説明

有機反射防止膜用共重合体の製造方法

【課題】有機反射防止膜用共重合体の製造方法の提供。
【解決手段】本発明による有機反射防止膜用共重合体の製造方法は、少なくとも2種の繰り返し単位を含む有機反射防止膜用共重合体の製造方法であって、前記共重合体が、多環式芳香族化合物と、極性基を有するモノマーとの共重合体であり、前記共重合体の重合反応が、少なくとも2種の極性の異なる溶媒を含む混合溶媒中で行われるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子などの製造工程における微細加工技術、超LSIや高容量マイクロチップの製造などの超微細フォトリソグラフィープロセスやその他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられるフォトレジスト材料、フォトレジスト組成物、およびそのベースポリマーとして有用な高分子化合物の製造方法、特に有機反射防止膜用共重合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超LSI等の半導体集積素子の製造に代表される微細加工の分野においては、集積回路の超高集積化の流れに伴い、サブミクロンからクォーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されている。それに伴い、露光波長もg線からi線により高い集積度を得るために、最近ではArFエキシマレーザー(波長193nm)、Fエキシマレーザ(波長157nm)等より短波長の光源を用いるとともに、液浸リソグラフィーなどの技術と組み合わせることにより50nm程度以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィー技術が必要とされている。このようなエキシマレーザーによるフォトリソグラフィーに適した感放射線性樹脂組成物に用いられるベースポリマーには、微細化の進展に伴い、分子量、分子量分布の制御、安定性、共重合組成分布の均一性、超高分子量成分や低分子量成分その他の不純物量の低減など、より高度な品質が要求されている。
【0003】
これらの要求に応えるため、これまでに反射防止膜用重合体について、種々の研究がなされてきた。例えば、基板密着性およびドライエッチング時のレジストに対する選択比を改良するために、少なくとも主鎖に結合した側鎖に酸により脱離可能な単環式の脂肪族環構造を有するモノマー単位を含む重合体を用いることが提案されている(例えば、特許文献1)。また、レジストパターンの微細化に伴い反射防止膜厚を薄くしても吸光特性を維持するため、より高い屈折率を有する反射防止膜用樹脂として、特定の構造を有し、2000〜100000の重量平均分子量を有する有機反射防止重合体を含む有機反射防止膜組成物を用いることも提案されている(例えば、特許文献2)。
【0004】
ところで、半導体リソグラフィー用組成物に用いるポリマーは、基板密着性やドライエッチング耐性など様々な性能を付与するために、時には極性の大きく異なるモノマー種を共重合させる場合もある。その際に、モノマーの重合溶媒への溶解性が低下したり、あるいは、重合により生成するポリマーの重合溶媒への溶解性が低く、重合途中でポリマーが析出してしまうことがあった。このように、重合液の均一性が保たれないと、目的とする組成のポリマーが得られないばかりか、不溶性のマイクロゲルが生成したり、組成が不均一で幅広い分布を持つポリマーが生成する。そのようなポリマーをレジスト組成物として使用した場合、マイクロゲルがディフェクトと呼ばれるパターン欠損の一因となったり、ポリマー組成の違いでアルカリ溶解性が異なるため、微細加工におけるパターンのラインエッジラフネス(LER)が悪くなると考えられている。
【0005】
そこで、半導体リソグラフィー用ポリマーの重合反応におけるモノマーの溶剤溶解性を改良する方法として、重合溶媒に、窒素原子を有する溶媒を単独または混合して用いる方法(特許文献3)や、環状ケトンや単環あるいは二環の芳香族化合物を単独または混合して用いる方法(特許文献4)などが提案されているが、モノマー種によっては十分な溶剤溶解性が得られないこともあった。
【0006】
また、半導体リソグラフィー用ポリマーの重合溶媒として比較的良好な溶解性を示すものに、テトラヒドロフランやプロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられるが、商業生産のためのスケールアップを想定すると、テトラヒドロフランでは過酸化物生成の危険性が、プロピレングリコールモノメチルエーテル単独では重合温度のコントロールの難しさが問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−260873号公報
【特許文献2】特開2007−128036号公報
