説明

方向性電磁鋼板の鉄損改善装置および鉄損改善方法

【課題】粉塵の問題を解消し、汚染によるレーザ照射能の低減を未然に防止し、方向性電磁鋼板の鉄損低減を確実に行うことのできる装置および方法について提案する。
【解決手段】仕上げ焼鈍済みの方向性電磁鋼板の表面にレーザーを照射して電磁鋼板の鉄損を減少させるに当り、前記レーザーの照射装置におけるレーザー放射点と前記鋼板上におけるレーザー照射点との距離をL(mm)、前記レーザー放射点と前記レーザー照射点とを結ぶ直線が鉛直方向となす角度をθ(°)とするとき、Lを50以上とし、かつ
L≦100の場合は、60−0.3L≦θ≦60
100<L≦400の場合は、40−0.1L≦θ≦60
400<Lの場合は、θ≦60
となる位置に、前記レーザー放射点を配する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方向性電磁鋼板に磁区細分化を施すことにより鉄損を改善する鉄損改善装置および鉄損改善方法に関する。
【背景技術】
【0002】
方向性電磁鋼板は、主にトランスの鉄心として利用され、その磁化特性が優れていること、特に鉄損が低いことが求められている。
そのためには、鋼板中の二次再結晶粒を、(110)[001]方位(いわゆる、ゴス方位)に高度に揃えることや、製品鋼板中の不純物を低減することが重要である。しかしながら、結晶方位を制御することや、不純物を低減することは、製造コストとの兼ね合い等で限界がある。そこで、鋼板の表面に対して物理的な手法で不均一性(歪)を導入し、磁区の幅を細分化して鉄損を低減する技術、すなわち磁区細分化技術が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、最終製品板にレーザーを照射し、鋼板表層に線状の高転位密度領域を導入し、磁区幅を狭くすることによって、鋼板の鉄損を低減する技術が提案されている。レーザー照射を用いる磁区細分化技術は、その後改良され(特許文献2、特許文献3および特許文献4などを参照)鉄損特性が良好な方向性電磁鋼板が得られるようになってきている。
【0004】
このレーザー照射の際、このレーザー照射によって鋼板表面から発生する粉塵がレーザ照射装置を汚染することが問題になった。そこで、特許文献5では、照射装置の光学制御機器の汚染を防止するために、レーザービームの出口をカバーガラスで保護すると同時に、レーザー照射装置の一方側に気体噴射装置を設けると共に他方側に吸引装置を設けて、粉塵を吸引装置に誘導して吸引除去する技術が提案された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭57−2252号公報
【特許文献2】特開2006−117964号公報
【特許文献3】特開平10−204533号公報
【特許文献4】特開平11−279645号公報
【特許文献5】特開昭58−187290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このガス流れのみをもって粉塵による汚染を防ぐのには限界があり、例えば24時間を超えるような、長時間の連続照射の後には、やはりカバーガラスの清掃が必要になることが課題として残されていた。また、前記の特許文献5の実施例に示される7m3/分という、大きな吸引風量の吸引装置を運転するには、大きな電力が必要になることも問題である。
【0007】
本発明は、上記したガス流を利用した粉塵回収では不十分である、粉塵の問題を解消し、汚染によるレーザー照射能の低減を未然に防止し、方向性電磁鋼板の鉄損低減を確実に行うことのできる装置および方法について提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
さて、仕上げ焼鈍済みの方向性電磁鋼板の表面にレーザービームが照射された際に生じる粉塵は、被膜を含む鋼板表面の蒸発に起因するため、その発生方向は鋼板に対して鉛直方向が最も大きい。従って、鋼板上のレーザー照射点の真上に照射装置(レーザーの放射点)がある場合が最も汚染が激しく、鋼板と照射装置の距離が近いほど汚染されやすい。しかしながら、鋼板上のレーザー照射点の真上から照射装置を退避させた場合にあっても未だ、該照射装置の汚染を完全には防止できないことが判明した。
そこで、方向性電磁鋼板へのレーザー照射時に発生する粉塵の拡散状況を鋭意検討したところ、レーザー照射による鉄損改善効果を損ねることなく、拡散した粉塵の影響を受けない位置を、レーザーの放射点と鋼板上の照射点との距離と、レーザーの照射角度との相関から導き出せることを知見し、本発明を完成するに到った。
