説明

枝管の内張り方法及び樹脂管処理装置

【課題】短時間で枝管の内張りを行う。
【解決手段】高温高圧のエアにより、樹脂パイプ10の内面と外面とを反転させるとともに、その反転部分10aを枝管12に進行させつつ、枝管12の径方向に広げることによって、樹脂パイプ10を枝管12に設置する。次に、樹脂パイプ10が高温で軟化している間に、樹脂パイプ10の本管11へのはみ出し部10cをその根元部分において折り曲げる。次に、折り曲げたはみ出し部10cに貫通孔10eを形成することで、樹脂パイプ10内のエアを排出させて、樹脂パイプ10を冷えやすくする。次に、樹脂パイプ10が冷えて硬化してから、はみ出し部10cをその根元部分を残して切断することで鍔部10fを形成し、その後、鍔部10fを、本管11の内面に溶着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本管から枝分かれした枝管を熱可塑性樹脂からなる樹脂管で内張りする枝管の内張り方法、及び、枝管の内張りに用いる樹脂管処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下水道管やガス管のような管路のうち、本管から枝分かれした枝管を、合成樹脂材料からなる樹脂管で内張りすることによって、補修又は補強することが一般に知られている。例えば、特許文献1には、熱可塑性合成樹脂からなり、折りたたまれているとともに、その先端部が引込栓によって閉止された、常温では硬質の樹脂管(更生管)を、加熱して軟化させつつ、枝管(取り付け管)の本管と反対側に接続された枡から枝管に挿入することで、引込栓が取り付けられた先端部が本管にはみ出るように枝管に設置し、枝管への設置の完了後、折りたたまれた樹脂管を加熱加圧流体の圧力で広げて枝管の壁面に密着させることによって、枝管を樹脂管で内張りすることが記載されている。また、特許文献1には、この後、引込栓が取り付けられた、樹脂管の本管へのはみ出し部をその根元部分を残して切断してから、残した根元部分を枝管の径方向外側に折り曲げて鍔部を形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−159750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、このような枝管の内張りは、できるだけ速やかに終えることが好ましい。例えば、管路が下水道管であり、枝管に水が流れないようにして内張りの作業を行う場合には、各家庭から枝管に接続された枡への排水を止めてもらう必要があり、管路がガス管である場合にはガスを止める必要があるが、排水を止めてもらえる時間や、ガスを止めておける時間には限りがある(例えば、1時間以内)。
【0005】
一方、特許文献1では、樹脂管を加熱しつつ枝管に設置し、その後、樹脂管を加熱加圧流体によって広げて枝管の壁に密着させているため、枝管が樹脂管で内張りされた直後においては、樹脂管は高温であり軟化している。そして、樹脂管は軟化している状態では切断しにくい。
【0006】
そのため、上記作業が完了した後、樹脂管が冷えて硬化してから、はみ出し部の切断を行うことが好ましいが、この場合には、作業を行わずに、樹脂管が冷えて硬化するのを待つ分、作業時間が長くなってしまう。
【0007】
さらに、冷えて硬化したはみ出し部を切断した後、残した根元部分を折り曲げて鍔部を形成するためには、樹脂管の根元部分を再度加熱して軟化させる必要があり、これによっても作業時間が長くなってしまう。
【0008】
本発明の目的は、作業時間の短い枝管の内張り方法、及び、このような枝管の内張りに用いる樹脂管処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係る枝管の内張り方法は、本管から枝分かれした枝管に、熱可塑性合成樹脂からなる樹脂管を設置して、前記枝管を内張りする枝管の内張り方法であって、前記樹脂管を加熱加圧流体により加熱して軟化させ、軟化させた前記樹脂管を、前記本管と反対側から前記枝管に挿入するとともに、前記樹脂管の内面と外面とを反転させつつ、その反転部分を前記枝管に進行させることによって、前記本管側の先端部が前記本管にはみ出し、且つ、前記本管側の端部を閉塞する未反転部分が残るように前記枝管に設置し、前記樹脂管内部に加熱加圧流体を導入することにより、前記樹脂管を前記枝管の径方向に広げて略円筒形状とし、前記樹脂管が軟化している間に、前記樹脂管の前記本管へのはみ出し部を、その根元部分において前記枝管の径方向外側に折り曲げて、前記本管内面に略沿わせ、前記樹脂管が冷えて硬化してから、折り曲げられた前記はみ出し部を一部切断して、前記本管と前記枝管との接続部を覆う鍔部を形成することを特徴とする。
【0010】
いわゆる反転工法によって、樹脂管を、本管側の先端部を閉塞する未反転部分を残して、枝管に設置した場合、枝管への樹脂管の設置後、未反転部分により閉塞された樹脂管内部に加熱加圧流体が残存しているため、樹脂管が冷えて硬化するのに時間がかかる。
