【0276】
実施例34:5−{1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ−[3,2−b]ピリジン−2−カルボニル}チオフェン−2−カルボン酸
【0277】
【化68】

【0278】
5−{ヒドロキシ[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル}チオフェン−2−カルボン酸(実施例32)110.00mg(0.20mM)をアセトニトリル(5mL)及び水(5mL)に溶かして溶液を調製した。リン酸水素ナトリウム260.95mg(1.84mM)を加え、この媒体を室温で15分間攪拌した。亜塩素酸ナトリウム110.83mg(1.22mM)、次亜塩素酸ナトリウム溶液0.24mL(13.0g/l;0.04mM)及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル3.19mg(0.02mM)を加え、この媒体を室温で5時間攪拌した。10%チオ硫酸塩溶液25mL、水50mL及びHCl(M)25mLを加え、混合物をDCM50mLで4回抽出した。有機相をひとまとめにし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去した。蒸発残留物を半分取LC−MS液体クロマトグラフィー(SunFire(登録商標)C18カラム使用)で精製した。その際、水/アセトニトリル混合物で溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、濃縮乾固した。表題生成物を白色固体として得た(12mg、収率=11%、m.p.=108℃)。
【0279】
実施例35:4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸のナトリウム塩
【0280】
【化69】

【0281】
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸(実施例31)50mg(0.11mM)のTHF(2.5mL)溶液を調製し、水酸化ナトリウム0.21mL(0.50mol/l;0.11mM)を加えた。反応媒体を室温で一晩攪拌し、減圧下で蒸発させ、ナトリウム塩31mgを白色固体として得た(収率=63%、m.p.=218℃)。
H NMR(400MHz,DMSO)δ=8.32(d,1H),8.05(d,1H),7.82(d,2H),7.79(d,2H),7.36(d,2H),7.15(d,2H),6.30(s,1H),4.47(s,2H),2.91(m,1H),1.15(d,6H).
【0282】
実施例36:4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸のピペラジン塩
【0283】
【化70】

【0284】
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸(実施例31)46.20mg(0.10mM)のTHF(4mL)溶液を調製し、ピペラジン8.49mg(0.10mM)を加えた。反応媒体を室温で24時間攪拌し、減圧下で蒸発させ、ピペラジン塩40mgを白色固体として得た(収率=80%、m.p.=105℃)。
H NMR(400MHz,DMSO)δ=8.34(d,1H),8.08(d,1H),7.86(d,2H),7.79(d,2H),7.36(d,2H),7.27(d,2H),6.37(s,1H),4.53(s,2H),2.91(m,1H),2.79(s,8H),1.14(d,6H).
【0285】
調製例23:1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−2,3−ジメチル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【0286】
【化71】

【0287】
調製例1の化合物242.14mg(0.50mM)のDMF(10mL)溶液を調製した。酢酸パラジウム11.22mg(0.04mM)、無水塩化リチウム21.20mg(0.50mM)、炭酸カリウム345.51mg(2.50mM)、更に2−ブチン135.23mg(2.5mM)を加え、この媒体にマイクロ波を100℃で30分間照射した。水100mLを加え、得られた混合物をDCM100mLで4回、次いで酢酸エチル100mLで4回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、この媒体を減圧下で濃縮し、蒸発残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。その際、95/5(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出した。表題生成物220mgを黄色油状物として得た(収率=91.5%)。
H NMR(300MHz,DMSO)δ=8.66(d,1H),7.81(d,1H),7.77(m,2H),7.69(dt,1H),7.53(t,1H),2.61(s,3H),2.18(s,3H),1.21(s,9H).
【0288】
実施例37:4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−3−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸
【0289】
【化72】

