説明

映像信号処理装置、映像信号処理方法、プログラム、および表示装置

【課題】入力される映像信号に基づいて輝度を制御して消費電力の低減と高画質化が可能な、映像信号処理装置、映像信号処理方法、プログラム、および表示装置を提供する。
【解決手段】表示画面を複数の分割領域に分割し、入力された映像信号に基づいて分割領域ごとの平均輝度を算出する平均輝度算出部と、分割領域ごとの平均輝度に基づいて補正中心位置を設定する補正中心設定部と、補正中心位置を基点として、表示画面の表示位置に応じた補正値を設定する補正値設定部と、補正値に基づいて映像信号のゲインを調整するゲイン調整部とを備える映像信号処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号処理装置、映像信号処理方法、プログラム、および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CRTディスプレイ(Cathode Ray Tube display)に替わる表示装置として、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display;または、有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display)とも呼ばれる。)、FED(Field Emission Display;電界放出ディスプレイ)、PDP(Plasma Display Panel;プラズマディスプレイ)など様々な自発光型の表示装置が開発されている。
【0003】
上記のような様々な表示装置の開発では、少ない消費電力で高画質化を図ることが技術的な目標となっている。このような中、消費電力を低減させながら高画質化を図る技術が開発されている。映像を画面に表示する場合において、常に画面の物理的な中心点を基点とし、画面端部へ向かって輝度を下げることにより消費電力を低減させる技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】特許第3115727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画面の物理的な中心点を基点として画面端部へ向かって輝度を下げる技術を用いた従来の表示装置は、入力される映像信号が示す映像(または画像)がどのような映像であったとしても、常に画面の物理的な中心点を基点として画面端部へ向かって輝度が下がるように映像信号の処理を行う。したがって、従来の表示装置では、入力される映像信号がどのような映像を示しているかについての考慮がなされておらず、入力される映像信号が示す映像(すなわち、実際に表示される映像)によっては、消費電力の低減と共に画質の低下が生じる場合がある。以下、図1を参照して従来の表示装置における問題を示す。
【0006】
(従来の表示装置における問題)
図1は、従来の表示装置における問題を説明するための説明図である。従来の表示装置は、表示される映像のうち重要な情報は画面の中央部に存在するという前提の下、当該中央部の輝度は下げずに画面端部へ向かって輝度を下げることによって消費電力の低減と高画質化を図っている。
【0007】
しかしながら、図1(a)に示すように、従来の表示装置に表示される映像は、画面の中央部に重要な情報(例えば、人物など)が存在するとは限らない。ここで、従来の表示装置は、図1(a)に示すような人物(重要な情報)が画面の向かって右端に示される映像を表示するための映像信号が入力された場合であっても、常に画面の物理的な中心点を基点として画面端部へ向かって輝度が下がるように映像信号の処理を行う。つまり、従来の表示装置は、図1(b)に示すように、重要な情報(例えば、人物など)が表示される部分の輝度が下がった映像を表示してしまう。したがって、従来の表示装置では、輝度の制御による消費電力の低減と共に画質の低下を招く場合があり、高画質化は望むべくもない。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、入力される映像信号に基づいて輝度を制御して消費電力の低減と高画質化が可能な、新規かつ改良された映像信号処理装置、映像信号処理方法、プログラム、および表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、表示画面を複数の分割領域に分割し、入力された映像信号に基づいて上記分割領域ごとの平均輝度を算出する平均輝度算出部と、上記分割領域ごとの平均輝度に基づいて補正中心位置を設定する補正中心設定部と、上記補正中心位置を基点として、上記表示画面の表示位置に応じた補正値を設定する補正値設定部と、上記補正値に基づいて上記映像信号のゲインを調整するゲイン調整部とを備える映像信号処理装置が提供される。
【0010】
上記映像信号処理装置は、平均輝度算出部と、補正中心設定部と、補正値設定部と、ゲイン調整部とを備えることができる。平均輝度算出部は、入力される映像信号が示す映像(または、画像。以下、映像信号は、対応する映像または画像を示すことができるものとして説明する。)を表示する表示画面を複数の分割領域に区切り、入力された映像信号に基づいて分割領域ごとの平均輝度を算出することができる。補正中心設定部は、分割領域ごとの平均輝度に基づいて補正中心位置を設定することができる。補正値設定部は、補正中心設定部において設定された補正中心位置を基点として表示画面の表示位置に応じた補正値を設定することができる。ここで、補正値設定部は、例えば、補正中心位置を中心として表示画面の周辺へ向けてゲインを減衰させるための補正値を設定することができる。ゲイン調整部は、補正値設定部が設定した表示画面の表示位置に応じた補正値に基づいて、入力される映像信号のゲインを調整することができる。かかる構成により、映像信号処理装置は、表示画面に表示した場合に消費電力を抑えながら高画質化を図ることができるように、映像信号の輝度を制御することができる。
【0011】
また、上記補正値設定部は、上記補正中心位置を基点とし、上記表示画面の画面端部へ向かって映像信号のゲインを減衰させる補正値を設定してもよい。
【0012】
かかる構成により、表示画面に表示した場合に消費電力を抑えながら高画質化を図ることができるように、映像信号の輝度を制御することができる。
【0013】
また、上記補正値設定部は、上記補正中心位置の予め規定された基準位置に対するずれ量に応じて、映像信号のゲインの減衰率を変更してもよい。
【0014】
かかる構成により、さらなる高画質化を図ることができる。
【0015】
また、上記補正値設定部は、上記補正中心設定部が設定した上記補正中心位置が第1補正中心位置から第2補正中心位置へと変化した場合には、上記第1補正中心位置に対応する補正値から上記第2補正中心位置に対応する補正値へと段階的に補正値を変化させてもよい。
【0016】
かかる構成により、さらなる高画質化を図ることができる。
【0017】
また、上記補正中心設定部は、上記分割領域ごとの平均輝度が最大の分割領域の中心点を上記補正中心位置に設定してもよい。
【0018】
かかる構成により、表示画面に表示した場合に消費電力を抑えながら高画質化を図ることができるように、映像信号の輝度を制御することができる。
【0019】
また、上記補正中心設定部は、上記分割領域ごとの平均輝度が最大となる分割領域が複数ある場合には、予め設定された予設定位置を上記補正中心位置としてもよい。
【0020】
かかる構成により、表示画面に表示した場合に消費電力を抑えながら高画質化を図ることができるように、映像信号の輝度を制御することができる。
【0021】
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、表示画面を複数の分割領域に分割し、入力された映像信号に基づいて上記分割領域ごとの平均輝度を算出するステップと、上記分割領域ごとの平均輝度に基づいて補正中心位置を設定するステップと、上記補正中心位置を基点として、上記表示画面の表示位置に応じた補正値を設定するステップと、上記補正値に基づいて上記映像信号のゲインを調整するステップとを有する映像信号処理方法が提供される。