【0009】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)仕上げ焼鈍済みの方向性電磁鋼板の表面にレーザーを照射して電磁鋼板の鉄損を減少させる鉄損改善装置であり、前記レーザーの照射装置におけるレーザー放射点と前記鋼板上におけるレーザー照射点との距離をL(mm)、前記レーザー放射点と前記レーザー照射点とを結ぶ直線が鉛直方向となす角度をθ(°)とするとき、Lを50以上とし、かつ
L≦100の場合は、60−0.3L≦θ≦60
100<L≦400の場合は、40−0.1L≦θ≦60
400<Lの場合は、θ≦60
となる位置に、前記レーザー放射点を配することを特徴とする方向性電磁鋼板の鉄損改善装置。
(2)仕上げ焼鈍済みの方向性電磁鋼板の表面にレーザーを照射して電磁鋼板の鉄損を減少させるに当り、前記レーザーの照射装置におけるレーザー放射点と前記鋼板上におけるレーザー照射点との距離をL(mm)、前記レーザー放射点と前記レーザー照射点とを結ぶ直線が鉛直方向となす角度をθ(°)とするとき、Lを50以上とし、かつ
L≦100の場合は、60−0.3L≦θ≦60
100<L≦400の場合は、40−0.1L≦θ≦60
400<Lの場合は、θ≦60
となる位置に、前記レーザー放射点を配することを特徴とする方向性電磁鋼板の鉄損改善方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明に従う位置にレーザー照射装置を退避させてレーザー照射を行うことによって、レーザー照射による鉄損改善効果を損なうことなく、レーザー照射に伴う粉塵の影響を排除することができる。従って、レーザー照射による処理が長時間にわたって安定して行われるため、レーザー照射による低鉄損化を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の鉄損改善装置を示す図である。
【図2】照射装置のカバーガラスの汚染度合いと距離Lおよび角度θとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明では、図1に示すように、仕上げ焼鈍済みの方向性電磁鋼板(以下、単に鋼板という)Sをペイオフリール1から巻き出して、ピンチロール3および支持ロール4を介して、テンションリール2に巻き取る過程において、鋼板Sの表面にレーザーの照射装置5からレーザーを照射し、磁区細分化によって電磁鋼板の鉄損を減少させるに当り、前記照射装置5におけるレーザー放射点7と前記鋼板S上におけるレーザー照射点6との距離をL(mm)、前記レーザー放射点7と前記レーザー照射点6とを結ぶ直線が鉛直方向となす角度をθ(°)とするとき、まずLを50以上とすることが重要である。
すなわち、レーザー照射によって鋼板S表面で発生する粉塵は、大きな初速度で飛散するため、粉塵発生源との距離が50mm未満では、照射方向を変えたとしても照射装置5の汚染を完全に抑制することが困難になる。
【0013】
さらに、角度θを、距離Lとの関係において次のように規制することが肝要である。
すなわち、
L≦100の場合は、60−0.3L≦θ≦60
100<L≦400の場合は、40−0.1L≦θ≦60
400<Lの場合は、θ≦60
となるように、照射装置を距離Lが近いほどレーザー照射点6からの仰角が大きく傾く位置に配することにより、照射装置5の汚染を防止する。
各々の下限角度よりも角度θが小さい場合は、粉塵が照射装置5のレーザー放射点7(一般的には照射装置を保護するカバーガラスとなる)に付着しやすくなり、頻繁な清掃が必要になる。一方、いずれの場合も、角度θが60°を超えると照射点6のビーム形状は楕円状に引き伸ばされ、レーザー照射による歪導入領域が過大になって鉄損が劣化しやすくなるため、θは60°以下とする。
【0014】
なお、Lの上限はレーザーの集光が可能ならば制限はなく、距離が大きいほど汚染に対しては有利であり、400mmを超える距離ならば照射点の鉛直方向にあっても粉塵(照射装置が照射点の真下にあって粉塵が照射点に落下する場合を除く)汚染の問題は生じない。
【0015】
レーザーは、鋼板の圧延方向に略直交する方向に延びる線状に照射するために、照射装置1台について一ヶ所のレーザー放射点から光学的制御で鋼板上の照射点を走査するのが、一般的である。従って、θは照射点の移動に伴って変動するが、1台の発信器による全ての照射点で上記の条件を満たすようにすればよい。
【0016】
ここで、鋼板Sを水平方向に通板する際、図1に示したように、鋼板下側を支持ロール4で支えるのが一般的である。かように、図1の例では鋼板が水平な状態でレーザーを照射しているが、通板方向は水平方向に対して傾きを持っていても構わない。すなわち、粉塵の飛散は鋼板の状態に関わらずに鉛直方向が最も多くなるため、通板方向が水平方向に対して傾いていた場合でも、照射装置のレーザー放射点と鋼板上の照射点とを結ぶ直線と鋼板上の照射点の鉛直方向とがなす角度を本発明範囲内にすれば、汚染は確実に防止されるのである。
【0017】
