説明

新規1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体及びそれらの医学的使用

本発明は、新規1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体、及び医薬組成物の製造におけるそれらの使用に関する。本発明の化合物は、ニコチン性アセチルコリン受容体におけるコリン作動性リガンド、並びにモノアミン受容体及び輸送体のモジュレーターであることが見出されている。それらの薬理学的特性により、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関係するものなど多様な疾患又は障害、平滑筋収縮に関係する疾患又は障害、内分泌疾患又は障害、神経変性に関係する疾患又は障害、炎症に関係する疾患又は障害、疼痛、及び化学物質の乱用の中止によって生じる禁断症状の治療に有用となり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体及び医薬組成物の製造におけるそれらの使用に関する。本発明の化合物は、ニコチン性アセチルコリン受容体におけるコリン作動性リガンド、並びにモノアミン受容体及び輸送体のモジュレーターであることが見出されている。
【0002】
それらの薬理学的特性により、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関係するものなど多様な疾患又は障害、平滑筋収縮に関係する疾患又は障害、内分泌疾患又は障害、神経変性に関係する疾患又は障害、炎症に関係する疾患又は障害、疼痛、及び化学物質の乱用の中止によって生じる禁断症状の治療に有用となり得る。
【背景技術】
【0003】
内因性コリン作動性神経伝達物質、アセチルコリンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)及びニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の2種のコリン作動性受容体を介してその生物学的効果を発揮する。
【0004】
記憶及び認知にとって重要な脳領域において、ムスカリン性アセチルコリン受容体はニコチン性アセチルコリン受容体よりも量的に有意であることが十分に確立されていることから、記憶関連障害の治療のための薬剤の開発を目的とした多くの研究は、ムスカリン性アセチルコリン受容体モジュレーターの合成に焦点を当てられてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし近年、nAChRモジュレーターの開発に関心がもたれるようになってきた。幾つかの疾患、即ちアルツハイマー型の老年性認知症、アルコール依存症に直接関係する器質性脳障害に起因する血管性認知症及び認知機能障害は、コリン作動系の変性に関連している。実際幾つかのCNS障害は、コリン作動性欠損、ドーパミン作動性欠損、アドレナリン作動性欠損、又はセロトニン作動性欠損に起因し得る。
【0006】
WO2004/029053には、ニコチン性受容体及び/又はモノアミン受容体のモジュレーターとして有用な、1,4−ジアザビシクロアルカン誘導体が記載されている。しかし、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ニコチン性受容体及び/又はモノアミン受容体の新規モジュレーターを提供するものであり、これらのモジュレーターは、コリン作動性受容体、特にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)、セロトニン受容体(5−HTR)、ドーパミン受容体(DAR)、及びノルエピネフリン受容体(NER)、並びにセロトニン(5−HT)、ドーパミン(DA)、及びノルエピネフリン(NE)の生体アミン輸送体に関係する疾患又は障害の治療に有用である。
【0008】
それらの薬理学的特性により、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関係するものなど多様な疾患又は障害、平滑筋収縮に関係する疾患又は障害、内分泌疾患又は障害、神経変性に関係する疾患又は障害、炎症に関係する疾患又は障害、疼痛、及び化学物質の乱用の中止によって生じる禁断症状の治療に有用となり得る。
【0009】
本発明の化合物はまた、様々な診断法における診断手段又はモニタ用薬剤として、特にin vivo受容体画像(神経画像)にとって有用となり得、標識形態又は非標識形態で使用することができる。
【0010】
本発明の最初の態様では、本発明は、式Iの新規1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体又は医薬として許容可能なその塩を提供する
【化1】


[式中、
Arは、フェニル、フラニル、又はチエニル基を表し、このフェニル、フラニル、及びチエニルは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、及びチエニルから選択される置換基で1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよく、
但し、1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、4−(5−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン若しくは4−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン又は医薬として許容可能なその塩ではない]。
【0011】
本発明の第2の態様では、本発明は、治療有効量の本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体、又は医薬として許容可能なその付加塩、又はそのプロドラッグを、少なくとも1つの医薬として許容可能な担体又は希釈剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0012】
本発明のさらなる一態様では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体又は医薬として許容可能なその付加塩の、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の変調に応答する、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態を治療、防止、又は緩和するための医薬組成物/医薬品の製造への使用に関する。
【0013】
最後の一態様では、本発明は、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の変調に応答する、ヒトを含む動物生体の疾患、障害、又は状態を治療、防止、又は緩和する方法を提供し、該方法は、治療有効量の本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体を、それを必要としているかかる動物生体に投与するステップを含む。
【0014】
本発明の他の目的は、以下の詳細な説明及び実施例から当業者には明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体
第1の態様では、新規1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体が提供される。本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、一般式Iによって表すことができ、又は医薬として許容可能なその塩であってよい
【化2】


[式中、
Arは、フェニル、フラニル、又はチエニル基を表し、このフェニル、フラニル、及びチエニルは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、及びチエニルから選択される置換基で1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよく、
但し、1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、4−(5−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン若しくは4−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン又は医薬として許容可能なその塩ではない]。
【0016】
好ましい一実施形態では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、Arが、フェニル、フラニル、又はチエニル基を表し、このフェニル、フラニル、及びチエニルが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、又はチエニルで、任意選択で置換されていてもよい式Iの化合物又は医薬として許容可能なその塩である。
【0017】
より好ましい一実施形態では、Arは、フェニル、フラニル、又はチエニル基を表し、このフェニル、フラニル、及びチエニルは、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、アルキル−スルホニル−オキシ、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フラニル、又はチエニルで、任意選択で置換されていてもよい。
【0018】
さらにより好ましい一実施形態では、Arは、フェニル、フラニル、又はチエニル基を表し、このフェニル、フラニル、及びチエニルは、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、N,N−ジアルキル−アミノ、アルキル−スルホニル−オキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、又はフラニルで、任意選択で置換されていてもよい。
【0019】
別の好ましい実施形態では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、Arが、フェニル、フラニル、又はチエニル基を表し、このフェニル、フラニル、及びチエニルが、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、及びチエニルから選択される置換基で1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい式Iの化合物又は医薬として許容可能なその塩である。
【0020】
より好ましい一実施形態では、Arは、フェニル、フラニル、又はチエニル基を表し、このフェニル、フラニル、及びチエニルは、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、アルキル−スルホニル−オキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、及びチエニルから選択される置換基で1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい。