【特許文献3】特開2008−174652号公報
【特許文献4】特開2004−175981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、極性が大きく異なる複数種のモノマーを共重合させる場合において、モノマーやポリマーの析出を制御し、且つ、重合温度のコントロールを容易にし、それによって樹脂の分子量やモノマー組成比などの品質が安定したフォトレジスト用共重合体を効率よく得ることができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、極性が大きく異なる複数種のモノマーを用いて重合反応を行う際に、極性の異なる溶媒を混合することでモノマーおよびポリマーの溶解性を向上させ、且つ重合温度のコントロールを容易にすることができるであろうという考えの下に、重合反応を少なくとも2種の極性の異なる溶媒を含む混合溶媒中で行うことで解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、少なくとも2種の繰り返し単位を含む有機反射防止膜用共重合体の製造方法であって、前記共重合体が、多環式芳香族化合物と、極性基を有するモノマー(以下、「極性モノマー」と言うことがある)との共重合体であり、前記共重合体の重合反応が、少なくとも2種の極性の異なる溶媒を含む混合溶媒中で行われる、有機反射防止膜用共重合体の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、極性の異なる複数のモノマー種を用いる共重合体の合成においても、モノマーあるいはポリマーを析出させること無く重合させることが可能であり、樹脂の分子量および組成を特定の範囲に調節することができ、樹脂の収率も向上する。また、本発明により製造した共重合体を用いたフォトレジストにおいて、ディフェクトを低減させることができる。さらに、本発明の方法では、重合槽の器壁に不溶性の付着物が生成するのを防止することができる。本発明はいかなる理論にも拘束されるものではないが、そのメカニズムとしては、およそ以下のようなものではないかと推察される。もっとも、本発明が以下の説明によって限定されることがあってはならないことは言うまでもない。おそらくこの不溶性付着物は、モノマーあるいはポリマーの析出物が重合槽の器壁に付着し、外部から加えられる熱が直に析出物に伝わって超高分子化するためにできたものと考えられ、本発明ではモノマーやポリマーの析出そのものを抑制するため、不溶性付着物の生成も抑えられると考えられる。これにより、重合反応に用いた重合槽の洗浄が簡便となり、コストの低減につながる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
共重合体の構造
本発明の製造方法で得られる共重合体は、少なくとも多環式芳香族化合物の構造を有する繰り返し単位(A)と、極性基を有する繰り返し単位(B)とを含むものである。なお、共重合体は、その他の任意の繰り返し単位(C)をさらに含んでもよい。
【0014】
繰り返し単位(A)
本発明の好ましい態様によれば、多環式芳香族化合物の構造を有する繰り返し単位(A)は、
式(A1):
【化1】

{式(A1)中、R11は水素原子、または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R12は単結合、炭素数1〜4の2価の炭化水素基、またはカルボニルオキシ基を表し、Lは炭素数10〜40の多環式芳香族化合物を表し、多環式芳香族化合物は炭化水素基の置環基がついても良い。}、および/または
式(A2):
【化2】

{式(A2)中、R21〜R26は水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。}
で表される構造を有するものであることが好ましい。このような繰り返し単位(A)を与えるモノマーとしては、2−ビニルナフタレン、4−ビニルビフェニル、アセナフチレン、アントラセンメチルメタクリレート、およびそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。
【0015】
繰り返し単位(B)
本発明の好ましい態様によれば、極性基を有する繰り返し単位(B)は、
式(B1):
【化3】

{式(B1)中、R31は水素原子、または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R32は単結合、または炭素数1〜4の2価の炭化水素基を表す。}、および/または
式(B2):
【化4】

{式(B2)中、R41は水素原子、または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R42は単結合、炭素数1〜4の2価の炭化水素基、またはカルボニルオキシ基を表し、R43〜47は少なくとも1つ以上はヒドロキシ基、その他は水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。}
