説明

新規8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体及びこれをモノアミン神経伝達物質再取り込み阻害薬として使用する方法

本発明はモノアミン神経伝達物質再取り込み阻害薬として有用な新規8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体に関する。
その他の局面で、本発明は治療方法でこの化合物を使用する方法及び本発明の化合物を含む薬学的調合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノアミン神経伝達物質再取り込み阻害薬として有用な新規8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体に関する。
【0002】
その他の局面で、本発明は治療方法でこの化合物を使用する方法及び本発明の化合物を含む薬学的調合物に関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1には、神経伝達物質再取り込み阻害薬として有効なトロパン誘導体が記載されている。
【0004】
しかし,モノアミン神経伝達物質:セロトニン, ドパミン及びノルアルドレナリンの再取り込みでの活性, たとえばノルアルドレナリン及びドパミン活性に対するセロトニン再取り込みの割合に関して最適化された生化学的プロフィールを有する化合物を見出すことに、引き続いて強い要求がある。
【特許文献1】国際公開(WO )第97/30997号明細書 (NeuroSearch A/S)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の要旨
その第一の局面で, 本発明は式I
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、R, R2 及び R3 は下記に定義された通りである。)
で表わされる8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン 誘導体、又はそのあらゆる異性体又はその異性体のあらゆる混合物, 又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0008】
その第二の局面で, 本発明は,本発明の化合物又はそのあらゆる異性体又はその異性体のあらゆる混合物, 又はその薬学的に許容し得る塩の治療上有効な量を、少なくとも1種の薬学的に許容し得るキャリヤー,賦形剤又は希釈剤と共に含む薬学的調合物を提供する。
【0009】
別の局面で, 本発明は本発明の化合物, 又はそのあらゆる異性体又はその異性体のあらゆる混合物, 又はその薬学的に許容し得る塩を疾患又は障害又は病態―――この疾患又は障害又は病態は中枢神経系でモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する―――の治療、予防又は緩和用薬学的調合物の製造のために使用する方法を提供する。
【0010】
また、別の局面で、本発明はヒトを含めた動物生体の疾患又は障害又は病態----------この障害、疾患又は病態は中枢神経系でモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する------------を治療、予防又は緩和する方法であって、この方法が本発明の化合物、又はそのあらゆる異性体又はその異性体のあらゆる混合物, 又はその薬学的に許容し得る塩の治療上有効な量を、これを必要とするヒトを含めた動物生体に投与する工程を含むことを特徴とする、上記治療、予防又は緩和方法に関する。
【0011】
本発明のその他の目的は、下記の詳細な説明及び実施例から当業者に明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の詳細な説明
トロパン誘導体
その第一の局面で、本発明は 式I
【0013】
【化2】

【0014】
{式中、
R は水素又はアルキルを示し、
R2 は -CH2-X-Ra
[式中、X は-O- 又は-S-を示し、
Ra
【0015】
【化3】

【0016】
(式中、 Rb 及びRc は独立してハロ, ヒドロキシ, アミノ, シアノ, ニトロ, トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ, アルコキシ、シクロアルコキシ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アルケニル及びアルキニルより成る群から選ばれる。)
で表わされる基を示すか、又は
Ra はナフチルを示し、
このナフチルは場合によりハロ, ヒドロキシ, アミノ, シアノ, ニトロ, トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ, アルコキシ、シクロアルコキシ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アルケニル及びアルキニルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されている。]
を示し、
R3 はフェニル又はナフチルを示し、
このフェニル又はナフチルは場合によりハロ, ヒドロキシ, アミノ, シアノ, ニトロ, トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ, アルコキシ、シクロアルコキシ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アルケニル及びアルキニルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されているか、又は
R3は水素, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アルケニル又はアルキニルを示し、
このアルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アルケニル又はアルキニルは場合によりハロ, ヒドロキシ, アミノ, シアノ, ニトロ, トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ, アルコキシ、シクロアルコキシ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アルケニル及びアルキニルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体、又はそのあらゆる異性体又はその異性体のあらゆる混合物, 又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0017】
ある実施態様において, R は水素を示す。別の実施態様において, Rはアルキル, たとえばメチルを示す。また別の実施態様において, R は水素又はメチルを示す。
【0018】
別の実施態様において, X は-O-を示す。また別の実施態様において, X は-S-を示す。
別の実施態様において, Ra
【0019】
【化4】

