説明

既設管改築推進装置およびカッターヘッド

【課題】簡易な構造により、切り屑を短くあるいは細かく断片化できるのに十分な振動を与え、切り屑の排出性を高められるようにした既設管改築推進装置のカッターヘッドを提供する。
【解決手段】カッターヘッド20の本体を、カッタービット26、27、28が前面に取り付けられる面板24を含み、先導管21の先端に固定される刃口リング23に、ベアリングを介して回転自在に取り付け、カッターヘッド本体の回転を振動に転換してカッタヘッド本体に推進前後方向の微小振動を与える微小振動発生機構を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開削せずに老朽化した埋設管を更新する改築推進装置に用いられるカッターヘッドに係り、特に、既設管が塩ビ管等のプラスチック低耐荷重管である場合に既設管をカッタで破砕したときに生じる切屑を細かくして排出性を高め、円滑な推進を可能にする既設管改築推進装置およびカッターヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
上下水道、ガス等のライフラインとして地中に埋設されている管は、経年により老朽化が進むので、耐用年数を越えた管を適時に新たな管に更新する必要がある。
このような既設管を更新するために、古くは、埋設箇所を地表から開削することで既設管を掘り出し、新たな管を埋設し直していた。近時は、開削することなく、既設管を破砕しながら、同時に更新管を推進する改築推進工法が開発されている。
従来の既設管改築推進工法には種々のものがあるが、代表的な工法は、既設管をカッターで切削しながら更新管を推進する工法である。
【0003】
改築推進工法が適用される既設管には、敷設された年代が古いのになると陶管であったり、ヒューム管であったり、あるいは、年代が下ると塩化ビニル製等のプラスチック管であったりというように様々な種類の管がある。このうち、陶管やヒューム管は、細かく破砕し易いためカッターによる破砕に適しているのに対して、塩化ビニル等のプラスチック製の既設管は、カッターで切削すると、ひも状に連続する切り屑が発生する。しかも、この切り屑は、既設管の内部に鳥の巣状に溜ってしまい、排土用のスクリューでも排出させることができない。とりわけ、粘土質の土質中に敷設された塩化ビニル等のプラスチック管からなる既設管を改築する場合には、切り屑の間に粘土が詰まって塊になって、カッターの刃口を詰まらせ、推進を継続することを不能にするおそれがあった。
【0004】
このような塩化ビニル管等を改築する場合の問題に対しては、カッターヘッドに振動を与えながら衝撃力で粉砕掘進することが考えられる。
この種の衝撃を与えながら管を推進する方式の先行技術としては、衝撃を与える対象が岩盤や、玉石、礫などを含む硬い地盤ではあるが、特許文献1や特許文献2に開示されている推進装置が知られている。
【0005】
このうち、特許文献1は、エアハンマーの衝撃力をビットを介して地盤に与えるもので、特許文献2では、衝撃力を与える機構に油圧サーボシリンダが用いられている。
【特許文献1】特開平10−259692号公報
【特許文献2】特開平07−109883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の衝撃式の推進機は、岩盤や硬い地盤を対象にしており、塩化ビニール管のような柔らかい材料からなる管に適用すると、粉砕するどころか、その前に、大きく割れてしまい、破砕片を全く排出することができなくなる。
【0007】
また、埋設管を推進する工程では、埋設管の推進方向を修正することも必要となることが多い。従来、推進方向の修正には、油圧シリンダを利用した修正機構が用いられており、この修正機構はカッターヘッド近くに組み込まれる。このため、エアハンマーや、油圧サーボシリンダのような衝撃力を発生させる機構と、推進方向の修正機構を共に組み込むと、機構的に大型化し、小口径には不向きな装置構成になってしまうという問題がある。
【0008】
実際、改築の対象となる塩化ビニール管の口径は、小口径である場合が多い。従来の衝撃式推進機では、推進方向を確実に修正可能な機構を組み込むと、小口径には対応できず、小口径に対応しようとすると、修正するための手段には、せいぜい傾斜板の斜面反力を利用するなどの簡易であるが確実性に欠ける機構を採用せざるをえなくなる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、簡易な構造により、切り屑を短くあるいは細かく断片化できるのに十分な振動を与え、切り屑の排出性を高められるようにした既設管改築推進装置のカッターヘッドを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、油圧シリンダを利用した推進方向の修正機構とともに、切り屑を断片化する振動発生機構を組み込むことができるようにした既設管改築推進装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するために、本発明は、地中に埋設管を推進するための推進機に用いられ先導管に挿通されるスクリューの先端に取り付けられるカッターヘッドにおいて、カッタービットが前面に取り付けられる面板を含み、前記先導管先端に固定される刃口リングに、ベアリングを介して回転自在に取り付けられたカッターヘッド本体を備え、前記カッターヘッド本体の回転を振動に転換して前記カッタヘッド本体に推進前後方向の微小振動を与える微小振動発生機構を有することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明は、地中に埋設された既設管をカッターヘッドで破砕しながら、同時に、先行させる先導管とともに新しい更新管を推進する既設管の改築推進装置において、カッタービットが前面に取り付けられる面板を含み、前記先導管先端に固定される刃口リングに、ベアリングを介して回転自在に取り付けられたカッターヘッド本体と、前記先導管の先端に固定された刃口リングとの間に、前記カッターヘッド本体の回転を振動に転換して前記カッタヘッド本体に推進前後方向の微小振動を与える微小振動発生機構を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
本発明では、前記微小振動発生機構は、前記カッターヘッド本体の外周面を周回するように形成され、周方向に連続する凹凸部を有し前記微小振動の変位を規定するカム溝と、前記刃口リングに固定され前記カム溝を摺動するピンと、から構成される。
【0014】
また、本発明では、前記微小振動発生機構は、前記面板の背面で円周方向に連続する第1の山型の歯と、前記刃口リングの端面に円周方向に連続し前記第1の歯と噛み合い可能な第2の山型の歯と、を組み合わせた噛み合いクラッチから構成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡易な構造により、切り屑を短く断片化できるのに十分な振動を与え、切り屑の排出性を高めることができ、また、先導管の先端に支障なく油圧シリンダを利用した推進方向の修正機構を組み込んだ上で、切り屑を断片化する振動発生機構を組み込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明による既設管改築推進装置およびカッターヘッドの一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1において、参照番号10は、本発明が適用される既設埋の改築推進機装置を示す。
【0017】
図1において、参照番号10は、推進機の全体を示す。この推進機10には、非開削で埋設管を地中に推進する工法で広く用いられる公知の推進機が利用される。参照番号50は老朽化した既設管である。この実施形態では、既設管50は、小口径低耐荷力管の代表的な管である塩化ビニル管が想定されている。参照番号60は、更新管を示している。この更新管60は、例えば、ヒューム管である。
【0018】
更新管60の始端位置には立坑14(以下、発進坑という)が掘削され、推進機10は発進坑14に運び込まれる。
推進機10においては、ベースとなるガイドフレーム15の上に推進機本体が移動可能に設置されている。この推進機本体の左右両側には、更新管60を押し出す推力を発生する油圧シリンダ16が配設されている。この油圧シリンダ16のピストンロッドの先端部は、反力受け17に固定されている。
【0019】
推進機10の本体では、次のようなアタッチメントが接続されている。すなわち、アタッチメントは、螺旋状のブレードが軸方向に延びているスクリュー18と、このスクリュー18の先端に取り付けられるカッターヘッド20と、1本ずつ継ぎ足される更新管60と、先導管22とから構成されている。
【0020】
スクリュー18は、更新管60の内側のケーシング21に同軸に収容されており、推進機10の備える油圧モータの駆動トルクは図示しない中空式減速機を介してスクリュー18に伝えられる。これと同時に、更新管60には、推進機10から油圧シリンダ16で発生する推力が加えられる。なお、更新管60、ケーシング21およびスクリュー18は、推進が延びるにしたがって、1本づつ継ぎ足しながら推進作業が行われる。
【0021】
先頭の更新管60の先端には、先導管22が接続されている。そして、先導管22の先端には、刃口リング23が固定されており、カッターヘッド20は刃口リング23に回転自在に支持されている。このカッターヘッド20は、スクリュー18と連結され一体で回転する。
【0022】
次に、カッターヘッド20の構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態によるカッターヘッド20の縦断面を示し、図3は、カッターヘッド20の正面を示す。
