説明

新規ジアゼニウムジオラート誘導体、それを製造する方法、およびそれを含有する薬学的組成物

式(I)[式中、R1は、水素原子、または−COOR基を表し、R2は、基G、または基Gで置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基を表し、Gは、説明に定義されたとおりの−(CH2n−A−(CH2m−B−(CR45p−(CH2o−R6を表し、R3は、水素原子、アルキル基、またはNO2基を表す]で示される、高血圧および心血管疾患の分野に適用可能な化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ジアゼニウムジオラート化合物、それを製造する方法、およびそれを含有する薬学的組成物に関するものである。
【0002】
これらの化合物は、新規な構造を有し、高血圧および心血管疾患の分野に用い得る。
【0003】
高血圧は、血管発作、特に脳および冠動脈レベルでのそれらのリスクの上昇を引き起こす。それは、アテローム性動脈硬化症のようなその他の病態、または肥満、糖尿病もしくは腎不全のような代謝障害に付随することがますます多くなっていて、けいれんおよび血栓症のリスクを顕著に上昇させる。
【0004】
利尿剤は、非常に効果的な抗高血圧薬の一群を代表する。その主な効果は、ナトリウム排出を増大させ、血漿量を減少させることによって、全末梢血管抵抗を低減することである。利尿剤は、数多くの心血管発作を低減し、心不全にも効果的である。禁忌がほとんどなく、充分に許容されるという利点も有する。他の抗高血圧薬の群と併用することができ、二剤または三剤療法が必要とされるときに系統的に含ませることもできる。
【0005】
1980年におけるその心血管作用の発見以来、一酸化窒素(NO)は、血管けいれん、アテローム性動脈硬化症および血栓症を予防することができる血管拡張および血管防護分子、したがって心血管疾患に対する防護を与える内因性メジエーターとして認識されている。NOは、本来は内皮細胞によって生成され、心血管系病態では、内皮の機能不全が内因性NOの欠乏を生じる。
【0006】
ニトロ系血管拡張化合物、たとえばニトログリセリンは、狭心症および心不全の処置に長い間用いられている。これらの製品の有益な効果は、NOを(自発的または代謝的に)形成できる能力に関係している。その使用は、高血圧患者では、これらのNO供与体が収縮期血圧の実質的な降下を生じるという所見にも導く。制御されない収縮期動脈血圧は、脳および心臓発作の有意な危険因子であり、しばしば、降圧処置に抵抗する。実際、利尿剤および他の一群の抗高血圧薬製品の立証された降圧および血管防護効果にもかかわらず、血圧、特に収縮期血圧は、制御するのが困難なままであり、罹患率および死亡率は高率のままである。
【0007】
利尿剤製品へのNO供与体特性の付加は、NOが血小板の凝集防止および抗血栓降下を有するために[Walford, G. et al. 2003, J. Thromb. Haemost., 1, 2112 - 2118]、その抗高血圧、心臓防護および血管防護特性を改善し、直接的な抗血栓症作用を追加すると思われる。
【0008】
本発明の化合物は、新規な構造を有することに加え、高血圧および心血管系病理学の分野で全く驚異的かつ貴重な特性をそれに与える、そのような二重の薬理学的活性を示す。
【0009】
より具体的には、本発明は、式(I):
【0010】
【化1】

【0011】
[式中、
1は、水素原子、または−COOR基(Rは、直鎖または分枝鎖C1〜C6アルキル基、またはアルキル部分が直鎖もしくは分枝鎖状であってもよいアリールC1〜C6アルキル基を表す)を表し、
2は、基G、または基Gで置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基を表して、Gは、−(CH2n−A−(CH2m−B−(CR45p−(CH2o−R6なる基を表して、ここで、
・nは、0、1、2または3であり、
・mは、0、1、2または3であり、
・pは、0または1であり、
・oは、0、1または2であり、
・R4およびR5は、同じであるか、または異なってもよくて、それぞれ、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基を表すが、ここで、G鎖の基−CH2−または−CR45−の一方は、望みであれば、フェニレン、−PhC(O)−または−PhC(O)O−なる基(Phはフェニルを意味する)で同等に置き換えられてもよく、
・AおよびBは、同じであるか、または異なってもよくて、それぞれ、結合、−NH−または基:
【0012】
【化2】

【0013】
(式中、R7は、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基を表す)を表し、
・R6は、基:
【0014】
【化3】

【0015】
(式中、R8、R9およびR10は、同じであるか、または異なってもよくて、それぞれ、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基(非置換であるか、またはアミノ基で置換されている)を表すか、あるいはR8およびR9は、一緒になって、直鎖または分枝鎖C1〜C6アルキレン基を表し、
3は、水素原子、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基、またはNO2基を表す]
で示される化合物、その鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩に関するものである。
【0016】
薬学的に許容され得る酸のうちでは、塩酸、臭化水素酸、硫酸、ホスホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸、ショウノウ酸等々を、いかなる限定も意味せずに列挙し得る。
【0017】
薬学的に許容され得る塩基のうちでは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、t−ブチルアミン等々を、いかなる限定も意味せずに列挙し得る。
【0018】
より格別には、本発明は、R1が水素原子を表す式(I)の化合物に関するものである。
【0019】
好都合には、本発明は、R3が水素原子またはNO2基を表す式(I)の化合物に関するものである。
【0020】
2は、好都合には、基:
【0021】
【化4】

【0022】
[式中、R6は、上記に定義されたとおりである]
を表す。
【0023】
本発明による好適なR6なる基は、基−O−N=N(O)−NR89である。R6なる基の結合−N=N−は、好ましくは、Z立体配置を有する。
【0024】
8およびR9は、好ましくは、たとえばエチル基のような、直鎖C1〜C6アルキル基を表す。
【0025】
はるかに格別には、本発明は、下記の式(I)の化合物:
・({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=3−{[({2−クロロ−5−[(2−メチル−5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアート、
・({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=3−{[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアート、
・({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)[({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル]カルバミン酸tert−ブチル、
・({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)グリシナート、
・({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=N−({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)グリシナート、
・({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアート、
・({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−({[(2−クロロ−5−{[(2R)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]カルバモイル}フェニル)スルホニル]アミノ}メチル)ベンゾアート、
・({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{2−[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}ベンゾアート、
・({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{2−[({2−クロロ−5−[((2R)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}ベンゾアート
に関するものである。
【0026】
本発明は、式(I)の化合物を製造する方法であって、式(II):
【0027】
【化5】

【0028】
[式中、R3は、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物を出発材料として用いて、これを、式(III):
【0029】
【化6】

【0030】
[式中、Rは、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物と縮合させて、式(IV):
【0031】
【化7】

【0032】
[式中、R3およびRは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを、塩基の存在下で、式(V):
【0033】
【化8】

【0034】
[式中、R2は、式(I)について定義されたとおりであり、Xはハロゲン原子を表す]
で示される化合物と縮合させて、式(I)の化合物の特定の場合である式(I/a):
【0035】
【化9】

