説明

日焼け止め用組成物

【課題】本発明は、紫外線防御能、使用感触に優れた日焼け止め組成物を得ることを目的とする。さらには、塗布時の皮膚へののびがよく塗膜均一性に優れ、皮膚へのなじみがよく、透明なバイコンティニュアスミクロエマルション相からなる日焼け止め組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
(a)界面活性剤
(b)水
(c)油分
(d)水溶性紫外線吸収剤および/または油溶性紫外線吸収剤
を含有し、25℃においてバイコンティニュアスミクロエマルション相であることを特徴とする日焼け止め組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日焼け止め化粧料として使用する日焼け止め組成物に関する。更に詳しくは、紫外線防御能、安定性に優れ、さらには、塗布時の皮膚へののびがよく塗膜均一性に優れ、なじみがよく、透明なバイコンティニュアスミクロエマルション相からなる日焼け止め組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、日焼け止め組成物には、紫外線照射を遮断して高いSPF(Sun Protection Factor)値を得るために、紫外線吸収剤を配合したり、紫外線散乱剤(酸化亜鉛、二酸化チタン、等)を配合したりしている(例えば特許文献1〜3参照)。かかる日焼け止め組成物のタイプとして、水中油型乳化タイプ、油中水型乳化タイプ等、種々挙げられる。
【0003】
さっぱりとしたみずみずしい感触を得るには、特許文献1〜2に示すような水中油型乳化タイプのものが好適に用いられている。しかしながら、水中油型乳化組成物においては、そもそも乳化物という系の安定性から、内相となる油分を多量には配合できない。
また、使用感を重視するという化粧料の特異性に鑑み、油分を多量に配合するとべたつきが生じるため、通常、油分を多量に配合することはしない。したがって、水中油型乳化組成物においては、特徴であるさっぱりとしたみずみずしい感触を維持しながら油溶性紫外線吸収剤を多量に配合することは困難であることから、その他の乳化タイプの日焼け止め組成物と比較して高い紫外線防御能を得ることができない。
【0004】
そこで、水中油型乳化組成物ならではのみずみずしい使用性を維持しつつより高い紫外線防御能を得るために、油溶性紫外線吸収剤の配合量を高めることをせずに、該油溶性のものに加えて水溶性紫外線吸収剤を配合することもある(例えば特許文献4参照)。しかしながら、水溶性紫外線吸収剤を配合する場合、通常、系の安定性を図るため塩(中和塩)を配合する。これによって乳化組成物中の塩濃度が高くなり、乳化粒子の静電反発が打ち消され、乳化安定性が極端に悪化する場合がある。
【0005】
油中水型乳化タイプの日焼け止め組成物(例えば特許文献5参照)は油相が連続相(外相)である。したがって、水中油型乳化タイプの日焼け止め組成物と比較して油分や油溶性紫外線吸収剤を多量に配合することができ、高い紫外線防御能を得ることが可能である。さらに使用に際しては、皮膚などの表面上に水分透過性の低い油膜を残し、長時間にわたって乾燥から保護するとともに、水浴、水仕事あるいは発汗などによって水と接触しても再乳化を起こすことが少ないため、優れた耐汗・耐水性基剤として日焼け止め組成物に用いられている。
【0006】
しかしながら、従来の油中水型乳化タイプの日焼け止め組成物では、高極性の紫外線吸収剤を油相に溶解し、高配合しなければならないことから、経時での分離や凝集といった現象が見られ、長期の経時安定性に乏しいという問題点があった。
さらに皮膚外用剤としての使用性に関しても、水中油型タイプの日焼け止め組成物に比較し、べたつきや油性感があり、のびが悪いという問題点を有していた。
【0007】
一方、乳化型組成物は界面活性剤により水が油中に、または油が水中に乳化粒子として分散された非平衡系であるのに対し、マイクロエマルションは界面活性剤により水が油中に、または油が水中に可溶化された平衡系の等方性低粘度溶液である。マイクロエマルションには油が水中に可溶化されたミセル水溶液相、水が油中に可溶化された逆ミセル油溶液相、および水・油が共に連続構造をとるバイコンティニュアスミクロエマルション相の3つのタイプがある。
【0008】
ミセル水溶液相は水が連続な状態を形成しており、界面活性剤の親油基を内側に向けた球状又は棒状の会合体が分散しているものである。会合体の大きさは高々100nm程度であり、光学的に等方性で透明〜やや青みがかった半透明な外観を呈する。ミクロ水溶液相を日焼け止め組成物として活用する場合、一般に多量の油分を可溶化することができないため、油溶性紫外線吸収剤の配合量を高めることができず、よって高い紫外線防御能を得ることができない。
【0009】
逆ミセル油溶液相は、界面活性剤の親水基を内側に向けた球状又は棒状の会合体が分散しているものである。逆ミクロ油溶液相を日焼け止め組成物として活用する場合、多量の水を可溶化することができないため、べたつきや油性感が大きく、満足な使用感触を得ることができない。
【0010】
一方、バイコンティニュアスミクロエマルション相とは、一般に親水性−疎水性バランスが釣り合った条件で生成し、油水界面張力が極小となり、界面活性剤の会合数が増加し無限に会合したものであり、結果として水および油の可溶化量が飛躍的に向上し、水も油も連続的なチャネルを形成した特異な構造を有する可溶化系である。
【0011】
バイコンティニュアスミクロエマルション相は、生成条件を満たす化合物の組み合わせの探索が非常に困難であり、また、その生成範囲もきわめて狭いものであるといわれている。そのため、可溶化されない過剰の水および油と共存した油相/バイコンティニュアスミクロエマルション相/水相の3相状態として観察されることは多いが(例えば非特許文献1)、バイコンティニュアスミクロエマルション相が1つの状態として観察される報告例は多くはない。例えば、非特許文献2には界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(4EO)、油分としてイソヘキサデカンを用いることにより、非特許文献3には界面活性剤としてジデシルジメチルアンモニウム塩、油分としてドデカンを用いることにより、非特許文献4には界面活性剤として大豆リン脂質、界面活性助剤としてプロパノール、油分としてトリグリセライドを用いることにより、それぞれバイコンティニュアスミクロエマルション相が得られることが報告されている。
【0012】
また、特許文献6には界面活性剤としてモノラウリン酸ポリエチレングリコール(12EO)、界面活性助剤としてラウリルアルコールおよびエタノール、油分として流動イソパラフィンを用いることにより、特許文献7には界面活性剤としてPOE(8)イソステアリン酸グリセリン、油分としてオクタン酸セチルや流動パラフィンを用いることにより、特許文献8には界面活性剤としてイミダゾリニウムベタインおよびPOEラウリルエーテル硫酸塩、油性成分としてモノ脂肪酸モノグリセリンエステルやモノアルキルモノグリセリルエーテルを用いることにより、それぞれバイコンティニュアスミクロエマルション相が得られることが報告されている。
【0013】
バイコンティニュアスミクロエマルション相は、水および油の両方が連続な特異な構造をとるため、ミセル相と比較して多量の油分や油性成分を配合することができる。また、逆ミセル相と比較して、多量の水や水性成分を配合することができる。その水・油のいずれにもなじみやすい性質や、界面張力の低さを利用することにより、油性汚れ及び水溶性汚れのいずれに対しても洗浄力に優れ、すすぎ性が良好な洗浄剤組成物としての報告例(例えば、特許文献6〜10参照)は多い。しかしながら、洗浄目的以外の工業的な活用は十分になされていなかったのが現状であり、日焼け止め化粧料等の日焼け止め組成物としての利用は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2002−284638号公報
【特許文献2】特開2005−255669号公報
【特許文献3】特開平5−97644号公報
