説明

映像記録装置

【課題】例えば、映像を再生するに際して、効果的に映像を指定することが可能な映像記録装置を提供する。
【解決手段】内部或いは外部の記録手段に記録された複数の単位の映像データから要求された映像データを取得して出力する映像記録装置5である。複数の単位の映像データの各々には識別情報として数値の情報が付加されている。記録上で前記数値が隣り合う映像データの間における当該数値の差が一定ではない。映像記録装置5では、受付手段が基準となる識別情報の数値と当該基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値を含む映像データの要求を受け付け、取得手段が受け付けられた映像データの要求により指定された映像データを取得し、出力手段が取得された映像データを要求元へ出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を記録して指定された映像を出力する映像記録装置に関し、特に、例えば、映像を再生するに際して、効果的に映像を指定することが可能な映像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7には、ネットワーク映像監視システムの一構成例を示してある。
本例のネットワーク映像監視システムは、ネットワーク映像記録装置(NDR)11と、ネットワーク12と、複数であるm個のIPカメラ13−1〜13−mと、複数であるn個の映像視聴装置14−1〜14−nを備えている。
なお、NDRは本出願人の登録商標である。
NDR11と各IPカメラ13−1〜13−mと各映像視聴装置14−1〜14−nは、ネットワーク12に接続されている。
【0003】
NDR11は、構成要素として、制御装置のコンピュータボード21と、例えばハードディスク(HDD)を用いて構成された記録デバイス22を備えている。
コンピュータボード21上には、ネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)31と、記録デバイスインターフェイス(記録デバイスI/F)32と、メモリ33と、CPU(Central Processing Unit)34と、これらを接続する制御バス35を備えている。
記録デバイス22内には、記録を行うIPカメラ13−1〜13−mと同じ数分(m個)のカメラ用記録領域41−1〜41−mが設けられて存在する。各カメラ用記録領域41−1〜41−mは、各IPカメラ13−1〜13−mからの映像データを記録するための領域である。
【0004】
ここで、ネットワーク12は、複数のコンピュータを結び制御信号やデータなどの信号を通信するコンピュータネットワークである。
各IPカメラ13−1〜13−mは、ネットワークカメラであり、映像を撮影し、撮影した映像のデータをネットワーク12へ出力する。また、各IPカメラ13−1〜13−mは、例えば、映像に対するエンコーダの機能を有している。
各映像視聴装置14−1〜14−nは、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)からなるクライアントの装置(クライアントPC)であり、ネットワーク接続でWebブラウザを搭載した一般的なパーソナルコンピュータを用いて構成されている。各映像視聴装置14−1〜14−nは、映像データの視聴や、NDR11の設定を行う。
NDR11は、ネットワーク12を介して、複数のIPカメラ13−1〜13−mや複数の映像視聴装置14−1〜14−nと接続される。
【0005】
図8を参照して、本例のネットワーク映像監視システムにおける映像データの流れ(タイムチャート)の一例を示す。
なお、本例では、1個のIPカメラ13−1と1個の映像視聴装置14−1を例として説明する。
また、IPカメラ13−1、NDR11、映像視聴装置14−1の順に、上流から下流になるとする。
【0006】
IPカメラ13−1は、撮影した映像のデータを1フレームずつ、JPEG等の画像圧縮方式で圧縮する。また、IPカメラ13−1は、下流にあるNDR11の制御装置(本例では、コンピュータボード21からなる)からネットワーク12を介してIPパケット形式でHTTP形式での映像要求を受け付ける毎に(処理Q1)、IPパケット形式でHTTP形式によりネットワーク12を介して、映像要求元へ映像データを送信する(処理Q2)。
【0007】
具体的には、NDR11の制御装置からIPカメラ13−1へ映像要求が送信されると、IPカメラ13−1は当該映像要求を受けて例えば最新の映像データをNDR11へ返送する。
IPカメラ13−1から送出された映像データは、IP形式でネットワーク12を伝達し、NDR11のネットワークI/F31に到達する。ネットワークI/F31は、受信したIP形式の映像データを、制御バス35上に伝送する形式のデータへ変換して、記録デバイス22を介して、対応するカメラ用記録領域41−1に格納(記録)する(処理Q3)。
ここで、映像データを記録デバイス22のカメラ用記録領域41−1に格納する際には、映像データに識別子として、0から連番の番号を付与する。本例では、この連番を「フレームID」と呼称する。
【0008】
なお、IPカメラ13−1の映像データはカメラ用記録領域41−1に格納し、IPカメラ13−2の映像データはカメラ用記録領域41−2に格納し、・・・、IPカメラ13−mの映像データはカメラ用記録領域41−mに格納するといったように、各IPカメラ13−1〜13−mからの映像データは対応する各カメラ用記録領域41−1〜41−mに格納される。
【0009】
NDR11に記録された映像を視聴したいユーザは、映像視聴装置14−1上でNDR再生ソフト(NDR11に記録された映像を再生させるためのソフトウエア)を稼働させる。これにより、NDR再生ソフトが、NDR11から映像データを取得して、映像視聴装置14−1の画面上に取得した映像を表示させてその再生処理を行う。
