説明

新規な1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体及びその医学的使用

本発明は、式(I)の、新規な1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体と、医薬組成物の製造におけるその使用とに関する。本発明の化合物は、ニコチン性アセチルコリン受容体におけるコリン作動性リガンド、並びにモノアミン受容体及びモノアミン輸送体のモジュレーターであることが判明している。それらの薬理学的プロフィールによって、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関連する疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌疾患又は内分泌障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症に関連する疾患又は障害、疼痛及び化学物質の乱用を停止することによって引き起こされる退薬症状など様々な疾患又は障害を治療するために有用となり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体と医薬組成物の製造におけるその使用とに関する。本発明の化合物は、ニコチン性アセチルコリン受容体におけるコリン作動性リガンド、並びにモノアミン受容体及びモノアミントランスポーターのモジュレーターであることが判明している。
【0002】
それらの薬理学的プロフィールによって、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関連する疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌疾患又は内分泌障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症に関連する疾患又は障害、疼痛及び化学物質の乱用を停止することによって引き起こされる退薬症状など様々な疾患又は障害を治療するために有用となり得る。
【背景技術】
【0003】
内因性コリン作動性神経伝達物質であるアセチルコリンは、2種のコリン作動性受容体、すなわちムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)及びニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)によってその生物学的効果を発揮する。
【0004】
記憶及び認知に重要な脳の領域においてムスカリン性アセチルコリン受容体がニコチン性アセチルコリン受容体より量的に優勢であることが十分に確立されているため、記憶関連障害の治療薬の開発を目的とした多くの研究は、ムスカリン性アセチルコリン受容体モジュレーターの合成に焦点を絞ってきた。
【0005】
しかし、最近、nAChRモジュレーターの開発に対する関心が出てきている。いくつかの疾患は、コリン作動系の変性、すなわち、アルツハイマー型老人性認知症、血管性認知症及びアルコール依存症に直接関連する器質性脳損傷疾患による失認に関連する。実際、いくつかのCNS障害は、コリン作動性欠損、ドーパミン作動性欠損、アドレナリン作動性欠損又はセロトニン作動性欠損に帰せられ得る。
【0006】
国際公開第2005/074940号は、ニコチン性受容体及び/又はモノアミン受容体のモジュレーターとして有用なジアザビシクロノニルフェニル誘導体、ピリジニル誘導体、ピリダジニル誘導体及びチアジアゾリル誘導体を記載している。しかし、本発明のジアザビシクロノニルピリミジン誘導体は、今までに開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、新規なニコチン性受容体及び/又はモノアミン受容体のモジュレーターの提供に充てられ、モジュレーターは、コリン作動性受容体、特に、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)、セロトニン受容体(5−HTR)、ドーパミン受容体(DAR)及びノルエピネフリン受容体(NER)、並びにセロトニン(5−HT)、ドーパミン(DA)及びノルエピネフリン(NE)の生体アミン輸送体に関連する疾患又は障害の治療に有用である。
【0008】
それらの薬理学的プロフィールによって、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関連する疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌疾患又は内分泌障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症に関連する疾患又は障害、疼痛及び化学物質の乱用を停止することによって引き起こされる退薬症状など様々な疾患又は障害を治療するために有用となり得る。
【0009】
本発明の化合物はまた、様々な診断方法における診断手段又はモニタリング剤として、特に、in vivo受容体画像処理(神経画像処理)に有用となり得、それらは標識された又は標識されていない形態で用いることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その第1の態様では、本発明は、式Iを提供する。
【化1】


その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩であって、式中、
XはN又はCHを表し、
及びRは、互いがそれぞれ独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル−スルホニル、フェニル又はフェノキシを表す、
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体を提供する。
【0011】
その第2の態様では、本発明は、治療有効量の、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体、その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩を、少なくとも1種の医薬として許容される担体又は希釈剤と共に含む医薬組成物を提供する。
【0012】
さらなる態様では、本発明は、ヒトを含めた哺乳動物の疾患又は障害又は状態の治療、防止又は軽減のための医薬組成物/医薬品を製造するための、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体、その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩の使用に関連し、上記疾患、障害又は状態は、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性である。
【0013】
最後の態様では、本発明は、ヒトを含めた動物生体の疾患、障害又は状態を治療、防止又は軽減する方法であって、治療有効量の、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体を、それを必要とするこのような動物生体に投与するステップを含み、上記障害、疾患又は状態がコリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性である。
【0014】
本発明の他の目的は、以下の、発明を実施するための形態及び実施例から当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体
