説明

新規製剤

本発明はジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤、好ましくはビルダグリプチンおよびメトホルミンを含む製剤、かかる製剤を含む錠剤およびそれの製造のための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤、好ましくはビルダグリプチンおよびメトホルミンを含む製剤、かかる製剤を含む錠剤およびそれの製造のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メトホルミンはNIDDMの患者において血糖を低下させるために広く処方されており、そして500、750、850および1000mg力価で市販されている。しかしながら、それは短時間作用型薬物であるので、メトホルミンは1日2回または1日3回投与(500−850mg錠2−3/日または1000mg 1日2回を食事と共に)が必要である。米国特許第3174901号に開示されるビグアナイド血糖降下薬メトホルミンは現在米国でその塩酸塩の形態(Glucophage@)、Bristol−Myers Squibb Company)で市販されている。メトホルミン(ジメチルジグアニド)およびその塩酸塩の製造は最先端であり、そして最初にEmil A. Werner and James Bell, J. Chem. Soc. 121:1790-1794(1922)により開示された。メトホルミンを例えば商標GLUCOPHAGE(商標)の下で市販されるような形態で投与することができる。
【0003】
メホルミンは宿主の末梢組織におけるインスリンに対する感受性を高める。メホルミンはまた腸におけるグルコース吸収の阻止、肝臓のグルコース新生の抑制および脂肪酸酸化の阻止に関与する。メホルミンの適当な投薬計画は、1日2から3回のための500mg単位用量を含み、そして1日5回、または850mg1日1もしくは2回でも成し得る。[Martindale, The Complete Drug Reference]。
【0004】
本明細書にて使用される際には「メトホルミン」なる用語はメトホルミンまたは塩酸塩、メトホルミン(2:1)フマル酸塩、および1999年3月4日出願の米国特許出願番号第09/262526号に開示されるメトホルミン(2:1)コハク酸塩、臭化水素酸塩、p−クロロフェノキシ酢酸塩もしくはエンボン酸塩、ならびに米国特許第3174901号に開示されるものを含む一および二塩基性カルボン酸を含むその他の公知のメトホルミン塩のようなその薬学的に許容される塩を指し、その塩全てをまとめてメトホルミンと称する。本明細書にて用いられるメトホルミンはメトホルミン塩基酸、すなわちGLUCOPHAGE−DまたはGLUCOPHAGE XR(Bristol−Myers Squibb Companyの商標)として市販されているものであるのが好ましい。
【0005】
本文脈では、「DPP−IV阻害剤」、「メトホルミン」、「グリタゾン」または「ピオグリタゾン」、「ロシグリタゾン」のような任意の具体的なグリタゾンもまた任意のその薬学的に許容される塩、結晶形態、水和物、溶媒和物、ジアステレオマーまたは鏡像異性体を含むと意図される。
【0006】
本発明が主に対象とする好ましいDPP−IV阻害剤化合物を以下に記載する:
本文脈では、「DPP−IV阻害剤」はまたDPP−IV阻害剤の活性代謝体およびプロドラッグのようなその活性代謝体およびプロドラッグを含むと意図される。「代謝体」はDPP−IV阻害剤が代謝されたときに生成されるDPP−IV阻害剤の誘導体である。「プロドラッグ」はDPP−IV阻害剤に代謝されるか、またはDPP−IV阻害剤と同一の代謝体(複数もある)に代謝されるかのいずれかである化合物である。
【0007】
DPP−IV阻害剤は当分野において公知である。例えばDPP−IV阻害剤は、例えば第WO98/19998号、独国特許公開第19616486A1号、第WO00/34241号、第WO95/15309号、第WO01/72290号、第WO01/52825号、第WO9310127号、第WO9925719号、第WO9938501号、第WO9946272号、第WO9967278号および第WO9967279号において、各々の場合で一般的および具体的に開示される。
【0008】
好ましいDPP−IV阻害剤は以下の特許出願において記載されている;第WO02053548号、特に化合物1001から1293および実施例1から124、第WO02067918号、特に化合物1000から1278および2001から2159、第WO02066627号、特に記載される実施例、第WO02/068420号、特に実施例IからLXIIIに具体的に列挙される全ての化合物および記載される対応する類似体、さらに好ましい化合物はIC50を報告する表に記載される2(28)、2(88)、2(119)、2(136)であり、第WO02083128号、特に実施例1から13、米国特許出願公開第2003/096846号、特に具体的に記載される化合物、第WO2004/037181号、特に実施例1から33および請求項3から5の化合物、第WO0168603号、特に実施例1から109の化合物、欧州特許第1258480号、特に実施例1から60の化合物、第WO0181337号、特に実施例1から118、第WO02083109号、特に実施例1Aから1D、第WO030003250号、特に実施例1から166、最も好ましくは1から8の化合物、第WO03035067号、特に実施例に記載される化合物、第WO03/035057号、特に実施例に記載される化合物、米国特許出願公開第2003/216450号、特に実施例1から450、第WO99/46272号、特に請求項12、14、15および17の化合物、第WO0197808号、特に請求項2の化合物、第WO03002553号、特に実施例1から33の化合物、第WO01/34594号、特に実施例1から4記載される化合物、第WO02051836号、特に実施例1から712、欧州特許第1245568号、特に実施例1から7、欧州特許第1258476号、特に実施例1から32、米国特許出願公開第2003/087950号、特に記載される実施例、第WO02/076450号、特に実施例1から128、第WO03000180号、特に実施例1から162、第WO03000181号、特に実施例1から66、第WO03004498号、特に実施例1から33、第WO0302942号、特に実施例1から68、米国特許第6482844号、特に記載される実施例、第WO0155105号、特に実施例1および2に列挙された化合物、第WO0202560号、特に実施例1から166、第WO03004496号、特に実施例1から103、第WO03/024965号、特に実施例1から54、第WO0303727号、特に実施例1から209、第WO0368757号、特に実施例1から88、第WO03074500号、特に実施例1から72、実施例4.1から4.23、実施例5.1から5.10、実施例6.1から6.30、実施例7.1から7.23、実施例8.1から8.10、実施例9.1から9.30、第WO02038541号、特に実施例1から53、第WO02062764号、特に実施例1から293、好ましくは実施例95の化合物(塩酸2−{{3−(アミノメチル)−4−ブトキシ−2−ネオペンチル−1−オキソ−1,2ジヒドロ−6−イソキノリニル}オキシ}アセトアミド)、
【0009】
第WO02308090号、特に実施例1−1から1−109、実施例2−1から2−9、実施例3、実施例4−1から4−19、実施例5−1から5−39、実施例6−1から6−4、実施例7−1から7−10、実施例8−1から8−8、90頁の実施例7−1から7−7、91から95頁の実施例8−1から8−59、実施例9−1から9−33、実施例10−1から10−20、米国特許出願公開第2003/225102号、特に化合物1から115、実施例1から121の化合物、好ましくは化合物a)からz)、aa)からaz)、ba)からbz)、ca)からcz)およびda)からdk)、第WO0214271号、特に実施例1から320および米国特許出願公開第2003/096857号、第WO2004/052850号、特に実施例1から42のような具体的に記載される化合物および請求項1の化合物、独国特許公開第10256264(A1)号、特に実施例1から181のような記載される化合物および請求項5の化合物、第WO04/076433号、特に表Aに列挙されるような具体的に記載される化合物、好ましくは表Bに列挙された化合物、好ましくは化合物IからXXXXVII、または請求項6から49の化合物、第WO04/071454号、特に具体的に記載される化合物、例えば化合物1から53もしくは表IaからIfの化合物、または請求項2から55の化合物、第WO02/068420号、特に化合物IからLXIIIのような具体的に記載される化合物、または実施例Iおよび類似体1から140、または実施例2および類似体1から174、または実施例3および類似体1、または実施例4から5、または実施例6および類似体1から5、または実施例7および類似体1−3、または実施例8および類似体1、または実施例9、または実施例10および類似体1から531、さらに好ましいのは請求項13の化合物であり、第WO03/000250号、特に化合物1から166のような具体的に記載される化合物、好ましくは実施例1から9の化合物、第WO03/024942号、特に化合物1から59のような具体的に記載される化合物、表1の化合物(1から68)、請求項6、7、8、9の化合物、第WO03024965号、特に化合物1から54のような具体的に記載される化合物、第WO03002593号、特に表1または請求項2から15の化合物のような具体的に記載される化合物、第WO03037327号、特に実施例1から209の化合物のような具体的に記載される化合物、第WO03/000250号、特に化合物1から166のような具体的に記載される化合物、好ましくは実施例1から9の化合物、第WO03/024942号、特に化合物1から59のような具体的に記載される化合物、表1の化合物(1から68)、請求項6、7、8、9の化合物、第WO03024965号、特に化合物1から54のような具体的に記載される化合物、第WO03002593号、特に表1または請求項2から15の化合物のような具体的に記載される化合物、第WO03037327号、特に実施例1から209の化合物のような具体的に記載される化合物、第WO0238541号、第WO0230890号、2001年2月16日出願の米国特許出願番号第09/788173(代理人ファイルLA50)特に実施例に記載されるもの、第WO99/38501号、特に実施例に記載されるもの、第WO99/46272号、特に実施例に記載されるもの、および独国特許公開第19616486(A1)号、特にイソロイシル−チアゾリジドおよびイソロイシル−ピロリジドのval−pyr、val−チアゾリジド、イソロイシル−チアゾリジド、イソロイシル−ピロリジドおよびフマル酸塩、第WO0238541号、特に実施例1から53の化合物のような具体的に記載される化合物、第WO03/002531号、特に具体的に記載される化合物、好ましくは9から13頁に列挙された化合物、最も好ましくは実施例1から46の化合物、および実施例9のさらに好ましい化合物、米国特許第6395767号、好ましくは実施例1から109の化合物、最も好ましくは実施例60の化合物。
【0010】
さらに好ましいDPP−IV阻害剤には1[2−[(5−シアノ(eyano)ピリジン−2−イル)アミノエチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンおよび(2S)−1−[(2S)−2−アミノ−3,3−ジメチルブタノイル]−2−ピロリジンカルボニトリルのような米国特許第6124305号および米国特許第6107317号、国際特許出願公開番号第WO9819998号、第WO9515309号および第WO9818763号に開示される具体例が含まれる。
【0011】
第WO9819998号はN−(N’−置換グリシル)−2−シアノピロリジン、とりわけ1−[2−[5−シアノピリジン−2−イル]アミノ]−エチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンを開示する。第WO03/002553号に記載される好ましい化合物を9から11頁に列挙し、そして出典明示により本出願の一部とする。公開特許出願第WO0034241号および公開された米国特許第6110949号は各々N置換アダマンチル−アミノ−アセチル−2−シアノピロリジンおよびN−(置換グリシル)−4−シアノピロリジンを開示する。目的のDPP−IV阻害剤は特に請求項1から4に引用されるものである。とりわけこれらの出願では化合物1−[[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル]−2−シアノ−(S)−ピロリジン(LAF237としても公知である)が記載される。
【0012】
第WO9515309号はDPP−IVの阻害剤としてアミノ酸2−シアノピロリジンアミドを開示し、そして第WO9529691号はアルファ−アミノアルキルホスホン酸のジエステルのペプチジル誘導体、特にプロリンまたは関連する構造を有するものを開示する。目的のDPP−IV阻害剤は特に表1から8に引用されるものである。第WO01/72290号では、目的のDPP−IV阻害剤は特に実施例1および請求項1、4および6に引用されるものである。第WO9310127号はDPP−IV阻害剤として有用なプロリンボロン酸エステルを開示している。目的のDPP−IV阻害剤は特に実施例1から19に引用されるものである。公開特許出願第WO9925719号はストレプトミセス微生物を培養することにより製造されるDPP−IV阻害剤スルフォスチンを開示している。第WO9938501はN−置換4から8員複素環式環を開示している。目的のDPP−IV阻害剤は特に請求項15から20に引用されるものである。
【0013】
第WO9946272号はDPP−IVの阻害剤としてのリン酸化合物を開示している。目的のDPP−IV阻害剤は特に請求項1から23に引用されるものである。
その他の好ましいDPP−IV阻害剤は特許出願第WO03/057200号の14から27頁に開示される式I、IIまたはIIIの化合物である。最も好ましいDPP−IV阻害剤は28および29頁に具体的に記載される化合物である。
公開特許出願第WO9967278号および第WO9967279号はDPP−IVプロドラッグおよびA−B−C(ここでCは安定または不安定のいずれかのDPP−IVの阻害剤である)形態の阻害剤を開示している。
【0014】
好ましくはN−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンは式VII:
【化1】

(式中、
jは0、1または2であり;
ε1は天然アミノ酸の側鎖を表し;そして
ε2は低級アルコキシ、低級アルキル、ハロゲンまたはニトロを表す)
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0015】
本発明の非常に好ましい態様では、N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンは式VIIa:
【化2】

の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0016】
例えば式VIIまたはVIIaのN−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンおよびその製造はH.U. Demuth et al.によりJ. Enzyme Inhibition 1988, Vol. 2、129−142頁、特に130−132頁に記載されている。
【0017】
最も好ましくは、阻害剤は遊離形態または酸付加塩形態の式(I)
【化3】

