説明

有機排水処理装置及び有機排水処理方法

【課題】余剰汚泥の発生抑制が可能な有機排水処理方法、及び、余剰汚泥の発生を抑制する方法の提供。
【解決手段】有機排水処理装置100は、有機排水を活性汚泥によって好気性処理する密閉型の生物処理槽10と、有機排水中に酸素富化ガスを供給する酸素富化ガス供給装置11と、酸素富化ガス供給装置によって供給された酸素富化ガスを含む有機排水を生物処理槽内に供給する送水手段12と、有機排水を生物処理槽内の有機排水の水面上方から散布する散布手段13とを含み、送水手段13は、酸素富化ガスを含む有機排水に旋回流を発生させながら前記酸素富化ガスを含む有機排水を処理槽10内に搬送可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機排水処理装置及び有機排水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭排水、家畜排水、工場排水、下水等の有機物を含む排水(以下、「有機排水」を処理する方法として様々な方法が提案されている。その方法の一つとして、オゾンガスのマイクロバブルを有機排水に供給することによって、有機排水中へのオゾンの溶解量を向上させて有機排水中の酸化分解を行う方法がある(例えば、特許文献1)
また、その他の方法として、微生物の代謝を利用した活性汚泥法ある。活性汚泥法を用いた方法としては、有機排水にマイクロバブルを供給することによってマイクロバブルを直接微生物に作用させて好気性微生物を活性化し、有機排水中の有機物を分解処理する方法や(例えば、特許文献2及び3)、有機排水にマイクロバブルを供給することによって好気性微生物を活性化し、好気性微生物のリンの取り込み量を増加させて有機排水中のリンを除去する方法がある(例えば、特許文献4)。
【0003】
活性汚泥を用いて生物処理された有機排水は、好気性微生物とともに沈殿槽に移される。沈殿槽では、該好気性微生物は互いにくっつき合ってフロックを形成して沈降する。沈殿槽に沈殿した該好気性微生物(汚泥)は、活性汚泥として生物処理を行う生物処理槽に返送され再び生物処理に使用される。しかし、好気性微生物は増殖するため、沈殿槽内のすべての汚泥を生物処理槽に返送すると、生物処理槽で酸素不足となったり、沈殿槽における固液分離が困難になったりする。このため増殖した分の好気性微生物(汚泥)は「余剰汚泥」として系外に取り出される。そして、その余剰汚泥は、一般に脱水、乾燥、焼却などの処理が行われ、最終的には埋め立て処分される。
【0004】
余剰汚泥の発生量は、処理施設の増加等の理由により、年々着実に増加している。このため、余剰汚泥を埋め立てるための最終処分地の確保が困難となっている。また、各自治体では余剰汚泥の運搬や処理にかかる費用が増大している。このような状況から、余剰汚泥の削減方法が研究されている。その方法の一つとして、生物処理槽内に空気又は酸素を吹き込むことにより溶存酸素濃度(DO)を5mg/L以上に調整して生物処理を行う方法が開示されている(例えば、特許文献5)。また、その他の方法としては、排出される余剰汚泥を生物易分解性に改質処理する方法が開示されている(例えば、特許文献6)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−321959号公報
【特許文献2】特開2007−90206号公報
【特許文献3】特開2007−326017号公報
【特許文献4】特開2007−190452号公報
【特許文献5】特開2008−188548号公報
【特許文献6】特許第4187303号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、余剰汚泥の発生を抑制できるさらなる技術が求められている。そこで本発明は、余剰汚泥の発生抑制が可能な有機排水処理装置及び有機排水処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一態様として、有機排水を活性汚泥によって好気性処理する密閉型の生物処理槽と、有機排水中に酸素富化ガスを供給する酸素富化ガス供給装置と、前記酸素富化ガスを含む前記有機排水を前記生物処理槽内に供給する送水手段と、前記生物処理槽内の有機排水の水面上方から液体を散布する散布手段と、を含み、前記送水手段は、前記酸素富化ガスを含む有機排水に旋回流を発生させながら前記酸素富化ガスを含む有機排水を前記生物処理槽内に搬送可能であり、前記生物処理槽において、前記送水手段を通じた前記酸素富化ガスを含む有機排水の供給と、前記散布手段による前記有機排水の水面上方からの前記液体の散布とを行いながら、前記有機排水を活性汚泥によって好気性処理することができる有機排水処理装置に関する。
【0008】