【0022】
かかる方法を用いることにより、表示画面に表示した場合に消費電力を抑えながら高画質化を図ることができるように、映像信号の輝度を制御することができる。
【0023】
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の観点によれば、表示画面を複数の分割領域に分割し、入力された映像信号に基づいて上記分割領域ごとの平均輝度を算出するステップ、上記分割領域ごとの平均輝度に基づいて補正中心位置を設定するステップ、上記補正中心位置を基点として、上記表示画面の表示位置に応じた補正値を設定するステップ、上記補正値に基づいて上記映像信号のゲインを調整するステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0024】
かかるプログラムにより、表示画面に表示した場合に消費電力を抑えながら高画質化を図ることができるように、映像信号の輝度を制御することができる。
【0025】
また、上記目的を達成するために、本発明の第4の観点によれば、自発光型の表示装置であって、入力された映像信号を補正する映像信号補正部と、上記映像信号補正部が補正した映像信号に基づいて映像を表示画面に表示する映像表示部とを備え、上記映像信号補正部は、上記表示画面を複数の分割領域に分割し、入力された映像信号に基づいて上記分割領域ごとの平均輝度を算出する平均輝度算出部と、上記分割領域ごとの平均輝度に基づいて補正中心位置を設定する補正中心設定部と、上記補正中心位置を基点として、上記表示画面の表示位置に応じた補正値を設定する補正値設定部と、上記補正値に基づいて上記映像信号のゲインを調整するゲイン調整部とを備える表示装置が提供される。
【0026】
上記表示装置は、映像信号補正部と、映像表示部とを備えることができる。映像信号補正部は、平均輝度算出部と、補正中心設定部と、補正値設定部と、ゲイン調整部とを備えることができ、入力される映像信号に基づいて補正中心位置を設定し、当該補正中心位置を基点として表示画面の表示位置に応じて映像信号のゲインを補正することができる。ここで、映像信号補正部は、例えば、補正中心位置を中心として表示画面の周辺へ向けてゲインを減衰させるための補正値を設定することができる。映像表示部は、映像信号補正部が補正した映像信号に基づいて映像を表示画面に表示することができる。ここで、映像表示部は、例えば、マトリクス状に配置された画素を有し、映像信号に応じて印加される電圧/電流によって各画素が自発光することにより、映像を表示画面に表示することができる。かかる構成により、表示装置は、入力される映像信号に基づいて輝度を制御して消費電力の低減と高画質化を図ることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、入力される映像信号に基づいて輝度を制御して消費電力の低減と高画質化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0029】
(本発明の実施形態に係る映像信号処理装置における処理の概要)
まず、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置における処理の概要について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置における処理の概要を説明するための説明図である。なお、以下に示す処理の概要は、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置だけでなく、本発明の実施形態に係る表示装置にも当てはまるものである。
【0030】
本発明の実施形態に係る映像信号処理装置は、図1(b)に示すような問題の発生を抑制するために、入力される映像信号に基づいて映像信号を補正する基点(以下、「補正中心位置」という。)を適宜設定し、設定された補正中心位置を中心として表示画面端部へ向かって連続的に映像信号のゲインを減衰させる。ここで、本発明の実施形態に係る「連続的」は、離散値が集まることによる擬似的な連続を含むことができる。
【0031】
より具体的に説明すると、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置は、以下の(I)〜(III)に示すように映像信号の処理を行うことができる。
【0032】
(I)補正中心位置の選択処理1
図2(a)に示すように、入力される映像信号が示す画像を表示する表示画面を複数の分割領域に区切り、入力される映像信号に基づいて当該分割領域ごとに映像信号の平均輝度を算出する。
【0033】
なお、図2(a)では、A1〜A24の24領域に区切った例を示しているが、本発明の実施形態に係る分割領域数が24領域に限られないことは、言うまでもない。また、本発明の実施形態に係る分割領域数は、例えば、予め規定された数であってもよいし、または、映像信号処理装置を使用するユーザからのユーザ入力や入力される映像信号の解像度などに応じて適宜設定されてもよい。
【0034】
(II)補正中心位置の選択処理2
分割領域ごとに算出された平均輝度のうち、最も平均輝度が高い分割領域の中心位置を映像信号の補正中心位置として設定する(原則処理)。なお、例えば、最も平均輝度が高い分割領域が複数存在する場合には、予設定された予設定位置を映像信号の補正中心位置として設定してもよい(例外処理)。
【0035】
(III)映像信号の補正処理
図2(b)に示すように、設定された補正中心位置を中心として表示画面端部へ向かって連続的に映像信号のゲインを減衰させ、輝度を調整する。ここで、図2(b)では、補正中心位置として分割領域A8が設定された例を示している。
【0036】
本発明の実施形態に係る映像信号処理装置は、図2および上記(I)〜(III)に示すような処理を行うことにより輝度を制御し、映像信号に対応する画像を表示する場合における消費電力の低減を図ることができる。また、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置は、補正中心位置を平均輝度が高い位置(すなわち、重要な情報が存在する可能性が高い領域の中心位置)に設定することができるので、図1(b)に示すような問題の発生を抑制することができる。
【0037】
また、本発明の実施形態に係る表示装置は、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置と同様に輝度を制御した映像信号に対応する画像、映像を表示することができる。よって、本発明の実施形態に係る表示装置は、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置と同様に、図1(b)に示すような問題の発生を抑制することができる。したがって、本発明の実施形態に係る表示装置は、入力される映像信号に基づいて輝度を制御して消費電力の低減と高画質化を図ることができる。
【0038】
以下、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置および表示装置の構成について、より詳細に説明する。
【0039】
(実施形態に係る映像信号処理装置)
図3は、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100の一例を示すブロック図である。ここで、図3では一の映像信号を示しているが、本発明の実施形態はかかる構成に限られず、例えば、入力される映像信号がR、G、B各色ごとに独立の信号であってもよい。
【0040】
