説明

板状吸音部材

【課題】コスト性に優れた板状吸音部材を提供すること。
【解決手段】板状吸音部材である本体吸音部材300は、原料空気を圧縮するコンプレッサと、圧縮された原料空気から高濃度酸素を分離して放出する吸着塔と、コンプレッサを覆うコンプレッサケース200の本体部分210とを有する酸素濃縮器において使用される板状吸音部材であって、高分子繊維から成る母材層と高分子フィルムの膜層とから構成され、本体部分210の内部に配置されたとき、コンプレッサを覆いつつ本体部分210筐体の内面との間に空間を形成する立体形状を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば医療機器および電子機器等の各種機器から発生する動作音その他の音に対する吸音を行うための板状吸音部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療機器をはじめとする各種機器の分野において、動作音の吸音を行うための手段として、ウレタンフォ−ム、フェルト、グラスウ−ル等の多孔質材料を、吸音部材として機器内部に配置することが広く行われている。具体的には、コンプレッサ等の装置を筐体で覆い、その筐体の内面または外面に、多孔質材料を貼り付けることが行われている。このような吸音部材において、中低音域においても十分な吸音性能を得るためには、多孔質材料の十分な厚さが必要である。
【0003】
ところが、機器の小型化の要請や機器の高性能化に伴う内部構造の複雑化に伴い、吸音部材を配置することができるスペ−スは狭くなり、十分な厚さの多孔質材料を配置することは困難となってきている。
【0004】
そこで、加熱圧縮されたポリエステル繊維の表面に膜材を設けた板状部材を、吸音部材として用いる技術が、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1記載の技術は、上記構造を有する板状吸音部材を、筐体の内側面のそれぞれに対し、内側面と多孔質吸音材料との間に空気層が形成されるような位置で固定する。これにより、膜吸音効果が得られ、少ないスペースにおいて高い吸音性能を実現することが可能となる。
【特許文献1】特開2002−268647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の板状吸音部材では、筐体の内側面のそれぞれに所定の間隔を置いて固定するためのスペーサを、別途配置しなければならないという問題がある。狭いスペースにおいてこのようなスペーサを配置することは、施工性および部品点数の観点から、装置のコストアップを招く。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、コスト性に優れた板状吸音部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の板状吸音部材は、筐体の内部に配置される板状吸音部材であって、高分子繊維から成る母材層と高分子フィルムの層とから構成され、前記筐体の内部に配置されたときに前記筐体の内面との間に空間を形成する立体形状を有する。
【0008】
本発明の板状吸音部材は、原料空気を圧縮するコンプレッサと、圧縮された前記原料空気から高濃度酸素を分離して放出する吸着塔と、前記コンプレッサを覆う筐体と、を有する酸素濃縮器において使用される板状吸音部材であって、高分子繊維から成る母材層と高分子フィルムの膜層とから構成され、前記筐体の内部に配置されたとき、前記コンプレッサを覆いつつ前記筐体の内面との間に空間を形成する立体形状を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、板状吸音部材が筐体の内部に配置されたときに板状吸音部材自体の立体形状により空気層が形成されるので、筐体の内側面のそれぞれに対応してスペーサを配置する必要がなくなり、コストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態は、本発明を、呼吸器疾患の患者が在宅で酸素を吸入する在宅酸素療法(HOT:home oxygen therapy)において使用される吸着型酸素濃縮器(PSA:pressure swing adsorption、以下「酸素濃縮器」という)に適用した例である。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態に係る板状吸音部材が用いられる酸素濃縮器の構成を示す概略図である。
【0012】
図1において、酸素濃縮器10は、酸素濃縮器筐体(以下適宜「筐体」と略記する)100の内部に、風路ケース101、ヘパフィルタ102、吸気タンク103、コンプレッサ104、冷却パイプ105、冷却用ファン107、マニホールド108、第1および第2の切替弁109a、109b、第1および第2のシーブベッド(吸着塔)110、111、製品タンク112、均圧弁113、パージオリフィス114、消音器115、圧力センサ116、レギュレータ117、止め弁118、酸素センサ119、バクテリアフィルタ120、流量制限オリフィス121、圧力センサ122、流量センサ123、加湿器124、および酸素出口125を配置している。
