説明

未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム

【課題】未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システムの提供。
【解決手段】メイン燃料電池110と、メイン燃料電池110に還元剤と酸化剤を供給する供給手段120と、メイン燃料電池110から排出された未反応物質をメイン燃料電池110に再循環させる再循環手段130と、前記メイン燃料電池110を構成する複数のセル電圧を検知する検知手段140と、前記メイン燃料電池110に選択的に連通してメイン燃料電池110の内部の水分及び不純物を除去する再生手段150と、前記メイン燃料電池110から排出された水分を前記メイン燃料電池110に供給する加湿手段175と、前記再生手段150の内部に残存する未反応物質を前記再生手段150に循環させて消耗する消耗手段200と、前記供給手段120、再循環手段130、検知手段140、再生手段150、加湿手段175及び消耗手段200の動作を制御する制御手段160とから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイン燃料電池から排出された未反応物質をメイン燃料電池に再循環させる再循環手段と、メイン燃料電池の運転中に発生する水分と再循環する物質中に含まれる不純物を除去するための再生手段と、前記再生手段の内部に残存する未反応物質中の燃料である還元剤を消耗するための消耗手段とを備え、未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池とは、燃料(LNG、LPG、水素、メタノールなど)である還元剤と酸化剤の反応により電気を生産し、同時に副産物として水と熱を発生するシステムであり、発電効率が高く、環境有害要素が除去された発電装置である。
【0003】
また、使用される電解質の種類によって、ポリマー電解質膜燃料電池(PEMFC)、直接メタノール燃料電池(DMFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩燃料電池(MCFC)、固体酸化物燃料電池(SOFC)などがある。
【0004】
このような燃料電池の種類のうち、PEMFC、PAFC、DMFCは、作動温度がそれぞれ約80〜120℃、約190〜200℃、約25〜90℃と低く、自動車などの輸送用や家庭用及び携帯用の電力源として活用可能性が高い。
【0005】
従って、これら燃料電池の商用化の早期実現及び拡大のために燃料電池システム全体の小型化、軽量化、低価格化などに研究の関心が集中している。
【0006】
しかし、燃料電池の内部では高電流領域における運転環境で反応物の生成が過剰になり、過剰な水分である液滴により触媒層へのガス供給及び高分子膜へのプロトン拡散が抑制されるので、燃料電池の性能低下が生じる。
【0007】
より深刻には、燃料電池内に存在する単位セル(cell)毎に均質でない水分布による一部のセルの性能低下のため、正常な運転が困難になるという問題が生じる。
【0008】
このように、燃料電池において発生する過剰な水分、すなわちフラッディング(flooding)は、反応効率の低下はもちろん燃料電池の安定した運転を困難にする要因となるので、前記過剰な水分を燃料電池外に排出することが必ず求められる。
【0009】
よって、韓国登録特許第10−0509818号公報には「燃料電池システムにおいて内部パージを行うための方法及び装置」が開示されている。
【0010】
このような従来技術を簡単に説明すると、複数のセルの電圧を検知し、フラッディング発生時にパージバルブと再循環ポンプを制御し、圧力差を利用してスタック内部の水分及びガス混合物をスタック外部に放出(purge)し、水分と分離したガスをスタックに再供給できるように構成される。
【0011】
しかし、このような従来技術には次のような問題がある。
【0012】
すなわち、燃料電池に供給される燃料の純度は100%にならないので、水分と分離したガスが燃料電池に再供給されても、結局は燃料電池の内部に不純物が溜まり、発電効率が低下する。
【0013】
また、燃料電池の内部で分離板及び電極を構成する炭素や、燃料電池を構成する周辺機器の金属イオン及び粒子などの不純物が溜まると、燃料電池の耐久性に徐々に影響を与えるのはもちろんであり、セル内部の電流漏洩を生じて燃料電池の寿命短縮又は破損を引き起こし、莫大な修理費が発生するというように好ましくない。
【0014】
また、従来技術を用いて燃料電池の内部のガスを再循環させて燃料電池から発生した水分を内部から除去しても、閉回路を構成しているので、結局は燃料電池に供給されるガスにより、再び燃料電池の内部に不純物が流入するので、燃料電池の性能及び耐久性を低下させる。
【0015】