また、以下では、映像信号処理装置100に入力される映像信号は、例えば、デジタル放送などで用いられるデジタル信号であるとして説明するが、上記に限られず、例えば、アナログ放送などで用いられるアナログ信号とすることもできる。なお、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100に入力される映像信号は、例えば、放送局から送信され映像信号処理装置100が受信したものとすることができるが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100に入力される映像信号は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して外部装置から送信され映像信号処理装置100が受信したものであってもよいし、または、映像信号処理装置100が備える記憶部に保持された映像ファイルや画像ファイルを映像信号処理装置100が読み出したものであってもよい。
【0041】
図3を参照すると、映像信号処理装置100は、平均輝度算出部102と、補正中心設定部104と、補正値設定部106と、ゲイン調整部108とを備えることができる。
【0042】
また、映像信号処理装置100は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)などで構成され映像信号処理装置100全体を制御することが可能な制御部(図示せず)や、制御部が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データが記録されたROM(Read Only Memory;図示せず)、制御部により実行されるプログラムなどを一次記憶するRAM(Random Access Memory;図示せず)、平均輝度算出部102における平均輝度の算出や補正値設定部106における補正値の設定に用いられるデータなどを記憶可能な記憶部(図示せず)、放送局などから送信される映像信号を受信する受信部(図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)などを備えてもよい。映像信号処理装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により上記各構成要素間を接続することができる。ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、フラッシュメモリ(flash memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)、光磁気ディスク(Magneto Optical Disk)などが挙げられるが、上記に限られない。また、操作部(図示せず)としては、例えば、キーボード(keyboard)やマウス(mouse)などの操作入力デバイスや、ボタン、方向キー、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0043】
平均輝度算出部102は、入力される映像信号に基づいて所定期間における輝度の平均値を算出する。平均輝度算出部102が平均輝度を算出する所定期間としては、例えば、1フレーム期間が挙げられるが、上記に限られず、例えば、後述するゲイン調整部108において映像信号のゲインを調整する周期と合わせた期間とすることもできる。以下では、平均輝度算出部102が平均輝度を算出する所定期間を1フレーム期間として説明する。
【0044】
また、平均輝度算出部102は、図2(a)に示すように、入力される映像信号が示す画像を表示する表示画面を複数の分割領域に区切り、入力される映像信号に基づいて当該分割領域ごとに映像信号の平均輝度を算出することができる。平均輝度算出部102が平均輝度を算出するために用いる分割領域の数やサイズなどの情報は、例えば、平均輝度算出部102が記憶手段を備え、当該記憶手段に保持されてもよい。ここで、平均輝度算出部102が備える記憶手段としては、例えば、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。なお、平均輝度算出部102が平均輝度を算出するために用いる分割領域の数やサイズなどの情報は、例えば、映像信号処理装置100の記憶部(図示せず)に記憶され、平均輝度算出部102が当該記憶部(図示せず)から適宜読み出してもよいことは、言うまでもない。
【0045】
平均輝度算出部102が算出する所定期間における平均輝度の算出方法としては、例えば、相加平均を用いることが挙げられるが、上記に限られず、例えば、相乗平均や加重平均を用いて算出することもできる。
【0046】
補正中心設定部104は、平均輝度算出部102が分割領域ごとに算出した平均輝度に基づいて補正中心位置を設定する。ここで、補正中心設定部104は、例えば、以下の(A)、(B)に従って補正中心位置を設定することができる。
【0047】
(A)原則処理
平均輝度算出部102が算出した分割領域それぞれの平均輝度を比較し、平均輝度が最も高い分割領域の中心位置を補正中心位置として設定する。
【0048】
補正中心設定部104は、例えば、一の分割領域を選択候補領域として仮選択し、当該一の分割領域の平均輝度と他の分割領域の平均輝度とを比較して平均輝度が高い分割領域を新たな選択候補領域とする。上記比較を繰り返すことにより、補正中心設定部104は平均輝度が最も高い分割領域を特定することができる。また、一の分割領域の平均輝度と他の分割領域の平均輝度とが等しい場合には、例えば、当該平均輝度の値を有する分割領域が複数存在することを示すフラグを立てることができる(当然、平均輝度の値が更新された場合にはフラグは解除されることとなる。)。ここで、補正中心設定部104が比較する分割領域や分割領域それぞれの平均輝度の値、上記フラグなどの各種情報は、例えば、補正中心設定部104が記憶手段を備え、当該記憶手段に保持されてもよい。補正中心設定部104が備える記憶手段としては、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリ(volatile memory)が挙げられるが、上記に限られず、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであってもよい。なお、補正中心設定部104における平均輝度の比較方法が、上記に限られないことは、言うまでもない。
【0049】
(B)例外処理:平均輝度が最も高い分割領域が複数ある場合
上記(A)に示す原則処理が行われた結果、平均輝度が最も高い分割領域が複数存在する場合には、予め設定された予設定位置を補正中心位置として設定する。
【0050】
ここで、上記予設定位置としては、例えば、映像信号に対応する画像を表示する表示画面のメカセンタの位置(すなわち、表示画面の物理的な中心点の位置)が挙げられるが、上記に限られない。また、上記予設定位置は、例えば、固定の位置とすることができるが、上記に限られない。例えば、上記予設定位置は、映像信号処理装置100の操作部(図示せず)からのユーザ入力に応じて適宜変更可能としてもよい。
【0051】
補正値設定部106は、補正中心設定部104が設定した補正中心位置に基づいて、映像信号を補正するための補正値を、映像信号に対応する画像を表示する表示画面の表示位置に応じて設定する。以下、補正値設定部106における補正値の設定方法について、説明する。
【0052】
[第1の補正値設定方法]
図4は、本発明の実施形態に係る補正値設定部106における第1の補正値設定方法を説明するための説明図である。ここで、図4(a)は、映像信号に対応する画像を表示する表示画面を示しており、また、図4(b)は、図4(a)に示す表示画面の表示位置(Position)と映像信号の補正後の目標ゲイン(Gain)との関係を示している。また、図4において各表示位置における目標ゲイン(Gain)は、補正値設定部106が設定する補正値にそれぞれ対応する。
【0053】