で表される構造を有するものであることが好ましい。このような繰り返し単位(B)を与えるモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、p−ヒドロキシスチレン、およびそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。
【0016】
上記の様な多環式芳香族化合物と、極性モノマーとの共重合体により、反射防止効果が高くアルカリ水溶液に可溶な反射防止膜用共重合体を製造することができる。
【0017】
繰り返し単位(C)
本発明の好ましい態様によれば、上記以外の他の繰り返し単位(C)を与える単量体としては、エポキシ基含有モノマー、アセタール基含有モノマー、および脂環族含有モノマーが挙げられる。これらの単量体を重合反応に用いることで、架橋反応を起こして反射防止膜を強固にしたり、反射防止膜と基盤との密着性を向上させることができる。
【0018】
末端構造
本発明の好ましい態様によれば、共重合体は、公知の末端構造を含む。通常、ラジカル重合開始剤から発生するラジカル構造を重合開始末端として含む。連鎖移動剤を用いる場合は、連鎖移動剤から発生するラジカル構造を重合開始末端として含む。溶媒や単量体等に連鎖移動する場合は、溶媒や単量体から発生するラジカル構造を重合開始末端として含む。停止反応が再結合停止の場合は両末端に重合開始末端を含むことができ、不均化停止の場合は片方に重合開始末端を、もう片方に単量体由来の末端構造を含むことができる。重合停止剤を用いる場合は、一方の末端に重合開始末端を、もう片方の末端に重合停止剤由来の末端構造を含むことができる。これらの開始反応および停止反応は、一つの重合反応の中で複数発生する場合があり、その場合、複数の末端構造を有する共重合体の混合物となる。本発明で用いることができる重合開始剤、連鎖移動剤、溶媒については後述する。
【0019】
分子量、分散度
本発明の共重合体は、質量平均分子量(以下、「Mw」と言うことがある。)が高すぎると塗膜形成用溶剤やアルカリ現像液への溶解性が低くなり、一方、低すぎると反射防止膜の塗膜性能が悪くなることから、Mwは1,000〜50,000の範囲内であることが好ましく、1,500〜30,000の範囲内であることがより好ましく、2,000〜20,000の範囲内であることがさらにより好ましく、3,000〜15,000の範囲内であることが特に好ましい。又、分子量分布が広すぎたり狭すぎたりするとリソグラフィー工程において所望のパターン形状が得られないことがあるため、分散度(以下、「Mw/Mn」と言うことがある)は1.0〜5.0の範囲内であることが好ましく、1.0〜3.0の範囲内であることがより好ましく、1.2〜2.5の範囲内であることがさらにより好ましく、1.4〜2.0の範囲内であることが特に好ましい。
【0020】
塗膜形成用溶媒
塗膜形成用溶媒は、反射防止膜組成物を構成する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、塗膜形成用溶媒として公知のものの中から任意のものを1種の単独溶媒または2種以上の混合溶媒として用いることができる。常圧での沸点が110〜220℃の溶媒は、スピンコーティングの後のベークにおいて蒸発速度が適度であり、製膜性に優れるため、好ましい。このような溶媒の具体例として、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン結合を有する溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル結合とヒドロキシ基を有する溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル等のエーテル結合とエステル結合を有する溶媒、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)等のエステル結合とヒドロキシ基を有する溶媒、γ−ブチロラクトン等のエステル結合を有する溶媒、アセトニトリル等のニトリル基を有する溶媒等を挙げることができる。
【0021】
共重合体溶液
反射防止膜用共重合体溶液は、上記の共重合体および塗膜形成用溶媒を含んでなる。また、反射防止膜用組成物として使用するために必要な添加剤を含んでも良い。
【0022】
溶液中に含まれる共重合体の濃度は、基板に塗布した場合に適度な膜厚が得られるような粘度となるように適宜設定することができるが、後で当該溶液に含まれる溶媒、当該溶液に含まれない他の溶媒、他の反射防止膜用共重合体溶液等と混合できるように、共重合体が溶解可能な範囲で比較的高めに設定することもできる。通常、溶液中の共重合体濃度は2〜60質量%、好ましくは3〜50質量%、特に好ましくは5〜35質量%の範囲内となるように調整する。