【0036】
[式中、R、R2およびR3は、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物を得るが、
【0037】
式(I/a)の化合物は、式Cl−(CH2o−R6(式中、oおよびR6は、式(I)について定義されたとおりである)で示される化合物と、基G中に存在するカルボキシルまたはアミドリン酸官能基との縮合によって得ることも可能であり、
【0038】
式(I/a)の化合物を、場合により、酸性媒体中で加熱して、式(I)の化合物の特定の場合である式(I/b):
【0039】
【化10】

【0040】
[式中、R2およびR3は、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、式(I/a)および(I/b)の化合物は、その全体が式(I)の化合物を構成して、これを、適切な場合は、慣用の精製手法に従って精製し、場合により、慣用の分離手法に従って異性体へと分離し、望みであれば、薬学的に許容され得る酸または塩基との付加塩へと転換することを特徴とする方法にも関するものである。
【0041】
上記に定義されたとおりの式(II)の化合物は、たとえばフランス国特許出願公開第2 003 311号公報(FR 2 003 311)に記載された方法のような、有機化学の慣用の反応によって得られる。
【0042】
その薬理学的特性を考慮すると、本発明の化合物は、高血圧および心血管病態、ならびにその合併症、たとえば網膜症、脳発作、認知症、左心室肥大、心不全、狭心症、心筋梗塞および腎症の処置に役立つ。本発明の化合物は、アテローム血栓症に付随する心血管病態、たとえば脳および冠動脈発作、動脈炎ならびに血管障害はもとより、数多くの障害、たとえば糖尿病、肥満、代謝症候群、癌、肝臓の線維症等々の血管合併症にも役立つ。該化合物は、肺、目または門脈に由来する高血圧にも役立つ。
【0043】
本発明は、活性成分としての式(I)の少なくとも一つの化合物、その光学異性体、または薬学的に許容され得る酸もしくは塩基とのその付加塩を、単独でか、あるいは薬学的に許容され得る、不活性かつ無毒の一つまたはそれ以上の賦形剤もしくは担体と組み合わせて含む、薬学的組成物にも関するものである。
【0044】
本発明の薬学的組成物のうちでも、より特別には、経口、非経口(静脈内、筋内または皮下)、経皮もしくは貫皮、膣内、直腸、経鼻、舌下、口腔、眼内または呼吸器投与に適切であるものを列挙し得る。
【0045】
非経口注射向けの本発明の薬学的組成物は、特に、無菌の水溶液および非水溶液、分散、懸濁液および乳濁液はもとより、注射液または分散液の再構成のための無菌散剤も包含する。
【0046】
固形の経口投与向けの本発明の薬学的組成物は、特に、錠剤または糖衣錠、舌下錠、サシェー剤、カプセル剤および顆粒剤を包含し、液体の経口、経鼻、口腔または眼内投与向けには、特に、乳剤、液剤、懸濁液、滴剤、シロップ剤およびエアゾルを包含する。
【0047】
直腸または膣内投与向けの薬学的組成物は、好ましくは坐剤であり、経皮または貫皮投与向けのものは、特に、散剤、エアゾル、クリーム剤、軟膏、ゲル剤およびパッチ剤を包含する。
【0048】
上記の薬学的組成物は、本発明を例示するが、どのようにしてもそれを限定しない。
【0049】
薬学的に許容され得る、不活性かつ無毒の賦形剤または担体のうちでは、希釈剤、溶剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、結合剤、膨潤剤、崩壊剤、遅延剤、潤滑剤、吸収剤、懸濁化剤、着色料、香味料等々を、例示のため、かついかなる限定も意味せずに列挙し得る。
【0050】
用いられる投与量は、患者の年齢および体重、投与経路、用いられる薬学的組成物、障害の性質および重篤度、ならびに付随するいかなる処置の投与にも応じて変化する。投与量は、1日あたり1回またはそれ以上の投与で0.1mg〜1gの範囲にわたる。
【0051】
下記の実施例は、本発明を例示するが、どのようにしてもそれを限定しない。用いられる出発材料は、公知の生成物、または公知の手順に従って製造される生成物である。
【0052】
実施例に記載される化合物の構造は、常用の分光測光手法(赤外、NMR、質量分析等)に従って決定した。
【0053】
以下の製造例は、本発明の化合物の製造に用いるための中間体合成へと導く。
【0054】
中間体1:5−(ベンジルオキシ)−5−オキソペンタン酸
無水グルタル酸(8.76×10-2mol)をジクロロメタン(300ml)に溶解し、撹拌下に置いた。4−ジメチルアミノピリジン(7.88×10-2mol)およびベンジルアルコール(7.88×10-2mol)を加え、次いで、反応混合物を環境温度に放置した。4時間30分後、混合物を5%炭酸ナトリウム水溶液(200ml)で加水分解した。デカンテーションによって、2相を分離した。次いで、水相を、1M塩酸水溶液で酸性化し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。
標記生成物を、白色固体の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0055】
中間体2:ベンジルクロロメチル=ペンタンジオアート
中間体1(2.24×10-2mol)をジクロロメタン(75ml)に溶解し、水(75ml)を加え、次いで、活溌に撹拌しつつ、0℃に冷却した。次いで、炭酸水素ナトリウム(8.91×10-2mol)および硫酸テトラブチルアンモニウム(2.24×10-3mol)を加えた。15分後、ジクロロメタン(20ml)中のクロロメチル=クロロスルファート(2.70×10-2mol)の溶液を滴下した。反応混合物を、0℃で1時間活溌に撹拌し、次いで環境温度に復帰させた。1時間30分後、デカンテーションによって2相を分離した。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下で蒸発乾固した。
標記生成物を、無色の油の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0056】
中間体3:ベンジルヨードメチル=ペンタンジオアート
ヨウ化ナトリウム(2.70×10-2mol)をアセトン(100ml)に溶解した。撹拌下に置き、次いでアセトン(40ml)中の中間体2(2.25×10-2mol)の溶液を加えた。反応混合物を45℃に加熱した。48時間後、反応混合物をろ過した。固体残渣をアセトンで洗浄し、次いで、濾液を減圧下で蒸発乾固した。
標記生成物を、粘稠な褐色残渣の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0057】
中間体4:4−(ベンジルオキシ)−4−オキソブタン酸
無水コハク酸(0.10mol)をジクロロメタン(300ml)に溶解し、撹拌下に置いた。4−ジメチルアミノピリジン(8.3×10-2mol)およびベンジルアルコール(8.3×10-2mol)を加え、次いで反応混合物を環境温度に放置した。1時間30分後、混合物を、5%炭酸ナトリウム水溶液(200ml)で加水分解した。デカンテーションによって2相を分離した。次いで、水相を1M塩酸水溶液で酸性化し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。
標記生成物を、白色固体の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0058】
中間体5:ベンジルクロロメチル=ブタンジオアート
中間体4(4.80×10-3mol)をジクロロメタン(15ml)に溶解し、水(15ml)を加え、次いで、活溌に撹拌しつつ、0℃に冷却した。次いで、炭酸水素ナトリウム(1.90×10-2mol)および硫酸テトラブチルアンモニウム(4.80×10-4mol)を加えた。15分後、ジクロロメタン(4ml)中のクロロメチル=クロロスルファート(5.76×10-3mol)の溶液を滴加した。反応混合物を、0℃で1時間活溌に撹拌し、次いで環境温度に復帰させた。5時間30分後、デカンテーションによって2相を分離した。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下で蒸発乾固した。無色の油状の未精製生成物を、80/20のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、無色の油の形態で得た。
【0059】
中間体6:ベンジルヨードメチル=ブタンジオアート
ヨウ化ナトリウム(4.67×10-3mol)をアセトン(18ml)に溶解した。撹拌下に置き、次いでアセトン(7.5ml)中の中間体5(3.89×10-3mol)の溶液を加えた。反応混合物を45℃に加熱した。6時間後、反応混合物をろ過した。固体残渣をアセトンで洗浄し、次いで、濾液を減圧下で蒸発乾固した。
標記生成物を、粘稠な褐色残渣の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0060】