さらに、内部パージが行われない一般の開放型燃料電池システムにおいては、反応せずに燃料電池から大気に排出された水素などの燃料の爆発危険性により、換気の悪い空間や密閉された空間での長時間稼動に注意を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0509818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記問題を解決する本発明は、メイン燃料電池から排出された未反応物質をメイン燃料電池に再循環させる再循環手段と、メイン燃料電池の運転中に発生する水分と不純物を除去するための再生手段と、再生手段の内部に残存する未反応燃料を消耗するための消耗手段とを備え、未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、メイン燃料電池に供給された燃料が大気に排出されないように構成された、未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明による未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システムは、還元剤と酸化剤を反応させて電気を生産するメイン燃料電池と、前記メイン燃料電池に還元剤と酸化剤を含む物質を供給する供給手段と、前記メイン燃料電池から排出された未反応物質をメイン燃料電池に再循環させる再循環手段と、前記メイン燃料電池を構成する複数のセル(cell)の電圧を検知する検知手段と、前記メイン燃料電池の一側に選択的に連通してメイン燃料電池の内部の水分及び不純物を除去する再生手段と、前記メイン燃料電池から排出された水分を前記メイン燃料電池に供給する加湿手段と、前記再生手段の内部に残存する未反応物質を前記再生手段に循環させて消耗する消耗手段と、前記供給手段、再循環手段、検知手段、再生手段、加湿手段及び消耗手段の動作を制御する制御手段とから構成されることを特徴とする。
【0019】
前記再生手段は、前記メイン燃料電池から提供された未反応物質である還元剤及び酸化剤を反応させて発電する犠牲燃料電池を含むことを特徴とする。
【0020】
前記消耗手段は、前記犠牲燃料電池を経た未反応物質を犠牲燃料電池に再循環させることを特徴とする。
【0021】
前記消耗手段は、前記犠牲燃料電池で生成された電気を蓄電又は消滅させて犠牲燃料電池の内部の燃料が消耗するようにする消耗器と、前記犠牲燃料電池から排出された未反応物質及び不純物を犠牲燃料電池に案内する回収管と、前記回収管から分岐されて犠牲燃料電池の内部を選択的に開放するパージ管と、前記犠牲燃料電池の内部の圧力を測定する圧力計と、前記消耗器の一側で犠牲燃料電池から発生した電流量を測定する電流計とから構成されることを特徴とする。
【0022】
前記回収管の一側には、前記犠牲燃料電池から吐出された水を貯蔵する集水部が備えられることを特徴とする。
【0023】
前記再生手段は、反応せずに前記メイン燃料電池から排出された物質の流動速度を変化させ、前記パージ管を介してメイン燃料電池の内部の水分及び不純物を排出することを特徴とする。
【0024】
前記再生手段は、前記メイン燃料電池を経た未反応物質の流動方向を案内する再生用管と、前記再生用管を選択的に遮断する再生用バルブと、前記再生用管から提供された未反応物質を反応させて水を生成する犠牲燃料電池と、前記犠牲燃料電池の内部に酸化剤の流入を案内する酸化剤流入管と、前記犠牲燃料電池から発生した水を集水する集水部とから構成されることを特徴とする。
【0025】
前記再循環手段は、前記メイン燃料電池から排出された未反応物質から水を分離する気体液体分離器と、前記気体液体分離器で水が除去された未反応物質をメイン燃料電池に案内する再循環管と、前記再循環管の内部の未反応物質の流れを強制する再循環ポンプとから構成されることを特徴とする。
【0026】
前記回収管の一側には、前記犠牲燃料電池の内部の未反応物質の流動を強制する回収ポンプが備えられることを特徴とする。
【0027】
前記回収ポンプは、前記メイン燃料電池と犠牲燃料電池の内部が断絶されているときに動作することを特徴とする。
【0028】
前記犠牲燃料電池は、メイン燃料電池より小さい発電量を有し、選択的に交換されることを特徴とする。
【0029】
前記パージ管は、圧力計で測定される犠牲燃料電池の内部の圧力が設定圧力より高いと選択的に開放されることを特徴とする。
【0030】
前記パージ管は、犠牲燃料電池から発生した電流が0に近接し、犠牲燃料電池の内部の圧力が増加すると、選択的に開放されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
前述したとおり、本発明による未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システムにおいては、メイン燃料電池から排出された未反応物質をメイン燃料電池に再循環させる再循環手段と、メイン燃料電池の発電効率が低くなると内部の水分及び不純物を除去する再生手段と、再生手段の内部に残存する未反応物質である還元剤を消耗する消耗手段とが備えられる。
【0032】
従って、燃料効率が最大化し、再生手段の作用によりメイン燃料電池の発電効率が最大化するという利点がある。
【0033】
また、本発明においては、再生手段に備えられた犠牲燃料電池を選択的に交換可能に構成している。
【0034】
従って、メイン燃料電池の発電効率が低下すると選択的に再生して発電効率を向上させるので、メイン燃料電池の耐久性を向上させることができるという利点がある。
【0035】
また、犠牲燃料電池を選択的に交換可能に構成することにより、メイン燃料電池のメンテナンスが容易になり、犠牲燃料電池の整備性が向上するという利点がある。
【0036】
また、消耗手段を利用して再生手段に未反応状態で残ることもある還元剤を全て消耗できるので、爆発などの事故を未然に防止し、安全性を向上させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による開放型燃料電池システムの構成図である。
【図2】本発明による開放型燃料電池システムの一構成である消耗手段の構成図である。
【図3】本発明による開放型燃料電池システムの一構成である再循環手段の動作時の還元剤(水素)及び酸化剤(空気)の流れ方向を示す使用状態図である。
【図4】本発明による開放型燃料電池システムにおける再生手段の動作時の還元剤及び酸化剤の流れ方向を示す使用状態図である。
