説明

旋回リング

【課題】
旋回直径の大きな構造を容易に且つ低コストで生産することが可能な旋回リングを提供することにある。
【解決手段】
多数の転動体2と、内周面又は外周面の周方向に沿って前記転動体2の転走面を有する軌道リング1と、前記転動体2を当該軌道リング1の内周面又は外周面の周方向に沿って配列した円環状の転動体ケージ4と、前記軌道リング1の転走面11と対向する転走面31を有し、当該軌道リング1の周方向に沿って移動自在に設けられると共に、前記軌道リング1の周方向に沿って配置された複数のブロック3と、から構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定構造物に対する可動構造物の旋回運動を可能とする旋回リングに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、風力発電装置においては、風車及びこの風車により回転駆動される発電機を収容したナセルがタワー上部に搭載されており、このナセルは風車が正面から風力を受けるよう、風向きに応じてタワーに対してヨー旋回(略水平面上の旋回)するように構成されている。
【0003】
そして、前記ナセルをタワーに対してヨー旋回させる構造としては、複数のボール又はローラを介してインナーリングと軌道リングとを組み合わせた旋回軸受が使用されており、インナーリング又は軌道リングの一方がタワーに、他方がナセルに固定されるようになっている(特開2007−107411)。
【0004】
一方、パワーショベルやクレーンなどの建設機械においても、下部構造体であるトラックフレームに対して運転席やカウンタウェイトを備えた上部フレームが旋回可能に搭載されており、かかる旋回構造として前記旋回軸受が使用されている(特開2005−61574)。
【0005】
前記旋回軸受は、内周面に沿って転動体の転走面が形成されたアウターリングと、アウターリング側の転走面に対向する転走面が外周面に形成されたインナーリングと、これらアウターリングとインナーリングとの間で荷重を受けながら転走する多数の転動体とから構成されている。転動体としてはボール又はローラのいずれを使用することも可能であるが、ボールではなくローラを使用する場合には、荷重によってインナーリングとアウターリングが分離することのないよう、1条の転走面に対してローラをクロスローラ構造で配置するか、あるいは転走面を複列とし、各転走面でローラの傾斜方向を異ならせる必要がある。
【特許文献1】特開2007−107411
【特許文献2】特開2005−61574
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、前記風力発電装置は定格出力の増強を図るための大型化が進行しており、それに伴って風車直径が増大し、ナセルが大型化する傾向にある。このため、前記旋回構造に使用される旋回軸受も大径化が著しく、直径4m以上の巨大な旋回軸受が必要とされるケースも発生している。
【0007】
しかし、そのような巨大な旋回軸受のインナーリング及びアウターリングの生産には特殊な設備が必要であり、また、生産に適した大径の鋼材を調達しなければならないことから、生産コストが嵩むといった問題があった。更に、製品が大径化するほど鋼材の入手が困難となり、また、製品コストにおける素材費の割合が高くなることから、この点においても生産コストが嵩むものとなっていた。加えて、近年は地球温暖化問題との関係から、風力発電等の自然エネルギか注目されており、風力発電装置に対する需要が増大化する傾向にあるが、前述した大径の旋回軸受は短期間で大量に生産することはできず、需要に対して供給が追いつかないといった課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、旋回直径の大きな構造を容易に且つ低コストで生産することが可能な旋回リングを提供することにある。
【0009】
すなわち、本発明の旋回リングは、多数の転動体と、内周面又は外周面の周方向に沿って前記転動体の転走面を有する軌道リングと、前記転動体を当該軌道リングの内周面又は外周面の周方向に沿って配列した円環状の転動体ケージと、この軌道リングの転走面と対向する転走面を有し、当該軌道リングの周方向に沿って移動自在に設けられると共に、前記軌道リングの周方向に沿って配置された複数のブロックとから構成されている。
【0010】
