木材破砕機
【課題】スクリーンの排出孔サイズに対する被破砕木材の供給過多に起因する過負荷の発生を抑制することができる木材破砕機を提供する。
【解決手段】破砕ロータ15に被破砕木材を供給する送りコンベヤ12と、複数の排出孔60を有し破砕ロータ15の外周面に対向して配置されたスクリーン38と、送りコンベヤ12の駆動速度を制御する制御装置70とを備えた木材破砕機において、スクリーン38は、排出孔60のサイズが異なる複数種の中から選択されて設置され、制御装置70は、サイズの異なる複数種のスクリーン8毎に、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの操作量に対する送りコンベヤ12の駆動速度の関係を規定したマップを格納するROM72と、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaからの指令信号が入力されると、マップに従って送りコンベヤ12の駆動速度を変更するCPU73とを備えている。
【解決手段】破砕ロータ15に被破砕木材を供給する送りコンベヤ12と、複数の排出孔60を有し破砕ロータ15の外周面に対向して配置されたスクリーン38と、送りコンベヤ12の駆動速度を制御する制御装置70とを備えた木材破砕機において、スクリーン38は、排出孔60のサイズが異なる複数種の中から選択されて設置され、制御装置70は、サイズの異なる複数種のスクリーン8毎に、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの操作量に対する送りコンベヤ12の駆動速度の関係を規定したマップを格納するROM72と、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaからの指令信号が入力されると、マップに従って送りコンベヤ12の駆動速度を変更するCPU73とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被破砕木材を破砕する木材破砕機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1等に記載されているように、被破砕木材を搬送するフィーダ(送りコンベヤ)、破砕ロータを有する破砕装置、及び破砕装置の外周部に配置した破砕木材の粒度調整用のスクリーンを備え、操作盤内にある速度調整ダイヤルでフィーダ速度を任意に調整できる木材破砕機がある。
【0003】
【特許文献1】特開2006−175393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成の木材破砕機では、破砕装置で破砕された破砕木材はスクリーンの排出孔を通って排出されるので、スクリーンの排出孔のサイズによって破砕木材の粒度が概ね決まる。しかしながら、スクリーンの排出孔サイズが小さければ破砕木材の粒度を小さくすることはできるが排出性は低下する。逆にスクリーンの排出孔サイズが大きければ破砕木材の粒度は粗くなるが排出性は向上する。したがって、例えば細かい木材チップを得るために排出孔サイズの小さなスクリーンを使用する場合、排出孔サイズの大きなスクリーンを使用する場合と同じフィーダ速度では被破砕木材の供給が過多になり、被破砕木材の性状や大きさ等によっては過負荷状態に陥る場合がある。そのため、投入する被破砕木材の大きさや性状、破砕後の破砕木材の目標粒度、被破砕木材の処理量等によってスクリーンを適宜交換し、それに見合ったフィーダ速度に調整する必要がある。
【0005】
特許文献1に記載された木材破砕機では、フィーダ速度を任意に調整することはできるが、この調整作業はオペレータの経験に委ねられる。言い換えれば木材破砕機の運転に習熟していないオペレータであっても任意にフィーダ速度を調整することができ、またスクリーンの排出孔サイズとは無関係にフィーダ速度を調整することができる。一般の現場では、処理量を重視してスクリーンの排出孔サイズに関わらずフィーダ速度を最大に設定する場合も少なくなく、過負荷状態に陥り易い状況にある。
【0006】
そこで本発明は、スクリーンの排出孔サイズに対する被破砕木材の供給過多に起因する過負荷の発生を抑制することができる木材破砕機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、外周部に複数の破砕ビットを取り付けた破砕ロータと、前記破砕ロータに被破砕木材を供給するフィーダと、複数の排出孔を有し前記破砕ロータの外周面に対向して配置されたスクリーンと、前記スクリーンを着脱可能に支持するスクリーンホルダと、前記フィーダの駆動速度を制御する制御装置とを備えた木材破砕機において、前記スクリーンは、排出孔のサイズが異なる複数種の中から選択されて設置され、前記制御装置は、前記サイズの異なる複数種のスクリーン毎に、前記フィーダの駆動速度を調整するフィーダ速度調整手段の操作量に対する前記フィーダの駆動速度の関係を規定したマップを格納する記憶部と、前記フィーダ速度調整手段からの指令信号が入力されると、前記記憶部に格納された前記マップに従って前記フィーダの駆動速度を変更する指令演算部とを備えていることを特徴とする。
【0008】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記スクリーンに設けられ、当該スクリーンの排出孔のサイズを識別するための識別部と、前記スクリーンホルダに設けられ、前記識別部を検出して前記指令演算部に識別信号を出力するスクリーン識別センサとを備え、前記指令演算部は、前記スクリーン識別センサからの識別信号を基に前記記憶部に格納された前記マップを選択することを特徴とする。
【0009】
(3)上記(1)において、好ましくは、前記スクリーンの排出孔のサイズを手動で選択設定するスクリーン設定手段を更に備え、前記指令演算部は、前記スクリーン設定手段による設定信号を基に前記記憶部に格納された前記マップを選択することを特徴とする。
【0010】
(4)上記(1)−(3)のいずれかにおいて、好ましくは、前記フィーダの駆動速度の最大値及び最小値を変更する手段を更に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スクリーンの排出孔サイズに対する被破砕木材の供給過多に起因する過負荷の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機の全体構造を示す側面図、図2はその平面図、図3は図1に示した木材破砕機に備えられた破砕装置の近傍の詳細構造を示す透視側面図である。なお、以下において、図1中の左・右に対応する方向を木材破砕機の後・前、又は一方・他方とする。
【0014】
図1−図3に例示した木材破砕機は、自力走行のための走行体1、走行体1上に設けられ受け入れた被破砕木材を破砕する破砕機能構成部2、破砕機能構成部2で破砕された破砕木材(木材チップ)を搬送し機外に排出する排出コンベヤ3、及び搭載した各機器の動力源であるエンジン等を備えた動力装置(パワーユニット)4等を備えている。なお、本実施の形態の木材破砕機の破砕対象物には、例えば森林で発生する剪定枝材や間伐材、建築物の解体に伴って発生する廃木材等の木材の他、廃プラスチック材、廃タタミ、竹材等も含まれる。木材については、比較的乾燥した硬質のものに限らず、剪定後間もない街路樹の枝葉や沿道の雑草などの水分量の多い軟質のものも含まれる。本実施の形態では、これらの破砕対象物を総称して被破砕木材と記載する。
【0015】
走行体1は、トラックフレーム5、トラックフレーム5の前後両端部に設けた駆動輪6及び従動輪7、駆動輪6の軸に出力軸を連結した駆動装置(走行用油圧モータ)8、並びに駆動輪6及び従動輪7に掛け回した履帯(無限軌道履帯)9を有している。トラックフレーム5上には本体フレーム10が設けられており、この本体フレーム10によって、上記破砕機能構成部2や排出コンベヤ3、動力装置4等が支持されている。
【0016】
破砕機能構成部2は、投入される被破砕木材を受け入れるホッパ11、このホッパ11内に収容配置された被破砕木材の搬送手段としての送りコンベヤ12(図2参照)、送りコンベヤ12によって導入された被破砕木材を破砕する破砕装置13(図3参照)、及び破砕装置13の手前で被破砕木材を押圧し破砕装置13に導入される被破砕木材を送りコンベヤ12と協働して破砕装置13に送り込む押圧フィーダ装置14(図3参照)を備えている。
【0017】
送りコンベヤ12は、破砕ロータ15(後述)に向かって被破砕木材を搬送・供給するフィーダとして機能する。この送りコンベヤ12は、破砕ロータ15の後方側に対向して配置されたスプロケット状の駆動輪16(図3参照)、その反対側(機体後端近傍)に設けた従動輪(不図示)、これら駆動輪16及び従動輪の間に巻回され幅方向に複数列(この例では4列)列設された搬送ベルト(チェーンベルト)17を備えている。上記従動輪は、ホッパ11の側壁体18(図1参照)後部に設けた軸受19(図1参照)によって支持され、駆動輪16は、側壁体18の前部(又は側壁体18の前方側に設けられ破砕装置13の側壁を構成する破砕機フレーム20)に設けた軸受(不図示)によって支持されている。これにより、送りコンベヤ12は、上記ホッパ11内に収容された状態で破砕ロータ15(後述)近傍から後方に向かってほぼ水平に延在している。送りコンベヤ12の駆動輪16の回転軸21は、軸受よりも機体幅方向外側に設けた駆動装置(不図示)の出力軸にカップリング等を介して連結している。その図示しない駆動装置を回転駆動させることにより、駆動輪16及び従動輪の間で搬送ベルト17が循環駆動し、被破砕物が破砕装置13に供給される。
【0018】
押圧フィーダ装置14は、破砕ロータ15の上方にて機体幅方向に延在する回動軸22、回動軸22を支点に上下方向に揺動自在に支持された支持部材23、支持部材23に回転自在に支持されて破砕ロータ15の後方側で送りコンベヤ12の搬送面に対向する押えローラ24を備えている。
【0019】
回動軸22は破砕機フレーム20に設けた軸受(不図示)に回転自在に支持されている。
【0020】
支持部材23は、回動軸22を支点に回動するアーム部25、アーム部25の先端側に連結された押えローラ取り付け用のブラケット部26を備えている。アーム部25の下面は概略円弧状に湾曲しており、この湾曲部には破砕室27(後述)の上部を画定する湾曲板28が取付けられている。
【0021】
押えローラ24は、幅方向(図3中の紙面直交方向)の寸法が送りコンベヤ12の搬送面の幅と同等かそれよりも大きく設定されており、その胴部内に駆動装置(不図示)を内蔵している。この図示しない駆動装置によって、押えローラ24は、送りコンベヤ12の搬送面上を搬送される被破砕木材の搬送速度と実質的に同じ周速度で回転し、押え込んだ送りコンベヤ12上の被破砕木材を送りコンベヤ12と協動して破砕室27(後述)に導入する。
【0022】
押圧フィーダ装置14はまた、送りコンベヤ12上を搬送される被破砕木材に乗り上げて自重によって被破砕木材を押圧するものであるが、メンテナンス等の際に油圧シリンダ29によって強制的に上下動させることができるようになっている。油圧シリンダ29は、破砕機フレーム20に対して固定されたブラケット30にボトム側端部が、アーム部25の上面後端部に設けたブラケット32にロッド側端部がそれぞれ回動可能に連結されている。
【0023】
破砕装置13は、本体フレーム10(図1参照)の長手方向のほぼ中央部上に位置し、図3に示すように、破砕室27内で高速回転する破砕ロータ15、及び破砕ロータ15の径方向外側に設けたアンビル(固定刃)34を備えている。駆動体である破砕ロータ15と静止体であるアンビル34とがそれぞれ破砕手段として機能し、破砕装置13では、破砕室27内に導入された被破砕木材を破砕ロータ15とアンビル34とで破砕する。破砕ロータ15の周囲には、送りコンベヤ12及び押えローラ24によって被破砕木材が供給される部分(破砕装置13の後方部分)から破砕ロータ15の正転方向(図3中の時計回り方向)に、湾曲板28、アンビル34、湾曲板41、スクリーン(篩部材)38が破砕ロータ15を包囲するように設けられており、これら湾曲板28、アンビル34、スクリーン38等によって破砕ロータ15周りに破砕片が周回する円筒状の空間である上記破砕室27が画定されている。
【0024】
破砕ロータ15は、破砕装置13の破砕機フレーム20に対して回転自在に支持されており、外周面に設けた多数の台座35と、各台座35の正転方向前面側にボルト37で取り付けた破砕ビット(回転刃)36とを備えている。各破砕ビット36は、破砕ロータ15が正転方向に回転する際に刃面(衝突面)が台座35に先行し被破砕木材を打撃する。
【0025】
アンビル34は、破砕室27内に導入された被破砕木材が衝突する衝突面39を有しており、破砕ロータ15の回転に伴って破砕室27内を周回する破砕片に衝突面39が対向するように、保持部材40における上記湾曲板41の取り付け部よりも破砕ロータ15の正転方向上流側に取り付けられている。このアンビル39を保持する保持部材40は、前出の押圧フィーダ装置14の回動軸22の上方にて破砕機フレーム20に支持された回動軸31を支点に前後方向に回動可能に支持されており、通常時は破砕機フレーム20の内壁面に固設された支持ブロック42に対しシアピン43を介して支持されて回動動作が拘束されている。運転中、アンビル34にシアピン43の許容剪断応力を超える衝撃荷重がかかった場合、シアピン43が破断して保持部材40の拘束が解かれ、保持部材40が回動軸31を中心に回動しアンビル34が破砕室27から退避する構成である。
