説明

方杖型接合要素

【課題】方杖型接合要素及び横座屈防止材を角形鋼管の柱材2に特殊なワンサイドボルトによらずに一般的な両側施工のボルトで取付可能にする。
【解決手段】鋼管製の柱材2の側部に鋼製の梁材3を取り付ける柱梁接合構造であって、
梁材3の端部を、梁材3に作用する主に軸力とせん断力とに対して抵抗する梁端接合要素4で柱材2に接合する。梁材3の下フランジ3aに上端部をボルトにより固定した方杖型接合要素15の下端部を、柱材2の補剛された補剛部16に設けた第1の受け材17に接合する。さらに、梁材3の下部フランジ3aに上端部を固定した横座屈防止材31の下端部を、前記第1の受け材17より高い位置で設け、柱材2に第2の受け材18aに接合する。柱材2が鋼管でも、殊なワンサイドボルトによらずに一般的な両側施工のボルトで取付可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鋼構造建築物等の鋼構造物を構築する際に、角形鋼管などの鋼管からなる柱材の側部にH形綱、I形綱、C形綱等の鋼製の梁材を取り付ける柱梁接合構造であって、損傷制御性を向上させた柱梁接合構造に関し、特に、梁材の横座屈(梁軸と直角水平方向の力によるねじれ)の防止を図った柱梁接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼構造建築物を構築する場合、鋼製の柱材の梁接合部にダイアフラムを設け、このダイアフラム部分に鋼製の梁材を溶接接合する柱梁接合構造が広く採用されている。
このダイアフラム方式の柱梁接合構造は、耐震性に優れた鋼構造物を構築するために有効であるが、溶接接合によるこの種の柱梁接合部は、大地震時には一定量までの塑性変形は許容しつつ耐力を確保するように設計されているので、被災時の補修が困難で多大の補修費用が必要となる。
【0003】
このような課題を改善するものとして、柱梁接合部に方杖型接合要素を設けて、大地震時には骨組損傷制御により被害を接合要素の範囲に止め、接合要素の交換のみの補修で済む柱梁接合構造が開発され特許登録されている(特許文献1:特許第3629638号)。
この柱梁接合構造は、柱材の端部を設計上ピン仮定方式(梁に作用する軸力+剪断力に対して主に抵抗する接合要素により接合する方式)にて柱材側にボルト接合するとともに、梁端から所定距離離れた箇所と柱材の梁下端面より下位の箇所とを方杖型接合要素(主に軸力が作用する方杖状の接合要素であって、制振機構を有する接合要素)で連結した構造である。
【0004】
また、上記特許文献1の柱梁接合構造では、柱と梁の接合要素(軸力+せん断力抵抗接合要素)が設計上ピン接合であり、地震時や強風時に梁に作用する梁軸直角方向水平力に対する抵抗力(横座屈抵抗力(ないしねじれ抵抗力))が不足することから、この横座屈抵抗力の問題を解決する技術として、特許文献2(特許第3678709号「柱と梁の接合構造」)がある。
【0005】
特許文献2は、梁端部の下フランジを横座屈防止部材(主に梁のねじれに対して抵抗し梁軸方向の動きは許容するねじれ抵抗接合要素)で柱と接合するというものであり、この横座屈防止部材により、梁の横座屈を防止する。
この特許文献2では、柱材として種々の断面形状が想定される旨の記載(段落番号[0001])を一応しているが、実施例ではH形鋼の場合のみである。角形鋼管からなる柱材は、従来例としてのスプリットティー接合方式の柱梁接合構造としてのみ記載している(図17)。なお、実施例では、スプリットティーを角形鋼管である柱材に接合する手段としてワンサイドボルトを用いている。
【0006】
なお、特許文献1では、殆んどがH形鋼の柱材である実施例のなかで、角形鋼管による柱材の場合も記載(図8、図9)している。すなわち、方杖型接合要素(つなぎ材23、24)の下端部を角形鋼管である柱材25に接合している。この場合の接合手段も、やはりワンサイドボルト5を用いるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3629638号
【特許文献2】特許第3678709号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
柱材が開放断面であるH形鋼であれば、方杖型接合要素の下端部、あるいは横座屈防止材の下端部を通常のボルト(片側施工のワンサイドボルトでなく、ナットを螺合させ両側から操作する両側施工のボルト)で柱材に接合する構造を容易に採用できる。
しかし、角形鋼管を柱として使用する場合は、閉鎖断面であるため通常の両側施工のボルトでは締め付けができず、上記の通り、片側から固定可能な特殊ボルトであるワンサイドボルトを使用しての固定となる。しかし、ワンサイドボルトは特殊なため、通常の両側施工のボルトに対して価格が高い。
