説明

有機電界発光素子

【課題】耐久性、発光効率が良好な有機電界発光素子を提供すること。
【解決手段】一対の電極間に少なくとも、一般式(1)で表されるシラン誘導体及び4座配位子を有する白金錯体を含有することを特徴とする有機電界発光素子。


101〜R104は水素原子または置換基を表す。R105〜R108は水素原子または置換基を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光できる発光素子、特に、有機電界発光素子(発光素子、又はEL素子)に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光(EL)素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。この有機電界発光素子の重要な特性値として消費電力がある。消費電力は電圧と電流の積で表され、所望の明るさを得るに必要な電圧値が低いほど、かつ、電流値を小さくするほど、素子の消費電力を低くすることが出来る。
【0003】
素子に流れる電流値を低くする一つの試みとして、オルトメタル化イリジウム錯体(Ir(ppy)3:tris−ortho−metalated complex of Iridium(III) with 2−phenylpyridine)からの発光を利用した発光素子が報告されている(例えば特許文献1参照)。これらに記載のりん光発光素子は、従来の一重項発光素子に比べて外部量子効率が大幅に向上し、電流値を小さくすることに成功している。
これに対して特許文献2には、5員環アゾリル基(イミダゾリル基など)を4座配位子として有する白金錯体化合物を発光に適用した発光素子が発光効率を向上させることが報告されている。
【0004】
りん光発光素子の発光効率、耐久性改良を目的に、シラン誘導体を含有する素子(特許文献3、特許文献4)が報告されているが、耐久性、効率の点で、さらなる改良が望まれていた。
【0005】
【特許文献1】特開2001−247859号公報
【特許文献2】特開2007−19462号公報
【特許文献3】特開2003−243178号公報
【特許文献4】特開2006−140219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、耐久性、発光効率が良好な有機電界発光素子の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は下記手段によって達成された。
(1)一対の電極間に少なくとも、一般式(1)で表されるシラン誘導体、及び4座配位子を有する白金錯体を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
【0008】
【化1】

【0009】
101〜R104は水素原子または置換基を表す。R105〜R108は水素原子または置換基を表す。
(2)一般式(1)で表されるシラン誘導体が一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする上記(1)に記載の有機電界発光素子。
【0010】
【化2】

【0011】
201〜R204は水素原子または置換基を表す。X201〜X208は置換もしくは無置換の炭素原子、または窒素原子を表す。
(3)一般式(1)で表されるシラン誘導体が一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする上記(1)に記載の有機電界発光素子。
【0012】
【化3】

【0013】
301〜R304は水素原子または置換基を表す。R305、R306は水素原子または置換基を表す。X301〜X304は置換もしくは無置換の炭素原子、または、窒素原子を表す。
(4)一般式(3)で表されるシラン誘導体が一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする上記(3)に記載の有機電界発光素子。
【0014】
【化4】

【0015】
401〜R408は水素原子または置換基を表す。R409〜R412は水素原子または置換基を表す。X401、X402は置換もしくは無置換の炭素原子、または、窒素原子を表す。
(5)一般式(1)〜(4)の少なくとも1つで表されるシラン誘導体を発光層に含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の有機電界発光素子。
(6)シラン誘導体を発光層に隣接する層に含有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の有機電界発光素子。
(7)一般式(1)〜(4)の少なくとも1つで表されるシラン誘導体を陰極に隣接する層に含有することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の有機電界発光素子。
(8)一般式(1)〜(4)の少なくとも1つで表されるシラン誘導体のガラス転移温度が130℃以上、450℃以下であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の有機電界発光素子。
(9)一般式(1)〜(4)の少なくとも1つで表されるシラン誘導体の最低励起三重項エネルギー準位が65kcal/mol(272.35kJ/mol)以上、80kcal/mol以下(335.2kJ/mol 以下)であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の有機電界発光素子。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有機電界発光素子は、高効率発光が可能であり、かつ耐久性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、一対の電極間に少なくとも、一般式(1)で表されるシラン誘導体、及び、4座配位子を有する白金錯体を含有することを特徴とする有機電界発光素子である。一般式(1)について説明する。
【0018】
一般式(1)において、R101〜R104は水素原子または置換基を表す。置換基としては例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの各基が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどの各基が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどの各基が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどの各基が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどの各基が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどの各基が挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどの各基が挙げられる。)、
【0019】
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどの各基が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基
(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどの各基が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどの各基が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどの各基が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、
【0020】
ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどの各基が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボキシル基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などの各ヘテロ環が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基などが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、R101とR102、R103とR104は互いに連結して環構造を形成していてもよく、形成される環としては、シロール環、ジシロール環、オキサシロール環、アザシロール環、チアシロール環、ホスファシロール環、シロラン環、ジシロラン環、オキサシロラン環、アザシロラン環、チアシロラン環、ホスファシロラン環、シリン環、ジシリン環、オキサシリン環、アザシリン環、チアシリン環、ホスファシリン環、シリナン環、ジシリナン環、オキサシリナン環、アザシリナン環、チアシリナン環、ホスファシリナン環、シロラン環、ジシロラン環、オキサシロラン環、アザシロラン環、チアシロラン環、ホスファシロラン環、シレピン環、ジシレピン環、オキサシレピン環、アザシレピン環、チアシレピン環、ホスファシレピン環、シレパン環、ジシレパン環、オキサシレパン環、アザシレパン環、チアシレパン環、ホスファシレパン環、シロラン環、ジシロラン環、オキサシロラン環、アザシロラン環、チアシロラン環、ホスファシロラン環、シレピン環、ジシレピン環、オキサシレピン環、アザシレピン環、チアシレピン環、ホスファシレピン環、シレパン環、ジシレパン環、オキサシレパン環、アザシレパン環、チアシレパン環、ホスファシレパン環等が挙げられ、これらの環構造は更に縮合環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成していても良い。R101とR102、R103とR104が互いに連結して環構造を形成する場合の好ましい例はシロール環、ジシロール環、オキサシロール環、アザシロール環、チアシロール環、ホスファシロール環、シリン環、ジシリン環、オキサシリン環、アザシリン環、チアシリン環、ホスファシリン環であり、シリン環、ジシリン環、オキサシリン環、アザシリン環、チアシリン環、ホスファシリン環がより好ましい。
【0021】
101〜R104はアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であるか、又は、R101とR102および/またはR103とR104が互いに連結して環構造を形成することが好ましく、アルキル基、アリール基であるか、又は、アリール基であることがさらに好ましい。
【0022】
105〜R108は水素原子または置換基を表す。R105とR106、R107とR108は互いに連結して環構造を形成していてもよく、形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピリダジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、シロール環、シラントレン環、ゲルモール環、ホスホール環等が挙げられる。R105とR106、R107とR108が互いに縮合して環構造を作ることにより形成される縮合環しては、ベンゾ縮環、ピリジン縮環、ピロール縮環、ピラゾール縮環、イミダゾール縮環、トリアゾール縮環、シラントレン環が好ましく、ベンゾ縮環、ピリジン縮環、シラントレン縮環がより好ましい。
【0023】
置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの各基が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどの各基が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどの各基が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどの各基が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどの各基が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどの各基が挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどの各環基が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどの各基が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、
【0024】
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどの各基が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどの各基が挙げられる。)、
【0025】
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20の各基、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどの各基が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどの各基が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的にはこれらを含む基、例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などのヘテロ環基が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基などが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
【0026】
105〜R108は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であるか、又は、R105とR106および/またはR107とR108が互いに連結して環構造を形成する基が好ましく、アリール基、ヘテロアリール基であるか、又は、R105とR106および/またはR107とR108が互いに連結して環構造を形成する基がより好ましく、アリール基であるか、又は、R105とR106および/またはR107とR108が互いに連結して環構造を形成する基がさらに好ましく、R105とR106および/またはR107とR108が互いに連結して環構造を形成する基が特に好ましい。剛直な縮環構造を有することで、素子中に注入されるキャリヤ電荷に対する耐性が増し、素子耐久性が向上すると期待される。
【0027】
一般式(1)で表される化合物として好ましい形態の一つは、下記一般式(2)で表される化合物である。一般式(2)について説明する。
【0028】
【化5】