【0011】
しかしながら、本発明によると、樹脂管が高温で軟化している間に、はみ出し部をその根元部分において折り曲げ、その後、樹脂管が冷えて硬化してから、折り曲げたはみ出し部を一部切断して鍔部を形成することにより、樹脂管による枝管の内張りの作業時間を短縮することができる。
【0012】
また、樹脂管の先端部に残った未反転部分に、はみ出し部の先端部を形成する反転部分が連なっており、反転部分の未反転部分との境界部分に凹部が形成されるため、この凹部を基準にして、はみ出し部を折り曲げるための装置の位置決めを行うことができる。また、はみ出し部の凹部を形成している部分を樹脂管の径方向に押し広げつつ、本管の内面に向けて押し付ければ、はみ出し部を、枝管の本管との接続部分を支点にして折り曲げることができる。これにより、はみ出し部を確実にその根元部分において折り曲げることができる。
【0013】
第2の発明に係る枝管の内張り方法は、第1の発明に係る枝管の内張り方法において、前記はみ出し部を前記本管の内面に略沿わせた後、前記はみ出し部を切断する前に、前記はみ出し部に、前記樹脂管内部の前記加熱加圧流体を排出させるための貫通孔を形成することを特徴とする。
【0014】
はみ出し部に貫通孔を形成して樹脂管内部の加熱加圧流体を排出させることにより、はみ出し部を折り曲げた後、樹脂管が冷えて硬化するまでの時間を短くすることができる。なお、貫通孔は、樹脂管内部の加熱加圧流体を排出させることができればよく、その位置などにそれほど高い精度が要求されないため、樹脂管が高温で軟化している状態でも比較的容易に形成することができる。
【0015】
第3の発明に係る枝管の内張り方法は、第1又は第2の発明に係る枝管の内張り方法において、前記樹脂管に前記加熱加圧流体を供給することによって、前記樹脂管をその内面と外面とを反転させつつ送り出す反転機を用いて、前記樹脂管の反転部分を前記枝管に進行させ、前記反転機には、前記樹脂管を送り出す送出口の近傍に、前記樹脂管の未反転部分を加熱する加熱装置が設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明によると、加熱装置により、送出口から送り出される直前の樹脂管の未反転部分が加熱されるため、樹脂管をスムーズに反転させつつ、その反転部分を枝管に進行させることができる。
【0017】
第4の発明に係る管路の内張り方法は、第1〜第3のいずれかの発明に係る枝管の内張り方法において、前記樹脂管に前記加熱加圧流体を供給することによって、前記樹脂管をその内面と外面とを反転させつつ送り出す反転機を用いて、前記樹脂管の反転部分を前記枝管に進行させ、前記樹脂管を前記枝管に設置する際に、前記樹脂管の反転部分が前記枝管の途中の所定位置に到達するまでは、前記反転機から前記樹脂管に前記加熱加圧流体を供給し、前記樹脂管の反転部分が前記所定位置に到達した後は、前記反転機から前記樹脂管に前記加熱加圧流体よりも温度の低い加圧流体を供給することを特徴とする。
【0018】
本発明によると、樹脂管の反転部分が、枝管の途中の所定位置に到達した後、反転機から樹脂管に供給される温度の低い加圧流体により、樹脂管の既に反転して枝管に設置された部分を冷却することができる。これにより、枝管への樹脂管の設置後、樹脂管が冷えて硬化するまでの時間を短くすることができる。
【0019】
なお、このように、枝管への樹脂管の設置の途中から、樹脂管に温度の低い加圧流体を供給したとしても、樹脂管の反転部分には、それまで供給されていた高温高圧流体が存在しており、樹脂管の反転部分はこの高温高圧流体によって加熱されるため、樹脂管が反転しにくくなるといったことはない。
【0020】
第5の発明に係る枝管の内張り方法は、第1〜第4のいずれかの発明に係る枝管の内張り方法において、前記鍔部を形成した後、その鍔部を前記本管の内面に溶着させることを特徴とする。
【0021】
本発明によると、形成した鍔部を本管の内面に溶着させることにより、樹脂管と本管の内面との間が確実にシールされる。
【0022】
第6の発明に係る樹脂管折り曲げ装置は、第1〜第5のいずれか発明に係る枝管の内張り方法において、前記樹脂管の前記はみ出し部を折り曲げる樹脂管処理装置であって、前記未反転部分に食い込むことによって、前記はみ出し部を、前記枝管の径方向に押し広げる押し広げ手段と、前記押し広げ手段によって押し広げられた前記はみ出し部を、前記本管の内面に向けて押し付ける押し付け手段とを備えていることを特徴とする。
【0023】
本発明によると、押し広げ手段により、凹部においてはみ出し部を樹脂管の径方向に押し広げつつ、押し付け手段により、押し広げられたはみ出し部を本管の内面に向けて押し付ければ、樹脂管のはみ出し部を、枝管の本管との接続部分を支点にして折り曲げることができる。これにより、枝管に設置された樹脂管のはみ出し部を、確実にその根元部分において折り曲げることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、樹脂管が高温で軟化している間に、はみ出し部をその根元部分において折り曲げ、その後、樹脂管が冷えて硬化してから、折り曲げたはみ出し部を一部切断して鍔部を形成することにより、樹脂管による枝管の内張りの作業時間を短縮することができる。