また、ワンサイドボルトを用いる場合は、締め付けるための専用工具が必要となり、ワンサイドボルトの種類により必要な工具の種類も異なるため、不便かつ煩雑であり、作業性を低下させる。
また、柱にボルトを用いて直接固定する場合は、柱にボルト孔を設けるため断面欠損箇所が増えるので、その断面欠損により柱の断面の有効活用の点で不利な設計となり、経済設計の面から不利である。
【0009】
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので、柱材が鋼管である場合に、方杖型接合要素あるいは横座屈防止材を柱材に接合する手段として、特殊なワンサイドボルトによらずに一般的な両側施工のボルトを使用することが可能な柱梁接合構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する請求項1の発明は、鋼管からなる柱材の側部に鋼製の梁材を取り付ける柱梁接合構造であって、
梁材の端部を、梁材に作用する主に軸力とせん断力に対して抵抗する梁端接合要素で柱材に接合し、柱材の梁端接合要素より下方に補剛部が設けられ、
前記補剛部は、第1の受け材と該第1の受け材より上位にある第2の受け材を備えており、
梁材の下フランジにおける梁端から離れた箇所に方杖型接合要素の上端部が取り付けられるとともに、該方杖型接合要素の下端部が第1の受け材に取り付けられており、
前記梁材の下フランジにおける梁材端部近傍には横座屈防止材の上端部が取り付けられるとともに、該横座屈防止材の下端部が第2の受け材に取り付けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項2は、請求項1の柱梁接合構造において、柱材の前記補剛部は、柱材の上下2箇所に設けた外ダイアフラム、又は、内ダイアフラム、又は通しダイアフラム、又は鉛直スチフナで補剛した柱梁接合部であることを特徴とする。
【0012】
請求項3は、請求項1の柱梁接合構造において、柱材の前記補剛部は、柱材の上下2箇所に設けた外ダイアフラムであり、前記第1の受け材は、前記上下の外ダイアフラム間に渡して固定した鉛直リブ状部材であることを特徴とする。
【0013】
請求項4は、請求項1の柱梁接合構造において、柱材の前記補剛部は、柱材の上下2箇所に設けた内ダイアフラムであり、前記第1の受け材は、柱材における前記上下の内ダイアフラム位置の側面に溶接固定した水平板と前記上下の水平板間に渡して固定した鉛直リブ状部材とからなることを特徴とする。
【0014】
請求項5は、請求項1の柱梁接合構造において、柱材の前記補剛部は、柱材の上下2箇所に設けた通しダイアフラムであり、前記第1の受け材は、柱材における前記上下の通しダイアフラムにそれぞれ溶接固定した水平板と前記上下の水平板間に渡して固定した鉛直リブ状部材とからなることを特徴とする請求項1記載の柱梁接合構造。
【0015】
請求項6は、請求項1の柱梁接合構造において、柱材の前記補剛部は、柱材の内部を鉛直スチフナで補剛した柱梁接合部であり、前記第1の受け材は、柱材における前記鉛直スチフナで補剛した柱梁接合部の上部及び下部位置の側面にそれぞれ溶接固定した水平板と前記上下の水平板間に渡して固定した鉛直リブ状部材とからなることを特徴とする。
【0016】
請求項7は、請求項1の柱梁接合構造において、柱材の前記補剛部は、柱の一部として柱材の途中に介在溶接固定された、柱材と概ね同径で柱材の板厚より板厚が厚い短尺の厚肉鋼管であり、
前記第1の受け材は、前記厚肉鋼管の上下2箇所の側面に溶接固定した水平板と前記上下の水平板間に渡して固定した鉛直リブ状部材とからなることを特徴とする。
【0017】
請求項8は、請求項1の柱梁接合構造において、前記横座屈防止材は、折曲鋼板であり、上端側に梁の下フランジに面接触する水平板部を有し、下端側に水平板状の第2の受け材に面接触する水平板部を有することを特徴とする。
【0018】
請求項9は、請求項8の柱梁接合構造において、横座屈防止材がZ形断面部材であることを特徴とする。
【0019】
請求項10は、請求項8の柱梁接合構造において、前記横座屈防止材が、ウエブを柱材側面に面して配置する溝形断面部材であることを特徴とする。
【0020】
請求項11は、請求項1〜10のいずれか1項の柱梁接合構造において、前記方杖型接合要素は、当該方杖型接合要素に作用する軸力に対して抵抗する鉛直板部と前記鉛直板部の上端に一体に設けた、梁材の下フランジに接合するための水平板部とからなる本体部と、前記本体部の鉛直板部に作用する軸力で鉛直板部が横座屈するのを防止するが鉛直板部に作用する軸力は負担しないように本体部に取り付けた接合要素座屈防止部材とからなることを特徴とする。
【0021】
請求項12は、請求項11の柱梁接合構造において、前記方杖型接合要素の本体部の鉛直板部が、その中間部の板幅が狭い形状であり、接合要素座屈防止部材は、鉛直板部の前記中間部の幅狭の部分を囲む矩形筒断面形状をなしていることを特徴とする。
