木の根及び嵐の水に対する一体化システム
木の根の成長を可能にし、嵐の水の濾過、保水、貯水及び浸透を受け容れる一方、ハードスケープのダメージを防止するようにして、ハードスケープ(106)エリアを支持するための構造セルシステム(100)が開示される。このシステム(100)は、ハードスケープの下に位置することのできる複数の構造セル(210)を備えている。これら構造セルは、木の根を受け容れるサイズの開口を有するように設計される。又、このシステムは、複数の構造セルへ水が流れ込み及び流出するための流路と共に、構造セルの周囲に1つ以上の透過性バリアを有する。この構造セルは、樹脂クリープを減少するための強化部材を含む蓋(712)を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、都市エリアにおける木の根及び嵐の水の流出を管理するシステムに係り、より詳細には、歩道及び他の舗装されたエリアを維持するための構造システムに使用される一体化セルであって、木の根の成長を可能にし、嵐の水の濾過、保水、貯水及び浸透を受け容れる一方、ハードスケープ(hardscape)のダメージを防止するような一体化セルに係る。
【0002】
関連出願へのクロスレファレンス:本発明は、2004年1月15日に出願された米国特許第10/759,493号の一部継続出願であり、この出願の要旨を参考としてここに援用する。
【背景技術】
【0003】
都市における木々の価値が何ドルになるかは、評価が困難であるが、都市における木々の本来の価値は広く認識されている。都市エリアにおいて健全な大木を成長させることは非常に困難であり、大木を首尾良く成長させるためには、適度な水分をもつ充分に高品質の土壌と、酸素と、充分な土壌排水設備とを設けねばならない。木の根が充分成長すると、都市の景観(例えば、住居用、商業用又は工業用の都市、町、村、郊外又は他のエリアに対する景観又は土地開発)における木々の健全さ及び構造上の安定性を与える。都市の景観、あらゆる形式の交通、土地開発インフラストラクチャー、及び他の建造物は、土壌がもはや木の成長にとって多孔性でなく木の発育成長を充分にサポートできない著しく緊密化した土壌を作り上げる。人間専用のエリアの必要性が増加して、木のための土壌を専用に与えることのできるエリアが減少されるにつれて、木の成長が益々困難になっている。このスペース減少の問題を解消する試みにより得られた解決策は、費用がかかり、目標の一部分しか満足せず、限定された量の土壌に対処するものであり、及び/又は保守コストが高い。
【0004】
都市エリアが益々高密度になるにつれて、オープンスペースは貴重なものとなり、木を成長させると共に嵐の際の水の流出をコントロールするに充分なオープンスペースを見つけることが次第に困難になる。都市エリアにおいて一般にそうであるが、木々は、歩道又は車道の垂直開口に位置される。木が成長するにつれて、根が歩道又は車道の下に延びると共にぶつかり合いを招き、歩道又は車道を危険な状態にしたり見えなくしたりする。これが生じると、木及び/又はハードスケープが通常除去される。歩道は、緊密化した土壌にのせられ、これは、木の根の成長を妨げる。
【0005】
嵐の際の水の流出をコントロールすることは、都市エリアにおける別の問題である。嵐の際の水を成功裡にコントロールするには、1)流出の速度を低速化し、2)流出量を減少し、3)流出する水を濾過し(くず、大きな粒子及び化学物質を除去することを含む)、4)嵐の際の過剰な水を嵐のための排水設備に送り込み、そして5)その水を保水し及び地中へ浸透させねばならない。米国環境保護局(EPA)は、嵐の際の水源に実際上近づけて嵐の水の濾過、浄化、保水又は勾留、及び浸透を行うための土地開発プランを要求するストームウオーター・マネージメント・ベスト・マネージメント・プラクティス(BMP)を義務付けた。人口密度が高くなるにつれて、これらの目標を達成することが益々困難になる。嵐の際の水を専門に管理できるエリアが、舗装やビルのために減少する。嵐の際の水を処理するシステムの設計では、処理トレインと称される大小のコンポーネントが、少数の大きな処理設備に依存するものより優れた設計であると一般に考えられる。更に、処理システムのパイプや他の構造物から離れて地中に水を保水すると、僅かな保守で良好な結果を生じることが確認されている。又、処理システムのパイプから離れて水を保水することは、水を長期間にわたって小高いところに保水することでもある。これは、水の下降を低速化し、更に処理するための別の戦略を開発する上で最も広い範囲の選択肢を維持する。スペース減少の問題を解決する試みにより得られた解決策は、経費がかかり、単一の大きな処理施設に依存し、目標の一部分しか満足せず、限定された量の水しか処理せず、及び/又は保守コストが高いというものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
舗装の中及び下で嵐の水を管理する幾つかの態様を与える多数の解決策が存在し、それらの多くは、環境保護局のウェブサイト(http://www.epa.gov/regionl/assistance/ceitts/stormwater/tech.html)にリストされている。これらシステムは、くず及び大きな粒子を濾過するか、又は化学物質を濾過するか、或いは水を貯水するか、又は浸透を許すが、これら4つのタスク全部を行うものはない。それらシステムは、しばしば、大きな構造物となって、処理トレインを開発できず、又、著しい保守要求を課する。又、それらシステムは、非常に複雑で且つユーティリティシステム間でスペースを競合するような、他の都市インフラストラクチャーに適合し得ない大きな専用スペースをしばしば要求する。これらシステムの中で、木の根のスペースを受け容れるものはない。
【0007】
従って、上述した木の根及び嵐の水の管理の両方の機能についての要求を受け容れるシステムが要望される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、都市インフラストラクチャー内の同じスペースで嵐の際の著しい水の管理及び木の根の発育の両方を受け容れるのを許す。
【0009】
一実施形態では、ハードスケープエリアを支持するものであって、木の根の成長を可能にすると共に、木の根からのハードスケープダメージを防止しながら嵐の水の濾過、保水、貯水、及び浸透を受け容れる構造セル又はフレームシステムが開示される。このシステムは、ハードスケープの下に位置させることのできる複数の構造セルを備えている。これら構造セルは、木の根を受け容れるサイズにされた開口を有してもよい。又、このシステムは、構造セルの周りに1つ以上の透過性バリアを備えてもよい。又、複数の構造セルへ水を流し込み及び流出させる流路もある。
【0010】
別の実施形態では、ハードスケープエリアを支持するものであって、木の根の成長を可能にすると共に、ハードスケープダメージを防止しながら嵐の水の濾過、保水、貯水、及び浸透を受け容れる多層構造セルシステムが開示される。このシステムは、ハードスケープの下に位置されて短期間水を貯水することのできる短期間貯水用の第1層の構造セルを備えている。この第1層の下には、第2層の構造セルが位置され、この第2層の構造セルは、木の根の成長をサポートする木の根の媒体を蓄積することができる。この第2層の下には、第3層の構造セルが位置され、この第3層の構造セルは、長期間水を貯水することができる。又、第1層へ水を流し込みそして第3層から流出させる流路もある。第1の透過バリアが第1層と第2層を分離する状態で、第2透過バリアが第2層と第3層を分離し、各層は、他の層と流体連通している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施する特定の実施形態が示された添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるに充分なほど詳細に説明する。本発明の範囲から逸脱せずに、他の実施形態も使用でき、又、構造的、論理的、及び電気的変更もなし得る。
【0012】
ここで使用する用語「comprises(備え)」、「comprising(備えている)」、「includes(含む)」、「including(含んでいる)」、「has(有する)」、「having(有している)」又は他の変形は、非排他的包含を網羅するものと意図される。例えば、エレメントのリストを備えるプロセス、方法、物品又は装置は、必ずしもこれらのエレメントのみに限定されず、そのようなプロセス、方法、物品又は装置に対して明確にリストされないか又は固有でない他のエレメントを包含してもよい。又、逆に、明確に述べない限り、「or(又は)」は、包括的「or」を指し、排他的「or」を指すものではない。例えば、条件A又はBは、次のいずれか1つにより満足される。Aが真であり(又は存在し)且つBが偽であり(又は不存在であり)、Aが偽であり(又は不存在であり)且つBが真であり(又は存在し)、及びA及びBの両方が真である(又は存在する)。
【0013】
又、「a」又は「an」は、本発明のエレメント及びコンポーネントを説明するのに使用される。これは、単に便宜上、そして本発明の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、1つ又は少なくとも1つを含むと読むべきであり、又、単一は、それが意味するものが明らかでない限り複数も包含するものとする。
【0014】
特に定義しない限り、ここに使用する全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。ここに述べるものと同様の又は等価な方法及び材料を、本発明の実施又は試験に使用できるが、適当な方法及び材料を以下に説明する。ここに述べる出版物、特許出願、特許及び他の参照文献は、その全体をここに援用する。競合する場合には、定義を含む本明細書が支配する。更に、材料、方法及び実施例は、例示に過ぎず、限定を意図するものではない。
【0015】
以下の説明において、本発明の実施形態を理解するために、種々のシステムコンポーネントの識別のような多数の特定の詳細が与えられる。しかしながら、当業者であれば、本発明の実施形態は、1つ以上の特定の細部を伴わずに、或いは他の方法、コンポーネント、材料等を伴って実施できることが明らかであろう。他の例では、本発明の種々の実施形態の特徴を不明瞭にしないために、良く知られた構造、材料又は動作は、詳細に示して説明しない。
【0016】
本明細書全体にわたり「一実施形態」又は「実施形態」を指すときは、その実施形態に関連して述べる特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に包含されることを意味する。従って、本明細書全体にわたる種々の場所で「一実施形態」又は「実施形態」という語句が現われたときには、必ずしも全てが同じ実施形態を指していない。更に、特定の特徴、構造又は特性は、1つ以上の実施形態において適当な仕方で結合されてもよい。
【0017】
本明細書全体にわたり「木の根」又は「根」という言い方が使用される。当業者であれば、本発明の実施形態は、これらの用語に限定されず、そしてこれらの用語は、ここに述べる発明から利益を得る木、植物、又は他の草木の根に対する一般的な用語として使用されることが明らかである。
【0018】
木の根の成長と、嵐の水の遮断、濾過及び貯水とを許すように設計された木の根及び嵐の水の一体化システムに対する一実施形態を概略として開示する。貯水された水はシステムに入り、木の根の媒体又は土壌を通して濾過することができる。又、水は、隣接する土壌へ浸透されてもよいし、後で木に使用するために木の根の土壌へ吸収して戻されてもよいし、或いは制御された割合でパイプ式の嵐水システムへ流れ込むようにされてもよい。木の根及び嵐の水の一体化システムでは、更に、木の根をシステムへと成長させて、道路や歩道の付近にある大きな健全な都市の木が、ある程度の嵐の水を利用して、成長できるようにするのを許す。粒子の濾過を行うために、一連のジオテキスタイル及びメンブレーンが種々の場所に利用される。土壌内のカチオン交換は、土壌内の生物学的プロセスを利用して化学的な安定性を与える。又、このシステムは、システムの累積した沈殿物又は化学物質を除去するために水でフラッシュ洗浄されてもよい。又、システムは、水及び他の材料を透過できるようにオープン設計を使用してもよい。
【0019】
木の根及び嵐の水の一体化システムは、人や車の移動に対して土地エリアの効率的な利用を許すために、歩道、駐車場又は車道の舗装のようなハードスケープの下に設置されるよう設計される。又、このシステムは、芝、植物床又は緊密化された土壌のような透過性ハードスケープの下に使用されてもよい。このシステムは、重たい土壌の緊密化がない上に、ハードスケープと、このハードスケープが支える地表交通、例えば、重たい乗物とを支持することのできる根土壌スペースを与える。ハードスケープは、コンクリート、アスファルト、個々のコンクリート舗装、又は透過舗装である仕上げ地表グレードを含んでもよい。ハードスケープより下の材料は、緊密化された砂又は砂利或いはその両方を含んでもよい。このシステムは、根土壌の緊密化をコントロールするための地表荷重を付与し又は分配することができる。このシステムは、木の根の土壌及びストームウオーター・マネージメントBMPを与え、これらは、AASHTO(アメリカン・アソシエーション・オブ・ステート・ハイウェイ・アンド・トランスポーテーション・オフィシアルズ)、並びに重たい交通荷重のための他のUSA及び外国政府条例、例えば、AASHTO H−20規格に適合するように設計される。
【0020】
このシステムは、木の根がシステム内で成長し、根と舗装との間の競合が相当に減少されるように設計される。又、根は、システムを通して延びそしてシステムを越えて土壌にアクセスし、根がアクセスし得る土壌の量を増加する。木の根及び嵐の水の一体化システムは、空間的リソースに対して著しい競合がある地表下の都市エリアの複雑な特性を受け容れるように小さな単位で利用することができる。このシステムは、複雑な都市環境におけるユーティリティ設備のグレード、整列及び干渉の変化に応答する融通性を許すモジュラー設計である。システムの融通性は、貯水及び浸透機能の冗長性及び分散性を与える相互リンクされた処理エリアの開発を許す。この冗長性及び分散性は、隣接する土壌エリアの詰まりや飽和により欠陥となるおそれの少ないシステムをもたらす。
【0021】
木の根及び嵐の水の一体化システムは、互いに接合される多数の三次元構造セル又はフレームを含む。これら構造セルは、設計乗物荷重に耐え、ローム土壌で埋めることのできるオープン構造を維持し、且つ木の根がセル内を水平及び垂直の両軸に成長するのを許すに充分な強度である。構造セルは、コンクリート、複合物、プラスチック、金属、プラスチック被覆金属、又は他の適当な材料で形成することができる。複合物は、樹脂/ガラス、ポリマー/ガラス、ポリマー/ガラス及びセメント、炭素繊維、樹脂又はプラスチック被覆を伴う金属、樹脂、プラスチック、又はポリマー及び金属を含んでもよい。構造セルは、真空成形押し出しプラスチックでもよいし、又は射出プラスチックでもよい。構造セルは、プリフォームコンクリートでもよいし、又はコンクリートで元の場所に形成されてもよい。構造セルは、水の貯水及び移動を受け容れることができる。又、構造セルは、システム内に異なる機能ゾーンを形成するように水平又は垂直に或いはその両方に積層されてもよい。