【0023】
カッターヘッド20の本体は、円板状の面板24と、この面板24と一体の連結部25を含む。面板24の前面には、図3に示すように、数種類のカッター26、27、28が所定の位置に取り付けられている。また、面板24には、切り屑や土砂を取り込む開口部29が2箇所対称な位置に開口している。この面板24と一体の連結部25には、複数の連結ボルト30を介してベアリング押え31が連結されている。
【0024】
刃口リング23とベアリング押え31の間には、ラジアルベアリング32とスラストベアリング33が配置されている。ベアリング押え31は、ラジアルベアリング32とスラストベアリング33とで回転自在に支持されている。カッターヘッド20が回転しながら掘削するときにかかる半径方向の荷重はラジアルベアリング32によって支持され、軸方向の荷重はスラストベアリング33によって支持されている。
【0025】
次に、カッターヘッド20の本体の回転を利用して、推進前後方向の微小振動を発生する微小振動発生機構について説明する。
図4は、微小振動発生機構の一例を示す。
この微小振動発生機構は、面板24と一体の連結部25の外周面を周回するように形成されて微小振動の変位を規定するカム溝34と、このカム溝34にそって摺動するピン35との組み合わせによって構成されている。
【0026】
面板24と連結部25からなるカッターヘッド20の本体は、推進方向に僅かな距離だけ前後動が許容されるようになっている。図2に示されるように、ベアリング押え31の前端部と連結部25の間には、ゴムやスプリングなどからなるリング状の弾性体36を介在させている。連結ボルト30は、弾性体36を貫通してベアリング押え31に締め込まれている。連結部25は、連結ボルト30の軸に対しては摺動して前後に移動するようになっている。この移動を許容するために、連結ボルト30の頭と、この頭を収容する孔37の底の間には遊びが設定されている。
【0027】
カム溝34では、溝を画する両側には、それぞれ波形に起伏する凹凸部34a、34bが周方向に連続するようになっている。図4に示されるように、カム溝34の幅は、ピン35の直径よりも若干広くなるように設定されている。カム溝34には、両側に凹凸部34a、34bが形成されているので、凹凸部34a、34bの一方には、ピン35が必ず接触するようになっている。なお、図4では、カッターヘッド20は後方側に押されて弾性体36を弾性力に抗して圧縮した状態で描かれており、このとき、ピン35は凹凸部34aに当たるようになっている。そして弾性体36の反発力でカッターヘッド20が押し戻されると、ピン35は凹凸部34bに当たるようになる。
【0028】
ピン35は、この実施形態では、4箇所に90°づつ対称な位置に配置されている。ピン35は、刃口リング23に植設されて固定された状態にある。カッターヘッド20の本体が回転すると、カム溝34の両側の凹凸部34a、34bのどちらかにピン35が摺動する。前側の凹凸部34aとの関係では、ピン35が凹凸の山に当たっているときには、カッタヘッド20は前方に若干変位し、谷に当たっているときには後方に変位する。後側の凹凸部34bでは、ピン35が山に当たっているときにはカッタヘッド20は後方に変位し、谷に当たっているときには前方に変位する。そして、カッターヘッド20には、掘削時の反力が作用するので、弾性体36は圧縮されたり、逆にその反動で膨張を繰り返す。このため、凹凸部34a、34bのどちらかには必ずピン35が当たって、凹凸のピッチに相当する短い周期で変位が繰り返されるので、カッターヘッド20に微小振動を絶え間なく発生させることができる。
【0029】
本実施形態による既設管改築推進装置のカッターヘッド20は、以上のように構成されるものであり、次に、既設管を改築更新する工程との関連において、カッターヘッド20の作用について説明する。
【0030】
まず、図1に示すように、既設管50の始端位置に発進坑14を掘削しておく。推進機10は発進坑14に設置する。
【0031】
推進機10でカッターヘッド20を回転させ、カッター26、27、28で既設管50を破砕しつつ推進機10の油圧シリンダ16のピストンロッドを伸長させて先導管22を押し込むことになる。先導管22の推進を延ばしつつ、更新管60、スクリュー18、ケーシング21を順次継ぎ足しなから推進していく。
このようにしてカッターヘッド20を回転させて既設管50を破砕していくと、従来のカッターヘッド20では、塩化ビニルなどの樹脂製の柔らかい材料からなる既設管50の切り屑は短く切断されずにひも状に連続する長い切り屑になることが多い。
【0032】
そして、この切り屑の塊は、土砂、とりわけ粘土質の場合には、粘土が切り屑の間の隙間に詰まると大きな塊となって、面板24の開口部29を閉塞させてしまう。こうなってしまうと、スクリュー18による排土に支障が生じ、場合によっては、推進不能になるおそれがあった。
【0033】
