説明

映写装置およびこれを用いた3次元映像映写システム

【課題】 長期に円滑な間欠動作でフィルムのコマ送り動作を実行することができる映写装置およびこれを用いた3次元映像映写システムを提供する。
【解決手段】 ビーム光発生手段11と、シャッタ部材9と、シャッタ駆動手段12と、フィルム13が張架される一対の第1案内リール14,15と、送り方向Dの下流側に配置される一方の第1案内リール14のさらに下流側に配置されて間欠的に回転駆動する間欠案内リール16と、間欠案内リールを、1コマ毎に間欠的に回転駆動するパラレルカム機構から成る第1リール駆動手段17と、間欠案内リールよりも下流側および他方の第1案内リール15よりも上流側に設けられる一対の第2案内リール18,19と、一対の第2案内リールを、シャッタ駆動手段および第1リール駆動手段に同期して、回転方向に連続的に回転駆動する第2駆動手段20とによって、映写装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光透過開口を有するシャッタを連続回転させるシャッタ部と、フィルムを間欠的に送り駆動するフィルム間欠送り部と、フィルムを送り方向に連続的に送り駆動するフィルム連続送り部とが、独立した3つの駆動系によって同期して駆動される3軸独立駆動の映写装置およびこれを用いた3次元映像映写システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊園地やテーマパークなどには、3次元立体映像を用いたアトラクション施設が設けられている。3次元立体映像を実現する方法としては、様々な方法が発案されているが、一例として次のような方法によって実現することができる。
【0003】
この方法では、右目用の映像を投影する右目用映写装置と、左目用の映像を投影する左目用映写装置とを設け、これらの映写装置を同期運転させて、右目用の映像と左目用の映像とをスクリーンに同時に投影し、この投影された映像を、看者が偏光めがねを装着した状態で視認することによって、3次元立体映像を看取することができる。
【0004】
3次元立体映像を投影する映写装置は、光透過開口を有するシャッタを連続回転させるシャッタ部と、フィルムを間欠的に送り駆動するフィルム間欠送り部と、フィルムを送り方向に連続的に送り駆動するフィルム連続送り部とを備え、これらが独立した3つの駆動系によって同期して駆動される3軸独立駆動の映写機が用いられている。
【0005】
このような映写装置では、各駆動部を独立した電動機によって運転している。映写フィルムのコマ送りは、「間欠送り」であるために、フィルム間欠送り部の駆動部に備えられる電動機は一コマの投影中はフィルムの送りを停止し、一定時間経過後に次の一コマまでフィルムを送るように制御される。たとえば、静止映像を30コマ/秒で投影して動画を映写する場合、電動機は1/30秒周期で断続運転制御される。
【0006】
前記断続運転制御においては、具体的には、フィルム間欠送りを実現する駆動部に接続される電動機に、フィルム送りの瞬時に過負荷状態になる起動電流を流し、停止制動時に起動電流とは逆の電流を流すことによって、電動機を間欠駆動運転させ、これを繰り返すことでフィルム間欠送りを行なっている。
【0007】
しかしながら、このような運転状態を長時間続けると、電動機は発熱して高温になり、絶縁材の性能が低下して、絶縁不良が発生してしまうという問題がある。また電動機が直流電動機の場合には、整流子やブラシに過度な電流が流れることになり、整流子部の焼損やブラシの異常磨耗が発生してしまうという問題もある。さらに電動機に、短時間での起動および停止を繰り返し要求するため、通常の回転子を持った直流電動機または交流電動機を、フィルム間欠送り部分に用いることができず、該部分には、回転する慣性モーメント(イナーシャー)が極度に低い特殊な電動機を使用する必要がある、といった問題も生じる。
【0008】
このような問題を解消するために、電動機の出力軸にゼネバ歯車機構を取付けて、電動機を連続運転し、このゼネバ歯車機構によって、フィルムの間欠送りを実現する映写装置が提案されている(たとえば特許文献1参照)。この従来技術に係る映写装置では、電動機を一定速度で回転制御をすることによって、フィルムの間欠送り動作を実現することができるので、前述した映写装置の問題点を解消することができる。
【0009】
図11は、従来技術に係る映写装置が備えるゼネバ歯車機構の構成を示す図である。従来技術の映写装置に用いられるゼネバ歯車機構は、ホロア301とカム310とによって構成される。ホロア301は、円盤状のホロア本体302と、ホロア本体302の一表面にホロア本体302から突出して形成され、角度θ1に亘って周方向に分断された直円筒状の一部を成す案内面303を有する案内突条304と、前記一表面の半径方向外方の位置にホロア本体302から突出して形成される円柱状のピン305とを有する。ホロア本体302の中心には、軸孔306が形成され、この軸孔306には、入力軸307が嵌まり込んで固定されている。
【0010】
案内突条304の回転方向Aの上流に臨む端面308と、案内突条304の回転方向Aの下流に臨む端面309とは、角度θ1をあけて周方向に離間している。ピン305は、各端面308,309の周方向中央位置に形成される。具体的に説明すると、ピン305は、図11において、各端面308,309が回転軸線L1に関して成す角度θ1の1/2の角度位置、すなわちθ1/2=θ2=θ3を成す位置で、かつ回転軸線L1を含む一半径線に直交する中心軸線L2上の位置に形成される。
