説明

新規腫瘍抗原蛋白質及びその利用

本発明は、癌疾患を反映する疾患マーカー、該疾患マーカーを利用した癌疾患の検出方法、該疾患の改善に有効な薬物のスクリーニング、およびCTLの誘導剤を提供する。 ASK遺伝子、CKS1遺伝子、MELK遺伝子、STK12遺伝子、TTK遺伝子またはGPR87遺伝子の塩基配列において、連続する少なくとも15塩基を有するポリヌクレオチド及び/またはそれに相補的なポリヌクレオチドを、癌疾患の疾患マーカーとして利用する。 また、ASK、CKS1、MELK、STK12、TTKまたはGPR87、あるいはそれら由来のペプチドをCTLの誘導剤として用いる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ASK(activator of S−phase kinase)遺伝子、CKS1(CDC2−associated protein kinase)遺伝子、MELK(maternal embryonic leucine zipper kinase)遺伝子、STK12(serine/threonine protein kinase 12)遺伝子、TTK(TTK protein kinase)遺伝子またはGPR87(G protein−coupled receptor 87)遺伝子の塩基配列において、連続する少なくとも15塩基を有するポリヌクレオチドおよび/または該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドである癌疾患の疾患マーカー。
【請求項2】
癌疾患の検出においてプローブまたはプライマーとして使用される請求項1に記載の疾患マーカー。
【請求項3】
下記の工程(a)、(b)および(c)を含む癌疾患の検出方法:
(a)被験者の生体試料から調製されたRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドと請求項1または2に記載の疾患マーカーとを結合させる工程、
(b)該疾患マーカーに結合した生体試料由来のRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドを、上記疾患マーカーを指標として測定する工程、
(c)上記(b)の測定結果に基づいて、癌疾患の罹患を判断する工程。
【請求項4】
工程(c)における癌疾患の罹患の判断が、被験者について得られる測定結果を正常者について得られる測定結果と対比して、疾患マーカーへの結合量が増大していることを指標として行われるものである請求項3に記載の癌疾患の検出方法。
【請求項5】
ASK、CKS1、MELK、STK12、TTKまたはGPR87を認識する抗体を含有する、癌疾患の疾患マーカー。
【請求項6】
癌疾患の検出においてプローブとして使用される請求項5に記載の疾患マーカー。
【請求項7】
下記の工程(a)、(b)および(c)を含む癌疾患の検出方法:
(a)被験者の生体試料から調製されたタンパク質と請求項5または6に記載の疾患マーカーとを結合させる工程、
(b)該疾患マーカーに結合した生体試料由来の蛋白質またはその部分ペプチドを、上記疾患マーカーを指標として測定する工程、
(c)上記(b)の測定結果に基づいて、癌疾患の罹患を判断する工程。
【請求項8】
工程(c)における癌疾患の罹患の判断が、被験者について得られる測定結果を正常者について得られる測定結果と対比して、疾患マーカーへの結合量が増大していることを指標として行われるものである請求項7に記載の癌疾患の検出方法。
【請求項9】
下記の工程(a)、(b)および(c)を含む、ASK遺伝子、CKS1遺伝子、MELK遺伝子、STK12遺伝子、TTK遺伝子およびGPR87遺伝子のいずれかの遺伝子の発現を抑制する物質のスクリーニング方法:
(a)被験物質とASK遺伝子、CKS1遺伝子、MELK遺伝子、STK12遺伝子、TTK遺伝子及びGPR87遺伝子のいずれかを発現可能な細胞とを接触させる工程、
(b)被験物質を接触させた細胞の、ASK遺伝子、CKS1遺伝子、MELK遺伝子、STK12遺伝子、TTK遺伝子及びGPR87遺伝子のいずれかの遺伝子発現量を測定し、該発現量を被験物質を接触させない対照細胞における上記対応する遺伝子の発現量と比較する工程、
(c)上記(b)の比較結果に基づいて、ASK遺伝子、CKS1遺伝子、MELK遺伝子、STK12遺伝子、TTK遺伝子及びGPR87遺伝子のいずれかの遺伝子発現量を減少させる被験物質を選択する工程。
【請求項10】
下記の工程(a)、(b)および(c)を含むASK、CKS1、MELK、STK12、TTKおよびGPR87のいずれかの発現量を低下させる物質のスクリーニング方法:
(a)被験物質とASK、CKS1、MELK、STK12、TTK及びGPR87のいずれかを発現可能な細胞または該細胞から調製した細胞画分とを接触させる工程、