【特許文献4】特開2008−162930号公報
【特許文献5】特開平9−255544号公報
【特許文献6】特開2004−217640号公報
【特許文献7】特開2005−194249号公報
【特許文献8】特開2007−77302号公報
【特許文献9】特許公報第3684144号
【特許文献10】特開2009−196909号公報
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Langmuir,1997,13,2001−2006.
【非特許文献2】Langmuir,2004,20,6594−6598.
【非特許文献3】Langmuir,2003,19,7196−7200.
【非特許文献4】Langmuir,1997,13,5061−5070.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
そこで本発明が解決しようとする課題は、バイコンティニュアスミクロエマルション相を活用することにより、紫外線防御能、安定性に優れ、さらには、使用感触に優れた日焼け止め組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、(a)界面活性剤、(b)水、(c)油分、(d)水溶性紫外線吸収剤および/または油溶性紫外線吸収剤を含有し、25℃においてバイコンティニュアスミクロエマルション相であることを特徴とする日焼け止め組成物を提供するものである。
【0018】
また、本発明は、前記成分(a)界面活性剤がイオン性および/または非イオン性界面活性剤であることを特徴とする上記の日焼け止め組成物を提供するものである。
【0019】
さらに、本発明は、前記成分(a)界面活性剤が、アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤の組み合わせ、または、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤の組み合わせから選ばれることを特徴とする、上記の日焼け止め組成物を提供するものである。
【0020】
また、本発明は、前記成分(a)界面活性剤が、非イオン性界面活性剤であって、そのHLBが5から14の間であることを特徴とする、上記の日焼け止め組成物を提供するものである。
【0021】
さらに、本発明は、前記成分(d)水溶性紫外線吸収剤が、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸塩、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸塩、4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、フェニレン−1,4−ビス(2−ベンズイミダジル)−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸ビス−ナトリウム塩から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする上記の日焼け止め組成物を提供するものである。
【0022】
また、本発明は、前記成分(d)油溶性紫外線吸収剤が、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、4−tert−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オクトクリレン、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、オキシベンゾン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、上記の日焼け止め組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、バイコンティニュアスミクロエマルション相を利用することにより、きわめて優れた紫外線防御能を発揮し、かつ、使用感触に優れた日焼け止め組成物を得ることができる。さらには、塗布時の皮膚へののびがよく塗膜均一性に優れ、なじみがよく、透明なバイコンティニュアスミクロエマルション相を利用した日焼け止め組成物からなる日焼け止め化粧料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、バイコンティニュアスミクロエマルション相である日焼け止め組成物を製造するために、必須成分(a)〜(d)の配合量を決定するための相図である。
【図2】図2は、試験例1−1、1−3、1−4、1−5の吸光度スペクトルである。
【図3】図3は、図1上にて試験例4−1、4−2の組成を示す相図である。
【図4】図4は、図1上にて試験例5−1〜4の組成を示す相図である。
【図5】図5は、バイコンティニュアスミクロエマルション相である日焼け止め組成物を製造するために、必須成分(a)〜(d)の配合量を決定するための相図であり、試験例6−1〜4の組成を示す相図である。
【図6】図6は、図5上にて試験例7−1〜3の組成を示す相図である。
【図7】図7は、実施例1〜4の吸光度スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施形態について詳述する。
【0026】
<(a)界面活性剤>
本発明に用いる(a)界面活性剤は、イオン性および/または非イオン性界面活性剤である。
イオン性界面活性剤は、水溶液中で電離して電荷を有する界面活性剤であり、その電荷の種類によって両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤に分類される。
【0027】
両性界面活性剤は、カチオン性官能基及びアニオン性官能基を少なくとも1つずつ有し、溶液が酸性のときにはカチオン性、アルカリ性のときにはアニオン性となり、等電点付近では非イオン界面活性剤に近い性質を有している。
両性界面活性剤は、アニオン基の種類により、カルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型およびリン酸エステル型に分類される。本発明に好ましくはカルボン酸型、硫酸エステル型およびスルホン酸型である。カルボン酸型はさらにアミノ酸型とベタイン型に分類される。特に好ましくはベタイン型である。
具体的には、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0028】
カチオン性界面活性剤は、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、セチルトリエチルアンモニウムメチルサルフェート等の第4級アンモニウム塩が挙げられる。また、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド等のアミドアミン化合物が挙げられる。
【0029】
アニオン界面活性剤は、脂肪酸石鹸、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテル酢酸等のカルボン酸塩型、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸型、高級アルコール硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩型、リン酸エステル塩型等に分類される。好ましくは、カルボン酸塩型、スルホン酸型および硫酸エステル塩型であり、特に好ましくは硫酸エステル塩型である。
