説明

有機ビヒクルの製造方法およびその有機ビヒクルを含有したペースト

【課題】多層セラミック電子部品やプラズマディスプレイを製造する際に、高粘度で、ペーストの安定性に優れ、かつグリーンシート層に該ペーストを印刷した場合にグリーンシートを侵食しない有機ビヒクルを、ペーストの溶剤となる有機溶剤中で有機バインダーとなる樹脂を溶液重合することによって製造すること、およびその製造方法で製造されたその有機ビヒクルを含有したペーストを提供すること。
【解決手段】多層セラミック電子部品またはプラズマディスプレイを製造する際に使用されるペースト用の有機ビヒクルの製造方法であって、ペーストの溶剤となるグリーンシートを侵食しない有機溶剤中で、アルキル(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする単量体を溶液重合させる有機ビヒクルの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックコンデンサー、多層セラミック基板などの多層セラミック電子部品やプラズマディスプレイを製造する際に使用される有機ビヒクルの製造方法およびその有機ビヒクルを含有したペーストに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多層セラミック電子部品は、通常、誘電層となるセラミックグリーンシートの上に内部電極用導電性ペーストをスクリーン印刷し、それを交互に数十層積み重ね同時焼成してセラミック積層体を得た後、このセラミック積層体に外部電極用導電性ペーストを塗布、焼き付け加工して得られる。
【0003】
セラミックグリーンシートは、セラミック誘電体粉末にポリビニルブチラール樹脂などの有機バインダーおよびエタノールなどの有機溶剤を加え混合したセラミックスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形したものが使用される。また、導電性ペーストは、ニッケル、銅、銀、パラジウムなどの金属粉末などの導電性材料を、有機ビヒクルに分散させたものが使用される。
【0004】
有機ビヒクルは、通常、バインダーとして使用される樹脂成分を有機溶剤に溶解して得られる。導電性ペーストに使用される有機バインダーとしては、エチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、また、有機溶剤としては、特許文献1に示されるように、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテートなどが使用されてきた。
【0005】
ところで、多層セラミック電子部品の薄層化が進むにつれて、セラミックグリーンシートの上に導電性ペーストを印刷する際、有機ビヒクルに含まれる溶剤が、グリーンシート層へ浸食する、いわゆる、シートアタック現象が起こる問題が生じた。これは、焼成後のデラミネーションの発生につながる。そこで、グリーンシート層への侵食が少ない溶剤として、特許文献2に水素添加ターピネオール、特許文献3にはイソボルニルアセテートおよびノピルアセテート、特許文献4には水素添加ターピネオールアセテートを使用するペースト溶剤が提案されている。
【0006】
しかしながら、これらの溶剤は、ターピネオールに比べて、セルロース系樹脂に対する溶解力が低いため、有機ビヒクルの状態で保存しておくと、有機ビヒクルの物理的特性に経時変化が生じる。このことが、ニッケル、銅、銀、パラジウムなどの金属粉末など、導電性材料の分散性低下の原因となり、さらには積層セラミックコンデンサーの電気的特性の劣化につながる。
【0007】
また、セルロース系樹脂を主成分とする有機バインダーと、ニッケル、銅などの卑金属粉末とを用いて作製した導電性ペーストは、熱分解性が悪く、焼成温度の低い還元性雰囲気での焼成では、焼成後に炭素分が残留するという問題がある。このことにより、導電性の低下が生じる。
【0008】
そこで、特許文献5に示されるように、熱分解性に優れるアクリル系樹脂の使用が提案されている。
しかしながら、このアクリル系樹脂を主成分とする有機バインダーを用いて導電性ペーストを作製した場合、熱分解性は向上するものの、粘度が小さくなる。このことにより、導電性ペーストを塗布した際に、塗布後に垂れたり、厚みが薄くなったりして所望の厚みが得られないという問題が発生した。粘度を高くするために、有機バインダーの添加量を増加させると、導電性ペーストに含まれる樹脂成分の固形分濃度が高くなるため、導電性ペーストが焼結しにくくなる。また、粘度を高くするために、有機バインダー樹脂の分子量を大きくすると、導電性ペーストに糸引き現象が生じる。
【0009】
そこで、特許文献6に、外部電極用途として、溶液重合により、アクリル樹脂を使用しても低固形分濃度で高粘度を発現でき、糸引き現象が生じない、アクリル樹脂を主成分とする有機バインダーが提案されているが、内部電極用途としては応用されていない。内部電極用途として使用する際には、シートアタックを生じない重合溶剤を用いる必要がある。
【0010】
さらに、近年、軽量薄型の大型ディスプレイとしてプラズマディスプレイパネル(PDP)が注目されており、PDPの製造過程においても、例えば電極層を塗布する工程で有機ビヒクルが使用されている。
【特許文献1】特開平2−5591号公報
【特許文献2】特開平7−21833号公報
【特許文献3】特開2002−270456号公報
【特許文献4】特許第2976268号公報
【特許文献5】特開昭59−199778号公報
【特許文献6】特開2004−79480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、多層セラミック電子部品やプラズマディスプレイを製造する際に、高粘度で、安定性に優れ、かつグリーンシート層に該ペーストを印刷した場合にグリーンシートを侵食しない有機ビヒクルを、ペーストの溶剤となる有機溶剤中で有機バインダーとなる樹脂を溶液重合することによって製造すること、およびその製造方法で製造されたその有機ビヒクルを含有したペーストを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、多層セラミック電子部品またはプラズマディスプレイを製造する際に使用されるペースト用の有機ビヒクルの製造方法であって、該ペーストに使用される有機溶剤中で、アルキル(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする単量体を溶液重合させることを特徴とする有機ビヒクルの製造方法に関するものである。
上記有機溶剤は、沸点150〜300℃であり、かつ有機溶剤25gに対しブチラール樹脂溶解量が70mg以下であるエステル系化合物またはエーテル系化合物を主成分とすることが好ましい。
また、上記有機溶剤は、下記式(I)〜(XXI)で表される化合物群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0013】
【化1】