【0026】
スクリーン38は、多数の排出孔60(図7参照、詳細は後述)を有し円弧状に曲成された板状の篩部材であり、破砕ロータ15の外周面の下半側(アンビル34に対して破砕ロータ15の正転方向前方側)に対向して弧状に形成されたスクリーンホルダ44(詳細は後述)上に着脱可能に保持されている。スクリーン38は破砕ロータ15に間隙を介して対向するように破砕ロータ15の回転方向に複数枚(本実施の形態では4枚)載置されている。破砕室27内で破砕されつつある破砕片のうち排出孔60を通過する粒度のものはスクリーン38を通過して破砕装置13から排出され、スクリーン38を通過せず破砕室27を周回する破砕片は、スクリーン38と破砕ロータ15との間で衝突や剪断、すり潰し等の作用によって細かくされ、いずれスクリーン38を介して排出される。これにより、破砕装置13から排出される破砕木材の粒度がスクリーン38の排出孔60の大きさに応じて調整される。
【0027】
スクリーン38を支持するスクリーンホルダ44は、機体幅方向に延びる軸45を支点にしてシリンダ47の伸縮動作に伴って上下方向に回動する構成であり、図3の状態(作業時の姿勢)から下降した場合には破砕機フレーム20に設けたスクリーン挿脱孔(不図示)にスクリーン38が臨み、スクリーン挿脱孔を介してスクリーン38を抜き差しすることができる。
【0028】
シリンダ47は、例えば油圧シリンダ(電動シリンダでも良い)であり、左右の本体フレーム10(図3では図示省略している)上にそれぞれ1本ずつ設置されている。各シリンダ47は、破砕装置13の前方側に位置し、ボトム側が本体フレーム10上に固設したブラケット49に回動可能に連結されており、ブラケット49との連結部を基端部として後方側に延び、本体フレーム10の長手方向に伸縮する。各シリンダ47のロッド先端部は本体フレーム10に沿ってスライドするスライダ48に接続され、スライダ48はアーム46を介してスクリーンホルダ44の前端部近傍に連結されている。アーム46の両端は、スライダ48とスクリーンホルダ44に対して回動可能に連結されている。図3から判るように、スライダ48及びアーム46はリンク機構を構成しており、スライダ48とアーム46によって、シリンダ47の伸縮動作がスクリーンホルダ44の上下方向への動きに変換される。なお、スクリーンホルダ44やアーム46の長さ、シリンダ47の前後位置等は、スクリーンホルダ44を上昇させた状態(図3の状態)のときに、アーム46が破砕室27の概ね接線方向に沿って本体フレーム10に対して直角近くまで立ち上がる角度となるように設定されており、リンク機構によるスクリーンホルダ44の押し上げ力や姿勢保持力が効果的に得られるように配慮されている。
【0029】
図1及び図2に戻り、排出コンベヤ3は、破砕装置13から排出された破砕木材を機外に排出するもので、前後両端に図示しない駆動輪及び従動輪を設けたコンベヤフレーム50、駆動輪と従動輪との間に巻回したコンベヤベルト(不図示)の搬送面の上方を覆うようにコンベヤフレーム50に取り付けたコンベヤカバー51、駆動輪を回転駆動させる駆動装置(排出コンベヤ用油圧モータ)52等を有している。排出コンベヤ3の排出側(前方側)の部分は動力装置4の支持部から突出して設けた支持部材53によって吊り下げ支持されており、反対側(後方側)の端部は支持部材54を介して本体フレーム10から吊り下げ支持されている。排出コンベヤ3は、破砕装置13の下方から前方に延在し、動力装置4の下方を通った後、前方に向かうに連れて上るように傾斜している。但し、このように屈曲したコンベヤを用いずに、本体フレーム10の下部領域において破砕装置13の下方から前方に延在するストレートな第1のコンベヤと、第1のコンベヤの放出端の下方から前方に向かって上り傾斜のストレートな第2のコンベヤとで排出コンベヤを構成する場合もある。
【0030】
動力装置4は、本体フレーム10の長手方向他方側の端部上に、支持部材55を介して搭載されている。この動力装置4の後方側でかつ機体幅方向一方側(図2中下側)の区画には運転席56が設けられている。運転席56には木材破砕機を走行操作用するための操作レバー57が設けられており、運転席56の下方にはその他の操作や設定、モニタリング等を行うための操作盤58が設けられている。操作盤58は、本例では地上から作業者が操作し易いよう機体の側部に設けられているが、運転席56に設けても構わない。
【0031】
図4(a)−図4(e)はスクリーン38の構成例を表した図であり、スクリーンホルダ44上に載置した状態で破砕ロータ15側から見た構成を表している。
【0032】
図4(a)−図4(e)に示したスクリーン38(ここでは区別のために図4(a)−図4(e)のスクリーン38をそれぞれスクリーン38a−38eとする)は、複数の排出孔60を有するスクリーンプレート61と、スクリーンプレート61の左右両端に設けた把手62とを備えている。スクリーン38a−38eには、それぞれ四隅に切り欠かれており、この切り欠きがスクリーンホルダ44のスクリーン載置面に形成された突出部(不図示)に係合する位置決め手段となっている。
【0033】
スクリーン38a−38eの違いは排出孔60のサイズにあり、スクリーン38a−38eにはそれぞれ排出孔60のサイズによってパターンの異なる識別部63が設けられている。識別部63は所定の形状及び大きさの突起部であってスクリーンプレート61の左右方向に突出している。スクリーン38a−38eの排出孔60のサイズこの識別部63の配置や数を組み合わせたパターンが異なっており、識別部63によってスクリーン38a−38eの排出孔60のサイズが識別可能な構成となっている。
【0034】
前述したスクリーンホルダ44のスクリーン38a−38eの左右両端面の対応箇所にはスクリーン識別センサである複数の近接スイッチ65(後の図5参照)が破砕ロータ15の回転方向に並べて配置されている。それら近接スイッチ65は、スクリーン38a−38eがスクリーンホルダ44に載置された際に識別部63に接触し、識別部63を検出して制御装置70(後述)に識別信号を出力する。すなわち、スクリーン38は排出孔60のサイズが異なる複数種(本例ではスクリーン38a−38e)の中から選択され設置されるが、複数用意されたうちのどの近接スイッチから識別部63の検出信号が入力されたかでスクリーンホルダ44上にスクリーン38a−38eのいずれが載置されているかが判別される。スクリーン38a−38eは図4(a)−図4(e)の各図の姿勢とは180度反転させて用いる場合があるので、各スクリーンをいずれの姿勢でスクリーンホルダ44に設置してもその種別を識別できるよう、近接スイッチ65の配置に配慮するとともに各スクリーン種別に対して姿勢による2通りの検出パターンを対応付けておくことが望ましい。
【0035】
なお、スクリーン38a,38b,38c,38d,38eは、この順に排出孔60のサイズが小さく、破砕木材の目標粒度が小さくなっている。例えばスクリーン38aの排出孔60は1インチ径の丸穴であり、木目細かい木材チップが要求される場合等に使用される。スクリーン38b,38c,38dの排出孔60は例えばそれぞれ1.5インチ、2インチ、3インチ径の丸穴であり、目標粒度に応じて適宜使い分けられる。スクリーン38eはスクリーン38dよりも排出孔60一つ当たりの開口面積が大きく、排出孔60を矩形に形成して格子状に並べることでスクリーン38eの総開口面積も大きくしている。スクリーン38eは、例えば被破砕木材を粗破砕する場合等に用いられる。また、スクリーン38a−38eにおいて、左右方向にほぼ等間隔で排出孔60の配置が避けられている部分があるが、これは枠型のスクリーンホルダ44により支持される部分であり、これら支持箇所を減じる場合はスクリーンプレート61の全体に排出孔60を配置可能である。
【0036】
図5は本実施の形態の木材破砕機に備えられた制御装置の機能ブロック図である。
【0037】
図5に示した制御装置70は、入力部71、ROM(記憶部)72、CPU73、出力部74、RAM75、及びタイマー76等を備えている。制御装置70への入力信号(操作盤58からの操作信号及び近接スイッチ65からの検出信号)は入力部71でディジタル信号に変換され、CPU73によりROM72に予め格納された制御手順プログラムや定数等に従って演算処理され、演算結果や演算途中の値はRAM75に適宜記憶される。CPU73の演算結果は、出力部74にてアナログ信号に変換及び増幅されて対応の作動装置類(排出コンベヤ3、送りコンベヤ12、破砕装置13、押圧フィーダ装置14等、厳密にはそれらの対応のコントロールバルブ)へ指令信号として出力される。これにより作動装置類は操作盤58からの操作信号に応じて任意に駆動されたり自動運転されたりする。
【0038】
ここで、上記ROM72には、排出孔60のサイズが異なるスクリーン38a−38eのそれぞれにつき、送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度を調整するフィーダ速度調整ダイヤル58Ea(図5)の操作量に対する送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度の関係を規定したマップを格納している。ROM72には、この他、このマップに従って送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度を自動変更するプログラムが予め格納されている。詳しくは図7−図12を用いて後述するが、スクリーン38a−38eの各排出孔60のサイズに対応付けられた送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度は特定の値ではなくそれぞれ範囲を持っており、排出孔60のサイズによって最大値及び最小値が異なる。勿論、範囲設定する必要がなければ排出孔60のサイズによって特定の駆動速度を割り当てることも可能である。制御装置70では、近接スイッチ65からの識別信号及びROM72に格納された先のマップを基に、CPU73によって送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度を変更する。
【0039】
図6は前述した操作盤58の外観構造を表す図である。
【0040】
図6に示すように、操作盤58には、表示部58A、入力部58B、緊急停止スイッチ58C、作動装置類の起動停止指示部58D、供給・破砕動作操作部58E、メインスイッチ58F、運転モード選択スイッチ58G、操作手段の選択スイッチ58H、警報ボタン58I、照明ボタン58J等が備えられている。表示部58Aは機体の稼動状況や各種データ、案内、メッセージ等を表示するもので、タッチパネル機能等によって各種入力操作も可能である。入力部58Bは、表示部58Aに表示された設定画面等においてカーソルの移動や選択・決定、ヘルプ画面の呼び出し等を行う。緊急停止スイッチ58Cは、緊急時に機体の各作動装置を即時的に停止させるスイッチである。メインスイッチ58Fは、電気系統のON/OFFやエンジンの始動等を操作する。運転モード選択スイッチ58Gは、走行操作を行う走行モード、破砕作業を行う作業モード、メンテナンスに設定するメンテナンスモードのいずれかを選択する。選択スイッチ58Hは、操作手段として当該操作盤58とリモコン(不図示)のいずれかを有効とするかを設定する。警報ボタン58Iは警報音を鳴らす指示を、照明ボタン58Jは照明の光量設定や消灯の指示をする。
【0041】
起動停止指示部58Dには、送りコンベヤ12の停止・正転方向起動・停止を各指示する停止ボタン58Da1・始動ボタン58Da2・逆転ボタン58Da3、押圧フィーダ装置14の停止・正転方向起動・逆転方向起動を各指示する停止ボタン58Db1・始動ボタン58Db2・逆転ボタン58Db3、破砕ロータ15の停止・正転方向起動・逆転方向起動を各支持する停止ボタン58Dc1・始動ボタン58Dc2・逆転ボタン58Dc3、排出コンベヤ3の起動・停止を各指示する始動ボタン58Dd1・停止ボタン58Dd2が配置されている。
【0042】
また、供給・破砕動作操作部58Eには、フィーダ(送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14)の正転方向の動作速度の調整用のフィーダ速度調整ダイヤル(フィーダ速度調整手段)58Ea、破砕ロータ15の正転方向の回転速度の調整用の破砕ロータ速度調整ダイヤル58Eb、押圧フィーダ装置14を上げ下げする油圧シリンダ29のロック/フリーの切り換え等を行うためのシリンダ動作切換スイッチ58Ecが配置されている。
【0043】
次に上記構成の本実施の形態の木材破砕機の動作を説明する。
【0044】
グラップル等の適宜の作業具を備えた重機(油圧ショベル等)等によってホッパ11内に被破砕木材を投入すると、被破砕木材が送りコンベヤ12の搬送ベルト17上に載置され、循環駆動する搬送ベルト17によって破砕装置13に向かって搬送される。被破砕木材が押圧フィーダ装置14付近まで搬送されると、押えローラ24が被破砕木材上に乗り上げ、押えローラ24の自重により被破砕木材が送りコンベヤ12の搬送面に押し付けられる格好となる。このようにして押えローラ24は、送りコンベヤ12との間に被破砕木材を挟持した状態で、送りコンベヤ12と協働して破砕室27へ被破砕木材を導入する。その際、被破砕木材は押圧ローラ24と送りコンベヤ12とに挟持された部分を支点に片持ち梁状に破砕室27内に向かって突出する。