【0022】
木の根及び嵐の水の一体化システムは、
・くずや大きな瓦礫を除去し、
・砂や沈殿物や小サイズの粒子を濾過し、
・炭化水素、硝酸塩、重金属、その他を含む化学物質を濾過し、
・水の速度を下げると共に、ゆっくりと放出するためのサイトに水を保水し、
・水を地中に浸透させるか又は大気中へ戻し、
・水温を冷却し、
・構造的な木の根を成長させて大木を安定化させるための土壌の量及び質を与え、
・木の根に対して充分な水及び酸素を与え、
・ハードスケープ及びその上の交通の荷重を受け容れる、
ようにすることができる。
【0023】
システムは、
・コスト効率が良く、
・保守が少なく(最小限、年に一度)、
・他の都市インフラストラクチャーに適合でき、
・コンポーネントの組み立て、設置、及び木の土壌でスペースに荷重をかける等、構成が簡単であり、
・サイズが小さく、融通性があり、且つ景観内に多数の処理特徴を形成することができ、
・水を地表面の近くに保水し、
・大きな嵐事象を受け容れながら、嵐の第1水フラッシュ洗浄の処理を行い、
・システムの大部分を舗装の下に設け、
・リサイクル可能な材料の使用を増加する、
というように設計される。
【0024】
図1は、木の根及び嵐の水の一体化システム100の一実施形態を示す断面図である。使用中に、嵐の水又は排水のような水102が、嵐又は縁石の入口又は排水溝104で収集されてシステム100に入る。入口104は、水がシステムに入る前に土壌の小さな粒子を含むくずや瓦礫を除去するように水を前処理するよう設計することができる。システム100の上のハードスケープ106、例えば、透過性舗装、芝又は植物床は、水がシステム100へ直接通過し得るように透過性になっている。従って、この透過性ハードスケープは、くずや土壌の粒子を濾過する機能を果たすことができる。又、屋根の排水パイプからも、パイプに取り付けられるか又は屋根に配置された濾過装置を伴ったり伴わなかったりして、システムに水が入り得る。
【0025】
上部の水セル層108は、濾過された水110を受ける。次いで、若干の水112が土壌セル層114へ流れ始め、この土壌セル層は、水セル層108と同じセル材料で作られるが、ローム土壌が充填されているか、或いは砂利又は砂利/土壌の緊密化可能な荷重支持の根材料で作られる。土壌セル層114は、最初の濾過器で捕え損なった微粒子を濾過し、そしてカチオン交換として知られているプロセスを通して水中の化学物質を止める。次いで、土壌の中の生物学的プロセスが、これらの化学物質を、土壌に残留するか又は木の根により取り上げられる安定した化合物へと処理する。若干の水116が土壌セル層114の土壌に浸透して、下部水セル層118へ排出される。上部水セル層108には、バイパススプリッタ装置120が設けられ、これは、嵐の流量が中間土壌セル層114を通る水流量を越えたときに上部水セル層108から下部水セル層118へ若干の水122を直接移送することができる。土壌セル層114の底部と下部水セル層118との間には、土壌が下部水セル層118へ沈殿しないようにするために濾過布又はジオテキスタイル124が配置される。
【0026】
下部水セル層118は、制御型オーバーフロー出口126に接続され、この出口は、下部水セル層118から若干の水128をゆっくり放出すると共に、システムが長期間にわたり飽和状態に留まらないようにする。吸収織物材料130が土壌セル層114を下部水セル層118へ接続して、下部水セル層118に貯水された水132が土壌セル層114へとアップ方向に移動し、木の根のための水を補給できるようにする。又、若干の水134が、周囲の土壌又は砂利へと浸透することにより層から出ることもできる。本発明は、本発明システム付近の土壌が水を受けるのに適していないとき、又は下層土へ水を浸透させるのが賢明でない場合には、セル層の幾つか又は全部の下又は周囲に不透過性ジオメンブレーンを追加して浸透機能を排除することにより変更されてもよい。
【0027】
図2は、木の根及び嵐の水の一体化システム200が、ハードスケープ202、この場合は、基礎材料206を伴う歩道又は舗装204の下に位置された別の実施形態を示す断面図である。この水システム200は、透過性舗装又は他の形式のハードスケープ或いは透過性土壌を、芝、植物床、又は他の形式の外皮のような植物と共に含むことができる。システム200は、構造セル210の1つ以上の層208を備えてもよい。構造セル210は、ハードスケープを支持し且つ積層されるに充分な構造上の堅牢性を有する一方、水、土壌又は根のためのオープンスペースも有するオープン設計である。構造セル210は、コンクリート、複合物、プラスチック、及び他の適当な材料で作ることができる。システム200は、ハードスケープに近位開口212を備え、これに木214が植えられる。ある実施形態では、開口212の側部に沿って根バリア216を配置して、根を構造セル210に向かって案内すると共に、ハードスケープ202から離して保持することができる。領域218は、木の根の媒体、例えば、ローム又は表土を意味し、これに木の根玉(rootball)220が配置される。
【0028】
上述したように、構造セル210は、層208に位置される。システム200には多数の層208を使用することができる。ある構造セル210には、根の成長に適した土壌又は他の材料を充填して、土壌セル層222を形成し、この中へ木の根が成長できるようにしてもよい。土壌は、低緊密化状態に留まってセルへの根の成長を促進する低緊密化土壌でもよい。又、土壌は、システム100、200又は以下に述べるシステムのための余地を形成する掘削中に除去された土壌でもよい。他の構造セルを土壌セル層222の下に位置させて、長期間の貯水に使用できる下部水セル層224を形成してもよい。更に別の構造上の水セルを土壌セル層222の上に位置させて、短期間の貯水に使用できる上部水セル層226を形成してもよい。
【0029】
図3は、図2の一部分の平面図であり、一方、図4、5A、5B、6及び7は、他の実施形態を示す断面図である。図3、4及び5Aに示す実施形態において、木214は、ハードスケープ202の開口212を通して植樹エリア228に位置される。ハードスケープ202に隣接して、ハードスケープ202を街路232から分離している縁石及び/又は側溝230がある。縁石230には縁石入口234が位置され、これに向かって水が入口/セル接続パイプ235を経てシステム200へ流れ込む。縁石入口234は、システム200に入る前に水からくずや大きな粒子を濾過できる格子又は濾過器を有してもよい。縁石入口234は、既存の入口を濾過用に変更したものでもよいし、或いは大小の粒子及びくずを濾過するように設計されてカーソン・インダストリーズにより販売されているような特殊な入口でもよい。
【0030】
図4に示すように、木214の付近の構造セルには、根の成長をサポートするための土壌を充填することができる。構造セル210は、ハードスケープ202の下にしか示されていないが、他の実施形態では、縁石230及び/又は街路232の下に延びてもよいことが想像される。構造セル210は、砂利排水路及び/又はレベリング床236に位置することができる。構造セル210が積層されると、それらに土壌を入れて土壌セル層222を形成することができる。この土壌セル層222の上にジオテキスタイル238のような材料層をのせ、その上にハードスケープ202をのせることができる。ここに示す実施形態では、木の根により使用される水、肥料、コンポストティー又は他の栄養素を、1つ以上の土壌注入ポート240を経て土壌に添加することができる。土壌は、ハードスケープ202を配置する前に構造セル210に入れることができる。1つ以上の排水路242を、土壌セル層222の付近の砂利レベリング床236に位置させ、そして嵐用の排水パイプ又は他の放出手段に接続することができる。
【0031】
図5Aを参照すれば、構造セルは、短期間貯水用の上部水セル層226と、木の根及び水濾過用の土壌セル層222と、長期間貯水及び浸透用の下部水セル層224との3つの層に積層されて示されている。土壌が下部水セル層224へ移動するのを防止するために、土壌セル層222と下部水セル層224との間にはジオテキスタイル244の層を位置させてもよい。ローム砂充填材のような砂利充填材及び/又は緊密化充填材207が構造セルを取り巻いてもよい。砂利及び/又は土壌をシステムの外に保持するために、水セル層224及び226の周りにジオテキスタイル245を配置してもよい。別の実施形態では、セルを一緒に保持するか、セルの内容物をセル内に保持するか、又は外部材料をセルの外に保持するために、任意の形式の構造セル又はセルの層の周りにジオテキスタイル245が配置される。縁石入口230は、接続パイプ246により上部水セル層226に接続されてもよい。点検及び保守のために、1つ以上の上部セル点検及び清掃口248、下部セル点検、清掃及びバイパススプリッタ250、並びにオーバーフローパイプ254も存在する。又、これらのパイプは、システムを通して流れる水の流量を制御するのに使用されてもよい。
【0032】
図5Bは、構造セルを積層する仕方を除くと、図5Aに類似している。それ以前の図面では、セルは、一方が他方の上に積層されるようにして示された。図5Bに示すコーベルのようにそれらを異なる仕方で積層することが望まれる場合もあり、ここでは、各層におけるセルがその下のセルを若干越えて突出する。他の実施形態では、コーベルが反転されてもよい。更に別の実施形態では、コーベル技術及び相互接続装置を使用してセル間を垂直及び水平に橋絡するように、セルが使用されてもよい。又、水吸収体252も示されており、これは、下部水セル層224から土壌セル層222へ水を移送するのに使用できる。
【0033】
図6は、嵐の水の機能を伴わずに使用できる木の根及び嵐の水の一体化システム300であって、ローム土壌充填された構造セルの土壌層222を使用して、ハードスケープ202の下に木を根付かせる機能を与えるようなシステム300の別の実施形態を示す断面図である。このように使用されたときには、構造セル210は、ゆるく緊密化されたローム土壌の非常に効率的な根付かせ体積を与え、これは、根の成長をサポートしながら、以前のハードスケープ202又はそれ以外のハードスケープ202をセルシステムの頂部に設置するのを許すものである。土壌の点検と、土壌への水、肥料又はコンポストティーの添加とを許すために、ハードスケープ202を通して延びる複数のパイプ240を設置してもよい。又、土壌の中の土壌充填セルの下で、セルの周りの土壌が充分な排水作用又は浸透を与えないところに、付加的な排水パイプを設置してもよい。
【0034】
図7に示す木の根及び嵐の水の一体化システム400の別の実施形態では、このシステムは、木の根に対する構成が要求されないときに、木の根のセルをもたずに水セル層のみを舗装エリアの下にもつ専用の嵐水貯水システムとして使用することができる。この実施形態では、構造上の水セルは、その水セル層の頂部に、制御されたオーバーフローが与えられてもよく、又、その底部には制御された低速放出出口が設けられてもよいし、設けられなくてもよい。底部における制御された出口は、所要の嵐事象により予想される割合及び量でセルから浸透する水を受け取るに充分な能力をもつ土壌では、排除されてもよい。土壌がセルに入るのを防止し、及び/又は隣接充填材の緊密化を許すために、土壌バリア256が設けられてもよい。
【0035】
更に別の実施形態では、本発明は、上部水セル層を排除することができ、水は、下部水セル層へ直接パイプで送られて、貯水されそして土壌セル層へ吸い上げられるか、或いは周囲の土壌又は砂利へゆっくりと放出又は浸透されてもよい。この実施形態は、土壌セル層の微細な濾過機能を排除する。
【0036】
図8を参照すれば、構造セルの層は、木214が植えられるエリア228に接近するように変更されてもよい。図示された実施形態では、開口228の縁付近で、植樹エリアの周囲に乾燥剤スペースを維持するために、上部水セル層226のセルは、土壌が充填されたセルへと遷移する。下部水セル層224は、木の開口の縁付近に続くが、木214が植えられるエリアの下を通過することはない。下部水セル層224のセルは、土壌のセルへ遷移しそして木214の下を通過してもよいし(図8に示すように)、又は木214の下の土壌のみで終わってもよい(図2に示すように)。土壌セルは、木の開口の距離にわたり木214の高さ調整を許すように使用されてもよい。植樹エリアの下に構造セルを配置することの効果は、木の根球が定着するのを防止できると共に、深い直根、張った根及び深いひげ根が木のすぐ周囲に確立するのを許すというものである。土壌セルをいっぱいの深さにすることで、システム200の整列に沿ってセルグループからセルグループへグレードを変化させることが許される(223)。
【0037】
システム200の1つの特徴は、システム200の健全さ及び機能を維持するための機能的アクセスポートである。これらは、土壌セルの上にある離間された小さなアクセスポート又は土壌注入ポート240を含み、これらポートは、乾期の間に水を補給したり肥料又はコンポストティーを添加したりして、土壌セル層222内の土壌の健全さを維持できるようにする。これらの土壌注入ポート240は、嵐の水の管理機能及び/又は木の根付け機能と共に含むこともできるし、又はこれらを伴わずに含むこともできる。上部水セル層226の上部セル点検及び清掃口248、下部水セル層224の下部セル点検、清掃及びバイパススプリッタ250、並びにオーバーフローパイプ及び点検ライザー254については、1組の大きなポートが使用される。
【0038】
図9は、ハードスケープ202を経て上部水セル層226へと延びるパイプ258を含む土壌注入ポート240の一実施形態を示す。異物がパイプ258に入るのを防止するために、キャップ260を使用してもよい。使用に際して、根を処理しその健全さを維持するために、水、肥料、コンポストティー又は他の適当な材料がパイプ258に注入される。次いで、これら材料は、上部水セル層226を経て進み、やがて、土壌セル層222に定着する。システム300の場合と同様に、頂部セル226に土壌が充填されると、材料は、土壌の頂部と蓋構造体の下面との間のエアスペースを経て移動する。
【0039】
図10は、上部セル点検及び清掃口248の一実施形態を示すもので、これは、ハードスケープ202から、これと上部水セル層226とを経て延びて、土壌セル層222の付近のライザーパイププラグ264で終わるライザーパイプ262を備えている。ライザーパイプ262の下端付近に1つ以上の水流出ホール266が位置されてもよい。異物がライザーパイプ262に入るのを防止するためにキャップ267が使用されてもよい。キャップ267を除去した状態で、上部セル点検及び清掃口248を使用して、水を追加したり、水を除去又はテストしたり、或いは上部水セル層226から堆積物を除去したりすることができる。
【0040】