本発明は、その他の一態様として、有機排水を活性汚泥によって好気性処理することによって有機排水を処理する方法であって、酸素富化ガスを有機排水に供給すること、前記酸素富化ガスを含む有機排水に旋回流を発生させること、前記旋回流を発生させた前記有機排水を、密閉型の生物処理槽に供給すること、及び前記生物処理槽内の有機排水の水面上方から液体を散布することを含む有機排水の処理方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、余剰汚泥の発生が抑制された有機排水の生物処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の有機排水処理方法に使用する処理装置の構成の一例を示す概略図である。
【図2】図2A及びBは、本発明の有機排水処理装置の構成のその他の例を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明の有機排水処理方法に使用する処理装置の構成のさらにその他の例を示す概略図である。
【図4】図4は、本発明の有機排水処理方法に使用する処理装置の構成のさらにその他の例を示す概略図である。
【図5】図5は、実施例における生物処理槽内の溶存酸素濃度(DO)と汚泥濃度(MLSS)との関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、有機排水中に酸素富化ガスを供給し、酸素富化ガスが供給された有機排水を機械的につぶした後、生物処理槽内の有機排水に供給すること、及び生物処理槽内の有機排水の水面上方からの液体を散布することの双方を行うことにより、生物処理槽内の有機排水の溶存酸素濃度を向上させつつ、余剰汚泥の発生量を抑制できるという知見に基づく。
【0012】
本明細書において「有機排水」とは、有機物(BOD成分)を含む排水をいい、例えば、家庭から出る下水、し尿等の生活排水、食品工場等の工場などから出る有機系産業排水を含む。
【0013】
本明細書において「活性汚泥」とは、有機物を分解する機能を有する好気性微生物の集団のことをいい、例えば、下水や排水に含まれる有機物を分解する微生物を繁殖させて生じる泥状の沈殿物を含み、中でも、食肉加工工場や魚介類加工工場等の食品加工工場から排出される活性汚泥が好ましい。
【0014】
[有機排水処理装置]
本発明は、一態様において、有機排水を活性汚泥によって好気性処理する密閉型の生物処理槽と、有機排水中に酸素富化ガスを供給する酸素富化ガス供給装置と、前記酸素富化ガスを含む前記有機排水を前記生物処理槽内に供給する送水手段と、前記生物処理槽内の有機排水の水面上方から液体を散布する散布手段とを含み、前記送水手段は、前記酸素富化ガスを含む有機排水に旋回流を発生させながら前記酸素富化ガスを含む有機排水を前記生物処理槽内に搬送可能であり、前記生物処理槽において、前記送水手段を通じた前記酸素富化ガスを含む有機排水の供給と、前記散布手段による前記有機排水の水面上方からの前記液体の散布とを行いながら、前記有機排水を活性汚泥によって好気性処理することができる有機排水処理装置に関する。本発明の有機排水処理装置によれば、例えば、生物処理槽内の有機排水の溶存酸素濃度を効率よく高くすることができ、好ましくは溶存酸素濃度を高い状態で維持できるという効果を奏する。このため、本発明の有機排水処理装置によれば、余剰汚泥の発生が抑制された有機排水の処理が可能となり、また、好ましくは排水の処理効率を向上できる。
【0015】
本明細書において「生物処理槽」とは、有機排水を活性汚泥によって好気性処理するための処理槽であって、密閉型の処理槽である。生物処理槽としては、密閉可能で、好気性処理が可能であれば公知の生物処理槽が使用できる。本明細書において「密閉型の処理槽」とは、例えば、槽の上部が開放されていない処理槽(上部開放型ではない処理槽)のことをいう。
【0016】
本明細書において「酸素富化ガス」とは、空気よりも高い酸素濃度を有するガスのことをいい、純酸素ガスを含み得る。酸素富化ガスは、例えば、酸素を21体積%以上含むガスであり、好ましくは酸素を22体積%〜99.9体積%含むガス、より好ましくは酸素を30体積%〜93体積%含むガスである。酸素富化ガスとしては、例えば、窒素製造において副生ガスとして分離される酸素富化ガス、窒素製造において副生ガスとして分離される酸素富化ガスから製造された酸素ガスが使用できる。窒素製造において副生ガスとして分離される酸素富化ガスを使用することにより、排ガスを有効利用することができる。
【0017】
本明細書において「酸素富化ガス供給装置」とは、有機排水中に酸素富化ガスを供給するための装置である。酸素富化ガス供給装置は、有機排水中に酸素富化ガスを供給できるものであればよく、例えば、酸素富化ガスを加圧して供給する装置や、酸素富化ガスを有機排水中でバブリングすることによって供給する装置等が使用できる。
【0018】
