説明

新規な1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体及びその医学的使用

本発明は、新規な1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体及び医薬組成物の製造におけるその使用に関する。本発明の化合物は、ニコチン性アセチルコリン受容体におけるコリン作動性リガンドであることが見出された。その薬理学的プロフィールのために、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関係する疾患又は障害、平滑筋収縮に関係する疾患又は障害、内分泌疾患又は障害、神経変性に関係する疾患又は障害、炎症に関係する疾患又は障害、疼痛、及び化学物質の乱用の停止により引き起こされる禁断症状のように様々な疾患又は障害の治療に有用であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体及び医薬組成物の製造におけるその使用に関する。本発明の化合物は、ニコチン性アセチルコリン受容体におけるコリン作動性リガンドであることが見出された。
【0002】
その薬理学的プロフィールのために、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関係する疾患又は障害、平滑筋収縮に関係する疾患又は障害、内分泌疾患又は障害、神経変性に関係する疾患又は障害、炎症に関係する疾患又は障害、疼痛、及び化学物質の乱用の停止により引き起こされる禁断症状のように様々な疾患又は障害の治療に有用であり得る。
【背景技術】
【0003】
内因性コリン作動性神経伝達物質、アセチルコリンは、2種のコリン作動性受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)及びニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)により生物学的作用を発揮する。
【0004】
ムスカリン性アセチルコリン受容体が、記憶及び認識に重要な脳領域においてニコチン性アセチルコリン受容体よりも量的に優位を占めることが十分に立証されているので、記憶に関係する疾患の治療用薬剤の開発を目的とした多くの研究が、ムスカリン性アセチルコリン受容体調節物質の合成に集中してきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近、しかしながら、nAChR調節物質の開発における関心が出現した。いくつかの疾患、すなわち、アルツハイマー型の認知症、血管性認知症及びアルコール依存症に直接関係した器質性脳損傷疾患による認識障害は、コリン作動系の変性と関係している。実際に、いくつかのCNS障害は、コリン欠乏、ドーパミン欠乏、アドレナリン欠乏又はセロトニン欠乏のせいであり得る。
【0006】
WO2005/074940は、ニコチン性受容体の調節物質として有用な、ジアザビシクロノニルフェニル−、ピリジニル−、ピリダジニル−及びチアジアゾリル−誘導体を開示している。しかしながら、本発明のジアザビシクロノニルピリミジニル誘導体は未だ開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ニコチン性受容体の新規な調節物質の提供を対象とし、この調節物質は、コリン作動性受容体、特にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に関係した疾患又は障害の治療に有用である。
【0008】
その薬理学的プロフィールのために、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関係する疾患又は障害、平滑筋収縮に関係する疾患又は障害、内分泌疾患又は障害、神経変性に関係する疾患又は障害、炎症に関係する疾患又は障害、疼痛、及び化学物質の乱用の停止により引き起こされる禁断症状のように様々な疾患又は障害の治療に有用であり得る。
【0009】
本発明の化合物は、様々な診断方法、特にインビボ受容体画像(神経の画像)における診断ツール又はモニター試薬としても有用であり得、それらを標識又は非標識形態で使用し得る。
【0010】
その第1の態様においては、本発明は、N−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−2−フルオロ−ベンズアミド、又はその薬学的に許容される塩である、新規な1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニルを提供する。
【0011】
その第2の態様においては、本発明は、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体、又はその薬学的に許容される塩、又はそのプロドラッグの治療有効量を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体又は希釈剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0012】
さらなる態様においては、本発明は、コリン作動性受容体の調節に応答する、ヒトを含む哺乳動物の疾患、障害又は状態の治療、予防又は緩和用の医薬組成物/薬剤の製造用の、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体、又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0013】