【0011】
カム310は、中心軸線L3に関して半径方向外方に放射状に、かつ、周方向に角度θ4(120°)をなして突出する複数(3つ)の案内凸部311と、各案内凸部311の基端部が同一平面上で一体的に連なり、出力軸313が嵌まり込んで固定される軸孔314が形成される基部312とを有する。
【0012】
各案内凸部311は、互いに隣接する各一対の案内部分315a,315bを有し、各案内部分315a,315b間には、U字状の第1カム溝316が形成される。各案内部分315a,315bの周方向に隣接する案内部分315a,315b間には、円弧状の第2カム溝317が形成される。各第1カム溝316の幅ΔL1は、ピン305の直径とほぼ同一もしくはやや大きく形成される。
【0013】
ホロア301が回転方向Aに回転すると、ピン305は、カム310の第1カム溝316の先端から基部に向かって案内される。このときピン305の外周面と、第1カム溝316の内周面である第1カム面318とは当接しまたこのとき案内突条304の案内面303と、カム310の外周面の一部である第2カム面319とは当接する。そして、ホロア301がさらに回転方向Aに回転すると、ピン305は、第1カム溝316の基部側に案内され、これに伴なってカム310は、回転方向Bに回転する。
【0014】
カム310が回転方向Bに45°回転したとき、ピン305は、カム310の回転軸線L3に最も近接する。そして、さらにホロア301が回転方向Aに回転すると、ピン305は、カム溝316の基部から先端に向かって案内される。カム310が回転方向Bに120°回転すると、ピン305と第1カム面318との接触はなくなり、カム310の回転は中断する。
【0015】
ホロア301の回転方向Aへの回転は、その後も継続されるが、ピン305と第1カム面318との接触がなくなった状態でこの回転が継続されるから、カム310の回転は停止した状態に維持される。この間、案内突条304の案内面303は、カム310の第2カム面319に接触した状態で回転軸線L1のまわりに回転移動する。そして、ホロア301がさらに240°回転すると、ピン305が、カム310の前記とは120°下流側に位置するカム溝316内に進入してゆく。この進入にともない、ピン305は、前記と同様にカム310の第1カム溝316の先端から基部に向かって案内され、さらに、基部から先端に向かって案内され、これによって、カム310は、回転方向Bに120°回転する。その後、ピン305と第1カム面318との接触はなくなり、カム310の回転は再度中断する。この中断はホロア301が240°回転する間、継続される。
【0016】
このように、ホロア301の回転軸線L1まわりの連続回転において、ホロア301の120°回転に同期してカム310も回転軸線L3まわりに120°回転するが、その後のホロア301の240°回転の間はカム310が停止状態に維持される。以上の動作を繰り返えすことによって、カム310の間欠回転を実現し、これによってフィルムの間欠送りを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平10−78616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、映写装置では、30コマ/秒での間欠送り動作が要求されるので、前述したゼネバ歯車機構によって間欠動作を実現すると、ピン305は、案内凸部311内を高速で揺動することになり、そのためピン305が、第1カム面318との摩擦によって磨耗してしまう。そしてピン305が磨耗すると、間欠送り動作にばらつきが生じ、これによって各フィルムの同期状態を維持できなくなる。したがって、従来技術では、長期間にわたって3D立体映像を実現することはできず、また2台の映写装置の同期状態を維持するために、ゼネバ歯車機構を頻繁に交換する必要が生じるという問題がある。
【0019】
本発明の目的は、長期間にわたって安定した間欠動作でフィルムをコマ送りすることができる映写装置、およびこれを用いた3次元映像映写システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の映写装置は、投影用ビーム光を発生するビーム光発生手段と、
前記ビーム光発生手段から投射される前記投影用ビーム光が通過可能な開口が周方向に等間隔をあけて形成され、各開口が投影用ビーム光の通過経路を順次的に横切る位置に配置されるシャッタ部材と、
前記シャッタ部材を回転駆動するシャッタ駆動手段と、
前記投影用ビーム光の光軸に交差するフィルム送り経路に沿ってフィルムが巻き掛けられて張架される一対の第1案内リールと、
前記一対の第1案内リールのうち予め定める送り方向の下流側に配置される一方の第1案内リールのさらに下流側に配置されて間欠的に回転駆動する間欠案内リールと、
前記間欠案内リールを、1コマ毎に間欠的に回転駆動する第1リール駆動手段と、
前記間欠案内リールよりも前記予め定める送り方向下流側および前記他方の第1案内リールよりも前記予め定める送り方向上流側に設けられる一対の第2案内リールと、
前記一対の第2案内リールを、前記シャッタ駆動手段および前記第1リール駆動手段に同期して、前記送り方向に従う回転方向に連続的に回転駆動する第2駆動手段とを含み、
前記第1リール駆動手段は、
連続的な回転力が入力される入力軸と、
前記入力軸に固定され、第1カム面を有する第1カム部材と、
前記入力軸に固定され、前記第1カム部材の第1カム面とは位相が異なる第2カム面を有する第2カム部材と、