酸素富化ガス供給装置は、例えば、有機排水中に酸素富化ガスを含むマイクロバブルを発生可能なマイクロバブル発生装置であってもよい。マイクロバブル発生装置としては、例えば、公知の方法を用いた発生装置や、公知のマイクロバブル発生装置が使用でき、中でも加圧したガスを有機排水中に導入しその有機排水中にマイクロバブルを発生させることができる装置が好ましい。本明細書において「マイクロバブル」は、例えば、被処理水中の気泡径(直径)が100μm未満である気泡を含み、好ましくは50μm以下、より好ましくは30〜10μmの気泡を含む。また、気泡径が1μm未満である気泡、すなわち、ナノバブルは、気泡が時間経過とともに自己破壊するが、被処理水中に供給する配管中で殆どが破壊されず、生物処理槽に浮遊する。また、ナノバブルが活性汚泥の表面に電気的に付着し、その後に自己破壊する為、その衝撃で微生物が死滅する。従って、生物処理槽内の必要な活性汚泥を維持管理することが困難である。
よって、マイクロバブルにおける気泡径の分布のピークは、50μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm付近である。被処理水中に導入されるマイクロバブルの個数は特に制限されないが、例えば、100個/mL以上であり、好ましくは300個/mL以上、である。
【0019】
マイクロバブル発生装置は、所望の孔径を有するノズルを含むことが好ましい。ノズルを含むことにより、例えば、生物処理槽に供給する有機排水中に含まれるマイクロバブルを、所望の気泡径又はそれ以下のマイクロバブルとすることが容易になる。ノズルの孔径は、所望のマイクロバブルの気泡径等に応じて適宜決定でき、例えば、100μm未満である気泡を含み、好ましくは50μm以下、より好ましくは30〜10μmである。また、マイクロバブル発生装置は、有機排水中に導入するガスを加圧するための加圧手段を含んでいてもよい。加圧手段としては、例えば、加圧ポンプ等が挙げられる。
【0020】
マイクロバブル発生装置は、生物処理槽内の有機排水を揚水する揚水手段と接続していてもよい。これにより、マイクロバブルを生成させる有機排水として生物処理槽内の有機排水が使用できる。
【0021】
本明細書において「送水手段」とは、酸素富化ガス供給装置によって供給された酸素富化ガスを含む有機排水を生物処理槽内に供給し、かつ、酸素富化ガスを含む有機排水に旋回流を発生させながら酸素富化ガスを含む有機排水を処理槽内に搬送するためのものである。送水手段に酸素富化ガスを含む有機排水を通すことにより、例えば、酸素富化ガス中の酸素を効率よく有機排水中に溶解させることができる。送水手段としては、例えば、管状の流路を有し、かつ、その内壁に多数の撹拌突起やコイル状の所定の障害物が流路の長手方向に所定のピッチで配置された構造を有するもの等が使用できる。前記構造を有するものとしては、例えば、ラインミキサ、スタティックミキサ及びスクリューコンベア等が挙げられる。
【0022】
酸素富化ガス供給装置が、マイクロバブル発生装置である場合、送水手段にマイクロバブルを含む有機排水を通すことにより、例えば、少なくとも一部のマイクロバブルを細分化することや、少なくとも一部のマイクロバブル中の酸素を有機排水中に溶解させることができる。送水手段としては、例えば、管状の流路を有し、かつ、その内壁に多数の撹拌突起やコイル状の所定の障害物が流路の長手方向に所定のピッチで配置された構造を有するもの等が使用できる。前記構造を有するものとしては、例えば、ラインミキサ、スタティックミキサ及びスクリューコンベア等が挙げられる。
【0023】
本明細書において「散布手段」とは、生物処理槽内の有機排水の水面上方から液体を散布するためのものであって、生物処理槽内の有機排水の水面よりも上部から生物処理槽内の有機排水に液体を散布可能なものであればよい。また、散布手段において、有機排水を散布するための散布口が、生物処理槽内の有機排水の水面よりも上部に位置していればよい。散布手段としては、例えば、シャワー装置、散水ノズル、及び散水管等が挙げられる。散布手段により散布される液体は、特に制限されないが、有機排水が好ましく、処理効率の点からは、生物処理槽内の有機排水や、送水手段から排出されるマイクロバブルを含む有機排水がより好ましい。
【0024】
本発明の有機排水処理装置において、散布手段は、送水手段と連結していてもよい。これにより、酸素富化ガスを含む有機排水を生物処理槽内において有機排水中と有機排水の水面上方との2方向から同時に供給できる。また、酸素富化ガス供給装置がマイクロバブル発生装置である場合、例えば、有機排水にマイクロバブルを発生させる圧力を用いて散布手段から有機排水を散布することができる。
【0025】