【0013】
風路ケース101は、筐体100に接して設けられており、筐体100の外部の空気を、原料空気として筐体100の内部に導入する。ヘパフィルタ102は、風路ケース101が導入した空気からゴミや埃等の空中浮遊粒子を除去する。
【0014】
吸気タンク103は、ヘパフィルタ102で空中浮遊粒子が除去された原料空気を、後段のコンプレッサ104の吸気のために収容する。吸気タンク103は、いわゆる膨張型消音器として機能し、配管断面積の変化による反射により、原料空気の吸気側へと伝達するコンプレッサ104の動作音に対して、消音効果を発揮する。
【0015】
コンプレッサ104は、吸気タンク103に収容された原料空気を圧縮して圧縮空気を生成する。冷却パイプ105は、コンプレッサ104で生成された圧縮空気をマニホールド108に送る。
【0016】
冷却用ファン107は、筐体100に設けられた開口から外気を筐体100内部に吸引し、筐体100に上記開口とは別に設けられた開口から排気する。冷却用ファン107により筐体100内部に吸引された外気は、筐体100内部を、コンプレッサ104を含む各種部品の熱を吸収しながら循環し、排気される。
【0017】
マニホールド108は、コンプレッサ104からの圧縮空気を第1および第2のシーブベッド110、111に交互に切り替えて送り、第1および第2のシーブベッド110、111からの窒素富化空気を交互に切り替えて消音器115に送るための多岐管である。マニホールド108は、三方弁である第1および第2の切替弁109a、109bを有する。マニホールド108は、第1および第2の切替弁109a、109bの状態を制御することにより、例えば10秒間隔で、圧縮空気および窒素富化空気のマニホールド108内の流路の切替えを行う。
【0018】
具体的には、例えば、マニホールド108は、図1に示すように、第1の切替弁109aを用いて、第1のシーブベッド110とコンプレッサ104との間の管路を開放し、第1のシーブベッド110と消音器115との間の管路を閉鎖する。同時に、マニホールド108は、第2の切替弁109bを用いて、第2のシーブベッド111とコンプレッサ104との間の管路を閉鎖し、第2のシーブベッド111と消音器115との間の管路を開放する。この場合、コンプレッサ104からの圧縮空気は矢印108Aの方向で第1のシーブベッド110に送られ、消音器115には矢印108Bの方向で第2のシーブベッド111からの窒素富化空気が送られる。
【0019】
また、マニホールド108は、第1の切替弁109aを用いて、第1のシーブベッド110とコンプレッサ104との間の管路を閉鎖し、第1のシーブベッド110と消音器115との間の管路を開放する。同時に、マニホールド108は、第2の切替弁109bを用いて、第2のシーブベッド111とコンプレッサ104との間の管路を開放し、第2のシーブベッド111と消音器115との間の管路を閉鎖する。この場合、コンプレッサ104からの圧縮空気は第2のシーブベッド111に送られ、消音器115には第1のシーブベッド110からの窒素富化空気が送られる。
【0020】
第1および第2のシーブベッド110、111は、マニホールド108を介して送られてきた圧縮空気から、高濃度酸素をそれぞれ分離する。この分離は、第1および第2のシーブベッド110、111に充填されたゼオライトの働きにより実現される。ゼオライトは、加圧空気に対しては窒素および水分を吸着し、減圧空気に対しては吸着している窒素および水分を脱着する性質を有する吸着剤である。第1および第2のシーブベッド110、111は、コンプレッサ104と通じているとき、コンプレッサ104から送られてきた圧縮空気から高濃度酸素を分離して後段の製品タンク112に送る。そして、第1および第2のシーブベッド110、111は、消音器115と通じているとき、圧縮空気から吸着した窒素および水分を多く含む窒素富化空気を消音器115に送る。
【0021】
第1および第2のシーブベッド110、111から放出される高濃度酸素の酸素濃度は、吸脱着の繰り返し回数や吸脱着時間等を変更することにより、例えば40%〜90%程度の範囲で調整することができる。なお、ゼオライトは窒素のみならず水分をも吸着するので、第1および第2のシーブベッド110、111から放出される高濃度酸素は極めて乾燥している(例えば、湿度0.1%〜0.2%)。第1および第2のシーブベッド110、111に充填されるゼオライトは、結晶中に微細孔を持つアルミノ珪酸塩(例えば、アルカリ土類金属を含む結晶性含水アルミノ珪酸塩)からなる多孔質材料であり、市販されている各種のゼオライトを使用することができる。
【0022】
製品タンク112は、第1および第2のシーブベッド110、111に、マニホールド108が接続する側とは反対側の部分で接続されており、第1および第2のシーブベッド110、111により圧縮空気から分離して得られた高濃度酸素を収容する。製品タンク112は、例えば、一端が第1のシーブベッド110に、他端がシーブベッド111にそれぞれ連結された、コの字形状を有している。均圧弁113は、製品タンク112の両端部分の圧力をこれらが同一となるように調整する。パージオリフィス114は、第1および第2のシーブベッド110、111の脱着の際の二次浄化を行うために、製品タンク112の両端部分の間で高濃度酸素を通過させる。
【0023】
消音器115は、筐体100に接して設けられた排気口115aを有しており、第1および第2のシーブベッド110、111からマニホールド108を介して送られてきた窒素富化空気を、排気口115aから筐体100の外部に排出する。
【0024】
圧力センサ116は、製品タンク112からレギュレータ117に送られる高濃度酸素の圧力を検出する。レギュレータ117は、圧力センサ116の検出結果と予め設定された圧力とを比較してこれらが同一の値となるように、高濃度酸素の圧力のフィードバック制御を行う。
【0025】
止め弁118は、閉鎖することにより、レギュレータ117から圧力調整されて送られる高濃度酸素の流れを止める。止め弁118は、例えば、高濃度酸素の供給を停止する操作が行われたとき、あるいは酸素濃縮器10への電源供給が停止されたときに閉鎖して、機器内に残留した高濃度酸素の流出を止める。
【0026】
酸素センサ119は、止め弁118からバクテリアフィルタ120に送られる高濃度酸素の酸素濃度を検出する。バクテリアフィルタ120は、細菌類を捕集することにより、流路を流れる高濃度酸素を除菌する。流量制限オリフィス121は、バクテリアフィルタ120を通って送られる高濃度酸素の流路を絞ることにより、高濃度酸素の流量を制限する。流量制限オリフィス121の絞り具合は、筐体100に設けられた、例えばボタンやつまみを有する操作部(図示せず)の操作内容と連動して調整される。
【0027】
圧力センサ122は、流量制限オリフィス121から流量センサ123に送られる高濃度酸素の圧力を検出する。流量センサ123は、流量制限オリフィス121を通って送られる高濃度酸素の流量を検出する。圧力センサ122で検出された高濃度酸素の圧力および流量センサ123で検出された高濃度酸素の流量を継続的にメモリ(図示せず)に記憶することによって、予めなされた設定の通りに高濃度酸素が処理されているか否かをモニタリングすることができる。
【0028】
加湿器124は、流量センサ123を通って送られた高濃度酸素を加湿する。酸素出口125は、加湿器124で湿度が与えられた高濃度酸素を、患者に供給するために排気する。酸素出口125には、一端に酸素マスクや鼻腔カニューラが接続されたチューブ(図示せず)が取付けられ、このチューブを通じて高濃度酸素が患者に供給される。
【0029】
また、酸素濃縮器10は、CPU(central processing unit)、制御プログラムを格納した記憶媒体としてのROM(read only memory)、および作業用メモリとしてのRAM(random access memory)等を有する。CPUは、制御プログラムを実行することにより、コンプレッサ104やマニホールド108を含めた各部の動作を制御する。
【0030】
このような酸素濃縮器10によれば、高濃度酸素を患者に供給することができる。
【0031】
酸素濃縮器10は、通常、患者の近くに配置され、患者の就寝中も継続して使用される。したがって、酸素濃縮器10には、至近距離で動作していても患者の安眠を妨げない程度の静音性が求められる。
【0032】
ところが、酸素濃縮器10を構成する装置部のうち、コンプレッサ104、マニホールド108、シーブベッド110、111、および冷却用ファン107等の装置部からは、動作音が発生する。特に、コンプレッサ104からは、比較的大きな動作音が発生する。
【0033】
そこで、本実施の形態の酸素濃縮器10は、コンプレッサ104を覆うコンプレッサケースを設け、更に、このコンプレッサケースの内部に、本発明に係る板状吸音部材を配置することによって、酸素濃縮器10の静音化を図る。
【0034】
図2は、コンプレッサケースの構成を示す斜視図である。ここでは、参考のため、コンプレッサケースの周辺部分についても併せて図示する。
【0035】
図2において、コンプレッサケース200は、コンプレッサ104を覆う筐体であり、主に板金により構成される。コンプレッサケース200は、本体部分210と、吸気口部分220と、風路部分230とに大別される。
【0036】
本体部分210は、コンプレッサ104に被せられる形でコンプレッサを覆う筐体である。本体部分210は、その内側面とコンプレッサ104との間に、所定の距離が確保される大きさとなっている。この所定の距離は、後述の板状吸音部材と背面空気層とを配置するのに十分な距離である。
【0037】
吸気口部分220は、コンプレッサ104に導入される原料空気を収容する筐体である。吸気口部分220の内部空間は、コンプレッサ104の吸込側と通じている。また、吸気口部分220の内部空間は、吸気タンク103、ヘパフィルタ102、および風路ケース101を介して、酸素濃縮器10の外部空間とも通じている。すなわち、コンプレッサ104の吸込側は、吸気口部分220を介して酸素濃縮器10の外部空間と通じている。吸気口部分220は、その内側面と原料空気を収容するのに必要な空間との間に、所定の距離が確保される大きさとなっている。この所定の距離は、後述の板状吸音部材と背面空気層とを配置するのに十分な距離である。
【0038】