【0014】
【化2】

【0015】
【化3】

【0016】
【化4】




【0017】
【化5】

【0018】
【化6】

【0019】
【化7】











【0020】
【化8】

【0021】
【化9】

【0022】
【化10】

【0023】
【化11】

【0024】
【化12】

【0025】
【化13】

【0026】
【化14】












【0027】
【化15】

【0028】
【化16】

【0029】
【化17】














【0030】
【化18】

【0031】
【化19】

【0032】
【化20】









【0033】
【化21】

【0034】
上記有機溶剤のうち、好ましくはイソボルニルプロピオネート、イソボルニルn−ブチレート、イソボルニルイソブチレート、水素添加ターピニルアセテート、水素添加ターピニルプロピオネートである。
また、上記有機溶剤を用いて溶液重合された有機ビヒクルは、固形分10%の粘度が0.1〜500Pa・sであり、かつTI値が1.0〜1.5であることが好ましい。
次に、本発明は、上記製造方法で製造された有機ビヒクルを含有したペーストに関するものである。
【発明の効果】
【0035】
本発明により、多層セラミック電子部品やプラズマディスプレイを製造する際に使用される、グリーンシートを侵食せず、ペースト安定性に優れた有機ビヒクルや該有機ビヒクルを含有したペーストを、より低コストで提供することが出来る。
例えば、積層セラミックコンデンサーの内部電極用導電性ペーストに使用し、積層セラミックコンデンサーを製造する際には、セラミックグリーンシート層への浸食の少ない溶剤を溶液重合の溶剤として使用することにより、シートアタック現象を生じない有機ビヒクルを作製することができる。
また、本発明の有機ビヒクルは、有機ビヒクル中に含まれる(共)重合体と有機溶剤の相溶性が良好であるため、ビヒクルが経時変化を起こさない。このため、低固形分で高粘度でありながら、ゲル化したり、高TI値を示すことなく、優れたペースト安定性を保つことができる。
さらに、本発明の有機ビヒクルを使用すれば、溶液重合後、ペースト作製の際、改めて樹脂を溶剤に溶解させる必要がなく、溶液重合の際使用した溶剤をそのまま使用でき、製造プロセスを簡略化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の有機ビヒクルとは、溶液重合で使用される有機溶剤と合成された(共)重合体の混合物である。
まず、本発明の有機ビヒクルの製造方法について説明する。
本発明のペースト用の有機ビヒクルは、アルキル(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする単量体を重合開始剤によって、ペーストに使用される有機溶剤中で溶液重合した後、メッシュ濾過して得ることができる。
【0037】
ここで、アルキル(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、熱分解性に優れる炭素数1〜10までのアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。さらに好ましくは、熱分解性により優れるメタクリレートである。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、ter−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ターピニル(メタ)アクリレート、水素添加ターピニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。これらの単量体は、単独で使用することも、2種類以上を混合して使用することもできる。
【0038】
これらアルキル(メタ)アクリル酸エステルは、有機ビヒクルに含まれる(共)重合体中に60〜100重量%含まれるのが好ましい。より好ましくは、90〜100重量%である。60重量%未満では、重合が進行しにくく、目的とするのに適した粘度が得られないため好ましくない。
【0039】
また、有機ビヒクルに含まれる、共重合可能なその他の単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルフタル酸などのカルボン酸、またはカルボン酸無水物や、酢酸ビニル、塩化ビニル、N−ビニルピロリドン、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミドなどのアルキル(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体が挙げられる。
ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。これらの単量体は、単独で使用することも、2種類以上を混合して使用することもできる。