図11は、下部セル点検、清掃及びバイパススプリッタ250の一実施形態を示すもので、これは、ハードスケープ202、上部水セル層226、土壌セル層222を経て下部水セル層224へと延びて、砂利床236の付近のライザーパイププラグ270で終わるライザーパイプ268を備えている。ライザーパイプ268の下端付近には、1つ以上の水流出ホール272を位置させることができる。異物がライザーパイプ268に入るのを防止するためにキャップ274が使用されてもよい。キャップ274を除去した状態で、下部セル点検、清掃及びバイパススプリッタ250を使用して、水を追加したり、水を除去又はテストしたり、或いは下部水セル層224から堆積物を除去したりすることができる。上部水セル層226の頂部付近では、ライザーパイプ268は、水セル層226の上部から下部水セル層224への若干の水の移送を許すために1つ以上のオーバーフローホール276を備えてもよい。上部水セル層226における水レベルが、例えば嵐の間に、急速に上昇し、そして土壌セル層222を通して濾過できない場合には、オーバーフローホール276が、上部水セル層226から下部水セル層224へある程度の水を直接移送できるようにする。上部セルの最終的な排水を許すと共に、水の停滞を防止するために、ライザーパイプ268には1つ以上の流れホール278が存在してもよい。又、ライザーパイプ268のエリアにおいて土壌セル層222と下部水セル層224との間のエリアをシールするためにジオテキスタイルライザーシール280が使用されてもよい。
【0041】
図12は、オーバーフローパイプ及び点検ライザー250の一実施形態を示すもので、これは、ハードスケープ、上部水セル層226、土壌セル222及び下部水セル層224を経て延びて、砂利床236付近又はその中のオーバーフローパイプ284で終わるライザーパイプ282を備えている。オーバーフローパイプ284は、嵐のための排水路286又は別の排水システムに接続することができる。異物がライザーパイプ282に入るのを防止するためにキャップ288が使用されてもよい。下部水セル層224の頂部付近では、ライザーパイプ282に1つ以上のオーバーフローホール290が設けられてもよい。下部水セル層224における水レベルが、例えば嵐の間に、急速に上昇し、そして周囲の砂利又は土壌へ浸透できない場合には、オーバーフローホール290が、下部水セル層224から、嵐のための排水路286に接続されたパイプ284へある程度の水を搬送できるようにする。下部セルの最終的な排水を許すと共に、水の停滞を防止するために、ライザーパイプ282には1つ以上の流れホール278が存在してもよい。又、ライザーパイプ282のエリアにおいて土壌セル層222と下部水セル層224との間のエリアをシールするためにジオテキスタイルライザーシール294が使用されてもよい。
【0042】
本発明の異なる機能的部分を独立した部分として使用し、そして種々のモジュラー構成及び組合せで組み立てることができる。図13は、上述した多数の小さな木の根及び嵐の水の一体化システム200を組み合せた、木の根及び嵐の水の一体化システム500を示す断面図である。システム200は、木214が植えられるハードスケープ202の開口212の付近に配置される。ある実施形態では、木214ごとに2つ以上のシステム200が使用され、異なるシステム200が互いに流体連通し(502)、水、酸素、土壌又は栄養素を共有することができる。他の実施形態では、木214ごとに1つのシステム200が使用され、木214は、中心開口付近に位置される(図2と同様に)。
【0043】
システム500は、多数の規模の嵐事象に対してサイズを合わせることができる。嵐の水量が1つのシステム200の指定サイズ即ち流量を越える場合には、水がその入口にバックアップされて、次のシステム200の次の入口へと流れ続ける。システム500は、大きな嵐のオーバーフローを伴わない終端集水であるようには設計されず、即ち所要の最大嵐事象を受け入れることのできるオーバーフロー出口で終わる一連の処理施設(システム200のような)の一部分であるように設計される。
【0044】
図14、15及び16は、上述した木の根及び嵐の水の一体化システムに使用するための構造セル600の一実施形態を示す。この構造セル600は、同じ環境包囲体において嵐の水の管理を結合すると同時に木の根の育成を許す、合体された1組の機能を発揮する。構造セル600は、荷重支持方向に積層及びアッセンブルされ、そして土壌システムに埋設されて、排水及び木の根の成長を促進することができる。ハードスケープを配置するためにキャップ又は頂部セル612が使用されてもよい。構造セル600及び頂部612の積層された格子又は層610(図15を参照)は、重たい商業的乗物交通を含む生きた荷重及び死荷重の両方に耐えることができる。構造セル600は、水、土壌及び/又は根の貫通を許すオープン設計である。構造セル600は、プラスチック、複合体、コンクリート又は他の適当な材料で作られてもよい。一実施形態では、構造セル600は、デュポン・ジテル、30%ガラス充填サーモプラスチックから射出整形される。構造セル600及び頂部612は、いかなる適当なサイズでもよい。一実施形態では、構造セル600は、24”x24”のベースを有し、そして高さが8”であり、一方、頂部612は、24”x24”である。構造セル600の設計は、コーナー及び中央領域で荷重支持する個々のカラムを生成する。図示された実施形態では、構造セル600は、中央支持体602及びコーナー支持体604を備えている。中央及びコーナー支持体は、方形、四角形又は円形(図示せず)のような異なる形状でよい。又、これら支持体は、テーパー付けされてもよい。コーナー支持体604は、隣接する構造セルと共に機能するように設計される。又、構造セル600及び頂部612は、アッセンブルしたときに隣接構造セル600又は頂部612のタブくぼみ608へネスト配置されるインターロックタブ606も備えている(図16を参照)。図中、コーナー支持体604は、四分円であり、構造セル600がパターン又は格子に位置されたときに、隣接セルのコーナー支持体604が、4つのコーナー支持体で作られた円形支持体を形成する。構造セル600及び頂部612の底にあるネストくぼみ614及び616は、その下に構造セル600の中央支持体601及びコーナー支持体604を受け入れて、水平及び垂直の両方に自己ロック特徴を形成するサイズとされる。図示された構造セル600の使用可能な体積は、その85%−95%にローム土壌を充填して、嵐の水の貯水又は浸透に使用するときに水又は根の成長をサポートすることができる。
【0045】
図17−29は、上述した木の根及び嵐の水の一体化システムに使用するための構造セル700の別の実施形態を示す。図17は、構造セル700の上方斜視図である。図18は、構造セル700の下方斜視図である。図19は、構造セル700の上方斜視図である。上述した構造セル600と同様に、構造セル700は、同じ環境包囲体において嵐の水の管理を結合すると同時に木の根の育成を許す、合体された1組の機能を発揮する。構造セル700は、荷重支持方向に積層及びアッセンブルされ、そして土壌システムに埋設されて、排水及び木の根の成長を促進することができる。ハードスケープを配置するために蓋又はデッキ712(ここでは蓋712と称する)が使用されてもよい。構造セル700及び蓋712で形成された積層された格子又は層710(図17及び18を参照)は、重たい商業的乗物交通を含む生きた荷重及び死荷重の両方に耐えることができる。構造セル700は、水、土壌及び/又は根の貫通を許すオープン設計である。構造セル700は、プラスチック、複合体、コンクリート又は他の適当な材料で作られてもよい。一実施形態では、構造セル700は、30%ガラス充填サーモプラスチックから射出整形される。構造セル700及び蓋712は、いかなる適当なサイズでもよい。一実施形態では、構造セル700は、24”x24”のベースを有し、そして高さが14”であり、一方、蓋712は、24”x48”である。構造セル700の設計は、2つの側部においてコーナー及び中央領域で荷重支持する個々のカラムを生成する。図示された実施形態では、構造セル700は、中央の側部支持体703及びコーナー支持体704を備えている。2つの中央側部支持体703が示されているが、構造セル700は、全ての側に中央側部支持体703を、そして1つの側に2つ以上の中央側部支持体703を含んでもよい。中央側部支持体703及びコーナー支持体704は、方形、四角形又は円形のような異なる形状でよい。又、これら支持体は、テーパー付けされてもよい。支持体703及び704は、中空でもよいし、或いは付加的な支持を与えるためにコンクリート又は他の材料が充填されてもよい。中央の側部支持体704は、隣接する構造セル700と共に機能するように設計される。システム700は、システム600で示したように、構造セルを一緒に結合するためのインターロックタブを組み込んでもよいし、組み込まなくてもよい。図17−19に示すシステム700は、インターロックタブを含まない。構造セル700は、コーナー支持体704及び中央の側部支持体703を各々受け入れて係合するためのくぼみ720及び721をもつベース711を備えている。別の実施形態では、くぼみ720及び721は、各々、支持体704及び703の受け入れを容易にするために開口の周りに斜面を含んでもよい。図中、コーナー支持体704及び中央の側部支持体703は、クローバー状の断面を有する。ベース711は、ストレス緩和のためにその頂面、底面又はその両方に配置された複数のノッチ715を含んでもよい。一実施形態では、ベース711及び支持体703、704が、単一の構造体として一体的に形成される。別の実施形態では、ベース711及び支持体703、704が別々に形成され、次いで、一緒にアッセンブルされる。これは、オンサイトアッセンブリ(on site assembly)を許す。
【0046】
図20は、中央の側部支持体703の斜視図である。中央の側部支持体703は、クローバー状の断面を有する。しかしながら、他の断面形状が使用されてもよい。中央の側部支持体703の頂部は、複数のタブ2001を有し、これらのタブは、中央の側部支持体の底部か、或いは構造セルの上又は蓋712内に配置された構造セルのベース711の底部かのいずれかにある対応くぼみに係合する。又、中央の側部支持体703は、複数のくぼみ702も含み、これらは、中央の側部支持体703、或いは中央の側部支持体703の上に配置された構造セルのベースにある対応タブに係合する。
【0047】
図21は、コーナー支持体704の上方斜視図である。コーナー支持体704は、クローバーの葉の断面形状を有する。しかしながら、他の断面形状を使用してもよい。コーナー支持体704は、蓋712に係合し且つ蓋712にしっかり取り付けるための複数の蓋−セルスナップ受け入れ部702を有する。コーナー支持体704は、更に、コーナー支持体704の上に配置されるセルにおける対応タブに係合してしっかり取り付けるための複数のセルスナップ受け入れ部2104も備えている。システム700は、蓋−セルスナップなしに構成することもできる。
【0048】
図22は、セル700のコーナーの下方斜視図である。ベース711は、下部構造セル700の対応するセル対セルスナップ受け入れ部2104又は下部構造セル700のコーナー支持体704に係合するための複数のセル対セルスナップタブ2204を備えている。システム700は、セル対セルのスナップなしに構成されてもよい。
【0049】
図23は、構造セル700のコーナーの下方斜視図である。ベース711は、ベース711内にコーナー支持体704を支持するようにコーナー支持体704に係合するための複数の延長部材2304を備えている。これらの延長部材2304は、フレームがその下のフレームから180°回転されない場合にフレームが誤って設置されるのを防止することができる。別の実施形態では、延長部材2304は、回転を許すように実施されてもよい。
【0050】
図24は、蓋712の上方平面図である。図25は、蓋712の下方斜視図である。図26は、蓋712のコーナーの拡大図である。蓋は、下部セル700の対応する中央支持体704の蓋対セルスナップ受け入れ部2102(図21)に係合するための蓋対セルスナップタブ2602を底部コーナーに備えている。蓋712は、更に、ハードスケープの下に配置される蓋に対して構造上の支持を与え且つ樹脂のクリープを防止するためにくぼみ2504に配置されて係合される支持部材又はインサート2502を備えている。(図24には、明瞭化及び簡単化のために1つの部材2502しか示されていない。図18及び29に示すように、蓋712の他のくぼみに他の支持部材2502があってもよいことに注意されたい。)支持部材2502は、コーナー支持体704を中央の側部支持体703に構造上リンクすることができる。支持部材2502は、セル700においてクリープを減少するか又はストレス緩和を与える。蓋712又はセル700が予荷重ポリマーで形成されそしてセル700が例えばハードスケープからの静的荷重のもとにあって、セル700を撓ませる場合に、クリープが発生し得る。あるハードスケープ構成又は荷重のもとでは、蓋712が支持部材2502を含まなくてもよい。蓋712は、水の通過を許すために複数の開口を含んでもよい。
【0051】
図27及び28は、支持部材を受け入れるためのコーナー蓋の別の実施形態を示す。図27の蓋712は、蓋712の周囲に向かって係合される支持部材2502を有する。複数の蓋対セルスナップタブ2702が支持部材2502付近に配置される。図28において、支持部材2502は、蓋712に入れられていない。蓋712は、支持部材2502の端を受け入れる複数のタブ2802を備えている。又、蓋712のコーナーは、セル対蓋スナップの解除を許すためのホールも含む。
【0052】
図29は、中央の側部支持体703に係合するための蓋712の一部分の下方斜視図である。支持部材2502は、中央の側部支持体702に係合するために蓋712の底面の周囲に配置されたくぼみ2902の下に一部分を有するくぼみ2504に配置される。図29では、蓋712及び中央の側部支持体702に対して固定メカニズムが示されていないが、くぼみ領域2902は、くぼみ2902に固定メカニズムを含んでもよい。
【0053】
図19において、ベースの長手辺にある支持体703及び704は、ベースの他の長手辺にある支持体703及び704に対して45°回転される。構造セル700におけるストレスのバランスをとるために、1つの層の構造セル700は、支持体703及び704を、その層の上又は下の層とは異なる向きにすることができる。一実施形態では、1つのセルの構造セルは、その層の上又は下の層のセルとは異なる向きにされる(例えば、180°回転される)。別の実施形態では、支持体703及び704は、層と層との間で異なる向きにされるが、蓋712は、層と層との間で変更される。別の実施形態では、支持体703及び704は、45°以外の角度でもよい。
【0054】
一実施形態では、ある構造セルが、コンジットを含んでもよく、ジオテキスタイルのような材料をラップしてコンジットを形成してもよく、或いはケーブル、配線、又は他の通信経路を支持するか又はパイプを支持するために空のままにしてもよい。
【0055】
蓋712は、下部層、例えば、下部水層118(図1を参照)に使用されて、別の層、例えば、中央の土壌セル層114を支持してもよいし、或いは別の例として、中央の土壌セル層114に使用されて、上部水セル層108を支持してもよい。
【0056】
図1−16の実施形態では、構造セルは、蓋712のような蓋を備えてもよい。
【0057】
