説明

暗証番号制限解除システム及び駐輪管理システム

【課題】 利用者が暗証番号を失念した場合であっても、係員がわざわざ出向いて本人確認する必要がなく、利用者自身の操作で暗証番号を思い出させてその入力を可能にした暗証番号制限解除システムと、この解除システムを利用した駐輪管理システムを提供する。
【解決手段】 登録済み暗証番号21Yの検索操作が行われると、検索者が操作している駐輪料金精算装置20の画面に対して、登録済みの真正な暗証番号21Yと、複数の偽の暗証番号21Vから成る暗証番号検索候補データを表示させて、検査者がこのデータの中から真正な暗証番号21Yを選択した場合に限って、次の操作又はそれ以降の操作へ進むことを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、登録済みの暗証番号が選択操作、若しくは、入力操作されると、当該暗証番号による次の操作、或いは、それ以降の操作への制限が解除されて、次の操作、又は、それ以降の操作へ進むことができるように構成した暗証番号制限解除システムと、この暗証番号制限解除システムを用いた駐輪管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今では、駅周辺に通勤や通学者向けの大型駐輪場が整備されてきて、利用者の利便性の向上と駅周辺の放置自転車問題の解消に効果を挙げている。特に最新のシステムでは、自転車を個々にロックする個別ロック式のロック装置を相当台数設置し、自転車を個々にロックし、その精算処理やロック解除処理はエリア毎やフロアー毎などの単位で設置されている料金精算装置で行う、といった形態のシステムが採用されていて、その結果、駐輪場の管理業務も無人又は極力少人数で行える様になってきており、当初の設備投資金額は増額されてきていても、人件費の抑制に繋がることで利用料金を低価格に設定できて、益々稼働率が高くなるといった好循環が期待されている。
【0003】
一方、最近は高額な電動アシスト自転車や、デザイン的に魅力のある有名スポーツメーカーや、外国自動車メーカー製の自転車が普及してきており、無人や少人数で管理されている駐輪場における自転車の盗難対策も重要視されてきている。
【0004】
そこで、特許文献1の「駐輪場管理システム」に記述されている様に、他人の自転車を誤って解錠しない様に、また他人に誤って若しくは意図的に自分の自転車のロックを解錠させない様に、駐輪ロック装置に自転車をロックさせた後で、料金精算装置側で暗証番号を登録し、他人にそのロック装置の精算や解錠が出来ない様にするシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2001−118094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1に記載の「駐輪場管理システム」では、暗証番号を失念する利用者に対しての考慮が全く成されていない。即ち、利用者が暗証番号を失念した旨の申告の真偽を調べる手段が無いため、上記文献中に記載の通話手段のみに頼ると、ウソの申告により他人の自転車を解錠することも容易に可能となってしまう問題が生じる。
【0006】
従って実際の運用上では、利用者が暗証番号を失念した場合には、警備会社や管理会社の係員を呼び出し、料金精算機に対する係員の設定操作により暗証番号の登録を無効化するか、ロック装置側でロックを解除するなどの人的対応に成るため、頻繁に暗証番号を失念する利用者が出るようならば、その担当係員は常に現場に待機していなければならなくなってしまう。
【0007】
前述の通話手段(電話やインターホン)で管理センターのオペレータに申告し、遠隔操作で同上の対応をすることも可能であるが、電話では本人確認や利用者登録証の照合なども出来ないため、悪意を以て他人の自転車の暗証番号を忘れたと連絡されても、その真偽は確かめようがない。
【0008】
従って、暗証番号によって他人による解錠を阻止しようとした駐輪場ロック装置では、もしも利用者が暗証番号を失念した場合のことを考えると、係員が実際に自転車の登録証と、本人の身分証明書や本人が保持している定期や利用者登録証を照合しないで解錠することは極めて危険であるため、結局は無人化までは実現されていないのが実状である。
【0009】
そこで本発明の技術的課題は、利用者が暗証番号を失念した場合であっても、係員がわざわざ出向いて本人確認する必要がなく、利用者自身の操作で暗証番号を思い出させてその入力を可能にした暗証番号制限解除システムと、この解除システムを利用した駐輪管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1) 上記の技術的課題を解決するために、本発明の請求項1は、登録済みの暗証番号が選択操作、若しくは、入力操作されると、当該暗証番号による次の操作、或いは、それ以降の操作への制限が解除されて、次の操作、又は、それ以降の操作へ進むことができるように構成した暗証番号制限解除システムにおいて、
登録されている暗証番号を失念したことにより、当該暗証番号を検索するための操作が行われると、検索者に対して登録済みの暗証番号と、複数の偽の暗証番号から成る暗証番号検索候補データを提供する暗証番号検索候補提供手段と、検索者が提供されたこれ等暗証番号検索候補の中から真正な暗証番号を選んで、これを選択操作、若しくは、入力操作した場合に限って、前記暗証番号による制限を解いて、前記次の操作、或いは、それ以降の操作へ進むことを可能にする暗証番号制限解除手段と、を具備して成ることを特徴としている。
【0011】
(2) また、本発明の請求項2は、上述した暗証番号制限解除システムにおいて、登録されている暗証番号を失念したことにより、当該暗証番号を検索するための操作が行われると、検索者に対して当該暗証番号の登録時刻と、複数の偽の登録時刻から成る登録時刻検索候補データを提供する登録時刻検索候補提供手段と、検索者が提供されたこれ等登録時刻検索候補の中から真正な登録時刻を選んで、これを選択操作、若しくは、入力操作した場合に限って、前記暗証番号による制限を解いて、前記次の操作又はそれ以降の操作へ進むことを可能にする暗証番号制限解除手段と、を具備して成ることを特徴としている。