(式中、
Rは置換アダマンチルであり;そして
nは0から3である)
のN−(置換グリシル)−2−シアノピロリジンである。
【0018】
「置換アダマンチル」なる用語はアルキル、−ORまたは−NRから選択される1個またはそれより多い、例えば2個の置換基により置換されたアダマンチル、すなわち1−または2−アダマンチルを指し、ここで、R、RおよびRは別個に水素、アルキル、(C−Cアルカノイル)、カルバミルまたは−CO−NRであり、ここでRおよびRは別個にアルキル、非置換または置換アリールであり、ここでRおよびRの一方はさらに水素であるか、またはRおよびRは一緒にC−Cアルキレンを表す。
【0019】
「アリール」なる用語は好ましくはフェニルを表す。置換フェニルは好ましくは例えばアルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから選択される1個またはそれより多い、例えば2個の置換基により置換されたフェニルである。
「アルコキシ」なる用語はアルキル−O−を指す。
「ハロゲン」または「ハロ」なる用語はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
「アルキレン」なる用語は2から7個の炭素原子、好ましくは3から6個の炭素原子、最も好ましくは5個の炭素原子の直鎖架橋を指す。
【0020】
本発明の化合物の好ましい群は、アダマンチルの置換基が橋頭または橋頭に隣接するメチレンに結合している式(I)の化合物である。グリシル−2−シアノピロリジン部分が橋頭に結合している式(I)の化合物では、アダマンチルのR’置換基は3−ヒドロキシであるのが好ましい。グリシル−2−シアノピロリジン部分が橋頭に隣接するメチレンに結合している式(I)の化合物では、アダマンチルのR’置換基は5−ヒドロキシであるのが好ましい。
【0021】
本発明は特に遊離形態または薬学的に許容される酸付加塩の形態の式(IA)または(IB):
【化4】

(式中、
R’はヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−CアルカノイルオキシもしくはRN−CO−O−を表し、ここでRおよびRは別個にC−Cアルキルまたは非置換であるかもしくはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから選択される置換基により置換されているフェニルであり、ここでRはさらに水素であるか;またはRおよびRは一緒にC−Cアルキレンを表し;そして
R’’は水素を表すか;または
R’およびR’’は別個にC−Cアルキルを表す)
の化合物に関する。
【0022】
式(I)、(IA)または(IB)のこれらのDPP−IV阻害剤化合物は公知であり、そして2000年12月26日発行の米国特許第6166063号および第WO01/52825号に記載されている。特に(S)−1−{2−[5−シアノピリジン−2イル)アミノ]エチル−アミノアセチル)−2−シアノ−ピロリジンまたは(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(LAF237)が開示されている。それらは遊離形態または酸付加塩形態で存在し得る。薬学的に許容される、すなわち無毒性のおよび生理学的に許容される塩が好ましいが、例えば本発明の化合物の単離または精製においてその他の塩もまた有用である。好ましい酸付加塩は塩酸塩であるが、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸、クエン酸、乳酸および酢酸の塩を利用することもできる。
【0023】
好ましいDPP−IV阻害剤はMona Patel and col.(Expert Opinion Investig. Drugs 12(4):623-33(2003 Apr))によりパラグラフ5に記載されるもの、特にP32/98、K−364、FE−999011、BDPX、NVP−DDP−728等(その出版物は出典明示により本明細書の一部とする)、特に記載されるDPP−IV阻害剤である。
FE−999011は特許出願第WO95/15309号14頁に化合物No.18として記載されている。
【0024】
その他の好ましい阻害剤は米国特許第6395767号(実施例60の化合物)に開示される化合物BMS−477118であり、特許出願第WO2004/052850号2頁の式Mに表されるような(1S,3S,5S)−2−[(2S)−2−アミノ−2−(3−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デク−1−イル)−1−オキソエチル]−2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル、安息香酸塩(1:1)および対応する遊離塩基、特許出願第WO2004/052850号3頁の式Mに表されるような(1S,3S,5S)−2−[(2S)−2−アミノ−2−(3−ヒドロキシ−トリシクロ[3.3.1.13,7]デク−1−イル)−1−オキソエチル]−2−アザビシクロ−[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル(M’)およびその一水和物(M”)としても公知である。化合物BMS−477118はサクサグリプチンとしても公知である。
【0025】
別の好ましい阻害剤は第WO03/002531号(実施例9)に開示される化合物GSK23Aであり、塩酸(2S,4S)−1−((2R)−2−アミノ−3−[(4−メトキシベンジル)スルホニル]−3−メチルブタノイル)−4−フルオロピロリジン−2−カルボニトリルとしても公知である。
【0026】
その他の非常に好ましい本発明のDPP−IV阻害剤は国際特許出願第WO02/076450号(特に実施例1から128)にて、およびWallace T. Ashton(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 14:859-863(2004))により記載され、特に化合物1ならびに表1および2に列挙される化合物である。好ましい化合物は式:
【化5】

の化合物21e(表1)である。
【0027】
3−[(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル]チアゾリジンとしても公知のP32/98またはP3298(CAS番号:251572−86−8)は以下:
【化6】

に示されるような3−[(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル]チアゾリジンおよび(2E)−2−ブテン二酸塩(2:1)混合物として使用されることができ、そしてProbiodrugの名で第WO99/61431号にて、およびDiabetes 47:1253-1258(1998)に、およびまた同会社により記載される化合物P93/01の名の下で記載される。
【0028】
その他の好ましいDPP−IV阻害剤は特許出願第WO02/083128号に開示される請求項1から5のような化合物である。最も好ましいDPP−IV阻害剤は実施例1から13および請求項6から10により具体的に記載される化合物である。
その他の好ましいDPP−IV阻害剤は特許出願第WO2004/037169号に記載され、特に実施例1から48に記載されるもの、および第WO02/062764号、特に記載される実施例1から293であり、さらに好ましいのは7頁にて、および特許出願第WO2004/024184号、特に参照実施例1から4にも記載される化合物3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドである。
【0029】
その他の好ましいDPP−IV阻害剤は特許出願第WO03/004498号、特に実施例1から33に記載され、そして最も好ましくは実施例7により記載される式:
【化7】

の化合物であり、そしてMK−0431またはシタグリプチンとしても公知である。
【0030】
好ましいDPP−IV阻害剤はまた特許出願第WO2004/037181号、特に実施例1から33に記載され、最も好ましくは請求項3から5に記載される化合物である。
好ましいDPP−IV阻害剤はN−置換アダマンチル−アミノ−アセチル−2−シアノピロリジン、N−(置換グリシル)−4−シアノピロリジン、N−(N’−置換グリシル)−2−シアノピロリジン、N−アミノアシルチアゾリジン、N−アミノアシルピロリジン、L−アロ−イソロイシルチアゾリジン、L−スレオ−イソロイシルピロリジンおよびL−アロ−イソロイシルピロリジン、1−[2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンならびにその医薬用塩である。
【0031】
特に好ましいのは式:
【化8】

の二塩酸1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン(DPP728)、特にその二塩酸塩、および式:
【化9】