【0040】
これら共重合可能な単量体は、有機ビヒクルに含まれる(共)重合体中に0〜40重量%、好ましくは0〜10重量%含まれるのが好ましい。これら共重合可能な単量体は添加しなくてもよいが、例えば、アクリル酸を添加することにより、卑金属粉末への有機ビヒクルの吸着力を高め、卑金属粉末の分散性を向上させることができる。添加量が40重量%を超えると、有機ビヒクルの熱分解性が低下したり、また、(共)重合体の極性が高くなり、特にエステル系溶剤やエーテル系溶剤と相溶しにくくなるため好ましくない。
【0041】
さらに、重合開始剤としては、熱により分解してラジカルを放出するBPO(ベンゾイルパーオキサイド)、ラウリルパーオキサイド、過酸化水素などの各種過酸化物や、溶剤可溶のアゾ開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、アゾビスシアノペンタンなどが挙げられる。好ましくは、BPO(ベンゾイルパーオキサイド)、アゾビスイソブチロニトリルである。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0042】
上記重合開始剤の使用量は、単量体に対し、通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%である。重合開始剤量が0.01重量%未満では反応が進行しにくいため好ましくなく、一方、20重量%を超えると重合開始箇所が多くなり高分子量の共重合体が生成しにくいため好ましくない。
【0043】
溶液重合の有機溶剤としては、シートアタック性が低く、低固形分で高粘度、ペーストにした際に安定性に優れた有機ビヒクルとしての物性を保有する有機溶剤を用いることが好ましい。ペーストにして印刷する際の該有機溶剤の乾燥性やペースト安定性、多層セラミック電子部品への使用に際してのグリーンシートへの侵食性などを考慮すると、有機溶剤の沸点が150〜300℃であることが好ましい。沸点が150℃未満では印刷する際に有機溶剤が揮発してペーストの固形分が上がるため好ましくなく、一方、300℃を超えると脱溶剤に長時間を有するため好ましくない。
また、シートアタック性の指標の一つとして、有機溶剤25gに対しブチラール樹脂溶解量が70mg以下、より好ましくは50mg以下である有機溶剤を主成分として使用することが好ましい。
さらに、電極ペーストに使用する場合には、アルコール系化合物より極性の低いエステル系化合物やエーテル系化合物がグリーンシートを侵食しないため好ましい。
上記式(I)〜(XXI)で示される、セラミックグリーンシート層への侵食が少ない溶剤を使用すると、シートアタック現象を生じない有機ビヒクルを作製することができる、より好ましい。中でも、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルn−ブチレート、イソボルニルイソブチレート、水素添加ターピニルアセテート、水素添加ターピニルプロピオネートからなる群から選ばれる少なくとも一種を使用すれば、低固形分で高粘度、かつ優れたペースト安定性を保ったままでシートアタック現象を生じない有機ビヒクルを作製できるため、いっそう好ましい。
【0044】
ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。これらの有機溶剤は、単独で使用することも、2種類以上を混合して使用することもできる。また、2種類以上の有機溶剤を混合する場合は、沸点が150℃未満の有機溶剤を使用することもできる。
例えば、ターピネオール、水素添加ターピネオール、ボルネオール、ベンジルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1,2−エタンジオール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ブチルカルビトールアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ブチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジプロピオネート、プロピレングリコールジプロピオネート、ブチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ケロシン、イソホロン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、シクロノナン、1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキサン、n−デカン、ヘキサデカン、ドデカン、ウンデカン、トリデカン、パラメンタン、ミネラルスピリット、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、ヘキサン酸エチル、酢酸2−エチルヘキシル、アセトン、塩化メチレン、塩化エチレン、四塩化炭素などがあるが、これらに限定されるものではない。