【0045】
破砕室27内に突出した被破砕木材には高速回転する破砕ロータ15の破砕ビット36が下方から衝突し、これにより被破砕木材が粗破砕される。このように粗破砕されて破砕室27内に跳ね上げられた被破片はアンビル34に衝突し、その衝撃力によりさらに細かく破砕される。破砕片はその後も破砕ロータ15の回転に伴って破砕室27内を周回し、破砕ビット36、アンビル34、またスクリーン38等の破砕室27の内壁面等との衝突作用や剪断作用、すり潰し作用等を受けて破砕される。そして、周回する破砕片のうちスクリーン38の排出孔60を通過する大きさに細粒化されたものが順次スクリーン38を通過して破砕室27から排出される。破砕室27から排出された破砕木材は、排出コンベヤ3上に落下して排出コンベヤ3によって搬送され機外に排出される。
【0046】
ここで、スクリーン38は、破砕木材の目標粒度や被破砕木材の性状・大きさによって適宜交換される。本実施の形態においては、スクリーン38が交換された場合、上記のフィーダ速度調整ダイヤル58Eaによる送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度の調整可能範囲が、装着したスクリーン38に応じて制御装置70によって自動的に変更される。以下に制御装置70によるこの処理手順を説明する。
【0047】
図7はスクリーン38の種類による制限がない場合に出力可能な送りコンベヤ12の駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。ここでは送りコンベヤ12の駆動速度について説明するが、送りコンベヤ12と押圧フィーダ装置14は同期回転するので、押圧フィーダ装置14とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定の関係も同様である。
【0048】
図7では、送りコンベヤ12の定格速度b7の範囲においてフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に対して線形的に送りコンベヤ12の駆動速度が上昇するようになっている。そして速度0(ゼロ)から定格速度b7の間に幾つかの基準速度を設定する意味で、本実施の形態では例えば定格速度b7を7等分して速度b1−b6を設定している。図7の速度線では、例えば送りコンベヤ12の駆動速度をb2に設定する場合、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの目盛りを3付近のa2に設定する。
【0049】
スクリーン38の排出孔60のサイズが変わった場合、破砕室27からの破砕物の排出性も変化するので、破砕装置13の過負荷を回避するために排出孔60のサイズに応じて被破砕物の供給速度、すなわち送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度を調整することが望ましい。しかし図7の速度線では速度0から定格速度b7まで任意に設定可能であるため、スクリーン38の交換の度にオペレータがフィーダ速度調整ダイヤル58Eaを操作して適当に速度調整しなければならず不慣れなオペレータには難しい場合もあるし、不適当な速度にも設定され得る。本実施の形態では、先に説明したスクリーン38a−38eの使用時にそれぞれ適当な送りコンベヤ12の駆動速度の範囲を、b1−b3、b2−b4、b3−b5、b4−b6、b5−b7と想定したとする。
【0050】
図8は図4(a)に示したスクリーン38aがスクリーンホルダ44上に載置されたことが近接スイッチ65からの信号により認識された場合の送りコンベヤ12の駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【0051】
図8のマップでは、送りコンベヤ12の駆動速度の下限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=0)がb1、上限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=10)がb3に変更され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定を0から10まで操作すると送りコンベヤ12の駆動速度が下限値b1から上限値b3まで線形的に変化する。すなわち、図8の速度線では、速度0以上b1未満の範囲と速度b3より大きい範囲が送りコンベヤ12の調整可能な速度範囲から除外され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaで調整可能な送りコンベヤ12の駆動速度が速度範囲b1−b3に制限されている。速度範囲b1−b3の間では、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaによって送りコンベヤ12の駆動速度を任意に変更することができる。
【0052】
なお、先に触れた操作盤58の入力部58Bで適宜操作することで、スクリーン38aを使用時の送りコンベヤ12の最小値、最大値をb1,b3から変更できるように構成することも可能である。この場合、最小値及び最大値の無制限な設定変更を制限するためにパスワードを要求するようにして、限られた人物のみが設定変更できるようにすることも考えられる。
【0053】
図9は図4(b)に示したスクリーン38bがスクリーンホルダ44上に載置されたことが近接スイッチ65からの信号により認識された場合の送りコンベヤ12の駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【0054】
図9のマップでは、送りコンベヤ12の駆動速度の下限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=0)がb2、上限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=10)がb4に変更され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定を0から10まで操作すると送りコンベヤ12の駆動速度が下限値b2から上限値b4まで線形的に変化する。すなわち、図9の速度線では、速度0以上b2未満の範囲と速度b4より大きい範囲が送りコンベヤ12の調整可能な速度範囲から除外され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaで調整可能な送りコンベヤ12の駆動速度が速度範囲b2−b4に制限されている。速度範囲b2−b4の間では、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaによって送りコンベヤ12の駆動速度を任意に変更することができる。
【0055】
なお、先に触れた操作盤58の入力部58Bで適宜操作することで、スクリーン38bを使用時の送りコンベヤ12の最小値、最大値をb2,b4から変更できるように構成することも可能である。この場合、最小値及び最大値の無制限な設定変更を制限するためにパスワードを要求するようにして、限られた人物のみが設定変更できるようにすることも考えられる。
【0056】
図10は図4(c)に示したスクリーン38cがスクリーンホルダ44上に載置されたことが近接スイッチ65からの信号により認識された場合の送りコンベヤ12の駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【0057】
図10のマップでは、送りコンベヤ12の駆動速度の下限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=0)がb3、上限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=10)がb5に変更され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定を0から10まで操作すると送りコンベヤ12の駆動速度が下限値b3から上限値b5まで線形的に変化する。すなわち、図10の速度線では、速度0以上b3未満の範囲と速度b5より大きい範囲が送りコンベヤ12の調整可能な速度範囲から除外され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaで調整可能な送りコンベヤ12の駆動速度が速度範囲b3−b5に制限されている。速度範囲b3−b5の間では、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaによって送りコンベヤ12の駆動速度を任意に変更することができる。
【0058】
なお、先に触れた操作盤58の入力部58Bで適宜操作することで、スクリーン38cを使用時の送りコンベヤ12の最小値、最大値をb3,b5から変更できるように構成することも可能である。この場合、最小値及び最大値の無制限な設定変更を制限するためにパスワードを要求するようにして、限られた人物のみが設定変更できるようにすることも考えられる。
【0059】
図11は図4(d)に示したスクリーン38dがスクリーンホルダ44上に載置されたことが近接スイッチ65からの信号により認識された場合の送りコンベヤ12の駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【0060】
図11のマップでは、送りコンベヤ12の駆動速度の下限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=0)がb4、上限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=10)がb6に変更され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定を0から10まで操作すると送りコンベヤ12の駆動速度が下限値b4から上限値b6まで線形的に変化する。すなわち、図11の速度線では、速度0以上b4未満の範囲と速度b6より大きい範囲が送りコンベヤ12の調整可能な速度範囲から除外され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaで調整可能な送りコンベヤ12の駆動速度が速度範囲b4−b6に制限されている。速度範囲b4−b6の間では、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaによって送りコンベヤ12の駆動速度を任意に変更することができる。
【0061】
なお、先に触れた操作盤58の入力部58Bで適宜操作することで、スクリーン38dを使用時の送りコンベヤ12の最小値、最大値をb4,b6から変更できるように構成することも可能である。この場合、最小値及び最大値の無制限な設定変更を制限するためにパスワードを要求するようにして、限られた人物のみが設定変更できるようにすることも考えられる。
【0062】
図12は図4(e)に示したスクリーン38eがスクリーンホルダ44上に載置されたことが近接スイッチ65からの信号により認識された場合の送りコンベヤ12の駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【0063】
図12のマップでは、送りコンベヤ12の駆動速度の下限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=0)がb5、上限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=10)がb7に変更され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定を0から10まで操作すると送りコンベヤ12の駆動速度が下限値b5から上限値b7まで線形的に変化する。すなわち、図12の速度線では、速度0以上b5未満の範囲が送りコンベヤ12の調整可能な速度範囲から除外され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaで調整可能な送りコンベヤ12の駆動速度が速度範囲b5以上に制限されている。速度範囲b5−b7の間では、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaによって送りコンベヤ12の駆動速度を任意に変更することができる。
【0064】
なお、先に触れた操作盤58の入力部58Bで適宜操作することで、スクリーン38eを使用時の送りコンベヤ12の最小値、最大値をb5,b7から変更できるように構成することも可能である。この場合、最小値及び最大値の無制限な設定変更を制限するためにパスワードを要求するようにして、限られた人物のみが設定変更できるようにすることも考えられる。
【0065】
図13は制御装置70による送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の速度設定の手順を表すフローチャートである。
【0066】