本発明は、限定された数の実施形態について図示して説明したが、本発明は、その本質的な特徴の精神から逸脱せずに多数の形態で実施することができる。それ故、図示して説明した実施形態は、あらゆる点で、本発明を例示するものに過ぎず、何ら本発明を制限するものではない。本発明の範囲は、以上の説明ではなく特許請求の範囲によって限定され、請求の範囲内に包含される全ての変更は、本発明に包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態における木の根及び嵐の水の一体化システムと、該システムを通る水の流れを示す断面図である。
【図2】本発明の別の実施形態の断面図である。
【図3】図2の一部分の平面図である。
【図4】図3の4−4線に沿った断面図で、木を植えるエリアにおける土壌セルを示す図である。
【図5A】図3の5−5線に沿った断面図で、垂直に積層された水セル及び土壌セルの一実施形態を示す図である。
【図5B】図3の5−5線に沿った断面図で、コーベル状に積層された水セル及び土壌セルの別の実施形態を示す図である。
【図6】図3の5−5線に沿った断面図で、積層された土壌セルの実施形態を示す図である。
【図7】図3の5−5線に沿った断面図で、積層された水セルの実施形態を示す図である。
【図8】図3の8−8線に沿った断面図で、水セル及び土壌セルの一実施形態を示す図である。
【図9】土壌注入ポートの一実施形態を示す図である。
【図10】上部セル点検及び清掃の一実施形態を示す図である。
【図11】下部セルの点検、清掃及びバイパススプリッタの一実施形態を示す図である。
【図12】オーバーフローパイプ及び点検ライザーの一実施形態を示す図である。
【図13】木の根及び嵐の水の多重一体化システムの一実施形態を示す図である。
【図14】システムに使用するための構造セルの一実施形態を示す図である。
【図15】システムに使用するための構造セルの一実施形態を示す図である。
【図16】システムに使用するための構造セルの一実施形態を示す図である。
【図17】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図18】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図19】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図20】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図21】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図22】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図23】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図24】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図25】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図26】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図27】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図28】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図29】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、都市エリアにおける木の根及び嵐の水の流出を管理するシステムに係り、より詳細には、歩道及び他の舗装されたエリアを維持するための構造システムに使用される一体化セルであって、木の根の成長を可能にし、嵐の水の濾過、保水、貯水及び浸透を受け容れる一方、ハードスケープ(hardscape)のダメージを防止するような一体化セルに係る。
【0002】
関連出願へのクロスレファレンス:本発明は、2004年1月15日に出願された米国特許第10/759,493号の一部継続出願であり、この出願の要旨を参考としてここに援用する。
【背景技術】
【0003】
都市における木々の価値が何ドルになるかは、評価が困難であるが、都市における木々の本来の価値は広く認識されている。都市エリアにおいて健全な大木を成長させることは非常に困難であり、大木を首尾良く成長させるためには、適度な水分をもつ充分に高品質の土壌と、酸素と、充分な土壌排水設備とを設けねばならない。木の根が充分成長すると、都市の景観(例えば、住居用、商業用又は工業用の都市、町、村、郊外又は他のエリアに対する景観又は土地開発)における木々の健全さ及び構造上の安定性を与える。都市の景観、あらゆる形式の交通、土地開発インフラストラクチャー、及び他の建造物は、土壌がもはや木の成長にとって多孔性でなく木の発育成長を充分にサポートできない著しく緊密化した土壌を作り上げる。人間専用のエリアの必要性が増加して、木のための土壌を専用に与えることのできるエリアが減少されるにつれて、木の成長が益々困難になっている。このスペース減少の問題を解消する試みにより得られた解決策は、費用がかかり、目標の一部分しか満足せず、限定された量の土壌に対処するものであり、及び/又は保守コストが高い。
【0004】
都市エリアが益々高密度になるにつれて、オープンスペースは貴重なものとなり、木を成長させると共に嵐の際の水の流出をコントロールするに充分なオープンスペースを見つけることが次第に困難になる。都市エリアにおいて一般にそうであるが、木々は、歩道又は車道の垂直開口に位置される。木が成長するにつれて、根が歩道又は車道の下に延びると共にぶつかり合いを招き、歩道又は車道を危険な状態にしたり見えなくしたりする。これが生じると、木及び/又はハードスケープが通常除去される。歩道は、緊密化した土壌にのせられ、これは、木の根の成長を妨げる。
【0005】
嵐の際の水の流出をコントロールすることは、都市エリアにおける別の問題である。嵐の際の水を成功裡にコントロールするには、1)流出の速度を低速化し、2)流出量を減少し、3)流出する水を濾過し(くず、大きな粒子及び化学物質を除去することを含む)、4)嵐の際の過剰な水を嵐のための排水設備に送り込み、そして5)その水を保水し及び地中へ浸透させねばならない。米国環境保護局(EPA)は、嵐の際の水源に実際上近づけて嵐の水の濾過、浄化、保水又は勾留、及び浸透を行うための土地開発プランを要求するストームウオーター・マネージメント・ベスト・マネージメント・プラクティス(BMP)を義務付けた。人口密度が高くなるにつれて、これらの目標を達成することが益々困難になる。嵐の際の水を専門に管理できるエリアが、舗装やビルのために減少する。嵐の際の水を処理するシステムの設計では、処理トレインと称される大小のコンポーネントが、少数の大きな処理設備に依存するものより優れた設計であると一般に考えられる。更に、処理システムのパイプや他の構造物から離れて地中に水を保水すると、僅かな保守で良好な結果を生じることが確認されている。又、処理システムのパイプから離れて水を保水することは、水を長期間にわたって小高いところに保水することでもある。これは、水の下降を低速化し、更に処理するための別の戦略を開発する上で最も広い範囲の選択肢を維持する。スペース減少の問題を解決する試みにより得られた解決策は、経費がかかり、単一の大きな処理施設に依存し、目標の一部分しか満足せず、限定された量の水しか処理せず、及び/又は保守コストが高いというものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
舗装の中及び下で嵐の水を管理する幾つかの態様を与える多数の解決策が存在し、それらの多くは、環境保護局のウェブサイト(http://www.epa.gov/regionl/assistance/ceitts/stormwater/tech.html)にリストされている。これらシステムは、くず及び大きな粒子を濾過するか、又は化学物質を濾過するか、或いは水を貯水するか、又は浸透を許すが、これら4つのタスク全部を行うものはない。それらシステムは、しばしば、大きな構造物となって、処理トレインを開発できず、又、著しい保守要求を課する。又、それらシステムは、非常に複雑で且つユーティリティシステム間でスペースを競合するような、他の都市インフラストラクチャーに適合し得ない大きな専用スペースをしばしば要求する。これらシステムの中で、木の根のスペースを受け容れるものはない。
【0007】
従って、上述した木の根及び嵐の水の管理の両方の機能についての要求を受け容れるシステムが要望される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、都市インフラストラクチャー内の同じスペースで嵐の際の著しい水の管理及び木の根の発育の両方を受け容れるのを許す。
【0009】
一実施形態では、ハードスケープエリアを支持するものであって、木の根の成長を可能にすると共に、木の根からのハードスケープダメージを防止しながら嵐の水の濾過、保水、貯水、及び浸透を受け容れる構造セル又はフレームシステムが開示される。このシステムは、ハードスケープの下に位置させることのできる複数の構造セルを備えている。これら構造セルは、木の根を受け容れるサイズにされた開口を有してもよい。又、このシステムは、構造セルの周りに1つ以上の透過性バリアを備えてもよい。又、複数の構造セルへ水を流し込み及び流出させる流路もある。
【0010】
別の実施形態では、ハードスケープエリアを支持するものであって、木の根の成長を可能にすると共に、ハードスケープダメージを防止しながら嵐の水の濾過、保水、貯水、及び浸透を受け容れる多層構造セルシステムが開示される。このシステムは、ハードスケープの下に位置されて短期間水を貯水することのできる短期間貯水用の第1層の構造セルを備えている。この第1層の下には、第2層の構造セルが位置され、この第2層の構造セルは、木の根の成長をサポートする木の根の媒体を蓄積することができる。この第2層の下には、第3層の構造セルが位置され、この第3層の構造セルは、長期間水を貯水することができる。又、第1層へ水を流し込みそして第3層から流出させる流路もある。第1の透過バリアが第1層と第2層を分離する状態で、第2透過バリアが第2層と第3層を分離し、各層は、他の層と流体連通している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施する特定の実施形態が示された添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるに充分なほど詳細に説明する。本発明の範囲から逸脱せずに、他の実施形態も使用でき、又、構造的、論理的、及び電気的変更もなし得る。
【0012】
ここで使用する用語「comprises(備え)」、「comprising(備えている)」、「includes(含む)」、「including(含んでいる)」、「has(有する)」、「having(有している)」又は他の変形は、非排他的包含を網羅するものと意図される。例えば、エレメントのリストを備えるプロセス、方法、物品又は装置は、必ずしもこれらのエレメントのみに限定されず、そのようなプロセス、方法、物品又は装置に対して明確にリストされないか又は固有でない他のエレメントを包含してもよい。又、逆に、明確に述べない限り、「or(又は)」は、包括的「or」を指し、排他的「or」を指すものではない。例えば、条件A又はBは、次のいずれか1つにより満足される。Aが真であり(又は存在し)且つBが偽であり(又は不存在であり)、Aが偽であり(又は不存在であり)且つBが真であり(又は存在し)、及びA及びBの両方が真である(又は存在する)。
【0013】
又、「a」又は「an」は、本発明のエレメント及びコンポーネントを説明するのに使用される。これは、単に便宜上、そして本発明の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、1つ又は少なくとも1つを含むと読むべきであり、又、単一は、それが意味するものが明らかでない限り複数も包含するものとする。
【0014】
特に定義しない限り、ここに使用する全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。ここに述べるものと同様の又は等価な方法及び材料を、本発明の実施又は試験に使用できるが、適当な方法及び材料を以下に説明する。ここに述べる出版物、特許出願、特許及び他の参照文献は、その全体をここに援用する。競合する場合には、定義を含む本明細書が支配する。更に、材料、方法及び実施例は、例示に過ぎず、限定を意図するものではない。
【0015】
以下の説明において、本発明の実施形態を理解するために、種々のシステムコンポーネントの識別のような多数の特定の詳細が与えられる。しかしながら、当業者であれば、本発明の実施形態は、1つ以上の特定の細部を伴わずに、或いは他の方法、コンポーネント、材料等を伴って実施できることが明らかであろう。他の例では、本発明の種々の実施形態の特徴を不明瞭にしないために、良く知られた構造、材料又は動作は、詳細に示して説明しない。
【0016】
本明細書全体にわたり「一実施形態」又は「実施形態」を指すときは、その実施形態に関連して述べる特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に包含されることを意味する。従って、本明細書全体にわたる種々の場所で「一実施形態」又は「実施形態」という語句が現われたときには、必ずしも全てが同じ実施形態を指していない。更に、特定の特徴、構造又は特性は、1つ以上の実施形態において適当な仕方で結合されてもよい。
【0017】
本明細書全体にわたり「木の根」又は「根」という言い方が使用される。当業者であれば、本発明の実施形態は、これらの用語に限定されず、そしてこれらの用語は、ここに述べる発明から利益を得る木、植物、又は他の草木の根に対する一般的な用語として使用されることが明らかである。
【0018】
木の根の成長と、嵐の水の遮断、濾過及び貯水とを許すように設計された木の根及び嵐の水の一体化システムに対する一実施形態を概略として開示する。貯水された水はシステムに入り、木の根の媒体又は土壌を通して濾過することができる。又、水は、隣接する土壌へ浸透されてもよいし、後で木に使用するために木の根の土壌へ吸収して戻されてもよいし、或いは制御された割合でパイプ式の嵐水システムへ流れ込むようにされてもよい。木の根及び嵐の水の一体化システムでは、更に、木の根をシステムへと成長させて、道路や歩道の付近にある大きな健全な都市の木が、ある程度の嵐の水を利用して、成長できるようにするのを許す。粒子の濾過を行うために、一連のジオテキスタイル及びメンブレーンが種々の場所に利用される。土壌内のカチオン交換は、土壌内の生物学的プロセスを利用して化学的な安定性を与える。又、このシステムは、システムの累積した沈殿物又は化学物質を除去するために水でフラッシュ洗浄されてもよい。又、システムは、水及び他の材料を透過できるようにオープン設計を使用してもよい。
【0019】