【0025】
また、樹脂管の先端部に残った未反転部分に、はみ出し部の先端部を形成する反転部分が連なっており、反転部分の未反転部分との境界部分に凹部が形成されるため、この凹部を基準にして、はみ出し部を折り曲げるための装置の位置決めを行うことができる。また、はみ出し部の凹部を形成している部分を樹脂管の径方向に押し広げつつ、本管の内面に向けて押し付ければ、はみ出し部を、枝管の本管との接続部分を支点にして折り曲げることができる。これにより、はみ出し部を確実にその根元部分において折り曲げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態において、枝管に樹脂パイプを設置した直後における下水道管の構成を示す図である。
【図2】枝管を内張りする樹脂パイプの構成を示す斜視図であり、(a)が元の状態、(b)が扁平となるように変形させた状態を示している。
【図3】反転機の構成を示す縦断面図である。
【図4】枝管への樹脂パイプの設置後の、樹脂パイプの本管へのはみ出し部に対する処理の手順を示す図である。
【図5】変形例1の図4(e)、(f)相当の図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0028】
まず、最初に、本実施の形態において内張りを行う枝管を含む下水道管の構成について説明する。図1に示すように、下水道管は、地中に埋設された管路であり、本管11と枝管12とを有している。本管11は、図示しない複数のマンホールの間においてほぼ水平方向に延びた、ある程度径の大きい(例えば、径が300mm程度の)管路である。枝管12は、本管11から枝分かれした、本管11よりも径の小さい(例えば、径が150〜200mm程度の)管路であり、本管11と地上に設けられた家庭枡13とを接続している。また、本管11の2つのマンホールの間に位置する部分には、複数の枝管12が接続されている。そして、本実施の形態では、下水道管のうち、枝管12を以下に説明する樹脂パイプ10(樹脂管)で内張りすることによって、枝管12を補修又は補強する。
【0029】
樹脂パイプ10は、図2に示すように、たて糸、よこ糸ともポリエステルなどの織物からなる円筒状のジャケット9の外側に、ポリ塩化ビニルなど硬質の熱可塑性合成樹脂材料からなり、ジャケット9よりも厚みの大きい略円筒状の樹脂層8が形成された構造となっており、その外径は、145mm程度で、後述するように枝管12に設置する際に膨張して、枝管12の内面に密着するような径(150mm程度)となる。なお、図2の樹脂パイプ10は、後述するように反転させる前の状態を示している。
【0030】
また、樹脂パイプ10には、図1に示すように、その一端部に、コントロールベルト15が取り付けられている。コントロールベルト15は、後述するように、樹脂パイプ10を反転させつつ枝管12に設置する際に、樹脂パイプ10の後述する反転部分10aに張力を付与するためのものである。
【0031】
そして、このような樹脂パイプ10は、枝管12に設置される前には、図2(b)に示すように、扁平となるように変形された状態で、図3に示すような反転機14内に収容されている。
【0032】
反転機14は、樹脂パイプ10を、その内面と外面とを反転させつつ、図3の左端部に設けられた送出口14aから送り出す装置であり、パイプ収容部16、パイプ固定部17、ヒータ18、ガイドローラ19a、19bなどを備えている。パイプ収容部16には、上述したように扁平となるように変形された樹脂パイプ10が巻き取られた状態で収容されており、図示しないエア供給源から、高圧のエアが供給される。パイプ固定部17は送出口14a近傍に設けられており、パイプ固定部17には、樹脂パイプ10のコントロールベルト15が取り付けられているのと反対側の端部が固定されている。なお、パイプ収容部16やパイプ固定部17の構成や、パイプ固定部17への樹脂パイプ10の取り付け方などは、従来と同様(例えば、特開昭55−145572号公報など参照)であるので、ここではこれ以上の詳細な説明は省略する。
【0033】
ヒータ18(加熱装置)は、送出口14a近傍に上下に対向するように配置されており、樹脂パイプ10は、上下に対向するヒータ18の間を通って、送出口14aから送り出される。ヒータ18は、送出口14a近傍に位置する樹脂パイプ10の未反転部分や、パイプ収容部16や送出口14a近傍の、反転機14に供給されたエアを加熱する。なお、図3では、対向するヒータ18の間を通過する樹脂パイプ10が、ヒータ18と接触しているが、ヒータ18と樹脂パイプ10とは非接触であってもよい。また、ヒータ18の代わりに、赤外線加熱装置や、高温の蒸気により加熱を行う加熱装置を用いてもよい。