また、本発明の有機排水処理装置において、散布手段は、送水手段と連結していなくてもよい。これにより、生物処理槽内において、有機排水中への酸素富化ガスの供給と、有機排水の水面上方からの有機排水の散布とを、独立して行うことができ、例えば、酸素富化ガスを含む有機排水の導入を停止した場合であっても、有機排水の水面上方からの有機排水の散布を行うことができる。
【0026】
本発明の有機排水処理装置は、さらに、生物処理槽内の有機排水を揚水する揚水手段を含んでいてもよい。楊水手段は、酸素富化ガス供給装置及び散布手段の少なくとも一方と連結していることが好ましく、より好ましくは酸素富化ガス供給装置、又は、酸素富化ガス供給装置及び散布手段と連結していることである。これにより、生物処理槽内の有機排水を、酸素富化ガスの供給及び/又は水面上方からの散布に容易に使用できる。揚水手段としては、加圧ポンプ等が使用できる。
【0027】
[有機排水処理方法]
本発明は、その他の態様として、有機排水を活性汚泥によって好気性処理することによって有機排水を処理する方法であって、酸素富化ガスを有機排水に供給すること、前記酸素富化ガスを含む有機排水に旋回流を発生させること、前記旋回流を発生させた前記有機排水を、密閉型の生物処理槽に供給すること、及び、前記生物処理槽内の有機排水の水面上方から液体を散布することを含む有機排水の処理方法に関する。本発明の有機排水処理方法によれば、例えば、生物処理槽内の有機排水の溶存酸素濃度を効率よく高くすることができ、好ましくは溶存酸素濃度を高い状態で維持できるという効果を奏する。このため、本発明の有機排水処理方法によれば、余剰汚泥の発生が抑制された有機排水の処理が可能となり、また、好ましくは排水の処理効率を向上できる。なお、本発明の有機排水処理方法は、上記本発明の有機排水処理装置を使用して行うこともできる。
【0028】
有機排水への酸素富化ガスの供給は、例えば、加圧した酸素富化ガスを有機排水に供給することや、酸素富化ガスを有機排水中でバブリングすることによって行うことができる。また、有機排水への酸素富化ガスの供給は、例えば、有機排水中に酸素富化ガスのマイクロバブルを生成すること含んでいてもよい。マイクロバブルを含む有機排水の生成は、生物処理槽内の有機排水を用いて行うことが好ましい。これにより、例えば、マイクロバブルを含む有機排水を生物処理槽に供給する毎に生物処理槽内の有機排水を増加させることがなく、処理効率も向上できる。
【0029】
旋回流の発生は、酸素富化ガスを含む有機排水を、例えば、管状の流路を有し、かつ、その内壁に多数の撹拌突起やコイル状の所定の障害物が流路の長手方向に所定のピッチで配置された構造を有する流路の中を通すことにより行うことができ、好ましくは加圧された酸素富化ガスを含む有機排水を上記流路の中を通すことである。これにより、例えば、酸素富化ガスを含む有機排水に容易に旋回流を発生させることができる。前記構造を有するものとしては、例えば、ラインミキサ、スタティックミキサ及びスクリューコンベア等が挙げられる。
【0030】
酸素富化ガスを含む有機排水がマイクロバブルを含む場合、酸素富化ガス(マイクロバブル)を含む有機排水に旋回流を発生させることによって、有機排水中のマイクロバブルを細分化することができる。マイクロバブルの少なくとも一部を細分化させた有機排水の生物処理槽への供給は、連続的に行ってもよく、断続的(間欠)に行ってもよい。
【0031】
水面上方からの液体の散布は、シャワー装置、散水ノズル、及び散水管等を用いて行うことができる。また、水面上方からの液体の散布は、連続的に行ってもよく、断続的(間欠)に行ってもよいが、気泡の上昇を抑制する点から、連続的に行うことが好ましい。
【0032】
生物処理槽内の有機排水の水面上方から散布する液体は、有機排水が好ましく、処理効率の点からは生物処理槽内の有機排水が好ましい。これにより、例えば、散布毎に生物処理槽内の有機排水を増加させることがなく、処理効率も向上できる。また、散布する有機排水は、旋回流を発生させ、マイクロバブルを細分化した前記有機排水が好ましい。これにより、例えば、散布毎に生物処理槽内の有機排水を増加させることがなく、処理効率も向上できる。
【0033】
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。但し、以下の説明は一例に過ぎず、本発明はこれに限定されないことはいうまでもない。
【0034】
(実施の形態1)
実施の形態1として、酸素富化ガス供給装置がマイクロバブル発生装置である場合を例にとり説明する。図1は、本発明の有機排水処理方法に使用する処理装置の構成の一例を示す概略図である。本実施形態1において、処理装置は、有機排水処理装置100、流量調整槽200及び沈殿槽300を備える。
【0035】
有機排水処理装置100は、密閉型の生物処理槽10、マイクロバブル発生装置11、送水手段12、散布手段13、加圧ポンプ15、取水部16及びバッファタンク17を備える。