【0022】
請求項13は、請求項1の柱梁接合構造において、方杖型接合要素が請求項11における方杖型接合要素であり、かつ、第1の受け材が請求項3〜7における第1の受け材である場合に、方杖型接合要素の本体部の鉛直面部の下端と鉛直リブ状の第1の受け材の先端とを対向させるとともに、その対向部の近傍に両面からそれぞれ添板を添わせ、添板と鉛直板部及び鉛直リブとをそれぞれボルトで接合したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、方杖型接合要素及び横座屈防止材を、閉鎖断面の鋼管である柱材に直接ではなく、柱材の補剛部に設けた第1の受け材又は第2の受け材に接合するので、片側から接合可能な特殊なワンサイドボルトを使用する必要がなく、一般的な両側施工のボルトで接合することができる。
特殊なワンサイドボルトが不要であり、一般的な工具で施工可能なので、不便さはなく作業性も良好である。
また、柱材に直接接合するものではないので、柱材にボルト孔を設ける必要がなく、したがって、ボルト孔による断面欠損箇所がなくなるので、柱材の断面を有効に活用でき、経済的な設計の柱とすることができる。
【0024】
柱材側に方杖型接合要素の下端部を接合する第1の受け材を設ける構造として、請求項2のように、柱材の上下2箇所に設けた外ダイアフラム、又は、内ダイアフラム、又は通りダイアフラム、又は鉛直スチフナでにより、柱材の補剛部を構成すると、方杖型接合要素及び横座屈防止材の2つを容易に柱材側に接合することができ、方杖型接合要素及び横座屈防止材の両者を柱材側に接合する構造として極めて適切である。
【0025】
請求項3のように上下の外ダイアフラム間に、あるいは請求項4〜7のように上下の水平板間に渡して固定した鉛直リブ状の第1の受け材は、これに方杖型接合要素の下端部を接合することが容易であり、かつ、方杖型接合要素に作用する軸力を柱材側に無理なく伝達させることができ、方杖型接合要素の下端部を接合する第1の受け材として、極めて適切な構造である。
【0026】
請求項8のような形状の横座屈防止材は、梁軸直角水平方向に作用する力に対する剛性が高いので、梁材の横座屈を防止する部材として、有効に機能する。
【0027】
梁材の端部が柱材の側面から離間している場合に、請求項9のようなZ形断面形状の横座屈防止材は、梁軸直角水平方向に高い剛性を有するととももに、梁軸方向には容易に変形できるので、梁のねじれに対して有効に抵抗するが梁軸方向の動きは許容する。したがって、梁材3の横座屈を有効に防止できる。
梁材の端部を柱材の側面に近接させた場合に、請求項10のように、ウエブを柱材側面に向けた溝形断面の横座屈防止材は、梁材3と第2の受け材とを概ね垂直に連結して梁軸長手方向に長さをあまり持たないので、梁のねじれに対する大きな拘束力を発揮できる。
【0028】
請求項11のように、軸力に対して抵抗する鉛直板部を有する本体部と、前記鉛直板部が横座屈するのを防止するが鉛直板部に作用する軸力は負担しない接合要素座屈防止部材とからなる方杖型接合要素は、前記接合要素座屈防止部材が方杖型接合要素の横座屈を有効に防止するので、梁材の下フランジから方杖型接合要素を介して柱材に軸力を伝達する構造として、軸力を効率的に柱材に伝達することができる構造(すなわち、一定量までの塑性変形を許容しつつ耐力を確保する構造)である。
【0029】
方杖型接合要素の下端部を柱材に接合する構造を請求項12のような構造とすれば、方杖型接合要素の横座屈を効率よく防止できる。
【0030】
方杖型接合要素と柱材との接合構造として、請求項13の柱梁接合構造のように、方杖型接合要素の本体部の鉛直面部の下端と鉛直リブ状の第1の受け材の先端とを対向させるとともに、その対向部の近傍に両面からそれぞれ添板を添わせ、添板と鉛直板部及び第1の受け材とをそれぞれボルトで接合した構造は、方杖型接合要素に作用する軸力を柱材に効率的に伝達できる構造(すなわち、一定量までの塑性変形を許容しつつ耐力を確保する構造)である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施例の柱梁接合構造を示すもので、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)における要部のA−A矢視平面図である。
【図2】図1(イ)で各部材を分解して示した図である。
【図3】図1における方杖型接合要素の近傍を、方杖型接合要素に被せた接合要素座屈防止部材を除いて示した図である。
【図4】図1における拡大したB−B切断端面図である。
【図5】図1における要部の拡大したC−C断面図である。
【図6】図3における要部の拡大したD−D断面図である。
【図7】(イ)は図1における横座屈防止材の部分の拡大図、(ロ)は横座屈防止材の斜視図である。