風路部分230は、本体部分210の内部にコンプレッサ104を冷却するための空気を導入するための筐体である。すなわち、本体部分210の内部空間は、風路部分230を介して、酸素濃縮器10の外部空間と通じている。風路部分230は、屈折した風路(図示せず)を内部に有することにより、冷却用空気に対して吸音効果を発揮する。
【0039】
酸素濃縮器10の外部に伝播するコンプレッサ104の動作音は、本体部分210の板金を通過する音(以下「ケース通過音」という)と、原料空気を伝播し吸気口部分220を通過する音(以下「吸気口通過音」という)と、冷却用空気を伝播し風路部分230を通過する音(以下「風路通過音」という)との3つに大別される。
【0040】
本実施の形態では、本体部分210の内部に板状吸音部材を配置することにより、ケース通過音および風路通過音に対する吸音を行う。そして、吸気口部分220の内部に板状吸音部材を配置することにより、吸気口通過音に対する吸音を行う。以下、本体部分210の内部に配置する板状吸音部材を「本体吸音部材」といい、吸気口部分220の内部に配置する板状吸音部材を「吸気口吸音部材」という。
【0041】
まず、本体吸音部材の構成について説明する。
【0042】
図3は、本体吸音部材の構成を示す斜視図である。ここでは、コンプレッサケース200についても併せて図示する。
【0043】
図3に示すように、本体吸音部材300は、本体部分210よりも一回り小さい、本体部分210の側面に沿った筒状の立体形状を有する。より具体的には、本体吸音部材300は、平面形状の第1〜第4の板状吸音部材310−1〜310−4の組み合わせにより構成されている。本体吸音部材300は、例えば、本体部分210の下方の開口から、矢印300Aの方向で、本体部分210の内部に挿入される。
【0044】
図4は、第1〜第4の板状吸音部材310−1〜310−4の構成を示す斜視図である。
【0045】
図4に示すように、第1〜第4の板状吸音部材310−1〜310−4は、外側面の上端に、厚みのある補強部311をそれぞれ有する。そして、第1の板状吸音部材310−1およびこれに対向する第2の板状吸音部材310−2は、左右の縁に、突起部312をそれぞれ有する。また、第3の板状吸音部材310−3およびこれに対向する第4の板状吸音部材310−4は、左右の縁に近い位置に、第1および第2の板状吸音部材310−1、310−2の突起部312を差し込むための穴部313をそれぞれ有する。
【0046】
各突起部312が対応する穴部313に差し込まれることにより、第1〜第4の板状吸音部材310−1〜310−4は組み合わされ、図3に示す立体形状の本体吸音部材300が形成される。
【0047】
また、本体吸音部材300において、突起部312は、第3または第4の板状吸音部材310−3、310−4の外側面から突出した状態となる。また、本体吸音部材300において、穴部313から近傍の縁部までの部分(以下「代部」という)314は、第1または第2の板状吸音部材310−1、310−2の外側面から突出した状態となる。したがって、突起部312および代部314は、本体吸音部材300が本体部分210の内部に配置されたときに、本体吸音部材300と本体部分210の内部との間に空間を形成するスペーサとして機能する。そして、この空間は、吸音を行うための背面空気層として機能する。
【0048】
また、これらの突起部312および代部314は、本体吸音部材300が本体部分210の内部に配置されたときに、本体部分210の内面に当接するようになっている。すなわち、突起部312および代部314を含めた板状吸音部材310の幅が、本体部分210の対応する内面の幅に等しくなっている。したがって、本体吸音部材300は、本体部分210の内部に配置されたときに固定され、背面空気層の厚さは、突起部312および代部314の高さ(水平方向における長さ)となる。
【0049】
更に、本体吸音部材300は、本体部分210の内部に配置されたときに、その上端の全周および下端の全周が、本体部分210の内面に当接するようになっている。したがって、背面空気層は、閉じられた空間となる。すなわち、本体部分210の内部空間は、コンプレッサ104が配置された空間と、これを取り囲む背面空気層とに分けられる。
【0050】
第1〜第4の板状吸音部材310−1〜310−4は、所定の通音性能および吸音性能を有する板状部材を加工したものである。具体的には、第1〜第4の板状吸音部材310−1〜310−4は、それぞれ、母材層と膜層とから成る二層構造を有する。
【0051】
母材層は、細かい空気の隙間を有する多孔質素材から成る板状部材であり、高分子繊維、例えばポリエステル繊維から成る。母材層は、繊維の隙間にある空気の粘性抵抗により、所定の周波数の音のエネルギーを熱に変換し、その音を吸収する。なお、高分子繊維を採用する場合には、繊維の配向は、縦方向、横方向、ランダム配向のいずれでもよい。また、母材層の素材は、高分子繊維を不織布としたものや高分子繊維の不織布を圧縮成型したものでもよく、また、スポンジ状のウレタン素材等、他の多孔質素材を採用してもよい。ここでは、母材層は、ポリエステル繊維の不織布を圧縮成型したものとする。
【0052】
膜層は、所定の通音性能および吸音性能を有するとともに、母材層の吸音性能に影響を与えない高分子フィルムである。