【0034】
ガイドローラ19aは、ヒータ18の図3における右側に、樹脂パイプ10を挟むように配置されている。ガイドローラ19aは、パイプ収容部16に収容された樹脂パイプ10を上下に対向するヒータ18の間に案内する。ガイドローラ19bは、ヒータ18の図3における左側に樹脂パイプ10を挟むように配置されている。ガイドローラ19bは、上下に対向するヒータ18の間を通過した樹脂パイプ10を引き取り、送出口14aに向けて案内する。
【0035】
そして、反転機14には、図示しないエア供給源から高温高圧エア(加熱加圧流体)が供給される。これにより、樹脂パイプ10は、ビカット軟化点よりも高く且つ融点よりも低い温度(例えば、ポリ塩化ビニルの場合には70℃〜130℃程度)まで加熱されるとともに、上記エアの圧力により、加熱された樹脂パイプ10をコントロールベルト15が取り付けられているのと反対側の端部から順に、その内面と外面とを反転しつつ、送出口14aから送り出される。このとき、樹脂パイプ10は、パイプ収容部16において、高温高圧のエアにより、その全体が、軟化する温度(例えば100℃程度)まで加熱され、送出口14aから送り出される直前の未反転部分10bが、ヒータ18によりさらに高温(例えば130℃程度)まで加熱される。なお、反転機14において、樹脂パイプ10を反転させつつ送出口14aから送り出させる動作も、従来と同様(例えば、特開昭55−145572号公報など参照)であるので、ここではこれ以上の詳細な説明は省略する。
【0036】
次に、枝管12を樹脂パイプ10で内張りする手順について説明する。本実施の形態では、以下に説明するようにいわゆる反転工法によって、枝管12を樹脂パイプ10で内張りする。
【0037】
枝管12を樹脂パイプ10で内張りするためには、まず、反転機14において、内部に収容された樹脂パイプ10に高温高圧のエアを供給することによって、樹脂パイプ10をこのエアの熱で軟化させるとともに、軟化させた樹脂パイプ10を、このエアの圧力によって、図1に示すように、コントロールベルト15が取り付けられているのと反対側の端部から順に、樹脂パイプ10の内面と外面とを反転させつつ、その反転部分10aを家庭枡13(本管11と反対側)から枝管12に挿入して枝管12に進行させるとともに、反転部分10aを枝管12の径方向に広げる。これにより、樹脂パイプ10が枝管12に設置されるとともに、設置された樹脂パイプ10が枝管12の壁面に密着して、枝管12が樹脂パイプ10で内張りされる。
【0038】
なお、このとき、樹脂パイプ10を、製造された工場や輸送中などに予め加熱しておくことによって、樹脂パイプ10を高温高圧のエアとヒータ18で加熱したときに、樹脂パイプ10が短時間で上記温度に達するようにしてもよい。また、樹脂パイプ10は、コントロールベルト15によって進行方向と反対方向に引っ張られることで、樹脂パイプ10の反転部分に適切な張力が付与され、樹脂パイプ10の反転部分は、コントロールベルト15による張力に応じた速度で枝管12内を進行する。
【0039】
さらに、このとき、本実施の形態では、樹脂パイプ10の反転部分10aが枝管12の途中の所定位置(例えば、枝管12の中間地点)に到達するまでは、反転機14に高温高圧のエアを供給するとともにヒータ18を駆動することによって、樹脂パイプ10に高温高圧のエアを供給し、樹脂パイプ10の反転部分10aが、上記所定位置に到達した後は、反転機に常温高圧のエアを供給するとともにヒータ18を切ることによって、樹脂パイプ10にそれまでよりも温度が低い(例えば常温の)高圧のエアを供給する。
【0040】
また、このとき、樹脂パイプ10の本管11側の先端部は、反転部分10aに連なる未反転部分10bにより閉塞されており、樹脂パイプ10の先端部からエアが漏れ出してしまうのが防止されている。これにより、樹脂パイプ10には、確実にエアの圧力が加わり、樹脂パイプ10の反転部分10aは、確実に、枝管12を進行するとともに、枝管12の径方向に広がる。
【0041】
そして、枝管12に設置された樹脂パイプ10は、図1に示すように、本管11側の先端部が、本管11内にはみ出しており、はみ出し部10cが、枝管12から垂れ下がっている。また、樹脂パイプ10は、枝管12よりも長くなっているとともに、コントロールベルト15により、進行方向と反対方向に引っ張られていることにより、枝管12に設置された状態では、はみ出し部10cの先端部が反転部分10aにより形成されているとともに、この反転部分10aに未反転部分10bが連なっている。すなわち、枝管12への樹脂パイプ10の設置が完了した状態でも、樹脂パイプ10に未反転部分10bが残っている。そして、未反転部分10bにより樹脂パイプ10の先端部が閉塞されている。
【0042】
また、はみ出し部10cには、エアの圧力によって枝管12の径方向に広げられた反転部分10aの未反転部分10bとの境界部分に凹部10dが形成されており、凹部10dは、はみ出し部10cの略中央部に位置している。