この本発明の旋回リングでは、前記軌道リングの内周面又は外周面に沿って転動体ケージが配置されており、転動体はこの転動体ケージによって軌道リングの転走面に配列され、保持されている。一方、前記ブロックは軌道リングの転走面と対向する転動体の転走面を有し、前記転動体の転動に伴って軌道リングの周方向へ自在に移動することが可能となっている。軌道リングの内側又は外側にはその周方向に沿って複数のブロックが配置されており、互いに隣接するブロックの間では前記転動体がブロックに接することなく転動体ケージによって保持された状態にある。
【0011】
そして、このような構成によれば、例えば、前記軌道リングを第一の構造物に、各ブロックを第二の構造物に固定することにより、第二の構造物を第一の構造物に対して自在に旋回させることが可能となる。このとき、前記ブロックの移動方向長さや配置個数は軌道リングの直径や必要とする負荷荷重に応じて適宜選択することが可能であり、また、軌道リングの周方向におけるブロックの配置も本発明の旋回リングの使用用途に応じて任意に変更することが可能である。このため、アウターリングに対してインナーリングを組み付けていた従来の旋回軸受に比べ、生産に使用する鋼材の量を著しく減じることができ、生産コストの低減化を図ることが可能となる。また、軌道リングが大型化しても、個々のブロックの大きさはそれほど変化しないので、ブロックの製作は容易であり、この点においても生産コストの低減化を図ることが可能となる。
【0012】
本発明の旋回リングにおいて、前記転動体としてはボール又はローラのいずれを使用しても差し支えない。また、転動体の転走面は軌道リングの内周面又は外周面のいずれに形成しても差し支えなく、例えば、転走面を軌道リングの内周面に形成するのであれば、前記ブロックは軌道リングの半径方向内側に配置され、転走面を軌道リングの外周面に形成するのであれば、前記ブロックは軌道リングの半径方向外側に配置される。
【0013】
また、軌道リングに形成する転動体の転走面の条数はこの旋回リングに要求される荷重負荷能力に応じて適宜設計変更して差し支えない。更に、軌道リングにおける転動体の転走面の形成位置は、この旋回リングに対する荷重の作用方向に応じて適宜設計変更して差し支えなく、例えば、ラジアル荷重用の転走面を内周面に形成することに加え、スラスト荷重用の転走面を軸方向に面して形成するようにしても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を用いて本発明の旋回リングの実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1及び図2は本発明を適用した旋回リングの第一の実施形態を示すものである。図1は旋回リングの全体を示した斜視図であり、図2は図1のII−II線断面図である。この旋回リングは、無端円環状の軌道リング1と、多数のボール2を介してこの軌道リング1の内周面に組付けられた複数のブロック3と、前記ボール2を軌道リング1に対して保持するボールケージ4とから構成されており、前記ブロック3が軌道リング1の周方向へ自由に移動することが可能となっている。そして、ブロック3に固定された第一の構造物を軌道リング1に固定された第二の構造物に対して自在に旋回させ得るようになっている。
【0016】
また、前記軌道リング1の外周面には周方向に沿って歯列10が設けられており、この歯列に噛み合うピニオンギヤをブロック3側の第一の構造物に搭載することで、かかる構造物を軌道リング1側の第二の構造物に対して旋回させることが可能となっている。
【0017】
軌道リング1の内周面にはボール2の転走面11が周方向に沿って形成されている。軌道リング1に形成する転走面11の条数は必要とする荷重の負荷能力に応じて適宜選択することが可能であるが、図1及び図2に示す実施の形態では2条の転走面11が互いに平行に形成されている。これらの転走面11はその長手方向に垂直な断面がゴシックアーチ溝形状に形成され、軌道リング1とブロック3との間に軸方向と垂直なラジアル荷重、軸方向と平行なスラスト荷重のいずれが作用しても、これらの荷重を負荷し得るように構成されている。尚、前記転走面の断面形状はゴシックアーチ溝形状に限らず、必要とする荷重負荷能力及び荷重作用方向に応じ、適宜変更して差し支えない。
【0018】
また、前記軌道リング1には、軸方向に沿って設けられたタップ孔が周方向に沿って複数配列されており、これらタップ孔を利用して固定ボルトを締結することで、軌道リング1を前記第二の構造物に固定することができるようになっている。
【0019】
