説明

架橋化ポリロタキサン及びオイルを含む無水化粧品組成物

本発明の主題は、少なくとも一つの架橋化ポリロタキサンと少なくとも一つのオイルとを含む無水化粧品組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン物質、特に皮膚、唇、または睫毛に適用されることが企図される、架橋化ポリロタキサンを含む無水化粧品組成物に関する。
【0002】
前記組成物は、それがケラチン物質に適用されると水分を吸収し、かくしてその沈着層のボリュームの増大をもたらす。かくしてケラチン物質は、その粗い先端を充填することにより、より濃く、より十分な、またはより滑らかな印象を与える。
【背景技術】
【0003】
消費者は、メイクアップを所望するケラチン物質のボリュームの知覚の増大を得ることを可能にする化粧品製品を求めている。特に、睫毛に対するローディング効果がマスカラについて所望されており、フルネス効果がグロス及び口紅に所望されており、モデリング特性と、皮膚の不完全性のマスキング特性がファンデーションのユーザーによって必要とされている。
【0004】
本発明の目的は、従来の化粧品組成物の沈着層とは対照的に、経時的に減少しないボリュームを有する沈着層をケラチン物質に形成可能な化粧品組成物を提供することである。特に前記組成物の沈着層は、外的な刺激、例えば大気中の水分、汗、唾液、または架橋化ポリロタキサンの存在下でゲルを形成できる前記沈着層に適用されたローションの作用によって、ケラチン物質への適用後に経時的にボリュームを増大することが可能である。
【0005】
本発明に係る組成物は更に、前記組成物の使用に適した満足な機械的または流動学的特性、例えば心地よいきめと、満足な弾性を示す。
【0006】
本発明は、皮膚、唇、または表面身体成長部のような物質に適用されると、ボリュームの光学的効果を生ずる化粧品組成物を得ることを可能にする組成物を提供することを目的とする。これらの組成物は、例えば頬、瞼、睫毛、または唇への適用後、メイクアップされていない基体のものとは異なるボリュームの知覚を提供する。
【0007】
既知の化粧品組成物のケラチン物質への適用は、組成物の全部または一部のケラチン物質内への浸透により、及び/または沈着層に初めに存在する揮発性成分の蒸発により、経時的に薄れていくようになる沈着層を生ずる。
【0008】
これらの現象は、次いで小ジワのような基体の欠陥、手や顔の傷のような着色の欠陥、唇の色の損失、特にファンデーションのユーザーについて耐え難い酒さを顕在化するかもしれない。これは、ファンデーションの目的の一つが、皮膚の不完全性(傷、にきび)を隠すことと、均一な顔色を皮膚に与えることであるためである。
【0009】
文献EP 1 069 151は、少なくとも一つの有機ポリマー、前記有機ポリマーと不適合である少なくとも一つの第一の揮発性溶媒、及び前記有機ポリマーと適合的である第二の不揮発性溶媒を含む化粧品組成物を開示している。揮発性及び不揮発性溶媒は、組成物が沈着した基体から揮発性溶媒が蒸発する一方、不揮発性溶媒中でのポリマーの分解によってポリマーの膨潤が可能なものである。揮発性溶媒が蒸発するにつれて、ポリマーは不溶性状態から可溶性状態へと変化し、不揮発性溶媒をトラップする絡み合ったネットワークを形成し、かくしてケラチン物質上の組成物の沈着層のボリュームの増大をもたらす。
【0010】
消費者はまた、顔のリモデリング、特に頬骨の強調及び/または唇を豊かにすることが可能な組成物を求めている。現在では、顔または身体の特定部分のボリュームの増大は、シリコーンゲルのような物質の注入によって得られる。このタイプのリモデリングは、局所麻酔の下で一般的に実施されている。更にこのタイプのリモデリングは、非常に長く、冗長で、且つ効果である。
【0011】
更にボリュームの効果は、明色と暗色を並べて適用することによって生ずることができることも既知であり、明色が強調することが所望される領域に適用されている。この効果を得ることは、二種の異なる組成物の使用を従来必要とし、それらを適用する人の技術に依存する。更にこの方法は、唇のメイクアップを実施することが困難である。
【0012】
光学的効果を有する顔料、例えばゴニオ発色顔料の使用は、観察の角度または光の入射角によって、組成物を適用する身体の部分のボリュームの知覚を変更するために開示されている。
【0013】
かくして、特許出願EP 0 953 330は、第一のゴニオ発色顔料と、第一の顔料の色彩の一つを有する第二の顔料を組み合わせたメイクアップキットを開示している。国際特許出願WO 01/51015は、従来の干渉顔料と、鏡面反射角によって変化できる光度を示す、シャドウ顔料としても既知の四層干渉顔料を組み合わせた組成物の提供している。
【0014】
特許出願EP 1 382 323は、ゴニオ発色着色化背景を形成可能な少なくとも一つのゴニオ発色着色剤と、肉眼で資格可能な強調点を形成可能な反射性粒子を含む組成物を開示している。
【0015】
ケラチン繊維、特に睫毛をメイクアップするための組成物は一般的に、ケラチン繊維に物質を付与するために高い固体含量を有し、ボリュームまたは付与を多かれ少なかれ与えるメイクアップの結果を得なければならない。
【0016】
言うまでもなく、ワックス、フィラー、または含量のような固体の固体含量の増大は、得られる製品の稠度の増大を導き、かくして組成物が増粘して粘性となるにつれて問題となり困難な繊維に対する適用を導き、沈着層に対して粒状の平滑でない外観を与え、不均一な様式でクラスター状の困難性を有する沈着を与える。
【0017】
ボリューム付与効果を改良するための別の手段は、適用される際に付着を促進するために、ケラチン繊維に対する組成物の接着を増大することである。このため、粘性添加剤の使用がなされているが、組成物を圧縮するようになるため実現可能性の理由で、及び適用時に過度に粘性となるため美容性の理由のため、高濃度での取り込みは不可能である。
【0018】
マスカラに対する付与効果を提供するためのまた別の手段は、特許出願EP 1 525 876に開示されているような、熱によって刺激できるポリマー、例えばExpancelを添加することである。しかしながらこのポリマーは、膨潤のために非常に高温の活性化温度を必要とする。
【特許文献1】EP 1 069 151
【特許文献2】EP 0 953 330
【特許文献3】WO 01/51015
【特許文献4】EP 1 382 323
【特許文献5】EP 1 525 876
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、ケラチン物質に増粘沈着層を生成可能な一方で、満足な機械的且つ流動学的特性を示すことができる化粧品組成物の製剤についての新規な活路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の主題は、少なくとも一つの架橋化ポリロタキサンと少なくとも一つのオイルとを含む無水化粧品組成物である。
