説明

映像記録再生装置

【課題】ダビング中の番組の視聴を可能にする映像記録再生装置を提供するとともに、ダビング中の番組の早送り再生やスキップ再生などの特殊再生を可能とする映像記録再生装置を提供する。
【解決手段】情報読出制御部302のパケット番号算出部333は、読出しを完了したパケットのパケット番号をストリームテーブル生成部307に通知し、入力されたパケット番号に該当するパケットテーブル312のパケット番号の書込みフラグを「0」に設定する(S310)。情報書込制御部301のパケット位置算出部323は、書込みを完了したパケットのパケット番号をストリームテーブル生成部307に通知し、入力されたパケット番号に該当するパケットテーブル312のパケット番号の読出しフラグを「0」に設定する(S310)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は映像記録再生装置に関し、特に、デジタル映像を記録再生する映像記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送を始めとするデジタル放送のテレビ信号は、MPEG2で圧縮符号化された映像や音声を多重化したストリームの形態で伝送されている。また、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)のような記録メディアに映像を記録する場合も、一般に圧縮符号化された映像と音声ストリームを多重化したトランスポートストリーム(TS)を利用している。
【0003】
また、近年、デジタル放送チューナーとハードディスクドライブ(HDD)とDVDまたはBDが付いた記録装置(デジタルチューナー内蔵HDD付きディスクレコーダ)が製造されており、テレビ放送番組をHDDに長時間録画するとともに、HDDに録画した番号をDVDディスクやBDディスクにダビング(複写)して保存することができるようになった。
【0004】
HDDに録画した番組をDVDディスクやBDディスクなどの記録メディアにダビングする場合、録画した番組を複数に分割して不要な場面を部分削除する編集機能、録画した番組を1枚のディスクの記憶容量に収まるようにレート変換機能、ダビング時間を短縮する高速ダビング機能などの多彩な機能が利用できる。
【0005】
また、特許文献1には、ダビング元の圧縮方式とダビング先の圧縮方式の比較により、ダビング処理を切り替えることで、ダビング処理時間の短縮を実現する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2007−28029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に示される従来の映像記録再生装置においては、ダビング元の映像情報の圧縮方式と圧縮方式決定部により決定されたダビング先の圧縮方式とを比べ、圧縮方式が同一の場合は、そのままダビング先に記録している。このため、ダビング中の番組の映像情報は、ファイルデーターとして、通常より早い速度でダビング元からダビング先に複写処理を行うので、ダビングしている番組自体を再生して視聴することはできなかった。また、ダビング中の番組を早送り再生やスキップ再生で視聴することはできなかった。
【0008】
本発明は、上述のような課題を解消するためになされたもので、ダビング中の番組の視聴を可能にする映像記録再生装置を提供するとともに、ダビング中の番組の早送り再生やスキップ再生などの特殊再生を可能とする映像記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る請求項1記載の映像記録再生装置は、デジタル映像信号を受信し、該デジタル映像信号を記録、再生する映像記録再生装置であって、前記デジタル映像信号を映像情報として記録する、ランダムアクセス可能な第1および第2の蓄積装置と、前記第1および第2の蓄積装置への前記映像情報の書込みを制御する情報書込み制御部と、前記第1および第2の蓄積装置からの前記映像情報の読出しを制御する情報読出し制御部と、前記第1および第2の蓄積装置の一方に記録された前記映像情報を他方にダビングする場合に、前記映像情報を構成するパケットを管理することで、ダビング動作を管理するパケットテーブルを生成するテーブル生成部と、を備え、前記パケットテーブルは、ダビング動作に先だって、全てのフラグを第1の値に設定することで初期化を行い、前記情報読出し制御部は、前記第1および第2の蓄積装置から前記映像情報をパケット単位で読出す際の読出しアドレスを、自ら作成したパケット番号に基づいて生成する読出パケットアドレス生成部を有し、前記情報書込み制御部は、前記第1および第2の蓄積装置に前記映像情報をパケット単位で書込む際の書込みアドレスを生成する書込パケットアドレス生成部を有し、前記情報読出し制御部での前記映像情報の読出しおよび前記情報書込み制御部での前記映像情報の書込みがパケット単位で終わる毎に、前記パケットテーブルの所定のフラグを第2の値に書き替え、前記パケットテーブルの全てのフラグが前記第2の値になった場合にダビング動作を終了する。
【0010】
本発明に係る請求項10記載の映像記録再生装置は、デジタル映像信号を受信し、該デジタル映像信号を記録、再生する映像記録再生装置であって、前記デジタル映像信号を映像情報として記録する、ランダムアクセス可能な第1および第2の蓄積装置と、前記第1および第2の蓄積装置への前記映像情報の書込みを制御する情報書込み制御部と、前記第1および第2の蓄積装置からの前記映像情報の読出しを制御する情報読出し制御部と、前記第1および第2の蓄積装置の一方に記録された前記映像情報を他方にダビングする場合に、前記映像情報を構成するパケットを、所定の複数個のパケットを1単位とするブロック単位で管理することで、ダビング動作を管理するパケットマップを生成するパケットマップ生成部と、を備え、前記パケットマップは、ダビング動作に先だって初期化され、前記情報読出し制御部での前記映像情報の読出し、および前記情報書込み制御部での前記映像情報の書込みがブロック単位で終わる毎に、書込みが終わったブロックの最初のパケットのパケット番号を、前記パケットマップに開始パケット番号として設定し、前記開始パケット番号に基づいて、書込みが終わったブロックの直前のブロックのブロック番号を前ブロック番号として設定し、前記書込みが終わったブロックの直後のブロックのブロック番号を次ブロック番号として設定することで、ブロック間の連結情報を確定し、全てのブロックについての前記連結情報が確定した場合にダビング動作を終了する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る請求項1記載の映像記録再生装置によれば、パケットテーブルを用いてダビング動作を管理するので、ダビングおよび再生する映像情報のパケットを任意に決めることができ、第1および第2の蓄積装置の一方から他方へのダビング中に、記録した番組に対する再生や特殊再生の指示を受けた場合でも対応することができる。
【0012】
本発明に係る請求項10記載の映像記録再生装置によれば、パケットマップを用いてダビング動作を管理するので、ダビングおよび再生する映像情報のパケットを任意に決めることができ、第1および第2の蓄積装置の一方から他方へのダビング中に、記録した番組に対する再生や特殊再生の指示を受けた場合でも対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<実施の形態1>
<装置構成>
図1は、本発明に係る実施の形態1の映像記録再生装置1000の構成を示すブロック図である。図1に示す映像記録再生装置1000は、放送波を受信し、受信したデジタル映像信号を映像情報として記録するとともに、記録した映像情報をデコードして映像信号として出力する構成を有している。
【0014】
図1に示すように、映像記録再生装置1000は、放送信号1を受信し、放送信号1から復調した映像信号を記録する記録装置100と、記録装置100に記録された映像情報を復号し映像信号2として出力する再生装置200と、映像情報および関連情報の記録および読出しを制御するストリーム処理装置300と、上記映像情報および関連情報を蓄積する蓄積装置400と、録画、再生、ダビングなどの操作入力を受けるとともに各装置に操作指示信号を入力する操作部500とを備えている。
【0015】
そして、記録装置100は、チューナー部101、入力部102、ストリーム解析部103、インデックステーブル作成部104および映像記録制御部105を有している。
【0016】
再生装置200は、映像再生制御部201、デコード部202、ナビゲーション制御部203、出力部204を有している。
【0017】
ストリーム処理装置300は、情報書込制御部301、情報読出制御部302、蓄積装置選択部303、第1の蓄積装置インターフェース部304、第2の蓄積装置インターフェース部305、ストリーム制御部306、ストリームテーブル生成部307を有している。
【0018】
蓄積装置400は、第1の蓄積装置401および第2の蓄積装置402を有している。なお、各部の機能については、後に説明する。
【0019】
また、図2は情報書込制御部301の構成を示すブロック図である。図2に示すように情報書込制御部301は、書込パケットバッファ321、書込パケットアドレス生成部322およびパケット位置算出部323を有している。