図4(a)を参照すると、補正中心位置C1として分割領域A8の中心位置が設定されている。このとき、補正値設定部106は、図4(b)に示すように、補正中心位置C1を基点として、表示画面の端部へ向かってゲインを減衰させるような補正値を設定する。なお、図4(b)では、表示位置(Position)の一例として水平方向を示しているが、垂直方向についても同様に補正中心位置を基点として表示画面の端部へ向かってゲインを減衰させることができる。したがって、補正値設定部106は、補正中心位置を基点として周辺へ向けてゲインを減衰させるための補正値を設定することができる。
【0054】
第1の補正値設定方法を用いる補正値設定部106は、図4(b)に示すように、補正中心位置C1から表示画面端までの距離(d1、d2)と、ゲインの下げ幅g1を用いて表示画面の表示位置(Position)に応じた補正値を設定することができる。
【0055】
また、ゲインの下げ幅g1は、予め設定されたゲインの上限値および下限値により規定することができる。例えば、図4(b)では、上限値として“1.0”が設定されており、補正中心位置C1では、映像信号のゲインは変化しない。また、図4(b)では、下限値として“0.8”が設定されている例を示している。なお、本発明の実施形態に係る上限値および下限値が上記に限られないことは、言うまでもない。また、上記ゲインの上限値および下限値の値は、固定の値とすることができるが、上記に限られず、例えば、映像信号処理装置100の操作部(図示せず)からのユーザ入力に応じて適宜変更可能としてもよい。
【0056】
補正値設定部106が補正値を設定するために用いる上限値や下限値などの情報は、例えば、補正値設定部106が記憶手段を備え、当該記憶手段に保持することができる。ここで、補正値設定部106が備える記憶手段としては、例えば、EEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。なお、補正値設定部106が補正値を設定するために用いる上限値や下限値などの情報などの情報は、例えば、映像信号処理装置100の記憶部(図示せず)に記憶され、補正値設定部106が当該記憶部(図示せず)から適宜読み出してもよいことは、言うまでもない。
【0057】
したがって、補正値設定部106は、第1の補正値設定方法を用いることにより、補正中心位置を基点とし、表示画面の画面端部へ向かって映像信号のゲインを減衰させる補正値を設定することができる。
【0058】
[第2の補正値設定方法]
図4に示す第1の補正値設定方法では、表示画面端に対応する映像信号のゲインを補正中心位置によらずゲインの下限値まで減衰させる補正値を設定する方法を示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る補正値設定方法は、図4に示す第1の補正値設定方法に限らない。そこで、次に、第2の補正値設定方法として、補正中心位置に応じてゲインの下限値を変動させる方法について説明する。
【0059】
図5は、本発明の実施形態に係る補正値設定部106における第2の補正値設定方法を説明するための説明図である。ここで、図5(a)は、図4(a)と同様に、映像信号に対応する画像を表示する表示画面を示している。また、図5(b)は、図4(b)と同様に、図5(a)に示す表示画面の表示位置(Position)と映像信号の補正後の目標ゲイン(Gain)との関係を示している。
【0060】
図5(a)を参照すると、補正中心位置C1として分割領域A8の中心位置が設定されている。このとき、補正値設定部106は、第1の補正値設定方法と同様に、補正中心位置C1を基点として、表示画面の端部へ向かってゲインを減衰させるような補正値を設定する。
【0061】
ここで、図5(b)を参照すると、表示画面端Leftに対応する映像信号のゲインの下限値Lと、表示画面端Rightに対応する映像信号のゲインの下限値0.8とで異なっていることが分かる。これは、表示画面端Leftと表示画面端Rightとで映像信号のゲインの下限値を同一とした場合、補正中心位置の位置によっては、一方の表示画面端の輝度が極端に下がってしまうことがある(すなわち、ゲインの減衰率が大きくなる)からである。
【0062】
したがって、第1の補正値設定方法を用いる補正値設定部106は、補正中心位置の予め規定された基準位置に対する「ずれ量」に応じて映像信号のゲインの下限値を適宜設定することにより、映像信号のゲインの減衰率を変更する。
【0063】
ここで、「ずれ量」は、例えば、表示画面の中心位置(図5(b)のCenter)を基準位置として決定することができる。例えば、図5(b)では、ずれ量は、zで表されている。なお、本発明の実施形態に係るずれ量は、図5(b)のずれ量zのように表示画面の一方向(例えば、表示画面の水平方向)に応じた距離に対応する値とすることができるが、上記に限られず、例えば、基準位置(例えば、メカセンタ)と補正中心位置との間のユークリッド距離であってもよい。
【0064】
補正値設定部106は、例えば、ずれ量zとゲインの下限値Lとが対応付けられたルックアップテーブル(Look Up Table)を用いて、決定されたずれ量zに応じたゲインの下限値Lを設定することができる。補正値設定部106が補正値を設定するために用いるルックアップテーブルなどの情報は、例えば、補正値設定部106が備える記憶手段に記憶することができるが、上記に限られず、映像信号処理装置100の記憶部(図示せず)から適宜読み出されてもよい。なお、本発明の実施形態に係るゲインの下限値Lの設定手段は、上記に限られず、例えば、予め設定されたゲインの下限値にずれ量に応じた値を加算することによってゲインの下限値Lを設定することもできる。
【0065】
第2の補正値設定方法を用いる補正値設定部106は、第1の補正値設定方法を用いる場合と同様に、補正中心位置C1から表示画面端までの距離(d1、d2)と、ゲインの下げ幅g1、ゲインの下限値Lにより規定されるゲインの下げ幅g2を用いて表示画面の表示位置(Position)に応じた補正値を設定することができる。
【0066】
したがって、補正値設定部106は、第2の補正値設定方法を用いることにより、補正中心位置を基点とし、表示画面の画面端部へ向かって映像信号のゲインを減衰させる補正値を設定することができる。
【0067】
[第3の補正値設定方法]
補正中心設定部104は、平均輝度が最も高い分割領域が複数存在する場合には、予め設定された予設定位置を補正中心位置として設定することができる(例外処理)。そこで、次に、第3の補正値設定方法として、補正中心設定部104において例外処理が行われた場合における補正値の設定方法について説明する。
【0068】
図6は、本発明の実施形態に係る補正値設定部106における第3の補正値設定方法を説明するための説明図である。ここで、図6(a)は、図4(a)と同様に、映像信号に対応する画像を表示する表示画面を示している。また、図6(b)は、図4(b)と同様に、図6(a)に示す表示画面の表示位置(Position)と映像信号の補正後の目標ゲイン(Gain)との関係を示している。
【0069】
図6(a)は、平均輝度が最も高い分割領域がA8とA18であった場合を示しており、映像信号を補正する基点として補正中心位置C0(予設定位置)が表示画面のメカセンタの位置(すなわち、表示画面の物理的な中心点の位置)に設定されている。このとき、補正値設定部106は、第1の補正値設定方法と同様に、補正中心位置C0を基点として、表示画面の端部へ向かってゲインを減衰させるような補正値を設定する。なお、本発明の実施形態に係る予設定位置は、図6に示す表示画面のメカセンタの位置に限られず、例えば、表示画面の任意の位置に設定することができる。また、本発明の実施形態に係る予設定位置は、例えば、予め規定された固定位置あってもよいし、または、映像信号処理装置を使用するユーザからのユーザ入力に応じて適宜設定(変更)されてもよい。
【0070】
