説明

新規インドール誘導体、その製造法、およびそれを含有する医薬組成物

本発明は、式(I)[式中、Rは、アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル基であり、Rは、直鎖または分枝鎖C1〜C6アルキル基であり、そしてnは、1〜6である]で示される化合物に、またメラトニン作動系の障害、たとえば睡眠障害、ストレス、不安、心血管系の病理等々の処置のためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規インドール化合物、その製造法、およびそれを含有する医薬組成物に関するものである。
【0002】
本発明の化合物は、新規であり、メラトニン作動性レセプターとの関係で非常に関心が持たれる薬理学的特性を有する。
【0003】
最近の10年間に、無数の研究が、非常に多くの生理病理学的現象、および概日リズムの制御にメラトニン(N−アセチル−5−メトキシトリプタミン)が重要な役割を果たしていることを立証しているが、メラトニンは、急速に代謝されるという事実のために、半減期がかなり短い。そのため、より代謝的に安定であり、アゴニストまたはアンタゴニスト特性を有し、その治療効果がこのホルモン自体のそれに優ることが期待され得る、メラトニン類似体を臨床医に利用できるようにする可能性に多大な関心がある。
【0004】
概日リズム障害[J. Neurosurg., 1985, 63, pp.321-341]および睡眠障害[Psychopharmacology, 1990, 100, pp.222-226]に関するその有益な作用に加えて、メラトニン作動系のリガンドは、中枢神経系に関して価値ある薬理学的特性、特に不安緩解および抗精神病特性[Neuropharmacology of Pineal Secretions, 1990, 8(3-4), pp.264-272]、ならびに鎮痛特性[Pharmacopsychiat., 1987, 20, pp.222-223]や、パーキンソン病[J. Neurosurg., 1985, 63, pp.321-341]およびアルツハイマー病[Brain Research, 1990, 528, pp.170-174]の処置のための特性も有する。これらの化合物は、ある種の癌[Melatonin - Clinical Perspectives, Oxford Univ. Press, 1988, pp.164-165]、排卵[Science, 1987, 227, pp.714-720]、糖尿病[Clinical Endocrinol., 1986, 24, pp.359-364]に関して、および肥満症[Int. J. Eating Disorders, 1996, 20(4), pp.443-446]の処置にも活性を立証している。
【0005】
これらの様々な効果は、特異的なメラトニンレセプターの媒介を通じて発揮される。分子生物学的研究によって、このホルモンに結合することができる数多くのレセプターサブタイプの存在が立証されている[Trends Pharmacol. Sci., 1995, 16, p.50;WO 97.04094]。哺乳動物をはじめとする種々の種について、これらのレセプターのいくつかを定位し、特性記述することが可能になっている。これらのレセプターの生理学的機能をより充分に理解することができるには、入手できる選択的リガンドを有することが非常に好都合である。その上、そのような化合物は、これらのレセプターの一つまたはもう一つと選択的に作用し合うことによって、医師にとっては、メラトニン作動系に関連する病理(そのいくつかは、上に列挙されている)の処置における優れた医薬となり得る。
【0006】
新規であることに加え、本発明の化合物は、メラトニンレセプターに対する非常に強力な親和性を示す。
【0007】
本発明は、より特別には、式(I):
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、
1は、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基、直鎖もしくは分枝鎖C3〜C8シクロアルキル基、またはアルキル部分が直鎖もしくは分枝鎖状であってもよいC3〜C8シクロアルキル−C1〜C6アルキル基を表し、
2は、直鎖または分枝鎖C1〜C6アルキル基を表し、そして
nは、1、2、3、4、5または6を表す]
で示される化合物、その鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩に関するものである。
【0010】
薬学的に許容され得る酸のうちでは、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸、ショウノウ酸、シュウ酸等々を、いかなる限定も意味せずに列挙し得る。
【0011】
薬学的に許容され得る塩基のうちでは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、t−ブチルアミン等々を、いかなる限定も意味せずに列挙し得る。
【0012】
本発明の好適な化合物は、nが2を表すそれである。
【0013】
1は、好都合には、たとえばメチルまたはプロピル基のような、アルキル基、より特別にはメチル基を表す。
【0014】
好適なR2基は、メチル、エチルおよびプロピルである。
【0015】
本発明は、はるかに特別には、下記の化合物:
1−[2−(アセチルアミノ)エチル]−6−メトキシ−N−メチル−1H−インドール−2−カルボキサミド、
1−[2−(アセチルアミノ)エチル]−N−エチル−6−メトキシ−1H−インドール−2−カルボキサミド、および
1−[2−(アセチルアミノ)エチル]−6−メトキシ−N−プロピル−1H−インドール−2−カルボキサミド
に関するものである。
【0016】
本発明の好適化合物の鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および薬学的に許容され得る酸または塩基との付加塩は、本発明の不可欠の部分を形成する。
【0017】
本発明は、式(I)の化合物を製造する方法であって、出発材料として、式(II):
【0018】
【化2】