【0012】
(3) また、本発明の請求項3は、上述した暗証番号制限解除システムにおいて、登録されている暗証番号を失念したことにより、当該暗証番号を検索するための操作が行われると、検索者に対して当該暗証番号と複数の偽の暗証番号から成る暗証番号検索候補と、当該暗証番号の登録時刻と複数の偽の登録時刻から成る登録時刻検索候補を提供する暗証番号及び登録時刻検索候補提供手段と、検索者が提供されたこれ等暗証番号及び登録時刻検索候補の中から真正な暗証番号と登録時刻を選んで、これ等を選択操作、若しくは、入力操作した場合に限って、前記暗証番号による制限を解いて、前記次の操作又はそれ以降の操作へ進むことを可能にする暗証番号制限解除手段と、を具備して成ることを特徴としている。
【0013】
(4) また、本発明の請求項4に係る暗証番号制限解除システムは、前記検索者が選択操作、若しくは、入力操作した前記暗証番号或いは登録時刻が、偽の暗証番号或いは登録時刻であり、且つ、この偽の暗証番号或いは登録時刻の選択操作、若しくは、入力操作の繰り返しが予め定めた設定回数を越えると、それ以後の上記暗証番号或いは登録時刻の選択操作、及び、入力操作を禁止する検索操作禁止手段が具備されていることを特徴としている。
【0014】
(5) また、本発明の請求項5は、複数の個別ロック式のロック装置を管理する駐輪料金精算装置を備え、駐輪場の個別ロック式のロック装置に自転車の前輪を検知させてロックした後に、料金精算装置においてロック装置番号を指定して暗証番号を登録し、精算の際には登録した暗証番号の入力を以て精算動作若しくはロック解除動作に移行可能に構成した駐輪管理システムにおいて、
上記の駐輪料金精算装置に、利用者が上記登録済み暗証番号を失念したことにより、これを検索するための操作を行った場合に、上記登録済み暗証番号と複数の偽の暗証番号から成る暗証番号検索候補データと、当該暗証番号の登録時刻と複数の偽の登録時刻から成る登録時刻検索候補データを作成する暗証番号及び登録時刻検索候補提供手段と、利用者が上記提供された暗証番号及び登録時刻検索候補データの中から、真正な暗証番号又は登録時刻の一方、若しくは双方を選んだ時に限って、上記暗証番号による制限を解いて、上記精算動作若しくはロック解除動作への移行を可能とする暗証番号制限解除手段と、利用者が上記暗証番号検索候補データの中から偽の暗証番号又は登録時刻を選んだ回数が予め定めた設定回数を越えると、上記精算動作若しくはロック解除動作への移行を禁止する検索操作禁止手段と、から成る暗証番号制限解除システムを具備せしめたことを特徴としている。
【0015】
(6) また、本発明の請求項6は、複数の個別ロック式のロック装置を管理する駐輪料金精算装置を備え、駐輪場の個別ロック式のロック装置に自転車の前輪を検知させてロックした後に、料金精算装置においてロック装置番号を指定して暗証番号を登録し、精算の際には登録した暗証番号の入力を以て精算動作若しくはロック解除動作に移行可能に構成した駐輪管理システムにおいて、
上記駐輪料金精算装置を統括する管理センターのサーバーに、利用者が上記駐輪料金精算装置を用いて上記登録済み暗証番号を失念したことにより、これ等を検索するための操作を行った場合に、この駐輪料金精算装置に対して上記登録済み暗証番号と複数の偽の暗証番号から成る暗証番号検索候補データと、当該暗証番号の登録時刻と複数の偽の登録時刻から成る登録時刻検索候補データを作成して上記の駐輪料金精算装置に提供する暗証番号及び登録時刻検索候補提供手段と、利用者が上記暗証番号及び登録時刻検索候補データの中から、真正な暗証番号又は登録時刻のいずれか一方、若しくは双方を選んだ時に限って、上記暗証番号による制限を解いて、上記精算動作若しくはロック解除動作への移行を可能とする暗証番号制限解除手段と、利用者が上記暗証番号及び登録時刻検索候補データの中から偽の暗証番号又は登録時刻を選んだ回数が予め定めた設定回数を越えると、上記精算動作若しくはロック解除動作への移行を禁止する検索操作禁止手段と、から成る暗証番号制限解除システムを具備せしめたことを特徴としている。
【0016】
(7) また、本発明の請求項7に係る暗証番号制限解除システム及び駐輪管理システムは、前記駐輪料金精算装置又は管理センターサーバーの暗証番号検索候補提供手段によって提供される偽の暗証番号が、真正な暗証番号に近似する数字以外の数字をランダムに組み合わせて生成されていることを特徴としている。
【0017】
(8) また、本発明の請求項8に係る暗証番号制限解除システム及び駐輪管理システムは、前記駐輪料金精算装置又は管理センターサーバーの登録時刻検索候補提供手段によって提供される偽の暗証番号登録時刻が、実際の登録時刻よりも予め設定した時間以上異なった時刻であり、且つ、現時時刻よりも予め設定した時間以上過去した時刻であることを特徴としている。
【0018】
(9) 更に、本発明の請求項9に係る暗証番号制限解除システム及び駐輪管理システムは、前記暗証番号を失念した連絡を受信した後は、前記管理センターサーバーのオペレータと、前記検索者又は利用者との間が音声通話可能に結ばれることを特徴としている。
【0019】
上記(1)で述べた請求項1に係る手段によれば、登録した暗証番号を失念しても、複数の候補の中に実際に登録した暗証番号を含ませておけば、それらを参照することで自身が登録した暗証番号を思い出す可能性が高くなる。従って、暗証番号の解除を行わないと次の操作に進めない様に制限された操作の時に、利用者が暗証番号を失念したとしても、自動で係員などの対応も必要とせずに思い出すことが可能であり、他人が悪意を以て暗証番号を忘れたことにして、持ち主になりすまして暗証番号の解除を係員に頼むといった不正が不可能となるため、暗証番号やパスワードで保護された様々な操作を行う機器において有効に使用できる。