【0021】
さらにより好ましい一実施形態では、Arは、フェニル、フラニル、又はチエニル基を表し、このフェニル、フラニル、及びチエニルは、ヒドロキシ、アルコキシ、特にメトキシ、ハロ、特にフルオロ、クロロ、ヨード、又はブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、アルキル−スルホニル−オキシ、特にメチルスルホニル−オキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、及びフラニルから選択される置換基で1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい。
【0022】
第3の好ましい実施形態では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、式Iaの化合物又は医薬として許容可能なその塩である
【化3】


[式中、
R’、R’’、及びR’’’は、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、又はチエニルを表す]。
【0023】
より好ましい一実施形態では、R’、R’’、及びR’’’は、互いに独立に、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、特にメトキシ、ハロ、特にフルオロ、クロロ、ヨード、又はブロモ、ハロアルキル、特にトリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、アルキル−スルホニル−オキシ、特にメチルスルホニル−オキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フラニル、又はチエニルを表す。
【0024】
第4の好ましい実施形態では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、式Ibの化合物又は医薬として許容可能なその塩である
【化4】


[式中、
R’及びR’’は、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、又はチエニルを表す]。
【0025】
より好ましい一実施形態では、R’は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、及びチエニルを表し、R’’は水素を表す。
【0026】
さらにより好ましい一実施形態では、R’は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、アルキル−スルホニル−オキシ、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フラニル、又はチエニルを表し、R’’は水素を表す。
【0027】
さらにより好ましい一実施形態では、R’は、ヒドロキシ、ハロ、特にフルオロ、クロロ、ヨード、又はブロモ、シアノ、N,N−ジアルキル−アミノ、アルキル−スルホニル−オキシ、特にメチルスルホニル−オキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、又はフラニルを表し、R’’は水素を表す。
【0028】
さらにより好ましい一実施形態では、R’は、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、N,N−ジメチル−アミノ、メチル−スルホニル−オキシ、特にメチルスルホニル−オキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、又はフラニルを表し、R’’は水素を表す。
【0029】
最も好ましい一実施形態では、式Ibの1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、
{4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェニル}−ジメチル−アミン;
4−[5−(4−ブロモ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(3−フルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(4−フルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(3−ブロモ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(4−フラン−2−イル−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェノール;
メタンスルホン酸4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェニルエステル;
4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−ベンゾニトリル;
4−[5−(4−ニトロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナン;
4−[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナン;
4−[5−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナン;
4−[5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナン;
4−[5−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(3−クロロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(2−クロロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(4−ヨード−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
又は医薬として許容可能なその塩である。
【0030】
第5の好ましい実施形態では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、式Icの化合物又は医薬として許容可能なその塩である
【化5】


[式中、
R’及びR’’は、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、及びチエニルを表す]。
【0031】
より好ましい一実施形態では、R’は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、及びチエニルを表し、R’’は水素を表す。
【0032】
さらにより好ましい一実施形態では、R’は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、アルキル−スルホニル−オキシ、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フラニル、又はチエニルを表し、R’’は水素を表す。
【0033】
さらにより好ましい一実施形態では、R’はハロ、トリフルオロメチル、シアノ、又はニトロを表し、R’’は水素を表す。
【0034】
さらにより好ましい一実施形態では、R’はハロ、特にフルオロ、クロロ、ヨード、又はブロモを表し、R’’は水素を表す。
【0035】
さらにより好ましい一実施形態では、R’はブロモを表し、R’’は水素を表す。
【0036】
最も好ましい一実施形態では、式Icの1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、
4−[5−(5−ブロモ−フラン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン
又は医薬として許容可能なその塩である。
【0037】
第6の好ましい実施形態では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、式Idの化合物又は医薬として許容可能なその塩である
【化6】


[式中、
R’及びR’’は、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、及びチエニルを表す]。
【0038】
より好ましい一実施形態では、R’は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、及びチエニルを表し、R’’は水素を表す。
【0039】
さらにより好ましい一実施形態では、R’は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、アルキル−スルホニル−オキシ、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フラニル、又はチエニルを表し、R’’は水素を表す。
【0040】
さらにより好ましい一実施形態では、R’は、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、又はニトロを表し、R’’は水素を表す。
【0041】
さらにより好ましい一実施形態では、R’は、ハロ、特にフルオロ、クロロ、ヨード、又はブロモを表し、R’’は水素を表す。
【0042】
さらにより好ましい一実施形態では、R’は、クロロ又はブロモを表し、R’’は水素を表す。
【0043】
最も好ましい一実施形態では、式Idの1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、
4−[5−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;又は
4−[5−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
又は医薬として許容可能なその塩である。
【0044】
最も好ましい一実施形態では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、
4−[5−(5−ブロモ−フラン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
{4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェニル}−ジメチル−アミン;