具体的には、映像視聴装置14−1上のNDR再生ソフトが、IP形式で映像要求をネットワーク12を介してNDR11へ送信する(処理Q4)。この映像要求はHTTPを用いて行われる。また、この映像要求のパラメータでは、CGIパラメータ形式を用いており、いずれの映像データを希望するかを指定するために、フレームIDを用いている。
【0010】
映像視聴装置14−1から送出されたHTTP形式の映像要求は、IP形式でネットワーク12を伝達し、NDR11のネットワークI/F31に到達する。
ネットワークI/F31は、受信したIP形式の映像要求を、制御バス35上に伝送する形式の信号へ変換して、CPU34上で動作するソフトウエアへ伝送する。このソフトウエアは、記録デバイスI/F32を介して、映像要求により指定されたフレームIDの映像データについてリード(Read)要求を行い(処理Q5)、その応答として、リード結果である映像データを得る(処理Q6)。
【0011】
また、このソフトウエアは、読み出した映像データにHTTPヘッダを付与して、当該映像データをHTTP形式にした後に、IP形式で、ネットワークI/F31からネットワーク12を介して、その映像データを返送映像データとして要求元の映像視聴装置14−1へ送信する(処理Q7)。この返送映像データには、映像データのフレームIDをHTTDヘッダ領域に付与してある。
映像視聴装置14−1上のNDR再生ソフトは、NDR11から受信した映像データをデコードして、画面上に表示する。
【0012】
ここで、NDR再生ソフトは、NDR11に対して連続的に映像データを要求して、取得した映像データを画面に表示することで、映像の再生を実現する。
この場合に、順方向の再生は、受信した映像のフレームIDに1を加えた値で次の映像要求を行うことの連続により実現する。逆方向の再生は、受信した映像のフレームIDから1を減じた値で次の映像要求を行うことの連続により実現する。また、f倍速の早送り又は早戻しの再生は、フレームIDにfを加算又は減算した値で次の映像要求を行うことの連続により実現する。
【0013】
【特許文献1】特開2005−130041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、映像データの記録時間を延長する目的を実現するために、図1に示されるようにNDR1−1〜1−pを多段に接続し、図2に示されるように記録時間の延長を実現する構成が考えられる。
なお、図1及び図2は、後述する本発明に係る実施例の説明で参照するものであるが、ここでは説明の便宜上から参照する。
【0015】
図1に示されるネットワーク映像監視システムでは、IPカメラ3−11〜3−1r、3−21、・・・から映像データを取得して記録する複数のNDR1−1〜1−pが存在し、その下流にアーカイブNDR5が設置されている。
アーカイブNDR5は、複数のNDR1−1〜1−pから映像データを取得して記録装置に保持する。
映像視聴装置7の再生ソフトは、アーカイブNDR5のみと通信して、映像データを取得する。この場合、アーカイブNDR5がNDR1−1〜1−pを隠蔽して、映像視聴装置7の再生ソフトにはあたかも1台のNDRであるかの如く扱うことを可能とさせたいという要求(仮想化の要求)がある。
【0016】
このためには、映像データの識別子(ID)としては、多段のNDR1−1〜1−pの内でユニークな番号を付けなければならない。これについては、例えば、上流のNDRで付けた識別子を下流のNDRにおいても用いることで、ユニーク性の維持を実現することができる。
一方、古い映像データは重要度が下がることから間引いてもよい場合には、下流のNDRに映像データを伝送する際に、映像データの間引きを行う運用があり得る。
【0017】
しかしながら、映像データの間引きを行った場合には、有効な映像データのフレームIDが連続しない状態となるため、映像視聴装置7から映像データを要求する際に、映像視聴装置7からは残存する映像データのフレームIDの予測が困難となってしまう。このため、再生ソフトウエアが次に表示する映像データのフレームIDを算出して映像要求を繰り返して行う方式では、映像再生が行えなくなってしまう。
そこで、映像データが間引かれて、フレームIDが離散であるような場合においても、映像の再生を行うことができる技術の開発が要求されていた。
【0018】
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、例えば、映像を再生するに際して、効果的に映像を指定することができる映像記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するため、本発明に係る映像記録装置では、次のような構成により、内部或いは外部の記録手段に記録された複数の単位の映像データから、要求された映像データを取得して出力する。
すなわち、前記複数の単位の映像データの各々には、識別情報として数値の情報が付加されている。
また、記録上で前記数値が隣り合う映像データの間における当該数値の差が一定ではない。つまり、記録上で数値が隣り合う映像データの間における当該数値の差が、隣り合う映像データの組み合わせ毎に、(同一の値となる所があってもよいが)異なる値となり得て可変である。
そして、当該映像記録装置では、受付手段が、映像データの要求を受け付ける。この映像データの要求には、基準となる識別情報の数値(例えば、実施例におけるreq_block_idの値)と、当該基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値(例えば、実施例におけるsearch_valの値)を含む。また、取得手段が、前記受付手段により受け付けられた映像データの要求により指定された映像データを取得する。出力手段が、前記取得手段により取得された映像データを要求元へ出力する。
【0020】