【0023】
本発明の反射防止膜形成組成物は架橋剤を含んでもよい。その架橋剤としては、メラミン系、置換尿素系、エポキシ基を含有するポリマー系等が挙げられる。また本発明の反射防止膜形成組成物は感放射線性酸発生剤を含んでもよい。上記の感放射線性酸発生剤には、これまで化学増幅型レジスト用の感放射線性酸発生剤として提案されているものから適宜選択して用いることができる。このような例として、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩、オキシムスルホネート類、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類等のジアゾメタン類、ニトロベンジルスルホネート類、イミノスルホネート類、ジスルホン類等を挙げられる。上記のその他の添加剤としては、ピンホールやストレーション等の発生を抑え、表面むらに対する塗布性向上を目的とした界面活性剤や、現像時のフォトレジストの剥離防止のための接着補助剤、反射防止膜組成物の流動性向上のためのレオロジー調整剤など、レジスト用添加剤として慣用されている化合物を必要に応じて適宜添加することができる。
【0024】
共重合体の製造方法
本発明の製造方法は、少なくとも2種の繰り返し単位を含む有機反射防止膜用共重合体の製造方法であって、前記共重合体が、多環式芳香族化合物と、極性モノマーとの共重合体であり、前記共重合体の重合反応が、少なくとも2種の極性の異なる溶媒を含む混合溶媒中で行われる、有機反射防止膜用共重合体の製造方法である。本発明の製造方法は、上記の繰り返し単位を与えることができる単量体、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤、およびその他添加剤等を用いて行うことができ、以下の工程を含むことができる。
【0025】
重合工程
本発明において、多環式芳香族化合物と、極性モノマーとの重合工程には、ラジカル重合、カチオン重合、リビングアニオン重合、開環重合など公知の重合方法を適用することができ、用いるモノマーに合わせて任意の重合方法を選択することができる。
【0026】
例えば、アルカリ可溶性の構造を有する単量体を重合させた後、アルカリ可溶性の構造におけるアルカリ可溶性置換基を、酸解離性保護基で保護する場合は、前記のアルカリ可溶性基を有する化合物をそのまま重合反応に用い、その後、酸触媒のもとでビニルエーテルやハロゲン化アルキルエーテルなどのアルカリに溶解しない置換基を与える化合物と反応(アセタール化反応)させることにより、酸解離性保護基を導入することができる。酸解離性のアルカリ不溶性の保護基によりアルカリ可溶性の置換基を保護することで、酸でアルカリ可溶性を発現するフォトレジストとしての性能を発揮することができる。反応に用いる酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、強酸性イオン交換樹脂等を挙げることができる。
【0027】
本発明では、重合装置として、公知の重合装置を用いることができる。工業的に量産可能な装置として、少なくとも熱媒体供給用の外套缶と、攪拌翼、凝縮器を備えた重合槽を用いることが好ましい。材質は、金属分のコンタミを避ける必要があること、熱伝導性や安全性が高いことから、金属をグラスライニングした容器が好ましい。攪拌翼は、三枚後退翼、神鋼環境ソリューション(株)製ツインスター翼等の部分翼、神鋼環境ソリューション(株)製フルゾーン翼、八光産業株製ベンドリーフ翼等の全面翼が好ましい。撹拌効率が高いことから、フルゾーン翼、ベンドリーフ翼等の全面翼が特に好ましい。
【0028】
本発明の重合は、加熱した溶媒に単量体(モノマー溶液)と重合開始剤を滴下する、いわゆる滴下法によって行うことが好ましい。加熱した溶媒に、予め単量体の一部を含ませても良い。また、単量体組成や重合開始剤濃度、連鎖移動剤濃度の異なる複数の液を滴下して、例えば、滴下時間と共に滴下する単量体の組成や、単量体、重合開始剤、および連鎖移動剤の組成比等を変化させても良い。
【0029】
滴下法の中でも、単量体を重合開始剤と共に、必要に応じて溶媒に溶解し、加熱した溶媒中に滴下して重合させる混合滴下法、単量体と重合開始剤をそれぞれ必要に応じて溶媒に溶解し、加熱した溶媒中に別々に滴下して重合させるいわゆる独立滴下法が採用可能である。しかし、混合滴下法は重合系内に滴下する前の滴下液貯槽内において、未反応単量体の濃度が高い状態で低濃度のラジカルと接触する機会があるため、マイクロゲルの発生原因となるハイポリマーが生成し易い。一方、独立滴下法は、滴下液貯槽で重合開始剤と共存しないことから、ハイポリマーが生成しない。したがって、独立滴下法が特に好ましい。
