説明

有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置

【課題】高効率のドットマトリクス方式の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板(11)の有機発光層(12)側に基板(11)に隣接してカラーフィルタ層(15)を備える。カラーフィルタ層(15)は、有機発光層(12)から放たれる光のうち、カラーフィルタ層(15)によって取り出され外部に表示される光の波長よりも長波長側の不要な光をカットする層(151)と、有機発光層(12)側に位置し、有機発光層(12)にから放たれる光のうち、カラーフィルタ層(15)によって取り出され、外部に表示される光の波長よりも短波長側の不要な光をカットするフィルタ層(152)の2層に分かれ、層(152)には、カラーフィルタ層(15)によって取り出され外部に表示される光の波長における層(152)の屈折率と異なる屈折率を持つ微粒子が分散されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は陰極と陽極に挟持された有機発光層に電子と正孔を注入を行うことにより有機発光層から光を取り出す有機エレクトロルミネッセンス素子のうち、有機発光層から放出された光の色目をカラーフィルタを用いて変化させる機能を有するドットマトリクス方式の有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子は陽極と陰極との間に有機発光層が挟持された構造をもつ発光素子で、電圧の印加により陽極から正孔、陰極から電子が注入され、この正孔と電子の対が有機発光層表面あるいは内部で再結合することによって発生したエネルギーを光として取り出す素子である。発光層に有機物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子は古くから研究されていたが発光効率の問題で実用化が進展しなかった。これに対し、1987年にC.W.Tangにより有機層を発光層と正孔輸送層の2層に分けた積層構造の有機エレクトロルミネッセンス素子が提案され、低電圧で高効率の発光が確認され(非特許文献1等参照)、それ以降有機エレクトロルミネッセンス素子に関する研究が盛んに行われている。この積層構造をとることにより、発光層に注入された電子や正孔が対向電極に流れてしまうことを防ぐことができ、発光層内での再結合の効率が向上する。また、電子や正孔を発光層に注入する効率を高めることができる。そのため、現在では有機エレクトロルミネッセンス素子は積層構造をとるものが一般的であり、その構造は発光層と正孔注入層の2層構造、電子注入層と発光層、正孔注入層の3層構造、電子注入層と発光層、正孔輸送層、正孔注入層の4層構造等の構造の素子が提案されている。
【0003】
しかし、有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層での再結合の際に、蛍光を放つために必要な一重項の生成確率は統計的に25%であることが知られている。そのため、理論的には注入した電子と正孔のうちの1/4しか光として取り出すことが出来ないことになる。これに対し、励起三重項からの燐光を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子が提案され(非特許文献2等参照)、近年では室温で燐光を示す材料の研究が盛んに行われている。
【0004】
それでも、有機層に用いられる材料の屈折率は比較的高く、有機発光層内部で三次元的に等方に光が放たれるため基板面に対して臨界角以上の角度で発生した光は全反射を起こし、臨界角以下の光も界面で一部は反射をするために外部には取り出すことができず、発光層の屈折率が高いとさらにこの数値は低下してしまう。
【0005】
この光取り出し効率を向上させる手法として様々な提案がなされている。その中で比較的容易な手法で光取り出し効率を向上させる手法として基板部分で光の進行方向を変える手法がいくつか提案されている。特許文献1、特許文献2には基板の外部に散乱性の層を設けたものが提案されている。また特許文献3では基板自体に散乱性を持たせている。更に特許文献4では基板表面にレンズ構造を持たせている。しかしながら、これらの構造は基板まで到達した光に対して有効な手段であり、発光層から基板に入射する光の取り出し効率には影響しない。さらに、有機エレクトロルミネッセンス素子を面光源として用いる場合には有効であるが、カラーフィルタを必要とするようなドットマトリクスの素子では視差を考慮すると有効な手段とはいえない。
【0006】
また、特許文献5では基板と光取り出し面との間に屈折率が発光層と同等以上でかつ、散乱性を有する層を設けたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子を提案されているが、その場合、基板までの光取り出し効率は向上するが、基板と外界での臨界角の問題が存在するために、基板まで到達しつつも、外界への臨界角以上の光については光取り出し効率を向上させることが出来ない。この場合に、基板内部あるいは外部表面で散乱や回折等の構造をとれば光取り出し効率は向上し得るが、その場合も前述のようにドットマトリクス方式の表示素子のように基板上に発光色の異なる画素をもつ素子では有効な手段ではなくなる。
【0007】
一方、ドットマトリクスの有機エレクトロルミネッセンス素子でフルカラーの表示装置を作る場合、1画素をさらに複数のサブピクセルに分割し、サブピクセル毎に異なる発光色を持たせ、サブピクセルごとに光の強度を変化させ、光の加法混色によって画素の色調を作り出している。その場合、サブピクセル毎に異なる色の発光を行わせるためにはサブピクセルごとに素子の構造を変える必要がある。一般的に広く行われている方法は、発光する有機発光層の材料の種類をサブピクセルごとに変え、サブピクセルの形状に応じて、異なる有機発光層を基板上にパターニングする方法である。有機発光層が低分子材料で、真空蒸着法によって有機発光層の薄膜を形成する場合、サブピクセルの形状に応じた孔を開けたメタルマスクを基板上において蒸着することによって発光層のパターンを得ている。また、有機発光層が高分子材料で、材料を溶媒に溶解させ、塗布法で有機発光層の薄膜を形成している場合は、サブピクセルの形状に応じたバンクを予め形成した上でインクジェットによってパターンを形成したり、スクリーン印刷やグラビア印刷等でパターンを形成する方法が行われている。
【0008】
しかしながら、メタルマスクを用いた真空蒸着法の場合、基板が大型化した場合、マスク自体の自重や有機発光層の蒸着源からの輻射熱でメタルマスクに歪みを生じてしまい、パターンがずれてしまう問題が発生する。また、高分子材料でインクジェット法を用いた場合でも、基板が大型化すると、描画時間が長くなり、生産効率が悪化してしまうという問題が発生する。一方、スクリーン印刷やグラビア印刷法の場合でも、版の精度の点から、基板が大型化したり、画素の高精細化している場合はパターンのズレが問題になる。また、有機発光層の材料自体に反応性を持たせたり、有機発光層を形成した上にフォトレジストの層を形成してフォトリソグラフィ法でパターニングする方法も提案されているが、露光や現像、エッチングの工程で有機発光層にダメージが発生し、素子の性能が大きく低下してしまう問題がある。
【0009】