【0290】
1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−2,3−ジメチル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(調製例23)310.0mg(0.76mM)の四塩化炭素(5mL)溶液を調製した。N−ブロモスクシンイミド(NBS)180.0mg(1.01mM)を加え、この媒体を還流させた。アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)12.40mg(0.08mM)を加え、この媒体を還流下で24時間攪拌した。変換率は50%であった。更にNBS200.00mg(1.12mM)、次いでAIBN24.8mg(0.16mM)を加え、還流下で24時間攪拌し続けた。この媒体にDCM25mLを加え、溶媒を留去した。蒸発残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。その際、95/5(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出した。その結果、2−ブロモメチル−1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−3−メチル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン435mgを橙色固体として得た(純度=58%)。
【0291】
上記化合物200.0mg(0.41mM)をジメチルエーテル(DME)(10mL)と水(2mL)の混合液に溶かして溶液を調製した。1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド/ジクロロメタン錯体33.38mg(0.04mM)、4−カルボキシフェニルボロン酸101.73mg(0.61mM)及び炭酸セシウム399.50mg(1.23mM)を加え、この媒体を還流下で2時間攪拌した。水100mL及びHCl(M)100mLを加え、得られた混合物をDCM100mLで4回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去した。蒸発残留物を半分取LC−MS液体クロマトグラフィー(Discovery(登録商標)カラム使用)で精製した。その際、水/アセトニトリル/TFA混合物で溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、濃縮乾固した。目的生成物をベージュ色固体として得た(20mg、収率=9.6%)。
【0292】
調製例24:[1−(4−(1,1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メタノール
【0293】
【化73】

【0294】
調製例2に記載した手順に従い、調製例21の化合物及び2−プロピン−1−オールから本化合物をベージュ色固体として得た(収率=78%、m.p.=140℃)。
【0295】
調製例25:2−ブロモメチル−[1−(4−(1,1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【0296】
【化74】

【0297】
調製例3に記載した手順に従い、調製例24の化合物から本化合物を白色固体として得た(収率=65%、m.p.=138℃)。
【0298】
実施例38:5−[[1−[[4−(1,1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]チオフェン−2−カルボン酸
【0299】
【化75】

【0300】
実施例1に記載した手順に従い、調製例25の化合物及び5−(ジヒドロキシボリル)−2−チオフェンカルボン酸から本化合物をベージュ色固体として得た(収率=3%、m.p.=210〜243℃)。
【0301】
実施例39:N−{4−[1−(3−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]ベンゾイル}メタンスルホンアミド
【0302】
【化76】

【0303】
実施例22の化合物240mg(0.46mM)のジクロロメタン(12mL)溶液を調製した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)89.07mg(0.46mM)、4−ジメチルアミノピリジン56.76mg(0.46mM)及びメタンスルホンアミド88.839mg(0.93mM)を加え、反応媒体を室温で20時間攪拌した。それを減圧下で濃縮し、蒸発残留物を分取液体クロマトグラフィー(LC−MS)で精製した。その際、HO/CHCN/0.1%TFA混合物で溶出した。目的生成物を含む画分をひとまとめにし、減圧下で濃縮し、所望の生成物を白色固体として得た(収率:39%、m.p.=95℃)。
【0304】
薬理活性
ある種の神経変性病変の治療能又は予防能を評価するため、本発明の化合物に対して生物試験を実施した。
【0305】
本発明に係る化合物について、NURR−1核内受容体とRXR核内受容体から形成されたヘテロ二量体の活性化剤として作用する能力をインビトロ試験により測定した。
【0306】
1次スクリーニング試験として転写促進試験を採用した。ヒト受容体NURR−1−Gal4のキメラを発現するプラスミド、ヒト受容体RXR(RXRα又はRXRγ受容体)を発現するプラスミド、及び、レポータープラスミド5Gal4pGL3−TK−LucをCos−7細胞へ同時にトランスフェクトした。トランスフェクトは、化学薬品(Jet PEI)を用いて行った。
【0307】
トランスフェクトした細胞を384ウェルプレートに播き、24時間静置した。
【0308】
24時間後、培地を交換し、培地に試験生成物を加えた(最終濃度:10−4〜3×10−10M)。一晩培養後、「SteadyGlo」をメーカー(Promega)の説明書通りに加えた後、ルシフェラーゼの発現を測定した。
【0309】
参照物質として、4−[[6−メチル−2−フェニル−5−(2−プロペニル)−4−ピリミジニル]アミノ]安息香酸(XCT0135908と呼ぶ;Wallen−Mackenzie et al.,2003,Genes&Development 17:3036−3047に記載)(RXRアゴニスト)を2×10−5Mで使用した。
【0310】
各ヘテロ二量体の基礎活性と比較して誘導レベルを算出した。結果は、参照物質で得られた誘導レベルに対するパーセンテージとして表した(参照物質の誘導レベルは恣意的に100%とする)。
【0311】
例として、本発明に係る化合物のうち以下のものの結果を得た。結果は、NURR−1/RXR活性化剤の参照化合物(XCT0135908)に対するパーセンテージで表されている。
【0312】
【表1】