中間体7:2−(ブロモメチル)安息香酸メチル
2−メチル安息香酸メチル(3.33×10-2mol)をクロロホルム(30ml)に溶解した。N−ブロモスクシンイミド(3.50×10-2mol)および2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)(3.65×10-4mol)を加え、65℃まで徐々に加熱して、フリーラジカル反応の開始を許した。次いで、反応混合物を5時間還流させた。次いで、混合物を環境温度に冷却した。形成された沈殿をろ去した。ろ液を減圧下で蒸発乾固した。
標記生成物を、橙色の油の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0061】
中間体8:4−クロロ−N−[(2R)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール]−3−スルファモイルベンズアミド
標記生成物は、分取キラルクロマトグラフィーによって実施される、3−(アミノスルホニル)−4−クロロ−N−(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)ベンズアミドの分離によって得た。
【0062】
中間体9:4−(2−ブロモエチル)安息香酸メチル
4−(2−ブロモエチル)安息香酸(1.31×10-2mol)をメタノール(40ml)に懸濁させた。混合物を、撹拌下に置き、硫酸(1ml)を加え、60℃に加熱した。約10分後、混合物は完全に清澄化した。2時間加熱した後、反応を終結した。混合物を環境温度に戻し、次いで、水(100ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下で蒸発乾固した。
標記生成物を、無色の油の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0063】
中間体10:4−(1−ブロモエチル)安息香酸メチル
4−(1−ブロモエチル)安息香酸(2.18×10-3mol)をメタノール(12ml)に溶解した。混合物を、撹拌下に置き、次いで硫酸(0.5ml)を徐々に加えた。環境温度で一晩撹拌した後、反応混合物を水(50ml)に注ぎ込んだ。ジクロロメタン(3×30ml)で抽出した。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下で蒸発乾固した。
標記生成物を、無色の油の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0064】
実施例1:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=3−{[({2−クロロ−5−[(2−メチル−5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアート
工程A:[(2−クロロ−5−{[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アミノ]カルボニル}フェニル)スルホニル]カルバミン酸t−ブチル
3−(アミノスルホニル)−4−クロロ−N−(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)ベンズアミド(1.37×10-2mol)をジクロロメタン(125ml)に懸濁させ、活溌な撹拌下に置いた。トリエチルアミン(1.50×10-2mol)、4−ジメチルアミノピリジン(1.36×10-3mol)、次いでジクロロメタン(50ml)中の重炭酸ジ−t−ブチル(1.57×10-2mol)の溶液を加えた。気体の発生が観察され、反応混合物は、急速に完全に清澄化した。1時間30分後、反応混合物を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮乾固した。得られた残渣を、酢酸エチル(50ml)に溶解し、次いで水(200ml)で洗浄した。水相を、1N塩酸水溶液で酸性化し、次いでジクロロメタンで抽出した。有機相を、水、次いで食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固して、標記生成物を、レモン黄色の固体の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0065】
工程B:3−({(t−ブトキシカルボニル)[(2−クロロ−5−{[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アミノ]カルボニル}フェニル)スルホニル]アミノ}メチル)安息香酸メチル
工程Aで得た化合物(1.29×10-3mol)をアセトニトリル(6ml)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(1.54×10-3mol)を加え、撹拌下に置いた。3−ブロモメチル安息香酸メチル(1.41×10-3mol)を加え、反応混合物を80℃に加熱した。3時間加熱した後、混合物を、ロータリーエバポレーターを用いて蒸発乾固した。得られた未精製生成物を、90/10次いで75/25のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、黄色固体の形態で得た。
【0066】
工程C:3−({(t−ブトキシカルボニル)[(2−クロロ−5−{[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アミノ]カルボニル}フェニル)スルホニル]アミノ}メチル)安息香酸
工程Bで得た化合物(1.14×10-3mol)をアセトニトリル/水(40ml/8ml)混合物に溶解した。水酸化リチウム(1.14×10-2mol)を加え、撹拌しつつ、50℃に加熱した。2時間加熱した後、反応混合物を水(100ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(50ml)で3回抽出した。次いで、有機相を、水、次いで食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。
バキュームランプ(vacuum ramp)下で乾燥した後、標記生成物を、褐色固体の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0067】
工程D:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=3−({(t−ブトキシカルボニル)[(2−クロロ−5−{[(2−メチル−5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アミノ]カルボニル}フェニル)スルホニル]アミノ}メチル)ベンゾアート
工程Cで得た化合物(8.41×10-4mol)をジメチルホルムアミド(5ml)に溶解した。撹拌下および窒素下に置き、次いでジメチルホルムアミド(4ml)中のN−[(Z)−(クロロメトキシ)−NNO−アゾキシ]−N−エチルエタンアミン(9.25×10-4mol)の溶液を加えた。炭酸セシウム(8.41×10-4mol)を一どきに加え、反応混合物を、撹拌しつつ環境温度に放置した。2時間後、混合物を水(50ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(20ml)で3回抽出した。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。
得られた油状の橙色未精製生成物を、65/35、次いで50/50のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、黄色固体の形態で得た。
【0068】
工程E:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=3−{[({2−クロロ−5−[(2−メチル−5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアート
工程Dで得た化合物(4.38×10-4mol)をジオキサン(25ml)に溶解した。撹拌下に置き、次いで37%塩酸(3.5ml)を加え、70℃に加熱した。2時間後、反応混合物を水(50ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(20ml)で3回抽出した。有機相を、水、次いで食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。得られた油状の橙色未精製生成物を、60/40のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
バキュームランプ下、60℃で乾燥した後、標記生成物を、僅かに黄色の固体の形態で得た。
【0069】
【表1】