【0020】
で表わされる基を示す。また別の実施態様において, Rb はハロ、たとえば塩素又はフッ素である。1つの実施態様において, Rb は塩素である。もう一つの実施態様において, Rb はフッ素である。別の実施態様において, Rc はハロ, たとえば塩素又はフッ素である。1つの実施態様において, Rc は塩素である。もう一つの実施態様において, Rc はフッ素である。別の実施態様において, Rb はアルコキシ, たとえばメトキシである。 また別の実施態様において、 Rcはアルコキシ, たとえばメトキシである。別の実施態様において, Rb はハロであり、そしてRcはハロである。具体的な実施態様において、Ra は2,3-ジクロロフェニルを示す。別の実施態様において, Raは2,3-ジフルオロフェニルを示す。また別の実施態様において, Ra は2-クロロ-3-フルオロフェニルを示す。別の実施態様において, Raは2,3-ジメトキシフェニルを示す。
【0021】
別の実施態様において, Ra はナフチル、たとえばナフタレン-1-イル又は ナフタレン-2-イルを示す。具体的な実施態様において, Raはナフタレン-1-イルを示す。別の実施態様において, Ra はナフタレン-2-イルを示す。
【0022】
具体的な実施態様において, R2 は2,3-ジクロロフェノキシメチルを示す。別の実施態様において, R2は2,3-ジクロロフェニルスルファニルメチルを示す。別の実施態様において, R2 は2,3-ジフルオロフェノキシメチルを示す。別の実施態様において, R2 は2-クロロ-3-フルオロフェノキシメチルを示す。 別の実施態様において, R2 は2,3-ジメトキシフェノキシメチルを示す。別の実施態様において, R2 は1-ナフチルオキシメチルを示す。
【0023】
また別の実施態様において, R3 は場合により置換されたフェニルを示す。具体的な実施態様において, R3 は場合により1種以上のハロによって置換されたフェニルを示す。 具体的な実施態様において, R3は3-ハロフェニルを示す。別の実施態様において, R3 はフェニル, 3-クロロフェニル, 4-クロロフェニル, 3-フルオロフェニル又は 3,4-ジクロロフェニルを示す。
【0024】
別の実施態様において, R3 はアルキル, たとえばプロピル又はブチルを示す。具体的な実施態様において, R3 はエチルを示す。別の実施態様において, R3 はプロピル, たとえばイソ-プロピルを示す。別の具体的実施態様において, R3 はブチル, たとえば 1-ブチルを示す。
【0025】
また別の実施態様において, R3 はシクロアルキルを示す。具体的な実施態様において, R3 はシクロプロピルを示す。
【0026】
別の実施態様において, R3 は水素, アルキル又はシクロアルキルを示す。また別の実施態様において, R3 は水素を示す。
【0027】
式Iで表わされる化合物の具体的な実施態様において,
R は水素又はメチルを示し、
Raは2,3-ジハロフェニル, 2,3-ジメトキシフェニル又はナフチルを示し、そして
R3 は水素, アルキル, シクロアルキル又は場合により1種以上のハロによって置換されたフェニルを示す。
【0028】
式Iで表わされる化合物の具体的な実施態様において,
R は水素又はメチルを示し、
Raは2,3-ジクロロフェニル又はナフチルを示し、そして
R3はアルキル又は場合により1種以上のハロによって置換されたフェニルを示す。
【0029】
具体的な実施態様において、本発明の化合物は、
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(1-ナフタレンオキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-クロロフェニルチオメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2S,3R)-2-(2,3-ジクロロ-フェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2S,3R)-2-(1-ナフタレンオキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2S,3R)-2-(2,3-クロロフェニルチオメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-メチル-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェニルチオメチル)-8-メチル-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジメトキシフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-フルオロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジフルオロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2-クロロ-3-フルオロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-エチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-シクロプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-イソプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H -3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-クロロフェニルチオメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2S,3R)-2-(2,3-ジクロロ-フェノキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2S,3R)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2S,3R)-2-(2,3-クロロフェニルチオメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-H-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェニルチオメチル)-8-H-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジメトキシフェノキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-(3-フルオロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジフルオロフェノキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2-クロロ-3-フルオロフェノキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-エチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-シクロプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-イソプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン
又はそのあらゆる異性体又はその異性体のあらゆる混合物, 又はその薬学的に許容し得る塩である。
【0030】
上記の実施態様2種以上のあらゆる組み合わせは、本発明の範囲内であるとみなされる。
【0031】
置換基の定義
本発明の範囲において、ハロゲンはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
【0032】
本発明の範囲において、アルキル基は一価の飽和、直鎖状又は分枝状炭化水素鎖を示す。炭化水素鎖は好ましくは炭素原子1〜6個を有し(C1−6-アルキル)、これはペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル及びイソヘキシルを包む。好ましい具体例において、アルキルはC1-4-アルキル基を示し、これはブチル、イソブチル、s−ブチル及びt−ブチルを含む。本発明の好ましい具体例において、アルキルはC1-3-アルキル基を示し、これは特にメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルであってよい。
【0033】
本発明の範囲において、アルケニル基は二重結合1個以上を有する炭素鎖を示し、これはジエン、トリエン及びポリエンを含む。好ましい具体例において、本発明のアルケニル基は少なくとも1個の二重結合を含む炭素原子2〜6個(C2-6-アルケニル)を有する。最も好ましい具体例において、本発明のアルケニル基はエテニル;1−又は2−プロペニル;1−、2−又は3−ブテニル,又は1,3−ブトジエニル;1−、2−、3−、4−又は5−ヘキセニル、又は1,3−ヘキシジエニル、又は1,3,5−ヘキシトリエニルである。
【0034】
本発明の範囲において、アルキニル基は三重結合1個以上を有する炭素鎖を示し、これはジイン、トリイン及びポリインを含む。好ましい具体例において、本発明のアルキニル基は少なくとも1個の三重結合を含む炭素原子2〜6個(C2-6-アルキニル)を有する。最も好ましい具体例において、本発明のアルキニル基はエチニル、1−又は2−プロピニル;1−、2−、3−又は4−ブチニル又は1,3−ブトジイニル;1−、2−、3−,4−ペンチニル、又は1,3−ペントジイニル;1−、2−、3−,4−又は5−ヘニニル、又は1,3−ヘキシジイニル、又は1,3,5−ヘキシトリイニルである。
【0035】
本発明の範囲において、シクロアルキル基は環状アルキル基、好ましくは炭素原子3〜7個を有するシクロアルキル基であって(C3-7-シクロアルキル)、これはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含む。
【0036】
アルコキシはO-アルキルであって、この基中、アルキルは上記に定義された通りである。
【0037】
シクロアルコキシはO-シクロアルキルであって, この基中、シクロアルキルは上記に定義された通りである。
【0038】
シクロアルキルアルキルは上記のシクロアルキル及び上記のアルキル意味し、たとえばシクロプロピルメチルを意味する。
【0039】
アミノはNH2 又はNH-アルキル又はN-(アルキル)2(式中、アルキルは上記に定義された通りである。)である。
【0040】
薬学的に許容し得る塩
本発明の化合物を、意図される投与に適するすべての形態で提供することができる。適する形態は薬学的に(すなわち生理学的に)許容し得る塩及び本発明の化合物のプレドラッグ形及びプロドラッグ形を含む。
【0041】