【0021】
ポリロタキサンは、封入化合物の化学的ファミリーの一部を形成し、制限サイズの空洞を形成する第一の分子種を含み、その中に第二の化学的タイプの分子種が閉じ込められている。
【0022】
ノエビア社のJP09216815 (1997)と資生堂社のJP09315937 (1997)は、シュードポリロタキサンを含む化粧品製品を開示している。これらの分子は、環状分子(シクロデキストリン)を含む骨格を含む。しかしながら前記組成物は、ケラチン物質に適用されると十分にはボリュームを増大できず、経時的なその保持は低い。更に前記環状分子は、シュードポリロタキサンが分解すると外れるようになる傾向を有する。
【0023】
本出願人は、驚くべきことに、無水化粧品媒体中の特定のポリロタキサンの配合が、ケボリュームが外的刺激の作用によって増大可能な沈着層をケラチン物質上に形成することが可能であり、ケラチン物質の外観の欠陥(傷、目元のくま、窪み、落ち込み、やつれ)を持続的に隠すことが可能であり、睫毛または唇に増大したボリュームを与えることが可能であることを見出した。沈着層の保湿は、組成物の沈着の前若しくは沈着に引き続く水分の添加によって、または唾液、汗、若しくは大気中の水分の作用によって生じることができる。
【0024】
用語「無水組成物」は、5重量%未満の水、より好ましくは2重量%未満の水を含む組成物を意味するように解される。一つの実施態様によれば、組成物中に存在して良い水は、組成物の調製の間で成分に添加されない。この水は、前記組成物を調製するために使用される成分に微量の形態で結合してよい。
【0025】
本発明に係る組成物は、ケラチン物質に適用されるとゲルを形成できるものである。ポリロタキサンは、流体の存在下でゲルを形成することによりボリュームを増大することが可能である。この流体、好ましくは親水性流体は、例えば汗、唾液、涙、またはいずれかの他の天然若しくは人工液体、例えば水、油中水型エマルション、またはローションであることができ、それらは本発明に係る化粧品組成物の適用の前後で、メイクアップするために基体に沈着したものであることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
架橋化ポリロタキサン
用語「シュードポリロタキサン」は、少なくとも一つの直鎖状分子と、前記直鎖状分子に沿って連なっている少なくとも二つの環状分子とを含む超分子組織を意味するように解され、直鎖状分子と環状分子とは共有結合を介して結合されてはおらず、その結果環状分子は直鎖状分子に沿って自由に移動できる。
【0027】
「ポリロタキサン」は、直鎖状分子の各末端で付着したシュードポリロタキサンから得られ、その分子構造は、環状分子と直鎖状分子が適切であれば分離することを妨げる。
【0028】
用語「架橋化ポリロタキサン」は、少なくとも一つの第一のポリロタキサンと一つの第二のポリロタキサンとを含む化合物を意味するように解され、第一のポリロタキサンの少なくとも一つの環状分子と第二のポリロタキサンの少なくとも一つの環状分子とは、化学的または物理的であることができる少なくとも一つの結合を介して結合している。前記結合は、特に金属結合、イオン結合、共有結合、電荷遷移錯体の形成から生ずる相互作用、水素結合の弱い相互作用、ファンデルワールス結合、π−π結合タイプ、またはこれらの混合形態であることができる。
【0029】
かくしてポリロタキサンは、環状分子が直鎖状分子によって「封入」されている超分子集合体である。環状分子が直鎖状分子から外れることを妨げるため、直鎖状分子の末端は、嵩高いまたはイオン性の基によって感応化されている。
【0030】
直鎖状分子
本発明では、用語「直鎖状分子」は、実質的に「直鎖状」の分子を表すように企図される。これは、直鎖状の分子が一つ以上の分枝鎖を含むことができることを意味するが、環状分枝が直鎖状分子の周りを回転できるまたは直鎖状分子に沿って移動できることを条件とする。
【0031】
「直鎖状」の分子の長さは特定の長さに制限されないが、直鎖状分子に対して環状分子が環を形成できること、または直鎖状分子に沿って移動できることを条件とする。
【0032】
直鎖状分子はポリマーから選択でき、特に以下のものである:
−親水性ポリマー、例えばポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルピロリドン、ポリ((メタ)アクリル酸)、セルロース(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)から誘導されるポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、デンプン、及びそれらのコポリマー;
−疎水性ポリマー、例えばポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、またはポリブタジエン;オレフィンのコポリマー、例えばエチレン/ブチレンコポリマー;ポリエステル、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ビニルクロリド)、ポリスチレン、アクリロニトリル/スチレンコポリマー、(メタ)アクリルエステルのポリマー及びコポリマー、例えばポリ(メチルメタクリレート)またはアクリロニトリル/メチルアクリレートコポリマー;ポリカルボネート、ポリウレタン、ビニルクロリド/ビニルアセテートコポリマー、またはポリ(ビニルブチラール);
並びにそれらの誘導体。
【0033】
これらの化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、及びポリプロピレンが好ましい。ポリエチレングリコールが特に好ましい。
【0034】
有利には直鎖状分子は、互いに独立に、350g/mol以上、例えば350から2000000の範囲、好ましくは1500から1000000の範囲、または好ましくは2800から800000の範囲、好適には7000から700000の範囲、例えば10000から600000の範囲、または10000から500000の範囲の重量平均分子量を有する。
【0035】
直鎖状分子は好ましくは、各末端で反応性基を有する。反応性基を有するということは、直鎖状分子と、それらが保有する環状分子との間の分離を防止することを企図した分子構造を有する反応を容易にすることが可能である。
【0036】
反応性基は、利用されるブロッキング分子構造に依存する。
【0037】