【0030】
独立滴下法において、単量体溶液および開始剤溶液は、重合槽の直前で予備混合することも可能であるが、滴下されるまでの間にハイポリマーが生成する可能性があるため、別々の貯槽から各々独立して滴下することが特に好ましい。単量体溶液と開始剤溶液の供給速度は、所望の分子量分布を有する共重合体が得られるように、それぞれ独立して設定することができる。二液の供給速度をどちらか一方あるいは両方とも変化させることで、狭分散から多分散まで広範な分子量分布を持つ共重合体を再現性良く得ることも可能である。例えば、反応前期の開始剤溶液の供給量を減らし、反応後期に開始剤溶液の供給量を増加させた場合、ラジカル濃度が低い反応前期に比較的分子量の高い共重合体が生成するので、多分散の共重合体を得ることができる。各供給速度は無段階もしくは段階的に変化させることができる。
【0031】
滴下法における、反応槽内に初期に張り込む重合溶媒(以下、初期張り溶媒と言うことがある)の量は、攪拌が可能な最低量以上であればよいが、必要以上に多いと、供給できる単量体溶液量が少なくなり、生産効率が低下するため好ましくない。通常は、最終仕込み量(即ち、初期張り溶媒と、滴下する単量体溶液および開始剤溶液の総量)に対して、例えば容量比で1/30以上、好ましくは1/20〜1/2、特に好ましくは1/10〜1/3の範囲から選択する。なお、初期張り溶媒に単量体の一部を予め混合しても良い。
【0032】
滴下液中の単量体、および重合開始剤の濃度は、生産性の面で言えば高い方が好ましい。特に重合性単量体若しくは重合開始剤が液体の場合は、溶媒に溶解することなく、そのまま供給することも可能であるが、重合性単量体若しくは重合開始剤が粘調な液体や、固体である場合は、溶媒に溶解して用いる必要がある。重合性単量体若しくは重合開始剤を溶媒に溶解して用いる場合、濃度が高すぎると溶液粘度が高くなって操作性が悪い。また、重合性単量体または重合開始剤が固体である場合は析出したり、重合系内での拡散に時間がかかったりしてハイポリマーが生成しやすい場合がある。したがって、供給操作に問題のない粘度範囲で、各単量体および重合開始剤が十分に溶解し、且つ、供給中に析出せず、重合系内で拡散し易い濃度を選択することが好ましい。具体的な濃度は、各溶液の溶質と溶媒の組合せ等により異なるが、通常、全単量体の合計濃度および重合開始剤濃度が、例えば各々5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%の範囲となるように調製する。
【0033】
重合温度
本発明の好ましい態様によれば、重合反応は、40〜150℃、好ましくは50〜130℃の範囲の温度下で行われるのがよい。なお、重合温度は、溶媒、単量体、連鎖移動剤等の沸点、および重合開始剤の半減期温度等によって適宜選択することができる。低温では重合が進みにくいため生産性に問題があり、又、必要以上に高温にすると、単量体および共重合体の安定性の点で問題がある。
【0034】
重合溶媒
本発明においては、多環式芳香族化合物と、極性モノマーとを用いて重合反応を行うため、重合溶媒として、少なくとも2種の極性の異なる溶媒を含む混合溶媒を用いる。混合溶媒を用いることで、各種モノマーの溶解性を向上することができる。本発明においては、多環式芳香族化合物および極性モノマーの溶解性を向上させるためにも、メチルエチルケトン、メタノール、プロパノール、2−プロパノール、ヘキサン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、および酢酸エチル等の溶媒を少なくとも2種混合して用いることが好ましい。このような溶媒を特定の混合比で調製した混合溶媒を重合反応に用いることで、極性の大きく異なる複数種のモノマーを析出させずに共重合させることができる。
【0035】
なお、重合反応においては、共重合体の分子量や、共重合する場合の共重合組成を目標通りとするために、重合温度を精密に制御する必要がある。重合反応は一般的に発熱反応であり、重合反応によって、重合温度が上昇する傾向があるため、一定温度に制御することが難しい。重合温度が上昇しすぎると、重合反応が制御できなくなって暴走しまうことがある。このため、本発明では、重合溶媒として、目標とする重合温度に近い沸点を有する少なくとも一種以上の化合物を含有させ、重合温度を、重合溶媒として含まれる成分の、重合圧力における初留点以上に設定することが好ましい。この方法によれば、重合溶媒の気化潜熱によって重合温度の上昇を抑制することができる。このような化合物の具体例としては、水、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等を挙げることができる。
【0036】
