説明

映像表示装置

【課題】映像表示装置において、視察者の位置に依存せずに、別の視察位置で視えるように表示されている映像を視ることができるようにする。
【解決手段】テレビジョン受像機は、映像表示部4を備える。映像表示部は、液晶パネル41と、垂直レンチキュラーシート42とを備える。テレビジョン受像機は、映像表示部により、視察位置70〜70によって異なる映像が視えるように、映像を表示する。そして、テレビジョン受像機は、ユーザによりリモコンの左カーソルキーが押下操作されると、各視察位置70〜70で視えるように表示している映像を、各々、右側に隣接する視察位置で視えるように、映像の表示を切換える。また、テレビジョン受像機は、ユーザによりリモコンの右カーソルキーが押下操作されると、各視察位置70〜70で視えるように表示している映像を、各々、左側に隣接する視察位置で視えるように、映像の表示を切換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を視る視察位置によって異なる映像が視えるように映像を表示する映像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、映像表示装置において、インテグラルイメージング方式と呼ばれる方式で映像を表示することにより、映像を立体的に視せるようにしたものが知られている(例えば特許文献1乃至特許文献3参照)。インテグラルイメージング方式とは、映像を視る視察位置によって異なる映像が視えるように、映像を表示する方式である。
【0003】
このインテグラルイメージング方式による映像表示では、各視察位置において、映像により表現している物や空間が異なる角度で視えるように、映像により表現している物や空間を表示することができる。このような映像表示を行うことにより、映像により表現されている物や空間が各視察位置によって異なる角度で視え、映像により表現されている物や空間が立体的に存在しているかのように視える。すなわち、視察者の左目と右目が異なる視察位置に存在することにより、映像により表現されている物や空間が左目と右目で異なる角度で視え、実際の立体物や立体空間を視ているときのように、映像により表現されている物や空間が奥行きのあるように視える。また、視察者が別の視察位置に移動することにより、実際の立体物や立体空間を回り込んで視たときのように、映像により表現されている物や空間が異なる角度で視える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−94022号公報
【特許文献2】特開2010−136300号公報
【特許文献3】特開2007−81562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した従来の映像表示装置においては、別の視察位置で視えるように表示されている映像(映像により表現されている物や空間が異なる角度で視えるように表示されている映像)を視るためには、視察者(ユーザ)が別の視察位置に移動しなければならない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、視察者の位置に依存せずに、別の視察位置で視えるように表示されている映像を視ることができる映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、映像を視る視察位置によって異なる映像が視えるように映像を表示する映像表示装置において、ある視察位置で視えるように表示している映像を別の視察位置で視えるように、映像の表示を切換える表示切換手段を備えるものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の映像表示装置において、本装置の動作を指示するためにユーザにより操作される操作手段をさらに備え、表示切換手段は、ユーザによる操作手段の操作に基いて、ある視察位置で視えるように表示している映像を別の視察位置で視えるように、映像の表示を切換えるものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載の映像表示装置において、表示切換手段は、ユーザによる操作手段の操作に基いて、各視察位置で視えるように表示している映像を、各々、隣接する視察位置で視えるように、映像の表示を切換えるものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1乃至請求項3の発明によれば、表示切換手段によって、ある視察位置で視えるように表示されている映像が別の視察位置で視えるように、映像の表示が切換えられる。これにより、視察者(ユーザ)は、移動することなく、どの視察位置に居ても、別の視察位置で視えるように表示されている映像を視ることができる。すなわち、視察者の位置に依存せずに、別の視察位置で視えるように表示されている映像を視ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機の概略構成を示す電気的ブロック構成図。