4−[5−(4−ブロモ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(3−フルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(4−フルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(3−ブロモ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(4−ニトロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナン;
4−[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナン;
4−[5−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナン;
4−[5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナン;
4−[5−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(3−クロロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(2−クロロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(4−ヨード−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(4−フラン−2−イル−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェノール;
メタンスルホン酸4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェニルエステル;
4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−ベンゾニトリル;又は
4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェニルアミンフマル酸塩;
又は医薬として許容可能なその塩である。
【0045】
本明細書に記載の実施形態の2つ以上の任意の組合せは、本発明の範囲に含まれるとみなされる。
【0046】
置換基の定義
本発明の文脈では、アルキル基は、一価の飽和の直鎖又は分岐状炭化水素鎖を示す。炭化水素鎖は、好ましくは1〜18個の炭素原子(C1〜18−アルキル)、より好ましくは1〜6個の炭素原子(C1〜6−アルキル、低級アルキル)を含有し、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第3ペンチル、ヘキシル、及びイソヘキシルを含む。好ましい一実施形態では、アルキルはC1〜4−アルキル基を表し、ブチル、イソブチル、第2ブチル、及び第3ブチルを含む。本発明の別の好ましい実施形態では、アルキルはC1〜3−アルキル基を表し、特にメチル、エチル、プロピル、又はイソプロピルであってよい。
【0047】
本発明の文脈では、シクロアルキル基は環状アルキル基を示し、好ましくは3〜7個の炭素原子(C3〜7−シクロアルキル)を含有し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルを含む。
【0048】
本発明の文脈では、シクロアルキル−アルキル基は、先に定義のシクロアルキル基を示し、このシクロアルキル基は、やはり先に定義のアルキル基上で置換されている。本発明の好ましいシクロアルキル−アルキル基の例には、シクロプロピルメチル及びシクロプロピルエチルが含まれる。
【0049】
本発明の文脈では、アルコキシ基は「アルキル−O−」基を指し、このアルキルは先に定義された通りである。本発明の好ましいアルコキシ基の例には、メトキシ及びエトキシが含まれる。
【0050】
本発明の文脈では、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを表す。したがってトリハロメチル基は、例えばトリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、及び類似のトリハロ置換メチル基を表す。
【0051】
本発明の文脈では、ハロアルキル基は、本明細書に定義のアルキル基を示し、このアルキル基は、ハロで1回又は複数回置換されている。本発明の好ましいハロアルキル基には、トリハロメチル、好ましくはトリフルオロメチルが含まれる。
【0052】
本発明の文脈では、ハロアルコキシ基は、本明細書に定義のアルコキシ基を示し、このアルコキシ基は、ハロで1回又は複数回置換されている。本発明の好ましいハロアルコキシ基には、トリハロメトキシ、好ましくはトリフルオロメトキシが含まれる。
【0053】
本発明の文脈では、N−アルキル−アミノ基は、先に定義のアルキル基で一置換された(第2級)アミノ基を示す。
【0054】
本発明の文脈では、N,N−ジアルキル−アミノ基は、先に定義のアルキル基で二置換された(第3級)アミノ基を示す。
【0055】
本発明の文脈では、アルキル−カルボニル基は「アルキル−CO−基」を示し、このアルキルは先に定義された通りである。本発明の好ましいアルキル−カルボニル基の例には、アセチル及びプロピオニルが含まれる。
【0056】
本発明の文脈では、アルコキシ−カルボニル基は「アルキル−O−CO−」基を示し、このアルキルは先に定義された通りである。本発明の好ましいアルコキシ−カルボニル基の例には、メチル−、エチル−、及びプロピル−エステル基が含まれる。
【0057】
本発明の文脈では、アルキル−カルボニル−オキシ基は「アルキル−CO−O−」基を示し、このアルキルは先に定義された通りである。本発明の好ましいアルキル−カルボニル−オキシ基の例には、アセトキシ及びプロピオニルオキシが含まれる。
【0058】
本発明の文脈では、アルキル−スルホニル基は「アルキル−SO−」基を示し、このアルキルは先に定義された通りである。本発明の好ましいアルキル−スルホニル基の例には、メチル−スルホニル、エチル−スルホニル、及びプロピル−スルホニルが含まれる。
【0059】
本発明の文脈では、アルキル−スルホニル−オキシは「アルキル−SO−O−」基を示し、このアルキルは先に定義された通りである。本発明の好ましいアルキル−スルホニル−オキシ基の例には、メチル−スルホニル−オキシ、エチル−スルホニル−オキシ、及びプルピル−スルホニル−オキシが含まれる。
【0060】
医薬として許容可能な塩
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、所期の投与に適した任意の形態で提供することができる。適切な形態には、本発明の化合物の医薬として(即ち生理的に)許容可能な塩、及びプレドラッグ又はプロドラッグ形態が含まれる。
【0061】
医薬として許容可能な付加塩の例には、それに限定されるものではないが、非毒性の無機及び有機酸付加塩、例えば、塩酸由来の塩酸塩、臭化水素酸由来の臭化水素酸塩、硝酸由来の硝酸塩、過塩素酸由来の過塩素酸塩、リン酸由来のリン酸塩、硫酸由来の硫酸塩、ギ酸由来のギ酸塩、酢酸由来の酢酸塩、アコニット酸由来のアコニット酸塩、アスコルビン酸由来のアスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸由来のベンゼンスルホン酸塩、安息香酸由来の安息香酸塩、ケイ皮酸由来のケイ皮酸塩、クエン酸由来のクエン酸塩、エンボン酸由来のエンボン酸塩、エナント酸由来のエナント酸塩、フマル酸由来のフマル酸塩、グルタミン酸由来のグルタミン酸塩、グリコール酸由来のグリコール酸塩、乳酸由来の乳酸塩、マレイン酸由来のマレイン酸塩、マロン酸由来のマロン酸塩、マンデル酸由来のマンデル酸塩、メタンスルホン酸由来のメタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸由来のナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸由来のフタル酸塩、サリチル酸由来のサリチル酸塩、ソルビン酸由来のソルビン酸塩、ステアリン酸由来のステアリン酸塩、コハク酸由来のコハク酸塩、酒石酸由来の酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸由来のトルエン−p−スルホン酸塩等が含まれる。かかる塩は、当技術分野で周知であり説明されている手順によって形成することができる。
【0062】
医薬として許容可能とみなすことができないシュウ酸などの他の酸も、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体及び医薬として許容可能なその酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の調製に有用となり得る。
【0063】
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体の医薬として許容可能なカチオン塩の例には、それに限定されるものではないが、アニオン基を含有する本発明の化合物のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、リチウム塩、コリン塩、リシン塩、及びアンモニウム塩等が含まれる。かかるカチオン塩は、当技術分野で周知であり説明されている手順によって形成することができる。
【0064】
医薬として許容可能な付加塩のさらなる例には、それに限定されるものではないが、非毒性の無機及び有機酸付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコニット酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、誘導されたナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩等が含まれる。かかる塩は、当技術分野で周知であり説明されている手順によって形成することができる。
【0065】
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体の金属塩には、カルボキシ基を含有する本発明の化合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩が含まれる。
【0066】
本発明の文脈では、N含有化合物の「オニウム塩」は、医薬として許容可能な塩も企図される。好ましい「オニウム塩」には、アルキル−オニウム塩、シクロアルキル−オニウム塩、及びシクロアルキルアルキル−オニウム塩が含まれる。
【0067】
標識化合物
本発明の化合物は、それらの標識形態又は非標識形態として使用することができる。本発明の文脈では、標識化合物は、通常天然に見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換された1つ又は複数の原子を有する。標識は、前記化合物の定量的検出を容易にすることができよう。
【0068】