【0020】
上記(2)で述べた請求項2に係る手段によれば、登録した暗証番号を失念しても、登録した時刻を覚えておけばそれを入力して暗証番号による制限の解除を行うことができるため、他人が悪意を以て暗証番号を忘れたことにして、持ち主になりすまして暗証番号の解除を係員に頼むといった不正が不可能となり、暗証番号やパスワードで保護された様々な操作を行う機器において有効に使用できる。
【0021】
上記(3)で述べた請求項3に係る手段によれば、上記(1)の操作に加えて、上記(2)で述べた暗証番号を登録した時刻も入力させて解除を行うため、暗証番号のみであれば数分の1の確立で他人が当てることも可能であるが、更に登録時刻を入力させることにより、他人に対してのセキュリティ強度がさらに高くなると共に、暗証番号の失念時の解除動作を自動で行うことが可能になる。
【0022】
上記(4)で述べた請求項4に係る手段によれば、上記(1)乃至(3)で述べた手段を用いて暗証番号の失念時の解除動作を行う場合に、偽の暗証番号或いは登録時刻を選択又は入力するミスが設定回数を越えると、それ以後の検索操作が禁止されるため、この設定回数を例えば2回又は3回程度に設定することによって、他人が当てる確率を低くして、セキュリティ強度を高くすることを可能にする。
【0023】
上記(5)と(6)で述べた請求項5と6に係る手段によれば、上記(1)乃至(4)で述べた手段、即ち、暗証番号制限解除システムを駐輪場管理システムの駐輪料金精算装置、又は、複数の駐輪料金精算装置を統括する管理センターサーバーに応用することで、利用者が簡単に暗証番号によるロックを掛けられると共に、仮に暗証番号を失念しても係員を呼び出したりせずに解除できるため、駐輪場の無人化に繋がりつつ、自転車の盗難防止が容易に実現することを可能にする。
【0024】
上記(7)で述べた請求項7に係る手段によれば、暗証番号の選択・再入力時に当たっては、実際に登録した暗証番号と似た番号を提示する事がないため、利用者が確実に、且つ、短時間で真の暗証番号を思い出し易くなる。
【0025】
上記(8)で述べた請求項8に係る手段によれば、登録時刻の選択・再入力時に実際に登録した時刻に近い時刻や、現在時刻に近い時刻、或いは、将来の時刻などが提示されないため、明らかに偽だと解るような時刻が提示されることが無く、また、実際に登録した時刻との差も明確であるために、利用者が確実に真の登録時刻を入力し易くなる。
【0026】
上記(9)で述べた請求項9に係る手段によれば、前記(1)乃至(8)の暗証番号制限解除システムを採用しつつ、結果の判断を管理センターのオペレータ等に委ねることが可能になるため、利用者の反応時間や間違い回数を個別に判断することができ、氏名・利用者登録番号の確認などを通話記録として保管しながら、現場での作業を不要とすることで、セキュリティの強化と現場の無人化が実現出来る。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る暗証番号制御解除システム及び駐輪場管理システムによれば、 暗証番号を失念した場合であっても、自動で利用者に真の暗証番号や登録時刻を思い出させて入力を促すため、無人で暗証番号での操作の制限をかけている装置や、特に駐輪場の個別ロック装置を管理する駐輪料金精算装置などに実施して好適であり、特に、駐輪場管理システムとして実施して頗る有益なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に本発明に係る暗証番号制限解除システム及び駐輪管理システムの実施の形態を図面と共に説明すると、図1は前記請求項5に記載の本発明が実施された駐輪システムの一例を説明した概略図であって、図中、10Nは各駅毎、或いは、図示しないその他の各種施設毎に設けた各駐輪場に設置される駐輪装置ユニットであって、図面にはその一部を示したに過ぎないが、図の様に自転車60の前輪61をロックする複数のロック装置50が、連結部材51により複数台数分がセットになって取付けられて駐輪装置ユニット10Nを構成し、そのユニット10N毎に中継装置40を有し、中継装置40は埋設配線43によって駐輪料金精算装置20(以下単に精算装置20という)と接続されている。なお、その他複数のロック装置50…も各々中継装置40と連結部材51の中を通っている配線43により接続されている。ロック装置50にはそれぞれ装置番号が明示されており、利用者が何番の装置50にロックさせたかが解る様になっている。
【0029】
精算装置20には、通常は図1の様に中継装置40を介して複数のロック装置50…がセットになっているユニット10Nが、図示しない相当数接続されているが、図においてはその1セットのみを図示している。また、大型の駐輪場においては、フロアー毎や駐輪エリア毎に図の精算装置20も複数台数設置している場合が多い。尚、図1において50Hは各ロック装置50に設けた自転車前輪61の挿入口、52は前輪61のガイドレールである。
【0030】
精算装置20の前面には、液晶のドットマトリクスタイプの表示器21、テンキー22T、テンキー22Tと併設された複数種類の操作キー群22、定期カード、クレジットカードやプリペイドカードを挿入するカード挿入口20A、紙幣挿入口20B、コイン投入口20C、案内放送(操作ガイダンス)用のスピーカー30、係員呼出釦32とインターホン25、おつりや領収証などの取り出し口20Hが設けられている。
【0031】