【0029】
201〜R204は水素原子または置換基を表す。X201〜X208は置換もしくは無置換の炭素原子、または、窒素原子を表す。
201〜R204は前記R101〜R104とそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0030】
201〜X208は置換もしくは無置換の炭素原子、または、窒素原子を表す。炭素原子上の置換基としては、前記R105で挙げた基が挙げられる(好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シリル基であり、より好ましくはアリール基、ヘテロアリール基シリル基であり、さらに好ましくは、アリール基である)。
【0031】
201〜X208は無置換の炭素原子、または、窒素原子であることが好ましく、少なくとも一つが窒素原子であることが好ましい。
【0032】
一般式(1)で表される化合物として好ましい形態の別の一つは、下記一般式(3)で表される化合物である。一般式(3)について説明する。
【化6】

【0033】
301〜R304は水素原子または置換基を表す。R305、R306は水素原子または置換基を表す。X301〜X304は置換もしくは無置換の炭素原子、または、窒素原子を表す。
【0034】
301〜R304、R305およびR306は前記R101〜R104、R105およびR106とそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。また、X301〜X304は前記X201〜X204と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0035】
一般式(3)で表される化合物としてより好ましくは下記一般式(4)で表される化合物である。テトラシリルで置換し、電荷をケイ素原子上にも非局在化させることで素子中に注入されるキャリヤ電荷に対する耐性を向上させる。以下に、一般式(4)について説明する。
【0036】
【化7】

【0037】
401〜R408は水素原子または置換基を表す。R409〜R412は水素原子または置換基を表す。X401、X402は置換もしくは無置換の炭素原子、または、窒素原子を表す。
401〜R308、R409〜R412、およびX401〜X402は前記R301〜R304、R305〜R306およびX301〜X304とそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0038】
次に本発明の有機電界発光素子に用いられる一般式(1)〜(4)のいずれかで表わされる化合物例を示すが、本発明はこれに限定されない。
【0039】
【化8】