【0043】
次に、樹脂パイプ10が高温で軟化している間に(例えば、樹脂パイプ10が冷えて、その温度がビカット軟化点よりも低くなる前に)、図4(a)〜(c)に示すように、折り曲げ装置20(樹脂管処理装置)を用いて、はみ出し部10cをその根元部分において樹脂パイプ10の径方向外側に折り曲げる。
【0044】
折り曲げ装置20は、台車21上に、昇降装置22、折り曲げ部材23、カメラ24、などが配置された構成となっている。台車21は、自走する、あるいは、図示しないワイヤなどで牽引されることによって、本管11内を移動可能となっている。昇降装置22はシリンダなどによって構成されており、その上端部に折り曲げ部材23が取り付けられている。そして、昇降装置22を駆動することにより、折り曲げ部材23を昇降させることができるようになっている。
【0045】
折り曲げ部材23は、半割れパイプ23aと凸部23bとからなる。半割れパイプ23aは、金属材料などからなり、その外周面が上になるように、昇降装置22の上端部に配置されている。凸部23bは、半割れパイプ23aの外周面の頂上部に形成されており、半割れパイプ23aよりも径の小さい略半球形状となっている。なお、本実施の形態では、昇降機構22と半割れパイプ23aとをあわせたものが、本発明に係る押し付け手段に相当し、昇降機構22と凸部23bとをあわせたものが、本発明に係る押し広げ手段に相当する。カメラ24は、地上などにおいて、折り曲げ装置20の位置を確認するためのものである。
【0046】
折り曲げ装置20により、はみ出し部10cをその根元部分において樹脂パイプ10の径方向外側に折り曲げるためには、まず、図4(a)に示すように、カメラ24により映された画像を参照しつつ、台車21を、凸部23bが、はみ出し部10cの凹部10dと対向する位置まで移動させることによって、折り曲げ装置20をはみ出し部10cに対して位置あわせする。
【0047】
次に、昇降装置22により折り曲げ部材23を上昇させて、折り曲げ部材23を下方からはみ出し部10cに押し当てる。すると、まず、図4(b)に示すように、凸部23bが凹部10dから未反転部分10bに食い込み、これにより、はみ出し部10cが、枝管12の径方向外側に押し広げられる。そして、さらに、折り曲げ部材23を上昇させると、図4(c)に示すように、凸部23bにより押し広げられたはみ出し部10cが、半割れパイプ23aにより本管11の壁面に向けて押し付けられ、これにより、はみ出し部10cが、その根元部分において、本管11と枝管12との接合部Cを支点として、枝管12の径方向外側に折り曲げられる。
【0048】
さらに、図4(c)に示すように、半割れパイプ23aにより本管11の壁面に向けて押し付けられた状態で、孔あけ装置25によって、未反転部分10bによって閉塞された樹脂パイプ10のはみ出し部10cに、貫通孔10eを形成し、樹脂パイプ10内の高温のエアを貫通孔10eから外部に排出させる。
【0049】
より詳細に説明すると、孔あけ装置25は、折り曲げ装置20の台車21の図4における右端部に配置されており、昇降装置26と、昇降装置26の上端部に設けられ、昇降装置26によって昇降させることが可能な針27とからなる。
【0050】
そして、半割れパイプ23aにより本管11の壁面に向けて押し付けられた状態で、昇降装置26により針27を上昇させることによって、貫通孔10eを形成する。なお、針27の代わりに刃などを設けてもよい。
【0051】
その後、樹脂パイプ10は、時間の経過により冷えて、その温度がビカット軟化点よりも低い温度まで低下し、図4(d)に示すように、はみ出し部10cが枝管12に折り曲げられた状態で硬化する。このとき、上述したように、はみ出し部10cに貫通孔10eを形成して、樹脂パイプ10内高温のエアを貫通孔10eから外部に排出させているため、樹脂パイプ10の温度が低下して硬化するまでの時間を短くすることができる。
【0052】
次に、図4(e)に示すように、切断装置30を用いて、硬化した樹脂パイプ10の折り曲げられたはみ出し部10cを、その根元部分を残して切断することにより、未反転部分10bによって閉塞されていた樹脂パイプ10の先端部を開口させて、本管11と枝管12とを連通させるとともに鍔部10fを形成する。
【0053】
切断装置30は、台車31、ヘッド32、昇降装置33、切削刃34、カメラ35などを備えている。台車31は、自走するあるいは図示しないワイヤなどで牽引されることによって、本管11内を移動可能となっている。また、台車31には、図中右端面に、ヘッド32を支持するための水平方向に延びた略円柱形状の支持軸36が設けられている。
【0054】
