説明

日焼け止め組成物の効率向上

UV遮断剤と、酸性基を含有する皮膜形成ポリマーと、中和剤とを含む組成物;皮膜形成剤の酸性基の少なくとも一部を中和剤で中和することによって組成物のSPFを高めるための組成物及び方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年4月27日付けで出願された米国出願第61/172,916号、及び2009年12月1日付けで出願された米国出願第12/628,924号の優先権を主張し、これらの出願の内容は、参照することにより全体として本明細書で援用される。また、本出願は、2009年12月1日付けで出願された米国出願第12/628,916号に関連し、その内容は、参照することにより全体として本明細書で援用される。
【0002】
本発明は、一般に、紫外線から保護するために、表面、例えば皮膚及び毛髪に局所施用される組成物に関する。また、本発明は、このような組成物の皮膚感触及び日焼け防止能を高める組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
日焼け止め組成物は、典型的には水性組成物又は非水性組成物(すなわち、無水組成物)として分類される。水性日焼け止め組成物は、典型的には、活性UV吸収化合物と、追加成分、例えば防水剤、香料、皮膚軟化剤及びその他のスキンケア成分とを含有するエマルジョンとして形成されるクリームである。非水性日焼け止め組成物は、典型的には、局所施用されるゲルとして形成できるか又は例えば種々成分のアルコール系溶液から噴霧できる溶剤型組成物である組成物である。
【0004】
噴霧可能な日焼け止め組成物は、近年、日焼け止め剤を運び、施用する(apply)ための手段として普及するようになっている。皮膜形成ポリマーは、非水性日焼け止め組成物に、皮膚又は毛髪などの表面に施用した後の該組成物に防水性を提供するために加えられることが知られている。しかし、ある一定の量を超える皮膜形成ポリマーを加えると、皮膚表面の組成物の感触に悪影響を及ぼすことがあり、特にケーキング感を与えることがあることが確認されている。中和剤は、水性日焼け止めエマルジョン製剤(formulations)に含まれる皮膜形成剤に関連して使用されている。例えば、皮膜形成能を保つために水性製剤に加えられる中和剤の量の制限を考察する国際公開第2004/071749号(Connetics Australia Rty.Ltd.)が参照される。
【0005】
皮膜形成ポリマーを防水剤として用いる局所施用水性揮発性溶剤型日焼け止め組成物の皮膚感触を改善する試みにおいて、本発明者らは、ある種の中和剤が、所望の改善された皮膚感触を提供するだけではなく、SPF値の予想外の実質的な上昇も提供することを知見した。従って、改善された日焼け止め剤による保護を提供するためにこのような中和剤を用いる組成物及び方法は、有用であろう。これらの目的及びその他の目的は、本明細書に記載の発明によって提供される。
【0006】
本明細書で引用した全ての特許及び非特許参考文献は、参照することにより全体として本明細書で援用される。本明細書のこの段落又は任意の部分での参考文献の確認又は考察は、このような参考文献が本出願の先行技術として利用できることを認めると解釈されるべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2004/071749号明細書
【発明の概要】
【0008】
本発明は、少なくとも1つのUV吸収有効成分と、複数の酸性基を含有する少なくとも1つの皮膜形成ポリマーとを含む水性揮発性溶剤型組成物であって、前記ポリマーが組成物の約1重量%よりも多い量で存在し及び前記酸性基の少なくとも一部が中和剤で中和されている水性揮発性溶剤型組成物を提供する。
【0009】
さらに、本発明は、少なくとも1つの日焼け止め活性剤と少なくとも1つの皮膜形成ポリマーとを含有する水性揮発性溶剤型組成物のSPFを高める方法であって、、前記皮膜形成ポリマーが複数の酸性基を含有し、前記組成物に、化粧学的に許容される中和剤を加え、少なくとも1つの日焼け止め活性剤と皮膜形成剤とを含有する組成物の形成をもたらすことを含み、前記酸性基の少なくとも一部が化粧学的に許容される中和剤で中和され及び前記皮膜形成剤が最終組成物の1重量%よりも多い量で存在する、前記水性揮発性溶剤型組成物のSPFを高める方法を提供する。
【0010】
また、本発明は、少なくとも1つの日焼け止め活性剤を含む水性揮発性溶剤型組成物のSPFを高める方法であって、前記組成物に、複数の酸性基を含有する皮膜形成ポリマーと、化粧学的に許容される中和剤とを加え、前記少なくとも1つの日焼け止め活性剤と皮膜形成剤とを含有する組成物の形成をもたらすことを含み、前記酸性基の少なくとも一部が前記中和剤で中和され、前記皮膜形成ポリマーが最終組成物の1重量%よりも多い量で存在する、前記水性揮発性溶剤型組成物のSPFを高める方法を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、少なくとも1つの日焼け止め活性剤を含む水性揮発性溶剤型組成物のSPFを高める方法であって、複数の酸性基を含有する皮膜形成ポリマーを、化粧学的に許容される中和剤と接触させて中和された皮膜形成剤を形成し(この場合に、前記酸性基の少なくとも一部が、前記中和剤で中和される)、及び前記少なくとも1つの日焼け止め活性剤を含む組成物に、前記中和された皮膜形成剤を加え、前記少なくとも1つの日焼け止め活性剤と前記中和された皮膜形成剤とを含有する組成物の形成をもたらすことを含み、前記皮膜形成剤が最終組成物の1重量%よりも多い量で存在する、前記水性揮発性溶剤型組成物のSPFを高める方法を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、表面に本発明の組成物を施用することからなる、表面と接触するUV線の有害作用を低下させる方法を提供する。
【0013】
また、本発明は、本発明の組成物を、被験者(subject)にUV線暴露の前に施用することからなる、UV線暴露による被験者の紅斑の発生を予防又は抑制する方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、本発明の組成物を、被験者にUV線暴露の前に施用することからなる、UV線暴露による被験者の光毒性又は光アレルギー反応の発生を予防又は抑制する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、少なくとも1つのUV吸収有効成分と、複数の酸性基を含有する少なくとも1つの皮膜形成ポリマーとを含む水性揮発性溶剤型組成物であって、前記ポリマーが、組成物の1重量%よりも多い量で存在し及び前記酸性基の少なくとも一部が、化粧学的に許容される中和剤で中和されている水性揮発性溶剤型組成物を提供する。
【0016】
多数の化粧学的に許容される中和剤が、利用でき、この施用において機能を果たすが、意外にも、アミン系中和剤はSPFレベルの相乗的上昇を提供する。本発明のアミン系中和剤は、少なくとも3個の炭素原子を有する1個以上の炭化水素鎖を含有する第一級、第二級又は第三級アミンからなることができる。従って、一つの例示的実施形態において、本発明の中和剤は、次の構造I:
【化1】

【0017】
(式中、Rは、H又はC〜C36であり、別の実施形態においてはC〜C24であり、さらに別の実施形態においてはC〜C18直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル又はアラルキニル基であり、R及びRは、独立して、H、CH、又はC〜約C36直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、又はアラルキニル基から選択される(但し、R、R及びRが、全部Hであることは無いことを条件とする))
の1つ以上のアミンからなる。前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、及びアラルキニル基は、場合により1個以上のヘテロ原子(S、N、O、及びSiを含む)を含有していてもよい。本発明の1つの実施形態において、1つ以上の側鎖(R、R及びR)は、6個以上の炭素原子(全ての鎖の合計)を含有する。別の実施形態において、1つの鎖は、6個以上の炭素原子を含有する。特定の実施形態において、本発明のアミン系中和剤は、次の構造Ia〜Id:
【化2】