中でも、1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキサン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、シクロノナン、1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキサン、n−デカン、ヘキサデカン、ドデカン、ウンデカン、トリデカン、パラメンタン、ミネラルスピリットなど低極性の炭化水素系化合物と混合して使用すると、グリーンシートへの侵食をさらに抑制することができる。
【0045】
なお、上記溶液重合反応において、反応開始時の単量体比率は、有機溶剤に対し、5〜150重量%とするのが好ましい。より好ましくは、60〜100重量%である。単量体比率が5重量%未満では、重合が進行しにくいため好ましくなく、150重量%を超えると有機溶剤量が少なすぎて有機ビヒクルが固化するため好ましくない。ただし、単量体比率を有機溶剤に対し100重量%以上にすると、作製された有機ビヒクルの粘度が高すぎたり、有機ビヒクルに含まれる樹脂成分の固形分濃度が高すぎる可能性があるため、重合体作製後に適切な粘度に希釈するのが好ましい。
【0046】
上記溶液重合反応方式は、特に限定されないが、バッチ反応でも連続反応でも反応できる。
上記反応温度は、使用する重合開始剤によっても異なるが、通常、0〜200℃、好ましくは30〜150℃、さらに好ましくは50〜120℃に加熱することで反応が行なわれる。反応温度が0℃未満では反応速度が極端に遅く、一方、200℃を超えると、高分子量の共重合体が生成しにくいため好ましくない。
【0047】
また、上記反応時間は、使用する有機溶剤によっても異なるが、通常、0.1時間〜50時間、好ましくは0.3時間〜20時間である。50時間を超えると、共重合体の分子量が大きくなりすぎて好ましくなく、0.1時間未満であると、(共)重合体の分子量が小さすぎて導電性ペーストの粘度が高くならないため好ましくない。
【0048】
また、有機ビヒクルに含まれる(共)重合体の数平均分子量は、1万〜90万であることが好ましい。より好ましくは、10万〜80万である。
(共)重合体の数平均分子量が1万未満であると、分子量が小さすぎて導電性ペーストの粘度が高くならないため好ましくなく、一方、90万を超えると熱分解性が悪くなったり、糸引き現象が生じるため好ましくない。
【0049】
なお、先述したように、有機ビヒクルは、アルキル(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする単量体を重合開始剤によって有機溶剤中で溶液重合により合成した後、触媒を失活させずに、そのまま、メッシュ濾過して得ることができる。
ここで、メッシュ濾過の際のメッシュとしては、特に限定はされないが、一般的にはポリエチレン製やステンレス製で、0.5〜10μm孔径のものが使用される。
【0050】
なお、本発明の有機ビヒクルの熱分解温度は、300℃以下が好ましい。さらに好ましくは、250〜300℃である。熱分解温度が、300℃を超えるとペーストの焼成後に炭素分が残留し、導電性が低下する可能性がある。本発明の有機ビヒクルの熱分解温度は、有機ビヒクルを80℃で24時間乾燥させ、有機溶剤を除去し、その後、TGAを用いて10℃/分で加熱し、減量率が50重量%になった温度を測定し、熱分解温度とする。
【0051】
本発明の有機ビヒクル中には、必要に応じて、増粘剤、希釈剤などの各種添加剤、分散剤を含有させてもよい。
【0052】
次に、本発明の製造方法で製造された有機ビヒクルを含有する導電性ペーストについて説明する。
導電性ペーストは、貴金属電極層に相当するもので、有機バインダーとなる樹脂を有機溶剤中で溶液重合させて得られる本発明の有機ビヒクル中に、ニッケル、銅、銀、パラジウムなどの金属粉末を分散させたものである。
有機ビヒクルに含まれるアルキル(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする(共)重合体は、1〜50重量%であることが好ましい。より好ましくは、5〜30重量%である。1重量%未満では、ペーストの粘度が低すぎることにより、塗布後に垂れたり、厚みが薄くなるため好ましくなく、一方、50重量%を超えると、樹脂成分となる共重合体の固形分濃度が高すぎて導電性ペーストが焼結しにくくなり好ましくない。
【0053】
本発明の有機ビヒクルに、上記金属粉末を配合することより、ペーストが得られる。
ペースト中の金属粉末の濃度は、通常、30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%程度である。金属粉末の濃度が30重量%未満では、焼成後の電極厚さが薄くなりすぎて好ましくなく、一方、90重量%を超えると、乾燥膜の強度が弱くなりすぎて好ましくない。