ヘッド32は、支持軸36に支持されており、支持軸36に沿ってその軸方向に移動可能となっているとともに、支持軸36を中心として揺動可能となっている。昇降機構33は、ヘッド32の図中右端面に設けられている。昇降機構33には、その上端部に切削刃34が設けられており、昇降機構33を駆動することによって切削刃34を昇降させることができるようになっている。切削刃34は、図示しないモータなどにより回転させることができるようになっている。カメラ35は、カメラ24と同様のものであり、地上などにおいて、切断装置30の位置や切削刃34の向きなどを確認するためのものである。
【0055】
切断装置30により樹脂パイプ10のはみ出し部10cを切断するためには、まず、カメラ35に映された画像を参照しつつ、台車31を移動させることにより切断装置30を枝管12近傍まで移動させるとともに、図示しない固定機構によって台車31を本管11に固定する。次に、ヘッド32を、支持軸36に沿って移動させるとともに、支持軸36を中心に揺動させることによって、切削刃34を、はみ出し部10cの、枝管12を取り囲むある円周に沿って移動させ、切削刃34が上記円周上の各点と対向している状態で、切削刃34を回転させるとともに昇降機構33により上昇させることにより、はみ出し部10cを、その根元部分を残して切断する。これにより、残ったはみ出し部10cの根元部分が、鍔部10fとなる。
となる。
【0056】
次に、溶着装置40を用いて、鍔部10fを本管11の内面に溶着させる。
【0057】
溶着装置40は、折り曲げ装置20から折り曲げ部材23及び孔あけ装置25を取り外して、代わりに、ヒータ41を取り付けたものである。そして、図4(f)に示すように、カメラ24により映された画像を参照しつつ、台車21を、ヒータ41が枝管12と対向する位置まで移動させてから、昇降装置22によりヒータ41を上昇させることにより、鍔部10fを例えば融点よりも高い温度に加熱しつつ本管11の内面に押し付けて、鍔部10fを、本管11の壁面に溶着させる。
【0058】
このとき、枝管12を樹脂パイプ10で内張りするよりも前に、本管11が樹脂パイプ10と同様の熱可塑性合成樹脂材料からなる樹脂パイプによって内張りされていれば、特に、樹脂パイプ10を本管11の壁面に溶着させやすい。
【0059】
ここで、上述したような反転工法により樹脂パイプ10を枝管12に設置し、枝管12に設置された樹脂パイプ10の本管11側の端部が未反転部分10bにより閉塞されている場合、樹脂パイプ10は、枝管12への設置が完了する直前まで加熱されているとともに、枝管12への設置が完了した直後には、その内部に高温高圧のエアが残存しているため、樹脂パイプ10が冷えて硬化するまでには、ある程度時間がかかる。
【0060】
しかしながら、本実施の形態では、樹脂パイプ10を枝管12に設置した後、樹脂パイプ10が高温で軟化している間に、はみ出し部10cを折り曲げ、その後、樹脂パイプ10が冷えてから硬化してからはみ出し部10cを切断しているため、樹脂パイプ10が冷えて硬化するまでの間に、はみ出し部10cの折り曲げを行うことができ、はみ出し部10cの折り曲げと切断の順序を逆にした場合に比べて、作業時間を短縮することができる。
【0061】
さらに、樹脂パイプ10を枝管12に設置した後、樹脂パイプ10が冷えて硬化する前に、はみ出し部10cを折り曲げているため、はみ出し部10cを折り曲げる際に、はみ出し部10cを改めて加熱して軟化させる必要がなく、これによっても、作業時間を短縮することができる。
【0062】
また、枝管12への樹脂パイプ10の設置の際に、樹脂パイプ10に、途中までは高温高圧のエアを供給し、途中からはそれまでよりも温度の低い高圧のエアを供給しているため、この温度の低いエアによって、樹脂パイプ10の反転が完了した部分が冷却される。これにより、樹脂パイプ10が冷えて硬化するまでの時間を短縮することができる。
【0063】
なお、このように途中から樹脂パイプ10に供給するエアの温度を低くしたとしても、樹脂パイプ10の反転部分には、それまで供給していた高温高圧のエアが存在しており、樹脂パイプ10の反転部分は、この高温高圧のエアによって加熱される。したがって、枝管12への樹脂パイプ10の設置の際に、途中から樹脂パイプ10に供給するエアを温度の低いものにしても、樹脂パイプ10が反転しにくくなるといったことはない。
【0064】
また、本実施の形態では、反転工法によって、樹脂パイプ10を枝管12に設置しており、枝管12への樹脂パイプ10の設置が完了した状態で、樹脂パイプ10に未反転部分10bが残っているため、半割れパイプ23aと凸部23bとからなる比較的簡単な構造の折り曲げ部材23を下方からはみ出し部10cに押し当てることによって、はみ出し部10cを凸部23bによって枝管12の径方向に押し広げ、押し広げられたはみ出し部10cを半割れパイプ23aにより本管11の壁に向けて押し付けて、はみ出し部10cを根元部分において、本管11と枝管12との接合部Cを支点として、枝管12の径方向外側に折り曲げることができる。
【0065】