(b)被験物質を接触させた細胞または細胞画分におけるASK、CKS1、MELK、STK12、TTK及びGPR87のいずれかの発現量を測定し、該発現量を被験物質を接触させない対照細胞もしくは細胞画分における上記既タンパク質の発現量と比較する工程、
(c)上記(b)の比較結果に基づいて、ASK、CKS1、MELK、STK12、TTK及びGPR87のいずれかの発現量を低下させる被験物質を選択する工程。
【請求項11】
下記の工程(a)、(b)および(c)を含む、ASK、CKS1、MELK、STK12、TTKおよびGPR87のいずれかの活性を阻害する活性を有する物質をスクリーニングする方法:
(a)被験物質をASK、CKS1、MELK、STK12、TTKおよびGPR87のいずれかに接触させる工程、(b)上記(a)の工程に起因して生じるASK、CKS1、MELK、STK12、TTKおよびGPR87のいずれかの活性(機能)を測定し、該活性(機能)を、被験物質を接触させない場合の既タンパク質の活性(機能)と比較する工程、
(c)上記(b)の比較結果に基づいて、ASK、CKS1、MELK、STK12、TTKおよびGPR87のいずれかの活性(機能)の低下をもたらす被験物質を選択する工程。
【請求項12】
次の工程(a)、(b)及び(c)を含むTTK、STK12、MELKまたはCdc7/ASK複合体のkinase活性を抑制する物質をスクリーニングする方法:
(a)被験物質の存在下で、TTK、STK12、MELKまたはCdc7/ASK複合体、基質及びATPを接触させる工程、
(b)上記(a)の工程に起因して生じる基質のリン酸化量を測定し、当該基質のリン酸化量を、被験物質非存在下で生じる基質のリン酸化量と比較する工程、
(c)上記(b)の比較結果に基づいて、基質のリン酸化量の減少(低下)をもたらす被験物質を選択する工程。
【請求項13】
基質がmyeline basic proteinまたはpoly(tyr−Glu)peptideである、TTKのkinase活性を抑制する物質をスクリーニングする請求項12記載の方法。
【請求項14】
基質がhistone H3あるいはこれに由来するペプチドである、STK12のkinase活性を抑制する物質をスクリーニングする請求項12記載の方法。
【請求項15】
基質がmyeline basic proteinである、MELKのkinase活性を抑制する物質をスクリーニングする請求項12記載の方法。
【請求項16】
基質がMCMである、Cdc7/ASK複合体のkinase活性を抑制する物質をスクリーニングする請求項12記載の方法。
【請求項17】
CKS1の活性がE3/CKS1複合体による基質のユビキチン化活性である、請求項11記載の方法。
【請求項18】
次の工程(a)、(b)及び(c)を含むGPR87の活性を抑制する物質のスクリーニング方法:
(a)被験物質の存在下でGPR87およびGTPを接触させる工程、
(b)上記反応の結果生じるGTP結合量を測定し、当該結合量を、被験物質非存在下で上記(a)の反応を行って生じるGTP結合量と比較する工程、
(c)上記(b)の比較結果に基づいて、GTP結合量の減少をもたらす被験物質を選択する工程。
【請求項19】
次の工程(a)、(b)及び(c)を含むGPR87の活性を抑制する物質のスクリーニング方法:
(a)GPR87と被験物質を接触させる工程、
(b)上記の反応の結果生じるGPCRを介した生理活性を測定し、当該生理活性を、被験物質非存在下でのGPCRを介した生理活性と比較する工程、
(c)上記(b)の比較結果に基づいて、GPCRを介した生理活性を低下させる被験物質を選択する工程。
【請求項20】
癌疾患の予防、改善または治療剤の有効成分を探索するための方法である、請求項9乃至19のいずれかに記載のスクリーニング方法。
【請求項21】
ASK遺伝子、CKS1遺伝子、MELK遺伝子、STK12遺伝子、TTK遺伝子およびGPR87遺伝子のいずれかの発現を抑制する物質を有効成分とする癌疾患の予防、改善または治療剤。
【請求項22】
ASK遺伝子、CKS1遺伝子、MELK遺伝子、STK12遺伝子、TTK遺伝子およびGPR87遺伝子のいずれかの発現を抑制する物質が、請求項9記載のスクリーニング法により得られるものである、癌疾患の予防、改善または治療剤。
【請求項23】
ASK、CKS1、MELK、STK12、TTKおよびGPR87のいずれかの発現量、機能または活性を抑制する物質が、請求項9乃至19のいずれかに記載のスクリーニング法により得られるものである、請求項22記載の癌疾患の予防、改善または治療剤。
【請求項24】
ASK遺伝子、CKS1遺伝子、MELK遺伝子、STK12遺伝子、TTK遺伝子またはGPR87遺伝子の塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチド。
【請求項25】