前記第1カム部材の第1カム面によって案内される複数の第1ホロアが周方向に等間隔に設けられる第1回転体と、
前記各第1ホロアとは周方向にずれた角度位置に設けられ、第2カム部材の第2カム面によって案内される複数の第2ホロアを有する第2回転体と、
第1および第2回転体が固定される出力軸とを備え、
前記第1カム面による第1ホロアの運動と、第2カム面による第2ホロアの運動とによって、前記出力軸に間欠的な回転運動が出力されることを特徴とする映写装置である。
【0021】
本発明に従えば、ビーム光発生手段によって投影用ビーム光が発生される。このビーム光発生手段から投射される前記投影用ビーム光は、シャッタ駆動手段によって回転駆動されるシャッタ部材によって、通過あるいは遮断が成される。前記投影用ビーム光の光軸に交差するフィルム送り経路に沿って送られるフィルムに、通過したビーム光が投射される。このフィルムは、一対の第1案内リールにフィルム送り経路に沿うよう巻き掛けられて張架されており、第1リール駆動手段によって間欠的に回転駆動する間欠案内リールの送り作用を受け、一対の第1案内リールにガイドされて1コマ毎に間欠的に送られる。フィルムの送りが停止しているときにビーム光がフィルムに投射され、フィルムが送られるときにはビーム光が遮断されるように、第1リール駆動手段と同期して、シャッタ部材がシャッタ駆動手段によって回転駆動される。また、前記間欠案内リールよりも前記予め定める送り方向下流側および前記他方の第1案内リールよりも前記予め定める送り方向上流側には、一対の第2案内リールが設けられており、この一対の第2案内リールは、第2駆動手段によって、前記シャッタ駆動手段および前記第1リール駆動手段に同期して、前記送り方向に従う回転方向に連続的に回転駆動される。
【0022】
そして、前記第1リール駆動手段によって、連続的な回転力が入力される入力軸に固定される第1カム部材および第2カム部材の連続的回転に伴い、第1カム部材の第1カム面による第1回転体の第1ホロアの運動と、第2カム部材の第2カム面による第2回転体の第2ホロアの運動とによって、第1および第2回転体が固定される出力軸に間欠的な回転運動が出力される。この出力軸の間欠的な回転運動によって、フィルムが1コマ毎に間欠的に送られる。
【0023】
さらに、本発明の映写装置は、前記間欠案内リールと前記一対の第2案内リールのうち前記送り方向の下流側に配置される一方の第2案内リールとの間および前記他方の第1案内リールと前記他方の第2案内リールとの間には、前記フィルムが弛緩させた状態で介在されることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、第2案内リールが第2リール駆動手段によって、フィルムの送り方向に従う回転方向に連続的に回転駆動され、前記第1リール駆動手段によるフィルムの間欠送りがなされても、第2リール駆動手段によるフィルム送り力がフィルムの弛緩部分で吸収されるから、光ビームの投射部分においては、フィルムが所定の間欠パターンに確実に倣った状態で安定したコマ送りが実現され、映像の乱れ等が生じるおそれがない。また、フィルムに過重な張力がかからず、フィルムに破断等の毀損が生じるおそれもない。
【0025】
また、本発明の3次元映像映写システムは、前記いずれかの映写装置から成り、右目用画像が記録された右目用フィルムの画像を、予め定める設置位置に設けられるスクリーン上に投影する右目用映写装置と、
前記いずれかの映写装置から成り、左目用画像が記録された左目用フィルムの画像を、前記スクリーン上に投影する左目用映写装置と、
前記右目用映写装置および左目用映写装置を、投影動作が同期するように制御する制御手段とを含むことを特徴とする3次元映像映写システムである。
【0026】
本発明に従えば、右目用画像が記録された右目用フィルムの画像をスクリーン上に投影する右目用映写装置および左目用画像が記録された左目用フィルムの画像を同一のスクリーン上に投影する左目用映写装置が、投影動作が同期するよう、制御手段によって制御され、これによって、スクリーン上には3次元の映像が映写される。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、第1リール駆動手段によって第1リールが間欠駆動されるので、ゼネバ歯車機構のような断続的な間欠アクション時における機構上の衝撃が少なく、衝撃荷重が大きく発現することによって部品の短寿命化に繋がるような不具合が生じない。
【0028】
また、フィルムの間欠送り動作が、第1リール駆動手段を構成する連続した接触状態の機構によって成されるから、断続的な間欠動作時における機構上の衝撃の発生が極めて少なく円滑に運転され、振動による影響がなく、画質低下を生じない。また、第1リール駆動手段の駆動源としての電動機自体が間欠動作をしないため、設計上必要なトルクと出力を持ったサーボ型電動機であれば適用が可能であり、汎用性があり、設計上の自由度が向上される。
【0029】
このような映写装置を用いて構成される3次元映像映写システムにおいては、その制御手段として、電動機電源増幅器や電動機制御器などの専用の制御手段を不要とし、汎用で多軸制御が可能なものを使用することができる。一制御手段で多軸制御が可能なことから、右目用映写装置および左目用映写装置で使用する電動機を一括で制御することができ、立ち上がり速度等を同期させて、従来発生していた左右のコマズレの抑制を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態の映写装置2の概略的構成を示す系統図である。