【0070】
実施例2:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=3−{[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアート
工程A:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=3−({(t−ブトキシカルボニル)[(2−クロロ−5−{[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アミノ]カルボニル}フェニル)スルホニル]アミノ}メチル)ベンゾアート
実施例1の工程Cで得た生成物を、実施例1の工程Dに記載の工程条件に従って、N−[(Z)−(クロロメトキシ)−NNO−アゾキシ]−N−エチルエタンアミンと反応させた。65/35のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーの後、標記生成物を黄色固体の形態で得た。
【0071】
工程B:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=3−{[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアート
手順は、工程Aで得た化合物から出発して、実施例1の工程Eと同一であった。60/40のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィー後に、標記生成物を帯白色固体の形態で得た。次いで、これを、バキュームランプ下、60℃で24時間乾燥した。
【0072】
【表2】

【0073】
実施例3:({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)[({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル]カルバミン酸t−ブチル
実施例1の工程Aで得た生成物(1.00×10-3mol)を、アセトニトリル(5ml)に溶解した。溶液を撹拌下に置いた。ジイソプロピルエチルアミン(1.20×10-3mol)、次いでアセトニトリル(2ml)中のN−[(Z)−(クロロメトキシ)−NNO−アゾキシ]−N−エチルエタンアミン(1.10×10-3mol)の溶液を加えた。反応混合物を、70℃で2時間30分加熱した。反応混合物を、水(20ml)に注ぎ込み、酢酸エチル(15ml)で3回抽出した。有機相を、水、次いで食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮乾固した。得られた油状の橙色未精製生成物を、80/20のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。帯黄色固体を回収した。
1/1のアセトン/ジクロロメタン混合物を溶離剤として用いるセファデックスLH−20によるゲルろ過の後、標記生成物を橙色固体の形態で得た。
【0074】
【表3】

【0075】
実施例4:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル]=N−(t−ブトキシカルボニル)−N−({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)グリシナート
工程A:N−(t−ブトキシカルボニル)−N−[(2−クロロ−5−{[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アミノ]カルボニル}フェニル)スルホニル]グリシン酸ベンジル
実施例1の工程Aで得た化合物を、実施例1の工程Bに記載の工程条件に従って、ブロモ酢酸ベンジルと反応させた。得られた油状の帯黄色未精製生成物を、80/20のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、僅かに黄色の固体の形態で得た。
【0076】
工程B:N−(t−ブトキシカルボニル)−N−[(2−クロロ−5−{[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アミノ]カルボニル}フェニル)スルホニル]グリシン
工程Aで得た化合物(1.34×10-3mol)を、酢酸エチル(50ml)に溶解した。炭素担持パラジウム触媒(10%、82mg)を加え、次いで、反応混合物を、環境温度で大気圧の水素下に置いた。24時間後、反応混合物をセライト(Celite)によりろ過し、次いで、ろ液を減圧下で蒸発乾固した。得られた油状の橙色残渣を、ジクロロメタン、次いで98/2、95/5および90/10のジクロロメタン/メタノール混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、帯黄色固体の形態で得た。
【0077】
工程C:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=N−(t−ブトキシカルボニル)−N−({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)グリシナート
工程Bで得た生成物(1.01×10-3mol)を、ジメチルホルムアミド(5ml)に溶解した。撹拌下に置き、ジメチルホルムアミド(3ml)中のN−[(Z)−(クロロメトキシ)−NNO−アゾキシ]−N−エチルエタンアミン(2.23×10-3mol)の溶液を加えた。次いで、炭酸セシウム(1.01×10-3mol)を一どきに加えた。2時間後、反応混合物を水(30ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(20ml)で3回抽出した。有機相を、水、次いで食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、80/20次いで70/30のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、僅かに黄色の固体の形態で得た。
【0078】
【表4】

【0079】
実施例5:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=N−({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)グリシナート
実施例4の工程Cで得た化合物(4.06×10-4mol)をジクロロメタン(12ml)に溶解した。溶液を、0℃に冷却し、撹拌下に置いた。トリフルオロ酢酸(4.06×10-3mol)を加えた。1時間後、反応混合物を、環境温度下に置いた。3日後、混合物を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮乾固した。回収された油状の未精製生成物を、60/40、次いで50/50のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
1/1のアセトン/ジクロロメタン混合物を溶離剤として用いるセファデックスLH−20によるゲルろ過の後、標記生成物を黄色固体の形態で得た。
【0080】
【表5】

【0081】
実施例6:[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル=({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチルペンタンジオアート
工程A:ベンジル[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチルペンタンジオアート
実施例1の工程Aで得た化合物(2.15×10-3mol)をアセトニトリルに溶解し、溶液を撹拌下に置いた。ジイソプロピルエチルアミン(2.57×10-3mol)、次いでアセトニトリル(10ml)中の中間体3(2.36×10-3mol)の溶液を加えた。添加中に、反応混合物は、帯赤色に変化し、次いで急速に無色になった。混合物を60℃に加熱した。1時間30分後、反応混合物を減圧下で蒸発乾固した。得られた固体の黄色残渣を、80/20次いで70/30のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、黄色固体の形態で得た。
【0082】
工程B:5−{[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メトキシ}−5−オキソペンタン酸
工程Aで得た化合物(1.45×10-3mol)を酢酸エチル(100ml)に溶解した。炭素担持パラジウム触媒(10%、100mg)を加え、次いで、反応混合物を、環境温度で、大気圧の水素下に置いた。36時間後、反応混合物をセライトによりろ過し、新たな炭素担持パラジウム触媒(10%、100mg)を再び加えた。混合物を、上記のそれと同じ条件下で、更に24時間、再び水素下に置いた。そうして、反応を終結し、混合物をセライトによりろ過し、次いで、ろ液を減圧下で蒸発乾固した。得られた残渣を、98/2次いで97/3のジクロロメタン/メタノール混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、クリーム色固体の形態で得た。
【0083】
工程C:[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル=({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチルペンタンジオアート
工程Bで得た化合物(9.23×10-4mol)をジメチルホルムアミド(10ml)に溶解した。撹拌下および窒素下に置き、ジメチルホルムアミド(3ml)中のN−[(Z)−(クロロメトキシ)−NNO−アゾキシ]−N−エチルエタンアミン(1.11×10-3mol)の溶液を加えた。次いで、炭酸セシウム(9.23×10-4mol)を一どきに加えた。1時間30分後、反応混合物を水(100ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(75ml)で3回抽出した。有機相を、水、次いで食塩水で洗浄した。次いで、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下で蒸発乾固した。得られた油状の橙色残渣を、70/30次いで60/40のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーによって精製した。第二の、リクロプレプ(Lichroprep)RP−18なるカラムでの逆相クロマトグラフィーが必要であった。溶出条件は、下記のとおりであった:(溶離剤A:H2O1,000ml/CH3CN25ml;溶離剤B:H2O25ml/CH3CN1,000ml)、10%のBで15分間、10〜75%のBで60分間、75〜100%のBで20分間。
標記生成物を僅かに帯黄色の泡沫形態で得た。
【0084】
【表6】