これに対して、基板の面内全てで有機発光層をベタ面で形成し、基板上のカラーフィルタによってサブピクセルの色を作りだす方法であれば、基板の大型化や高精細化などによるパターンずれの問題ははるかに少なくなる。この方法の場合、光源となる有機発光層の光をカラーフィルタでカットしてしまうために光の利用効率が低下してしまう問題が考えられる。しかしながら、有機発光層をサブピクセル毎にパターニングして作成したドットマトリクスの素子の場合、画素が非点灯時には背面の電極に外光が反射して金属光沢が見えてしまうため、黒色の表現のために、素子外部に円偏光板を配置している。このため、素子で発生し、外部に取り出された光の半分は円偏光板でカットされてしまう。一方、基板がカラーフィルタを有している場合、外光が素子の背面電極で反射し、外部に戻ってくる前にカラーフィルタ層を2回通過している。このため、外光はカラーフィルタでほとんど吸収されてしまい、非点灯時の画素の色は実質的に黒色に見えるために円偏光板を必要としない。このため、カラーフィルタでの吸収と円偏光板での吸収を考慮すると、両素子構造で光の利用効率はそれほど差がないものと考えることができる。
【0010】
ところで、カラーフィルタ層は通常、バインダーになる樹脂に、必要な波長の光を取り出すための色材を分散させた構造になっている。この場合、バインダー樹脂は通常、可視光領域では吸収のない、つまり透明な材料を用いている。このような材料の場合、屈折率の分散曲線は可視項領域において正常分散(光の波長λに対して単調減少関数)をしている。一方、正常分散をしているときの波長に対する屈折率の変化の度合いは一般にアッベ数(下記式(1))で表され、アッベ数が高いと波長に対する屈折率の変化が小さくなる。カラーフィルタのバインダー樹脂として広く用いられているアクリル樹脂はアッベ数が比較的高く(PMMAのアッベ数:約58)、つまり、波長に対して屈折率の変化が少ない材料であるということがいえる。
【数1】

【0011】
(式(1)において、νdは、アッベ数、nCは、λ=656.3nmにおける屈折率、nDは、λ=589.2nmにおける屈折率、nFはλ=486.1nmにおける屈折率)。
【0012】
一方、色材のように特定の波長において吸収のある材料、つまり、消衰係数をもつ材料の場合、消衰係数が高くなる波長領域の近傍で屈折率の異常分散が発生する。さらにその屈折率は、吸収がある波長よりも短波長側で低屈折率化し、逆に長波長側では高屈折率化することが知られている。そこで、屈折率変化の少ない透明樹脂に、ある色材を添加してカラーフィルタ層を作成すると、その色材の吸収波長よりも短波長側でカラーフィルタ層を低屈折率化し、長波長側でカラーフィルタ層を高屈折率化させることができる。
【非特許文献1】C.W.Tang、S.A.VanSlyke、Applied Physics Letters、51巻、913頁(1987年)
【非特許文献2】M.A.Baldoら、Nature、395巻、151頁(1998年)
【特許文献1】特開2003−109747号公報
【特許文献2】特開2002−75657号公報
【特許文献3】特開2001−356207号公報
【特許文献4】特開平8−83688号公報
【特許文献5】特開2004−296429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は高効率のドットマトリクス方式の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは前記の課題を克服するために鋭意検討を行った結果、本発明を得るに至った。即ち本発明は次に示される(1)〜(14)の有機エレクトロルミネッセンス素子、および(15)に示される表示装置を提供する。
【0015】
(1)
基板上に少なくとも、発光領域を有する1層以上の有機発光層と、前記有機発光層に正孔を注入する陽極と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記基板の有機発光層側には、カラーフィルタ層を備えており、かつ、該カラーフィルタ層は上下2層に分かれており、2層のうち、基板側に位置する層は、有機発光層から放たれる光のうち、カラーフィルタ層によって取り出され、外部に表示される光の波長よりも、長波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層を構成し、かつ、有機発光層側に位置する層は、有機発光層から放たれる光のうち、カラーフィルタ層によって取り出され、外部に表示される光の波長よりも短波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層を構成し、さらに、前記短波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層には、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における、前記短波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層の屈折率と異なる屈折率を有する微粒子が分散されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0016】
(2)
前記長波長カットフィルタ層は、長波長側の不要な光を吸収するために、カットフィルタ層に含有させている色材を含有させていない場合と比較して、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が低くなっていることを特徴とする上記(1)記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0017】
(3)
前記短波長カットフィルタ層は、短波長側の不要な光を吸収するために、カットフィルタ層に含有させている色材を含有させていない場合と比較して、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が高くなっていることを特徴とする上記(1)記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0018】
(4)
基板側からカラーフィルタ層と平滑化層をこの順で備えており、かつ、該カラーフィルタ層は上下2層に分かれており、2層のうち、基板側に位置する層は、有機発光層から放たれる光のうち、カラーフィルタ層によって取り出され、外部に表示される光の波長よりも、長波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層を構成し、かつ、有機発光層側に位置する層は、有機発光層から放たれる光のうち、カラーフィルタ層によって取り出され、外部に表示される光の波長よりも短波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層を構成し、さらに、前記短波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層には、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における、前記短波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層の屈折率と異なる屈折率を有する微粒子が分散されていることを特徴とする上記(1)記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0019】
(5)
前記長波長カットフィルタ層は、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が1.35以下であることを特徴とする上記(1)記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0020】
(6)
前記長波長カットフィルタ層は、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が1.3以下であることを特徴とする上記(1)記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0021】
(7)