【0313】
−:試験せず
nc:算出不可
Eff:参照物質XCT0135908と比較した効力(%)
【0314】
本発明に係る化合物が示した誘導レベルの最大値は、137%(NURR1/RXRα)及び86%(NURR1/RXRγ)であり、EC50値の最大値は、11nM(NURR1/RXRα)及び73nM(NURR1/RXRγ)である。
【0315】
インビトロでの結果から、本発明の化合物は、ある種の細胞モデルにおいて疾患メカニズムを変化させることができ、ドーパミン作動性ニューロンの細胞死を阻止する神経保護物質を生成することで変性プロセスを停止させることができることが分かった。従って、これらの化合物は、神経変性疾患、特にパーキンソン病の予防及び/又は治療を目的とした医薬品の有効成分として有用であることが確認できる。
【0316】
本発明はまた、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を少なくとも1つ有効成分として含有する医薬組成物にも関する。
【0317】
本発明の別の態様によれば、本特許出願は、NURR−1受容体が関連する疾患、特に神経変性疾患、なかでもパーキンソン病の予防及び/又は治療のための、式(I)の化合物又は該化合物を含有する医薬組成物の使用を包含するものである。
【0318】
本発明の別の態様によれば、本特許出願は、NURR−1受容体が関連する疾患、特に神経変性疾患、なかでもパーキンソン病を予防及び/又は治療する方法であって、式(I)の化合物又は該化合物を含有する医薬組成物を治療上有効な量で投与を必要とする患者に投与する方法を包含するものである。
【0319】
本発明に係る医薬組成物は、腸管外投与用又は好ましくは経口投与用(錠剤やゲルカプセル等)の剤形にする目的で、医薬的に許容される賦形剤を使用して従来通りに製造することができる。
【0320】
注射用剤形の場合、式(I)の化合物は、水性媒体に可溶な塩の形態で使用されることが有利である。上述の通り、塩は式(I)の化合物と医薬的に許容される非毒性塩基とで形成させるのが好ましい。剤形は、可溶性賦形剤を含む化合物の等張水性媒体溶液であってもよいし、用事に希釈溶媒が添加される化合物の凍結乾燥物であってもよい。これらの製剤は、患者の必要に応じて、輸液の剤形で注入してもよいし、ボーラス注入してもよい。
【0321】
化合物を腸管外投与する場合は、実用上、ヒトの1日当たり投与量は2〜250mgが好ましい。
【0322】
経口投与用製剤は、本発明の化合物を細かく砕いて又は好ましくは微粉状にして、ラクトース、α化でんぷん及びステアリン酸マグネシウム等の当業者に公知の賦形剤と混合したゲルカプセル又は錠剤の剤形であることが好ましい。
【0323】
例として、実施例2の化合物を細かく砕いたもの500g、α化でんぷん500g、ラクトース1250g、ラウリル硫酸ナトリウム15g及びポリビニルピロリドン235gからなる混合物を顆粒状にした。次に、この顆粒状混合物をステアリン酸マグネシウム20g及び微結晶セルロース80gに加え、得られた混合物を粉砕・篩過してから、260mgのゲルカプセルに分配した。このようにして、それぞれ有効成分を50mg含むゲルカプセルを得た。
【0324】
化合物を経口投与する場合は、実用上、ヒトの1日当たり投与量は5〜500mgが好ましい。この場合、有効成分を5〜250mg含む投与単位、好ましくは有効成分を5〜100mg含む投与単位を使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、1つのA基は窒素原子、残りのA基は炭素原子であり;
Cyは、フェニル基又は5〜6員複素芳香族環であり;
R1は、水素原子、ハロゲン原子、全部若しくは一部がハロゲン化されていてもよいC−Cアルキル基、又は、C−Cアルコキシ基であり;
R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、水酸基又はC−Cアルコキシ基であり;
R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−Cアルキル基若しくは水酸基であるか、又は、R4及びR5は、それらが結合した炭素原子と共にエチレン基(C=CH)若しくはカルボニル基(C=O)を形成し;
R6は、−COOR9基、−SONHR10基、−CONHNH−COOR11基、−CONR12R13基又は−CONHSOR14基又は下記基:
【化2】