従って、映像を再生するに際して、基準となる識別情報の数値と当該基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値を用いて映像データを指定することにより、例えば、記録されている複数の映像データの識別情報の数値が間引き等により離散しているような場合に、基準となる識別情報の数値に対応した識別情報を有する映像データが存在しなくとも、効果的に映像を指定することができる。
【0021】
ここで、映像記録装置は、当該映像記録装置の内部に備えられた記録手段に記録された映像データの中から要求された映像データを検索して取得する機能と、当該映像記録装置の外部に備えられた記録手段に記録された映像データの中から要求された映像データを検索して取得する機能との両方を備えてもよく、或いは、いずれか一方のみを備えてもよい。
なお、映像データを記録する記録手段は、例えば、映像記録装置の内部と外部の両方に備えられてもよく、或いは、いずれか一方のみに備えられてもよい。
【0022】
また、映像データの単位としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、フレーム毎の単位を用いることができる。
また、映像データの各単位に付加される識別情報である数値の情報としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、連番のような番号の情報が用いられてもよく、或いは、所定の基準時からの経過時刻又は実際の時刻に基づく値の情報が用いられてもよい。
また、複数の映像データには、例えば、数値が大きくなるほど未来のもの(新しいもの)となる順序で識別情報を付加することや、或いは、数値が大きくなるほど過去のもの(古いもの)となる順序で識別情報を付加することができる。
【0023】
また、映像データの要求に含まれる情報として、基準となる識別情報や、基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値の情報としては、それぞれ種々な態様が用いられてもよい。
また、例えば、映像データの要求は、映像記録装置の外部にある他の装置又はユーザにより映像記録装置に対して発せられ、これに応じて、映像記録装置は、要求された映像データを取得して要求元の装置又はユーザに対して出力する。外部の装置への出力としては、例えば、送信を用いることができる。
【0024】
本発明に係る映像記録装置では、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、前記取得手段は、前記映像データの要求に含まれる前記基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値が0である場合には、前記基準となる識別情報の数値に最も近い識別情報を有する映像データを取得する。
また、前記取得手段は、前記映像データの要求に含まれる前記基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値が正である場合には、前記基準となる識別情報の数値より大きくて当該正の数値に応じた番目の識別情報を有する映像データを取得する。
また、前記取得手段は、前記映像データの要求に含まれる前記基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値が負である場合には、前記基準となる識別情報の数値より小さくて当該負の数値に応じた番目の識別情報を有する映像データを取得する。
【0025】
従って、映像データの要求に含まれる基準となる識別情報の数値及び当該基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値により、記録されている複数の映像データの識別情報の数値が離散している場合においても、記録されている複数の映像データの中で1つの映像データを特定することができる。
【0026】
ここで、映像データの要求に含まれる基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値が0である場合には、識別情報の数値の大小に関わりなく、基準となる識別情報の数値に最も近い識別情報を有する映像データを取得する。
また、映像データの要求に含まれる基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値が正である場合には、記録されている映像データの中で、基準となる識別情報の数値より大きくて当該正の数値に応じた番目の識別情報を有する映像データを取得する。
また、映像データの要求に含まれる基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値が負である場合には、記録されている映像データの中で、基準となる識別情報の数値より小さくて当該負の数値に応じた番目の識別情報を有する映像データを取得する。
【0027】
一構成例として、映像データの要求に含まれる基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値を正の値(又は、負の値)に固定しておき、映像データの要求に含まれる基準となる識別情報の数値として前回に取得した映像データの識別情報の数値を用いることを連続的に行うことで、正の方向(又は、負の方向)への映像の再生を実現することができる。
他の構成例として、映像データの要求に含まれる基準となる識別情報の数値を固定しておき、映像データの要求に含まれる基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値の絶対値を正の方向(又は、負の方向)に大きくしていくことを連続的に行うことで、正の方向(又は、負の方向)への映像の再生を実現することができる。
また、映像データの要求に含まれる基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値の絶対値を大きく設定することで、その大きさに応じて、早送りや早戻しが可能である。
【0028】
なお、本発明は、方法や、プログラムや、記録媒体などとして提供することも可能である。