【図2】(a)(b)は同テレビジョン受像機の映像表示部の構成を示す。
【図3】同テレビジョン受像機の映像の表示の切換え動作を示すフローチャート。
【図4】(a)(b)(c)は同テレビジョン受像機の映像表示部で表示される映像の表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した実施形態による映像表示装置について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による映像表示装置であるテレビジョン受像機1の構成を示す。テレビジョン受像機1は、テレビジョン放送局から放送されるテレビジョン信号を受信して、その受信したテレビジョン信号による映像を表示すると共に、その受信したテレビジョン信号による音声を出力する装置である。このテレビジョン受像機1は、映像を視る視察位置によって異なる映像が視えるように映像を表示する機能を備えている。
【0013】
テレビジョン受像機1は、チューナ2と、映像処理部3と、映像表示部4と、音声処理部5と、音声出力部6と、リモコン7と、リモコン受信部8と、テレビジョン受像機1の動作を制御する制御部9等を備える。
【0014】
チューナ2は、制御部9による制御のもと、テレビジョン放送局から放送されるテレビジョン信号を受信し、そのテレビジョン信号から、そのテレビジョン信号に含まれている映像信号(テレビジョン信号に基く映像の映像信号)及び音声信号(テレビジョン信号に基く音声の音声信号)を分離、抽出する。
【0015】
映像処理部3は、制御部9による制御のもと、チューナ2により分離、抽出された映像信号を処理して、映像表示部4で映像を表示するための映像信号を生成し、その生成した映像信号を映像表示部4に供給する。映像表示部4は、映像処理部3から供給された映像信号による映像を表示する。
【0016】
音声処理部5は、制御部9による制御のもと、チューナ2により分離、抽出された音声信号を処理して、音声出力部6で音声を出力するための音声信号を生成し、その生成した音声信号を音声出力部6に供給する。音声出力部6は、音声処理部5から供給された音声信号による音声を出力する。
【0017】
リモコン7は、テレビジョン受像機1の各種動作を指示するためにユーザに操作され、その操作内容を示す操作信号を送信する。リモコン受信部8は、リモコン7から送信される操作信号を受信して、リモコン7の操作内容を示すリモコン受信信号を出力する。リモコン7によって、操作手段が構成されている。
【0018】
制御部9は、リモコン受信部8から出力されるリモコン受信信号に基いて、ユーザによるリモコン7の操作内容を判断し、ユーザによるリモコン7の操作に基いて、テレビジョン受像機1の各種動作を制御する。制御部9は、テレビジョン受像機1の動作を制御するためのプログラムや各種データを記憶しており、それらプログラムや各種データに基いて、テレビジョン受像機1の各種動作を制御する。
【0019】
図2(a)(b)は、映像表示部4の構成を示す。映像表示部4は、インテグラルイメージング方式により映像を表示するように構成されたものであり、液晶パネル41と、垂直レンチキュラーシート42とを備えている。
【0020】
液晶パネル41は、縦横(m行×n列)に配列された多数の画素群50ij(i=1、2、・・・、m、j=1、2、・・・、n)を備えている(図では、簡単のために、画素群5011、5012、5021、5022のみを図示している)。各画素群50ijは、縦横(3行×9列)に配列された複数の画素51ij−uv(u=R、G、B、v=1、2、・・・、9)によって構成されている。各画素51ij−Rvは、赤色の光を発光する画素であり、各画素51ij−Gvは、緑色の光を発光する画素であり、各画素51ij−Bvは、青色の光を発光する画素である。
【0021】
垂直レンチキュラーシート42は、横に配列された多数の光制御素子60を備えている(図では、簡単のために、光制御素子60、60のみを図示している)。各光制御素子60(j列目(横にj番目)の光制御素子)は、複数の画素群50ij(j列目(横にj番目)において縦に配列された複数の画素群)と重なっている。すなわち、光制御素子60は、画素群5011、画素群5021、・・・、画素群50m1と重なっており、光制御素子60は、画素群5012、画素群5022、・・・、画素群50m2と重なっており、・・・、光制御素子60は、画素群501n、画素群502n、・・・、画素群50mnと重なっている。
【0022】
各光制御素子60は、各画素群50ijの画素51ij−uvからの光を視察位置70に放射する。すなわち、各光制御素子60は、各画素51ij−u1からの光を視察位置70に放射し、各画素51ij−u2からの光を視察位置70に放射し、・・・、各画素51ij−u9からの光を視察位置70に放射する。
【0023】