【0040】
【化9】

【0041】
【化10】

【0042】
【化11】

【0043】
一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物は、J.Am.Chem.Soc. 1960年,第82号,3605頁,(1−1);J.Organomet.Chem.、1984年,第271号,319頁,(1−2);J.Chem.Soc.Chem.Commun.1993年,第9号,744頁, (1−3);(1−7)、Chem.Lett.2005年,第34号,1698頁, (1−4);J.Am.Chem.Soc. 1964年,第86号,5584頁. (1−5)、J.Organomet.Chem. 1968年,第11号,55頁, (1−6);などに記載の手法、及びその手法を参考に合成することが出来る。
【0044】
一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるシラン誘導体のガラス転移温度は80℃以上、500℃以下であることが好ましく、90℃以上、480℃以下であることがより好ましく、110℃以上、450℃以下であることがさらに好ましく、130℃以上、450℃以下であることが特に好ましい。
【0045】
一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるシラン誘導体の最低励起三重項エネルギー準位は60kcal/mol 以上(251.4kJ/mol以上)、90kcal/mol 以下(377.1kJ/mol以下)が好ましく、62kcal/mol以上(259.78kJ/mol以上)、85kcal/mol以下(356.15kKJ/mol以下)がより好ましく、65kcal/mol以上(272.35kJ/mol以上)、80kcal/mol以下(335.2kJ/mol以下)がさらに好ましい。
ここで、T1エネルギーは、材料の薄膜の燐光発光スペクトルを測定し、その短波長端から求めることができる。例えば、洗浄した石英ガラス基板上に、材料を真空蒸着法により約50nmの膜厚に成膜する。薄膜の燐光発光スペクトルを液体窒素温度下でF-7000日立分光蛍光光度計(日立ハイテクノロジーズ)を用いて測定する。得られた発光スペクトルの短波長側の立ち上がり波長をエネルギー単位に換算することにより求めることができる。
【0046】
<4座配位子を有する白金錯体>
本発明の有機電界発光素子は、一般式(1)で表される化合物、及び4座配位子を有する白金錯体を少なくとも一種有機化合物層に含有することを特徴とする。
4座配位子を有する白金錯体を用いることで、素子の発光効率が向上し、また駆動耐久性が向上するという点で優れる。
また、一般式(1)で表される化合物及び4座配位子を有する白金錯体の併用により発光層への電子の注入がより促進されると考えられ、電荷再結合位置および発光中心が発光層中心になる事で、素子の耐久性が向上しかつ、各素子の色度のばらつきが低減される。
【0047】
4座配位子を有する白金錯体としては、国際公開第00−57676号に記載の化合物が挙げられる。
【0048】
4座配位子を有する白金錯体(燐光発光)材料として、より具体的には、米国特許第6,653,654号、国際公開第2004-099339号、国際公開第04−108857号、特開2005−310733、特開2005−317516、特開2006−261623、特開2006−93542、特開2006−256999、国際公開第06−098505号、特開2007−19462、特開2007−96255、特開2007−96259、国際公開第05−042444号、特開2006−232784、米国特許第0134461号、国際公開第05−042550号、に記載の化合物が好ましい。
【0049】
4座配位子を有する白金錯体(燐光発光)材料として、2-アリールピリジン誘導体、2−(1-ピラゾリル)ピリジン誘導体、1-アリールピラゾール誘導体を配位子の部分構造として含むものが好ましく、2-アリールピリジン誘導体、2−(1-ピラゾリル)ピリジン誘導体を配位子の部分構造として含むものがより好ましく、2−(1-ピラゾリル)ピリジン誘導体を配位子の部分構造として含むものが特に好ましい。
【0050】
また、上記の配位子の部分構造(例えば、2-アリールピリジン誘導体、2−(1-ピラゾリル)ピリジン誘導体、1-アリールピラゾール誘導体など)は、適当な部位で連結されて、4座の配位子を構成する。
【0051】
2-アリールピリジン誘導体を配位子の部分構造として含む場合には、ピリジン環の6位、もしくは、アリール基のピリジン環に対してメタ位で連結することが好ましく、ピリジン環の6位同士、もしくは、アリール基のピリジン環に対してメタ位同士で連結することがより好ましく、ピリジン環の6位同士で連結することが特に好ましい。
2−(1-ピラゾリル)ピリジン誘導体を配位子の部分構造として含む場合は、ピリジン環の6位、もしくは、1−ピラゾリル基の4位で連結することが好ましく、ピリジン環の6位同士、もしくは、1−ピラゾリル基の4位同士で連結することがより好ましく、ピリジン環の6位同士で連結することが特に好ましい。
1-アリールピラゾール誘導体を配位子の部分構造として含む場合には、ピラゾール環の3位、もしくは、アリール基のピラゾール環に対してメタ位で連結することが好ましく、ピラゾール環の3位同士、もしくは、アリール基のピラゾール環に対してメタ位同士で連結することがより好ましく、ピラゾール環の3位同士で連結することが特に好ましい。
【0052】
上記の配位子の部分構造を連結する構造としては、単結合であっても、2価の連結基であっても良いが、2価の連結基であることが好ましく、2価の連結基としては、例えば、メチレン連結、エチレン連結、フェニレン連結、窒素原子連結、酸素原子連結、硫黄原子連結、ケイ素原子連結が好ましく、メチレン連結、窒素原子連結、ケイ素原子連結がより好ましく、メチレン連結が特に好ましい。メチレン連結基として具体的には、メチレン基(―CH―)、メチルメチレン基(―CHMe―)、フルオロメチルメチレン基(―CFMe―)、ジメチルメチレン基(―CMe―)、メチルフェニルメチレン基(―CMePh―)、ジフェニルメチレン基(―CPh―)、9,9−フルオレンジイル基、1,1−シクロペンタンジイル基、1,1−シクロヘキサンジイル基が挙げられ、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、9,9−フルオレニル基、1,1−シクロペンタンジイル基、1,1−シクロヘキサンジイル基が好ましく、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、1,1−シクロヘキサンジイル基がより好ましく、ジメチルメチレン基が特に好ましい。
【0053】
また、4座配位子を有する白金錯体(燐光発光)材料として、より好ましいもののひとつは一般式(A)で表されるPt錯体である。
【0054】
【化12】

【0055】
一般式(A)中、RA3、RA4は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、RA1、RA2は、それぞれ独立に、置換基を表す。RA1、RA2をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRA1、RA2は同じであっても異なってもよく、互いに連結して環を形成してもよい。nA1及びnA2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。YA1は連結基を表す。
【0056】
A1、RA2、RA3、及びRA4が表す置換基としては、下記置換基群Aとして挙げた中から任意に選択することができる。
置換基群A:
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ基、ピラジルオキシ基、ピリミジルオキシ基、キノリルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、
【0057】
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ基、2−ベンズイミゾリルチオ基、2−ベンズオキサゾリルチオ基、2−ベンズチアゾリルチオ基などが挙げられる。)、
【0058】
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、具体的にはイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基などが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。)
【0059】
A1が表す連結基としては、下記連結基群Aとして挙げた中から任意に選択することができる。
連結基群A:
アルキレン基(メチレン、エチレン、プロピレンなど)、アリーレン基(フェニレン、ナフタレンジイル)、ヘテロアリーレン基(ピリジンジイル、チオフェンジイルなど)、イミノ基(−NR−)(フェニルイミノ基など)、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、ホスフィニデン基(−PR−)(フェニルホスフィニデン基など)、シリレン基(−SiRR’−)(ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基など)、またはこれらを組み合わせたもの。これらの連結基は、さらに置換基を有していてもよい。
【0060】
A1、RA2、RA3、及びRA4が表す置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、アリール基、ヘテロ環基がより好ましく、アリール基が特に好ましい。
【0061】
A1が表す連結基としては、1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、炭素数1〜6のアルキレン基がより好ましく、フェニレン環が特に好ましい。
【0062】
A3、及びRA4が表す置換基は、YA1が表す連結基と連結して環を形成してもよく、例えば、YA1が1,2位で連結したフェニレン環である場合には、RA3、及びRA4がそれぞれ3,6位で連結して、1,10−フェナントロリン環を形成していてもよく、更に置換基を有していてもよい。
【0063】
4座配位子を有する白金錯体(燐光発光)材料として、より好ましいもののひとつは一般式(B)で表されるPt錯体である。
【0064】
【化13】