薬学的に許容し得る付加塩の例としては、以下のものに限定されないが、非毒性無機- 及び有機酸付加塩、たとえば塩酸に由来する塩酸塩、臭化水素酸に由来する臭化水素酸塩、硝酸に由来する硝酸塩、過塩素酸に由来する過塩素酸塩、リン酸に由来するリン酸塩、硫酸に由来する硫酸塩、ギ酸に由来するギ酸塩、酢酸に由来する酢酸塩、アコニチン酸に由来するアコニチン酸塩、アスコルビン酸に由来するアスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸に由来するベンゼンスルホン酸塩、安息香酸に由来する安息香酸塩、ケイヒ酸に由来するケイヒ酸塩、クエン酸に由来するクエン酸塩、エンボン酸(embonic acid)に由来するエンボン酸塩、エナンチン酸(enanthic acid) に由来するエナンチン酸塩、フマル酸に由来するフマル酸塩、グルタミン酸に由来するグルタミン酸塩、グリコール酸に由来するグリコール酸塩、乳酸に由来する乳酸塩、マレイン酸に由来するマレイン酸塩、マロン酸に由来するマロン酸塩、マンデル酸に由来するマンデル酸塩、メタンスルホン酸に由来するメタンスルホン酸塩、ナフタレン-2- スルホン酸に由来するナフタレン-2- スルホン酸塩、フタル酸に由来するフタル酸塩、サリチル酸に由来するサリチル酸塩、ソルビン酸に由来するソルビン酸塩、ステアリン酸に由来するステアリン酸塩、コハク酸に由来するコハク酸塩、酒石酸に由来する酒石酸塩、トルエン-p- スルホン酸に由来するトルエン-p- スルホン酸塩を包含している。この様な塩は従来公知のかつ当該技術分野で記載されている方法で製造することができる。
【0042】
その他の酸、たとえばシュウ酸−−これ自体、薬学的に許容し得るとは考えられていない−−は、本発明の化合物及びその薬学的に許容し得る酸付加塩を得る際の中間体化合物として有用な塩の製造に適している。
【0043】
本発明の化合物の金属塩はアルカリ金属塩、たとえばカルボキシ基を含有する本発明の化合物のナトリウム塩を含む。
【0044】
本発明の範囲いおいて、N−含有化合物の“オニウム塩”も薬学的に許容し得る塩(アザ−オニウム塩)として考慮される。好ましい“オニウム塩”はアルキル-オニウム塩, シクロアルキル-オニウム塩及びシクロアルキルアルキル-オニウム塩を含む。
【0045】
本発明の化合物のプレ-又はプロドラッグの例は、親化合物の反応性又は誘導可能な基1個以上で変化された(modified)化合物を包含する。特に重要なことはカルボキシル基、ヒドロキシル基又はアミノ基を用いて変化された化合物である。適当な誘導体の例はエステル類又はアミド類である。
【0046】
本発明の化合物は薬学的に許容し得る溶剤、たとえば水、エタノール等々と共に溶解性形(dissoluble forms)で又は非溶解性形(indissoluble forms)で提供することができる。溶解性形は水和された形、たとえば一水和物、二水和物、半水和物、三水和物、四水和物等を包含してよい。一般に、溶解性形は本発明の目的のための非溶解性形に相当するものと考えられる。
【0047】
立体異性体
本発明の化合物は1種以上のキラルセンターを有すること、及びこのような化合物は異性体, すなわち1R/S, 2R/S, 3R/S 及び5R/Sの形で存在することは当業者に認められる。
【0048】
更に, 式Iで表わされる8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン骨格の2位の置換基-CH2-X-Ra及び3位の置換基R3 は特に相互に対してシス又はトランス立体配置にあることができる。本発明の好ましい実施態様において、2位及び3位の置換基はトランス立体配置にある。本発明の別の好ましい実施態様において、2位及び3位の置換基はシス立体配置にある。
【0049】
本発明は、全てのこのような異性体及びそのあらゆる混合物(ラセミ混合物を含む)を含む。
【0050】
ラセミ形は公知の方法及び処理で光学対掌体に分割することができる。その異性体塩を分離する一つの方法は、光学的に活性な酸を使用し、次いで塩基で処理して光学的に活性アミン化合物を遊離することにある。ラセミ化合物の光学対掌体への他の分割法は、光学的活性なマトリックス上でのクロマトグラフィー法に基づく。本発明のラセミ化合物は、たとえばd- 又はl- 塩 (酒石酸塩、マンデル酸塩、又はシヨウノウスルホン酸塩)の分別結晶によって、その光学的対掌体に分割することができる。
【0051】
本発明の化合物はまた、本発明の化合物と光学的活性に活性化されたカルボン酸、たとえば(+)又は(−)フエニルアラニン、(+)又は(−)フエニルグリシン、(+)又は(−)カンフアン酸に由来するカルボン酸とを反応させてジアステレオマーアミドを生成させることによってあるいは本発明の化合物と光学的活性なクロロギ酸塩等々とを反応させて、ジアステレオマーカルバミン酸塩を生成させることによって分割することができる。
【0052】
他の光学的異性体分割法は技術上周知である。この様な方法は、Jaques J. Collet A, 及び Wilen S, “対掌体, Racemates, and Resolutions", John Wiley 及び Sons,ニューヨーク(1981)中に記載されている方法を含む。
【0053】
光学活性な化合物も、光学活性出発化合物から製造することができる。
【0054】
標識された化合物
本発明の化合物は、その標識された形でか又は標識されていない形で使用することができる。本発明の範囲において、“標識”とは当該化合物にマーカーを結合させることを意味し、これがその化合物の定量的検出を容易に可能にする。
【0055】
本発明の標識された化合物は、診断機器、放射性トレーサー又は種々の診断法での監視剤として、及び生体内レセプターイメージング(in vivo receptor imaging) に有用であることができる。
【0056】
本発明の標識された化合物は、標識として少なくとも1種の放射性核種を含有するのが好ましい。陽電子射出放射性核種類はすべて使用することができる。本発明の範囲において、放射性核種は好ましくは2H (ジュウテリウム), 3H (トリチウム), 13C, 14C, 131I, 125I, 123I 及び18Fより成る群から選ばれる。
【0057】
本発明の標識された異性体の理学検出法は、陽電子発光断層撮影法(PET)、シングルフォトン画像撮影法(Single Photon Imaging Computed Tomography (SPECT))、磁気共鳴分光法(MRS)、磁気共鳴画像法(MRI)及び計算機軸X線断層撮影法(Computed Axial X-ray Tomography (CAT))及びその組み合わせから選ぶことができる。
【0058】
製造方法
本発明の化合物を化学合成に通常の方法、たとえば下記例に記載する方法によって製造することができる。本発明で記載される方法の出発化合物は公知であるか又は市販化合物から常法で製造することができる。
【0059】
また、本発明のある化合物は、常法で本発明の他の化合物に変えることができる。
【0060】
ここに記載される反応最終生成物を、通常の手段、たとえば抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィー等によって単離することができる。
【0061】
生物学的活性
本発明の化合物は, シナプトソーム中でモノアミン類;ドパミン,ノルアルドレナリン及びセロトニンの再取り込みを阻害するその活性を、たとえば国際公開(WO)第97/30997号明細書に記載されているようにテストすることができる。
【0062】
したがって、別の局面で, これらのテストで観察される安定した活性に基づき、 本発明の化合物は、 ヒトを含めた動物生体の疾患又は障害又は病態----------この障害、疾患又は病態は中枢神経系でモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する------------を治療、予防又は緩和するのに有用であると考えられる。
【0063】
具体的な実施態様において、本発明の化合物は情動障害, うつ病, 非定型うつ病, 大うつ病性障害, 気分変調性障害, 双極性障害, 双極性 I 障害, 双極性 II 障害, 循環病, 全身状態に起因する情動障害、物質誘発性情動障害, 仮性痴呆, ガンザー症候群, 強迫性障害, パニック障害, 広場恐怖症を伴わないパニック障害, 広場恐怖症を伴うパニック障害, パニック障害の病歴のない広場恐怖症, パニック発作, 記憶障害, 記憶喪失, 注意欠陥多動性障害, 肥満, 不安, 全般性不安障害, 摂食障害, パーキンソン病, パーキンソン症候群, 痴呆, 加齢による痴呆, 老人性痴呆, アルツハイマー病, 後天性免疫不全症候群痴呆コンプレックス, 加齢による記憶機能障害, 社会恐怖症, 心的外傷後ストレス障害, 急性ストレス障害, 薬物嗜癖, 薬物乱用, コカイン中毒, ニコチン中毒, タバコ中毒, アルコール嗜癖, アルコール依存症, 痛み、炎症性疼痛, 神経因性疼痛, 偏頭痛の痛み, 緊張型頭痛, 慢性緊張型頭痛,うつ病に関連する痛み、線維筋痛症, 関節炎, 変形性関節症, 慢性関節リウマチ, 背痛, 癌性疼痛, 過敏腸性疼痛, 過敏腸症候群, 術後疼痛, 卒中後痛, 薬物に誘発された神経障害, 糖尿病性神経障害, 交感神経依存性疼痛, 三叉神経痛, 歯痛, 顔面筋疼痛, 幻想肢痛, 過食症, 月経前症候群、遅い黄体期症候群, 外傷後症候群, 慢性疲労症候群, 尿失禁, ストレス性尿失禁, 切迫尿失禁, 夜尿, 早漏, 勃起障害, 神経性食欲不振, 睡眠障害, 自閉症, 無言症, トリコチロマニー, 睡眠発作, 発作後うつ病, 発作に誘発された脳損傷, 発作に誘発されたニューロン損傷, 又は ジル・ド・ラ・ツレット病の治療、予防又は緩和に有用であると考えられる。好ましい実施態様において、当該化合物はうつ病の治療、予防又は緩和に有用であると考えられる。
【0064】
有効な医薬成分(API)の適する投薬量は、投与の厳密なモード、投与される形態、投与の対象となる症状、対象者(subject)及び特にその対象者の体重、そして更に担当する医者又は獣医の好み又は経験に通常基づいて1日あたりAPI約0.1 〜約1000mg、1日あたりAPI約10-約500 mg, そして特に1日あたりAPI約30-約100mgであると現在考えられている。
【0065】
好ましい本発明の化合物は、サブ-マイクロモル及びマイクロモル範囲で, すなわち1未満から約100μMの生物学的活性を示す。
【0066】
薬学的調合物
もう一つの局面において、本発明は、本発明の化合物の治療上有効な量を含有する新規の薬学的調合物を提供する。
【0067】
本発明の化合物を治療で使用するにあたり、そのまま化合物として投与することもできるが、有効成分を場合により生理学的に許容し得る塩の形で、1種以上の佐薬、賦形剤、希釈剤、緩衝剤及び(又は)その他の慣用の薬学的助剤と共に薬学的調合物の形で提供するが好ましい。
【0068】
好ましい実施態様において、本発明は、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩又は誘導体を薬学的に容認されたキャリヤー1種以上及び場合により他の治療及び(又は)予防成分と共に含有する薬学的調合物を提供する。このキャリヤーは、調合物中の他の成分と適合し、そしてこれを投与される患者に有害でないという意味で“許容し得”なければならない。
【0069】
本発明の薬学的調合物は経口、直腸、気管支、鼻腔、肺、局所(バッカル及び舌下を含めて)、経皮、膣又は腸管外(皮膚−、皮下−、筋肉内−、腹腔内−、静脈内−、動脈内−、脳内−、眼内注射又は注入)投与に適するものであるか、あるいは粉末及び液体エアゾール投与を含む吸入又はガス注入による又は徐放システムによる投与に適する形のものであってよい。徐放システムの適当な例は、本発明の化合物を含有する固形疎水性ポリマーの半透過性マトリックス-------そのマトリックスは製品の形で、たとえばフィルム又はマイクロカプセルであってよい--------を含む。
