板状部材およびこれを備えた記録装置
【課題】面の曲げ剛性を高めることができると共に、材料利用効率の良い板状部材等を提供する。
【解決手段】第1の方向(Y軸方向)と直交する第2の方向(X軸方向)における第1の位置でのY軸方向の第1の断面(A−A断面)と、X軸方向における第2の位置でのY軸方向の第2の断面(B−B断面)とが、異なる振幅の波形に形成されている。また、Y軸方向における波形状に形成された第3の断面(A−A断面またはB−B断面)と、X軸方向における波形状に形成された第4の断面(D−D断面)と、において、A−A断面またはB−B断面における、Y軸方向およびX軸方向に直交する第3の方向(Z軸方向)に最も突出する部位と、D−D断面におけるZ軸方向に最も突出する部位との位置が異なっている。
【解決手段】第1の方向(Y軸方向)と直交する第2の方向(X軸方向)における第1の位置でのY軸方向の第1の断面(A−A断面)と、X軸方向における第2の位置でのY軸方向の第2の断面(B−B断面)とが、異なる振幅の波形に形成されている。また、Y軸方向における波形状に形成された第3の断面(A−A断面またはB−B断面)と、X軸方向における波形状に形成された第4の断面(D−D断面)と、において、A−A断面またはB−B断面における、Y軸方向およびX軸方向に直交する第3の方向(Z軸方向)に最も突出する部位と、D−D断面におけるZ軸方向に最も突出する部位との位置が異なっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動や騒音を防止するための板状部材およびこれを備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、底板と、底板上の両端に立設した側板と、一対の側板間の上部を連結部材であるステー部材と、を有した画像形成装置の構造体である筐体が知られている(特許文献1参照)。底板は、一枚の板状の部材の中心および周縁部近傍に配設された大小の矩形の凸部と、小さい方の矩形の凸部を中心として対角線上に配設された複数のL字形状の凸部と、L字形状の凸部間に配設された長方形の凸部と、を有している。
この底板が、水平、垂直および任意の斜め方向に歪みにくい構造であるため、これを用いた画像形成装置は、駆動に伴った振動や騒音を抑制することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−023442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の底板(板状部材)では、複数のL字形状および複数の長方形の凸部が、大小2つの凸部の間に層状に配置されているため、凸部の無い部分が、縦横に直線的に長く延在することになる。このため、底板は、その材料の使用量に比して曲げ剛性を十分に確保できない問題があった。
【0005】
本発明は、面の曲げ剛性を高めることができると共に、材料利用効率の良い板状部材およびこれを備えた記録装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の板状部材は、第1の方向と直交する第2の方向における第1の位置での第1の方向の第1の断面と、第2の方向における第2の位置での第1の方向の第2の断面とが、異なる振幅の波形に形成されていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、第1の方向における2つの断面は、波形状に形成されていると共に、相互に異なる振幅の波形を有している。これにより、板状部材の平面における曲げ剛性が極端に低くなる部分を無くすことができるため、板状部材の曲げ剛性および材料利用効率を向上させることができる。
【0008】
また、本発明の板状部材は、第1の方向における波形状に形成された第3の断面と、第1の方向と直交する第2の方向における波形状に形成された第4の断面と、において、第3の断面における、第1の方向および第2の方向に直交する第3の方向に最も突出する部位と、第4の断面における第3の方向に最も突出する部位との位置が異なることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、第1の方向における第3の断面と、第2の方向における第4の断面との第3の方向に最も突出する部位の位置がそれぞれ異なっている。これにより、第1の方向および第2の方向において、板状部材の曲げ剛性が極端に低くなる部分を無くすことができ、板状部材の平面における曲げ剛性を高くすることができる。
【0010】
さらに、本発明の板状部材は、互いに直交し平面を構成する第1の方向および第2の方向に直交する第3の方向における突出量が異なる、少なくとも3の面からなる最小単位の面要素が連続的に形成され、3の面の縁の内側の領域の厚みが同一であることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、突出量が異なる、少なくとも3の面を有した板状部材は、曲げ中立面から第3の方向に離間した位置に、少なくとも2つの面が設けられることとなる。これにより、第1の方向および第2の方向において、板状部材の断面二次モーメントの値を高くすることができ、板状部材の平面における曲げ剛性を高くすることができる。
また、3の面は、それぞれ第3の方向における異なる位置に形成され、且つ、3の面からなる最小単位の面要素が連続的に形成されているため、各面および各面要素の境界部分には、実質的に補強壁が形成される。この補強壁は2次元平面上に格子状に形成されるため、曲げ剛性を向上させるための補強部材(補強壁)として機能する。これにより、補強部材を追加的に設けること無く、板状部材の曲げ剛性を向上させることができる。
【0012】
この場合、3の面のうち中段に位置する中段面部は、第3の方向において曲げ中立面と離間していることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、中段面部を曲げ中立面からずらすことによって、さらに板状部材の断面二次モーメントの値を高くすることができ、面の曲げ剛性を高くすることができる。
【0014】
この場合、3の面の隣り合う各面の境界部分は、表裏方向に対し傾いて形成されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、境界部分における応力集中を小さくするこができるため、高い剛性を有した板状部材を形成することができる。また、板状部材を射出成形で製造する場合に、金型からの型抜きが容易になる。
【0016】
本発明の記録装置は、記録媒体を1の方向に搬送可能に構成され、記録媒体に対し、インクジェットヘッドを相対的に移動させながら機能液滴を吐出して、記録媒体上に描画を行う描画部をフレームに搭載した記録装置であって、上記のいずれかに記載の板状部材を、フレームの一部に使用したことを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、高い曲げ剛性を有した記録装置のフレームを構成することができる。これにより、記録装置の駆動により生じる振動や騒音を低減させることができる。
【0018】