例として、ヒドロキシル基、アミノ基、トシレート基、重合可能な基、活性化されたエステル基、例えばN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、カルボキシル基、チオール基等が挙げられる。
【0038】
環状分子
本発明では、「環状分子」は、少なくとも一つの環状構造を含む分子を表す。環状分子は、二つ以上の環構造または二重環を含むことができる、環状分子は、大環式、例えばシクロデキストリンであることができる。
【0039】
本発明における環状分子の例は、以下のものを含むことができる:
−シクロデキストリン、例えばα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ジメチルシクロデキストリン、及びグルコシルシクロデキストリン、並びにそれらの誘導体;
−クラウンエーテル;
−ベンゾクラウンエーテル、ジベンゾクラウンエーテル、及びジシクロヘキサノクラウンエーテル;
並びにそれらの誘導体。
【0040】
環状分子の内部空洞のサイズは、選択される直鎖状分子によって変化できる。いずれの場合でも、直鎖状分子に沿って繋げることができる環状分子が選択される。かくして、環状分子の空洞は好ましくは、直鎖状分子が封入できる最小の仮想のシリンダーの断面の直径よりも大きい直径を有するであろう。
【0041】
比較的大きい空洞を有する環状分子と、比較的小さい直径を有するシリンダー状直鎖状分子が使用される場合、環状分子の空洞内にいくつかの直鎖状分子を含むことが可能である。
【0042】
使用できる環状分子としては、シクロデキストリンが好ましい。
【0043】
一つの実施態様によれば、環状分子としてα−デキストリンが使用され、直鎖状分子としてポリエチレングリコールが使用される。
【0044】
環状分子は好ましくは、その空洞内に配置されない結合を生成可能な基を有する。これは、化学的または物理的結合を介して互いに環状分子を後に結合することが可能である。環状分子の反応性基は、例えばヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、またはチオール基を含むことができる。更に、ブロッキング構造と直鎖状分子との間のブロッキング反応の間で、前記ブロッキング構造と反応しない反応性基を有する環状分子を選択することが好ましい。
【0045】
直鎖状分子に沿ってつながれる環状分子の数と、この直鎖状分子に沿ってつなぐことができる同じ性質の環状分子の最大量の比は、0.001から0.6、好ましくは0.01から0.5、好適には0.05から0.4の範囲である。この比は、「封入量」と称されても良い。
【0046】
最大封入量は、1に等しいものとして標準化される。それは直鎖状分子が最大の環状分子を封入することが可能である量に対応する。
【0047】
直鎖状分子は、環状分子の高密度スタックを示さないことが好ましい。この高密度スタックは、1に等しい最大封入量に対応する状態である。非高密度スタックの環状分子を生ずることは、移動できる分子セグメントを維持することが可能であり、その結果架橋化ポリロタキサンが、高破壊強度、高エントロピー弾性、優れた広がり、及び/または優れた回復特性を示し、所望であれば高吸収性または高吸湿性を示す。
【0048】
別の実施態様によれば、架橋化ポリロタキサンは、それぞれ少なくとも二つの環を含む環状分子、特に二環式分子を含む。この実施態様では、第一のポリロタキサンの直鎖状分子は、各二環式分子の第一の環内に通され、第二のポリロタキサンの直鎖状分子は、少なくとも一つの二環式分子の第二の環内に通される。直鎖状分子と二環式分子を混合した後、直鎖状分子の各末端をブロッキング基でブロックし、串刺し状態の二環式分子の脱離を防止する。
【0049】
この実施態様では、二環式分子の二つの環を結合する共有結合が実際にポリロタキサンに架橋性質を与えるため、架橋化反応を介する環状分子間の結合を形成する必要はない。
【0050】
二環式分子は、二つの主たる環に加えて、一つ以上の他の核を含むことができる。
【0051】
一つの実施態様によれば、環状分子は、直鎖状分子の封入の後に環状化できる。とりわけ、文字「C」に類似した少なくとも一つの開環セグメントを有する環状分子の前駆体を使用することが可能である。
【0052】
この場合、「C」セグメントは、直鎖状分子の封入の後、またはブロッキング基での直鎖状分子のブロッキングの後に閉環できる。文字「C」に類似したセグメントを有する分子については、M. Asakawa等, Angewandte Chemie International, 37(3), 333-337 (1998)、及びM. Asakawa等, European Journal of Organic Chemistry, 5, 985-994 (1999)を参照(両者とも参考としてここに取り込まれる)。
【0053】
直鎖状分子の鎖末端に配置した分子構造:ブロッキング構造
【0054】
ブロッキング構造は、直鎖状分子に沿って繋がった環状分子を維持しなければならない。
【0055】
これらのブロッキング構造は、環状分子の大きな立体体積による直鎖状分子からの環状分子の離脱を防止することができる。
【0056】
各直鎖状分子の各末端に配置したブロッキング構造は、特定のイオン性電荷を示すことにより、環状分子が直鎖状分子から脱複合体化することを防止することもできる。
【0057】
用語「分子構造」は、分子、巨大分子、または固体支持体をここで表す。
【0058】
巨大分子または固体支持体は、いくつかのブロッキング部位を含むことができる。
【0059】
巨大分子のブロッキング構造は、主鎖または側鎖に存在することができる。
【0060】
ブロッキング構造が巨大分子Aである場合、巨大分子Aはマトリックスを構成でき、その一部はシュードポリロタキサンを含み、または逆にシュードポリロタキサンがマトリックスを含み、その一部が巨大分子Aを含む、
【0061】
ブロッキング分子は以下のものから選択できる:
−ジニトロフェニル基、例えば2,4−及び3,5−ジニトロフェニル基;
−シクロデキストリン;
−アダマンタン基;
−トリチル基;
−フルオレセイン;
−ピレン;
−ナフタルイミド;及び
−それらの組み合わせ。
【0062】
一つの実施態様によれば、直鎖状分子はポリエチレングリコールである場合、環状分子はα−シクロデキストリン、ジニトロフェニル基、例えば2,4−及び3,5−ジニトロフェニル基、アダマンタン基、トリチル基、フルオレセイン、ピレン、及びそれらの組み合わせから選択できる。
【0063】
架橋化:環状または二環式分子
一つの変形例によれば、環状分子は二環式分子である。架橋化ポリロタキサンは、少なくとも一つの第一のポリロタキサンと、一つの第二のポリロタキサンとを含み、第一のポリロタキサンの直鎖状分子が二環式分子の第一の環内に通されており、第二のポリロタキサンの直鎖状分子が少なくとも一つの二環式分子の第二の環内に通されている。