であり;
R7は、C−Cアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又は、C−Cアルキル基で置換されていてもよい6〜10員複素芳香族環であり;
R8は、水素原子、C−Cアルキル基又はハロゲン原子であり;
R9は、水素原子又はC−Cアルキル基であり;
R10、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子又はC−Cアルキル基である)
で表される化合物又は該式(I)で表される化合物の医薬的に許容される塩(但し、以下の化合物を除く:
2−(1−フェニルスルホニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル−カルボニル)安息香酸;
N,N−ジエチル−4−[ヒドロキシ[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−2−メトキシ−3−ピリジンカルボキサミド;
N,N−ジエチル−2−メトキシ−4−[[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]カルボニル]−3−ピリジンカルボキサミド;及び
N,N−ジエチル−4−[1−ヒドロキシ−1−[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]エチル]−2−メトキシ−3−ピリジンカルボキサミド)。
【請求項2】
R8は水素原子である、
請求項1に記載の化合物又は該化合物の医薬的に許容される塩。
【請求項3】
Cyは、フェニル基又は5〜6員複素芳香族環であり;
R1は、ハロゲン原子、又は、全部若しくは一部がハロゲン化されていてもよいC−Cアルキル基であり;
R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又はハロゲン原子であり;
R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子若しくは水酸基であるか、又は、R4及びR5は、それらが結合した炭素原子と共にカルボニル基(C=O)を形成し;
R6は、−COOR9基であり;
R7は、C−Cアルキル基で置換されていてもよいフェニル基であり;
R8は、水素原子であり;
R9は、水素原子又はC−Cアルキル基である、
請求項1に記載の化合物又は該化合物の医薬的に許容される塩。
【請求項4】
Cyは、フェニル基、チエニル基、チアゾリル基、フリル基又はピリジル基である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又は該化合物の医薬的に許容される塩。
【請求項5】
R2及びR3は、それぞれ水素原子である、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物又は該化合物の医薬的に許容される塩。
【請求項6】
R4及びR5は、それぞれ水素原子である、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又は該化合物の医薬的に許容される塩。
【請求項7】
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]−チオフェン−2−カルボン酸、
3−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−2−安息香酸、
2−クロロ−4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−フラン−3−カルボン酸、
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−ピリジン−3−カルボン酸、
4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−チオフェン−2−カルボン酸、
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−2−フルオロ−安息香酸、
2−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]−チアゾール−4−カルボン酸、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[3−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸、
4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−{ヒドロキシ−[1−(3−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メチル}−安息香酸メチル、
4−[1−(3−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[3−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−{ヒドロキシ−[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メチル}−安息香酸メチル、
4−[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−{ヒドロキシ−[5−クロロ−1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メチル}−安息香酸メチル、
4−[5−クロロ−1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ−[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
5−{ヒドロキシ[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル}チオフェン−2−カルボン酸、
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]フルオロメチル]−N,N−ジエチル−2−チオフェンカルボキサミド、
5−{1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボニル}チオフェン−2−カルボン酸、
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸のナトリウム塩、
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸のピペラジン塩、
4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−3−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸、
5−[[1−[[4−(1,1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]チオフェン−2−カルボン酸、及び、
N−{4−[1−(3−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]ベンゾイル}メタンスルホンアミド
から選択される、請求項1に記載の化合物、又は、該化合物の医薬的に許容される塩。
【請求項8】
治療上有効な成分として使用される、式(I):
【化3】