具体的には、例えば、脂肪酸石鹸(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等)、アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等)、N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等)、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等)、リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等)、スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等)、高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等)、N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等)、硫酸化油(例えば、ロート油等)、POE−アルキルエーテルカルボン酸、POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0030】
アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤、またはアニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤は、水溶液中で混合された場合に、油に対する界面張力が低下することが知られている。したがって、油水界面張力が極小であるバイコンティニュアスミクロエマルション相を生成しやすく、本発明において好適な組み合わせである。
両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤の1種類のみ用いた場合には、界面張力の低下が十分でなく、バイコンティニュアスミクロエマルション相が得られないか、あるいは、得られた場合であってもその生成領域が狭く、実質上の使用にあたって安定性を十分に満たすことができない場合がある。
【0031】
非イオン性界面活性剤は、水溶液中で電離して電荷を有することのない界面活性剤である。疎水基としてはアルキルを用いたタイプおよびジメチルシリコーンを用いたタイプなどが知られている。前者としては具体的には、例えばグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコール硬化ヒマシ油誘導体等が挙げられる。後者としてはポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン等が挙げられる。好ましくは疎水基としてアルキルを用いたタイプである。
【0032】
具体的には、親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等)、グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0033】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等)、POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等)、POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等)、POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等)、プルロニック型類(例えば、プルロニック等)、POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等)、テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等)、POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等)、POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等)、アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等)、POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE−アルキルアミン、POE−脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド−トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0034】
本発明において、非イオン界面活性剤はHLBが5から14の間であることが望ましい。一般にHLBは7であるとき水への溶解性と、油への溶解性が釣り合うことを示していることが知られている。すなわち本発明で好適な界面活性剤は、油/水溶解性が中間程度のものである。HLBが5未満または14を超えると、バイコンティニュアスミクロエマルション相が得られないか、あるいは、得られた場合であってもその生成領域が狭く、実質上の使用にあたって安定性を十分に満たすことができない場合がある。
【0035】
また、本発明においては、界面活性助剤として機能する、コサーファクタントと呼ばれる成分を配合することができる。例えば、モノグリセリン誘導体及び/またはジグリセリン誘導体が挙げられる。具体的には、モノグリセリン誘導体として、特にモノオクタン酸モノグリセリンエステル、モノオクチルモノグリセリルエーテル、モノノナン酸モノグリセリンエステル、モノノニルモノグリセリルエーテル、モノデカン酸モノグリセリンエステル、モノデシルモノグリセリルエーテル、モノウンデシレン酸モノグリセリンエステル、モノウンデシレニルモノグリセリルエーテル、モノドデカン酸モノグリセリンエステル、モノドデシルモノグリセリルエーテル、モノテトラデカン酸モノグリセリンエステル、モノヘキサデカン酸モノグリセリンエステル、モノオレイン酸モノグリセリンエステル、モノイソステアリン酸モノグリセリンエステル、ジグリセリン誘導体として、モノオクタン酸ジグリセリンエステル、モノオクチルジグリセリルエーテル、モノデカン酸ジグリセリンエステル、モノデシルジグリセリルエーテル、モノウンデシレン酸ジグリセリンエステル、モノウンデシレニルジグリセリルエーテル、モノドデカン酸ジグリセリンエステル、モノドデシルジグリセリルエーテル、モノテトラデカン酸ジグリセリンエステル、モノヘキサデカン酸ジグリセリンエステル、モノオレイン酸ジグリセリンエステル、モノイソステアリン酸ジグリセリンエステル等が挙げられる。
【0036】
<配合量>
界面活性剤の配合量は相図により適宜決定されるが、日焼け止め組成物全量に対して0.1〜50質量%が好ましく、さらに好ましくは、0.3〜30質量%である。
【0037】
<(b)水>
本発明の日焼け止め組成物に含まれる水は特に限定されず、具体的に示すとすれば精製水、イオン交換水、水道水等が挙げられる。
【0038】
<配合量>
水の配合量は相図により適宜決定されるが、日焼け止め組成物全量に対して1〜95質量%が好ましい。
【0039】
<(c)油分>
本発明の日焼け止め組成物に含まれる油性成分は、通常化粧品、医薬部外品等に使用される炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油、液体油脂、固体油脂、ロウ類などが挙げられ、一種または二種以上の油性成分を用いることができる。
【0040】
炭化水素油としては、例えば流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0041】
高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0042】
高級アルコールとしては、例えば直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等)、分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)−2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0043】