【0020】
図3は、情報読出制御部302の構成を示すブロック図である。図3に示すように、情報読出制御部302は、読出パケットバッファ331、読出パケットアドレス生成部332、パケット番号算出部333および読出パケットカウンタ334を有している。
【0021】
<各部の機能>
以下、図1〜図3を参照して、映像記録再生装置1000の各部の機能について説明する。
【0022】
チューナー部101は、地上デジタル放送、BSデジタル放送、110度CS放送などの受信手段を備え、受信した信号に基づいて復号処理を行い、トランスポートストリーム(TS)を入力部102に出力する。ここで、トランスポートストリームは、一定長のパケットに分割されて伝送されている。通常、MPEG2では、パケット当たり188バイトで構成されている。
【0023】
入力部102では、チューナー部101から入力されたトランスポートストリームのパケットに付加情報を添付し、記録パケットとして映像記録制御部105に出力する。また、入力部102では、上記符号化ストリームから映像パケットを検出し、ストリーム解析部103に出力する。
【0024】
ストリーム解析部103では、入力部102から入力された映像パケットを解析し、ピクチャ情報(属性や表示タイミング)や相対位置を検出し、それらの情報をインデックステーブル作成部104に出力する。
【0025】
インデックステーブル作成部104では、ピクチャ毎の属性や表示タイミング、アドレスからなるインデックステーブル106を作成し、映像記録制御部105に出力する。
【0026】
映像記録制御部105では、操作部500からの録画操作指示に基づいて、記録装置100を制御し、チューナー部101に入力された放送信号から所望のチャンネルのデジタル映像音声ストリームの抽出し、当該デジタル映像音声ストリームのインデックステーブルをストリーム処理装置300に出力する。これにより、放送信号から所望の番組を録画することができる。
【0027】
再生装置200の映像再生制御部201は、操作部500からの再生操作指示に基づいて、再生装置200を制御し、ストリーム処理装置300から出力される記録番組のインデックステーブルおよびデジタル映像音声ストリームをデコードし、映像信号および音声信号としてモニタに出力する。
【0028】
すなわち、映像再生制御部201では、所望のデジタル映像音声ストリームおよびインデックステーブルを蓄積装置400から読出す。そして、読出したインデックステーブルをナビゲーション制御部203に出力し、読出したデジタル映像音声ストリームをデコード部202に出力する。ナビゲーション制御部203では、入力されたインデックステーブルに基づいて再生の制御を行うため、読出しピクチャを決定し、ピクチャの制御情報を映像再生制御部201に入力する。
【0029】
デコード部202は、信号分離手段、映像復号手段、音声復号手段を備え、映像再生制御部201から入力されたデジタル映像音声ストリームをデジタル映像ストリームおよびデジタル音声ストリームに分離し、分離されたデジタル映像ストリームをMPEG2符号化方式に基づいて復号し、復号したデジタル映像信号を出力部204に出力する。また、デコード部202は、分離したデジタル音声ストリームをMPEG2AAC、MPEG1オーディオ、ドルビーデジタルなどの方式に基づいて復号し、復号したデジタル音声信号を出力部204に出力する。
【0030】
本発明では、映像音声の圧縮符号化方式として、MPEG2方式を想定しているが、映像音声の圧縮符号化方式は、MPEG4/AVCやDvixなどMPEG2方式以外の圧縮符号化方式であっても良い。
【0031】
出力部204は、デコード部202から入力されたデジタル映像信号をアナログ映像信号に変換し、変化したアナログ映像信号をモニタに出力する。また、出力部204は、デコード部202から入力されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、変換したアナログ音声信号をモニタに出力する。これにより、録画した番組をモニタで再生することができる。
【0032】
ストリーム処理装置300のストリーム制御部306は、操作部500からの操作指示に基づいて、ストリーム処理装置300を制御し、映像音声ストリームおよびインデックステーブルを蓄積装置400へ書込み、蓄積装置400から映像音声ストリームおよびインデックステーブルの読出しの制御を行う。
【0033】
<録画>
番組を録画する場合、ストリーム制御部306は、書込み開始アドレスを情報書込制御部301に出力し、録画する番組の情報をストリームテーブル生成部307に出力し、映像音声ストリームを書込む蓄積装置選択情報を蓄積装置選択部303に出力する。
【0034】
録画番組を再生する場合は、ストリーム制御部306は、ストリームテーブル生成部307から再生する番組の情報を入手し、読出し開始アドレアを情報読出制御部302に出力し、映像音声ストリームを読出す蓄積装置選択情報を蓄積装置選択部303に出力する。
【0035】
情報書込制御部301は、番組を録画する場合、映像記録制御部105から入力された映像音声ストリームおよびインデックステーブルを内部の書込パケットバッファ321(図2)に蓄積し、内部の書込パケットアドレス生成部322で生成したアドレスとともに、蓄積装置選択部303に出力する。蓄積装置選択部303は、ストリーム制御部306の制御の下、入力された映像音声ストリームおよびアドレス情報を選択された第1の蓄積装置インターフェース部304または第2の蓄積装置インターフェース部305へ出力する。
【0036】
また、情報書込制御部301は、後述する情報読出制御部302からのパケット番号情報が存在する場合には、パケット位置算出部323(図2)において、パケット番号情報からパケット位置情報を算出し、算出されたパケット位置情報に基づいて、書込みパケットアドレスを決定することにより、任意のアドレスにパケットを書込むことができる。
【0037】
<再生>
録画番組を再生する場合、情報読出制御部302は、ストリーム制御部306の制御の下、蓄積装置選択部303により選択された第1の蓄積装置インターフェース部304または第2の蓄積装置インターフェース部305から蓄積装置選択部303を介して入力された映像音声ストリームおよびインデックステーブルを内部の読出パケットバッファ331(図3)に蓄積し、映像再生制御部201に出力する。このとき、内部の読出パケットアドレス生成部332(図3)で生成したアドレスを蓄積装置選択部303に出力し、当該アドレスに基づいて映像音声ストリームの読出しが行われる。
【0038】
また、ストリーム制御部306からの制御信号により、パケット番号算出部333(図3)によりパケット番号情報を算出し、パケット位置算出部323(図2)および読出パケットアドレス生成部332に出力する。
【0039】
読出パケットアドレス生成部332では、パケット番号情報に基づいて、読込みパケットアドレスを決定することにより、任意位置のパケットを読出すことができる。このとき、パケット番号算出部333は、順次増加するカウンタでパケット番号を増加させるように構成されている。このため、パケット番号の生成を簡便に行うことができる。
【0040】
<ダビング>
ストリーム制御部306は、操作部500からのダビング操作指示に基づいてダビングを行う場合、例えばランダムアクセス可能な第1の蓄積装置401に記録された番組をランダムアクセス可能な第1の蓄積装置402に複写する。この場合、第1の蓄積装置インターフェース部304を介して入力された映像音声ストリームは、情報読出制御部302内部の読出パケットバッファ331(図3)に一旦記憶し、情報書込制御部301内部の書込パケットバッファ321(図2)へ入力する。そして、ストリーム制御部306の制御の下、書込パケットバッファ321に記憶された映像音声ストリームは、第2の蓄積装置インターフェース部305を介して、第2の蓄積装置402に記録される。
【0041】
ここで、ダビングにおいて、例えばランダムアクセス可能な第1の蓄積装置401に記録された番組を構成するデーターファイルを映像音声信号にデコードすることなく、映像音声ストリームとして記録することにより、ランダムアクセス可能な第2の蓄積装置402に録画された速度より高速に複写することができる。
【0042】
第1の蓄積装置インターフェース部304および第2の蓄積装置インターフェース部305は、番組録画の場合には、情報書込制御部301から入力される映像音声ストリームを、ATAPI(AT Attachment with Packet Interface)などのインターフェース信号に変換し、変換したデーターを第1の蓄積装置401または第2の蓄積装置402へ書込む。これにより、番組の録画を行うことができる。
【0043】
ここで、第1の蓄積装置インターフェース部304および第2の蓄積装置インターフェース部305は、シリアルATAであっても良い。また、第1の蓄積装置インターフェース部304および第2の蓄積装置インターフェース部305は、蓄積装置と接続可能な独自のパラレルまたはシリアルインターフェースであっても良い。
【0044】
また、第1の蓄積装置インターフェース部304および第2の蓄積装置インターフェース部305は、録画番組の再生の場合には、第1の蓄積装置401または第2の蓄積装置402に記録されたデーターを読出し、映像音声ストリーム信号に変換し、変換した映像音声ストリームを情報読出制御部302に出力する。