木の根及び嵐の水の一体化システムは、人や車の移動に対して土地エリアの効率的な利用を許すために、歩道、駐車場又は車道の舗装のようなハードスケープの下に設置されるよう設計される。又、このシステムは、芝、植物床又は緊密化された土壌のような透過性ハードスケープの下に使用されてもよい。このシステムは、重たい土壌の緊密化がない上に、ハードスケープと、このハードスケープが支える地表交通、例えば、重たい乗物とを支持することのできる根土壌スペースを与える。ハードスケープは、コンクリート、アスファルト、個々のコンクリート舗装、又は透過舗装である仕上げ地表グレードを含んでもよい。ハードスケープより下の材料は、緊密化された砂又は砂利或いはその両方を含んでもよい。このシステムは、根土壌の緊密化をコントロールするための地表荷重を付与し又は分配することができる。このシステムは、木の根の土壌及びストームウオーター・マネージメントBMPを与え、これらは、AASHTO(アメリカン・アソシエーション・オブ・ステート・ハイウェイ・アンド・トランスポーテーション・オフィシアルズ)、並びに重たい交通荷重のための他のUSA及び外国政府条例、例えば、AASHTO H−20規格に適合するように設計される。
【0020】
このシステムは、木の根がシステム内で成長し、根と舗装との間の競合が相当に減少されるように設計される。又、根は、システムを通して延びそしてシステムを越えて土壌にアクセスし、根がアクセスし得る土壌の量を増加する。木の根及び嵐の水の一体化システムは、空間的リソースに対して著しい競合がある地表下の都市エリアの複雑な特性を受け容れるように小さな単位で利用することができる。このシステムは、複雑な都市環境におけるユーティリティ設備のグレード、整列及び干渉の変化に応答する融通性を許すモジュラー設計である。システムの融通性は、貯水及び浸透機能の冗長性及び分散性を与える相互リンクされた処理エリアの開発を許す。この冗長性及び分散性は、隣接する土壌エリアの詰まりや飽和により欠陥となるおそれの少ないシステムをもたらす。
【0021】
木の根及び嵐の水の一体化システムは、互いに接合される多数の三次元構造セル又はフレームを含む。これら構造セルは、設計乗物荷重に耐え、ローム土壌で埋めることのできるオープン構造を維持し、且つ木の根がセル内を水平及び垂直の両軸に成長するのを許すに充分な強度である。構造セルは、コンクリート、複合物、プラスチック、金属、プラスチック被覆金属、又は他の適当な材料で形成することができる。複合物は、樹脂/ガラス、ポリマー/ガラス、ポリマー/ガラス及びセメント、炭素繊維、樹脂又はプラスチック被覆を伴う金属、樹脂、プラスチック、又はポリマー及び金属を含んでもよい。構造セルは、真空成形押し出しプラスチックでもよいし、又は射出プラスチックでもよい。構造セルは、プリフォームコンクリートでもよいし、又はコンクリートで元の場所に形成されてもよい。構造セルは、水の貯水及び移動を受け容れることができる。又、構造セルは、システム内に異なる機能ゾーンを形成するように水平又は垂直に或いはその両方に積層されてもよい。
【0022】
木の根及び嵐の水の一体化システムは、
・くずや大きな瓦礫を除去し、
・砂や沈殿物や小サイズの粒子を濾過し、
・炭化水素、硝酸塩、重金属、その他を含む化学物質を濾過し、
・水の速度を下げると共に、ゆっくりと放出するためのサイトに水を保水し、
・水を地中に浸透させるか又は大気中へ戻し、
・水温を冷却し、
・構造的な木の根を成長させて大木を安定化させるための土壌の量及び質を与え、
・木の根に対して充分な水及び酸素を与え、
・ハードスケープ及びその上の交通の荷重を受け容れる、
ようにすることができる。
【0023】
システムは、
・コスト効率が良く、
・保守が少なく(最小限、年に一度)、
・他の都市インフラストラクチャーに適合でき、
・コンポーネントの組み立て、設置、及び木の土壌でスペースに荷重をかける等、構成が簡単であり、
・サイズが小さく、融通性があり、且つ景観内に多数の処理特徴を形成することができ、
・水を地表面の近くに保水し、
・大きな嵐事象を受け容れながら、嵐の第1水フラッシュ洗浄の処理を行い、
・システムの大部分を舗装の下に設け、
・リサイクル可能な材料の使用を増加する、
というように設計される。
【0024】
図1は、木の根及び嵐の水の一体化システム100の一実施形態を示す断面図である。使用中に、嵐の水又は排水のような水102が、嵐又は縁石の入口又は排水溝104で収集されてシステム100に入る。入口104は、水がシステムに入る前に土壌の小さな粒子を含むくずや瓦礫を除去するように水を前処理するよう設計することができる。システム100の上のハードスケープ106、例えば、透過性舗装、芝又は植物床は、水がシステム100へ直接通過し得るように透過性になっている。従って、この透過性ハードスケープは、くずや土壌の粒子を濾過する機能を果たすことができる。又、屋根の排水パイプからも、パイプに取り付けられるか又は屋根に配置された濾過装置を伴ったり伴わなかったりして、システムに水が入り得る。
【0025】
上部の水セル層108は、濾過された水110を受ける。次いで、若干の水112が土壌セル層114へ流れ始め、この土壌セル層は、水セル層108と同じセル材料で作られるが、ローム土壌が充填されているか、或いは砂利又は砂利/土壌の緊密化可能な荷重支持の根材料で作られる。土壌セル層114は、最初の濾過器で捕え損なった微粒子を濾過し、そしてカチオン交換として知られているプロセスを通して水中の化学物質を止める。次いで、土壌の中の生物学的プロセスが、これらの化学物質を、土壌に残留するか又は木の根により取り上げられる安定した化合物へと処理する。若干の水116が土壌セル層114の土壌に浸透して、下部水セル層118へ排出される。上部水セル層108には、バイパススプリッタ装置120が設けられ、これは、嵐の流量が中間土壌セル層114を通る水流量を越えたときに上部水セル層108から下部水セル層118へ若干の水122を直接移送することができる。土壌セル層114の底部と下部水セル層118との間には、土壌が下部水セル層118へ沈殿しないようにするために濾過布又はジオテキスタイル124が配置される。
【0026】
下部水セル層118は、制御型オーバーフロー出口126に接続され、この出口は、下部水セル層118から若干の水128をゆっくり放出すると共に、システムが長期間にわたり飽和状態に留まらないようにする。吸収織物材料130が土壌セル層114を下部水セル層118へ接続して、下部水セル層118に貯水された水132が土壌セル層114へとアップ方向に移動し、木の根のための水を補給できるようにする。又、若干の水134が、周囲の土壌又は砂利へと浸透することにより層から出ることもできる。本発明は、本発明システム付近の土壌が水を受けるのに適していないとき、又は下層土へ水を浸透させるのが賢明でない場合には、セル層の幾つか又は全部の下又は周囲に不透過性ジオメンブレーンを追加して浸透機能を排除することにより変更されてもよい。
【0027】
図2は、木の根及び嵐の水の一体化システム200が、ハードスケープ202、この場合は、基礎材料206を伴う歩道又は舗装204の下に位置された別の実施形態を示す断面図である。この水システム200は、透過性舗装又は他の形式のハードスケープ或いは透過性土壌を、芝、植物床、又は他の形式の外皮のような植物と共に含むことができる。システム200は、構造セル210の1つ以上の層208を備えてもよい。構造セル210は、ハードスケープを支持し且つ積層されるに充分な構造上の堅牢性を有する一方、水、土壌又は根のためのオープンスペースも有するオープン設計である。構造セル210は、コンクリート、複合物、プラスチック、及び他の適当な材料で作ることができる。システム200は、ハードスケープに近位開口212を備え、これに木214が植えられる。ある実施形態では、開口212の側部に沿って根バリア216を配置して、根を構造セル210に向かって案内すると共に、ハードスケープ202から離して保持することができる。領域218は、木の根の媒体、例えば、ローム又は表土を意味し、これに木の根玉(rootball)220が配置される。
【0028】
上述したように、構造セル210は、層208に位置される。システム200には多数の層208を使用することができる。ある構造セル210には、根の成長に適した土壌又は他の材料を充填して、土壌セル層222を形成し、この中へ木の根が成長できるようにしてもよい。土壌は、低緊密化状態に留まってセルへの根の成長を促進する低緊密化土壌でもよい。又、土壌は、システム100、200又は以下に述べるシステムのための余地を形成する掘削中に除去された土壌でもよい。他の構造セルを土壌セル層222の下に位置させて、長期間の貯水に使用できる下部水セル層224を形成してもよい。更に別の構造上の水セルを土壌セル層222の上に位置させて、短期間の貯水に使用できる上部水セル層226を形成してもよい。
【0029】
図3は、図2の一部分の平面図であり、一方、図4、5A、5B、6及び7は、他の実施形態を示す断面図である。図3、4及び5Aに示す実施形態において、木214は、ハードスケープ202の開口212を通して植樹エリア228に位置される。ハードスケープ202に隣接して、ハードスケープ202を街路232から分離している縁石及び/又は側溝230がある。縁石230には縁石入口234が位置され、これに向かって水が入口/セル接続パイプ235を経てシステム200へ流れ込む。縁石入口234は、システム200に入る前に水からくずや大きな粒子を濾過できる格子又は濾過器を有してもよい。縁石入口234は、既存の入口を濾過用に変更したものでもよいし、或いは大小の粒子及びくずを濾過するように設計されてカーソン・インダストリーズにより販売されているような特殊な入口でもよい。
【0030】
図4に示すように、木214の付近の構造セルには、根の成長をサポートするための土壌を充填することができる。構造セル210は、ハードスケープ202の下にしか示されていないが、他の実施形態では、縁石230及び/又は街路232の下に延びてもよいことが想像される。構造セル210は、砂利排水路及び/又はレベリング床236に位置することができる。構造セル210が積層されると、それらに土壌を入れて土壌セル層222を形成することができる。この土壌セル層222の上にジオテキスタイル238のような材料層をのせ、その上にハードスケープ202をのせることができる。ここに示す実施形態では、木の根により使用される水、肥料、コンポストティー又は他の栄養素を、1つ以上の土壌注入ポート240を経て土壌に添加することができる。土壌は、ハードスケープ202を配置する前に構造セル210に入れることができる。1つ以上の排水路242を、土壌セル層222の付近の砂利レベリング床236に位置させ、そして嵐用の排水パイプ又は他の放出手段に接続することができる。
【0031】
図5Aを参照すれば、構造セルは、短期間貯水用の上部水セル層226と、木の根及び水濾過用の土壌セル層222と、長期間貯水及び浸透用の下部水セル層224との3つの層に積層されて示されている。土壌が下部水セル層224へ移動するのを防止するために、土壌セル層222と下部水セル層224との間にはジオテキスタイル244の層を位置させてもよい。ローム砂充填材のような砂利充填材及び/又は緊密化充填材207が構造セルを取り巻いてもよい。砂利及び/又は土壌をシステムの外に保持するために、水セル層224及び226の周りにジオテキスタイル245を配置してもよい。別の実施形態では、セルを一緒に保持するか、セルの内容物をセル内に保持するか、又は外部材料をセルの外に保持するために、任意の形式の構造セル又はセルの層の周りにジオテキスタイル245が配置される。縁石入口230は、接続パイプ246により上部水セル層226に接続されてもよい。点検及び保守のために、1つ以上の上部セル点検及び清掃口248、下部セル点検、清掃及びバイパススプリッタ250、並びにオーバーフローパイプ254も存在する。又、これらのパイプは、システムを通して流れる水の流量を制御するのに使用されてもよい。
【0032】
図5Bは、構造セルを積層する仕方を除くと、図5Aに類似している。それ以前の図面では、セルは、一方が他方の上に積層されるようにして示された。図5Bに示すコーベルのようにそれらを異なる仕方で積層することが望まれる場合もあり、ここでは、各層におけるセルがその下のセルを若干越えて突出する。他の実施形態では、コーベルが反転されてもよい。更に別の実施形態では、コーベル技術及び相互接続装置を使用してセル間を垂直及び水平に橋絡するように、セルが使用されてもよい。又、水吸収体252も示されており、これは、下部水セル層224から土壌セル層222へ水を移送するのに使用できる。
【0033】
図6は、嵐の水の機能を伴わずに使用できる木の根及び嵐の水の一体化システム300であって、ローム土壌充填された構造セルの土壌層222を使用して、ハードスケープ202の下に木を根付かせる機能を与えるようなシステム300の別の実施形態を示す断面図である。このように使用されたときには、構造セル210は、ゆるく緊密化されたローム土壌の非常に効率的な根付かせ体積を与え、これは、根の成長をサポートしながら、以前のハードスケープ202又はそれ以外のハードスケープ202をセルシステムの頂部に設置するのを許すものである。土壌の点検と、土壌への水、肥料又はコンポストティーの添加とを許すために、ハードスケープ202を通して延びる複数のパイプ240を設置してもよい。又、土壌の中の土壌充填セルの下で、セルの周りの土壌が充分な排水作用又は浸透を与えないところに、付加的な排水パイプを設置してもよい。
【0034】
図7に示す木の根及び嵐の水の一体化システム400の別の実施形態では、このシステムは、木の根に対する構成が要求されないときに、木の根のセルをもたずに水セル層のみを舗装エリアの下にもつ専用の嵐水貯水システムとして使用することができる。この実施形態では、構造上の水セルは、その水セル層の頂部に、制御されたオーバーフローが与えられてもよく、又、その底部には制御された低速放出出口が設けられてもよいし、設けられなくてもよい。底部における制御された出口は、所要の嵐事象により予想される割合及び量でセルから浸透する水を受け取るに充分な能力をもつ土壌では、排除されてもよい。土壌がセルに入るのを防止し、及び/又は隣接充填材の緊密化を許すために、土壌バリア256が設けられてもよい。
【0035】
更に別の実施形態では、本発明は、上部水セル層を排除することができ、水は、下部水セル層へ直接パイプで送られて、貯水されそして土壌セル層へ吸い上げられるか、或いは周囲の土壌又は砂利へゆっくりと放出又は浸透されてもよい。この実施形態は、土壌セル層の微細な濾過機能を排除する。
【0036】
図8を参照すれば、構造セルの層は、木214が植えられるエリア228に接近するように変更されてもよい。図示された実施形態では、開口228の縁付近で、植樹エリアの周囲に乾燥剤スペースを維持するために、上部水セル層226のセルは、土壌が充填されたセルへと遷移する。下部水セル層224は、木の開口の縁付近に続くが、木214が植えられるエリアの下を通過することはない。下部水セル層224のセルは、土壌のセルへ遷移しそして木214の下を通過してもよいし(図8に示すように)、又は木214の下の土壌のみで終わってもよい(図2に示すように)。土壌セルは、木の開口の距離にわたり木214の高さ調整を許すように使用されてもよい。植樹エリアの下に構造セルを配置することの効果は、木の根球が定着するのを防止できると共に、深い直根、張った根及び深いひげ根が木のすぐ周囲に確立するのを許すというものである。土壌セルをいっぱいの深さにすることで、システム200の整列に沿ってセルグループからセルグループへグレードを変化させることが許される(223)。