また、他の記録装置は、記録媒体を1の方向に搬送可能に構成され、記録媒体に対し、インクジェットヘッドを相対的に移動させながら機能液滴を吐出して、記録媒体上に描画を行う描画部をフレームに搭載した記録装置であって、請求項2ないし4のいずれかに記載の板状部材を、前記フレームの一部であると共に、記録媒体の搬送路となる搬送路部材に使用し、搬送路部材は、第3の方向に最も突出する部位が記録媒体の搬送方向に延在していることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、搬送路を通過する記録媒体は、凹凸のある波形状の板状部材(搬送路部材)に引っ掛からないように、第3の方向に最も突出する部位(上段面部)に支持されて搬送される。これにより、高い曲げ剛性を有し、且つ、円滑な記録媒体の搬送が可能な搬送路を有するフレームを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は、スキャナー装置を閉じた状態の複合機の外観斜視図であり、(b)は、スキャナー装置を開放した状態の複合機の外観斜視図である。
【図2】記録装置の内部構造を示した側方断面図である。
【図3】記録装置の内部構造を示した平面図である。
【図4】第1実施形態に係る搬送路部材の外観斜視図である。
【図5】第1実施形態に係る搬送路部材の三面図である。
【図6】図5に示すA−A線、B−B線、C−C線およびD−D線における断面図である。
【図7】(a)は、段差部の変形例を示した図5に示すD−D線に相当する断面図であり、(b)は、中段面部の曲げ中立面からの位置を説明するための部分断面図である。
【図8】第1実施形態に係る搬送路部材の制振効果についてのコンピューターシュミレーションの結果を示した図である。
【図9】第1実施形態に係る搬送路部材の曲げ剛性についてのコンピューターシュミレーションの結果を示した図である。
【図10】第2実施形態に係る搬送路部材を概念的に示した平面図である。
【図11】第3実施形態に係る搬送路部材の断面図であって、図5に示すA−A線に相当する断面図である。
【図12】第4実施形態に係る搬送路部材を概念的に示した断面図であって、図5に示すA−A線に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付した図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る記録装置を有する複合機について説明する。なお、以下の説明では、各図に示す通り、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定する。
【0022】
図1に示すように、複合機1は、記録媒体をX軸方向に搬送可能に構成され、記録媒体に対し、インクジェットヘッド32aを相対的に移動させながら機能液滴を吐出して、記録媒体上に描画を行う記録装置2と、記録装置2の上部において後端部のヒンジ部3aを介して回動自在に支持され、搭載された画像読取部により画像を読み取るスキャナー装置3と、を一体に備えている。
【0023】
記録装置2は、枚葉の記録媒体(印刷用紙や単票紙)を搬送路Rに沿って送る搬送部21と、搬送路Rの上方に配設され、記録媒体にインクジェット方式で印刷処理を行う印刷部22と、前面に配設されたパネル形式の操作部23と、搬送部21、印刷部22および操作部23を搭載した装置フレーム24(図2参照)と、これらを覆う装置ハウジング25と、を備えている。また、図示省略するが、後面下部には、パーソナルコンピューターに接続するためのUSBポートと、電源ケーブルが接続される電源ポートが配設されている。
【0024】
図1ないし図3に示すように、印刷部22は、装置フレーム24に支持されると共にY軸方向に幅一杯に延在する板金製のガイドフレーム31と、ガイドフレーム31に往復動自在に支持されたキャリッジユニット32と、キャリッジユニット32をガイドフレーム31に沿って往復動させるキャリッジ移動機構33と、を備えている。そして、このキャリッジユニット32に、インクジェットヘッド32aおよび複数(4個)のインクカートリッジ32bが搭載されている。
【0025】
キャリッジ移動機構33は、ガイドフレーム31に沿って延在するタイミングベルト33aを架け渡した主動プーリーおよび従動プーリー(いずれも図示省略)を有し、キャリッジモーター(図示省略)により主動プーリーを正逆回転させる。主走査は、タイミングベルト33aを介してキャリッジユニット32をY軸方向に往復動しながら、搭載したインクジェットヘッド32aが吐出駆動することにより行われる。
【0026】
搬送部21は、記録媒体の搬送路Rの上流側から順に、用紙トレイ41に右揃えでセットした記録媒体を1枚ずつ分離して送り出す分離ローラー42と、記録媒体を搬送路Rに沿って印刷部22に送り込む給紙ローラー43と、インクジェットヘッド32aに対面する媒体規制部材44(プラテンに相当する。)と、鋸歯状のガイドローラー45と、排出口47から記録媒体を送り出す排紙ローラー46と、を備えている。
【0027】
給紙ローラー43および排紙ローラー46は、それぞれ、一方を駆動ローラーとする上下一対のニップローラーで構成されている。そして、給紙ローラー43は、記録媒体の送り(副走査)を制御するメインローラーとして機能し、排紙ローラー46は、媒体規制部材44の上側に位置する記録媒体に張力を付与するテンションローラーとして機能する。
【0028】
次に、図1ないし図3を参照して、装置フレーム24、装置ハウジング25について説明する。装置フレーム24は、一体成形された樹脂で構成され、記録装置2の各部を支持し、装置ハウジング25は、装置フレーム24に対し固定され、記録装置2の外装を構成する。
【0029】
装置フレーム24は、記録装置2の底部を構成すると共に、記録媒体の搬送路Rの一部を構成するベースフレーム部51と、ベースフレーム部51に立設され、搬送部21の各構成部材およびガイドフレーム31を左右両側で支持する一対のサイドフレーム部52と、ベースフレーム部51の前部において、スキャナー装置3の前部を支持すると共に操作部23を支持する左右一対のフロントフレーム部53と、ベースフレーム部51の後部において、ヒンジ部3aを介してスキャナー装置3を開閉自在に支持する左右一対のリアフレーム部54と、を備えている。
【0030】
ベースフレーム部51は、その他のフレーム部52,53,54を介して各部を支持すると共に、それ自体がハウジングとしての役割を担っている。ベースフレーム部51は、用紙トレイ41に連なる上流側搬送部51aと、給紙ローラー43、媒体規制部材44および排紙ローラー46等が臨む搬送支持部51bと、排出口47へと連なる下流側搬送部51cと、を有している。
【0031】
記録媒体は、分離ローラー42により用紙トレイ41から1枚ずつ、上流側搬送部51a上に送り込まれ、給紙ローラー43により媒体規制部材44上を排紙ローラー46に向かってX軸方向に間欠送り(副走査)される。この間欠送りに同期して、キャリッジユニット32がX軸方向に往復動(主走査)しながらインクを選択的に吐出して所望の印刷が行われる。一方、媒体規制部材44を通過した記録媒体の先端は、ガイドローラー45により上反り状態を矯正されるようにして、排紙ローラー46に送り込まれる。そして、印刷が完了した記録媒体は、排紙ローラー46により下流側搬送部51c上に送り出され、排出口47から外部へと排紙される。すなわち、上流側搬送部51aと、給紙ローラー43から排紙ローラー46までと、下流側搬送部51cとが、記録媒体の搬送路Rを形成している。
【0032】
図2および図3に示すように、下流側搬送部51cには、その平面における曲げ剛性を高くするための搬送路部材61が、一体に形成されている。この搬送路部材61は、下流側搬送部51cの略中央部分において、記録媒体の幅と略同一幅のY軸方向に長辺を有する長方形に形成されている。
【0033】
