説明

板材表面のパターン成形方法及び前記方法で成形されたパターン成形板材

【課題】箪笥などのドアとして使われる開閉板材の表面にホットフィックスの飾りパターンを成形することができ、生産性を向上させ、未熟練の作業者であっても複雑なパターンを容易に成形することができ、製造期間が短縮され、高級化が可能なパターン成形板材を提供する。
【解決手段】板材表面のパターン成形方法であって、複数のホットフィックス10を所定の形状に配置する段階、その形状を維持しながらホットフィックス10のドーム部10cに粘着テープ11を粘着させて反対形状に配列する段階、前記粘着テープ11上に粘着されたホットフィックスパターン部100のホットフィックス10の接着層10bを薄板12に配置し、前記薄板12上に熱を加えて薄板12上に付着する段階、前記薄板12の裏面に接着剤を塗布して開閉板材13上に付着する段階、及び前記薄板12が付着された開閉板材13を表面処理する段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は板材表面のパターン成形方法及び前記方法で成形されたパターン成形板材に係り、より詳しくは、箪笥や洋箪笥または流し台のドアのように内部を開閉する部分に設置された開閉板材が付着されて使われる開閉板材の表面にホットフィックスを付着して高級な飾りパターンを形成することで、高級製品に認識されるようにするのはもちろんのこと、複雑な形状の飾りパターンであってもそのパターンの成形が非常に容易で迅速になされて労動生産性が向上するとともに、安価で高級製品を供給することが可能であり、木材、合成樹脂または金属板材にもパターンの形成が非常に容易になる板材表面のパターン成形方法及び前記方法で成形されたパターン成形板材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、家庭で使われる高級な箪笥は、多くの螺鈿が多様な形状に加工されて付着された螺鈿飾り箪笥が高価の箪笥に認められている。このような螺鈿飾り箪笥の表面に飾られる部分は螺鈿飾り箪笥の開閉板材の表面に複雑な飾りパターンが成形されており、このような開閉板材の表面に付着された飾りパターンの精巧さまたは投入労動力の程度によって螺鈿飾り箪笥の価格が決まる。
【0003】
しかし、このような螺鈿飾り箪笥の開閉板材上にパターンを形成することは多大な人力が入らなければならない労動集約的であるのはもちろんのこと、多くの螺鈿を所望の形状に加工することもやっぱり熟練または多大な労動力を必要とするものであるので、長年の時間にわたって製造され、製造コストが高くなり、このような高価の製品を購入することができる消費者は極めて限定されているという問題点があった。
【0004】
そして、螺鈿飾り箪笥だけではなく、一般の流し台のドアまたは引き出しの開閉板材も特別な形状のパターンなしに単純な形状を提供するものが一般的な製造方法であり、飾りパターンを形成するためには、別途の転写紙に付着されたパターン板を流し台のドア、引き出しまたは箪笥の表面に付着して飾り効果を付与しているが、このような転写紙を用いたパターンは一定時間が経てば変色したり、はげるたりするようになり、むしろ製品の価値を半減させることになる問題点があった。
【0005】
また、ホットフィックスは高価の衣類に付着されてきらめく反射体として使われるもので、このようなホットフィックスは直径1mmから10mm以上のものも使われるが、一般的に、ホットフィックスはアルミニウム板やアクリル板を約5mmの円形やその他の楕円形や直四角形などの多様な形状に打ち抜きし、このように打ち抜きされたアルミニウム板の上部に反射層を形成し、下部には接着層を形成し、反射層にエポキシ樹脂を提供してドーム部に製造している。このように製造された多数のホットフィックスを一定の文字または図形にホットフィックスパターン板を形成し、このように一定の形状に配置されたホットフィックスパターン板を衣類に付着することで、照明や光線の照射時にきらめく反射効果が発生するので、有名芸能人や富裕層向けの高価な衣類に主に使われている。