【0037】
システム200の1つの特徴は、システム200の健全さ及び機能を維持するための機能的アクセスポートである。これらは、土壌セルの上にある離間された小さなアクセスポート又は土壌注入ポート240を含み、これらポートは、乾期の間に水を補給したり肥料又はコンポストティーを添加したりして、土壌セル層222内の土壌の健全さを維持できるようにする。これらの土壌注入ポート240は、嵐の水の管理機能及び/又は木の根付け機能と共に含むこともできるし、又はこれらを伴わずに含むこともできる。上部水セル層226の上部セル点検及び清掃口248、下部水セル層224の下部セル点検、清掃及びバイパススプリッタ250、並びにオーバーフローパイプ及び点検ライザー254については、1組の大きなポートが使用される。
【0038】
図9は、ハードスケープ202を経て上部水セル層226へと延びるパイプ258を含む土壌注入ポート240の一実施形態を示す。異物がパイプ258に入るのを防止するために、キャップ260を使用してもよい。使用に際して、根を処理しその健全さを維持するために、水、肥料、コンポストティー又は他の適当な材料がパイプ258に注入される。次いで、これら材料は、上部水セル層226を経て進み、やがて、土壌セル層222に定着する。システム300の場合と同様に、頂部セル226に土壌が充填されると、材料は、土壌の頂部と蓋構造体の下面との間のエアスペースを経て移動する。
【0039】
図10は、上部セル点検及び清掃口248の一実施形態を示すもので、これは、ハードスケープ202から、これと上部水セル層226とを経て延びて、土壌セル層222の付近のライザーパイププラグ264で終わるライザーパイプ262を備えている。ライザーパイプ262の下端付近に1つ以上の水流出ホール266が位置されてもよい。異物がライザーパイプ262に入るのを防止するためにキャップ267が使用されてもよい。キャップ267を除去した状態で、上部セル点検及び清掃口248を使用して、水を追加したり、水を除去又はテストしたり、或いは上部水セル層226から堆積物を除去したりすることができる。
【0040】
図11は、下部セル点検、清掃及びバイパススプリッタ250の一実施形態を示すもので、これは、ハードスケープ202、上部水セル層226、土壌セル層222を経て下部水セル層224へと延びて、砂利床236の付近のライザーパイププラグ270で終わるライザーパイプ268を備えている。ライザーパイプ268の下端付近には、1つ以上の水流出ホール272を位置させることができる。異物がライザーパイプ268に入るのを防止するためにキャップ274が使用されてもよい。キャップ274を除去した状態で、下部セル点検、清掃及びバイパススプリッタ250を使用して、水を追加したり、水を除去又はテストしたり、或いは下部水セル層224から堆積物を除去したりすることができる。上部水セル層226の頂部付近では、ライザーパイプ268は、水セル層226の上部から下部水セル層224への若干の水の移送を許すために1つ以上のオーバーフローホール276を備えてもよい。上部水セル層226における水レベルが、例えば嵐の間に、急速に上昇し、そして土壌セル層222を通して濾過できない場合には、オーバーフローホール276が、上部水セル層226から下部水セル層224へある程度の水を直接移送できるようにする。上部セルの最終的な排水を許すと共に、水の停滞を防止するために、ライザーパイプ268には1つ以上の流れホール278が存在してもよい。又、ライザーパイプ268のエリアにおいて土壌セル層222と下部水セル層224との間のエリアをシールするためにジオテキスタイルライザーシール280が使用されてもよい。
【0041】
図12は、オーバーフローパイプ及び点検ライザー250の一実施形態を示すもので、これは、ハードスケープ、上部水セル層226、土壌セル222及び下部水セル層224を経て延びて、砂利床236付近又はその中のオーバーフローパイプ284で終わるライザーパイプ282を備えている。オーバーフローパイプ284は、嵐のための排水路286又は別の排水システムに接続することができる。異物がライザーパイプ282に入るのを防止するためにキャップ288が使用されてもよい。下部水セル層224の頂部付近では、ライザーパイプ282に1つ以上のオーバーフローホール290が設けられてもよい。下部水セル層224における水レベルが、例えば嵐の間に、急速に上昇し、そして周囲の砂利又は土壌へ浸透できない場合には、オーバーフローホール290が、下部水セル層224から、嵐のための排水路286に接続されたパイプ284へある程度の水を搬送できるようにする。下部セルの最終的な排水を許すと共に、水の停滞を防止するために、ライザーパイプ282には1つ以上の流れホール278が存在してもよい。又、ライザーパイプ282のエリアにおいて土壌セル層222と下部水セル層224との間のエリアをシールするためにジオテキスタイルライザーシール294が使用されてもよい。
【0042】
本発明の異なる機能的部分を独立した部分として使用し、そして種々のモジュラー構成及び組合せで組み立てることができる。図13は、上述した多数の小さな木の根及び嵐の水の一体化システム200を組み合せた、木の根及び嵐の水の一体化システム500を示す断面図である。システム200は、木214が植えられるハードスケープ202の開口212の付近に配置される。ある実施形態では、木214ごとに2つ以上のシステム200が使用され、異なるシステム200が互いに流体連通し(502)、水、酸素、土壌又は栄養素を共有することができる。他の実施形態では、木214ごとに1つのシステム200が使用され、木214は、中心開口付近に位置される(図2と同様に)。
【0043】
システム500は、多数の規模の嵐事象に対してサイズを合わせることができる。嵐の水量が1つのシステム200の指定サイズ即ち流量を越える場合には、水がその入口にバックアップされて、次のシステム200の次の入口へと流れ続ける。システム500は、大きな嵐のオーバーフローを伴わない終端集水であるようには設計されず、即ち所要の最大嵐事象を受け入れることのできるオーバーフロー出口で終わる一連の処理施設(システム200のような)の一部分であるように設計される。
【0044】
図14、15及び16は、上述した木の根及び嵐の水の一体化システムに使用するための構造セル600の一実施形態を示す。この構造セル600は、同じ環境包囲体において嵐の水の管理を結合すると同時に木の根の育成を許す、合体された1組の機能を発揮する。構造セル600は、荷重支持方向に積層及びアッセンブルされ、そして土壌システムに埋設されて、排水及び木の根の成長を促進することができる。ハードスケープを配置するためにキャップ又は頂部セル612が使用されてもよい。構造セル600及び頂部612の積層された格子又は層610(図15を参照)は、重たい商業的乗物交通を含む生きた荷重及び死荷重の両方に耐えることができる。構造セル600は、水、土壌及び/又は根の貫通を許すオープン設計である。構造セル600は、プラスチック、複合体、コンクリート又は他の適当な材料で作られてもよい。一実施形態では、構造セル600は、デュポン・ジテル、30%ガラス充填サーモプラスチックから射出整形される。構造セル600及び頂部612は、いかなる適当なサイズでもよい。一実施形態では、構造セル600は、24”x24”のベースを有し、そして高さが8”であり、一方、頂部612は、24”x24”である。構造セル600の設計は、コーナー及び中央領域で荷重支持する個々のカラムを生成する。図示された実施形態では、構造セル600は、中央支持体602及びコーナー支持体604を備えている。中央及びコーナー支持体は、方形、四角形又は円形(図示せず)のような異なる形状でよい。又、これら支持体は、テーパー付けされてもよい。コーナー支持体604は、隣接する構造セルと共に機能するように設計される。又、構造セル600及び頂部612は、アッセンブルしたときに隣接構造セル600又は頂部612のタブくぼみ608へネスト配置されるインターロックタブ606も備えている(図16を参照)。図中、コーナー支持体604は、四分円であり、構造セル600がパターン又は格子に位置されたときに、隣接セルのコーナー支持体604が、4つのコーナー支持体で作られた円形支持体を形成する。構造セル600及び頂部612の底にあるネストくぼみ614及び616は、その下に構造セル600の中央支持体601及びコーナー支持体604を受け入れて、水平及び垂直の両方に自己ロック特徴を形成するサイズとされる。図示された構造セル600の使用可能な体積は、その85%−95%にローム土壌を充填して、嵐の水の貯水又は浸透に使用するときに水又は根の成長をサポートすることができる。
【0045】
図17−29は、上述した木の根及び嵐の水の一体化システムに使用するための構造セル700の別の実施形態を示す。図17は、構造セル700の上方斜視図である。図18は、構造セル700の下方斜視図である。図19は、構造セル700の上方斜視図である。上述した構造セル600と同様に、構造セル700は、同じ環境包囲体において嵐の水の管理を結合すると同時に木の根の育成を許す、合体された1組の機能を発揮する。構造セル700は、荷重支持方向に積層及びアッセンブルされ、そして土壌システムに埋設されて、排水及び木の根の成長を促進することができる。ハードスケープを配置するために蓋又はデッキ712(ここでは蓋712と称する)が使用されてもよい。構造セル700及び蓋712で形成された積層された格子又は層710(図17及び18を参照)は、重たい商業的乗物交通を含む生きた荷重及び死荷重の両方に耐えることができる。構造セル700は、水、土壌及び/又は根の貫通を許すオープン設計である。構造セル700は、プラスチック、複合体、コンクリート又は他の適当な材料で作られてもよい。一実施形態では、構造セル700は、30%ガラス充填サーモプラスチックから射出整形される。構造セル700及び蓋712は、いかなる適当なサイズでもよい。一実施形態では、構造セル700は、24”x24”のベースを有し、そして高さが14”であり、一方、蓋712は、24”x48”である。構造セル700の設計は、2つの側部においてコーナー及び中央領域で荷重支持する個々のカラムを生成する。図示された実施形態では、構造セル700は、中央の側部支持体703及びコーナー支持体704を備えている。2つの中央側部支持体703が示されているが、構造セル700は、全ての側に中央側部支持体703を、そして1つの側に2つ以上の中央側部支持体703を含んでもよい。中央側部支持体703及びコーナー支持体704は、方形、四角形又は円形のような異なる形状でよい。又、これら支持体は、テーパー付けされてもよい。支持体703及び704は、中空でもよいし、或いは付加的な支持を与えるためにコンクリート又は他の材料が充填されてもよい。中央の側部支持体704は、隣接する構造セル700と共に機能するように設計される。システム700は、システム600で示したように、構造セルを一緒に結合するためのインターロックタブを組み込んでもよいし、組み込まなくてもよい。図17−19に示すシステム700は、インターロックタブを含まない。構造セル700は、コーナー支持体704及び中央の側部支持体703を各々受け入れて係合するためのくぼみ720及び721をもつベース711を備えている。別の実施形態では、くぼみ720及び721は、各々、支持体704及び703の受け入れを容易にするために開口の周りに斜面を含んでもよい。図中、コーナー支持体704及び中央の側部支持体703は、クローバー状の断面を有する。ベース711は、ストレス緩和のためにその頂面、底面又はその両方に配置された複数のノッチ715を含んでもよい。一実施形態では、ベース711及び支持体703、704が、単一の構造体として一体的に形成される。別の実施形態では、ベース711及び支持体703、704が別々に形成され、次いで、一緒にアッセンブルされる。これは、オンサイトアッセンブリ(on site assembly)を許す。
【0046】
図20は、中央の側部支持体703の斜視図である。中央の側部支持体703は、クローバー状の断面を有する。しかしながら、他の断面形状が使用されてもよい。中央の側部支持体703の頂部は、複数のタブ2001を有し、これらのタブは、中央の側部支持体の底部か、或いは構造セルの上又は蓋712内に配置された構造セルのベース711の底部かのいずれかにある対応くぼみに係合する。又、中央の側部支持体703は、複数のくぼみ702も含み、これらは、中央の側部支持体703、或いは中央の側部支持体703の上に配置された構造セルのベースにある対応タブに係合する。
【0047】
図21は、コーナー支持体704の上方斜視図である。コーナー支持体704は、クローバーの葉の断面形状を有する。しかしながら、他の断面形状を使用してもよい。コーナー支持体704は、蓋712に係合し且つ蓋712にしっかり取り付けるための複数の蓋−セルスナップ受け入れ部702を有する。コーナー支持体704は、更に、コーナー支持体704の上に配置されるセルにおける対応タブに係合してしっかり取り付けるための複数のセルスナップ受け入れ部2104も備えている。システム700は、蓋−セルスナップなしに構成することもできる。
【0048】
図22は、セル700のコーナーの下方斜視図である。ベース711は、下部構造セル700の対応するセル対セルスナップ受け入れ部2104又は下部構造セル700のコーナー支持体704に係合するための複数のセル対セルスナップタブ2204を備えている。システム700は、セル対セルのスナップなしに構成されてもよい。
【0049】
図23は、構造セル700のコーナーの下方斜視図である。ベース711は、ベース711内にコーナー支持体704を支持するようにコーナー支持体704に係合するための複数の延長部材2304を備えている。これらの延長部材2304は、フレームがその下のフレームから180°回転されない場合にフレームが誤って設置されるのを防止することができる。別の実施形態では、延長部材2304は、回転を許すように実施されてもよい。
【0050】
図24は、蓋712の上方平面図である。図25は、蓋712の下方斜視図である。図26は、蓋712のコーナーの拡大図である。蓋は、下部セル700の対応する中央支持体704の蓋対セルスナップ受け入れ部2102(図21)に係合するための蓋対セルスナップタブ2602を底部コーナーに備えている。蓋712は、更に、ハードスケープの下に配置される蓋に対して構造上の支持を与え且つ樹脂のクリープを防止するためにくぼみ2504に配置されて係合される支持部材又はインサート2502を備えている。(図24には、明瞭化及び簡単化のために1つの部材2502しか示されていない。図18及び29に示すように、蓋712の他のくぼみに他の支持部材2502があってもよいことに注意されたい。)支持部材2502は、コーナー支持体704を中央の側部支持体703に構造上リンクすることができる。支持部材2502は、セル700においてクリープを減少するか又はストレス緩和を与える。蓋712又はセル700が予荷重ポリマーで形成されそしてセル700が例えばハードスケープからの静的荷重のもとにあって、セル700を撓ませる場合に、クリープが発生し得る。あるハードスケープ構成又は荷重のもとでは、蓋712が支持部材2502を含まなくてもよい。蓋712は、水の通過を許すために複数の開口を含んでもよい。