第1の態様では、新規な1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体を提供する。本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、下記の一般式I
【化2】


その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩によって表すことができ、式中、
XはN又はCHを表し、
及びRは、互いがそれぞれ独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル−スルホニル、フェニル又はフェノキシを表す。
【0016】
好ましい実施形態では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、式Ia
【化3】


その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩によって示される化合物であり、式中、
XはN又はCHを表し、
は、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アルキル−スルホニル、フェニル又はフェノキシを表す。
【0017】
他の好ましい実施形態では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、XがN又はCHを表す、式I若しくはIaによって表される化合物、その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩である。
【0018】
第3の好ましい実施形態では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、XがNを表す、式I若しくはIaによって表される化合物、その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩である。
【0019】
第4の好ましい実施形態では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、XがCHを表す、式I又はIaによって表される化合物、その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩である。
【0020】
第5の好ましい実施形態では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、式Iによって表される化合物、その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩であり、式中、R及びRは、互いがそれぞれ独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル−スルホニル、フェニル又はフェノキシを表す。
【0021】
より好ましい実施形態では、R及びRの一方は水素を表し、R及びRのもう一方は、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル−スルホニル、フェニル又はフェノキシを表す。
【0022】
他のより好ましい実施形態では、R及びRの一方は水素を表し、R及びRのもう一方は、ハロ、トリフルオロメチル又はアルコキシを表す。
【0023】
第3のより好ましい実施形態では、Rは、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル−スルホニル、フェニル又はフェノキシを表し、Rは水素を表す。
【0024】
第4のより好ましい実施形態では、Rは、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アルキル−スルホニル、フェニル又はフェノキシを表し、Rは水素を表す。
【0025】
第5のより好ましい実施形態では、Rは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アルキル−スルホニル、フェニル又はフェノキシを表し、Rは水素を表す。
【0026】
第6のより好ましい実施形態では、Rは、水素、ハロ、トリフルオロメチル又はアルコキシを表し、Rは水素を表す。
【0027】
第7のより好ましい実施形態では、Rは、水素、ハロ又はトリフルオロメチルを表し、Rは水素を表す。
【0028】
第8のより好ましい実施形態では、Rは、水素又はアルコキシ、特にメトキシを表し、Rは水素を表す。
【0029】
第9のより好ましい実施形態では、R及びRは共に水素を表す。
【0030】
第10のより好ましい実施形態では、Rはアルコキシ、特にメトキシを表し、Rは水素を表す。
【0031】
最も好ましい実施形態では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、
3−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−3H−キナゾリン−4−オン;
3−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−3H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン−4−オン;
3−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−7−メトキシ−3H−キナゾリン−4−オン;又は
3−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−7−メトキシ−3H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン−4−オン;
その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩である。
【0032】
本明細書に記載した2つ以上の実施形態の任意の組合せは、本発明の範囲内とみなす。
【0033】
置換基の定義
本発明の文脈の中で、アルキル基は、一価の飽和の直鎖又は分枝状の炭化水素鎖を示す。炭化水素鎖は、好ましくは1〜18個の炭素原子(C1〜18−アルキル)、より好ましくは、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、ヘキシル及びイソヘキシルを含めた1〜6個の炭素原子(C1〜6−アルキル;低級アルキル)を含む。好ましい実施形態では、アルキルは、ブチル、イソブチル、第二ブチル及び第三ブチルを含めたC1〜4−アルキル基を表す。本発明の他の好ましい実施形態では、アルキルはC1〜3−アルキル基を表し、それは特に、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルとなり得る。
【0034】
本発明の文脈の中で、アルコキシ基は、「アルキル−O−」基を示し、アルキルは上記で定義した通りである。本発明の好ましいアルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ及びイソプロポキシが含まれる。
【0035】
本発明の文脈の中で、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを表す。したがって、トリハロメチル基は、例えば、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、及び類似のトリハロ置換メチル基を表す。
【0036】
立体異性体
本発明の化合物は、鏡像異性体、ジアステレオマー及び幾何異性体(シス−トランス異性体)を含めた異なる立体異性形態で存在し得ることが当業者によって理解されよう。本発明は、かかるすべての立体異性体及びラセミ混合物を含めたその任意の混合物を含む。