【図2】図1に示す映写装置2を右目用映写装置として用い、映写装置3を左目用映写装置として用いた3次元映像映写システム1による3次元映像の映写原理を説明するための図である。
【図3】図1に示す映写装置2の概略的構成を示す斜視図である。
【図4】映写装置2に採用される第1リール駆動手段17の側面図である。
【図5】第1リール駆動手段17を図4の左側から見た正面図である。
【図6】図5の切断面線VI−VIから見た第1リール駆動手段17の断面図である。
【図7】図6の切断面線VII−VIIから見た第1リール駆動手段17の断面図である。
【図8】第1リール駆動手段17における入力軸25の回転に伴う出力軸30の回転状態を示すシフト線図である。
【図9】3次元映像映写システム1の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図10】図10(a)は第2リール駆動手段20用電動機21の回転速度のタイムチャートを示し、図10(b)はシャッタ駆動手段12の回転速度のタイムチャートを示し、図10(c)は第1リール駆動手段17における電動機170の回転速度のタイムチャートを示し、図10(d)は第1リール駆動手段17における出力軸30の回転速度のタイムチャート図を示す。
【図11】従来の間欠運動変換手段の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は本発明の一実施形態の映写装置の概略的構成を示す系統図であり、図2は図1に示す映写装置2を右目用映写装置として用い、この映写装置2と同様に構成される映写装置3を左目用映写装置として用いた3次元映像映写システム1による3次元映像の映写原理を説明するための図である。なお、右目用映写装置2は左目用映写装置3と同様に構成されるため、主として右目用映写装置2の構成について説明し、左目用映写装置3の構成については重複する説明は省略する。
【0032】
まず、図2を参照して、本実施形態の映写装置が適用される3次元映像映写システムを、その前提となる3次元映像撮像システムとともに説明する。この3次元映像映写システム1においては、右目用の映像を投影する右目用映写装置2と、左目用の映像を投影する左目用映写装置3とを設け、2台の映写装置2,3を同期運転させて、右目用の映像4と左目用の映像5とをスクリーン6に同時に投影し、この投影された映像7を、偏光めがね8を装着した看者80が視認することによって、3次元の立体映像70として認識することができるよう構成されている。
【0033】
各映写装置2,3は、間欠的にコマ送りされる画像フィルムの送り動作に同期してビーム光発生手段から発せられるビーム光を遮断および通過させてフィルム13に投射させるシャッタ部材9,10を備えている(図1参照)。また、フィルム13を透過した投影光を偏光する偏光フィルタ41,51が、各映写装置2,3の前方に設置されている。右目用の映像4および左目用の映像5は、3次元映像撮像システム100において、右目用および左目用偏光フィルタ103,104をそれぞれ取付けた右目映像用および左目映像用撮影カメラ101,102で、被写体105を、被写体105の中心軸線に関して両側から撮影し、フィルム13(図1参照)に記録することによって得ることができる。
【0034】
このような3次元映像映写システム1においては、フィルム送り、シャッタ駆動、フィルム間欠送りの駆動部を有し、それぞれを電動機(モータ)によって駆動している。フィルムで動画を投影する場合は、静止映像の一コマを連続して投影するために、一コマの投影中はフィルムを送ることを停止し、一定時間経過後に、次の一コマまでフィルムを送る「フィルム間欠送り」をしている。そのため、フィルムの移動中の映像は、「シャッタ機構」によってブロックされて投影されない仕組みとなっている。フィルムの一コマの投影は、滑らかな動画になるほど時間あたりのコマ数が増えるが、世界的な動画の規格から、30コマ/秒等になっている。一例として、30コマ/秒の動画映写装置では、「分割フィルム送り装置」が、1/30秒の断続運転を繰り返して静止映像を30コマ/秒で投影している。このために、「間欠フィルム送り装置」に吸い込まれるフィルムは、瞬間的な断続運転を円滑にかつ継続的に実施するために、フィルムの映写対象とする複数コマよりも送り方向上流側の領域には、急激な送り移動による過剰な張力増加を抑制するための「余裕」が必要であり、常に弛みをもって「フィルム送り装置」から連続した状態で供給される。
【0035】
シャッタは等速回転し、パーフォレーションを有するフィルムの1コマに相当する大きさの開口部が形成され、光源から照射された光を開口部を通過させ、開口部に位置決めされたフィルムの1コマの画像をスクリーン6に投影する。
【0036】
次に、前記右目用および左目用映写装置2,3の構成について説明する。図3は、図1に示す映写装置2の概略的構成を示す斜視図である。本実施形態の映写装置2は、ビーム光発生手段11と、シャッタ部材9と、シャッタ駆動手段12と、一対の第1案内リール14,15と、間欠案内リール16と、第1リール駆動手段17と、第2案内リール18,19と、第2駆動手段20とを含む。
【0037】