図13において、制御装置70は、まずステップS101−1において、設置されたのがスクリーン38a(排出孔が1インチ)かどうかを判定する。設置されたのがスクリーン38aであってステップS101−1の判定が満たされれば、ステップS101−2に手順を移してフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に対し図8のマップに従って送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14への指令値を演算する。設置されたのがスクリーン38aではなくステップS101−1の判定が満たされなければ、ステップS102−1に手順を移す。
【0067】
ステップS102−1に手順を移すと、制御装置70は、設置されたのがスクリーン38b(排出孔が1.5インチ)かどうかを判定する。設置されたのがスクリーン38bであってステップS102−1の判定が満たされれば、ステップS102−2に手順を移してフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に対し図9のマップに従って送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14への指令値を演算する。設置されたのがスクリーン38bではなくステップS102−1の判定が満たされなければ、ステップS103−1に手順を移す。
【0068】
ステップS103−1に手順を移すと、制御装置70は、設置されたのがスクリーン38c(排出孔が2インチ)かどうかを判定する。設置されたのがスクリーン38cであってステップS103−1の判定が満たされれば、ステップS103−2に手順を移してフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に対し図10のマップに従って送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14への指令値を演算する。設置されたのがスクリーン38cではなくステップS103−1の判定が満たされなければ、ステップS104−1に手順を移す。
【0069】
ステップS104−1に手順を移すと、制御装置70は、設置されたのがスクリーン38d(排出孔が3インチ)かどうかを判定する。設置されたのがスクリーン38dであってステップS104−1の判定が満たされれば、ステップS104−2に手順を移してフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に対し図11のマップに従って送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14への指令値を演算する。設置されたのがスクリーン38dではなくステップS104−1の判定が満たされなければ、ステップS105−1に手順を移す。
【0070】
ステップS105−1に手順を移すと、制御装置70は、設置されたのがスクリーン38e(粗破砕用)かどうかを判定する。設置されたのがスクリーン38eであってステップS105−1の判定が満たされれば、ステップS105−2に手順を移してフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に対し図12のマップに従って送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14への指令値を演算する。設置されたのがスクリーン38eではなくステップS105−1の判定が満たされなければ、制御装置70は速度設定を行わずに図13の手順を終了する。
【0071】
制御装置70は以上の手順を繰り返し実行する。ステップS105−1の手順が満たされない場合、スクリーンが正しく設置されていない、設置されたのが予め登録されたスクリーンではない、或いはスクリーンホルダ44にスクリーンが設置されていない等の原因が考えられる。
【0072】
本実施の形態により得られる作用効果を順次説明する。
【0073】
(1)過負荷抑制
本実施の形態によれば、例えばスクリーン38aのような排出孔60が小さなスクリーンをスクリーンホルダ44に設置した場合、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に割り振られる送りコンベヤ12や押圧フィーダ装置14の駆動速度が低速となり、スクリーン38eのような排出孔60が大きなスクリーンをスクリーンホルダ44に設置した場合、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に割り振られる送りコンベヤ12や押圧フィーダ装置14の駆動速度が高速となる。このように、スクリーン38を交換した場合に排出孔60のサイズに応じて送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度が自動調整されるので、排出孔60による排出性が変化しても破砕装置13が過負荷状態に陥ったり過度に負荷が減少したりすることを抑制することができる。
【0074】
(2)送り速度の設定ミスの抑制
スクリーン38の排出孔60のサイズによってフィーダ速度調整ダイヤル58Eaによって設定可能な送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度が自動的に制限されるので、例えば木材破砕機の運転条件を習熟していないオペレータが速度設定作業をする場合でも必要以上に速い速度や遅い速度には設定されず、ある程度妥当性の高い条件に設定される。単純な設定ミスの抑制の効果も得られる。
【0075】
(3)その他
上記のように破砕装置13の負荷状態を適正化することができるので、破砕効率の向上、燃費の向上、破砕装置13及びその周辺機器の損傷抑制、消耗部品(破アンビル34、砕ビット36、スクリーン38等)の交換時間延長等、様々な効果が期待できる。また、送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度の設定に要する時間が低減され、設定の際の破砕室27を除いてスクリーン種別を確認する必要もないので、それらの作業が省略される分だけオペレータが他の作業に費やすことができる時間を確保することができる。
【0076】
図14は本発明の第2の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた制御装置の機能ブロック図である。
【0077】
本実施の形態では、スクリーン38の排出孔60のサイズを手動で選択設定するスクリーン設定ダイヤル(スクリーン設定手段)58K(図15も参照)を近接スイッチ65の代わりに設けた例であり、制御装置70のCPU73によって、スクリーン設定ダイヤル58Kの設定及びROM72に予め格納されたマップを基に送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度が変更される。本実施の形態の場合、近接スイッチ65が省略されるのでスクリーン38の認識部63も不要である。
【0078】
図15は本実施の形態にける操作盤58’の外観構造を表す図である。
【0079】
図15に示すように、本実施の形態では、スクリーン設定ダイヤル58Kの設定項目として「1」「1.5」「2」「3」「粗」の5つが用意されており、これらのいずれかを選択することで選択した設定が制御装置70に出力される。制御装置70では、操作盤58’から出力される信号を基にスクリーン設定ダイヤル58Kの設定が認識される。したがって、例えば1インチ穴のスクリーンをスクリーンホルダ44上に設置した場合にスクリーン設定ダイヤル58Kの設定を「1」に合わせるといった要領で、スクリーン交換の際に排出孔サイズに合わせてスクリーン設定ダイヤル58Kを操作することで制御装置70に現在のスクリーン種別を認識させることができる。
【0080】
その他の構成は第1の実施の形態と同様であり、制御装置70の制御手順も近接スイッチ65からの入力信号の代わりに操作盤58’からのスクリーン設定ダイヤル58Gの設定信号を基礎とする点を除いて第1の実施の形態と同様であって図13の手順をそのまま適用することができる。
【0081】
本実施の形態によっても、スクリーン38に合わせてスクリーン設定ダイヤル58Kを設定しておくことで、送りコンベヤ12や押圧フィーダ装置14の駆動速度を自動的に適正範囲に調整することができるので、第1の実施の形態とほぼ同様の効果が得られる。
【0082】
なお、以上の実施の形態においては、本発明を自力走行可能な木材破砕機に適用した場合を例にとって説明したが、これに限られず、牽引して走行可能な移動式木材破砕機、若しくは例えばクレーン等により吊り上げて運搬可能な可搬式木材破砕機、さらにはプラント等において固定機械として配置される定置式木材破砕機にも本発明は適用可能である。この場合も同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機の全体構造を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機の全体構造を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた破砕装置の近傍の詳細構造を示す透視側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機に取り付けられるスクリーンの構成例を表した図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた制御装置の機能ブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた操作盤の外観構造を表す図である。
【図7】スクリーンの種類による制限がない場合に出力可能な送りコンベヤの駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤルの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【図8】図4(a)に示したスクリーンが認識された場合の送りコンベヤの駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤルの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【図9】図4(b)に示したスクリーンが認識された場合の送りコンベヤの駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤルaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【図10】図4(c)に示したスクリーンが認識された場合の送りコンベヤの駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤルの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【図11】図4(d)に示したスクリーンが認識された場合の送りコンベヤの駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤルの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【図12】図4(e)に示したスクリーンが認識された場合の送りコンベヤの駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤルの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた制御装置による送りコンベヤ及び押圧フィーダ装置の速度設定の手順を表すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた制御装置の機能ブロック図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた操作盤の外観構造を表す図である。
【符号の説明】
【0084】
12 送りコンベヤ(フィーダ)
14 押圧フィーダ装置(フィーダ)
15 破砕ロータ
36 破砕ビット
38,38a−e スクリーン
44 スクリーンホルダ
58A 入力部
58Ea フィーダ速度調整ダイヤル
58K スクリーン設定ダイヤル(スクリーン設定手段)
60 排出孔
63 識別部
65 近接スイッチ(スクリーン識別センサ)
70 制御装置
72 ROM(記憶部)
73 CPU(指令演算部)
【技術分野】
【0001】
本発明は被破砕木材を破砕する木材破砕機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1等に記載されているように、被破砕木材を搬送するフィーダ(送りコンベヤ)、破砕ロータを有する破砕装置、及び破砕装置の外周部に配置した破砕木材の粒度調整用のスクリーンを備え、操作盤内にある速度調整ダイヤルでフィーダ速度を任意に調整できる木材破砕機がある。
【0003】
【特許文献1】特開2006−175393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成の木材破砕機では、破砕装置で破砕された破砕木材はスクリーンの排出孔を通って排出されるので、スクリーンの排出孔のサイズによって破砕木材の粒度が概ね決まる。しかしながら、スクリーンの排出孔サイズが小さければ破砕木材の粒度を小さくすることはできるが排出性は低下する。逆にスクリーンの排出孔サイズが大きければ破砕木材の粒度は粗くなるが排出性は向上する。したがって、例えば細かい木材チップを得るために排出孔サイズの小さなスクリーンを使用する場合、排出孔サイズの大きなスクリーンを使用する場合と同じフィーダ速度では被破砕木材の供給が過多になり、被破砕木材の性状や大きさ等によっては過負荷状態に陥る場合がある。そのため、投入する被破砕木材の大きさや性状、破砕後の破砕木材の目標粒度、被破砕木材の処理量等によってスクリーンを適宜交換し、それに見合ったフィーダ速度に調整する必要がある。