【0037】
ラセミ体は、周知の方法及び技法によって光学対掌体に分割することができる。(鏡像異性体中間体を含めた)鏡像異性体化合物を分離する一つの方法は、化合物がキラル酸である場合、光学活性アミンを使用し、ジアステレオマーを遊離することによるものであり、ジアステレオマーは酸処理によって溶解された塩である。ラセミ体を光学対掌体に分割する他の方法は、光学活性マトリックスでのクロマトグラフィーに基づく。したがって、本発明のラセミ化合物は、例えば、D−若しくはL−(酒石酸、マンデル酸又は樟脳スルホン酸)塩の分別再結晶によって、例えば、光学対掌体に分割することができる。
【0038】
光学異性体を分割する追加の方法は、当技術分野で知られている。かかる方法には、「鏡像異性体、ラセミ体及び分割(Enantiomers,Racemates,and Resolutions)」John Wiley and Sons、New York(1981年)の中でJaques J,Collet A,& Wilen Sが記載したものが含まれる。
【0039】
光学活性化合物は、光学活性の出発物質又は中間体から調製することもできる。
【0040】
医薬として許容される塩
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、所期の投与に適した任意の形態で提供することができる。適当な形態は、医薬として(すなわち、生理的に)許容される塩、及び本発明の化合物のプレドラッグ又はプロドラッグが含まれる。
【0041】
医薬として許容される塩の例には、それだけには限らないが、塩酸由来の塩酸塩、臭化水素酸由来の臭化水素酸塩、硝酸由来の硝酸塩、過塩素酸由来の過塩素酸塩、リン酸由来のリン酸塩、硫酸由来の硫酸塩、ギ酸由来のギ酸塩、酢酸由来の酢酸塩、アコニット酸由来のアコン酸塩、アスコルビン酸由来のアスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸由来のベンゼンスルホン酸塩、安息香酸由来の安息香酸塩、ケイ皮酸由来のケイ皮酸塩、クエン酸由来のクエン酸塩、エンボン酸由来のエンボン酸塩、エナント酸由来のエナント酸塩、フマル酸由来のフマル酸塩、グルタミン酸由来のグルタミン酸塩、グリコール酸由来のグリコール酸塩、乳酸由来の乳酸塩、マレイン酸由来のマレイン酸塩、マロン酸由来のマロン酸塩、マンデル酸由来のマンデル酸、メタンスルホン酸由来のメタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸由来のナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸由来のフタル酸塩、サリチル酸由来のサリチル酸塩、ソルビン酸由来のソルビン酸塩、ステアリン酸由来のステアリン酸塩、コハク酸由来のコハク酸塩、酒石酸由来の酒石酸塩、p−トルエンスルホン酸由来のトルエン−p−スルホン酸塩などの非毒性の無機及び有機酸付加塩が含まれる。かかる塩は当技術分野でよく知られ、記載される手順によって形成することができる。
【0042】
医薬として許容されるとみなすことができない、シュウ酸などの他の酸は、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体及びその医薬として許容される酸付加塩を得る際に中間体として有用な塩の調製に有用となり得る。
【0043】
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体の医薬として許容される陽イオン塩の例としては、それだけには限らないが、陰イオン基を含む本発明の化合物の、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、リチウム塩、コリン塩、リシン塩及びアンモニウム塩などが含まれる。かかる陽イオン塩は、当技術分野でよく知られ、記載される手順によって形成することができる。
【0044】
医薬として許容される塩の追加の例としては、それだけには限らないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸、メタンスルホン酸塩、誘導されたナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩などの非毒性の無機及び有機酸付加塩が含まれる。かかる塩は当技術分野でよく知られ、記載される手順によって形成することができる。
【0045】
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体の金属塩には、カルボキシ基を含む本発明の化合物のナトリウム塩などアルカリ金属塩が含まれる。
【0046】
本発明の文脈の中で、N−含有化合物の「オニウム塩」はまた、医薬として許容される塩として考えられる。好ましい「オニウム塩」には、アルキル−オニウム塩、シクロアルキル−オニウム塩及びシクロアルキルアルキル−オニウム塩が含まれる。
【0047】
標識化合物
本発明の化合物は、その標識又は非標識の形態で用いることができる。本発明の文脈の中で、標識化合物は、通常、自然に見られる原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換された1種又は複数の原子を有する。標識化は、前記化合物の容易な定量的検出を可能にする。
【0048】
本発明の標識化合物は、様々な診断方法における診断手段、放射性トレーサ、又はモニタリング剤として及びin vivo受容体画像処理に有用となり得る。
【0049】
本発明の標識異性体は、好ましくは標識として少なくとも1種の放射性核種を含む。陽電子放出放射性核種は、すべての使用候補である。本発明の文脈の中で、放射性核種は、好ましくはH(重水素)、H(三重水素)、13C、14C、131I、125I、123I、及び18Fから選択される。
【0050】
本発明の標識異性体を検出する物理的方法は、ポジション放射断層撮影法(PET)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、磁気共鳴分光法(MRS)、磁気共鳴画像法(MRI)、及びコンピュータX線体軸断層撮影法(CAT)及びそれらの組合せから選択することができる。
【0051】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体を生成する方法
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、例えば、実施例に記載のものなど化学合成の従来の方法によって調製することができる。本出願に記載の方法のための出発物質は知られている、又は市販の化学薬品から従来の方法によって容易に調製することができる。
【0052】
また、本発明の一化合物は、従来の方法を用いて本発明の他の化合物に変換することができる。
【0053】
本明細書に記載した反応の最終生成物は、例えば、抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーなどによる従来の技法によって単離することができる。
【0054】
生物活性
本発明の化合物は、ニコチン性アセチルコリン受容体におけるコリン作動性リガンド並びにモノアミン受容体及びモノアミン輸送体のモジュレーターであることが判明している。より好ましい実施形態では、本発明は、ニコチン性受容体の新規なリガンド及びモジュレーターの提供に充てられ、リガンド及びモジュレーターは、コリン作動性受容体、特にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に関連する疾患又は障害の治療に有用である。本発明の好ましい化合物は、明白なニコチン性アセチルコリンα7受容体サブタイプ選択性を示す。