最後の態様においては、本発明は、コリン作動性受容体の調節に応答する、ヒトを含む、動物の生体の疾患、障害又は状態の治療、予防又は緩和の方法を提供し、この方法は、治療有効量の本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体を、それを必要とするこのような動物の生体に投与するステップを含む。
【0014】
本発明の他の目的は、次の詳細な説明及び実施例から、当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体
第1の態様においては、新規な1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体を提供する。本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体は、N−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−2−フルオロ−ベンズアミド、又はその薬学的に許容される塩である。
【0016】
より好ましい実施形態においては、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体は、N−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−2−フルオロ−ベンズアミド塩酸塩又は薬学的に許容されるその塩である。
【0017】
薬学的に許容される塩
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体は、所望の投与に適した任意の形態で提供し得る。適切な形態には、薬学的(すなわち生理学的に)に許容される塩、及び本発明の化合物のプレドラッグ又はプロドラッグ形態が含まれる。
【0018】
薬学的に許容される付加塩の例には、限定されることなく、塩酸に由来する塩酸塩、臭化水素酸に由来する臭化水素酸塩、硝酸に由来する硝酸塩、過塩素酸に由来する過塩素酸塩、リン酸に由来するリン酸塩、硫酸に由来する硫酸塩、ギ酸に由来するギ酸塩、酢酸に由来する酢酸塩、アコニット酸に由来するアコニット酸塩、アスコルビン酸に由来するアスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸に由来するベンゼンスルホン酸塩、安息香酸に由来する安息香酸塩、ケイ皮酸に由来するケイ皮酸塩、クエン酸に由来するクエン酸塩、エンボン酸に由来するエンボン酸塩、エナント酸に由来するエナント酸塩、フマル酸に由来するフマル酸塩、グルタミン酸に由来するグルタミン酸塩、グリコール酸に由来するグリコール酸塩、乳酸に由来する乳酸塩、マレイン酸に由来するマレイン酸塩、マロン酸に由来するマロン酸塩、マンデル酸に由来するマンデル酸塩、メタンスルホン酸に由来するメタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸に由来するナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸に由来するフタル酸塩、サリチル酸に由来するサリチル酸塩、ソルビン酸に由来するソルビン酸塩、ステアリン酸に由来するステアリン酸塩、コハク酸に由来するコハク酸塩、酒石酸に由来する酒石酸塩、p−トルエンスルホン酸に由来するトルエン−p−スルホン酸塩などの無毒の無機及び有機酸付加塩が含まれる。このような塩は、当技術分野で周知且つ記載された手法により形成し得る。
【0019】
薬学的に許容されると考えられないシュウ酸などの他の酸は、本発明の化合物及びその薬学的に許容される酸付加塩を得るための中間体として有用な塩の調製において有用であり得る。
【0020】
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体の薬学的に許容される陽イオン塩の例には、限定されることなく、陰イオン基を含有する本発明の化合物の、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、コリン、リシン、及びアンモニウム塩などが含まれる。このような陽イオン塩は、当技術分野で周知且つ記載された手法により形成し得る。
【0021】
薬学的に許容される付加塩のさらなる例には、限定されることなく、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコニット酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩などの無毒の無機及び有機酸付加塩が含まれる。このような塩は、当技術分野で周知且つ記載された手順により形成し得る。
【0022】
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体の金属塩には、カルボキシ基を含有する本発明の化合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩が含まれる。
【0023】
標識化合物
本発明の化合物は、その標識又は非標識形態で使用し得る。本発明の文脈では、標識化合物は、通常自然に見出される原子量又は質量数と異なる原子量又は質量数を有する原子で置換された1個又は複数の原子を有する。標識化により前記化合物の定量的検知が容易になる。
【0024】