合成エステル油としては、例えばオクタン酸オクチル、ノナン酸ノニル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ピバリン酸トリプロピレングリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、ジイソステアリン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート−2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0044】
シリコーン油としては、例えば鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等)、環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)、アクリルシリコーン類等が挙げられる。
【0045】
液体油脂としては、例えば、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0046】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0047】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0048】
<配合量>
油分の配合量は相図により適宜決定されるが、日焼け止め組成物全量に対して0.1〜90質量%が好ましく、さらに好ましくは、0.5〜80質量%である。
【0049】
<(d)水溶性紫外線吸収剤および/または油溶性紫外線吸収剤>
本発明の日焼け止め組成物に含まれる水溶性紫外線吸収剤は、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびその塩、フェニレン−ビス−ベンゾイミダゾール−テトラスルホン酸およびその塩等のベンゾイミダゾール系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル等が挙げられる。
【0050】
本発明の日焼け止め組成物に含まれる油溶性紫外線吸収剤は、例えば、パラアミノ安息香酸(PABA)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤;ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、3,4,5−トリメトキシケイ皮酸3−メチル−4−[メチルビス(トリメチルシリキシ)シリル]ブチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、オクトクリレン等が挙げられる。
【0051】
さらに、上記の成分(d)としては、特に、水溶性紫外線吸収剤は、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸塩、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸塩、4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、フェニレン−1,4−ビス(2−ベンズイミダジル)−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸ビス−ナトリウム塩から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。本発明の日焼け止め組成物に含まれる油溶性紫外線吸収剤は、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、4−tert−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オクトクリレン、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、オキシベンゾン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
【0052】
<配合量>
水溶性紫外線吸収剤および/または油溶性紫外線吸収剤の配合量は、相図により適宜決定されるが、日焼け止め組成物全量に対して0.1〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは、0.3〜15質量%である。
【0053】
本発明にかかる日焼け止め組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、一般に通常化粧品や医薬部外品の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、水溶性アルコール、増粘剤等を配合することができ、さらに所望に応じて、無機顔料、体質顔料等の粉末類、保湿剤、キレート剤、防腐剤、色素、香料などを適宜配合することができる。
【0054】
本発明にかかる日焼け止め組成物には、各種水溶性アルコールを配合してもよい。
水溶性アルコールは、低級アルコール、多価アルコール、多価アルコール重合体、2価のアルコールアルキルエーテル類、2価アルコールアルキルエーテル類、2価アルコールエーテルエステル、グリセリンモノアルキルエーテル、糖アルコール、単糖、オリゴ糖、多糖およびそれらの誘導体から選ばれる1種または2種以上である。
【0055】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0056】
多価アルコールとしては、例えば、2価アルコール(例えば、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等)、3価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等)、4価アルコール(例えば、ジグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等)、5価アルコール(例えば、キシリトール、トリグリセリン等)、6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等)、多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールートリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリンートリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等)、2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等)、2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルトリエチレングリコールモノメチルエーテルトリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等)、2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等)、グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等)、糖アルコール(例えば、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、デンプン分解糖還元アルコール等)、グリソリッド、テトラハイドロフルフリルアルコール、POE−テトラハイドロフルフリルアルコール、POP−ブチルエーテル、POP・POE−ブチルエーテルトリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテルリン酸、POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0057】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等)、四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等)、五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等)、六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等)、七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等)、八炭糖(例えば、オクツロース等)、デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等)、アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等)、ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0058】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0059】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸−トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン等が挙げられる。