前記ビーム光発生手段11は投影用ビーム光11cを発生するよう構成される。前記シャッタ部材9は、前記ビーム光発生手段11から投射される前記投影用ビーム光11cが通過可能な開口91が周方向に等間隔をあけて形成され、各開口91が投影用ビーム光11cの通過経路を順次的に通過する位置に配置される。前記シャッタ駆動手段12は前記シャッタ部材9を連続回転駆動する。前記一対の第1案内リール14,15は、前記投影用ビーム光11cの光軸に交差するフィルム送り経路Fに沿ってフィルム13が巻き掛けられて張架されている。前記間欠案内リール16は、前記一対の第1案内リール14,15のうち予め定めるフィルム13の送り方向Dの下流側に配置される一方の第1案内リール14のさらに下流側に配置されて間欠的に回転駆動する。
【0038】
前記第1リール駆動手段17は、前記間欠案内リール16を1コマ毎に間欠的に回転駆動するよう構成される。前記一対の第2案内リール18,19は、前記間欠案内リール15よりも前記予め定める送り方向Dの下流側および前記他方の第1案内リール15よりも前記予め定める送り方向Dの上流側に設けられる。前記第2駆動手段20は、前記一対の第2案内リール18,19を、前記シャッタ駆動手段12および前記第1リール駆動手段17に同期して、前記送り方向Dに従う回転方向に連続的に回転駆動する。前記フィルム13には、前記右目用の映像4が記録されている。
【0039】
前記ビーム光発生手段11は、光源ランプ11aと、この光源ランプ11aからの光を集光して投影用ビーム光11cとする集光レンズ11bとを備える。前記シャッタ部材9は、連続回転する電動機からなるシャッタ駆動手段12の出力軸に固着された回転円板90からなり、前記開口91は、この回転円板90を周方向に60°毎に間隔をあけて切欠き、60°の開き角を成す扇形に形成されている。第2駆動手段20は、連続回転する電動機21と、この電動機21の出力軸に固着された駆動用プーリ22と、前記一対の第2案内リール18,19に同軸に固着された従動用プーリ18a,19aおよび駆動用プーリ22にそれぞれ巻きかけられたタイミングベルト23,24とを備える。
【0040】
電動機21の回転によって、一対の第2案内リール18,19が前記送り方向Dに従う回転方向b、cに連続的に回転駆動される。一対の第1案内リール14,15には、送られるフィルム13をガイドするガイドリール14a、15aがそれぞれと対を成すよう設けられている。この一対の第1案内リール14,15とこれらに対を成すよう設けられるガイドリール14a、15aとにより、投影用ビーム光11cの投影位置においてフィルム13がばた付くことなく走行する。また、間欠案内リール16には、送られるフィルム13をその周面に沿うようガイドするフィルム押さえ部材16aが設けられている。さらに、前記一対の第2案内リール18,19には、送られるフィルム13をその周面に沿うようガイドするフィルム押さえ部材18b、19bが設けられている。一方の第2案内リール18に設けられるフィルム押さえ部材18bは、支持軸18cを支点として矢印eのように揺動自在に支持され、第2案内リール18の周面に対して接離可能とされている。前記間欠案内リール16および一対の第2案内リール18,19のそれぞれには、それぞれの軸線方向両端部の周方向に沿って、フィルム13の幅方向両端部に長手方向に沿って形成される図示しないパーフォレーションに嵌まり込む多数の爪(図示を省略)が等間隔で形成されている。
【0041】
前記第2リール駆動手段20の駆動用プーリ22は、電動機21の連続回転によって、矢印a方向に回転し、これによって、前記一対の第2案内リール18,19は、フィルム13を前記D方向に送るよう、それぞれ矢印b,c方向に回転する。また、間欠案内リール16は、第1リール駆動手段17の間欠駆動により、フィルム13を前記D方向に間欠送りするよう矢印d方向に間欠回転する。このように、一対の第2案内リール18,19は連続回転するが、間欠案内リール16は間欠回転するので、フィルム13の送り量に時間的な差が生じ、前記他方の第1案内リール15と他方の第2案内リール19との間にはフィルム13の弛緩部13aが形成される。また、間欠案内リール16と前記一方の第2案内リール18との間に、弛緩部13bを形成するとともに、間欠案内リール16が停止しているときに、前記フィルム押さえ部材18bを退避させて、フィルム13に対する送り力が付与されないようにしている。これによって、間欠案内リール16と前記一方の第2案内リール18との回転動作の違いによって、フィルム13に過重な張力がかからず、間欠案内リール16によるフィルム13の間欠送りが円滑になされる。
【0042】
このような構成の映写装置2において、ビーム光発生手段11からの投影用ビーム光11cはシャッタ部材9に投射される。そして、一コマの投影中はフィルム13を送ることを停止し、投影用ビーム光11cは、シャッタ部材9の開口91を通過してフィルム13に投影される。開口91を通過しフィルム13の1コマの映像が反映された投影光11dはスクリーン6(図2参照)に投影されて映写され、この映写は左右の映写装置2,3によって同時に成され、前記のように偏光めがね8によって看者80をして3次元の立体映像70が視聴し得る映像7として映写される。そして、一定時間経過後には、次の一コマまでフィルム13を送るフィルム分割送りがなされる。そのために、フィルム13の移動中の映像は、シャッタ部材9の回転円板90によってブロックされて投影されないようシャッタ駆動手段12が、間欠案内リール16の動作と同期して回転駆動するよう構成されている。
【0043】
