説明

板状パネル

【課題】 中空格子材を用いて幅方向に並列配置したアルミ製の板状パネルにおけるネジの露出を解消する。
【解決手段】 中空格子材の一側面に配置した見込間隔小の突条16の間隔に合せて,該中空格子材1の両側面上端を切欠いて,その並列配置によって形成される幅方向に一連の溝条に連結レール2を落し込み配置し,この連結レール2に対して各突条16をネジ4によってネジ止めして,板状パネルAとする。中空格子材1の並列配置によって,中空格子材1の他側面に配置した見込間隔大の突条12が上記突条16を余裕をもって被覆する結果,このネジ4の露出を防止できる。連結レール2の長手方向両端は端部の中空格子材1,1aにネジ止めするが,端部カバー3がそのネジ4の露出を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,例えば玄関,庭等における仕切材乃至目隠し材等として好適に使用し得る板状パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
中空格子材を用いた板状パネルは,一般に多数の中空格子材を幅方向に並列配置し,その上端及び下端に断面C字状の上枠及び下枠を被嵌配置して,該上枠及び下枠から見込方向のネジを中空格子材に螺入してこれらを一体化し,または中空格子材の内面にタッピングホールを配置し,同じく被嵌配置した断面C字状の上枠及び下枠からタッピングにネジを螺入することによって一体化したものとされ,例えば門扉,フェンス,ドア等の各種建材の面材として用いられている。
【0003】
【特許文献1】実開昭55−16359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし乍ら,前者の板状パネルは,正面乃至背面に中空格子材の数に応じたネジが露出することになり,また後者は上枠乃至下枠の表面に同じく中空格子材の数に応じたネジが露出することになり,いずれも板状パネルの外観を損なうものとなり易い。即ち,例えば門扉やドアのように更に四周を框で被覆するものは,これらネジの露出を防止できるが,例えば建物に設置したデッキの端部を部分的に仕切ったり,玄関と庭とを仕切ったりする板塀の如くに,デザインを重視する板状パネルとして用いると,後者のものとしても,1.5m程度に高さを低く設定したものにあっては,上枠の上面のネジ露出を避けられず,デザインを損なうものとなり易い。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,中空格子材をネジを用いて幅方向に並列配置するも,ネジの露出を解消することによって外観に優れて各種用途に用いることが可能な板状パネルを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に沿って本発明は,幅方向に並列配置した中空格子材の上端及び/又は下端に連結レールを埋込配置し,該連結レールに対して中空格子材の側面に配置した見込間隔小の突条からのネジを螺入することによって連結レールに中空格子材を固定するとともに隣接する中空格子材間において,各中空格子材の他の側面に配置した見込間隔大の突条によって上記見込間隔小の突条を被嵌して,中空格子材を連結レールに固定したネジ頭を被覆するようにして,連結レールを介して並列配置の中空格子材を一体化したものであって,即ち,請求項1に記載の発明を,見込間隔を大小異幅とした両側面の突条を相互に嵌合して該突条を介して幅方向に多数並列配置した中空格子材を,上記見込間隔小の突条の見込間隔に合せて形成した上端及び/又は下端の幅方向一連の溝条に埋込状に配置した連結レールに固定することによって一体的に形成した板状パネルであって,上記中空格子材の固定を,各中空格子材における見込間隔小の突条から連結レールへ螺入した見込方向のネジのネジ止めによって行う一方,該ネジのネジ頭を両側面の突条の相互の嵌合によって上記見込間隔大の突条で被覆してなることを特徴とする板状パネルとしたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,幅方向の両端に位置する一方の中空格子材を,その両側面に見込間隔大の突条を配置した,他の中空格子材と断面形状を異にする端部専用のものとすし,見込間隔小の突条のないことによって連結レールに固定しない該端部専用の中空格子材の固定を,該端部専用の中空格子材と上記連結レールに見込間隔小の突条を固定した幅方向一端の中空格子材によって該連結レールの長手方向両端を被覆し且つ各中空格子材から連結レールのタッピングホールにネジを螺入することによって行うように,これを,上記幅方向の両端に位置する一方の中空格子材を,その両側面双方の突条を上記見込間隔大とした端部専用の中空格子材とし,該端部専用の中空格子材の固定を,幅方向の両端に位置する中空格子材の両端側に配置したレール被覆部で連結レールの長手方向端部を被覆して該被覆部から連結レールのタッピングホールに螺入したネジのネジ止めによって行ってなることを特徴とする請求項1に記載の板状パネルとしたものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,幅方向両端に位置する中空格子材の端部に端部カバーを配置して,中空格子材の突条を被覆して,外観の良い端部措置を施したものとするように,これを,上記中空格子材と連結レールに加えて端部カバーを備え,幅方向の両端に位置する中空格子材の幅方向両端側に突出した突条を該端部カバーによって被覆してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の板状パネルとしたものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,板状パネルを支柱に固定した支柱付設のものとするように,これを,上記幅方向一方又は双方の端部カバーを支柱に固定して支柱付設としてなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の板状パネルとしたものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記連結レールを,一体又は一体的に設置した化粧用の笠木によって被覆することによって該連結レールの露出を防止したものとするように,これを,上記連結レールが,該連結レールと一体成形し又は一体的に設置して該連結レールの上面を被覆する化粧用の笠木を備えてなることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の板状パネルとしたものである。
【0011】
請求項6に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記連結レールを屋外構築物の上枠にネジ止めすることによって屋外構築物に一体的に配置したものとするように,これを,上記連結レールを,その長手方向中間の複数位置から螺入したネジで上向きにネジ止めすることによって,屋外構築物の上枠に対して一体的に設置してなることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載の板状パネルとしたものである。
【0012】
請求項7に記載の発明は,同じく上記に加えて,板状パネルの下部をコンクリート土間に埋込設置して起立した板塀とするように,これを,上記中空格子材の下部を,コンクリート土間に埋込み設置することによって該コンクリート土間に板塀として起立配置してなることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6に記載の板状パネルとしたものである。
【0013】
請求項8に記載の発明は,同じく上記に加えて,板状パネルの下端をデッキ乃至コンクリート土間の固定枠に固定して起立した板塀とするように,これを,上記中空格子材の下端を,デッキ乃至コンクリート土間に設置した固定枠に固定することによって該デッキ乃至コンクリート土間に板塀として起立配置してなることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6に記載の板状パネルとしたものである。
【0014】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のとおりに構成したから,請求項1に記載の発明は,幅方向に並列配置した中空格子材の上端及び/又は下端に連結レールを埋込配置し,該連結レールに対して中空格子材の側面に配置した見込間隔小の突条からのネジを螺入することによって連結レールに中空格子材を固定するとともに隣接する中空格子材間において,各中空格子材の他の側面に配置した見込間隔大の突条によって上記見込間隔小の突条を被嵌して,中空格子材を連結レールに固定したネジ頭を被覆するようにして,連結レールを介して並列配置の中空格子材を一体化して,中空格子材をネジを用いて幅方向に並列配置するも,ネジの露出を解消することによって外観に優れて各種用途に用いることが可能な板状パネルを提供することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,幅方向の両端に位置する一方の中空格子材を,その両側面に見込間隔大の突条を配置した,他の中空格子材と断面形状を異にする端部専用のものとすし,見込間隔小の突条のないことによって連結レールに固定しない該端部専用の中空格子材の固定を,該端部専用の中空格子材と上記連結レールに見込間隔小の突条を固定した幅方向一端の中空格子材によって該連結レールの長手方向両端を被覆し且つ各中空格子材から連結レールのタッピングホールにネジを螺入することによって行ったものとすることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,幅方向両端に位置する中空格子材の端部に端部カバーを配置して,中空格子材の突条を被覆して,外観の良い端部措置を施したものとすることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,板状パネルを支柱に固定した支柱付設のものとすることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記連結レールを,一体又は一体的に設置した化粧用の笠木によって被覆することによって該連結レールの露出を防止したものとすることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記連結レールを屋外構築物の上枠にネジ止めすることによって屋外構築物に一体的に配置したものとすることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は,同じく上記に加えて,板状パネルの下部をコンクリート土間に埋込設置して起立した板塀とすることができる。
【0022】
請求項8に記載の発明は,同じく上記に加えて,板状パネルの下端をデッキ乃至コンクリート土間の固定枠に固定して起立した板塀とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば,図1乃至図8においてAは,下部を,コンクリート土間8に埋込み設置することによって該コンクリート土間8に板塀として起立配置した板状パネルであり,該板状パネルAは,見込間隔を大小異幅とした両側面の突条12,16を相互に嵌合して該突条12,16を介して幅方向に多数並列配置した中空格子材1を,上記見込間隔小の突条16の見込間隔に合せて形成した上端及び/又は下端の幅方向一連の溝条に埋込状に配置した連結レール2に固定することによって一体的に形成してあり,上記中空格子材1の固定を,各中空格子材1における見込間隔小の突条16から連結レール2へ螺入した見込方向のネジ4のネジ止めによって行う一方,該ネジ4のネジ頭を両側面の突条12,16を相互に嵌合することによって上記見込間隔大の突条12で被覆したものとしてある。このとき上記幅方向の両端に位置する一方の中空格子材を,その両側面双方の突条12を上記見込間隔大とした端部専用の中空格子材1aとし,該端部専用の中空格子材1aの固定を,幅方向の両端に位置する中空格子材1の両端側に配置したレール被覆部で連結レール2の長手方向端部を被覆して該被覆部から連結レール2のタッピングホール22に螺入したネジ4のネジ止めによって行ったものとし,また上記中空格子材1と連結レール2に加えて端部カバー3を備え,幅方向の両端に位置する中空格子材1の幅方向両端側に突出した突条12又は16を該端部カバー3によって被覆したものとしてある。
【0024】
板状パネルAは,本例にあって中空格子材1,連結レール2,端部専用の中空格子材1a,端部カバー3をそれぞれアルミ押出材とすることによってアルミ製のものとしてあり,中空格子材1は,矩形断面の中空基部11と,該中空基部11の両側面にそれぞれ一対の突条12,16を備えたものとしてあり,このとき該突条12,16は,両側面の一方において該一対間の見込間隔を大とし,また他方において一対間の見込間隔を小とし,これによって見込間隔大の一対の突条12によって,見込間隔小の一対の突条16を余裕を持ってカバーするように被覆するものとしてあり,該被覆状態で相互に嵌合するようにして,該中空格子材1を板状パネルAを形成する標準の部材としてある。これに対して上記端部専用の中空格子材1aは,中空基部11の両側面に配置した各一対の突条12間の見込間隔を,上記見込間隔大の見込間隔と同間隔とする以外,板状パネルAを構成する上記中空格子材1と同一の構成としてある。
【0025】
本例にあって該中空格子材1の突条12,16は,その見込間隔大の突条12において,中空基部11の前後面を側方に延設する如くに平行に突出し,それぞれ先端に鉤状突片13を備えるとともに該突条12間の底面をなす中空基部11の側面に突条12突出方向に向けた一対の係合突片14を備えたものとし,また見込間隔小の突条16において,中空基部11の側方に突設した中空基部11と段差をなす幅狭の基部突出部15に,更に該基部突出部15と段差をなすように平行に突出したものとしてあり,このとき上記見込間隔大の突条12の鉤状突片13の間隔を上記基部突出部15の前後幅と略同等とし,また上記一対の係合突片14の間隔を上記見込間隔小の突条16の前後幅と略同等としてある。これによって中空格子材1を並列配置したとき,一方の中空格子材1の上記見込間隔大の突条12間に他方の中空格子材1の基部突出部15が入り込むとともに見込間隔大の突条12の鉤状突片13が該基部突出部15に対接する一方,上記基部突出部15と段差をなす見込間隔小の突条16が係合突片14間に位置するように係合するものとしてある。
【0026】
このとき板状パネルAの幅方向端部に位置する中空格子材1を除いて,上記標準使用の中空格子材1は,その中空基部11の両側面を上記見込間隔小の突条16間の間隔,即ち内法寸法に合せて切欠いてあり,また上記幅方向端部に位置する中空格子材1,即ち端部一方の標準使用の中空格子材1と端部他方の端部専用の中空格子材1aは,その幅方向両端側の側面をそのまま残存して上記連結レール2にネジ止めするレール被覆部とする一方,上記並列配置によって他の中空格子材1に隣接する隣接側の側面は,これを他の中空格子材1と同様に切欠いてあり,これによってこれら中空格子材1の並列配置によって上端に上記見込間隔小の突条16間隔に合せ且つ長手方向両端を上記レール被覆部で閉塞した板状パネルAの幅方向に一連の溝条を形成するものとしてある。