【0045】
第1の蓄積装置401は、記録時には、第1の蓄積装置インターフェース部304からのデーターを記録し、再生時には、第1の蓄積装置インターフェース部304を介してデーターを出力する。第1の蓄積装置401は、例えば、ランダムアクセス可能なHDDやDVD/BDで構成される。
【0046】
第2の蓄積装置402は、記録時には、第2の蓄積装置インターフェース部305からのデーターを記録し、再生時には、第2の蓄積装置インターフェース部305を介してデーターを出力する。第2の蓄積装置402は、例えば、ランダムアクセス可能なHDDやDVD/BDで構成される。
【0047】
なお、第1の蓄積装置401および第2の蓄積装置402は、ランダムアクセスが可能なメモリカードや内蔵メモリであっても良い。
【0048】
操作部500は、録画する場合の設定、録画の開始/停止、ダビングの開始/停止、再生開始/停止、録画または再生装置の選択、などの操作の入力を受け付け、各操作がされた場合に、操作指示を各装置に出力する。
【0049】
<装置動作>
以下、図1〜図3を参照しつつ、図4〜図11を用いて映像記録再生装置1000の動作について説明する。
【0050】
<記録動作>
まず、記録動作について説明する。
以下の説明では、第1の蓄積装置401が蓄積装置として選択されているものとして説明する。
【0051】
操作部500は、ユーザから記録の指示を受け、録画開始指示を映像記録制御部105およびストリーム制御部306に入力する。録画開始指示を受けた映像記録制御部105は、操作部500で受け付けた録画設定情報に基づいて所定のチャンネルを選択し、チューナー部101に入力する。チューナー部101では、選択された所定のチャンネルに基づいて選局を行い、選局したチャンネルの信号に対して復号処理を行って、トランスポートストリーム(TS)をデジタル映像音声ストリームとして入力部102に出力する。デジタル映像音声ストリームは複数のトランスポートパケット(TSパケット)で構成される。
【0052】
図4はデジタル映像音声ストリームのデーター構造を示す模式図である。図4に示すように、符号化ストリームは、複数のパケットで構成され、各パケットは、パケットヘッダーとパケットデーターで構成される。ある番組が映像ストリームと音声ストリームとで構成される場合、両者は個々の固有のパケットIDを有するパケット(TSパケット)を単位として多重化され、デジタル映像音声ストリームを構成する。
【0053】
以下の説明においては、映像音声のストリームの形式としてトランスポートストリームを前提としているが、ストリーム形式がプログラムストリームであっても、また、パケット単位で伝送可能な独自のストリーム形式であっても本発明は適用可能である。
【0054】
入力部102では、入力された映像音声ストリームのパケットのPID(PacketID)情報などから映像パケットを含んだTSパケットを抽出し、ストリーム解析部103に映像パケットとして出力する。
【0055】
また、入力部102では、各TSパケットに、ピクチャの属性情報(I/P/B)や、そのTSパケットが入力部102に到来した時刻情報などの付加情報を添付して記録パケットを生成し、映像記録制御部105に出力する。
【0056】
ストリーム解析部103は、入力部102から出力される映像情報を含むTSパケットから、Iピクチャ(Intra-Picture)の開始データーおよび終了データーを含むTSパケットおよびピクチャ情報を検出する。ストリーム解析部103では、検出したピクチャ情報からPTS(Presentation Timestamp)等を用いて表示タイミングを抽出し、インデックステーブル作成部104に出力する。
【0057】
<インデックステーブル作成部104の動作>
インデックステーブル作成部104は、ストリーム解析部103から出力される情報に基づいてインデックステーブル106を作成し、映像記録制御部105に出力する。映像記録制御部105は、インデックステーブル作成部105で作成されたインデックステーブル106と入力部102か入力された映像音声ストリームとを合わせて、情報書込録制御部301に出力する。
【0058】
図5は、本実施の形態1で使用されるインデックステーブル106の構成の一例を示す図である。図5に示すように、インデックステーブル106は、格納したIピクチャの番号を示すインデックス値、当該Iピクチャの表示タイミングを示す再生時刻値、当該Iピクチャの開始データーを含むTSパケットの開始パケット番号および当該Iピクチャのデーターサイズを示すピクチャサイズにより構成される。
【0059】
以下、インデックステーブル106は、Iピクチャの情報のみを格納対象とするものとして説明するが、インデックステーブル106にピクチャの属性情報(Iピクチャ/Pピクチャ(Predictiv-Picture))/Bピクチャ(Bidirectionally Predictiv-Picture))の欄を追加し、全てのピクチャの情報格納する構成としても良い。これにより、任意の位置からの再生が可能となる。
【0060】
番組(映像音声ストリーム)の記録を開始すると、TSパケットの記録が開始され、ストリーム解析部103により第1のIピクチャのピクチャ情報が検出される。このとき、ストリーム解析部103は、ピクチャ情報から表示タイミング示す時刻情報をインデックステーブル作成部104に出力する。インデックステーブル作成部104は、インデックステーブル106の第1のIピクチャの表示タイミングの欄(PT1)に、ストリーム解析部103の出力値を格納する。
【0061】
さらに、Iピクチャの開始データーを含む記録パケットが、入力部102から映像記録制御部105を介してストリーム処理装置300に与えられると、インデックステーブル作成部104は、保存したパケットのパケット番号を映像記録制御部105により取得し、当該パケット番号を第1のIピクチャの開始データーを含むパケット番号として、インデックステーブル106の第1のIピクチャの開始パケット番号の欄(BPN1)に格納する。
【0062】
そして、Iピクチャの終了データーを含むTSパケットが、入力部102から映像記録制御部105を介してストリーム処理装置300に与えられると、インデックステーブル作成部104は、保存したパケットのパケット番号を映像記録制御部105により取得し、当該Iピクチャのデーターサイズを算出し、インデックステーブル106の第1のIピクチャのピクチャサイズの欄(IEPO1)に格納する。同様に第2、第3のIピクチャの情報もインデックステーブル106に格納する。これらの動作を記録終了まで繰り返すことによりインデックステーブル106を完成する。
【0063】
インデックステーブル106は、録画する番組(映像音声ストリーム)毎に作成され、それぞれのインデックステーブルは、映像音声ストリームと関連付けられており、インデックステーブルに基づいて映像音声ストリームの再生およびダビングの制御を行うことができる。
【0064】
上記においては、インデックステーブル106のピクチャサイズの欄に、算出されたデーターサイズを格納することを説明したが、インデックステーブル106のピクチャサイズの欄に、当該Iピクチャのパケット数を格納し、ピクチャサイズの替わりに使用する構成としても良い。
【0065】
図6は、チャンネル選局後の記録動作の手順を示すフローチャートである。
ユーザから記録の指示を受けると、映像記録制御部105は、ステップS101において、録画ストリームの記録を開始すべき蓄積装置400内のアドレスを取得する。
【0066】
次に、ステップS102において、ユーザからの録画停止要求の有無を確認し、録画停止要求がある場合はステップS111に進むが、録画停止要求がない場合はステップS103に進み、入力部102へTSパケットを格納する。
【0067】
すなわち、入力部102は、入力された映像音声ストリームから各TSパケットを抽出するが、入力部102は、1つのピクチャデーターを格納可能な容量のデーターバッファで構成されており、入力される映像音声ストリームの各TSパケットは順次入力部102に格納される。
【0068】
映像記録制御部105は、入力部102から出力された記録パケットのデーターを情報書込制御部301に入力する。情報書込制御部301では、内部の書込パケットアドレス生成部322で生成されたアドレス情報と入力された記録パケットとを蓄積装置選択部303を介して、第1の蓄積装置インターフェース部304に入力する。
【0069】
第1の蓄積装置インターフェース部304は、入力された記録パケットとアドレス情報とを蓄積信号に変換し、第1の蓄積装置401に入力し、第1の蓄積装置401は、それを記録する。
【0070】
また、入力部102は、入力された映像音声ストリームから、ピクチャの先頭(境界)情報(ピクチャの開始点)を検出し(ステップS104)、先頭が検出されたピクチャの、開始データーを含むパケットの直後に付加パケットを挿入する(ステップS105)。なお、ピクチャの先頭情報を検出できない場合は、ステップS102以下の動作を繰り返す。その後、入力部102は、付加パケットを含む全ての記録パケットを映像記録制御部105に出力し、ストリーム処理装置300を介して、第1の記録装置401に記録される(ステップS106)。