(式中、1つのA基は窒素原子、残りのA基は炭素原子であり;
Cyは、フェニル基又は5〜6員複素芳香族環であり;
R1は、水素原子、ハロゲン原子、全部若しくは一部がハロゲン化されていてもよいC−Cアルキル基、又は、C−Cアルコキシ基であり;
R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、水酸基又はC−Cアルコキシ基であり;
R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−Cアルキル基若しくは水酸基であるか、又は、R4及びR5は、それらが結合した炭素原子と共にエチレン基(C=CH)若しくはカルボニル基(C=O)を形成し;
R6は、−COOR9基、−SONHR10基、−CONHNH−COOR11基、−CONR12R13基又は−CONHSOR14基又は下記基:
【化4】

であり;
R7は、C−Cアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又は、C−Cアルキル基で置換されていてもよい6〜10員複素芳香族環であり;
R8は、水素原子、C−Cアルキル基又はハロゲン原子であり;
R9は、水素原子又はC−Cアルキル基であり;
R10、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子又はC−Cアルキル基である)
で表される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
NURR−1核内受容体が関与する疾患の予防及び/又は治療に使用される、式(I):
【化5】

(式中、A、Cy、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、請求項8と同義である)
で表される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
神経変性疾患の予防及び/又は治療に使用される、請求項9に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
パーキンソン病の予防及び/又は治療に使用される、請求項10に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項12】
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]−チオフェン−2−カルボン酸、
3−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−2−安息香酸、
2−クロロ−4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−フラン−3−カルボン酸、
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−ピリジン−3−カルボン酸、
4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−チオフェン−2−カルボン酸、
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−2−フルオロ−安息香酸、
2−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]−チアゾール−4−カルボン酸、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[3−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸、
4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[(3,4−ジヒドロ−4−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−{ヒドロキシ−[1−(3−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メチル}−安息香酸メチル、
4−[1−(3−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[3−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−{ヒドロキシ−[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メチル}−安息香酸メチル、
4−[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
4−{ヒドロキシ−[5−クロロ−1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メチル}−安息香酸メチル、
4−[5−クロロ−1−(4−(1−メチルエチル)フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イルメチル]−安息香酸メチル、
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ−[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]−安息香酸、
5−{ヒドロキシ[1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル}チオフェン−2−カルボン酸、
5−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]フルオロメチル]−N,N−ジエチル−2−チオフェンカルボキサミド、
5−{1−(3−(1,1−ジメチルエチル)フェニルスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボニル}チオフェン−2−カルボン酸、
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸のナトリウム塩、
4−[[5−クロロ−1−[[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸のピペラジン塩、
4−[[1−[[3−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]スルホニル]−3−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]メチル]安息香酸、
5−[[1−[[4−(1,1−メチルエチル)フェニル]スルホニル]−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]メチル]チオフェン−2−カルボン酸、及び、
N−{4−[1−(3−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イルメチル]ベンゾイル}メタンスルホンアミド
から選択される、請求項8〜11のいずれか一項に記載の化合物、又は、該化合物の医薬的に許容される塩。
【請求項13】
式(I):
【化6】

(式中、A、Cy、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、請求項8と同義である)
で表される化合物又はその医薬的に許容される塩を有効成分として含有し、且つ
医薬的に許容される賦形剤を少なくとも1つ含有する
医薬組成物。
【請求項14】
神経変性疾患の予防及び/又は治療を目的とした医薬品を製造するための、式(I):
【化7】

(式中、A、Cy、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、請求項8と同義である)
で表される化合物又はその医薬的に許容される塩の使用。
【請求項15】
パーキンソン病の予防及び/又は治療を目的とした医薬品を製造するための、請求項14に記載の使用。

【公表番号】特表2013−516448(P2013−516448A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547533(P2012−547533)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/FR2011/050023
【国際公開番号】WO2011/083278
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(596160894)ラボラトワール フルニエ エス・アー (16)
【Fターム(参考)】