【0027】
連結レール2は,断面矩形乃至U字状,本例にあっては断面U字状のレール基部21と,該レール基部21の下端にタッピングホール22を備えたものとしてあり,このとき該連結レール2は,その見込幅を上記中空格子材1における見込間隔小の突条16の間隔と略等しい幅としてあり,これによって該連結レール2は,上記見込間隔小の突条16間に嵌合するものとしてある。また本例の該連結レール2は,これと一体成形し又は一体的に設置,本例にあっては一体的に設置して該連結レール2の上面を被覆する化粧用の笠木23を備えたものとしてあり,該化粧用の笠木23は,上記中空格子材1の見込幅より幅広とした断面C字状にして,その前後折曲片の先端を対向方向に折曲した折返し片を備えて,後述の端部キャップ24による一体的な設置をなし得るようにしてある。
【0028】
端部カバー3は,上記中空格子材1の鉤状突片13の間隔と略等しい見込幅の平板状の基板31と,該基板31の前後両端から対向方向に傾斜配置した一対の脚片32を一体成形した断面U字状をなすとともに一対の脚片32に上記鉤状突片13に係止する係止部33を配置し且つ上記一対の脚片32の先端を,該係止部33が鉤状突片13に係止した状態で,上記中空格子材1の係合突片14に対接するようにしてある。
【0029】
これら中空格子材1,即ち標準使用の中空格子材1と端部専用の中空格子材1a,連結レール2,更に端部カバー3による板状パネルAは,上記中空格子材1を,その両側面の突条12,16を相互に嵌合するように並列配置することによって形成された上記上端の一連の溝条に連結レール2を上方から落し込み状に嵌合して埋込配置する一方,端部専用の中空格子材1を除いて,各中空格子材1の上記見込間隔小の突条16を,その前後双方又は一方からネジ4を連結レール2に螺入して該連結レール2にネジ止めすることによって,各中空格子材1を連結レール2に対して固定してあり,このとき該見込間隔小の突条16は,中空格子材1の並列配置によって見込間隔大の突条12に被嵌される結果,該固定に用いたネジ4のネジ頭は,該見込間隔大の突条12によって被覆され,その露出が防止されたものとなる。これに上記端部専用の中空格子材1aを,その見込間隔大の突条12に,幅方向端部側に位置する中空格子材1における見込間隔小の突条16を受入れ被嵌するように配置し,連結レール2の長手方向両端に対接乃至対面した側面の上記レール被覆部からそのタッピングホール22にネジ4を螺入し,端部一方の標準使用の中空格子材1と端部他方の端部専用の中空格子材1a間に連結レール2を挟持するようにして,該端部専用の中空格子材1aを,該連結レール2に対して固定したものとしてある。また端部カバー3は,該端部一方の標準使用の中空格子材1と端部他方の端部専用の中空格子材1aの見込間隔大の突条12間にそれぞれ上記一対の脚片32を挿入するとともにその先端を係合突片14に対接し,該対接状態で,その係止部33を鉤状突片13に対して弾発的にスナップイン係止することによって,その固定を行ったものとしてあり,化粧用の笠木23は,連結レール2上に載置し,その長手方向両端部に端部キャップ24を装着し,該端部キャップ24の下向きの嵌合突部を,上記端部カバー3の固定によって形成された,該端部カバー3と上記端部一方の標準使用の中空格子材1乃至端部他方の端部専用の中空格子材1aとの空隙に,その上端から嵌合することによって,その固定を行ったものとしてある。
【0030】
これによって本例の板状パネルAは,連結レール2を上端のみに配置して各中空格子材1を固定するも,端部専用の中空格子材1aを含めて隣接する中空格子材1における側面の突条12,16同士の嵌合により,それ自体相当程度に高度な保形性を有するものとなり,その高さを2m以下,例えば1.5m程度とし,その下部をコンクリート土間8に埋設固定して敷地内に起立配置することにより,その一体性,強度,耐久性を高度に確保した敷地内区画のアルミ製の板塀として使用するものとしてある。高さを上記1.5m程度とすることによって,人がその上面を視認することになるが,連結レール2の笠木23がその上端を覆って該上面にもネジ4の露出がなく,中空格子材1を連結レール2に固定したネジ4も,見込幅大の突条12が被覆して正面乃至背面に露出することもない。更に端部カバー3が幅方向両端を被覆するため端部一方の標準使用の中空格子材1と端部他方の端部専用の中空格子材1aを固定したネジ4の露出もなく,従ってネジ止めによって形成したパネルでありながら,全くネジ4の露出を解消したものとすることができ,従って独立設置の板塀の如くにデザインを重視する板状パネルAとして使用するに好適なものとすることができる。
【0031】