【図8】図1における拡大したE−E断面図である。
【図9】図1における要部の拡大したF−F矢視平面図である。
【図10】本発明の他の実施例を示すもので、(イ)は柱材の補剛部材として内ダイアフラムを用いた場合の柱梁接合構造の正面図、(ロ)は(イ)における要部のG−G矢視平面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施例を示すもので、(イ)は柱材の補剛部材として通しダイアフラムを用いた場合の柱梁接合構造の正面図、(ロ)は(イ)における要部のH−H矢視平面図である。である。
【図12】本発明のさらに他の実施例を示すもので、(イ)は柱材の補剛部材として鉛直スチフナを用いた場合の柱梁接合構造の正面図、(ロ)は(イ)における要部のI−I矢視平面図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例を示すもので、(イ)は柱材の補剛構造として厚肉鋼管を用いた場合の柱梁接合構造の正面図、(ロ)は(イ)における要部のJ−J矢視平面図である。である。。
【図14】図1の実施例において、横座屈防止材としてZ形断面部材に代えて溝形断面部材を用いる場合の柱梁接合構造の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を実施した柱梁接合構造について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0033】
図1は本発明の一実施例の柱梁接合構造1Aを示すもので、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)における要部のA−A矢視平面図、図2は図1(イ)で各部材を分解して示した図である。図3は図1における方杖型接合要素の近傍を、方杖型接合要素に被せた接合要素座屈防止部材を除いて示した図、図4は図1における拡大したB−B切断端面図、図5は図1における要部の拡大したC−C断面図、図6は図3における要部の拡大したD−D断面図である。
この柱梁接合構造1Aは、鋼管からなる柱材2の側部に鋼製の梁材3を取り付ける柱梁接合構造である。この実施例では、柱材2として角形鋼管を用い、梁材3としてH形鋼を用いている。
【0034】
梁材3の端部は、梁材3に作用する主に軸力とせん断力とに対して抵抗する梁端接合要素(その接合部をピン接合とみなして設計される接合要素(いわゆる設計上ピン仮定方式の接合要素))4で柱材に接合されている。
【0035】
前記梁端接合要素4は、図8、図9にも詳細を示すように、柱材2の側面に、梁接合用の補剛材としての外ダイアフラム7及びこの外ダイアフラム7の下面に直角に溶接固定した補強リブ8を溶接固定し、外ダイアフラム7の先端と梁材3の上フランジ3bの端部との対向部を上下の添板9、10で挟んでボルト11とこれに螺合するナットとで接合し、前記補強リブ8の先端と梁材3のウエブ3cの端部との対向部を両側から添板12で挟んでボルト13とこれに螺合するナットとで接合してなる構成である。
なお、以下では、「ボルトとナットとで接合する」ことを、単に「ボルトで接合する」と略す。また、本発明の柱梁接合構造で用いる各ボルトは、特に明記しないがいずれも、通常の柱梁接合構造と同様に、基本的に高力ボルトである。
【0036】
また、梁材3の下フランジ3aにおける梁端から離れた箇所に上端部を取り付けた方杖型接合要素15の下端部を、柱材2の補剛部16に設けた第1の受け材17に接合している。
前記「柱材2の補剛部16」とは、角形鋼管である柱材2の面外変形を防ぐために補剛材を設けた部分を指し、この実施例では、柱材2の外面に溶接固定した補剛材としての上下2つの外ダイアフラム18、19で補剛された部分を指す。
すなわち、この実施例では、方杖型接合要素15の下端部を接合するための第1の受け材を柱材2側に設けるために柱材2を補剛する構造として、柱材2の上下2箇所に補剛材としての外ダイアフラム18、19を設けている。外ダイアフラム18、19は角形鋼管である柱材2の外面に溶接固定されている。
そして、前記第1の受け材17は、上下2つの外ダイアフラム18、19間に溶接固定した鉛直リブ状部材である。
実施例の柱材(角形鋼管)2のサイズは□12×400×400(単位mm)、梁材(H形鋼)3のサイズはH600×200×12×9(単位mm)である。
また、上記の方杖型接合要素15の梁材3への取付位置(方杖型接合要素15の鉛直板部21の幅方向中心線上の位置)から柱材2の側面までの距離Lは1000mmである。
方杖型接合要素15の柱材2側の第1の受け材17への取付位置(方杖型接合要素15の鉛直板部21の幅方向中心線上の位置)から梁材3の下フランジ3bの下面までの距離Mは600mmである。