図4は映写装置2に採用される第1リール駆動手段17の側面図であり、図5は第1リール駆動手段17を図4の左側から見た正面図であり、図6は図5の切断面積VI−VIから見た第1リール駆動手段17の断面図であり、図7は図6の切断面積VII−VIIから前記第1リール駆動手段17の断面図である。第1リール駆動手段17について、図4〜図7を参照して説明する。本実施形態の第1リール駆動手段17は、連続回転する電動機170と、パラレルカム機構を内装するカムハウジング171と、出力軸ハウジング172とを連接した状態で備えている。電動機170の出力軸にはその連続的な回転力が入力される入力軸25が連結され、該入力軸25は、前記カムハウジング171にベアリング25a、25bを介して軸回転可能に支持されている。カムハウジング171内において、前記入力軸25には、2枚の板カムからなる第1カム部材26および第2カム部材27が、入力軸25の軸線に直交するよう固定されている。第1カム部材26および第2カム部材27は、いずれも遠心方向に膨出する第1カム面261および第2カム面271を有しており、該第1カム面261および第2カム面271の周方向の位相が互いに異なるように入力軸25に固定されている。また、第1カム面261および第2カム面271の形状は、入力軸25の径線を中心に線対称の形状とされている。
【0044】
前記カムハウジング171内の上半部には、前記第1カム部材26の第1カム面261によって案内される3個の第1ホロア281,282,283が周方向に等間隔(120°ピッチ)に設けられる第1回転体28と、前記各第1ホロア281,282,283とは周方向に60°ずれた角度位置に設けられ、第2カム部材27の第2カム面271によって案内される3個の第2ホロア291,292,293を有する第2回転体29とが、出力軸30とともに軸回転可能に備えられている。第1および第2回転体28,29は、図示では一体物からなり、出力軸30に直交するよう一体に固定されている。出力軸30は前記入力軸25に平行とされ、前記カムハウジング171にベアリング30a,30bによって軸回転可能に支持されている。第1ホロア281,282,283および第2ホロア291,292,293は、前記一体の第1および第2回転体28,29の表裏に設けられ、いずれも同径のローラ形状とされている。このローラ形状の第1ホロア281,282,283および第2ホロア291,292,293の軸線は入力軸25および出力軸30の軸線と平行とされている。これらの機構は、パラレルカム機構を構成し、前記カムハウジング171内に、図示を省略する潤滑油とともに収納されている。
【0045】
なお、図6では、便宜上第1ホロア281,282,283および第2ホロア291,292,293のうち一部の図示を省略している。
【0046】
前記のように構成される第1リール駆動手段17は、前述の通り公知のパラレルカム機構に相当し、図示の例では入力軸25の1回転で出力軸30が1/3回転(120°)ずつ断続回転するよう構成されたものである。この動作を、図7および図8を参照して説明する。
【0047】
図7において、第1カム面261のカム作用起点となる裾部261aに第1ホロア281が接しており、この状態で入力軸25が矢印x方向に回転すると、第1カム面261の斜面261bの第1ホロア281に対する作用によって、第1ホロア281が図7の右上方に押出され、第1回転体28が第2回転体29とともに矢印y方向に回転し、出力軸30も矢印y方向に回転する。この回転作用に伴い、第2ホロア291が、第2カム面271の立ち上がり基部271aの回転方向上流側に近接して設けられた凹部272に嵌り込む。第1ホロア281が、図7の2点鎖線位置に示すように前記斜面261bの終端部262cに達すると、第2ホロア291が第2カム面271の立ち上がり基部271aに当接する。前記終端部262cに連続する第1カム面261の頂部261dは、入力軸25の軸線からの距離が増大しない平坦面とされ、したがって、入力軸25の回転がさらに継続しても、この頂部261dは第1ホロア281に対してさらに右上方に押出すような力は作用しない。
【0048】
第2カム面271の立ち上がり基部271aに連続する凸曲状斜面271bは第2ホロア291に作用し、第2ホロア291が右上方に押出され、第2回転体29が第1回転体28とともに矢印y方向に回転し、出力軸30も矢印y方向に引続き回転する。第2カム面271の斜面271bが第2ホロア291に作用する過程で、第1回転体28の次の第1ホロア282が、前記第1カム面261の頂部261dから凸曲状斜面261eを経て連続的に形成された凹部262に嵌り込む。そして、第2ホロア291が前記傾斜面271bの終端部271cに達し、該終端部271cを過ぎると第2カム面271の頂部271dに第2ホロア291が至る。第2カム面271の頂部271dは、第1カム面261の頂部261dと同様に入力軸25の軸線からの距離が増大しない平坦面とされているから、引き続き入力軸25がx方向に回転しても第1カム面261が第2ホロア291に対して作用せず、この状態で第1回転体28および第2回転体29が前記初期の状態から120°回転した位置で静止する。その後の引続く入力軸25の回転の間、120°位置移動した第1ホロア282および第2ホロア292が、図7に示す第1ホロア281および第2ホロア291と同じ位置で静止した状態で、第1カム部材26および第2カム部材27の入力軸25の軸線を曲率中心とする非作用曲面263,273を相対摺接する。
【0049】