【0051】
図27及び28は、支持部材を受け入れるためのコーナー蓋の別の実施形態を示す。図27の蓋712は、蓋712の周囲に向かって係合される支持部材2502を有する。複数の蓋対セルスナップタブ2702が支持部材2502付近に配置される。図28において、支持部材2502は、蓋712に入れられていない。蓋712は、支持部材2502の端を受け入れる複数のタブ2802を備えている。又、蓋712のコーナーは、セル対蓋スナップの解除を許すためのホールも含む。
【0052】
図29は、中央の側部支持体703に係合するための蓋712の一部分の下方斜視図である。支持部材2502は、中央の側部支持体702に係合するために蓋712の底面の周囲に配置されたくぼみ2902の下に一部分を有するくぼみ2504に配置される。図29では、蓋712及び中央の側部支持体702に対して固定メカニズムが示されていないが、くぼみ領域2902は、くぼみ2902に固定メカニズムを含んでもよい。
【0053】
図19において、ベースの長手辺にある支持体703及び704は、ベースの他の長手辺にある支持体703及び704に対して45°回転される。構造セル700におけるストレスのバランスをとるために、1つの層の構造セル700は、支持体703及び704を、その層の上又は下の層とは異なる向きにすることができる。一実施形態では、1つのセルの構造セルは、その層の上又は下の層のセルとは異なる向きにされる(例えば、180°回転される)。別の実施形態では、支持体703及び704は、層と層との間で異なる向きにされるが、蓋712は、層と層との間で変更される。別の実施形態では、支持体703及び704は、45°以外の角度でもよい。
【0054】
一実施形態では、ある構造セルが、コンジットを含んでもよく、ジオテキスタイルのような材料をラップしてコンジットを形成してもよく、或いはケーブル、配線、又は他の通信経路を支持するか又はパイプを支持するために空のままにしてもよい。
【0055】
蓋712は、下部層、例えば、下部水層118(図1を参照)に使用されて、別の層、例えば、中央の土壌セル層114を支持してもよいし、或いは別の例として、中央の土壌セル層114に使用されて、上部水セル層108を支持してもよい。
【0056】
図1−16の実施形態では、構造セルは、蓋712のような蓋を備えてもよい。
【0057】
本発明は、限定された数の実施形態について図示して説明したが、本発明は、その本質的な特徴の精神から逸脱せずに多数の形態で実施することができる。それ故、図示して説明した実施形態は、あらゆる点で、本発明を例示するものに過ぎず、何ら本発明を制限するものではない。本発明の範囲は、以上の説明ではなく特許請求の範囲によって限定され、請求の範囲内に包含される全ての変更は、本発明に包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態における木の根及び嵐の水の一体化システムと、該システムを通る水の流れを示す断面図である。
【図2】本発明の別の実施形態の断面図である。
【図3】図2の一部分の平面図である。
【図4】図3の4−4線に沿った断面図で、木を植えるエリアにおける土壌セルを示す図である。
【図5A】図3の5−5線に沿った断面図で、垂直に積層された水セル及び土壌セルの一実施形態を示す図である。
【図5B】図3の5−5線に沿った断面図で、コーベル状に積層された水セル及び土壌セルの別の実施形態を示す図である。
【図6】図3の5−5線に沿った断面図で、積層された土壌セルの実施形態を示す図である。
【図7】図3の5−5線に沿った断面図で、積層された水セルの実施形態を示す図である。
【図8】図3の8−8線に沿った断面図で、水セル及び土壌セルの一実施形態を示す図である。
【図9】土壌注入ポートの一実施形態を示す図である。
【図10】上部セル点検及び清掃の一実施形態を示す図である。
【図11】下部セルの点検、清掃及びバイパススプリッタの一実施形態を示す図である。
【図12】オーバーフローパイプ及び点検ライザーの一実施形態を示す図である。
【図13】木の根及び嵐の水の多重一体化システムの一実施形態を示す図である。
【図14】システムに使用するための構造セルの一実施形態を示す図である。
【図15】システムに使用するための構造セルの一実施形態を示す図である。
【図16】システムに使用するための構造セルの一実施形態を示す図である。
【図17】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図18】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図19】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図20】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図21】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図22】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図23】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図24】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図25】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図26】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図27】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図28】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【図29】システムに使用するための構造セルの第2の実施形態を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードスケープエリアを支持する構造セルシステムであって、木の根の成長を可能にし、嵐の水の濾過、保水、貯水及び浸透を受け容れる一方、ハードスケープダメージを防止する構造セルシステムにおいて、
ハードスケープの下に位置することができ、木の根を受け容れるサイズの開口を有している複数の構造セルと、
前記複数の構造セルへの水の進入口と、
前記複数の構造セルからの水の排出口と、
を備えた構造セルシステム。
【請求項2】
前記ハードスケープは、歩道、駐車場又は車道である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記構造セルは水を貯水できる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記構造セルは低緊密化の木の根の媒体を貯蔵できる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記木の根の媒体は嵐の水を濾過できる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ハードスケープを経て前記複数の構造セルへ向かう土壌注入ポートを更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記構造セルは2つ以上の層に位置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの層は、水を保水する構造セルを含み、そして少なくとも1つの層は土壌を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
上記層を分離するように位置された1つ以上の透過性バリアを更に備えた、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記ハードスケープを通るセル点検ポート又は清掃ポートを更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記構造セルと前記ハードスケープとの間に位置された1つ以上の透過性バリアを更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記構造セルとその周囲土壌との間に位置された1つ以上の透過性又は不透過性バリアを更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記構造セルの周りに1つ以上の透過性バリアを更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記構造セルは、機能が異なり且つ垂直又は水平の構成で配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記構造セルは、コーベル構成でアッセンブルされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
1つ以上の水吸収体を更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記水の進入口は、嵐のための排水口又は屋根の排水路である、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記嵐のための排水口又は屋根の排水路は濾過器を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
水の進入は透過性のハードスケープを通る、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
水の排出は水の浸透により周囲の土壌へ向けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記水の排出口は嵐のための排水溝である、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
沈殿物又は瓦礫を除去するためにシステムを水でフラッシュ洗浄する手段を更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記構造セルは、緊密化された構造根付け媒体の上又は下に配置された嵐の水の流路を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記構造セルの幾つかは、連通管路を配置するための領域を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
ハードスケープエリアを支持する多層構造セルシステムであって、木の根の成長を可能にし、嵐の水の濾過、保水、貯水及び浸透を受け容れる一方、ハードスケープダメージを防止する多層構造セルシステムにおいて、
前記ハードスケープの下に位置されて、短期間の貯水を行うことができる構造セルの第1層と、
前記第1層への水の進入口と、
前記第1層の下に位置されて、木の根の成長をサポートする荷重支持根付け媒体を貯蔵することのできる構造セルの第2層と、
前記第2層の下に位置されて、長期間貯水を行うことのできる構造セルの第3層と、
前記構造セルの第3層からの水の排出口と、
前記第1層と第2層を分離している第1の透過性バリアと、
前記第2層と第3層を分離している第2の透過性バリアと、
を備え、各層が他の層と流体連通している多層構造セルシステム。
【請求項26】
前記構造セルの第2層は、木の根を受け容れるサイズの1つ以上の開口を有する、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記木の根付け媒体は、前記第1層と第3層との間で嵐の水を濾過することができる、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1層と前記ハードスケープとの間に位置された透過性バリアを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項29】
前記ハードスケープは、歩道、駐車場又は車道である、請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
前記層と層との間に1つ以上の水吸収体を更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項31】
前記ハードスケープを通る土壌注入ポートを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項32】
前記ハードスケープを通るセル点検ポートを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項33】
フラッシュ清掃ポートを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項34】
前記構造セルの第1層と前記ハードスケープとの間に位置された1つ以上の透過性バリアを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項35】
前記構造セルの第1、第2及び/又は第3層と、その周囲の土壌との間に位置された1つ以上の透過性バリアを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項36】
前記構造セルは、機能が異なり且つ垂直又は水平構成に配置される、請求項25に記載のシステム。
【請求項37】
前記構造セルはコーベル構成に配置される、請求項25に記載のシステム。
【請求項38】
1つ以上の水吸収体を更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項39】
前記水の進入口は嵐のための排水口又は屋根の排水路である、請求項25に記載のシステム。
【請求項40】
前記嵐のための排水口は濾過器又は屋根の排水路を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項41】
水の進入は透過性ハードスケープを通る、請求項25に記載のシステム。
【請求項42】
水の排出は周囲の土壌に向かって水が浸透する、請求項25に記載のシステム。
【請求項43】
前記水の排出口は嵐のための排水溝である、請求項25に記載のシステム。
【請求項44】
ある程度の水が前記第1層から前記第3層へ直接通過するのを許すスプリッタシステムを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項45】
排水を許す1つ以上の吸収ホールを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項46】