【0071】
ここで、映像音声ストリームの各TSパケットの蓄積装置400への記録処理について図7を用いてさらに説明する。
【0072】
入力部102から出力される映像音声ストリームの記録パケット、およびインデックステーブル作成部104から出力されるインデックステーブル106は、映像記録制御部105を介して情報書込制御部301に与えられる。
【0073】
図7の(a)部には、入力された映像音声ストリームを例示している。図7の(a)部に示すように、入力された映像音声ストリームは、ピクチャ1、ピクチャ2等で表されるように複数のピクチャで構成されている。また、各ピクチャもP1、P2等で表されるように、複数のTSパケットで構成されている。
【0074】
図7の(b)部には、入力部102において、付加情報および付加パケットを追加され、映像記録制御部105を介してストリーム処理装置300の情報書込制御部301内の書込パケットバッファ321に与えられた記録パケットを示す。
【0075】
図7の(b)部に示されるように、映像音声ストリームのピクチャ1の各TSパケットP1〜P13は、入力部102に順次格納される。入力部102内に1ピクチャ分のデーターを格納すると、入力部102は入力部102内の全データーを映像記録制御部105へ出力し、情報書込制御部301内の書込パケットバッファ321に一時的に保持される。その後、ストリーム処理装置300により、第1の記録装置401に記録される(ステップS106)。同様にピクチャ2のTSパケット(P14〜P23)が、順次入力部102へ格納される。このように、1ピクチャデーター毎に第1の蓄積装置401に順次記録される。
【0076】
ストリーム解析部103では、入力部102から出力される映像情報を含むTSパケットから、Iピクチャの開始データーおよび終了データーを含むTSパケットおよびピクチャ情報を検出し、検出したピクチャ情報から表示タイミングを示す時刻情報を検出する(ステップS107)。このとき、ストリーム解析部103は、入力されたTSパケットのパケット番号を映像記録制御部105から取得する(ステップS108)。
【0077】
入力部102では、ピクチャの境界情報およびTSパケット数に基づいてピクチャサイズを算出し(ステップS109)、ピクチャのデーター量等のピクチャに関する情報を含んだ付加パケットを生成する。当該付加パケットは、例えば、ピクチャデーターを格納しているTSパケットと同一のパケットIDを持ち、また、ステップS102で先頭が検出されたピクチャの開始データーを含むTSパケットと同一の連続性カウンタ値を持つものとする。なお、挿入パケットのパケットIDには、映像音声ストリームで使用されないパケットIDを設定しても良い。
【0078】
インデックステーブル作成部104は、ストリーム解析部103から出力される情報に基づいてインデックステーブル106を作成し、映像記録制御部105に出力する。このとき、ストリーム解析部103により検出されたピクチャ情報がインデックステーブル106に追加される。その後、録画停止の要求があるまでステップS102以下の動作を繰り返す。
【0079】
そして、ステップS102で、ユーザからの録画停止要求がある場合は、ストリーム制御部306は、情報書込制御部301から、記録した番組の総パケット数を取得し(ステップS111)、取得した総パケット数に基づいてストリームサイズを算出する(ステップS112)。
【0080】
また、同時に第1の蓄積装置401に記録されたインデックステーブルのアドレスも情報書込制御部301から取得する(ステップS113)。
【0081】
その後、ストリーム処理装置300のストリーム制御部306は、ストリームテーブル生成部307へ、新規録画ストリーム情報の追加を指示する。
【0082】
すなわち、ストリームテーブル生成部307は、ストリームテーブル310の番組番号欄に新たな番号を追加する。ストリーム制御部306は、第1の蓄積装置インターフェース部304を制御し、第1の蓄積装置401の新規番組の領域情報を入手する。なお、当該領域情報には、新規録画する番組の第1の蓄積装置401上の開始アドレス情報が含まれる。
【0083】
そして、ストリームテーブル生成部307は、総パケット数、ストリームサイズ、インデックステーブルのアドレスおよびステップS108で取得した開始アドレスをストリームテーブル310に追加する。
【0084】
図8は、本実施の形態1で使用されるストリームテーブル310の構成の一例を示す図である。図8に示すように、ストリームテーブル310は、開始アドレス、総パケット数、ストリームサイズおよびインデックステーブルのテーブルアドレスを番組番号毎に格納している。
【0085】
なお、ストリームサイズは格納せず、ストリームの総パケット数だけを格納して、適宜ストリームサイズを算出する構成であっても良い。
【0086】
ストリームテーブル310への、新規録画ストリーム情報の追加が終了することで、記録動作を終了する。
【0087】
<再生動作>
次に、再生動作について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。
なお、以下の説明では、第1の蓄積装置401が蓄積装置として選択されているものとして説明する。
【0088】
<通常再生動作>
まず、通常再生時の動作について説明する。
ユーザから通常再生の指示を受けると、操作部500は、再生装置200の映像再生制御部201およびストリーム処理装置300のストリーム制御部306に通常再生開始指示信号を入力する。
【0089】
映像再生制御部201は、操作部500からの指示信号に基づき、ナビゲーション制御部203に通常再生命令を出力する。ナビゲーション制御部203は通常再生命令を受けて再生開始位置を確定し(ステップS201)、映像再生制御部201を介してストリーム処理装置300に映像音声ストリームの読出し要求信号を送信する。それを受けたストリーム処理装置300は、第1の蓄積装置401に記録されている記録パケット(図7の(b)部参照)から指定の記録パケットを読出して、映像再生制御部201に出力する。
【0090】
ストリーム制御部306は、操作部500および映像再生制御部201からの指示信号に基づき、ストリーム制御装置300を制御して、第1の記録装置401に記録された映像音声ストリームから、再生ピクチャのTSパケット群(TSパケットストリーム)の読出し処理を行う(ステップS202)。
【0091】
映像再生制御部201は、第1の記録装置401から読み出され、情報読出制御部302を介してし入力されたTSパケットストリームから付加パケットを検出し、付加パケットを除去してデコーダー部202に出力する。
【0092】
このとき、映像再生制御部201は、同一の連続性カウンタの値を持つTSパケット、(例えば図7の(b)部のP1およびP1’)のうち2つ目のTSパケット(P1’)を付加パケットと判断し、除去することができる。
【0093】
映像再生制御部201は、付加パケットを除去した後、ピクチャの属性や到来時刻などの付加情報を検出して除去したTSパケットストリームを、デコーダー部202へ順次再生データーとして出力する。図7の(c)部には、デコーダー部202に出力されるTSパケットストリームを例示している。図7の(c)部に示すように、出力されるTSパケットストリームからは、P1’、P14’などの付加パケットが削除されている。
【0094】
また、映像再生制御部201では、検出した到来時刻に基づいて、デコーダー部202へのTSパケットストリームの出力タイミングを制御している。これは、パケットは不連続で到来するので、再生時に記録時と同一の間隔で出力するための処理である。
【0095】
映像再生制御部201は、TSパケットの全データーを出力すると、ナビゲーション制御部203にエンプティ状態であることを通知する。それを受けたナビゲーション制御部203は、ストリーム処理装置300を制御して第1の蓄積装置401に記録されている記録パケットを順次読出し、映像再生制御部201に入力する。
【0096】
デコーダー部202は、映像再生制御部201から入力されたTSパケットストリームからデジタル映像信号、デジタル音声信号をそれぞれデコードし、出力部204に与える(ステップS203)。
【0097】
出力部204では、入力されたデジタル映像信号およびデジタル音声信号をモニタで視聴可能なモニタ出力(映像信号および音声信号)にそれぞれ変換して出力する(ステップS204)。
【0098】
また、処理ナビゲーション制御部203は、映像再生制御部201が最後に第1の蓄積装置401から読出したTSパケットのパケット番号(最終パケット番号)を取得する(ステップS205)。
【0099】
なお、モニタがHDMI(High-Definition Multimedia Interface)の接続が可能な場合には、デジタル映像信号およびデジタル音声信号をHDMIフォーマットに変化して出力しても良い。
【0100】
また、モニタ出力は、モニタに表示される形式であれば、HDMI方式以外のデジタルまたはアナログ方式の映像信号および音声信号でも良い。
【0101】
最終パケット番号を取得した後、操作部500は、通常再生動作中に、ユーザから早送り再生または早戻し再生などの特殊再生の要求を受けたか否かを確認し(ステップS206)、特殊再生の要求を受けていない場合はステップS202以下の通常再生動作を繰り返し、特殊再生の要求を受けた場合は、ステップS207に進んで特殊再生動作を実行する。