【0064】
別の変形例によれば、架橋化ポリロタキサンは、少なくとも第一のポリロタキサンと、一つの第二のポリロタキサンとを含み、第一のポリロタキサンの少なくとも一つの環状分子と、第二のポリロタキサンの少なくとも一つの環状分子とが、少なくとも一つの化学的または物理的結合を介して結合している。
【0065】
前記結合が化学的結合である場合、化学的結合は単結合または各種の原子若しくは分子を含む結合によって形成できる。前記結合は、架橋剤、カップリング剤、または光架橋剤での前記二つの環状分子の反応によって得ることができる。
【0066】
環状分子は好ましくは、上述の通り核の外側に一つ以上の反応性基を有する。特に、ブロックされたポリロタキサン分子の形成の後、異なるポリロタキサンの環状分子が、架橋剤によって互いに架橋されることが好ましい。この反応は、温度またはpHの変化の作用の下で実施できる。この場合、架橋反応の条件は、ブロックされたポリロタキサンのブロッキング基が除去されない条件でなければならない。
【0067】
架橋剤としては、当該技術分野で周知の架橋剤が挙げられる。例として、シアヌリルクロリド、トリメゾイルクロリド、テレフタロイルクロリド、エピクロロヒドリン、ジブロモベンゼン、グルタルアルデヒド、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(例えばトリレン2,4−ジイソシアネート)、1,1'−カルボニルジイミダゾール、ジビニルスルホン、二塩化酸(例えばセバコイルジクロリド)、トリクロロ基によって置換された酸等が挙げられる。シランタイプのカップリング剤(例えば各種のアルコキシシラン)、及びチタンに基づくカップリング剤(例えば各種のアルコキシチタン化合物)といった、各種のタイプのカップリング剤を取り込むことができる。他の例としては、ソフトコンタクトレンズについてデザインされた材料のために使用される各種の光架橋剤、例えばスチルバゾリウム塩に基づく光架橋剤、例えばホルミルスチリルピリジニウム塩(K. Ichimura等, Journal of Polymer Science, edition on the chemistry of polymers, 20, 1411-1432 (1982)を参照;参考としてここに取り込まれる)、及び他の光架橋剤、例えば光二量体化による光架橋剤、特にケイ皮酸、アントラセン、チミン等が挙げられる。
【0068】
架橋剤は好ましくは、2000g/mol未満、好ましくは1000未満、好適には600未満、とりわけ400未満の分子量を有する。
【0069】
α−シクロデキストリンが環状分子として使用され、それを架橋するために架橋剤が使用される場合、架橋剤の例として、シアヌリルクロリド、トリレン2,4−ジイソシアネート、1,1'−カルボニルジイミダゾール、トリメゾイルクロリド、テレフタロイルクロリド、アルコキシシラン、例えばテトラメトキシシラン及びテトラエトキシシラン等が挙げられる。特に、環状分子としてα−シクロデキストリンを使用し、架橋剤としてシアヌリルクロリドを使用することが好ましい。
【0070】
化学結合を介して架橋されたポリロタキサンの調製
【0071】
本発明に係る化合物は、特許出願EP 1 283 218の教示に従って調製できる。
【0072】
先ず初めに、環状分子と直鎖状分子を混合し、シュードポリロタキサンを調製し、環状分子を直鎖状分子に沿ってつなげる。第二に、直鎖状分子の各末端ををブロッキング剤でブロックすることによってポリロタキサンを調製し、環状分子の脱離を防止する。最後に、化学結合を介した環状分子の結合によって、二つ以上のポリロタキサンを架橋し、架橋化ポリロタキサンを得る。
【0073】
本発明の一つの実施態様によれば、α−シクロデキストリンを環状分子として使用し、ポリエチレングリコールを直鎖状分子として使用し、2,4−ジニトロフェニル基をブロッキング基として使用し、シアヌリルクロリドを架橋剤として使用する。
【0074】
先ず初めに、ポリエチレングリコールの各末端をアミノ基に変換し、その後ポリエチレングリコールの末端にブロッキング剤を結合し、ポリロタキサンを形成できるようにする。変形例では、Jeffamineの名称でHuntsman社により市販されているジアミン末端化PEG/PPOの使用が挙げられる。
【0075】
その後、α−シクロデキストリンとアミノ化ポリエチレングリコール誘導体を混合し、シュードポリロタキサンを調製する。混合時間は1から48時間の範囲であり、混合温度は0から100℃の範囲であり、ポリエチレングリコールに対するα−シクロデキストリンの封入量は0.001から0.6の範囲である。
【0076】
一般的に、20000の平均分子量を有するポリエチレングリコールは、多くとも230のα−シクロデキストリン分子を封入することが可能である。230分子に対応する最大封入量は1に等しい。
【0077】
一つの実施態様によれば、60から65(63)のα−シクロデキストリン分子を、一つのポリエチレングリコール分子で平均して繋げ、それは最大封入量に関して0.26から0.29(0.28)の範囲の封入の度合いに対応する。α−シクロデキストリン封入量は、NMR、光吸収、または元素分析によって測定できる。
【0078】
得られたシュードポリロタキサンを、DMFに溶解した2,4−ジニトロフルオロベンゼンと反応させ、ポリロタキサンを得ることが可能である。
【0079】
その後ポリロタキサンを水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、次いでシアヌリルクロリドを添加し、α−シクロデキストリンを架橋する。
【0080】
本発明に係る化粧品組成物は、組成物の全重量に対して0.1から80重量%、好ましくは1から30重量%、より好ましくは3から25重量%の範囲の含量で、一つ以上の架橋化ポリロタキサンを含むことができる。
【0081】
本発明に係る化粧品組成物は、少なくとも一つのオイルを含むことができる。それは更に、ワックス及びペースト状脂肪物質から選択される別の脂肪物質を含むことができる。
【0082】
用語「オイル」は、環境温度(20−25℃)且つ大気圧で液体形態であるいずれかの脂肪物質を意味するように解される。液体脂肪相はまた、オイルに加えて、オイル中に溶解する他の化合物、例えばゲル化剤及び/または構造化剤を含むことができる。
【0083】
オイルは、本発明に係る化粧品組成物の全重量に対して0.1から99.9重量%、特に少なくとも1から90重量%、とりわけ5から70重量%、特に10から60重量%、更には20から50重量%の割合で存在できる。
【0084】
オイルは、揮発性または不揮発性であり、炭化水素オイルまたはシリコーンオイルであることができる。
【0085】