【図5】本発明による開放型燃料電池システムの一構成である消耗手段の動作時の未反応物質である還元剤及び水を含む不純物の流れ方向を示す使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付図面を参照して本発明による未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システムの構成を説明する。
【0039】
また、本発明の実施形態においては、酸化剤として酸素を含む空気を適用し、還元剤として水素を適用して説明する。
【0040】
図1は本発明による開放型燃料電池システムの構成図である。
【0041】
開放型燃料電池システム100は、自動車などのように大気に露出した空間で使用される装置に適用可能なシステムであり、水素と空気を供給して発電し、水分と空気を吐出するように構成される。
【0042】
従って、メイン燃料電池110としては、燃料である酸化剤(酸素)と還元剤(水素)が供給されて電気を生産できるものであれば、様々な燃料電池を選択的に適用することができる。
【0043】
同図のように、開放型燃料電池システム100は、酸化剤と還元剤を反応させて電気を生産するシステムであり、還元剤としては燃料である水素(H)を適用し、酸化剤としては酸素を含む空気を適用した。
【0044】
また、開放型燃料電池システム100は、電気を生産する際に消耗されずに排出された還元剤及び酸化剤を含む未反応物質を再循環させて電気を発生し、発生する電気は蓄電又は熱として消耗して未反応物質が完全に除去されるように構成される。
【0045】
このために、前記開放型燃料電池システムは、水素と空気中の酸素を反応させて電気を生産するメイン燃料電池110と、メイン燃料電池110に水素と空気を供給する供給手段120と、メイン燃料電池110から排出された未反応水素を含む物質をメイン燃料電池110に再循環させる再循環手段130と、メイン燃料電池110を構成する複数のセル(cell)の電圧を検知する検知手段140と、メイン燃料電池110の一側に選択的に連通してメイン燃料電池110の内部の水分及び不純物を除去する再生手段150と、メイン燃料電池110から排出された空気中の水分をメイン燃料電池110に供給する加湿手段175と、再生手段150の内部に残存する水素を再生手段150に循環させて消耗する消耗手段200と、供給手段120、再循環手段130、検知手段140、再生手段150、加湿手段175及び消耗手段200の動作を制御する制御手段160とから構成される。
【0046】
供給手段120は、メイン燃料電池110に水素と酸素を含む気体を供給するための構成であり、本発明の一実施形態においては、水素を保管して選択的に供給する燃料タンク124と、メイン燃料電池110の内部に外部空気を供給するための空気供給器126とから構成される。
【0047】
空気供給器126は、送風機(air blower)や空気圧縮機(air compressor)が適用され、外部空気を吸入してメイン燃料電池110に強く供給する。
【0048】
このような開放型燃料電池システム100は、自動車のように外部に開放された状態で使用される装置に設置された場合に適用することができ、空気供給器126により供給される空気はメイン燃料電池110の内部に供給されて酸素のみ反応し、残りの気体はメイン燃料電池110の外部に排出される。
【0049】
燃料タンク124と空気供給器126は加湿器170に連通し、加湿器170はメイン燃料電池110の内部に連通する。従って、燃料タンク124と空気供給器126の内部の水素及び空気は、加湿器170を経て加湿され、メイン燃料電池110の内部に供給される。
【0050】
加湿器170はメイン燃料電池110の内部に供給される燃料(H)及び空気が好ましく反応できるようにする構成であり、空気供給器126に連結された加湿器170の下側には第1排気部172が備えられる。
【0051】
第1排気部172は、加湿手段175により加湿器170の内部に流入した湿った空気が加湿器170を経て外部に吐出されるようにする構成である。
【0052】
メイン燃料電池110の上側には検知手段140が備えられる。検知手段140は、メイン燃料電池110を構成する複数のセル(cell)の電圧を検知するための構成である。
【0053】
すなわち、メイン燃料電池110は、複数のセルを積層して高い電圧を発生するように構成されるが、このような複数のセルは長時間使用するとセル内で発生する水分の量及び電流密度の変化により異なる電圧を発生し、セル間の偏差が発生する。
【0054】
従って、メイン燃料電池110を運転する際にも水分の量及び電流密度の変化を測定して事前に診断するために検知手段140が備えられる。
【0055】
検知手段140の右側には再循環手段130が備えられる。再循環手段130は、メイン燃料電池110の内部で反応せずに排出される水素をメイン燃料電池110に再循環させて燃料の利用率を最大化するための構成である。
【0056】
このために、再循環手段130は、メイン燃料電池110の内部で酸素と水素の反応により生成された水と、水素を含む未反応物質(気体状態)とを分離する気体液体分離器131と、気体液体分離器131により水素を多量に含むように分離した物質をメイン燃料電池110に案内する再循環管133と、再循環管133の内部の気体の流れを強制する再循環ポンプ137とから構成される。
【0057】
再循環手段130は、気体液体分離器131の内部と加湿器170の先端に両端部が連通するように設置されており、メイン燃料電池110から排出された未反応物質(水素及び他の不純物)を再びメイン燃料電池110に再循環させることができる。