前記短波長カットフィルタ層は、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が1.6以上であることを特徴とする上記(1)記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0022】
(8)
前記短波長カットフィルタ層は、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が1.7以上であることを特徴とする上記(1)記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0023】
(9)
前記平滑化層は、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が1.6以上であることを特徴とする上記(4)記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0024】
(10)
前記平滑化層は、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が1.7以上であることを特徴とする上記(4)記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0025】
(11)
上記(1)記載の微粒子は金属、金属化合物、ケイ素化合物、樹脂であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0026】
(12)
上記(4)記載の平滑化層は、無機ポリマーからなることを特徴とする上記(5)記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0027】
(13)
前記無機ポリマーはゾルゲル法によって形成されていることを特徴とする上記(12)記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0028】
(14)
基板上に少なくとも、発光領域を有する1層以上の有機発光層と、前記有機発光層に正孔を注入する陽極と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記基板の有機発光層側には、基板側からカラーフィルタ層、バリア層もしくは、カラーフィルタ層と平滑化層とバリア層とをこの順で備えており、前記有機発光層が放出する光のうち、前記カラーフィルタによって取り出される光の波長における前記バリア層の屈折率は、前記有機発光層の屈折率よりも高いことを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0029】
(15)
上記(1)〜(14)のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする表示装置。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、光取り出し効率に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子およびそれを用いた表示装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明のいくつかの態様を説明する。全図にわたって同一または同様の構成要素は同一参照符号で示す。
【0032】
図1〜図3は、本発明の第1〜3の態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す概略図である。各有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板11に、発光領域を有する1層以上の有機発光層(有機エレクトロルミネッセンス層)12を有し、この有機発光層12は有機発光層12に電子を注入する陰極(背面電極)13と、有機発光層12に正孔を注入する陽極(透明電極)14とに挟持されている。基板11の有機発光層12側に、すなわち透明電極14の下には基板11に隣接してカラーフィルタ層15が設けられている。カラーフィルタ層15は上下2層に分かれており、その2層のうち、基板側に位置する層151には、有機発光層12から放たれる光のうち、カラーフィルタ層15によって取り出され、外部に表示される光の波長よりも、長波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層を構成し、有機発光層12側に位置する層152は、有機発光層12から放たれる光のうち、カラーフィルタ層15によって取り出され、外部に表示される光の波長よりも、短波長側の不要な光をカットする短波長カットフィルタ層を構成している。なお、本発明において、光を吸収させる層は長波長側と短波長側の2層あり、それぞれを長波長カットフィルタ層および短波長カットフィルタ層といい、両カットフィルタ層を重ね合わせたものを1つにしてカラーフィルタ層と呼ぶ。
【0033】
図1を参照すると、有機発光層12で発生した光は、基板側11の電極14(通常は透明電極)を通過するが、この場合、通常は透明電極の屈折率は有機発光層12の屈折率よりも高いために臨界角は存在しない。さらに電極14を通過し、電極14と短波長カットフィルタ層152の界面に到達した光はスネルの法則に従って屈折を起こし、臨界角以上の角度で界面に到達した光は全反射を起こすために、通常は短波長カットフィルタ層152に進入できない(図1中の符号(b)で示す)。このとき、臨界角はカラーフィルタ層15によって取り出される光の波長における、有機発光層12の屈折率と短波長カットフィルタ層152の屈折率に依存し、短波長カットフィルタ層152の屈折率が有機発光層12の屈折率以下であれば、臨界角が存在する。また、通常カラーフィルタ層15にはアクリル樹脂をバインダーにして、内部に顔料微粒子を分散させたものが使われている。一般的なアクリル樹脂であれば屈折率が1.5程度であり、有機発光層12の屈折率よりも低いために臨界角が存在する。一方、前述のように色材などの光を吸収する材料の場合、その吸収領域の近傍で屈折率の異常分散が発生し、吸収波長の長波長側近傍での屈折率は、色材を添加していないときの屈折率よりも高くなる。通常のカラーフィルタ層の場合、光源の光から不要な光をカットするために、必要な光の波長よりも長波長側の光と短波長側の光の両方に吸収をもつ色材を用いている。また、赤や青など可視光の両端の波長領域の光を取り出すカラーフィルタ層はそれぞれの波長よりも外側の領域には光がないため、その外側の領域には吸収を持たない場合もある。
【0034】
一方、本発明のカラーフィルタ層15は短波長カットフィルタ層152と長波長カットフィルタ層151に分かれており、透明電極14に隣接する短波長カットフィルタ層152は屈折率の異常分散によって、有機発光層12から放たれた光のうち、カラーフィルタ層15によって取り出される波長の光、即ち短波長カットフィルタ層152の吸収領域の長波長側近傍においては、バインダー樹脂に色材を添加していないときと比較して屈折率が高くなる。この場合、色材を添加していないときの樹脂(屈折率1.5)に対して、有機発光層12の屈折率を1.65とすれば臨界角は約65°となる。ここで色材を添加して短波長カットフィルタ層152の屈折率を1.6まで高めた場合、臨界角は約76°まで改善する。さらに屈折率を1.7まで高めれば臨界角は存在しなくなる。従って図1の符号(a)で示すように、光は短波長カットフィルタ層152を通過し得るようになる。
【0035】