引続く入力軸25のx方向の回転により、1回転した第1カム部材26および第2カム部材27のそれぞれのカム面261,271は、第1ホロア282および第2ホロア292に同様に作用し、第1回転体28、第2回転体29および出力軸30が120°回転し、その後停止する。さらに、引続く入力軸25のx方向の回転により、第1カム部材26および第2カム部材27のそれぞれのカム面261,271は、第1ホロア283および第2ホロア293に同様に作用し、第1回転体28、第2回転体29および出力軸30がさらに120°回転し、その後停止する。このようにして、入力軸25の1回転毎に、出力軸30が120°回転した後静止し、入力軸25の連続的な回転によってこれが繰り返され、出力軸30の一定間隔の間欠回転が実現される。
【0050】
このような構成のパラレルカム機構においては、第1カム部材26のカム面261が第1ホロア281,282,283のいずれかに作用して出力軸30を所定角度回転させた後、第2カム部材27のカム面271が第2ホロア291,292,293のいずれかに作用して出力軸30をさらに所定角度回転させ、この複合作用によって出力軸30を120°回転させるよう機能する。したがって、連続回転を断続的な回転に変換する場合における機構的な衝撃が少なく、構成部品の長寿命化が図られるとともに、所定間隔ごとのフィルム13の間欠送りが的確に成される。
【0051】
図8は入力軸25の連続回転に伴う出力軸30のシフト量(角変化)を示している。第1カム部材26および第2カム部材27の第1カム面261および第2カム面271が、第1ホロア281,282,283および第2ホロア291,292,293のいずれかに作用している間は、出力軸30が回転する。出力軸30が120°回転して第1カム部材26および第2カム部材27が作用域から外れると、出力軸30がこの120°シフトした位置に静止する。入力軸25が360°回転すると、再度第1カム面261および第2カム面271が、第1ホロア281,282,283および第2ホロア291,292,293のいずれかに作用し、出力軸30は120°回転する。第1カム面261および第2カム面271の第1ホロア281,282,283および第2ホロア291,292,293のいずれかに対する作用域は、両カム面261,271の位置関係および形状によって定められ、本実施形態では約60°とされている。
【0052】
このような第1リール駆動手段17の作用により、前記出力軸30に固着された間欠案内リール16が矢印d方向に間欠回転し、これに伴い、フィルム13が矢印D方向に間欠送りされる。フィルム13が停止しているときは、前記シャッタ部材9の開口部71が前記投影用ビーム光11cが通過し得る位置になるよう、また、フィルム13が矢印D方向に送られているときは、投影用ビーム光11cがシャッタ部材9の回転円板90によってブロックされてフィルム13に投影されないよう、前記シャッタ駆動手段12が同期駆動制御される。第1リール駆動手段の前記電動機170は、たとえば1/60000secのパルス幅のパルスによってパルス幅制御(略称PWM)され、投影用ビーム光11cのフィルム13に対する投影は5〜15秒/1シーンの映写となるよう設定される。そして、第1リール駆動手段17によるフィルム13の所定間隔ごとの間欠送りが的確に成されることによって、左右の映像のコマの不同調の発生を低減でき、映像品質の高い3次元映像映写を実施することができる。
【0053】
図9は、本実施形態の3次元映像映写システム1の電気的構成を説明するためのブロック図である。右目用映写装置2および左目用映写装置3の各電動機12,21,170は、AC電源31に接続され、このAC電源31を動力源としている。ここでは、左目用映写装置3の各電動機も、便宜上右目用映写装置2の対応する電動機12,21,170と同一の参照符を付している。また、システム全体制御部32、システム映像制御部33およびプロジェクタ制御部34を備え、それぞれのシステムの制御がなされる。以下、さらに具体的に説明する。前記各電動機12,21,170は、それぞれオペアンプ12A,21A,170Aを介してAC電源31に接続され、プロジェクタ制御部34によってその回転制御がなされる。
【0054】
システム全体制御部32は、たとえば、本システム1が採用されるアトラクション等において、ゲスト(図2の看者80)が乗物に乗って前記映像を視認するよう構成されている場合、この乗物の走行制御等を行う。また、システム映像制御部33は、右目用映写装置2および左目用映写装置3による前記投影動作が同期するよう制御し、プロジェクタ制御部34において、各電動機12,21,170の回転制御と、前記ビーム光発生手段11の発光制御が同期するように実行される。前記システム全体制御部32、システム映像制御部33およびプロジェクタ制御部34は、コンピュータによって実現される。
【0055】
図10は、前記のように制御される各電動機12,21,170の回転速度の変化を示すタイムチャート図と、電動機170によって出力される出力軸30の回転速度の変化を示すタイムチャート図である。図10(a)は、第2リール駆動手段20の電動機21の回転速度の変化を示しており、一定速度に維持される。また、図10(b)はシャッタ駆動手段(電動機)12の回転速度の変化を示しており、一定速度に維持される。さらに、図10(c)は第1リール駆動手段17の電動機170、すなわち、入力軸25の回転速度の変化を示しており、一定速度に維持される。これらは、いずれも同期するよう前記プロジェクタ制御部34によって制御される。そして、図10(d)は第1リール駆動手段17における出力軸30の回転速度の変化を示しており、第1リール駆動手段17を構成する前記パラレルカム機構の作用によって、一定速度で連続回転する入力軸25の回転が間欠回転に変換されて出力軸30に出力されることを示している。