【0102】
<特殊再生動作>
次に特殊再生時の動作について説明する。
通常再生動作中にユーザから特殊再生の要求を受けた場合は、操作部500は、ステップS205の終了後、再生装置200の映像再生制御部201およびストリーム処理装置300のストリーム制御部306に特殊再生指示信号を入力する。
【0103】
映像再生制御部201は、操作部500からの指示信号に基づき、ナビゲーション制御部203に特殊再生命令を出力する。ナビゲーション制御部203は、映像再生制御部201を介して、ストリーム処理装置300を制御し、第1の蓄積装置401に保存されている該当する再生番組のインデックステーブル106を読出す(ステップS207)。
【0104】
ストリーム制御部306は、再生装置200からの要求により該当する再生番組のインデックステーブル106のアドレスをストリームテーブル310から抽出し、情報読出制御部302に入力する。
【0105】
情報読出制御部302は、蓄積装置選択部303を介して、第1の蓄積装置インターフェース部304に読出し要求を行う。第1の蓄積装置インターフェース部304は、第1の蓄積装置401を制御し、記録されているインデックステーブル106を読出し、情報読出制御部302に出力する。情報読出制御部302は、入力されたインデックステーブル106を、ナビゲーション制御部203に入力する。
【0106】
ナビゲーション制御部203は、インデックステーブル106中の開始パケット番号欄およびピクチャサイズ欄を検索し、ステップS205において取得した最終パケット番号の値に最も近い開始パケット番号を持つIピクチャのインデックスを選択し(ステップS208)、選択されたIピクチャの表示タイミングを抽出する(ステップS209)。
【0107】
そして、抽出した表示タイミングに基づいて順次再生するIピクチャを決定する。例えば、4倍再生の場合には、抽出した表示タイミングにピクチャの通常の表示間隔の4倍の時間を加算した表示時間に最も近い表示タイミングを有するIピクチャをインデックステーブル106から選択し、当該Iピクチャの開始パケット番号およびピクチャサイズを抽出する。
【0108】
さらに、ナビゲーション制御部203は、ステップS209で抽出した開始パケット番号情報に基づいてストリーム処理装置300を制御する。ストリーム処理装置300は、ナビゲーション制御部203で決定した再生するIピクチャの情報に従って、第1の蓄積装置401から、該当するIピクチャの開始データーを含む記録パケット群を読出し、映像再生制御部201に出力する(ステップS210)。
【0109】
映像再生制御部201では、付加パケット(図7の(b)部に示されるP1‘等)を検出し、検出した付加パケットを削除したTSパケットストリームをデコーダー部202に出力する。
【0110】
デコーダー部202は、映像再生制御部201から入力されたTSパケットストリームからデジタル映像信号、デジタル音声信号をそれぞれデコードし、出力部204に与える(ステップS211)。
【0111】
出力部204では、入力されたデジタル映像信号およびデジタル音声信号をモニタで視聴可能なモニタ出力(映像信号および音声信号)にそれぞれ変換して出力する(ステップS212)。
【0112】
また、ナビゲーション制御部203は、映像再生制御部201が最後に第1の蓄積装置401から読出したTSパケットのパケット番号(最終パケット番号)を取得する(ステップS213)。
【0113】
なお、削除した付加パケットには、ピクチャサイズなどの該当ピクチャに関する情報を格納することが可能であり、当該ピクチャ情報は、映像再生制御部201で解析することができる。
【0114】
ナビゲーション制御部203では、インデックステーブル106からピクチャサイズを抽出し、選択されたIピクチャデーターのパケット数を算出し、ストリーム処理部300を制御して、第1の蓄積装置401から算出したパケット数分のIピクチャのピクチャデーターを含むTSパケット(例えば、図7の(b)部のTSパケットP1〜P13)を読出して、映像再生制御部201に出力する。
【0115】
映像再生制御部201は、入力されたTSパケット群から付加パケットを除くTSパケットをデコーダー部202に入力し、デコーダー部202でデジタル映像信号、デジタル音声信号をそれぞれデコードし、出力部204を介して映像信号および音声信号として出力される。
【0116】
なお、図5に示したように、インデックステーブル106にはピクチャサイズの情報が格納されているが、ピクチャサイズの変わりに総パケット数を格納し、当該総パケット数の情報を使用してIピクチャのピクチャデーターを含むTSパケットを読出す構成としても良い。
【0117】
ステップS213において最終パケット番号を取得した後、操作部500は、特殊再生動作中に、ユーザから通常再生の要求を受けたか否かを確認し(ステップS214)、通常再生の要求を受けていない場合はステップS215に進み、通常再生の要求を受けた場合は、通常再生開始指示信号を映像記録制御部201およびストリーム制御部306に入力する。
【0118】
映像再生制御部201は、操作部500からの指示信号に基づき、ナビゲーション制御部203に通常再生命令を出力し、ナビゲーション制御部203は、インデックステーブル106中を検索し、現在のパケット番号の値に最も近いIピクチャのインデックスを選択し(ステップS216)、インテックステーブル106から選択したIピクチャの開始パケット番号を抽出する。
【0119】
以後、デコーダー部202へのアンダーフローをすることのないように、データー量に応じてステップS202以下の動作を繰り返すことで、通常再生動作を実現する。
【0120】
一方、通常再生の要求を受けていない場合は、ナビゲーション制御部203は、映像再生制御部201に一時的に蓄積されたTSパケット群が全てデコードされたことを検出すると、次に再生すべきIピクチャのインデックスを決定する(ステップS215)。
【0121】
すなわち、ナビゲーション制御部203は、インデックステーブル106中の開始パケット番号欄およびピクチャサイズ欄を検索し、ステップS208で選択したIピクチャの開始パケット番号に最も近い開始パケット番号を持つIピクチャのインデックスを選択して、次に再生すべきIピクチャのインデックスとする。
【0122】
その後、ナビゲーション制御部203では、選択されたIピクチャの表示タイミングを抽出し(ステップS209)、ステップS215で選択したIピクチャの開始パケット番号情報に基づいて、インデックステーブル106からピクチャサイズを抽出し、選択されたIピクチャデーターのパケット数を算出し、ストリーム処理部300を制御して、第1の蓄積装置401から算出したパケット数分のIピクチャのピクチャデーターを含むTSパケット(例えば、図7の(b)部のTSパケットP23〜P33)を読出して、映像再生制御部201に出力する(ステップS210)。以後、ステップS211以降の動作を繰り返す。
【0123】
<ダビング動作>
次に、ダビング動作について、図10に示すフローチャートを用いて説明する。
以下、第1の蓄積装置401をダビング元とし、第2の蓄積装置402がダビング先として選択されているものとして説明する。
【0124】
<通常ダビング動作>
まず、通常ダビング動作について説明する。
ユーザから通常ダビングの指示を受けると、操作部500は、ダビング開始指示信号をストリーム処理装置のストリーム制御部306に入力する。
【0125】
ストリーム制御部306は、ストリームテーブル生成部307からストリームテーブル310に記載された所定の番組の録画情報を取得する(ステップS301)。ここで、番組の録画情報とは、番組の第1の蓄積装置401内での開始アドレス、番組の総パケット数、番組に関連したインデックステーブル106の第1の蓄積装置401内でのアドレスである。
【0126】
ストリームテーブル生成部307は、ステップS301で取得した番組の録画情報に基づいて、ダビングすべき番組の総データー数を算出する。また、ストリームテーブル生成部307では、ダビング管理のためのパケットテーブル312を生成する。パケットテーブル312は、パケット番号に対する読出し処理および書込み処理の完了の管理を行うものであり、初期値として全てのフラグを「1」に設定することで初期化を行う(ステップS302)。
【0127】
図11は、本実施の形態1で使用されるパケットテーブル312の構成の一例を示す図である。図11に示すように、パケットテーブル312は、読出しフラグおよび書込みフラグをパケット番号毎に格納している。
【0128】
ストリーム制御部306は、第2の蓄積装置インターフェース部305を制御して、第2の蓄積装置402に、ダビングすべき番組の総データーを記録可能な領域の情報(領域情報)を取得する。当該領域情報には、番組をダビングする領域の開始アドレスなどが含まれている。
【0129】
ストリーム制御部306は、情報読出制御部302に対して第1の蓄積装置401に録画されている番組の開始アドレスおよびパケット数を通知し、情報書込制御部301に対しては第2の蓄積装置402にダビングされる番組を記録する開始アドレスを通知する。
【0130】
<情報読出制御部302の動作>