図2を参照すると長波長カットフィルタ層151は、前述のように屈折率の異常分散によって、有機発光層12から放たれた光のうち、カラーフィルタ層によって取り出される波長の光、即ち、長波長カットフィルタ層151の吸収領域の短波長側近傍においては、バインダー樹脂に色材を添加していないときと比較して屈折率が低くなる。さらにカラーフィルタ層によって取り出される光の波長における長波長カットフィルタの屈折率が1.35以下、さらには1.3以下に設定され得る。また、短波長カットフィルタ層152はカラーフィルタ層15によって取り出される光の波長において、前記波長における短波長カットフィルタ層152の屈折率と異なる屈折率を有する微粒子が分散されているため、有機発光層12で発生した光は短波長カットフィルタ層152に進入すると微粒子との界面で反射し、散乱を起こす。
【0036】
一方、有機発光層で発生する光のうち、カラーフィルタ層15によって取り出される光の波長における、長波長カットフィルタ層151の屈折率を1.35以下、さらには1.3以下と低く設定すると、短波長カットフィルタ層152から長波長カットフィルタ層151へ光が進入するときの臨界角は狭くなっているが、短波長カットフィルタ層152で光が散乱を起こすために、臨界角以上の角度で短波長カットフィルタ層152から長波長カットフィルタ層151に入射し、短波長カットフィルタ層152と長波長カットフィルタ層151との界面で全反射を起こして短波長カットフィルタ層152に戻った光は短波長カットフィルタ層152内部で散乱を起こして光の進行方向を変え、別の角度で再度長波長カットフィルタ層151に入射する(図2中の符号(c)で示す)。このため、臨界角以上の角度で入射した光も散乱を起こす度に角度が変わるため、長波長カットフィルタ層151に進入することが可能になる。
【0037】
一方、図3を参照すると、屈折率1.0の空気層(外界)に出射する際の臨界角θcはsinθc=1/n(nは基板11の屈折率)と表されるが、長波長カットフィルタ層151から基板に入射する際に、有機発光層12で発生する光のうち、カラーフィルタ層15によって取り出される光の波長における、長波長カットフィルタ層151の屈折率をn’、入射角をθ’とすると基板に進入した光の角度θはスネルの法則sinθ=sinθ’・(n’/n)に従って屈折を起こすために、長波長カットフィルタ層151から見た空気層に対する臨界角θ’cはsinθ’c=1/n’と表され、基板11の屈折率に関係なく、有機発光層12で発生する光のうち、カラーフィルタ層15によって取り出される光の波長における、長波長カットフィルタ層151の屈折率で臨界角が決まり、このときの長波長カットフィルタ層151の屈折率n’を1.35以下とすることで外界への臨界角を約48°以上と大きくすることが可能になり、また、1.3以下とすることで外界への臨界角を約50°以上と大きくすることが可能になる。
【0038】
また、有機発光層12で発生する光のうち、カラーフィルタ層15によって取り出される光の波長における、長波長カットフィルタ層151の屈折率を基板の屈折率よりも小さくすると、長波長カットフィルタ層151の空気層に対する臨界角θ’cは基板11の空気層に対する臨界角θcよりも大きくなる。このため、長波長カットフィルタ層151が無いときに比べて、基板11と外界の界面で全反射した光が長波長カットフィルタ層151まで戻って、長波長カットフィルタ層151と短波長カットフィルタ層152との界面で散乱し、臨界角以下に角度を変えて再度基板に進入して外界まで光が到達する光が減少する。このため、図3におけるように厚い基板11を介した多重反射と散乱による画素のボケの発生を抑制することが可能である。また、長波長カットフィルタ層151よりも屈折率の高い基板としては、ソーダライムガラス、液晶ディスプレイに用いられる無アルカリガラス、ポリカーボネート樹脂板やPMMAなどのアクリル樹脂板などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。図3において上記光の様子は符号(d)で示されている。
【0039】
短波長カットフィルタ層152に分散させる微粒子の材料は、この用途に利用可能で、カラーフィルタ層15によって取り出される光の波長において、前記波長における短波長カットフィルタ層152の屈折率が異なる材料であれば用いることが可能であるが、特に金属微粒子、酸化物や窒化物、炭化物などの金属化合物の微粒子、シリカ炭化ケイ素、窒化ケイ素などのケイ素化合物の微粒子、樹脂の微粒子などが好適に用いることができる。また、短波長カットフィルタ層152に分散させる微粒子の粒径はこの用途で用いることが可能であれば特に制限は無いが、あまり小さすぎると散乱性を失ってしまい、あまり大き過ぎると短波長カットフィルタ層152自体の表面粗さを悪くするため、好ましくない。この用途であれば粒径50nm〜5μmの粒子が好ましく用いられる。
【0040】
図4は透明電極14とカラーフィルタ層15との間に平滑化層21を設けた以外は、図1〜図3に示す有機エレクトロルミネッセンス素子と同様の構成を有する本発明の第4の態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す概略図である。カラーフィルタ層15は顔料微粒子を含有しており、また、短波長カットフィルタ層152はカラーフィルタ層15によって取り出される光の波長において、短波長カットフィルタ層152の屈折率と異なる屈折率を有する微粒子が分散されている。
【0041】
そのため、カラーフィルタ層15の表面には凹凸があり、この上に2つの電極13、14に挟持された有機発光層12を形成する場合、カラーフィルタ層15の凹凸によって有機発光層12にムラが生じ、局所的に2つの電極がショートしている箇所が発生してしまう可能性がある。また、カラーフィルタ層15はサブピクセルの形状に応じてパターニングされており、カラーフィルタ層15自体の膜厚も1〜数μm程度あるために、パターンの端部でかなりの段差が生じており、この段差の上に形成した電極が断線してしまう可能性もある。ここで平滑化層21をカラーフィルタ層15と電極14の間に形成することによってカラーフィルタ層15表面の凹凸やパターン端部の段差をなくすことが可能である。また、平滑化層21と有機発光層12の屈折率差は前記短波長カットフィルタ層151と有機発光層12との屈折率差同様に臨界角の問題と反射(図4中の符号(f)で示す)の問題を生じさせる。そこで平滑化層21の屈折率を1.6以上にすれば前述の理由と同じ理由で光をカラーフィルタ層15に進入させることができ(図4中の符号(e)で示す)、光取り出し効率を高めることができ、さらに、平滑化層21の屈折率を1.7以上にすれば前述の理由と同じ理由で光取り出し効率をより高めることができる。
【0042】
また、平滑化層21を無機ポリマーで形成することで、容易に高屈折率で光透過率の高い膜を得ることができる。また、前述のように、カラーフィルタ層の耐熱性は、一般にそれほど高くないため、この平滑化層21はゾルゲル法を用いることで、高屈折率で光透過率の高い膜を比較的低温で作成することができる。
【0043】
図5は透明電極14とカラーフィルタ層15の間に、バリア層31を設けた以外は、図1〜3に示す有機エレクトロルミネッセンス素子と同様の構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を示す。バリア層31とカラーフィルタ層15の間には平滑化層21を設けることができる。カラーフィルタ層15のバインダー樹脂は通常アクリル系の樹脂が広く使われているが、これらの樹脂はアルカリ現像を行えるように親水性の官能基を有している場合が多い。そのため、カラーフィルタ層15形成の工程で樹脂内部に水の分子を吸着し、この吸着水が有機発光層12や反射電極13に作用してダークスポットなどの素子劣化の要因になることがある。このため、カラーフィルタ層15あるいは平滑化層21と透明電極層14との間にバリア層31を形成することがある。このときバリア層31の屈折率を前記有機発光層12の屈折率よりも高くすることで有機発光層12とバリア層31との間の臨界角をなくし、(図5中の符号(h)で示す)全反射を防止することが可能になる。
【0044】