第3の補正値設定方法を用いる補正値設定部106は、図6(b)に示すように、補正中心位置C0から表示画面端までの距離(d0)と、ゲインの下げ幅g1を用いて表示画面の表示位置(Position)に応じた補正値を設定することができる。
【0071】
したがって、補正値設定部106は、第3の補正値設定方法を用いることにより、補正中心位置を基点とし、表示画面の画面端部へ向かって映像信号のゲインを減衰させる補正値を設定することができる。
【0072】
[第4の補正値設定方法]
本発明の実施形態に係る補正値設定部106は、上述した第1〜第3の補正値設定方法を用いることにより、1フレーム期間(所定期間)ごとの補正中心位置に応じた補正値を設定することができる。したがって、映像信号処理装置100は、上述した第1〜第3の補正値設定方法を用いることによって、各フレームにおいて消費電力を低減させながら、各フレームに表示画面に表示される画像の画質の低下を抑えることができる。このように、補正値設定部106は、上述した第1〜第3の補正値設定方法を用いることにより各フレームごとの映像信号を補正するのに適した補正値を設定することができる。しかしながら、各フレーム単位で適した補正値を設定したとしても、複数のフレーム単位でみた場合に画質の面から予期せぬ問題が生じる場合がある。
【0073】
〔第4の補正値設定方法が対象とする問題〕
図7は、本発明の実施形態に係る補正値設定部106における第4の補正値設定方法が対象とする問題を説明するための説明図である。図7(a)(b)は、あるフレームにおける補正中心位置および補正値を示しており、また、図7(c)(d)は、図7(a)(b)に示すフレームの次フレームにおける補正中心位置および補正値を示している。
【0074】
例えば、図7に示すように、補正中心位置が分割領域A8の補正中心位置C1(図7(a);第1補正中心位置)から分割領域A11の補正中心位置C2(図7(c);第2補正中心位置)へと変化した場合、表示画面の表示位置に応じた補正値もまた、それぞれの補正中心位置に応じたものに設定される。しかしながら、図7(b)と図7(d)を比較すれば明らかなように、1フレームの遷移で表示画面の表示位置に応じた補正値が急激に変化してしまう場合がある。
【0075】
図7に示すように1フレームの遷移で表示画面の表示位置に応じた補正値が急激に変化した場合には、輝度の変化が表示画面に露骨に表れてしまう。したがって、上記の場合には、たとえ各フレームごとに適した映像信号の補正が行われたとしても表示画面に表示される映像の画質の低下へと結びつく可能性がある。
【0076】
そこで、次に、図7に示すような上記問題の発生を抑制することが可能な、第4の補正値設定方法について説明する。
【0077】
〔第4の補正値設定方法の問題解決アプローチ〕
図8は、本発明の実施形態に係る補正値設定部106における第4の補正値設定方法を説明するための説明図である。
【0078】
第4の補正値設定方法では、図7に示すような上記問題の発生を抑制するために、補正値を段階的に変化させる。例えば、図8は、図7(a)に示す補正中心位置C1(第1補正中心位置)から図7(c)に示す補正中心位置C2(第2補正中心位置)へと4フレーム期間で段階的に変化させる例を示したものである。
【0079】
第4の補正値設定方法を用いる補正値設定部106は、補正中心位置が補正中心位置C1から補正中心位置C2へと変化すると、例えば、C1−C2間の距離を4等分した中間補正中心位置(図8の「C1−1」〜「C1−3」)を決定する。補正値設定部106は、1フレーム目に中間補正中心位置C1−1を基点とした補正値を設定し(図8(b))、2フレーム目に中間補正中心位置C1−2を基点とした補正値を設定する(図8(c))。同様に、補正値設定部106は、3フレーム目に中間補正中心位置C1−3を基点とした補正値を設定し(図8(d))、そして4フレーム目に目標とする補正中心位置である補正中心位置C2を基点とした補正値を設定する(図8(e))。
【0080】
したがって、第4の補正値設定方法を用いる補正値設定部106は、図7に示すように1フレームの遷移で急激に補正値が変化することを防止することができるので、図7に示すような上記問題の発生を抑制することができる。
【0081】
また、図8では、補正中心位置C1から補正中心位置C2へと4フレーム期間で補正中心位置を段階的に変化させて補正値を設定する例を示したが、上記4フレーム期間内に目標とする補正中心位置が変化する(すなわち、補正中心設定部104が新たな補正中心位置を設定する)場合もある。上記の場合には、補正値設定部106は、例えば、現フレームにおける補正中心位置と補正中心設定部104が設定した新たな補正中心位置とから、新たな中間補正中心位置を決定して補正値の設定を行うことができる。
【0082】
補正値設定部106が補正値を設定するために用いる現フレームにおける補正中心位置や、目標とする補正中心位置(補正中心設定部104が設定する補正中心位置)、中間補正中心位置などの情報は、例えば、補正値設定部106が記憶手段を備え、当該記憶手段に保持することができる。ここで、補正値設定部106が備える記憶手段としては、例えば、SDRAMやSRAMなどの揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られず、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであってもよい。なお、補正値設定部106が、例えば、映像信号処理装置100の記憶部(図示せず)に上記各種情報を記録し、記憶部(図示せず)から適宜上記各種情報を読み出してもよいことは、言うまでもない。
【0083】
[第5の補正値設定方法]
補正値設定部106は、上述した第1〜第4の補正値設定方法を適宜組み合わせることによって、補正中心位置を基点とし、表示画面の画面端部へ向かって映像信号のゲインを減衰させる補正値を設定することができる。
【0084】
上述した第1〜第5の補正値設定方法を用いることによって、補正値設定部106は、補正中心位置を基点とし、表示画面の画面端部へ向かって映像信号のゲインを減衰させる補正値を設定することができる。したがって、補正値設定部106は、表示画面の表示位置に応じた補正値を設定することができる。
【0085】
再度図3を参照して映像信号処理装置100について説明する。ゲイン調整部108は、補正値設定部106において設定された補正値を用いて入力される映像信号のゲインを調整する。より具体的には、ゲイン調整部108は、例えば、映像信号と補正値設定部106において設定された表示画面の表示位置に応じた補正値とを乗算することによって、映像信号のゲインを減衰させる。
【0086】
また、ゲイン調整部108は、例えば、表示画面の表示位置と補正値とが対応付けられたルックアップテーブルを記憶し、当該ルックアップテーブルから表示画面の表示位置に応じた補正値を読み出すこともできる。ここで、ゲイン調整部108は、補正値設定部106から補正値が伝達されるごとに上記ルックアップテーブルの補正値の値を更新することができる。
【0087】
ここで、ゲイン調整部108が映像信号のゲインの調整に用いるルックアップテーブルなどは、例えば、ゲイン調整部108が記憶手段を備え、当該記憶手段に保持することができる。ゲイン調整部108が備える記憶手段としては、例えば、EEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。なお、ゲイン調整部108が映像信号のゲインの調整に用いるルックアップテーブルなどは、例えば、映像信号処理装置100の記憶部(図示せず)に記憶され、ゲイン調整部108が補正値の値を適宜更新させると共に、当該記憶部(図示せず)から適宜読み出してもよいことは、言うまでもない。
【0088】