【0005】
特許文献1に記載された木材破砕機では、フィーダ速度を任意に調整することはできるが、この調整作業はオペレータの経験に委ねられる。言い換えれば木材破砕機の運転に習熟していないオペレータであっても任意にフィーダ速度を調整することができ、またスクリーンの排出孔サイズとは無関係にフィーダ速度を調整することができる。一般の現場では、処理量を重視してスクリーンの排出孔サイズに関わらずフィーダ速度を最大に設定する場合も少なくなく、過負荷状態に陥り易い状況にある。
【0006】
そこで本発明は、スクリーンの排出孔サイズに対する被破砕木材の供給過多に起因する過負荷の発生を抑制することができる木材破砕機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、外周部に複数の破砕ビットを取り付けた破砕ロータと、前記破砕ロータに被破砕木材を供給するフィーダと、複数の排出孔を有し前記破砕ロータの外周面に対向して配置されたスクリーンと、前記スクリーンを着脱可能に支持するスクリーンホルダと、前記フィーダの駆動速度を制御する制御装置とを備えた木材破砕機において、前記スクリーンは、排出孔のサイズが異なる複数種の中から選択されて設置され、前記制御装置は、前記サイズの異なる複数種のスクリーン毎に、前記フィーダの駆動速度を調整するフィーダ速度調整手段の操作量に対する前記フィーダの駆動速度の関係を規定したマップを格納する記憶部と、前記フィーダ速度調整手段からの指令信号が入力されると、前記記憶部に格納された前記マップに従って前記フィーダの駆動速度を変更する指令演算部とを備えていることを特徴とする。
【0008】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記スクリーンに設けられ、当該スクリーンの排出孔のサイズを識別するための識別部と、前記スクリーンホルダに設けられ、前記識別部を検出して前記指令演算部に識別信号を出力するスクリーン識別センサとを備え、前記指令演算部は、前記スクリーン識別センサからの識別信号を基に前記記憶部に格納された前記マップを選択することを特徴とする。
【0009】
(3)上記(1)において、好ましくは、前記スクリーンの排出孔のサイズを手動で選択設定するスクリーン設定手段を更に備え、前記指令演算部は、前記スクリーン設定手段による設定信号を基に前記記憶部に格納された前記マップを選択することを特徴とする。
【0010】
(4)上記(1)−(3)のいずれかにおいて、好ましくは、前記フィーダの駆動速度の最大値及び最小値を変更する手段を更に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スクリーンの排出孔サイズに対する被破砕木材の供給過多に起因する過負荷の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機の全体構造を示す側面図、図2はその平面図、図3は図1に示した木材破砕機に備えられた破砕装置の近傍の詳細構造を示す透視側面図である。なお、以下において、図1中の左・右に対応する方向を木材破砕機の後・前、又は一方・他方とする。
【0014】
図1−図3に例示した木材破砕機は、自力走行のための走行体1、走行体1上に設けられ受け入れた被破砕木材を破砕する破砕機能構成部2、破砕機能構成部2で破砕された破砕木材(木材チップ)を搬送し機外に排出する排出コンベヤ3、及び搭載した各機器の動力源であるエンジン等を備えた動力装置(パワーユニット)4等を備えている。なお、本実施の形態の木材破砕機の破砕対象物には、例えば森林で発生する剪定枝材や間伐材、建築物の解体に伴って発生する廃木材等の木材の他、廃プラスチック材、廃タタミ、竹材等も含まれる。木材については、比較的乾燥した硬質のものに限らず、剪定後間もない街路樹の枝葉や沿道の雑草などの水分量の多い軟質のものも含まれる。本実施の形態では、これらの破砕対象物を総称して被破砕木材と記載する。
【0015】
走行体1は、トラックフレーム5、トラックフレーム5の前後両端部に設けた駆動輪6及び従動輪7、駆動輪6の軸に出力軸を連結した駆動装置(走行用油圧モータ)8、並びに駆動輪6及び従動輪7に掛け回した履帯(無限軌道履帯)9を有している。トラックフレーム5上には本体フレーム10が設けられており、この本体フレーム10によって、上記破砕機能構成部2や排出コンベヤ3、動力装置4等が支持されている。
【0016】
破砕機能構成部2は、投入される被破砕木材を受け入れるホッパ11、このホッパ11内に収容配置された被破砕木材の搬送手段としての送りコンベヤ12(図2参照)、送りコンベヤ12によって導入された被破砕木材を破砕する破砕装置13(図3参照)、及び破砕装置13の手前で被破砕木材を押圧し破砕装置13に導入される被破砕木材を送りコンベヤ12と協働して破砕装置13に送り込む押圧フィーダ装置14(図3参照)を備えている。
【0017】
送りコンベヤ12は、破砕ロータ15(後述)に向かって被破砕木材を搬送・供給するフィーダとして機能する。この送りコンベヤ12は、破砕ロータ15の後方側に対向して配置されたスプロケット状の駆動輪16(図3参照)、その反対側(機体後端近傍)に設けた従動輪(不図示)、これら駆動輪16及び従動輪の間に巻回され幅方向に複数列(この例では4列)列設された搬送ベルト(チェーンベルト)17を備えている。上記従動輪は、ホッパ11の側壁体18(図1参照)後部に設けた軸受19(図1参照)によって支持され、駆動輪16は、側壁体18の前部(又は側壁体18の前方側に設けられ破砕装置13の側壁を構成する破砕機フレーム20)に設けた軸受(不図示)によって支持されている。これにより、送りコンベヤ12は、上記ホッパ11内に収容された状態で破砕ロータ15(後述)近傍から後方に向かってほぼ水平に延在している。送りコンベヤ12の駆動輪16の回転軸21は、軸受よりも機体幅方向外側に設けた駆動装置(不図示)の出力軸にカップリング等を介して連結している。その図示しない駆動装置を回転駆動させることにより、駆動輪16及び従動輪の間で搬送ベルト17が循環駆動し、被破砕物が破砕装置13に供給される。
【0018】
押圧フィーダ装置14は、破砕ロータ15の上方にて機体幅方向に延在する回動軸22、回動軸22を支点に上下方向に揺動自在に支持された支持部材23、支持部材23に回転自在に支持されて破砕ロータ15の後方側で送りコンベヤ12の搬送面に対向する押えローラ24を備えている。
【0019】
回動軸22は破砕機フレーム20に設けた軸受(不図示)に回転自在に支持されている。
【0020】
支持部材23は、回動軸22を支点に回動するアーム部25、アーム部25の先端側に連結された押えローラ取り付け用のブラケット部26を備えている。アーム部25の下面は概略円弧状に湾曲しており、この湾曲部には破砕室27(後述)の上部を画定する湾曲板28が取付けられている。
【0021】
押えローラ24は、幅方向(図3中の紙面直交方向)の寸法が送りコンベヤ12の搬送面の幅と同等かそれよりも大きく設定されており、その胴部内に駆動装置(不図示)を内蔵している。この図示しない駆動装置によって、押えローラ24は、送りコンベヤ12の搬送面上を搬送される被破砕木材の搬送速度と実質的に同じ周速度で回転し、押え込んだ送りコンベヤ12上の被破砕木材を送りコンベヤ12と協動して破砕室27(後述)に導入する。
【0022】
押圧フィーダ装置14はまた、送りコンベヤ12上を搬送される被破砕木材に乗り上げて自重によって被破砕木材を押圧するものであるが、メンテナンス等の際に油圧シリンダ29によって強制的に上下動させることができるようになっている。油圧シリンダ29は、破砕機フレーム20に対して固定されたブラケット30にボトム側端部が、アーム部25の上面後端部に設けたブラケット32にロッド側端部がそれぞれ回動可能に連結されている。
【0023】
破砕装置13は、本体フレーム10(図1参照)の長手方向のほぼ中央部上に位置し、図3に示すように、破砕室27内で高速回転する破砕ロータ15、及び破砕ロータ15の径方向外側に設けたアンビル(固定刃)34を備えている。駆動体である破砕ロータ15と静止体であるアンビル34とがそれぞれ破砕手段として機能し、破砕装置13では、破砕室27内に導入された被破砕木材を破砕ロータ15とアンビル34とで破砕する。破砕ロータ15の周囲には、送りコンベヤ12及び押えローラ24によって被破砕木材が供給される部分(破砕装置13の後方部分)から破砕ロータ15の正転方向(図3中の時計回り方向)に、湾曲板28、アンビル34、湾曲板41、スクリーン(篩部材)38が破砕ロータ15を包囲するように設けられており、これら湾曲板28、アンビル34、スクリーン38等によって破砕ロータ15周りに破砕片が周回する円筒状の空間である上記破砕室27が画定されている。
【0024】
破砕ロータ15は、破砕装置13の破砕機フレーム20に対して回転自在に支持されており、外周面に設けた多数の台座35と、各台座35の正転方向前面側にボルト37で取り付けた破砕ビット(回転刃)36とを備えている。各破砕ビット36は、破砕ロータ15が正転方向に回転する際に刃面(衝突面)が台座35に先行し被破砕木材を打撃する。
【0025】
アンビル34は、破砕室27内に導入された被破砕木材が衝突する衝突面39を有しており、破砕ロータ15の回転に伴って破砕室27内を周回する破砕片に衝突面39が対向するように、保持部材40における上記湾曲板41の取り付け部よりも破砕ロータ15の正転方向上流側に取り付けられている。このアンビル39を保持する保持部材40は、前出の押圧フィーダ装置14の回動軸22の上方にて破砕機フレーム20に支持された回動軸31を支点に前後方向に回動可能に支持されており、通常時は破砕機フレーム20の内壁面に固設された支持ブロック42に対しシアピン43を介して支持されて回動動作が拘束されている。運転中、アンビル34にシアピン43の許容剪断応力を超える衝撃荷重がかかった場合、シアピン43が破断して保持部材40の拘束が解かれ、保持部材40が回動軸31を中心に回動しアンビル34が破砕室27から退避する構成である。
【0026】
スクリーン38は、多数の排出孔60(図7参照、詳細は後述)を有し円弧状に曲成された板状の篩部材であり、破砕ロータ15の外周面の下半側(アンビル34に対して破砕ロータ15の正転方向前方側)に対向して弧状に形成されたスクリーンホルダ44(詳細は後述)上に着脱可能に保持されている。スクリーン38は破砕ロータ15に間隙を介して対向するように破砕ロータ15の回転方向に複数枚(本実施の形態では4枚)載置されている。破砕室27内で破砕されつつある破砕片のうち排出孔60を通過する粒度のものはスクリーン38を通過して破砕装置13から排出され、スクリーン38を通過せず破砕室27を周回する破砕片は、スクリーン38と破砕ロータ15との間で衝突や剪断、すり潰し等の作用によって細かくされ、いずれスクリーン38を介して排出される。これにより、破砕装置13から排出される破砕木材の粒度がスクリーン38の排出孔60の大きさに応じて調整される。
【0027】
スクリーン38を支持するスクリーンホルダ44は、機体幅方向に延びる軸45を支点にしてシリンダ47の伸縮動作に伴って上下方向に回動する構成であり、図3の状態(作業時の姿勢)から下降した場合には破砕機フレーム20に設けたスクリーン挿脱孔(不図示)にスクリーン38が臨み、スクリーン挿脱孔を介してスクリーン38を抜き差しすることができる。
【0028】
シリンダ47は、例えば油圧シリンダ(電動シリンダでも良い)であり、左右の本体フレーム10(図3では図示省略している)上にそれぞれ1本ずつ設置されている。各シリンダ47は、破砕装置13の前方側に位置し、ボトム側が本体フレーム10上に固設したブラケット49に回動可能に連結されており、ブラケット49との連結部を基端部として後方側に延び、本体フレーム10の長手方向に伸縮する。各シリンダ47のロッド先端部は本体フレーム10に沿ってスライドするスライダ48に接続され、スライダ48はアーム46を介してスクリーンホルダ44の前端部近傍に連結されている。アーム46の両端は、スライダ48とスクリーンホルダ44に対して回動可能に連結されている。図3から判るように、スライダ48及びアーム46はリンク機構を構成しており、スライダ48とアーム46によって、シリンダ47の伸縮動作がスクリーンホルダ44の上下方向への動きに変換される。なお、スクリーンホルダ44やアーム46の長さ、シリンダ47の前後位置等は、スクリーンホルダ44を上昇させた状態(図3の状態)のときに、アーム46が破砕室27の概ね接線方向に沿って本体フレーム10に対して直角近くまで立ち上がる角度となるように設定されており、リンク機構によるスクリーンホルダ44の押し上げ力や姿勢保持力が効果的に得られるように配慮されている。
【0029】
