説明

杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造

【課題】 工場での生産性を向上でき、しかも施工性も優れる杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造を提供すること。
【解決手段】 環状の嵌合固定部12と環状の凸形シール部13とを備える弾性体のシール部材11と、これとは別体の固定用部材15とを用いてシール構造10を構成する。
これにより、工場では、弾性体のシール部材11と金属製の固定用部材15とを別々に製作でき、効率よく製作することで、生産性を高めるようにする。
また、施工の際には、弾性体のシール部材11を鞘管2に取り付けた後、固定用部材15で挟むようにして溶接すれば良く、簡単に取り付けることができ、施工性を高めるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造に関し、生産性を向上できるとともに、施工性も向上できるようにしたもので、弾性体のシール材部分と取付固定のための金属の固定用部材部分を別体として製造し、簡単に取り付けができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
例えば人工島や橋台等の構造物を構築する際の基礎部分として、構造物の一部をなすよう鋼管又はコンクリート等からなる鞘管を取り付けておき、この鞘管内に鋼管又はコンクリート等からなる杭を挿入して地中に打設した後、鞘管と杭との間の空間にグラウトを充填することにより杭と鞘管とを一体的に結合固定することが行われており、鞘管の下端部において鞘管と杭の隙間からグラウトが外部に流出することを防止するためのシール構造が設けられる。
【0003】
従来から鞘管と杭の隙間からグラウトが流出することを防止するためのシール構造については種々提案されている。
【0004】
例えば特許文献1には、図7(a)に示すように、ゴム等の弾性体により形成された断面形状がL字状の環状のシール材1の外周面に鞘管2に溶接固定するための鋼管などの短筒状の固定部材3が一体にされており、鞘管2の下端部に装着して固定部材3を溶接することでシール構造が施工され、シール材1が下側に弾性変形して先端が杭4の外面に圧接してシールするように構成されている。
【0005】
また、特許文献2には、図7(b)に示すように、シール材5の断面形状が異なるものが開示され、環状のベース部5aと、ベース部5aから突き出した環状の突出部5bと、突出部5bの先端から上方に傾斜した環状の傾斜部5cとを一体にして成形され、さらにベース部5aの外周面に鋼管などの固定部材3が一体にされている。
【特許文献1】特開平09−88050号公報
【特許文献2】特開2005−68712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来のシール構造では、弾性体のシール部材1,5と、これを鞘管2に取り付けるための金属製の環状の固定部材3とを工場にて一体に成形したものが用いられているため、製作工程が多く、生産性が低いという問題がある。
【0007】
また、施工に際しても環状の固定部材ごと鞘管に取り付けなければならず、作業性が悪く、簡単に施工できないという問題がある。
【0008】
この発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたもので、工場での生産性を向上でき、しかも施工性も優れる杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためこの発明の請求項1記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造は、杭とその外側に配置される鞘管との間隙に注入されるグラウトの流出を防止してシールするシール構造であって、鞘管の内周面に嵌合される環状の嵌合固定部と、この嵌合固定部と一体に形成されて杭外周面側に突き出し当該杭外周面に圧接される環状の凸形シール部とを備えて弾性体のシール部材を構成し、このシール部材の嵌合固定部を、前記鞘管との間に挟んで溶接される固定用部材で取り付けてなることを特徴とするものである。
【0010】
この杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造によれば、杭とその外側に配置される鞘管との間隙に注入されるグラウトの流出を防止してシールするシール構造で、鞘管の内周面に嵌合される環状の嵌合固定部と、この嵌合固定部と一体に形成されて杭外周面側に突き出し当該杭外周面に圧接される環状の凸形シール部とを備えて弾性体のシール部材を構成し、このシール部材の嵌合固定部を、前記鞘管との間に挟んで溶接される固定用部材で取り付けるようにしており、環状の嵌合固定部と環状の凸形シール部とを備える弾性体のシール部材と、これとは別体の固定用部材とを用いることで、工場では、弾性体のシール部材と金属製の固定用部材とを別々に製作でき、効率よく製作でき、生産性を高めることができるようになり、施工の際には、弾性体のシール部材を鞘管に取り付けた後、固定用部材で挟むようにして溶接すれば良く、簡単に取り付けることができ、施工性を高めることができるようになる。