【0065】
(一般式(B)中、AB1〜AB6はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。LB1は単結合または二価の連結基を表す。XはCまたはNを表す。Zは式中のX−Cと共に形成される5または6員の芳香環または芳香族ヘテロ環を表す。QB1はPtに結合するアニオン性の基を表す。)
【0066】
一般式(B)について説明する。
B1〜AB6はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。Rで表される置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものと同義であり、好ましいものも同じである。
B1〜AB6として好ましくはC−Rであり、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。AB1〜AB6がC−Rである場合に、AB2、AB5のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基であり、特に好ましく水素原子、フッ素基であり、AB1、AB3、AB4、AB6のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基であり、特に好ましく水素原子である。
【0067】
B1は単結合または二価の連結基を表す。
B1で表される二価の連結基としては、アルキレン基(メチレン、エチレン、プロピレンなど)、アリーレン基(フェニレン、ナフタレンジイル)、ヘテロアリーレン基(ピリジンジイル、チオフェンジイルなど)、イミノ基(−NR−)(フェニルイミノ基など)、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、ホスフィニデン基(−PR−)(フェニルホスフィニデン基など)、シリレン基(−SiRR’−)(ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基など)、またはこれらを組み合わせたものが挙げられる。これらの連結基は、さらに置換基を有していてもよい。
B1として好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、イミノ基であり、さらに好ましくはアルキレン基であり、さらに好ましくはメチレン基であり、さらに好ましくはジ置換のメチレン基であり、さらに好ましくはジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、エチルメチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基、シクロペンタンジイル基、フルオレンジイル基、フルオロメチルメチレン基であり、特に好ましくはジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基である。
【0068】
XはCまたはNを表す。Zは式中のX−Cと共に形成される5または6員の芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表す。Zで表される芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環、フェナントレン環、ペリレン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、フェナントリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、シンノリン環、アクリジン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、プテリジン環、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、インドール環、カルバゾール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾピリジン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、フラン環、ベンゾフラン環、ホスホール環、ホスフィニン環、シロール環などが挙げられる。Zは置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。また、Zは他の環と縮合環を形成していても良い。
Zとして好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、インドール環、チオフェン環であり、より好ましくはベンゼン環、ピラゾール環、ピリジン環である。
【0069】
B1はPtに結合するアニオン性の基を表す。QB1で表されるアニオン性の基としては、ビニル配位子、芳香族炭化水素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントラセン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばフラン配位子、チオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子および、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。この時、QB1とPtの結合は、共有結合、イオン結合、配位結合などいずれであっても良い。QB1中のPtに結合する原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子が好ましく、QB1中のPtに結合する原子は炭素原子、酸素原子、窒素原子であることが好ましく、炭素原子であることがさらに好ましい。
B1で表される基として好ましくは炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子であり、より好ましくは炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子である。QB1で表される基としては特に一般式(B)中のC−Xと共に形成されるZ環と同一の基であることが好ましい。
【0070】
一般式(B)で表されるPt錯体は、より好ましくは一般式(C)で表されるPt錯体である。
【0071】
【化14】

【0072】
(一般式(C)中、AC1〜AC14はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。LC1は単結合または二価の連結基を表す。)
【0073】
一般式(C)について説明する。
C1〜AC14はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。AC1〜AC6としては、前記一般式(B)におけるAB1〜AB6と同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0074】
C7〜AC14としては、AC7〜AC10とAC11〜AC14のそれぞれにおいて、N(窒素原子)を表すものの数は、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。Nであるのは、AC8〜AC10とAC12〜AC14から選ばれるのが好ましく、AC8、AC9、AC12、AC13から選ばれるのがより好ましく、AC8、AC12から選ばれるのが特に好ましい。
C7〜AC14がC−Rを表す場合に、AC8、AC12のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、ポリフルオロアルキル基、シアノ基である。AC7、AC9、AC11、AC13の表すRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、フッ素基である。AC10、AC14の表すRとして好ましくは水素原子、フッ素基であり、より好ましくは水素原子である。AC7〜AC9、AC11〜AC13のいずれかがC−Rを表す場合に、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。
【0075】
C1で表される連結基としては、前記一般式(B)におけるLB1が表す連結基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0076】
一般式(B)で表されるPt錯体は、より好ましくは一般式(D)で表されるPt錯体である。
【0077】
【化15】

【0078】
(一般式(D)中、AD1〜AD12はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。LD1は単結合または二価の連結基を表す。)
【0079】
一般式(D)について説明する。
D1〜AD12はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。
D1〜AD6としては、前記一般式(B)におけるAB1〜AB6が表す置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0080】
D7〜AD12としては、AD7〜AD9とAD10〜AC12のそれぞれにおいて、N(窒素原子)を表すものの数は、0〜2が好ましく、1〜2がより好ましく、1が特に好ましい。Nを表すものは、AD7〜AD9とAD10〜AC12から選ばれることが好ましく、AD7、AD9、AD10及びAD12から選ばれることがより好ましく、AD7及びAD10から選ばれることが特に好ましい。
D7〜AD12がC−Rである場合に、AD8、AD11のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましくポリフルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基やパーフルオロエチル基)、シアノ基である。AD7、AD9、AD10、AD12のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、フッ素基であり、特に好ましく水素原子である。AD7〜AD12のいずれかがD−Rを表す場合に、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。
【0081】
D1で表される連結基としては、前記一般式(B)におけるLB1が表す連結基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0082】
4座配位子を有する白金錯体(燐光発光)材料として、より好ましいもののひとつは一般式(E)で表されるPt錯体である。
【0083】
【化16】

【0084】
(一般式(E)中、AE1〜AE14はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。LE1は単結合または二価の連結基を表す。)
【0085】
一般式(E)について説明する。AE1〜AE12はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。AE1〜AE6としては、前記一般式(B)におけるAB1〜AB6と同義であり、好ましい範囲も同様である。AE7〜AE14としては、前記一般式(C)におけるAC7〜AC14と同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0086】
E1で表される連結基としては、前記一般式(B)におけるLB1が表す連結基と同義である。
E1として好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、より好ましくはアルキレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、さらに好ましくはアルキレン基であり、さらに好ましくはメチレン基であり、さらに好ましくはジ置換のメチレン基であり、さらに好ましくはジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、エチルメチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基、シクロペンタンジイル基、フルオレンジイル基、フルオロメチルメチレン基であり、特に好ましくはジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基である。
【0087】
4座配位子を有する白金錯体(燐光発光)材料として、より好ましいもののひとつは一般式(F)で表されるPt錯体である。
【0088】
【化17】