情報読出制御部302は、ストリーム制御部306を介して操作部500からのダビング開始指示信号を受けると、内部のパケット番号算出部333のパケット番号を零に初期化する(ステップS303)。そして、パケット番号算出部333は初期化後のパケット番号を読出パケットアドレス生成部332および情報書込制御部301へ出力する。
【0131】
なお、パケット番号の初期値をストリーム制御部306からの任意の値に設定し、ダビング総数から任意の設定値を減算した値をダビングパケット数としても良い。
【0132】
これにより、1番組を全てダビングするのではなく、任意の部分をダビングすることができる。
【0133】
情報読出制御部302では、読出パケットバッファ331に蓄積した全てのパケットデーターが情報書込制御部301へ出力されると、パケット番号算出部333が、次に読出すパケット番号を決定するため、前パケット番号を1増加する(ステップS304)。
【0134】
読出パケットアドレス生成部332では、ストリーム制御部306から入力される録画番組の開始アドレスとパケット番号算出部333からのパケット番号とに基づいて読出パケットアドレスを算出し(ステップS305)、第1の蓄積装置インターフェース部304を制御して、第1の蓄積装置401内の指定のパケットデーターを読出して、読出パケットバッファ331に蓄積する(ステップS306)。
【0135】
読出パケットバッファ331に蓄積したパケットデーターは、読出パケットカウンタ334でパケット数をカウントし、読出パケットバッファ331が所定量満たされたときに出力されるように読出パケットバッファ331を制御することで、蓄積したパケットデーターを情報書込制御部301へ出力する。このとき、パケット番号算出部333は、読出しを完了したパケットのパケット番号をストリームテーブル生成部307に通知する。
【0136】
なお、ストリームテーブル生成部307では、入力されたパケット番号(N)に該当するパケットテーブル312のパケット番号の書込みフラグ(PWFN)を「0」に設定する(ステップS310)。
【0137】
<情報書込制御部301の動作>
また、ステップS303では、パケット位置算出部323のパケット位置も先頭に初期化する。これにより、前回の状態が不明の場合にも対応できる。
【0138】
情報書込制御部301のパケット位置算出部323は、情報読出制御部302から受けたパケット番号に基づいて映像音声ストリーム中での書込みパケットの位置を算出し(ステップS307)、現在のパケットの位置情報を書込パケットアドレス生成部322へ出力する。
【0139】
これにより、情報書込制御部301と情報読出制御部302との連携を取ることが容易にできる。
【0140】
書込パケットアドレス生成部322では、ストリーム制御部306から入力される番組を記録する開始アドレスとパケット位置算出部323からのパケット位置情報に基づいて書込パケットアドレスを算出する(ステップS308)。
【0141】
なお、書込パケットアドレス生成部322は、入力されたパケット番号を用いて書込パケットアドレスを算出する構成としても良い。
【0142】
また、情報読出制御部302から入力されたパケットデーターは、書込パケットバッファ321に蓄積される。書込パケットバッファ321に蓄積されたパケットデーターは、書込パケットアドレス生成部322で算出されたアドレスに基づいて、第2の蓄積装置インターフェース部305を制御して、第2の蓄積装置402へ記録される(ステップS309)。
【0143】
このとき、パケット位置算出部323は書込みを完了したパケットのパケット番号をストリームテーブル生成部307に通知する。ストリームテーブル生成部307では、入力されたパケット番号(N)に該当するパケットテーブル312のパケット番号の読出しフラグ(PRFN)を「0」に設定する(ステップS310)。
【0144】
なお、読出したパケットは1パケット毎に処理されるが、ストリーム制御部306が読出しパケット数(M)を設定し、常に連続するM個のパケットを読出す構成としても良い。この場合、複数パケットを読出す場合のパケット番号の増加値はMに固定である。
【0145】
このようにすることで、固定された個数のパケットを連続的に処理することになり、1パケット毎に処理する場合に比べて効率的なダビングが可能となる。
【0146】
また、任意の連続したパケット群(例えばN個のパケット)を読出し、パケットデーターと共に転送パケット数(N)を情報書込制御部301に出力し、情報書込制御部301では、入力されたパケット数から入力されたパケット群を記録する構成としても良い。この場合、複数パケットを読出す場合のパケット番号の増加値はNである。ここでNは任意の値である。
【0147】
このようにすることで、不定長の連続したパケットをダビングすることができ、ピクチャ毎に異なるパケット長に対応することができる。
【0148】
また、連続したパケット群のパケット数をインデックステーブル106の各ピクチャのパケット数としてパケット群を読出し、パケットデーターと共にピクチャのパケット数を情報書込制御部301に出力し、入力されたパケット群を記録する構成としても良い。
【0149】
このようにすることで、不定長の連続したパケットをダビングすることができ、ピクチャ毎に異なるパケット長に対応することができる。
【0150】
ステップS310において、該当するパケット番号の読出しフラグ(PRFN)および書込みフラグ(PWFN)を「0」に設定してパケットテーブル312を更新した後は、パケットテーブル312の全ての読出し、書込みフラグが「0」となっているか否かによって、パケットテーブル312の更新が完了しているか否かを確認する(ステップS311)。そして、全ての読出し、書込みフラグが「0」となっている場合には、パケットテーブル312の更新が完了している、すなわちダビングが終了していると判断し、全ての読出し、書込みフラグが「0」となっていない場合には、ステップS304以下の動作を繰り返す。
【0151】
なお、上述したダビング動作では、パケットの読出し処理および書込み処理毎にパケットテーブル312を更新するものとしたので、両方の処理が終わらないと次のパケットの処理へ進まず、確実な処理が可能となるという効果がある。
【0152】
しかし、パケットテーブル312をパケット番号と書込みフラグとで構成し、パケットの書込み処理毎にパケットテーブル312を更新する構成としても良い。
【0153】
すなわち、パケット位置算出部323が書込みを完了したパケットのパケット番号をストリームテーブル生成部307に通知し、ストリームテーブル生成部307では、入力されたパケット番号(N)に該当するパケットテーブル312のパケット番号の書込みフラグ(PWFN)を「0」に設定する構成としても良い。これにより、パケットテーブル312の構成を簡略化でき、また、パケットテーブル312の更新に費やす時間を短縮できる。
【0154】
<ダビング中の再生動作>
次に、ダビング中の再生動作について説明する。
ユーザからダビング中に再生指示を受けると、操作部500は、再生装置200の映像再生制御部201およびストリーム処理装置300のストリーム制御部306に、ダビング中再生開始指示信号を入力する。
【0155】
映像再生制御部201は、操作部500からのダビング中再生開始指示信号に基づき、ナビゲーション制御部203に再生命令を出力する。ナビゲーション制御部203は、再生命令を受けて再生開始位置を確定し、インデックステーブル106から再生開始位置に一番近いIピクチャの開始パケット番号を抽出して映像再生制御部201へ出力する。映像再生制御部201は、抽出した開始パケット番号をストリーム制御部306に入力する。
【0156】
ストリーム制御部306は、入力された開始パケット番号を情報読出制御部302に出力する。当該開始パケット番号は、情報読出制御部302内のパケット番号算出部333に入力され、パケット番号算出部333は、内部に設定されたパケット番号を開始パケット番号に変更して、読出パケットアドレス生成部332に出力する。
【0157】
読出パケットアドレス生成部332は、パケット番号算出部333から入力された開始パケット番号から読出パケットアドレスを算出し、第1の蓄積装置インターフェース部304を制御して、第1の蓄積装置401内のパケットデーターを読出して、読出パケットバッファ331に蓄積する。
【0158】
読出パケットバッファ331に蓄積したパケットデーターは、映像再生制御部201および情報書込制御部301へ出力する。このとき、パケット番号算出部333は読出しを完了したパケットのパケット番号をストリームテーブル生成部307に通知する。ストリームテーブル生成部307では、入力されたパケット番号に該当するパケットテーブル312のパケット番号の書込みフラグを「0」に設定する。
【0159】
ここで、パケットデーターの読出しは、連続したパケット群、例えばインデックステーブル106の各ピクチャのパケット群として読出す構成としても良い。このようにすることで、不定長の連続したパケットをダビングすることができ、ピクチャ毎に異なるパケット長に対応することができる。
【0160】
映像再生制御部201では、入力されたパケットデーターを、順次デコーダー部202に出力する。デコーダー部202では、映像再生制御部201から入力されたパケットデーターからデジタル映像信号、デジタル音声信号をそれぞれデコードし、出力部204へ出力し、映像信号としてモニタに出力される。