本発明の標識化合物は、様々な診断法における診断手段、放射性トレーサー、又はモニタ用薬剤として有用であり、in vivo受容体画像に有用となり得る。
【0069】
本発明の標識化異性体は、好ましくは標識として少なくとも1つの放射性核種を含有する。放射性核種を放出する陽電子は、全て使用候補となる。本発明の文脈では、放射性核種は、好ましくはH(重水素)、H(トリチウム)、13C、14C、131I、125I、123I、及び18Fから選択される。
【0070】
本発明の標識化異性体を検出するための物理的方法は、陽電子放射断層撮影(PET)、単一光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)、磁気共鳴分光学(MRS)、磁気共鳴画像(MRI)、及びコンピュータ軸位X線断層撮影(CAT)、並びにそれらの組合せから選択することができる。
【0071】
1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体の生成方法
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、化学合成のための通常の方法、例えば作用実施例に記載の方法によって調製することができる。本願に記載の過程のための出発材料は知られており、又は市販で入手可能な化学物質から通常の方法によって容易に調製することができる。
【0072】
また本発明の一化合物は、通常の方法を使用して本発明の別の化合物に変換することができる。
【0073】
本明細書に記載の反応の最終生成物は、通常の技術によって、例えば抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィー等によって単離することができる。
【0074】
生物活性
本発明の化合物は、ニコチン性アセチルコリン受容体におけるコリン作動性リガンド、並びにモノアミン受容体及び輸送体のモジュレーターであることが見出されている。より好ましい一実施形態では、本発明は、ニコチン性受容体の新規リガンド及びモジュレーターを提供するものであり、これらのリガンド及びモジュレーターは、コリン作動性受容体、特にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に関係する疾患又は障害の治療に有用である。本発明の好ましい化合物は、ニコチン性アセチルコリンα7受容体サブタイプの著しい選択性を示す。
【0075】
それらの薬理学的特性により、本発明の化合物は、CNS関連疾患、PNS関連疾患、平滑筋収縮に関係する疾患、内分泌疾患、神経変性に関係する疾患、炎症に関係する疾患、疼痛、及び化学物質の乱用の中止によって生じる禁断症状の治療に有用となり得る。
【0076】
好ましい一実施形態では、本発明の化合物は、認知障害、学習障害、記憶欠損及び記憶障害、ダウン症候群、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動性障害(ADHD)、トゥーレット症候群、精神病、うつ病、双極性障害、躁病、躁うつ病、統合失調症、統合失調症に関係する認知障害又は注意欠陥、強迫性障害(OCD)、パニック障害、神経性食欲不振、過食症、及び肥満などの摂食障害、ナルコレプシー、痛覚、AIDS−認知症、老年性認知症、自閉症、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、不安症、非OCD不安障害、痙攣性疾患、てんかん、神経変性障害、一過性無酸素症、誘発性神経変性、神経障害、糖尿病性神経障害、末梢性(periferic)失読症、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、軽度疼痛、中程度又は重度疼痛、急性、慢性若しくは再発性の疼痛、片頭痛によって生じる疼痛、術後疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、慢性頭痛、中心性疼痛、糖尿病性神経障害に関係する疼痛、治療後神経痛に関係する疼痛、若しくは末梢神経損傷に関係する疼痛、過食症、外傷後症候群、社会恐怖症、睡眠障害、偽認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、後期黄体期症候群(late luteal phase syndrome)、線維筋痛、慢性疲労症候群、無言症、抜毛癖、時差ぼけ、不整脈、平滑筋収縮、狭心症、早産、下痢、喘息、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、早漏、勃起困難、高血圧、炎症性疾患、炎症性皮膚疾患、座瘡、酒さ、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、下痢、又は煙草などのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン、及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、並びにアルコールを含む中毒性物質の使用の中止によって生じる禁断症状の治療、防止、又は緩和に有用となり得る。
【0077】
より好ましい一実施形態では、本発明の化合物は、疼痛、軽度又は中程度又は重度疼痛、急性、慢性又は再発性の疼痛、片頭痛によって生じる疼痛、術後疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、慢性頭痛、中心性疼痛、糖尿病性神経障害に関係する疼痛、治療後神経痛に関係する疼痛、又は末梢神経損傷に関係する疼痛の治療、防止、又は緩和に有用となり得る。
【0078】
さらにより好ましい一実施形態では、本発明の化合物は、平滑筋収縮、痙攣性疾患、狭心症、早産、痙攣、下痢、喘息、てんかん、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、早漏、又は勃起困難に関連する疾患、障害、又は状態の治療、防止、又は緩和に有用となり得る。
【0079】
さらにより好ましい一実施形態では、本発明の化合物は、神経変性障害、一過性無酸素症、又は誘発性神経変性の治療、防止、又は緩和に有用となり得る。
【0080】
さらにより好ましい一実施形態では、本発明の化合物は、炎症性疾患、炎症性皮膚疾患、座瘡、酒さ、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、又は下痢の治療、防止、又は緩和に有用となり得る。
【0081】
さらに好ましい一実施形態では、本発明の化合物は、糖尿病性神経障害、統合失調症、統合失調症に関係する認知障害若しくは注意欠陥、又はうつ病の治療、防止、又は緩和に有用となり得る。
【0082】
最終的に本発明の化合物は、中毒性物質の使用の中止によって生じる禁断症状の治療に有用となり得る。かかる中毒性物質には、煙草などのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン、及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン、ベンゾジアゼピン様薬物、並びにアルコールが含まれる。中毒性物質による禁断症状は、一般に不安及び欲求不満を特徴とする外傷的経験、怒り、不安、集中力の欠如、不穏状態、心拍数の減少、並びに食欲増大及び体重増加である。
【0083】
本発明の文脈下では「治療」は、禁断症状及び離脱の治療、防止、予防、及び緩和、並びに中毒物質摂取の自発的減少をもたらす治療を包含する。
【0084】
別の態様では、本発明の化合物は、診断薬として、例えば様々な組織のニコチン性受容体の同定及び位置決めのために使用される。
【0085】
医薬有効成分(API)の適切な用量は、投与の正確な様式、投与される形態、考えられる兆候、対象、特に罹患した対象の体重、並びに担当医師又は獣医の選好及び経験に依存するが、1日当たりAPI約0.1〜約1000mg、より好ましくは1日当たりAPI約10〜約500mg、最も好ましくは1日当たりAPI約30〜約100mgの範囲内となるよう現在企図されている。
【0086】
本発明の好ましい化合物は、マイクロモル以下及びマイクロモルの範囲、即ち1μM未満〜約100μMの生物活性を示す。
【0087】
医薬組成物
別の態様では、本発明は、本発明の誘導体である治療有効量の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体を含む新規医薬組成物を提供する。
【0088】
治療に使用するための本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、原料化合物の形態で投与することができるが、有効成分を、任意選択で生理的に許容可能な塩の形態で、1つ又は複数の助剤、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、及び/又は他の慣習的な医薬補助剤と一緒にした医薬組成物として導入することが好ましい。
【0089】
好ましい一実施形態では、本発明は、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体、又は医薬として許容可能なその塩若しくは誘導体を、したがって1つ又は複数の医薬として許容可能な担体、並びに任意選択で当技術分野で知られ使用されている他の治療成分及び/又は予防成分と一緒に含む医薬組成物を提供する。担体(複数)は、配合物の他の成分と相溶性があり、その受容者にとって有害でないという意味で「許容可能」でなければならない。
【0090】
本発明の医薬組成物は、所望の治療に適する好都合な任意の経路によって投与することができる。好ましい投与経路には、経口投与、特に錠剤、カプセル剤、糖衣錠、粉剤、又は液剤、及び非経口投与、特に皮膚、皮下、筋肉内、静脈内注入が含まれる。本発明の医薬組成物は、所望の配合物に適する標準法及び通常技術を使用して、当業者によって製造され得る。所望ならば、有効成分を持続放出するようにされた組成物を使用することができる。
【0091】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、気管支、経鼻、経肺、局所(口腔及び舌下を含む)、経皮、経膣、若しくは非経口(皮膚、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、動脈内、脳内、眼内注射又は注入を含む)投与に適したものであってよく、或いは粉剤及び液体エアロゾル投与を含めた吸入若しくは吹送による投与、又は徐放系による投与に適した形態のものであってよい。徐放系の適切な例には、本発明の化合物を含有する疎水性固体ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、このマトリックスは、成形品の形態、例えばフィルム又はマイクロカプセルであってよい。
【0092】