【0053】
膜層および母材層から成る複合構造体と背面空気層とから成る共振系、並びに複合構造体の多質点系の共振により、所定の周波数の音、特に低周波音に対し、吸音が行なわれる。
【0054】
膜層は、母材層の冷却用空気が通過する側、母材層の背面空気層側、母材層の内部のいずれに配置されていてもよいが、冷却用空気が通過する側(ここではコンプレッサ104側)に配置することが望ましい。これにより、母材層が冷却用空気と直接に接触するのを防ぐことができ、酸素濃縮器10の耐久性および安全性を向上させることができる。また、本体板状吸音部材310の表面抵抗を低減することができるので、冷却用空気の流れへの影響を抑えることができ、冷却用空気の圧力損失を抑えることができる。したがって、小さい能力の冷却用ファン107を採用することができ、冷却用ファン107の動作音を抑えることができる。ここでは、膜層は、母材層の冷却用空気が通過する側の面に熱融着された高分子フィルムであるものとする。
【0055】
このような板状吸音部材310の吸音性能は、背面空気層の厚さに依存する。したがって、本体吸音部材300と本体部分210との間の背面空気層の厚さを設計値通りとなるようにすることは重要である。また、本体吸音部材300の製作は、生産コスト低減の観点から、できるだけ簡単に行えることが望ましい。このため、本体吸音部材300は、突起部312および代部314の高さを背面空気層の厚さの設計値とすることにより、本体部分210の内部に配置するだけで背面空気層の厚さが設計値通りとなるような構造となっている。これにより、板状吸音部材310は、本体部分210の内部に配置されたときに、ケース通過音および風路通過音に対する高い吸音機能を発揮する。
【0056】
なお、板状吸音部材310を通過して背面空気層に進入した音の大部分は、本体部分210の内面で反射して再び板状吸音部材310に戻る。これにより、音の反射面である本体部分210の内側からλ/4の距離で空気の振動がピークとなる。したがって、背面空気層の厚さに母材層の厚さの1/2を足した長さの4倍の波長の付近の音およびこの音の整数倍の周波数の音に対する吸音率を向上させることができる。
【0057】
補強部311は、母材層と膜層から成る上記板状部材により構成されてもよいが、ウレタンフォーム等の別の素材により構成されてもよい。
【0058】
このように、本体吸音部材300は、コンプレッサケース200の本体部分210の内部に配置されたときに、本体吸音部材300自体の立体形状により背面空気層を形成することができる構造となっている。これにより、スペーサを別途配置することなく、適切な背面空気層を設定し、コンプレッサ104のケース通過音および風路通過音を低減することができる。
【0059】
また、本体吸音部材300は、筒状形状であり、かつ、本体部分210に当接する部分を有している。これにより、本体吸音部材300は、本体部分210の内部への取り付け作業、特に、交換や、既存の装置への後付け作業を容易に行うことができる。
【0060】
更に、本体吸音部材300は、軽いだけでなく、組み立て式であることから使用時以外は容積を小さくしたり平面状にすることができる。したがって、本体吸音部材300は、運搬、保管、廃棄に有利である。
【0061】
なお、本体吸音部材300は、突起部312、穴部313、および板状吸音部材310間の接触領域の全てが、細く、かつ平行となっている。したがって、本体吸音部材300は、第1〜第4の板状吸音部材310−1〜310−4が組み合わされたままの状態で、突起部421等に直交する方向(水平方向)に潰すことにより、容易に平面形状に変形させることができる。そして、潰れた状態の本体吸音部材300は、潰したときと逆の方向に引っ張ることにより、容易に所望の立体形状に変形させることが可能である。
【0062】
次に、吸気口吸音部材の構成について説明する。
【0063】
図5は、吸気口吸音部材の構成を示す斜視図である。ここでは、コンプレッサケース200についても併せて図示する。
【0064】
図5に示すように、吸気口吸音部材400は、吸気口部分220よりも一回り小さい、吸気口部分220の側面に沿った箱状の立体形状を有する。より具体的には、吸気口吸音部材400は、第1〜第4の側面部分と底面部分から成る平面状の板状吸音部材が立体的に組み立てられた部材である。吸気口吸音部材400は、例えば、吸気口部分220の上方の開口から、矢印400Aの方向で、吸気口部分220の内部に挿入される。
【0065】
図6は、組み立て前の吸気口吸音部材400の構成を示す斜視図である。
【0066】
図6に示すように、吸気口吸音部材400は、矩形の底面部分410と、底面部分410の4辺に連続して配置された第1〜第4の側面部分420−1〜420−4とを有する。
【0067】
第1の側面部分420−1およびこれとは反対側に配置された第2の側面部分420−2は、左右の縁に、突起部421をそれぞれ有する。また、第3の側面部分420−3およびこれとは反対側に配置された第4の側面部分420−4は、左右の縁に近い位置に、第1および第2の側面部分420−1、420−2の突起部421を差し込むための穴部422をそれぞれ有する。更に、第3の側面部分420−3は、開口部423と、外面側で開口部423を取り囲む厚みのある補強部424とを有する。開口部423は、吸気口部分220と本体吸音部材300との間を通じる開口(図示せず)に対応している。