【0085】
実施例7:[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル=({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチルブタンジオアート
工程A:ベンジル[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチルブタンジオアート
実施例1の工程Aで得た化合物(1.50×10-3mol)をアセトニトリル(7ml)に溶解し、溶液を撹拌下に置いた。ジイソプロピルエチルアミン(1.80×10-3mol)、次いでアセトニトリル(7ml)中の中間体6(1.65×10-3mol)の溶液を加えた。添加中に、反応混合物は、帯赤色に変化し、次いで急速に無色になった。混合物を55℃に加熱した。約30分後、反応混合物を減圧下で蒸発乾固した。得られた固体のレモン黄色残渣を、80/20、70/30次いで60/40のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、黄色の泡沫形態で得た。
【0086】
工程B:4−{[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メトキシ}−4―オキソブタン酸
工程Aで得た化合物(1.08×10-3mol)を酢酸エチル(75ml)に溶解した。炭素担持パラジウム触媒(10%、75mg)を加え、次いで、反応混合物を、環境温度で、大気圧の水素下に置いた。36時間後、反応混合物をセライトによりろ過し、新たな炭素担持パラジウム触媒(10%、75mg)を再び加えた。混合物を、上記のそれと同じ条件下で、更に24時間、再び水素下に置いた。そうして、反応を終結し、混合物をセライトによりろ過し、次いで、ろ液を減圧下で蒸発乾固した。得られた残渣を、98/2のジクロロメタン/メタノール混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、クリーム色の固体の形態で得た。
【0087】
工程C:[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル=({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチルブタンジオアート
工程Bで得た化合物(8.30×10-4mol)をジメチルホルムアミド(9ml)に溶解した。撹拌下および窒素下に置き、ジメチルホルムアミド(3ml)中のN−[(Z)−(クロロメトキシ)−NNO−アゾキシ]−N−エチルエタンアミン(9.96×10-4mol)の溶液を加えた。次いで、炭酸セシウム(8.30×10-4mol)を一どきに加えた。1時間後、反応混合物を水(100ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(75ml)で3回抽出した。有機相を、水、次いで食塩水で洗浄した。次いで、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下で蒸発乾固した。得られた油状の橙色残渣を、70/30次いで60/40のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーによって精製した。第二の、リクロプレプRP−18なるカラム(60×400mm)での逆相クロマトグラフィーが必要であった。溶出条件は、下記のとおりであった:(溶離剤A:H2O1,000ml/CH3CN25ml;溶離剤B:H2O25ml/CH3CN1,000ml)、A/B:40/60、流量:12ml/分。
標記生成物を橙色の泡沫形態で得た。
【0088】
【表7】

【0089】
実施例8:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアート
工程A:4−{[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}安息香酸メチル
実施例1の工程Aで得た化合物(1.72×10-3mol)をアセトニトリル(8ml)に溶解し、溶液を撹拌下に置いた。ジイソプロピルエチルアミン(2.06×10-3mol)を、次いで10分間撹拌した後に、4−ブロモメチル安息香酸メチル(2.57×10-3mol)を加えた。混合物を60℃に加熱した。2時間30分後、反応混合物を水(30ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(20ml)で3回抽出した。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。得られた油状の橙色残渣を、90/10〜75/25のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、黄色泡沫の形態で得た。
【0090】
工程B:4−{[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}安息香酸
工程Aで得た化合物(1.30×10-3mol)をアセトニトリル(45ml)および水(9ml)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(1.30×10-2mol)を加え、撹拌しつつ50℃に加熱した。5時間加熱した後、暗褐色の反応混合物を水(100ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(50ml)で3回抽出した。次いで、有機相を、水、次いで食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。
バキュームランプ下で乾燥した後、標記生成物を褐色泡沫の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0091】
工程C:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアート
工程Bで得た化合物(8.96×10-4mol)をジメチルホルムアミド(8ml)に溶解した。撹拌下および窒素下に置き、次いでジメチルホルムアミド(1ml)中のN−[(Z)−(クロロメトキシ)−NNO−アゾキシ]−N−エチルエタンアミン(1.17×10-3mol)の溶液を加えた。炭酸セシウム(9.41×10-4mol)を一どきに加え、反応混合物を、撹拌しつつ環境温度に放置した。2時間後、混合物を水(50ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(20ml)で3回抽出した。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。
得られた油状の橙色未精製生成物を、65/35のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、黄色固体の形態で得た。
【0092】
工程D:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアート
工程Cで得た化合物(4.74×10-4mol)を1,4−ジオキサン(5ml)に溶解した。溶液を環境温度で撹拌下に置き、次いで1,4−ジオキサン中4NのHCl溶液10mlを加えた。初めは帯黄色であった反応混合物が次第に暗くなり、ついには実質的に黒色になった。環境温度で2日間撹拌した後、反応混合物を減圧下で蒸発乾固した。得られた黒色の残渣を、50/50のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
n−ヘプタンから再結晶させた後、標記生成物を白色固体の形態で得た。
【0093】
【表8】

【0094】
実施例9:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=2−{[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアート
工程A:2−{[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}安息香酸メチル
実施例1の工程Aで得た化合物(1.72×10-3mol)をアセトニトリル(8ml)に溶解し、溶液を撹拌下に置いた。ジイソプロピルエチルアミン(2.06×10-3mol)、次いで10分間撹拌した後に中間体7(2.62×10-3mol)を加えた。混合物を60℃に加熱した。5時間後、反応混合物を水(30ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(20ml)で3回抽出した。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。得られた油状の橙褐色残渣を、90/10〜65/35のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、黄色泡沫の形態で得た。
【0095】
工程B:2−{[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}安息香酸
工程Aで得た化合物(1.26×10-3mol)をアセトニトリル(45ml)および水(9ml)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(1.26×10-2mol)を加え、撹拌しつつ50℃に加熱した。5時間30分加熱した後、暗褐色の反応混合物を水(100ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(50ml)で3回抽出した。次いで、有機相を、水、次いで食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。
バキュームランプ下で乾燥した後、標記生成物を、褐色泡沫の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0096】
工程C:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=2−{[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアート
工程Bで得た化合物(8.25×10-4mol)をジメチルホルムアミド(8ml)に溶解した。撹拌下および窒素下に置き、次いでジメチルホルムアミド(2ml)中のN−[(Z)−(クロロメトキシ)−NNO−アゾキシ]−N−エチルエタンアミン(1.07×10-3mol)の溶液を加えた。炭酸セシウム(8.66×10-4mol)を一どきに加え、反応混合物を、撹拌しつつ環境温度に放置した。3時間後、混合物を水(50ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(20ml)で3回抽出した。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。
得られた油状の褐色未精製生成物を、70/30のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。第二の、リクロプレプRP−18なるカラムでの逆相クロマトグラフィーが必要であった。溶出条件は、下記のとおりであった:(溶離剤A:H2O1,000ml/CH3CN25ml;溶離剤B:H2O25ml/CH3CN1,000ml)、20%のBで15分間、20〜83%のBで60分間、83〜100%のBで15分間。
n−ヘプタン/酢酸エチル混合物からの再結晶の後、標記生成物を、黄色固体の形態で得た。
【0097】
【表9】

【0098】
実施例10:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−({[(2−クロロ−5−{[(2R)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]カルバモイル}フェニル)スルホニル]アミノ}メチル)ベンゾアート
工程A:[(2−クロロ−5−{[(2R)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]カルバモイル}フェニル)スルホニル]カルバミン酸t−ブチル
中間体8(6.0×10-3mol)をジクロロメタン(55ml)に懸濁させ、活溌な撹拌下に置いた。トリエチルアミン(6.60×10-3mol)、4−ジメチルアミノピリジン(6.0×10-4mol)、次いでジクロロメタン(20ml)中の重炭酸ジ−t−ブチル(6.90×10-3mol)の溶液を加えた。気体の発生が観察され、反応混合物は、急速に完全に清澄化した。1時間30分後、反応混合物を水(100ml)に注ぎ込んだ。ジクロロメタン(50ml)で3回抽出した。次いで、有機相を、水、次いで食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。
標記生成物を、レモン黄色の固体の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0099】
工程B:4−({(t−ブトキシカルボニル)[(2−クロロ−5−{[(2R)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]カルバモイル}フェニル)スルホニル]アミノ}メチル)安息香酸メチル
工程Aで得た化合物(7.57×10-3mol)をアセトニトリル(35ml)に溶解し、溶液を撹拌下に置いた。ジイソプロピルエチルアミン(9.09×10-3mol)を、次いで10分間撹拌した後に、4−ブロモメチル安息香酸メチル(1.15×10-4mol)を加えた。混合物を60℃に加熱した。一晩の後、反応混合物を水(100ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(50ml)で3回抽出した。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。得られた残渣をn−ヘプタン/酢酸エチル混合物中で摩砕して、固体を沈殿させ、これをろ過によって回収した。
標記生成物を、白色固体の形態で得た。
【0100】
工程C:4−({(t−ブトキシカルボニル)[(2−クロロ−5−{[(2R)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]カルバモイル}フェニル)スルホニル]アミノ}メチル)安息香酸
工程Bで得た化合物(5.03×10-3mol)をアセトニトリル(175ml)および水(35ml)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(5.03×10-2mol)を加え、撹拌しつつ50℃に加熱した。3時間加熱した後、暗褐色の反応混合物を水(200ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(150ml)で3回抽出した。次いで、有機相を、水、次いで食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。得られた油状の残渣をn−ヘプタン/酢酸エチル混合物中で摩砕して、固体を沈殿させ、これをろ過によって回収した。
標記生成物を、クリーム色の固体の形態で得た。
【0101】
工程D:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−({(t−ブトキシカルボニル)[(2−クロロ−5−{[(2R)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]カルバモイル}フェニル)スルホニル]アミノ}メチル)ベンゾアート
工程Cで得た化合物(2.90×10-3mol)をジメチルホルムアミド(30ml)に溶解した。撹拌下および窒素下に置き、次いでジメチルホルムアミド(3ml)中のN−[(Z)−(クロロメトキシ)−NNO−アゾキシ]−N−エチルエタンアミン(4.88×10-3mol)の溶液を加えた。炭酸セシウム(3.05×10-3mol)を一どきに加え、反応混合物を、撹拌しつつ環境温度に放置した。3時間30分後、混合物を水(200ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(150ml)で3回抽出した。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。
得られた油状の橙色未精製生成物を、65/35のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、黄色固体の形態で得た。
【0102】
工程E:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−({[(2−クロロ−5−{[(2R)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]カルバモイル}フェニル)スルホニル]アミノ}メチル)ベンゾアート
工程Dで得た化合物(1.47×10-3mol)を、1,4−ジオキサン中4NのHCl溶液20mlに溶解し、撹拌下に置いた。初めは帯黄色であった反応混合物が次第に暗くなり、ついには実質的に黒色になった。環境温度で18時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で蒸発乾固した。得られた黒色の残渣を、50/50のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
n−ヘプタンから再結晶させた後、標記生成物を白色固体の形態で得た。
【0103】
【表10】

【0104】
実施例11:({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミドリン酸水素({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル
工程A:({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミドリン酸ジエチル
二つの添加用アンプルを備えた三ツ口フラスコ内で、3−(アミノスルホニル)−4−クロロ−N−(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)ベンズアミド(1.37×10-2mol)を1N水酸化ナトリウム水溶液(25ml)に溶解した。得られたレモン黄色の溶液を、環境温度での撹拌下および窒素下に置いた。テトラヒドロフラン(50ml)中のクロロリン酸ジエチル(9.56×10-2mol)の溶液を滴下し、同時に3N水酸化ナトリウム水溶液(45ml)を、反応混合物を完全に均質に保つよう加えた。添加が完了したとき、反応混合物を環境温度に2時間放置した。反応混合物を、水(200ml)に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。水相を、pH4に酸性化し、次いで、再度酢酸エチルで抽出した。有機相を、併せ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。
標記生成物を橙色の油の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0105】
工程B:({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミドリン酸
工程Aで得た化合物(1.22×10-2mol)をジクロロメタン(130ml)に溶解した。溶液を0℃での撹拌下および窒素下に置いた。次いで、トリメチルシリル=ヨージド(5.41×10-2mol)を滴下した。添加が完了したとき、撹拌しつつ放置して、環境温度に戻した。18時間後、反応混合物を減圧下で蒸発乾固した。褐色の残渣を、25ml/1mlのアセトン/水混合物に溶解し、15分間撹拌し、次いで再度蒸発乾固した。泡沫形態で得られた褐色残渣を、リクロプレプRP−18なるカラムでの逆相クロマトグラフィーによって精製した。溶出条件は、下記のとおりであった:(溶離剤A:H2O1,000ml/CH3CN25ml;溶離剤B:H2O25ml/CH3CN1,000ml)、100%のA;95/5次いで90/10のA/B。
期待される生成物を含有する画分を、凍結乾燥した。
標記生成物を、フレーク状の黄色固体の形態で得た。
【0106】
工程C:({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミドリン酸水素({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル
工程Bで得た化合物(3.81×10-3mol)をN,N’−ジメチル−N,N’−プロピル尿素(25ml)に溶解した。トリエチルアミン(8.88×10-3mol)を加え、次いで環境温度で10分間撹拌した。次いで、N−[(Z)−(クロロメトキシ)−NNO−アゾキシ]−N−エチルエタンアミン(12.25×10-3mol)およびヨウ化ナトリウム(7.62×10-3mol)を加え、反応混合物を50℃に加熱した。一晩の後、反応混合物をジエチルエーテル(200ml)に注ぎ込んだ。不溶性材料をろ取して、アセトニトリルに溶解した。懸濁液中に残留した固体を、ろ去かつ除去し、ろ液を減圧下で蒸発乾固した。
得られた残渣を、リクロプレプRP−18なるカラムでの連続3回の逆相クロマトグラフィーによって精製した。溶出条件は、下記のとおりであった:(溶離剤A:H2O1,000ml/CH3CN25ml;溶離剤B:H2O25ml/CH3CN1,000ml)、5%のBで10分間、5〜75%のBで60分間、75〜100%のBで10分間。
期待される生成物を含有する画分を、凍結乾燥した。標記生成物を、フレーク状の黄色固体の形態で得た。
【0107】
【表11】