本発明に係る方法では、装置やシステムにおいて各手段が各種の処理を実行する。
本発明に係るプログラムでは、装置やシステムを構成するコンピュータに実行させるものであって、各種の機能を当該コンピュータに実現させる。
本発明に係る記録媒体では、装置やシステムを構成するコンピュータに実行させるプログラムを当該コンピュータの入力手段により読み取り可能に記録したものであって、当該プログラムは各種の処理(手順)を当該コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明に係る映像記録装置によると、基準となる識別情報の数値と当該基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値を用いて映像データを指定するようにしたため、例えば、記録されている複数の映像データの識別情報の数値が間引き等により離散しているような場合に、基準となる識別情報の数値に対応した識別情報を有する映像データが存在しなくとも、効果的に映像を指定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施例に係るネットワーク映像監視システムの構成例を示してある。
本例のネットワーク映像監視システムは、複数であるp個のNDR1−1〜1−pと、各NDR1−1〜1−pが接続されたネットワーク2−1〜2−pと、各NDR1−1〜1−pと各ネットワーク2−1〜2−pを介して接続された複数のIPカメラ3−11〜3−1r、3−21、・・・を備えている。
なお、IPカメラについては、図1では一部のみを示してあり、NDR1−1には複数であるr個のIPカメラ3−11〜3−1rが接続されている。
【0031】
また、本例のネットワーク映像監視システムは、複数のNDR1−1〜1−pが接続されたネットワーク4と、ネットワーク4に接続されたアーカイブNDR5と、アーカイブNDR5が接続されたネットワーク6と、ネットワーク6に接続された映像視聴装置7を備えている。
なお、本例では、1個の映像視聴装置7を示してあるが、複数の映像視聴装置がネットワーク6に接続されてもよい。
【0032】
本例のネットワーク映像監視システムでは、IPカメラ3−11〜3−1r、3−21、・・・から、NDR1−1〜1−p、アーカイブNDR5、映像視聴装置7へ行く順に、上流から下流へ行くとしてある。つまり、IPカメラ3−11〜3−1r、3−21、・・・が最も上流であり、映像視聴装置7が最も下流である。
【0033】
ここで、各IPカメラ3−11〜3−1r、3−21、・・・は、例えば、図7に示されるIPカメラ13−1〜13−mと同様な機能を有している。
また、各NDR1−1〜1−pは、例えば、図7に示されるNDR11と同様な機能を有しているが、本例では、各IPカメラ3−11〜3−1r、3−21、・・・から受信して記録した映像のデータをアーカイブNDR5へ送信する。
また、映像視聴装置7は、例えば、図7に示される映像視聴装置14−1〜14−nと同様な機能を有しているが、本例では、アーカイブNDR5に対して映像の要求を発し、アーカイブNDR5から映像のデータを取得して再生する。
【0034】
図2には、本例のようにNDR1−1〜1−pが多段接続されたシステムにおいて、IPカメラ(例えば、IPカメラ3−11)とNDR(例えば、NDR1−1)とアーカイブNDR5について、映像のデータを保持する区間(保持映像区間)の一例を示してある。
本例では、IPカメラ3−11には最新の映像データが保持され、NDR1−1には最新の映像データから所定の過去に遡るまでの区間の映像データが保持され、アーカイブNDR5にはNDR1−1と重複区間を有して更に過去に遡る区間の映像データが保持される。
ここで、NDR1−11とアーカイブNDR5との映像データの重複区間の量としては、任意に設定されてもよく、例えば、運用時などに設定を変更することも可能である。
【0035】
本例のネットワーク映像監視システムにおいて処理される映像について説明する。
本例では、各IPカメラ3−11〜3−1r、3−21、・・・毎に、独立したチャネルが構成されており、映像のデータが独立して処理される。
各NDR1−1〜1−pは、自装置の配下にある各IPカメラ毎に、そのチャネルの映像を記録する領域(図7におけるカメラ用記録領域に相当するもの)を有している。
アーカイブNDR5は、自装置の配下にある全てのNDR1−1〜1−pの配下にある全てのIPカメラ3−11〜3−1r、3−21、・・・について、各IPカメラ毎にそのチャネルの映像を記録する領域を有している。
また、映像視聴装置7により発せられる映像データの要求についても、各チャネル毎(各IPカメラ毎)を指定して行われる。
【0036】
本例では、映像のデータとしては、フレーム毎を単位としたデータが用いられる。一例として、JPEGなどのフレームを用いることができる。
そして、各NDR1−1〜1−pの記録デバイスやアーカイブNDR5の記録デバイスには、複数の単位の映像データ(本例では、複数のフレームの映像データ)が、例えば時系列順に、記録される。
なお、映像としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、動画或いは静止画を用いることができる。
【0037】
本例では、各単位の映像データ(本例では、各フレームの映像データ)には、その映像が撮像された時刻の情報が付与される。時刻の情報としては、例えば、所定の基準時点からの経過時刻の情報が用いられるが、他の構成例として、実際の時刻の情報が用いられてもよい。このような時刻の情報は、離散的な値を取り得る。
また、本例では、各単位の映像データには、0から連番となる数値の情報(フレームID)が付与される。
なお、他の構成例として、各単位の映像データに、0からの連番となる数値の情報を付与せずに、時刻の情報をフレームIDとして用いるようなことも可能である。
【0038】
本例では、各チャネルの映像のデータが間引かれる。