【0019】
で示される化合物を用いて、これを、塩基性媒体中でクロロアセトニトリルと縮合させて、式(III):
【0020】
【化3】

【0021】
で示される化合物を得て、これを、還元した後に、式R1COCl[式中、R1は、式(I)について定義されたとおりである]で示される酸塩化物、または対応する対称無水物の作用に付して、式(IV):
【0022】
【化4】

【0023】
[式中、R1は、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを加水分解して、式(V):
【0024】
【化5】

【0025】
[式中、R1は、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを、式HNR23で示される化合物と縮合させて、式(I)の化合物を得て、これを、慣用の分離手法に従って精製してもよく、望みであれば、薬学的に許容され得る塩基とのその付加塩へと転換し、そしてその鏡像異性体を、慣用の分離手法に従ってキラルカラム上で分離してもよいことを特徴とする方法にも関するものである。
【0026】
本発明の化合物の薬理学的研究から、それらは、無毒であり、メラトニンレセプターに対して強い選択的親和性を有し、そして中枢神経系に関する実質的な活性を有することが立証され、特に睡眠障害に関する治療特性、抗うつ特性、不安緩解特性、抗精神病特性、鎮痛特性、および微細循環に関する特性も明らかにされて、本発明の生成物が、ストレス、睡眠障害、不安、季節性情動障害または大うつ病、心血管系の病態、消化系の病態、時差ぼけによる不眠症および疲労、統合失調症、パニック発作、憂うつ症、食欲障害、肥満症、不眠症、精神障害、てんかん、糖尿病、パーキンソン病、老人性痴呆、正常または病的な加齢に付随する様々な障害、片頭痛、記憶喪失、アルツハイマー病の処置、ならびに脳循環障害に役立つことを確認することができた。活性のもう一つの分野では、本発明の生成物は、性機能不全の処置に用いることができ、排卵抑制および免疫調節特性を有し、そして癌の処置に用いるのに役立つと思われる。
【0027】
本化合物は、好ましくは、大うつ病、季節性情動障害、睡眠障害、心血管系の病態、消化系の病態、時差ぼけによる不眠症および疲労、食欲障害、ならびに肥満症の処置に用いられる。
【0028】
たとえば、本化合物は、大うつ病、季節性情動障害および睡眠障害の処置に用いられる。
【0029】
本発明は、式(I)の少なくとも一つの化合物を、それ自体でか、または薬学的に許容され得る一つもしくはそれ以上の賦形剤と併せて含む、医薬組成物にも関するものである。
【0030】
本発明の医薬組成物のうちでも、より特別には、経口、非経口、経鼻、経皮または貫皮、直腸、舌下、眼内または呼吸器投与に適したもの、特に錠剤または糖衣錠、舌下錠、サシェー剤、パケット(paquet)、カプセル剤、グロセット(glossette)、トローチ剤、坐剤、クリーム剤、軟膏、経皮ゲル、および飲用または注射用アンプル剤を列挙し得る。
【0031】
投与量は、患者の性別、年齢および体重、投与経路、治療適応症または関係するいかなる処置の性質にも応じて変化し、1回またはそれ以上の投与で24時間あたり0.01mg〜1gの範囲にわたる。
【0032】
以下の実施例は、本発明を例示するが、どのようにしてもそれを限定しない。
【0033】
実施例1:1−[2−(アセチルアミノ)エチル]−6−メトキシ−N−メチル−1H−インドール−2−カルボキサミド
工程A:1−(シアノメチル)−6−メトキシ−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
窒素下で、6−メトキシ−1H−インドール−2−カルボン酸エチル2.15gをジメチルホルムアミド10mlに溶解した。水素化ナトリウム0.59gを0℃で少量ずつ加え、反応物を0℃で30分間撹拌した。塩化アセトニトリル0.93mlを0℃で加え、反応物を環境温度で24時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過かつ蒸発させた。化合物を、シリカゲル上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。標記化合物を、白色粉末の形態で得た。
融点:145〜146℃。
【0034】
工程B:1−[2−(アセチルアミノ)エチル]−6−メトキシ−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
工程Aで得た化合物0.34gをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、触媒量のラネーニッケルを加え、反応物(10バール)を環境温度で24時間水素化した。セライトで濾過し、次いで蒸発させた。残渣を、トリエチルアミン0.16mlの存在下でテトラヒドロフラン10mlに溶解し、アルゴン下、0℃で無水酢酸0.15mlを滴加した。反応物を環境温度で22時間撹拌した。蒸発させ、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機相を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾燥した。減圧下で濾過かつ蒸発させ、次いで、化合物を、シリカゲル上で酢酸エチルを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。標記化合物を、白色固体の形態で単離した。
融点:159〜160℃。
【0035】
工程C:1−[2−(アセチルアミノ)エチル]−6−メトキシ−1H−インドール−2−カルボン酸
工程Bで得た化合物0.69gを、無水エタノール10mlに溶解し、水酸化ナトリウム溶液(1M)2.5mlを加え、16時間還流させた。冷却し、水20mlを加え、反応混合物を塩酸(5M)で酸性化した。沈殿を濾取し、水洗した。標記化合物を、白色固体の形態で得た。
融点:210〜211℃。
【0036】
工程D:1−[2−(アセチルアミノ)エチル]−6−メトキシ−N−メチル−1H−インドール−2−カルボキサミド
窒素下で、ジクロロメタン中の2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド0.12g、トリエチルアミン0.32mlおよび塩酸メチルアミン0.04mlを、工程Cで得た化合物0.13gのジクロロメタン20ml中の溶液に加え、次いで、還流にて14時間加熱した。反応混合物を、ジクロロメタンで希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。抽出し、有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、次いで、濾過かつ蒸発させた。化合物を、シリカゲル上でジクロロメタン/エタノール(19/1)混合物を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。ジイソプロピルエーテル中で摩砕した後、標記化合物を白色固体の形態で得た。
融点:177〜178℃
【0037】
実施例2:1−[2−(アセチルアミノ)エチル]−N−エチル−6―メトキシ−1H−インドール−2−カルボキサミド