【0055】
それらの薬理学的プロフィールによって、本発明の化合物は、CNS関連疾患又は状態、PNS関連疾患、平滑筋収縮に関連する疾患、内分泌障害、神経変性に関連する疾患、炎症に関連する疾患、疼痛及び化学物質の乱用を停止させることによって引き起こされる退薬症状など様々な疾患又は障害を治療するために有用となり得る。
【0056】
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、認知障害、学習障害、記憶欠損及び機能不全、ダウン症候群、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動障害(ADHD)、トゥレット症候群、精神病、うつ病、双極性障害、躁病、躁うつ病、統合失調症、統合失調症に関連する認知欠損若しくは注意欠陥、強迫性障害(OCD)、パニック障害、神経性食欲不振症、過食症及び肥満症などの摂食障害、ナルコレプシー、侵害受容、AIDS認知症、老人性認知症、自閉症、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、不安、非OCD不安障害、けいれん性障害、てんかん、神経変性障害、一過性無酸素症、誘発神経変性、ニューロパチー、糖尿病性ニューロパチー、末梢性失読、遅発性ジスキネジア、運動亢進、軽度の疼痛、中等度若しくは重度の疼痛、急性、慢性若しくは再発性の疼痛、片頭痛によって引き起こされる疼痛、術後疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、慢性頭痛、中枢性疼痛、糖尿病性ニューロパチーに関連する疼痛、帯状疱疹後神経痛に関連する疼痛若しくは末梢神経損傷に関連する疼痛、過食症、外傷後症候群、社会恐怖症、睡眠障害、仮性認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、黄体期後期症候群、線維筋痛症、慢性疲労症候群、無言症、抜毛癖、時差ぼけ、不整脈、平滑筋収縮、狭心症、早期分娩、下痢、喘息、遅発性ジスキネジア、運動亢進、早漏症、勃起困難、高血圧、炎症性障害、炎症性皮膚障害、ざ瘡、酒さ、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、下痢、又はタバコなどのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、並びにアルコールを含めた習慣性物質の使用を停止することによって引き起こされる退薬症状の治療、防止又は軽減に有用となり得る。
【0057】
より好ましい実施形態では、本発明の化合物は、疼痛、軽度若しくは中等度若しくは重度の疼痛、急性、慢性若しくは再発性の疼痛、片頭痛によって引き起こされる疼痛、術後疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、慢性頭痛、中枢性疼痛、糖尿病性ニューロパチーに関連する疼痛、帯状疱疹後神経痛に関連する疼痛若しくは末梢神経損傷に関連する疼痛の治療、防止又は軽減に有用となり得る。
【0058】
より一層好ましい実施形態では、本発明の化合物は、平滑筋収縮を伴う疾患、障害又は状態、けいれん性障害、狭心症、早期分娩、痙攣、下痢、喘息、てんかん、遅発性ジスキネジア、運動亢進、早漏症、又は勃起困難の治療、防止又は軽減に有用となり得る。
【0059】
さらに好ましい実施形態では、本発明の化合物は、神経変性障害、一過性無酸素症、又は誘発神経変性の治療、防止又は軽減に有用となり得る。
【0060】
さらにより好ましい実施形態では、本発明の化合物は、炎症性障害、炎症性皮膚障害、ざ瘡、酒さ、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、又は下痢の治療、防止又は軽減に有用となり得る。
【0061】
さらに好ましい実施形態では、本発明の化合物は、糖尿病性ニューロパチー、統合失調症、統合失調症に関連する認知欠損若しくは注意欠陥、又はうつ病の治療、防止又は軽減に有用となり得る。
【0062】
最後に、本発明の化合物は、習慣性物質の使用を停止することによって引き起こされる退薬症状の治療に有用となり得る。かかる習慣性物質には、タバコなどのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン、ベンゾジアゼピン様薬物、及びアルコールが含まれる。習慣性物質からの退薬症状は、一般に、不安及び欲求不満、怒り、不安、集中の困難、不穏状態、心拍数の減少及び食欲亢進及び体重増加を特徴とする外傷的体験である。
【0063】
この文脈の中で、「治療」は、退薬症状及び禁断の治療、防止、予防及び軽減、並びに習慣性物質の摂取の自発的な減少をもたらす治療を包含する。
【0064】
他の態様では、本発明の化合物は、例えば、様々な組織中でニコチン性受容体を同定及び位置確認するための診断薬として用いられる。
【0065】
原薬(API)の適当な用量は、1日当たりAPI約0.1〜約1000mgの範囲内であり、より好ましくは1日当たりAPI約10〜約500mg、最も好ましいのは、1日当たりAPI約30〜約100mgの範囲内であるが、投与の正確な方法、それが投与される形態、考慮される適応症、対象及び特に、関与する対象の体重、さらに担当の医師又は獣医師の選択及び経験に依存すると現在考えられている。
【0066】
本発明の好ましい化合物は、マイクロモル以下及びマイクロモルの範囲、すなわち、1μM未満〜約100μMの範囲で生物活性を示す。
【0067】
医薬組成物
他の態様では、本発明は、治療有効量の、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体を含む新規な医薬組成物を提供する。
【0068】
治療で使用するための本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は原化合物の形態で投与することができるが、有効成分を、場合によっては生理的に許容される塩の形態で、1種若しくは複数の補助剤、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、及び/又は他の慣例の医薬助剤と共に医薬組成物中で導入することが好ましい。
【0069】
好ましい実施形態では、本発明は、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体、又は医薬として許容される塩若しくはその誘導体を、そのための1種又は複数の医薬として許容される担体、並びに、場合によっては当技術分野で知られ用いられる他の治療成分及び/又は予防成分と共に含む医薬組成物を提供する。担体(単数又は複数)は、製剤の他の成分に適合し、レシピエントにとって有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
【0070】
本発明の医薬組成物は、所望の治療に適する、任意の好都合な経路で投与することができる。好ましい投与経路は、特に、錠剤、カプセル剤、糖剤、散剤又は液体の形態の経口投与、特に、皮膚、皮下、筋肉内、又は静脈内注射としての非経口投与が含まれる。本発明の医薬組成物は、所望の製剤に適する標準の方法及び従来の技法を使用することによって、任意の当業者によって製造することができる。望まれるとき、有効成分の徐放を与えるように適合された組成物が使用され得る。