の(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(LAF237)、およびL−スレオ−イソロイシルチアゾリジン(前記した通りProbiodrugによる化合物コード:P32/98)、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドならびに所望により任意の場合のその医薬用塩である。
【0032】
DPP728およびLAF237は非常に好ましい化合物であり、そして具体的には各々第WO98/19998号の実施例3および第WO00/34241号の実施例1に開示されている。DPP−IV阻害剤P32/98(前記参照)は具体的にはDiabetes 47:1253−1258(1998)に記載されている。DPP728およびLAF237を第WO98/19998号の20頁または第WO00/34241号に記載されるように製剤することができる。LAF237の投与のために好ましい製剤は米国特許仮出願第60/604274号に記載されている。
【0033】
特に好ましいのは経口で活性なDPP−IV阻害剤である。
各々の場合で、とりわけ化合物クレームおよび実施例の最終生成物において、最終生成物の対象物、医薬製剤およびクレームは本明細書にて言及される出版物または特許出願の明示により本出願の一部とする。
【0034】
DPP−IV阻害剤化合物、例えば式(I)のもの、およびその対応する薬学的に許容される酸付加塩を一つまたはそれより多い薬学的に許容される担体および、所望により一つまたはそれより多いその他の従来の医薬用佐剤と組み合わせ、そして経腸的に、例えば経口的に錠剤、カプセル、キャプレット等の形態で、または非経口的に、例えば静脈内に、無菌注射用溶液もしくは懸濁液の形態で投与することができる。経腸用および非経口用組成物を従来の手段により製造することができる。
【0035】
DPP−IV阻害剤化合物、例えば式(I)のもの、およびその対応する薬学的に許容される酸付加塩を、DPP−IV阻止により媒介される症状を処置するのに有効である活性物質の量を含有する経腸用および非経口用医薬組成物に製剤することができ、かかる組成物は単位投薬量形態であり、そしてかかる組成物は薬学的に許容される担体を含む。
【0036】
DPP−IV阻害剤化合物、例えばその範囲下の各々および実施例の各々のものを含む式(I)のものを鏡像異性的に純粋な形態で、例えば>98%、好ましくは>99%;またはR鏡像異性体と一緒に、例えばラセミ体で投与することができる。前記の投薬量範囲はR鏡像異性体の量を排除した式(I)の化合物の量に基づく。
【0037】
DPP−IVを阻止するその能力に鑑みて、DPP−IV阻害剤化合物、例えば式(I)のもの、およびその対応する薬学的に許容される酸付加塩はDPP−IV阻止により媒介される症状を処置するのに有用である。前記および文献における知見に基づいて、本明細書に開示される化合物はインスリン依存性糖尿病、関節炎、肥満、同種移植およびカルシトニン−骨粗鬆症のような症状の処置に有用であると予測される。加えて、GLP−1およびGLP−2のようなグルカゴン様ペプチドの役割、ならびにDPP−IV阻止とのその関連性に基づいて、本明細書に開示される化合物は例えば鎮静または抗不安効果を生み出すのに、または手術後の異化変化およびストレスに対するホルモン応答を減弱させるのに、または心筋梗塞後の死亡率および有病率を低下させるのに、またはGLP−1および/もしくはGLP−2レベルにより媒介され得る前記の効果に関連する症状の処置において有用であると予測される。
【0038】
さらに具体的には、例えばDPP−IV阻害剤化合物、例えば式(I)のもの、およびその対応する薬学的に許容される酸付加塩は経口グルコース負荷に対する初期インスリン応答を改善し、そしてしたがって、インスリン非依存性糖尿病を処置するのに有用である。
【0039】
本発明において有用なDPP−IV阻害剤化合物、特に式I、IAまたはIBの化合物は吸湿性であり、安定性の問題があり、そして本質的に圧縮成形不可である。その結果、インビトロで許容される溶出プロファイルおよび活性成分の良好な安定性を有する強固な錠剤に圧縮することが可能である自由流動性のおよび凝集性の組成物を提供する必要性がある。錠剤を、適当な増量剤を伴うかまたは伴わない、原体を含有する固体投薬医薬形態として定義できる。それは活性成分および加工を助けるため、および製品の特性を改善するために選択される特定の賦形剤を含有する製剤の圧縮または圧縮成形により生成される。錠剤をコーティングしてもまたはしなくてもよく、そして粉末化された結晶性材料から作成される。それは種々の希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、および多くの場合着色剤を含むことができる。用いられる賦形剤はそれらが果たす機能にしたがって分類される。例えば流動促進剤を用いてホッパー中のおよび錠剤金型への粉末混和の流動性を改善することができる。
【0040】
19世紀後半から錠剤が広く用いられており、そして医薬用投薬形態の大部分が錠剤として市販されている。投薬形態としての錠剤の人気の主要な理由は生成の簡易性、低費用および速さである。その他の理由には、薬物製品の安定性、包装、輸送および分配の利便性が含まれる。錠剤は患者または消費者に投与の利便性、正確な投薬の容易さ、小型であること、携帯性、味に刺激がないこと、投与の容易さ、および洗練され、そして区別可能な外観を提供する。
【0041】
錠剤は素、フィルムまたは糖衣でコーティングされた分割、エンボス加工、多層または徐放でよい。それを種々の大きさ、形状および色で作成することができる。錠剤を嚥下、咀嚼または口腔内もしくは舌下で溶出させることができる。それを部分または局所適用のために水中に溶出させることができる。無菌錠剤は通常非経口用溶液および皮膚下の移植に用いられる。
【0042】
活性または治療用成分に加えて、錠剤は賦形剤として公知の多くの不活性材料を含有し得る。それが最終錠剤において果たす役割にしたがってそれを分類することができる。一次組成物は増量剤、結合剤、滑沢剤および流動促進剤を含む。完成された錠剤に物理学的特徴を与えるその他の賦形剤は着色剤、およびチュワブル錠の場合は芳香剤である。賦形剤なしではたいていの薬物および医薬成分を直接錠剤に圧縮することはできない。これは主にたいていの薬物の乏しい流動性および凝集性特性のためである。典型的には賦形剤を製剤に加えて、圧縮される材料に良好な流動性および圧縮性特徴を付与する。かかる特性は湿式造粒、スラッギング、噴霧乾燥球形化または結晶化のような前処理工程を通して付与される。
【0043】
滑沢剤は典型的には、錠剤化する材料がパンチに固着するのを防御し、錠剤圧縮の間の抵抗を最小化し、そして圧縮された錠剤を金型から取り出すのを可能にするために添加される。かかる滑沢剤は通常約1重量%の量で一般に最終錠剤混合物に含まれる。
【0044】
賦形剤のその他の望ましい特徴には以下のものが含まれる:
低い圧縮力で強固な錠剤を作成することを可能にする高圧縮性;
粉末化された材料に凝集性品質を付与する;
許容される崩壊速度;
製剤中のその他の賦形剤の流動性を改善することができる良好な流動特性;および
凝集性(加工、輸送および取り扱い中に錠剤が砕けることを防御する)。
【0045】
圧縮錠剤を作成するために商業上重要な三つの方法:湿式造粒、直接圧縮および乾式造粒(スラッギングまたはローラー圧縮)がある。製造の方法および賦形剤の型は、錠剤の急速な圧縮を可能にする望ましい物理学的特徴を錠剤製剤に与えるために選択される。圧縮後、錠剤は外観、硬度、崩壊能力および許容される溶出プロファイルのような多くのさらなる特質を有さなければならない。増量剤およびその他の賦形剤の選択は薬物の化学的および物理的特性、加工中の混合物の性質および最終錠剤の特性に依存する。プレフォーミュレーション研究を行って活性構成成分と提示された賦形剤との化学的および物理的適合性を決定する。
【0046】
薬物の特性、その投薬形態および操作の経済性は錠剤化のための最良の方法の選択を決定する。一般に錠剤の開発において湿式造粒および直接圧縮の双方を用いる。
【0047】
構成要素の一つ、薬物または希釈剤のいずれかが錠剤化されるのに十分な凝集特性を有する場合、乾式造粒法を用いることができる。方法は混和、成分のスラッギング、乾燥篩い分け、滑沢化および圧縮からなる。
【0048】
湿式造粒法を用いて粉末混合物を、錠剤化に適当な流動性および凝集特性を有する顆粒に変換する。手順は適当な混合機内での粉末の混合、続いて顆粒を得るための剪断下での混合粉末への造粒液の添加からなる。次いで湿潤塊を適当な篩に通して篩い分けし、そしてトレイ乾燥または流動床乾燥により乾燥させる。これに代えて、湿った塊を乾燥させ、そして粉砕機を通過させることができる。方法全体には秤量、乾燥粉末混和、湿式造粒、乾燥、粉砕、滑沢剤混和および圧縮が含まれる。
【0049】
一般に、粉末は堅く、強固な顆粒を形成するのに十分な粘着または凝集特性を有していない。通常、たいていの粉末の凝集特性が乏しいために結合剤が粉末粒子を一緒に結合させることを要求される。熱および水分に鋭敏な薬物は通常湿式造粒を用いて製造することができない。製造経費のレベルが高いために、加工工程数の多さおよび加工時間が問題である。湿式造粒はまた微結晶性セルロースのようないくつかの医薬用賦形剤の圧縮性を低下させることも知られている。
【0050】
直接圧縮は、薬物の物理的および化学的特性を変化させることなく粉末材料が直接圧縮される場合に比較的迅速な方法であると見なされる。活性成分(複数もある)、直接圧縮賦形剤ならびに流動促進剤および滑沢剤のようなその他の補助物質を錠剤に圧縮する前にツインシェルブレンダーまたは類似の低剪断装置中で混和する。この型の混合は「薬学的に許容される」投薬形態を製造するために必須であると考えられていた。薬学系の科学者には滑沢剤を製剤に添加する様式は注意深く制御されなければならないと考える者もいる。したがって通常穏やかに混合することにより滑沢剤を顆粒に添加する。滑沢剤と顆粒との混和に時間がかかると、得られた錠剤の硬度および崩壊時間に実質的に影響し得るとも考えられている。滑沢剤と顆粒成分との過剰な混和は顆粒の防水性を引き起こし、そして圧縮錠剤の錠剤硬度または強度を低下させ得る。これらの理由のために、直接圧縮投薬形態を製造するために高剪断混合条件は用いられていない。
【0051】
直接圧縮の利点には混和の均一性、伴われる製造工程が少ないことが含まれ、すなわち方法全体は粉末の秤量、混和および圧縮、故に低経費;熱および水分の排除、主な粒子の解離および物理的安定性を伴う。
【0052】
製薬業者は迅速な加工時間および経費の利点のために、湿式または乾式造粒法よりも直接圧縮技術の使用を好む。しかしながら通常直接圧縮は、薬物または活性成分が薬学的に許容される錠剤を形成するために要求される物理的特性を有するこれらの状況に限定される。しかしながら直接圧縮法を使用できる前に、多くの成分が必要な特性を有していないので、しばしば一つまたはそれより多い賦形剤を活性成分と組み合わせなければならない。製剤に添加される各賦形剤は最終製品の錠剤の大きさを増すので、製造者はしばしば圧縮錠剤あたり低用量の活性成分を含有する製剤では直接圧縮法を用いるように制限される。
【0053】
高用量の薬物を含有する固体投薬形態(すなわち薬物自体が全圧縮錠剤重量のかなりの部分を含む)は、薬物自体が十分な物理的特性、例えば直接圧縮される成分に関する凝集性を有する場合、および薬物が適切に製剤される場合、唯一直接圧縮され得る。
【0054】
例としては、DPP−IV阻害剤、例えば式(I)のものは高用量薬物と考えられる。たいていの錠剤製剤は錠剤あたり70−85重量%の範囲のDPP−IV阻害剤を含む。直接圧縮にはかなり劣るその物理的特性と組み合わされたこの高用量薬物は、最終錠剤を製造するための方法としての直接圧縮は認められていない。加えて活性成分は、湿式造粒法の使用に不利に働く別の因子である水の存在下で安定性が乏しい。
【0055】
錠剤製造の方法としての直接圧縮の別の制限は圧縮錠剤の見込まれる大きさである。活性成分の量が多い場合、医薬製剤考案者は、望ましい量の活性成分で許容される大きさの錠剤を得るために活性成分をその他の賦形剤と共に湿式造粒することを選択し得る。湿式造粒の方法は錠剤の望ましい物理的特性に寄与するので、湿式造粒に必要な増量剤、結合剤またはその他の賦形剤の量は直接圧縮に要求されるものよりも少ない。
【0056】
加工時間および経費の低減のような直接圧縮の利点にかかわらず、湿式造粒が固体投薬形態を製造するために業界で広く用いられている。湿式造粒は製剤中の種々の成分の物理的特性と関連する任意の問題を打破する機会を多く有しているので、湿式造粒が直接圧縮よりもしばしば好ましい。これは許容される固体投薬形態を得るために必要な、要求される流動性および凝集特性を有する材料を提供する。
【0057】
直接圧縮に比較される湿式造粒の普及は少なくとも三つの利点に基づく。第1に湿式造粒は、特に疎水性原体の場合により良好な湿潤特性で圧縮される材料を提供する。親水性賦形剤の添加により疎水性薬物の表面をより親水性にし、崩壊および溶出の問題を低減させる。第2に、全ての顆粒は通常同一量の薬物を含有するので、固体投薬形態の含量均一性が一般に湿式造粒で改善される。最後に、賦形剤からの薬物(複数もある)の分離が回避される。
【0058】
分離は直接圧縮で潜在する問題であり得る。圧縮される顆粒を含む粒子の粒径および形状は湿式造粒過程を経て最適化される。これは乾燥固体が湿式造粒される場合、粒子が球形の顆粒に塊化するように、結合剤が粒子を一緒に「接着する」ためである。
【0059】
本発明の製剤中に重要な量のメトホルミンが存在するので、得られた錠剤の大きさおよび形状は患者への容易な経口投与、および本明細書に記載される要件に全て合致する容易な製造方法のための問題になる。したがって製造者が高用量DPP−IV阻害剤およびメトホルミン組み合わせ錠剤(高薬物負荷)を製造するのを可能にする技術および医薬製剤が業界では必要とされている。高用量DPP−IV阻害剤およびメトホルミン錠剤は、好ましくは錠剤の大きさを低減させるために限定数および量の医薬用賦形剤を伴って本明細書に列挙される要件に全て合致しなければならない。
【発明の開示】
【0060】
容易に造粒または錠剤に圧縮することが可能である自由流動性の、凝集性錠剤用粉末の形態でDPP−IV阻害剤およびメトホルミンを含む製剤を提供することが本発明の目的である。
【0061】
許容される溶出プロファイル、ならびに許容される程度の硬度、摩損度および細片化への抵抗性、ならびに適切な崩壊時間および錠剤中の活性成分の高い安定性を有する、DPP−IV阻害剤およびメトホルミンを含む単位投薬形態の高薬物負荷錠剤を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0062】
ビルダグリプチンは水分に対して感受性であり、そしてしたがって製品安定性の問題点、すなわち活性成分の分解にさらされている。この問題を打破するために、出願者は良好な錠剤特性、例えば硬度、摩損度を得るために、およびが、活性成分の安定性が改善されているが、薬物負荷はたった25%である製剤(選択された賦形剤を伴う)および直接圧縮方法(湿式造粒を回避するため)を開発した。
【0063】
メトホルミンは典型的には高い薬物負荷を伴う湿式造粒法により製造され、そして加工するのが非常に困難であることが知られている。ローラー圧縮は乏しい圧縮成形特性のために許容されないことも知られており、そしてかかる高薬物負荷製剤には直接圧縮方法は推奨されない。乏しい圧縮性および錠剤摩損度が公知の問題点であり、そしてしたがって開発中の別の主要な重要事項であった。その他の課題は以下のとおりである:
・多量のメトホルミン、故に大きな錠剤およびLAF237低薬物負荷。
・Metの加工の困難さ。
・Metは湿式造粒法であり、そして水分はLAFには有害であることが知られている。
【0064】
したがって、糖尿病患者に25から100mgの間のビルダグリプチンおよび1000mgまでのメトホルミンを含み、許容される大きさの錠剤で、良好な錠剤特性、例えば硬度、摩損度および活性成分の安定性を有する圧縮錠剤を提供する必要性は満たされていない。
【0065】
錠剤の大きさを低減させるために高薬物負荷を有し、活性成分は安定なままであるDPP−IV阻害剤およびメトホルミンを含む単位投薬形態の錠剤を提供することが本発明のさらなる目的である。
DPP−IV阻害剤およびメトホルミンまたは任意の場合でのその塩を含む製剤または錠剤を製造するための方法を提供することが本発明のさらなる目的である。
本発明は錠剤に圧縮することが可能であり、十分な粒径、硬度、安定性、急速な崩壊時間および許容される溶出パターンを有する錠剤用粉末の形態のDPP−IV阻害剤およびメトホルミンを含む製剤を提供する。
【0066】
活性成分に加えて、錠剤用粉末は多くの賦形剤として公知の不活性材料を含有する。それが最終錠剤で果たす役割にしたがってそれを分類することができる。一次組成物は増量剤、結合剤または希釈剤、滑沢剤、崩壊剤および流動促進剤を含む。完成された錠剤に物理的特性を与えるその他の賦形剤は着色剤、およびチュアブル錠の場合、芳香剤である。典型的には賦形剤を製剤に添加して圧縮される材料に良好な流動性および圧縮特性を付与する。
【0067】
本発明の好ましい製剤は以下:DPP−IV阻害剤化合物およびメトホルミンである活性成分、ならびに結合剤;を含む。
薬学的に許容される結合剤の例には、限定するものではないがデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシルエチルセルロースおよびヒドロキシルプロピルメチルセルロース;スクロース;デキストロース;コーンシロップ;多糖類;ならびにゼラチンが挙げられる。結合剤は、例えば組成物の約1重量%から約40重量%まで、好ましくは1%から30%または1%から25%または1%から20%の量で存在し得る。
【0068】
所望により、一つ、二つ、三つまたはそれより多い希釈剤を本発明の製剤に添加することができる。薬学的に許容される増量剤および薬学的に許容される希釈剤の例には、限定するものではないが粉砂糖、圧縮用の糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、微結晶性セルロース、粉末セルロース、ソルビトール、スクロースおよびタルクが挙げられる。増量剤および/または希釈剤は、例えば組成物の約15重量%から約40重量%の量で存在し得る。好ましい希釈剤には、繊維性植物材料からパルプとして得られるアルファセルロースの希鉱酸溶液での制御された加水分解により製造される微結晶性セルロースが含まれる。加水分解の後、水和セルロースをろ過により精製し、そして水性スラリーを噴霧乾燥させて、広い粒度分布の乾燥多孔性粒子を形成する。適当な微結晶性セルロースは約20nmから約200nmの平均粒度を有する。微結晶性セルロースはいくつかの提供者から入手可能である。適当な微結晶性セルロースにはFMC Corporationにより製造されたAvicel PH101、Avicel PH102、Avicel PH103、Avicel PH105およびAvicel PH200が含まれる。本発明の実施において特に好ましいのは表面積が最低であり、そして細孔構造を有するAvicel PH102である。好ましくは、微結晶性セルロースは錠剤製剤中約25重量%から約70重量%の量で存在する。この材料の別の好ましい範囲は約30重量%から約35重量%;さらに別の好ましい範囲は約30重量%から約32重量%である。別の希釈剤はラクトースである。好ましくは、製剤前にラクトースを約50μmと約500μmの間の平均粒度を有するように粉砕する。ラクトースは錠剤製剤中約5重量%から約40重量%の量で存在し、そして約18重量%から約35重量%にでき、そして最も好ましくは約20重量%から約25重量%にできる。