例えば、各NDR1−1〜1−pでは配下にある各IPカメラ3−11〜3−1r、3−21、・・・により撮影される映像のデータを30fps(フレーム毎秒)で24時間分保持し、アーカイブNDR5では配下にある各NDR1−1〜1−pにより保持される映像のデータを1fps(1フレーム毎秒)で1年分保持するような場合には、アーカイブNDR5において映像のデータ(映像のフレーム)を間引くことが行われる。この間引きは、例えば、等間隔で行われる。また、間引きの態様については、例えば、運用時に設定の変更が可能である。
なお、本例では、1個のアーカイブNDR5を示したが、他の構成例として、複数段のアーカイブNDRを設けることも可能であり、例えば、1段目のアーカイブNDRが配下にある1箇月分の映像のデータを保持し、それより上位のアーカイブNDRが配下にある1年分の映像のデータを保持するようなことが可能である。
【0039】
ここで、本例では、映像のデータが間引かれるシステムの一例として、図1に示されるように複数のNDR1−1〜1−pを備えたシステムを示したが、IPカメラやNDRやアーカイブNDRや映像視聴装置のそれぞれの数としては種々な態様が用いられてもよく、例えば、IPカメラやNDRやアーカイブNDRや映像視聴装置をそれぞれ1個設けたシステムが用いられてもよい。
【0040】
本例のネットワーク映像監視システムにおいて行われる概略的な動作の一例を示す。
各IPカメラ3−11〜3−1r、3−21、・・・は、例えば、それぞれの監視対象となる領域の映像(画像)を撮影し、撮影した映像を電子的なデータ(映像データ)として、各ネットワーク2−1〜2−pを介して、それぞれの下流(下位)のNDR1−1〜1−pへ送信する。
各NDR1−1〜1−pは、上流(上位)にあるIPカメラから伝送されてきた映像データを受信して、記録デバイスの対応するカメラ用記録領域に格納(記録)する。
【0041】
各NDR1−1〜1−pは、記録デバイスに格納された各チャネルの映像データを、ネットワーク4を介して、下流にあるアーカイブNDR5へ送信する。
アーカイブNDR5は、上流にあるNDR1−1〜1−pから伝送されてきた映像データを受信して、記録デバイスの対応するカメラ用記録領域に格納(記録)する。
【0042】
ここで、IPカメラ3−11〜3−1r、3−21、・・・からNDR1−1〜1−pへの映像データの伝送や、NDR1−1〜1−pからアーカイブNDR5への映像データの伝送としては、例えば、装置により自動的に、定期的に行われる態様を用いることができ、或いは、NDR1−1〜1−pが上流のIPカメラ3−11〜3−1r、3−21、・・・に対して要求したときに要求された映像のデータが伝送される態様や、同様に、アーカイブNDR5が上流のNDR1−1〜1−pに対して要求したときに要求された映像のデータが伝送される態様を用いることもできる。
【0043】
映像視聴装置7は、映像の要求を、ネットワーク6を介して、アーカイブNDR5へ送信する。なお、映像の要求は、例えば、NDR再生ソフトが起動されて、ユーザからの指示に基づいて行われ、或いは、予め設定された態様で自動的に行われる。
アーカイブNDR5は、映像視聴装置7から伝送されてきた映像の要求を受信すると、当該映像の要求により指定された映像のデータを自装置の記録デバイスから読み出して、読み出した映像のデータを要求元の映像視聴装置7へネットワーク6を介して送信する。ここで、アーカイブNDR5は、要求された映像のデータが自装置の記録デバイスに存在しない場合には、例えば、上流のNDR1−1〜1−pに対して当該映像のデータを要求して当該NDR1−1〜1−pから取得することも可能である。
映像視聴装置7は、アーカイブNDR5から伝送されてきた映像のデータを受信すると、その映像を画面に表示する。これにより、ユーザは、その映像(及び音声が付されている場合にはその音声)を視聴することができる。
【0044】
次に、本例のネットワーク映像監視システムにおいて映像視聴装置7により映像のデータ(本例では、映像のフレーム)を指定する構成について詳しく説明する。
本例では、映像視聴装置7に設けられたNDR再生ソフトの機能によりアーカイブNDR5に対して映像を要求する場合に、フレームIDを指定することが行われる。
【0045】
ここで、フレームIDを指定する引数を「req_block_id」とし、差分値の引数を「search_val」とする。そして、映像を要求するコマンドとして、req_block_idの値とsearch_valの値を用いる。
req_block_idの値に対応する映像データが間引き済みであった場合におけるsearch_valの値による処理の定義(定義1)〜(定義3)を示す。
(定義1)search_valの値が0である場合には、req_block_idの値に対して最も近く(最寄)に存在する映像データを返送する。なお、最寄としては、新旧(未来或いは過去)に関わりなく、最も近いものが用いられる。
(定義2)search_valの値が正である場合には、req_block_idの値に対して、より未来方向で、search_valの値番目に存在する映像データを返送する。
(定義3)search_valの値が負である場合には、req_block_idの値に対して、より過去方向で、search_valの絶対値番目に存在する映像データを返送する。
【0046】
このような映像要求コマンドを用いると、例えば、映像データが間引かれるなどして、有効な映像データのフレームIDが離散している場合においても、映像データの指定を効果的に行うことができる。
例えば、従来では、映像視聴装置からの映像要求コマンドにより間引き済みで存在しないフレームIDが要求された場合には、いずれの映像データを返送するかについて曖昧さが生じるが、本例では、返送すべき映像データを明確化することができる。
【0047】
図3を参照して、req_block_idにより指定されたフレームIDが間引き済みの映像データを示していて存在しない場合における、差分値search_valの値に基づく処理の例を示す。