【0089】
(一般式(F)中、AF1〜AF14はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。LF1は単結合または二価の連結基を表す。)
【0090】
一般式(F)について説明する。
F1〜AF14はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。AF1〜AF5としては、前記一般式(B)におけるAB1〜AB5と同義である。AF1〜AF5として好ましくはC−Rであり、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。AF1〜AF5がC−Rである場合に、AF1〜AF5のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アリール基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましくは水素原子である。
【0091】
F7〜AF14としては、前記一般式(C)におけるAC7〜AC14と同義であり、好ましい範囲も同様である。特に、AC7〜AC9、AC11〜AC13のいずれかがC−Rである場合に、R同士が互いに連結して形成する環構造としては、フラン環、ベンゾフラン環、ピロール環、ベンゾピロール環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、フルオレン環が好ましく、これらの環は更に置換基を有していてもよい。
【0092】
F1で表される連結基としては、前記一般式(B)におけるLB1が表す連結基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0093】
また、4座配位子を有する白金錯体燐光発光材料としては、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0094】
【化18】

【0095】
【化19】

【0096】
【化20】

【0097】
【化21】

【0098】
【化22】

【0099】
【化23】

【0100】
【化24】

【0101】
【化25】

【0102】
【化26】

【0103】
【化27】

【0104】
【化28】

【0105】
【化29】

【0106】
【化30】

【0107】
【化31】

【0108】
【化32】

【0109】
【化33】

【0110】
【化34】

【0111】
【化35】

【0112】
【化36】

【0113】
【化37】

【0114】
【化38】

【0115】
【化39】

【0116】
【化40】

【0117】
【化41】

【0118】
【化42】

【0119】
【化43】

【0120】
【化44】

【0121】
【化45】

【0122】
【化46】

【0123】
【化47】

【0124】
【化48】

【0125】
【化49】

【0126】
【化50】

【0127】
【化51】

【0128】
【化52】

【0129】
【化53】

【0130】
【化54】

【0131】
【化55】

【0132】
【化56】

【化57】

【0133】
【化58】

【0134】
【化59】

【0135】
【化60】

【0136】
【化61】

【0137】
【化62】

【0138】
【化63】

【0139】
【化64】

【0140】
上記錯体化合物として例示した化合物は、例えば以下に示す工程により製造することができる。
【0141】
上記の金属錯体化合物は、Journal of Organic Chemistry 53, 786, (1988) 、G. R. Newkomeet al.)の、789頁、左段53行〜右段7行に記載の方法、790頁、左段18行〜38行に記載の方法、790頁、右段19行〜30行に記載の方法およびその組み合わせ、Chemische Berichte 113, 2749 (1980)、H. Lexy ほか)の、2752 頁、26行〜35行に記載の方法等、種々の手法で合成できる。
例えば、配位子、またはその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、もしくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキサイド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、もしくは、塩基非存在下、室温以下、もしくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
【0142】
本発明において、4座配位子を有する白金錯体は、発光材料として用いることが好ましい。
【0143】
4座配位子を有する白金錯体は、発光層中に一般的に発光層を形成する全化合物質量に対して、0.1質量%〜50質量%含有されるが、耐久性、外部量子効率の観点から1質量%〜50質量%含有されることが好ましく、2質量%〜40質量%含有されることがより好ましい。
【0144】
[有機電界発光素子]
以下、本発明の有機電界発光素子(以下、適宜「有機EL素子」と称する場合がある。)について詳細に説明する。
本発明の発光素子は基板上に陰極と陽極を有し、両電極の間に有機発光層(以下、単に「発光層」と称する場合がある。)を含む有機化合物層を有する。発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明であることが好ましい。
【0145】
本発明の有機電界発光素子は白色発光素子であっても良い。
【0146】
本発明における有機化合物層の積層の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。更に、正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。尚、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
【0147】
本発明の発光素子は、ホール輸送層、発光層、電子輸送層の少なくとも3層を有する素子であることが好ましい。ホール輸送層と発光層の間に、発光層へのホール注入を促進する層、電子をブロックする層、励起子をブロックする層を追加することがより好ましい。
【0148】
次に、本発明の発光材料を構成する要素について、詳細に説明する。
【0149】
<基板>
本発明で使用する基板としては、有機化合物層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。その具体例としては、イットリア安定化ジルコニア、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
例えば、基板としてガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
【0150】
基板の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、基板の形状としては、板状であることが好ましい。基板の構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。
【0151】
基板は、無色透明であっても、有色透明であってもよいが、有機発光層から発せられる光を散乱又は減衰等させることがない点で、無色透明であることが好ましい。
【0152】
基板には、その表面又は裏面に透湿防止層(ガスバリア層)を設けることができる。
透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
熱可塑性基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
【0153】
<陽極>
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
【0154】
陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。陽極材料の具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫
(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
【0155】
陽極は、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、陽極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って、前記基板上に形成することができる。例えば、陽極の材料として、ITOを選択する場合には、陽極の形成は、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って行うことができる。
【0156】
本発明の有機電界発光素子において、陽極の形成位置としては特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができる。が、前記基板上に形成されるのが好ましい。この場合、陽極は、基板における一方の表面の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
【0157】
なお、陽極を形成する際のパターニングとしては、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
【0158】
陽極の厚みとしては、陽極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常、10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
【0159】
陽極の抵抗値としては、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がより好ましい。陽極が透明である場合は、無色透明であっても、有色透明であってもよい。透明陽極側から発光を取り出すためには、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
【0160】
なお、透明陽極については、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載される事項を本発明に適用することができる。耐熱性の低いプラスティック基材を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