【0018】
(式中、R、R、R及びRは、独立してH、CH、又はC〜約C36直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、又はアラルキニル基から選択される)
の1つ以上を有する。前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル及びアラルキニル基は、場合により1個以上のヘテロ原子(S、N、O、及びSiを含む)を含有していてもよい。
【0019】
この種の化合物としては、次の構造Ie〜Ih:
【化3】

【0020】
(式中、Rは、H又はCHである);
【化4】

【0021】
及び
【化5】

【0022】
(式中、Rは、H又はCである)
を有する製品を含め、JEFFAMINE(登録商標)ポリエーテルアミンとして知られている製品(Huntsman Chemical Co,The Woodlands,TXから入手できる)が挙げられる。
【0023】
別の実施形態において、アミン系中和剤は、構造II及び/又はIII:
【化6】

【0024】
(式中、R、R、R10、R11及びR12は、独立してH、CH、又はC〜約C36直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、又はアラルキニル基である)
の1つ以上の化合物から選択される。前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル及びアラルキニル基は、場合により1個以上のヘテロ原子(S、N、O、及びSiを含む)を含有していてもよい。
【0025】
別の例示的実施形態において、本発明の中和剤はまた、追加分子の中に含まれるか又は追加分子から吊り下がっているアミン基、例えば大きなポリマー内のモノマー単位又はポリマー主鎖から吊り下がっているモノマー単位を含有していてもよい。従って、中和剤は、第一級又は第二級アミンをペンダント基又はモノマー単位として含有していてもよく、前記アミンは、場合によりC〜C36直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、又はアラルキニル基で置換することができる。前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、及びアラルキニル基は、場合によりS、N、O又はSiの1つ以上を含有していてもよい。本明細書において意図するポリマー主鎖は、例えばシリコーンポリマー又はアクリル酸ポリマーからなっていてもよい。
【0026】
上記に構造を示したような特定の例示的実施形態において、n、x、y及びzのそれぞれは、独立して0から100まで、90まで、80まで、70まで、60まで、50まで、40まで、30まで、20まで又は10までである。本発明の特定の例示的実施形態において、R、R、R、及びRは、独立して、最大50個までの炭素原子を有する部分からなる。特定の例示的実施形態において、R〜R12は、独立して、最大40個までの炭素原子を有する部分からなる。特定の例示的実施形態において、R〜R12は、独立して、最大30個までの炭素原子を有する部分からなる。特定の例示的実施形態において、R〜R12は、独立して、最大20個までの炭素原子を有する部分からなる。本発明に適したアミン中和剤の幾つかの非限定的な例は、アルキルアミン類、アルケニルアミン類、ジアルキルアミン類、ジアルケニルアミン類、ジメチルアルキルアミン類(アルキルは、ステアリル、タロー、ココイル、ソイ(soy)などである)、メチルジアルキルアミン類(アルキルは、ステアリル、ヘキサデシル、タローである)及びトリアルキルアミン類、ジメチルアルケニルアミン類(アルケニルは、ソイ、オレイン、リノール及びリノレンである)、メチルジアルケニルアミン類及びトリアルケニルアミン類並びにこれらの組み合わせである。
【0027】
本発明の実施において、アミン中和剤は、皮膜形成ポリマーの酸性基、例えばカルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基又は同様の酸性基の少なくとも一部を中和するように作用する。従って、皮膜形成ポリマーは、中和剤で部分的に又は完全に中和することができる。特定の例示的実施形態において、皮膜形成ポリマーの酸性基の約5%〜約100%が中和される。別の例示的実施形態において、皮膜形成ポリマーの酸性基の最大約90%、最大約80%、最大約70%、最大約60%、最大約50%、最大約40%、最大約30%、最大約25%、最大約20%、最大約15%、最大約10%又は最大約5%が中和される。
【0028】
本発明の実施において、ポリマー皮膜形成剤について所望の中和%を得るために加えられるべきアミン中和剤の量は、ポリマーの酸度及びアミン中和剤の中和当量に基づいて決定できる。例えば、次式が、中和剤の正確な量を決定するのに使用できる:
中和剤の量(g)= W*A*N*E
100,000
W=ポリマー皮膜形成剤の重量(g)
A=ポリマー皮膜形成剤の酸度(meq/g)
N=所望の中和%
E=アミンの中和当量(g/eq)
特定の皮膜形成剤の酸度は、容易に入手できる。例えば、皮膜形成ポリマーデルマクリル(登録商標)79の酸度は、2.27meq/gである。また、種々のアミン中和剤の中和当量(E)も容易に入手できる。幾つかのArmeen(登録商標)及びEthomeen(登録商標)アミン中和剤の例を、以下の表1に示す。
【表1】