【0054】
また、本発明の有機ビヒクルを含有する導電性ペーストには、金属粉末の分散性を向上させるために分散剤を添加したり、焼成後の接着力を高めるためにガラスフリットを添加してもよい。さらに、増粘剤やチクソトロピック付与剤を含有させることも可能である。
【0055】
ここで、TI値について説明する。TI値とは、有機ビヒクルのチクソトロピック性を表す値でせん断速度変化に対する粘度変化の度合いを示すものであり、本発明の導電性ペーストにおいては、好ましくは1.0〜1.5、さらに好ましくは1.0〜1.2である。1.0未満であると、セラミックグリーンシート上に導電性ペーストを印刷する際にダレが生じて適切な厚みを保つことができず、一方、1.5を超えると、印刷時にかすれが生じて均一な厚みで印刷することができず好ましくない。
TI値の算出方法は、ブルックフィールド社製デジタル粘度計HBDV−1で25℃において0.5rpmおよび5.0rpmで測定し、各測定値を0.5rpm/5.0rpmで求めることができる。
本発明のTI値(実測値)=0.5rpmでの粘度/5.0rpmでの粘度
【0056】
また、本発明の有機ビヒクルの粘度としては、固形分濃度が10重量%の場合、0.1〜500Pa・s(25℃)が好ましい。より好ましくは、0.3〜350Pa・sである。0.1Pa・s未満であると、金属粉末を分散状態を維持できず、均一なペーストを作成できないため好ましくなく、一方、500Pa・sを超えると金属粉末を混練しにくいため好ましくない。
【実施例】
【0057】
以下実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1(有機ビヒクル(I)の合成)
撹拌棒、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を備えた300mlガラス製セパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル 23.5g(和光純薬工業(株)製、純度99%)、メタクリル酸イソボルニル 23.5g(和光純薬工業(株)製、純度98%)、メタクリル酸 3.0g(和光純薬工業(株)製、純度98%)、ナイパーBMT K40 0.08g(日本油脂(株)製)、およびイソボルニルイソブチレート(式I;R=3) 50.0g(ヤスハラケミカル(株)製、純度99%)を仕込み、窒素ガスをバブリングし続けながら撹拌、昇温して、80℃に加温した。加温後、80℃で2時間撹拌し、共重合させた。2時間後、イソボルニルイソブチレート66.7gを添加し、有機ビヒクルに含まれる共重合体の固形分濃度を30%に調製した。調製された有機ビヒクルを200μmのメッシュに通して濾過しながら抜き取ることにより、有機ビヒクル(I)150.0g(収率90.0%)を得た。
【0058】
実施例2〜21(有機ビヒクル例(II)〜(XXI)の合成)
実施例2〜21において、下記の表1に示すように、単量体、該単量体の重量比および溶剤を変更した以外においては、実施例1と同様に合成を行い、有機ビヒクル(II)〜(XXI)を得た。
【0059】
比較例1(有機ビヒクル例(XXII)の合成)
撹拌棒、温度計を備えた300mlガラス製セパラブルフラスコに、ターピネオール 70.0g(ヤスハラケミカル(株)製、純度95%)を仕込み、撹拌しながら70℃に昇温した。昇温後、アクリル樹脂 30.0g(共栄社化学(株)製オリコックス)を加えて65〜70℃で3時間撹拌し、エチルセルロースを溶解させた。溶解後、調製された有機ビヒクルを200μmのメッシュに通して濾過しながら抜き取ることにより、有機ビヒクル(XXII)90.0g(収率90.0%)を得た。
【0060】
比較例2(有機ビヒクル例(XXIII)の合成)
撹拌棒、温度計を備えた300mlガラス製セパラブルフラスコに、水素添加ターピニルアセテート 70.0g(ヤスハラケミカル(株)製、純度98%)を仕込み、撹拌しながら70℃に昇温した。昇温後、アクリル樹脂 30.0g(共栄社化学(株)製オリコックス)を加えて65〜70℃で3時間撹拌し、エチルセルロースを溶解させた。溶解後、調製された有機ビヒクルを200μmのメッシュに通して濾過しながら抜き取ることにより、有機ビヒクル(XXIII)90.0g(収率90.0%)を得た。
【0061】
比較例3(有機ビヒクル例(XXIV)の合成)
撹拌棒、温度計を備えた300mlガラス製セパラブルフラスコに、ターピネオール 92.0g(ヤスハラケミカル(株)製、純度95%)を仕込み、撹拌しながら70℃に昇温した。昇温後、エチルセルロース 8.0g(DOW CHEMICAL社製std−45)を加えて65〜70℃で3時間撹拌し、エチルセルロースを溶解させた。溶解後、調製された有機ビヒクルを200μmのメッシュに通して濾過しながら抜き取ることにより、有機ビヒクル(XXIV)90.0g(収率90.0%)を得た。