一方、前記ブロック3は軌道リング1の内周面に沿った円弧状に形成されており、図1に示す旋回リングでは軌道リング1の内周面と向かい合うようにして4基のブロック3が配置されている。各ブロック3は軌道リング1の転走面11と対向する転走面31を有しており、この転走面31を転走する多数のボール2を介して軌道リング1に組付けられている。各ブロック3に形成された転走面31は当該ブロック3の長手方向の両端面32に突き抜けており、前記ボール2は一方の端面32から他方の端面32までの間で前記転走面31を転走する。
【0020】
また、前記ブロック3にはタップ孔33が形成されており、このタップ孔33に螺合する固定ボルトを締結することによって構造物をブロック3に固定することができるようになっている。
【0021】
前記ボール2は軌道リング1とブロック3との間にのみ存在するのではなく、軌道リング1の周方向の全域に略等間隔で配置されている。すなわち、軌道リング1の内周面にはボール2の転走面11が2条平行に形成されていることから、ボール2も各転走面11に対応し、軌道リング1の内周面に対して2列で配列されている。
【0022】
また、軌道リング1とブロック3との間には当該軌道リング1の内周面に沿った円環状のボールケージ4が配置されており、このボールケージ4が前述した多数のボール2を軌道リング1の各転走面11に対して保持している。ボールケージ4には前記ボール2が回転自在に収容される保持孔40が一定の間隔で多数設けられており、ボール2はこれら保持孔40に収容された状態で軌道リング1の転走面11及びブロック3の転走面31を転走する。
【0023】
前記ボール2は保持孔40の内部に封じ込められており、ボールケージ4を軌道リング1及びブロック3から分離した状態でも、ボール2が保持孔40から離脱することのない構造となっている。このようにボールケージ4はボール2を完全に保持する構造としても良いが、軌道リング1との組み合わせにおいてボール2が保持孔40から離脱しない構造であれば良い。例えば、保持孔40のブロック3側の開口縁をボール2の直径よりも僅かに窄め、少なくともボール2がブロック3側へは抜け出さないように構成すれば、ボールケージ4を軌道リング1に組み付けた状態では、ボール2が前記保持孔40から離脱するのを防止することができる。
【0024】
このボールケージ4は、例えば、帯状の鉄板に前記保持孔40を打ち抜いた後に、それを環状に成形して製作することができる。また、かかるボールケージ4を合成樹脂の射出成形によって製作することもできる。この際、ボールケージ4は単一の部材から軌道リング1の内周面を覆う環状に形成しても良いし、円弧状に形成された分割ケージを組み合わせて環状のボールケージ4として良い。但し、円弧状の分割ケージを組み合わせて環状ボールケージ4とする場合、分割ケージの個数はブロック3の個数よりも小さく設定しておくのが好ましい。このように設定すれば、各分割ケージはいずれかのブロック3と軌道リング1との間に挟まれた状態となるので、互いに隣接する分割ケージ同士を結合せずとも、各分割ケージが軌道リング1から分離してしまうことがなく、分割ケージ同士を結合する手間を省略することができる。
【0025】
そして、以上のように構成された旋回リングでは、軌道リング1の周方向へブロック3を移動させると、ボールケージ4に保持されたボール2が軌道リング1の転走面11とブロック3の転走面31との間で荷重を負荷しながら転走し、それによってブロック3を軌道リング1の周方向へ軽い力で移動させることが可能である。
【0026】
ボール2が軌道リング1とブロック3との間で転動すると、かかるボール2を保持するボールケージ4は軌道リング1の周方向に沿って回転する。この回転速度はアウターブロック1に対するブロック3の回転速度の半分である。このため、ブロック3は軌道リング1の転走面11を周方向に転動するボール2を次々と追い越すようにして当該軌道リング1の内側をその周方向へ移動する。
【0027】
従って、例えば、軌道リング1を第一の構造物に固定し、前記ブロック3を第二の構造物に固定することで、第一の構造物に対する旋回運動を第二の構造物に与えることが可能となる。
【0028】
また、この旋回リングのブロック3はその形状が極めて単純であり、鋼板からの切り出しの他、鍛造加工によっても容易に製造することが可能である。
【0029】
図1に示す例では、前記軌道リング1は円環状に形成されているが、これを周方向に沿って複数に分割しても差し支えない。すなわち、複数の円弧状レールを繋ぎ合わせることによって軌道リング1を構成することが可能である。軌道リング1が大型化する場合には、当該旋回リングの製作前においては鋼材の入手が困難となり、製作後においては使用場所への搬送が困難となるので、このように複数の円弧状レールを組み合わせて軌道リング1を製作することにより、生産コスト及び搬送コストの低減化を図ることが可能となる。