本発明の意味の範囲内で、用語「揮発性オイル」は、環境温度且つ大気圧で、皮膚と接触した際に1時間未満で蒸発可能なオイル(または非水性媒体)を意味するように解される。揮発性オイルは、環境温度で液体であり、環境温度且つ大気圧でゼロではない蒸気圧、特に0.13Paから40000Pa(10−3から300mmHg)の範囲、好ましくは1.3Paから13000Pa(0.01から100mmHg)の範囲、より好ましくは1.3Paから1300Pa(0.01から10mmHg)の範囲の蒸気圧を特に有する揮発性化粧品オイルである。
【0086】
本発明の意味の範囲内で、用語「不揮発性オイル」は、0.13Pa未満の蒸気圧を有するオイルを意味するように解される。
【0087】
揮発性または不揮発性オイルは、特に動物または植物起源の炭化水素オイル、合成オイル、シリコーンオイル、フッ素化オイル、またはそれらの混合物であることができる。
【0088】
本発明の意味の範囲内で、用語「シリコーンオイル」は、少なくとも一つのケイ素原子、特に少なくとも一つのSi−O基を含むオイルを意味するように解される。
【0089】
用語「炭化水素オイル」は、主に水素原子と炭素原子、任意に酸素、窒素、硫黄、及び/またはリン原子を含むオイルを意味するように解される。
【0090】
揮発性炭化水素オイルは、8から16の炭素原子を有する炭化水素オイル、特に分枝状C−C16アルカン(イソパラフィンとも称される)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとも称される)、イソデカン、イソヘキサデカン、例えばIsopar(登録商標)またはPermethyl(登録商標)の商標名で市販されているオイルから選択できる。
【0091】
揮発性オイルとしては、揮発性シリコーン、例えば揮発性直鎖状または環状シリコーン、特に≦8センチストーク(8×10−6/s)の粘度を有し、特に2から10のケイ素原子、特に2から7のケイ素原子を有するものが挙げられ、これらのシリコーンは任意に1から10の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を含む。本発明で使用できる揮発性シリコーンオイルとしては、特に5及び6cStの粘度を有するジメチコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0092】
揮発性フッ素化オイル、例えばノナフルオロメチルブタン、またはパーフルオロメチルシクロペンタン、及びこれらの混合物の使用も挙げられる。
【0093】
不揮発性オイルは、特に適切であればフッ素化された、不揮発性炭化水素オイル、及び/または不揮発性シリコーンオイルから選択できる。
【0094】
不揮発性炭化水素オイルとしては、特に以下のものが挙げられる:
−動物起源の炭化水素オイル;
−植物起源の炭化水素オイル、例えばフィトステリルエステル、例えばフィトステリルオレエート、フィトステリルイソステアレート、及びラウロイル/オクチルドデシル/フィトステリルグルタメート(Ajinomoto, Eldew PS203)、脂肪酸とグリセロールとのエステルからなるトリグリセリドで、脂肪酸がCからC24の各種の鎖の長さを有することができ、これらの鎖は直鎖状または分枝状で、飽和または不飽和であって良いもの;これらのオイルは特にヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリドである;麦芽、ヒマワリ、グレープシード、ゴマ、トウモロコシ、アンズ、カスター、シェア、アボカド、オリーブ、ダイズ、スィートアーモンド、ヤシ、レイプシード、綿実、ヘーゼルナッツ、マカダミア、ホホバ、アルファルファ、ケシ、カボチャ種、キュウリ、クロフサスグリ種、マツヨイグサ、アワ、オオムギ、キノア、ライムギ、サフラワー、ククイノキ、トケイソウ、またはジャコウバラの各オイル;シェアバター;またはカプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により市販されているもの、またはDynamit Nobel社によりMyglyol(登録商標)810、812、及び818の名称で市販されているもの;
−10から40の炭素原子を有する合成エーテル;
−鉱物または合成起源の直鎖状または分枝状炭化水素、例えば流動ワセリン、ポリデセン、水素添加ポリイソブテン、例えばパーリーム(登録商標)、スクアレン、及びそれらの混合物、特に水素添加ポリイソブテン;
−合成エステル、例えば式RCOORのオイル[式中、Rは1から40の炭素原子を含む直鎖状または分枝状酸の残基を表し、Rは炭化水素鎖、特に1から40の炭素原子を含む分枝状炭化水素鎖を表し、但しR+R≧10である]。
【0095】
これらのエステルは特に、セテアリルオクタノエート、イソプロピルアルコールのエステル、例えばイソプロピルミリステートまたはイソプロピルパルミテート、エチルパルミテート、2−エチルヘキシルパルミテート、イソプロピルステアレートまたはイソステアレート、イソステアリルイソステアレート、オクチルステアレート、ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテートまたはオクチルヒドロキシステアレート、ジイソプロピルアジペート、ヘプタノエート、特にイソステアリルヘプタノエート、アルコール若しくはポリアルコールのオクタノエート、デカノエート、またはリシノールエート、例えばプロピレングリコールジオクタノエート、セチルオクタノエート、トリデシルオクタノエート、2−エチルヘキシルパルミテート及び4−ジヘプタノエート、アルキルベンゾエート、プロピレングリコールジヘプタノエート、プロピレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、並びにそれらの混合物、C12からC15アルキルベンゾエート、ヘキシルラウレート、ネオペンタン酸のエステル、例えばイソデシルネオペンタノエート、イソトリデシルネオペンタノエート、イソステアリルネオペンタノエート、またはオクチルドデシルネオペンタノエート、イソノナン酸のエステル、例えばイソノニルイソノナノエート、イソトリデシルイソノナノエート、またはオクチルイソノナノエート、またはヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテート、またはジイソステアリルマレート;
−ポリオールのエステル、及びペンタエリスリトールのエステル、例えばジペンタエリスリトールテトラヒドロキシステアレート/テトライソステアレート;
−ダイマージオールとダイマー二酸のエステル、例えばNippon Fine Chemical社により市販され、2003年3月6日に出願された特許出願FR0302809(その内容は参考として本願に取り込まれる)に開示されたLusplan(登録商標)DD-DA5及びDD-DA7;