つまり、光制御素子60は、画素5111−R1、5111−G1、5111−B1、5121−R1、5121−G1、5121−B1、・・・、51m1−R1、51m1−G1、51m1−B1からの光を視察位置70に放射し、画素5111−R2、5111−G2、5111−B2、5121−R2、5121−G2、5121−B2、・・・、51m1−R2、51m1−G2、51m1−B2からの光を視察位置70に放射し、・・・、画素5111−R9、5111−G9、5111−B9、5121−R9、5121−G9、5121−B9、・・・、51m1−R9、51m1−G9、51m1−B9からの光を視察位置70に放射する。
【0024】
同様に、光制御素子60は、画素51i2−u1からの光を視察位置70に放射し、画素51i2−u2からの光を視察位置70に放射し、・・・画素51i2−u9からの光を視察位置70に放射し、・・・、光制御素子60は、画素51in−u1からの光を視察位置70に放射し、画素51in−u2からの光を視察位置70に放射し、・・・画素51in−u9からの光を視察位置70に放射する。なお、視察位置70は、映像表示部4の位置を基準として定まる所定の拡がりのある領域であり、視察者(ユーザ)が映像表示部4を視る角度に対応している。
【0025】
このような映像表示部4の構成により、各視察位置70には、各画素群50ijの画素51ij−uvからの光が放射される。すなわち、視察位置70には、各画素群50ijの画素51ij−u1からの光が放射され、視察位置70には、各画素群50ijの画素51ij−u2からの光が放射され、・・・、視察位置70には、各画素群50ijの画素51ij−u9からの光が放射される。
【0026】
これにより、各視察位置70では、各画素群50ijの画素51ij−uvによる映像80が視られる(図2(a)参照)。すなわち、視察位置70では、各画素群50ijの画素51ij−u1による映像80が視られ、視察位置70では、各画素群50ijの画素51ij−u2による映像80が視られ、・・・、視察位置70では、各画素群50ijの画素51ij−u9による映像80が視られる。従って、例えば、視察位置70に居る視察者(ユーザ)90Aには、各画素群50ijの画素51ij−u5による映像80が視え、視察位置70に居る視察者90Bには、各画素群50ijの画素51ij−u1による映像80が視える。
【0027】
また、各視察位置70において、映像により表現している物や空間が異なる角度で視えるように、映像により表現している物や空間が表示されている場合(すなわち、各画素群50ijの画素51ij−uvによる映像80が、物や空間が異なる角度で視えるように表現した映像である場合)には、映像により表現されている物や空間が各視察位置70によって異なる角度で視え、映像により表現されている物や空間が立体的に存在しているかのように視える。すなわち、視察者の左目と右目が異なる視察位置に存在すれば、映像により表現されている物や空間が左目と右目で異なる角度で視え、実際の立体物や立体空間を視ているときのように、映像により表現されている物や空間が奥行きのあるように視える。また、視察者が別の視察位置に移動することにより、実際の立体物や立体空間を回り込んで視たときのように、映像により表現されている物や空間が異なる角度で視える。
【0028】
テレビジョン受像機1は、このような構成の映像表示部4によって映像を表示することにより、映像を視る視察位置70によって(映像表示部4を視る角度によって)異なる映像が視えるように、映像を表示する。このような映像の表示方法は、インテグラルイメージング方式と呼ばれる。
【0029】
また、このテレビジョン受像機1は、ある視察位置70で視えるように表示している映像80を別の視察位置70(w≠v)で視えるように、映像の表示を切換える機能を有している。すなわち、テレビジョン受像機1は、ユーザによるリモコン7の操作に基いて、ある視察位置70で視えるように表示している映像80を別の視察位置70で視えるように、映像の表示を切換える。
【0030】
例えば、テレビジョン受像機1は、各視察位置70で視えるように表示していた映像80を、各々、隣接する視察位置70v+1で視えるように、映像の表示を切換える(図2(b)参照)。このように映像の表示を切換えることにより、各視察位置70では、それまで視えていた映像80に換って、隣接する視察位置70v−1でそれまで視えていた映像80v−1が視えるようになる。すなわち、視察位置70では、それまで視えていた映像80に換って、映像801’(映像801’は、いずれの視察位置でも視えていなかった映像)が視えるようになり、視察位置70では、それまで視えていた映像80に換って、隣接する視察位置70でそれまで視えていた映像80が視えるようになり、・・・、視察位置70では、それまで視えていた映像80に換って、隣接する視察位置70でそれまで視えていた映像80が視えるようになる。従って、例えば、視察位置70に居る視察者(ユーザ)90Aには、それまで視えていた映像80に換って、映像80が視えるようになり、視察位置70に居る視察者90Bには、それまで視えていた映像80に換って、映像80’が視えるようになる。