したがって、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、通常の助剤、担体、又は希釈剤と一緒に、医薬組成物の形態及びその単位剤形に入れることができる。かかる形態には、全て経口使用、直腸投与用の坐剤、及び非経口使用のための滅菌注入溶剤に合わせた固体、特に錠剤、充填カプセル剤、粉剤及びペレット形態、並びに液体、特に水性又は非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、及びそれらで充填されたカプセル剤が含まれる。かかる医薬組成物及びその単位剤形は、追加の活性化合物又は成分と共に、又はそれらなしに、通常の成分を通常の割合で含むことができ、かかる単位剤形は、使用される1日当たりの所期の用量範囲と整合性のある、適切な任意の有効量の有効成分を含有することができる。
【0093】
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、多様な経口及び非経口剤形で投与することができる。以下の剤形は、本発明の化合物又は本発明の化合物の医薬として許容可能な塩のいずれかを有効成分として含み得ることが当業者には明らかとなろう。
【0094】
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体からの医薬組成物の調製に関して、医薬として許容可能な担体は、固体又は液体のいずれかであってよい。固体形態の調製物には、粉剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤が含まれる。固体の担体は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤の崩壊剤、又はカプセル化材料として作用することもできる1つ又は複数の物質であってよい。
【0095】
粉剤において担体は微粉砕された固体であり、微粉砕された有効成分との混合物として存在する。
【0096】
錠剤において有効成分は、必要な結合能を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状及び寸法に圧縮される。
【0097】
粉剤及び錠剤は、5又は10パーセント〜約70パーセントの活性化合物を含有することが好ましい。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオ脂等である。「調製物」という用語は、担体を伴う又は伴わない有効成分がある担体によって取り囲まれ、したがってその担体と接触するカプセルを提供する、活性化合物と担体としてのカプセル化材料との配合物を含むものとする。同様に、カシェ剤及びロゼンジ剤が含まれる。錠剤、粉剤、カプセル剤、ピル剤、カシェ剤、及びロゼンジ剤は、経口投与に適した固体形態として使用することができる。
【0098】
坐剤の調製に関しては、脂肪酸グリセリド又はカカオ脂の混合物などの低融点ワックスを最初に溶融し、撹拌によって有効成分をその中に均質に分散させる。次いで、溶融した均質な混合物を、好都合な寸法の型に注ぎ、冷却することによって固化させる。
【0099】
経膣投与に適した組成物は、有効成分に加えて、当技術分野で適切であることが知られている担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、気泡、又はスプレーとして提供することができる。
【0100】
液体調製物は、溶液、懸濁液、及び乳液、例えば水又はプロピレングリコール水溶液を含む。例えば、非経口注入液体調製物は、ポリエチレングリコール水溶液の溶剤として配合することができる。
【0101】
したがって、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、非経口投与(例えば注入、例えばボーラス注入又は持続注入による)に合わせて配合することができ、アンプル、充填済み注射器、少量注入用又は多回用量用容器中に保存剤を添加して、単位剤形として提供することができる。組成物は、油性媒体又は水性媒体の懸濁剤、溶剤、又は乳剤などの形態をとることができ、懸濁化剤、安定化剤、及び/又は分散剤などの配合剤を含有することができる。或いは有効成分は、使用前に適切な媒体と、例えばピロゲンを含まない滅菌水と構成するために、滅菌固体を無菌単離することによって、又は溶液から凍結乾燥することによって得られた粉末形態であってよい。
【0102】
経口使用に適した水溶液は、有効成分を水に溶解し、所望により適切な着色剤、香味剤、安定化剤、及び増粘剤を添加することによって調製することができる。
【0103】
経口使用に適した水性懸濁液は、微粉砕した有効成分を、天然若しくは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又は他の周知の懸濁化剤などの粘性材料と共に水に分散させることによって製造することができる。
【0104】
経口投与用の液体形態の調製物に、使用直前に変換するようにされた固体形態の調製物も含まれる。かかる液体形態には、溶液、懸濁液、及び乳液が含まれる。有効成分に加えて、かかる調製物は、着色剤、香味剤、安定化剤、緩衝剤、人工及び天然甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含むことができる。
【0105】
表皮への局所投与に関して、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、軟膏剤、クリーム剤若しくはローション剤、又は経皮パッチとして配合することができる。軟膏剤及びクリーム剤は、例えば水性又は油性基材を用いて、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を添加して配合することができる。ローション剤は、水性又は油性基材を用いて配合することができ、一般に、1つ又は複数の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、又は着色剤も含有することになろう。
【0106】
口内の局所投与に適した組成物には、香味基材、通常スクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性剤を含むロゼンジ、ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアなどの不活性基材中に有効成分を含むトローチ、並びに適切な液体の担体中に有効成分を含む口内洗浄液が含まれる。
【0107】
溶剤又は懸濁剤は、常法によって、例えばスポイト、ピペット、又はスプレーを用いて鼻腔に直接適用される。組成物は、単回又は多回用量の形態で提供することができる。
【0108】
気道への投与は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、若しくはジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の適切なガスなどの適切な推進剤を用いて有効成分が圧縮パック中に入れられるエアロゾル配合物を用いることによっても達成できる。エアロゾルは、好都合には、レシチンなどの界面活性剤も含有することができる。薬物用量は、計量値を設けることによって管理することができる。
【0109】
或いは有効成分は、乾燥粉末、例えばラクトース、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドン(PVP)などのデンプン誘導体などの適切な粉末基材中の化合物の粉末混合物の形態で提供することができる。粉末担体は、好都合には鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、単位剤形で、例えばゼラチン製のカプセル若しくはカートリッジ、又は吸入器を用いて粉末を投与できるブリスターパックで提供することができる。
【0110】
鼻腔内組成物を含む気道投与を企図された組成物において、化合物は一般に、例えば5ミクロン以下程度の小さい粒経を有することになろう。かかる粒経は、当技術分野で知られている手段によって、例えばマイクロ化によって得ることができる。
【0111】
所望ならば、有効成分を徐放するようにされた組成物を使用することができる。
【0112】
医薬調製物は、好ましくは単位剤形である。かかる形態において調製物は、適切な量の有効成分を含有する単位用量に分割される。単位剤形は、包装された錠剤、カプセル剤、及びバイアル又はアンプル中の粉剤などの包装された調製物であってよく、この包装物は個別量の調製物を含有する。また単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、若しくはロゼンジ剤それ自体であってよく、又は適切な個数のこれらのいずれかを包装した形態であってよい。
【0113】
経口投与用の錠剤又はカプセル剤、及び静脈内投与及び持続注入用の液体が好ましい組成物である。
【0114】
配合及び投与技術に関するさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版に見ることができる。
【0115】
治療有効量とは、症候又は状態を緩和する有効成分の量を指す。治療効果及び毒性、例えばED50及びLD50は、細胞培養又は実験動物における標準の薬理学的手法によって決定することができる。治療効果及び毒性作用の用量比は治療指数であり、LD50/ED50の比で表すことができる。高い治療指数を示す医薬組成物が好ましい。
【0116】
当然のことながら投与される用量は、治療を受ける個体の年齢、体重、及び状態、並びに投与経路、剤形及びレジメン、並びに所望の結果に合わせて注意深く調節されなければならず、正確な用量は、当然のことながら医師によって決定されるはずである。
【0117】
実際の用量は、治療される疾患の性質及び重篤度に依存して決まり、医師の裁量範囲内にあり、所望の治療効果をもたらすために、用量滴定によって本発明の特定環境に合わせて変えることができる。しかし、1個体用量につき約0.1〜約500mg、好ましくは約1〜約100mg、最も好ましくは約1〜約10mgの有効成分を含有する医薬組成物が治療処理に適していることが現在企図されている。
【0118】
有効成分は、1日当たり1回又は複数回用量で投与することができる。幾つかの場合、静脈内で0.1μg/kg及び腹腔内で1μg/kgもの低用量で満足のいく結果を得ることができる。用量範囲の上限は、現在静脈内で約10mg/kg及び腹腔内で100mg/kgとみなされている。好ましい範囲は、静脈内で約0.1μg/kg〜約10mg/kg/日及び腹腔内で約1μg/kg〜約100mg/kg/日である。
【0119】
治療方法
本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、有益なニコチン性受容体及びモノアミン受容体のモジュレーターであり、したがってコリン作動性機能不全を伴う範囲の疾患、並びにnAChRモジュレーターの作用に応答する範囲の障害の治療に有用である。
【0120】