−12から26の炭素原子を有する分枝状及び/または不飽和炭素鎖を有する、環境温度で液体である脂肪アルコール、例えば2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−ブチルオクタノール、及び2−ウンデシルペンタデカノール;
−高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及びそれらの混合物;並びに
−二つのアルキル鎖が同一または異なることができるジアルキルカルボネート、例えばCognis社によりCetiol(登録商標)CCの名称で市販されているジカプリリルカルボネート
から選択できる。
【0096】
本発明に係る組成物で使用できる不揮発性シリコーンオイルは、不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、それぞれ2から24の炭素原子を有するペンダント状アルキル若しくはアルコキシ基及び/またはシリコーン鎖の末端でのアルキル若しくはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサン、フェニル化シリコーン、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニル(トリメチルシロキシ)ジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニル(メチルジフェニル)トリシロキサン、及び(2−フェニルエチル)トリメチルシロキシシリケート、100cSt以下の粘度を有するジメチコーンまたはフェニルトリメチコーン、並びにそれらの混合物であることができる。
【0097】
不揮発性オイルは、組成物の全重量に対して20から99.9重量%、特に30から80重量%、とりわけ40から80重量%の範囲の含量で、本発明に係る組成物中に存在できる。
【0098】
前記組成物はまた、ペースト状脂肪物質及び/またはワックスを含むことができる。
【0099】
用語「ペースト状脂肪物質」は、23℃の温度で液体分画と固体分画とを含む親油性化合物を意味するように解される。用語「ペースト状脂肪物質」はまた、ポリ(ビニルラクテート)を意味するように解される。
【0100】
本発明の意味の範囲内で用語「ワックス」は、環境温度(25℃)で固体であり、可逆的な固体/液体状態変化を示し、120℃まで到達できる30℃以上の融点を有する親油性化合物を表すように解される。
【0101】
ワックスの融点は、示差走査熱量測定計(DSC)、例えばMettler社によりDSC 30の名称で市販されている熱量測定計を使用して測定できる。
【0102】
ワックスは、炭化水素、フッ素化、及び/またはシリコーンの各ワックスであることができ、植物、鉱物、動物、及び/または合成の各起源を有することができる。特にワックスは、25℃より高温、好適には45℃より高温の融点を示す。
【0103】
第一の組成物で使用できるワックスとして、直鎖状炭化水素ワックスが挙げられる。その融点は有利には35℃より高温であり、例えば55℃より高温、好ましくは80℃より高温である。
【0104】
直鎖状炭化水素ワックスは有利には、置換化直鎖状アルカン、非置換直鎖状アルカン、非置換直鎖状アルケン、または置換化直鎖状アルケン、炭素と水素のみからなる非置換化合物から選択される。上述の置換基は炭素原子を含まない。
【0105】
直鎖状炭化水素ワックスは、400から800の間の分子量を有するエチレンのポリマー及びコポリマー、例えばNew Phase Technologies社により市販されているPolywax 500またはPolywax 400を含む。
【0106】
直鎖状炭化水素ワックスは、直鎖状パラフィンワックス、例えばStrahl & Pitsch社製のパラフィンワックスS&P 206、S&P 173、及びS&P 434を含む。
【0107】
直鎖状炭化水素ワックスは、長鎖直鎖状アルコール、例えばポリエチレンと20から50の炭素原子を含むアルコールとの混合物を含む製品、特にNew Phase Technologies社により市販されているPerformacol 425またはPerfomacol 550(20/80の割合の混合物)を含む。
【0108】
シリコーンワックスの例は、例えば以下のものである:
−SilCare 41M40、SilCare 41M50、SilCare 41M70、及びSilCare 41M80の名称でArchimica Fine Chemicals社により市販されている、C20−24アルキルメチコーン、C24−28アルキルジメチコーン、C20−24アルキルジメチコーン、及びC24−28アルキルジメチコーン;
−Archimica社によりSilCare 41M65の名称で、またはDow Corning社によりDC-2503の名称で市販されているステアリルジメチコーン;
−SilCare 1M71またはDC-580の名称で市販されているステアルオキシトリメチルシラン;
−Wacker Chimie GmbH社製の製品Abil Wax 9810、9800、または2440;
−Dow Corning社によりAMS-C30 Waxの名称で市販されているC30−45アルキルメチコーン、及びGeneral Electric社によりSF1642またはSF1632の名称で市販されているC30−45アルキルジメチコーン。
【0109】
これらの脂肪物質の性質及び量は、所望される機械的特性ときめに依存する。
【0110】
本発明に係る組成物は、毛髪以外のケラチン物質、例えば皮膚(顔の、身体の、頭皮、唇)、睫毛、及び眉毛をメイクアップ及び/またはケアするために使用できる。
【0111】
本発明に係る化粧品組成物は、ケラチン物質、特に皮膚をメイクアップ及び/またはケアするための製品の形態、特にファンデーション、及び唇をメイクアップ及び/またはケアするための製品の形態、特に口紅またはリップバームの形態で提供できる。
【0112】
前記組成物は、身体若しくは顔をケアするための組成物、または身体若しくは顔をメイクアップするための組成物、例えばファンデーション、口紅、リップケア製品、ナイルワニス、ナイルケア製品、マスカラ、またはアイライナーとして特定の応用を有する。
【0113】
本発明に係る組成物は着色物質を含むことができる。
【0114】
着色物質は、350から700nmの間の吸収を示す、または光学的効果、例えば入射光の反射または干渉を生成できるいずれかの無機及び/または有機化合物であることができる。
【0115】