図4および図5に示すように、搬送路部材61は、樹脂(または金属でもよい。)で構成された板状部材であって、任意の平面である基本水準面62と同一水準に形成された複数の基準面部63と、X軸方向に等間隔に基本水準面62からZ軸方向に突出して形成された複数の中段面部64と、Y軸方向に等間隔に、且つ、X軸方向に延在するように、基本水準面62から、中段面部64よりもZ軸方向に大きく突出して形成された複数の上段面部65と、を有している。また、各基準面部63、各中段面部64および各上段面部65は、それぞれ、平面視矩形の板状に形成されており、同一の板厚を有している。なお、「板厚」とは、各面部63,64,65のZ軸方向の長さを指す。
【0034】
複数の面部63,64,65は、平面上において、隣り合う各面部の相対的な高さ(Z軸方向の位置)がそれぞれ異なるようにマトリックス状に配設され、1の搬送路部材61を形成している。
【0035】
各中段面部64のX軸方向の幅と、各上段面部65のY軸方向の幅とは、それぞれ略同一となるように形成されている。また、複数の中段面部64のX軸方向の配設間隔は、中段面部64のX軸方向の幅よりも僅かに広く形成されており、同様に、複数の上段面部65のY軸方向の配設間隔も、上段面部65のY軸方向の幅よりも僅かに広く形成されている。なお、基準面部63、中段面部64および上段面部65の配設数、形成幅および配設間隔は任意である。
【0036】
また、隣り合う面部63,64,65の境界部分には、表裏(Z軸)方向に形成された段差部66が形成されている。すなわち、搬送路部材61は、各基準面部63、各中段面部64および各上段面部65が、それぞれ各段差部66によって連結し、波形状に形成されている。このため、搬送路部材61の平面における曲げ剛性が極端に低くなる部分が無い。また、各段差部66が、実質的な補強部材として2次元平面上に格子状に形成されるため、曲げ剛性を向上させるための補強部材を追加的に設ける必要も無い。
【0037】
なお、図7(a)に示すように、段差部66を、表裏方向に対し傾けて(正確には、角を丸めて)形成してもよい。この構成によれば、境界部分(段差部66)における応力集中を小さくするこができるため、高い剛性を有した搬送路部材61を形成することができる。また、搬送路部材61を樹脂で成形する場合には、射出成形で製造する際の金型からの型抜きが容易になる。
【0038】
また、図6を参照して、各方向における搬送路部材61の断面について説明する。図6に示すY軸方向の断面(ハッチング部分)において、A−A断面は、上段面部65と基準面部63とが波形状に連続して構成され、他方、B−B断面は、上段面部65と中段面部64とが波形状に連続して構成されている。すなわち、Y軸方向の断面において、Z軸方向に最も突出しているのは上段面部65であり、A−A断面が形成する波形と、B−B断面が形成する波形とは、異なる振幅を有している。同様に、図6に示すX軸方向の断面(ハッチング部分)において、D−D断面は、中段面部64と基準面部63とが波形状に連続して構成されている。すなわち、X軸方向の断面において、Z軸方向に最も突出しているのは中段面部64である。つまり、X軸方向の断面の波形と、Y軸方向の断面の波形とは、最突出部の位置(高さ)が異なっている。なお、図6に示すX軸方向のC−C断面は、上段面部65により平坦に形成されている。
【0039】
また、図4ないし図6に示した搬送路部材61は、中段面部64が、基本水準面62と上段面部65との間の中央位置に配設されている。しかし、詳細は後述するが、中段面部64が、表裏(Z軸)方向において曲げ中立面から離間した位置に設けられていることが好ましい(図7(b)参照)。
【0040】
このような、搬送路部材61(板状部材)は、少なくとも搬送路部材61の曲げ中立面からから離間した位置に上段面部65と基準面部63とが複数設けられているため、X軸方向およびY軸方向において、搬送路部材61の断面二次モーメントの値を高くすることができる。これにより、搬送路部材61の曲げ剛性および材料利用効率を向上させることができる。なお、基準面部63、中段面部64および上段面部65は、それぞれ任意の大きさに形成してよいが、できるだけ広い面として形成することが好ましい。これにより、搬送路部材61(板状部材)の断面二次モーメントの値を高く確保しやすくなる。
【0041】
また、図3に示すように、搬送路部材61は、各上段面部65が記録媒体の搬送方向(X軸方向)に延在するように形成されている。さらに、図2に示すように、各上段面部65は、搬送路部材61が形成されている部分以外の下流側搬送部51cと面一となるように形成されている。この構成によれば、下流側搬送部51c(搬送路R)を通過する記録媒体は、凹凸のある波形状の搬送路部材61に引っ掛かることがなく、各上段面部65に支持されて搬送される。これにより、高い曲げ剛性を有し、且つ、円滑な記録媒体の搬送が可能な搬送路Rを有するベースフレーム部51(装置フレーム24)を構成することができる。
【0042】
ここで、図8を参照して、本発明の搬送路部材61の制振効果および曲げ剛性についてのコンピューターシュミレーションの結果を簡単に説明する。このコンピューターシュミレーションでは、各面部63,64,65の板厚が1.8mm、基本水準面62から上段面部65の上面までが2mm、基本水準面62から中段面部64の上面までが1mmに形成され、且つ、各中段面部64のX軸方向の幅および各上段面部65のY軸方向の幅が19.5mmで、これらの配設間隔はそれぞれ23mmに形成された波形状の搬送路部材61(以降、単に「搬送路部材61」と呼ぶ。)を基本データとして用いた。また、本発明の波形状の搬送路部材61と比較するために、ラーメン形状のリブ補強を施した搬送路部材61(以降「ラーメン型搬送路部材71」と呼ぶ。(図9(b)参照))およびトラス形状のリブ補強を施した搬送路部材61(以降「トラス型搬送路部材72」と呼ぶ。(図9(c)参照))の結果も示す。なお、それぞれの搬送路部材61,71,72の材質(樹脂)および外形寸法(266mm×69mm)は、同一である。
【0043】
図8は、500Hzから2.5kHz帯における振動を与えた場合の制振効果の結果を示したものである。図8(a)に示すように、全ての搬送路部材61,71,72において、質量が増すに従って制振効果も増している。しかし、各質量が45.9gのときに、ラーメン型搬送路部材71が3.2dB、トラス型搬送路部材72が3.4dBであるのに対し、搬送路部材61は4.5dBとなっており、高い制振効果を有しているという結果が示された。
【0044】
続いて、図8(b)は、本発明の搬送路部材61における各中段面部64の表裏方向の位置の相違による制振効果の結果を示したものであり、板厚等は上記した基本データを用い、基本水準面62から各中段面部64の上面までの高さを0.5mm、1mm、1.5mmおよび2mm(すなわち、中段面部64が、上段面部65と同一の高さであり、中段面部64が省略除されたもの)の4種類についてコンピューターシュミレーションを行った結果を示したものである。このコンピューターシュミレーションでは、各中段面部64の高さが0.5mm(3.9dB(質量45.7g))、1mm(上記参照)、中段面部64を削除したもの(4.7dB(質量46g))、1.5mm(5.1dB(質量45.7g))の順に制振効果が向上するという結果が示された。
【0045】
したがって、図7(b)に示すように、各中段面部64を、曲げ中立面から(特に上段面部65側に)ずらすことによって、さらに搬送路部材61の断面二次モーメントの値を高くすることができ、面の曲げ剛性を高くすることができる。
【0046】