さらに、本発明は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を有する表示装置にも関する。この表示装置は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の光取り出し効率が優れている故に、消費電力を低減することができ、また、有機エレクトロルミネッセンス素子に通ずる電流を低減することができるために素子の長寿命化を可能にするものである。
【0045】
次に本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する構成要素についてより詳しく説明する。
【0046】
本発明の有機エレクトロルミネッセンスに用いられる基板は可視光において透光性があるものを用いる。透光性としては基板の透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上あることが更に好ましい。また、屈折率は下地層の屈折率よりも高い屈折率を持っていれば特に制限はないが、屈折率が1.8を超えるような高屈折率の基板の場合、基板表面での外光の反射率が高くなり、外光の映りこみが顕著になるため好ましくないうえ、カラーフィルタ層の屈折率をここまで高めることは困難であるため、好ましくない。このような用途に好適に用いられる基板としては、例を挙げると、BK7、BaK1、F2などの光学ガラス、石英ガラス、液晶ディスプレイに用いられる無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラスなどのガラス基板、PMMAなどのアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスチレンなどのスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂などといった樹脂基板を挙げることができる。さらに、カラーフィルタ層に用いられる樹脂は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などが用いられているが、透明性や製造コストの面からアクリル樹脂を用いる手法が主流である。この場合、アクリル樹脂の屈折率は1.5前後であるため、基板の屈折率もこれに近いものが好ましい。また、基板の厚さは通常0.1mm〜10mmのものが用いられるが、機械的強度や、基板の重量を考慮すると0.3mm〜5mmであることが好ましく、0.5mm〜2mmであることがより好ましい。
【0047】
カラーフィルタ層は光源の光から所望の波長の光だけを透過し、不要な光をカットする層である。また、フルカラー有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、あるいはマルチカラー有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにおいてはディスプレイの画素の形状に応じて層をパターニングする必要がある。現在、ディスプレイ用のカラーフィルタとして液晶ディスプレイ用カラーフィルタが広く用いられている。従来、これらの液晶用カラーフィルタの製造方法として挙げられる方法には顔料分散法、染色法、電着法、印刷法、インクジェット法などが挙げられる。本発明におけるカラーフィルタ層も、これらの手法を用いて作成することができるが、特に顔料分散法、印刷法、インクジェット法を用いることが好ましい。
【0048】
顔料分散法は着色顔料とバインダー樹脂と架橋剤と光重合開始剤とを含有してなる感光性着色組成物を基板上に塗布し、フォトリソグラフィによってパターニングする方法である。前記感光性着色組成物を基板上にスピンコート、ディップコート、スリットコート、ダイコート、ロールコート、スプレーコートなどの手段で塗布することができる。このうち、従来は主にスピンコート法によって基板上に感光性着色組成物を塗布する方法が主流であったが、最近では、基板の大型化や省液のためにスリットコートでおおまかに基板上に感光性着色組成物を塗布したのち、基板をスピンさせて所望の膜厚を得る方法(スリットスピン法)やスリットコートのみで基板に塗布を行う方法が主流になっている。感光性着色組成物を塗布した基板に、所望のパターンに応じたフォトマスクを基板にあて、露光を行う。感光性着色組成物は通常露光部が硬化するネガ型で、露光光は超高圧水銀灯を光源とする、主にi線(波長365nm)からなる紫外光を通常用いる。現像は有機溶媒による現像やアルカリ現像を行うことができるが、環境負荷の小さいアルカリ現像が主流である。現像を行ったパターンはベークにより未反応の重合開始剤や樹脂中の溶媒を分解、蒸発させて除去し、パターンの完全硬化を行う。この手法を必要な回数繰り返して行ってカラーフィルタを得る。また、本発明においては各画素のカラーフィルタ層が2層になっているため、白色光源をRGBの3色に分解するカラーフィルタは6種の感光性着色組成物を用いて6回この操作を行うことでカラーフィルタを作成する。また、各画素の長波長カットフィルタ層と短波長カットフィルタ層を同時に基板にコートし一括で露光、現像を行うことでフォトリソグラフィの工程を減じることができる。
【0049】
印刷法は着色顔料とバインダー樹脂と溶剤を混合してなるインクを基板上に印刷する方法である。印刷の方法としてはグラビア印刷、スクリーン印刷、凸版印刷、平版印刷、反転印刷など既知の手法を用いることができる。インクジェット法はインクジェットノズルの吐出部に印刷法は着色顔料とバインダー樹脂と溶剤を混合してなるインクを供給し、ピエゾ素子の振動や熱エネルギーによってインクの粒をノズルより吐出し、パターン形状に応じて基板上に着滴させることでカラーフィルタを形成する方法である。インクジェット法の場合、特開昭59−75205記載ようにノズルから吐出されたインクの着滴位置の精度に限界があるため、予め基板上の画素の縁になる部分に、フォトリソグラフィなどを用いて、バンクと呼ばれる、撥液性のある材料で形成されたパターンを準備しておき、ノズルから吐出されたインクが着滴する目標の画素から外れた場合に、画素から外れて着滴した部分のバンクでインクがはじいて画素部分にインクを移動させることでパターン形状を正確に形成させている。また、液晶ディスプレイの場合、配線部分からバックライトの光が漏れて画像のコントラストが低下することを防止するために、画素間の隙間の部分にブラックマトリクスと呼ばれる遮光膜を形成させている場合が多いが、前記バンクに遮光性を持たせてブラックマトリクスの機能を兼ねていることもある。
【0050】
カラーフィルタ層を形成する着色組成物に用いる顔料はこの用途に適するものであれば特に制限はないが、例として、C.I.Pigment Yellow12、13、14、17、20、24、55、83、86、93、109、110、117、125、137、139、147、148、153、154、166、168、C.I.Pigment Orange36、43、51、55、59、61、C.I.Pigment Red9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、C.I.Pigment Violet19、23、29、30、37、40、50、C.I.Pigment Blue15、15:1、15:4、15:6、22、60、64、C.I.Pigment Brown23、25、26、C.I.Pigment Black7などが挙げられ、また、近外赤外域のカットフィルタ層の吸収剤として、シアニン系色素、アゾ系色素、ピロメテン系色素、スクアリリウム系色素、フタロシアニン系色素などの近赤外吸収色素が挙げられ、また、近紫外域のカットフィルタ層の吸収剤としてベンゾトリアゾール系色素、トリアジン系色素、キノフタロン系色素、アントラキノン系色素、ポリメチン系色素、ジベンゾイルメタン系色素などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