【0030】
また、図1に示す第一の実施形態では、軌道リング1の内周面にボール2の転走面11を形成し、軌道リング1の半径方向内側にブロック3を配置したが、軌道リングの外周面に転走面を形成し、かかる軌道リングの半径方向外側に前記ブロックを配置するように構成しても良い。この場合、前記歯列10は軌道リング1の外周面ではなく、内周面に形成される。
【0031】
次に、図3は本発明の旋回リングの第二の実施形態を示すものである。
【0032】
前述の第一の実施形態にかかる旋回リングでは、ボール2の転走面11,31が軌道リング1の内周面とこれに対向するブロック3の外周面に形成されており、軌道リング1とブロック3との間におけるボール2の配置が主にラジアル荷重に対して有効なものであった。しかし、この第二の実施形態の旋回リングでは、軌道リング5の軸方向に面した両端面にもボール2の転走面12を形成し、かかる軸方向に対して作用するスラスト荷重の負荷能力を向上させている。
【0033】
前記軌道リング5の形状は第一の実施形態の軌道リング1と略同一である。但し、軌道リング5には軸方向に垂直な端面に対しても周方向に沿った転走面12が形成されており、内周面に形成された2条の転走面11と合わせて計4条の転走面が軌道リング5に形成されている。また、軌道リング5の外周面には第一の実施形態と同様に周方向に沿って歯列10が設けられている。
【0034】
一方、この軌道リング5と組み合わされるブロック6は、第一の実施形態と同様、軌道リング1の内周面に沿った円弧状に形成されており、複数基のブロック6が軌道リング5の周方向に間隔をおいて配置されている。各ブロック6はその外周面に前記軌道リング5の一部を収容する案内溝60を有し、この案内溝60の底面には軌道リング1の転走面11と対向する転走面61が形成されている。また、案内溝60の互いに対向する一対の内側面の夫々には前記軌道リング5の転走面12と対向する転走面62が1条ずつ形成されている。
【0035】
従って、ブロック6は軌道リング5の周方向に垂直な断面形状が略C形状をなしており、4列に配置されたボール2を介して軌道リング3に組付けられている。また、ブロック6と軌道リング5との隙間にはボールケージ7が配置されており、4列に並んだボール2はこのボールケージ7に配列されている。このボールケージ7はブロックの案内溝60の内部に収容されると共に、軌道リング5の内周面とこの内周面に隣接して軸方向に垂直な両端面とを覆っており、軌道リング5の内周面に沿った円環状に形成されている。
【0036】
そして、以上のように構成された第二の実施形態の旋回リングにおいても、軌道リング5の周方向へブロック6を移動させると、ボールケージ7に保持されたボール2が軌道リング5の転走面11,12とブロック6の転走面61,62との間で荷重を負荷しながら転走し、それによってブロック6を軌道リング5の周方向へ軽い力で移動させることが可能である。
【0037】
また、この第二の実施形態の旋回リングでは、軌道リング5の軸方向に位置する両端面に対してもボール2の転走面12を設けたことから、ブロック6の旋回軸方向に作用するスラスト荷重に対する負荷能力が高まり、ラジアル荷重及びスラスト荷重が組合わさった複合荷重に対しても充分な負荷能力を発揮し、各種用途に適用することが可能である。
【0038】
尚、この第二の実施形態では、軌道リング5の内周面にボール2の転走面11を形成する一方、ブロック6の外周面に前記軌道リング5の一部を収容する案内溝60を形成したが、軌道リングの外周面にボールの転走面を形成し、前記ブロックの内周面に前記軌道リング5の一部を収容する案内溝を形成するように構成しても良い。
【0039】
次に、図4は本発明の旋回リングの第三の実施形態を示すものである。
【0040】
この第三の実施形態にかかる旋回リングでは、軌道リング8とブロック9との関係が、図3に示した第二の実施形態の旋回リングと逆になっている。すなわち、軌道リング8にはその内周面に前記ブロック9の一部を収容する案内溝80を有し、この案内溝80の底面にはボール2の転走面81が2条平行に形成されている。また、案内溝80の互いに対向する一対の内側面の夫々にもボール2の転走面82が1条ずつ形成されている。尚、軌道リング8の外周面には第二の実施形態と同様に周方向に沿って歯列10が設けられている。