【0031】
テレビジョン放送局からは、インテグラルイメージング方式による映像表示に対応した映像信号、すなわち、各視察位置70で視えるように表示する複数種類の映像(例えば、各視察位置70において、映像により表現する物や空間が異なる角度で視えるような映像であって、複数の異なる方向から撮影した映像)の映像信号を含んだテレビジョン信号が放送される。
【0032】
テレビジョン受像機1において、映像処理部3は、制御部9による制御のもと、チューナ2によりテレビジョン信号から分離、抽出したインテグラルイメージング方式による映像表示に対応した映像信号(複数種類の映像の映像信号)を処理して、映像表示部4で映像を表示するための映像信号(複数種類の映像が各視察位置70で視えるように映像を表示する映像信号)を生成し、その生成した映像信号を映像表示部4に供給する。すなわち、映像処理部3は、複数種類の映像のうちのある映像が画素51ij−u1によって表示され、別の映像が画素51ij−u2によって表示され、・・・、さらに別の映像が画素51ij−u9によって表示されるように映像を表示する映像信号を生成し、その生成した映像信号を映像表示部4に供給する。これにより、複数種類の映像のうちのある映像が画素51ij−u1によって表示され、別の映像が画素51ij−u2によって表示され、・・・、さらに別の映像が画素51ij−u9によって表示され、各視察位置70で複数種類の映像が視えるように、映像が表示される。
【0033】
例えば、インテグラルイメージング方式による映像表示に対応した映像信号(テレビジョン信号に含まれている映像信号)による複数種類の映像が19種類あり、これら19種類の映像を順に第1映像、第2映像、・・・、第18映像、第19映像とする。
【0034】
映像処理部3は、各視察位置70で第1映像から第19映像のうちの第k映像(k=1、2、・・・、11のいずれかであって、例えばk=6)から第k+8映像が視える(視察位置70で第k映像が視え、視察位置70で第k+1映像が視え、・・・、視察位置70で第k+8映像が視える)ように映像を表示する映像信号を生成する。すなわち、画素51ij−u1によって第k映像が表示され、画素51ij−u2によって第k+1映像が表示され、・・・、画素51ij−u9によって第k+8映像が表示される映像信号を生成する。そして、その生成した映像信号を映像表示部4に供給する。これにより、画素51ij−u1によって第k映像が表示され、画素51ij−u2によって第k+1映像が表示され、・・・、画素51ij−u9によって第k+8映像が表示され、各視察位置70で第k映像から第k+8映像が視えるように、映像が表示される。
【0035】
また、映像処理部3は、制御部9から表示の切換えの指令を受けた場合には、その指令に応じて、視察位置70で視えるように表示している映像が別の視察位置70(w≠v)で視えるように映像を表示する映像信号を生成し、その映像信号を映像表示部4に供給する。すなわち、映像処理部3は、画素51ij−uvによって表示していた映像が別の画素51ij−uw(w≠v)によって表示されるように映像を表示する映像信号を生成し、その映像信号を映像表示部4に供給する。これにより、画素51ij−uvによって表示していた映像が別の画素51ij−uw(w≠v)によって表示され、各視察位置70で視えるように表示していた映像が別の視察位置70で視えるように、映像が表示される(映像の表示が切換えられる)。
【0036】
例えば、映像処理部3は、制御部9から、各視察位置70で視えるように表示していた映像を、各々、左側に隣接する視察位置70v+1で視えるように、映像の表示を切換える指令を受けたとする。このとき、それまで各視察位置70で第k映像から第k+8映像が視えるように映像が表示されていたとする。すなわち、それまで画素51ij−u1によって第k映像が表示され、画素51ij−u2によって第k+1映像が表示され、・・・、画素51ij−u9によって第k+8映像が表示されていたとする。
【0037】
この場合、映像処理部3は、各視察位置70で第k−1映像から第k+7映像が視える(視察位置70で第k−1映像が視え、視察位置70で第k映像が視え、・・・、視察位置70で第k+7映像が視える)ように映像を表示する映像信号を生成する。すなわち、画素51ij−u1によって第k−1映像が表示され、画素51ij−u2によって第k映像が表示され、・・・、画素51ij−u9によって第k+7映像が表示される映像信号を生成する。そして、その生成した映像信号を映像表示部4に供給する。これにより、画素51ij−u1によって第k−1映像が表示され、画素51ij−u2によって第k映像が表示され、・・・、画素51ij−u9によって第k+7映像が表示され、各視察位置70で視えるように表示していた映像が、各々、左側に隣接する視察位置70v+1で視えるように、映像が表示される(映像の表示が切換えられる)。