本発明における梁端接合要素4は、基本的には梁材3に作用する主に軸力とせん断力とに対して抵抗する梁端接合要素(設計上ピン仮定方式の接合要素)である。
【0037】
前記方杖型接合要素15は、図1〜図5に示すように、当該方杖型接合要素15に作用する軸力に対して抵抗する本体部21と、この本体部21に作用する軸力を負担しないように本体部長手方向に移動可能に被せた矩形筒断面の接合要素座屈防止部材22とからなっている。
前記本体部21は、図2、図3にも示すように、当該本体部21に作用する軸力に抵抗する鉛直板部21aの上端に、梁材3の下フランジ3aに接合するための水平板部21bを設けた構成であり、下端部に前記第1の受け材17に接合するためのボルト孔21cを有し、上端部に、梁材3の下フランジ3aにボルト接合するためのボルト孔21dを有している。
少なくとも前記本体部21は鋼製であり、方杖型接合要素15は、鋼である本体部21の鉛直板部21aが持つ吸収エネルギー作用により制振機能、すなわち方杖型接合要素としての機能を果たすことができる。
前記接合要素座屈防止部材22は、図2、図4、図5に示すように、本体部21の鉛直板部21aの左右両側に配される側板22aと、鉛直板部21aの上下で左右の側板22a間に挟まれた間隔材22bとを有し、前記側板22a及び間隔材22bにあけた孔22c、22dを貫通するボルト71で締め付けて両側の側板22aと間隔材22bとを固定した構成であり、鉛直板部21aを囲む矩形筒状をなしている。
この接合要素座屈防止部材22は、本体部21の鉛直面部21aに作用する軸力で鉛直面部21aが座屈しないように鉛直面部21aを両側から拘束する作用をする。
【0038】
前記方杖型接合要素15の本体部21の水平板部21bは、図2、図3、図5に示すように、ボルト72で梁材3の下フランジ3aの下面に固定されている。
【0039】
柱材2の補剛部16に設けた第1の受け材17は、前記の通り、上下の外ダイアフラム18、19間に渡し溶接固定した鉛直リブ状部材であり、図6にも示すように、方杖型接合要素15の本体部21の鉛直面部21aの下端を前記鉛直リブ状の第1の受け材17の先端に対向させ、その対向部の近傍に両面からそれぞれ添板30を添わせ、繋ぎ30と鉛直板部21a及び第1の受け材17とをそれぞれボルト73で接合している。
【0040】
本発明では、耐震性向上のために、方杖型接合要素15に加えて、梁材2に作用する梁軸と直角水平方向の力に抵抗する横座屈防止材31を設けている。本発明における横座屈防止材31は、図7(イ)にも示すように、その上端部31aを梁材3の下フランジ3aにおける梁材端部に取り付け、下端部31bを、柱材2の前記補剛部16に設けた、前記第1の受け材17より上位にある第2の受け材18aに接合する。この実施例では第2の受け材18aとして、上側のダイアフラム18の先端部を利用している。
実施例の横座屈防止材31は、図7(イ)にも示すように鋼板をZ形に折曲してなるZ形断面の部材であり、上端部31a及び下端部31bにそれぞれボルト挿通孔31cをあけている。そして、上端部31aは梁材3の下フランジ3aにボルト74で接合し、下端部31bは前記上側のダイアフラム18の先端部にボルト75で接合している。
【0041】
上記の横座屈防止材31は、Z形断面形状であり、梁軸直角水平方向に高い剛性を有するととももに、梁軸方向には容易に変形できるので、梁材のねじれに対して有効に抵抗するが梁軸方向の動きは許容する。したがって、梁材3が水平方向にねじれる横座屈を有効に防止できる。
【0042】
上記の柱梁接合構造では、方杖型接合要素15及び横座屈防止材31の下端部は、閉鎖断面の角形鋼管である柱材2に直接ではなく、柱材2の上下の外ダイアフラム18、19で補剛部16に設けた鉛直リブ状の第1の受け材17又は水平板状の第2の受け材18aに接合するので、片側からのみ接合可能な特殊なワンサイドボルトを使用する必要がなく、一般的な両側施工のボルトで接合することができる。
特殊なワンサイドボルトが不要であり、一般的な工具で施工可能なので、不便さはなく作業性も良好である。
また、柱材2に直接接合するものではないので、柱材2にボルト孔を設ける必要がなく、したがって、ボルト孔による断面欠損箇所がなくなるので、柱材2の断面を有効に活用でき、経済的な設計の柱とすることができる。
また、柱材側に方杖型接合要素の下端部を接合する第1の受け材を設ける構造として、この実施例のように上下2つのダイアフラム18、19により柱材の補剛部16を構成すると、方杖型接合要素15及び横座屈防止材31の2つを容易に柱材側に接合することができ、方杖型接合要素及び横座屈防止材の両者を柱材側に接合する構造として極めて適切である。
また、柱材2側の鉛直リブ状の第1の受け材17に方杖型接合要素の下端部を接合することは、構造的に容易であり、かつ、方杖型接合要素15に作用する軸力を柱材2側に無理なく伝達させることができる構造であり、方杖型接合要素の下端部を接合する第1の受け材として、極めて適切な構造である。