これに対して、本実施形態の改築推進装置では、カッターヘッド20が回転している間は、常に、カッターヘッド20には推進前後方向に振幅する微小振動が発生している。すなわち、カッターヘッド20の本体が回転すると、カム溝34の両側の凹凸部34a、34bにピン35が摺動するので、凹凸のピッチに相当する短い周期で推進前後方向への微小変位が繰り返されるので、カッターヘッド20に微小振動を発生させることができる。なお、切削対象物に応じて微小振動の周期、振幅変位は、凹凸部34a、34bの凹凸の形状で設定することができる。
【0034】
この微小振動はカッター26、27、28にも不断に与えられる。特に、カッター28の切刃は、既設管50に対する接触と離間を極めて短い周期で繰り返すことなり、切刃が接触する間だけ断続的な切削が行われる。これにより、切り屑を連続したひも状のものではなく、細く粉砕された粉状の切粉にすることができる。このような切粉であれば、詰まることなく土砂とともにスクリュー18で支障なく後方に排出させることができる。
【0035】
以上のように、本実施形態による微小振動を発生される機構は、カッターヘッド20の回転を利用してカム溝34にピン35を摺動させるという簡易な構造を採用しているので、先導管先端部の構造を複雑化することなく、簡易な構造ゆえに信頼性の高い微小振動発生手段の組み込みを実現することができる。
【0036】
なお、本実施形態のカッターヘッド20では、カッターヘッド20の本体とベアリング押え31の間に弾性体36を介在させている。この弾性体36は、緩衝部材としても働くので、ラジアルベアリング32やスラストベアリング33に直接伝わる振動を軽減できるので、振動によるベアリングの損傷を防ぐことができる。
【0037】
以上は、カッターヘッド20の回転を推進前後方向への振動に転換する機構であるが、推進装置10の駆動部を利用して回転方向に微小振動を与えることも可能である。この場合、カッターヘッド20に正転・逆転を微小サイクルで交互に繰り返す運動を与えることが可能な油圧モータなどを利用すればよい。
【0038】
次に、図5および図6を参照しながら、カッターヘッドの他の実施形態について説明する。なお、図2、図3と共通する構成要素には同一の参照番号を付してその詳細な説明は省略する。
この実施形態では、微小振動を発生機構を次のような噛み合いクラッチにより構成している。
【0039】
図5(a)において、面板24の背面には、第1の歯40が形成されている。この第1の歯40は、山形の歯が円周方向に連続する歯である。同様に、刃口リング23の先端には、第1歯と噛み合うように第2の歯41が形成され、この第2の歯41は第1の歯40と同一のピッチで円周方向に連続している。
【0040】
図5(b)において、カッターヘッド20の本体とベアリング押え31の間には、弾性体36を介在させている。カッターヘッド20に何も力が加わっていない状態では、図6(a)に示すように、カッターヘッド20は弾性体36の弾性力によって前方側に付勢されているので、第1の歯40と第2の歯41は噛み合っていない。掘削中のように、掘削時の反力がカッタヘッド20に加わる場合は、この反力は弾性体36の弾性力に抗してカッターヘッド20を押し込み第1の歯40と第2を歯41を噛み合わせ(図5(a))、あるいは反動で噛み合いから離脱させることになる(図6(a))。そして、カッターヘッド20が回転しているときには、カッターヘッド20の回転とともに、第1の歯40と第2の歯42との噛み合い、離脱が連続的に起こり、カッターヘッド20は一定の周期で歯の高さに相当する振幅で振動するので、推進前後方向の微小振動を与えることができる。
【0041】
この実施形態では、カッターヘッド20を傾動させて推進方向を修正する機構が組み込まれている。この修正機構の場合、刃口リング23は、継手42、43を介して先導管22とケーシング21の先端部に傾動可能に連結されている。先導管22の先端部には、カッターヘッド20の向きを強制的に修正するための油圧シリンダ44が取り付けられている。この油圧シリンダ44は、90°ごとに対称に4つ配置されており、それぞれ刃口リング23に連結されている。なお、油圧シリンダ44の配置は、120°ごとに対称に3つ配置するというように、複数の油圧シリンダをさまざまに配置することが可能である。
【0042】
以上のような実施形態によれば、既設管50を破砕するため、カッターヘッド20の本体が回転すると、前述したように、第1の歯40と第2の歯41の噛み合い、離脱の動作が短い周期で連続することで微小振動が発生するので、カッターの切刃が接触する間だけ断続的な切削が行われる。これにより、切り屑を連続したひも状のものではなく、細く粉砕された粉状の切粉にすることができる。このような切粉であれば、詰まらせることなく土砂とともにスクリュー18で支障なく後方に排出させることができる。
【0043】