図2は本発明に係る駐輪場管理システムの精算装置20と周辺装置の電気的構成を示したブロック図であり、精算装置20の内部には前述の前面に装着されている部材以外に、カードリーダー23、公衆網への外部通信部24、領収証プリンタ26、コインセレクタ27、紙幣リーダー29、構内通信部31などが、インターフェイス20Wに接続され、それらはバス20Zを介してメモリー20Yに記憶されたプログラムに従いCPU20Xによって制御される。また、中継装置40の内部には精算装置20と接続される通信部中継部41と、ロック装置制御部42を有しており、そこから複数のロック装置50…のロック機構部52と前輪検知部51がそれぞれ配線44により接続されている。更に、上記のメモリー20Yには、各種のシステムプログラムに加えて、請求項1,2,3,4に記載した「暗証番号検索候補提供手段」、「暗証番号制限解除手段」、「登録時刻検索候補提供手段」、「暗証番号及び登録時刻検索候補提供手段」、「検索操作禁止手段」を夫々実現するためのソフトウエアーが格納されている。
【0032】
本発明に係る駐輪管理システムでは、自転車を所定のロック装置50に駐輪する時に、利用者が任意の暗証番号を登録してロックする一方、このロックを解いて自転車を出場(出庫)させる場合には、上記の暗証番号を入力しないと次の精算操作及び解錠操作に進めない仕組みに成っていて、暗証番号によって他人による解錠を阻止するように構成されている。しかし、暗証番号を間違って入力してしまったり、失念してしまう場合が多くあるため、本発明では失念した暗証番号を思い出してもらうため、操作中の精算装置20の表示器21に対して、失念した登録済み暗証番号を含む複数の偽の暗証番号候補を表示して、登録済み暗証番号を思い出してもらうように構成している。
【0033】
図3は上述した精算装置20の暗証番号登録時の表示画面とキー装置を示し、図の様に表示器21の表示画面は液晶のドットマトリクスタイプの表示画面で構成されているため、文字・数字・枠線などが如何様にも表示可能になっている。その右横にはテンキー22Tと操作キー群22が一体で「メンブレンスイッチ」や「シートスイッチ」などの名称で呼ばれるタッチ式のキー装置が装着されている。
【0034】
また、図3は本発明に係る精算装置20の暗証番号登録時の画面を示し、下記の様な手順で操作する。
図3(1)は精算装置20の待機画面21Aを示し、通常なにも操作しない時は常にこの画面が表示されている。枠線内は現在日付と時刻が表示されており、表示画面下部には利用者へのガイダンスとして、精算または暗証番号の登録の場合は、まずロック装置の番号を入力する様に案内がされている。
【0035】
操作の実施例として、朝の通勤通学時間帯に図1の「4」と表示されているロック装置に自転車60を駐輪させた場合を想定して説明する。
図3(2)で装置番号入力画面21Bになり、利用者はテンキーの「4」を入力して「登録」キーを押下すると、
図3(3)の暗証番号入力画面21Cになり、利用者は暗証番号をこの例では4桁数字で「1225」と入力し、「登録」キーを押下する。次いで、
図3(4)の暗証番号登録画面21Dになり、暫くすると図3(1)の待機画面21Aに戻って待機状態となる。
【0036】
この例で利用者が図3(3)で入力した暗証番号は、だいたいは何らかの意味を持っているものとか(誕生日が12月25日)、他の暗証番号の流用(銀行のキャッシュカードの暗証番号と同じ)や自家用車のナンバープレートの一連番号や自宅の電話番号の下4桁などを入れる事が多い。またこの例では、駐輪場の利用者が一時利用者であり、定期券などの購入はしていないものの、雨が降っていない日には通勤・通学などで朝の通勤時間帯に駅近郊の駐輪場に自転車60を駐輪させ、電車で職場や学校などへ向かい、夕方の帰宅時間帯に電車で到着して駐輪場の自転車60で帰宅するといった例を想定しているが、実際に一時利用の場合にはこの様な使用形態がほとんどであると考えられる。
【0037】
この様に、自転車60を駐輪させる際にロック装置50に自転車60をロックさせて、その後で精算装置20においてロック装置50の装置番号を入力してから暗証番号を登録し、再度同じ装置番号のロック装置50を精算してロックを解除するためには、登録した暗証番号と同じ番号を入力しない限り精算動作が出来ない様になっているといった仕組みは、前述の特許文献1に記載の技術と同様である。
【0038】
次に精算時の動作に関して、図4に説明した画面の表示内容と利用者の操作に対応して図6以降のフロー図とともに説明する。
【0039】
図4の(1)は前述の図3の(1)と同じ待機画面21Eを示し、時刻は夕方の帰宅時間帯になっている様子を示している。ここでテンキー22Tで装置番号の1桁めをキー入力することにより、入力画面21Fは図4の(2)の様に装置番号入力状態に変化し、装置番号を入力した後で(例では装置番号が1桁であるが、複数桁の入力が可能)「精算」キーを押下すると、その時点で駐輪中の状態の装置の番号であり、且つ、暗証番号を登録してある場合は(図6のフローでは丸Aのルートを通り)図4の(3)の画面に変化する。 但し、駐輪状態でない装置番号を入力して「精算」を押下した場合には図示しないエラー表示画面や音声アラームによる警告などが発せられ(図6の「エラー表示アラーム」で示す様に)、図4の(2)の入力画面21Fに戻る。
【0040】
図4の(3)の画面21Gにおいて正確に暗証番号を入力すれば図7のフローのステップS18で<暗証番号合致?>がYESとなり、丸Bのルートで図4(4)の精算画面21Hに移行して精算待ち状態になる。また、駐輪状態であるが暗証番号を登録していないロック装置の装置番号の場合は、図4の(3)の画面には成らずに図4の(4)の精算画面21Hに移行し(図6のフローでは丸Aに行かずにステップS14に進んで「料金画面表示」となり)、現金の投入やカードの挿入により精算が終了すると、当該装置番号のロック装置50にロック解除の信号を送信して処理を終了し、元の待機画面21E(図6のステップS1)に戻る。
なお、ここまでの処理も、前述の特許文献1の仕組みと基本的には同様のものである。
【0041】