続いて、図8(c)は、各上段面部65が、X軸方向に延在している場合と、Y軸方向に延在している場合と、の制振効果の違いを示したものである。各上段面部65がX軸方向に延在している場合は、上記した通り4.5dB((質量45.9g)という結果であったが、Y軸方向に延在している場合は、質量が46.3gのときに5.2dBという結果となった。
【0047】
したがって、記録媒体の搬送の円滑化を考慮する場合には、上述した記録装置2のように上段面部65を記録媒体の搬送方向(X軸方向)に延在するように設け、記録装置2の動作時の制振性を考慮する場合には、上段面部65を記録媒体のY軸方向に延在するように設けることが好ましい。
【0048】
次に、図9を参照して、曲げ剛性についてのコンピューターシュミレーションの結果を簡単に説明する。図9(a)は、矢印の方向に搬送路部材61を曲げた場合の各二点鎖線における断面での断面二次モーメントおよび中段面部64の形状比率によって求めた寄与換算値と、寄与換算値の合計を示したものである。同様に図9(b)はラーメン型搬送路部材71、図9(c)はトラス型搬送路部材72をそれぞれ矢印の方向に曲げた場合の各二点鎖線における断面での断面二次モーメントおよび各リブの形状比率によって求めた寄与換算値と、寄与換算値の合計を示したものである。同図に示すように、トラス型搬送路部材72(296mm^4)、ラーメン型搬送路部材71(326mm^4)、搬送路部材61(425mm^4)の順に断面二次モーメントが大きくなるという結果となった。
【0049】
以上の構成によれば、同一の板厚を有する各面部63,64,65が、それぞれ異なる高さで連なって配設された、すなわち、各方向の断面が波形状に形成されることで、高い曲げ剛性を備えた搬送路部材61(板状部材)を構成することができる。そして、この搬送路部材61を、装置フレーム24(ベースフレーム部51)に用いることで、記録装置2の駆動により生じる振動や騒音を低減させることができる。
【0050】
なお、本実施形態では、搬送路部材61(板状部材)を、記録装置2の底部および記録媒体の搬送路Rの一部を構成するベースフレーム部51の一部に用いていたが、全面に用いてもよいし、各フレーム部52,53,54に用いてもよい。また、搬送路部材61(板状部材)は、記録装置2(複合機1)のみならず、振動や騒音を低減させたい電子機器等のフレームや筐体(ハウジング)部分に適用することができる。
【0051】
(第2実施形態)
図10を参照して、第2実施形態に係る搬送路部材61(板状部材)について説明する。第2実施形態に係る搬送路部材61は、基準面部63、中段面部64および上段面部65が、それぞれ各段差部66によって連ねた面要素81を最小単位として、この面要素81を連続的に複数連ねることにより構成されている。
【0052】
例えば、図10(a)に示すように、1の面要素81は、上段面部65をX軸方向に延在させ、この上段面部65に対しY軸方向から中段面部64と基準面部63とをX軸方向に並べたもの配設し、これらを段差部66によって連結して波形状に形成されている。上段面部65は、平面視、X軸方向に長辺を有する長方形に形成されている。中段面部64および基準面部63も同様に長方形に形成されており、これらをX軸方向に並べて配設することで、上段面部65のX軸方向の長さ(大きさ)と同一になる。したがって、1の面要素81は、平面視、X軸方向に長辺を有する長方形に形成されている。
【0053】
なお、基準面部63、中段面部64および上段面部65の形状、大きさ、配設位置等は、任意である。例えば、図10(b)に示すように、基準面部63、中段面部64および上段面部65を、それぞれ六角形に形成して、これらを各段差部66によって連ねて面要素81を構成してもよい。この場合、破線で示した方向への曲げ剛性が高まる。
【0054】
以上の構成によれば、第1実施形態のものと同様に、高い曲げ剛性を備えた搬送路部材61を構成することができ、これを用いた記録装置2の駆動により生じる振動や騒音を低減させることができる。
【0055】
(第3実施形態)
図11を参照して、第3実施形態に係る搬送路部材61(板状部材)について説明する。上述した第1実施形態に係る搬送路部材61の各方向の断面は、図6に示すように規則的(周期的)な一定の波形を有しているが、第3実施形態に係る搬送路部材61は、各基準面部63、各中段面部64および各上段面部65の大きさが、それぞれ任意に設定されている。
【0056】
ここでは、例として図6に表したA−A断面図に相当する断面について説明する。図11(a)に示すように、第3実施形態に係る搬送路部材61では、各基準面部63および各上段面部65のY軸方向の長さをランダムに設定し、Y軸方向に所定の長さを有するランダムな波形(波長)を1つの単位(以降、「波形単位82」と呼ぶ。)としている。第3実施形態に係る搬送路部材61のA−A断面は、この波形単位82が周期的に連ねられた波形を有している。また他にも、図11(b)に示すように、搬送路部材61のA−A断面全体が、ランダムな波形(波長)を有していてもよい。
【0057】
以上の構成によれば、搬送路部材61の平面上において、強度が必要な部分は、各面部63,64,65を広い面として形成し、それ以外の部分は部、各面63,64,65を狭い面として形成する等、必要な強度(断面二次モーメントの値)に応じて搬送路部材61を形成することができる。
【0058】
(第4実施形態)
上述した第1ないし第3実施形態に係る搬送路部材61の各方向における断面は、矩形波状に形成されていたが、図12に示すように、正弦波状に形成してもよい。また、この場合、第3実施形態に係るものと同様に、ランダムな波形(波長)となるように形成してもよい。
【符号の説明】
【0059】
2:記録装置、24:装置フレーム、51:ベースフレーム部、61:搬送路部材、62:基本水準面、63:基準面部、64:中段面部、65:上段面部、66:段差部、81:面要素、R:搬送路
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動や騒音を防止するための板状部材およびこれを備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、底板と、底板上の両端に立設した側板と、一対の側板間の上部を連結部材であるステー部材と、を有した画像形成装置の構造体である筐体が知られている(特許文献1参照)。底板は、一枚の板状の部材の中心および周縁部近傍に配設された大小の矩形の凸部と、小さい方の矩形の凸部を中心として対角線上に配設された複数のL字形状の凸部と、L字形状の凸部間に配設された長方形の凸部と、を有している。
この底板が、水平、垂直および任意の斜め方向に歪みにくい構造であるため、これを用いた画像形成装置は、駆動に伴った振動や騒音を抑制することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−023442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の底板(板状部材)では、複数のL字形状および複数の長方形の凸部が、大小2つの凸部の間に層状に配置されているため、凸部の無い部分が、縦横に直線的に長く延在することになる。このため、底板は、その材料の使用量に比して曲げ剛性を十分に確保できない問題があった。
【0005】