ゲイン調整部108は、ゲインを調整した映像信号を、例えば、映像を表示する表示画面を備える表示装置に出力することができる。なお、ゲイン調整部108がゲインを調整した映像信号を出力する出力先は、上記に限られない。例えば、ゲイン調整部108は、映像信号処理装置100が備える記憶部(図示せず)にゲインを調整した映像信号を記憶させることもできるし、または、有線/無線ネットワークなどを介してPC(Personal Computer)などの外部のコンピュータに出力することもできる。
【0089】
以上のように、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100は、入力される映像信号に基づいて分割領域ごとの平均輝度を算出し、算出した分割領域ごとの平均輝度に基づいて平均輝度が最も高い分割領域の中心点を補正中心位置を設定する(原則処理)。映像信号処理装置100は、設定した補正中心位置を基点として表示画面の画面端部へ向かって映像信号のゲインを減衰させる補正値を設定する。そして、映像信号処理装置100は、設定された表示画面の表示位置に応じた補正値を、入力された映像信号に乗算することによって、映像信号のゲインを補正する(減衰させる)。映像信号処理装置100は、平均輝度が最も高い分割領域(すなわち、重要な情報が存在する可能性が高い領域)の輝度を最も高く設定し、補正中心位置を基点として表示画面の画面端部へ向かって輝度が下がるように映像信号のゲインを補正することができるので、映像信号処理装置100が補正した映像信号が示す映像(または画像)を表示画面に表示した場合には、図1(b)に示すような従来の表示装置における問題の発生を防止することができる。したがって、映像信号処理装置100は、表示画面に表示した場合に消費電力を抑えながら高画質化を図ることができるように、映像信号の輝度を制御することができる。
【0090】
また、映像信号処理装置100は、設定した補正中心位置の予め規定された基準位置に対するずれ量に応じて、映像信号のゲインの減衰率を適宜変更することができる。したがって、映像信号処理装置100は、より高画質化が図れるように、映像信号の輝度を制御することができる。
【0091】
さらに、映像信号処理装置100は、表示画面に表示した場合における輝度の急激な変化による画質の低下を防止するために、段階的に補正値を変化させることもできる。したがって、映像信号処理装置100は、より高画質化が図れるように、映像信号の輝度を制御することができる。
【0092】
また、本発明の実施形態では、映像信号処理装置100を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、係る形態に限られず、例えば、PDP、OLEDディスプレイ、FEDなどの自発光型の表示装置や、PC、サーバ(Server)などのコンピュータ、携帯電話などの携帯型通信装置などに適用することができる。なお、表示装置への適用については、後述する。
【0093】
(映像信号処理装置100に係るプログラム)
本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100をコンピュータとして機能させるためのプログラムによって、入力される映像信号に基づいて消費電力の低減と高画質化が図れるように、映像信号の輝度を制御することができる。
【0094】
(本発明の実施形態に係る映像信号処理方法)
次に、本発明の実施形態に係る映像信号処理方法について説明する。図9は、本発明の実施形態に係る映像信号処理方法の一例を示す流れ図である。なお、以下では、映像信号処理装置100における映像信号処理方法について説明するが、本発明の実施形態に係る映像信号処理方法は、後述する本発明の実施形態に係る表示装置にも適用することができる。
【0095】
映像信号が入力されると、映像信号処理装置100は、分割領域ごとの平均輝度を算出する(S100)。ここで、ステップS100における分割領域ごとの平均輝度は、例えば、1フレーム期間における平均輝度とすることができるが、上記に限られない。また、ステップS100における平均輝度の算出は、例えば、相加平均を用いることが挙げられるが、上記に限られず、例えば、相乗平均や加重平均を用いて算出することもできる。
【0096】
映像信号処理装置100は、ステップS100において算出された分割領域ごとの平均輝度に基づいて補正中心位置を設定する(S102)。映像信号処理装置100は、ステップS102において、例えば、平均輝度が最も高い分割領域の中心点を補正中心位置として設定することができる。また、平均輝度が最も高い分割領域が複数存在する場合には、映像信号処理装置100は、例えば、予め設定された予設定位置を補正中心位置として設定することができる。ここで、上記予設定位置としては、例えば、映像信号に対応する画像を表示する表示画面のメカセンタの位置が挙げられるが、上記に限られない。
【0097】
映像信号処理装置100は、ステップS102において設定された補正中心位置に基づいて、映像信号が示す画像を表示画面に表示させる場合における表示画面の表示位置に応じた補正値を設定する(S104)。ここで、ステップS104における補正値の設定は、例えば、上述した第1〜第5の補正値設定方法を用いて行うことができる。
【0098】
ステップS104において設定された補正値に基づいて、映像信号処理装置100は入力された映像信号のゲインを調整する(S106)。ここで、ステップS104では、補正中心位置を基点として、表示画面の端部へ向かってゲインを減衰させるような補正値が設定されるので、ステップS106において調整される映像信号は、表示画面の端部に対応する映像信号ほどゲインが減衰したものとなる。
【0099】
以上のように、本発明の実施形態に係る映像信号処理方法は、入力される映像信号に基づいて分割領域ごとの平均輝度を算出し、算出した分割領域ごとの平均輝度に基づいて補正中心位置を設定する。そして、設定した補正中心位置を基点として表示画面の表示位置に応じた補正値を設定して、設定した補正値に基づいて入力される映像信号のゲインを調整する。よって、本発明の実施形態に係る映像信号処理方法を用いることにより、映像信号処理装置100は、平均輝度が最も高い分割領域(すなわち、重要な情報が存在する可能性が高い領域)の輝度を最も高く設定し、補正中心位置を基点として表示画面の画面端部へ向かって輝度が下がるように映像信号のゲインを補正することができるので、映像信号処理装置100が補正した映像信号が示す映像(または画像)を表示画面に表示した場合には、図1(b)に示すような従来の表示装置における問題の発生を防止することができる。
【0100】
したがって、本発明の実施形態に係る映像信号処理方法は、表示画面に表示した場合に消費電力を抑えながら高画質化を図ることができるように、映像信号の輝度を制御することができる。
【0101】
(実施形態に係る表示装置)
次に、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置を適用した表示装置について説明する。
【0102】
図10は、本発明の実施形態に係る表示装置200を示すブロック図である。なお、図10に示す表示装置200は、本発明の実施形態に係る表示装置の一実施形態であり、本発明の実施形態が図10の構成に限定されるものではないことは、言うまでもない。また、以下では、表示装置200に入力される映像信号が、例えば、デジタル放送などで用いられるデジタル信号であるとして説明するが、上記に限られず、例えば、アナログ放送などで用いられるアナログ信号とすることもできる。
【0103】
図10を参照すると、表示装置200は、映像信号補正部202と、映像表示部204とを備えることができる。
【0104】