本例では、アーカイブNDR5の記録デバイスにおいて、映像データのフレームが1/5に間引かれた状態となっており、5の倍数のフレームIDにのみ映像データが存在するとする。フレームIDの数値が大きくなるほど未来のもの(新しいもの)となる。
また、req_block_idの値が148であるとする。
【0048】
search_valの値が0である場合(コマンドT1)には、フレームID=148から最寄に存在するフレームID=150の映像データが返送される。
search_valの値が−1である場合(コマンドT2)には、フレームID=148から過去方向で1個目に存在するフレームID=145の映像データが返送される。
search_valの値が+1である場合(コマンドT3)には、フレームID=148から未来方向で1個目に存在するフレームID=150の映像データが返送される。
search_valの値が−2である場合(コマンドT4)には、フレームID=148から過去方向で2個目に存在するフレームID=140の映像データが返送される。
search_valの値が+2である場合(コマンドT5)には、フレームID=148から未来方向で2個目に存在するフレームID=155の映像データが返送される。
【0049】
図4を参照して、req_block_idにより指定されたフレームIDが間引き済みの映像データではなく存在する場合における、差分値search_valの値に基づく処理の例を示す。
本例では、アーカイブNDR5の記録デバイスにおいて、映像データのフレームが1/5に間引かれた状態となっており、5の倍数のフレームIDにのみ映像データが存在するとする。フレームIDの数値が大きくなるほど未来のもの(新しいもの)となる。
また、req_block_idの値が150であるとする。
【0050】
search_valの値が0である場合(コマンドT11)には、フレームID=150が存在するため、フレームID=150の映像データが返送される。
search_valの値が−1である場合(コマンドT12)には、フレームID=150から過去方向で1個目に存在するフレームID=145の映像データが返送される。
search_valの値が+1である場合(コマンドT13)には、フレームID=150から未来方向で1個目に存在するフレームID=155の映像データが返送される。
search_valの値が−2である場合(コマンドT14)には、フレームID=150から過去方向で2個目に存在するフレームID=140の映像データが返送される。
search_valの値が+2である場合(コマンドT15)には、フレームID=150から未来方向で2個目に存在するフレームID=160の映像データが返送される。
【0051】
次に、順方向の再生と逆方向の再生について説明する。
順方向再生は、search_valの値を+1に固定して、前回に取得した映像データのフレームIDを今回のreq_block_idの値として用いることを連続して行うことで実現することができる。
逆方向再生は、search_valの値を−1に固定して、前回に取得した映像データのフレームIDを今回のreq_block_idの値として用いることを連続して行うことで実現することができる。
【0052】
図5には、順方向再生の処理の手順の一例を示してある。
本例では、アーカイブNDR5の記録デバイスにおいて、映像データのフレームが1/5に間引かれた状態となっており、5の倍数のフレームIDにのみ映像データが存在するとする。フレームIDの数値が大きくなるほど未来のもの(新しいもの)となる。
search_valの値を+1に固定している。
【0053】
1回目の映像要求(コマンドT21)のアクセスでは、req_block_idの値が138であるとする。この場合、戻ってくる映像データのフレームIDは140となる。
2回目の映像要求(コマンドT22)のアクセスでは、req_block_idの値を前回取得した映像データのフレームIDである140とする。この場合、戻ってくる映像データのフレームIDは145となる。
3回目の映像要求(コマンドT23)のアクセスでは、req_block_idの値を前回取得した映像データのフレームIDである145とする。この場合、戻ってくる映像データのフレームIDは150となる。
【0054】
4回目の映像要求(コマンドT24)のアクセスでは、req_block_idの値を前回取得した映像データのフレームIDである150とする。この場合、戻ってくる映像データのフレームIDは155となる。
5回目の映像要求(コマンドT25)のアクセスでは、req_block_idの値を前回取得した映像データのフレームIDである155とする。この場合、戻ってくる映像データのフレームIDは160となる。
【0055】
映像視聴装置7では、このようにして、アーカイブNDR5に対して映像データを順次指定して要求し、アーカイブNDR5から戻ってきた映像データを順次再生することにより、映像データを順方向で(古いフレームから新しいフレームへの順で)再生することができる。
このように、存在する1つ未来の映像データを要求して戻すことを連続して行うことで、順方向再生が実現される。
【0056】
図6には、逆方向再生の処理の手順の一例を示してある。
本例では、アーカイブNDR5の記録デバイスにおいて、映像データのフレームが1/5に間引かれた状態となっており、5の倍数のフレームIDにのみ映像データが存在するとする。フレームIDの数値が大きくなるほど未来のもの(新しいもの)となる。
search_valの値を−1に固定している。
【0057】
1回目の映像要求(コマンドT31)のアクセスでは、req_block_idの値が163であるとする。この場合、戻ってくる映像データのフレームIDは160となる。
2回目の映像要求(コマンドT32)のアクセスでは、req_block_idの値を前回取得した映像データのフレームIDである160とする。この場合、戻ってくる映像データのフレームIDは155となる。