【実施例2】
【0043】
図10に柱梁接合構造の他の実施例を示す。
この柱梁接合構造1Bは、方杖型接合要素15の下端部を接合するための第1の受け材27を柱材2側に設けるために柱材2を補剛する構造として、柱材2の上下2箇所に内ダイアフラム28、29を設けたものである。第1の受け材27が接合される柱材2の補剛された側面部を26で示す。
方杖型接合要素15の下端部を接合するための第1の受け材27は、上下の内ダイアフラム28、29の位置の外面に溶接固定された上下2つの水平板27a、27bと両水平板27a、27b間に渡して溶接固定されかつ柱材2の側面に溶接固定された鉛直リブ状部材27cとからなる。
内ダイアフラム28、29は角形鋼管である柱材2の内面に溶接固定されている。
そして、方杖型接合要素15の本体部21の鉛直面部21aの下端を第1の受け材27の鉛直リブ状部材27cの先端に対向させ、その対向部の近傍に両面からそれぞれ添板30を添わせ、添板30と鉛直板部21a及び第1の受け材27の鉛直リブ状部材27cとをそれぞれボルト73で接合している。
なお、この実施例では、横座屈防止材31の下端部を接合する第2の受け材として、前記第1の受け材27の上部の水平板27aが利用される(第2の受け材27a)。
その他の構成は、実施例1と同様であり、詳細説明は省略する。
【実施例3】
【0044】
図11に柱梁接合構造のさらに他の実施例を示す。
この柱梁接合構造1Cは、方杖型接合要素15の下端部を接合するための第1の受け材37を柱材2側に設けるために柱材2を補剛する構造として、柱材2の上下2箇所に通しダイアフラム38、39を設けたものである。第1の受け材37が接合される柱材2の補剛された側面部を36で示す。
通しダイアフラム38、39は、切断した柱材2間に介挿され溶接固定されて柱材2を補剛している。図11(ロ)は上側の通しダイアフラム38の上面に溶接固定される柱材2を省略して示した柱材2部分の平面図(図11(イ)における要部のH−H矢視平面図)である。
方杖型接合要素15の下端部を接合するための第1の受け材37は、上下の通しダイアフラム38、39にそれぞれ溶接固定した上下2つの水平板37a、37bと両水平板37a、37b間に渡して溶接固定した鉛直リブ状部材37cとからなる。
そして、方杖型接合要素15の本体部21の鉛直面部21aの下端を第1の受け材37の鉛直リブ状部材37cの先端に対向させ、その対向部の近傍に両面からそれぞれ添板30を添わせ、添板30と鉛直板部21a及び第1の受け材37の鉛直リブ状部材37cとをそれぞれボルト73で接合している。
なお、この実施例では、横座屈防止材31の下端部を接合する第2の受け材として、前記第1の受け材37の上部の水平板37aが利用される(第2の受け材37a)。
その他の構成は、実施例1と同様であり、詳細説明は省略する。
【実施例4】
【0045】
図12に柱梁接合構造のさらに他の実施例を示す。
この柱梁接合構造1Dは、方杖型接合要素15の下端部を接合するための第1の受け材27を柱材2側に設けるために柱材2を補剛する構造として、柱材2の内部に、上から見て十字をなすように接合された鉛直な板材51a、51bからなる鉛直スチフナ51の4つの鉛直端縁51cを柱材2の内面に溶接固定した構造である。図示例の鉛直スチフナ51は、柱材2の対向する内面間に渡される1枚の幅広の板材51aと、この板材51aの幅方向中央に溶接固定された幅狭の2枚の板材51b、51bとからなるが、鉛直スチフナは、4枚の幅狭の板材を十字形に組み合わせて溶接接合してもよいし、その他、その作製方法は任意である。
方杖型接合要素15の下端部を接合するための第1の受け材57は、柱材における前記鉛直スチフナ51の上端位置及び下端位置の側面にそれぞれ溶接固定した上下2つの水平板57a、57bと両水平板57a、57b間に渡して溶接固定されかつ柱材2の側面に溶接固定された鉛直リブ状部材57cとからなる。第1の受け材57の鉛直リブ状部材57cが溶接接合される柱材2の補剛された側面部を56で示す。この場合、第1の受け材57の鉛直リブ状部材57cが、柱材内部の鉛直スチフナ51の幅広の板材51aの位置に接合されることになり、第1の受け材57の鉛直リブ状部材57cに作用する荷重に対する剛性を容易に確保できる。
そして、方杖型接合要素15の本体部21の鉛直面部21aの下端を第1の受け材57の鉛直リブ状部材57cの先端に対向させ、その対向部の近傍に両面からそれぞれ添板30を添わせ、添板30と鉛直板部21a及び第1の受け材57の鉛直リブ状部材57cとをそれぞれボルト73で接合している。
なお、この実施例では、横座屈防止材31の下端部を接合する第2の受け材として、前記第1の受け材57の上部の水平板57aが利用される(第2の受け材57a)。