【0011】
また、この発明の請求項2記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造は、請求項1記載の構成に加え、前記凸形シール部を中空状に形成してなることを特徴とするものである。
【0012】
この杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造によれば、前記凸形シール部を中空状に形成してあり、これまでのリップ型のものを押し付けてシール性を確保するものに比べ、安定した押し付け力を確保してシールできるようになる。
【0013】
さらに、この発明の請求項3記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造は、請求項1または2記載の構成に加え、前記固定用部材を、円周方向に複数に分割して構成したことを特徴とするものである。
【0014】
この杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造によれば、前記固定用部材を、円周方向に複数に分割して構成してあり、鞘管への取り付けが容易となるとともに、密着性を向上でき、溶接による固定も簡単にでき、施工性を向上できるようになる。
【0015】
また、この発明の請求項4記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造は、請求項1〜3のいずれかに記載構成に加え、前記シール部材の嵌合固定部に、補強用部材を設けたことを特徴とするものである。
【0016】
この杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造によれば、前記シール部材の嵌合固定部に、補強用部材を設けるようにしており、補強用部材で伸びを抑えることができ、一層確実に固定できるようになる。
【0017】
さらに、この発明の請求項5記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造は、請求項2〜4のいずれかに記載の構成に加え、前記中空状のシール部材の前記間隙の上部に開口させてグラウトを流入させる連通穴を設けたことを特徴とするものである。
【0018】
この杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造によれば、前記中空状のシール部材の前記間隙の上部に開口させてグラウトを流入させる連通穴を設けるようにしており、シール部材の圧縮反力に加え、グラウトの注入圧力を利用してシール性を向上させ、一層グラウトの流出を防止できるようになる。
【0019】
また、この発明の請求項6記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造は、請求項1〜5のいずれかに記載の構成に加え、前記杭を設置し、この杭の外周に打ち込まれる前記鞘管の前記シール部材でこれら杭と鞘管との間隙に注入されるグラウトの流出を防止してシールするようにしたことを特徴とするものである。
【0020】
この杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造によれば、前記杭を設置し、この杭の外周に打ち込まれる前記鞘管の前記シール部材でこれら杭と鞘管との間隙に注入されるグラウトの流出を防止してシールするようにしており、通常の鞘管を設置した後、杭を打設する場合のシールだけでなく、杭を先に打ち込んだ後、後で鞘管を吊り落す場合のシールもシール構造を上下逆にすることで、簡単にできるようにしている。
【発明の効果】
【0021】
この発明の請求項1記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造によれば、杭とその外側に配置される鞘管との間隙に注入されるグラウトの流出を防止してシールするシール構造で、鞘管の内周面に嵌合される環状の嵌合固定部と、この嵌合固定部と一体に形成されて杭外周面側に突き出し当該杭外周面に圧接される環状の凸形シール部とを備えて弾性体のシール部材を構成し、このシール部材の嵌合固定部を、前記鞘管との間に挟んで溶接される固定用部材で取り付けるようにしたので、環状の嵌合固定部と環状の凸形シール部とを備える弾性体のシール部材と、これとは別体の固定用部材とを用いることで、工場では、弾性体のシール部材と金属製の固定用部材とを別々に製作でき、効率よく製作することで、生産性を高めることができる。
【0022】
また、施工の際には、弾性体のシール部材を鞘管に取り付けた後、固定用部材で挟むようにして溶接すれば良く、簡単に取り付けることができ、施工性を高めることができる。
【0023】
また、この発明の請求項2記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造によれば、前記凸形シール部を中空状に形成したので、これまでのリップ型のものを押し付けてシール性を確保するものに比べ、安定した押し付け力を確保してシールすることができる。
【0024】