【0029】
本発明の実施において、アミン中和剤は、組成物の残部に後で加えるべき部分的に又は完全に中和されたポリマーを得るために、皮膜形成ポリマーと組み合わせてもよい。あるいは、アミン中和剤は、組成物の一部として皮膜形成ポリマーと共に加えて、部分中和又は完全中和をその場で達成してもよい。
【0030】
本発明の1つの例示的実施形態において、皮膜形成ポリマーは、少なくとも5重量%の酸含有モノマーを含む。別の例示的実施形態において、皮膜形成ポリマーは、少なくとも5重量%のカルボン酸含有モノマーを含む。これらのモノマーの非限定的な例は、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸並びにこれらの組み合わせ及び混合物である。別の皮膜形成ポリマー(合成又は天然)が、上記の酸含有ポリマーと共に使用できる。これらの別の皮膜形成ポリマーの非限定的な例は、National Starch and Chemical Companyから、AMPHOMER(登録商標)ポリマー及びAMPHOMER(登録商標)LV−71ポリマー(オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー)、AMPHOMER HC(登録商標)ポリマー(アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー)、BALANCE(登録商標)0/55及びBALANCE CR(登録商標)ポリマー(アクリレートコポリマー)、BALANCE(登録商標)47ポリマー(オクチルアクリルアミド/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー)、RESYN(登録商標)28−2930ポリマー(VA/クロトネート/ネオデカン酸ビニルコポリマー)、RESYN(登録商標)28−1310ポリマー(VA/クロトネートコポリマー)、FLEXAN(登録商標)ポリマー(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)、DynamXポリマー(ポリウレタン−14(及び)AMP−アクリレートコポリマー)、RESYN XP(登録商標)ポリマー(アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー)、STRUCTURE 2001(アクリレート/ステアレス−20イタコネートコポリマー)及びSTRUCTURE(登録商標)3001(アクリレート/セテス−20イタコネートコポリマー);ISPから、OMNIREZ−2000(登録商標)(PVM/MAハーフエチルエステルコポリマー)、GANEX P−904(登録商標)(ブチル化PVP)、GANEX V−216(登録商標)(PVP/ヘキサデセンコポリマー)、GANEX(登録商標)V−220(PVP/エイコセンコポリマー)、GANEX(登録商標)WP−660(トリコンタニルPVP)、GANTREZ(登録商標)A425(PVM/MAコポリマーのブチルエステル)、GANTREZ(登録商標)AN−119 PVM/MAコポリマー、GANTREZ ES 225(登録商標)(PVM/MAコポリマーのエチルエステル)、GANTREZ ES425(PVM/MAコポリマーのブチルエステル)、GAFFIX VC−713(登録商標)(ビニルカプロラクタム/PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー)、GAFQUAT 755(登録商標)(ポリクオタニウム−11)、GAFQUAT HS−100(登録商標)(ポリクオタニウム−28)、AQUAFLEX XL−30(登録商標)(ポリイミド−1)、AQUAFLEX SF−40(登録商標)(PVP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレートコポリマー)、AQUAFLEX FX−64(登録商標)(イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミドコポリマー)、ALLIANZ LT−120(登録商標)(アクリレート/C1−2スクシネート/ヒドロキシアクリレートコポリマー)、STYLEZE CC−10(登録商標)(PVP/DMAPAアクリレートコポリマー)、STYLEZE 2000(登録商標)(VP/アクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー)、STYLEZE W−20(登録商標)(ポリクオタニウム−55)、コポリマーシリーズ(PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー)、ADVANTAGE S(登録商標)及びADVANTAGE LCA(登録商標)(ビニルカプロラクタムNP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー)、ADVANTAGE PLUS(VA/マレイン酸ブチル/イソボルニルアクリレートコポリマー);BASFから、ULTRAHOLD STRONG(アクリル酸/アクリ酸エチル/t−ブチルアクリルアミド)、LUVIMER 100(登録商標)(t−ブチルアクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸)、LUVIMER 36D(エチルアクリレート/t−ブチルアクリレート/メタクリル酸)、LUVIQUAT HM−552(登録商標)(ポリクオタニウム−16)、LUVIQUAT HOLD(登録商標)(ポリクオタニウム−16)、LUVISKOL K30(PVP)、LUVISKOL K90(登録商標)(PVP)、LUVISKOL VA64(登録商標)(PVP/VAコポリマー)、LUVISKOL VA73W(登録商標)(PVPNAコポリマー)、LUVISKOL VA(登録商標)、LUVISET PUR(登録商標)(ポリウレタン−1)、LUVISET(登録商標)Clear(VP/メタクリアルアミドニニル(Ninyl)イミダゾールコポリマー)、LUVIFLEX SOFT(登録商標)(アクリレートコポリマー)、ULTRAHOLD 8(登録商標)(アクリレート/アクリルアミドコポリマー)、LUVISKOL(登録商標)Plus(ポリビニルカプロラクタム)、LUVIFLEX(登録商標)Silk(PEG/PPG−25/25ジメチコン/アクリレートコポリマー);Amercholから、AMERHOLD(登録商標)DR−25(アクリル酸/メタクリル酸/アクリレート/メタクリレート);Rohm & Haasから、ACUDYNE258(登録商標)(アクリル酸/メタクリル酸/アクリレート/メタクリレート/ヒドロキシエステルアクリレート;三菱化学から及びClariantによって供給される、DIAFORMER Z−301(登録商標)、DIAFORMER Z−SM(登録商標)、及びDIAFORMER Z−400(登録商標)(メタクリロイルエチルベタイン/アクリレートコポリマー)、ACUDYNE 180(登録商標)(アクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー)、ACUDYNE SCP(登録商標)(エチレンカルボキシアミド/AMPSA/メタクリレートコポリマー)、及びACCULYN(登録商標)流動調節剤;ONDEO Nalcoから、FIXOMER A−30(登録商標)及びFIXOMER N−28(登録商標)(INCI名:メタクリル酸/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ナトリウムコポリマー);Noveonから、FIXATE G−100(登録商標)(AMP−アクリレート/アリルメタクリレートコポリマー)、FIXATE PLUS(登録商標)(ポリアクリレート−X)、CARBOPOL(登録商標)Ultrez 10(カルボマー)、CARBOPOL Ultrez 20(登録商標)(アクリレート/C10−30アルキルアクリレートコポリマー)、AVALURE AC(登録商標)シリーズ(アクリレートコポリマー)、AVALURE UR(登録商標)シリーズ(ポリウレタン−2、ポリウレタン−4、PPG−17/IPDI/DMPAコポリマー);ポリエチレングリコール;水溶性アクリル樹脂;水溶性ポリエステル;ポリアクリルアミド;ポリアミン類;ポリ第四級アミン類;スチレン無水マレイン酸(SMA)樹脂;ポリエチレンアミン;並びに極性溶剤可溶性であるか又は適当な塩基で中和することにより可溶性になり得るその他の慣用ポリマーである。
【0031】
別の天然皮膜形成ポリマーは、本明細書で使用するような天然デンプンであり、また標準的な育種法、例えば異種交配、転座、反転、形質転換あるいはこれらの変種を含むために遺伝子又は染色体を操作するその他の方法によって得られる植物から誘導されるデンプンである。また、人工的突然変異により育てられる植物及び前記一般的組成の変種(これは、公知の標準的な突然変異育種法で作成し得る)から誘導されるデンプンも本明細書において適している。
【0032】
当業者は、皮膜形成ポリマーが2種以上のポリマーのブレンドからなっていてもよいことが分かるであろう。本発明の1つの例示的実施形態において、ポリマーのブレンドが使用され得、これらのポリマーの少なくとも1つは、カルボン酸モノマーを含有し、カルボン酸モノマーの量は、全ポリマーの5%未満である(全皮膜形成ポリマーの乾燥重量基準)。
【0033】
本発明の日焼け止め組成物は、水性揮発性溶剤型組成物(主として揮発性溶剤と、最大約30重量%までの水とを含有する非エマルジョン組成物を意味する)として調製される。従って、前記組成物は、さらに分散微粒子を含有していてもよい単一液相を含む。特定の実施形態において、本発明の組成物は、最大約25重量%までの水又は最大約20重量%までの水を含有する。本発明のさらなる実施形態において、前記組成物は、約10重量%〜約30重量%の水、約10重量%〜約25重量%の水又は約10重量%〜約20重量%の水を含む。例示的な揮発性溶剤としては、1つ以上のアルコール、例えばメタノール、エタノール及びイソプロパノール、揮発性炭化水素、例えばイソオクタン、イソデカン、及びイソヘキサデカン、アルデヒド類及び揮発性シリコーン類(揮発性ケトン類、例えばアセトン及びメチルエチルケトンも含む)が挙げられ。本発明の実施形態において、揮発性溶剤は、エタノール、メタノール、イソプロパノール及びアセトンからなる群から選択される。アルコール系溶剤系を含有する本発明の日焼け止め組成物は、非水性溶液として特徴づけられる。しかし、組成物中に、例えば加工助剤又は補助溶剤として少量の水を有することが望ましいものであり得る。特定の例示的実施形態において、組成物の含水量は、活性剤が溶液から層分離又は沈殿するのを防止するように約9%を超えない。当業者は、種々の活性剤が溶液中の水に対して種々の耐性を有し、従って含水量を調節することが分かるであろう。また、溶剤としては、鉱油又は植物油などの油を挙げることができる。油は、唯一の溶剤であってもよいし、又は補助溶剤として又は「皮膚軟化剤」として本明細書に記載のように種々の量で使用してもよい。
【0034】
本発明の目的に、「日焼け止め活性剤」又は「日焼け止め活性物」は、UV線吸収能に基づいて活性日焼け止め成分として使用するのに許容されると考えられる全ての物質を単独で又は組み合わせて包含する。このような化合物は、一般にUV−A活性剤、UV−B活性剤、又はUV−A/UV−B活性剤として記載される。一般にヒトに使用することを意図する製剤に活性剤を含有させることについては、監督官庁による承認が必要とされる。米国で日焼け止め用途についてすでに承認されているか又は現在承認されているこれら活性剤としては、有機及び無機物質、例えば限定されないが、p−アミノ安息香酸、アボベンゾン、シノキセート、ジオキシベンゾエート、ホモサレート、アントラニル酸メンチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾエート、パディメート(padimate)O、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、スリソベンゾン、サリチル酸トロラミン、二酸化チタン、酸化亜鉛、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、ジガロイルトリオレエート、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルアミノベンゾエート、ジヒドロキシアセトンを含むラウソン(lawsone with dihydroxyacetone)、赤色ワセリンが挙げられる。米国では未だ承認されていないが、米国以外で販売されている製剤に許可されている追加の日焼け止め活性剤の例としては、エチルヘキシルトリアゾン、ジオクチルブタミドトリアゾン、ベンジリデンマロネートポリシロキサン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスジエチルアミノヒドロキシベンゾイルベンゾエート、ビスベンゾキサゾイルフェニルエチルヘキシルイミノトリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、及びビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、4−メチルベンジリデンカンファー、並びに4−メトキシケイ皮酸イソペンチルが挙げられる。しかし、承認された日焼け止め剤のリストは現在拡大しつつあるので、当業者には、本発明は、ヒトへの使用について現在承認されている日焼け止め活性剤に限定されず、将来許可される可能性のある日焼け止め活性剤にも容易に適用できることが分かるであろう。