図1及び図2に戻り、排出コンベヤ3は、破砕装置13から排出された破砕木材を機外に排出するもので、前後両端に図示しない駆動輪及び従動輪を設けたコンベヤフレーム50、駆動輪と従動輪との間に巻回したコンベヤベルト(不図示)の搬送面の上方を覆うようにコンベヤフレーム50に取り付けたコンベヤカバー51、駆動輪を回転駆動させる駆動装置(排出コンベヤ用油圧モータ)52等を有している。排出コンベヤ3の排出側(前方側)の部分は動力装置4の支持部から突出して設けた支持部材53によって吊り下げ支持されており、反対側(後方側)の端部は支持部材54を介して本体フレーム10から吊り下げ支持されている。排出コンベヤ3は、破砕装置13の下方から前方に延在し、動力装置4の下方を通った後、前方に向かうに連れて上るように傾斜している。但し、このように屈曲したコンベヤを用いずに、本体フレーム10の下部領域において破砕装置13の下方から前方に延在するストレートな第1のコンベヤと、第1のコンベヤの放出端の下方から前方に向かって上り傾斜のストレートな第2のコンベヤとで排出コンベヤを構成する場合もある。
【0030】
動力装置4は、本体フレーム10の長手方向他方側の端部上に、支持部材55を介して搭載されている。この動力装置4の後方側でかつ機体幅方向一方側(図2中下側)の区画には運転席56が設けられている。運転席56には木材破砕機を走行操作用するための操作レバー57が設けられており、運転席56の下方にはその他の操作や設定、モニタリング等を行うための操作盤58が設けられている。操作盤58は、本例では地上から作業者が操作し易いよう機体の側部に設けられているが、運転席56に設けても構わない。
【0031】
図4(a)−図4(e)はスクリーン38の構成例を表した図であり、スクリーンホルダ44上に載置した状態で破砕ロータ15側から見た構成を表している。
【0032】
図4(a)−図4(e)に示したスクリーン38(ここでは区別のために図4(a)−図4(e)のスクリーン38をそれぞれスクリーン38a−38eとする)は、複数の排出孔60を有するスクリーンプレート61と、スクリーンプレート61の左右両端に設けた把手62とを備えている。スクリーン38a−38eには、それぞれ四隅に切り欠かれており、この切り欠きがスクリーンホルダ44のスクリーン載置面に形成された突出部(不図示)に係合する位置決め手段となっている。
【0033】
スクリーン38a−38eの違いは排出孔60のサイズにあり、スクリーン38a−38eにはそれぞれ排出孔60のサイズによってパターンの異なる識別部63が設けられている。識別部63は所定の形状及び大きさの突起部であってスクリーンプレート61の左右方向に突出している。スクリーン38a−38eの排出孔60のサイズこの識別部63の配置や数を組み合わせたパターンが異なっており、識別部63によってスクリーン38a−38eの排出孔60のサイズが識別可能な構成となっている。
【0034】
前述したスクリーンホルダ44のスクリーン38a−38eの左右両端面の対応箇所にはスクリーン識別センサである複数の近接スイッチ65(後の図5参照)が破砕ロータ15の回転方向に並べて配置されている。それら近接スイッチ65は、スクリーン38a−38eがスクリーンホルダ44に載置された際に識別部63に接触し、識別部63を検出して制御装置70(後述)に識別信号を出力する。すなわち、スクリーン38は排出孔60のサイズが異なる複数種(本例ではスクリーン38a−38e)の中から選択され設置されるが、複数用意されたうちのどの近接スイッチから識別部63の検出信号が入力されたかでスクリーンホルダ44上にスクリーン38a−38eのいずれが載置されているかが判別される。スクリーン38a−38eは図4(a)−図4(e)の各図の姿勢とは180度反転させて用いる場合があるので、各スクリーンをいずれの姿勢でスクリーンホルダ44に設置してもその種別を識別できるよう、近接スイッチ65の配置に配慮するとともに各スクリーン種別に対して姿勢による2通りの検出パターンを対応付けておくことが望ましい。
【0035】
なお、スクリーン38a,38b,38c,38d,38eは、この順に排出孔60のサイズが小さく、破砕木材の目標粒度が小さくなっている。例えばスクリーン38aの排出孔60は1インチ径の丸穴であり、木目細かい木材チップが要求される場合等に使用される。スクリーン38b,38c,38dの排出孔60は例えばそれぞれ1.5インチ、2インチ、3インチ径の丸穴であり、目標粒度に応じて適宜使い分けられる。スクリーン38eはスクリーン38dよりも排出孔60一つ当たりの開口面積が大きく、排出孔60を矩形に形成して格子状に並べることでスクリーン38eの総開口面積も大きくしている。スクリーン38eは、例えば被破砕木材を粗破砕する場合等に用いられる。また、スクリーン38a−38eにおいて、左右方向にほぼ等間隔で排出孔60の配置が避けられている部分があるが、これは枠型のスクリーンホルダ44により支持される部分であり、これら支持箇所を減じる場合はスクリーンプレート61の全体に排出孔60を配置可能である。
【0036】
図5は本実施の形態の木材破砕機に備えられた制御装置の機能ブロック図である。
【0037】
図5に示した制御装置70は、入力部71、ROM(記憶部)72、CPU73、出力部74、RAM75、及びタイマー76等を備えている。制御装置70への入力信号(操作盤58からの操作信号及び近接スイッチ65からの検出信号)は入力部71でディジタル信号に変換され、CPU73によりROM72に予め格納された制御手順プログラムや定数等に従って演算処理され、演算結果や演算途中の値はRAM75に適宜記憶される。CPU73の演算結果は、出力部74にてアナログ信号に変換及び増幅されて対応の作動装置類(排出コンベヤ3、送りコンベヤ12、破砕装置13、押圧フィーダ装置14等、厳密にはそれらの対応のコントロールバルブ)へ指令信号として出力される。これにより作動装置類は操作盤58からの操作信号に応じて任意に駆動されたり自動運転されたりする。
【0038】
ここで、上記ROM72には、排出孔60のサイズが異なるスクリーン38a−38eのそれぞれにつき、送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度を調整するフィーダ速度調整ダイヤル58Ea(図5)の操作量に対する送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度の関係を規定したマップを格納している。ROM72には、この他、このマップに従って送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度を自動変更するプログラムが予め格納されている。詳しくは図7−図12を用いて後述するが、スクリーン38a−38eの各排出孔60のサイズに対応付けられた送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度は特定の値ではなくそれぞれ範囲を持っており、排出孔60のサイズによって最大値及び最小値が異なる。勿論、範囲設定する必要がなければ排出孔60のサイズによって特定の駆動速度を割り当てることも可能である。制御装置70では、近接スイッチ65からの識別信号及びROM72に格納された先のマップを基に、CPU73によって送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度を変更する。
【0039】
図6は前述した操作盤58の外観構造を表す図である。
【0040】
図6に示すように、操作盤58には、表示部58A、入力部58B、緊急停止スイッチ58C、作動装置類の起動停止指示部58D、供給・破砕動作操作部58E、メインスイッチ58F、運転モード選択スイッチ58G、操作手段の選択スイッチ58H、警報ボタン58I、照明ボタン58J等が備えられている。表示部58Aは機体の稼動状況や各種データ、案内、メッセージ等を表示するもので、タッチパネル機能等によって各種入力操作も可能である。入力部58Bは、表示部58Aに表示された設定画面等においてカーソルの移動や選択・決定、ヘルプ画面の呼び出し等を行う。緊急停止スイッチ58Cは、緊急時に機体の各作動装置を即時的に停止させるスイッチである。メインスイッチ58Fは、電気系統のON/OFFやエンジンの始動等を操作する。運転モード選択スイッチ58Gは、走行操作を行う走行モード、破砕作業を行う作業モード、メンテナンスに設定するメンテナンスモードのいずれかを選択する。選択スイッチ58Hは、操作手段として当該操作盤58とリモコン(不図示)のいずれかを有効とするかを設定する。警報ボタン58Iは警報音を鳴らす指示を、照明ボタン58Jは照明の光量設定や消灯の指示をする。
【0041】
起動停止指示部58Dには、送りコンベヤ12の停止・正転方向起動・停止を各指示する停止ボタン58Da1・始動ボタン58Da2・逆転ボタン58Da3、押圧フィーダ装置14の停止・正転方向起動・逆転方向起動を各指示する停止ボタン58Db1・始動ボタン58Db2・逆転ボタン58Db3、破砕ロータ15の停止・正転方向起動・逆転方向起動を各支持する停止ボタン58Dc1・始動ボタン58Dc2・逆転ボタン58Dc3、排出コンベヤ3の起動・停止を各指示する始動ボタン58Dd1・停止ボタン58Dd2が配置されている。
【0042】
また、供給・破砕動作操作部58Eには、フィーダ(送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14)の正転方向の動作速度の調整用のフィーダ速度調整ダイヤル(フィーダ速度調整手段)58Ea、破砕ロータ15の正転方向の回転速度の調整用の破砕ロータ速度調整ダイヤル58Eb、押圧フィーダ装置14を上げ下げする油圧シリンダ29のロック/フリーの切り換え等を行うためのシリンダ動作切換スイッチ58Ecが配置されている。
【0043】
次に上記構成の本実施の形態の木材破砕機の動作を説明する。
【0044】
グラップル等の適宜の作業具を備えた重機(油圧ショベル等)等によってホッパ11内に被破砕木材を投入すると、被破砕木材が送りコンベヤ12の搬送ベルト17上に載置され、循環駆動する搬送ベルト17によって破砕装置13に向かって搬送される。被破砕木材が押圧フィーダ装置14付近まで搬送されると、押えローラ24が被破砕木材上に乗り上げ、押えローラ24の自重により被破砕木材が送りコンベヤ12の搬送面に押し付けられる格好となる。このようにして押えローラ24は、送りコンベヤ12との間に被破砕木材を挟持した状態で、送りコンベヤ12と協働して破砕室27へ被破砕木材を導入する。その際、被破砕木材は押圧ローラ24と送りコンベヤ12とに挟持された部分を支点に片持ち梁状に破砕室27内に向かって突出する。
【0045】
破砕室27内に突出した被破砕木材には高速回転する破砕ロータ15の破砕ビット36が下方から衝突し、これにより被破砕木材が粗破砕される。このように粗破砕されて破砕室27内に跳ね上げられた被破片はアンビル34に衝突し、その衝撃力によりさらに細かく破砕される。破砕片はその後も破砕ロータ15の回転に伴って破砕室27内を周回し、破砕ビット36、アンビル34、またスクリーン38等の破砕室27の内壁面等との衝突作用や剪断作用、すり潰し作用等を受けて破砕される。そして、周回する破砕片のうちスクリーン38の排出孔60を通過する大きさに細粒化されたものが順次スクリーン38を通過して破砕室27から排出される。破砕室27から排出された破砕木材は、排出コンベヤ3上に落下して排出コンベヤ3によって搬送され機外に排出される。
【0046】
ここで、スクリーン38は、破砕木材の目標粒度や被破砕木材の性状・大きさによって適宜交換される。本実施の形態においては、スクリーン38が交換された場合、上記のフィーダ速度調整ダイヤル58Eaによる送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度の調整可能範囲が、装着したスクリーン38に応じて制御装置70によって自動的に変更される。以下に制御装置70によるこの処理手順を説明する。
【0047】
図7はスクリーン38の種類による制限がない場合に出力可能な送りコンベヤ12の駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。ここでは送りコンベヤ12の駆動速度について説明するが、送りコンベヤ12と押圧フィーダ装置14は同期回転するので、押圧フィーダ装置14とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定の関係も同様である。
【0048】
図7では、送りコンベヤ12の定格速度b7の範囲においてフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に対して線形的に送りコンベヤ12の駆動速度が上昇するようになっている。そして速度0(ゼロ)から定格速度b7の間に幾つかの基準速度を設定する意味で、本実施の形態では例えば定格速度b7を7等分して速度b1−b6を設定している。図7の速度線では、例えば送りコンベヤ12の駆動速度をb2に設定する場合、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの目盛りを3付近のa2に設定する。
【0049】