【0058】
再循環管133の一側にはチェックバルブ153が備えられる。チェックバルブ153は、燃料タンク124に供給される還元剤(水素)が再循環管133に流入しないように遮断する役割を果たすものであり、再循環ポンプ137によりメイン燃料電池110の前端に供給される再循環ガス(水素)が加湿器170の内部に流入できるように強制する。
【0059】
一方、様々な変更を加えてもチェックバルブ153の役割を果たせるように構成することができる。
【0060】
すなわち、再循環管133からチェックバルブ153を除去し、燃料タンク124と加湿器170間を連結する部位と、チェックバルブ153が位置する部位の太さが異なるようにし、毛細管現象により燃料タンク124から供給される水素の流入を遮断することができる。
【0061】
より具体的には、チェックバルブ153が位置する部位の管の太さをより細く構成し、燃料タンク124が右方向に燃料を供給する際に毛細管現象が発生するようにしてチェックバルブ153の役割を果たすことができ、メイン燃料電池110に気体の流れを誘導して再循環機能を代替するように構成することができる。
【0062】
また、気体液体分離器131の下側にはドレイン部190が備えられる。ドレイン部190は、メイン燃料電池110から吐出された水が気体液体分離器131の内部で適正水位以上に増えると水貯蔵タンク180に水が吐出されるように案内する構成である。
【0063】
このために、ドレイン部190は、気体液体分離器131の内部と水貯蔵タンク180の内部が連通するようにするドレイン管192と、ドレイン管192の内部を選択的に遮断するためのドレインバルブ194とから構成される。
【0064】
従って、ドレインバルブ194の開閉によって気体液体分離器131の内部の水がドレイン管192を介して水貯蔵タンク180に流入することにより、気体液体分離器131の内部の水位は一定に維持される。
【0065】
再循環手段130の右側には再生手段150が備えられる。再生手段150は、検知手段140により検知されたメイン燃料電池110の複数のセルの電圧が設定電圧より低い場合、再循環管133に流入した気体を瞬間的に迂回させることによりメイン燃料電池110の内部の不純物が外部に排出されるようにする構成である。
【0066】
このために、再生手段150は再循環手段130を経た未反応物質の流動方向を案内する再生用管152と、再生用管152を選択的に遮断する再生用バルブ154と、再生用管152から提供された還元剤(水素)を空気と内部で反応させて水を生成する犠牲燃料電池156と、犠牲燃料電池156から発生した水を集水する集水部158とから構成される。
【0067】
再生用管152は、再循環管133の一側から分岐されて犠牲燃料電池156の内部に連通するものであり、再生用バルブ154の動作により気体の流動を案内する。
【0068】
従って、犠牲燃料電池156は、再生用バルブ154の開放時にメイン燃料電池110から吐出された未反応物質(水素)が供給される。
【0069】
犠牲燃料電池156は、その名のとおりメイン燃料電池110が内部の水分により性能が低下したり、不純物を排出する際に選択的に動作するものであり、メイン燃料電池110より小さい発電量を有し、選択的に交換可能に構成される。
【0070】
すなわち、犠牲燃料電池156は、未反応物質の水素及び空気が供給されて発電し、電気の流れを案内する一対の電極の一側には短絡スイッチ220が備えられて選択的に接続される。短絡スイッチ220は、後述する消耗手段200の一構成であり、メイン燃料電池110の内部から吐出された未反応物質のうち燃料である水素は短絡スイッチ220の接続により犠牲燃料電池156の内部で消耗して水になり、その他の不純物は犠牲燃料電池156の内部に溜まる。
【0071】
また、犠牲燃料電池156内では供給された未反応燃料を電気接続により水に変換すると共に、不純物を吸着及び捕集する。従って、犠牲燃料電池156は、メイン燃料電池110の耐久性向上のために供給される燃料である還元剤中の微量の不純物及び密閉型燃料電池システム内の不純物を捕集する機能を果たす。
【0072】
よって、犠牲燃料電池156は、メイン燃料電池110を保護して耐久性を向上させるが、苛酷な環境条件に置かれるので、場合によっては周期的に交換される。
【0073】
一方、検知手段140、再循環ポンプ137、再生用バルブ154、短絡スイッチ220などは、制御手段160により動作が制御される。
【0074】
すなわち、制御手段160は、複数のセルの各電圧の少なくとも1つが予め設定された電圧より低い場合は再生手段150を動作させ、正常な電圧の場合は再循環手段130を動作させる。
【0075】
より詳細には、再循環ポンプ137を動作させ、再生用バルブ154は遮断し、短絡スイッチ220はoffにした状態で再循環手段130を動作させる。
【0076】
逆に、再生用バルブ154を遮断し、再循環ポンプ137が停止状態を維持して所定時間が経過すると、再循環管133の内部の圧力は増加する。ここで、再生用バルブ154を作動させて再生用管152を開放し、短絡スイッチ220はonにし、再生手段150を動作させる。
【0077】
それ以外にも、制御手段160は、気体液体分離器131の内部の水位に応じてドレインバルブ194を選択的に開放し、水位を調節するように構成される。
【0078】
前述したように、気体液体分離器131の内部はドレイン管192により水貯蔵タンク180に選択的に連通し、メイン燃料電池110の一側に備えられた排水路112によりメイン燃料電池110と水貯蔵タンク180の内部は連通する。
【0079】