図9及び図10は,上記幅方向一方又は双方,本例にあっては幅方向一方の端部カバー3を支柱5に固定することによって支柱付設とした板状パネルAの例を示す。即ち板状パネルAは,上記構成のものを用いて,その幅方向一方の標準使用の中空格子材1の端部カバー3を,その固定前に支柱5の側面に対接して,その一対の脚条32間からのネジ4で基板31をネジ止めすることによって,支柱5に対してその長手方向複数個所で固定してあり,該端部カバー3に板状パネルAを固定するようにして,支柱5に固定するネジ4の露出を防止した支柱付設の板状パネルAとして構成してある。このとき上記端部一方の標準使用の中空格子材1におけるレール被覆部を形成することなく,連結レール2を一連に配置した点を除いて,その余は上記例と変らないので,同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0032】
図11乃至図14は,同じく同様に端部カバー3のネジ止めによって板状パネルAを支柱付設のものとするとともに該板状パネルAを,上記連結レール2を,その長手方向中間の複数位置から螺入したネジ4で上向きにネジ止めすることによって,屋外構築物の上枠6に対して一体的に設置したものとし,更に上記中空格子材1の下端を,デッキ9乃至コンクリート土間8,本例にあってはデッキ9に設置した固定枠7に固定することによって該デッキ9に板塀として起立配置した例を示す。
【0033】
本例にあって,板状パネルAは,その上端を,例えばテラス,門型フレーム等の各種屋外構築物,本例にあってはデッキ設置のテラスにおける支柱5と上枠6に固定してあり,該固定は,支柱5において上記と同様とする一方,上枠6に対しては連結レール2をネジ止めすることによってこれを行ってあり,このとき該連結レール2は,上枠6又はその内部に嵌挿した補強材61に対して,タッピングホール22側の下端から上向きのネジ4を螺入し,長手方向複数個所で上枠6に対してその固定を行ったものとしてある。本例にあって上枠6は,その下面を塞ぐ閉塞プレート62を装着するものとしてあり,これによって上向きのネジ4は,該閉塞プレート62を貫通して上枠6又は補強材61に螺入することになるところ,本例にあっては,上記ネジ4のガイドパイプ兼用のスペーサー63を用いて,該スペーサー63に該上向きネジ4を案内してその螺入を行ったものとしてある。本例のスペーサー63は,その下端を連結レール2のタッピングホール22に載置するように該連結レール2に起立配置して,上記閉塞プレート62に透設した透孔を介して上枠6又は補強材61の下面に至る長さを有するものとしてあり,これによって上向きネジ4の螺入に際して,その螺入範囲を画するようにして,該ネジ4の螺入をスムーズ且つ容易になし得るものとするとともに該ネジ4の螺入量が大きくなり,その締付力によって連結レール2が対接する上記閉塞プレート62の変形等のトラブルを回避し得るようにしてある。
【0034】
一方,上記中空格子材1の下端を固定する固定枠7は,例えばL字枠71と,該L字枠71をカバーするカバー枠72とによって形成し,該固定枠7を板状パネルAの前後下端に配置してその下端のデッキ9への固定を行うようにしてある。このとき固定枠7は,そのL字枠71の下片をデッキ9のデッキ材にネジ止め乃至アンカー止め,本例にあってはアンカー73止めする一方,その起立片を板状パネルAの長手方向複数個所で中空格子材1に対してネジ4によってネジ止めしてその固定を行ってある。該L字枠71に対するカバー枠72の装着は,L字枠71の起立片に配置した上下中間の係止条に,カバー枠72の内側に突出配置した係止条を相互にスナップイン係止することによってこれを行ったものとしてある。板状パネルA及びその支柱5への固定を含めて,その余は上記例のものと変らないので,同様に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0035】
本例の板状パネルAは,デッキ9のデッキ面と上枠6間の,例えば2m程度乃至それ以上といったように高い空間に起立配置することができ,上記独立設置の形態のものとは異なる屋外構築物と調和したデザインの板塀を形成することができるとともに同様に支柱5,上枠6との間を含めて,板状パネルAのネジ4の露出を防止したものとできる。また前後の固定枠7によって下端を挟持するようにデッキ9に固定したから,同じく板状パネルAの下端を連結レール2を用いて固定することなく,同様に一体性,強度,耐久性を高度に確保したものとすることができる。
【0036】
図示した例は以上のとおりとしたが,下端に連結レールを配置し,同様に該連結レールに中空格子材をネジ止めして,上端及び下端乃至上端に代えた下端の固定を行ったものとすること,上記連結レールに,一体成形し又は上記屋外構築物におけると同様な構造により一体的に設置した上枠を備えたものとすること等を含めて,本発明の実施に当って,板状パネル,中空格子材,その突条,連結レール,必要に応じて用いる端部専用の中空格子材,端部カバー,支柱,笠木,屋外構築物乃至その上枠,コンクリート土間,デッキ,固定枠等の各具体的形状,構造,材質,これらの関係,数,寸法,これらに対する付加等は,上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】中空格子材の横断面図である。