重合に用いられる重合開始剤は、ラジカル重合開始剤として公知のものを用いることができる。好ましくは、アゾ化合物、過酸化物等のラジカル重合開始剤である。アゾ化合物の具体例として、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等を挙げることができる。過酸化物の具体例として、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等を挙げることができる。取り扱いの安全性から、アゾ化合物が特に好ましい。これらは単独若しくは混合して用いることができる。重合開始剤の使用量は、目的とするMw、原料である単量体、重合開始剤、連鎖移動剤、および溶媒の種類や組成比、並びに重合温度や滴下方法等の製造条件に応じて選択することができる。
【0037】
連鎖移動剤は、連鎖移動剤として公知のものを、必要に応じて用いることができる。中でもチオール化合物が好ましく、公知のチオール化合物の中から幅広く選択することができる。具体的には、t−ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸等を挙げることができる。連鎖移動剤の使用量は、目的とするMw、原料である単量体、重合開始剤、連鎖移動剤、および溶媒の種類や組成比、重合温度や滴下方法等の製造条件に応じて選択することができる。なお、連鎖移動剤は、単量体と混合して滴下しても良く、重合開始剤と混合して滴下しても良く、予め加熱する溶媒中に溶解して使用しても良い。
【0038】
重合反応停止工程
本発明の好ましい態様によれば、製造方法は、モノマー溶液を全量供給後に、冷却あるいは重金属の添加によって重合反応を停止させる工程を含むことができる。例えば、モノマー溶液を全量供給後、直ちに重合系内を急冷することが好ましい。急冷により重合反応を即座に停止させ、モノマー組成の偏りの大きい重合体の生成を防ぐことができる。あるいは、重金属の添加によって重合反応を停止させてもよいが、その後に重金属の除去処理を要することから、急冷によって重合反応を停止させることがより好ましい。
【0039】
精製工程
本発明の好ましい態様によれば、製造方法は、重合後、溶媒に再沈殿させるなどの公知の方法により、共重合体溶液を精製する工程を含むことができる。例えば、反応溶液を大量の貧溶媒(トルエン、ヘキサン、メタノール、および水など)中に滴下して、生成樹脂を析出させ、残モノマーおよび低分子量体を含む貧溶媒と分離する。続いて、樹脂を貧溶媒で洗浄する操作を数回繰り返し、樹脂を精製する。このような一連の操作により、共重合体溶液から単量体や重合開始剤等の未反応物やオリゴマー等の低分子量成分を溶媒に抽出して除去することで、低分子量成分含有量の少ない、良好な特性のフォトレジストリソグラフィー工程に適した樹脂を得ることができる。
【0040】
脱メタル工程
本発明の好ましい態様によれば、製造方法は、共重合体溶液をフィルターでろ過して、金属イオン等を除去する工程を含むことができる。好ましくは、上記の精製工程後に脱メタル化を行うのが良い。精製された共重合体溶液を、脱メタルフィルターを用いて、金属イオン等を除去することで、含有金属量の少ない、良好な特性のフォトレジストリソグラフィー工程に適した樹脂を得ることができる。
【0041】
上記のフィルターの例としては、珪藻土等のろ過助剤、セルロース等からなるデプスフィルター、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリルなどの極性基含有樹脂、フッ化ポリエチレンなどのフッソ含有樹脂から選ばれる材質からなるメンブレインフィルター等を挙げることができる。デプスフィルターの例としてはキュノ社製ゼータプラス40QSH、ゼータプラス020GN等を挙げることができる。メンブレインフィルターの例としては、日本インテグリス製のマイクロガード、オプチマイザーD等のポリエチレン製フィルター、日本ポール製のウルチプリーツP−ナイロン66、ウルチポアN66、キュノ製のフォトシールド、エレクトロポアIIEF等のナイロン製フィルター、日本ポール製ペンフロン等のフッ化ポリエチレン製フィルター等を挙げることができる。フィルターの濾過精度は、通常1μm以下のものを使用するが、好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.05μm以下のものを使用する。これらのフィルターはそれぞれ単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【実施例】
【0042】
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。
【0043】
実施例1 プロピレングリコールモノメチルエーテル/メタノール/ヘキサン混合溶媒による2−ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体の合成