また、集水部158の内部も水貯蔵タンク180の内部に連通する。すなわち、集水部158の左側には集水部158の内部の水位を調節するための水位調節管182及び調節バルブ184が備えられる。
【0080】
水位調節管182は、両端部が集水部158と水貯蔵タンク180の内部にそれぞれ連通するように連結され、調節バルブ184は水位調節管182の内部を選択的に遮断する。
【0081】
従って、調節バルブ184を開放するか否かに応じて、集水部158の内部の水は水貯蔵タンク180の内部に流入して保管される。
【0082】
これにより、メイン燃料電池110の内部の水、気体液体分離器131の内部の水、及び集水部158の内部の水は、全て水貯蔵タンク180の内部に流入して保管され、密閉された空間の内部に設置できるようになる。
【0083】
一方、メイン燃料電池110の内部で酸化剤である空気が流動する流路に連通する気体液体分離器131の右側には酸化剤流入管151が備えられる。
【0084】
酸化剤流入管151は、気体液体分離器131から排出された空気(酸化剤)が犠牲燃料電池156の内部に流入するように案内する構成である。
【0085】
すなわち、再生用管152が犠牲燃料電池156の内部に水素を供給するように、酸化剤流入管151は反応せずにメイン燃料電池110から排出された酸化剤を含む未反応物質を犠牲燃料電池156に供給して還元剤と反応させる構成である。
【0086】
従って、酸化剤流入管151は、再生用管152と同様に選択的に開放され、犠牲燃料電池156を利用してメイン燃料電池110が再生できるようにし、このために酸化剤流入管151には選択的に開放できるように流入遮断バルブ155が備えられる。
【0087】
犠牲燃料電池156の一側には第2排気部159が備えられる。第2排気部159は、反応せずに犠牲燃料電池156の内部から排出される物質中の酸化剤である空気を外部に排気するための構成であり、前述した第1排気部172と類似した役割を果たす。
【0088】
すなわち、第1排気部172は、加湿器170の内部を経た酸化剤である空気がメイン燃料電池110、加湿用管176、加湿制御バルブ177を介して再び加湿器170の内部に流入し、水分交換をして外部に吐出される過程であり、第2排気部159は、加湿器170の内部を経た物質中の酸化剤である空気がメイン燃料電池110を経て、流入遮断バルブ155により開放された酸化剤流入管151を経て犠牲燃料電池156の内部を経た酸化剤である空気を排気するための構成である。
【0089】
従って、第1排気部172と第2排気部159は選択的に動作させることができ、より具体的には、第1排気部172は加湿手段175の動作時に排気し、第2排気部159は酸化剤流入管151の開放時に排気する。
【0090】
すなわち、加湿手段175は、気体液体分離器131から排出された湿った空気を加湿器170に案内する加湿用管176と、加湿用管176を選択的に遮断する加湿制御バルブ177とから構成される。
【0091】
一方、犠牲燃料電池156の周囲には本発明の要部構成である消耗手段200が備えられる。消耗手段200は、犠牲燃料電池156の内部に供給された還元剤(水素)と酸化剤(酸素を含む空気)の中には水にならずに未反応還元剤として残るものがあるが、このような未反応物質を再び犠牲燃料電池156の内部に再流入させて反応させることにより、燃料である水素が全て消耗できるようにする役割を果たす。
【0092】
また、消耗手段200は、未反応水素が犠牲燃料電池156の内部に循環するようにする過程で蓄電できるように構成される。
【0093】
また、消耗手段200は、未反応水素が犠牲燃料電池156の内部に循環しても電流を発生しなかったり、犠牲燃料電池156の内部の圧力が設定圧力以上であるときに、犠牲燃料電池156の内部の異物を排出(purge)する役割も同時に果たす。
【0094】
図2を参照して消耗手段200の構成をより詳細に説明する。
【0095】
図2は本発明による開放型燃料電池システムの一構成である消耗手段200の構成図である。
【0096】
同図のように、消耗手段200は、犠牲燃料電池156で生成された電気を蓄電又は消滅させて犠牲燃料電池156の内部の燃料が消耗するようにする消耗器210と、前述した短絡スイッチ220と、犠牲燃料電池156から排出された未反応物質及び不純物などを犠牲燃料電池156に案内する回収管230と、回収管230から分岐されて犠牲燃料電池156の内部を選択的に開放するパージ管240と、犠牲燃料電池156の内部の圧力を測定する圧力計250と、消耗器210の一側で犠牲燃料電池156から発生した電流量を測定する電流計260とから構成される。
【0097】
消耗器210は、犠牲燃料電池156の内部に未反応物質及び空気が供給される際に、犠牲燃料電池156の内部の未反応物質中の水素(還元剤)を消耗させることにより発生する電流を蓄電又は熱として消耗させ、犠牲燃料電池156から発生する電流を0に近接させる構成である。
【0098】
このために、消耗器210は、犠牲燃料電池156の電極に接続された短絡スイッチ220が備えられ、短絡スイッチ220の上側には電流計260が位置する。
【0099】
また、短絡スイッチ220は、消耗部212と蓄電器214に選択的に連結され、蓄電器214は蓄電スイッチ216により犠牲燃料電池156に選択的に連結する。
【0100】
回収管230は、犠牲燃料電池156から吐出される水と未反応物質の移送方向を案内するものであり、集水部158を経て犠牲燃料電池156の入口部に連結される。
【0101】
従って、犠牲燃料電池156から吐出された水と未反応物質中の水は集水部に集水され、未反応物質は回収管230を介して犠牲燃料電池156の内部に流入して再反応する。