別の態様では、本発明は、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の変調に応答する、ヒトを含む動物生体の疾患又は障害又は状態を治療、防止、又は緩和する方法を提供し、該方法は、有効量の本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体を、それを必要としているヒトを含むかかる動物生体に投与するステップを含む。
【0121】
好ましい一実施形態では、疾患、障害、又は状態は、中枢神経系に関係している。
【0122】
本発明で企図される好ましい医学的兆候は、上記のものである。
【0123】
適切な用量範囲は、通常、投与の正確な様式、投与される形態、投与が対象とされる兆候、罹患した対象、罹患した対象の体重、並びに担当医師又は獣医の選好及び経験に依存して、1日当たり0.1〜1000ミリグラム、好ましくは1日当たり10〜500ミリグラム、より好ましくは1日当たり30〜100ミリグラム内であることが現在企図されている。
【実施例】
【0124】
特許請求される本発明の範囲を決して制限するものではない以下の実施例を参照して、本発明をさらに例示する。
【0125】
(実施例1)
予備実施例
空気に敏感な試薬又は中間物を伴う全ての反応は、窒素下及び無水溶媒中で実施した。後処理手順では乾燥剤として硫酸マグネシウムを使用し、減圧下で溶媒を蒸発させた。
【0126】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(中間化合物)
標題化合物を、J.Med.Chem.1993年36 2311〜2320頁に従って(及びわずかに改変した下記の方法に従って)調製した。
【0127】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(中間化合物)
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−オン(15.8g、113mmol)の無水ジオキサン(130ml)中溶液に、アルゴン下でLiAlH(4.9g、130mmol)を添加した。混合物を6時間還流し、次いで静置して室温にした。その反応混合物に、水(ジオキサン10ml中5ml)を滴加し、混合物を0.5時間撹拌し、次いでガラス濾過によって濾別した。溶媒を蒸発させ、Kugelrohr装置を使用して90℃(0.1mbar)で残渣を蒸留して、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(11.1g、78%)を無色の吸湿性材料として得た。
【0128】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−オン(中間化合物)
3−キヌクリジノン塩酸塩(45g、278mmol)の水90ml中溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(21g、302mmol)及び酢酸ナトリウム(CHCOOHx3HO、83g、610mmol)を添加し、混合物を70℃で1時間撹拌し、次いで0℃に冷却した。分離した結晶材料を濾別し(洗浄なし)、真空乾燥させてオキシム40.0gを得た。
【0129】
3−キヌクリジノンオキシム(40.0g)を、120℃に予熱したポリリン酸(190g)に、2時間の間に少しずつ添加した。反応中の溶液の温度を、130℃に維持した。全てのオキシムを添加した後、溶液を同じ温度で20分間撹拌し、次いでエナメル質容器に移し、静置して室温にした。酸性混合物を、炭酸カリウム(水300ml中500g)の溶液で中和し、2000mlのフラスコに移し、水300mlで希釈し、クロロホルム(3×600ml)で抽出した。混合有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させ、固体残渣を真空乾燥させてラクタム混合物30.0g(77%)を得た。
【0130】
1,4−ジオキサン(220ml)から得られた混合物の結晶化によって、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−オン15.8g(40.5%)を、融点211〜212℃の無色大型結晶として得た。
【0131】
方法A
4−[5−(5−ブロモ−フラン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン遊離塩基(化合物A1)
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(4.05g、32.1mmol)、2−ベンジルスルファニル−5−(5−ブロモ−フラン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール(10.3g、30.5mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(8.29g、64.1mmol)の混合物を、100℃で4時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(30ml、1M)を添加した後、クロロホルム(3×30ml)で抽出した。有機相を乾燥し、蒸発させた。固体粗混合物を、温酢酸エチル(100ml)に溶解し、幾らか赤く粘着性の不純物を濾過によって除去した。濾液を蒸発させ、最終的に結晶性生成物をジエチルエーテルで粉砕した。収率3.43g(33%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、339.0453Da.Calc.339.045664Da、dev.−1.1ppmを示している。
【0132】
{4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェニル}−ジメチル−アミンフマル酸塩(化合物A2)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。融点170.9〜171.8℃。
【0133】
4−[5−(4−ブロモ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン塩酸塩(化合物A3)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。エタノール中塩酸を添加することによって、対応する塩を得た。融点287℃(分解)。
【0134】
4−[5−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン塩酸塩(化合物A4)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。エタノール中塩酸を添加することによって、対応する塩を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、355.0234Da.Calc.355.02282Da、dev.1.6ppmを示している。
【0135】
4−[5−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン塩酸塩(化合物A5)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。エタノール中塩酸を添加することによって、対応する塩を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、311.0722Da.Calc.311.073335Da、dev.−3.6ppmを示している。
【0136】
4−[5−(3−フルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン塩酸塩(化合物A6)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。エタノール中塩酸を添加することによって、対応する塩を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、289.1457Da.Calc.289.146464Da、dev.−2.6ppmを示している。
【0137】
4−[5−(4−フルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン遊離塩基(化合物A7)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、289.1454Da.Calc.289.146464Da、dev.−3.7ppmを示している。
【0138】
4−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン遊離塩基(化合物A8)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、289.1473Da.Calc.289.146464Da、dev.2.9ppmを示している。
【0139】
4−[5−(3−ブロモ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物A9)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、349.0663Da.Calc.349.066399Da、dev.−0.3ppmを示している。
【0140】
4−[5−(4−ニトロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン遊離塩基(化合物A10)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、316.1409Da.Calc.316.140965Da、dev.−0.2ppmを示している。
【0141】
4−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナンフマル酸塩(化合物A11)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、331.1773Da.Calc.331.177016Da、dev.0.9ppmを示している。
【0142】
4−[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナンフマル酸塩(化合物A12)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、339.1443Da.Calc.15 339.14327Da、dev.3ppmを示している。
【0143】
4−[5−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナンフマル酸塩(化合物A13)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、361.1858Da.Calc.361.187581Da、dev.−4.9ppmを示している。
【0144】