図7のフロー(ステップS17〜S34)のチャートにおいて、ステップS18で<暗証番号合致?>がNOだった場合、図5の(1)に示したエラー表示画面21Iや音声アラームによる警告などが発せられるが、予めn回(3回程度)までは暗証番号の入力が受け付け可能にになっており、再入力してステップS15で<暗証番号合致?>がYESであれば丸Bに戻るが、ステップS20でn回目のエラーの場合はステップS21に進んで「暗証番号検索案内表示」として図5の(2)の画面21Jが表示される。
【0042】
ここでステップS22にて「検索」キーを押下すると次に進むが、ステップS3にて「取消」キーで精算を中止することも可能である。「検索」キーを押下した場合は、図8のフロー(ステップS35〜S41)で詳細を示した『暗証番号検索候補割当』のサブルーチン処理に進み、割り当てられた検索候補の偽の暗証番号21V…を表示したのが図5の(3)の画面21Kである。この実施例では、偽の暗証番号21Vを5種類割り当てし、登録された真正な暗証番号21Yと共に表示して利用者に選ばせるのが、本発明の請求項1のポイントである。
【0043】
実施例では、このステップS26で暗証番号を予めm回(1〜2回)のうちに正確に入力できれば、次のステップS27に示す『時刻候補割当』のサブルーチン処理に進むが、ステップS34でm回目の誤入力の場合は、ステップS32に進んで図示しない「係員呼出推奨表示」画面が表示され、その後処理を終了する。このステップS32の「係員呼出推奨表示」は、管理事務所などにインターホンで通話連絡して処置を依頼するか、警備会社の電話番号を表示するといった一般的なものである。
【0044】
次に図9のフロー(ステップS42〜S50)で詳細を示した『時刻候補割当』のサブルーチン処理に進み、割り当てられた登録時刻検索候補の偽の時刻を表示したのが図5の(4)の画面21Lである。この実施例では、偽の時刻21Rを5種類割り当てし、暗証番号を登録した時の時刻21Zと共に表示して利用者に選ばせるのが、本発明の請求項2のポイントである。
【0045】
実施例では、このステップで暗証番号を予めk回(1〜2回)のうちに正確に入力できれば、丸Bで料金精算処理に進むが、k回目の誤入力の場合は図示しない前述と同様な「係員呼出推奨表示」画面が表示され、その後処理を終了する。
【0046】
実施例では、このように『暗証番号候補割当』と『時刻候補割当』の両方の処理を通って次の精算画面に進むが、これが請求項3のポイントであり、順番は逆でも構わない。
【0047】
再度図8の暗証番号検索候補割当サブルーチン処理を詳細に説明すると、ステップS35でカウントをi=0と初期化し、次のステップS36で登録された真の暗証番号の4桁数字を読み込みそれぞれ千の位をK1、百の位をK2・・・とおく。次にステップS37に進んで乱数計算して、ステップS38で4桁のランダムな数列を抽出する。次のステップS39で抽出した4つの数字にK1〜4が含まれる場合は再度乱数を計算し直す。K1〜4が含まれない乱数が抽出された場合はカウンタiをインクリメントして次の候補を抽出する。実施例では偽の候補をJ=5種類生成する必要があるためステップS40で、5種類の番号を抽出し終わったら元に戻り、図5の(3)の様に表示するが、その際の表示順序もランダムな順番で表示する様に考慮されている。
この処理が本発明の請求項7のポイントである。
【0048】
さらに図9の登録時刻検索候補割当サブルーチン処理を詳細に説明すると、始めのステップS42でカウントをj=0と初期化し、次のステップS43とS44で現在の時刻と真の登録時刻を読み込み、次にステップS45とS46で乱数計算して4桁のランダムな数列を抽出する。次いで、ステップS47とS46で抽出した4つの数字が意味する時刻が真の登録時刻と1時間以上異なるか、また、現在時刻より1時間以上さかのぼった過去の時間かが判定され、いずれもYESであれば、ステップS49でそれを候補とし、カウンタjをインクリメントして次の候補を抽出する。実施例では偽の候補をJ=5種類生成する必要があるため、5種類の時刻を抽出し終わったら元に戻り、図5の(4)の様に表示するが、その際の表示順序もランダムな順番で表示する様に考慮されている。なお、4桁数字が時刻を意味しない場合は再度乱数計算を割り当てるか、予め0〜23、0〜59の中からランダムに数字を抽出する、といった乱数計算をすることは容易に可能である。
この処理が本発明の請求項8のポイントである。
【0049】
この様に処理して暗証番号を忘れた場合でも、すぐに係員呼出や警備会社に連絡することなく、自分で思い出させることで、精算時の混雑を緩和し、係員の常駐を必要としない様に駐輪システムに利用した事柄が、本発明の請求項5と6のポイントである。
【0050】
なお、実施例の駐輪場管理システムでは定期利用者の説明はしていなが、定期利用者は暗証番号を入力しなくても、定期カードを料金精算機に挿入することで本人認証となるため、駐輪時の暗証番号の登録は必須ではないが、必要に応じて登録することも可能である。
【0051】
<偽の暗証番号と偽の登録時刻の作用>
利用者が登録した暗証番号を失念して場合でも、複数の候補を示せばその中で自分が登録した数字を思い出す可能性はかなり高い。なぜなら、利用者は登録時に当てづっぽな数字を入れる訳ではなく、普段自分が使用している番号のうちの何かを暗証番号として利用することがほとんどだからである。 この利用者が登録した番号を失念しても、何回か入力をリトライして正解するまで待つのでは、精算時の混雑が増長されかねない。よって、忘れた場合には候補から選ぶことで早く思い出させるのがこの発明の重要なポイントである。
【0052】
また、その際にランダムに数字を出したのでは、真の登録番号と似ている番号が生成され、利用者がそれを誤って選択しかねないので、真の登録番号に使われていない番号を用いて数列をつくることで、利用者だけが真の番号を見つけやすくしている。
【0053】
さらに、暗証番号だけであれば、実施例では6分の1の確立で他人でも正解を出せるが、さらに登録時刻を入力させることで、本人確認の精度を向上させている。
【0054】