【0071】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、気管支、経鼻、経肺、局所(口腔及び舌下を含む)、経皮、経膣又は非経口(皮膚、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、動脈内、脳内、眼内注射又は注入を含む)投与に適したもの、或いは粉末及び液体エアロゾル投与を含めた吸入若しくは吹入による又は徐放系による投与に適した形態のものとなり得る。徐放系の適当な例には、本発明の化合物を含む固形の疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、マトリックスは、例えば、フィルム又はマイクロカプセルなどの成形品の形態となり得る。
【0072】
したがって、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、従来の補助剤、担体、又は希釈剤と共に、医薬組成物及びその単位剤形の形態で入れることができる。かかる形態には、すべて経口使用用である、固体、特に錠剤、充填されたカプセル剤、散剤及びペレットの形態、並びに液体、特に水性又は非水性液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤及びそれらを充填したカプセル剤と、直腸投与用の坐剤と、非経口使用用の無菌注射液とが含まれる。かかる医薬組成物及びその単位剤形は、追加の有効な化合物又は成分と共に、又はそれらなしで、従来の成分を従来の比率で含むことができ、かかる単位剤形は、使用しようとする所期の1日投与量範囲に相応しい、任意の適当な有効量の有効成分を含むことができる。
【0073】
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、広範囲の経口及び非経口剤形で投与することができる。以下の剤形は、有効構成成分として、本発明の化合物又は本発明の化合物の医薬として許容される塩のどちらかを含み得ることは当業者には明らかであろう。
【0074】
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体から医薬組成物を調製するために、医薬として許容される担体は、固体でも液体でもなり得る。固形調製物には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤及び分散性顆粒剤が含まれる。固形担体は、希釈剤、矯味剤、可溶化剤、滑剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤又は封入材料として作用することもできる1種又は複数の物質となり得る。
【0075】
散剤において、担体は、微粉砕した固体であり、微粉砕した有効構成成分との混合物の形である。
【0076】
錠剤において、有効構成成分は、適当な比率で必要な結合能を有する担体と混合し、所望の形状及びサイズで圧縮する。
【0077】
好ましくは散剤及び錠剤は、5又は10〜約70パーセントの有効な化合物を含む。適当な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどである。「調製物」という用語には、担体としての封入材料を伴う有効な化合物の製剤が含まれ、有効構成成分が担体を含む場合も含まない場合も、それが一担体に取り囲まれているカプセル剤が提供され、そのようにして上記担体がそれに不随することが意図されている。同様に、カシェ剤及び薬用ドロップが含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及び薬用ドロップは、経口投与に適した固形として用いることができる。
【0078】
坐剤を調製するために、脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物などの低融点ワックスは最初に融解され、有効構成成分は撹拌などによってその中で均質に分散される。次いで、融解した均質な混合物を都合がよいサイズの金型中に注ぎ、放冷し、それによって凝固させる。
【0079】
経膣投与に適した組成物は、有効成分に加えて、当技術分野で知られている、適切であるこうした担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム又はスプレー剤として提供することができる。
【0080】
液体調製物には、溶液、懸濁剤及び乳剤が含まれ、例えば、水又は水−プロピレングリコール溶液が含まれる。例えば、非経口注射液調製物は、溶液として、水性ポリエチレングリコール溶液中に製剤できる。
【0081】
したがって、本発明による1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、非経口投与(例えば、注射による、例えばボーラス投与又は持続注入など)のために製剤でき、アンプル、プレフィルドシリンジ、小容量注入の形で単位用量で又は保存剤を加えた多回投与容器で提供することができる。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁剤、溶液、又は乳剤などの形態になってもよく、懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散剤などの製剤用薬剤を含んでもよい。或いは、有効成分は、無菌固体の無菌的な単離によって又は溶液からの凍結乾燥によって得られた、使用前に例えば、無菌の発熱物質のない水などの適当なビヒクルと構成させるための、粉末の形態となり得る。
【0082】
経口使用に適した水溶液は、水に有効構成成分を溶かし、望み通りに適当な着色料、芳香料、安定化剤及び濃稠化剤を加えることによって調製することができる。
【0083】
経口使用に適した水性懸濁剤は、天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又は他の周知の懸濁化剤などの粘稠材料を含む水に微粉砕した有効成分を分散させることによって作製することができる。
【0084】
また、使用前に経口投与用の液体調製物に簡単に転換することを目的とした固体調製物が含まれる。かかる液体形態には、溶液、懸濁剤及び乳剤が含まれる。有効構成成分に加えて、かかる調製物は、着色料、芳香料、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含むことができる。
【0085】
表皮への局所投与のため、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、軟膏剤、クリーム剤又はローション剤として又は経皮パッチとして製剤できる。例えば、軟膏剤及びクリーム剤は、適当な濃稠化剤及び/又はゲル化剤を加えることによって、水性若しくは油性基剤と共に製剤できる。ローション剤は、水性若しくは油性基剤と共に製剤でき、一般に、1種又は複数の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、濃稠化剤又は着色剤をも含む。
【0086】
口内への局所投与に適した組成物には、通常はスクロース及びアラビアゴム又はトラガカントである、味付きの基剤中に有効な薬剤を含む薬用ドロップ;ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアラビアゴムなどの不活性基剤中に有効成分を含むトローチ;及び適当な液状担体中に有効成分を含む洗口剤が含まれる。
【0087】
液剤又は懸濁剤は、従来の手段によって、例えば、スポイト、ピペット又はスプレーを用いて鼻腔に直接適用される。組成物は、単数又は多数投与の形態で提供することができる。
【0088】