【0161】
一方、情報書込制御部301では、パケット位置算出部323において、情報読出制御部302から受けたパケット番号に基づいて映像音声ストリーム中での書込みパケットの位置を算出し、現在のパケットの位置情報を書込パケットアドレス生成部322へ出力し、書込パケットアドレス生成部322においては、書込パケットアドレスを算出する。
【0162】
また、情報書込制御部301では、情報読出制御部302から入力されたパケットデーターは、書込パケットバッファ321に蓄積され、算出した書込パケットアドレスに基づいて、第2の蓄積装置インターフェース部305を制御して、第2の蓄積装置402へ記録する。このとき、パケット位置算出部323は、書込みを完了したパケットのパケット番号をストリームテーブル生成部307に通知する。ストリームテーブル生成部307では、入力されたパケット番号に該当するパケット番号のパケットテーブル312の読出しフラグを「0」に設定する。
【0163】
<ダビング中の再生位置の変更動作>
次に、ダビング中の再生位置の変更動作について説明する。
ユーザからダビング中に再生位置の変更(スキップジャンプ)を受けると、操作部500は、再生装置200の映像再生制御部201およびストリーム処理装置300のストリーム制御部306に、ダビング中再生位置変更指示信号を入力する。
【0164】
映像再生制御部201は、操作部500からのダビング中再生位置変更指示信号に基づき、ナビゲーション制御部203に再生位置変更命令を出力する。ナビゲーション制御部203は、再生命令を受けて再生開始位置を確定し、インデックステーブル106から新規再生位置に一番近いIピクチャの開始パケット番号を抽出して映像再生制御部201へ出力する。映像再生制御部201は、抽出した開始パケット番号をストリーム制御部306に入力する。
【0165】
ストリーム制御部306は、入力された開始パケット番号を情報読出制御部302に出力する。当該開始パケット番号は、情報読出制御部302内のパケット番号算出部333に入力され、パケット番号算出部333は、内部に設定されたパケット番号を開始パケット番号に変更して、読出パケットアドレス生成部332に出力する。
【0166】
読出パケットアドレス生成部332は、パケット番号算出部333から入力された開始パケット番号から読出パケットアドレスを算出し、第1の蓄積装置インターフェース部304を制御して、第1の蓄積装置401内のパケットデーターを読出して、読出パケットバッファ331に蓄積する。
【0167】
読出パケットバッファ331に蓄積したパケットデーターは、映像再生制御部201および情報書込制御部301へ出力する。このとき、パケット番号算出部333は読出しを完了したパケットのパケット番号をストリームテーブル生成部307に通知する。ストリームテーブル生成部307では、入力されたパケット番号に該当するパケットテーブル312のパケット番号の書込みフラグを「0」に設定する。
【0168】
一方、情報書込制御部301では、パケット位置算出部323において、情報読出制御部302から受けたパケット番号に基づいて映像音声ストリーム中での書込みパケットの位置を算出し、現在のパケットの位置情報を書込パケットアドレス生成部322へ出力し、書込パケットアドレス生成部322においては、書込パケットアドレスを算出する。
【0169】
また、情報書込制御部301では、情報読出制御部302から入力されたパケットデーターは、書込パケットバッファ321に蓄積され、算出した書込パケットアドレスに基づいて、第2の蓄積装置インターフェース部305を制御して、第2の蓄積装置402へ記録する。このとき、パケット位置算出部323は、書込みを完了したパケットのパケット番号をストリームテーブル生成部307に通知する。ストリームテーブル生成部307では、入力されたパケット番号に該当するパケット番号のパケットテーブル312の読出しフラグを「0」に設定する。
【0170】
<ダビング中の特殊再生動作>
次に、ダビング中の特殊再生動作について説明する。
ユーザからダビング中に特殊再生の要求を受けると、操作部500は、再生装置200の映像再生制御部201およびストリーム処理装置300のストリーム制御部306にダビング中特殊再生指示信号を入力する。
【0171】
映像再生制御部201は、操作部500からのダビング中特殊再生指示信号に基づき、ナビゲーション制御部203に特殊再生命令を出力する。ナビゲーション制御部203は、特殊再生命令を受けて再生開始位置を確定し、インデックステーブル106から新規再生位置に一番近いIピクチャの開始パケット番号を抽出して映像再生制御部201へ出力する。映像再生制御部201は、抽出した開始パケット番号をストリーム制御部306に入力する。
【0172】
ストリーム制御部306は、入力された開始パケット番号を情報読出制御部302に出力する。当該開始パケット番号は、情報読出制御部302内のパケット番号算出部333に入力され、パケット番号算出部333は、内部に設定されたパケット番号を開始パケット番号に変更して、読出パケットアドレス生成部332に出力する。
【0173】
読出パケットアドレス生成部332は、パケット番号算出部333から入力された開始パケット番号から読出パケットアドレスを算出し、第1の蓄積装置インターフェース部304を制御して、第1の蓄積装置401内のパケットデーターを読出して、読出パケットバッファ331に蓄積する。
【0174】
読出パケットバッファ331に蓄積したパケットデーターは、映像再生制御部201および情報書込制御部301へ出力する。このとき、パケット番号算出部333は読出しを完了したパケットのパケット番号をストリームテーブル生成部307に通知する。ストリームテーブル生成部307では、入力されたパケット番号に該当するパケットテーブル312のパケット番号の書込みフラグを「0」に設定する。
【0175】
一方、情報書込制御部301では、パケット位置算出部323において、情報読出制御部302から受けたパケット番号に基づいて映像音声ストリーム中での書込みパケットの位置を算出し、現在のパケットの位置情報を書込パケットアドレス生成部322へ出力し、書込パケットアドレス生成部322においては、書込パケットアドレスを算出する。
【0176】
また、情報書込制御部301では、情報読出制御部302から入力されたパケットデーターは、書込パケットバッファ321に蓄積され、算出した書込パケットアドレスに基づいて、第2の蓄積装置インターフェース部305を制御して、第2の蓄積装置402へ記録する。このとき、パケット位置算出部323は、書込みを完了したパケットのパケット番号をストリームテーブル生成部307に通知する。ストリームテーブル生成部307では、入力されたパケット番号に該当するパケット番号のパケットテーブル312の読出しフラグを「0」に設定する。
【0177】
<実施の形態2>
<装置構成>
図12は、本発明に係る実施の形態2の映像記録再生装置2000の構成を示すブロック図である。なお、図1に示した映像記録再生装置1000と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0178】
図12に示すように、映像記録再生装置2000においては、パケットマップを生成、更新するパケットマップ生成部308を新たな構成として有し、パケットマップ用いて、ダビング先のパケットの配置を管理することを特徴とするものである。
【0179】
なお、映像記録再生装置2000においては、パケットマップ生成部308を備えることで、情報読出制御部302から情報書込制御部301へのパケット番号の入力と、情報書込制御部301からストリームテーブル生成部307への書込みを完了したパケットのパケット番号の通知と、情報読出制御部302からストリームテーブル生成部307への読出しを完了したパケットのパケット番号の通知は不要となるので、これらの信号経路は存在しない。代わりに、パケットマップ生成部308とストリーム制御部306との間には、信号の授受を行う信号経路が設けられている。
【0180】
そして、本実施の形態2のストリーム処理装置300は、一定の複数個のパケットを1単位とするブロックでTSパケットストリームをダビング元から読出し、またダビング先への書込みを行う。なお、1ブロックは、連続したパケット群で構成される。
【0181】
図13は、本実施の形態1で使用されるパケットマップ313の構成の一例を示す図である。図13に示すように、パケットマップ313は、ブロックの最初のパケットの番号である開始パケット番号(BPNx)、該ブロックの連結情報として、該ブロックに含まれるパケットの前のパケットを含むブロックの番号である前ブロック番号(PBNx)、該ブロックに含まれるパケットの次のパケットを含むブロックの番号である次ブロック番号(NBNx)をブロック番号(BNx)毎に格納している。
【0182】
<ダビング動作>
以下、ダビング動作について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
なお、以下では、第1の蓄積装置401をダビング元とし、第2の蓄積装置402がダビング先として選択されているものとして説明する。
【0183】