【0108】
実施例12:(({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}フェニル)アセタート
工程A:(4−{[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}フェニル)酢酸
実施例1の工程Aで得た化合物(3.22×10-3mol)をアセトニトリル(15ml)に溶解し、溶液を撹拌下に置いた。ジイソプロピルエチルアミン(3.86×10-3mol)、次いで4−ブロモメチルフェニル酢酸(7.08×10-3mol)を加えた。混合物を65℃に加熱した。3時間後、反応混合物を減圧下で蒸発乾固した。得られた油状の橙色残渣を、60/40次いで50/50のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、帯白色固体の形態で得た。
【0109】
工程B:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=(4−{[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}フェニル)アセタート
工程Aで得た化合物(2.03×10-3mol)をジメチルホルムアミド(10ml)に溶解した。撹拌下および窒素下に置き、次いで、ジメチルホルムアミド(2ml)中のN−[(Z)−(クロロメトキシ)−NNO−アゾキシ]−N−エチルエタンアミン(2.64×10-3mol)の溶液を加えた。炭酸セシウム(2.13×10-3mol)を一どきに加え、反応混合物を、撹拌しつつ環境温度に放置した。2時間後、混合物を水(60ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(30ml)で3回抽出した。
有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた油状の橙色未精製生成物を、65/35のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、黄色泡沫の形態で得た。
【0110】
工程C:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=(4−{[ ({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}フェニル)アセタート
工程Bで得た化合物(8.86×10-4mol)を、1,4−ジオキサン(5ml)に溶解した。溶液を、環境温度での撹拌下に置き、次いで1,4−ジオキサン中4NのHCl溶液10mlを加えた。初めは帯黄色であった反応混合物が次第に暗くなり、ついには実質的に黒色になった。環境温度で36時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で蒸発乾固した。得られた黒色の残渣を、60/40のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、僅かに黄色の泡沫の形態で得た。
【0111】
【表12】

【0112】
実施例13:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{2−[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}ベンゾアート
工程A:4−{2−[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}ベンゾアート
実施例1の工程Aで得た化合物(1.04×10-2mol)をアセトニトリル(20ml)に溶解し、溶液を撹拌下に置いた。ジイソプロピルエチルアミン(1.24×10-2mol)を、次いで10分間撹拌した後に、アセトニトリル(20ml)に溶解した中間体9(2.20×10-2mol)を加えた。混合物を60℃に加熱した。5日後、反応混合物を減圧下で蒸発乾固した。得られた残渣を、75/25のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を、淡黄色泡沫の形態で得た。
【0113】
工程B:4−{2−[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}安息香酸
工程Aで得た化合物(5.10×10-4mol)をアセトニトリル(18ml)および水(3ml)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(5.10×10-3mol)を加え、撹拌しつつ55℃に加熱した。4時間加熱した後、暗褐色の反応混合物を水(100ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(75ml)で3回抽出した。次いで、有機相を、水、次いで食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。
標記生成物を褐色泡沫の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0114】
工程C:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{2−[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}ベンゾアート
工程Bで得た化合物(4.0×10-4mol)をジメチルホルムアミド(3ml)に溶解した。撹拌下および窒素下に置き、ジメチルホルムアミド(2ml)中のN−[(Z)−(クロロメトキシ)−NNO−アゾキシ]−N−エチルエタンアミン(5.21×10-4mol)の溶液を加えた。次いで、炭酸セシウム(4.20×10-4mol)を一どきに加えた。1時間後、反応混合物を水(50ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(50ml)で3回抽出した。有機相を、水、次いで食塩水で洗浄した。次いで、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下で蒸発乾固した。得られた油状の褐色残渣を、65/35のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーによって精製した。
標記生成物を、橙褐色泡沫の形態で得た。
【0115】
工程D:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{2−[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}ベンゾアート
工程Cで得た化合物(2.17×10-4mol)を、1,4−ジオキサン(2ml)に溶解した。溶液を環境温度での撹拌下に置き、次いで、1,4−ジオキサン中4NのHCl溶液4mlを加えた。初めは帯黄色であった反応混合物が次第に暗くなり、ついには実質的に黒色になった。環境温度で40時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で蒸発乾固した。得られた黒色の残渣を、55/45のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。第二の、リクロプレプRP−18なるカラムでの逆相クロマトグラフィーが必要であった。溶出条件は、下記のとおりであった:(溶離剤A:H2O1,000ml/CH3CN25ml;溶離剤B:H2O25ml/CH3CN1,000ml)、10%のBで20分間、10〜80%のBで70分間、80〜100%のBで15分間。
標記生成物を、僅かに黄色の泡沫の形態で得た。
【0116】
【表13】

【0117】
実施例14:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{2−[({2−クロロ−5−[((2R)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}ベンゾアート
中間体8から出発して、実施例13の工程A〜Dに記載の手順に従って、標記生成物を得た。
【0118】
実施例15:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{1−[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}ベンゾアート
工程A:4−{1−[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}安息香酸メチル
実施例1の工程Aで得た化合物(2.42×10-3mol)をアセトニトリル(8ml)に溶解し、溶液を撹拌下に置いた。ジイソプロピルエチルアミン(2.90×10-3mol)を、次いで10分間撹拌した後に、アセトニトリル(2ml)に溶解した中間体10(3.38×10-3mol)を加えた。混合物を60℃に加熱した。3日後、反応混合物を減圧下で蒸発乾固した。得られた油状の黄色残渣を、75/25のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を淡黄色泡沫の形態で得た。
【0119】
工程B:4−{1−[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}安息香酸
工程Aで得た化合物(1.58×10-3mol)をアセトニトリル(60ml)および水(10ml)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(1.58×10-2mol)を加え、撹拌しつつ55℃に加熱した。4時間加熱した後、暗褐色の反応混合物を水(200ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(100ml)で3回抽出した。次いで、有機相を、水、次いで食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。
標記生成物を褐色泡沫の形態で得て、これをその後精製せずに用いた。
【0120】
工程C:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{1−[(t−ブトキシカルボニル)({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}ベンゾアート
工程Bで得た化合物(1.07×10-3mol)をジメチルホルムアミド(6ml)に溶解した。撹拌下および窒素下に置き、ジメチルホルムアミド(2ml)中のN−[(Z)−(クロロメトキシ)−NNO−アゾキシ]−N−エチルエタンアミン(1.40×10-3mol)の溶液を加えた。次いで、炭酸セシウム(1.13×10-3mol)を一どきに加えた。1時間30分後、反応混合物を水(50ml)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(50ml)で3回抽出した。有機相を、水、次いで食塩水で洗浄した。次いで、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発乾固した。得られた油状の褐色残渣を、65/35のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーによって精製した。
標記生成物を、橙色泡沫の形態で得た。
【0121】
工程D:({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{1−[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}ベンゾアート
工程Cで得た化合物(7.07×10-4mol)を1,4−ジオキサン(7ml)に溶解した。溶液を、環境温度での撹拌下に置き、次いで1,4−ジオキサン中4NのHCl溶液15mlを加えた。初めは帯黄色であった反応混合物が次第に暗くなり、ついには実質的に黒色になった。環境温度で2日間撹拌した後、反応混合物を減圧下で蒸発乾固した。得られた黒色の残渣を、60/40のn−ヘプタン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるシリカカラムでのクロマトグラフィーに付した。
標記生成物を淡黄色泡沫の形態で得た。
【0122】
【表14】