本発明の標識化合物は、様々な診断方法において診断ツール、放射性トレーサー、又はモニター試薬として、及びインビボ受容体画像用に有用であり得る。
【0025】
本発明の標識異性体は、好ましくは、標識として少なくとも1個の放射性核種を含有する。陽電子放出核種は、全て使用の候補である。本発明の文脈においては、放射性核種は、好ましくは、H(重水素)、H(三重水素)、13C、14C、131I、125I、123I、及び18Fから選択される。
【0026】
本発明の標識異性体を検知するための物理的方法は、陽電子放出断層撮影(PET)、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)、磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)、磁気共鳴映像法(MRI)、コンピュータ化体軸X線断層写真術(CAT)、及びそれらの組合せから選択し得る。
【0027】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体の製造法
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体は、化学合成用の通常の方法、例えば、実施例に記載された方法により調製し得る。本出願に記載された方法のための出発原料は、知られているか、市販の薬品から通常の方法によって容易に調製し得る。
【0028】
また、本発明の一化合物は、通常の方法を用いて本発明の別の化合物に変換し得る。
【0029】
本明細書に記載された反応の最終生成物は、通常の技術によって、例えば抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーなどによって単離し得る。
【0030】
生物活性
本発明は、ニコチン性受容体の新規なリガンド及び調節物質の提供を対象とし、このリガンド及び調節物質は、コリン作動性受容体、特にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に関係した疾患又は障害の治療に有用である。本発明の化合物は、顕著なニコチン性アセチルコリンα7受容体サブタイプ選択性を示す。
【0031】
その薬理学的プロフィールにより、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)に関係する疾患、末梢神経系(PNS)に関係する疾患、平滑筋収縮に関係する疾患、内分泌障害、神経変性に関係する疾患、炎症に関係する疾患、疼痛、及び化学物質の乱用の停止により引き起こされる禁断症状のように様々な疾患又は状態の治療に有用であり得る。
【0032】
好ましい一実施形態においては、本発明の化合物は、認識力障害、学習障害、記憶障害及び機能不全、ダウン症候群、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、トゥーレット症候群、精神病、うつ病、双極性障害、躁病、躁うつ病、統合失調症、統合失調症に関係した認知障害又は注意欠陥、強迫性障害(OCD)、パニック障害、拒食症、過食症及び肥満などの摂食障害、ナルコレプシー、侵害受容、AIDS認知症、老年性認知症、自閉症、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、不安、非OCD不安障害、けいれん性障害、てんかん、神経変性障害、一過性無酸素症、誘発性神経変性、ニューロパシー、糖尿病性ニューロパシー、ペリフェリック失読症(periferic dyslexia)、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、軽度の痛み、中等度の又は激しい痛み、急性の、慢性の又は反復性の痛み、片頭痛に起因する痛み、術後疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、慢性頭痛、中心性疼痛、糖尿病性ニューロパシー、治療後神経痛、又は末梢神経損傷に関係する痛み、過食症、外傷後症候群、対人恐怖、睡眠障害、偽認知症、ガンゼル症候群、月経前症候群、後期黄体期症候群、線維筋痛、慢性疲労症候群、無言症、抜毛癖、時差ぼけ、不整脈、平滑筋収縮、狭心症、早期分娩、下痢、ぜんそく、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、早漏、勃起不全、高血圧、炎症性疾患、炎症性皮膚障害、座瘡、酒さ、クーロン病、炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎、下痢、又はタバコなどのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、及びアルコールを含む中毒性物質の使用の停止に起因する禁断症状の治療、予防又は緩和用に有用であり得る。
【0033】
より好ましい実施形態においては、本発明の化合物は、痛み、軽い又は中等度の又は激しい痛み、急性、慢性又は反復性の痛み、片頭痛に起因する痛み、術後疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、慢性頭痛、中心性疼痛、糖尿病性ニューロパシー、治療後神経痛、又は末梢神経損傷に関係する痛みの治療、予防又は緩和用に有用であり得る。
【0034】