【0068】
第1〜第4の側面部分420−1〜420−4がそれぞれ底面部分410に対して直角に折り曲げられ、各突起部421が対応する穴部422に差し込まれることにより、第1〜第4の側面部分420−1〜420−4は組み立てられ、図5に示す立体形状の吸気口吸音部材400が形成される。
【0069】
吸気口吸音部材400において、突起部421および穴部422から近傍の縁部までの部分(以下「代部」という)424は、図3の本体吸音部材300における穴部313および代部314と同様の役割を果たす。すなわち、突起部421および代部424は、吸気口吸音部材400と吸気口部分220の内部との間に空間を形成し、かつ、吸気口吸音部材400全体を位置決めするスペーサとして機能する。
【0070】
また、吸気口吸音部材400は、吸気口部分220の内部に配置されたときに、その上端の全周と、開口部423の縁の全周とが、吸気口部分220の本体部分210の内面にそれぞれ当接するようになっている。したがって、吸気口吸音部材400は、本体吸音部材300と同様に、閉じられた背面空気層を形成する。
【0071】
また、吸気口吸音部材400は、本体吸音部材300と同様に、ポリエステル繊維の不織布を圧縮成型した母材層と、母材層の原料空気通過側に熱融着された高分子フィルムの膜層とから構成される。
【0072】
したがって、吸気口吸音部材400は、吸気口部分220の内部に配置されたときに、スペーサを別途配置することなく、適切な背面空気層を設定し、コンプレッサ104の吸気口通過音を低減することができる。また、吸気口吸音部材400は、本体吸音部材300と同様に、取付性、運搬性等において優れている。特に、吸気口吸音部材400は、単一の部材によって構成することができるので、生産や管理が容易であるという利点も有する。
【0073】
以下、上述のように構成された酸素濃縮器10の動作について説明する。
【0074】
酸素濃縮器10への電源供給が開始されると、所定のセルフチェックプログラムによって動作環境が整えられる。操作者(患者または介護者)により、筐体100に設けられた操作部において酸素流量および酸素濃度が指定されると、流量制限オリフィス121は、その設定内容に応じて流路の断面積を調整する。
【0075】
コンプレッサ104は、筐体100の外部から、風路ケース101、ヘパフィルタ102、および吸気タンク103を介して、原料空気を導入し、導入した原料空気を圧縮して圧縮空気を生成する。このとき、ヘパフィルタ102は、通過する原料空気から空中浮遊粒子を除去する。
【0076】
このとき、コンプレッサ104のケース通過音、吸気口通過音、および風路通過音は、上述のように、コンプレッサケース200の内部に配置された本体吸音部材300および吸気口吸音部材400の存在によって低減される。
【0077】
コンプレッサ104で生成された圧縮空気は、冷却パイプ105を介してマニホールド108に送られる。マニホールド108は、第1および第2の切替弁109a、109bの開閉状態の切替えにより、コンプレッサ104から送られた圧縮空気を第1および第2のシーブベッド110、111を交互に通過させるとともに、第1および第2のシーブベッド110、111から窒素富化空気を交互に排気させる。第1および第2のシーブベッド110、111は、ゼオライトによる窒素の吸着と脱着とを交互に繰り返す。この結果、高濃度酸素が第1および第2のシーブベッド110、111から交互に製品タンク112に送られ続け、製品タンク112には、高濃度酸素が収容される。なお、ゼオライトは窒素だけでなく水分をも吸着するので、製品タンク112に収容される高濃度酸素は、水分がほとんど含まれていない乾燥した状態である。
【0078】
一方、第1および第2のシーブベッド110、111は、ゼオライトによる窒素の吸着と脱着との繰り返しの結果、窒素富化空気を、マニホールド108を介して、消音器115の排気口115aから筐体100の外部に排出し続ける。窒素富化空気の排気は、第1および第2の切替弁109a、109bの開閉切り替えごとに高い圧力で一気に行われる(例えば、1回の排気で数十リットル)。この排気に伴う音は比較的大きいため、消音器115により、この音の静音化を図っている。
【0079】
製品タンク112に収容された高濃度酸素は、レギュレータ117、止め弁118、バクテリアフィルタ120、流量制限オリフィス121、流量センサ123、加湿器124、および酸素出口125を介して、筐体100の外部に放出される。
【0080】
レギュレータ117は、製品タンク112の直後に設けられた圧力センサ116の検出結果に基づいて、製品タンク112直後の高濃度酸素の圧力の調整を行う。バクテリアフィルタ120は、高濃度酸素を除菌する。流量制限オリフィス121は、高濃度酸素の流量を制限する。圧力センサ122および流量センサ123は、放出される高濃度酸素が設定通りに処理されているか否かをモニタリングする。このモニタリング結果は、メモリ(図示せず)に記録され。加湿器124は、酸素出口125の直前で、高濃度酸素を加湿し、高濃度酸素に患者が吸引するために最適な水分を与える。