【0070】
通常の佐薬、キャリヤー又は希釈剤と共に、本発明の化合物を、薬学的調合物及びその単位投薬形とすることができる。このような形態は固体、特に錠剤又は充填カプセル、粉末及びペレット形態及び液体、特に水溶液又は非水溶液、懸濁液、エマルジョンン、エリキシル又はこれによって充填されたカプセル、経口使用するためのすべての形で、直腸投与様坐剤の形で又は非経口用滅菌注射溶液の形で使用する。この様な薬学的調合物及びその単位投薬形は通常の成分を通常の割合で、別の有効物質又は成分の存在下又は不存在下に含有し、この様な単位投薬形は、有効成分の適する有効量を、使用される、計画された一日投薬範囲に相応して含有することができる。
【0071】
本発明の化合物を、多種の経口及び非経口投薬形で投与することができる。下記の投薬形は、有効成分として本発明の化合物又は本発明の化学物の薬学的に容認された塩のどちらかを含有してよいことは当業者に明らかである。
【0072】
本発明の化合物から薬学的調合物を製造することに関して薬学的に容認されたキャリヤーは固体又は液体のどちらかである。固形医薬として粉末、錠剤、丸薬、カプセル、カッシェ、坐剤及び分散可能な顆粒が挙げられる。固形キャリヤーは、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、沈殿防止剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤又はカプセル化材料として作用してもよい物質1種以上であることができる。
【0073】
粉末中で、キャリヤーは微粉砕された固体であって、これは微粉砕された有効成分との混合物中にある。
【0074】
錠剤中に、有効成分は適する割合で必要な結合容量を有するキャリヤーと混合され、所望の形態と大きさに圧縮される。
【0075】
粉末及び錠剤は有効物質約5又は10〜約70%を含有する。適するキャリヤーは炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、でんぷん、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ロウ、カカオバター等々である。“製造”なる表現は、キャリヤーとしてのカプセル化材料を用いて有効物質を調製することを含み、1個以上のキャリヤー含有又は不含で、有効物質が有効物質と結合するあるキャリヤーによって囲まれたカプセルを提供する。同様にカッシェ及びロゼンジも含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸薬、カッシェ及びロゼンジを経口投与に適する固形で使用することができる。
【0076】
坐剤を製造するために、低融点ロウ、たとえば脂肪酸グリセリド又はカカオバターの混合物を先ず融解し、有効成分をこれ中に均一に攪拌によって分散する。次いで融解された均一な混合物を通常のサイズの型に注ぎ、冷却し、それによって固化する。
【0077】
膣投与に適する製剤を、有効成分に加えて技術上適することが周知であるキャリヤーを含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレーとして製造する。
【0078】
液剤としては、溶液、懸濁液及びエマルジョン、たとえば水又は水- プロピレングリコール溶液が挙げられる。たとえば非経口注射液剤をポリエチレングリコール水溶液中の溶液として調製することができる。
【0079】
本発明の化合物を非経口投与(たとえば注射、たとえばボルス注射液又は連続注入による)のために調製し、そして単位投薬形でアンプル、前もって充填された注射器、少量の注入剤中に又は多様な投薬容器中に添加される保存剤と共に存在する。調合物は油状又は水性賦形剤中で懸濁液、溶液又はエマルジョンのような形態をとり、調製剤、たとえば沈殿防止剤、安定剤及び(又は)分散剤を含有することができる。あるいは有効成分は、無菌固体の無菌単離によって得られる粉末形であるか又は適する賦形剤、たとえば発熱性物質不含無菌水で構成されているために、使用前に溶液からの凍結乾燥によって得られる粉末形であってよい。
【0080】
経口使用に適する水溶液を、水中に有効成分を溶解し、所望に応じて適する着色剤、風味剤、安定剤及び増粘剤を加えて製造することができる。
【0081】
経口使用に適する水性懸濁液を、微粉砕された有効成分を水中で粘性物質、たとえば天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、又は他のよく知られた沈殿防止剤と共に分散することによって製造することができる。
【0082】
使用する少し前に、経口投与のために液状形調合物に変えられる固形調合物も挙げられる。この様な液状形として溶液、懸濁液及びエマルジョンが挙げられる。これらの調合物は、有効成分に加えて、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝物質、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等々を含有する。
【0083】
表皮への局所投与のために、本発明の化合物を軟膏、クリーム又はローションとして又は経皮吸収パッチとして調製する。軟膏及びクリームをたとえば適する増粘剤及び(又は)ゲル化剤の添加して水性又は油性ベースを用いて調製する。ローションを水性又は油性ベースを用いて調製し、これは一般に1種又はそれ以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、又は着色剤を含有する。
【0084】
口中での局所投与に適する調合物としては風味ベース、通常ショ糖及びアカシア又はトラガント中に有効成分を含有するロゼンジ、不活性ベース、たとえばゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアカシア中に有効成分を含有するパスチル、及び適する液体キャリヤー中に有効成分を含有する洗口剤が挙げられる。
【0085】
溶液又は懸濁液を鼻腔に通常の手段、たとえば点滴器、ピペット又はスプレーによって直接に投与する。調合物は単一又は多様- 投薬形で供給される。
【0086】
呼吸器官への投与はエアゾール調合物によって達成される。このエアゾール中に有効成分を適する噴射剤、たとえばクロロフルオロカーボン(CFC)、たとえばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン又はジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適するガスで圧縮パックして供給する。エアゾールはまた界面活性剤、たとえばレシチンを通常含有する。医薬の投薬量は計量バルブの供給によって調節される。
【0087】
あるいは有効成分を、乾燥粉末の形でたとえば適する粉末ベース、たとえば乳糖、でんぷん、でんぷん誘導体、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドン(PVP)中の化合物の粉末混合物の形で供給することができる。通常、粉末キャリヤーは鼻腔内でゲルを形成する。粉末調合物は、単位投薬形の形で、たとえばゼラチンのカプセル又はカードリッジ、又は発泡パックの形で存在し、これから粉末を吸入器によって投与する。
【0088】
呼吸器官への投与を意図する調合物(鼻腔調合物を含む)中で、化合物はたとえば5ミクロン以下の大きさの小粒サイズを一般に有する。この様な粒子サイズは技術上周知の方法、たとえば微粒子への細砕化によって得られる。
【0089】
所望の場合、有効成分の遊離を維持する適した調合物を使用する。
【0090】
薬学的調合物は、単位投薬形であるのが好ましい。この様な形で、調合物を有効成分の適する量を含有する単位投薬形に再分割する。単位投薬形は、包装された医薬、医薬の別々の量を含有するパッケージ、たとえば包装された錠剤、カプセル、及び小瓶又はアンプル中の粉末であってよい。単位投薬形はまたカプセル、錠剤、カッシェ又はロゼンジそれ自体であるか又は包装された形でこれらのいずれかの適する数であってもよい。
【0091】
経口投与用錠剤又はカプセル及び静脈内投与用液体及び連続注入剤が好ましい調合物である。
【0092】
調合物及び投与方法に関する更に詳しい説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing Co., Easton, PA)の最新版中に見出される。
【0093】
治療上有効な薬用量とは、症状又は病態を改善する有効成分のその量を意味する。治療効果及び毒性, たとえばED50 及びLD50, を細胞培養又は動物実験で標準薬理学的処理によって測定することができる。治療効果と毒性作用の間の薬用量割合は、治療指標であって、比率LD50/ED50によって表わすことができる。大きい治療指標を示す薬学的調合物が好ましい。
【0094】
当然のことながら投薬量は、治療される個体(individual)の年齢、体重及び病態、並びに投与経路、投薬形及び療法, 及び所望の結果に対して慎重に調整せねばならず、そして正確な投薬量は医師によって当然決定されるのがよい。
【0095】
実際の薬用量は治療される疾患の性質及び過酷さ及び投与経路に依存し、更にその量は医師の裁量にまかされており、所望の治療効果を生じるために本発明の特定の状況に薬用量を適合させることによって変化させることができる。しかし個々の薬用量あたり有効成分約0.1 〜約500 mg、好ましくは約1〜約100 mg、最も好ましくは約1〜 約10 mgを含有する調合物が治療的処置に適当であると現在考えられている。
【0096】
有効成分を、1日1回又は数回の薬用量で投与することができる。満足のいく結果は、ある場合、0.1 μg /kg i.v.(静脈内)及び1 μg /kg p.o.(腹腔内)ほどの低い薬用量で得ることができる。薬用量範囲の上限は約10 mg/kg i.v.(静脈内)及び100 mg/kg p.o.(腹腔内)であると現在見なされる。好ましい範囲は、一日あたり約0.1 μg /kg〜約10 mg/kg(静脈内)及び約1 μg /kg 〜約100 mg/kg(腹腔内)である。
【0097】
治療法
別の局面で、本発明はヒトを含めた動物生体の疾患又は障害又は病態----------この障害、疾患又は病態は中枢神経系でモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する------------を治療、予防又は緩和する方法であって、この方法が本発明の化合物の有効量を、これを必要とするヒトを含めた動物生体に投与する工程を含むことを特徴とする、上記治療、予防又は緩和方法を提供する。
【0098】
適する薬用量は1日あたり0.1〜1000 mg , 10 〜500 mg, 特に30 〜100 mgの範囲内であるが、しかし投与の厳密なモード、投与される形態、投与の対象となる症状、患者及び特に係わる患者の体重及び更に担当する医者又は獣医の好み又は経験に通常基づくと現在考えられる。疾患の治療のために、従来公知の化合物との組み合わせて投与した場合、服用量を減少させることができる。
【実施例】
【0099】