【0069】
所望により、一つ、二つ、三つまたはそれより多い崩壊剤を本発明の製剤に添加することができる。薬学的に許容される崩壊剤の例には、限定するものではないがデンプン;粘土;セルロース;アルギン酸;ガム;架橋重合体、例えば架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルシウムカルボキシメチルセルロースおよび架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム;大豆多糖類;ならびにグアーガムが挙げられる。崩壊剤は、例えば組成物の約2重量%から約20重量%、例えば約5重量%から約10重量%、例えば約7重量%の量で存在し得る。崩壊剤はまた選択的であるが有用な錠剤製剤の構成成分である。崩壊剤は、錠剤が許容される崩壊速度を有することを確実にするために含まれる。典型的な崩壊剤にはデンプン誘導体およびカルボキシメチルセルロースの塩が含まれる。デンプングリコール酸ナトリウムがこの製剤に好ましい崩壊剤である。好ましくは、崩壊剤は錠剤製剤中約0重量%から約10重量%の量で存在し、そして約1重量%から約4重量%でよく、そして最も好ましくは約1.5重量%から約2.5重量%でよい。
【0070】
所望により、一つ、二つ、三つまたはそれより多い滑沢剤を本発明の製剤に添加することができる。薬学的に許容される滑沢剤および薬学的に許容される流動促進剤の例には、限定するものではないがコロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、デンプン、タルク、第三リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール、粉末セルロースおよび微結晶性セルロースが挙げられる。滑沢剤は、例えば組成物の約0.1重量%から約5重量%の量で存在し得るが;一方流動促進剤は、例えば約0.1重量%から約10重量%の量で存在し得る。滑沢剤は典型的には、錠剤材料がパンチに固着するのを防御し、錠剤圧縮中の抵抗を最小限にし、そして圧縮錠剤を金型から取り出すことを可能にするために添加される。かかる滑沢剤は一般に最終錠剤混合物中1重量%未満の量で含まれる。滑沢剤構成成分は疎水性または親水性でよい。かかる滑沢剤の例にはステアリン酸、タルクおよびステアリン酸マグネシウムが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムは錠剤の圧縮および押し出しの間の金型壁と錠剤混合物の間の摩損度を低減させる。それは錠剤のパンチおよび金型への付着を防御するのを助ける。ステアリン酸マグネシウムはまたホッパー内および金型への粉末の流れをも助ける。それは450−550ミクロンの粒度範囲および1.00−1.80g/mlの密度範囲を有する。それは安定であり、そして錠剤混合物内では重合化しない。好ましい滑沢剤であるステアリン酸マグネシウムもまた製剤中で用いられる。好ましくは、滑沢剤は錠剤製剤中約0.25重量%から約6重量%の量で存在し;また好ましいのは約0.5重量%から約4重量%;そして最も好ましくは約0.1重量%から約2重量%のレベルである。その他の可能な滑沢剤にはタルク、ポリエチレングリコール、シリカおよび硬化植物油が含まれる。本発明の選択的態様では、滑沢剤は製剤中に存在しないが、製剤に直接添加されるよりむしろ、金型またはパンチに噴霧される。
【0071】
所望によりトウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、一および二ステアリン酸グリセリル、ソルビトール、マンニトール、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、デキストラン、アカシアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、トラガント等のような天然または合成ガムのようなその他の従来の固体増量剤または担体、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤および芳香剤を用いることもできる。
【0072】
所望により本発明の組成物に添加することができる有用な賦形剤のさらなる例はthe Handbook of pharmaceutical excipients, 3rd edition , Edited by A.H.Kibbe, Published by: American Pharmaceutical Association, Washington DC, ISBN: 0-917330-96-X、またはHandbook of Pharmaceutical Excipients(4th edition), Edited by Raymond C Rowe - Publisher: Science and Practice (それらを出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている。
【0073】
したがって第1の態様では、本発明は乾燥重量に基づいて50から98重量%の間、50重量%から96重量%の間、60重量%から98重量%の間、60重量%から96重量%の間、または70から98重量%の間、70重量%と96重量%の間、80から98重量%の間、または80から96重量%の間の活性成分を含む高薬物負荷医薬組成物に関し、ここで活性成分はDPP−IV阻害剤、好ましくはビルダグリプチンおよびメトホルミンまたは各々の場合のその薬学的に許容される塩からなる。
【0074】
第2の態様では、本発明は乾燥重量に基づいて50から98重量%の間、50重量%から96重量%の間、60重量%から98重量%の間、60重量%から96重量%の間、または70から98重量%の間、70重量%と96重量%の間、好ましくは80から98重量%の間、または80から96重量%の間の活性成分を含む高用量負荷錠剤または直接圧縮錠剤に関し、ここで活性成分はDPP−IV阻害剤、好ましくはビルダグリプチンおよびメトホルミンまたは各々の場合のその薬学的に許容される塩からなる。
【0075】
メトホルミンが顆粒の形態である本明細書前記で記載されるような組成物または錠剤。
メトホルミンが顆粒の形態であり、そして顆粒が少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤を含有する本明細書前記で記載されるような組成物または錠剤。
メトホルミンが顆粒の形態であり、そして顆粒が結合剤を含有する本明細書前記で記載されるような組成物または錠剤。
メトホルミンが1から25%の間の結合剤を含む顆粒の形態である本明細書前記で記載されるような組成物または錠剤(乾燥重量に基づいて顆粒の重量の1から25%)。
メトホルミン顆粒とビルダグリプチンおよび所望により少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤との直接圧縮により得られる本明細書で記載されるような錠剤。
【0076】
乾燥重量に基づいて1から25重量%の間の結合剤、好ましくは1から20重量%の間、好ましくは1から12重量%の間、2.9から11重量%の間、または6.5から9.5重量%の間、または7.5から17.5重量%の間、または12.5から17.5重量%の間の薬学的に許容される結合剤を含む本明細書前記で記載されるような組成物または錠剤。
少なくとも一つの薬学的に許容される滑沢剤である賦形剤を好ましくは組成物もしくは錠剤の0.1重量%から5重量%の間、0.1重量%から2重量%の間、もしくは0.1重量%から1.5重量%の間、または組成物もしくは錠剤の0.1重量%から1重量%の間で含む本明細書前記で記載されるような組成物または錠剤。滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである本明細書前記で記載されるような医薬組成物または錠剤。
【0077】
結合剤がデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロースおよびヒドロキシルプロピルメチルセルロース;スクロース;デキストロース;コーンシロップ;多糖類;ならびにゼラチンから選択される本明細書で記載されるような医薬組成物または錠剤。
【0078】
結合剤がセルロースおよびその誘導体、好ましくはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)から選択される本明細書で記載されるような医薬組成物または錠剤。
本明細書で記載される比率はDPP−IV阻害剤、メトホルミンおよび賦形剤、例えば結合剤に関して乾燥重量に基づいて得られた。
【0079】
単位投薬形態の形態である本明細書で記載されるような医薬組成物。単位投薬形態は、カプセル、錠剤(好ましくは直接圧縮錠剤)、顆粒、チュアブル錠等のような任意の種類の医薬用投薬形態である。
さらなる態様では、本発明は活性成分として
i)0.5から35%の間、または1.5から35%の間、好ましくは0.5から20%の間または1.5から20%の間のDPP−IV阻害剤、好ましくはビルダグリプチンまたはその薬学的に許容される塩;
ii)65から98.5%の間、好ましくは80から98.5%の間のメトホルミンまたはその薬学的に許容される塩;
を含む錠剤または医薬組成物に関し、ここでメトホルミンは1から25%の間の結合剤(乾燥重量に基づいて顆粒の重量の1から25%)を含む顆粒の形態であるか、または
活性成分として
i)0.5から35%の間、または1.5から35%の間、好ましくは0.5から20%の間または1.5から20%の間のDPP−IV阻害剤、好ましくはビルダグリプチンまたはその薬学的に許容される塩;
ii)65から98.5%の間、好ましくは80から98.5%の間のメトホルミンまたはその薬学的に許容される塩;
を含む本明細書に記載される高負荷錠剤もしくは高薬物負荷医薬組成物であり、
ここでメトホルミンは1から25%の間の結合剤を含む顆粒(乾燥重量に基づいて顆粒の重量の1から25%)の形態である。
【0080】
顆粒が乾燥重量に基づいて1から20重量%の間、好ましくは3から13重量%の間、4.9から12重量%の間、または7.5から10.5重量%の間、または7.5から17.5重量%の間、または12.5から17.5重量%の間の薬学的に許容される結合剤を含む本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
結合剤がデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロースおよびヒドロキシルプロピルメチルセルロース;スクロース;デキストロース;コーンシロップ;多糖類;ならびにゼラチンから選択される本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
【0081】
結合剤がセルロースおよびその誘導体、好ましくはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)から選択される本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
本明細書にて特許請求される組成物および錠剤は好ましくは少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤を含有する。
本明細書で記載される従来の結合剤、希釈剤、崩壊剤、固体増量剤または担体のような少なくとも一つ、例えば一つ、二つ、三つまたは四つのさらなる従来の薬学的に許容される賦形剤を所望により本明細書で記載される製剤に添加することができる。好ましくは、製剤は乾燥重量に基づいて25重量%もしくは20重量%または好ましくは17.5もしくは15重量%もしくは11重量%を超えない結合剤を含む薬学的に許容される賦形剤を含有する。
【0082】
乾燥重量に基づいて組成物/錠剤の1から12重量%の間、好ましくは2.9から11重量%の間、または6.5から9.5重量%の間、または7.5から17.5重量%の間、または12.5から17.5重量%の間の薬学的に許容される結合剤、および所望により乾燥重量に基づいて0.1から10%の間のさらなる薬学的に許容される賦形剤(一つ、二つまたはそれより多い)、例えば0.1重量%から2重量%の間の滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム)を含む本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。好ましくは、顆粒は乾燥重量に基づいて3から13重量%の間、4.9から12重量%の間、または7.5から10.5重量%の間、または7.5から17.5重量%の間、または12.5から17.5重量%の間の薬学的に許容される結合剤を含む。
【0083】
乾燥重量に基づいて50から98重量%の間、70から98重量%の間、または好ましくは80から98重量%の間、または80から96重量%の間の活性成分を含む本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物、ここで活性成分は好ましくはビルダグリプチンおよびメトホルミン、または各々の場合のその薬学的に許容される塩からなる。
【0084】
少なくとも一つのさらなる薬学的に許容される賦形剤を含む本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
さらなる薬学的に許容される賦形剤が増量剤、結合剤または希釈剤、滑沢剤、崩壊剤および流動促進剤でよい本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。完成された錠剤に物理的特性を与えるその他の賦形剤は着色剤および、チュアブル錠の場合は芳香剤である。
【0085】
好ましくは組成物の0.1重量%から5重量%の間、または0.1重量%から2重量%の間、最も好ましくは組成物/錠剤の0.5重量%から1.5重量%の間の、滑沢剤である少なくとも一つのさらなる薬学的に許容される賦形剤を含む本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
0.1から5%の間、好ましくは0.1から2%の間、または0.5から1.5%の間のステアリン酸マグネシウムを含む本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
メトホルミン顆粒が結合剤を用いて湿式または溶融造粒により生成される本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
【0086】
メトホルミンか顆粒が湿式造粒により水またはエタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、グリコフロール、プロピレングリコールのような有機溶媒から選択される溶媒を用いて生成される本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
メトホルミン顆粒が溶融造粒により生成される本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。溶融造粒過程は「Hot-melt extrusion Technique」: A Review;Iranian Journal of Pharmaceutical Research 3:3-16(2004);Rina Chokshi et al. または総説Joerg Breitenbach 「Melt extrusion: from process to drug delivery technology」: European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 54:107-117(2002)(双方を出典明示により本明細書の一部とする)のような多くの出版物に記載されている。
【0087】
ビルダグリプチンが原体の形態で存在する本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
DPP−IV阻害剤、好ましくはビルダグリプチンが0.5から35%の間、または1.5から35%の間のすなわちDPP−IV阻害剤+メトホルミンからの活性成分に相当する本明細書で記載されるような錠剤または製剤。
ビルダグリプチンが粒子の形態であり、ここで少なくとも40%、好ましくは60%、最も好ましくは80%、なおさらに好ましくは90%のビルダグリプチンが250μm未満もしくは好ましくは10から250μmの間の粒度分布を有するか、または少なくとも25%もしくは少なくとも35%の粒度分布が50から150μmの間である本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
【0088】
ビルダグリプチンが粒子の形態である本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
ビルダグリプチン粒子が溶媒造粒により生成される本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
造粒方法に用いられる溶媒が好ましくはエタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、グリコフロールまたはプロピレングリコールから選択される本明細書で記載されるような錠剤または医薬組成物。
カプセル中に含有されるか、または錠剤好ましくは圧縮錠剤もしくは直接圧縮錠剤の形態である本明細書で記載されるような医薬組成物。錠剤にさらにフィルムコーティング例えばOpadryプレミックスのフィルムコーティングを施すことができる。
製剤が二層または三層錠の層の一つに相当する本明細書で記載されるような医薬組成物。本発明による好ましい二層錠は本発明の製剤を含む第1層および第2層としてさらなるメトホルミンまたはグリタゾン(例えばピオグリタゾンもしくはロシグリタゾンまたは任意の場合のその医薬用塩)製剤を含有する。
【0089】