その他の構成は、実施例1と同様であり、詳細説明は省略する。
【実施例5】
【0046】
図13に柱梁接合構造のさらに他の実施例を示す。
この柱梁接合構造1Eは、方杖型接合要素15の下端部を接合するための第1の受け材47を柱材2側に設けるために柱材2を補剛する構造として、柱材2と概ね同径で柱材2の板厚より板厚が厚い短尺の厚肉鋼管48を柱の一部として柱材2の途中に介在溶接固定している。第1の受け材47が接合される柱材2の補剛された側面部を46で示す。
方杖型接合要素15の下端部を接合するための第1の受け材47は、厚肉鋼管48の上下部にそれぞれ溶接固定された2つの水平板47a、47bと両水平板47a、47b間に渡して溶接固定されかつ柱材2の側面に溶接固定された鉛直リブ状部材47cとからなる。
そして、方杖型接合要素15の本体部21の鉛直面部21aの下端を第1の受け材47の鉛直リブ状部材47cの先端に対向させ、その対向部の近傍に両面からそれぞれ添板30を添わせ、添板30と鉛直板部21a及び第1の受け材47の鉛直リブ状部材47cとをそれぞれボルト73で接合している。
なお、この実施例では、横座屈防止材31の下端部を接合する第2の受け材として、前記第1の受け材47の上部の水平板47aが利用される(第2の受け材47a)。
その他の構成は、実施例1と同様であり、詳細説明は省略する。
【実施例6】
【0047】
図14に柱梁接合構造のさらに他の実施例を示す。
この実施例の柱梁接合構造1Fは、方杖型接合要素15を柱材2及び梁材3に接合する構造は、図1の柱梁接合構造1Aと同じであり、また、梁材3の端部の上部を、梁材3に作用する主に軸力とせん断力とに対して抵抗する梁端接合要素4で柱材2に接合する構造も、図1の柱梁接合構造1Aと同じである。これらについての再度の説明は省略する。
この柱梁接合構造1Fでは、梁材3の端部の下フランジ3a、及びウエブ3cの上部の梁端接合要素4の部分を除いて、柱材2の側面に近接している。
そして、横座屈防止材31’として溝形断面部材を用い、この溝形断面部材のウエブ31c’を柱材2の側面に面して配するとともに、上側のフランジ31a’を、柱材2に接近した梁材3の下フランジ3aの下面にボルト75で接合し、下側のフランジ31b’を、第2の受け材18aである上側の外ダイアフラム18の先端部18aにボルト76で接合している。
ウエブ31c’を柱材2の側面に向けたこの溝形断面の横座屈防止材31’は、梁材3と第2の受け材18aとを概ね垂直に連結して梁軸長手方向に長さをあまり持たないので、梁3のねじれに対する大きな拘束力を発揮できる。
【実施例7】
【0048】
上述の各実施例では、柱材として角形鋼管を用いているが、丸鋼管の柱材にも当然適用できる。
また、鋼管からなる柱材は内部にコンクリートを充填して用いてもよい。
また、梁材もH形鋼に限らず、I形綱やC形綱等を採用することもできる。
また、方杖型接合要素は実施例のように本体部が鉛直板部を持つものが適切であるが、梁軸直角水平方向に剛性を有する種々の断面形状のものを採用できる。
また、横座屈防止材は、実施例のZ形断面部材や溝形断面部材に限らず、梁軸と直角水平方向の剛性を十分に有する部材であれば、採用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1A、1B、1C、1D、1E、1F 柱梁接合構造
2 柱材
3 梁材
3a 上フランジ
3b 下フランジ
3c ウエブ
4 梁端接合要素
7 外ダイアフラム
8 補強リブ
9、10 添板
11、13 ボルト
12 添板
15 方杖型接合要素
16 柱材の補剛部
17 第1の受け材
18、19 外ダイアフラム
18a 第2の受け材(外ダイアフラムの先端部)
21 本体部
21a 鉛直板部
21b 水平板部
21c、21d ボルト孔
22 接合要素座屈防止部材
22a 側板
22b 間隔材
22c、22d 孔
30 添板
71、72、73、74、75、76 ボルト
31、31’ 横座屈防止材
31a、 (横座屈防止材の)上端部
31a’ 上側のフランジ
31b (横座屈防止材の)下端部
31b’ 下側のフランジ
31c ボルト挿通孔
31c’ ウエブ
28、29 内ダイアフラム
27 第1の受け材
27a 水平板(第2の受け材)
27b 水平板
27c 鉛直リブ状部材
37 第1の受け材
38、39 通しダイアフラム
37 第1の受け材
36 柱材の補剛された側面部
37a、37b 水平板
37c 鉛直リブ状部材
46 柱材の補剛された側面部
47 第1の受け材
48 厚肉鋼管
47a 水平板(第2の受け材)
47b 水平板
47c 鉛直リブ状部材
51 鉛直スチフナ
51a 幅広の板材
51b 幅狭の板材
51c 鉛直端縁
57 第1の受け材
57a 水平板(第2の受け材)
57b 水平板