次の例によって本発明を詳述するが、これらが請求項に記載される本発明の範囲に何らの限定を与えることを意図するものではない。
【0100】
出発化合物
【0101】
【化5】

【0102】
(+)-2-カルボメトキシトロピノン
を公知方法によって製造する (J. F. Casale, Forensic Science International, 33 (1987) 275-298)。
【0103】
(-)-2-カルボメトキシトロピノン
を同様に製造する。
【0104】
方法 A
【0105】
【化6】

【0106】
(-)-エクゴニンエチルエステル
-45°Cでメチルアルコール (1.5L)中に(+)-2-カルボメトキシトロピノン (37.4g)を有する攪拌された溶液に、水素化ホウ素ナトリウム (37g)を内部温度が-45°C 〜-35°Cに維持されるように、少しづつ分けて添加する。反応混合物を-45°C で2 時間攪拌し、ついで-45°Cで温度を保ちながら塩酸(120mL)の滴加によって急冷する。 反応混合物を室温に温め、一晩攪拌する。反応混合物を濃縮して、約120mLの容量とし, 水(500mL)を添加し、ついでジエチルエーテル (3X100mL)で洗浄する。水相にpH 10-11になるまで 25% アンモニア水溶液を添加し、ついでジクロロメタン (4X200mL)で抽出する。一緒にされた有機相を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、ついで蒸発させて油状物とする。油状物を酢酸エチル (370mL)に溶解させ、ナトリウムエトキサイド(7g のナトリウムから) の溶液を添加する。得られた溶液を3 時間還流加熱し, 室温に冷却し、そして蒸発させて、油状物とする。残留物をトルエン(0.5L)に添加し、ついで蒸発させて油状物とし, これを繰り返す。生成物30 g (79%) は油状物である。
【0107】
(+)-エクゴニン エチルエステル
を同様に (-)-2-カルボメトキシトロピノンから製造する。
【0108】
方法 B
【0109】
【化7】