【0035】
本発明の1つの実施形態において、日焼け止め活性剤は、光保護有効量の少なくとも1つの無機顔料又はナノ顔料の微粒子を含有し、その非限定的な例としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
本発明の組成物は、皮膚擦り込み液として施用できるが、最も一般的にはスプレーとして施用される。しかし、本発明の組成物は、皮膚に主に日焼け止め剤として施用される組成物に限定されない。また、本発明の組成物は、日焼け止め活性剤が別の局所施用組成物の成分である配合物も含有する。幾つかの非限定的な例は、口紅、メイクアップ、リップバーム、アイシャドー、毛染め剤、ヘアコンディショナーであるか、又は太陽光線保護が有用であると思われる用途である。
【0037】
主題の発明の特定の実施形態において、前記組成物は、噴射剤と組み合わせることによって圧力容器に貯蔵できる。従って、このようにして貯蔵される組成物は、噴射剤と組成物を、典型的にはスプレー又はミストで放出する容器のバルブを開放することによって施用できる。組成物に使用される噴射剤は、計量分配スプレー缶に圧縮するか又は液化させることができ、周囲温度及び圧力条件に暴露されると蒸気又はガスの形態に膨張又は揮発して組成物をエアロゾルの形態で送達させる任意の適当なガスであってもよいし又は複数のガスの組み合わせであってもよい。適当な噴射剤としては、1〜5個の炭素原子を有する炭化水素、例えば以下に限定されないがメタン、エタン、プロパン、イソプロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン、ハイドロフルオロカーボン類(HFC類)、クロロフルオロカーボン類(CFC類)、窒素、エーテル類、例えばジメチルエーテル、及びこれらの任意の混合物が挙げられる。当業者には、噴射剤、例えばジメチルエーテルは、密閉容器、例えばアルミニウム缶又はガラスビンに、周囲温度で液体の状態に凝縮することが分かる。従って、エアロゾル容器中の組成物は、溶解した噴射剤、溶解していない液状噴射剤及びガス状噴射剤を含有することができる液体製剤である。この全ては、噴射剤の蒸気圧による加圧下にある。主題の発明のこの態様の実施において、噴射剤は、エアロゾル組成物の全重量に基づいて、最大約90重量%まで、好ましくは約2重量%〜約50重量%、さらに好ましくは約5重量%〜約40重量%、さらに好ましくは約30重量%の量で存在させることができる。
【0038】
本発明の組成物は、本明細書において「化粧品成分」と呼ばれる種々様々な追加の任意成分を含有していてもよいが、医薬活性剤として一般的に知られている成分も含有することができる。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook、Seventh Edition、1997 and the Eighth Edition、2000(これは、参照することより全体として本明細書で援用される)には、スキンケア組成物に一般的に使用される種々様々な化粧品及び医薬成分が記載されており、これらは本発明の組成物に使用するのに適している。この参考文献に開示されているこれらの機能分類の例としては、吸収剤、研磨剤、凝固防止剤、消泡剤、酸化防止剤、結合剤、生物学的添加剤、緩衝剤、増量剤、キレート化剤、化学添加剤、着色剤、化粧品収斂剤、化粧品殺生物剤、変性剤、薬物収斂剤、外用鎮痛薬、皮膜形成剤、芳香成分、保湿剤、乳白剤、pH調節剤、可塑剤、還元剤、皮膚漂白剤、皮膚コンディショニング剤(皮膚軟化剤、保湿剤、種々の(miscellaneous)剤及び閉塞剤)、皮膚保護剤、溶剤、発泡増強剤、ヒドロトロープ剤、可溶化剤、懸濁剤(非界面活性剤)、日焼け止め剤、紫外線吸収剤、SPF増強剤、防水剤、及び増粘剤(水性及び非水性)が挙げられる。
【0039】
本発明の組成物はまた、UV線散乱及び分散のようなメカニズムで最終組成物のSPFも高める物質も含有していてもよい。このような物質は、本明細書では「UV線散乱剤」と呼び、UV吸収活性を示す物質又はUV吸収活性を示さない物質からなる。このようなUV線散乱剤の例としては、高分子物質、例えば乳化重合によって製造される中空スチレン/アクリレートコポリマー球として製造業者によって説明されているSunSpheres(商品名)(Rohm and Haas;Philadelphia、PA)として知られている製品が挙げられる。前記ポリマー球は、ヒトの皮膚などの表面に存在する日焼け止め剤の薄膜全体に入射UV線を分散及び/又は散乱させることによってUVA及びUVB領域を横切るSPF値を上昇させると言われている。上記の球は、UV線を日焼け止め製剤中のUV吸収日焼け止め活性剤に向け直すことによってUV線を皮膚にあまり浸透しなくさせると理解され、そこではUV線が日焼け止め活性分子と反応し、そのエネルギーが熱として消失する。本明細書で使用する「球」又は「散乱剤」という用語は、化学組成又は形状によって限定されないが、入射UV線の経路を長くする効果、すなわちUV線が日焼け止め活性分子、すなわちUV吸収活性剤と接触する統計学的可能性を高める効果を生じる薬剤を含む。これらの物質としては、散乱特性も示すUV吸収物質、例えばZnO(例として、BASFから入手できるZ−Cote(商品名)製品が挙げられる)、TiO(例として、Uniqema(New Castle、DE、USA)から入手できるSolaveil(商品名)製品が挙げられる)、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(Ciba Specialty Chemicals、Inc.(バーゼル、スイス)から入手できる「Tinasorb(商品名)M」)などの化合物が挙げられる。UV線散乱剤は、典型的には配合物中に最大約25重量%までの量で存在させる。本発明の特定の例示的実施形態は、最大約10重量%まで、好ましくは約0.5重量%〜約7.0重量%の範囲で、特に好ましくは3重量%〜約5重量%の範囲で含有し得る。
【0040】
本明細書で使用する「サンレスタンニング(sunless−tanning)剤」又は「セルフタンニング(self−tanning)組成物」とは、ヒトの皮膚に施用した場合に、皮膚を太陽光又は人工太陽光に暴露することによって達成される外観に似た外観を皮膚に付与する組成物を指す。サンレスタンニング活性剤の例は、米国特許第6,482,397号、同第6,261,541号及び同第6,231,837号明細書に記載されている。このようなサンレスタンニング組成物は、典型的には、人工日焼け有効量のセルフタンニング剤の他に、有効量の組成物着色剤と、ヒトの皮膚に局所施用するのに適合した化粧学的に許容される担体とを含有する。また、セルフタンニング剤としては、ヒトの皮膚への施用について当該技術において一般に許容されており、そのように施用された場合に、そこでアミノ酸と反応して着色生成物を形成する組成物を挙げることができる。このような反応は、皮膚を日焼けさせるのに十分な時間太陽に暴露すると得られる色に似た褐色の外観を皮膚に与える。適当なセルフタンニング剤としては、限定されることなく、α−ヒドロキシアルデヒド類及びケトン類、グリセルアルデヒド及び関連アルコールアルデヒド類、種々のインドール類、イミダゾール類及びこれらの誘導体、並びに種々の承認されている色素沈着剤が挙げられる。セルフタンニング剤として本明細書において好ましいものは、α−ヒドロキシアルデヒド類及びケトン類である。セルフタンニング剤は、ジヒドロキシアセトン(「DHA」)であるのが最も好ましい。その他の適当なセルフタンニング剤としては、限定されることなく、メチルグリオキサール、グリセリン、グリセロールアルデヒド、エリスルロース、アロキサン、2,3−ジヒドロキシスクシンジアルデヒド、2,3−ジメトキシスクシンジアルデヒド、2−アミノ−3−ヒドロキシ−スクシンジアルデヒド及び2−ベンジルアミノ−3−ヒドロキシスクシンジアルデヒドが挙げられる。
【0041】
皮膚軟化剤は、皮膚を滑らかにし、柔らかくするのに役立つ油質又は油性物質であり、皮膚の荒れ、ひび割れ又は刺激も軽減し得る。典型的な適当な皮膚軟化剤としては、50〜500センチポイズ(cps)の範囲内の粘度を有する鉱油、ラノリン油、ヤシ油、カカオバター、オリーブ油、アーモンド油、マカダミアナッツ油、アロエ抽出物、例えばアロエべラリポキノン、合成ホホバ油、天然ソノラ(sonora)ホホバ油、サフラワー油、トウモロコシ油、液状ラノリン、綿実油、グレープシードオイル、甘扁桃油、及びピーナッツ油が挙げられる。皮膚軟化剤は、Henkel KGaAからMyritol 331という商品名で販売されているカカオ脂のモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドの混合物であるココグリセリド、又はHenkel KGaAからCetiol OEという商品名で入手できるジカプリリルエーテル又はFinetexからFinsolv TNという商標名で販売されている安息香酸C12−C15アルキルであることが好ましい。1種以上の皮膚軟化剤を、約1重量%〜約10重量%の範囲で、好ましくは約5重量%で存在させてもよい。別の適当な皮膚軟化剤は、Dow Corning Corp.から入手できるDC 200 Fluid350(シリコーン液)である。
【0042】
その他の適当な皮膚軟化剤としては、スクアラン、ヒマシ油、ポリブテン、甘扁桃油、アボカド油、カロフィラム(calophyllum)油、リシン油、酢酸ビタミンE、オリーブ油、シリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン及びシクロメチコン、リノレンアルコール、オレイルアルコール、小麦胚芽油、例えば麦芽油、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、アセチルグリセリド、(C12−C15)アルコールのオクタン酸エステル及び安息香酸エステル、アルコール及びポリアルコールのオクタン酸エステル及びデカン酸エステル、例えばグリコール及びグリセリルのオクタン酸エステル及びデカン酸エステル、リシノール酸エステル、例えばアジピン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル及びドデカン酸オクチル、マレイン酸ジカプリリル、水添植物油、フェニルトリメチコン、ホホバ油並びにアロエベラ抽出物が挙げられる。
【0043】
周囲温度で固体又は半固体であるその他の適当な皮膚軟化剤を使用してもよい。このような固体又は半固体の化粧品用皮膚軟化剤としては、グリセリルジラウレート、水添ラノリン、ヒドロキシル化ラノリン、アセチル化ラノリン、ペトロラタム、ラノリン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、乳酸ミリスチル、セチルアルコール、イソステアリルアルコール及びラノリン酸イソセチルが挙げられる。1種以上の皮膚軟化剤を、場合により製剤に含有させることができる。
【0044】
保湿剤は、その吸湿性により水分の保持を促進する湿潤剤である。適切な保湿剤としては、グリセリン、高分子グリコール類、例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、マンニトール並びにソルビトールが挙げられる。保湿剤は、ソルビトール(70%USP)又はポリエチレングリコール400(NF)であるのが好ましい。1種以上の保湿剤を、場合により約1重量%〜約10重量%、好ましくは約5重量%の量で製剤に含有させることができる。
【0045】
乾燥感調節剤は、エマルジョンに加えた場合にエマルジョンが乾燥すると皮膚に「乾燥感」を付与する薬剤である。乾燥感調節剤としては、タルク、カオリン、チョーク、酸化亜鉛、シリコーン液、無機塩、例えば硫酸バリウム、表面処理シリカ、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、例えばNew York、N.Y.、U.S.A.のDegussa Inc.から入手できるAerosilを挙げることができる。別の乾燥感調節剤は、米国特許第6,488,916号明細書に開示されている種類のエピクロルヒドリングリセリルデンプンである。
【0046】