グリタゾン、例えばピオグリタゾンもしくはロシグリタゾン、またはスルホニル尿素のようなインスリン分泌促進剤、例えばグリピザイド、グリブリドおよびアマリル;メグリチニドのようなインスリン分泌促進性スルホニル尿素受容体リガンド、例えばナテグリニドおよびレパグリニドであるさらなる活性成分を含む本発明による製剤。グリタゾンまたはスルホニル尿素はメトホルミン顆粒中に(メトホルミン+結合剤+グリタゾンまたはメトホルミン+結合剤+スルホニル尿素)、またはLAF237原体と共に含まれてよい。
【0090】
本発明による製剤が一つの層に相当し、そしてグリタゾン、例えばピオグリタゾン、ロシグリタゾンまたはスルホニル尿素が第2層に存在する二層または三層錠。
本明細書に記載される従来の希釈剤、崩壊剤、固体増量剤または担体のような
さらなる従来の薬学的に許容される賦形剤(少なくとも一つ、例えば一つ、二つ、三つまたは四つの賦形剤)を所望により本明細書で記載される製剤に添加することができる。好ましくは、製剤は乾燥重量に基づいて25重量%、20重量%、17.5または13重量%を超えない結合剤、すなわちメトホルミン顆粒に存在する結合剤を含む薬学的に許容される賦形剤を含有する。
【0091】
最も好ましくは、医薬組成物は0.1から5%の間、好ましくは0.5から3%の間、または0.5から1.5%の間の薬学的に許容される滑沢剤、好ましくはステアリン酸マグネシウムを含む。
前記された組成物はAvicel PH102およびラクトースのような微結晶性セルロースから選択される一つまたは二つの希釈剤を含むことができる。
本出願では、薬学的に許容される崩壊剤に対する言及は少なくとも一つの崩壊剤を意味し、二つまたは三つの崩壊剤の混合物にも及ぶ。
本出願では、薬学的に許容される滑沢剤に対する言及は少なくとも一つの滑沢剤を意味し、二つまたは三つの滑沢剤の混合物にも及ぶ。
【0092】
好ましいDPP−IV阻害剤はLAF237であり、好ましい希釈剤は微結晶性セルロースもしくはラクトースまたは好ましくは微結晶性セルロースおよびラクトースの組み合わせであり、好ましい崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムであり、好ましい結合剤はセルロース型結合剤(セルロースおよびその誘導体)、例えばHPCであり、そして好ましい滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0093】
前記された製剤は特に医薬用錠剤、例えば圧縮錠剤もしくは直接圧縮錠剤、キャプレットまたはカプセルの生成に適用され、そして当業者に要求されるような必要な物理的特性、溶出および薬物放出プロファイルを提供する。したがってさらなる態様では、本発明は医薬用錠剤、キャプレットまたはカプセルの製造のための、とりわけ造粒、直接圧縮および乾式造粒(スラッギングまたはローラー圧縮)のための前記された製剤のいずれかの使用に関する。
【0094】
前記された製剤はまた錠剤、特に圧縮錠剤または直接圧縮錠剤の生成に特に有用である。
とりわけ前記された製剤を用いて得られた錠剤は低い摩損度問題、非常に良好な破壊強度、改善された製造ロバスト性、錠剤重量比率に対して最適な錠剤の厚み(直接圧縮錠剤)、製剤特に直接圧縮錠剤中の少ない水、英国薬局方(1988)、good Dispersion Qualityによる良好な分散崩壊時間を有する。
【0095】
本発明は混和、造粒および圧縮に関与する。賦形剤の等級の選択はまた粉末混合物の均質性および活性成分の含量の均一性を可能にする範囲内で維持される粒度を考慮に入れた。それは圧縮中のホッパー内での粉末の分離を防御する。本発明の製剤を用いる利点は、それが粉末混和物の圧縮性、凝集性および流動性を付与することである。加えて、圧縮は競争力のある単位生成経費、貯蔵寿命を提供し、熱および水分を排除し、主な粒子の解離、物理的安定性を可能にし、そして粒度均一性を確実にする。
【0096】
請求された組成物の記載される利点はまたは例えばローラー圧縮または湿式造粒、圧縮および直接圧縮に、またはカプセルに充填するのに非常に有用である。
本明細書で記載される医薬組成物の開発において、出願者は;
i)DPP−IV阻害剤を含む粒子が250μm未満、好ましくは10から250μmの間の粒度分布を有する;ならびに/または
ii)25℃および室内湿度(RH)60%で1週間後、錠剤の水含量が10%未満である;
場合に、圧縮錠剤、特に直接圧縮錠剤が特に有利であることを見出した。
【0097】
したがってさらなる態様(a)では本発明は本明細書で記載されるような医薬製剤または圧縮錠剤に関し、ここで分散物は遊離形態または酸付加塩形態のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含有し、ここで錠剤中の粒度分布の少なくとも60%、好ましくは80%、および最も好ましくは90%が250μm未満または好ましくは10から250μmの間である。
【0098】
本発明は本明細書で記載されるような医薬製剤または圧縮錠剤に関し、ここで分散物は遊離形態または酸付加塩形態のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含有し、ここで錠剤中の粒度分布の少なくとも60%、好ましくは80%、および最も好ましくは90%が10μmより大きい。
【0099】
「ここでメトホルミンは顆粒の形態である」なる用語は、DPP−IV阻害剤がメトホルミンを含有する顆粒中に存在しないことを意味する。
「ここで少なくとも60%、好ましくは80%および最も好ましくは90%」なる用語は少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%および最も好ましくは少なくとも90%を意味する。
「ここで少なくとも25%、好ましくは35%および最も好ましくは45%」なる用語は少なくとも25%、好ましくは少なくとも35%および最も好ましくは少なくとも45%を意味する。
【0100】
とりわけ本発明は本明細書で記載されるような医薬製剤または圧縮錠剤に関し、ここで分散物は遊離形態または酸付加塩形態のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含有し、ここで錠剤中の粒度分布の少なくとも25%、好ましくは35%および最も好ましくは45%が50から150μmの間である。
【0101】
第2の態様では、本発明は本明細書で記載されるような医薬製剤または圧縮錠剤に関し、ここで分散物は遊離形態または酸付加塩形態のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含有し、ここで;
i)錠剤中の粒度分布の少なくとも60%、好ましくは80%および最も好ましくは90%が250μm未満、好ましくは10から250μmの間である;
ii)25℃およびRH60%で1週間後、錠剤の水含量が10%未満である。
【0102】
好ましくは、本発明は本明細書で記載されるような医薬製剤または圧縮錠剤に関し、ここで分散物は遊離形態または酸付加塩形態のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含有し、ここで;
i)錠剤中の粒度分布の少なくとも25%、好ましくは35%および最も好ましくは45%が50から150μmの間である;
ii)25℃およびRH60%で1週間後、錠剤の水含量が10%未満であるか、または25℃およびRH60%で1週間後、錠剤の水含量が5%未満である。
【0103】
好ましくは、DPPIV粒子、特にLAF237粒子は70%を超えるDPPIV阻害剤、最も好ましくは90%または95%を超える、そしてなおさらに好ましくは98%を超えるDPPIV阻害剤を含む。
好ましくは、LAF237粒子は70%を超えるLAF237、最も好ましくは90%または95%を超える、そしてなおさらに好ましくは98%を超えるLAF237を含む
DPPIV阻害剤、特にLAF237の選択された粒度分布は錠剤の最良の圧縮成形を提供するために特に重要であることが見出されている。
【0104】
適合した粒度分布を有する好ましい賦形剤を例えばHandbook of Pharmaceutical Excipients(4th edition), Edited by Raymond C Rowe - Publisher: Science and Practiceから選ぶことができる。
薬物の粒度、例えばLAF237の粒度を結晶化、乾燥および/または粉砕/篩過(非限定的な例を以下に記載する)により制御される。粒度をローラー圧縮および粉砕/篩過を用いて粉末状にすることもできる。正確な粒度の生成は周知であり、そして「Pharmaceutical dosage forms: volume 2, 2nd edition, Ed.: H.A.Lieberman, L.Lachman, J.B.Schwartz(Chapter 3: SIZE REDUCTION)」のように当分野において記載されている。
【0105】
適切なLAF237粒度を得るための方法は特許出願第WO2005/067976号(それを出典明示により本明細書の一部とする)にも記載されている。
多数の粒度が研究されており、そして本明細書で記載される具体的な粒径範囲が圧縮成形のための良好な結果を提供する。
【0106】
分析用篩による粒度分布推定:当業者に周知な手順である篩過分析、光子相関分光法もしくはレーザー回折(国際標準ISO13320−1)、もしくはエレクトロニックセンシングゾーン、光遮断(light obstruction)、沈殿または顕微鏡を用いて粒度分布を測定する。粒度分布により粉末を分類する最も古い方法の一つは篩過である。かかる方法は周知であり、そして任意の分析化学教本において、または米国薬局方(USP)出版物USP−NF(2004、Chapter 786(The United States Pharmacopeial Convention, Inc., Rockville, MD))(これは米国食品医薬品局(FDA)の法的強制力のある標準を記載する)によるように当分野において記載されている。使用される技術は例えばPharmaceutical dosage forms: volume 2, 2nd edition, Ed.: H.A.Lieberman, L.Lachman, J.B.Schwartzに記載され、良好な例である。それはまた(187頁)さらなる方法についても言及している:エレクトロニックセンシングゾーン、光遮断、空気浸透、気体または液体での沈殿。
【0107】
粒度の空気ジェット篩過測定では、回転スリットから篩を通して上方に空気を吹き出して、篩上の材料が流動化する。同時に篩の底部に陰圧が適用され、それが微細粒子を収集装置に移動させる。単一の篩を連続して使用することにより、粒度分布の微細な最終生成物から粒子を取り出すことにより粒径分析および平均粒度測定を実施する。これに関してさらに詳細には「Particle Size Measurement」, 5th Ed. , p 178, vol. 1;T. Allen, Chapman & Hall, London, UK, 1997をも参照。したがって当業者にはこのような粒径測定は従来の性格のものである。
【0108】
当業者に周知の方法である乾燥減量法またはカールフィッシャー法を用いて錠剤の水含量を測定することができる(例えばサーモグラメトリー(thermogrametry)による乾燥減量により水含量を測定することができる)。かかる方法は周知であり、そして任意の分析化学教本(J.A. Dean, Analytical Chemistry Handbook, Section 19, McGraw-Hill, New York, 1995)において、または米国薬局方(USP)出版物USP−NF(2004)(これは米国食品医薬品局(FDA)の法的強制力のある標準を記載する)(2004、USP−Chapter 921)によるように当分野において記載されている。
【0109】
本発明はとりわけ本明細書にて定義される分散性錠剤に関する英国薬局方試験にしたがって、710μmのメッシュ開口を有する篩網を通過することができる分散物を提供するために、15から50分間、または20−45分間以内で水中に分散することができる圧縮錠剤または直接圧縮錠剤を提供する。
【0110】
本発明による、および水中で迅速に分散できる錠剤は、それが分散時間および分散品質に関する分散性錠剤のための英国薬局方(B.P.)試験に合致するというさらなる利点を有する(すなわち710μm篩を通過する)。
好ましくは、本発明による錠剤の分散時間は15分未満、さらに好ましくは12分未満、および最も好ましくは10分未満である。
【0111】
本発明による錠剤のさらなる利点は、比較的微細な分散物が形成されるので、錠剤の溶出時間が短く、そしてしたがって薬物がさらに速やかに血流に吸収され得るという点である。さらに、本発明による錠剤で得られる速やかな分散時間および比較的微細な分散物はまた嚥下用錠剤のための利点でもある。したがって本発明による錠剤を水中の分散、およびまた直接嚥下の双方のため提示することができる。嚥下を意図する本発明によるこれらの錠剤は嚥下を助けるためにフィルムコーティングされているのが好ましい。
【0112】
さらなる態様では、本発明は本明細書で記載されるような医薬製剤または圧縮錠剤に関し、ここで、
i)0から45分の間に90から99.5%のLAF237が放出され、そして
ii)10から45分の間に70から99%のメトホルミンが放出される。
薬物の溶出速度(放出%)を測定するために0.01N HCl1000mlを用いるパドル法を使用する。かかる方法は周知であり、そして任意の分析化学教本において、または米国薬局方(USP)出版物USP−NF(2004)(これは米国食品医薬品局(FDA)の法的強制力のある標準を記載する)(2004−Chapter 711)によるように当分野において記載されている。
【0113】
本発明はまた、
i)メトホルミンおよび結合剤を造粒すること;
ii)メトホルミンおよび結合剤を含有する顆粒を乾燥させること;
iii)DPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237、原体をメトホルミンおよび結合剤を含有する顆粒と混和すること;
iv)所望により滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムを工程iii)で得られた混合物と混和すること;
を含む、DPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237またはその医薬用塩およびメトホルミンまたはその医薬用塩を含む医薬製剤を製造するための方法をも提供する。
【0114】
本発明また、
i)メトホルミンおよび結合剤を造粒すること;
ii)メトホルミンおよび結合剤を含有する顆粒を乾燥させること;
iii)DPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237、原体をメトホルミンおよび結合剤を含有する顆粒と混和すること;
iv)所望により滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムを工程iii)で得られた混合物と混和すること;
v)単位投薬形態の錠剤を形成するために得られた混和物を圧縮すること;
を含む、DPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237またはその医薬用塩およびメトホルミンまたはその医薬用塩を含む医薬用錠剤を製造するための方法をも提供する。
【0115】
得られた混和物は錠剤に圧縮することができる錠剤用粉末の形態である。
乾燥後の顆粒の最終的な水分のレベル(LOD)はまたメトホルミン湿式造粒の十分な圧縮成形特性および流動性を得るために必須であり得る(LODが低下する場合、圧縮成形特性および錠剤摩損度は乏しいが、LODが上昇する場合、顆粒は有意なピッキングを引き起こし、および/または凝集物を形成しそして粉末流動性を制限し始める)。提示された目標LODは〜2%(0.5から3.5の範囲、好ましくは1.5から2.4%の範囲)である。
【0116】
したがって工程ii)の間の好ましい態様では、顆粒をLOD0.5−3.5%、好ましくは1.5−2.4%まで乾燥させる。(LOD:乾燥減量法(USPで定義される方法)
好ましくは工程i)の造粒は湿式造粒または溶融造粒である。
メトホルミンおよび結合剤が溶融造粒(工程i)により造粒される場合、予想外の良好な結果が観察された。得られた最終製剤または錠剤は本明細書で記載される利点、例えば改善された硬度、低摩損度、良好な圧縮形成性、溶出および安定性を呈する。
【0117】
したがって好ましい局面では、溶融造粒のためにメトホルミンおよび結合剤を混和し、そして混和物を押出機に通す。
好ましくは押出機を混合領域で140から220℃の間、または155から205℃の間、または170から190℃の間に設定する。
好ましくは、圧縮工程v)は工程iii)またはiv)から得られる混和物の直接圧縮である。
【0118】
さらなる態様では、前記した方法は:
工程i)工程ii)の終わりでメトホルミンが乾燥重量に基づいて1から25重量%の間、または1から20重量%の間、好ましくは1から20重量%の間、最も好ましくは3から13重量%の間、4.9から12重量%の間、または7.5から10.5重量%の間、または7.5から17.5重量%の間、または12.5から17.5重量%の間の薬学的に許容される結合剤を含む顆粒の形態のであるためである。
工程i)、ここで少なくとも一つのさらなる薬学的に許容される希釈剤または崩壊剤のような賦形剤が混和される混合物に添加される。好ましくはさらなる薬学的に許容される(複数の)賦形剤は乾燥重量に基づいて顆粒重量の25%を超えず、好ましくは17.5%または15%未満に相当する。
工程iii)、ここで少なくとも一つのさらなる薬学的に許容される希釈剤または崩壊剤のような賦形剤が混和される混合物に添加される。
さらなるコーティング工程が得られた圧縮核(錠剤)に適用される。
所望により錠剤コーティングの前に圧縮核をLOD<1%、好ましくは<0.5%まで乾燥させる。
【0119】
好ましいDPP−IV阻害剤はLAF237であり、好ましい希釈剤は微結晶性セルロースもしくはラクトース、または好ましくは微結晶性セルロースおよびラクトースの組み合わせであり、好ましい崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムであり、そして好ましい滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。
工程(1)の前に、基本的な塊除去のために、すなわちいかなる凝集物/ケークも取り除くために篩過工程を製剤に適用するのが好ましい。工程(3)の前に、それをメトホルミン顆粒に添加する前に、篩過工程をLAF237に適用するのが好ましい。
【0120】
その他の態様では、本発明は前記された医薬組成物を含むカプセルに及ぶ。
最終生成物は従来の打錠機または類似の機械を用いることにより錠剤、カプセル等の形態に製造される。