本発明は、面の曲げ剛性を高めることができると共に、材料利用効率の良い板状部材およびこれを備えた記録装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の板状部材は、第1の方向と直交する第2の方向における第1の位置での第1の方向の第1の断面と、第2の方向における第2の位置での第1の方向の第2の断面とが、異なる振幅の波形に形成されていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、第1の方向における2つの断面は、波形状に形成されていると共に、相互に異なる振幅の波形を有している。これにより、板状部材の平面における曲げ剛性が極端に低くなる部分を無くすことができるため、板状部材の曲げ剛性および材料利用効率を向上させることができる。
【0008】
また、本発明の板状部材は、第1の方向における波形状に形成された第3の断面と、第1の方向と直交する第2の方向における波形状に形成された第4の断面と、において、第3の断面における、第1の方向および第2の方向に直交する第3の方向に最も突出する部位と、第4の断面における第3の方向に最も突出する部位との位置が異なることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、第1の方向における第3の断面と、第2の方向における第4の断面との第3の方向に最も突出する部位の位置がそれぞれ異なっている。これにより、第1の方向および第2の方向において、板状部材の曲げ剛性が極端に低くなる部分を無くすことができ、板状部材の平面における曲げ剛性を高くすることができる。
【0010】
さらに、本発明の板状部材は、互いに直交し平面を構成する第1の方向および第2の方向に直交する第3の方向における突出量が異なる、少なくとも3の面からなる最小単位の面要素が連続的に形成され、3の面の縁の内側の領域の厚みが同一であることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、突出量が異なる、少なくとも3の面を有した板状部材は、曲げ中立面から第3の方向に離間した位置に、少なくとも2つの面が設けられることとなる。これにより、第1の方向および第2の方向において、板状部材の断面二次モーメントの値を高くすることができ、板状部材の平面における曲げ剛性を高くすることができる。
また、3の面は、それぞれ第3の方向における異なる位置に形成され、且つ、3の面からなる最小単位の面要素が連続的に形成されているため、各面および各面要素の境界部分には、実質的に補強壁が形成される。この補強壁は2次元平面上に格子状に形成されるため、曲げ剛性を向上させるための補強部材(補強壁)として機能する。これにより、補強部材を追加的に設けること無く、板状部材の曲げ剛性を向上させることができる。
【0012】
この場合、3の面のうち中段に位置する中段面部は、第3の方向において曲げ中立面と離間していることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、中段面部を曲げ中立面からずらすことによって、さらに板状部材の断面二次モーメントの値を高くすることができ、面の曲げ剛性を高くすることができる。
【0014】
この場合、3の面の隣り合う各面の境界部分は、表裏方向に対し傾いて形成されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、境界部分における応力集中を小さくするこができるため、高い剛性を有した板状部材を形成することができる。また、板状部材を射出成形で製造する場合に、金型からの型抜きが容易になる。
【0016】
本発明の記録装置は、記録媒体を1の方向に搬送可能に構成され、記録媒体に対し、インクジェットヘッドを相対的に移動させながら機能液滴を吐出して、記録媒体上に描画を行う描画部をフレームに搭載した記録装置であって、上記のいずれかに記載の板状部材を、フレームの一部に使用したことを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、高い曲げ剛性を有した記録装置のフレームを構成することができる。これにより、記録装置の駆動により生じる振動や騒音を低減させることができる。
【0018】
また、他の記録装置は、記録媒体を1の方向に搬送可能に構成され、記録媒体に対し、インクジェットヘッドを相対的に移動させながら機能液滴を吐出して、記録媒体上に描画を行う描画部をフレームに搭載した記録装置であって、請求項2ないし4のいずれかに記載の板状部材を、前記フレームの一部であると共に、記録媒体の搬送路となる搬送路部材に使用し、搬送路部材は、第3の方向に最も突出する部位が記録媒体の搬送方向に延在していることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、搬送路を通過する記録媒体は、凹凸のある波形状の板状部材(搬送路部材)に引っ掛からないように、第3の方向に最も突出する部位(上段面部)に支持されて搬送される。これにより、高い曲げ剛性を有し、且つ、円滑な記録媒体の搬送が可能な搬送路を有するフレームを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は、スキャナー装置を閉じた状態の複合機の外観斜視図であり、(b)は、スキャナー装置を開放した状態の複合機の外観斜視図である。
【図2】記録装置の内部構造を示した側方断面図である。
【図3】記録装置の内部構造を示した平面図である。
【図4】第1実施形態に係る搬送路部材の外観斜視図である。
【図5】第1実施形態に係る搬送路部材の三面図である。
【図6】図5に示すA−A線、B−B線、C−C線およびD−D線における断面図である。
【図7】(a)は、段差部の変形例を示した図5に示すD−D線に相当する断面図であり、(b)は、中段面部の曲げ中立面からの位置を説明するための部分断面図である。
【図8】第1実施形態に係る搬送路部材の制振効果についてのコンピューターシュミレーションの結果を示した図である。
【図9】第1実施形態に係る搬送路部材の曲げ剛性についてのコンピューターシュミレーションの結果を示した図である。
【図10】第2実施形態に係る搬送路部材を概念的に示した平面図である。
【図11】第3実施形態に係る搬送路部材の断面図であって、図5に示すA−A線に相当する断面図である。
【図12】第4実施形態に係る搬送路部材を概念的に示した断面図であって、図5に示すA−A線に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付した図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る記録装置を有する複合機について説明する。なお、以下の説明では、各図に示す通り、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定する。
【0022】
図1に示すように、複合機1は、記録媒体をX軸方向に搬送可能に構成され、記録媒体に対し、インクジェットヘッド32aを相対的に移動させながら機能液滴を吐出して、記録媒体上に描画を行う記録装置2と、記録装置2の上部において後端部のヒンジ部3aを介して回動自在に支持され、搭載された画像読取部により画像を読み取るスキャナー装置3と、を一体に備えている。
【0023】
記録装置2は、枚葉の記録媒体(印刷用紙や単票紙)を搬送路Rに沿って送る搬送部21と、搬送路Rの上方に配設され、記録媒体にインクジェット方式で印刷処理を行う印刷部22と、前面に配設されたパネル形式の操作部23と、搬送部21、印刷部22および操作部23を搭載した装置フレーム24(図2参照)と、これらを覆う装置ハウジング25と、を備えている。また、図示省略するが、後面下部には、パーソナルコンピューターに接続するためのUSBポートと、電源ケーブルが接続される電源ポートが配設されている。
【0024】