このようなホットフィックスパターン板は初期には単純な単色の文字や絵の形状から始めて発展し続けて現在には5種以上の色相に5種以上の大きさに竜や他の形状のマークあるいはさまざまな形状に成形されるにつれて、多様な色相が使われ、複雑で大きなパターン板の形状に発展しているが、高価の衣類にだけ使われるため、一般の消費者向けや他の用途には使われることができなく、顧客が高収入の消費者にだけ限定されるようになる問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、このような問題点を解決するためになされたもので、箪笥や洋箪笥、流し台または机などにおいて、ドアとして使われる開閉板材の表面にホットフィックスの飾りパターンを成形することができるようになり、複雑な飾りパターンも容易に成形して労動生産性が向上するのはもちろんのこと、未熟練の作業者であっても複雑なパターンを容易に成形することができるようになり、製造期間が短縮され、製品の高級化が可能になり、製品の高級化に比べて安価で製造することが可能な板材表面のパターン成形方法及び前記方法で成形されたパターン成形板材を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような本発明の目的は、複数のホットフィックスが所定の形状に配置されるようにホットフィックスを配列する段階、前記ホットフィックスが所望の形状に配列されたホットフィックスパターン部を維持しながらホットフィックスパターン部のドーム部に粘着テープを粘着させて反対形状に配列する段階、前記粘着テープ上に粘着されたホットフィックスパターン部のホットフィックス接着層を木材のような薄板に配置し、前記薄板上に熱を加えてホットフィックスの接着層を薄板上に付着してホットフィックスパターン部を薄板上に付着する段階、このようにホットフィックスパターン部が付着された薄板の裏面に接着剤を塗布して開閉板材上に付着する段階、このように薄板が付着された開閉板材を表面処理する段階を含む本発明による板材表面のパターン成形方法によって達成される。
【0008】
このような本発明の目的は、前記のような板材表面のパターン成形方法によって製造され、板材と、前記板材上に接着された薄板と、前記薄板上に接着された所望の形状に配置されたホットフィックスパターン部とを含んでなる本発明によるパターン成形板材によって達成される。
【0009】
このような本発明の目的は、薄板と、前記薄板上に接着された所望の形状に配置されたホットフィックスパターン部とを含んでなる本発明によるパターン成形薄板によって達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明による板材表面のパターン成形方法及び前記方法で成形されたパターン成形板材は、複数のホットフィックスが所定の形状に配置されるようにホットフィックスを配列する段階、前記ホットフィックスの配列形状であるホットフィックスパターン部を維持しながらホットフィックスパターン部のドーム部に粘着テープを粘着させて反対形状に配列する段階、前記粘着テープ上に粘着されたホットフィックスパターン部のホットフィックス接着層を木材のような薄板に配置し、前記薄板上に熱を加えることで、ホットフィックスの接着層を薄板上に付着してホットフィックスパターン部を薄板上に付着する段階、このようにホットフィックスパターン部が付着された薄板の裏面に接着剤を塗布して開閉板材上に付着する段階、及びこのように薄板が付着された開閉板材を表面処理する段階を含む板材表面のパターン成形方法、及び前記のような板材表面のパターン成形方法によって製造された本発明によるパターン成形板材を提供することにより、箪笥、洋箪笥、流し台または机のドアとして使われる開閉板材の表面にホットフィックスの飾りパターンが成形できるので、複雑な飾りパターンも容易に成形可能で労動生産性が向上するのはもちろんのこと、未熟練の作業者でも複雑なパターンを容易に成形することができ、製造期間が短縮され、製品の高級化が可能になり、安価で速かに製造することが可能であるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施例による板材表面のパターン成形方法を示す工程図である。
【図2】ホットフィックスの縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施例による板材表面のパターン成形方法によって製造されたパターン成形板材の斜視図である。
【図4a】薄板上に付着されたホットフィックスパターン部の第1実施例を撮影したされた写真である。
【図4b】薄板上に付着されたホットフィックスパターン部の第2実施例を撮影した写真である。