【0102】
回収管230の一側には圧力計250が備えられて犠牲燃料電池156の内部の圧力を測定し、集水部158の右側(パージ管240の左側)にはパージバルブ232が備えられてパージ管240を選択的に開放し、回収管230の一側には回収ポンプ270が備えられる。
【0103】
従って、パージバルブ232が開放されるとパージ管240を介して犠牲燃料電池156の内部の不純物及び水分を外部に排出でき、パージバルブ232が遮断されると回収ポンプ270の動作により回収管230の内部に未反応物質の循環が可能になる。
【0104】
回収ポンプ270は、犠牲燃料電池156の内部の未反応物質を再び犠牲燃料電池156の内部に強制流入するための構成であり、回収管230の内部に連通するように設置されて気体の流動を強制する。
【0105】
パージ管240は、回収管230の一側から分岐されたものであり、犠牲燃料電池156の内部に未反応物質が増加して発電作用が不可能になると選択的に開放される。
【0106】
すなわち、パージ管240は、消耗手段200の作用により犠牲燃料電池156の内部の未反応ガスが循環して消耗しているときには遮断された状態を維持する。しかし、犠牲燃料電池156の内部に存在する物質のうち、発電に使用されない空気中の窒素ガスなどは犠牲燃料電池156の内部に留まっている状態でもよい。
【0107】
一実施形態として、犠牲燃料電池156の内部で消耗手段200の作用により未反応物質中の燃料が消耗する際に、高分子膜を通過した未反応物質中にある、燃料として使用できない他の物質により犠牲燃料電池156の内部の圧力が高くなると、圧力計250で測定される圧力は増加するが、電流計260で測定される電流は0に近接する。この場合は、選択的にパージ管240を開放すると残留物質を排出させることができる。
【0108】
他の実施形態として、犠牲燃料電池156の内部の不純物及び水分を短時間で外部に排出するために、パージ管240は、再生用バルブ154、流入遮断バルブ155及びパージバルブ232と同時に開放され、メイン燃料電池110から高い圧力の酸化剤である空気と還元剤である燃料が提供されることにより、犠牲燃料電池156の内部に溜まっている水分、不純物及び物質(窒素など)を排出(purge)できるようにする。
【0109】
以下、図3の矢印を参照して開放型燃料電池システム100が動作して電気を生成する過程を説明する。
【0110】
図3は本発明による開放型燃料電池システムの一構成である再循環手段の動作時の還元剤である燃料と酸化剤である空気の流れ方向を示す使用状態図である。
【0111】
同図のように、開放型燃料電池システム100が発電するために、供給手段120は還元剤である水素と酸化剤である空気を加湿器170に供給する。メイン燃料電池110は、加湿器170を通過して加湿された空気と燃料(H)の供給を受けて発電する。
【0112】
また、メイン燃料電池110において、未反応物質は気体液体分離器131を通過して再循環管133を介して流動し、未反応の湿った空気は気体液体分離器131を通過して加湿器170の内部に流入し、空気に湿気が加えられて第1排気部172を介して外部に排気される。
【0113】
ここで、再生用バルブ154は再生用管152を遮断して気体の流入を遮断し、流入遮断バルブ155は酸化剤流入管151を遮断して空気の流入を遮断し、検知手段140はメイン燃料電池110を構成する複数のセルの電圧を継続して測定する。また、短絡スイッチ220はoffになっている。
【0114】
従って、前述したような再循環手段130の作用により、供給される燃料のリサイクル率は最大化される。
【0115】
以下、図4を参照して、検知手段140により検知された複数のセルの各電圧の少なくとも1つが予め設定された電圧より低く、再生手段150が動作する場合の気体の流れを説明する。
【0116】
図4は本発明による開放型燃料電池システムにおける再生手段の動作時の燃料及び空気の流れ方向を示す使用状態図である。
【0117】
同図のように、メイン燃料電池110の発電効率が低くなると再生手段150が動作し、メイン燃料電池110の発電効率及び耐久性を向上させる。
【0118】
このために、制御手段160は、再生用バルブ154を開放して圧力差によりメイン燃料電池110の内部の水分を気体液体分離器131に排出させると共に、犠牲燃料電池156に未反応物質及び不純物を供給する。
【0119】
ここで、短絡スイッチ220をonにして犠牲燃料電池156内で未反応の燃料及び酸化剤である空気中の酸素を反応させることにより水に変換させ、パージ管240は遮断された状態である。
【0120】
従って、犠牲燃料電池156は発電し、犠牲燃料電池156は内部に水を生成する。
【0121】
犠牲燃料電池156の内部で生成された水は、集水部158に流入して保管され、調節バルブ184の選択的開放により水貯蔵タンク180に流入できるようになる。
【0122】
また、犠牲燃料電池156において未反応の酸化剤として作用する空気は第2排気部159を介して外部に排気され、パージバルブ232はパージ管240を遮断した状態となる。
【0123】
前述した作用により、メイン燃料電池110の内部の水、不純物などは犠牲燃料電池156の内部に溜まるので、メイン燃料電池110の内部には不純物が減少し、結果的に耐久性が向上する。
【0124】
また、犠牲燃料電池156は還元剤である燃料を全て反応させて水を生成するので、外部に燃料を排出しなくなる。
【0125】
一方、犠牲燃料電池156を利用して未反応の物質中の燃料と空気を反応させてメイン燃料電池110を再生すると、犠牲燃料電池156の内部には水が生成され、この水と不純物は犠牲燃料電池156内の電極反応サイトを塞ぎ、未反応物質中の燃料が空気と反応しなくなって滞る。