図1ないし図3に示すように、印刷部22は、装置フレーム24に支持されると共にY軸方向に幅一杯に延在する板金製のガイドフレーム31と、ガイドフレーム31に往復動自在に支持されたキャリッジユニット32と、キャリッジユニット32をガイドフレーム31に沿って往復動させるキャリッジ移動機構33と、を備えている。そして、このキャリッジユニット32に、インクジェットヘッド32aおよび複数(4個)のインクカートリッジ32bが搭載されている。
【0025】
キャリッジ移動機構33は、ガイドフレーム31に沿って延在するタイミングベルト33aを架け渡した主動プーリーおよび従動プーリー(いずれも図示省略)を有し、キャリッジモーター(図示省略)により主動プーリーを正逆回転させる。主走査は、タイミングベルト33aを介してキャリッジユニット32をY軸方向に往復動しながら、搭載したインクジェットヘッド32aが吐出駆動することにより行われる。
【0026】
搬送部21は、記録媒体の搬送路Rの上流側から順に、用紙トレイ41に右揃えでセットした記録媒体を1枚ずつ分離して送り出す分離ローラー42と、記録媒体を搬送路Rに沿って印刷部22に送り込む給紙ローラー43と、インクジェットヘッド32aに対面する媒体規制部材44(プラテンに相当する。)と、鋸歯状のガイドローラー45と、排出口47から記録媒体を送り出す排紙ローラー46と、を備えている。
【0027】
給紙ローラー43および排紙ローラー46は、それぞれ、一方を駆動ローラーとする上下一対のニップローラーで構成されている。そして、給紙ローラー43は、記録媒体の送り(副走査)を制御するメインローラーとして機能し、排紙ローラー46は、媒体規制部材44の上側に位置する記録媒体に張力を付与するテンションローラーとして機能する。
【0028】
次に、図1ないし図3を参照して、装置フレーム24、装置ハウジング25について説明する。装置フレーム24は、一体成形された樹脂で構成され、記録装置2の各部を支持し、装置ハウジング25は、装置フレーム24に対し固定され、記録装置2の外装を構成する。
【0029】
装置フレーム24は、記録装置2の底部を構成すると共に、記録媒体の搬送路Rの一部を構成するベースフレーム部51と、ベースフレーム部51に立設され、搬送部21の各構成部材およびガイドフレーム31を左右両側で支持する一対のサイドフレーム部52と、ベースフレーム部51の前部において、スキャナー装置3の前部を支持すると共に操作部23を支持する左右一対のフロントフレーム部53と、ベースフレーム部51の後部において、ヒンジ部3aを介してスキャナー装置3を開閉自在に支持する左右一対のリアフレーム部54と、を備えている。
【0030】
ベースフレーム部51は、その他のフレーム部52,53,54を介して各部を支持すると共に、それ自体がハウジングとしての役割を担っている。ベースフレーム部51は、用紙トレイ41に連なる上流側搬送部51aと、給紙ローラー43、媒体規制部材44および排紙ローラー46等が臨む搬送支持部51bと、排出口47へと連なる下流側搬送部51cと、を有している。
【0031】
記録媒体は、分離ローラー42により用紙トレイ41から1枚ずつ、上流側搬送部51a上に送り込まれ、給紙ローラー43により媒体規制部材44上を排紙ローラー46に向かってX軸方向に間欠送り(副走査)される。この間欠送りに同期して、キャリッジユニット32がX軸方向に往復動(主走査)しながらインクを選択的に吐出して所望の印刷が行われる。一方、媒体規制部材44を通過した記録媒体の先端は、ガイドローラー45により上反り状態を矯正されるようにして、排紙ローラー46に送り込まれる。そして、印刷が完了した記録媒体は、排紙ローラー46により下流側搬送部51c上に送り出され、排出口47から外部へと排紙される。すなわち、上流側搬送部51aと、給紙ローラー43から排紙ローラー46までと、下流側搬送部51cとが、記録媒体の搬送路Rを形成している。
【0032】
図2および図3に示すように、下流側搬送部51cには、その平面における曲げ剛性を高くするための搬送路部材61が、一体に形成されている。この搬送路部材61は、下流側搬送部51cの略中央部分において、記録媒体の幅と略同一幅のY軸方向に長辺を有する長方形に形成されている。
【0033】
図4および図5に示すように、搬送路部材61は、樹脂(または金属でもよい。)で構成された板状部材であって、任意の平面である基本水準面62と同一水準に形成された複数の基準面部63と、X軸方向に等間隔に基本水準面62からZ軸方向に突出して形成された複数の中段面部64と、Y軸方向に等間隔に、且つ、X軸方向に延在するように、基本水準面62から、中段面部64よりもZ軸方向に大きく突出して形成された複数の上段面部65と、を有している。また、各基準面部63、各中段面部64および各上段面部65は、それぞれ、平面視矩形の板状に形成されており、同一の板厚を有している。なお、「板厚」とは、各面部63,64,65のZ軸方向の長さを指す。
【0034】
複数の面部63,64,65は、平面上において、隣り合う各面部の相対的な高さ(Z軸方向の位置)がそれぞれ異なるようにマトリックス状に配設され、1の搬送路部材61を形成している。
【0035】
各中段面部64のX軸方向の幅と、各上段面部65のY軸方向の幅とは、それぞれ略同一となるように形成されている。また、複数の中段面部64のX軸方向の配設間隔は、中段面部64のX軸方向の幅よりも僅かに広く形成されており、同様に、複数の上段面部65のY軸方向の配設間隔も、上段面部65のY軸方向の幅よりも僅かに広く形成されている。なお、基準面部63、中段面部64および上段面部65の配設数、形成幅および配設間隔は任意である。
【0036】
また、隣り合う面部63,64,65の境界部分には、表裏(Z軸)方向に形成された段差部66が形成されている。すなわち、搬送路部材61は、各基準面部63、各中段面部64および各上段面部65が、それぞれ各段差部66によって連結し、波形状に形成されている。このため、搬送路部材61の平面における曲げ剛性が極端に低くなる部分が無い。また、各段差部66が、実質的な補強部材として2次元平面上に格子状に形成されるため、曲げ剛性を向上させるための補強部材を追加的に設ける必要も無い。
【0037】
なお、図7(a)に示すように、段差部66を、表裏方向に対し傾けて(正確には、角を丸めて)形成してもよい。この構成によれば、境界部分(段差部66)における応力集中を小さくするこができるため、高い剛性を有した搬送路部材61を形成することができる。また、搬送路部材61を樹脂で成形する場合には、射出成形で製造する際の金型からの型抜きが容易になる。
【0038】
また、図6を参照して、各方向における搬送路部材61の断面について説明する。図6に示すY軸方向の断面(ハッチング部分)において、A−A断面は、上段面部65と基準面部63とが波形状に連続して構成され、他方、B−B断面は、上段面部65と中段面部64とが波形状に連続して構成されている。すなわち、Y軸方向の断面において、Z軸方向に最も突出しているのは上段面部65であり、A−A断面が形成する波形と、B−B断面が形成する波形とは、異なる振幅を有している。同様に、図6に示すX軸方向の断面(ハッチング部分)において、D−D断面は、中段面部64と基準面部63とが波形状に連続して構成されている。すなわち、X軸方向の断面において、Z軸方向に最も突出しているのは中段面部64である。つまり、X軸方向の断面の波形と、Y軸方向の断面の波形とは、最突出部の位置(高さ)が異なっている。なお、図6に示すX軸方向のC−C断面は、上段面部65により平坦に形成されている。
【0039】