さらにより好ましい実施形態においては、本発明の化合物は、平滑筋収縮、けいれん性障害、狭心症、早期分娩、けいれん、下痢、ぜんそく、てんかん、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、早漏、又は勃起不全に関係する疾患、障害又は状態の治療、予防又は緩和用に有用であり得る。
【0035】
さらにより好ましい実施形態においては、本発明の化合物は、神経変性障害、一過性の無酸素症、又は誘発性神経変性の治療、予防又は緩和用に有用であり得る。
【0036】
さらにより好ましい実施形態においては、本発明の化合物は、炎症性障害、炎症性皮膚障害、座瘡、酒さ、クーロン病、炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎、又は下痢の治療、予防又は緩和用に有用であり得る。
【0037】
さらに好ましい実施形態においては、本発明の化合物は、糖尿病性ニューロパシー、統合失調症、統合失調症に関係する認識又は注意欠陥、又はうつ病の治療、予防又は緩和用に有用であり得る。
【0038】
最後に、本発明の化合物は、中毒性物質の使用の停止に起因する禁断症状の治療に有用であり得る。このような中毒性物質には、タバコなどのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン、ベンゾジアゼピン様薬物、及びアルコールが含まれる。中毒性物質からの禁断症状は、一般的に、不安及びフラストレーション、怒り、不安、集中困難、不穏、心拍数の低下及び食欲亢進及び体重増加によって特徴付けられる外傷性経験である。
【0039】
本文脈において、「治療」は、禁断症状及び禁断の治療、予防、予防法及び軽減、並びに中毒性物質の摂取を自発的に減らす治療を含む。
【0040】
別の態様においては、本発明の化合物を、例えば、様々な組織中のニコチン性受容体の同定及び位置確認用の診断薬として使用する。
【0041】
活性医薬成分(API)の適切な用量は、正確な投与の方式、それが投与される形態、考慮される適応症、対象及び特に被験対象の体重、及びさらに担当医師又は獣医の好み及び経験に基づくが、1日当たり約0.1から約1000mgのAPI、より好ましくは1日当たり約10から約500mgのAPI、最も好ましくは1日当たり約30から約100mgのAPIの範囲に含まれることが現在考えられている。
【0042】
医薬組成物
別の態様においては、本発明は、治療有効量の本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体を含む新規な医薬組成物を提供する。
【0043】
治療における使用のための本発明の化合物は、そのままの化合物の形態で投与し得るが、医薬組成物中に、活性成分を、場合によっては生理学的に許容される塩の形態で、1種又は複数のアジュバント、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、及び/又はその他の通例の医薬助剤と一緒に導入することが好ましい。
【0044】
好ましい一実施形態においては、本発明は、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体、又はその薬学的に許容される塩又は誘導体を、1種又は複数の薬学的に許容される担体、及び、場合によっては、当技術分野で知られ使用される他の治療的及び/又は予防的成分と一緒に含む医薬組成物を提供する。担体は、製剤の他の成分と相容性があり、それらのレシピエントに有害ではないという意味において「許容」されなければならない。
【0045】
本発明の医薬組成物は、所望の治療に適合する任意の好都合な経路で投与し得る。投与の好ましい経路には、特に、錠剤、カプセル、糖衣錠、粉末、又は液体形態における経口投与、及び特に、皮膚、皮下、筋肉内、又は静脈注射における非経口投与が含まれる。本発明の医薬組成物は、標準の方法及び所望の製剤に適した従来技術の使用によって任意の技術者によって製造し得る。所望に応じて、活性成分の持続放出を生じるよう適合された組成物を利用し得る。
【0046】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、気管支、経鼻、肺、(頬側及び舌下を含む)局所、経皮、膣内若しくは(皮膚、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、動脈内、脳内、眼内注射若しくは注入を含む)非経口投与に適した組成物、或いは粉末及び液体エアゾールを含む吸入若しくは吹送、又は持続放出系による投与に適した形態における組成物であり得る。持続放出系の適切な例には、本発明の化合物を含有する固体の疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、これらのマトリックスは、成型物品、例えばフィルム又はマイクロカプセルの形態であり得る。
【0047】
したがって、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体は、通常のアジュバント、担体、又は希釈剤と一緒に、医薬組成物及びその単位用量の形態にし得る。このような形態には、全て経口使用のための、固体、特に錠剤、充てんカプセル、粉末及びペレット形態、及び液体、特に水溶液又は非水溶液、懸濁液、乳濁液、エリキシル剤、及びそれらを充てんしたカプゼル、直腸投与用の坐剤、及び非経口使用のための滅菌注射液が含まれる。このような医薬組成物及びそれらの単位剤形は、追加の活性化合物又は成分と一緒に又は一緒ではなく、通常の割合で通常の成分を含み得、このような単位剤形は、利用すべき所望の日用量に応じた、任意の適切な有効量の活性成分を含有し得る。