気道への投与は、有効成分が例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、若しくはジクロロテトラフルオロエタンなどのクロロフルオロカーボン(CFC)、二酸化炭素、又は他の適当なガスなどの適当な噴霧剤により加圧されたパックで提供される、エアゾール製剤で達成することもできる。エアゾールは、好都合には、レシチンなどの界面活性剤を含むことができる。薬物の用量は、計量バルブの提供によって制御することができる。
【0089】
或いは、有効成分は、例えば、ラクトース、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのデンプン誘導体及びポリビニルピロリドン(PVP)などの適当な粉末基剤中における、化合物の粉末混合物など、乾燥粉末の形態で提供することができる。好都合には、粉末担体は、鼻腔中でゲルを形成するであろう。粉末組成物は、例えば、ゼラチンのカプセル剤若しくはカートリッジ中、又は散剤を吸入器で投与することができるブリスターパックなど、単位用量の形態で提供することができる。
【0090】
鼻腔内組成物を含めた、気道への投与を目的とした組成物において、化合物は、一般に、例えば、5ミクロン以下の桁の小型の粒径を有する。このような粒径は、当技術分野で知られている手段によって、例えば、微粉化によって得ることができる。
【0091】
望まれるとき、有効成分の徐放を与えるように適合された組成物が使用され得る。
【0092】
医薬品は、好ましくは単位剤形の形である。かかる形態において、調製物は、適当な量の有効構成成分を含む単位用量に小分けされる。単位剤形は、包装された調製であってもよく、パッケージは、包装された錠剤、カプセル剤、及びバイアル又はアンプル中の粉末などの、別個の量の調製物を含む。また、単位剤形は、それ自体カプセル剤、錠剤、カシェ剤、又は薬用ドロップであってもよく、包装された形態で、これらのうちいずれか適当な数になってもよい。
【0093】
経口投与のための錠剤又はカプセル剤及び静脈内投与及び持続注入のための液体は、好ましい組成物である。
【0094】
さらに、製剤及び投与の技法に関する詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版において見出すことができる。
【0095】
治療上有効な用量は、症状又は状態を寛解させる有効成分の量を意味する。治療効果及び毒性、例えば、ED50及びLD50は、細胞培養中で又は実験動物において標準の薬理学的手順によって決定することができる。治療効果と毒性作用との用量比は、治療指数であり、LD50/ED50比によって表すことができる。大きな治療指数を示す医薬組成物が好ましい。
【0096】
当然ながら、投与される用量は、治療対象となる個体の年令、体重及び状態、並びに投与経路、剤形及びレジメンに注意深く適合させなければならず、当然ながら、所望の結果及び厳密な用量は、医師によって決定されるべきである。
【0097】
実際の用量は、治療対象となる疾患の性質及び重症度に依存し、医師の判断の範囲内であり、所望の治療効果をもたらすために本発明の個々の状況に対して用量を力価測定することによって変化し得る。しかし、個別の用量当たり有効成分約0.1〜約500mg、好ましくは約1〜約100mg、最も好ましくは約1〜約10mgを含む医薬組成物は、治療上の処置に適していると現在考えられている。
【0098】
有効成分は、1日当たり1回又は数回の用量で投与することができる。特定の場合において、静脈内で0.1μg/kg及び経口で1μg/kgのように低い用量で満足できる結果を得ることができる。用量範囲の上限は、静脈内で約10mg/kg及び経口で100mg/kgであると現在みなされる。好ましい範囲は、静脈内で1日約0.1μg/kg〜約10mg/kg及び経口で1日約1μg/kg〜約100mg/kgである。
【0099】
治療方法
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体は、有益なニコチン性受容体及びモノアミン受容体のモジュレーターであり、したがって、一範囲の、コリン作動性機能障害関連の病気及び一範囲の、nAChRモジュレーターの作用に応答性の障害を治療するのに有用である。
【0100】
他の態様では、本発明は、ヒトを含めた動物生体の疾患又は障害又は状態を治療、防止又は軽減する方法であって、治療有効量の、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体を、それを必要とする、ヒトを含めたこのような動物生体に投与するステップを含み、疾患、障害又は状態が、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性である方法を提供する。
【0101】
好ましい実施形態では、疾患、障害又は状態は中枢神経系に関する。
【0102】
本発明に従って考えられる好ましい医療適用は、上述のものである。
【0103】
適当な用量範囲は、1日0.1〜1000ミリグラム、好ましくは1日10〜500ミリグラム、より好ましくは1日30〜100ミリグラムの範囲内であり、厳密な投与の方法、投与する形態、投与が向けられる適応症、関与する対象、関与する対象の体重、さらに担当の医師又は獣医師の選択及び経験に通常通り依存すると現在考えられている。
【実施例】
【0104】
本発明はさらに、以下の実施例に関して例示され、いかなるやり方においても特許請求する本発明の範囲を限定することは意図しない。
【0105】
(例1)
準備例(Preparatory Example)
空気感受性(air sensitive)の試薬又は中間体に関与するすべての反応を、窒素中及び無水溶媒中で実施した。硫酸マグネシウムを後処理方法で乾燥剤として使用し、溶媒を減圧下で蒸発させた。
【0106】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(中間化合物)
表題化合物をJ.Med.Chem.1993年、36巻、2311〜2320頁に従って(及び後述のわずかに修正された方法に従って)調製した。
【0107】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(中間化合物)
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−オン(15.8g;113mmol)の無水ジオキサン(130ml)溶液に、LiAlH(4.9g;130mmol)をアルゴン中で加えた。混合物を6時間還流し、次いで、室温に達するまで放置した。反応混合物に、水(ジオキサン10ml中5ml)を滴下して加え、混合物を0.5時間撹拌し、次いで、ガラスフィルターによってろ過した。溶媒を蒸発させ、残留物をクーゲルロール装置を用いて90℃(0.1ミリバール)で蒸留して、無色の吸湿性物質として1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(11.1g;78%)を得た。
【0108】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−オン(中間化合物)
3−キヌクリジノン塩酸塩(45g;278mmol)の水90ml溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(21g;302mmol)及び酢酸ナトリウム(CHCOONa×3HO;83g;610mmol)を加え、混合物を70℃で1時間撹拌し、次いで0℃に冷却した。分離した結晶質を(洗い流さずに)ろ過し、真空中で乾燥してオキシム40.0gを得た。
【0109】