4−[5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物A14)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、339.142Da.Calc.339.14327Da、dev.−3.7ppmを示している。
【0145】
4−[5−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物A15)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、307.1365Da.Calc.307.137042Da、dev.−1.8ppmを示している。
【0146】
4−[5−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物A16)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、307.1377Da.Calc.307.137042Da、dev.2.1ppmを示している。
【0147】
4−[5−(3−クロロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物A17)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、305,1171Da.Calc.305,116914Da、dev.0,6ppmを示している。
【0148】
4−[5−(2−クロロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンフマル酸塩(化合物A18)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、305,1164Da.Calc.305,116914Da、dev.−1,7ppmを示している。
【0149】
4−[5−(4−ヨード−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン遊離塩基(化合物A19)を、方法Aに従って調製した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を得た。CSから配列したLC−ESI−HRMS。
【0150】
方法B
2−ベンジルスルファニル−5−(5−ブロモ−フラン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール(中間化合物)
臭化ベンジル(6.18g、36.1mmol)を、5−(5−ブロモ−フラン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−チオール(8.5g、36.1mmol)、トリエチルアミン(6.96g、68.8mmol)、及びエタノール(100ml、99%)の混合物に、5分間かけて添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(50ml、1M)及び水(100ml)を添加した後、ジエチルエーテル(3×50ml)で抽出した。有機相を水(3×50ml)で洗浄し、乾燥し蒸発させた。生成物を赤色固体として単離した。収率10.7g(92%)。
【0151】
方法C
5−(5−ブロモ−フラン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−チオール(中間化合物)
5−ブロモ−フラン−2−カルボン酸ヒドラジド(20.5g、100mmol)を、水酸化カリウム(6.2g、110mmol)及びメタノール(125ml)の混合物に添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。二硫化炭素(15.2g、200mmol)を添加した。混合物を還流状態で30時間撹拌した。水(60ml)を添加し、過剰の二硫化炭素及びメタノールを蒸発させた。濃塩酸(14ml)を添加することによって、水性懸濁液を酸性化した。生成物が沈殿し、水(20ml)で洗浄し、乾燥し蒸発させた。収率8.58g(35%)。
【0152】
方法D
5−ブロモ−フラン−2−カルボン酸ヒドラジド(中間化合物)
5−ブロモ−フラン−2−カルボン酸(38.2g、200mmol)及び塩化チオニル(163.1g、1.37mol)の混合物を、終夜70℃で撹拌した。5−ブロモ−フラン−2−塩化カルボニルの混合物を蒸発させ、テトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、ヒドラジン一水和物(120.1g、2.4mol)の混合物に添加した後、<5℃で0.5時間撹拌した。水(50ml)を添加した後濾過した。結晶性生成物を、エタノール(125ml、96%)から再結晶化させた。収率21.2g(52%)。
【0153】
方法E
4−[5−(4−フラン−2−イル−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン塩酸塩(化合物E1)
4−[5−(4−ブロモ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン(1.54g、4.0mmol)、フラン−2−ボロン酸(0.90g、8.0mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(84mg、0.12mmol)、炭酸カリウム(1.66g、12.0mmol)、水(40ml)、及び1,2−ジメトキシエタン(40ml)の混合物を、還流状態で15時間撹拌した。水(50ml)を添加し、混合物をジエチルエーテル(3×100ml)で抽出した。粗混合物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって、ジクロロメタン、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して精製し、標題化合物を油として得た。エタノール中塩酸(5ml、4M)を添加することによって、対応する塩を得た。濾過によって塩酸塩を固体として単離した。融点>275℃。
【0154】
方法F
4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェノール遊離塩基(化合物F1)
4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン(1.0g、3.3mmol)及びクロロホルム(20ml)の混合物を−63℃に冷却した。三臭化ホウ素(5.4g、21.6mmol)及びクロロホルム(10ml)の混合物を60℃で添加した。混合物を静置して室温にした。粗混合物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって、ジクロロメタン、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して精製し、標題化合物を得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、287.1514Da.Calc.287.150801Da、dev.2.1ppmを示している。
【0155】
方法G
メタンスルホン酸4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェニルエステルフマル酸塩(化合物G1)
4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェノール遊離塩基(0.15g、0.52mmol)及びクロロホルム(20ml)を0℃に冷却し、N,N−ジイソプロピルアミン(0.67g、5.2mmol)に次いでメチルスルホニルクロリド(0.90g、7.9mmol)を、その混合物に添加した。混合物を室温で10日間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(30ml、1M)を添加した後、クロロホルム(3×30ml)で抽出した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、ジクロロメタン、5%メタノール、及び0.5%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を油として得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。収率63mg(17%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、365.1288Da.Calc.365.128352Da、dev.1.2ppmを示している。
【0156】
4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−ベンゾニトリル塩酸塩(化合物G2)
4−[5−(4−ブロモ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン(1.47g、5.00mmol)、シアン化ナトリウム(0.49g、10.0mmol)、臭化ニッケル(II)(1.1g、5.03mmol)、及びNMP(15ml)の混合物を、200℃で15分間反応させた。水(50ml)を添加し、混合物をジクロロメタン(3×50ml)で抽出した。混合物を乾燥し、蒸発させた。塩化カルシウム(30ml、3M)を添加した後、酢酸エチル(3×30ml)で抽出した。混合物を乾燥し、蒸発させた。エタノール中塩酸を添加することによって、対応する塩を得た。濾過によって塩酸塩を固体として単離した。収率0.54g(36%)。
【0157】
方法H
4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェニルアミンフマル酸塩(化合物H1)
4−[5−(4−ニトロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン(0.60g、1.90mmol)、ラネーニッケル、水性懸濁液(0.5ml)、及びメタノール(100ml)の混合物を、水素下で撹拌した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、クロロホルム、10%メタノール、及び1%アンモニア水を溶媒として使用して、標題化合物を油として得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテル及びメタノールの混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。収率240mg(31%)[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、286.1662Da.Calc.286.166785Da、dev.−2ppmを示している。
【0158】
(実施例2)
ラット脳におけるH−α−ブンガロトキシン結合のin vitro阻害