【0048】
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体は、多様な経口及び非経口剤形で投与し得る。次の剤形は、活性成分として、本発明の化合物又は本発明の化合物の薬学的に許容される塩のいずれかを含み得ることは、当業者には明らかであろう。
【0049】
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体から医薬組成物を調製するためには、薬学的に許容される担体は、固体又は液体のいずれかであってよい。固体形態製剤には、粉末、錠剤、丸剤、カプセル、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒が含まれる。固体担体は、希釈剤、香料、可溶化剤、潤滑剤、懸濁化剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、又はカプセル化材料としても作用し得る1種又は複数の物質であってよい。
【0050】
粉末においては、担体は、微粉砕された活性成分との混合物中にある微粉砕された固体である。
【0051】
錠剤においては、活性成分は、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。
【0052】
粉末及び錠剤は、好ましくは、5又は10から約70パーセントまでの活性成分を含有する。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオ脂などである。用語「製剤」は、担体を含むか含まない活性成分が、担体によって取り囲まれ、したがって担体が活性成分と一体化するようなカプセルを提供する担体としてのカプセル化材料との活性化合物の製剤を含むことを意図されている。同様に、カシェ剤及びロゼンジは含まれる。錠剤、カプセル、丸剤、カシェ剤、及びロゼンジは、経口投与に適した固体形態として使用し得る。
【0053】
坐剤を調製するためには、脂肪酸グリセリド又はカカオ脂の混合物などの低融点ワックスを最初に溶融し、活性成分を撹拌によってその中に均一に分散する。次いで、溶融した均一な混合物を好都合なサイズの型に注ぎ、放置して冷却しそれにより固化させる。
【0054】
膣内投与に適した組成物は、活性成分に加えて適切であることが当技術分野で知られている担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡沫又は噴霧として提供し得る。
【0055】
液体製剤には、溶液、懸濁液、及び乳濁液、例えば、水又は水−プロピレングリコール溶液が含まれる。例えば、非経口注射液製剤は、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液として製剤化し得る。
【0056】
本発明による1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体は、したがって、(例えば、注射、例えばボーラス注射又は連続注入による)非経口投与用に製剤化し得、アンプル、プレフィルドシリンジ、少容量注入又は添加した保存料を含む多数回用量容器での単位用量形態で提供し得る。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又は乳濁液などの形態を取り得、懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤などの製剤用薬剤を含有し得る。別法として、活性成分は、適切なビヒクル、例えば滅菌の発熱物質を含まない水による使用前の構成用の、滅菌固体の無菌単離によって又は溶液からの凍結乾燥によって得られる粉末形態であってよい。
【0057】
経口使用に適した水溶液は、活性成分を水に溶解し、所望の適切な着色剤、香料、安定剤及び増粘剤を添加することによって調製し得る。
【0058】
経口使用に適した水性懸濁液は、微粉砕した活性成分を、天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又はその他の周知の懸濁化剤などの粘性材料と一緒に水に分散することによって作製し得る。
【0059】
同様に含まれるのは、経口投与用の液体形態製剤への使用直前の変換用の固体形態製剤である。このような液体形態には、溶液、懸濁液、及び乳濁剤が含まれる。活性成分に加えて、このような製剤は、着色剤、香料、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含み得る。
【0060】
表皮への局所投与用には、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体は、軟膏、クリーム若しくはローションとして、又は経皮パッチとして製剤化し得る。軟膏及びクリームは、例えば、水性又は油性基剤と共に、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を添加して製剤化し得る。ローションは、水性又は油性基剤と共に製剤化し得、一般的に、1種又は複数の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、又は着色剤も含有する。
【0061】