また、このとき、はみ出し部10cの先端部には凹部10dが形成されているため、折り曲げ装置20を、凸部23bが凹部10dと対向するように配置することで、はみ出し部10cに対して位置あわせすることができる。すなわち、凹部10dを基準として、折り曲げ装置20をはみ出し部10cに対して位置あわせすることができる。
【0066】
また、はみ出し部10cを折り曲げた後、はみ出し部10cを切断する前に、はみ出し部10cに貫通孔10eを形成して、樹脂パイプ10から高温高圧のエアを排出させているため、樹脂パイプ10が冷えやすくなり、樹脂パイプ10が冷えて硬化するまでの時間を短くすることができる。なお、貫通孔10eは、樹脂パイプ10の内部と外部とを連通させるものであればよく、はみ出し部10cの切断を行う場合に比べて、位置などに高い精度が要求されないので、樹脂パイプ10が高温で軟化している状態でも比較的容易に形成することができる。
【0067】
また、はみ出し部10cの切断して鍔部10fを形成した後、鍔部10fを本管11の壁面に溶着しているので、樹脂パイプ10と本管11との間がシールされ、樹脂パイプ10と本管11との隙間に水などが入り込むのが防止される。
【0068】
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成については、適宜その説明を省略する。
【0069】
上述の実施の形態では、はみ出し部10cを折り曲げて、本管11の内面に略沿わせた後、はみ出し部10cをその根元部分を残して切断して鍔部10fを形成したが、これには限られない。一変形例(変形例1)では、上述の実施の形態と同様、図4(a)〜(c)に示すように、はみ出し部10cを折り曲げて、本管11の内面に略沿わせ、はみ出し部10cに貫通孔10eを形成し、図4(d)に示すように、樹脂パイプ10が硬化した後、図5(a)に示すように、はみ出し部10cを、その先端部分の枝管12と対向する部分のみが除去されるように切断することで、はみ出し部10cの、枝管12の径方向に関して枝管12よりも外側に位置する部分のほぼ全体を残している。その後、図5(b)に示すように、ヒータ41により、残した部分を本管11の内面に押し付けて溶着させることにより、残した部分が二重に重なった、上述の実施の形態よりも厚みの大きい鍔部10gを形成している。
【0070】
また、上述の実施の形態では、はみ出し部10cを折り曲げた後、はみ出し部10cを切断する前に、はみ出し部10cに貫通孔10eを形成して樹脂パイプ10内のエアを外部に排出させていたが、これには限られず、はみ出し部10cを折り曲げた後、貫通孔10eの形成は行わず、そのまま、樹脂パイプ10が冷えて硬化するのを待って、はみ出し部10cを切断してもよい。
【0071】
また、上述の実施の形態では、はみ出し部10cの切断後に、鍔部10fを本管11の内面に溶着していたが、例えば、はみ出し部10cを折り曲げた時点で、はみ出し部10cの鍔部10fとなる部分が本管11の内面に十分密着している場合など、樹脂パイプ10と本管11との間に十分なシール性が確保できる場合には、鍔部10fを本管11の内面に溶着させなくてもよい。
【0072】
また、上述の実施の形態では、半割れパイプ23aと凸部23bとからなる折り曲げ部材23を昇降機構22によりはみ出し部10cに向けて上昇させることによって、凸部23bによりはみ出し部10cを押し広げるとともに、押し広げたはみ出し部10cを半割れパイプ23aにより本管11の壁面に押し付けて、はみ出し部10cをその根元部分において折り曲げたが、はみ出し部10cを押し広げるための構成や、押し広げられたはみ出し部10cを本管11の壁面に押し付けるための構成はこれには限られない。
【0073】
さらには、はみ出し部10cを折り曲げるための折り曲げ装置は、はみ出し部10cをその根元部分において折り曲げることができるものであれば、はみ出し部10cを押し広げるための構成(押し広げ手段)と、押し広げられたはみ出し部10cを本管11の壁面に押し付けるための構成(押し付け手段)とを備えたものには限られない。
【0074】
また、上述の実施の形態では、反転機14に、途中までは高温高圧のエアを供給し、途中から常温高圧のエアを供給していたが、これには限られない。例えば、樹脂パイプ10を枝管12に設置する間、反転機14に、常に常温高圧のエアを供給し、ヒータ18を駆動して反転機14に供給されたエアを加熱することによって、樹脂パイプ10に高温高圧のエアを供給し、途中でヒータ18を切って、反転機14に供給されたエアを加熱しないようにすることによって、樹脂パイプ10に上記高温高圧のエアよりも温度の低いエアを供給してもよい。
【0075】
さらには、途中で樹脂パイプ10に供給するエアの温度を変えることには限られず、樹脂パイプ10を枝管12に設置する間、例えば、反転機14に常に高温高圧のエアを供給するとともに、ヒータ18を駆動し続けることによって、樹脂パイプ10に高温高圧のエアを供給し続けてもよい。
【0076】