【0062】
比較例4(有機ビヒクル例(XXV)の合成)
撹拌棒、温度計を備えた300mlガラス製セパラブルフラスコに、水素添加ターピニルアセテート 92.0g(ヤスハラケミカル(株)製、純度98%)を仕込み、撹拌しながら70℃に昇温した。昇温後、エチルセルロース 8.0g(DOW CHEMICAL社製std−45)を加えて65〜70℃で3時間撹拌し、エチルセルロースを溶解させた。溶解後、調製された有機ビヒクルを200μmのメッシュに通して濾過しながら抜き取ることにより、有機ビヒクル(XXV)90.0g(収率90.0%)を得た。
【0063】
上記の方法(実施例1〜21および比較例1〜4)で合成された25種の有機ビヒクル(例(I)〜(XXV))に対して、以下に示される物性を評価した。その結果を表2に示す。
【0064】
(分子量分布測定)
本発明の21種の有機ビヒクル(I)〜(XXI)(実施例1〜21で得られた有機ビヒクル)および比較例1〜4の有機ビヒクル(XXII)〜(XXV)を各0.05g量り取り、THF10mLで希釈してGPC(ウォーターズ(株)製、Waters510)を用いて有機ビヒクルに含まれる共重合体の数平均分子量を測定した。
【0065】
(粘度およびTI値測定)
ブルックフィールド社製、デジタル粘度計HBDV−1を用いて25℃、0.5rpmで、本発明の21種の有機ビヒクル(I)〜(XXI)(実施例1〜21で得られた有機ビヒクル)および比較例1〜4の有機ビヒクル(XXII)〜(XXV)の粘度を測定した。
なお、上記25種のビヒクル(I)〜(XXV)は、作製時に使用した有機溶剤と同様の有機溶剤を用いて、固形分が30重量%および10重量%となるように希釈した。
また、同様の装置を用いて25℃における0.5rpmおよび5.0rpmで測定された粘度から、下記式のようにTI値を算出した。
本発明のTI値(実測値)=0.5rpmでの粘度/5.0rpmでの粘度
【0066】
(熱分解性)
本発明の21種の有機ビヒクル(I)〜(XXI)(実施例1〜21で得られた有機ビヒクル)および比較例1〜4の有機ビヒクル(XXII)〜(XXV)を80℃・3mmHgで24時間乾燥させ、有機溶剤を除去した。その後、TGAを用いて10℃/分で加熱し、減量率が50重量%になった温度を測定し、熱分解温度とした。
【0067】
(ペースト安定性)
本発明の21種の有機ビヒクル(I)〜(XXI)(実施例1〜21で得られた有機ビヒクル)および比較例1〜4の有機ビヒクル(XXII)〜(XXV)各25gに、Pd(パラジウム)粉末25gを混練して導電性ペーストを作製した。このペーストを25℃で30日間保管し、調製30日後のゲル化の有無を観察した。ゲル化が発生すると、ペーストの品質低下が発生し、クレームの元となる可能性が大となる。また、作製したペーストを、グリーンシートにスクリーン印刷し、印刷後の厚みを測定した。目視によってゲル化が確認され、印刷後の厚みが縁端部で盛り上がり不均一であった場合は、ペースト安定性×、粘度変化が認められたが、均一な膜厚で印刷された場合は、ペースト安定性△、目視でゲル化が確認されず、印刷後の膜厚が均一であった場合は、ペースト安定性○として評価した。
【0068】
(シートアタック性)
50mL共栓付試験管にブチラール樹脂(積水化学工業(株)製S−LEC BH−3)500mgと実施例および比較例の各有機溶剤25gを入れ、スターラーで撹拌しながら60℃で2時間加温した。加温終了後上澄を分取し、さらに2000rpmで5分間遠沈操作を行った。このものの上澄みを1g取り、標品(旭電化工業(株)製アデカスタブAO−20)を50mg加えてGPCを測定した。測定後、ブチラール樹脂の分子量に相当するピークエリアと標品のピークエリア比より、各有機溶剤25gに溶解したブチラール樹脂量(mg)を算出した。
その結果、ブチラール樹脂量が70mgを超えると、該有機ビヒクルを含有した導電性ペーストをグリーンシート上に印刷した場合にシートアタック現象が起こり、デラミネーションの発生につながる。その一方で、ブチラール樹脂溶解量が小さいほど、グリーンシートへの侵食は起こりにくく、シートアタック性が低いことが示された。
【0069】
(総合評価)
グリーンシートを侵食せず、低固形分で高粘度、かつペーストにした際に安定性に優れた有機ビヒクルとしての物性を総合評価した。
以下に示す5項目について、全ての判断項目を満たす有機ビヒクルを総合評価○、一つでも満たさない判断項目がある有機ビヒクルを総合評価×とした。
粘度:10%固形分での粘度が0.1〜500Pa・s
TI値:TI値が1.0〜1.5
熱分解性:熱分解温度が300℃以下
ペースト安定性:導電性ペーストに経時変化がなく、均一に印刷できること
シートアタック性:ブチラール樹脂溶解量が70mg以下