口中の局所投与に適した組成物には、風味付け基剤、通常、スクロース及びアカシア又はトラガント中に活性剤を含むロゼンジ;ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアなどの不活性基剤中に活性成分を含むパステル剤;並びに適切な液体担体中に活性成分を含む洗口剤が含まれる。
【0062】
溶液又は懸濁液は、例えば、スポイト、ピペット又は噴霧を用いる通常の手段によって直接鼻腔に適用される。組成物は、単回又は多回用量形態で提供し得る。
【0063】
気道への投与も、活性成分が、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、又はジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の適切なガスなどの適切な噴射剤の加圧パックで提供されるエアゾール製剤を用いて達成し得る。エアゾールは、好都合にレシチンなどの界面活性剤も含み得る。薬物の用量は、計量バルブの提供により制御し得る。
【0064】
別法として、活性成分は、乾燥粉末の形態、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのデンプン誘導体及びポリビニルピロリドン(PVP)などの適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物で提供し得る。好都合には、粉末担体は、鼻腔にゲルを形成する。粉末組成物は、例えば、粉末を吸入器で投与し得る、例えば、ゼラチン、又はブリスターパックのカプセル又はカートリッジ中の単位用量形態で提供し得る。
【0065】
鼻腔内組成物を含めた、気道への投与用の組成物においては、組成物は、例えば5ミクロン以下程度の小さな粒径を一般的に有する。このような粒径は、当技術分野で周知の手段によって、例えば微粉化によって得ることができる。
【0066】
所望に応じて、活性成分の持続放出を生じるよう適合された組成物を使用し得る。
【0067】
製剤は、好ましくは単位剤形である。このような形態においては、製剤は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分される。単位剤形は、バイアル又はアンプル中のパッケージされた錠剤、カプセル、及び粉末などの、個別の量の製剤を容れたパッケージであるパッケージされた製剤であってよい。同様に、単位剤形は、それ自体、カプセル、錠剤、カシェ剤、又はロゼンジであってよく、或いは、それは、パッケージされた形態の適切な数のこれらのいずれかであってよい。
【0068】
経口投与用の錠剤又はカプセル並びに静脈内投与及び連続注入用の液体は、好ましい組成物である。
【0069】
製剤及び投与用の技術のさらなる詳細は、レミントン薬学(米国、ペンシルベニア州、Easton市、Maack Publishing Co)の最新版に見出し得る。
【0070】
治療有効用量は、症状又は状態を改善する活性成分の量を意味する。治療効力及び毒性、例えばED50及びLD50は、細胞培養又は実験動物における標準の薬理学的手法により求め得る。治療効果及び毒性効果の間の用量比は、治療指数であり、比LD50/ED50により表し得る。大きな治療指数を示す医薬組成物は好ましい。
【0071】
投与される用量は、当然、治療すべき個体の年齢、体重及び状態、並びに投与の経路、剤形及び療法、及び所望の結果に対して注意深く調節されなければならず、正確な用量は、当然、開業医によって決定されるべきである。
【0072】
実際の用量は、治療すべき疾患の性質及び重篤性によって決まり、医師の裁量の範囲内であり、所望の治療効果を生じるために、本発明の特定の環境に応じた用量の滴定によって変え得る。しかしながら、個々の用量当たり約0.1から500mgの活性成分、好ましくは個々の用量当たり約1から約100mgの活性成分、最も好ましくは約1から10mgを含む医薬組成物が、治療上の処置に適することが現在考えられている。
【0073】
活性成分は、1日当たり1回又は数回の用量で投与し得る。満足のいく結果は、場合によっては、0.1μg/kg i.v.及び1μg/kg p.o.もの少ない用量で得ることができる。用量範囲の上限は、約10mg/kg i.v.及び100mg/kg p.o.であると現在考えられている。好ましい範囲は、約0.1μg/kgから約10mg/kg/日 i.v.、及び約1μg/kgから約100mg/kg/日 p.o.である。
【0074】
治療の方法
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体は、有用なニコチン性受容体調節物質であり、したがって、コリン作動性機能不全を含む一連の病気及びnAChR調節物質の作用に応答する一連の障害の治療に有用である。
【0075】
別の態様においては、本発明は、ヒトを含む動物の生体の疾患又は障害又は状態の治療、予防又は緩和のための方法を提供し、この疾患、障害又は状態は、コリン作動性受容体の調節に応答し、この方法は、それを必要とするこのようなヒトを含む動物の生体に、治療有効量の本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体を投与することを含む。
【0076】
好ましい一実施形態においては、疾患、障害又は状態は、中枢神経系に関する。
【0077】
本発明により考えられる好ましい医療適用は、上記に記載されたものである。
【0078】