【0123】
本発明の生成物の薬理学的研究
実施例A:利尿効果
in vitro
利尿効果を、覚醒ウィスター系ラットで試験した。動物を、実験前に18時間の絶食に付し、実験の90分前に水の食餌を与えた。次いで、試験生成物を、強制給餌によって経口的に投与し、ラットを代謝ケージに入れ、6時間後に尿の量を測定した。量は、対照群のラットで測定された量と対比して表した。
結果:試験生成物を用いて得られた尿量の増加は、20%より大であるか、またはそれに等しかった。
例示するならば、10mg/kgの経口用量で、実施例1および10の化合物は、尿の排出を、それぞれ108および248%増加させた。
【0124】
実施例B:NO供与体活性
in vitro
内皮なしの大動脈環を用いた。環の感度を特徴付けるために60mMKClによって誘発した最初の収縮、および洗浄の後、ODQの存在または不在下でのノルアドレナリン(0.1〜0.3μM)によって安定的な収縮を誘発した。累積濃度系統(cumulative concentration series)を適用し、試験生成物の活性を、IC50(最大効果を50%阻害する用量)によって算出した。
結果:本発明の化合物は、IC50値が1μM未満の極めて有意な弛緩効果を有する。
例示するならば、実施例1および10の化合物は、それぞれ0.12および0.04μMのIC50を有した。
【0125】
in vivo
化合物のNO供与体効果を、ペントバルビタールで麻酔したSDラットに生じさせた血圧の低下によって評価した。動脈圧の安定化の後、試験生成物を、増加する用量で静脈内投与した。
結果:0.3mg/kgより少ないか、またはそれに等しい用量での本発明の化合物により、少なくとも50%の動脈圧の低下が観察された。
例示するならば、100mg/kgの静脈内用量で、実施例1および10の化合物は、動脈圧を、それぞれ56および55%低下させた。
【0126】
実施例C:薬学的組成物
それぞれ100mgの({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=3−{[({2−クロロ−5−[(2−メチル−5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアート(実施例1)を活性成分として含有する錠剤1,000錠のための製造処方:
活性成分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100g
ヒドロキシプロピルセルロース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2g
コムギデンプン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10g
乳糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100g
ステアリン酸マグネシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3g
タルク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化11】


[式中、
1は、水素原子、または−COOR基(Rは、直鎖または分枝鎖C1〜C6アルキル基、またはアルキル部分が直鎖もしくは分枝鎖状であってもよいアリールC1〜C6アルキル基を表す)を表し、
2は、基G、または基Gで置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基を表して、Gは、−(CH2n−A−(CH2m−B−(CR45p−(CH2o−R6なる基を表して、ここで、
・nは、0、1、2または3であり、
・mは、0、1、2または3であり、
・pは、0または1であり、
・oは、0、1または2であり、
・R4およびR5は、同じであるか、または異なってもよくて、それぞれ、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基を表すが、ここで、G鎖の基−CH2−または−CR45−の一方は、望みであれば、フェニレン、−PhC(O)−または−PhC(O)O−なる基(Phはフェニルを意味する)で同等に置き換えられてもよく、
・AおよびBは、同じであるか、または異なってもよくて、それぞれ、結合、窒素原子または基:
【化12】


(式中、R7は、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基を表す)を表し、
・R6は、基:
【化13】


(式中、R8、R9およびR10は、同じであるか、または異なってもよくて、それぞれ、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基(非置換であるか、またはアミノ基で置換されている)を表すか、あるいはR8およびR9は、一緒になって、直鎖または分枝鎖C1〜C6アルキレン基を表し、
3は、水素原子、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基、またはNO2基を表す]
で示される化合物、その鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項2】
1が水素原子を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項3】
3が水素原子を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項4】
3がNO2基を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項5】
2が基:
【化14】


[式中、R6は、請求項1に定義されたとおりである]
を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項6】
6が−O−N=N(O)−NR89なる基を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項7】
8およびR9が直鎖C1〜C6アルキル基を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項8】
({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=3−{[({2−クロロ−5−[(2−メチル−5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアートである請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項9】
({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]メチル}ベンゾアートである請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項10】
({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−({[(2−クロロ−5−{[(2R)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]カルバモイル}フェニル)スルホニル]アミノ}メチル)ベンゾアートである請求項1記載の式(I)の化合物、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項11】
({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{2−[({2−クロロ−5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}ベンゾアートである請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項12】
({[(1Z)−2,2−ジエチル−1−オキシドヒドラゾノ]アミノ}オキシ)メチル=4−{2−[({2−クロロ−5−[((2R)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルバモイル]フェニル}スルホニル)アミノ]エチル}ベンゾアートである請求項1記載の式(I)の化合物、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
【請求項13】
請求項1記載の式(I)の化合物を製造する方法であって、式(II):
【化15】


[式中、R3は、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物を出発材料として用いて、これを、式(III):
【化16】


[式中、Rは、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物と縮合させて、式(IV):
【化17】


[式中、R3およびRは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを、塩基の存在下で、式(V):
【化18】


[式中、R2は、式(I)について定義されたとおりであり、Xはハロゲン原子を表す]
で示される化合物と縮合させて、式(I)の化合物の特定の場合である式(I/a):
【化19】


[式中、R、R2およびR3は、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物を得るが、
式(I/a)の化合物は、式Cl−(CH2o−R6(式中、oおよびR6は、式(I)について定義されたとおりである)で示される化合物と、基G中に存在するカルボキシルまたはアミドリン酸官能基との縮合によって得ることも可能であり、
式(I/a)の化合物を、場合により、酸性媒体中で加熱して、式(I)の化合物の特定の場合である式(I/b):
【化20】


[式中、R2およびR3は、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、式(I/a)および(I/b)の化合物は、その全体が式(I)の化合物を構成して、これらを、適切な場合は、慣用の精製手法に従って精製し、場合により、慣用の分離手法に従って異性体へと分離し、望みであれば、薬学的に許容され得る酸または塩基との付加塩へと転換することを特徴とする方法。
【請求項14】
活性成分としての請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物を、薬学的に許容され得る、不活性かつ無毒の一つまたはそれ以上の賦形剤もしくは担体と組み合わせて含む薬学的組成物。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の少なくとも一つの活性成分を含む請求項14記載の薬学的組成物であって、医薬として、高血圧および心血管病態、ならびにその合併症、たとえば網膜症、脳発作、認知症、左心室肥大、心不全、狭心症、心筋梗塞および腎症の処置;アテローム血栓症に付随する心血管病態、たとえば脳および冠動脈発作、動脈炎ならびに血管障害の処置;糖尿病、肥満、代謝症候群、肝臓の癌または線維症のような数多くの障害の血管合併症の処置;ならびに肺、目または門脈に由来する高血圧の処置に用いるための薬学的組成物。

【公表番号】特表2011−506408(P2011−506408A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537487(P2010−537487)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001716
【国際公開番号】WO2009/103875
【国際公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(500287019)レ ラボラトワール セルヴィエ (166)
【Fターム(参考)】