【0060】
その他ポリオールとしては、ポリオキシエチレンメチルグルコシド(グルカムE−10)、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(グルカムP−10)などが挙げられる。
【0061】
本発明にかかる日焼け止め組成物には、各種増粘剤を配合してもよい。
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラーヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0062】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラーヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸)、微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等)、動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0063】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等)、セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等)、アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0064】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等)、ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等)、アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等)、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられる。
【0065】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等)、有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等)、無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等)、無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等)、無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等)、無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等)、無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等)、無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等)、無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等)、無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等)、パール顔料(例えば、酸化チタンコ−テッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等)、金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等)、ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレ−キ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等)、天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0066】
保湿剤としては、例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラ−ゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、DL−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0067】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0068】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等)、塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン等が挙げられる。
【0069】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0070】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0071】
pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0072】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0073】
酸化防止剤としては、例えばトコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0074】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等)、消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等)、美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン等)、各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピートキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等)、血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等)、抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等)、抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0075】
本発明の日焼け止め組成物は、上記の成分(a)〜(d)を含有し、必要に応じてその他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加し、25℃においてバイコンティニュアスミクロエマルション相となっているものである。
【0076】
なお、本発明の要件であるバイコンティニュアスミクロエマルション相は熱力学的な平衡状態であり、添加順序に関わらず生成する。したがって、どのような添加順序でも製造することが可能である。しかしながら、最も速やかに平衡状態に到達させるためには、水、界面活性剤、水溶性紫外線吸収剤、塩など水溶性の物質を混合し、界面張力が十分に低下した水溶液を調製した後、油分、油溶性紫外線吸収剤などの油溶性の物質を撹拌しながら徐添することが望ましい。
【0077】
バイコンティニュアスミクロエマルション相である日焼け止め組成物を製造するためには、簡便には図1に示すような相図を作成することにより、必須成分(a)〜(d)の配合量を決定できる。図1中の相図の各頂点はA成分、B成分、水であり、A成分およびB成分の組成は下記の通りである。
<A成分>
イミダゾリニウムベタイン 35.0
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15.0
2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテル 30.0
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 12.5
トリエタノールアミン 7.5
<B成分>
オクタン酸オクチル 75.0
2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート 25.0
【0078】
図1の相平衡図の作成方法を下記に示す。
1:まず、A成分、B成分、および水をねじ口試験管に秤量し、激しく振とうしたのち恒温水槽中に静置し溶液の状態を観察する。濁りがなく完全に透明であれば1相である。濁りがある場合にはさらに長期間静置しそれぞれの相の分離を待つ。まれに相分離が非常に遅く、成分の劣化などが懸念される場合には遠心分離装置を用いる。この場合、温度コントロールが可能なタイプを用いることが必要である。
2:次に溶液が1相の場合にはバイコンティニュアスミクロエマルション相、ミセル水溶液相、液晶相、逆ミセル油溶液相などの可能性があるため、どの相であるかを決定する。決定の方法は、粘度による判定、光学的等(異)方性、電気伝導度測定、偏光顕微鏡観察、X線構造解析等の手法を用いる。
3:溶液が多相の共存状態である場合には、完全な相分離後に各相の光学的等(異)方性を確認する。また、この共存するいくつかの相のうち1つは、近接する1相領域の相である。確実に確認するためには、溶液の組成を近接する1相の領域に向かって徐々に変化させたいくつかの溶液を調製する、多相共存溶液のうち当該相の全溶液に占める容積が徐々に増加し、ついには1相となることから確認が可能である。また、比重を考慮し各相の試験管内の存在位置からの確認も可能である。本発明のバイコンティニュアスミクロエマルション相は、水相およびミセル水溶液相よりも比重が軽く、油相および逆ミセル油溶液相よりも比重が重いことが一般であるが、これは構成成分(系)によって異なる。バイコンティニュアスミクロエマルション相とラメラ液晶相の比重は近いが、両者は光学的等方性により判別が可能である。
4:上記の手順により、多数の溶液を調製し、それぞれの組成において出現する相を特定し、領域を決定することにより、相平衡図が完成する。
【0079】
バイコンティニュアスミクロエマルション相は、界面活性剤が無限に会合した溶液のことであり、水および油の両方が連続であり、光学的に等方性の透明低粘度の溶液を意味する。ミドルフェーズマイクロエマルション相、バイコンティニュアス相、スポンジ相、L3相、D相などとも称され、本発明において、優れた紫外線防御能や使用感触を与える。
外観的にはバイコンティニュアスミクロエマルションは、透明な低粘度1相領域であり光学的には等方性である。これが他の等方性1相領域であるミセル水溶液、逆ミセル油溶液や、液晶相との区別にはさらに次の方法が有効である。
【0080】
成分(a)〜(d)を含有する日焼け止め組成物が、バイコンティニュアスミクロエマルション相であるかどうかは、(1)外観による判定、(2)相平衡図の作成、(3)電気伝導度測定、(4)NMRによる自己拡散係数の測定、(5)フリーズフラクチャー法を用いて調製したレプリカの電子顕微鏡観察等により決定できる。いずれの方法により決定してもよい。
(1)外観による判定では、バイコンティニュアスミクロエマルション相は透明な低粘度1相領域であり光学的には等方性である。光学的異方性のある液晶相との区別は偏光板2枚を90度の位相差で組み合わせた間にサンプルを保持し、光の透過がないことを確認することで可能である。バイコンティニュアスミクロエマルション相と他の等方性1相領域であるミセル水溶液、逆ミセル油溶液との区別には、さらに(2)〜(5)の方法が有効である。
(2)相平衡図の作成では、水/油性成分/界面活性剤(油性成分にはコサーファクタントの界面活性助剤を含む)で構成される3成分系の相平衡図を作成すると、等方性透明低粘度1相領域で、かつ水および油頂点のいずれからも連続する領域でない等の特徴を有していることで同定可能であるが、この特徴は構成される系(成分)によって異なる。
(3)電気伝導度測定では、バイコンティニュアスミクロエマルション相の伝導度は同じ系で得られるミセル水溶液相の約2/3の値をとることが知られている。
(4)NMRによる自己拡散係数測定は、LindmanらによりJ. Colloid Interface Sci.,1981,83,569等に詳しく記載されている方法である。
(5)フリーズフラクチャー法を用いて調製した相サンプルの電子顕微鏡観察によれば、バイコンティニュアスミクロエマルション相の水および油の両方が連続となった像を得ることが可能である。この像によれば水あるいは油が連続のミセル水溶液相で得られる球状の会合体像との区別が容易である。この方法については、今栄らによる文献Colloid polym. Sci.,1994,272,604に詳しく記載されている。
【実施例】
【0081】
次に実施例により本発明をさらに具体的に詳細に説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。配合量は質量%を表わす。
各試験例の日焼け止め化粧料を常法により製造し、会合状態(25℃においてバイコンティニュアスミクロエマルション相を示すか否か)と日焼け止め化粧料としての効果について比較検討した。
なお、以下の試験例において、(a)界面活性剤、(b)水、(c)油分、(d)水溶性紫外線吸収剤および/または油溶性紫外線吸収剤を含有し、25℃においてバイコンティニュアスミクロエマルション相を示し、本発明の実施例となる日焼け止め組成物の試験例の番号は、試験例1−1、1−2、2−1、3−1、4−1、5−1〜4、6−1〜4、7−1である。上記以外のその他の試験例は、25℃においてバイコンティニュアスミクロエマルション相を示さず、本発明の実施例とならない。
【0082】
まず、各試験例で用いた評価法について説明する。
【0083】
評価(1):会合状態
本発明の日焼け止め組成物の会合状態を評価した。バイコンティニュアスミクロエマルション相の判定には「0081」に述べた方法をとった。
L3:バイコンティニュアスミクロエマルション相一相の会合状態をとっている。
L1:ミセル水溶液相一相の会合状態をとっている。
L2:逆ミセル油溶液相一相の会合状態をとっている。
II:水分離、油分離などが起こっている。
O/W:水中油型の乳化状態をとっている。
W/O:油中水型の乳化状態をとっている。
【0084】
評価(2):紫外線防御効果
本発明の日焼け止め組成物の紫外線防御効果を評価した。各々の試験例の日焼け止め組成物をポリメチルメタクリレート板に一定量塗布し、吸収スペクトルを測定することにより紫外線防御効果を評価した。表中には各日焼け止め組成物の波長310nmにおける吸光度の値を示す。値が大きいほど紫外線防御効果に優れることを示す。
【0085】
評価(3):なじみのよさ
使用中の肌へのなじみのよさを、専門パネル10名により各々の試験例の実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎…パネル8名以上が、使用中なじみがよいと認めた。