適切な用量範囲は、通常、投与の正確な方式、投与される形態、投与が向けられる適応症、被験対象、被験対象の体重、さらに担当の医師又は獣医の好み及び経験に応じて、1日当たり0.1から1000ミリグラム、好ましくは1日当たり10から500ミリグラム、より好ましくは1日当たり30から100ミリグラムの範囲であることが現在考えられている。
【実施例】
【0079】
本発明を、次の実施例を参照してさらに例証するが、これらの実施例は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を何ら制限することを目的としていない。
【0080】
(実施例1)
調製実施例
空気感受性の試薬又は中間体が含まれる全ての反応は、窒素下及び無水溶媒中で実施した。硫酸マグネシウムを、後処理手順において乾燥剤として使用し、溶媒を減圧下で蒸発した。
【0081】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(中間化合物)
表題化合物を、J.Med.Chem.1993年36巻2311〜2320頁(及び下記に記載したわずかに修正した方法に従って)に従って調製した。
【0082】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(中間化合物)
無水ジオキサン(130ml)中の1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−オン(15.8g;113mmol)の溶液に、LiAlH(4.9g;130mmol)をアルゴン下で添加した。この混合物を6時間還流し、次いで放置して室温にした。この反応混合物に、水(10mlのジオキサン中5ml)を一滴ずつ添加し、この混合物を0.5時間撹拌し、次いでガラスフィルターでろ過した。溶媒を蒸発し、残渣をクーゲルロール装置を使用して90℃(0.1mbar)で蒸留して、無色の吸湿性の物質として1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(11.1g;78%)を得た。
【0083】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−オン(中間化合物)
90mlの水中の3−キヌクリジノンヒドロクロリド(45g;278mmol)の溶液に、ヒドロキシルアミンヒドロクロリド(21g;302mmol)及び酢酸ナトリウム(CHCOOHx3HO;83g;610mmol)を添加し、この混合物を、70℃で1時間撹拌し、次いで0℃に冷却した。分離した結晶物質を(洗浄することなく)ろ過し真空中で乾燥して40.0gのオキシムを得た。
【0084】
3−キヌクリジノンオキシム(40.0g)を、120℃に予熱したポリリン酸(190g)に2時間かけて少しずつ添加した。反応中の溶液の温度を130℃に保った。全てのオキシムの添加後、溶液を同じ温度で20分間撹拌し、次いで、琺瑯容器に移し、放置して室温にした。酸性混合物を炭酸カリウムの溶液(300mlの水中500g)で中和し、2000mlフラスコ中に移し、300mlの水で希釈し、クロロホルム(3×600ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を蒸発し、固体残渣を真空中で乾燥してラクタムの混合物30.0g(77%)を得た。
【0085】
1,4−ジオキサンから得られた混合物(220ml)の結晶化によって、融点211〜212℃の無色の大きな結晶として15.8g(40.5%)の1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−オンが得られた。
【0086】
N−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−2−フルオロ−ベンズアミド塩酸塩(化合物1)
4−(5−ニトロ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン(0.71g、2.41mmol)、パラジウム(活性炭上の0.25g、10%)及びエタノール(50ml)の混合物を水素下で10分間撹拌した。2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イルアミンの反応混合物を、セライトを通してろ過し、エタノール(50ml)で洗浄した。2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イルアミンのエタノール溶液を、2−フルオロベンゾイルクロリド(0.38g、2.41mmol)と混合し、室温で90時間撹拌し、次いで2−フルオロベンゾイルクロリド(38mg、0.24mmol)を添加し、15時間撹拌した。ジエチルエーテル(30ml)を添加した。表題生成物が、塩酸塩として沈殿した。収量0.80g(88%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、342.1723Daを示した。計算値342.173013Da、偏差−2.1ppm。
【0087】
4−(5−ニトロ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン遊離塩基(中間化合物)
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(0.87g、6.90mmol)、2−クロロ−5−ニトロ−ピリミジン(1.56g、6.27mmol)及びジオキサン(75ml)の混合物を、室温で15時間撹拌した。水性重炭酸ナトリウム(20ml、10%)を添加し、次いで酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。有機相を乾燥し、蒸発し、黄色粉末を単離した。収量0.86g(55%)。融点135〜139℃。