さらに、この発明の請求項3記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造によれば、前記固定用部材を、円周方向に複数に分割して構成したので、鞘管への取り付けが容易となるとともに、密着性を向上でき、溶接による固定も簡単にでき、施工性を一層向上することができる。
【0025】
また、この発明の請求項4記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造によれば、前記シール部材の嵌合固定部に、補強用部材を設けるようにしたので、補強用部材で伸びを抑えることができ、一層確実に固定することができる。
【0026】
さらに、この発明の請求項5記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造によれば、前記中空状のシール部材の前記間隙の上部に開口させてグラウトを流入させる連通穴を設けるようにしたので、シール部材の圧縮反力に加え、グラウトの注入圧力を利用してシール性を向上させることができ、一層グラウトの流出を防止することができる。
【0027】
また、この発明の請求項6記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造によれば、前記杭を設置し、この杭の外周に打ち込まれる前記鞘管の前記シール部材でこれら杭と鞘管との間隙に注入されるグラウトの流出を防止してシールするようにしたので、通常の鞘管を設置した後、杭を打設する場合のシールだけでなく、杭を先に打ち込んだ後、後で鞘管を吊り落す場合のシールもシール構造を上下逆にすることで、簡単に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1および図2はこの発明の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造の一実施の形態にかかり、図1(a),(b)は分解して示す概略斜視図および一部を切り欠いて示す概略斜視図、図2(a)は横断面図、同図(b)は(a)中のB−B断面図、同図(c)は、シール状態の横断面図である。
【0029】
この杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造10は、ゴムや合成樹脂などの弾性体の環状のシール部材11と、これを鞘管2に取り付けるための固定用部材15とを別体として、それぞれを工場で製作し、施工現場でシール部材11を装着した後、固定用部材15で押えて溶接して固定することで施工できるようにしたものである。
【0030】
このシール部材11は、鞘管2の内周面に嵌合される環状の嵌合固定部12と、この嵌合固定部12と一体に形成されて杭4の外周面側に突き出して当該杭4の外周面に圧接される環状の凸形シール部13とを備えて弾性体で構成されている。
【0031】
そして、シール部材11の環状の嵌合固定部12には、固定用部材15が入る取付溝12aが上端面側および内周面側に開口して形成してあり、取付溝12aが形成されない下方の環状の平面部12bと同一面となるような溝深さとされ、これにより、取付溝12aの円周方向両側の帯状部12cが内周面側に突き出した形状となっている。
【0032】
また、シール部材11の凸形シール部13は、略3角形状の中空状とされて内周面側に突き出すように形成され、鞘管2と接する外周部13aが嵌合固定部12の外周面と同一面となるように形成され、この外周部13aの肉厚が最も薄く、上部傾斜部13b、下部傾斜部13cの順に肉厚を厚くしてあり、このように肉厚を変えることで、杭4に圧接される弾性変形状態で大きな押し付け反力が発生してシールできるようにしてある。
さらに、シール部材11には、鞘管2との密着シール性を高めるため、図3(a),(b)に示すように、外周面に突出して環状のリップ部12dを1条あるいは、複数条(図示例では、3条)一体に形成するようにしても良く、このリップ部12dによって一層シール性を高めることができる。
【0033】
また、シール部材11に、図3(c)に示すように、嵌合固定部12およびその下方部分に伸びを防止して強固に固定できるようにするため補強用部材14を設け、例えば補強布を挟み込むように埋設する等で補強するようにしても良く、施工性を向上することもできる。なお、補強部材としては、補強布に限らず、不織布、金網など他の補強用部材を用いるようにしても良い。
【0034】
次に、シール部材11を鞘管に固定する固定用部材15は、鋼材などの金属製とされ、シール部材11の取付溝12aおよびその両側の帯状部12cの下端面と平面部12bの内周面とに当てられる円弧状の帯状当て板部15aを備え、環状のシール部材11に対して円周方向に複数に分割され、例えば4分割された円弧状に形成される。
【0035】
固定用部材15の各帯状当て板部15aには、シール部材11の取付溝12aに嵌る溝嵌合部15bと、この溝嵌合部15bの外周側に溶接されシール部材11の嵌合固定部12の上端面および鞘管2の表面に当てられる溶接固定部15cとが環状のシール部材11に対して円周等間隔に複数個、図示例ではそれぞれの帯状当て板部15aに3個ずつ、合計12個設けてある。
【0036】