また、上述の実施の形態では、反転機14の送出口14aの近傍にヒータ18が設けられていたが、ヒータ18は反転機14の他の部分に設けられていてもよい。さらには、反転機14に高温高圧のエアが供給される場合など、反転機14に供給されたエアを加熱しなくても、供給されたエアによって樹脂パイプ10を軟化させることができる場合には、反転機14にヒータ18が設けられていなくてもよい。
【0077】
また、上述の実施の形態では、高温高圧のエアにより、樹脂パイプ10の内面と外面とを反転させるとともに、その反転部分10aを枝管12に進行させつつ、枝管12の径方向に広げることによって、樹脂パイプ10を枝管12に設置したが、エアの代わりに、高温高圧の蒸気など、エア以外の高温高圧流体を用いてもよい。
【0078】
また、以上では、下水道管における枝管12の内張りに本発明を適用した例について説明したが、これには限られず、ガス管や水道管など、下水道管以外の管路における本管から枝分かれした枝管の内張りに本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0079】
10 樹脂パイプ
10a 反転部分
10b 未反転部分
10c はみ出し部
10d 凹部
10e 貫通孔
10f 鍔部
11 本管
12 枝管
14 反転機
14a 送出口
18 ヒータ
20 折り曲げ装置
22 昇降機構
23 折り曲げ部材
23a 半割れパイプ
23b 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本管から枝分かれした枝管に、熱可塑性合成樹脂からなる樹脂管を設置して、前記枝管を内張りする枝管の内張り方法であって、
前記樹脂管を加熱加圧流体により加熱して軟化させ、軟化させた前記樹脂管を、前記本管と反対側から前記枝管に挿入するとともに、前記樹脂管の内面と外面とを反転させつつ、その反転部分を前記枝管に進行させることによって、前記本管側の先端部が前記本管にはみ出し、且つ、前記本管側の端部を閉塞する未反転部分が残るように前記枝管に設置し、
前記樹脂管内部に加熱加圧流体を導入することにより、前記樹脂管を前記枝管の径方向に広げて略円筒形状とし、
前記樹脂管が軟化している間に、前記樹脂管の前記本管へのはみ出し部を、その根元部分において前記枝管の径方向外側に折り曲げて、前記本管内面に略沿わせ、
前記樹脂管が冷えて硬化してから、折り曲げられた前記はみ出し部を一部切断して、前記本管と前記枝管との接続部を覆う鍔部を形成することを特徴とする枝管の内張り方法。
【請求項2】
前記はみ出し部を前記本管の内面に略沿わせた後、前記はみ出し部を切断する前に、前記はみ出し部に、前記樹脂管内部の前記加熱加圧流体を排出させるための貫通孔を形成することを特徴とする請求項1に記載の枝管の内張り方法。
【請求項3】
前記樹脂管に前記加熱加圧流体を供給することによって、前記樹脂管をその内面と外面とを反転させつつ送り出す反転機を用いて、前記樹脂管の反転部分を前記枝管に進行させ、
前記反転機には、前記樹脂管を送り出す送出口の近傍に、前記樹脂管の未反転部分を加熱する加熱装置が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の枝管の内張り方法。
【請求項4】
前記樹脂管に前記加熱加圧流体を供給することによって、前記樹脂管をその内面と外面とを反転させつつ送り出す反転機を用いて、前記樹脂管の反転部分を前記枝管に進行させ、
前記樹脂管を前記枝管に設置する際に、前記樹脂管の反転部分が前記枝管の途中の所定位置に到達するまでは、前記反転機から前記樹脂管に前記加熱加圧流体を供給し、前記樹脂管の反転部分が前記所定位置に到達した後は、前記反転機から前記樹脂管に前記加熱加圧流体よりも温度の低い加圧流体を供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の枝管の内張り方法。
【請求項5】
前記鍔部を形成した後、その鍔部を前記本管の内面に溶着させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の枝管の内張り方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の枝管の内張り方法において、前記樹脂管の前記はみ出し部を折り曲げる樹脂管処理装置であって、
前記未反転部分に食い込むことによって、前記はみ出し部を、前記枝管の径方向に押し広げる押し広げ手段と、
前記押し広げ手段によって押し広げられた前記はみ出し部を、前記本管の内面に向けて押し付ける押し付け手段とを備えていることを特徴とする樹脂管処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−135905(P2012−135905A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288574(P2010−288574)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)
【Fターム(参考)】