【0036】
生物処理槽10は、有機排水を導入可能な槽と密閉用の蓋とを有し、槽の側壁には流入口18及び流出口19が形成されている。流入口18は、流量調整槽200と接続しており、これにより流量調整槽200から有機排水を生物処理槽10内に導入することができる。また、流出口19は、沈殿槽300と接続しており、これにより、処理後の有機排水を生物処理槽10から沈殿槽300に排出することができる。
【0037】
マイクロバブル発生装置11は、加圧ポンプ11bと、所定の孔径を有するノズル11aとを備える。マイクロバブル発生装置11は、一端が加圧ポンプ15を介して生物処理槽10内に配置された取水部16と接続している。これにより、取水部16及び加圧ポンプ15を通じて生物処理槽10内の有機排水をマイクロバブル発生装置11に供給でき、その有機排水に、加圧ポンプ11bにより加圧したガスを導入することによって、マイクロバブルを含む有機排水を生成することができる。ノズル11aは、有機排水中に生成されたマイクロバブルのうち、所定の気泡径以下のマイクロバブルのみを含む有機排水を得るためのものである。加圧ポンプ11bの押出圧は、例えば、5気圧以下であり、一定の気泡径を有するマイクロバブルを発生させる点からは、3.5〜5気圧が好ましく、より好ましくは略4気圧である。
【0038】
バッファタンク17は、マイクロバブル発生装置11で生成された所定の気泡径以下のマイクロバブルを含む有機排水を貯留するためのタンクであり、マイクロバブル発生装置11と送水手段12との間に配置されている。
【0039】
送水手段12は、ラインミキサと排出口14とを備え、排出口14は、生物処理槽10の下部に配置されている。所定の気泡径以下のマイクロバブルを含む有機排水を、バッファタンク17を介してマイクロバブル発生装置11から送水手段12に供給することにより、ラインミキサを通過する所定の気泡径以下のマイクロバブルを含む有機排水に旋回流が形成される。また、上記旋回流の形成及び/又は有機排水中のマイクロバブルとラインミキサとの衝突により、有機排水中のマイクロバブルは機械的につぶされ細分化される。細分化されたマイクロバブルを含む有機排水が排出口14を通じて生物処理装置10の下部から供給される。
【0040】
散布手段13は、生物処理槽10内に配置され、散布手段13のノズルが有機排水の水面の上部に位置するように配置されている。また、散布手段13は、送水手段12と接続している。これにより、散布手段13を通じて、細分化されたマイクロバブルを含む有機排水を、生物処理槽10内の有機排水の水面上方から散布できる。これにより、生物処理槽10内の有機排水に含まれるマイクロバブル等の気泡の上昇を抑制できるとともに、有機排水の表面(水面)において、生物処理槽10内の有機排水及び/又はマイクロバブルと、散布手段13から散布される有機排水及び/又はマイクロバブルとを気液接触させることができる。これにより生物処理槽10内の有機排水の溶存酸素濃度を上昇させることができる。
【0041】
散布手段13と送水手段12とを接続するパイプの直径と、排出口14の直径との比率は、散布手段13からマイクロバブルを含む有機排水を散布できる比率であればよく、好ましくはシャワー状に散布できる比率がよい。また、散布手段13と送水手段12とを接続するパイプの直径を、排出口14の直径よりも大きくすることが好ましい。パイプの直径と排出口14の直径との比率(パイプの直径:排出口14の直径)は、2:3〜5が好ましく、より好ましくは略2:4である。
【0042】
加圧ポンプ15は、生物処理槽10の下部に配置された取水部16とパイプを通じて接続し、生物処理槽10内の有機排水を揚水し、マイクロバブル発生装置11に供給することができる。加圧ポンプ15と取水部16とを接続するパイプ、及び、加圧ポンプ15とマイクロバブル発生装置11とを接続するパイプには、バルブが配置されている。これらのバルブを用いて取水部16を逆洗浄することができる。
【0043】
流量調整槽200は、流量調整槽200内の有機排水に空気を供給するための散気管201を備える。また、沈殿槽300は、沈澱した活性汚泥を排出可能な排出口301を備える。
【0044】
生物処理槽10、流量調整槽200及び沈殿槽300は、槽内の有機排水に直射日光があたらない様に地下に埋設されていることが好ましい。これにより、直射日光や外気等による水温の上昇を抑制することができることから、生物処理槽10、流量調整槽200及び沈殿槽300中の有機排水の温度変化に伴う溶存酸素濃度の変動を抑制でき、有機排水の処理効率を向上できる。
【0045】
以下に、図1に示す処理装置を用いた有機排水の処理方法の一例について説明する。
【0046】