追加の増粘剤、例えばNoveon Co.から入手できる種々のCarbopolを配合することが都合の良いものであり得る。特に好ましいのは、最終製品の製剤中のラメラ構造を破壊しない増粘剤、例えば非イオン性増粘剤である。追加増粘剤の選択は、十分に当業者の範囲内にある。
【0047】
別の天然又は合成物質も、空気中の酸素の作用による劣化(酸化)を防止するか又は遅らせるために、本発明の組成物に加えることができる。これらの物質は、皮膚組織での酸化反応も抑制し得る。このような物質は、酸敗や非酵素的褐変反応生物の発生を招くかもしれない酸化劣化を防止する。典型的な適当な物質としては、没食子酸のプロピルエステル、オクチルエステル及びドデシルエステル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA、通常、オルト及びメタ異性体の混合物として購入される)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、緑茶抽出物、尿酸、システイン、ピルビン酸エステル、ノルジヒドログアイアレチン酸、ビタミンA、ビタミンE及びビタミンC並びにこれらの誘導体が挙げられる。1種以上のこのような物質は、場合により組成物に約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.01〜約0.5重量%の範囲の量で含有させることができる。
【0048】
キレート化剤は、金属イオンを、金属イオンが関係する環のそれぞれから化学結合によって保持されるように、例えば複素環構造でキレート化又は結合するのに使用される物質である。適当なキレート化剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTA二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、EDTA三ナトリウム、アルブミン、トランスフェリン、デスフェロキサミン、フェスフェラール、メシル酸デスフェロキサミン、EDTA四ナトリウム及びEDTA二カリウム、又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0049】
香料は、日焼け止め組成物に美的に心地よい香りを付与できる芳香物質である。代表的な香料としては、植物起源(例えば、バラの花びら、くちなしの花、ジャスミンの花など)から抽出される芳香物質が挙げられ、これらは精油を作るために単独で又は組み合わせて使用できる。あるいは、アルコール抽出物は、香料を配合するために調製し得る。しかし、天然物から香料を得るには比較的高い費用を要するために、現在では、特に大量生産品においては、合成的に調製された香料を使用する傾向にある。1種以上の香料を、場合により、約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.01〜約0.5重量%の範囲の量で日焼け止め組成物に含有させることができる。
【0050】
追加の防腐剤も、必要に応じて使用してもよく、防腐剤としては、周知の防腐剤組成物、例えば、特にベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、安息香酸、ジアゾリジニル尿素、クロルフェネシン、カルバミン酸ヨードプロピニル及びブチルなどが挙げられる。
【0051】
本発明の組成物は、さらに、皮膚保護活性剤を含有することができる。適当な例としては、(好ましい重量%範囲)、アラントイン(0.5〜2%);水酸化アルミニウムゲル(0.15〜5%);カラミン(1〜25%);カカオバター(50%を超える);タラ肝油(5〜14%);コロイドオートミール;ジメチコン(1〜30%);グリセリン(20〜45%);硬性脂肪(50%を超える);カオリン(4〜20%);ラノリン(12.5〜50%);鉱油(50%を超える);ワセリン(30%を超える);炭酸水素ナトリウム;局所デンプン(10〜98%);白色ワセリン(30%を超える);酢酸亜鉛(0.1〜2%);炭酸亜鉛(0.2〜2%);及び酸化亜鉛(1〜25%)が挙げられる。
【0052】
本発明の組成物は、さらに昆虫忌避成分を含有していてもよい。パーソナルケア製品に最も広く使用されている昆虫忌避活性剤は、多くの場合「DEET」と呼ばれ、少なくとも約95%のDEETを含有する濃縮物の形態で入手できるN,N−ジエチル−m−トルアミドである。その他の合成化学忌避剤としては、ブチルアセチルアミノプロピオン酸エチル(IR3535としても知られている)、フタル酸ジメチル、エチルヘキサンジオール、インダロン、イソシンコメロン酸ジ−n−プロピル、ビシクロヘプテン、ジカルボキシイミド及びテトラヒドロフルデヒドが挙げられる。ある種の植物由来物質、例えばシトロネラ油及びシトロネラのその他の供給源(レモングラス油を含む)、リモネン、ローズマリー油、及びユーカリ油も、昆虫忌避活性を有する。日焼け止めエマルジョンに配合するための昆虫忌避剤の選択は、多くの場合、忌避剤の臭気によって影響を受けるであろう。使用する忌避剤の量は、薬剤の選択に依存し、DEETは、高濃度で、例えば最大約15%まで又はそれ以上で有用であり、一方、植物由来物質の幾つかは、典型的には、それよりもはるかに低い量、例えば0.1%又はそれ以下で使用される。
【0053】
本明細書に記載の本発明組成物のヒトの毛髪又は皮膚への局所施用は、紫外線(UVR)の有害作用に対する高められた保護を提供する。従って、主題の発明は、さらに、皮膚及び/又は毛髪に有効量の本明細書に記載の組成物を局所適用することからなる太陽光、さらに詳しくはUVRの有害作用からヒトの皮膚及び/又は毛髪を保護する方法を提供する。皮膚をUVR(すなわち、280〜400nmの光線波長)に暴露する美的に有益な結果は、ヒトの表皮の日焼けの促進である。日光暴露の別の利点は、皮膚内のビタミンDの産生から生じる。UVRは、典型的には、UV−A(320〜400nmの光線波長)及びUV−B(280〜320nmの範囲の波長)領域に分けられる。UV−B照射に対する過剰暴露は、皮膚の火傷及び紅斑を招くと一般に理解されている。また、UV−A線に対する過剰暴露は、皮膚の弾性の喪失及びしわを生じ、皮膚の早期老化を促進し得る。このような照射は、特定の個人において、紅斑反応の誘発を促進するか、又はこの反応を増幅し、光毒性又は光アレルギー反応の源でさえあり得る。UV−Aに対する過剰暴露はまた、黒色腫を招き得ると考えられるようになりつつある。従って、本発明の組成物の個人の皮膚及び/又は毛髪への施用は、個人の皮膚及び/又は毛髪の高められたUVR光線(UV−A及び/又はUV−B)保護を提供する。
【0054】
本発明の日焼け止め剤含有組成物は、少なくとも2の日焼け防止指数(SPF)等級を提供することを意図し、さらなる好ましい実施形態においては、少なくとも5の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては少なくとも10の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも15の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも20の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも25の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも30の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては少なくとも35の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも40の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも45の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも50の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも55の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも60の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも65の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも70の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも75の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも80の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも85の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも90の日焼け防止指数を有し、別の実施形態においては、少なくとも95の日焼け防止指数を有し、及び別の実施形態においては、少なくとも100の日焼け防止指数を有する。本発明の日焼け止め剤含有組成物は、また、少なくとも1つ星、少なくとも2つ星、少なくとも3つ星、及び最大4つ星までの米国FDAのUV−A「星等級」を提供することを意図する。本明細書において実証されるように、皮膜形成ポリマーの酸性基を中和することによって、組成物に配合される日焼け止め活性剤の量を維持しながら、SPFの増強を得ることができる。従って、本発明の1つの例示的実施形態において、同じ量の日焼け止め活性剤を含有する2つの組成物について、部分的に又は完全に中和された皮膜形成剤を含有する組成物のSPFは、中和されていない皮膜形成剤を含有する組成物のSPFの125%よりも大きいものであり得る。別の例示的実施形態において、部分的に又は完全に中和された皮膜形成剤を含有する組成物のSPFは、中和されていない配合物のSPFの150%よりも大きいものであるか、中和されていない配合物のSPFの200%よりも大きいものであるか、又は中和されていない配合物のSPFよりも300%よりも大きいものであり得る。別に述べると、中和されていないSPFの125%よりも大きいSPFは、部分的に又は完全に中和されたポリマーを含有する組成物のSPFが、中和されていない配合物を使用して達成されるSPFの1.25倍よりも大きいというのと同じである。
【0055】
本発明を、以下の実施例によりさらに説明するが、実施例は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような発明を、いかなる様式でも限定することを意図するものではない。
【実施例1】
【0056】
日焼け止め組成物
アミン中和剤と皮膜形成ポリマーとを含有する日焼け止め組成物を、以下の通りに調製した。250mlのビーカーに、3.0gのアボベンゾン、5.0gのオクチサレート、6.0gのオキシベンゾン、15.0gのホモサレート、及び10gのグリセリンを加え、66.49gのエタノール中に0.51gのジメチルステアリルアミンと3.0gのデルマクリル(Dermacryl) 79(14%のアクリル酸を含有するアクリル酸コポリマー、National Starch and Chemical Co.(Bridgewater、New Jersey)から入手できる)とを含有する攪拌溶液に加えた。得られる組成物を、全ての成分が溶解するまで攪拌した。同様の組成物は、溶解を促進するためにわずかに加熱することができる。
【実施例2】
【0057】
日焼け止め製剤のSPFに対する中和の効果の評価
日焼け止め組成物を、種々の量及び種々の種類のアミン中和剤を用いて、上記のようにして調製した。この実施例の組成物は全て、アボベンゾン(3.0g)、サリチル酸オクチル(5.0g)、オキシベンゾン(6.0g)、ホモサレート(15.0g)、グリセリン(1.0g)及びデルマクリル 79(3.0g)を含有し、さらに重量を100gにするためのエタノールを含有していた。
【0058】
SPF測定は全て、日焼け止め製剤を塗布する支持体としてポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)板(Schonberg GMBH & Co KG.、22457 Hamburg−Schnelsen、Germany)を使用して行った。試験製剤を、支持体に1mg/cmで塗布し、20分間乾燥した。グリセリン1mg/cmで処理したPMMA板を、対照及びブランクとした。それぞれの製剤の生体外(in vitro)SPFを、コンピュータ制御X−Yサンプリング台を備えたOptometrics SPF 290Sアナライザー(Optometrics LLC、Ayer、MA;USA)を使用して測定し、製造業者の指示書に従って操作した。それぞれを載せた支持体上の種々の重複しない位置を使用してそれぞれの製剤について、合計12個の生体外SPF値を得た。記録した全てのSPF値は、それぞれの製剤について測定した12個の値の平均である。
【0059】
得られた結果を表2に示す。
【表2】