3−キヌクリジノンオキシム(40.0g)を2時間少量ずつ、120℃に予熱したポリリン酸(190g)に加えた。反応中、溶液の温度を130℃に保った。すべてのオキシムを加えた後、溶液を同じ温度で20分間撹拌し、室温に達するまで放置した。酸性混合物を炭酸カリウム(水300ml中500g)溶液によって中和し、2000mlフラスコ中に移し、水300mlで希釈し、クロロホルム(3×600ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を蒸発させ、固形残留物は真空中で乾燥させて、ラクタムの混合物30.0g(77%)を得た。
【0110】
得られた混合物を1,4−ジオキサン(220ml)から結晶化することによって、融点211〜212℃の無色の大型の結晶として、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−オン15.8g(40.5%)を生成した。
【0111】
4−(5−ニトロ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン遊離塩基(中間化合物)
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(0.87g、6.90mmol)、2−クロロ−5−ニトロ−ピリミジン(1.56g、6.27mmol)及びジオキサン(75ml)の混合物を室温で15時間撹拌した。水性炭酸水素ナトリウム(20ml、10%)を加え、それに続いて、酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。有機相を乾燥し蒸発させ、黄色の粉末を単離した。収率0.86g(55%)。融点135〜139℃。
【0112】
2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イルアミン遊離塩基(中間化合物)
4−(5−ニトロ−ピリミジン−2−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン(0.71g、2.85mmol)、パラジウム(0.25g、10%活性炭担持)及びメタノール(50ml)の混合物を水素中で10分間撹拌した。反応混合物をセライトでろ過し、エタノール(50ml)で洗浄した。生成物を乾燥し蒸発させた。収率100%。
【0113】
方法A
3−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−3H−キナゾリン−4−オン塩酸塩(化合物A1)
2−アミノ−N−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−ベンズアミド(0.85g、2.51mmol)及びギ酸(10ml、265mmol)を還流下で1時間撹拌した。アンモニア水を加え、それに続いてクロロホルムで抽出した。混合物を乾燥し蒸発させた。褐色のオイルをエタノール(25ml)及び塩酸(1ml、3M)で混合した。混合物を氷浴で冷却した。結晶をろ過し、エタノールで洗浄した。収率0.41g(42%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、349.1776Daを示す。計算値349.177684Da、偏差−0.2ppm。
【0114】
3−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−7−メトキシ−3H−キナゾリン−4−オンフマル酸塩(化合物A2)を方法Aに従って調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、379.1893Daを示す。計算値379.187704Da、偏差4.2ppm。
【0115】
方法B
3−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−3H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン−4−オン塩酸塩(化合物B1)
2−アミノ−N−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−ベンズアミド(0.80g、2.36mmol)、酢酸(10ml)及び水(2ml)の混合物を5℃に冷却し、水(3ml)に溶解した亜硝酸ナトリウム(0.18g、2.6mmol)を加えた。混合物を80℃で30分間撹拌した。混合物を氷及びアンモニア水を加えることによって中和し、クロロホルムで抽出した。混合物を乾燥し蒸発させた。黄色のオイルをエタノール(25ml)及び塩酸(1ml、3M)と混合した。混合物を氷浴で冷却した。結晶をろ過し、エタノールで洗浄し、それに続いて、ジエチルエーテルで洗浄した。収率0.52g(57%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、350.1732Daを示す。計算値350.172933Da、偏差0.8ppm。
【0116】
3−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−7−メトキシ−3H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン−4−オンフマル酸塩(化合物B2)を方法Bに従って調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、380.1822Daを示す。計算値380.182953Da、偏差−2ppm。
【0117】
2−アミノ−N−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−ベンズアミド(中間化合物)
N−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−2−ニトロ−ベンズアミド(4.0g、9.9mmol)、炭担持パラジウム(100mg、10%)及びメタノール(100ml)の混合物を水素中で3日間撹拌した。混合物をアンモニア水を加えることによって中和し、クロロホルムで抽出した。混合物を乾燥し蒸発させた。黄色のオイルをエタノール(25ml)及び塩酸(3ml、3M)と混合した。混合物を氷浴で冷却した。結晶をろ過し、エタノールで洗浄し、それに続いてジエチルエーテルで洗浄した。収率2.27g(61%)。
【0118】
N−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−2−ニトロ−ベンズアミド塩酸塩(中間化合物)
2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イルアミン遊離塩基及びTHF(275ml)の混合物を、2−ニトロベンゾイルクロリド(10g、53.9mmol)の他の混合物に45分間加えた。混合物を室温で15時間撹拌した。結晶をろ過しTHFで洗浄した。エタノール(100ml、96%)中で煮沸させた結晶及び混合物を冷蔵庫で3時間保存した。結晶をろ過し、エタノールで洗浄し、それに続いて、ジエチルエーテルで洗浄した。収率6.47g(33%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、369.169Daを示す。計算値369.167514Da、偏差4ppm。
【0119】
(例2)
ラットの脳におけるΗ−α−ブンガロトキシン結合のin vitro阻害
ニコチン性受容体のα−サブタイプへの結合に対する化合物の親和性は、本質的には、例えば、国際公開第2006/087306号に記載の通りに行われる標準的なアッセイで決定することができる。こうしたアッセイでは、試験値はIC50H−α−ブンガロトキシンの特異的結合を50%まで阻害する試験物質の濃度)として示される。