また、ここでも同様の複数候補のなかから選択させる方式で、素早く正解にたどり着くように考慮しつつ、真の登録時刻と混同しないように、現在時刻から1時間以上前で、且つ、真の登録時刻と1時間以上異なる時刻、などの様に、明らかに本人が見れば異なる時刻を表示させ、正解との区別を明確にしている。もしも、何の考慮もなく複数の時刻を羅列した場合は、登録時刻と近い時刻を選択する可能性があり、また、現在時刻より一定以上前という意味は、明らかに不正解の時刻を表示することの無いような考慮である。この様にすれば、大体いつも同じ時刻に通勤している利用者であれば暗証番号の登録時刻はほぼ10分以内の精度で思い出す(正解をあてる)ことが可能である。
【0055】
以上の様にすれば、暗証番号を忘れてもガイダンスに従って正解を選択し、そのことで本人の確認が出来たとして精算動作若しくはロック解除動作に移行させられるため、無人管理のシステムが実現できる。また、他人が悪意を以て人の自転車を精算して持ち出すといった不正は、暗証番号と登録時刻の2重の正解を得られなければ不可能であり、容易に不正が出来なくなっている。
【0056】
なお、暗証番号だけや、登録時刻だけで運用するシステムも可能であり、複数回のエラーの後に検索を促すといった利用方法以外に、いきなり検索や「番号忘れ」といった処理を行うことも可能で、本発明の実施例で説明した、複数候補の数(5種類)、暗証番号の桁(4桁)、登録時刻の候補の制限(1時間以上異なる、1時間以上前の時刻)、複数の候補から選択する時の誤入力の許容回数の設定の後などは、適宜異なる数値、時刻、回数を採用して運用することが可能であり、本発明の請求範囲の応用の一部であると云える。
【0057】
また、本発明の他の実施例として、図10に示すように、精算装置20における操作は前述の実施例と部分的に同じとするが、操作のガイダンスを管理センター10のオペレータがおこない、利用者との対話のなかで複数の暗証番号や登録時間の候補から真の番号と時間を選択させ、その時の状況によっては再度の選択を許可するか、一度でも誤入力や誤選択をしたら別途係員の対応を指示するかなど、オペレータの判断で処理をする運用方法も有効な実施例である。
【0058】
即ち、図10に示した駐輪場管理システムは、各駅毎、或いは、図示されていないその他の各種施設毎に設けた各駐輪場10T…に設置されている複数の精算装置20…と、これ等の精算装置20…を統括する管理センター10のサーバー11とによって構成されている。管理センター10の図示しないオペレータが操作するサーバー11と、利用者の精算操作中の精算装置20は専用または公衆の回線網100を介して接続され、精算装置20の係員呼出釦32でオペレータのサーバー11に警報を表示させ、オペレータの応答によりサーバー11と精算装置20とが接続されてインターホン19と25で対話可能となる。
【0059】
この際に、オペレータの操作するサーバー11の画面上では、図10に示すように駐輪場ネットワークの特定の精算装置20の可動状況が詳細にモニターされ、且つ、遠隔操作ができる画面となっている。図10ではC駅南口駐輪場10Tの精算装置1号機をモニターしている例を示す。仮にここで利用者が暗証番号を失念して係員呼出釦32を押下してオペレータと対話し、暗証番号の失念を告げたとき、オペレータは遠隔操作によりその精算装置20にこれまでに説明してきたのと同様の方法やフローにもとづいて生成した偽の暗証番号と真の暗証番号をミックスして精算装置20の表示器21に表示させる。
【0060】
上記の構成を更に詳しく説明すると、図10において、21Rと12Rは利用者の操作に従って管理センターサーバー11が利用中の精算装置20の表示器21と、自らの表示器12(CRTや液晶の表示画面)に夫々表示した暗証番号検索候補表示画面であって、暗証番号検索候補は他人による不正取得を防止するために、真正な暗証番号21Y,14Aと、複数の偽の暗証番号21V,14Bとによって構成されている。
【0061】
また、21X,14Xは偽の暗証番号であるにもかかわらず、間違って指定(タッチ)してしまった不正解の暗証番号であって、不正解の場合は管理センターサーバー11側の表示器12には、不正解の暗証番号14Xが着色等の明示状態に表示されると共に、その不正解の回数が表示部15に表示される仕組みに成っている。
【0062】
更に図10において、13は管理センターサーバー11の表示器12に表示される当該利用者が利用している駐輪場10Tの所在位置と、精算装置20の番号とから成る利用履歴表示部であり、また、12Tは上記管理センターサーバー11の表示器12に表示される暗証番号登録日時であって、その登録時刻(図面では08:21)は、後述するように登録時刻照合手段として利用される。
【0063】
尚、両表示器21と12に表示される偽の暗証番号21V,14Bは、請求項7に記載の如く、真正な暗証番号21Y,14Aとの誤認(見間違い)を防止するために、真正な暗証番号21Y,14Aに近似しない数字をランダムに組み合わせて生成したものが使用される。
【0064】
また、登録時刻照合手段として登録時刻12Tを使用する場合は、請求項8に記載の如く、偽の暗証番号として、実際の登録時刻12Tよりも予め設定した時間以上異なり、且つ、現在時刻よりも予め設定した時間以上の過去の時刻が使用される。
【0065】
図11は、上述した管理センターサーバー11の電気的構成を説明したブロック図で、CPU11Aとメモリー11Bとから成る制御部に対して、バス11Cを介して接続したインターフェイス11Dには、上述した表示器12に加えて、操作キー13と、上述した回線網100を介して各駐輪場10T…の各精算装置20…と通信を行う外部通信部18と、オペレータが各精算装置20の利用者と直接音声通話を可能とするインターホン19が接続されている。
【0066】