【0161】
<陰極>
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
【0162】
陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としてはアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
【0163】
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
【0164】
なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されており、これらの広報に記載の材料は、本発明においても適用することができる。
【0165】
陰極の形成方法については、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、前記した陰極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
【0166】
陰極を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
【0167】
本発明において、陰極形成位置は特に制限はなく、有機化合物層上の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
【0168】
陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜1μmが好ましい。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
【0169】
<有機化合物層>
本発明における有機化合物層について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有しており、有機発光層以外の他の有機化合物層としては、前述したごとく、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
【0170】
−有機化合物層の形成−
本発明の有機電界発光素子において、有機化合物層を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に形成することができる。
【0171】
−有機発光層−
有機発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明における発光層は、発光材料のみで構成されていても良く、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でも良い。
【0172】
ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。
【0173】
また、本発明における発光層に含有されるホスト材料としては、例えば、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するものや、後述の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層の項で例示されている材料が挙げられる。
【0174】
一般式(1)で表される化合物は、有機化合物層のうちいずれの層に含有されていてもよく、また複数の層に含有されていても良いが、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層に含有されていることが好ましく、発光層、電子輸送層に含有されていることがより好ましく、発光層に含有される場合にはホスト材料として含有されていることがもっとも好ましい。
発光層にホスト材料として一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物が含有される場合、発光層における一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物が含有率は、5〜99.9質量%であることが好ましく、60〜99質量%であることがより好ましい。正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層に含有される場合、各層における本発明の化合物の含有率は、70〜100%であることが好ましく、85〜100%であることがより好ましく、100%であることが最も好ましい。
【0175】
本発明の有機電界発光素子において、一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物を発光層に隣接する層に含有することが好ましい。これにより、発光層での電荷(ホールおよび電子)の滞留を抑制できる。
また、一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物を発光層に隣接する層に含有する場合、発光層に隣接する層中に、70〜100質量%含有されることが好ましく、90〜100質量%含有されることがより好ましい。
さらに、一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物を発光層に隣接する層に含有する場合は、一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物を単独で層とすることが膜の均一性の点で好ましい。
【0176】
また、本発明の有機電界発光素子において、一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物を陰極に隣接する層に含有することが好ましい。これにより、陰極からの効率的な電子注入が可能となる。
一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物を陰極に隣接する層に含有する場合、陰極に隣接する層中に、70〜100質量%含有されることが好ましく、90〜100質量%含有されることがより好ましい。
【0177】
一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるシラン誘導体が陰極に隣接する層に含まれる場合、その膜厚は1nm以上50nm以下であることが好ましく、1nm以上30nm以下であることがより好ましく、1nm以上10nm以下であることがさらに好ましく、1nm以上5nm以下であることが特に好ましい。
【0178】
一般式(1)〜(4)で表されるシラン誘導体は、発光層及び陰極に隣接する層に含有することがより好ましい。
【0179】
発光層中に含まれるホスト材料の電荷移動度は 1×10−6 cm/Vs以上、1×10−1cm/Vs以下であることが好ましく、5×10−6cm/Vs以上1×10−2cm/Vs以下であることがより好ましく、1×10−5cm/Vs以上1×10−2cm/Vs以下であることがさらに好ましく、5×10−5cm/Vs以上1×10−2cm/Vs以下であることが特に好ましい。
【0180】
本発明の発光素子に含まれるホスト材料のTレベル(最低三重項励起状態のエネルギーレベル)は、60kcal/mol以上(251.4kJ/mol以上)、90kcal/mol以下(377.1kJ/mol以下)であることが好ましく、62kcal/mol以上(259.78kJ/mol以上)、85Kcal/mol以下(356.15kJ/mol以下)がより好ましく、65 kcal/mol以上(272.35kJ/mol以上)、80kcal/mol以下(335.2 kJ/mol以下)であることがさらに好ましい。
【0181】
本発明の発光素子の発光層に隣接する層のTレベル(最低三重項励起状態のエネルギーレベル)は、60kcal/mol 以上(251.4kJ/mol以上)、90kcal/mol以下(377.1kJ/mol以下)であることが好ましく、62kcal/mol以上(259.78kJ/mol以上)、85kcal/mol以下(356.15kJ/mol以下)であることがより好ましく、65kcal/mol以上(272.35kJ/mol以上)、80kcal/mol以下(335.2kJ/mol以下)であることがさらに好ましい。
【0182】
本発明の有機電界発光素子含まれるホスト材料、電子輸送層、及び、ホール輸送材料のガラス転移点は90℃以上400℃以下であることが好ましく、100℃以上380℃以下であることがより好ましく、120℃以上370℃以下であることがさらに好ましく、140℃以上360℃以下であることが特に好ましい。
【0183】
発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であっても良く、ドーパントは1種であっても2種以上であっても良い。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいても良い。
また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
【0184】
本発明に使用できる蛍光発光材料の例としては、例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
【0185】
また、本発明に使用できる燐光発光材料は、例えば、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。
遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金である。
ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
【0186】
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry, PergamonPress社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer-Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
【0187】
燐光材料として好ましくは、イリジウム錯体、白金錯体であり、特に四座配位子の白金錯体、フッ素置換フェニルピリジンを配位子に有するイリジウム錯体が好ましく、四座配位子の白金錯体が最も好ましい。
【0188】
燐光発光材料の具体例としては、前述の四座配位子の白金錯体の他に、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0189】
【化65】