【0060】
表2の結果は、皮膜形成ポリマーの10%程度の少量の中和で、生体外SPFにおいて顕著な改善が測定され(試料8)、さらに高いレベルの保護がさらに高い中和により可能であることを示す(試料9及び10)。
【実施例3】
【0061】
SPF上昇に使用される種々のアミン
日焼け止め剤を実施例2に記載のようにして調製し、それに、表に示したアミン(表3)を、デルマクリル 79のカルボン酸基の25%を中和する量で加えた。試験製剤を、PMMA支持体に2mg/cmで塗布し、SPF性能について分析した。得られた結果を表3に示す。
【表3】

【0062】
試料34は、中和していない対照を表す。これらの実験は、アミン類のうちの特定のアミンを含有する組成物は、SPFの実質的な上昇を実証しないが、種々様々なアミンの例を含有する組成物は、対照に比べてSPFの大きな上昇を提供することを示す。
【実施例4】
【0063】
生体内SPFアッセイ及び高耐水性アッセイ
3種類の日焼け止め製剤を調製し、日焼け止め効果についてヒトSPFアッセイ及び高耐水性(Very Water Resistant)アッセイ(FDA Final Monograph Protocol 7.22)で試験した。3種類の製剤は、上記の表2の試料1、9及び10である。3種類の製剤は、全て3%アボベンゾン、5%サリチル酸オクチル、6%オキシベンゾン、15%ホモサレート、1.0%グリセリン、3%のデルマクリル 79(全て最終配合物の重量%)を含有するエタノール系組成物であった。3種類の製剤は、皮膜形成剤のカルボン酸基の中和%について異なっていた。試料1は、中和率0%を有し、試料9は、中和率25%を有し及び試料10は、中和率50%を有していた。試料9及び10について使用したアミン中和剤は、ジメチルステアリルアミンであり、これは所望の中和レベルを達成する量で加えた。
【0064】
それぞれの試料のSPF試験は、最初に浸漬前(静的)の平均SPFを測定し、浸漬操作を行い、次いで浸漬後に第二の測定を行い高耐水性平均SPFを算出することにより(Protocol 7.22に従って)行った。それぞれの試料について5個の検体を試験した。結果を表4に示す。
【表4】