更に上記のメモリ11Bには、各種のシステムプログラムに加えて、請求項1,2,3,5,6に記載した「暗証番号検索候補提供手段」、「暗証番号制限解除手段」、「登録時刻検索候補提供手段」、「暗証番号及び登録時刻検索候補提供手段」、「検索操作禁止手段」を夫々実現するためのソフトウエアーが格納されている。尚、図10に示すように管理センターサーバー11が複数の精算装置20…を統括する場合は、各精算装置20…にはこれ等のソフトウエアーが格納されていないことは勿論である。
【0067】
この例では、利用者は偽の番号21Xを選択しているため、1回目の不正解ということが端末には明確に表示部15に表示されており、その駐輪システムの運用の取り決めなどにより1度でも間違えたらダメとするか、2回までは良しとするかなどは別途取り決めておけばよい。
【0068】
もしも、利用者が予め運用上定めた回数や、それを端末上でのプログラムで設定した回数で真の番号21Yを選択した場合には、図で説明しないが、前述の登録時刻の選択を同様に表示させ、オペレータが利用者に選択を促すように対話して導いてやればよく、それもクリアした場合にはオペレータがサーバー11を操作して暗証番号による精算動作若しくはロック解除動作への移行の制限を解除し、精算可能な状態にすればよい。
【0069】
この様に述べた請求項9のポイントの手段によれば、前記請求項1乃至8の暗証番号解除方法を採用しつつ、結果の判断を管理センターサーバー11のオペレータに委ねることにより、利用者の反応時間や間違い回数を個別に判断ができ、氏名・利用者登録番号の確認などを通話記録としての保管も別途行え、監視カメラなどとも組み合わせれば、仮に不正があった場合でも犯人の割り出しに頗る有効となる。
【0070】
さらに、図10の構成の様に管理センターサーバー11のオペレータは、複数の精算装置20…や複数の駐輪場10T…の情報を管理センター10に居ながらにして監視して操作できるため、前述の様な暗証番号の失念の際の確認方法を利用者と対話しつつ行えることで、セキュリティの強化と現場の無人化が実現出来る。
【0071】
また、本発明の請求項及び実施例で説明した駐車料金精算装置は必ずしも料金の支払いを以てロック装置のロックを解除するものに限定されるものではなく、料金精算機能を有しない定期券専用であったり、一時利用者がトークンを投入するタイプの駐輪管理装置であっても、同様の発明の効果を有することは言うまでもない。
【0072】
さらに、本発明は駐輪ロック装置の暗証番号の解除のみではなく、例えば荷物の一時預かり、傘立て、コートの保管場所、など、完全なセキュリティを必要として充分に警戒して人とコストをかけるほどではないが、他人が持ち出す様なことを防ぎたい、といった複数の用途での応用が可能であり、その一例として駐輪場のロック装置に利用するものを述べたに過ぎず、暗証番号解除方法とプログラム自体に特許性があることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明に係る暗証番号制限解除システムが実施されている駐輪装置ユニットの一例を示した外観図。
【図2】図1に示した駐輪装置ユニットを構成する駐輪料金精算装置のブロック図。
【図3】暗証番号登録時における表示画面の変遷を示した説明図。
【図4】精算時および暗証番号入力時における表示画面の変遷を示した説明図。
【図5】精算時における暗証番号及び登録時刻失念時における表示画面の変遷を示した説明図。
【図6】精算時の操作手順を説明したフローチャート。
【図7】図8の続きの手順を説明したフローチャート。
【図8】暗証番号検索候補割当時のフローチャート。
【図9】登録時刻検索候補割当時のフローチャート。
【図10】本発明に係る暗証番号制限解除システムが実施されている駐輪管理システムの他の実施例を説明した構成図。
【図11】本発明に係る暗証番号制限解除システムを構成する管理センターサーバーのブロック図。
【符号の説明】
【0074】
10 管理センター
10T 駐輪場
10N 駐輪装置ユニット
11 管理センターサーバー
11B メモリー
12 表示器(表示画面)
15 インターホン
20 駐輪料金精算装置(精算装置)
20Y メモリー
21 表示器(表示画面)
21A 暗証番号登録画面
21G 暗証番号入力画面
21K 暗証番号検索候補表示画面
21L 暗証番号登録時刻検索候補表示画面
21Y 真正な暗証番号
21V 偽の暗証番号
25 インターホン
50 ロック装置
51 前輪検知部
52 ロック機構部
60 自転車
61 前輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録済みの暗証番号が選択操作、若しくは、入力操作されると、当該暗証番号による次の操作、或いは、それ以降の操作への制限が解除されて、次の操作、又は、それ以降の操作へ進むことができるように構成した暗証番号制限解除システムにおいて、
登録されている暗証番号を失念したことにより、当該暗証番号を検索するための操作が行われると、検索者に対して登録済みの暗証番号と、複数の偽の暗証番号から成る暗証番号検索候補データを提供する暗証番号検索候補提供手段と、
検索者が提供されたこれ等暗証番号検索候補の中から真正な暗証番号を選んで、これを選択操作、若しくは、入力操作した場合に限って、前記暗証番号による制限を解いて、前記次の操作、或いは、それ以降の操作へ進むことを可能にする暗証番号制限解除手段と、
を具備して成ることを特徴とする暗証番号制限解除システム。
【請求項2】
登録済みの暗証番号が選択操作、若しくは、入力操作されると、当該暗証番号による次の操作、或いは、それ以降の操作への制限が解除されて、次の操作、又は、それ以降の操作へ進むことができるように構成した暗証番号制限解除システムにおいて、
登録されている暗証番号を失念したことにより、当該暗証番号を検索するための操作が行われると、検索者に対して当該暗証番号の登録時刻と、複数の偽の登録時刻から成る登録時刻検索候補データを提供する登録時刻検索候補提供手段と、