本明細書で記載される方法の一つにより得られる、圧縮力15kNで14kpと30kpの間に含まれる硬度および/または圧縮力15から20kNで0.5%と0.18%の間の摩損度を有する錠剤。
【0121】
最も好ましくは、本明細書で記載される製剤、圧縮錠剤または加工のためのDPP−IV阻害剤は二塩酸1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、L−スレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドならびに所望により任意の場合のその医薬用塩から選択される。
【0122】
最も好ましくは、DPP−IV阻害剤は1−[3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリル(LAF237またはビルダグリプチン)またはその医薬用塩である。
(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(ビルダグリプチン)の投薬量は好ましくは1日10から150mgの間、最も好ましくは1日25から150mgの間、または50から100mgの間、または25から100mgの間である。1日経口投薬量の好ましい例は25、30、35、45、50、55、60、70、80、90または100mgである。活性成分の適用は1日3回まで、好ましくは1日1または2回行うことができる。
【0123】
三剤併用の形態の本発明の製剤に組み合わせることができるグリタゾンは当分野において周知であり、そして多くの出版物に記載されている。
開発中のグリタゾンはAZ242(AstraZeneca)第2相;KRP−297(Kyorin, Merckにライセンス供与された)第1−2相;MCC−555(Mitsubishi Chemicals, J&Jにライセンス供与された)第2相;JTT−501(Japan Tobacco, Pharmaciaにライセンス供与された)第2相である。
【0124】
グリタゾン5−{[4−(2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ)フェニル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(ピオグリタゾン、欧州特許第0193256(A1)号)、5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ロシグリタゾン、欧州特許第0306228(A1)号)、5−{[4−((3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メトキシ)−フェニル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(トログリタゾン、欧州特許第0139421号)、(S)−((3,4−ジヒドロ−2−(フェニル−メチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン(エングリタゾン、欧州特許第0207605(B1)号)、5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)ベンズアミド(KRP297、JP10087641−A)、5−[6−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン(MCC555、欧州特許第0604983(B1)号)、5−{[4−(3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソプロピル)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ダルグリタゾン、欧州特許第0332332号)、5−(2−ナフチルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオン(AY−31637、米国特許第4997948号)、5−{[4−(1−メチル−シクロヘキシル)メトキシ)−フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(シグリタゾン、米国特許第4287200号)は各々の場合一般名であり、そして具体的には各物質の後の括弧内に引用される文献に開示され、各々の場合、とりわけ化合物クレームおよび実施例の最終生成物では、最終生成物の対象物、医薬製剤および請求の範囲はこれらの出版物の出典明示により本明細書の一部とする。DRF2189および5−{[4−(2−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオンの製造はB.B. Lohray et al., J. Med. Chem. 41:1619-1630(1998);1627および1628頁の実施例2dおよび3gに記載されている。5−[3−(4−クロロフェニル])−2−プロピニル]−5−フェニルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオンおよびAが本明細書で言及されたフェニルエチニルであるその他の化合物の製造をJ. Wrobel et al., J. Med. Chem. 41:1084-1091(1998)に記載される方法にしたがって実施することができる。
【0125】
とりわけMCC555を欧州特許第0604983B1号49頁30から45行に開示されるように;エングリタゾンを6頁52行から7頁6行に開示されるように、または欧州特許第0207605B1号の24頁の実施例27もしくは28に類似して製剤することができ;ならびにダルグリタゾンおよび5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−エトキシ)]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(BM−13.1246)を欧州特許第0332332B1号の8頁42行から54行に開示されるように製剤することができる。AY−31637を米国特許第4997948号4段32から51行に開示されるように、およびロシグリタゾンを欧州特許第0306228A1号の9頁32から40頁に開示されるように、後者は好ましくはそのマレイン酸塩として投与することができる。ロシグリタゾンを例えば商標VANDIA(商標)の下で市販されるような形態で投与することができる。トログリタゾンを例えば商標ReZulin(商標)、PRELAY(商標)、ROMOZIN(商標)(英国)またはNOSCAL(商標)(日本)の下で市販されるような形態で投与することができる。ピオグリタゾンを欧州特許第0193256A1号の実施例2に開示されるように、好ましくは一塩酸塩の形態で投与することができる。1人の患者の必要性に対応してピオグリタゾンを商標ACTOS(商標)の下で市販されるような形態で投与することが可能である。シグリタゾンを、例えば米国特許第4287200号の実施例13に開示されるように製剤することができる。
【0126】
グリタゾンの成人糖尿病患者(体重:50kg)への投与のために、例えば1日あたりの用量は通常0.01から1000mg、好ましくは0.1から500mgである。この用量を1日1回から数回投与することができる。特に塩酸ピオグリタゾンはインスリン感受性改善薬として用いられる場合、塩酸ピオグリタゾンの1日あたりの用量は通常7.5から60mg、好ましくは15から45mgである。トログリタゾンをインスリン感受性改善薬として用いる場合、トログリタゾンの1日あたりの用量は通常100から1000mg、好ましくは200から600mgである。ロシグリタゾン(またはそのマレイン酸塩)をインスリン感受性改善薬として用いる場合、ロシグリタゾンの1日あたりの用量は通常1から12mg、好ましくは2から12mgである。
【0127】
グリタゾンは好ましくはピオグリタゾン、塩酸ピオグリタゾン、トログリタゾンまたはロシグリタゾン(またはそのマレイン酸塩)、特に好ましくは塩酸ピオグリタゾンである。
ACTOS(登録商標)(ピオグリタゾン)は単剤治療で、またはスルホニル尿素、メトホルミンもしくはインスリンとの組み合わせで45mg1日1回を超えてはならない。メトホルミンと組み合わせたACTOSを15mgまたは30mg1日1回で開始することができる。現在のメトホルミン用量をACTOS治療の開始時に続けることができる。ACTOSとの組み合わせ治療の間に低血糖によりメトホルミンの用量の調整が要求されるとは考えにくい。ACTOSは15mg、30mgおよび45mg錠で入手可能である。
【0128】
AVANDIA(登録商標)(ロシグリタゾン)を1日1回用量として4mgの出発用量で投与するか、または分割して、そして朝および夕に投与することができる。処置の8から12週後に、FPGの低下により決定されるような応答が不十分である患者には、単剤治療として1日8mgまで増加させるか、またはメトホルミンと組み合わせることができる。AVANDIAの用量は1回用量として、または1日2回に分割して1日8mgを超えてはならない。AVANDIAは2mg、4mgおよび8mg錠で入手可能である。
【0129】
メトホルミンでの糖尿病治療の投薬量は有効性および耐性に基づいて個別に決定されるべきであるが、2000mgであるメトホルミンの最大推奨1日用量を超えてはならない。メトホルミンはNIDDMの患者の血糖を低下させるために広く製剤されており、そして500、750、850および1000mg力価で市販されている。しかしながら、それは短時間作用型薬物であるので、メトホルミンは1日2回または1日3回投与(500−850mg錠2−3個/日または1000mg1日2回毎食時)を要求される。好ましくは本発明で用いられる投薬量は250から2000mgの間、好ましくは250から1000mgの間である。メトホルミンまたはその医薬用塩250mg、500mg、850mgまたは1000mgを含む本明細書で記載される本発明による医薬組成物、錠剤またはカプセル。
【0130】
したがってさらなる態様では、本発明は活性成分が、
i)メトホルミン50から2000mg、好ましくはメトホルミン250から1000mg;
ii)DPP−4阻害剤、好ましくはビルダグリプチン25から100mg;
からなる本発明の錠剤または製剤に関する。
【0131】
本発明はまた、
活性成分が;
i)メトホルミン50から2000mg、好ましくはメトホルミン250から1000mg;
ii)DPP−4阻害剤、好ましくはビルダグリプチン25から100mg、好ましくはビルダグリプチン25から50mg;
からなる本発明の製剤を含む医薬用単位投薬形態、好ましくは錠剤またはカプセルにも関する。
【0132】
本発明はまた、
活性成分が:
i)ビルダグリプチン25mgおよびメトホルミン250mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
ii)ビルダグリプチン25mgおよびメトホルミン500mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
iii)ビルダグリプチン25mgおよびメトホルミン850mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
iv)ビルダグリプチン25mgおよびメトホルミン1000mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
v)ビルダグリプチン50mgおよびメトホルミン500mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
vi)ビルダグリプチン50mgおよびメトホルミン850mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
vii)ビルダグリプチン50mgおよびメトホルミン1000mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
からなる本発明の製剤を含む医薬用単位投薬形態、好ましくは錠剤またはカプセルにも関する。
【0133】
本発明はまた、
a)活性成分が:
i)ビルダグリプチン25mgおよびメトホルミン250mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
ii)ビルダグリプチン25mgおよびメトホルミン500mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
iii)ビルダグリプチン25mgおよびメトホルミン850mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
iv)ビルダグリプチン25mgおよびメトホルミン1000mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
v)ビルダグリプチン50mgおよびメトホルミン500mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
vi)ビルダグリプチン50mgおよびメトホルミン850mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
vii)ビルダグリプチン50mgおよびメトホルミン1000mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
からなり;そして
b)メトホルミンが1から25%の結合剤(乾燥重量に基づいて顆粒の重量の1から25%)、1から20%の結合剤、または7.5から17.5%の間の結合剤を含む顆粒の形態であり;
c)組成物または錠剤が乾燥重量に基づいて50から98重量%の間、50重量%から96重量%の間、60重量%から98重量%の間、60重量%から96重量%の間、または70から98重量%の間、70重量%と96重量%の間、80から98重量%の間、または80から96重量%の間の活性成分を含み;
d)組成物は所望により0.1%と2%の間のステアリン酸マグネシウムのような少なくとも一つのさらなる賦形剤を含む;
本発明の製剤または錠剤にも関する。
【0134】
本発明はまた本発明の製剤を含む医薬用単位投薬形態、好ましくは錠剤またはカプセルにも関し、ここで活性成分は、
i)50から2000mgの間のメトホルミン、好ましくは250から1000mgの間のメトホルミン;
ii)25から100mgの間のDPP−4阻害剤、好ましくはビルダグリプチン、好ましくは25から50mgの間のビルダグリプチン;および
iii)2から50mgの間のグリタゾン、好ましくは2から8mgの間のロシグリタゾンまたは15から45mgの間のピオグリタゾン;
からなる。
【0135】
したがってさらなる態様では、本発明は、
− 錠剤硬度が60から340Nの間に含まれる;
− 錠剤摩損度が0.8%より低い;そして
− 錠剤の厚さが4.5から8.3mmの間に含まれる;
本発明の錠剤に関する。
【0136】
したがってさらなる態様では、本発明は:
− 錠剤硬度が60から340Nの間に含まれる;
− 錠剤摩損度が0.8%より低い;
− 錠剤の厚さが4.5から8.3mmの間に含まれる;そして
パドル法を用いることにより、
− 少なくとも70%のビルダグリプチンが30分以内に溶解する;
− 少なくとも80%のメトホルミンHClが45分以内に溶解する;
本発明の錠剤に関する。
【0137】
さらなる態様では、本発明は、メトホルミンがそのHCl塩の形態である本発明の錠剤または製剤に関する。
乾燥重量に基づいて50から98重量%の間、50重量%から96重量%の間、60重量%から98重量%の間、60重量%から96重量%の間、または70から98重量%の間、70重量%と96重量%の間、または80から98重量%もしくは80から96重量%の間の活性成分を含み、ここで活性成分はビルダグリプチンおよびメトホルミンまたは各々の場合のその薬学的に許容される塩からなる本明細書で記載されるいずれかの組成物または錠剤。
【0138】
さらなる局面では、本発明は非インスリン依存性糖尿病、関節炎、肥満、同種移植、カルシトニン−骨粗鬆症、心不全、グルコース代謝不全、IGT(耐糖能障害)、アルツハイマー病およびパーキンソン病のような神経変性疾患のような症状の処置、高脂質血症の変調、高脂質血症に関連する症状の変調のため、またはVLDL、LDLおよびLp(a)レベルを低下させるため、心血管もしくは腎臓疾患、例えば糖尿病性心筋症、左または右心室肥大、動脈および/または大血管の肥大内側肥厚(hypertrophic medial thickening)、腸間膜血管肥大、血管間膜肥大、神経変性障害およびうっ血性障害、鎮静または抗不安効果を生むため、手術後の異化変化およびストレスに対するホルモン応答を減弱させるため、心筋梗塞後の死亡率および有病率を低下させるため、GLP−1および/またはGLP−2レベルにより媒介され得る前記の効果に関連する疾患の処置のための本明細書で記載される製剤、カプセル、錠剤、圧縮錠剤、直接圧縮錠剤の使用に関する。
【0139】
各々の場合で、とりわけ化合物クレームでは、実施例の最終生成物、最終生成物の対象物、分析および測定方法(例えばUSP文書)、正確な粒度を得るための方法、医薬製剤、賦形剤および特許請求の範囲は本明細書にて言及された出版物または特許出願の出典明示により本明細書の一部とする。
本発明を以下の実施例によりさらに説明する:
【実施例】
【0140】
実施例1:製造方法
保存中に固化するメトホルミン原体のために、1.68mm篩を装着した振動ミル(Frewitt)を用いるデコンパクション(decompaction)過程が要求される。次いでメトホルミンを高剪断ミキサー中で1−2分間、HPC−EXF(EXF:粘度および粒度に関する製造者(Aqualon)の等級指定、x=xtrafine、HF=意味はないが、その他のHPC等級HF、GF、LF、EFと同程度の粘度指定)と予混合する。9(重量/重量)%HPC溶液を十分な顆粒が形成されるまで一定速度(4分)で高剪断造粒機にポンプ輸送する(水の全量〜7%)。次いで顆粒を流動床乾燥機内で最終LOD(乾燥減量)〜2%(1.5から2.4%の範囲)まで乾燥させる。乾燥した顆粒をFitzmill(0.078”または2mm篩を装着)またはFrewittオシレーター(1.68mm篩を装着)のいずれかに通す。LAF237原体を1mm手持ち篩に通し、そしてビンブレンダー内で粉砕したメトホルミン顆粒と300回転混和する。またステアリン酸マグネシウムを1mm手持ち篩に通し、そしてMet/LAF混合物と60回転混和する。次いで回転打錠機で混和物を圧縮する。圧縮された核を錠剤コーティングの前にLOD<0.5%まで乾燥させる。コーティング重量およそ5mg/cmがコーティング過程の間に適用される。
【0141】
5:1、10:1、20:1および40:1の比率でメトホルミン:LAF237核バッチを含む本明細書で記載される製剤のバッチを製造するために用いられる方法パラメーター
【表1】