また、表示装置200は、例えば、MPUなどで構成され表示装置200全体を制御することが可能な表示装置制御部(図示せず)や、表示装置制御部が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データが記録されたROM(図示せず)、表示装置制御部により実行されるプログラムなどを一次記憶するRAM(図示せず)、映像信号補正部202において映像信号の補正に用いられるデータなどを記憶可能な表示装置記憶部(図示せず)、ユーザが操作可能な表示装置操作部(図示せず)、放送局などから送信される映像信号を受信する受信部(図示せず)などを備えてもよい。表示装置200は、例えば、データの伝送路としてのバスにより上記各構成要素間を接続することができる。ここで、表示装置記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。また、表示装置操作部としては、例えば、キーボードやマウスなどの操作入力デバイスや、ボタン、方向キー、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0105】
映像信号補正部202は、例えば、図3に示す本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100と同様の構成を有する。したがって、映像信号補正部202は、入力される映像信号に基づいて分割領域ごとの平均輝度を算出して表示画面の表示位置に応じた補正値を設定し、映像信号のゲインを補正することができる。
【0106】
映像表示部204は、映像信号補正部202において補正された映像信号に基づいて、映像を表示することができる。
【0107】
[映像表示部204の構成例]
映像表示部204は、表示部206と、行駆動部208と、列駆動部210と、電源供給部212と、表示制御部214とを備えることができる。
【0108】
表示部206は、行列状に配置された複数の画素を備えることができる。例えば、SD(Standard Definition)解像度の映像を表示する表示部は、少なくとも640×480=307200(データ線×走査線)の画素を有し、カラー表示のために当該画素が赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)のサブピクセル(sub pixel)からなる場合には、640×480×3=921600(データ線×走査線×サブピクセルの数)のサブピクセルを有する。同様に、例えば、HD(High Definition)解像度の映像を表示する表示部は、1920×1080の画素を有し、カラー表示の場合には、1920×1080×3のサブピクセルを有する。
【0109】
また、表示部206は、例えば、画素ごとに印加する電圧量/電流量を制御するための画素回路(図示せず)を備えていてもよい。画素回路は、例えば、印加される走査信号および電圧信号により電流量を制御するためのスイッチ素子およびドライブ素子と、電圧信号を保持するためのキャパシタで構成される。上記スイッチ素子および上記ドライブ素子は、例えば、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)で構成される。
【0110】
行駆動部208、および列駆動部210は、表示部206が有する複数の画素に電圧信号を印加して各画素を発光させることができる。ここで、行駆動部208、および列駆動部210は、一方が画素のON/OFFを決定する電圧信号(走査信号)を印加し、他方が表示させる映像に応じた電圧信号(映像信号)を印加する役割を果たす。
【0111】
また、行駆動部208、および列駆動部210の駆動方式としては、例えば、上記行列状に配置された画素ごとに発光させる点順次駆動走査方式、上記行列状に配置された画素を一列ごとに発光させる線順次駆動走査方式、そして、上記行列状に配置された全ての画素を発光させる面順次駆動走査方式などが挙げられる。なお、図10に示す表示装置200の映像表示部204は、行駆動部208と列駆動部210との2つの駆動部を備えているが、本発明の実施形態に係る表示装置が1つの駆動部で構成できることは、言うまでもない。
【0112】
電源供給部212は、行駆動部208および列駆動部210に電源を供給し、行駆動部208および列駆動部210には電圧が印加される。また、電源供給部212が、行駆動部208および列駆動部210に印加する電圧の大きさは、映像信号補正部202により補正された映像信号に応じて可変する。
【0113】
表示制御部214は、例えば、MPUなどで構成され、映像信号補正部202により補正された映像信号に応じて、行駆動部208および列駆動部210の一方に画素のON/OFFを決定する電圧を画素に印加するための制御信号を入力し、また、他方に映像信号を入力することができる。また、表示制御部214は、映像信号補正部202により補正された映像信号に応じて、電源供給部212による行駆動部208および列駆動部210への電源の供給を制御することもできる。
【0114】
本発明の実施形態に係る表示装置200は、図10に示すような構成を有することにより、入力される映像信号を補正し、当該補正された映像信号に基づいて映像を表示することができる。
【0115】
以上のように、本発明の実施形態に係る表示装置200は、映像信号補正部202を備え、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置と同様に、入力される映像信号に基づいて分割領域ごとの平均輝度を算出し、算出した分割領域ごとの平均輝度に基づいて平均輝度が最も高い分割領域の中心点を補正中心位置を設定する(原則処理)。また、表示装置200は、設定した補正中心位置を基点として表示画面の画面端部へ向かって映像信号のゲインを減衰させる補正値を設定する。そして、表示装置200は、設定された表示画面の表示位置に応じた補正値を、入力された映像信号に乗算することによって、映像信号のゲインを補正する(減衰させる)。したがって、表示装置200は、平均輝度が最も高い分割領域(すなわち、重要な情報が存在する可能性が高い領域)の輝度を最も高く設定し、補正中心位置を基点として表示画面の画面端部へ向かって輝度が下がるように映像信号のゲインを補正することができる。
【0116】
また、表示装置200は、映像表示部204を備え、映像信号補正部202により補正された映像信号が示す映像(または画像)を表示することができる。ここで、映像信号補正部202は、補正中心位置を基点として表示画面(映像表示部204の表示部206)の端部へ向かってゲインを減衰させるように映像信号を補正することができる。よって、表示装置200は、映像信号補正部202が補正した映像信号が示す映像(または画像)を表示画面に表示した場合には、図1(b)に示すような従来の表示装置における問題の発生を防止することができる。
【0117】
したがって、表示装置200は、入力される映像信号に基づいて映像信号の輝度を制御することによって、表示画面に表示した場合に消費電力を抑えながら高画質化を図ることができる。
【0118】
また表示装置200は、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置と同様に、設定した補正中心位置の予め規定された基準位置に対するずれ量に応じて、映像信号のゲインの減衰率を適宜変更することができる。したがって、表示装置200は、より高画質化が図れるように、映像信号の輝度を制御することができる。
【0119】
さらに、表示装置200は、表示画面に表示した場合における輝度の急激な変化による画質の低下を防止するために、段階的に補正値を変化させることもできる。したがって、表示装置200は、より高画質化が図れるように、映像信号の輝度を制御することができる。
【0120】
また、本発明の実施形態では、表示装置200を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、係る形態に限られず、例えば、PDP、OLEDディスプレイ、FEDなどの自発光型の多様な表示装置に適用することができる。また、本発明の実施形態は、テレビジョン(Television)放送を受信する受信装置に適用することができる。
【0121】