流量調整槽200から、有機排水を生物処理槽10内に導入する(矢印B及びC)。そして、生物処理槽10において、活性汚泥によって有機排水を好気性処理する。生物処理槽10内の有機排水を、加圧ポンプ15を用いて取水部16を通じて揚水し、マイクロバブル発生装置11に供給する。また、マイクロバブル発生装置11に酸素富化ガスを供給する(矢印G)。
【0047】
ついで、マイクロバブル発生装置11において、供給されたガスを加圧し、その加圧したガスを有機排水に導入することにより有機排水中にマイクロバブルを発生させる。このマイクロバブルを含む有機排水を、バッファタンク17を介して送水手段12に供給する。送水手段12に供給されたマイクロバブルを含む有機排水がラインミキサを通過することにより、前記有機排水に旋回流が形成されるとともに、マイクロバブルの少なくとも一部が細分化される。そして、その細分化されたマイクロバブルを含む有機排水は、排出口14を通じて生物処理槽10内の有機排水の下部から供給されるとともに、散布手段13を通じて生物処理槽10内の有機排水の水面上方から供給される。これらを繰り返し行うことにより、生物処理槽10における有機排水の好気性処理を行う。排出口14及び散布手段14からの細分化されたマイクロバブルを含む有機排水の供給は、生物処理槽10内の有機排水の溶存酸素濃度に応じて、連続的に行ってもよいし、断続的に行ってもよい。
【0048】
好気性処理を十分に行った後、排出口19から沈殿槽300に導入する(矢印D)。沈殿槽300において固液分離を行い、上澄み(分離液)は溢流させる(矢印E)。一方、沈殿槽300に沈澱した汚泥は、排出口301から生物処理槽10内に返送される(矢印F)。
【0049】
なお、流量調整槽200に配置された散気管201を用い、流量調整槽200の有機排水に空気を供給してよい。また、流量調整槽200には、適宜有機排水を補充してもよい(矢印A)。
【0050】
図1の有機排水処理装置100では、散布手段13は、送水手段12と接続しているが、本発明の構成はこれに限られるものではない。例えば、図2Aの有機排水処理装置100aに示すように、散布手段13は、加圧ポンプ15とマイクロバブル発生装置11とをつなぐパイプと連結していてもよい。これにより、送水手段12を通じたマイクロバブルを含む有機排水の供給と、散布手段13による有機排水の散布とを独立して制御することができる。また、図2Bの有機排水処理装置100bに示すように、散布手段13は、マイクロバブル発生装置11と接続した加圧ポンプ15とは異なる加圧ポンプ15’及び種類部16’と接続していてもよい。これにより、散布手段13による有機排水の散布の独立制御がより容易になる。なお、図2A及び図2Bにおいて、図1と同一部分には同一の符号を付している。
【0051】
本実施形態では、流量調整槽及び沈殿槽を、有機排水処理装置と分けて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の有機排水処理装置は、流量調整槽及び沈殿槽を含んでいてもよい。
【0052】
(実施の形態2)
図3は、本発明の有機排水処理方法に使用する処理装置の構成のその他の例を示す概略図である。本実施形態2において、処理装置は、有機排水処理装置110、流量調整槽200、沈殿槽300、N2ガス製造装置20及びバッファタンク21を備える。なお、図3において、図1と同一部分には同一の符号を付している。
【0053】
2ガス製造装置20は、空気から窒素ガスを製造する装置であって、空気(矢印H)を導入すると窒素ガスを製造する(矢印J)とともに、排ガスとして酸素を30%程度含む酸素富化ガスを排出する(矢印I)。
【0054】
図3の処理装置では、有機排水処理装置110が、バッファタンク21を介してN2ガス製造装置20に接続している。このため、図3の処理装置では、N2ガス製造装置20から排出される酸素富化ガスを有機排水処理装置110に供給可能である。これにより、マイクロバブル生成に使用するガスとして酸素富化ガスを使用できるため、溶存酸素濃度を向上させることができる。
【0055】
(実施の形態3)
図4は、本発明の有機排水処理方法に使用する処理装置の構成のさらにその他の例を示す概略図である。本実施形態3において、処理装置は、有機排水処理装置120、流量調整槽200、沈殿槽300、N2ガス製造装置20、バッファタンク21、コンプレッサ22、O2ガス製造装置23及びO2ガス貯蔵タンク24を備える。なお、図4において、図1及び3と同一部分には同一の符号を付している。
【0056】
2ガス製造装置23は、純酸素ガスを製造する装置であって、コンプレッサ22を介してN2ガス製造装置から供給された酸素富化ガス純酸素を製造するとともに、不要な成分は排ガスとして排出される(矢印K)。
【0057】
2ガス貯蔵タンク24は、O2ガス製造装置23から排出される純酸素ガスを貯蔵するタンクである。なお、O2ガス貯蔵タンク24には、純酸素ガスは加圧された状態で導入される。