本発明において使用される着色物質は、当該技術分野で既知の全ての有機及び/または無機顔料、特にKirk-Othmer Encyclopaedia of Chemical Technology及びUllmann's Encyclopaedia of Industrial Chemistryに記載されたものから選択される。
【0116】
ペーストまたはキャスト形態の組成物、例えば口紅またはメイクアップ製品については、組成物の全重量に対して一般的に0.5から50%、好ましくは2から40%、好適には5から30%の着色物質の使用がなされる。
【0117】
無機着色物質の例として、表面処理されたまたはされていない二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムまたはセリウム、酸化鉄またはクロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、水和クロム、及びフェリックブルーが挙げられる。例えば以下の無機顔料が使用できる:Ta、Ti、Ti、TiO、TiOとの混合物としてのZrO、ZrO、Bn、CeO、またはZnS。
【0118】
有機着色物質の例として、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、キノリン、アントラキノン、フタロシアニン、金属錯体タイプ、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ぺリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、ジオキサジン、トリフェニルメタン、またはキノフタロンの各化合物が挙げられる。
【0119】
特に着色物質は、カルミン、カーボンブラック、アニリンブラック、アゾイエロー、キナクリドン、フタロシアニンブルー、ソルガムレッド、CI 42090、69800、69825、73000、74100、及び74160の名称でColour Indexに分類されている青色顔料、CI 11680、11710、15985、19140、20040、21100、21108、47000、及び47005の名称でColor Indexに分類されている黄色顔料、CI 61565、61570、及び74260の名称でColor Indexに分類されている緑色顔料、CI 11725、15510、45370、及び71150の名称でColor Indexに分類されている橙色顔料、CI 12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、17200、26100、45380、45410、58000、73360、73915、及び75470の名称でColor Indexに分類されている赤色顔料、並びに特許FR 2 679 771に開示されているようなインドールまたはフェノール誘導体の酸化重合によって得られる顔料から選択できる。
【0120】
本発明に係る顔料はまた、特許EP 1 184 426に開示されたような複合顔料の形態でも存在できる。これらの複合顔料は、特に無機コア、コアに有機顔料の結合を提供する少なくとも一つのバインダー、及びコアを少なくとも部分的に被覆する少なくとも一つの有機顔料からなることができる。
【0121】
着色物質は、染料、レーキ、または顔料から選択できる。
【0122】
染料は例えば脂溶性染料であるが、水溶性染料が使用されても良い。脂溶性染料は例えば、スーダンレッド、D&C赤色17、D&C緑色6、β−カロチン、ダイズオイル、スーダンブラウン、D&C黄色11、D&C紫色2、D&C橙色5、キノリンイエロー、またはアナートである。それらは組成物の重量の0から20%、好適には0.1から6%を占めることができる。水溶性染料は特に、ビートルートジュースまたはメチレンブルーであり、組成物の重量の0.1から6重量%を占めることができる(存在する場合)。
【0123】
用語「レーキ」は、不溶性粒子に吸着した染料を意味するように解され、かくして得られた組み合わせは、使用される場合不溶性を維持する。染料が吸着している無機基体は例えば、アルミナ、シリカ、カルシウムナトリウムボロシリケート、カルシウムアルミニウムボロシリケート、及びアルミニウムである。有機染料として、コチニールカルミンが挙げられる。
【0124】
レーキの例として、以下の名称の下で既知である製品が挙げられる:D&C赤色21(CI 45 380)、D&C橙色5(CI 45 370)、D&C赤色37(CI 45 410)、D&C橙色10(CI 45 425)、D&C赤色3(CI 45 430)、D&C赤色7(CI 15 850:1)、D&C赤色4(CI 15 510)、D&C赤色33(CI 17 200)、D&C黄色5(CI 19 140)、D&C黄色6(CI 15 985)、D&C緑色(CI 61 570)、D&C黄色10(CI 77 002)、D&C緑色3(CI 42 053)、またはD&C青色1(CI 42 090)。
【0125】
用語「顔料」は、組成物を着色及び/または不透明化することを企図した白色または着色された無機または有機粒子を意味するように解されるべきである。本発明に係る顔料は、例えば白色または着色顔料、あるいは特別な効果を有する顔料、例えば真珠光沢剤、反射性顔料、または干渉性顔料から選択できる。
【0126】
本発明で使用できる顔料として、チタン、ジルコニウム、またはセリウムの酸化物、並びに亜鉛、鉄またはクロムの酸化物、及びフェリックブルーが挙げられる。本発明で使用できる有機顔料として、カーボンブラック、並びにバリウム、ストロンチウム(D&C赤色7)、カルシウム、及びアルミニウムの各レーキが挙げられる。
【0127】
真珠光沢剤は、組成物の全重量の0.001から20%の割合、好ましくは1から15%のオーダーのレベルで組成物中に存在できる。本発明で使用できる真珠光沢剤として、酸化チタン、酸化鉄、天然顔料、またはオキシ塩化ビスマスでそれぞれ被覆されたマイカ、例えば着色酸化チタン被覆マイカが挙げられる。
【0128】
顔料は、最終組成物の重量の0.05から30%の割合、好ましくは2から20%の割合で組成物中に存在できる。
【0129】
本発明で使用できる顔料の種類は、着色の豊かなパレットを与え、特定の光学的効果、例えばメタリック効果または干渉効果を与えることが可能である。
【0130】
用語「特別な効果を有する顔料」は、不均一であり、観察条件(光、温度、観察角度等)によって変化する着色された外観(特定の色相、特定の彩度、及び特定の明度によって特徴づけされる)を一般的に生成する顔料を意味するように解される。結果としてそれらは、従来の不透明な、半透明な、または透明な均一着色を提供する白色または着色顔料と対照を成す。
【0131】