【0065】
表4のデータは、本発明の組成物が、アミン中和した皮膜形成剤が存在することに基づいて実質的に上昇した生体内SPFを提供し、製剤が高耐水性アッセイ試験に耐えたことを証明する。試料9(25%の中和率を有する)は、試料1のSPFの178%のSPF(浸漬前)及び191%のSPF(浸漬後)を示した。試料10(50%の中和率を有する)は、試料1のSPFの246%のSPF(浸漬前)及び268%のSPF(浸漬後)を示した。これらのデータは、浸漬前SPF値と浸漬後SPF値の間の無視できる差に基づいて本発明の組成物が高耐水性日焼け止め組成物であることを実証する。
【実施例5】
【0066】
例示的製剤
表5に、30%の含水率と、25%の皮膜形成剤(例えば、デルマクリル 79)中和%を有する例示的製剤を記載する。
【表5】

【0067】
部分Aの成分は、デルマクリル 79をエタノールに加え、次いでジメチソイアミンを加え、混合することによって一緒にする。次いで、部分Bの成分の水とグリセリンを、部分Aの混合物に加える。次いで、部分Cの日焼け止め活性剤を加え、溶解するまで混合する。この混合物に、部分Dの粒状日焼け止め活性剤(含有させる場合)を分散するまで加える。上記の製剤は、親水性の日焼け止め活性剤の使用を実証するが、疎水性の日焼け止め活性剤を含有する製剤は、当業者が製剤に活性剤を溶解する方法を使用して同様に調製できる。
【0068】
本発明の特定の好ましい実施形態が本明細書に記載されているが、本発明が属する技術の当業者には、記載されている実施形態の改変及び変更を、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなし得ることは明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのUV吸収活性成分と、複数の酸性基を含有する少なくとも1つの皮膜形成ポリマーと、揮発性溶剤とを含む水性揮発性溶剤型組成物であって、前記ポリマーが組成物の1重量%よりも多い量で存在し及び前記酸性基の少なくとも一部が化粧学的に許容される中和剤で中和されている水性揮発性溶剤型組成物。
【請求項2】
前記化粧学的に許容される中和剤がアミン系中和剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アミン系中和剤が、アルキルアミン、アルケニルアミン、ジアルキルアミン、ジアルケニルアミン、ジメチルアルキルアミン、メチルジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ジメチルアルケニルアミン、メチルジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、又はこれらの組み合わせもしくは混合物であり、ここで、それぞれのアルキルが、独立して、少なくとも3個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、少なくとも3個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アミン系中和剤が、次の構造:
【化1】

(式中、Rは、C〜約C36の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル又はアラルキニル基であり、並びにR及びRは、独立して、H、CH、又はC〜約C36の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、又はアラルキニル基から選択される)
を有し、ここで、前記アミン系中和剤が、場合により1個以上のヘテロ原子を含有することができる、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
次の構造:
【化2】

(式中、Rは、C〜約C36の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、又はアラルキニル基であり、及びRは、H又はCH、又はC〜C36の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、又はアラルキニル基から選択され、並びにx及びyは、独立して1〜100である)
を有するアミン系中和剤を含有し、前記アミン系中和剤が、場合により1個以上のヘテロ原子を含有することができる、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記アミン系中和剤が、次の構造:
【化3】

(式中、R10、R11及びR12は、独立して、H、CH、又はC〜約C36の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル又はアラルキニル基から選択され、及びnは1〜100である)
を有し、及び前記アミン系中和剤が、場合により1個以上のヘテロ原子を含有することができる、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記アミン系中和剤が、次の構造:
【化4】

(式中、Rは、H又はCHであり並びにx及びyは、独立して約1〜約100である)
を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
前記アミン系中和剤が、次の構造:
【化5】

(式中、xは、約1〜約100である)
を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
前記アミン系中和剤が、次の構造:
【化6】

(式中、x、y及びzは、独立して約1〜約100である)
を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項10】
前記アミン系中和剤が、次の構造:
【化7】