【0088】
(実施例2)
ラット脳におけるH−α−ブンガロトキシン結合のインビトロ阻害
本実施例においては、ニコチン性受容体のα7−サブタイプへの結合への本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体の親和性を、例えばWO2006/087306に記載されたとおりに事実上実施した標準アッセイにおいて求める。
【0089】
試験の値は、IC50H−α−ブンガロトキシンの特異的結合を50%阻害する試験物質の濃度)として示される。
【0090】
本実験の結果を下記の表1に示す。
表1
H−α−ブンガロトキシン結合の阻害
【表1】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−2−フルオロ−ベンズアミド、又は薬学的に許容されるその塩である1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体。
【請求項2】
N−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−2−フルオロ−ベンズアミド塩酸塩、又は薬学的に許容されるその塩である、請求項1に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体、又は薬学的に許容されるその付加塩、又はそのプロドラッグの治療有効量を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体又は希釈剤と一緒に含む医薬組成物。
【請求項4】
ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態の治療、予防又は緩和用の医薬組成物/薬剤の製造のための、請求項1又は2に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体、又は薬学的に許容されるその付加塩の使用であって、この疾患、障害又は状態は、コリン作動性受容体の調節に応答する、上記使用。
【請求項5】
疾患、障害又は状態が、認識力障害、学習障害、記憶障害及び機能不全、ダウン症候群、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、トゥーレット症候群、精神病、うつ病、双極性障害、躁病、躁うつ病、統合失調症、統合失調症に関係した認知障害又は注意欠陥、強迫性障害(OCD)、パニック障害、拒食症、過食症及び肥満などの摂食障害、ナルコレプシー、侵害受容、AIDS認知症、老年性認知症、自閉症、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、不安、非OCD不安障害、けいれん性障害、てんかん、神経変性障害、一過性無酸素症、誘発性神経変性、ニューロパシー、糖尿病性ニューロパシー、ペリフェリック失読症、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、軽度の痛み、中等度の又は激しい痛み、急性の、慢性の又は反復性の痛み、片頭痛に起因する痛み、術後疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、慢性頭痛、中心性疼痛、糖尿病性ニューロパシー、治療後神経痛、又は末梢神経損傷に関係する痛み、過食症、外傷後症候群、対人恐怖、睡眠障害、偽認知症、ガンゼル症候群、月経前症候群、後期黄体期症候群、線維筋痛、慢性疲労症候群、無言症、抜毛癖、時差ぼけ、不整脈、平滑筋収縮、狭心症、早期分娩、下痢、ぜんそく、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、早漏、勃起不全、高血圧、炎症性疾患、炎症性皮膚障害、座瘡、酒さ、クーロン病、炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎、下痢、又はタバコなどのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、及びアルコールを含む中毒性物質の使用の停止に起因する禁断症状である、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
ヒトを含めた動物の生体の疾患又は障害又は状態の治療、予防又は緩和の方法であって、この障害、疾患又は状態は、コリン作動性受容体の調節に応答し、それを必要とするこのような動物の生体に、治療有効量の請求項1又は2に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジニル誘導体を投与するステップを含む、上記方法。

【公表番号】特表2009−538870(P2009−538870A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512572(P2009−512572)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055172
【国際公開番号】WO2007/138041
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】