○…パネル6名以上8名未満が、使用中なじみがよいと認めた。
△…パネル3名以上6名未満が、使用中なじみがよいと認めた。
×…パネル3名未満が、使用中なじみがよいと認めた。
【0086】
評価(4):べたつき感のなさ
使用中及び使用後の肌へのべたつきのなさを、専門パネル10名により各々の試験例の実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎…パネル8名以上が、使用中及び使用後べたつき感がないと認めた。
○…パネル6名以上8名未満が、使用中及び使用後べたつき感がないと認めた。
△…パネル3名以上6名未満が、使用中及び使用後べたつき感がないと認めた。
×…パネル3名未満が、使用中及び使用後べたつき感がないと認めた。
【0087】
評価(5):塗膜の均一性
油相に蛍光物質を配合して、試料を調製した。これをスライドグラス上に塗布し、15分間乾燥した後、塗膜を顕微鏡観察し、油相(白い蛍光を発する)と水相の面積割合から、塗膜の均一性を評価した。
◎…塗膜の均一性がきわめて高い。
○…塗膜の均一性が高い。
△…塗膜がやや不均一である。
×…塗膜が不均一である。
【0088】
<油溶性紫外線吸収剤の配合>
以下の表1に記載した配合組成よりなる試験例の日焼け止め組成物を製造し、上記の評価(1)〜(5)について評価試験を行った。
【0089】
【表1】

【0090】
試験例1−1、1−3〜5の吸収スペクトル測定結果を図2に示す。
【0091】
表1の結果より、試験例1−1〜5はいずれも油分(オクタン酸オクチル)および紫外線吸収剤(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)の配合濃度は同一であるにもかかわらず、O/W乳化状態をとる試験例1−3〜5はいずれも紫外線防御効果に劣り、使用感触にもやや劣るものであった。試験例1−4においては、塗膜の均一性も劣る傾向にあった。
一方、成分(a)としてイオン性界面活性剤を配合した試験例1−1、非イオン性界面活性剤を配合した試験例1−2は、いずれもバイコンティニュアスミクロエマルション相を形成し、評価(1)〜(5)のいずれの評価にも優れるものであった。
【0092】
<水溶性紫外線吸収剤の配合>
以下の表2に記載した配合組成よりなる試験例の日焼け止め組成物を製造し、評価(1)〜(5)について評価試験を行った。
【0093】
【表2】

【0094】
表2の結果より、試験例2−2〜5はいずれも紫外線吸収剤(フェニルベンズイミダゾールスルホン酸)の配合濃度は同一であるにもかかわらず、ミセル水溶液相をとる試験例2−2、O/W乳化状態をとる試験例2−3〜5はいずれも紫外線防御効果に劣り、使用感触にもやや劣るものであった。試験例2−2、2−4においては、塗膜の均一性も劣る傾向にあった。
一方、試験例2−1はバイコンティニュアスミクロエマルション相を形成し、評価(1)〜(5)のいずれの評価にも優れるものであった。
【0095】
<界面活性剤の配合>
以下の表3に記載した配合組成よりなる試験例の日焼け止め組成物を製造し、評価(1)〜(5)について評価試験を行った。

【表3】

【0096】
表3の結果より、界面活性剤を配合していない試験例3−2は、可溶化状態、乳化状態のいずれもとることができず、分離状態となり、評価できなかった。
一方、界面活性剤を配合した試験例3−1はバイコンティニュアスミクロエマルション相を形成し、評価(1)〜(5)のいずれの評価にも優れるものであった。
【0097】
<バイコンティニュアスミクロエマルション相の効果>
以下の表4に記載した配合組成よりなる試験例の日焼け止め組成物を製造し、評価(1)〜(5)について評価試験を行った。

【表4】

【0098】
図1の相図上において、試験例4−1および4−2の組成を示したものを図3に示す。試験例4−1および4−2は同じ濃度のB成分(油分および油溶性紫外線吸収剤)を含有するが、試験例4−1はバイコンティニュアスミクロエマルション相を形成し、試験例4−2は多相となることを示している。なお、図3上の試験例4−2の組成では水溶性紫外線吸収剤の濃度が4−1よりも少なくなるため、その差分は後から添加することにより補正している。
【0099】
表4の結果より、バイコンティニュアスミクロエマルション相を形成せずO/W乳化状態をとる試験例4−2は、紫外線防御効果に劣り、使用感触にも劣るものであった。また、界面活性助剤である2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテルを配合していない試験例4−3は、同じくバイコンティニュアスミクロエマルション相を形成せずO/W乳化状態をとり、紫外線防御効果に劣り、使用感触にもやや劣るものであった。
一方、バイコンティニュアスミクロエマルション相を形成する試験例4−1は、評価(1)〜(5)のいずれの評価にも優れるものであった。
【0100】
以下の表5に記載した配合組成よりなる試験例の日焼け止め組成物を製造し、評価(1)〜(5)について評価試験を行った。

【表5】

【0101】
図1の相図上において、試験例5−1〜5−4の組成を示したものを図4に示す。
【0102】
表5の結果より、試験例5−1〜5−4はバイコンティニュアスミクロエマルション相を形成し、配合した紫外線吸収剤(フェニルベンズイミダゾールスルホン酸および2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)の配合量に応じて紫外線防御効果は高い効果を示し、また、いずれも使用感触や塗膜の均一性に優れるものであった。
【0103】
イオン性界面活性剤系の相図上に生成するさまざまな組成のバイコンティニュアスミクロエマルション相を活用することにより、さまざまな濃度の界面活性剤、油分、紫外線吸収剤を含有した日焼け止め組成物を得ることができる。
【0104】
以下の表6に記載した配合組成よりなる試験例の日焼け止め組成物を製造し、評価(1)〜(5)について評価試験を行った。
また、本試験を実施するにあたり、作成した非イオン性界面活性剤系の相図およびその中に試験例6−1〜6−4の組成を示したものを図5に示す。図5中の相図の各頂点はPOE(8)グリセリンモノイソステアレート(HLB=10、日本エマルジョン社製、製品名:EMALEX GWIS−108)、B成分、水であり、B成分の組成は下記の通りである。
<B成分>
オクタン酸オクチル 75.0
2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート 25.0

【表6】

【0105】
表6の結果より、試験例6−1〜6−4はバイコンティニュアスミクロエマルション相を形成し、配合した紫外線吸収剤(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)の配合量に応じて紫外線防御効果は高い効果を示し、また、いずれも使用感触や塗膜の均一性に優れるものであった。
【0106】
非イオン性界面活性剤系の相図上に生成するさまざまな組成のバイコンティニュアスミクロエマルション相を活用することにより、さまざまな濃度の界面活性剤、油分、紫外線吸収剤を含有した日焼け止め組成物を得ることができる。
【0107】
<バイコンティニュアスミクロエマルション相の効果>
以下の表7に記載した配合組成よりなる試験例の日焼け止め組成物を製造し、評価(1)〜(5)について評価試験を行った。

【表7】

【0108】
図5と同様の相図上において、試験例7−1〜7−3の組成を示したものを図6に示す。試験例7−1〜7−3は同じ濃度の油分および油溶性紫外線吸収剤を含有するが、試験例7−1はバイコンティニュアスミクロエマルション相を形成し、試験例7−2および試験例7−3は多相となることを示している。
【0109】
表7の結果より、バイコンティニュアスミクロエマルション相を形成せずO/W乳化状態をとる試験例7−2は、紫外線防御効果に劣り、使用感触にも劣るものであった。また、バイコンティニュアスミクロエマルション相を含む多相状態となる試験例7−3は紫外線防御効果にやや劣り、使用感触に劣るものであった。