本発明において、長波長カットフィルタ層や短波長カットフィルタ層を形成する手段が顔料分散法の場合、カラーフィルタ形成用の着色組成物に光硬化性を持たせるために添加するモノマーは、この用途に適するものであれば特に制限は無いが、例を挙げると、(メタ)アクリル酸や、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラキス(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサキス(メタ)アクリレートなどの多官能アクリルモノマー、(メタ)アクリル酸グリシジルのようなエポキシをもつモノマーなどがあるがこれらに限定されるものではない。また、これらのモノマーは必要に応じて適宜、複数を混合して使用しても良い。なお、本発明における(メタ)アクリとはメタクリル、アクリルのいずれをも意味する。
【0052】
また、本発明において、長波長カットフィルタ層や短波長カットフィルタ層を形成する手段が顔料分散法の場合、カラーフィルタ形成用の着色組成物に光硬化性を持たせるために添加する光重合開始剤は、この用途に適するものであれば特に制限は無く、カラーフィルタ形成用の着色組成物に添加される光重合開始剤として、各種文献に報告されているものを用いることができる。これらの光重合開始剤の例を挙げると、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、2−クロロチオキサントン、2−エチルアントラキノン、ジエチルチオキサントン(カヤキュアDETX:日本化薬製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン(イルガキュア369:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(イルガキュア819:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、ビイミダゾール化合物などあるが、これらに限定されるものではない。また、これらの光重合開始剤は必要に応じて適宜、複数を混合して使用しても良い。
【0053】
また、本発明において長波長カットフィルタ層や短波長カットフィルタ層を形成する手段が顔料分散法以外の場合、はじめに形成した長波長カットフィルタ層は、その後、短波長カットフィルタ層形成用の着色組成物をコートされるため、下地の長波長カットフィルタ層が溶剤に溶出してしまわないようにする目的で前記光硬化性モノマー、光重合開始剤を加えてパターン形成後に光照射によって膜を硬化させてもよい。また、熱硬化性モノマーを加えて熱硬化によって膜を硬化させてもよい。また、短波長カットフィルタ層形成後、光硬化や熱硬化を行うために短波長カットフィルタ層形成用着色組成物に光硬化性モノマー、光重合開始剤、あるいは熱硬化性モノマーを添加してもよい。
【0054】
さらに本発明の長波長カットフィルタ層や短波長カットフィルタ層を形成するための着色組成物には各種塗布工程に適した粘度や着色組成物の安定性、塗布時の塗膜の平滑性を得るために各種溶剤を用いることができる。溶剤の例としては、メタノール、エタノール、トルエン、シクロヘキサン、イソホロン、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルベンゼン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸イソアミル、乳酸エチル、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、プロピレングリコールジアセテート、エトキシプロピオン酸エチル、ブチルカルビトール、カルビトールアセテートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの各種溶剤は必要に応じて適宜、複数を混合して使用しても良い。また、塗布時の塗膜の平滑性を得る目的で各種添加剤を添加しても良い。
【0055】
また、本発明では、短波長カットフィルタ層に散乱性を持たせるために、前記着色組成物にはカラーフィルタによって取り出される光の波長において、前記波長における前記カラーフィルタの屈折率と異なる屈折率を有する微粒子が分散されている。分散する微粒子は短波長カットフィルタ層の樹脂と屈折率が異なり、散乱性を有するものであれば特に制限はないが、金属、金属酸化物や金属窒化物、金属炭化物などの金属化合物、シリカや窒化ケイ素などのケイ素化合物、各種樹脂の微粒子などを好適に用いることができる。また、添加する微粒子の大きさはあまり小さすぎると散乱性を失い好ましくないため、粒径は50nm以上、好ましくは70nm以上のものを用いる。さらに添加する微粒子の粒径は大きすぎても短波長カットフィルタ層の膜表面の表面荒れを起こす原因になり好ましくないため、粒径は5μm以下、好ましくは1μm以下のものを用いる。また、1次粒子の粒径が50nm以下であっても、粒子がある程度凝集して凝集2次粒子の粒径が50nmを超えるものであれば用いることができる。また、散乱微粒子をカラーフィルタ層形成のための着色組成物に分散させる手段としては前記顔料微粒子を着色組成物に分散させる手段と同じものを用いることができる。また、分散を助けたり、分散後の微粒子の再凝集を防止するために分散助剤を用いてもよい。特に分散微粒子が無機の微粒子の場合、樹脂などの有機材料との相性をよくするために、シランカップリング剤を添加してもよい。
【0056】
本発明において、短波長カットフィルタ層には散乱のための微粒子や顔料微粒子が含まれているために短波長カットフィルタ層の表面には微細な凹凸が存在する。有機エレクトロルミネッセンス素子の場合、有機発光層を挟持する陰極と陽極の間隔が0.3μm以下と非常に小さいため、微細な凹凸によってその上に形成される電極がショートしてしまう可能性がある。また、長波長カットフィルタ層や短波長カットフィルタ層自体の厚みが1μm前後と、有機発光層や電極の厚みに比べて非常に厚く、長波長カットフィルタ層や短波長カットフィルタ層は画素形状に応じてパターニングされているため、そのパターン端部での段差によってその上に成膜する有機発光層や電極が断線してしまう可能性がある。そこで本発明では短波長カットフィルタ層の素子側に平滑化層を設けてもよい。この場合、平滑化層は前記理由により光取り出し効率を高めるために屈折率を高めてある。この用途に適した高屈折率の材料としてはカラーフィルタ層と同じようにジルコニウム、チタン、セリウム原子を含有させた透明樹脂や、ゾルゲル法によって形成した無機薄膜などを挙げることができる。特にゾルゲル法によって形成した無機の薄膜は有機材料よりも高い屈折率を得ることができ、好ましい。ゾルゲル法によって無機薄膜の平滑化層を形成する場合、平滑化層を形成する無機材料の原料となるチタンアルコキシドやジルコニウムアルコキシドなどの金属アルコキシドとアルコール類、水などを溶媒として塗布液を作成し、これを基板上に任意の手段で塗布したのち、適切な温度で焼成することによって平滑化層を得ることができる。焼成温度は100℃〜400℃であればよいが、下地のカラーフィルタ層へのダメージを考慮すると焼成温度は100℃〜250℃が好ましい。
【0057】
また、本発明においてカラーフィルタ層は光源の色を分割し、その色を組み合わせることでフルカラーもしくはマルチカラーのディスプレイの色を発色させるものであるため、サブピクセルの色数は3色以上であることが好ましい。一般に、フルカラーディスプレイのカラーフィルタのサブピクセルは光源の白色をRGB3色に分割している場合が多いが、近年は色再現域の拡大を狙って4色以上のサブピクセルをもつディスプレイも考案されており、本発明もそのようなサブピクセル形式をとることが可能である。
【0058】