【0110】
(2R,3S)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボン酸エチルエステル
無水トルエン(150 mL) 中に(-)-エクゴニン エチルエステル (26 g; 130 mmol) を有する溶液を、内部温度が-15°C〜-25°Cで維持されるように-20°Cで無水Et2O (200 mL)中に3-クロロフェニルマグネシウムブロマイド (48 mmol)を有する攪拌された溶液に添加する。反応混合物を-15°C 〜-25°Cで60 分間攪拌するか, 又は TLC が出発化合物の完全な変換を示すまで攪拌する。反応混合物を、濃HCl (40 mL) 及び氷 (250 mL)の混合物上に注ぎ、ついで20分間攪拌する。水相をEt2O (50 mL)で洗浄し, 4 M NaOHを用いて20 °C以下でpH 10-11のアルカリ性にする。水相をCH2Cl2 (3x 100 mL)を用いて抽出し、一緒にされた有機フラクションを乾燥させ(MgSO4), 濾過し、蒸発乾固して、39.9 g (99%) の油状物を生じさせる。粗油状物, NaOMe (10 ml, 2 M) 及び無水MeOH (250 mL)の混合物を、70時間還流させ、ついで蒸発乾固する。水(100 mL) を添加し、ジエチルエーテル (3x 100 mL)を用いて抽出する。一緒にされた有機フラクションを乾燥させ(MgSO4), 濾過し、ついで蒸発乾固して、32.7 g (85%)を油状物として生じさせる。
【0111】
(2S,3R)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボン酸エチルエステル
を同様に(+)-エクゴニン エチルエステルから製造する。
【0112】
方法 C
【0113】
【化8】

【0114】
(2R,3S)-(8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノール
(2R,3S)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボン酸エチルエステル (32.7 g, 110 mmol)及びトルエン (200 ml)の混合物に, Red-Al (40g, 65%, 128 mmol) を0°Cで添加する。混合物を室温で1時間攪拌する。水酸化ナトリウム水溶液 (80 ml, 4 M) を冷却された混合物に添加し、ついで温水(50°C, 150 ml)に添加する。混合物をトルエン (2 x 100 ml)で抽出する。混合物を乾燥させ (MgSO4)、ついで蒸発させる。生成物を結晶として単離する。融点(Mp) 180.4 °C。収量17.1 g (59%)。
【0115】

(2S,3R)-(8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノール
を同様に(2S,3R)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボン酸エチルエステルから製造する。
【0116】
次の化合物を同様に上記の方法を用いて製造する:
(2R,3S)-(8-メチル-3-(3-n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノール。Mp 94.5-96.5°C。
【0117】
(2R)-(8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノール。 Mp 78.5-80.0°C。
【0118】
(2R,3S)-(8-メチル-3-(3-フルオロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノール。Mp 196°C。
【0119】
(2R,3S)-(8-メチル-3-エチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノール。Mp 50-55°C。
【0120】
(2R,3S)-(8-メチル-3-シクロプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノール。Mp 106-141°C。
【0121】
(2R,3S)-(8-メチル-3-イソプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノール。Mp 130.6-135.9°C。
【0122】
方法 D
【0123】
【化9】