前記システムを水でフラッシュ洗浄する手段を更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項47】
都市の木の成長システムを形成する方法において、
少なくとも木の幹に対し充分な大きさの開口をハードスケープに形成するステップと、
前記ハードスケープの下で前記開口の周りの層に複数の構造セルを位置させるステップと、
前記開口に根球を挿入するステップと、
前記開口及び前記開口付近の幾つかの構造セルに、木の成長をサポートするための木の根付け媒体を充填するステップと、
を備えた方法。
【請求項48】
前記構造セルの幾つかに水を充填するステップであって、この水が木の根付け媒体を伴う構造セルと流体連通するようなステップを更に備えた、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記システムを水でフラッシュ洗浄するステップを更に備えた、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
ハードスケープを支持するための構造セルにおいて、
ベースと、
前記ベースに係合しそして前記ベースから外方に延びる周囲支持部材であって、別のセルのベース又は蓋に取り付けることができると共に前記ハードスケープを支持することができ、更に、前記セルにおける木の根の成長を許すように配列された支持部材と、
を備えた構造セル。
【請求項51】
前記蓋は、前記周囲支持部材に取り付け可能であり、且つ前記ハードスケープを支持することができる、請求項50に記載の構造セル。
【請求項52】
前記蓋は、前記ハードスケープの荷重の一部分を支持する構造部材を含む、請求項51に記載の構造セル。
【請求項53】
前記蓋の一部分はプラスチックで形成され、そして前記構造部材は、前記プラスチックの樹脂クリープを減少させる、請求項52に記載の構造セル。
【請求項54】
ハードスケープを支持するための構造セルの蓋において、
水の通過を許すための開口を有する本体を備え、該本体の下面には、支持カラムに係合するための複数のくぼみが配置されている蓋。
【請求項55】
前記蓋に配置されたハードスケープに応答して前記本体のストレスを変更するために前記本体の下面に配置される構造部材を更に備えた、請求項54に記載の蓋。
【請求項56】
前記蓋の一部分はプラスチックで形成され、そして前記構造部材は前記プラスチックの樹脂クリープを減少させる、請求項55に記載の蓋。
【請求項1】
ハードスケープエリアを支持する構造セルシステムであって、木の根の成長を可能にし、嵐の水の濾過、保水、貯水及び浸透を受け容れる一方、ハードスケープダメージを防止する構造セルシステムにおいて、
ハードスケープの下に位置することができ、木の根を受け容れるサイズの開口を有している複数の構造セルと、
前記複数の構造セルへの水の進入口と、
前記複数の構造セルからの水の排出口と、
を備えた構造セルシステム。
【請求項2】
前記ハードスケープは、歩道、駐車場又は車道である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記構造セルは水を貯水できる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記構造セルは低緊密化の木の根の媒体を貯蔵できる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記木の根の媒体は嵐の水を濾過できる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ハードスケープを経て前記複数の構造セルへ向かう土壌注入ポートを更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記構造セルは2つ以上の層に位置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの層は、水を保水する構造セルを含み、そして少なくとも1つの層は土壌を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
上記層を分離するように位置された1つ以上の透過性バリアを更に備えた、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記ハードスケープを通るセル点検ポート又は清掃ポートを更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記構造セルと前記ハードスケープとの間に位置された1つ以上の透過性バリアを更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記構造セルとその周囲土壌との間に位置された1つ以上の透過性又は不透過性バリアを更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記構造セルの周りに1つ以上の透過性バリアを更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記構造セルは、機能が異なり且つ垂直又は水平の構成で配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記構造セルは、コーベル構成でアッセンブルされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
1つ以上の水吸収体を更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記水の進入口は、嵐のための排水口又は屋根の排水路である、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記嵐のための排水口又は屋根の排水路は濾過器を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
水の進入は透過性のハードスケープを通る、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
水の排出は水の浸透により周囲の土壌へ向けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記水の排出口は嵐のための排水溝である、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
沈殿物又は瓦礫を除去するためにシステムを水でフラッシュ洗浄する手段を更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記構造セルは、緊密化された構造根付け媒体の上又は下に配置された嵐の水の流路を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記構造セルの幾つかは、連通管路を配置するための領域を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
ハードスケープエリアを支持する多層構造セルシステムであって、木の根の成長を可能にし、嵐の水の濾過、保水、貯水及び浸透を受け容れる一方、ハードスケープダメージを防止する多層構造セルシステムにおいて、
前記ハードスケープの下に位置されて、短期間の貯水を行うことができる構造セルの第1層と、
前記第1層への水の進入口と、
前記第1層の下に位置されて、木の根の成長をサポートする荷重支持根付け媒体を貯蔵することのできる構造セルの第2層と、
前記第2層の下に位置されて、長期間貯水を行うことのできる構造セルの第3層と、
前記構造セルの第3層からの水の排出口と、
前記第1層と第2層を分離している第1の透過性バリアと、
前記第2層と第3層を分離している第2の透過性バリアと、
を備え、各層が他の層と流体連通している多層構造セルシステム。
【請求項26】
前記構造セルの第2層は、木の根を受け容れるサイズの1つ以上の開口を有する、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記木の根付け媒体は、前記第1層と第3層との間で嵐の水を濾過することができる、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1層と前記ハードスケープとの間に位置された透過性バリアを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項29】
前記ハードスケープは、歩道、駐車場又は車道である、請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
前記層と層との間に1つ以上の水吸収体を更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項31】
前記ハードスケープを通る土壌注入ポートを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項32】
前記ハードスケープを通るセル点検ポートを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項33】
フラッシュ清掃ポートを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項34】
前記構造セルの第1層と前記ハードスケープとの間に位置された1つ以上の透過性バリアを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項35】
前記構造セルの第1、第2及び/又は第3層と、その周囲の土壌との間に位置された1つ以上の透過性バリアを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項36】
前記構造セルは、機能が異なり且つ垂直又は水平構成に配置される、請求項25に記載のシステム。
【請求項37】
前記構造セルはコーベル構成に配置される、請求項25に記載のシステム。
【請求項38】
1つ以上の水吸収体を更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項39】
前記水の進入口は嵐のための排水口又は屋根の排水路である、請求項25に記載のシステム。
【請求項40】
前記嵐のための排水口は濾過器又は屋根の排水路を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項41】
水の進入は透過性ハードスケープを通る、請求項25に記載のシステム。
【請求項42】
水の排出は周囲の土壌に向かって水が浸透する、請求項25に記載のシステム。
【請求項43】
前記水の排出口は嵐のための排水溝である、請求項25に記載のシステム。
【請求項44】
ある程度の水が前記第1層から前記第3層へ直接通過するのを許すスプリッタシステムを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項45】
排水を許す1つ以上の吸収ホールを更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項46】
前記システムを水でフラッシュ洗浄する手段を更に備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項47】
都市の木の成長システムを形成する方法において、
少なくとも木の幹に対し充分な大きさの開口をハードスケープに形成するステップと、
前記ハードスケープの下で前記開口の周りの層に複数の構造セルを位置させるステップと、
前記開口に根球を挿入するステップと、
前記開口及び前記開口付近の幾つかの構造セルに、木の成長をサポートするための木の根付け媒体を充填するステップと、
を備えた方法。
【請求項48】
前記構造セルの幾つかに水を充填するステップであって、この水が木の根付け媒体を伴う構造セルと流体連通するようなステップを更に備えた、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記システムを水でフラッシュ洗浄するステップを更に備えた、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
ハードスケープを支持するための構造セルにおいて、
ベースと、
前記ベースに係合しそして前記ベースから外方に延びる周囲支持部材であって、別のセルのベース又は蓋に取り付けることができると共に前記ハードスケープを支持することができ、更に、前記セルにおける木の根の成長を許すように配列された支持部材と、
を備えた構造セル。
【請求項51】
前記蓋は、前記周囲支持部材に取り付け可能であり、且つ前記ハードスケープを支持することができる、請求項50に記載の構造セル。
【請求項52】
前記蓋は、前記ハードスケープの荷重の一部分を支持する構造部材を含む、請求項51に記載の構造セル。
【請求項53】
前記蓋の一部分はプラスチックで形成され、そして前記構造部材は、前記プラスチックの樹脂クリープを減少させる、請求項52に記載の構造セル。
【請求項54】
ハードスケープを支持するための構造セルの蓋において、
水の通過を許すための開口を有する本体を備え、該本体の下面には、支持カラムに係合するための複数のくぼみが配置されている蓋。
【請求項55】
前記蓋に配置されたハードスケープに応答して前記本体のストレスを変更するために前記本体の下面に配置される構造部材を更に備えた、請求項54に記載の蓋。
【請求項56】
前記蓋の一部分はプラスチックで形成され、そして前記構造部材は前記プラスチックの樹脂クリープを減少させる、請求項55に記載の蓋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
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【図10】
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【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公表番号】特表2007−520651(P2007−520651A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549663(P2006−549663)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/001410
【国際公開番号】WO2005/069895
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506245073)ディープ ルート パートナーズ エルピー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/001410
【国際公開番号】WO2005/069895
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506245073)ディープ ルート パートナーズ エルピー (1)
【Fターム(参考)】
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