したがって、この杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造10では、この固定用部材15を用い、鞘管2の内周面に合わせて取り付けた環状のシール部材11の内周面側から4つに分割された固定用部材15を当て、溝嵌合部15bを取付溝12aに嵌めるようにしてシール部材11を鞘管2と固定用部材15で挟み、鞘管2の内周面に当てられた溶接固定部15cを鞘管2に溶接して固定することで施工することができる。
【0037】
なお、この杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造10を施工した後のガイドプレート16の取り付け(図2(c)参照)、杭4の打設、その後のグラウトの注入などは、これまでと同様に施工すれば良く、その説明は省略する。
【0038】
このような杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造10によれば、シール部材11と、これを溶接固定する固定用部材15とを別々に製作することができ、これまでの一体としたものに比べ、製作が容易であり、生産性を向上することができる。
【0039】
また、施工の際には、弾性体のシール部材11を鞘管2に合わせて装着すれば良く、これまでの固定部材が一体とされたシール材に比べ、その弾性を利用して簡単に装着することができ、施工性が向上する。
【0040】
さらに、固定用部材15を分割構造とすることで、簡単に位置合わせをして溶接固定することができ、固定のための施工も容易となり、一層施工性を向上できる。
【0041】
また、この杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造10によれば、シール部材11の凸形シール部13を中空状としたので、これまでのリップ型のシール部に比べ、杭4に圧接される弾性変形状態で大きな反力を生じさせることができ、グラウト注入による重量などが加わっても安定したシール性を確保することができる。
【0042】
さらに、この杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造10によれば、解体する場合には、弾性体のシール部材11と金属製の固定用部材15とを簡単に分離することができ、鞘管2の再利用も簡単にできる。
【0043】
また、この杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造10によれば、シール部材11の内周側から固定用部材15で押えて固定するようにしているので、これまでのシール材の外周側に固定部材を取り付けたものと比較して鞘管2の内周側への突出し高さを低くすることができ、これによって杭4を打設する場合のガイドとする円周等間隔に複数ヶ所(例えば6〜8ヶ所)に取り付けるガイドプレート16の突出し高さも低くすることができ、杭4との隙間が大きくなり、杭4の打設時の施工も容易となる。
【0044】
次ぎに、この発明の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造10Aでは、図4に示すように、鞘管2と杭4との間隙をシールするシール部材11の中空部13dに連通する連通穴13eをシール状態で間隙の上方に開口するよう上部傾斜部13bに形成してある。
【0045】
このような連通穴13eをシール部材11の中空部13dに間隙上部に開口させて形成することで、グラウトを注入すると、連通穴13eからグラウトが中空部13d流入し、シール部材11の圧縮反力に加えてグラウトの注入圧力が加わり、シール性が向上し、グラウトの流出を一層防止することができる。
【0046】
また、この発明の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造10Bでは、これまでのガイドプレート16を独立して鞘管2に取り付ける場合に替えて、図5に示すように、固定用部材15の溶接固定部(15c)の厚さをガイドプレート(16)として必要な厚さまで厚くして、ガイド兼用溶接固定部15dとするようにしている。
【0047】
これにより、部品点数を削減して一層構造を簡素化することができるとともに、施工を容易にすることができる。
【0048】
さらに、この発明の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造10Cでは、上記の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造10,10A、10Bのように、通常、鞘管2を先に設置した後、杭4を打設し、これら杭4と鞘管2との間隙に注入されるグラウトの流出を防止してシールする場合に替え、図6に示すように、いわゆる杭先打ち工法(鞘管吊り落し施工方法)の場合にも適用することができる。
【0049】
すなわち、この杭先打ち工法では、杭4を先に打ち込んだ後、鞘管2にシール構造を上下逆にして、シール部材11の凸形シール部13を上方にするとともに、嵌合固定部12を下方になるように配置し、固定用部材15を嵌合固定部12のさらに下方に配置して溶接するようにし、この状態で鞘管2を吊り落す場合のシールも行うことができ、上下の配置を逆にするだけで簡単に対応することができる。
【0050】