【図2】端部専用の中空格子材の横断面図である。
【図3】連結レールの縦断面図である。
【図4】端部カバーの横断面図である。
【図5】板状パネルの設置状態を示す正面図である。
【図6】図5の板状パネルの横断面図である。
【図7】図5の板状パネルの縦断面図である。
【図8】図7の部分拡大図である。
【図9】支柱付設の板状パネルの部分正面図である。
【図10】図9の支柱と板状パネルの関係を示す横断面図である。
【図11】テラスのデッキに設置した板状パネルの正面図である。
【図12】図11の板状パネルの横断面図である。
【図13】図11の板状パネルの縦断面図である。
【図14】図13の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0038】
A 板状パネル
1 中空格子材
1a 端部専用の中空格子材
11 中空基部
12 見込幅大の突条
13 鉤状突片
14 係合突片
15 基部突出部
16 見込幅小の突条
2 連結レール
21 レール基部
22 タッピングホール
23 笠木
24 端部キャップ
3 端部カバー
31 基板
32 脚片
33 係止部
4 ネジ
5 支柱
6 上枠
61 補強材
62 閉塞プレート
63 スペーサー
7 固定枠
71 L字枠
72 カバー枠
73 アンカー
8 コンクリート土間
9 デッキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
見込間隔を大小異幅とした両側面の突条を相互に嵌合して該突条を介して幅方向に多数並列配置した中空格子材を,上記見込間隔小の突条の見込間隔に合せて形成した上端及び/又は下端の幅方向一連の溝条に埋込状に配置した連結レールに固定することによって一体的に形成した板状パネルであって,上記中空格子材の固定を,各中空格子材における見込間隔小の突条から連結レールへ螺入した見込方向のネジのネジ止めによって行う一方,該ネジのネジ頭を両側面の突条の相互の嵌合によって上記見込間隔大の突条で被覆してなることを特徴とする板状パネル。
【請求項2】
上記幅方向の両端に位置する一方の中空格子材を,その両側面双方の突条を上記見込間隔大とした端部専用の中空格子材とし,該端部専用の中空格子材の固定を,幅方向の両端に位置する中空格子材の両端側に配置したレール被覆部で連結レールの長手方向端部を被覆して該被覆部から連結レールのタッピングホールに螺入したネジのネジ止めによって行ってなることを特徴とする請求項1に記載の板状パネル。
【請求項3】
上記中空格子材と連結レールに加えて端部カバーを備え,幅方向の両端に位置する中空格子材の幅方向両端側に突出した突条を該端部カバーによって被覆してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の板状パネル。
【請求項4】
上記幅方向一方又は双方の端部カバーを支柱に固定して支柱付設としてなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の板状パネル。
【請求項5】
上記連結レールが,該連結レールと一体成形し又は一体的に設置して該連結レールの上面を被覆する化粧用の笠木を備えてなることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の板状パネル。
【請求項6】
上記連結レールを,その長手方向中間の複数位置から螺入したネジで上向きにネジ止めすることによって,屋外構築物の上枠に対して一体的に設置してなることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載の板状パネル。
【請求項7】
上記中空格子材の下部を,コンクリート土間に埋込み設置することによって該コンクリート土間に板塀として起立配置してなることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6に記載の板状パネル。
【請求項8】
上記中空格子材の下端を,デッキ乃至コンクリート土間に設置した固定枠に固定することによって該デッキ乃至コンクリート土間に板塀として起立配置してなることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6に記載の板状パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−203743(P2009−203743A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48359(P2008−48359)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000222130)東洋エクステリア株式会社 (102)
【Fターム(参考)】