まず、窒素雰囲気下、2−ビニルナフタレン34g、メタクリル酸24g、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート6.9gをプロピレングリコールモノメチルエーテル/メタノール/ヘキサン(=80/10/10質量比)混合溶媒96gに溶解して、滴下液を調製した。次に、窒素雰囲気下、攪拌器と冷却器を備えた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテル/メタノール/ヘキサン(=80/10/10質量比)混合溶媒40gを仕込み、攪拌しながら昇温し還流状態になった後、上記滴下液を4時間かけて、還流状態を保った反応容器に滴下した。滴下終了後、還流状態を保ったまま2時間熟成させた後、室温まで冷却した。結果、プロピレングリコールモノメチルエーテル/メタノール/ヘキサン(=80/10/10質量比)混合溶媒は80℃近傍で還流し、重合温度を安定させることができた。また、モノマーの溶解性も良く、重合時にポリマーの析出は認められなかった。
【0044】
実施例2 プロピレングリコールモノメチルエーテル/テトラヒドロフラン/ヘキサン混合溶媒による2−ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体の合成
重合溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテル/テトラヒドロフラン/ヘキサン(=60/20/20質量比)混合溶媒に変更した他は、実施例1と同様の条件で共重合体の合成を行った。結果、プロピレングリコールモノメチルエーテル/トラヒドロフラン/ヘキサン(60/20/20質量比)混合溶媒は77℃近傍で還流し、重合温度を安定させることができた。また、モノマーの溶解性も良く、重合時にポリマーの析出は認められなかった。
【0045】
実施例3 トルエン/メタノール混合溶媒による4−ビニルビフェニル−メタクリル酸共重合体の合成
まず、窒素雰囲気下、4−ビニルビフェニル45g、メタクリル酸30g、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート7gをトルエン170gに溶解し、滴下液を調製した。次に、窒素雰囲気下、攪拌器と冷却器のついた反応容器にメタノール45gを仕込み、攪拌しながら昇温し、還流状態になった後、滴下液を4時間かけて、還流状態を保った反応容器内に滴下した。滴下終了後、還流状態を保ったまま、2時間熟成した。結果、本例では始めから混合溶媒を用いてモノマー等を溶解するのではなく、重合時に反応容器の中で溶媒を混合する方法であったが、モノマーの溶解性も良く、重合時にポリマーの析出は認められなかった。
【0046】
実施例4 メチルエチルケトン/2−プロパノール混合溶媒による4−ビニルビフェニル−メタクリル酸共重合体の合成
まず、窒素雰囲気下、4−ビニルビフェニル17.6g、メタクリル酸12.0g、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート1.67gを、メチルエチルケトン/2−プロパノール(=90/10質量比)混合溶媒93.7gに溶解して、滴下液を調製した。次に、窒素雰囲気下、攪拌器と冷却器を備えた反応容器に、メチルエチルケトン/2−プロパノール混合溶媒25gを仕込み、攪拌しながら昇温し還流状態になった後、上記滴下液を4時間かけて、還流状態を保った重合槽内に滴下した。滴下終了後、還流状態を保ったまま2時間熟成させた後、室温まで冷却した。結果、メチルエチルケトン/2−プロパノール(質量比)混合溶媒は80℃近傍で還流し、重合温度を安定させることができた。また、モノマーの溶解性も良く、重合時にポリマーの析出は認められなかった。
【0047】
比較例1 メチルエチルケトン単独溶媒による2−ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体の合成
重合溶媒を、メチルエチルケトンに変更した他は、実施例1と同様の条件で共重合体の合成をおこなった。結果、メチルエチルケトン単独溶媒は79.5℃近傍で還流し、重合温度を安定させることはできたが、重合途中でポリマーが析出してしまった。
【0048】
比較例2 プロピレングリコールモノメチルエーテル単独溶媒による2−ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体の合成
重合溶媒を、プロピレングリコールモノメチルエーテルに変更した他は、実施例1と同様の条件で共重合体の合成を行った。結果、プロピレングリコールモノメチルエーテル単独溶媒はモノマーも良く溶解し、重合反応により生成したポリマーも良く溶解したが、沸点が120℃と高いため80℃近傍では還流せず、重合反応による発熱が吸収されないため温度コントロールが困難だった。