【0070】
【表1】


















【0071】
【表2】

【0072】
表2に示すように、本発明の有機ビヒクル〔実施例(I)〜(XXI)の有機ビヒクル〕に使用されたエステル系およびエーテル系化合物の有機溶剤は、有機溶剤25gに対しブチラール樹脂溶解量が70mg以下と非常に低いため、該ビヒクルを内部電極導電性ペーストとして使用した場合、グリーンシートへの侵食やそれに伴うデラミネーションの発生を抑制することができる。
また、本発明の有機ビヒクルは、有機バインダーの樹脂成分として、アルキル(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする(共)重合体を使用しているにもかかわらず、比較例(XXII)および(XXV)の有機ビヒクルより低固形分でありながら高粘度であり、適度なTI値を有している。
また、熱分解性に優れているため焼成時に炭素分が残留しにくく、還元性雰囲気下での低温焼成にも適している。
さらに、比較例(XXV)の有機ビヒクルのように、アルコール系化合物より極性の低いエステル系化合物およびエーテル系化合物は、セルロース系樹脂を溶解させるとゲル化したり高TI値を示して印刷適性が不良となる。しかし、本発明の有機ビヒクルは、有機ビヒクル中に含まれる共重合体と有機溶剤の相溶性が良好であるため、ビヒクルが経時変化を起こさない。このため、エチルセルロースなどのセルロース系樹脂を溶解させた場合のようにゲル化したり、高TI値を示すことなく、ペーストにした際にも優れた安定性を保ったままでシートアタック現象やそれに伴うデラミネーション現象を抑制することができる。
加えて、ペーストに使用される有機溶剤中で有機バインダーとなる樹脂を溶液重合することにより、溶液重合後、ペースト作製の際、改めて樹脂を有機溶剤に溶解させる必要がなく、溶液重合の際使用した有機溶剤をそのまま使用できるため、製造プロセスを簡略化することが可能となる。
よって、本発明の有機ビヒクルを使用することで、薄層化、高密度化、さらに欠品の削減に対応した多層セラミック電子部品の低コストでの製造が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明により得られる有機ビヒクルは、多層セラミック電子部品として、セラミックコンデンサー、インダクター、バリスター、サーミスターなどの用途として利用できる。好ましくはコンデンサーの外部電極、内部電極が良く、より好ましくは内部電極を製造する際に使用するペースト用の有機ビヒクルが挙げられる。また、本発明は、本発明の有機ビヒクルに種々の金属粉またはガラスを混合し得たペーストに使用可能であり、該ペーストは、電極ペースト、ガラスペーストなどがあげられ、電極ペーストは外部電極、内部電極を含む電極ペースト、ガラスペーストはプラズマディスプレイの隔壁へも使用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層セラミック電子部品またはプラズマディスプレイを製造する際に使用されるペースト用の有機ビヒクルの製造方法であって、該ペーストに使用される有機溶剤中で、アルキル(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする単量体を溶液重合させることを特徴とする有機ビヒクルの製造方法。
【請求項2】
有機溶剤が、沸点150〜300℃であり、かつ有機溶剤25gに対しブチラール樹脂溶解量が70mg以下であるエステル系化合物および/またはエーテル系化合物を主成分とする請求項1記載の有機ビヒクルの製造方法。
【請求項3】
有機溶剤が、式(I)〜(XXI)からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1または請求項2記載の有機ビヒクルの製造方法。
【化1】