【図5】ホットフィックスパターン部が粘着テープ上に粘着された状態を撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1実施例による板材表面のパターン成形方法は、図1に示すように、複数のホットフィックス10が所定の形状に配置されるようにホットフィックスを配列してホットフィックスパターン部を形成する段階(1)、前記ホットフィックスの配列形状であるホットフィックスパターン部を維持しながらホットフィックスパターン部のドーム部に粘着テープを粘着させて反対形状に配列する粘着段階(2)、前記粘着テープ上に粘着されたホットフィックスパターン部のホットフィックス接着層を木材のような薄板に配置し、前記薄板上に熱を加えてホットフィックスの接着層を薄板上に付着してホットフィックスパターン部を薄板上に付着する段階(3)、このようにホットフィックスパターン部が付着された薄板の裏面に接着剤を塗布して開閉板材上に付着する段階(4)、及びこのように薄板が付着された開閉板材を表面処理する段階(5)を含む。
【0013】
前記ホットフィックス10は直径1mmから10mm以上のものも使われるが、一般的に、ホットフィックスはアルミニウム板やアクリル板を約5mmの円形や他の形状である楕円形、直四角形などの多様な形状に打ち抜きさせ、このように打ち抜きされたアルミニウム板の上部に反射層10aを形成し、下部には接着層10bを形成し、反射層10aにエポキシ樹脂を提供してドーム部10cに製造されたものが使われたが(図2に図示)、これに制限されるものではなく、エポキシ樹脂ではない類似のポリプロピレンのような樹脂が使われたものも本発明の範囲に含まれる。
【0014】
前記接着層10bとしてはホットメルトが使われる。このようなホットメルトは約130℃に加熱されれば溶融するが常温では硬化する接着剤である。すなわち、ホットメルトが加熱されるときに溶融して薄板12上に接着され、常温では硬化した状態で薄板12上に付着されるものである。このようなホットメルトの外にも、常温で硬化し、加熱されれば溶融する他の接着剤も使用可能であろう。
【0015】
前記粘着テープ11は一般的に使われる幅6cm以上の透明なビニルテープが使われたが、このような幅の大きさは制限されなく、それより大きいか小さいことが可能であろう。前記粘着テープ11は、ホットフィックスパターン部100の接着がまともになされたかを確認するために、透明または半透明の粘着テープを使うことが好ましい。前記粘着テープ11の‘粘着’は‘接着’とは区別されるもので、‘粘着’はホットフィックス10のホットフィックスパターン部100の形状のみを維持して、脱着時にもホットフィックス10の外形に変化がない程度の低い付着力を持つようにするもので、ホットフィックス10の形状がまったく固定される‘接着’とは区別される用語として使われる。
【0016】
前記薄板12は、本実施例では厚さ0.1mmの木材薄板が使われた。しかし、前記薄板12は木材薄板だけではなく、金や銀のような金属で形成された金属薄板も使用可能であろう。また、表面が滑らかな不燃性の合成樹脂板も使用可能なことはいうまでもない。
【0017】
このような木製薄板12は裏面にグルーのような接着剤を塗布して開閉板材13の表面に付着し、このように薄板12が付着された開閉板材13の表面はワニス塗りやウルシ塗りのような他の表面処理を遂行して出来上がった開閉板材13に製造され、開閉板材13の用途であるとびらなどに使われるものである。
【0018】
また、金属製薄板12の場合には、接着剤の塗布なしに、金属薄板12の縁部が挿入固定される場合もあり得る。
【0019】
前記開閉板材13の表面加工処理は、木材のような原材の質感をいかすために透明な塗料を塗布し、ウルシ塗りのような効果を出すためにウルシのような不透明な塗料を塗布して完成するようになる。
【0020】
このように、本発明の第1実施例による板材表面のパターン成形方法によって製造されたパターン成形板材Bは、図3に示すように、表面加工処理された木材である開閉板材13と、前記開閉板材13上に接着された薄板12と、前記薄板12上に接着されたホットフィックス10が所定形状に配置されたホットフィックスパターン部100とからなっており、このようにホットフィックスパターン部100のような多様な形状のパターンは、ホットフィックス10の裏面に設けられた接着層10bを加熱することで接着層10bが溶融状態になるので、開閉板材13の表面上に容易に付着することができるものである。
【0021】
本実施例において、前記薄板12上に付着されたホットフィックスパターン部100は、図4aに示すように、黒色、灰色、白色のホットフィックス10がなわ状に成形されたものが示されているが、図4bに示すように、他の形状のホットフィックスパターン部100が形成されることができ、その外にも多くの多様な形状のホットフィックスパターン部100が形成可能であろう。
【0022】
このように、開閉板材13に付着するために製造された、表面に多様な形状のホットフィックスパターン部100が付着された薄板12は多量で製造されて別個の商品として箪笥や流し台を扱う他の需要者に供給できるものである。