【0056】
このように、電動機170は一定速度で連続回転し、電動機自体を間欠回転するよう制御するものではないから、3種の電動機12,21,170の同期制御が極めて簡易で、電動機電源増幅器や電動機制御機などの複雑な制御装置を要さず、多軸制御可能な汎用の制御装置を使用することができ、電動機としてもサーボモータなどの安価な交流モータを使用することができる。さらに、一台の制御装置で多軸制御が可能となることにより、右目用および左目用映写装置2,3に使用している全ての電動機を一括で制御でき、立ち上がり速度を同期させて、左右の映像のコマズレの発生を効果的に抑制することができる。
【0057】
なお、本実施形態の第1リール駆動手段17では、入力軸25の1回転で、出力軸30が1/3回転するパラレルカム機構を採用しているが、これに限定されず、たとえば、1/2回転あるいは1/4回転するようなパラレルカム機構も採用することができる。これらは、第1ホロアおよび第2ホロアの数および配置の設定などによって実現される。また、シャッタ部材9の開口91の数を3個としたが、これに限定されず、たとえば、2個あるいは4個とすることも可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 3次元映像映写システム
2 右目用映写装置
3 左目用映写装置
6 スクリーン
9,10 シャッタ部材
11 ビーム光発生手段
11c 投影用ビーム光
12 シャッタ駆動手段
13 フィルム
14 一方の第1案内リール
15 他方の第1案内リール
16 間欠案内リール
17 第1リール駆動手段
18 一方の第2案内リール
19 他方の第2案内リール
20 第2リール駆動手段
25 入力軸
26 第1カム部材
27 第2カム部材
28 第1回転体
29 第2回転体
30 出力軸
34 制御手段
261 第1カム面
271 第2カム面
281,282,283 第1ホロア
291,292,293 第2ホロア
D フィルム送り方向
F フィルム送り経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影用ビーム光を発生するビーム光発生手段と、
前記ビーム光発生手段から投射される前記投影用ビーム光が通過可能な開口が周方向に等間隔をあけて形成され、各開口が投影用ビーム光の通過経路を順次的に通過する位置に配置されるシャッタ部材と、
前記シャッタ部材を回転駆動するシャッタ駆動手段と、
前記投影用ビーム光の光軸に交差するフィルム送り経路に沿ってフィルムが巻き掛けられて張架される一対の第1案内リールと、
前記一対の第1案内リールのうち予め定める送り方向の下流側に配置される一方の第1案内リールのさらに下流側に配置されて間欠的に回転駆動する間欠案内リールと、
前記間欠案内リールを、1コマ毎に間欠的に回転駆動する第1リール駆動手段と、
前記間欠案内リールよりも前記予め定める送り方向下流側および前記他方の第1案内リールよりも前記予め定める送り方向上流側に設けられる一対の第2案内リールと、
前記一対の第2案内リールを、前記シャッタ駆動手段および前記第1リール駆動手段に同期して、前記送り方向に従う回転方向に連続的に回転駆動する第2駆動手段とを含み、
前記第1リール駆動手段は、
連続的な回転力が入力される入力軸と、
前記入力軸に固定され、第1カム面を有する第1カム部材と、
前記入力軸に固定され、前記第1カム部材の第1カム面とは位相が異なる第2カム面を有する第2カム部材と、
前記第1カム部材の第1カム面によって案内される複数の第1ホロアが周方向に等間隔に設けられる第1回転体と、
前記各第1ホロアとは周方向にずれた角度位置に設けられ、第2カム部材の第2カム面によって案内される複数の第2ホロアを有する第2回転体と、
第1および第2回転体が固定される出力軸とを備え、
前記第1カム面による第1ホロアの運動と、第2カム面による第2ホロアの運動とによって、前記出力軸に間欠的な回転運動が出力されることを特徴とする映写装置。
【請求項2】
前記間欠案内リールと前記一対の第2案内リールのうち前記送り方向の下流側に配置される一方の第2案内リールとの間および前記他方の第1案内リールと前記他方の第2案内リールとの間には、前記フィルムが弛緩させた状態で介在されることを特徴とする請求項1に記載の映写装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の映写装置から成り、右目用画像が記録された右目用フィルムの画像を、予め定める設置位置に設けられるスクリーン上に投影する右目用映写装置と、
請求項1または2に記載の映写装置から成り、左目用画像が記録された左目用フィルムの画像を、前記スクリーン上に投影する左目用映写装置と、
前記右目用映写装置および左目用映写装置を、投影動作が同期するように制御する制御手段とを含むことを特徴とする3次元映像映写システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−34003(P2011−34003A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182818(P2009−182818)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(500403860)株式会社ユー・エス・ジェイ (3)
【Fターム(参考)】