一方、バイコンティニュアスミクロエマルション相を形成する試験例7−1は、評価(1)〜(5)のいずれの評価にも優れるものであった。
【0110】
以下に本発明のバイコンティニュアスミクロエマルション相からなる日焼け止め組成物の処方例を挙げる。得られた日焼け止め組成物は、25℃においてバイコンティニュアスミクロエマルション相を示し、安全性、使用感触が良好で、且つ高い基剤安定性を有するものであった。一方、実施例1〜3の吸収スペクトル測定結果を図7に示す。
【0111】
「実施例1:日焼け止めローション」
イミダゾリニウムベタイン 7.0
POE(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 3.0
2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテル 6.0
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 2.5
トリエタノールアミン 1.5
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.09
キレート剤 適 量
イオン交換水 残 余
オクタン酸オクチル 11.3
2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート 3.8
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 0.5
2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン 0.5
4−tert−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.5
【0112】
「実施例2:日焼け止めミスト」
イミダゾリニウムベタイン 7.0
POE(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 1.5
POE(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 1.5
2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテル 5.9
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 2.5
トリエタノールアミン 1.5
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.09
キレート剤 適 量
イオン交換水 残 余
ノナン酸ノニル 11.3
2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート 3.75
2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン 1.0
オクトクリレン 1.0
【0113】
「実施例3:日焼け止めローション」
フィタントリオール 28.5
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.09
キレート剤 適 量
イオン交換水 残 余
ジメチルポリシロキサン 61.0
2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート 5.0
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 0.5
【0114】
「実施例4:日焼け止めリキッド」
モノイソステアリン酸グリセリル 44.4
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.09
キレート剤 適 量
イオン交換水 残 余
イソドデカン 45.0
オクトクリレン 2.2
4−tert−4’−メトキシジベンゾイルメタン 1.1
2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン 0.5
2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート 1.6
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 0.5
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、透明なバイコンティニュアスミクロエマルション相を利用した日焼け止め組成物を提供するものである。
本発明の新規な日焼け止め組成物は、バイコンティニュアスミクロエマルション相を利用することにより、きわめて優れた紫外線防御能を発揮し、安定性に優れ、さらには、塗布時の皮膚へののびがよく塗膜均一性に優れ、皮膚に対するなじみに優れた日焼け止め化粧料として有用に利用される。さらに、本発明の日焼け止め組成物は紫外線防御能に優れるため、各種工業製品にも有用に利用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)界面活性剤
(b)水
(c)油分
(d)水溶性紫外線吸収剤および/または油溶性紫外線吸収剤
を含有し、25℃においてバイコンティニュアスミクロエマルション相であることを特徴とする日焼け止め組成物。
【請求項2】
前記成分(a)界面活性剤が、イオン性および/または非イオン性界面活性剤であることを特徴とする、請求項1記載の日焼け止め組成物。
【請求項3】
前記成分(a)界面活性剤が、アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤の組み合わせ、または、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤の組み合わせから選ばれることを特徴とする、請求項1または2記載の日焼け止め組成物。
【請求項4】
前記成分(a)界面活性剤が、非イオン性界面活性剤であって、そのHLBが5から14の間であることを特徴とする、請求項1または2記載の日焼け止め組成物。
【請求項5】
前記成分(d)水溶性紫外線吸収剤が、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸塩、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸塩、4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、フェニレン−1,4−ビス(2−ベンズイミダジル)−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸ビス−ナトリウム塩から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項記載の日焼け止め組成物。
【請求項6】
前記成分(d)油溶性紫外線吸収剤が、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、4−tert−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オクトクリレン、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、オキシベンゾン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項記載の日焼け止め組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−178769(P2011−178769A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47572(P2010−47572)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】