【0049】
比較例3 トルエン単独溶媒による4−ビニルビフェニル−メタクリル酸共重合体の合成
重合溶媒をトルエンのみに変更した他は、実施例3と同様の条件で共重合体の合成を行った。結果、本例では、モノマーを含む滴下液を反応容器に滴下した直後からポリマーの析出が認められた。さらに重合を続行すると容器壁面に付着物が生成し、反応終了後に溶剤で洗浄しようとしたが不溶であった。
【0050】
比較例4 メチルエチルケトン単独溶媒による4−ビニルビフェニル−メタクリル酸共重合体の合成
重合溶媒をメチルエチルケトンのみに変更した他は、実施例4と同様の条件で共重合体の合成を行った。結果、熟成1時間まで重合液は透明で、生成したポリマーを全て溶解していたようだが、その後重合液が濁り始め、ポリマーの析出が認められた。室温に戻してからメタノール15gを追加すると重合液の濁りは消え、透明な重合液に戻ったことから、モノマー組成に偏りのある(メタクリル酸の比率が高い)ポリマーが生成したものと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも多環式芳香族化合物の構造を有する繰り返し単位(A)と、極性基を有する繰り返し単位(B)とを含む有機反射防止膜用共重合体の製造方法であって、前記共重合体の重合反応が少なくとも2種の極性の異なる溶媒を含む混合溶媒中で行われる、有機反射防止膜用共重合体の製造方法。
【請求項2】
繰り返し単位(A)が、
式(A1):
【化1】

{式(A1)中、R11は水素原子、または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R12は単結合、炭素数1〜4の2価の炭化水素基、またはカルボニルオキシ基を表し、Lは炭素数10〜40の多環式芳香族化合物を表し、多環式芳香族化合物は炭化水素基の置環基がついても良い。}、および/または
式(A2):
【化2】

{式(A2)中、R21〜R26は水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。}
で表される構造を有する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
繰り返し単位(A)を与えるモノマーが、2−ビニルナフタレン、4−ビニルビフェニル、アセナフチレン、アントラセンメチルメタクリレート、およびそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
繰り返し単位(B)が、
式(B1):
【化3】

{式(B1)中、R31は水素原子、または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R32は単結合、または炭素数1〜4の2価の炭化水素基を表す。}、および/または
式(B2):
【化4】

{式(B2)中、R41は水素原子、または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R42は単結合、炭素数1〜4の2価の炭化水素基、またはカルボニルオキシ基を表し、R43〜47は少なくとも1つ以上はヒドロキシ基、その他は水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。}
で表される構造を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
繰り返し単位(B)を与えるモノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、p−ヒドロキシスチレン、およびそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記混合溶媒が、メチルエチルケトン、メタノール、プロパノール、2−プロパノール、ヘキサン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、および酢酸エチルからなる群から選択される少なくとも2種の混合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記重合反応が、40℃〜150℃の範囲の温度下で行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。

【公開番号】特開2011−26372(P2011−26372A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170387(P2009−170387)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(000157603)丸善石油化学株式会社 (84)
【Fターム(参考)】