【0058】
図4の処理装置では、有機排水処理装置120が、O2ガス貯蔵タンク24に接続している。このため、図4の処理装置では、O2ガス貯蔵タンク24を有機排水処理装置120に供給可能である。これにより、マイクロバブル生成に使用するガスとして酸素富化ガスを使用できるため、溶存酸素濃度を向上させることができる。また、上述のように、O2ガス貯蔵タンク24には加圧された状態の純酸素ガスが導入されているため、加圧された純酸素を有機排水処理装置120に供給可能である。このため、本実施形態の有機排水処理装置120では、マイクロバブル発生装置11は、加圧ポンプを備えない構成とすることができる。
【0059】
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれに限定して解釈されない。
【実施例】
【0060】
[模擬排水]
模擬有機排水の組成は8L当り、基質としてスキムミルクを4.00g、栄養塩類として(NH42SO4を1.88g、KH2PO4を0.18g、pH調整剤としてNaHCO3を4.00g、Na2CO3を0.25gそれぞれ用い水に溶かして調製した。
【0061】
(実施例1)
図4に示す構成を有する処理装置を用いて上記の模擬有機排水の生物処理を行った。生物処理槽100、流量調整槽200及び沈殿槽300は、地下に埋設した。密閉型生物処理槽100は、容積1000Lの処理槽を使用し、沈殿槽300は、容積200Lのものを使用した。送水手段12は、一部にラインミキサを含むものを使用した。送水手段12において、散水手段13に連結するパイプと排出口14につながるパイプとの直径の比率は2:4とした。生物処理槽100内の温度は25〜30℃に設定した。pHは5.0〜7.0、生物処理槽100をHRT(水理学的滞留時間:Hydraulic Retention Time)24hとし、沈殿槽300のHRTを1hした。生物処理槽100のBOD容積負荷は0.4kg−BOD/(m3・日)とした。活性汚泥は、下水処理場の活性汚泥を培養したものを使用した。
【0062】
マイクロバブルを含む有機排水の生成には、窒素製造において副生ガスとして分離される酸素富化ガスより製造された酸素ガス(以下、「純酸素」ともいう)、及び、生物処理槽100内の有機排水を使用した。また、溶存酸素濃度(DO)は、10mg/L、13mg/L、15mg/L、17mg/L、20mg/L、25mg/Lに設定した。生物処理槽100内の溶存酸素濃度(DO)は、バッファタンクと送水手段(ラインミキサ)12との間に配置されたバルブを調整しながら、マイクロバブルを含む有機排水の流量が一定の流量となるように供給した。また、活性汚泥は、食品加工工場の活性汚泥を培養したものを使用した。
【0063】
[生物処理]
スキムミルクと塩類で調整した模擬有機排水を生物処理槽100に流入口18から投入した。投入量は300L/日とした。活性汚泥は生物処理槽100の容積が800Lになるように排出口19から引き抜き、沈殿槽300に送った。沈殿槽300では固液分離が行われ、沈降分離した活性汚泥は、排出口301を通して生物処理槽100に返送した。沈殿槽300の上澄み液は、処理水として取り出した。なお、生物処理期間中、余剰汚泥の引き抜きは行わなかった。
【0064】
[測定項目]
溶存酸素濃度測定は、フロー式を採用し、生物処理槽100からポンプで汚泥を循環させて生物処理槽100外で溶存酸素濃度を測定した。測定には、市販のDOメーターを使用した。模擬有機排水と処理水に関しては定法によりTOC及びBODの測定を行った。また、生物処理槽100内の汚泥を定期的にサンプリングしてMLSS(汚泥量)測定を行った。得られたDO濃度とMLSS濃度の関係を、図5のグラフに示す(図5における「純酸素曝気」)。
【0065】
(実施例2)
図2に示す構成を有する装置を用いたこと、マイクロバブルを含む有機排水の生成に「窒素製造において副生ガスとして分離される酸素富化ガス(O2:N2=3:7、体積比)」を用いたこと、及び、溶存酸素濃度(DO)を8mg/L、10mg/L、13mg/L、15mg/L、17mg/L、20mg/Lに設定したこと以外は、実施例1と同様にして生物処理を行い、DO、TOC、BOD及びMLSSの測定を行った。その結果を、図5のグラフに示す(図5における「窒素混合曝気」)。
【0066】
(参考例)
図1に示す構成を有する装置を用いたこと、マイクロバブルを含む有機排水の生成に「空気(O2:N2=1:4、体積比)」を用いたこと、及び、溶存酸素濃度(DO)を2mg/L、5mg/L、10mg/L、13mg/L、15mg/Lに設定したこと以外は、実施例1と同様にして生物処理を行い、DO、TOC、BOD及びMLSSの測定を行った。その結果を、図5のグラフに示す(図5における「空気曝気」)。
【0067】