一方、有機エレクトロルミネッセンス素子において、カラーフィルタを用いる場合、カラーフィルタ層などの樹脂層に吸着している水分が長い時間を経てカラーフィルタ層から有機発光層に浸出し、この水分が有機層や陰極の金属と反応することで素子寿命低下やダークスポットの原因となる。このため本発明では短波長カットフィルタ層あるいは平滑化層の素子側にガスのバリア層を設けることが好ましい。このバリア層の材料は、平滑化層と同様に屈折率が高いことが好ましい。この場合、一般的に有機エレクトロルミネッセンス素子に用いられるバリア層は窒化ケイ素、酸窒化ケイ素酸化アルミニウムなどの薄膜であり、これらの薄膜の屈折率は有機発光層に用いられる有機物の屈折率に比べて十分高いために問題はない。ただし、バリア層によく用いられるシリカは屈折率が1.5程度と低いために本発明においては好ましくない。また、膜厚は0.1〜10μmの範囲が好ましく、膜応力や透明性を考慮すると0.1〜1μmがより好ましい。本発明におけるバリア層の形成方法は、この用途に利用可能なものであれば特に制限はないが、DCスパッタ、RFスパッタ、マグネトロンスパッタ、ECRスパッタ、対向ターゲットスパッタ、イオンビームスパッタなどの各種スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどを挙げることができる。
【0059】
また、有機発光層で発生した光を取り出す側の透明電極は透明導電膜が用いられる。透明電極としては酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛、酸化亜鉛などの金属酸化物が通常用いられるが、特に透明性や導電性の面から酸化インジウムスズが好ましい。透明電極層の膜厚は透明性と導電性の確保の点から80〜400nm好ましくは100〜200nmである。透明導電膜の形成方法はスパッタリング法やイオンプレーティング法など公知の手法を用いることができる。また、ドットマトリクスディスプレイの場合、透明導電膜は画素や、配線の形状に応じてパターニングする必要がある。本発明においては透明電極のパターニングの方法は公知の手法を用いることができる。代表的な方法としてはフォトリソグラフィによるパターニングが挙げられる。この場合、透明導電膜を形成した基板にフォトレジストをスピンコートなどの方法で塗布し電極パターンに応じたフォトマスクを用いてパターン露光を行う。さらに現像を行ってレジストをパターニングした基板をサンドブラストやドライエッチング、あるいは王水や塩化鉄液などを用いたウェットエッチングなどの方法で透明電極をパターニングする。また、有機発光層を形成する前にパターニングした透明導電膜上に酸素プラズマ処理やUVオゾン処理を行うことも好ましい。この場合、透明導電膜表面の有機物汚染が除去され、また透明電極が酸化インジウム錫の場合、酸素プラズマ処理やUVオゾン処理によって酸化インジウム錫の仕事関数が高くなるため、有機発光層への正孔の注入が容易になり、素子の性能が向上することが知られている。
【0060】
透明電極の上に形成される有機発光層はカラーフィルタ層によって複数の色に分解されてフルカラーあるいはマルチカラーのディスプレイのサブピクセルの色を形成するものであるから、その発光色は実質的に白色であることが好ましい。ただし、外部に取り出される光を加法混色して得られる白色は、光源の光をカラーフィルタに通過させた後の白色であるために、発光層からの発光色が厳密に白色でなくても、カラーフィルタの色目を最適化することで、ある程度は補正可能である。白色の発光を得るためには、白色の発光を行う材料で発光層を形成する方法が最も単純であるが、一般にそのような物質は少ない。そこで異なる発光色をもつ複数の材料を用いることで白色の発光を行わせる方法が一般的である。この場合、白色を発光させる方法として、発光層のホストに青色発光を行うドーパントと黄色〜赤色の発光を行うドーパントを同時にドープし、ドーパント濃度を調整することで白色を得る方法、発光層を2分割して各々の発光層に青色発光のドーパントと黄色〜赤色の発光を行うドーパントをドープする方法、発光層に青色発光のドーパントをドープし、正孔輸送層に黄色〜赤色の発光を行うドーパントをドープする方法などがあるが、2色発光によって作り出される白色であるために、カラーフィルタを組み合わせた場合では、一般的に演色性が悪い、あるいは色再現域が狭いという問題がある。また、ホストに異なる発光色を示す3種類以上のドーパントをドープして3色以上の光を混色することで白色発光の素子を作り出す方法もあるが、ドープ濃度のバランスのとり方が難しく、層構造が複雑になってしまうという問題がある。
【0061】
一方、特開2003−272860号公報に開示されているように電荷発生層で仕切られた各発光ユニットが積層されており、それぞれの発光ユニットを個別に発光させる方法を用い、各発光ユニットがそれぞれ別の色、例えば、青色発光、緑色発光、赤色発光を行い、その混色によって白色を作り出す方法を用いれば、上記のような問題は発生せず、演色性、色再現性域に優れた白色を発光させることが可能になる。また、特開2003−272860公報に開示されている方法でフルカラーマトリクスディスプレイを作成する場合、マスク蒸着を用いて発光層を塗り分ける方式でサブピクセルを作る手法では、マスク蒸着の工程が発光ユニットの段数倍に増えてしまう問題があるが、本発明のカラーフィルタと組み合わせてマトリクスディスプレイを作ることで工程数を増やさずに高効率のディスプレイを作成することが可能になる。
【0062】
陽極と陰極の両電極間に挟持される有機発光層は一層構成であっても良いし多層構成であっても良い。発光領域を有する層以外に、有機発光層と正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層といった発光を補助するための発光補助層を設けても良い。これらの発光補助層は必要に応じて適宜選択される。
【0063】
次に、有機発光層を挟んで陽極(透明電極)と対向するように陰極(背面電極)が形成される。電子を注入する陰極としては電子注入効率の高い物質を用いる。具体的にはMg、AL、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li、LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いる。または電子注入効率と安定性を両立させるため、低仕事関数なLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系が用いられる。具体的にはMgAg、AlLi,CuLi等の合金が使用できる。
【0064】
陰極の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の公知の手法を用いることができる。陰極の厚さは10nm〜1000nmが好ましい。また、陰極をパターニングする必要がある場合には、マスク等によりパターニングすることができる。また、本発明にあっては透明性のある陰極を用いれば透明電極を陰極とし、背面電極を陽極としても良い。
【0065】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、構成する層が大気中の水分や酸素によって劣化してしまうため、封止体が設けられる。封止体としては、例えば凹部を有する金属キャップ、ガラスキャップが用いられ、基板と封止体を接着剤により接着し、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する層は外部と遮断され表示装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す概略図。
【図2】本発明の第2の態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す概略図。