【0038】
また、例えば、映像処理部3は、制御部9から、各視察位置70で視えるように表示していた映像を、各々、右側に隣接する視察位置70v−1で視えるように、映像の表示を切換える指令を受けたとする。このとき、それまで各視察位置70で第k映像から第k+8映像が視えるように映像を表示していたとする。
【0039】
この場合、映像処理部3は、各視察位置70で第k+1映像から第k+9映像が視える(視察位置70で第k+1映像が視え、視察位置70で第k+2映像が視え、・・・、視察位置70で第k+9映像が視える)ように映像を表示する映像信号を生成する。すなわち、画素51ij−u1によって第k+1映像が表示され、画素51ij−u2によって第k+2映像が表示され、・・・、画素51ij−u9によって第k+9映像が表示される映像信号を生成する。そして、その生成した映像信号を映像表示部4に供給する。これにより、画素51ij−u1によって第k+1映像が表示され、画素51ij−u2によって第k+2映像が表示され、・・・、画素51ij−u9によって第k+9映像が表示され、各視察位置70で視えるように表示していた映像が、各々、右側に隣接する視察位置70v−1で視えるように、映像が表示される(映像の表示が切換えられる)。
【0040】
このように、制御部9による制御のもと、映像処理部3により、インテグラルイメージング方式による映像表示に対応した映像信号を処理して、映像表示部4に映像信号を供給することによって、各視察位置70で異なる映像が視えるように、映像が表示され、また、各視察位置70で視えるように表示している映像が別の視察位置70で視えるように、映像の表示が切換えられる。
【0041】
制御部9は、映像処理部3に表示の切換えの指令を与えることにより、視察位置70で視えるように表示している映像80を別の視察位置70で視えるように、映像の表示を切換える。すなわち、制御部9は、映像処理部3に、各視察位置70で視えるように表示していた映像を、各々、左側に隣接する視察位置70v+1で視えるように、映像の表示を切換える指令を与えることにより、各視察位置70で視えるように表示している映像を、各々、左側に隣接する視察位置70v+1で視えるように、映像の表示を切換える。また、制御部9は、映像処理部3に、各視察位置70で視えるように表示していた映像を、各々、右側に隣接する視察位置70v−1で視えるように、映像の表示を切換える指令を与えることにより、各視察位置70で視えるように表示している映像を、各々、右側に隣接する視察位置70v−1で視えるように、映像の表示を切換える。
【0042】
制御部9は、ユーザによるリモコン7の操作に基いて、映像処理部3に表示の切換えの指令を与える。すなわち、制御部9は、ユーザによるリモコン7の操作に基いて、映像の表示を切換える。制御部9によって、表示切換手段が構成されている。
【0043】
図3は、上記テレビジョン受像機1の映像の表示の切換え動作のフローチャートを示す。ユーザによりリモコン7の左カーソルキーが押下操作されると(#1でYES)、制御部9は、各視察位置70で視えるように表示している映像を、各々、右側に隣接する視察位置70v−1で視えるように、映像の表示を切換える(#2)。また、ユーザによりリモコン7の右カーソルキーが押下操作されると(#3でYES)、制御部9は、各視察位置70で視えるように表示している映像を、各々、左側に隣接する視察位置70v+1で視えるように、映像の表示を切換える(#4)。
【0044】
#2及び#4の後、制御部9は、上記#1以降の処理を繰り返す。従って、ユーザによりリモコン7の左カーソルキーが押下操作される都度、制御部9は、各視察位置70で視えるように表示している映像を、各々、右側に隣接する視察位置70v−1で視えるように、映像の表示を切換える。また、ユーザによりリモコン7の右カーソルキーが押下操作される都度、制御部9は、各視察位置70で視えるように表示している映像を、各々、左側に隣接する視察位置70v+1で視えるように、映像の表示を切換える。
【0045】
図4(a)(b)(c)は、テレビジョン受像機1により表示(映像表示部4により表示)される映像の表示例を示す。いま、例えば、図4(a)に示す静止映像80aを視察位置70で視えるように表示し、図4(b)に示す静止映像80bを視察位置70で視えるように表示し、図4(c)に示す静止映像80cを視察位置70で視えるように表示しているとする。このような場合、ユーザが視察位置70に居ると、ユーザには、図4(b)に示す静止映像80bが視えている。
【0046】