また、このような微小振動を発生させる機構は、噛み合いクラッチを応用した簡易な構造であり、先導管27の先端部において推進方向修正機構の油圧シリンダ44を組み込むにあたって障害になることはなく、また先導管先端部の構造を複雑にすることもないので、とりわけ小口径用の改築推進装置において確実な推進方向修正機能とともに、微小振動発生機能の両立を達成することができる。
【0044】
以上、本発明による既設管改築推進装置のカッターヘッドについて、好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、塩化ビニール製の既設管だけでなく、さまざま材質の既設管の粉砕に適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明が適用される既設管改築推進装置の全体構成を示す一部破断側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による既設管改築推進装置のカッターヘッドの縦断面図である。
【図3】図2のカッターヘッドの正面図である。
【図4】同カッターヘッドの一部破断側面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による既設管改築推進装置のカッターヘッドを示し、図5(a)は側面図、図5(b)は縦断面図。
【図6】本発明の第2実施形態による既設管改築推進装置のカッターヘッドにおいて、クラッチの噛み合いが外れた状態を示し、図6(a)は側面図、図6(b)は縦断面図。
【符号の説明】
【0046】
10 推進機
14 発進抗
16 油圧シリンダ
18 スクリュー
20 カッターヘッド
22 先導管
23 刃口リング
24 面板
31 ベアリング押え
32 ラジアルベアリング
33 スラストベアリング
34 カム溝
35 ピン
36 弾性体
40 第1の歯
41 第2の歯
50 既設管
60 更新管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設管を推進するための推進機に用いられ先導管に挿通されるスクリューの先端に取り付けられるカッターヘッドにおいて、
カッタービットが前面に取り付けられる面板を含み、前記先導管先端に固定される刃口リングに、ベアリングを介して回転自在に取り付けられたカッターヘッド本体を備え、
前記カッターヘッド本体の回転を振動に転換して前記カッタヘッド本体に推進前後方向の微小振動を与える微小振動発生機構を有することを特徴とする既設管改築推進装置のカッターヘッド。
【請求項2】
前記微小振動発生機構は、前記カッターヘッド本体の外周面を周回するように形成され、周方向に連続する凹凸部を有し前記微小振動の変位を規定するカム溝と、前記刃口リングに固定され前記カム溝を摺動するピンと、からなることを特徴とする請求項1に記載の既設管改築推進装置のカッターヘッド。
【請求項3】
前記微小振動発生機構は、前記面板の背面で円周方向に連続する第1の山型の歯と、前記刃口リングの端面に円周方向に連続し前記第1の歯と噛み合い可能な第2の山型の歯と、を組み合わせた噛み合いクラッチからなることを特徴とする請求項1に記載の既設管改築推進装置のカッターヘッド。
【請求項4】
前記カッターヘッド本体と、ベアリング押えとの間には弾性部材を配置したことを特徴とする請求項2または3に記載の既設管改築推進装置のカッターヘッド。
【請求項5】
地中に埋設された既設管をカッターヘッドで破砕しながら、同時に、先行させる先導管とともに新しい更新管を推進する既設管の改築推進装置において、
カッタービットが前面に取り付けられる面板を含み、前記先導管先端に固定される刃口リングに、ベアリングを介して回転自在に取り付けられたカッターヘッド本体と、前記先導管の先端に固定された刃口リングとの間に、前記カッターヘッド本体の回転を振動に転換して前記カッタヘッド本体に推進前後方向の微小振動を与える微小振動発生機構を設けたことを特徴とする既設管改築推進装置。
【請求項6】
前記先導管の先端部には、前記カッターヘッドを傾動させて推進方向を修正する油圧シリンダを備えた推進方向修正機構が組み込まれたことを特徴とする請求項5に記載の既設管改築推進装置。
【請求項7】
前記推進装置は、前記カッターヘッドに正転・逆転を微小サイクルで交互に繰り返す運動を与えることが可能な駆動部を有することを特徴とする請求項5に記載の既設管改築推進装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−133145(P2010−133145A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309772(P2008−309772)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000177416)三和機材株式会社 (144)
【Fターム(参考)】