窒素下で、ジクロロメタン中の2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド0.18g、トリエチルアミン0.25mlおよびエチルアミン0.04mlを、実施例1の工程Cで得た化合物0.20gのジクロロメタン20ml中の溶液に加え、次いで、還流にて14時間加熱した。反応混合物を、ジクロロメタンで希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。抽出し、有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、次いで、濾過かつ蒸発させた。化合物を、シリカゲル上でジクロロメタン/エタノール(19/1)混合物を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。ジイソプロピルエーテル中で摩砕した後、標記化合物を白色固体の形態で得た。
融点:135〜136℃
【0038】
実施例3:1−[2−(アセチルアミノ)エチル]−6−メトキシ−N−プロピル−1H−インドール−2−カルボキサミド
窒素下で、ジクロロメタン中の2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド0.18g、トリエチルアミン0.25mlおよびプロピルアミン0.06mlを、実施例1の工程Cで得た化合物0.20gのジクロロメタン20ml中の溶液に加え、次いで、還流にて14時間加熱した。反応混合物を、ジクロロメタンで希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。抽出し、有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、次いで、濾過かつ蒸発させた。化合物を、シリカゲル上でジクロロメタン/エタノール(19/1)混合物を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。ジイソプロピルエーテル中で摩砕した後、標記化合物を白色固体の形態で得た。
融点:127〜128℃
【0039】
薬理学的研究
実施例A:急性毒性の研究
8匹のマウス(26±2g)をそれぞれ含む群に経口投与した後に、急性毒性を評価した。動物を、第1日の間は規則的な間隔で、また投与後2週間は毎日観察した。LD50(動物の50%の死亡を生起する用量)を評価し、本発明化合物の低毒性を立証した。
【0040】
実施例B:強制水泳試験
本発明化合物を、行動モデル、すなわち強制水泳試験で試験した。
【0041】
装置は、水を満たしたプレキシガラス製の円筒で構成した。6分間の1試行について、動物を個々に試験した。各試験の開始時に、動物を円筒の中央に入れた。不動で費やされた時間を記録した。各動物が、もがくのを止め、水の表面で動かずにいて、その頭部を水上に保たせるような運動のみをするにすぎないときに、不動であると判定した。
【0042】
試験開始40分前の投与の後、本発明化合物は、不動で費やされる時間を有意に短縮して、その抗うつ活性を立証した。
【0043】
実施例C:メラトニンMT1およびMT2レセプター結合の研究
2−[125I]ヨードメラトニンを参照放射性リガンドとして用いて、MT1またはMT2レセプター結合の実験を実施した。保持された放射能を、液体シンチレーションカウンターを用いて決定した。次いで、様々な試験化合物を用いて、競合結合の実験を三重に実施した。各化合物について、ある範囲の種々の濃度を試験した。この結果により、試験化合物の結合親和性(Ki)を決定することができた。
【0044】
本発明化合物は、Ki値が1μM未満であった。例として、実施例1の化合物は、Ki(MT1)が18nMであり、Ki(MT2)が1nMであった。
【0045】
実施例D:ラットの運動活性の概日リズムに対する本発明化合物の作用
昼/夜交代による、生理学、生化学および行動学上の概日リズムの大多数の同調へのメラトニンの関与は、メラトニン作動性リガンドの探索に用いるための薬理学的モデルの確立を可能にした。
【0046】
数多くのパラメーター、および特に、体内概日時計の活性の信頼できる指標である運動活性の概日リズムに対する、化合物の効果を試験した。
【0047】
この研究では、特定の実験的モデル、すなわち一時的な隔離(恒久的暗黒)に置かれたラットに対するそのような化合物の効果を評価した。
【0048】
実験プロトコル
月齢1ヶ月のオスのラットを、研究室に到着後直ちに、24時間につき12時間の明の光周期(LD12:12)に付した。2〜3週間適応させた後、運動活性の位相を探知し、こうして昼夜リズム(LD)または概日リズム(DD)を追跡するために、記録装置系に接続した輪を取り付けたケージにラットを入れた。
【0049】
記録されたリズムが、LD12:12の光周期による安定した同調を示したならば直ちに、ラットを恒久的暗黒(DD)に置いた。
【0050】
2〜3週間後、自由継続リズム(体内時計のそれを反映するリズム)が明確に確立されたら、試験化合物をラットに毎日投与した。
【0051】
観察は、活性のリズムの視覚化によって実施した:
・明のリズムによる活性のリズムの同調、
・恒久的暗黒におけるリズム同調の消失、
・化合物の日次投与による同調;一過性または持続性効果。
【0052】
ソフトウエアパッケージは、以下を可能にした:
・活性の持続期間および強さ、自由継続状態での、および処置の持続期間中の動物のリズムの期間を測定すること、
・存在する場合の、概日および非概日(たとえば超日)成分の存在をスペクトル解析によって立証すること。
【0053】
結果
本発明化合物は、明らかに、メラトニン作動系を介しての概日リズムに対する強力な作用を有すると思われる。
【0054】
実施例E:明/暗ケージ試験
立証しようとする化合物の不安緩解活性を可能にする行動学的モデル、すなわち明/暗ケージ試験で、本発明化合物を試験した。
【0055】
装置は、プレキシガラスで覆われた二つのポリビニル箱からなった。一方の箱は、暗黒にさせた。他方の箱の上方に灯火を設置して、箱の中央で約4,000luxの光度を生じさせた。不透明なプラスチックのトンネルが、暗の箱から明の箱を分離した。5分間の試行の間、動物を個々に試験した。各試行の間に、各箱の床を浄化した。各試験の開始時に、マウスを、トンネル内に暗箱に向きあうように置いた。暗箱内への最初の進入後に、照明された箱の中でマウスが費やした時間、およびトンネルを通過した回数を記録した。
【0056】
試験開始の30分前に化合物を投与した後、本発明化合物は、照明されたケージ内での消費時間、およびトンネル通過回数を有意に増加させたが、これは、本発明化合物の不安緩解活性を立証するものである。
【0057】
実施例F:医薬組成物:錠剤
それぞれ、1−[2−(アセチルアミノ)エチル]−6−メトキシ−N−メチル−1H−インドール−2−カルボキサミド(実施例1)5mgの用量を含有する1,000錠..
......................................5g
コムギデンプン..............................20g
トウモロコシデンプン...........................20g
乳糖...................................30g
ステアリン酸マグネシウム..........................2g
シリカ...................................1g
ヒドロキシプロピルセルロース........................2g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化6】