ユーザからダビングの指示を受けると、操作部500は、ダビング開始指示信号をストリーム処理装置のストリーム制御部306に入力する。
【0184】
ストリーム制御部306は、ストリームテーブル生成部307からストリームテーブル310に記載された所定の番組の録画情報を取得する(ステップS401)。
【0185】
そして、パケットマップ生成部308は、パケットマップ313を初期化する(ステップS402)。
【0186】
情報読出制御部302は、ストリーム制御部306から入力される読出しパケット情報に従って、読出しパケット番号を決定し(ステップS403)、当該読出しパケット番号に基づいて、1ブロック単位でパケットデーターを第1の蓄積装置401から読出し(ステップS404)、情報書込制御部301に出力する。
【0187】
情報書込制御部301は入力された1ブロック単位でパケットデーターを順次第2の蓄積装置402へ書込む(ステップS405)。このとき、ブロック番号は、順次更新する。
【0188】
パケットマップ生成部308は、書込みが終わったブロックの開始パケット番号を、パケットマップ313の該当するブロック番号の開始パケット番号(BPN1)として設定する(ステップS406)。
【0189】
パケットマップ生成部308は、書込みが終わったブロックの連結情報を作成するため、当該ブロックに含まれるパケットの直前のパケット含むブロックのブロック番号(PBN1)を決定(ステップS407)し、パケットマップ313の書込みが終わったブロックのブロック番号(BN1)の前ブロック番号欄に設定する(ステップS409)。
【0190】
また、同様に、書込みが終わったブロックに含まれるパケットに続くパケットを含むブロックのブロック番号(NBN1)を決定し(ステップS408)、パケットマップ313の書込みが終わったブロックのブロック番号(BN1)の次ブロック番号欄に設定する(ステップS409)。
【0191】
以後、ステップS403以下の同様の動作をブロック単位で繰り返し、全てのブロックについての連結情報が作成されることで、ダビング元の番組の全てのパケットについてダビング先への書込み(転送)が終わったことを確認し(ステップS410)、ダビング動作を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0192】
【図1】本発明に係る実施の形態1の映像記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】情報書込制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】情報読出制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】デジタル映像音声ストリームのデーター構造を示す模式図である。
【図5】本発明に係る実施の形態1の映像記録再生装置で使用されるインデックステーブルを示す図である。
【図6】本発明に係る実施の形態1の映像記録再生装置の記録動作を説明するフローチャートである。
【図7】映像音声ストリームの各TSパケットの記録処理を説明する図である。
【図8】本発明に係る実施の形態1の映像記録再生装置で使用されるストリームテーブルを示す図である。
【図9】本発明に係る実施の形態1の映像記録再生装置の再生動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明に係る実施の形態1の映像記録再生装置のダビング動作を説明するフローチャートである。
【図11】本発明に係る実施の形態1の映像記録再生装置で使用されるパケットテーブルを示す図である。
【図12】本発明に係る実施の形態2の映像記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明に係る実施の形態2の映像記録再生装置で使用されるパケットマップを示す図である。
【図14】本発明に係る実施の形態2の映像記録再生装置のダビング動作を説明するフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル映像信号を受信し、該デジタル映像信号を記録、再生する映像記録再生装置であって、
前記デジタル映像信号を映像情報として記録する、ランダムアクセス可能な第1および第2の蓄積装置と、
前記第1および第2の蓄積装置への前記映像情報の書込みを制御する情報書込み制御部と、
前記第1および第2の蓄積装置からの前記映像情報の読出しを制御する情報読出し制御部と、
前記第1および第2の蓄積装置の一方に記録された前記映像情報を他方にダビングする場合に、前記映像情報を構成するパケットを管理することで、ダビング動作を管理するパケットテーブルを生成するテーブル生成部と、を備え、
前記パケットテーブルは、ダビング動作に先だって、全てのフラグを第1の値に設定することで初期化を行い、
前記情報読出し制御部は、前記第1および第2の蓄積装置から前記映像情報をパケット単位で読出す際の読出しアドレスを、自ら作成したパケット番号に基づいて生成する読出パケットアドレス生成部を有し、
前記情報書込み制御部は、前記第1および第2の蓄積装置に前記映像情報をパケット単位で書込む際の書込みアドレスを生成する書込パケットアドレス生成部を有し、
前記情報読出し制御部での前記映像情報の読出しおよび前記情報書込み制御部での前記映像情報の書込みがパケット単位で終わる毎に、前記パケットテーブルの所定のフラグを第2の値に書き替え、前記パケットテーブルの全てのフラグが前記第2の値になった場合にダビング動作を終了する、映像記録再生装置。
【請求項2】
前記読出パケットアドレス生成部は、
順次増加するカウンタで作成されたパケット番号に基づいて前記書込みアドレスを生成する、請求項1記載の映像記録再生装置。
【請求項3】
前記カウンタは、前記パケット番号の作成に先だって初期値を任意に設定する、請求項2記載の映像記録再生装置。
【請求項4】
前記情報読出し制御部は、連続する複数のパケットで構成されるパケット群を読出す、請求項1記載の映像記録再生装置。
【請求項5】
前記連続する複数のパケットは、
ピクチャを構成する連続した複数のパケットに相当する、請求項4記載の映像記録再生装置。
【請求項6】
前記書込パケットアドレス生成部は、
前記情報読出し制御部で作成した前記パケット番号に基づいて前記書込みアドレスを生成する、請求項1記載の映像記録再生装置。
【請求項7】
前記情報読出し制御部は、任意に定めた一定数の複数のパケット数で構成されるパケット群を読出し、前記書込パケットアドレス生成部に前記一定数の情報を与え、
前記書込パケットアドレス生成部は、
前記一定数の情報に基づいて前記書込みアドレスを生成する、請求項1記載の映像記録再生装置。
【請求項8】
前記パケットテーブルは、
パケット番号毎に読出しフラグおよび書込みフラグを格納し、
前記情報読出し制御部で前記映像情報を読出した後は、読出したパケットのパケット番号に該当する前記パケットテーブルの書込みフラグを第2の値に書き替え、
前記情報書込み制御部で前記映像情報を書込んだ後は、書込んだパケットのパケット番号に該当する前記パケットテーブルの読出しフラグを前記第2の値に書き替える、請求項1記載の映像記録再生装置。
【請求項9】
前記パケットテーブルは、
パケット番号毎に書込みフラグを格納し、
前記情報書込み制御部で前記映像情報を書込んだ後は、書込んだパケットのパケット番号に該当する前記パケットテーブルの書込みフラグを第2の値に書き替える、請求項1記載の映像記録再生装置。
【請求項10】
デジタル映像信号を受信し、該デジタル映像信号を記録、再生する映像記録再生装置であって、
前記デジタル映像信号を映像情報として記録する、ランダムアクセス可能な第1および第2の蓄積装置と、
前記第1および第2の蓄積装置への前記映像情報の書込みを制御する情報書込み制御部と、
前記第1および第2の蓄積装置からの前記映像情報の読出しを制御する情報読出し制御部と、
前記第1および第2の蓄積装置の一方に記録された前記映像情報を他方にダビングする場合に、前記映像情報を構成するパケットを、所定の複数個のパケットを1単位とするブロック単位で管理することで、ダビング動作を管理するパケットマップを生成するパケットマップ生成部と、を備え、
前記パケットマップは、ダビング動作に先だって初期化され、
前記情報読出し制御部での前記映像情報の読出し、および前記情報書込み制御部での前記映像情報の書込みがブロック単位で終わる毎に、書込みが終わったブロックの最初のパケットのパケット番号を、前記パケットマップに開始パケット番号として設定し、
前記開始パケット番号に基づいて、書込みが終わったブロックの直前のブロックのブロック番号を前ブロック番号として設定し、前記書込みが終わったブロックの直後のブロックのブロック番号を次ブロック番号として設定することで、ブロック間の連結情報を確定し、
全てのブロックについての前記連結情報が確定した場合にダビング動作を終了する、映像記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−200567(P2009−200567A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37030(P2008−37030)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】