【0041】
前記軌道リングに案内溝を具備させるため、かかる軌道リングはリング本体8aとこれに固定されるリングプレート8bとから構成されている。前記ブロック9と後述するボールケージ20をリング本体8aに組み付けた後に、リングプレート8bをリング本体8aに固定することで、案内溝90の内部にブロック9とボールケージ20を収容することが可能となっている。
【0042】
一方、この軌道リング8と組み合わされるブロック9は、第一の実施形態と同様、軌道リング8の内周面に沿った円弧状に形成されており、複数基のブロック9が軌道リング8の周方向に間隔をおいて配置されている。各ブロック9はその一部が前記軌道リング8の案内溝に収容されており、外周面には軌道リングの転走面81と対向する転走面91が形成される一方、旋回軸方向に位置する両端面には軌道リングの転走面82と対向する転走面92が1条ずつ形成されている。
【0043】
従って、ブロック9は4列に配置されたボール2を介して軌道リング8に組付けられており、旋回軸方向の両側から軌道リング8によって抱え込まれた状態となっている。また、ブロック9と軌道リング8との隙間にはボールケージ20が配置されており、4列に並んだボール2はこのボールケージ20に配列されている。このボールケージ20は軌道リング8の案内溝80の内部に収容されると共に、ブロック9の外周面と旋回軸方向の両端面とを覆っており、軌道リング8の案内溝80を覆う環状に形成されている。
【0044】
そして、以上のように構成された第三の実施形態の旋回リングも、ブロック9の旋回軸方向に作用するスラスト荷重に対する負荷能力が高まり、ラジアル荷重及びスラスト荷重が組合わさった複合荷重に対しても充分な負荷能力を発揮し、各種用途に適用することが可能である。
【0045】
また、この第三の実施形態では、軌道リング8の内周面に前記ブロック9の一部を収容する案内溝80を形成し、かかる案内溝80の内部にボール2の転走面81を形成したが、軌道リングの外周面に前記ブロックの一部を収容する案内溝を形成し、かかる案内溝の内部にボール2の転走面を形成するように構成しても良い。
【0046】
尚、以上説明してきた実施の形態では転動体としてボールを使用した例を説明してきたが、本発明の旋回リングは転動体としてローラを使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の旋回リングの第一の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本発明の旋回リングの第二の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明の旋回リングの第三の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1…軌道リング、2…ボール(転動体)、3…ブロック、4…ブロック保持手段、10…転走面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の転動体と、内周面又は外周面の周方向に沿って前記転動体の転走面を有する軌道リングと、前記転動体を当該軌道リングの内周面又は外周面の周方向に沿って配列した円環状の転動体ケージと、前記軌道リングの転走面と対向する転走面を有し、当該軌道リングの周方向に沿って移動自在に設けられると共に、前記軌道リングの周方向に沿って配置された複数のブロックと、を含むことを特徴とする旋回リング。
【請求項2】
前記軌道リングはその内周面又は外周面に前記ブロックの一部を収容する案内溝を有し、かかる案内溝の互いに対向する一対の内側面に前記転動体の転走面を設けたことを特徴とする請求項1記載の旋回リング。
【請求項3】
前記ブロックはその内周面又は外周面に前記軌道リングの一部を収容する案内溝を有し、かかる案内溝の互いに対向する一対の内側面に前記転動体の転走面を設けたことを特徴とする請求項1記載の旋回リング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−180313(P2009−180313A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20591(P2008−20591)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(390029805)THK株式会社 (420)
【Fターム(参考)】