【0126】
このような水分と不純物は、犠牲燃料電池156の内部に溜まって未反応物質と空気の反応が円滑に起こらないように妨害する。
【0127】
このような問題を解決するために、消耗手段200の回収ポンプ270を動作させて水素の流動性を向上させ、犠牲燃料電池156内の電極反応サイトを塞いでいる水分と不純物を移動させることにより、未反応物質中の燃料が電極反応に関与できるようにする。
【0128】
また、消耗手段200を動作させると、犠牲燃料電池156の内部の未反応物質中の燃料を完全に消耗させることができる。
【0129】
すなわち、消耗手段200を動作させると、犠牲燃料電池156の内部の電極反応サイトを塞いでいる固着した水分及び不純物が移動できるように、回収ポンプ270を利用して犠牲燃料電池156の内部の未反応物質を再び犠牲燃料電池156の内部に再流入させることにより、犠牲燃料電池156内の電極の反応性を向上させ、未反応物質中の燃料と空気を反応させて燃料を完全に消耗することができる。
【0130】
以下、図5の矢印を参照して消耗手段200の作用を説明する。
【0131】
図5は本発明による開放型燃料電池システムの一構成である消耗手段200の動作時の未反応物質の流れ方向を示す使用状態図である。
【0132】
同図のように、消耗手段200を利用して犠牲燃料電池156の内部の未反応物質中の燃料を消耗するには、未反応物質と水分及び不純物を吐出する過程と、気体液体分離器131を経て吐出物から水分を多量に除去した未反応物質のみ犠牲燃料電池156に再供給して消耗する過程とを経る。
【0133】
このような作用のために、再生用バルブ154と流入遮断バルブ155を遮断し、パージバルブ232も遮断した状態で、回収ポンプ270を動作させる。
【0134】
回収ポンプ270の動作により、犠牲燃料電池156の内部に残存する未反応物質、不純物及び水は回収管230を移動し、集水部158を経て水分及び不純物は多量に除去され、未反応物質が再び犠牲燃料電池156の内部に流入する。
【0135】
ここで、犠牲燃料電池156の内部は不純物と水が一部除去された状態であるので、空気と反応し、消耗器210は発生した電気を蓄電又は消耗させる。
【0136】
すなわち、同図のように、短絡スイッチ220と蓄電スイッチ216を「on」にすると、犠牲燃料電池156の内部で発生した電気は蓄電器214の内部に蓄電される。
【0137】
逆に、短絡スイッチ220は「on」状態のままで、蓄電スイッチ216を「off」状態にすると、蓄電器214には蓄電されず、消耗部212により消耗する。本発明の実施形態において、消耗部212には抵抗を適用することができる。
【0138】
一方、圧力計250で測定される犠牲燃料電池156の内部の圧力が、犠牲燃料電池156の内部に残存する窒素ガスなどの気体が溜まることにより設定圧より高くなり、電流計260で測定される電流値が0に近づくと、犠牲燃料電池156の内部に未反応物質及び空気が供給されても、未反応ガス中の燃料はほぼ消耗しているので、犠牲燃料電池156の反応性は低くなる。
【0139】
従って、メイン燃料電池110の再生率をさらに向上させるために、犠牲燃料電池156の内部に溜まった異物や不純物などを外部に排出しなければならない。
【0140】
このためにパージ管240が開放される。より具体的には、圧力計250の圧力が増加して犠牲燃料電池156の内部で反応が進まなくなった場合、電流計260で測定される電流値が0に近づき、犠牲燃料電池156の内部の未反応物質中に燃料がほぼ消耗している状態であるので、パージ管240がパージバルブ232により開放されると、内部に溜まったガス及び不純物を外部に排出させることができる。
【0141】
また、パージ管240の末端部にはチェックバルブが備えられているので、パージ管240の外部の物質は内部に流入しない。
【0142】
一方、犠牲燃料電池156の内部に溜まったガス及び不純物を短時間で外部に排出する場合は、再生用バルブ154、流入遮断バルブ155及びパージバルブ232を開放し、第2排気部159も同時に開放する。
【0143】
このような本発明の範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、当業界の通常の技術者であれば当該技術範囲において本発明に基づいた他の様々な変形が可能であろう。
【符号の説明】
【0144】
100 開放型燃料電池システム 110 メイン燃料電池
112 排水路 120 供給手段
124 燃料タンク 126 空気供給器
130 再循環手段 131 気体液体分離器
133 再循環管 137 再循環ポンプ
140 検知手段 150 再生手段
151 酸化剤流入管 152 再生用管
153 チェックバルブ 154 再生用バルブ
155 流入遮断バルブ 156 犠牲燃料電池
158 集水部 159 第2排気部
160 制御手段 170 加湿器
172 第1排気部 175 加湿手段
176 加湿用管 177 加湿制御バルブ
180 水貯蔵タンク 182 水位調節管
184 調節バルブ 190 ドレイン部
192 ドレイン管 194 ドレインバルブ
200 消耗手段 210 消耗器
212 消耗部 214 蓄電器
216 蓄電スイッチ 220 短絡スイッチ
230 回収管 232 パージバルブ
240 パージ管 250 圧力計
260 電流計 270 回収ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
還元剤と酸化剤を反応させて電気を生産するメイン燃料電池と、