57c 鉛直リブ状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管からなる柱材の側部に鋼製の梁材を取り付ける柱梁接合構造であって、
梁材の端部を、梁材に作用する主に軸力とせん断力に対して抵抗する梁端接合要素で柱材に接合し、柱材の梁端接合要素より下方に補剛部が設けられ、
前記補剛部は、第1の受け材と該第1の受け材より上位にある第2の受け材を備えており、
梁材の下フランジにおける梁端から離れた箇所に方杖型接合要素の上端部が取り付けられるとともに、該方杖型接合要素の下端部が第1の受け材に取り付けられており、
前記梁材の下フランジにおける梁材端部近傍には横座屈防止材の上端部が取り付けられるとともに、該横座屈防止材の下端部が第2の受け材に取り付けられていることを特徴とする柱梁接合構造。
【請求項2】
柱材の前記補剛部は、柱材の上下2箇所に設けた外ダイアフラム、又は、内ダイアフラム、又は通しダイアフラム、又は鉛直スチフナで補剛した柱梁接合部であることを特徴とする請求項1記載の柱梁接合構造。
【請求項3】
柱材の前記補剛部は、柱材の上下2箇所に設けた外ダイアフラムであり、前記第1の受け材は、前記上下の外ダイアフラム間に渡して固定した鉛直リブ状部材であることを特徴とする請求項1記載の柱梁接合構造。
【請求項4】
柱材の前記補剛部は、柱材の上下2箇所に設けた内ダイアフラムであり、前記第1の受け材は、柱材における前記上下の内ダイアフラム位置の側面に溶接固定した水平板と前記上下の水平板間に渡して固定した鉛直リブ状部材とからなることを特徴とする請求項1記載の柱梁接合構造。
【請求項5】
柱材の前記補剛部は、柱材の上下2箇所に設けた通しダイアフラムであり、前記第1の受け材は、柱材における前記上下の通しダイアフラムにそれぞれ溶接固定した水平板と前記上下の水平板間に渡して固定した鉛直リブ状部材とからなることを特徴とする請求項1記載の柱梁接合構造。
【請求項6】
柱材の前記補剛部は、柱材の内部を鉛直スチフナで補剛した柱梁接合部であり、前記第1の受け材は、柱材における前記鉛直スチフナで補剛した柱梁接合部の上部及び下部位置の側面にそれぞれ溶接固定した水平板と前記上下の水平板間に渡して固定した鉛直リブ状部材とからなることを特徴とする請求項1記載の柱梁接合構造。
【請求項7】
柱材の前記補剛部は、柱の一部として柱材の途中に介在溶接固定された、柱材と概ね同径で柱材の板厚より板厚が厚い短尺の厚肉鋼管であり、
前記第1の受け材は、前記厚肉鋼管の上下2箇所の側面に溶接固定した水平板と前記上下の水平板間に渡して固定した鉛直リブ状部材とからなることを特徴とする請求項1記載の柱梁接合構造。
【請求項8】
前記横座屈防止材は、折曲鋼板であり、上端側に梁の下フランジに面接触する水平板部を有し、下端側に水平板状の第2の受け材に面接触する水平板部を有することを特徴とする請求項1記載の柱梁接合構造。
【請求項9】
横座屈防止材がZ形断面部材であることを特徴とする請求項8記載の柱梁接合構造。
【請求項10】
前記横座屈防止材が、ウエブを柱材側面に面して配置する溝形断面部材であることを特徴とする請求項8記載の柱梁接合構造。
【請求項11】
前記方杖型接合要素は、当該方杖型接合要素に作用する軸力に対して抵抗する鉛直板部と前記鉛直板部の上端に一体に設けた、梁材の下フランジに接合するための水平板部とからなる本体部と、前記本体部の鉛直板部に作用する軸力で鉛直板部が横座屈するのを防止するが鉛直板部に作用する軸力は負担しないように本体部に取り付けた接合要素座屈防止部材とからなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の柱梁接合構造。
【請求項12】
前記方杖型接合要素の本体部の鉛直板部が、その中間部の板幅が狭い形状であり、接合要素座屈防止部材は、鉛直板部の前記中間部の幅狭の部分を囲む矩形筒断面形状をなしていることを特徴とする請求項11記載の柱梁接合構造。
【請求項13】
請求項1の柱梁接合構造において、方杖型接合要素が請求項11における方杖型接合要素であり、かつ、第1の受け材が請求項3〜7における第1の受け材である場合に、方杖型接合要素の本体部の鉛直面部の下端と鉛直リブ状の第1の受け材の先端とを対向させるとともに、その対向部の近傍に両面からそれぞれ添板を添わせ、添板と鉛直板部及び鉛直リブとをそれぞれボルトで接合したことを特徴とする柱梁接合構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−208367(P2011−208367A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74246(P2010−74246)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)
【Fターム(参考)】