【0120】
このアッセイで試験される本発明の化合物は、低いμMの範囲で、特に、10μM未満で活性を示す。最も好ましい本発明の化合物は、μM以下の範囲(すなわち、1μM未満のIC50を有する)で活性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】


その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩によって表され、式中、
XはN又はCHを表し、
及びRは、互いがそれぞれ独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル−スルホニル、フェニル又はフェノキシを表す、
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体。
【請求項2】
XがN又はCHを表す、請求項1に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体、その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩。
【請求項3】
及びRは、互いがそれぞれ独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル−スルホニル、フェニル又はフェノキシを表す、請求項1又は2のいずれか一項に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体、その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩。
【請求項4】
3−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−3H−キナゾリン−4−オン;
3−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−3H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン−4−オン;
3−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−7−メトキシ−3H−キナゾリン−4−オン;又は
3−[2−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−ピリミジン−5−イル]−7−メトキシ−3H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン−4−オン
である、請求項1に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体、
その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩。
【請求項5】
治療有効量の、請求項1〜4のいずれか一項に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体、その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩を、少なくとも1種の医薬として許容される担体又は希釈剤と共に含む医薬組成物。
【請求項6】
医薬品として使用するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体、その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩。
【請求項7】
ヒトを含めた哺乳動物の疾患又は障害又は状態を治療、防止又は軽減する医薬組成物/医薬品を製造するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体、その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩の使用であって、前記疾患、障害又は状態がコリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性である使用。
【請求項8】
前記疾患、障害又は状態が、認知障害、学習障害、記憶欠損及び機能不全、ダウン症候群、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動障害(ADHD)、トゥレット症候群、精神病、うつ病、双極性障害、躁病、躁うつ病、統合失調症、統合失調症に関連する認知欠損若しくは注意欠陥、強迫性障害(OCD)、パニック障害、神経性食欲不振症、過食症及び肥満症などの摂食障害、ナルコレプシー、侵害受容、AIDS認知症、老人性認知症、自閉症、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、不安、非OCD不安障害、けいれん性障害、てんかん、神経変性障害、一過性無酸素症、誘発神経変性、ニューロパチー、糖尿病性ニューロパチー、末梢性失読、遅発性ジスキネジア、運動亢進、軽度の疼痛、中等度若しくは重度の疼痛、急性、慢性若しくは再発性の疼痛、片頭痛によって引き起こされる疼痛、術後疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、慢性頭痛、中枢性疼痛、糖尿病性ニューロパチーに関連する疼痛、帯状疱疹後神経痛に関連する疼痛若しくは末梢神経損傷に関連する疼痛、過食症、外傷後症候群、社会恐怖症、睡眠障害、仮性認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、黄体期後期症候群、線維筋痛症、慢性疲労症候群、無言症、抜毛癖、時差ぼけ、不整脈、平滑筋収縮、狭心症、早期分娩、下痢、喘息、遅発性ジスキネジア、運動亢進、早漏症、勃起困難、高血圧、炎症性障害、炎症性皮膚障害、ざ瘡、酒さ、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、下痢、又はタバコなどのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、並びにアルコールを含めた習慣性物質の使用を停止することによって引き起こされる退薬症状である、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
ヒトを含めた動物生体の疾患又は障害又は状態を治療、防止又は軽減する方法であって、治療有効量の、請求項1〜4のいずれか一項に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルピリミジン誘導体、その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は医薬として許容されるその塩を、それを必要とするこのような動物生体に投与するステップを含み、前記障害、疾患又は状態がコリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性である方法。

【公表番号】特表2011−503145(P2011−503145A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533572(P2010−533572)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/065436
【国際公開番号】WO2009/062988
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】