3回目の映像要求(コマンドT33)のアクセスでは、req_block_idの値を前回取得した映像データのフレームIDである155とする。この場合、戻ってくる映像データのフレームIDは150となる。
【0058】
4回目の映像要求(コマンドT34)のアクセスでは、req_block_idの値を前回取得した映像データのフレームIDである150とする。この場合、戻ってくる映像データのフレームIDは145となる。
5回目の映像要求(コマンドT35)のアクセスでは、req_block_idの値を前回取得した映像データのフレームIDである145とする。この場合、戻ってくる映像データのフレームIDは140となる。
【0059】
映像視聴装置7では、このようにして、アーカイブNDR5に対して映像データを順次指定して要求し、アーカイブNDR5から戻ってきた映像データを順次再生することにより、映像データを逆方向で(新しいフレームから古いフレームへの順で)再生することができる。
このように、存在する1つ過去の映像データを要求して戻すことを連続して行うことで、逆方向再生が実現される。
【0060】
ここで、本例では、search_valの値を+1にして順方向再生を行う場合や、search_valの値を−1にして逆方向再生を行う場合を示したが、例えば、search_valの値の大きさ(絶対値)を大きくすることで、順方向の早送りの再生や、逆方向の早戻しの再生を実現することができる。
【0061】
また、本例では、search_valの値を固定して、req_block_idの値を変化させることで、順方向の再生や逆方向の再生を実現したが、他の構成例として、req_block_idの値を固定して、search_valの値を+1、+2、+3、・・・と順次大きくしていくことで、順方向の再生を実現することが可能であり、同様に、req_block_idの値を固定して、search_valの絶対値を−1、−2、−3、・・・と順次大きくしていくことで、逆方向の再生を実現することが可能である。
【0062】
また、順方向の再生や逆方向の再生を行う際に、映像視聴装置7により最初に指定するフレームID(req_block_idの値)としては、任意の値であってもよく、例えば、現在の時刻に基づいて最新の映像データであると推定されるフレームIDを用いることや、或いは、ユーザからの指定により又は自動的に決定された過去における所定のフレームIDを用いることなどができる。
【0063】
本例のように、映像要求コマンドにsearch_valの変数を追加することで、存在する映像データのフレームIDの値が離散である場合にも効果的に対応することができる。
このため、本例では、フレームIDとして上流から離散の値を用いることも可能である。例えば、フレームIDの値として、その映像データのフレームを取得した時刻を元として算出される値を用いることができ、フレームIDの値の指定と時刻の指定とを対応させることができ、フレームIDの値の指定をそのまま時刻の指定とすることも可能となる。
ここで、時刻に基づくフレームIDの値としては、一例として、(その映像データのフレームを取得した時刻の1970年1月1日の0時0分0秒(GMT)からの秒数×1000000+マイクロセック)とすることができる。
【0064】
以上のように、本例のネットワーク映像監視システムでは、下流側から上流側に対して映像データを1単位毎(本例では、1フレーム毎)に要求する際に、映像要求の引数として、各映像データに付与された識別子(本例では、フレームIDであり、req_block_idの値)と、差分値(本例では、search_valの値)を用いる。
また、本例では、各映像データに付与する識別子(本例では、フレームID)として、連番などの番号を用いることができるばかりでなく、例えば、所定の基準時からの経過時刻或いは実際の時刻に基づく値を用いることも可能である。
【0065】
具体的には、アーカイブNDR5は、映像データを記録する機能や、映像視聴装置7から要求された映像データを自装置の記録デバイス又は配下にあるNDR1−1〜1−pの記録デバイスから検索して取得する機能や、検索して取得した映像データを要求元の映像視聴装置7へ送信する(戻す)機能を有している。また、映像視聴装置7は、アーカイブNDR5に対して映像データを指定して要求する機能や、アーカイブNDR5から返送された映像データを受信して再生(表示等)する機能を有している。
【0066】
また、映像視聴装置7からアーカイブNDR5への映像の要求では、req_block_idの値とsearch_valの値からなる映像要求コマンドが用いられ、search_valの値が0である場合にはreq_block_idの値に最も近いフレームIDの映像データが取得され、search_valの値が正である場合にはreq_block_idの値より大きくて(本例では、未来方向で)その値に応じた番目のフレームIDの映像データが取得され、search_valの値が負である場合にはreq_block_idの値より小さくて(本例では、過去方向で)その値に応じた番目のフレームIDの映像データが取得される。
【0067】
従って、本例では、映像要求時の引数として、req_block_idの値とsearch_valの値を併用することにより、req_block_idの値に対応したフレームIDの映像データが間引き済みで存在しない場合においても、要求する映像データを特定することができる。このため、本例では、映像データが間引かれてフレームIDが離散化している場合においても、1単位の映像データ毎に映像データを要求する方式で、映像の再生を実現することができる。また、フレームIDの離散化に対応することができるため、例えば、フレームIDとして最初から離散値を用いても支障はなく、一例として、時刻を元にした値をフレームIDとして用いることも可能である。
【0068】