また、図4ないし図6に示した搬送路部材61は、中段面部64が、基本水準面62と上段面部65との間の中央位置に配設されている。しかし、詳細は後述するが、中段面部64が、表裏(Z軸)方向において曲げ中立面から離間した位置に設けられていることが好ましい(図7(b)参照)。
【0040】
このような、搬送路部材61(板状部材)は、少なくとも搬送路部材61の曲げ中立面からから離間した位置に上段面部65と基準面部63とが複数設けられているため、X軸方向およびY軸方向において、搬送路部材61の断面二次モーメントの値を高くすることができる。これにより、搬送路部材61の曲げ剛性および材料利用効率を向上させることができる。なお、基準面部63、中段面部64および上段面部65は、それぞれ任意の大きさに形成してよいが、できるだけ広い面として形成することが好ましい。これにより、搬送路部材61(板状部材)の断面二次モーメントの値を高く確保しやすくなる。
【0041】
また、図3に示すように、搬送路部材61は、各上段面部65が記録媒体の搬送方向(X軸方向)に延在するように形成されている。さらに、図2に示すように、各上段面部65は、搬送路部材61が形成されている部分以外の下流側搬送部51cと面一となるように形成されている。この構成によれば、下流側搬送部51c(搬送路R)を通過する記録媒体は、凹凸のある波形状の搬送路部材61に引っ掛かることがなく、各上段面部65に支持されて搬送される。これにより、高い曲げ剛性を有し、且つ、円滑な記録媒体の搬送が可能な搬送路Rを有するベースフレーム部51(装置フレーム24)を構成することができる。
【0042】
ここで、図8を参照して、本発明の搬送路部材61の制振効果および曲げ剛性についてのコンピューターシュミレーションの結果を簡単に説明する。このコンピューターシュミレーションでは、各面部63,64,65の板厚が1.8mm、基本水準面62から上段面部65の上面までが2mm、基本水準面62から中段面部64の上面までが1mmに形成され、且つ、各中段面部64のX軸方向の幅および各上段面部65のY軸方向の幅が19.5mmで、これらの配設間隔はそれぞれ23mmに形成された波形状の搬送路部材61(以降、単に「搬送路部材61」と呼ぶ。)を基本データとして用いた。また、本発明の波形状の搬送路部材61と比較するために、ラーメン形状のリブ補強を施した搬送路部材61(以降「ラーメン型搬送路部材71」と呼ぶ。(図9(b)参照))およびトラス形状のリブ補強を施した搬送路部材61(以降「トラス型搬送路部材72」と呼ぶ。(図9(c)参照))の結果も示す。なお、それぞれの搬送路部材61,71,72の材質(樹脂)および外形寸法(266mm×69mm)は、同一である。
【0043】
図8は、500Hzから2.5kHz帯における振動を与えた場合の制振効果の結果を示したものである。図8(a)に示すように、全ての搬送路部材61,71,72において、質量が増すに従って制振効果も増している。しかし、各質量が45.9gのときに、ラーメン型搬送路部材71が3.2dB、トラス型搬送路部材72が3.4dBであるのに対し、搬送路部材61は4.5dBとなっており、高い制振効果を有しているという結果が示された。
【0044】
続いて、図8(b)は、本発明の搬送路部材61における各中段面部64の表裏方向の位置の相違による制振効果の結果を示したものであり、板厚等は上記した基本データを用い、基本水準面62から各中段面部64の上面までの高さを0.5mm、1mm、1.5mmおよび2mm(すなわち、中段面部64が、上段面部65と同一の高さであり、中段面部64が省略除されたもの)の4種類についてコンピューターシュミレーションを行った結果を示したものである。このコンピューターシュミレーションでは、各中段面部64の高さが0.5mm(3.9dB(質量45.7g))、1mm(上記参照)、中段面部64を削除したもの(4.7dB(質量46g))、1.5mm(5.1dB(質量45.7g))の順に制振効果が向上するという結果が示された。
【0045】
したがって、図7(b)に示すように、各中段面部64を、曲げ中立面から(特に上段面部65側に)ずらすことによって、さらに搬送路部材61の断面二次モーメントの値を高くすることができ、面の曲げ剛性を高くすることができる。
【0046】
続いて、図8(c)は、各上段面部65が、X軸方向に延在している場合と、Y軸方向に延在している場合と、の制振効果の違いを示したものである。各上段面部65がX軸方向に延在している場合は、上記した通り4.5dB((質量45.9g)という結果であったが、Y軸方向に延在している場合は、質量が46.3gのときに5.2dBという結果となった。
【0047】
したがって、記録媒体の搬送の円滑化を考慮する場合には、上述した記録装置2のように上段面部65を記録媒体の搬送方向(X軸方向)に延在するように設け、記録装置2の動作時の制振性を考慮する場合には、上段面部65を記録媒体のY軸方向に延在するように設けることが好ましい。
【0048】
次に、図9を参照して、曲げ剛性についてのコンピューターシュミレーションの結果を簡単に説明する。図9(a)は、矢印の方向に搬送路部材61を曲げた場合の各二点鎖線における断面での断面二次モーメントおよび中段面部64の形状比率によって求めた寄与換算値と、寄与換算値の合計を示したものである。同様に図9(b)はラーメン型搬送路部材71、図9(c)はトラス型搬送路部材72をそれぞれ矢印の方向に曲げた場合の各二点鎖線における断面での断面二次モーメントおよび各リブの形状比率によって求めた寄与換算値と、寄与換算値の合計を示したものである。同図に示すように、トラス型搬送路部材72(296mm^4)、ラーメン型搬送路部材71(326mm^4)、搬送路部材61(425mm^4)の順に断面二次モーメントが大きくなるという結果となった。
【0049】
以上の構成によれば、同一の板厚を有する各面部63,64,65が、それぞれ異なる高さで連なって配設された、すなわち、各方向の断面が波形状に形成されることで、高い曲げ剛性を備えた搬送路部材61(板状部材)を構成することができる。そして、この搬送路部材61を、装置フレーム24(ベースフレーム部51)に用いることで、記録装置2の駆動により生じる振動や騒音を低減させることができる。
【0050】
なお、本実施形態では、搬送路部材61(板状部材)を、記録装置2の底部および記録媒体の搬送路Rの一部を構成するベースフレーム部51の一部に用いていたが、全面に用いてもよいし、各フレーム部52,53,54に用いてもよい。また、搬送路部材61(板状部材)は、記録装置2(複合機1)のみならず、振動や騒音を低減させたい電子機器等のフレームや筐体(ハウジング)部分に適用することができる。
【0051】
(第2実施形態)
図10を参照して、第2実施形態に係る搬送路部材61(板状部材)について説明する。第2実施形態に係る搬送路部材61は、基準面部63、中段面部64および上段面部65が、それぞれ各段差部66によって連ねた面要素81を最小単位として、この面要素81を連続的に複数連ねることにより構成されている。
【0052】
例えば、図10(a)に示すように、1の面要素81は、上段面部65をX軸方向に延在させ、この上段面部65に対しY軸方向から中段面部64と基準面部63とをX軸方向に並べたもの配設し、これらを段差部66によって連結して波形状に形成されている。上段面部65は、平面視、X軸方向に長辺を有する長方形に形成されている。中段面部64および基準面部63も同様に長方形に形成されており、これらをX軸方向に並べて配設することで、上段面部65のX軸方向の長さ(大きさ)と同一になる。したがって、1の面要素81は、平面視、X軸方向に長辺を有する長方形に形成されている。