配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34または配列番号:36に記載のポリヌクレオチド配列を含有する、請求項24記載のアンチセンスポリヌクレオチド。
【請求項26】
ASK、CKS1、MELK、STK12、TTKおよびGPR87のいずれかを有効成分として含有する細胞傷害性T細胞(以下、CTL)の誘導剤。
【請求項27】
ASK、CKS1、MELK、STK12、TTKおよびGPR87のいずれかの部分ペプチドであって、かつHLA抗原と結合してCTLにより認識されるペプチド。
【請求項28】
HLA抗原がHLA−A24である、請求項27記載のペプチド。
【請求項29】
配列番号:37〜配列番号:225のいずれかに記載のアミノ酸配列を含有する、請求項28記載のペプチド。
【請求項30】
配列番号:39、75、95、131、157、161、165、192、194、195、210および222〜225のいずれかに記載のアミノ酸配列を含有する、請求項29記載のペプチド。
【請求項31】
配列番号:37〜配列番号:225のいずれかに記載のアミノ酸配列の第2位のアミノ酸をチロシン、フェニルアラニン、メチオニンまたはトリプトファンに置換し、及び/又はC末端のアミノ酸をフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファンまたはメチオニンに置換したアミノ酸配列を含有するペプチド。
【請求項32】
配列番号:39、75、95、131、157、161、165、192、194、195、210および222〜225のいずれかに記載のアミノ酸配列の第2位のアミノ酸をチロシン、フェニルアラニン、メチオニンまたはトリプトファンに置換し、及び/又はC末端のアミノ酸をフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファンまたはメチオニンに置換したアミノ酸配列を含有する、請求項31記載のペプチド。
【請求項33】
請求項27〜32のいずれかに記載のペプチドを有効成分として含有するCTLの誘導剤。
【請求項34】
配列番号:13〜18いずれかに記載のアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有する核酸を含有してなる、CTLの誘導剤。
【請求項35】
請求項27〜32のいずれかに記載のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する核酸。
【請求項36】
請求項35記載の核酸を含有してなるCTLの誘導剤。
【請求項37】
以下の(a)〜(d):
(a)配列番号:13〜18のいずれかに記載のアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、
(b)上記(a)記載のタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有する核酸、
(c)請求項27〜32のいずれかに記載のペプチド、および
(d)上記(c)記載のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する核酸、のいずれかと、抗原提示能を有する細胞とをイン・ビトロで接触させることを特徴とする、抗原提示細胞の製造方法。
【請求項38】
請求項37記載の製造方法により製造される抗原提示細胞。
【請求項39】
以下の(a)〜(d):
(a)配列番号:13〜18のいずれかに記載のアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、
(b)上記(a)記載のタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有する核酸、
(c)請求項27〜32のいずれかに記載のペプチド、および
(d)上記(c)記載のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する核酸、のいずれかと、末梢血リンパ球とをイン・ビトロで接触させることを特徴とする、CTLの誘導方法。
【請求項40】
請求項39記載の誘導方法により誘導されるCTL。
【請求項41】
請求項27〜32のいずれかに記載のペプチドに特異的に結合する抗体。

【国際公開番号】WO2005/073374
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【発行日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517564(P2005−517564)
【国際出願番号】PCT/JP2005/001453
【国際出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】