前記距離Lを大きくすることは、粉塵の汚染を防止し、広範囲の安定的な照射を実現するのに有効である。そのため、レーザー発振はシングルモードとする方が集光特性上有利である。
【0018】
さらに、粉塵防止のために気体の吹き付けや吸引、あるいはエアカーテンのようなガス流を制御する装置を併用してもよい。
【0019】
本発明における鉄損改善の対象となる方向性電磁鋼板は、従来公知の方向性電磁鋼板であれば、いずれでも構わないが、仕上げ焼鈍と張力被膜の形成後である必要がある。方向性電磁鋼板の特徴であるゴス方位の二次再結晶を成長させるための仕上焼鈍、および張力絶縁被膜の形成と張力効果の発現のためには、いずれも高温での熱処理が必要である。しかし、このような高温処理は鋼板に導入された歪みを除去または減少させるため、本発明の磁区細分化処理前に実施する必要がある。
また、磁区細分化処理を施した方向性電磁鋼板の鉄損は、二次再結晶の方位集積が高い方がより小さいことが知られている。この方位集積の目安として、B(800A/mで磁化した際の磁束密度)がよく用いられるが、本発明に用いる方向性電磁鋼板はBが1.88T以上、より好ましくは1.92T以上のものが好適である。
【0020】
電磁鋼板の表面に形成された張力絶縁被膜は、従来公知の張力絶縁被膜で構わないが、リン酸アルミニウムまたはリン酸マグネシウムとシリカを主成分とするガラス質の張力絶縁被膜であることが好ましい。
【0021】
また、熱歪みを導入する手段は、YAGレーザ、CO2レーザ、ファイバーレーザ等のパルス発振、または連続発振での照射等、公知の方法を取ることができる。本発明は、Qスイッチパルス型レーザのような高ピーク出力のために被膜が瞬間的に蒸発して粉塵が発生するような場合に特に有用である。熱歪みは、圧延方向に対して90°から60°をなす方向、特に圧延方向に直交する方向に線状に導入するが、連続線状、または点線状のいずれでもよい。この線状の歪み導入領域は、圧延方向に2mm以上20mm以下の間隔で反復して形成する。鋼板に付与される塑性歪の深さは、5〜40μm程度とするのが好適である。
本発明の好適な照射条件の例は、Qスイッチパルス型YAGレーザの出力を1パルス当たり4mJとし、焦点径0.3mmに集光し、圧延方向に直交する方向に点線状に0.4mm間隔で照射したラインを圧延方向に5mm間隔で繰り返すものである。
【0022】
上述のとおり、本発明の方法では、二次再結晶焼鈍後に張力絶縁被膜を形成した方向性電磁鋼板に施す歪導入処理に特徴があり、従って、素材については方向性電磁鋼板の一般に従えばよい。例えば、Si:2.0〜8.0質量%を含む電磁鋼素材を用いればよい。
Si:2.0〜8.0質量%
Siは、鋼の電気抵抗を高め、鉄損を改善するのに有効な元素であるが、含有量が2.0質量%に満たないと十分な鉄損低減効果が達成できず、一方、8.0質量%を超えると加工性が著しく低下し、また磁束密度も低下するため、Si量は2.0〜8.0質量%の範囲とすることが好ましい。
【0023】
ここで、Siの他の基本成分および任意添加成分について述べると次のとおりである。
C:0.08質量%以下
Cは、熱延板組織の改善のために添加をするが、0.08質量%を超えると製造工程中に磁気時効の起こらない50質量ppm以下までCを低減することが困難になるため、0.08質量%以下とすることが好ましい。なお、下限に関しては、Cを含まない素材でも二次再結晶が可能であるので特に設ける必要はない。
【0024】
Mn:0.005〜1.0質量%
Mnは、熱間加工性を良好にする上で必要な元素であるが、含有量が0.005質量%未満ではその添加効果に乏しく、一方1.0質量%を超えると製品板の磁束密度が低下するため、Mn量は0.005〜1.0質量%の範囲とすることが好ましい。
【0025】
ここで、二次再結晶を生じさせるために、インヒビターを利用する場合、例えばAlN系インヒビターを利用する場合であればAlおよびNを、またMnS・MnSe系インヒビターを利用する場合であればMnとSeおよび/またはSを適量含有させればよい。勿論、両インヒビターを併用してもよい。この場合におけるAl、N、SおよびSeの好適含有量はそれぞれ、Al:0.01〜0.065質量%、N:0.005〜0.012質量%、S:0.005〜0.03質量%、Se:0.005〜0.03質量%である。
さらに、本発明は、Al、N、S、Seの含有量を制限した、インヒビターを使用しない方向性電磁鋼板にも適用することができる。
この場合には、Al、N、SおよびSe量はそれぞれ、Al:100 質量ppm以下、N:50 質量ppm以下、S:50 質量ppm以下、Se:50 質量ppm以下に抑制することが好ましい。
【0026】
上記の基本成分以外に、磁気特性改善成分として、次に述べる元素を適宜含有させることができる。