【0053】
なお、基準面部63、中段面部64および上段面部65の形状、大きさ、配設位置等は、任意である。例えば、図10(b)に示すように、基準面部63、中段面部64および上段面部65を、それぞれ六角形に形成して、これらを各段差部66によって連ねて面要素81を構成してもよい。この場合、破線で示した方向への曲げ剛性が高まる。
【0054】
以上の構成によれば、第1実施形態のものと同様に、高い曲げ剛性を備えた搬送路部材61を構成することができ、これを用いた記録装置2の駆動により生じる振動や騒音を低減させることができる。
【0055】
(第3実施形態)
図11を参照して、第3実施形態に係る搬送路部材61(板状部材)について説明する。上述した第1実施形態に係る搬送路部材61の各方向の断面は、図6に示すように規則的(周期的)な一定の波形を有しているが、第3実施形態に係る搬送路部材61は、各基準面部63、各中段面部64および各上段面部65の大きさが、それぞれ任意に設定されている。
【0056】
ここでは、例として図6に表したA−A断面図に相当する断面について説明する。図11(a)に示すように、第3実施形態に係る搬送路部材61では、各基準面部63および各上段面部65のY軸方向の長さをランダムに設定し、Y軸方向に所定の長さを有するランダムな波形(波長)を1つの単位(以降、「波形単位82」と呼ぶ。)としている。第3実施形態に係る搬送路部材61のA−A断面は、この波形単位82が周期的に連ねられた波形を有している。また他にも、図11(b)に示すように、搬送路部材61のA−A断面全体が、ランダムな波形(波長)を有していてもよい。
【0057】
以上の構成によれば、搬送路部材61の平面上において、強度が必要な部分は、各面部63,64,65を広い面として形成し、それ以外の部分は部、各面63,64,65を狭い面として形成する等、必要な強度(断面二次モーメントの値)に応じて搬送路部材61を形成することができる。
【0058】
(第4実施形態)
上述した第1ないし第3実施形態に係る搬送路部材61の各方向における断面は、矩形波状に形成されていたが、図12に示すように、正弦波状に形成してもよい。また、この場合、第3実施形態に係るものと同様に、ランダムな波形(波長)となるように形成してもよい。
【符号の説明】
【0059】
2:記録装置、24:装置フレーム、51:ベースフレーム部、61:搬送路部材、62:基本水準面、63:基準面部、64:中段面部、65:上段面部、66:段差部、81:面要素、R:搬送路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向と直交する第2の方向における第1の位置での前記第1の方向の第1の断面と、前記第2の方向における第2の位置での前記第1の方向の第2の断面とが、異なる振幅の波形に形成されていることを特徴とする板状部材。
【請求項2】
第1の方向における波形状に形成された第3の断面と、第1の方向と直交する第2の方向における波形状に形成された第4の断面と、において、
前記第3の断面における、前記第1の方向および前記第2の方向に直交する第3の方向に最も突出する部位と、前記第4の断面における前記第3の方向に最も突出する部位との位置が異なることを特徴とする板状部材。
【請求項3】
互いに直交し平面を構成する第1の方向および第2の方向に直交する第3の方向における突出量が異なる、少なくとも3の面からなる最小単位の面要素が連続的に形成され、
前記3の面の縁の内側の領域の厚みが同一であることを特徴とする板状部材。
【請求項4】
前記3の面のうち中段に位置する中段面部は、前記第3の方向において曲げ中立面と離間していることを特徴とする請求項3に記載の板状部材。
【請求項5】
前記3の面の隣り合う各面の境界部分は、表裏方向に対し傾いて形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の板状部材。
【請求項6】
記録媒体を1の方向に搬送可能に構成され、前記記録媒体に対し、インクジェットヘッドを相対的に移動させながら機能液滴を吐出して、前記記録媒体上に描画を行う描画部をフレームに搭載した記録装置であって、
請求項1ないし5のいずれかに記載の板状部材を、前記フレームの一部に使用したことを特徴とする記録装置。
【請求項7】
記録媒体を1の方向に搬送可能に構成され、前記記録媒体に対し、インクジェットヘッドを相対的に移動させながら機能液滴を吐出して、前記記録媒体上に描画を行う描画部をフレームに搭載した記録装置であって、
請求項2ないし4のいずれかに記載の前記板状部材を、前記フレームの一部であると共に、前記記録媒体の搬送路となる搬送路部材に使用し、
前記搬送路部材は、前記第3の方向に最も突出する部位が前記記録媒体の搬送方向に延在していることを特徴とする記録装置。
【請求項1】
第1の方向と直交する第2の方向における第1の位置での前記第1の方向の第1の断面と、前記第2の方向における第2の位置での前記第1の方向の第2の断面とが、異なる振幅の波形に形成されていることを特徴とする板状部材。
【請求項2】
第1の方向における波形状に形成された第3の断面と、第1の方向と直交する第2の方向における波形状に形成された第4の断面と、において、
前記第3の断面における、前記第1の方向および前記第2の方向に直交する第3の方向に最も突出する部位と、前記第4の断面における前記第3の方向に最も突出する部位との位置が異なることを特徴とする板状部材。
【請求項3】
互いに直交し平面を構成する第1の方向および第2の方向に直交する第3の方向における突出量が異なる、少なくとも3の面からなる最小単位の面要素が連続的に形成され、
前記3の面の縁の内側の領域の厚みが同一であることを特徴とする板状部材。
【請求項4】
前記3の面のうち中段に位置する中段面部は、前記第3の方向において曲げ中立面と離間していることを特徴とする請求項3に記載の板状部材。
【請求項5】
前記3の面の隣り合う各面の境界部分は、表裏方向に対し傾いて形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の板状部材。
【請求項6】
記録媒体を1の方向に搬送可能に構成され、前記記録媒体に対し、インクジェットヘッドを相対的に移動させながら機能液滴を吐出して、前記記録媒体上に描画を行う描画部をフレームに搭載した記録装置であって、
請求項1ないし5のいずれかに記載の板状部材を、前記フレームの一部に使用したことを特徴とする記録装置。
【請求項7】
記録媒体を1の方向に搬送可能に構成され、前記記録媒体に対し、インクジェットヘッドを相対的に移動させながら機能液滴を吐出して、前記記録媒体上に描画を行う描画部をフレームに搭載した記録装置であって、
請求項2ないし4のいずれかに記載の前記板状部材を、前記フレームの一部であると共に、前記記録媒体の搬送路となる搬送路部材に使用し、
前記搬送路部材は、前記第3の方向に最も突出する部位が前記記録媒体の搬送方向に延在していることを特徴とする記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−125963(P2012−125963A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277764(P2010−277764)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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