スクリーン38の排出孔60のサイズが変わった場合、破砕室27からの破砕物の排出性も変化するので、破砕装置13の過負荷を回避するために排出孔60のサイズに応じて被破砕物の供給速度、すなわち送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度を調整することが望ましい。しかし図7の速度線では速度0から定格速度b7まで任意に設定可能であるため、スクリーン38の交換の度にオペレータがフィーダ速度調整ダイヤル58Eaを操作して適当に速度調整しなければならず不慣れなオペレータには難しい場合もあるし、不適当な速度にも設定され得る。本実施の形態では、先に説明したスクリーン38a−38eの使用時にそれぞれ適当な送りコンベヤ12の駆動速度の範囲を、b1−b3、b2−b4、b3−b5、b4−b6、b5−b7と想定したとする。
【0050】
図8は図4(a)に示したスクリーン38aがスクリーンホルダ44上に載置されたことが近接スイッチ65からの信号により認識された場合の送りコンベヤ12の駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【0051】
図8のマップでは、送りコンベヤ12の駆動速度の下限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=0)がb1、上限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=10)がb3に変更され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定を0から10まで操作すると送りコンベヤ12の駆動速度が下限値b1から上限値b3まで線形的に変化する。すなわち、図8の速度線では、速度0以上b1未満の範囲と速度b3より大きい範囲が送りコンベヤ12の調整可能な速度範囲から除外され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaで調整可能な送りコンベヤ12の駆動速度が速度範囲b1−b3に制限されている。速度範囲b1−b3の間では、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaによって送りコンベヤ12の駆動速度を任意に変更することができる。
【0052】
なお、先に触れた操作盤58の入力部58Bで適宜操作することで、スクリーン38aを使用時の送りコンベヤ12の最小値、最大値をb1,b3から変更できるように構成することも可能である。この場合、最小値及び最大値の無制限な設定変更を制限するためにパスワードを要求するようにして、限られた人物のみが設定変更できるようにすることも考えられる。
【0053】
図9は図4(b)に示したスクリーン38bがスクリーンホルダ44上に載置されたことが近接スイッチ65からの信号により認識された場合の送りコンベヤ12の駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【0054】
図9のマップでは、送りコンベヤ12の駆動速度の下限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=0)がb2、上限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=10)がb4に変更され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定を0から10まで操作すると送りコンベヤ12の駆動速度が下限値b2から上限値b4まで線形的に変化する。すなわち、図9の速度線では、速度0以上b2未満の範囲と速度b4より大きい範囲が送りコンベヤ12の調整可能な速度範囲から除外され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaで調整可能な送りコンベヤ12の駆動速度が速度範囲b2−b4に制限されている。速度範囲b2−b4の間では、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaによって送りコンベヤ12の駆動速度を任意に変更することができる。
【0055】
なお、先に触れた操作盤58の入力部58Bで適宜操作することで、スクリーン38bを使用時の送りコンベヤ12の最小値、最大値をb2,b4から変更できるように構成することも可能である。この場合、最小値及び最大値の無制限な設定変更を制限するためにパスワードを要求するようにして、限られた人物のみが設定変更できるようにすることも考えられる。
【0056】
図10は図4(c)に示したスクリーン38cがスクリーンホルダ44上に載置されたことが近接スイッチ65からの信号により認識された場合の送りコンベヤ12の駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【0057】
図10のマップでは、送りコンベヤ12の駆動速度の下限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=0)がb3、上限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=10)がb5に変更され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定を0から10まで操作すると送りコンベヤ12の駆動速度が下限値b3から上限値b5まで線形的に変化する。すなわち、図10の速度線では、速度0以上b3未満の範囲と速度b5より大きい範囲が送りコンベヤ12の調整可能な速度範囲から除外され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaで調整可能な送りコンベヤ12の駆動速度が速度範囲b3−b5に制限されている。速度範囲b3−b5の間では、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaによって送りコンベヤ12の駆動速度を任意に変更することができる。
【0058】
なお、先に触れた操作盤58の入力部58Bで適宜操作することで、スクリーン38cを使用時の送りコンベヤ12の最小値、最大値をb3,b5から変更できるように構成することも可能である。この場合、最小値及び最大値の無制限な設定変更を制限するためにパスワードを要求するようにして、限られた人物のみが設定変更できるようにすることも考えられる。
【0059】
図11は図4(d)に示したスクリーン38dがスクリーンホルダ44上に載置されたことが近接スイッチ65からの信号により認識された場合の送りコンベヤ12の駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【0060】
図11のマップでは、送りコンベヤ12の駆動速度の下限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=0)がb4、上限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=10)がb6に変更され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定を0から10まで操作すると送りコンベヤ12の駆動速度が下限値b4から上限値b6まで線形的に変化する。すなわち、図11の速度線では、速度0以上b4未満の範囲と速度b6より大きい範囲が送りコンベヤ12の調整可能な速度範囲から除外され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaで調整可能な送りコンベヤ12の駆動速度が速度範囲b4−b6に制限されている。速度範囲b4−b6の間では、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaによって送りコンベヤ12の駆動速度を任意に変更することができる。
【0061】
なお、先に触れた操作盤58の入力部58Bで適宜操作することで、スクリーン38dを使用時の送りコンベヤ12の最小値、最大値をb4,b6から変更できるように構成することも可能である。この場合、最小値及び最大値の無制限な設定変更を制限するためにパスワードを要求するようにして、限られた人物のみが設定変更できるようにすることも考えられる。
【0062】
図12は図4(e)に示したスクリーン38eがスクリーンホルダ44上に載置されたことが近接スイッチ65からの信号により認識された場合の送りコンベヤ12の駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【0063】
図12のマップでは、送りコンベヤ12の駆動速度の下限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=0)がb5、上限値(フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定=10)がb7に変更され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定を0から10まで操作すると送りコンベヤ12の駆動速度が下限値b5から上限値b7まで線形的に変化する。すなわち、図12の速度線では、速度0以上b5未満の範囲が送りコンベヤ12の調整可能な速度範囲から除外され、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaで調整可能な送りコンベヤ12の駆動速度が速度範囲b5以上に制限されている。速度範囲b5−b7の間では、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaによって送りコンベヤ12の駆動速度を任意に変更することができる。
【0064】
なお、先に触れた操作盤58の入力部58Bで適宜操作することで、スクリーン38eを使用時の送りコンベヤ12の最小値、最大値をb5,b7から変更できるように構成することも可能である。この場合、最小値及び最大値の無制限な設定変更を制限するためにパスワードを要求するようにして、限られた人物のみが設定変更できるようにすることも考えられる。
【0065】
図13は制御装置70による送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の速度設定の手順を表すフローチャートである。
【0066】
図13において、制御装置70は、まずステップS101−1において、設置されたのがスクリーン38a(排出孔が1インチ)かどうかを判定する。設置されたのがスクリーン38aであってステップS101−1の判定が満たされれば、ステップS101−2に手順を移してフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に対し図8のマップに従って送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14への指令値を演算する。設置されたのがスクリーン38aではなくステップS101−1の判定が満たされなければ、ステップS102−1に手順を移す。
【0067】
ステップS102−1に手順を移すと、制御装置70は、設置されたのがスクリーン38b(排出孔が1.5インチ)かどうかを判定する。設置されたのがスクリーン38bであってステップS102−1の判定が満たされれば、ステップS102−2に手順を移してフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に対し図9のマップに従って送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14への指令値を演算する。設置されたのがスクリーン38bではなくステップS102−1の判定が満たされなければ、ステップS103−1に手順を移す。
【0068】
ステップS103−1に手順を移すと、制御装置70は、設置されたのがスクリーン38c(排出孔が2インチ)かどうかを判定する。設置されたのがスクリーン38cであってステップS103−1の判定が満たされれば、ステップS103−2に手順を移してフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に対し図10のマップに従って送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14への指令値を演算する。設置されたのがスクリーン38cではなくステップS103−1の判定が満たされなければ、ステップS104−1に手順を移す。
【0069】
ステップS104−1に手順を移すと、制御装置70は、設置されたのがスクリーン38d(排出孔が3インチ)かどうかを判定する。設置されたのがスクリーン38dであってステップS104−1の判定が満たされれば、ステップS104−2に手順を移してフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に対し図11のマップに従って送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14への指令値を演算する。設置されたのがスクリーン38dではなくステップS104−1の判定が満たされなければ、ステップS105−1に手順を移す。
【0070】