【0142】
本明細書で記載される製剤の開発のために用いられる製造装置の説明
【表2】

【0143】
試験されるバッチサイズ
試験用バッチのためのバッチサイズは典型的には<1.0kgであった。製剤開発の間、3.0から6.0kgの範囲のバッチサイズで25l Collette Gralミキサー中で湿式造粒を完了した。
最終過程の上級化の可能性およびロバスト性に関する記載
メトホルミン湿式造粒の製造を組み込んだ全ての過程および乾燥過程、ならびに混合、圧縮およびコーティングは標準的な方法であり、そして標準的な装置を使用する。FBD(流動床乾燥)乾燥過程の終点LOD(1.5−2.4%)。
乾燥顆粒の水分のレベルは錠剤化特性に重大な影響力を有するので、全ての顆粒をKG5ミキサーを用いて製造し、そしてオーブン内でLODおよそ2%(好ましい範囲は1.5−2.4%)まで乾燥させる。
【0144】
製造方法:代替法
工程1:メトホルミンおよびHPCを1700μm篩に通して篩過する。篩過された成分を拡散ブレンダーに入れ、そして20rpmで200回転予混和する。
工程2:混和物を180℃(混合領域で)に設定した2軸押し出し機に通す−溶融造粒。
工程3:frewittを用いて顆粒を500μm篩に通して篩過する(粉砕工程)。
工程4:LAF237を500μm篩に通して篩過し、そして工程3の顆粒と20rpmで300回転混和する。
工程5:ステアリン酸マグネシウムを1000μm篩に通して篩過し、そして20rpmで60回転混和する。
工程6:得られた組成物の圧縮。
工程7:フィルムコーティング。
【0145】
実施例1B:溶融造粒法を用いるメトホルミンの製造:
【表3】

内相成分、すなわち塩酸メトホルミンおよびHercules Chemical Co.(Wilmington, Delaware)からKLUCEL EXFとして入手可能なヒドロキシプロピルセルロースを組み合わせ、そしてビンブレンダー内で約200回転混和する。混和物を2軸押し出し機の供給部またはホッパーに導入する。適当な2軸押し出し機はThermo Electron Corp.(Waltham, Massachusetts)から入手可能な医薬品用2軸押し出し機PRISM 16mmである。
【0146】
2軸押し出し機の末端に位置するのはおよそ3mmの内径を有する金型である。2軸押し出し機は五つの個々のバレル領域または部で構成され、別個に異なるパラメーターに調整することができる。ホッパーから出発して金型まで、領域は各々以下の温度まで加熱される:40℃、110℃、130℃、170℃および185℃。加熱領域の温度はおよそ232℃である塩酸メトホルミンの溶融温度を超えない。スクリュー速度は150rpmに設定されるが、400rpmほどにでき、そして体積供給速度は分あたり材料約30から45gの間の分配に調整される。押出量を4g/分から80g/分に調整することができる。
【0147】
次いで押出機からの押出物または顆粒をおよそ15から20分間放置することにより室温まで冷却する。冷却した顆粒を続いて500μm篩(すなわち1mm篩)に通して篩過する。
【0148】
外相に関しては、ステアリン酸マグネシウムを1000μm篩に通して篩過し、そしてビルダグリプチン原体を最初に500μm篩に通す。次いでビルダグリプチンを適当なビンブレンダーを用いて得られた顆粒と共におよそ150または300回転混和する。ステアリン酸マグネシウムを得られた混合物と共に50または70回転混和する。得られた最終混和物を従来の回転打錠機(Manesty Beta Press)を用い、6kNと25kNの間の範囲の圧縮力を用いて錠剤に圧縮する。得られた錠剤は一体構造であり、そして5kPから35kPの範囲の硬度を有する。15kPから35kPの範囲の硬度を有する錠剤は500回落下後に1.0重量/重量%未満の許容される摩損度に至った。さらにこれらの錠剤の崩壊時間は0.1N HCl中37℃でディスクを用いて20分以下である。
【0149】
実施例2
A.拡張適合性試験の要旨
標準的な賦形剤を伴う本明細書で記載される製剤の賦形剤適合性研究を50℃/75%(開放)で4週間行った。適合性結果に基づいて、データにより本明細書で記載される製剤および錠剤がメトホルミンまたはLAF237をほとんど分解しなかったことが示される。
【0150】
B.安定性プロトコール
安定性研究を誘導シールした(induction sealed)HDPE(高密度ポリエチレン)ボトル中乾燥剤を伴って25℃/60%RH、30/65%RHおよび40℃/75%RHで、ならびに乾燥剤を伴わずに40℃/75%RH開放で行った(開放)。様々な時点での安定性条件は本明細書に記載される製剤および錠剤を用いて良好な結果を示している。
RH=相対湿度
【0151】
(a)表i)試験用製剤安定性保存条件
【表4】

【0152】
(b)表ii)溶融造粒および低水分系安定性保存条件
【表5】

安定性結果:本明細書で記載される製剤および錠剤で良好な安定性が得られた。
【0153】
低水分系製剤、Met:LAF 40:1比率の安定性
(メトホルミン直接圧縮)(錠剤への直接圧縮のための「新しい等級」として販売されている予め造粒された材料)+LAF237(溶媒造粒)は40℃/75%RH+6週密閉保存条件で2.9%のLAF237全分解に至る。
(6.6%HPCで水造粒したメトホルミン)+LAF237(溶媒造粒)(特許請求される製剤)は40℃/75%RH+6週密閉保存条件で0.9%のLAF237全分解に至る。
6.6%HPCを伴う(メトホルミン+LAF237)の同時造粒は40℃/75%RH+6週閉鎖系保存条件で6.6%のLAF237全分解に至る。
【0154】
さらに出願者は多くのその他の製剤を試験し、そしてDPP−IV阻害剤およびメトホルミンを含み、そして高薬物負荷を有する製剤(例えば単位投薬形態の錠剤)が、特に結合剤が存在する場合、好ましくはHPCが存在する場合、より良好な安定性結果を提供することを見出した。
【0155】
C.溶出速度に関する試験条件
選択された方法は、異なるpHのもので(0.01N HCl、pH4.5およびpH6.8バッファー)メトホルミンおよびLAF237の類似の放出プロファイルを示す先行の方法開発研究から、ならびにパドルまたはバスケット(50および100rpm)からの結果に基づいた。
USP装置:I(バスケット)
回転速度:100rpm
溶出溶媒:0.01N HCl、脱気
容量:900ml
最初の試料に関してのみ溶出を実施した(n=3)。本明細書に記載される製剤および錠剤を用いる安定性試料に関する溶出は良好な結果を示している。溶出速度要件は合致している。
【0156】
3.組成物:
全投薬力価に関する組成物の例を表3−1から表3−6に列挙する。
【表6】