【図3】本発明の第3の態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す概略図。
【図4】本発明の第4の態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す概略図。
【図5】本発明の第5の態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す概略図。
【符号の説明】
【0067】
11…基板
12…有機発光層
13…背面電極
14…透明電極
15…カラーフィルタ層
21…平滑化層
31…バリア層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に少なくとも、発光領域を有する1層以上の有機発光層と、前記有機発光層に正孔を注入する陽極と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記基板の有機発光層側には、カラーフィルタ層を備えており、かつ、該カラーフィルタ層は上下2層に分かれており、2層のうち、基板側に位置する層は、有機発光層から放たれる光のうち、カラーフィルタ層によって取り出され、外部に表示される光の波長よりも、長波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層を構成し、かつ、有機発光層側に位置する層は、有機発光層から放たれる光のうち、カラーフィルタ層によって取り出され、外部に表示される光の波長よりも短波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層を構成し、さらに、前記短波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層には、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における、前記短波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層の屈折率と異なる屈折率を有する微粒子が分散されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項2】
前記長波長カットフィルタ層は、長波長側の不要な光を吸収するために、カットフィルタ層に含有させている色材を含有させていない場合と比較して、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が低くなっていることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
前記短波長カットフィルタ層は、短波長側の不要な光を吸収するために、カットフィルタ層に含有させている色材を含有させていない場合と比較して、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が高くなっていることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
基板側からカラーフィルタ層と平滑化層をこの順で備えており、かつ、該カラーフィルタ層は上下2層に分かれており、2層のうち、基板側に位置する層は、有機発光層から放たれる光のうち、カラーフィルタ層によって取り出され、外部に表示される光の波長よりも、長波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層を構成し、かつ、有機発光層側に位置する層は、有機発光層から放たれる光のうち、カラーフィルタ層によって取り出され、外部に表示される光の波長よりも短波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層を構成し、さらに、前記短波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層には、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における、前記短波長側の不要な光をカットするカットフィルタ層の屈折率と異なる屈折率を有する微粒子が分散されていることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
前記長波長カットフィルタ層は、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が1.35以下であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
前記長波長カットフィルタ層は、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が1.3以下であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
前記短波長カットフィルタ層は、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が1.6以上であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
前記短波長カットフィルタ層は、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が1.7以上であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
前記平滑化層は、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が1.6以上であることを特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項10】
前記平滑化層は、前記カラーフィルタ層によって取り出される光の波長における屈折率が1.7以上であることを特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項11】
請求項1記載の微粒子は金属、金属化合物、ケイ素化合物、樹脂であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項12】
請求項4記載の平滑化層は、無機ポリマーからなることを特徴とする請求項5記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項13】
前記無機ポリマーはゾルゲル法によって形成されていることを特徴とする請求項12記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項14】
基板上に少なくとも、発光領域を有する1層以上の有機発光層と、前記有機発光層に正孔を注入する陽極と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記基板の有機発光層側には、基板側からカラーフィルタ層、バリア層もしくは、カラーフィルタ層と平滑化層とバリア層とをこの順で備えており、前記有機発光層が放出する光のうち、前記カラーフィルタによって取り出される光の波長における前記バリア層の屈折率は、前記有機発光層の屈折率よりも高いことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−265871(P2007−265871A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−90982(P2006−90982)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【出願人】(504265754)財団法人山形県産業技術振興機構 (60)
【Fターム(参考)】