ステップS105−1に手順を移すと、制御装置70は、設置されたのがスクリーン38e(粗破砕用)かどうかを判定する。設置されたのがスクリーン38eであってステップS105−1の判定が満たされれば、ステップS105−2に手順を移してフィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に対し図12のマップに従って送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14への指令値を演算する。設置されたのがスクリーン38eではなくステップS105−1の判定が満たされなければ、制御装置70は速度設定を行わずに図13の手順を終了する。
【0071】
制御装置70は以上の手順を繰り返し実行する。ステップS105−1の手順が満たされない場合、スクリーンが正しく設置されていない、設置されたのが予め登録されたスクリーンではない、或いはスクリーンホルダ44にスクリーンが設置されていない等の原因が考えられる。
【0072】
本実施の形態により得られる作用効果を順次説明する。
【0073】
(1)過負荷抑制
本実施の形態によれば、例えばスクリーン38aのような排出孔60が小さなスクリーンをスクリーンホルダ44に設置した場合、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に割り振られる送りコンベヤ12や押圧フィーダ装置14の駆動速度が低速となり、スクリーン38eのような排出孔60が大きなスクリーンをスクリーンホルダ44に設置した場合、フィーダ速度調整ダイヤル58Eaの設定に割り振られる送りコンベヤ12や押圧フィーダ装置14の駆動速度が高速となる。このように、スクリーン38を交換した場合に排出孔60のサイズに応じて送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度が自動調整されるので、排出孔60による排出性が変化しても破砕装置13が過負荷状態に陥ったり過度に負荷が減少したりすることを抑制することができる。
【0074】
(2)送り速度の設定ミスの抑制
スクリーン38の排出孔60のサイズによってフィーダ速度調整ダイヤル58Eaによって設定可能な送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度が自動的に制限されるので、例えば木材破砕機の運転条件を習熟していないオペレータが速度設定作業をする場合でも必要以上に速い速度や遅い速度には設定されず、ある程度妥当性の高い条件に設定される。単純な設定ミスの抑制の効果も得られる。
【0075】
(3)その他
上記のように破砕装置13の負荷状態を適正化することができるので、破砕効率の向上、燃費の向上、破砕装置13及びその周辺機器の損傷抑制、消耗部品(破アンビル34、砕ビット36、スクリーン38等)の交換時間延長等、様々な効果が期待できる。また、送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度の設定に要する時間が低減され、設定の際の破砕室27を除いてスクリーン種別を確認する必要もないので、それらの作業が省略される分だけオペレータが他の作業に費やすことができる時間を確保することができる。
【0076】
図14は本発明の第2の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた制御装置の機能ブロック図である。
【0077】
本実施の形態では、スクリーン38の排出孔60のサイズを手動で選択設定するスクリーン設定ダイヤル(スクリーン設定手段)58K(図15も参照)を近接スイッチ65の代わりに設けた例であり、制御装置70のCPU73によって、スクリーン設定ダイヤル58Kの設定及びROM72に予め格納されたマップを基に送りコンベヤ12及び押圧フィーダ装置14の駆動速度が変更される。本実施の形態の場合、近接スイッチ65が省略されるのでスクリーン38の認識部63も不要である。
【0078】
図15は本実施の形態にける操作盤58’の外観構造を表す図である。
【0079】
図15に示すように、本実施の形態では、スクリーン設定ダイヤル58Kの設定項目として「1」「1.5」「2」「3」「粗」の5つが用意されており、これらのいずれかを選択することで選択した設定が制御装置70に出力される。制御装置70では、操作盤58’から出力される信号を基にスクリーン設定ダイヤル58Kの設定が認識される。したがって、例えば1インチ穴のスクリーンをスクリーンホルダ44上に設置した場合にスクリーン設定ダイヤル58Kの設定を「1」に合わせるといった要領で、スクリーン交換の際に排出孔サイズに合わせてスクリーン設定ダイヤル58Kを操作することで制御装置70に現在のスクリーン種別を認識させることができる。
【0080】
その他の構成は第1の実施の形態と同様であり、制御装置70の制御手順も近接スイッチ65からの入力信号の代わりに操作盤58’からのスクリーン設定ダイヤル58Gの設定信号を基礎とする点を除いて第1の実施の形態と同様であって図13の手順をそのまま適用することができる。
【0081】
本実施の形態によっても、スクリーン38に合わせてスクリーン設定ダイヤル58Kを設定しておくことで、送りコンベヤ12や押圧フィーダ装置14の駆動速度を自動的に適正範囲に調整することができるので、第1の実施の形態とほぼ同様の効果が得られる。
【0082】
なお、以上の実施の形態においては、本発明を自力走行可能な木材破砕機に適用した場合を例にとって説明したが、これに限られず、牽引して走行可能な移動式木材破砕機、若しくは例えばクレーン等により吊り上げて運搬可能な可搬式木材破砕機、さらにはプラント等において固定機械として配置される定置式木材破砕機にも本発明は適用可能である。この場合も同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機の全体構造を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機の全体構造を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた破砕装置の近傍の詳細構造を示す透視側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機に取り付けられるスクリーンの構成例を表した図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた制御装置の機能ブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた操作盤の外観構造を表す図である。
【図7】スクリーンの種類による制限がない場合に出力可能な送りコンベヤの駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤルの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【図8】図4(a)に示したスクリーンが認識された場合の送りコンベヤの駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤルの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【図9】図4(b)に示したスクリーンが認識された場合の送りコンベヤの駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤルaの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【図10】図4(c)に示したスクリーンが認識された場合の送りコンベヤの駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤルの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【図11】図4(d)に示したスクリーンが認識された場合の送りコンベヤの駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤルの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【図12】図4(e)に示したスクリーンが認識された場合の送りコンベヤの駆動速度とフィーダ速度調整ダイヤルの設定との関係を規定したマップ(制御線)を表した図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた制御装置による送りコンベヤ及び押圧フィーダ装置の速度設定の手順を表すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた制御装置の機能ブロック図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る木材破砕機に備えられた操作盤の外観構造を表す図である。
【符号の説明】
【0084】
12 送りコンベヤ(フィーダ)
14 押圧フィーダ装置(フィーダ)
15 破砕ロータ
36 破砕ビット
38,38a−e スクリーン
44 スクリーンホルダ
58A 入力部
58Ea フィーダ速度調整ダイヤル
58K スクリーン設定ダイヤル(スクリーン設定手段)
60 排出孔
63 識別部
65 近接スイッチ(スクリーン識別センサ)
70 制御装置
72 ROM(記憶部)
73 CPU(指令演算部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周部に複数の破砕ビットを取り付けた破砕ロータと、前記破砕ロータに被破砕木材を供給するフィーダと、複数の排出孔を有し前記破砕ロータの外周面に対向して配置されたスクリーンと、前記スクリーンを着脱可能に支持するスクリーンホルダと、前記フィーダの駆動速度を制御する制御装置とを備えた木材破砕機において、
前記スクリーンは、排出孔のサイズが異なる複数種の中から選択されて設置され、
前記制御装置は、前記サイズの異なる複数種のスクリーン毎に、前記フィーダの駆動速度を調整するフィーダ速度調整手段の操作量に対する前記フィーダの駆動速度の関係を規定したマップを格納する記憶部と、前記フィーダ速度調整手段からの指令信号が入力されると、前記記憶部に格納された前記マップに従って前記フィーダの駆動速度を変更する指令演算部とを備えている
ことを特徴とする木材破砕機。
【請求項2】
請求項1の木材破砕機において、
前記スクリーンに設けられ、当該スクリーンの排出孔のサイズを識別するための識別部と、
前記スクリーンホルダに設けられ、前記識別部を検出して前記指令演算部に識別信号を出力するスクリーン識別センサとを備え、
前記指令演算部は、前記スクリーン識別センサからの識別信号を基に前記記憶部に格納された前記マップを選択する
ことを特徴とする木材破砕機。
【請求項3】
請求項1の木材破砕機において、
前記スクリーンの排出孔のサイズを手動で選択設定するスクリーン設定手段を更に備え、
前記指令演算部は、前記スクリーン設定手段による設定信号を基に前記記憶部に格納された前記マップを選択する
ことを特徴とする木材破砕機。
【請求項4】
請求項1−3のいずれかの木材破砕機において、前記フィーダの駆動速度の最大値及び最小値を変更する手段を更に備えたことを特徴とする木材破砕機。
【請求項1】
外周部に複数の破砕ビットを取り付けた破砕ロータと、前記破砕ロータに被破砕木材を供給するフィーダと、複数の排出孔を有し前記破砕ロータの外周面に対向して配置されたスクリーンと、前記スクリーンを着脱可能に支持するスクリーンホルダと、前記フィーダの駆動速度を制御する制御装置とを備えた木材破砕機において、
前記スクリーンは、排出孔のサイズが異なる複数種の中から選択されて設置され、
前記制御装置は、前記サイズの異なる複数種のスクリーン毎に、前記フィーダの駆動速度を調整するフィーダ速度調整手段の操作量に対する前記フィーダの駆動速度の関係を規定したマップを格納する記憶部と、前記フィーダ速度調整手段からの指令信号が入力されると、前記記憶部に格納された前記マップに従って前記フィーダの駆動速度を変更する指令演算部とを備えている
ことを特徴とする木材破砕機。
【請求項2】
請求項1の木材破砕機において、
前記スクリーンに設けられ、当該スクリーンの排出孔のサイズを識別するための識別部と、
前記スクリーンホルダに設けられ、前記識別部を検出して前記指令演算部に識別信号を出力するスクリーン識別センサとを備え、
前記指令演算部は、前記スクリーン識別センサからの識別信号を基に前記記憶部に格納された前記マップを選択する
ことを特徴とする木材破砕機。
【請求項3】
請求項1の木材破砕機において、
前記スクリーンの排出孔のサイズを手動で選択設定するスクリーン設定手段を更に備え、
前記指令演算部は、前記スクリーン設定手段による設定信号を基に前記記憶部に格納された前記マップを選択する
ことを特徴とする木材破砕機。
【請求項4】
請求項1−3のいずれかの木材破砕機において、前記フィーダの駆動速度の最大値及び最小値を変更する手段を更に備えたことを特徴とする木材破砕機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−155208(P2010−155208A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334863(P2008−334863)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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