加工中に除去。
9(重量/重量)%メトホルミンHClおよびHPC全量に基づいて計算された。
【0157】
【表7】

加工中に除去。
9(重量/重量)%メトホルミンHClおよびHPC全量に基づいて計算された。
【0158】
【表8】

加工中に除去。
9(重量/重量)%メトホルミンHClおよびHPC全量に基づいて計算された。
【0159】
【表9】

加工中に除去。
9(重量/重量)%メトホルミンHClおよびHPC全量に基づいて計算された。
【0160】
【表10】

加工中に除去。
9(重量/重量)%メトホルミンHClおよびHPC全量に基づいて計算された。
【0161】
【表11】

加工中に除去。
9(重量/重量)%メトホルミンHClおよびHPC全量に基づいて計算された。
【0162】
実施例4
前記の説明および実施例にしたがって製造された錠剤を以下のように試験することができる。
錠剤評価方法
1.平均錠剤重量。24個の錠剤を化学てんびんで秤量し、そして平均錠剤重量を計算する。
2.錠剤の破壊強度(キロボンド−kp)。Schleuniger硬度計を用いて錠剤を別個に試験し、そして平均破壊強度を計算する。
3.摩損度(損失%)。正確に秤量した10個の錠剤をRoche摩損度試験器を用いる10分間摩損度試験に供する。錠剤を除塵し、再秤量し、そして摩損度による重量損失を初期重量のパーセンテージとして計算する。
4.分散崩壊時間DT(英国薬局方1988, Volume II, page 895−BP1988に定義される分散性錠剤に関する試験)。分散性錠剤に関して前記で定義されるBP試験(ディスクなし)にしたがって錠剤を試験する。これは19℃−21℃の温度の水を利用する。
5.分散品質。分散性錠剤に関する分散試験のBP均一性にしたがって(BP1988 Volume II page 895)、2個の錠剤を19℃−21℃の水100ml中に置き、そして分散させる。
【0163】
顆粒評価方法
1.乾燥減量(LOD)。90℃に設定したComputrac水分分析器を用いて製造者の手順にしたがって操作して試料3−4gに関して顆粒の残留水分含量(LOD)を決定することができる。
2.重量中央径(WMD)。顆粒の試料10gをAllen Bradley音波篩で製造者の指示書にしたがって適当なパルスおよび篩径で2分間篩過する。300μm、250μm、200μm、150μm、100μm、53μmおよび40μmの篩を使用する。コンピュータープログラムを用い累積パーセンテージ篩下粒度分布からWMDを計算する。
【0164】
実施例5:
改善された製造ロバスト性
様々な製剤を用いてCarverプレスで予備圧縮成形性評価を実施する。
データにより、我々が特許請求する組成物は圧力レベル(圧縮力)を上げて圧縮されたときによく適応した錠剤強度を示すことが実証される。とりわけ、例えば本明細書で記載される製剤は良好な錠剤強度および圧縮成形性を示している。圧力(圧縮力)を上げると、我々が特許請求する製剤および選択される範囲が実質的に有用な錠剤強度の増加を示す。
【0165】
上および下の双方のパンチに力および変位センサーを有する機器を搭載したKorschシングルステーションプレスで圧縮成形性研究(D. Becker、パーソナルコミュニケーション)を実施する。
これらのデータから優れた圧縮成形性を有する十分な増量剤を用いて希釈しないと、LAF237錠剤が錠剤硬度/破砕強度に劣る可能性が非常に高いという明白な指摘が得られる。しかしながら、我々が特許請求する製剤および選択される範囲は特にLAF237:メトホルミン比率1:5に関して要求される圧縮成形性を提供するのに適している。
得られた結果により、メトホルミン顆粒が例えば1から20%の間、好ましくは3から13%の間、3から17.5%の間のHPCのような結合剤を含有する場合、都合よい錠剤硬度を得ることができることが示される。
【0166】
実施例6:
摩損度
六つの異なる設定でManesty Betapressを用いて評価を実施する:ひずみ速度設定66−90rpm(63000−86000 TPH)および力7.5−15kN。試験は250mg錠剤に関して直径9mmおよび310mg錠剤に関して直径10mm(被験錠剤の重量に依存してその他の直径を使用する)の平面はす縁(FFBE)工具を使用する。摩損度、圧縮プロファイル、ひずみ速度プロファイルおよび重量変動は測定結果である。研究設計および研究から得られた摩損度の結果を用いて硬度の結果に影響力のある変数(製剤中の粒度分布、錠剤重量、錠剤の厚さおよび重量、錠剤中の水含量等)を決定する。我々が特許請求する製剤および選択される範囲は特に要求される摩損度を提供するのに適している。
【0167】
例−メトホルミン:LAF237比率20:1の錠剤:結果によりLAF237+(結合剤を伴わないメトホルミン顆粒)を含む錠剤はほぼ0.8%の摩損度を有するが、LAF237+(12%HPCを含むメトホルミン顆粒)は0.2%未満の摩損度(圧縮力15kNで)を有する。
【0168】
実施例7:
機械的応力(粒度分布)
望ましい粒度範囲の材料を任意の形態のビルダグリプチン、例えば非晶質ビルダグリプチンから機械的応力により生成することができる。この応力を衝撃、剪断または圧縮により媒介することができる。たいていの市販により入手可能である粉砕装置では、これらの原理の組み合わせを行う。ビルダグリプチンに関しては、好ましくは機械衝撃式ミルまたはジェットミルを使用する。最も好ましい機械的衝撃ミルを異なる種類のビーター、篩、ライナーと、またはピンプレートと共に装着することができる。我々の方法には、プレートビーターおよびスリット篩5×2.5cmを伴う衝撃式ミルを使用するのが好ましい。衝撃速度は(周辺機器速度として)20から100m/sの間で変動させて任意のバッチ間変動に適合させるべきである。我々の場合はビーターの周辺機器速度約40−50m/sを用いる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分がビルダグリプチンおよびメトホルミンまたは各々の場合のその薬学的に許容される塩からなり、乾燥重量に基づいて50から98重量%の間、60から98重量%の間、70から98重量%または80から98重量%の間の活性成分を含む医薬組成物。
【請求項2】
活性成分がビルダグリプチンおよびメトホルミンまたは各々の場合のその薬学的に許容される塩からなり、乾燥重量に基づいて50から98重量%の間、60から98重量%の間、70から98重量%の間、または80から98重量%の間の活性成分を含む、錠剤または直接圧縮錠剤。
【請求項3】
活性成分がビルダグリプチンおよびメトホルミンまたは各々の場合のその薬学的に許容される塩からなり、乾燥重量に基づいて50から96重量%の間、60から96重量%の間、70から96重量%の間、または80から96重量%の間の活性成分を含む請求項1から2のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項4】
少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤を含む請求項1から3のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項5】
メトホルミンが顆粒の形態である請求項1から4のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項6】
メトホルミンが顆粒の形態であり、ここで顆粒が少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤を含む請求項5に記載の組成物または錠剤。
【請求項7】
メトホルミンが顆粒の形態であり、ここで顆粒が結合剤を含有する請求項5から6のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項8】
メトホルミンが1から25%の間の結合剤を含む顆粒の形態である請求項5から7のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項9】
i)乾燥重量に基づいて1から25重量%の間、1から20重量%の間もしくは1から12重量%の間の薬学的に許容される結合剤;
ii)乾燥重量に基づいて2.9から11重量%の間もしくは6.5から9.5重量%の間の薬学的に許容される結合剤;または
iii)乾燥重量に基づいて7.5から17.5重量%の間もしくは12.5から17.5重量%の間の薬学的に許容される結合剤;
を含む請求項1から8のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項10】
メトホルミン顆粒とビルダグリプチンおよび所望により少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤との直接圧縮により得られる請求項1から9のいずれかに記載の錠剤。
【請求項11】
活性成分として、
i)1.5から35%の間のDPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩;
ii)65から98.5%の間のメトホルミンまたはその薬学的に許容される塩;
を含み、ここでメトホルミンが1から25%の間の結合剤を含む顆粒の形態である医薬組成物または錠剤。
【請求項12】
活性成分として、
i)1.5から20%の間のビルダグリプチンまたはその薬学的に許容される塩;
ii)80から98.5%の間のメトホルミンまたはその薬学的に許容される塩;
を含み、ここでメトホルミンが1から25%の間の結合剤を含む顆粒の形態である請求項1から11のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項13】
顆粒が、
i)乾燥重量に基づいて1から20重量%の間もしくは3から13重量%の間の薬学的に許容される結合剤;
ii)乾燥重量に基づいて4.9から12重量%の間もしくは7.5から10.5重量%の間の薬学的に許容される結合剤;または
iii)乾燥重量に基づいて7.5から17.5重量%の間もしくは12.5から17.5重量%の間の薬学的に許容される結合剤;
を含む請求項7、8、11または12のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項14】
結合剤がデンプン;セルロースおよびその誘導体;スクロース;デキストロース;コーンシロップ;多糖類;ならびにゼラチンから選択される請求項7から13のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項15】
結合剤が微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロースおよびヒドロキシルプロピルメチルセルロースから選択されるセルロースまたはその誘導体である請求項7から14のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項16】
少なくとも一つの従来の薬学的に許容される賦形剤を組成物に添加することができる請求項1から15のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項17】
薬学的に許容される賦形剤が結合剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、固体増量剤、流動促進剤および担体から選択される請求項4から16のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項18】
組成物が乾燥重量に基づいて25重量%または20重量%、好ましくは17.5、15重量%または11重量%を超えない薬学的に許容される結合剤を含む賦形剤を含有する請求項1から17のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項19】
i)乾燥重量に基づいて1から12重量%の間もしくは2.9から11重量%の間の薬学的に許容される結合剤および所望により乾燥重量に基づいて0.1から10重量%の間のさらなる薬学的に許容される賦形剤;または
ii)乾燥重量に基づいて7.5から17.5重量%の間もしくは12.5から17.5重量%の間の薬学的に許容される結合剤および所望により乾燥重量に基づいて0.1から10重量%の間のさらなる薬学的に許容される賦形剤;
を含む請求項1から18のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項20】
さらなる薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤である請求項4から19のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項21】
組成物の0.1重量%から5重量%の間、0.1重量%から2重量%の間、または0.5重量%から1.5重量%の間の薬学的に許容される滑沢剤を含む請求項4から19のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項22】
滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである請求項20または21に記載の組成物または錠剤。
【請求項23】
メトホルミン顆粒が結合剤と共に湿式造粒または溶融造粒により製造される請求項5から22のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項24】
メトホルミン顆粒が水またはエタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、グリコフロールもしくはプロピレングリコールから選択される溶媒を用いる湿式造粒により製造される請求項5から23のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項25】
DPP−IV阻害剤が二塩酸1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン、ビルダグリプチン、L−スレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドならびに所望により各々の場合のその医薬用塩から選択される請求項11または13から24のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項26】
DPP−IV阻害剤がビルダグリプチンまたはその医薬用塩であり、そして1.5から35%の間の活性成分に相当する請求項1から24のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項27】
ビルダグリプチンが粒子の形態である請求項1から26のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項28】
ビルダグリプチンが粒子の形態であり、
i)ここで少なくとも40%、好ましくは60%、最も好ましくは80%もしくは90%のビルダグリプチンが250μm未満の粒度分布を有する;
ii)ここで少なくとも40%、好ましくは60%、最も好ましくは80%もしくは90%のビルダグリプチンが10から250μmの間の粒度分布を有する;または
iii)ここで少なくとも25%もしくは少なくとも35%の粒度分布が50から150μmの間である;
請求項1から27のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項29】
カプセルに入っているか、または錠剤、圧縮錠剤もしくは直接圧縮錠剤の形態である請求項1から28のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項30】
メトホルミン顆粒とビルダグリプチンおよび所望により少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤との直接圧縮により得られる請求項12から29のいずれかに記載の錠剤。
【請求項31】
Opadryプレミックスのフィルムコーティングによるようなさらにフィルムコーティングされている請求項2または10から20に記載の錠剤。
【請求項32】
製剤が二層または三層錠の層の一つに相当する請求項1、3から31のいずれかに記載の医薬用組成物。
【請求項33】
i)25mgから100mgの間のビルダグリプチンもしくはその医薬用塩;または
ii)25mg、50mgもしくは100mgのビルダグリプチンもしくはその医薬用塩;
を含む請求項1から32のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項34】
i)50から2000mgの間もしくは250から1000mgの間のメトホルミンもしくはその医薬用塩;または
ii)250mg、500mg、850mgもしくは1000mgのメトホルミンもしくはその医薬用塩;
を含む請求項1から33のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項35】
i)ビルダグリプチン25mgおよびメトホルミン250mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
ii)ビルダグリプチン25mgおよびメトホルミン500mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
iii)ビルダグリプチン25mgおよびメトホルミン850mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
iv)ビルダグリプチン25mgおよびメトホルミン1000mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
v)ビルダグリプチン50mgおよびメトホルミン500mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
vi)ビルダグリプチン50mgおよびメトホルミン850mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
vii)ビルダグリプチン50mgおよびメトホルミン1000mgまたは各々の場合のその医薬用塩;
を含む請求項1から34のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項36】
スルホニル尿素またはピオグリタゾンもしくはロシグリタゾンのようなグリタゾンであるさらなる活性成分を含む請求項1から35のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項37】
i)メトホルミンおよび結合剤を造粒すること;
ii)メトホルミンおよび結合剤を含有する顆粒を乾燥させること;
iii)DPP−IV阻害剤、原体をメトホルミンおよび結合剤を含有する顆粒と混和すること;
iv)所望により滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムを工程iii)で得られた混合物と混和すること;
を含む、DPP−IV阻害剤およびメトホルミンまたは任意の場合のその医薬用塩を含む医薬組成物を製造するための方法。
【請求項38】
i)メトホルミンおよび結合剤を造粒すること;
ii)メトホルミンおよび結合剤を含有する顆粒を乾燥させること;
iii)DPP−IV阻害剤、原体をメトホルミンおよび結合剤を含有する顆粒と混和すること;
iv)所望により滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムを工程iii)で得られた混合物と混和すること;
v)単位投薬形態の錠剤を形成するために得られた混和物を圧縮すること;
を含む、DPP−IV阻害剤およびメトホルミンまたは任意の場合のその医薬用塩を含む医薬用錠剤を製造するための方法。
【請求項39】
工程ii)の間で顆粒をLOD0.5−3.5%、好ましくは1.5−2.4%まで乾燥させる請求項37または38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
工程ii)の終わりにメトホルミンまたはその医薬用塩が乾燥重量に基づいて1から25重量%の間、または3から13重量%の間、または4.9から12重量%の間、または7.5から10.5重量%の間、または7.5から17.5重量%の間、または12.5から17.5重量%の間の薬学的に許容される結合剤を含む顆粒の形態である請求項37から38のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
工程i)の間または工程iii)の間に混和される混合物に少なくとも一つのさらなる薬学的に許容される賦形剤が添加される請求項37から40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
さらなる薬学的に許容される賦形剤が希釈剤または崩壊剤である請求項41に記載の方法。
【請求項43】
さらなるコーティング工程が工程v)から得られた錠剤に適用される請求項38から42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
工程i)の造粒が溶融造粒または湿式造粒である請求項37から43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
メトホルミンおよび結合剤を混和し、そして混和物を溶融造粒のための押出機に通す造粒工程i)を含む請求項37から44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
押出機を混合領域で140から220℃の間、または155から205℃の間、または170から190℃の間に設定する請求項45に記載の方法。
【請求項47】
結合剤が微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロースおよびヒドロキシルプロピルメチルセルロースから選択されるセルロースまたはその誘導体である請求項37から46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
DPP4阻害剤がビルダグリプチンまたはその医薬用塩である請求項37から47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
メトホルミンがメトホルミンHClの形態であり、そしてDPP4阻害剤がビルダグリプチンまたはその医薬用塩である請求項1から36のいずれかに記載の医薬組成物もしくは錠剤または請求項36から46のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
錠剤硬度が60から340Nの間に含まれる;
錠剤摩損度が0.8%より低い;そして
錠剤の厚さが4.5から8.3mmの間に含まれる;
請求項1から49のいずれかに記載の錠剤。
【請求項51】
錠剤硬度が60から340Nの間に含まれる;
錠剤摩損度が0.8%より低い;そして
錠剤の厚さが4.5から8.3mmの間に含まれる;
パドル法を用いることにより少なくとも70%のビルダグリプチンが30分以内に溶出される;
パドル法を用いることにより少なくとも80%のメトホルミンHClが45分以内に溶解する;
請求項50に記載の錠剤。

【公表番号】特表2009−510068(P2009−510068A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533471(P2008−533471)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/037198
【国際公開番号】WO2007/041053
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】