[式中、
1は、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基、直鎖もしくは分枝鎖C3〜C8シクロアルキル基、またはアルキル部分が直鎖もしくは分枝鎖状であってもよいC3〜C8シクロアルキル−C1〜C6アルキル基を表し、
2は、直鎖または分枝鎖C1〜C6アルキル基を表し、そして
nは、1、2、3、4、5または6を表す]
で示される化合物、その鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項2】
nが、2を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体、および薬学的に許容され得る塩基とのその付加塩。
【請求項3】
1が、メチル基を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体、および薬学的に許容され得る塩基とのその付加塩。
【請求項4】
2が、メチル、エチルまたはプロピル基を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体、および薬学的に許容され得る塩基とのその付加塩。
【請求項5】
1−[2−(アセチルアミノ)エチル]−6−メトキシ−N−メチル−1H−インドール−2−カルボキサミドである、請求項1記載の式(I)の化合物、および薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項6】
1−[2−(アセチルアミノ)エチル]−N−エチル−6−メトキシ−1H−インドール−2−カルボキサミドである、請求項1記載の式(I)の化合物、および薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項7】
1−[2−(アセチルアミノ)エチル]−6−メトキシ−N−プロピル−1H−インドール−2−カルボキサミドである、請求項1記載の式(I)の化合物、および薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項8】
請求項1記載の式(I)の化合物を製造する方法であって、出発材料として、式(II):
【化7】