【0081】
酸素出口125から放出される高濃度酸素は、酸素出口125に接続されたチューブ(図示せず)およびチューブの他端に接続された酸素マスクや鼻腔カニューラを介して、患者に吸引される。
【0082】
また、上記の高濃度酸素生成の動作が行われている間、冷却用ファン107は、外気を筐体100内部に吸引し、コンプレッサケース200の内部を含む各部を循環させ、排気する。冷却用ファン107が循環させる外気は、コンプレッサ104、冷却パイプ105、マニホールド108、および制御に用いられるCPU等の部品を冷却する。これにより、第1および第2のシーブベッド110、111における窒素吸着効率等の装置性能が改善されるだけでなく、酸素濃縮器10の各部の耐久性および酸素濃縮器10の装置信頼性が向上する。
【0083】
このように、酸素濃縮器10は、コンプレッサ104の動作音の漏洩を抑制した状態で、高濃度酸素を患者に継続的に供給することができる。
【0084】
以上説明したように、本実施の形態によれば、コンプレッサ104を覆うコンプレッサケース200に、板状吸音部材および背面空気層を設けたので、コンプレッサの動作音の漏洩を抑制することができる。
【0085】
また、板状吸音部材は、コンプレッサケース200の内部に配置されたときに背面空気層を形成する立体形状を有するので、単体で背面空気層を形成することができる。すなわち、スペーサを不要とすることができ、コストを抑えることができる。
【0086】
また、立体形状は、部材の差し込み作業による組み立てにより実現され、かつ、組み立てのために備えられた部分をスペーサとして活用するので、更なる低コスト化を実現することができる。
【0087】
また、板状吸音部材は、高分子繊維から成る母材層と高分子フィルムの膜層とから成るので、高い吸音効果を発揮することができる。
【0088】
また、母材層は、高分子繊維不織布を圧縮したものであるため、吸音性能を保持しつつ適度な硬さを得ることができ、立体形状を維持することができる。
【0089】
また、膜層は、高分子フィルムを母材層に融着したものであるため、内部摩擦による吸音効果を向上させることができる。更に、冷却用空気の清浄性を保ち、かつ、冷却用空気の摩擦損失を抑えた状態で、より高い吸音性能を得ることができる。
【0090】
また、吸音材としてポリエステル繊維を用いるので、ウレタンフォーム等の従来の多孔質材料に比べて、耐久性、作業環境性、およびリサイクル性において優れた吸音部材を提供することができる。
【0091】
なお、筐体の内部に配置されたときに背面空気層を形成する立体形状を実現するための具体的構成は、上記内容に限定されるものではない。
【0092】
以下、本実施の形態の変形例として、板状吸音部材の構成の他の例について説明する。
【0093】
(変形例)
図7は、本実施の形態の変形例に係る板状吸音部材の構成を示す斜視図である。ここでは、コンプレッサケース200の本体部分210の内部に配置される本体吸音部材を例とする。
【0094】
図7に示すように、本体吸音部材300aは、図3に示す本体吸音部材300と同様に、本体部分210の側面に沿った筒状の立体形状を有する。大きさは、本体部分210よりも一回り小さい。ところが、本体吸音部材300aは、1枚の板状吸音部材が1方向(水平方向)に複数個所で折り曲げられることにより、立体形状を形成する。また、本体吸音部材300aは、上端に折り返しによる補強部311aを有する。
【0095】
図8は、本体吸音部材300aの展開図である。図8に示すように、本体吸音部材300aは、1枚の平面の板状吸音部材310aに、切り目またはミシン目等による折り目315aを施すことにより、簡単に立体形状を構成することができる。また、本体吸音部材300aは、1つの部材とすることができるので、生産および管理に有利である。
【0096】
本体吸音部材300aは、突出部および代部を有していないため、単体で位置決めを行うことは困難である。但し、本体吸音部材300aは、本体部分210よりも一回り小さいため、本体部分210に対して所定位置で固定するだけで、背面空気層を形成することができる。すなわち、本体吸音部材300aは、本体部分210の内側の面ごとにスペーサを配置する必要がないという利点、および製造が容易であるという利点を有する。また、本体吸音部材300aは、軽く、しかも使用時以外は容積を小さくしたり平面状にすることができることから運搬、保管、廃棄に有利である点は、図3に示す本体吸音部材300と同様である。
【0097】
なお、以上説明した実施の形態では、本発明に係る板状吸音部材を酸素濃縮器のコンプレッサを覆うコンプレッサカバーに適用した例について説明したが、本発明に係る板状吸音部材の適用対象は、これに限定されるものではない。例えば、酸素濃縮器の、マニホールド、シーブベッド、および冷却用ファン等を覆うケース、および酸素濃縮器のケーシングに、本発明を適用してもよい。
【0098】
また、酸素濃縮器以外にも、血圧計等の、ポンプ、モータ、およびコンプレッサを内蔵した各種医療機器にも本発明を適用することができる。特に、静音性および安全性が要求される医療用人工呼吸器、CPAP(continuous positive airway pressure)装置等の医療用機器に好適である。