【0023】
すなわち、前記ホットフィックスパターン部100が付着された薄板12は、複数のホットフィックス10が所定の形状に配置されるようにホットフィックスパターン部100を配列する段階、前記ホットフィックス10が所望の形状に配列されたホットフィックスパターン部100を維持しながらホットフィックスパターン部100のドーム部10cに粘着テープ11を粘着させて反対形状に配列する段階、及び前記粘着テープ11上に粘着されたホットフィックスパターン部100のホットフィックス10の接着層10bを薄板12に配置し、前記薄板12上に熱を加えてホットフィックス10の接着層10bを薄板12上に付着してホットフィックスパターン部100を薄板12上に付着する段階を含んでなり、このように製造されたホットフィックスパターン部100が付着された薄板12は多量で製造されて別個の商品として箪笥や流し台を扱う他の需要者に供給されるものである。
【0024】
本発明においては、内部を開閉する開閉板材として説明したが、これに限定されるものではなく、本発明が適用可能な壁に付着される飾りパネルのような一般的な板材にも本発明が適用可能であるといえる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明による板材表面のパターン成形方法及び前記方法で成形されたパターン成形板材は、板材の加工工場や板材の製造工場で同一の製品の生産及び同一の方法を繰り返し行うことが可能なので、産業上利用可能性がある発明であると言える。
【符号の説明】
【0026】
10 ホットフィックス
11 粘着テープ
12 薄板
13 開閉板材
100 パターン部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板材表面のパターン成形方法において、
複数のホットフィックス10が所定の形状に配置されるようにホットフィックスパターン部100を配列する段階、
前記ホットフィックス10が所望の形状に配列されたホットフィックスパターン部100を維持しながらホットフィックスパターン部100を構成するホットフィックス10のドーム部10cに粘着テープ11を粘着させて反対形状に配列する段階、
前記粘着テープ11上に粘着されたホットフィックスパターン部100のホットフィックス10の接着層10bを薄板12に配置し、前記薄板12上に熱を加えてホットフィックス10の接着層10bを薄板12上に付着してホットフィックスパターン部100を薄板12上に付着する段階、
前記ホットフィックスパターン部100が付着された薄板12の裏面に接着剤を塗布して開閉板材13上に付着する段階、及び
前記薄板12が付着された開閉板材13を表面処理する段階を含むことを特徴とする、板材表面のパターン成形方法。
【請求項2】
薄板表面のパターン成形方法において、
複数のホットフィックス10が所定の形状に配置されるようにホットフィックスパターン部100を配列する段階、
前記ホットフィックス10が所望の形状に配列されたホットフィックスパターン部100を維持しながらホットフィックスパターン部100のドーム部10cに粘着テープ11を粘着させて反対形状に配列する段階、及び
前記粘着テープ11上に粘着されたホットフィックスパターン部100のホットフィックス10の接着層10bを薄板12に配置し、前記薄板12上に熱を加えてホットフィックス10の接着層10bを薄板12上に付着してホットフィックスパターン部100を薄板12上に付着する段階を含むことを特徴とする、薄板表面のパターン成形方法。
【請求項3】
請求項1による方法によって製造され、
板材13と、
前記板材13上に接着された薄板12と、
前記薄板12上に所望の形状に配置されて接着されたホットフィックスパターン部100とを含むことを特徴とする、パターン成形板材。
【請求項4】
請求項2による方法によって製造され、
薄板12と、
前記薄板12上に所望の形状に配置されて接着されたホットフィックスパターン部100とを含むことを特徴とする、パターン成形薄板。
【請求項5】
前記薄板12は、木材薄板、金属薄板または合成樹脂薄板の中で選ばれることを特徴とする、請求項4に記載のパターン成形薄板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−35289(P2013−35289A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−173945(P2012−173945)
【出願日】平成24年8月6日(2012.8.6)
【出願人】(512205061)
【Fターム(参考)】