ここで、本例では、記録デバイスに記録された複数の単位の映像データについて、間引き等により識別情報(本例では、フレームID)が離散化している場合を示したが、例えば、記録デバイスに記録された複数の単位の映像データの識別情報(本例では、フレームID)が、例えば0、1、2、・・・などのように、連続している場合においても、本例と同様に、req_block_idの値とsearch_valの値を併用して、映像データの単位(本例では、フレーム)を指定することが可能である。
【0069】
なお、本例では、映像データの単位としてフレームの単位が用いられており、各単位の映像データに付加される識別情報の数値としてフレームIDが用いられており、映像データの要求に含まれる基準となる識別情報の数値としてreq_block_idの値が用いられており、映像データの要求に含まれる基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置(本例では、正又は負の方向と何番目であるかという距離、或いは、最寄)を示す数値としてsearch_valの値が用いられている。
また、本例のアーカイブNDR5(映像記録装置の一例)では、アーカイブNDR5の内部の記録デバイスの機能或いは配下にあるNDR1−1〜1−pの記録デバイスの機能により映像データの記録手段が構成されており、映像視聴装置7から映像データの要求を受け付ける機能により受付手段が構成されており、受け付けた映像データの要求に適合した映像データを自装置の記録デバイス又は配下にあるNDR1−1〜1−pの記録デバイスから検索して取得する機能により取得手段が構成されており、取得した映像データを要求元の映像視聴装置7へ送信(出力)する機能により出力手段が構成されている。
【0070】
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々なシステムや装置として提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施例に係るNDRが多段接続されたネットワーク映像監視システムの構成例を示す図である。
【図2】各装置による保持映像区間の一例を示す図である。
【図3】req_block_idにより指定されたフレームIDが間引き済みの映像データを示していて存在しない場合における、差分値seach_valの値に基づく処理の例を示す図である。
【図4】req_block_idにより指定されたフレームIDが間引き済みの映像データではなく存在する場合における、差分値search_valの値に基づく処理の例を示す図である。
【図5】順方向再生の処理の一例を示す図である。
【図6】逆方向再生の処理の一例を示す図である。
【図7】ネットワーク映像監視システムの一構成例を示す図である。
【図8】ネットワーク映像監視システムにおける映像データの流れの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
1−1〜1−p、11・・ネットワーク映像記録装置(NDR)、 2−1〜2−p、4、6、12・・ネットワーク、 3−11〜3−1r、3−21〜3−23、13−1〜13−m・・IPカメラ、 5・・アーカイブNDR、 7、14−1〜14−n・・映像視聴装置、 21・・制御装置のコンピュータボード、 22・・記録デバイス、 31・・ネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)、 32・・記録デバイスインターフェイス(記録デバイスI/F)、 33・・メモリ、 34・・CPU、 35・・制御バス、 41−1〜41−m・・カメラ用記録領域、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部或いは外部の記録手段に記録された複数の単位の映像データから要求された映像データを取得して出力する映像記録装置であって、
前記複数の単位の映像データの各々には識別情報として数値の情報が付加されており、
記録上で前記数値が隣り合う映像データの間における当該数値の差が一定ではなく、
当該映像記録装置は、基準となる識別情報の数値と当該基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値を含む映像データの要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた映像データの要求により指定された映像データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された映像データを要求元へ出力する出力手段と、を備えた、
ことを特徴とする映像記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の映像記録装置において、
前記取得手段は、前記映像データの要求に含まれる前記基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値が0である場合には、前記基準となる識別情報の数値に最も近い識別情報を有する映像データを取得し、前記映像データの要求に含まれる前記基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値が正である場合には、前記基準となる識別情報の数値より大きくて当該正の数値に応じた番目の識別情報を有する映像データを取得し、前記映像データの要求に含まれる前記基準となる識別情報の数値に対して相対的な位置を示す数値が負である場合には、前記基準となる識別情報の数値より小さくて当該負の数値に応じた番目の識別情報を有する映像データを取得する、
ことを特徴とする映像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−193453(P2008−193453A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−26382(P2007−26382)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】