【0124】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
(2R,3S)-(8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノール (15.1 g; 57 mmol), p-トルエンスルホニルクロライド (13.0 g; 68 mmol), ピリジン (50 ml) の混合物を、10 分間0°Cで, ついで5 時間室温で攪拌する。反応混合物にH2O (250 mL), 水酸化ナトリウム水溶液 (25 ml, 4 M)を添加し、ついで結晶性O-トシル化された中間体を濾過によって単離し、水と共に粉砕する。O-トシル化された中間体の収量22.76 g (95%)。DMF (20 mL)中に2,3-ジクロロフェノール (1.63 g; 10 mmol) 及びO-トシル化された中間体 (3.0 g,7.0 mmol) を有する攪拌された混合物に、NaH (0.4 g, 60%, 10 mmol)を添加する。反応混合物を100°Cに3時間加熱する。反応混合物を室温に冷却し、ついで水 (50 ml) を添加する。混合物をEt2O (2x 50 mL)で抽出する。一緒にされた有機フラクションを乾燥させ (MgSO4), 濾過し、蒸発乾固する。カラムクロマトグラフィー (アセトン:MeOH:NH3 (1% 水溶液) = 9:1:1)によって、1.51 mg (52%) の生成物が生じる。遊離塩基をフマル酸塩に変換させる。Mp: 133.6°C。
【0125】
(2R,3S)-2-(1-ナフタレンオキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Dにしたがって(2S,3R)-(8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。Mp 203.1°C。
【0126】
(2R,3S)-2-(2,3-クロロフェニルチオメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Dにしたがって(2R,3S)-(8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。Mp 131.7-150.1°C。
【0127】
(2S,3R)-2-(2,3-ジクロロ-フェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン
を同様に(2S,3R)-(8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから合成する。
【0128】
(2S,3R)-2-(1-ナフタレンオキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン
を同様に(2S,3R)-(8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから合成する。
【0129】
(2S,3R)-2-(2,3-クロロフェニルチオメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン
を同様に(2S,3R)-(8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから合成する。
【0130】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Dにしたがって(2R,3S)-(8-メチル-3-(3-n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。 Mp 60-70°C。
【0131】
(2R,3S)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-メチル-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Dにしたがって(2R,3S)-(8-メチル-3-(3-n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。Mp 60-70°C。
【0132】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェニルチオメチル)-8-メチル-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Dにしたがって(2R,3S)-(8-メチル-3-(3-n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。Mp 40-50°C。
【0133】
(2R,3S)-2-(2,3-ジメトキシフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Dにしたがって(2R,3S)-(8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。Mp 70.7°C。
【0134】
(2R)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Dにしたがって(2R)-(8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。Mp 135 - 137°C。
【0135】
(2R)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Dにしたがって(2R)-(8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。Mp 147 - 149°C。
【0136】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-フルオロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Dにしたがって(2R,3S)-(8-メチル-3-(3-フルオロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。Mp 196.3°C。
【0137】
(2R,3S)-2-(2,3-ジフルオロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Dにしたがって(2R,3S)-(8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。Mp 62.5 - 73.9°C。
【0138】
(2R,3S)-2-(2-クロロ-3-フルオロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Dにしたがって(2R,3S)-(8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。Mp 123°C。
【0139】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-エチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Dにしたがって(2R,3S)-(8-メチル-3-エチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。油状物。
【0140】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-シクロプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンクエン酸塩
を方法Dにしたがって(2R,3S)-(8-メチル-3-シクロプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。Mp 106 - 141°C。
【0141】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-イソプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Dにしたがって(2R,3S)-(8-メチル-3-イソプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-2-イル)-メタノールから製造する。Mp 74.4 - 75.0°C。
【0142】
方法 E
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H -3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン (1.27 g, 3.09 mmol), 1-クロロエチルクロロ-ホルマート (1.66 ml, 15.4 mmol) 及びトルエン(30 ml)の混合物を、0.5 時間室温で攪拌する。混合物を100°Cで20時間攪拌する。水 (25 ml)を添加し、混合物を4 時間還流攪拌する。混合物を室温に達させ、アモニア (50 ml, 1 M)を添加し、ついでジエチルエーテル(3 x 50 ml)で抽出する。粗生成物をシリカゲル及び液相としてジクロロメタン : メタノール : アモニア水(90 : 9: 1)の混合物を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製する。得られた油状物 (0.79 g, 2.0 mmol) を、エタノール (25 ml)及びフマル酸 (0.25 g, 1.5 mmol)中で攪拌し, ついで冷却し、濾過して、そのフマル酸塩に変換する。収量0.79 (77%)。Mp: 204.6°C。
【0143】
(2R,3S)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Eにしたがって(2R,3S)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから製造する。Mp: 199.1°C。
【0144】
(2R,3S)-2-(2,3-クロロフェニルチオメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Eにしたがって (2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェニルチオメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから製造する。 Mp: 175°C。
【0145】
(2S,3R)-2-(2,3-ジクロロ-フェノキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン
を同様に (2S,3R)-2-(2,3-ジクロロ-フェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから合成する。
【0146】
(2S,3R)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン
を同様に (2S,3R)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタから合成する。
【0147】
(2S,3R)-2-(2,3-クロロフェニルチオメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン
を同様に (2S,3R)-2-(2,3-ジクロロフェニルチオメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから合成する。
【0148】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Eにしたがって (2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから製造する。 Mp 160-163°C。
【0149】
(2R,3S)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-H-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Eにしたがって (2R,3S)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-メチル-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから製造する。 Mp 108-110°C。
【0150】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェニルチオメチル)-8-H-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Eにしたがって (2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェニルチオメチル)-8-メチル-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから製造する。 Mp 108-110°C。
【0151】
(2R,3S)-2-(2,3-ジメトキシフェノキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Eにしたがって (2R,3S)-2-(2,3-ジメトキシフェノキシ-メチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから製造する。 Mp 173.6 - 191.6°C。
【0152】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-(3-フルオロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Eにしたがって (2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-フルオロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから製造する。 Mp 183.4- 186.5°C。
【0153】
(2R,3S)-2-(2,3-ジフルオロフェノキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Eにしたがって (2R,3S)-2-(2,3-ジフルオロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから製造する。 Mp 200.7- 204.5°C。
【0154】
(2R,3S)-2-(2-クロロ-3-フルオロフェノキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Eにしたがって(2R,3S)-2-(2-クロロ-3-フルオロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから製造する。Mp 183.5-185.5°C。
【0155】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-エチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Eにしたがって (2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-エチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから製造する。 Mp 143 - 145°C。
【0156】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-シクロプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Eにしたがって (2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-シクロプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから製造する。 Mp 178.1 - 185.7°C。
【0157】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-イソプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩
を方法Eにしたがって (2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-イソプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンから製造する。 Mp 200 - 203°C。
【0158】
試験例
インビトロ阻害活性
多くの化合物を国際公開(WO)第97/16451号明細書中に記載されているようにシナプトソーム中でモノアミン神経伝達物質:ドパミン (DA)、ノルアドレナリン(NA) 及びセロトニン(5-HT)の再取り込み阻害能力に関して調べた。
【0159】
試験値はIC50 (3H-DA, 3H-NA, 又は3H-5-HT の特異結合を50%阻害する供試化合物の濃度(μM))として表わされる。
【0160】
本発明の選ばれた化合物を調べることによって得られた試験結果は、下記表から明らかである:
表 1
【0161】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式 I
【化1】