検索者が提供されたこれ等登録時刻検索候補の中から真正な登録時刻を選んで、これを選択操作、若しくは、入力操作した場合に限って、前記暗証番号による制限を解いて、前記次の操作又はそれ以降の操作へ進むことを可能にする暗証番号制限解除手段と、
を具備して成ることを特徴とする暗証番号制限解除システム。
【請求項3】
登録済みの暗証番号が選択操作、若しくは、入力操作されると、当該暗証番号による次の操作、或いは、それ以降の操作への制限が解除されて、次の操作、又は、それ以降の操作へ進むことができるように構成した暗証番号制限解除システムにおいて、
登録されている暗証番号を失念したことにより、当該暗証番号を検索するための操作が行われると、検索者に対して当該暗証番号と複数の偽の暗証番号から成る暗証番号検索候補と、当該暗証番号の登録時刻と複数の偽の登録時刻から成る登録時刻検索候補を提供する暗証番号及び登録時刻検索候補提供手段と、
検索者が提供されたこれ等暗証番号及び登録時刻検索候補の中から真正な暗証番号と登録時刻を選んで、これを選択操作、若しくは、入力操作した場合に限って、前記暗証番号による制限を解いて、前記次の操作又はそれ以降の操作へ進むことを可能にする暗証番号制限解除手段と、
を具備して成ることを特徴とする暗証番号制限解除システム。
【請求項4】
前記検索者が選択操作、若しくは、入力操作した前記暗証番号或いは登録時刻が、偽の暗証番号或いは登録時刻であり、且つ、この偽の暗証番号或いは登録時刻の選択操作、若しくは、入力操作の繰り返しが予め定めた設定回数を越えると、それ以後の上記暗証番号或いは登録時刻の選択操作、及び、入力操作を禁止する検索操作禁止手段が具備されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の暗証番号制限解除システム。
【請求項5】
複数の個別ロック式のロック装置を管理する駐輪料金精算装置を備え、駐輪場の個別ロック式のロック装置に自転車の前輪を検知させてロックした後に、料金精算装置においてロック装置番号を指定して暗証番号を登録し、精算の際には登録した暗証番号の入力を以て精算動作若しくはロック解除動作に移行可能に構成した駐輪管理システムにおいて、
上記の駐輪料金精算装置に、
利用者が上記登録済み暗証番号を失念したことにより、これを検索するための操作を行った場合に、上記登録済み暗証番号と複数の偽の暗証番号から成る暗証番号検索候補データと、当該暗証番号の登録時刻と複数の偽の登録時刻から成る登録時刻検索候補データを作成する暗証番号及び登録時刻検索候補提供手段と、
利用者が上記提供された暗証番号及び登録時刻検索候補データの中から、真正な暗証番号又は登録時刻のいずれか一方、若しくは双方を選んだ時に限って、上記暗証番号による制限を解いて、上記精算動作若しくはロック解除動作への移行を可能とする暗証番号制限解除手段と、
利用者が上記暗証番号検索候補データの中から偽の暗証番号又は登録時刻を選んだ回数が予め定めた設定回数を越えると、上記精算動作若しくはロック解除動作への移行を禁止する検索操作禁止手段と、
から成る暗証番号制限解除システムを具備せしめたことを特徴とする駐輪管理システム。
【請求項6】
複数の個別ロック式のロック装置を管理する駐輪料金精算装置を備え、駐輪場の個別ロック式のロック装置に自転車の前輪を検知させてロックした後に、料金精算装置においてロック装置番号を指定して暗証番号を登録し、精算の際には登録した暗証番号の入力を以て精算動作若しくはロック解除動作に移行可能に構成した駐輪管理システムにおいて、
上記駐輪料金精算装置を統括する管理センターのサーバーに、
利用者が上記駐輪料金精算装置を用いて上記登録済み暗証番号を失念したことにより、これを検索するための操作を行った場合に、この駐輪料金精算装置に対して上記登録済み暗証番号と複数の偽の暗証番号から成る暗証番号検索候補データと、当該暗証番号の登録時刻と複数の偽の登録時刻から成る登録時刻検索候補データを作成して上記の駐輪料金精算装置に提供する暗証番号及び登録時刻検索候補提供手段と、
利用者が上記暗証番号及び登録時刻検索候補データの中から、真正な暗証番号又は登録時刻のいずれか一方、若しくは双方を選んだ時に限って、上記暗証番号による制限を解いて、上記精算動作若しくはロック解除動作への移行を可能とする暗証番号制限解除手段と、
利用者が上記暗証番号及び登録時刻検索候補データの中から偽の暗証番号又は登録時刻を選んだ回数が予め定めた設定回数を越えると、上記精算動作への移行を禁止する検索操作禁止手段と、
から成る暗証番号制限解除システムを具備せしめたことを特徴とする駐輪管理システム。
【請求項7】
前記駐輪料金精算装置又は管理センターサーバーの暗証番号検索候補提供手段によって提供される偽の暗証番号が、真正な暗証番号に近似する数字以外の数字をランダムに組み合わせて生成されていることを特徴とする請求項1、3、4、5又は6に記載の暗証番号制限解除システム及び駐輪管理システム。
【請求項8】
前記駐輪料金精算装置又は管理センターサーバーの登録時刻検索候補提供手段によって提供される偽の暗証番号登録時刻が、実際の登録時刻よりも予め設定した時間以上異なった時刻であり、且つ、現時時刻よりも予め設定した時間以上過去した時刻であることを特徴とする請求項2、3、4、5又は6に記載の暗証番号制限解除システム及び駐輪管理システム。
【請求項9】
前記暗証番号を失念した連絡を受信した後は、前記管理センターサーバーのオペレータと、前記検索者又は利用者との間が音声通話可能に結ばれることを特徴とする請求項6,7又は8に記載の暗証番号制限解除システム及び駐輪管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−181385(P2008−181385A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−14918(P2007−14918)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【Fターム(参考)】