図5に示すように、DOが高くなるにつれ、MLSS濃度が減少していることがわかる。とりわけ、DOが13〜15mg/L付近になるとMLSS濃度が減少し、DOが15mg/Lを超えるとMLSS濃度は2000付近にまで減少した。また、ラインミキサを介したマイクロバブルの導入及び水面上方からの有機排水の散布を行わない場合に比べて、余剰汚泥の発生量が低減されたことが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上、説明したとおり、本発明によれば、例えば、余剰汚泥の発生が抑制された有機排水の処理方法を実現できる。
【符号の説明】
【0069】
10 生物処理槽
11 マイクロバブル発生装置
11a ノズル
11b 加圧ポンプ
12 送水手段
13 散布手段
14 排出口
15、15’ 加圧ポンプ
16、16’ 取水部
17 バッファタンク
18 流入口
19 排出口
20 N2ガス製造装置
21 バッファタンク
22 コンプレッサ
23 O2ガス製造装置
24 O2ガス貯蔵タンク
100、100a、100b、110、120 有機排水処理装置
200 流量調整槽
201 散気管
300 沈殿槽
301 排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機排水を活性汚泥によって好気性処理する密閉型の生物処理槽と、
有機排水中に酸素富化ガスを供給する酸素富化ガス供給装置と、
前記酸素富化ガスを含む前記有機排水を前記生物処理槽内に供給する送水手段と、
前記生物処理槽内の有機排水の水面上方から液体を散布する散布手段とを含み、
前記送水手段は、前記酸素富化ガスを含む有機排水に旋回流を発生させながら前記酸素富化ガスを含む有機排水を前記生物処理槽内に搬送可能であり、
前記生物処理槽において、前記送水手段を通じた前記酸素富化ガスを含む有機排水の供給と、前記散布手段による前記有機排水の水面上方からの前記液体の散布とを行いながら、前記有機排水を活性汚泥によって好気性処理することができる、有機排水処理装置。
【請求項2】
前記酸素富化ガス供給装置は、前記有機排水中に酸素富化ガスを含むマイクロバブルを発生させる装置である、請求項1記載の有機排水処理装置。
【請求項3】
さらに、前記生物処理槽内の有機排水を揚水する揚水手段を含み、
前記楊水手段は、前記酸素富化ガス供給装置、又は、前記酸素富化ガス供給装置及び前記散布手段と連結している、請求項1又は2記載の有機排水処理装置。
【請求項4】
前記散布手段は、前記送水手段と連結している、請求項1から3のいずれかに記載の有機排水処理装置。
【請求項5】
前記送水手段は、ラインミキサである、請求項1から4のいずれかに記載の有機排水処理装置。
【請求項6】
有機排水を活性汚泥によって好気性処理することによって有機排水を処理する方法であって、
酸素富化ガスを有機排水に供給すること、
前記酸素富化ガスを含む有機排水に旋回流を発生させること、
前記旋回流を発生させた前記有機排水を、密閉型の生物処理槽に供給すること、及び、
前記生物処理槽内の有機排水の水面上方から液体を散布することを含む、有機排水の処理方法。
【請求項7】
前記有機排水への酸素富化ガスの供給は、有機排水中に酸素富化ガスを含む気泡径が10μmから100μmのマイクロバブルを生成すること含む、請求項6記載の有機排水処理方法。
【請求項8】
前記マイクロバブルの生成は、加圧された酸素富化ガスを前記有機排水に導入することにより行う、請求項7記載の有機排水処理方法。
【請求項9】
前記旋回流の発生によって、前記マイクロバブルの少なくとも一部を細分化することを含む、請求項7又は8記載の有機排水処理方法。
【請求項10】
前記散布する液体は、前記生物処理槽内の有機排水である、請求項6から9のいずれかに記載の有機排水処理方法。
【請求項11】
前記散布する有機排水は、前記酸素富化ガスが供給された有機排水である、請求項10記載の有機排水処理方法。
【請求項12】
前記旋回流の発生は、前記酸素富化ガスが供給された有機排水をラインミキサ内を通水させることにより行う、請求項6から11のいずれかに記載の有機排水処理方法。
【請求項13】
前記酸素富化ガスは、窒素製造において副生ガスとして分離される酸素富化ガス、又は、窒素製造において副生ガスとして分離される酸素富化ガスより製造された酸素ガスである、請求項6から12のいずれかに記載の有機排水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−152711(P2012−152711A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15540(P2011−15540)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】