〔ただし、式(I)において、Rは炭素数2〜4の炭化水素である。〕
【化2】

〔ただし、式(II)において、RはHあるいはCH、Rは炭素数1〜2の炭化水素である。〕
【化3】

〔ただし、式(III)において、RはHあるいはCH、Rは炭素数1〜2の炭化水素である。〕
【化4】

〔ただし、式(IV)において、RはHあるいはCH、Rは炭素数1〜2の炭化水素である。〕
【化5】

〔ただし、式(V)において、RはHあるいはCH、Rは炭素数1〜2の炭化水素である。〕
【化6】

〔ただし、式(VI)において、R10はHあるいはCH、R11は炭素数1〜2の炭化水素である。〕
【化7】

〔ただし、式(VII)において、R12はHあるいはCH、R13は炭素数1〜2の炭化水素である。〕
【化8】

〔ただし、式(VIII)において、lは1〜4の整数である。〕
【化9】

〔ただし、式(IX)において、mは1〜4の整数である。〕
【化10】

〔ただし、式(X)において、nは1〜4の整数である。〕
【化11】

〔ただし、式(XI)において、R14はHあるいはCH、R15は炭素数1〜4の炭化水素である。〕
【化12】

〔ただし、式(XII)において、R16はHあるいはCH、R17は炭素数1〜4の炭化水素である。〕
【化13】

〔ただし、式(XIII)において、aは0〜3の整数であり、a=0の場合、o=2または3、a=1〜3の場合、o=1または2である。〕
【化14】

〔ただし、式(XIV)において、bは0〜4の整数、pは1〜3の整数である。〕
【化15】

〔ただし、式(XV)において、cは0〜4の整数、qは1〜3の整数である。〕
【化16】

〔ただし、式(XVI)において、dは0〜4の整数、rは1〜3の整数である。〕
【化17】

〔ただし、式(XVII)において、R18は炭素数1〜3の炭化水素である。〕
【化18】

〔ただし、式(XVIII)において、R19は炭素数1〜3の炭化水素である。〕
【化19】

〔ただし、式(XIX)において、R20は炭素数1〜3の炭化水素である。〕
【化20】

〔ただし、式(XX)において、R21は炭素数1または2の炭化水素である。〕
【化21】

〔ただし、式(XXI)において、R22は炭素数1または2の炭化水素である。〕
【請求項4】
有機溶剤が、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルn−ブチレート、イソボルニルイソブチレート、水素添加ターピニルアセテート、および水素添加ターピニルプロピオネートからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3いずれか1項に記載の有機ビヒクルの製造方法。
【請求項5】
有機溶剤を用いて溶液重合された有機ビヒクルが、固形分10%の粘度が0.1〜500Pa・sであり、かつTI値が1.0〜1.5である、請求項1〜4いずれか1項に記載の有機ビヒクルの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか1項に記載の製造方法で製造された有機ビヒクルを含有したペースト。

【公開番号】特開2008−13755(P2008−13755A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148826(P2007−148826)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000117319)ヤスハラケミカル株式会社 (85)
【Fターム(参考)】