で示される化合物を用いて、これを、塩基性媒体中でクロロアセトニトリルと縮合させて、式(III):
【化8】


で示される化合物を得て、これを、還元した後に、式R1COCl[式中、R1は、式(I)について定義されたとおりである]で示される酸塩化物、または対応する対称無水物の作用に付して、式(IV):
【化9】


[式中、R1は、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを加水分解して、式(V):
【化10】


[式中、R1は、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを、式HNR23で示される化合物と縮合させて、式(I)の化合物を得て、これを、慣用の分離手法に従って精製してもよく、望みであれば、薬学的に許容され得る塩基とのその付加塩へと転換し、そしてその鏡像異性体を、慣用の分離手法に従ってキラルカラム上で分離してもよいことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の式(I)の少なくとも一つの化合物、または薬学的に許容され得る酸もしくは塩基とのその付加塩を、薬学的に許容され得る一つもしくはそれ以上の賦形剤と併せて含む医薬組成物。
【請求項10】
メラトニン作動系の障害を処置するための医薬の製造に用いるための、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
睡眠障害、ストレス、不安、大うつ病または季節性情動障害、心血管系の病態、消化系の病態、時差ぼけによる不眠症および疲労、統合失調症、パニック発作、憂うつ症、食欲障害、肥満症、不眠症、精神障害、てんかん、糖尿病、パーキンソン病、老人性痴呆、正常または病的な加齢に付随する様々な障害、片頭痛、記憶喪失、アルツハイマー病、脳循環障害ならびに性機能不全の処置のための医薬、ならびに排卵抑制剤、免疫調節剤としての、および癌の処置における医薬の製造に用いるための、請求項9記載の薬学的組成物。

【公表番号】特表2010−506889(P2010−506889A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532843(P2009−532843)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001707
【国際公開番号】WO2008/049996
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(500287019)レ ラボラトワール セルヴィエ (166)
【Fターム(参考)】