ここで、ユーザがリモコン7の左カーソルキーを押下操作すると、各視察位置70で視えるように表示している映像が、各々、右側に隣接する視察位置70v−1で視えるように、映像の表示が切換えられる。すなわち、図4(a)に示す静止映像80aが視察位置70で視えるようになり、図4(b)に示す静止映像80bが視察位置70で視えるようになり、図4(c)に示す静止映像80cが視察位置70で視えるようになる。従って、視察位置70に居るユーザがリモコン7の左カーソルキーを押下操作すると、ユーザには、それまで視えていた図4(b)に示す静止映像80bに換って、図4(c)に示す静止映像80cが視えることになる。
【0047】
また、ユーザがリモコン7の右カーソルキーを押下操作すると、各視察位置70で視えるように表示している映像が、各々、左側に隣接する視察位置70v+1で視えるように、映像の表示が切換えられる。すなわち、図4(a)に示す静止映像80aが視察位置70で視えるようになり、図4(b)に示す静止映像80bが視察位置70で視えるようになり、図4(c)に示す静止映像80cが視察位置70で視えるようになる。従って、視察位置70に居るユーザがリモコン7の右カーソルキーを押下操作すると、ユーザには、それまで視えていた図4(b)に示す静止映像80bに換って、図4(a)に示す静止映像80aが視えることになる。
【0048】
このような構成のテレビジョン受像機1によれば、ユーザによるリモコン7の操作に基いて、制御部9による制御によって、ある視察位置で視えるように表示されている映像が別の視察位置で視えるように、映像の表示が切換えられる。すなわち、ユーザがリモコン7の左カーソルキーを押下操作すると(押下操作する都度)、制御部9による制御によって、各視察位置で視えるように表示されている映像が、各々、右側に隣接する視察位置で視えるように、映像の表示が切換えられる。また、ユーザがリモコン7の右カーソルキーを押下操作すると(押下操作する都度)、制御部9による制御によって、各視察位置で視えるように表示されている映像が、各々、左側に隣接する視察位置で視えるように、映像の表示が切換えられる。これにより、視察者(ユーザ)は、移動することなく、どの視察位置に居ても、別の視察位置で視えるように表示されている映像を視ることができる。すなわち、視察者の位置に依存せずに、別の視察位置で視えるように表示されている映像を視ることができる。
【0049】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、リモコンの数値キーが押下操作されると、各視察位置で視えるように表示している映像を、押下操作された数値キーの数値に応じて、異なる視察位置で視えるように、映像の表示を切換えるようにしてもよい。また、本発明は、テレビジョン受像機に限られず、光ディスクやメモリカード等の記録媒体から映像信号を読取って、その読取った映像信号による映像を表示する映像表示装置や、パソコンやBDプレイヤなどの外部装置から供給される映像信号による映像を表示する映像表示装置にも適用可能である。この場合、映像処理部は、光ディスクやメモリカード等の記録媒体から読取ったインテグラルイメージング方式による映像表示に対応した映像信号、又は、パソコンやBDプレイヤなどの外部装置から供給されたインテグラルイメージング方式による映像表示に対応した映像信号を処理して、映像表示部に映像信号を供給すればよい。
【符号の説明】
【0050】
1 テレビジョン受像機
2 チューナ
3 映像処理部
4 映像表示部
5 音声処理部
6 音声出力部
7 リモコン(操作手段)
8 リモコン受信部
9 制御部(表示切換手段)
41 液晶パネル
42 垂直レンチキュラーシート
50 画素群
51 画素
60 光制御素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を視る視察位置によって異なる映像が視えるように映像を表示する映像表示装置において、
ある視察位置で視えるように表示している映像を別の視察位置で視えるように、映像の表示を切換える表示切換手段を備えることを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
本装置の動作を指示するためにユーザにより操作される操作手段をさらに備え、
前記表示切換手段は、ユーザによる前記操作手段の操作に基いて、ある視察位置で視えるように表示している映像を別の視察位置で視えるように、映像の表示を切換えることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記表示切換手段は、ユーザによる前記操作手段の操作に基いて、各視察位置で視えるように表示している映像を、各々、隣接する視察位置で視えるように、映像の表示を切換えることを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−189961(P2012−189961A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55637(P2011−55637)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】