【0099】
また、機械室や楽器練習室等の箱状の空間にも、本発明を適用することができる。但し、設置対象となる筐体が大きい場合には、素材の変更、厚さの変更、凹凸加工、補強材の追加等、強度を高める必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の一実施の形態に係る板状吸音部材が用いられる酸素濃縮器の構成を示す概略図
【図2】本実施の形態におけるコンプレッサケースの構成を示す斜視図
【図3】本実施の形態に係る本体吸音部材の構成を示す斜視図
【図4】本実施の形態に係る板状吸音部材の構成を示す斜視図
【図5】本実施の形態に係る吸気口吸音部材の構成を示す斜視図
【図6】本実施の形態に係る組み立て前の吸気口吸音部材の構成を示す斜視図
【図7】本実施の形態の変形例に係る板状吸音部材の構成を示す斜視図
【図8】本実施の形態の変形例に係る板状吸音部材の展開図
【符号の説明】
【0101】
10 酸素濃縮器
100 筐体
101 風路ケース
102 ヘパフィルタ
103 吸気タンク
104 コンプレッサ
105 冷却パイプ
107 冷却用ファン
108 マニホールド
109a、109b 切替弁
110、111 シーブベッド
112 製品タンク
113 均圧弁
114 パージオリフィス
115 消音器
115a 排気口
116 圧力センサ
117 レギュレータ
118 止め弁
119 酸素センサ
120 バクテリアフィルタ
121 流量制限オリフィス
122 圧力センサ
123 流量センサ
124 加湿器
125 酸素出口
200 コンプレッサケース
210 本体部分
220 吸気口部分
230 風路部分
300、300a 本体吸音部材
310、310a 板状吸音部材
311、311a、424 補強部
312、421 突起部
313、422 穴部
314、424 代部
315a 折り目
400 吸気口吸音部材
410 底面部分
420 側面部分
423 開口部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部に配置される板状吸音部材であって、
高分子繊維から成る母材層と高分子フィルムの膜層とから構成され、前記筐体の内部に配置されたときに前記筐体の内面との間に空間を形成する立体形状を有する、
板状吸音部材。
【請求項2】
前記立体形状によって形成される前記空間は、閉じられた空間である、
請求項1記載の板状吸音部材。
【請求項3】
前記立体形状は、前記筐体の内部に配置される音源を囲む形状である、
請求項1記載の板状吸音部材。
【請求項4】
前記筐体の内部空間は、前記筐体の外部に配置される音源に接する空間に連続する空間を含み、前記立体形状は、前記筐体の内部空間に含まれる前記音源に接する空間に連続する空間を囲む形状である、
請求項1記載の板状吸音部材。
【請求項5】
前記音源は、原料空気から高濃度酸素を分離して放出する酸素濃縮器の内部に配置される装置である、
請求項3または請求項4記載の板状吸音部材。
【請求項6】
前記母材層と前記膜層とから構成され縁に突起部を有する板状部材と、前記母材層と前記膜層とから構成され前記突起部を差し込むための穴部を有する板状部材と、を有し、前記穴部に前記突起部が差し込まれた状態で前記立体形状を形成する、
請求項1記載の板状吸音部材。
【請求項7】
前記筐体の内部に配置されたときに、前記突起部および前記穴部近傍の縁部の少なくとも一方は、前記筐体の内面に当接する、
請求項6記載の板状吸音部材。
【請求項8】
前記突起部を有する板状部材と前記穴部を有する板状部材とは、前記立体形状を構成する前において分離している、
請求項6記載の板状吸音部材。
【請求項9】
前記突起部を有する板状部材と前記穴部を有する板状部材とは、前記立体形状を構成する前において一体である、
請求項6記載の板状吸音部材。
【請求項10】
前記母材層と前記膜層とから構成され、前記立体形状を展開した平面形状を有する、
請求項1記載の板状吸音部材。
【請求項11】
前記筐体の内部に配置されたときに、前記筐体の内面に当接する接触部を有する、
請求項10記載の板状吸音部材。
【請求項12】
原料空気を圧縮するコンプレッサと、圧縮された前記原料空気から高濃度酸素を分離して放出する吸着塔と、前記コンプレッサを覆う筐体と、を有する酸素濃縮器において使用される板状吸音部材であって、
高分子繊維から成る母材層と高分子フィルムの膜層とから構成され、前記筐体の内部に配置されたとき、前記コンプレッサを覆いつつ前記筐体の内面との間に空間を形成する立体形状を有する、
板状吸音部材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−122605(P2010−122605A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298130(P2008−298130)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000112602)フクダ電子株式会社 (196)
【Fターム(参考)】