(表示装置200に係るプログラム)
本発明の実施形態に係る表示装置200をコンピュータとして機能させるためのプログラムによって、入力される映像信号に基づいて映像信号の輝度を制御することによって、表示画面に表示した場合に消費電力を抑えながら高画質化を図ることができる。
【0122】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0123】
例えば、図3に示す本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100および図10に示す表示装置200では、入力される映像信号がデジタル信号であるとして説明したが、かかる形態に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置および本発明の実施形態に係る表示装置が、例えば、A/Dコンバータ(Analog to Digital converter)をそれぞれ備え、入力されるアナログ信号(映像信号)をデジタル信号に変換して、当該変換後の映像信号を処理してもよい。また、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置および本発明の実施形態に係る表示装置は、例えば、各構成要素をアナログ回路で構成することにより、アナログ信号(映像信号)を処理することもできる。
【0124】
また、図10に示す本発明の実施形態に係る表示装置200は、映像信号補正部202と、映像表示部204とを備えているが、かかる形態に限られず、例えば、映像信号補正部202と、映像表示部204が備える表示制御部214とを一体とすることもできる。かかる構成であっても、表示制御部が入力された映像信号を補正し、補正した映像信号に基づいて、列駆動部、行駆動部、電源供給部などを制御することができるので、上記の本発明の実施形態に係る表示装置200と同様に補正された映像信号に基づいて映像を表示することができる。
【0125】
上述した構成は、当業者が容易に変更し得る程度のことであり、本発明の等価範囲に属するものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】従来の表示装置における問題を説明するための説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る映像信号処理装置における処理の概要を説明するための説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る映像信号処理装置の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る補正値設定部における第1の補正値設定方法を説明するための説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る補正値設定部における第2の補正値設定方法を説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る補正値設定部における第3の補正値設定方法を説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る補正値設定部における第4の補正値設定方法が対象とする問題を説明するための説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係る補正値設定部における第4の補正値設定方法を説明するための説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る映像信号処理方法の一例を示す流れ図である。
【図10】本発明の実施形態に係る表示装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0127】
100 映像信号処理装置
102 平均輝度算出部
104 補正中心設定部
106 補正値設定部
108 ゲイン調整部
200 表示装置
202 映像信号補正部
204 映像表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を複数の分割領域に分割し、入力された映像信号に基づいて前記分割領域ごとの平均輝度を算出する平均輝度算出部と;
前記分割領域ごとの平均輝度に基づいて補正中心位置を設定する補正中心設定部と;
前記補正中心位置を基点として、前記表示画面の表示位置に応じた補正値を設定する補正値設定部と;
前記補正値に基づいて前記映像信号のゲインを調整するゲイン調整部と;
を備えることを特徴とする、映像信号処理装置。
【請求項2】
前記補正値設定部は、前記補正中心位置を基点とし、前記表示画面の画面端部へ向かって映像信号のゲインを減衰させる補正値を設定することを特徴とする、請求項1に記載の映像信号処理装置。
【請求項3】
前記補正値設定部は、前記補正中心位置の予め規定された基準位置に対するずれ量に応じて、映像信号のゲインの減衰率を変更することを特徴とする、請求項2に記載の映像信号処理装置。
【請求項4】
前記補正値設定部は、前記補正中心設定部が設定した前記補正中心位置が第1補正中心位置から第2補正中心位置へと変化した場合には、前記第1補正中心位置に対応する補正値から前記第2補正中心位置に対応する補正値へと段階的に補正値を変化させることを特徴とする、請求項1〜3に記載の映像信号処理装置。
【請求項5】
前記補正中心設定部は、前記分割領域ごとの平均輝度が最大の分割領域の中心点を前記補正中心位置に設定することを特徴とする、請求項1〜4に記載の映像信号処理装置。
【請求項6】
前記補正中心設定部は、前記分割領域ごとの平均輝度が最大となる分割領域が複数ある場合には、予め設定された予設定位置を前記補正中心位置とすることを特徴とする、請求項1〜4に記載の映像信号処理装置。
【請求項7】
表示画面を複数の分割領域に分割し、入力された映像信号に基づいて前記分割領域ごとの平均輝度を算出するステップと;
前記分割領域ごとの平均輝度に基づいて補正中心位置を設定するステップと;
前記補正中心位置を基点として、前記表示画面の表示位置に応じた補正値を設定するステップと;
前記補正値に基づいて前記映像信号のゲインを調整するステップと;
を有することを特徴とする、映像信号処理方法。
【請求項8】
表示画面を複数の分割領域に分割し、入力された映像信号に基づいて前記分割領域ごとの平均輝度を算出するステップ;
前記分割領域ごとの平均輝度に基づいて補正中心位置を設定するステップ;
前記補正中心位置を基点として、前記表示画面の表示位置に応じた補正値を設定するステップ;
前記補正値に基づいて前記映像信号のゲインを調整するステップ;
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
自発光型の表示装置であって:
入力された映像信号を補正する映像信号補正部と;
前記映像信号補正部が補正した映像信号に基づいて映像を表示画面に表示する映像表示部と;
を備え、
前記映像信号補正部は、
前記表示画面を複数の分割領域に分割し、入力された映像信号に基づいて前記分割領域ごとの平均輝度を算出する平均輝度算出部と;
前記分割領域ごとの平均輝度に基づいて、補正中心位置を設定する補正中心設定部と;
前記補正中心位置を基点として、前記表示画面の表示位置に応じた補正値を設定する補正値設定部と;
前記補正値に基づいて前記映像信号のゲインを調整するゲイン調整部と;
を備えることを特徴とする、表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−10676(P2009−10676A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169978(P2007−169978)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】