前記メイン燃料電池に還元剤と酸化剤を含む物質を供給する供給手段と、
前記メイン燃料電池から排出された未反応物質をメイン燃料電池に再循環させる再循環手段と、
前記メイン燃料電池を構成する複数のセル(cell)の電圧を検知する検知手段と、
前記メイン燃料電池の一側に選択的に連通してメイン燃料電池の内部の水分及び不純物を除去する再生手段と、
前記メイン燃料電池から排出された水分を前記メイン燃料電池に供給する加湿手段と、
前記再生手段の内部に残存する未反応物質を前記再生手段に循環させて消耗する消耗手段と、
前記供給手段、再循環手段、検知手段、再生手段、加湿手段及び消耗手段の動作を制御する制御手段とから構成されることを特徴とする未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム。
【請求項2】
前記再生手段は、
前記メイン燃料電池から提供された未反応物質である還元剤及び酸化剤を反応させて発電する犠牲燃料電池を含むことを特徴とする請求項1に記載の未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム。
【請求項3】
前記消耗手段は、
前記犠牲燃料電池を経た未反応物質を犠牲燃料電池に再循環させることを特徴とする請求項2に記載の未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム。
【請求項4】
前記消耗手段は、
前記犠牲燃料電池で生成された電気を蓄電又は消滅させて犠牲燃料電池の内部の燃料が消耗するようにする消耗器と、
前記犠牲燃料電池から排出された未反応物質及び不純物を犠牲燃料電池に案内する回収管と、
前記回収管から分岐されて犠牲燃料電池の内部を選択的に開放するパージ管と、
前記犠牲燃料電池の内部の圧力を測定する圧力計と、
前記消耗器の一側で犠牲燃料電池から発生した電流量を測定する電流計とから構成されることを特徴とする請求項2に記載の未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム。
【請求項5】
前記回収管の一側には、
前記犠牲燃料電池から吐出された水を貯蔵する集水部が備えられることを特徴とする請求項4に記載の未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム。
【請求項6】
前記再生手段は、
反応せずに前記メイン燃料電池から排出された物質の流動速度を変化させ、前記パージ管を介してメイン燃料電池の内部の水分及び不純物を排出することを特徴とする請求項4に記載の未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム。
【請求項7】
前記再生手段は、
前記メイン燃料電池を経た未反応物質の流動方向を案内する再生用管と、
前記再生用管を選択的に遮断する再生用バルブと、
前記再生用管から提供された未反応物質を反応させて水を生成する犠牲燃料電池と、
前記犠牲燃料電池の内部に酸化剤の流入を案内する酸化剤流入管と、
前記犠牲燃料電池から発生した水を集水する集水部とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム。
【請求項8】
前記再循環手段は、
前記メイン燃料電池から排出された未反応物質から水を分離する気体液体分離器と、
前記気体液体分離器で水が除去された未反応物質をメイン燃料電池に案内する再循環管と、
前記再循環管の内部の未反応物質の流れを強制する再循環ポンプとから構成されることを特徴とする請求項1に記載の未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム。
【請求項9】
前記回収管の一側には、
前記犠牲燃料電池の内部の未反応物質の流動を強制する回収ポンプが備えられることを特徴とする請求項4に記載の未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム。
【請求項10】
前記回収ポンプは、
前記メイン燃料電池と犠牲燃料電池の内部が断絶されているときに動作することを特徴とする請求項9に記載の未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム。
【請求項11】
前記犠牲燃料電池は、メイン燃料電池より小さい発電量を有し、選択的に交換されることを特徴とする請求項7に記載の未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム。
【請求項12】
前記パージ管は、圧力計で測定される犠牲燃料電池の内部の圧力が設定圧より高いと選択的に開放されることを特徴とする請求項4に記載の未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム。
【請求項13】
前記パージ管は、犠牲燃料電池から発生した電流が0に近接し、犠牲燃料電池の内部の圧力が増加すると、選択的に開放されることを特徴とする請求項4に記載の未反応物質除去機能を有する開放型燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−249321(P2011−249321A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95483(P2011−95483)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(508312452)コリア インスティチュート オブ マシナリー アンド マテリアルズ (4)
【Fターム(参考)】