Ni:0.03〜1.50質量%、Sn:0.01〜1.50質量%、Sb:0.005〜1.50質量%、Cu:0.03〜3.0質量%、P:0.03〜0.50質量%、Mo:0.005〜0.10質量%およびCr:0.03〜1.50質量%のうちから選んだ少なくとも1種
Niは、熱延板組織を改善して磁気特性を向上させるために有用な元素である。しかしながら、含有量が0.03質量%未満では磁気特性の向上効果が小さく、一方1.5質量%を超えると二次再結晶が不安定になり磁気特性が劣化する。そのため、Ni量は0.03〜1.5質量%の範囲とするのが好ましい。
【0027】
また、Sn、Sb、Cu、P、CrおよびMoはそれぞれ磁気特性の向上に有用な元素であるが、いずれも上記した各成分の下限に満たないと、磁気特性の向上効果が小さく、一方、上記した各成分の上限量を超えると、二次再結晶粒の発達が阻害されるため、それぞれ上記の範囲で含有させることが好ましい。
なお、上記成分以外の残部は、製造工程において混入する不可避的不純物およびFeである。
【実施例】
【0028】
仕上焼鈍後、張力絶縁被膜を塗布・焼付した、板厚が0.23mmの方向性電磁鋼板のコイルを連続的に送りながらレーザーを連続的に照射する鉄損改善装置において、距離Lと角度θが照射装置の汚染に及ぼす影響について調査した。この鉄損改善装置の概要は、図1に示したとおりである。なお、方向性電磁鋼板は、3.4質量%のSiを含有し、800A/mでの磁束密度(B)が1.93Tおよび1.7T、50Hzでの鉄損(W17/50)が0.90W/kgと、一般的な高配向性の方向性電磁鋼板であり、張力絶縁被膜はフォルステライト被膜の上に形成されたコロイド状シリカ、リン酸マグネシウム、クロム酸からなる薬液を840℃で焼き付けた、一般的な張力絶縁被膜である。
【0029】
レーザー発信器はQスイッチパルス型YAGレーザー、出力は1パルス当たり4mJ、ビーム径は0.3mm、パルス繰り返し周波数25kHzで、ガルバノスキャナによって圧延方向と直交する方向に幅120mmの点線を5mm間隔で描くように照射した。この際、照射点の被膜は蒸発して剥離した。このレーザー照射を連続4日間行った後、照射装置のカバーガラスの汚染度合いを調査した。そして、レーザー光の透過率が90%以上を良好、90%未満を不良として判定した。この結果を図2に示すように、本発明に従う距離Lおよび角度θの下では、良好な汚染抑制が可能であった。
【0030】
また、処理後の鉄損W17/50の平均値は、本発明の範囲内では連続処理の開始時点で0.75W/kg、連続4日照射の後でも0.75W/kgと変わらなかったのに対して、本発明の範囲外となる比較例では、連続処理の開始時点では0.75W/kgであったが、連続4日照射の後では0.80W/kg以上に劣化していた。処理後の素材の調査より、鉄損劣化の原因はレーザーの照射エネルギーが低下したためと判明した。ちなみに、照射装置のカバーガラスを清掃し、再度照射のテストを行ったところ、処理後の鉄損は0.75W/kgに回復した。
【符号の説明】
【0031】
S 鋼板
1 ペイオフリール
2 テンションリール
3 ピンチロール
4 支持ロール
5 照射装置
6 レーザー照射点
7 レーザー放射点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕上げ焼鈍済みの方向性電磁鋼板の表面にレーザーを照射して電磁鋼板の鉄損を減少させる鉄損改善装置であり、前記レーザーの照射装置におけるレーザー放射点と前記鋼板上におけるレーザー照射点との距離をL(mm)、前記レーザー放射点と前記レーザー照射点とを結ぶ直線が鉛直方向となす角度をθ(°)とするとき、Lを50以上とし、かつ
L≦100の場合は、60−0.3L≦θ≦60
100<L≦400の場合は、40−0.1L≦θ≦60
400<Lの場合は、θ≦60
となる位置に、前記レーザー放射点を配することを特徴とする方向性電磁鋼板の鉄損改善装置。
【請求項2】
仕上げ焼鈍済みの方向性電磁鋼板の表面にレーザーを照射して電磁鋼板の鉄損を減少させるに当り、前記レーザーの照射装置におけるレーザー放射点と前記鋼板上におけるレーザー照射点との距離をL(mm)、前記レーザー放射点と前記レーザー照射点とを結ぶ直線が鉛直方向となす角度をθ(°)とするとき、Lを50以上とし、かつ
L≦100の場合は、60−0.3L≦θ≦60
100<L≦400の場合は、40−0.1L≦θ≦60
400<Lの場合は、θ≦60
となる位置に、前記レーザー放射点を配することを特徴とする方向性電磁鋼板の鉄損改善方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−12661(P2012−12661A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150173(P2010−150173)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】