{式中、
R は水素又はアルキルを示し、
R2 は -CH2-X-Ra
[式中、X は-O- 又は-S-を示し、
Ra
【化2】

(式中、 Rb 及びRc は独立してハロ, ヒドロキシ, アミノ, シアノ, ニトロ, トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ, アルコキシ、シクロアルコキシ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アルケニル及びアルキニルより成る群から選ばれる。)
で表わされる基を示すか、又は
Ra はナフチルを示し、
このナフチルは場合によりハロ, ヒドロキシ, アミノ, シアノ, ニトロ, トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ, アルコキシ、シクロアルコキシ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アルケニル及びアルキニルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されている。]
を示し、
R3 はフェニル又はナフチルを示し、
このフェニル又はナフチルは場合によりハロ, ヒドロキシ, アミノ, シアノ, ニトロ, トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ, アルコキシ、シクロアルコキシ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アルケニル及びアルキニルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されているか、又は
R3は水素, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アルケニル又はアルキニルを示し、
このアルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アルケニル又はアルキニルは場合によりハロ, ヒドロキシ, アミノ, シアノ, ニトロ, トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ, アルコキシ、シクロアルコキシ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アルケニル及びアルキニルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体、又はそのあらゆる異性体又はその異性体のあらゆる混合物, 又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項2】
Rが水素又はメチルを示す、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Ra
【化3】

(式中、Rb はハロであり、そしてRc はハロである。)
で表わされる基を示す、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項3】
Ra
【化4】

(式中、Rb はアルコキシであり、そしてRc はアルコキシである。)
で表わされる基を示す、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
Ra がナフチルを示す、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項5】
R3が 場合により1種以上のハロによって置換されたフェニルを示す、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項6】
R3が水素, アルキル又はシクロアルキルを示す、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項7】
R が水素又はメチルを示し、Raが 2,3-ジハロフェニル, 2,3-ジメトキシフェニル又はナフチルを示し、そしてR3 が水素, アルキル, シクロアルキル又は場合により1種以上のハロによって置換されたフェニルを示す、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(1-ナフタレンオキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-クロロフェニルチオメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2S,3R)-2-(2,3-ジクロロ-フェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2S,3R)-2-(1-ナフタレンオキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2S,3R)-2-(2,3-クロロフェニルチオメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-メチル-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェニルチオメチル)-8-メチル-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジメトキシフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-フルオロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジフルオロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2-クロロ-3-フルオロフェノキシメチル)-8-メチル-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-エチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-シクロプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-メチル-3-イソプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H -3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-クロロフェニルチオメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2S,3R)-2-(2,3-ジクロロ-フェノキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2S,3R)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2S,3R)-2-(2,3-クロロフェニルチオメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(1-ナフチルオキシメチル)-8-H-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェニルチオメチル)-8-H-3-(n-ブチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジメトキシフェノキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-(3-フルオロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジフルオロフェノキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2-クロロ-3-フルオロフェノキシメチル)-8-H-3-(3-クロロフェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-エチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-シクロプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン;
(2R,3S)-2-(2,3-ジクロロフェノキシメチル)-8-H-3-イソプロピル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン
又はそのあらゆる異性体又はその異性体のあらゆる混合物, 又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
請求項1-8のいずれか1つに記載の化合物又はそのあらゆる異性体又はその異性体のあらゆる混合物, 又はその薬学的に許容し得る塩の治療上有効な量を、少なくとも1種の薬学的に許容し得るキャリヤー、賦形剤又は希釈剤と共に含む薬学的調合物。
【請求項10】
請求項1-8のいずれか1つに記載の化合物, 又はそのあらゆる異性体又はその異性体のあらゆる混合物, 又はその薬学的に許容し得る塩を医薬の製造に使用する方法。
【請求項11】
疾患又は障害又は病態―――この疾患又は障害又は病態は中枢神経系でモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する―――の治療、予防又は緩和用薬学的調合物の製造のために、請求項10記載の使用する方法。
【請求項12】
前記疾患、障害又は病態が、情動障害, うつ病, 非定型うつ病, 大うつ病性障害, 気分変調性障害, 双極性障害, 双極性 I 障害, 双極性 II 障害, 循環病, 全身状態に起因する情動障害、物質誘発性情動障害, 仮性痴呆, ガンザー症候群, 強迫性障害, パニック障害, 広場恐怖症を伴わないパニック障害, 広場恐怖症を伴うパニック障害, パニック障害の病歴のない広場恐怖症, パニック発作, 記憶障害, 記憶喪失, 注意欠陥多動性障害, 肥満, 不安, 全般性不安障害, 摂食障害, パーキンソン病, パーキンソン症候群, 痴呆, 加齢による痴呆, 老人性痴呆, アルツハイマー病, 後天性免疫不全症候群痴呆コンプレックス, 加齢による記憶機能障害, 特異的障害、社会恐怖症, 心的外傷後ストレス障害, 急性ストレス障害, 薬物嗜癖, 薬物乱用, コカイン中毒, ニコチン中毒, タバコ中毒, アルコール嗜癖, アルコール依存症, 痛み、炎症性疼痛, 神経因性疼痛, 偏頭痛, 緊張型頭痛, 慢性緊張型頭痛,うつ病に関連する痛み、線維筋痛症, 関節炎, 変形性関節症, 慢性関節リウマチ, 背痛, 癌性疼痛, 過敏腸性疼痛, 過敏腸症候群, 術後疼痛, 卒中後痛, 薬物に誘発された神経障害, 糖尿病性神経障害, 交感神経依存性疼痛, 三叉神経痛, 歯痛, 顔面筋疼痛, 幻想肢痛, 過食症, 月経前症候群、遅い黄体期症候群, 外傷後症候群, 慢性疲労症候群, 尿失禁, ストレス性尿失禁, 切迫尿失禁, 夜尿, 早漏, 勃起障害, 神経性食欲不振, 睡眠障害, 自閉症, 無言症, トリコチロマニー, 睡眠発作, 脳卒中後うつ病, 脳卒中に誘発された脳損傷, 脳卒中発作に誘発されたニューロン損傷, 又は ジル・ド・ラ・ツレット病である、請求項11記載の使用する方法。
【請求項13】
ヒトを含めた動物生体の疾患又は障害又は病態----------この障害、疾患又は病態は中枢神経系でモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する------------を治療、予防又は緩和する方法であって、この方法が請求項1-8のいずれか1つに記載の化合物、又はそのあらゆる異性体又はその異性体のあらゆる混合物, 又はその薬学的に許容し得る塩の治療上有効な量を、これを必要とするヒトを含めた動物生体に投与する段階を含むことを特徴とする、上記治療、予防又は緩和方法。

【公表番号】特表2006−517567(P2006−517567A)
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502017(P2006−502017)
【出願日】平成16年2月10日(2004.2.10)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050106
【国際公開番号】WO2004/072075
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(591019645)ニューロサーチ、アクティーゼルスカブ (16)
【氏名又は名称原語表記】NEUROSEARCH A/S
【Fターム(参考)】