【0190】
【化66】

【0191】
【化67】

【0192】
燐光発光材料は、発光層中に、0.1〜40質量%含有されることが好ましく、0.5〜20質量%含有されることがより好ましい。
【0193】
燐光発光材料の発光極大波長波長は500nm以下である事が好ましく、480nm以下である事がよりに好ましく、470nm以下であることがさらに好ましく、460nm以下であることが特に好ましい。
【0194】
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
【0195】
−正孔注入層、正孔輸送層−
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、フェニルアゾールやフェニルアジンを配位子に有するIr錯体に代表される各種金属錯体等を含有する層であることが好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.5nm〜100nmであるのがより好ましく、1nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
【0196】
−電子注入層、電子輸送層−
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
【0197】
電子注入層、電子輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
【0198】
−正孔ブロック層−
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq[ビス-(2-メチル-8-キノリノレート)-4-(フェニルフェノレート)アルミニウム]等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP(2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
【0199】
<保護層>
本発明において、有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、SiNx、SiNxy等の金属窒化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
【0200】
保護層の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
【0201】
<封止>
さらに、本発明の有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
【0202】
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
【0203】
本発明の発光素子の外部量子効率としては、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、13%以上がさらに好ましい。外部量子効率の数値は20℃で素子を駆動したときの外部量子効率の最大値、もしくは、20℃で素子を駆動したときの100〜300cd/m付近での外部量子効率の値を用いることができる。
【0204】
本発明の発光素子の内部量子効率は、30%以上であることが好ましく、50%以上がさらに好ましく、70%以上がさらに好ましい。素子の内部量子効率は、外部量子効率を光取り出し効率で除して算出される。通常の有機EL素子では光取り出し効率は約20%であるが、基板の形状、電極の形状、有機層の膜厚、無機層の膜厚、有機層の屈折率、無機層の屈折率等を工夫することにより、光取り出し効率を20%以上にすることが可能で有る。
【実施例】
【0205】
[比較例1−1]
【0206】
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、銅フタロシアニンを10nmの厚みに蒸着し、この上に、NPD(N,N’−ジ−α−ナフチル−N,N’−ジフェニル)−ベンジジン)を40nmの厚みに蒸着した。この上に、化合物B−1と化合物Aを12:88の比率(質量比)で30nmの厚みに蒸着し(発光層)、この上に、BAlq[ビス-(2-メチル-8-キノリノレート)-4-(フェニルフェノレート)アルミニウム]を6nmの厚みに蒸着し、この上に、Alq(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体)を20nmの厚みに蒸着した。この上に、フッ化リチウムを3nmの厚みに蒸着した後、アルミニウム60nmを蒸着し、素子を作製した。東京システム開発(株)製のOLEDテストシステムST−D型にセットし、10mA/cm2の電流密度で駆動させた。化合物B−1に由来するλmax=470nmのりん光発光が得られた。
[比較例1−2]
比較例1−1の化合物Aの代わりに、化合物D−1を用いて同様に素子作製評価した。化合物B−1に由来するりん光発光が得られた。
[比較例1−3]
比較例1−1の化合物Aの代わりに、化合物D−2を用いて同様に素子作製評価した。化合物B−1に由来するりん光発光が得られた。
[比較例1−4]
比較例1−1の化合物Aの代わりに、化合物D−3を用いて同様に素子作製評価した。化合物B−1に由来するりん光発光が得られた。
[比較例1−5]
比較例1−1の化合物B−1の代わりに、化合物B−2を用いて同様に素子作製評価した。化合物B−2に由来するりん光発光は観察されなかった。
[比較例1−6]
比較例1−5の化合物Aの代わりに、化合物D−1を用いて同様に素子作製評価した。化合物B−2に由来するりん光発光は観察されなかった。
[比較例1−7]
比較例1−5の化合物Aの代わりに、化合物D−2を用いて同様に素子作製評価した。化合物B−2に由来するりん光発光は観察されなかった。
[比較例1−8]
比較例1−5の化合物Aの代わりに、化合物D−3を用いて同様に素子作製評価した。化合物B−2に由来するりん光発光は観察されなかった。
[比較例1−9]
比較例1−1の化合物B−1の代わりに、化合物B−3を用いて同様に素子作製評価した。化合物B−3に由来するλmax=479nmのりん光発光が得られた。
[比較例1−10]
比較例1の化合物B−1の代わりに、化合物B−4を用いて同様に素子作製評価した。化合物B−4に由来するλmax=470nmのりん光発光が得られた。
[比較例1−11]
比較例1の化合物B−1の代わりに、化合物B−5を用いて同様に素子作製評価した。化合物B−5に由来するλmax=499nmのりん光発光が得られた。
[比較例1−12]
比較例1の化合物B−1の代わりに、化合物B−6を用いて同様に素子作製評価した。化合物B−6に由来するλmax=483nmのりん光発光が得られた。
[比較例1−13]
比較例1−1の化合物Aの代わりに、化合物Bを用いて同様に素子作製評価した。化合物B−1に由来するりん光発光が得られた。
【0207】
【化68】

【0208】
[実施例1−1]
比較例1−3の化合物Aの代わりに一般式(2)の化合物(D−1)を用い、比較例1−1と同様に素子評価した。化合物B−3に由来する青色りん光発光が得られた。
[実施例1−2]
実施例1−1の化合物(D−1)の代わりに一般式(2)の化合物(D−2)を用い、比較例1−1と同様に素子評価した。化合物B−3に由来する青色りん光発光が得られた。
[実施例1−3]
実施例1−1の化合物(D−1)の代わりに一般式(2)の化合物(D−3)を用い、比較例1−1と同様に素子評価した。化合物B−3に由来するりん光発光が得られた。
[実施例1−4]
実施例1−1の化合物B−3の代わりに化合物B−4を用い、比較例1−1と同様に素子評価した。化合物B−4に由来する青色りん光発光が得られた。
[実施例1−5]
実施例1−2の化合物B−3の代わりに化合物B−4を用い、比較例1−1と同様に素子評価した。化合物B−4に由来する青色りん光発光が得られた。
[実施例1−6]
実施例1−3の化合物B−3の代わりに化合物B−4を用い、比較例1−1と同様に素子評価した。化合物B−4に由来するりん光発光が得られた。
[実施例1−7]
実施例1−1の化合物B−3の代わりに化合物B−5を用い、比較例1−1と同様に素子評価した。化合物B−5に由来する青色りん光発光が得られた。
[実施例1−8]
実施例1−2の化合物B−3の代わりに化合物B−5を用い、比較例1−1と同様に素子評価した。化合物B−5に由来する青色りん光発光が得られた。
[実施例1−9]
実施例1−3の化合物B−3の代わりに化合物B−5を用い、比較例1−1と同様に素子評価した。化合物B−5に由来するりん光発光が得られた。
[実施例1−10]
実施例1−1の化合物B−3の代わりに化合物B−6を用い、比較例1−1と同様に素子評価した。化合物B−6に由来する青色りん光発光が得られた。
[実施例1−11]
実施例1−2の化合物B−3の代わりに化合物B−6を用い、比較例1−1と同様に素子評価した。化合物B−6に由来する青色りん光発光が得られた。
[実施例1−12]
実施例1−3の化合物B−3の代わりに化合物B−6を用い、比較例1−1と同様に素子評価した。化合物B−6に由来するりん光発光が得られた。
【0209】
【表1】