また、この杭先打ち工法でもガイドプレート16に変え、ガイド兼用溶接固定部15dを用いることもできる。シール部材11の間隙の上方となる下部傾斜部13cに連通穴13eを形成して中空部13dに連通させてグラウトの注入圧力を利用してシール性を向上するようにすることもできる。
【0051】
なお、上記各実施の形態では、固定用部材を円周方向に4つに分割する場合を例に説明したが、分割個数はこれに限るものでない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造の一実施の形態にかかる分解して示す概略斜視図および一部を切り欠いて示す概略斜視図である。
【図2】この発明の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造の一実施の形態にかかり、(a)は横断面図、(b)は(a)中のB−B断面図、(c)は、シール状態の横断面図である。
【図3】この発明の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造の他の一実施の形態にかかるそれぞれシール部材のみの端面図である。
【図4】この発明の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造のさらに他の一実施の形態にかかり、(a)はシール部材の断面図、(b)は、シール状態の横断面図である。
【図5】この発明の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造の他の一実施の形態にかかり、(a)は横断面図、(b)は部分拡大断面図である。
【図6】この発明の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造を杭先打ち工法に適用した一実施の形態にかかり、(a)は横断面図、(b)はシール状態の横断面図である。
【図7】従来の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造の横断面図である。
【符号の説明】
【0053】
2 鞘管
4 杭
10 杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造
10A 杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造
11 シール部材
12 嵌合固定部
12a 取付溝
12b 平面部
12c 帯状部
12d リップ部
13 凸形シール部
13a 外周部
13b 上部傾斜部
13c 下部傾斜部
13d 中空部
13e 連通穴
14 補強用部材
15 固定用部材
15a 帯状当て板部
15b 溝嵌合部
15c 溶接固定部
15d ガイド兼用溶接固定部
16 ガイドプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭とその外側に配置される鞘管との間隙に注入されるグラウトの流出を防止してシールするシール構造であって、
鞘管の内周面に嵌合される環状の嵌合固定部と、この嵌合固定部と一体に形成されて杭外周面側に突き出し当該杭外周面に圧接される環状の凸形シール部とを備えて弾性体のシール部材を構成し、
このシール部材の嵌合固定部を、前記鞘管との間に挟んで溶接される固定用部材で取り付けてなることを特徴とする杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造。
【請求項2】
前記凸形シール部を中空状に形成してなることを特徴とする請求項1記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造。
【請求項3】
前記固定用部材を、円周方向に複数に分割して構成したことを特徴とする請求項1または2記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造。
【請求項4】
前記シール部材の嵌合固定部に、補強用部材を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造。
【請求項5】
前記中空状のシール部材の前記間隙の上部に開口させてグラウトを流入させる連通穴を設けたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造。
【請求項6】
前記杭を設置し、この杭の外周に打ち込まれる前記鞘管の前記シール部材でこれら杭と鞘管との間隙に注入されるグラウトの流出を防止してシールするようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の杭と鞘管間のグラウト流出防止用シール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−266896(P2008−266896A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107864(P2007−107864)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(000196624)西武ポリマ化成株式会社 (60)
【Fターム(参考)】