(式中、Rは、H又はCであり並びにn、x、y及びzは、独立して約1〜約100である)
を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項11】
前記皮膜形成ポリマーが、2つ以上の異なるモノマー単位を含み、前記モノマーの少なくとも1つが、カルボン酸部分を含有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
前記皮膜形成ポリマーが、複数の異なるモノマーを含み、前記モノマーの少なくとも1つが、全モノマー含有量の約5〜約95%を構成する、請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
前記皮膜形成ポリマーが、複数の異なるモノマーを含み、前記モノマーの少なくとも1つが、全モノマー含有量の約5〜約50%を構成する、請求項2に記載の組成物。
【請求項14】
前記皮膜形成ポリマーが、複数の異なるモノマーからなり、前記モノマーの少なくとも1つが、全モノマー含有量の約5〜約25%を構成する、請求項2に記載の日焼け止め組成物。
【請求項15】
前記皮膜形成ポリマーにおける複数の酸性基の約5〜約100%が、前記アミン系中和剤で中和される、請求項2に記載の組成物。
【請求項16】
前記皮膜形成ポリマーにおける複数の酸性基の約5〜約50%が、前記アミン系中和剤で中和される、請求項2に記載の組成物。
【請求項17】
前記皮膜形成ポリマーにおける複数の酸性基の約5〜約25%が、前記アミン系中和剤で中和される、請求項2に記載の組成物。
【請求項18】
前記皮膜形成ポリマーの酸性基が、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項19】
前記少なくとも1つの皮膜形成ポリマーが、ポリアクリル酸、ポリクロトン酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマ、アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー、アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、VA/クロトネート/ネオデカン酸ビニルコポリマー、VA/クロトネートコポリマー、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリウレタン−14(及び)AMP−アクリレートコポリマー、アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー、アクリレート/ステアレス−20イタコネートコポリマー、アクリレート/セテス−20イタコネートコポリマー、PVM/MAハーフエチルエステルコポリマー、ブチル化PVP、PVP/ヘキサデセンコポリマー、PVP/エイコセンコポリマー、トリコンタニルPVP、PVM/MAコポリマーのブチルエステル、PVM/MAコポリマー、PVM/MAコポリマーのエチルエステル、PVM/MAコポリマーのブチルエステル、ビニルカプロラクタム/PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ポリクオタニウム−11、ポリクオタニウム−28、ポリイミド−1、PVP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレートコポリマー、イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミドコポリマー、アクリレート/C1−2スクシネート/ヒドロキシアクリレートコポリマー、PVP/DMAPAアクリレートコポリマー、VP/アクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー、ポリクオタニウム−55、PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ビニルカプロラクタムNP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、VA/マレイン酸ブチル/イソボルニルアクリレートコポリマー、アクリル酸/エチルアクリレート/t−ブチルアクリルアミド、t−ブチルアクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸、エチルアクリレート/t−ブチルアクリレート/メタクリル酸、ポリクオタニウム−16、ポリクオタニウム−16、PVP、PVPNAコポリマー、PVPNAコポリマー、ポリウレタン−1、VP/メタクリルアミドニニルイミダゾールコポリマー、アクリレートコポリマー、アクリレート/アクリルアミドコポリマー、ポリビニルカプロラクタム、ジメチコン/アクリレートコポリマー;アメルコール(Amerchol)、アクリル酸/メタクリル酸/アクリレート/メタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸/アクリレート/メタクリレート/アクリル酸ヒドロキシエステル;メタクリロイルエチルベタイン/アクリレートコポリマー、アクリレート/アクリル酸ヒドロキシエステルコポリマー、エチレンカルボキシアミド/AMPSA/メタクリレートコポリマー、メタクリル酸/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ナトリウムコポリマー、AMP−アクリレート/アリルメタクリレートコポリマー、ポリアクリレート−X、アクリレート/C10−30アルキルアクリレートコポリマー、アクリレートコポリマー、ポリウレタン−2、ポリウレタン−4、PPG−17/IPDI/DMPAコポリマー;ポリエチレングリコール;水溶性アクリル樹脂;水溶性ポリエステル;ポリアクリルアミド;ポリアミン類;ポリ第四級アミン;スチレン無水マレイン酸(SMA)樹脂;あるいはこれらの混合物又は組み合わせから選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項20】
少なくとも1つの日焼け止め活性剤と少なくとも1つの皮膜形成ポリマーとを含有する水性揮発性溶剤型組成物のSPFを高める方法であって、前記皮膜形成ポリマーが複数の酸性基を含有し、当該方法は、前記組成物に、アミン系中和剤を前記皮膜形成ポリマーの酸性基の少なくとも一部を中和するのに有効な量で加えることを含み、ここで、前記皮膜形成ポリマーが最終組成物の1重量%よりも多い量で存在する、当該方法。
【請求項21】
前記皮膜形成ポリマーが、最終組成物の1重量%よりも多い量から約10%までの量で存在する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記皮膜形成ポリマーが、最終組成物の1重量%よりも多い量から約5%までの量で存在する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記皮膜形成ポリマーが、最終組成物の1重量%よりも多い量から約3%までの量で存在する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記皮膜形成ポリマーの酸性基の少なくとも5%が、前記アミン系中和剤で中和される、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記皮膜形成ポリマーの酸性基の少なくとも10%が、前記アミン系中和剤で中和される、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記皮膜形成ポリマーの酸性基の少なくとも25%が、前記アミン系中和剤で中和される、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記皮膜形成ポリマーの酸性基の少なくとも50%が、前記アミン系中和剤で中和される、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
得られる組成物が、中和されていない組成物のSPFの125%のSPFを示す、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
得られる組成物が、中和されていない組成物のSPFの150%のSPFを示す、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
得られる組成物が、中和されていない組成物のSPFの200%のSPFを示す、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
前記アミン中和剤が、アルキルアミン、アルケニルアミン、ジアルキルアミン、ジアルケニルアミン、ジメチルアルキルアミン、メチルジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ジメチルアルケニルアミン、メチルジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、又はこれらの組み合わせもしくは混合物である、請求項20に記載の方法。
【請求項32】
前記皮膜形成ポリマーの酸性基が、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、又はこれらの組み合わせを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも1つの日焼け止め活性剤と、複数の酸性基を含有する皮膜形成ポリマーと、少なくとも1つの揮発性溶剤とを含む水性揮発性溶剤型組成物のSPFを高める方法であって、前記複数の酸性基の少なくとも一部がアミン系中和剤で中和され、前記皮膜形成ポリマーが最終組成物の1重量%よりも多い量で存在する、水性揮発性溶剤型組成物のSPFを高める方法。
【請求項34】
少なくとも1つの日焼け止め活性剤を含む水性揮発性溶剤型組成物のSPFを高める方法であって、前記組成物に皮膜形成ポリマーを加えることを含み、前記皮膜形成ポリマーが複数の酸性基を含有し、前記酸性基の少なくとも一部が有効量のアミン系中和剤で中和されており及び前記皮膜形成剤が最終組成物の1重量%よりも多い量で存在する、水性揮発性溶剤型組成物のSPFを高める方法。
【請求項35】
請求項1に記載の組成物を表面に施用することを含む、表面と接触するUV線の有害作用を低下させる方法。
【請求項36】
前記表面が皮膚又は毛髪である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
請求項1に記載の組成物を、UV線暴露の前に被験者に施用することからなる、UV線暴露による被験者の紅斑の発生を予防又は抑制する方法。
【請求項38】
請求項1に記載の組成物を、UV線暴露の前に被験者に施用することからなる、UV線暴露による被験者の皮膚の光老化を予防又は抑制する方法。
【請求項39】
請求項1に記載の組成物を、UV線暴露の前に被験者に施用することからなる、UV線暴露による被験者の光毒性又は光アレルギー反応の発生を予防又は抑制する方法。
【請求項40】
前記溶剤が、エタノール、イソプロパノール、メタノール及びアセトンからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。

【公表番号】特表2012−525333(P2012−525333A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507461(P2012−507461)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/032354
【国際公開番号】WO2010/129213
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(511140482)エムエスデイ・コンシユーマー・ケア,インコーポレイテツド (4)
【出願人】(510239060)アクゾ ノーベル ケミカルズ インターナショナル ビー.ブイ. (3)
【Fターム(参考)】