【0210】
表1から本発明の発光素子は、効率、耐久性がともに優れていることが分かる。
【0211】
[比較例2−1]
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、NPD(N,N’−ジ−α−ナフチル−N,N’−ジフェニル)−ベンジジン)を100nmの厚みに蒸着した。この上に、化合物B−3と化合物Cを13:87の比率(質量比)で15nmの厚みに蒸着し(発光層)、この上に、BAlq[ビス-(2-メチル-8-キノリノレート)-4-(フェニルフェノレート)アルミニウム]を40nmの厚みに蒸着した(電子輸送層)。この上に、フッ化リチウムを3nmの厚みに蒸着した後、アルミニウム60nmを蒸着し、素子を作製した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧をEL素子に印加して発光させた結果、化合物B−3に由来するりん光発光が得られた。
[比較例2−2]
比較例2−1の化合物B−3の代わりに、化合物B−4を用いて同様に素子作製評価した。B−4に由来するりん光発光が得られた。
[比較例2−3]
比較例2−1のB−3の代わりに、化合物B−5を用いて同様に素子作製評価した。化合物B−5に由来するりん光発光が得られた。
[比較例2−4]
比較例2−1のB−3の代わりに、化合物B−6を用いて同様に素子作製評価した。化合物B−6に由来するりん光発光が得られた。
【0212】
[比較例2−5]
比較例2−1の電子輸送層であるBAlqの膜圧を40nmから39nm変更、さらにその上にAlqを1nmの厚みに蒸着した。この上に、フッ化リチウムを3nmの厚みに蒸着した後、アルミニウム60nmを蒸着し、素子を作製した。比較例2−1と同様に素子評価し、化合物B−3に由来する青色りん光発光が得られた。
[比較例2−6]
比較例2−4の化合物B−3の代わりに、化合物B−4を用いて同様に素子作製評価した。B−4に由来するりん光発光が得られた。
[比較例2−7]
比較例2−4のB−3の代わりに、化合物B−5を用いて同様に素子作製評価した。B−5に由来するりん光発光が得られた。
[比較例2−8]
比較例2−4のB−3の代わりに、化合物B−6を用いて同様に素子作製評価した。B−6に由来するりん光発光が得られた。
【0213】
【化69】

【0214】
[実施例2−1]
比較例2−5のAlqの代わりに、一般式(4)の化合物D−4を用いて同様に素子作製評価した。B−3に由来するりん光発光が得られた。
[実施例2−2]
比較例2−5のAlqの代わりに、一般式(2)の化合物D−5を用いて同様に素子作製評価した。B−3に由来するりん光発光が得られた。
[実施例2−3]
比較例2−5のAlqの代わりに、一般式(3)の化合物D−6を用いて同様に素子作製評価した。B−3に由来するりん光発光が得られた。
[実施例2−4]
比較例2−6のAlqの代わりに、一般式(4)の化合物D−4を用いて同様に素子作製評価した。B−4に由来するりん光発光が得られた。
[実施例2−5]
比較例2−6のAlqの代わりに、一般式(2)の化合物D−5を用いて同様に素子作製評価した。B−4に由来するりん光発光が得られた。
[実施例2−6]
比較例2−6のAlqの代わりに、一般式(3)の化合物D−6を用いて同様に素子作製評価した。B−4に由来するりん光発光が得られた。
[実施例2−7]
比較例2−7のAlqの代わりに、一般式(4)の化合物D−4を用いて同様に素子作製評価した。B−5に由来するりん光発光が得られた。
[実施例2−8]
比較例2−7のAlqの代わりに、一般式(2)の化合物D−5を用いて同様に素子作製評価した。B−5に由来するりん光発光が得られた。
[実施例2−9]
比較例2−7のAlqの代わりに、一般式(3)の化合物D−6を用いて同様に素子作製評価した。B−5に由来するりん光発光が得られた。
[実施例2−10]
比較例2−8のAlqの代わりに、一般式(4)の化合物D−4を用いて同様に素子作製評価した。B−6に由来するりん光発光が得られた。
[実施例2−11]
比較例2−8のAlqの代わりに、一般式(2)の化合物D−5を用いて同様に素子作製評価した。B−6に由来するりん光発光が得られた。
[実施例2−12]
比較例2−8のAlqの代わりに、一般式(3)の化合物D−6を用いて同様に素子作製評価した。B−6に由来するりん光発光が得られた。
【0215】
【表2】

【0216】
化合物D−1〜D−4で表される既知化合物は、J.Org.Chem.1962年, 第27号, 1836頁, (D−1);J.Organomet.Chem.1984年,第271号,319頁,(D−2);Chem.Lett.2005年,第34号,1698頁, (D−3);J.Chem.Soc.Chem.Commun.1993年,第9号,744頁,(D−4)に記載の手法により合成することが出来る。また、新規化合物D−5、D−6も上記文献の手法を参考にして合成することが出来る。
【0217】
表2では、本発明に係る一般式(1)〜(4)のいずれかのシラン誘導体化合物は、発光層に隣接する層に含まれる場合も発明の効果が発揮されることが示されている。
本発明に係る他の一般式(1)〜(4)のいずれかのシラン誘導体化合物と白金錯体化合物を組み合わせて用いた発光素子でも、同様な効果を得ることが出来た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極間に少なくとも、一般式(1)で表されるシラン誘導体、及び4座配位子を有する白金錯体を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
【化1】

101〜R104は水素原子または置換基を表す。R105〜R108は水素原子または置換基を表す。
【請求項2】
一般式(1)で表されるシラン誘導体が一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【化2】

201〜R204は水素原子または置換基を表す。X201〜X208は置換もしくは無置換の炭素原子、または、窒素原子を表す。
【請求項3】
一般式(1)で表されるシラン誘導体が一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【化3】

301〜R304は水素原子または置換基を表す。R305、R306は水素原子または置換基を表す。X301〜X304は置換もしくは無置換の炭素原子、または、窒素原子を表す。
【請求項4】
一般式(3)で表されるシラン誘導体が一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の有機電界発光素子。
【化4】

401〜R408は水素原子または置換基を表す。R409〜R412は水素原子または置換基を表す。X401、X402は置換もしくは無置換の炭素原子、または、窒素原子を表す。
【請求項5】
一般式(1)〜(4)の少なくとも1つで表されるシラン誘導体を発光層に含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機電界発光素子。
【請求項6】
一般式(1)〜(4)の少なくとも1つで表されるシラン誘導体を発光層に隣接する層に含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機電界発光素子。
【請求項7】
一般式(1)〜(4)の少なくとも1つで表されるシラン誘導体を陰極に隣接する層に含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の有機電界発光素子。
【請求項8】
一般式(1)〜(4)の少なくとも1つで表されるシラン誘導体のガラス転移温度が130℃以上、450℃以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機電界発光素子。
【請求項9】
一般式(1)〜(4)の少なくとも1つで表されるシラン誘導体の最低励起三重項エネルギー準位が65kcal/mol(272.35kJ/mol)以上、80kcal/mol 以下(335.2 kJ/mol 以下)であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有機電界発光素子。

【公開番号】特開2009−81409(P2009−81409A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46317(P2008−46317)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】