この実施例では、本発明の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体の、ニコチン性受容体のα−サブタイプとの結合に対する親和性を、例えばWO2006/087306に記載のように本質的に実施した標準アッセイで決定する。
【0159】
試験値をIC50として表す(H−α−ブンガロトキシンの特異的結合を50%阻害する試験物質濃度)。
【0160】
この実験結果を以下の表1に示す。
【0161】
表1
H−α−ブンガロトキシン結合の阻害
【表1】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iによって表される1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体又は医薬として許容可能なその塩
【化1】


[式中、
Arは、フェニル、フラニル、又はチエニル基を表し、前記フェニル、フラニル、及びチエニルは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、及びチエニルから選択される置換基で1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよく、
但し、1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体は、4−(5−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン若しくは4−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン又は医薬として許容可能なその塩ではない]。
【請求項2】
Arが、フェニル、フラニル、又はチエニル基を表し、前記フェニル、フラニル、及びチエニルは、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、及びチエニルから選択される置換基で1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい、請求項1に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体又は医薬として許容可能なその塩。
【請求項3】
式Iaによって表される請求項1に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体又は医薬として許容可能なその塩
【化2】


[式中、
R’、R’’、及びR’’’は、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、又はチエニルを表す]。
【請求項4】
式Icによって表される請求項1に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体又は医薬として許容可能なその塩
【化3】


[式中、
R’及びR’’は、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、及びチエニルを表す]。
【請求項5】
式Idによって表される請求項1に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体又は医薬として許容可能なその塩
【化4】


[式中、
R’及びR’’は、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル−オキシ、カルバモイル、アルキル−スルホニル、アルキル−スルホニル−オキシ、アミド、スルファモイル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、フェニル、ベンジル、フラニル、及びチエニルを表す]。
【請求項6】
4−[5−(5−ブロモ−フラン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
{4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェニル}−ジメチル−アミン;
4−[5−(4−ブロモ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(3−フルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(4−フルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(3−ブロモ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(4−ニトロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナン;
4−[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナン;
4−[5−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナン;
4−[5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノナン;
4−[5−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(3−クロロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(2−クロロ−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(4−ヨード−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(4−フラン−2−イル−フェニル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン;
4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェノール;
メタンスルホン酸4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェニルエステル;
4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−ベンゾニトリル;又は
4−[5−(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−フェニルアミンフマル酸塩;
である、請求項1に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体又は医薬として許容可能なその塩。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項に記載の治療有効量の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体、又は医薬として許容可能なその付加塩、又はそのプロドラッグを、少なくとも1つの医薬として許容可能な担体又は希釈剤と一緒に含む医薬組成物。
【請求項8】
請求項1から6までのいずれか一項に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体又は医薬として許容可能なその付加塩の、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の変調に応答する、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態を治療、防止、又は緩和するための医薬組成物/医薬品の製造への使用。
【請求項9】
前記疾患、障害、又は状態が、認知障害、学習障害、記憶欠損及び記憶障害、ダウン症候群、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動性障害(ADHD)、トゥーレット症候群、精神病、うつ病、双極性障害、躁病、躁うつ病、統合失調症、統合失調症に関係する認知障害又は注意欠陥、強迫性障害(OCD)、パニック障害、神経性食欲不振、過食症、及び肥満などの摂食障害、ナルコレプシー、痛覚、AIDS−認知症、老年性認知症、自閉症、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、不安症、非OCD不安障害、痙攣性疾患、てんかん、神経変性障害、一過性無酸素症、誘発性神経変性、神経障害、糖尿病性神経障害、末梢性失読症、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、軽度疼痛、中程度又は重度疼痛、急性、慢性若しくは再発性の疼痛、片頭痛によって生じる疼痛、術後疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、慢性頭痛、中心性疼痛、糖尿病性神経障害に関係する疼痛、治療後神経痛に関係する疼痛、若しくは末梢神経損傷に関係する疼痛、過食症、外傷後症候群、社会恐怖症、睡眠障害、偽認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、後期黄体期症候群、線維筋痛、慢性疲労症候群、無言症、抜毛癖、時差ぼけ、不整脈、平滑筋収縮、狭心症、早産、下痢、喘息、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、早漏、勃起困難、高血圧、炎症性疾患、炎症性皮膚疾患、座瘡、酒さ、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、下痢、又は煙草などのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン、及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、並びにアルコールを含む中毒性物質の使用の中止によって生じる禁断症状である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の変調に応答する、ヒトを含む動物生体の疾患又は障害又は状態を治療、防止、又は緩和する方法であって、治療有効量の請求項1から6までのいずれか一項に記載の1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニルオキサジアゾリル誘導体を、それを必要としているかかる動物生体に投与するステップを含む方法。

【公表番号】特表2009−538866(P2009−538866A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512568(P2009−512568)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055168
【国際公開番号】WO2007/138037
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】