特別な効果を有する顔料の例として、白色真珠光沢顔料、例えば二酸化チタンまたはオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、着色真珠光沢顔料、例えば二酸化チタンと酸化鉄で被覆されたマイカ、二酸化チタンと特にフェリックブルーまたは酸化クロムで被覆されたマイカ、または二酸化チタンと上述の有機顔料で被覆されたマイカ、オキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料が挙げられる。真珠光沢顔料として、Engelhard社により市販されているCellini(マイカ−TiO-レーキ)、Eckart社により市販されているPrestige(マイカ−TiO)、またはMerck社により市販されているColorona(マイカ−TiO−Fe)が挙げられる。
【0132】
基体に付着しない干渉効果を有する顔料、例えば液晶(Wacker社製のHelicones HC)、またはホログラフィー干渉レーキ(Spectratek社製のGeometric PigmentaまたはSpectra f/x)も挙げられる。特別な効果を有する顔料はまた、日光で蛍光である物質であっても良い、または紫外線蛍光を生じても良い蛍光顔料、リン光顔料、光発色性顔料、温度発色性顔料を含む。
【0133】
前記組成物は有利には、ゴニオ発色性顔料、例えば複層干渉性顔料、及び/または反射性顔料を含む。これらの二つのタイプの顔料は、特許出願FR 0 209 246に開示されており、その内容は参考として本願に取り込まれる。
【0134】
前記組成物は、ゴニオ発色性顔料であってもなくても良く、干渉性顔料であってもなくても良い反射性顔料を含むことができる。
【0135】
そのサイズは、組成物の平均光沢を考慮して、強調点を形成するように、十分な強度の可視光(400−700nm)の正反射を示すのに適合的である。このサイズは、粒子の化学的性質、その形状、及び可視光の正反射のためのその能力に従って変化できる。
【0136】
反射性粒子は好ましくは、少なくとも10μm、例えば約20μmから約50μmの間の寸法を示すであろう。
【0137】
用語「寸法」は、D50と称される集団の半分に対する統計的な粒径分布によって与えられる寸法を表す。反射性粒子のサイズは、その表面条件に依存できる。粒子がより反射性になると、その寸法は結果としてより小さくなり、逆もまた然りである。
【0138】
メタリックまたは白色の光沢を有する本発明で使用できる反射性粒子は、例えば一つ以上の波長を有意には吸収しない可視領域の全ての成分で光を反射できる。これらの反射性粒子の反射スペクトルは、400−700nmの範囲で例えば70%より大きく、好適には少なくとも80%であり、実際には90%まで達し、更には95%まで達することができる。
【0139】
反射性粒子は、その形状が何であれ、複層構造を示しても示さなくても良く、複層構造の場合には、例えば特に基体を被覆する反射性材料の少なくとも一つの均一の厚みの層を示して良い。
【0140】
基体は、ガラス、セラミック、シリケート、特にアルミノシリケート及びボロシリケート、及び合成マイカから選択でき、このリストは制限的ではない。
【0141】
反射性材料は、金属または金属化合物の層を含むことができる。
【0142】
金属または金属化合物の層は基体を完全に被覆してもしなくてもよく、金属の層は別の材料、例えば透明材料の層を少なくとも部分的に被覆して良い。金属または金属化合物の層は、直接または間接に、即ち少なくとも一つの中間金属または非金属層の挿入と共に、基体を完全に被覆することが好ましい。
【0143】
金属は例えば、Ag、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、Te、Se、及びそれらの合金から選択できる。Ag、Au、Al、Zn、Ni、Mo、Cr、Cu、及びそれらの合金(例えば青銅及び黄銅)が好ましい金属である。
【0144】
特に銀または金で被覆された基体を有する粒子の場合、金属層は粒子の全重量の例えば0.1から50%、実際には1から20%の間を占める含量で存在できる。
【0145】
金属層で被覆されたガラスの粒子は、特に文献JP-A-09188830、JP-A-10158450、JP-A-10158541、JP-A-07258460、及びJP-A-05017710に開示されている。
【0146】
小板形態の銀で被覆されたガラス基体を有する粒子は、Toray社によりMicroglass Metashine REFSX 2025の名称で市販されている。ニッケル/クロム/モリブデン合金で被覆されたガラス基体を有する粒子は、同社によりCrystal Star GF 550またはGF 2525の名称で市販されている。
【0147】
その形状が何であれ反射性粒子は、少なくとも一つの金属化合物、特に例えば酸化チタン、特にTiO、酸化鉄、特にFe、酸化スズ、酸化クロム、硫酸バリウム、及び以下の化合物:MgF、CrF、ZnS、ZnSe、SiO、Al、MgO、Y、SeO、SiO、HfO、ZrO、CeO、Nb、Ta、MoS、及びそれらの混合物若しくは合金から選択される金属酸化物の少なくとも一つの層で少なくとも部分的に被覆された合成基体を有する粒子からも選択できる。
【0148】
そのような粒子の例として、例えば二酸化チタンで被覆された合成マイカの基体を含む粒子、または褐色酸化鉄若しくは酸化チタン、酸化スズ、それらの混合物のいずれかで被覆されたガラスの粒子、例えばEngelhard社によりRefleck(登録商標)の商標名で市販されているものが挙げられる。
【0149】
Nippon Sheet Glass Co. Ltd.社により市販されているMetashine 1080Rシリーズの顔料も適している。とりわけ特許出願JP 2001-11340に開示されているこれらの粒子は、ルチルタイプの酸化チタン(TiO)の層で被覆されている65から72%のSiOを含むC-Glassガラスのフレークである。これらのガラスフレークは、1ミクロンの平均厚みと、80ミクロンの平均サイズを有し、即ち80の平均サイズ/平均厚み比を有する。それらは、TiO層の厚みに依存して、青色、緑色、黄色、または銀色の着色の光沢を示す。
【0150】
粒子の全重量の12%を占める二酸化チタンで被覆された合成マイカ(蛍光金雲母)の基体を含む80から100μmの間の寸法を有する粒子も挙げられ、これらの粒子はNihon Koken社によりProminenceの名称で市販されている。
【0151】
反射性粒子は、異なる反射指数を有する少なくとも二つの層のスタックから形成される粒子からも選択できる。これらの粒子は、性質においてポリマー状または金属性であることができ、特に少なくとも一つのポリマー層を含むことができる。そのような粒子は、特にWO 99/36477、US 6 299 979、及びUS 6 387 498に開示されている。複層構造の各種の層を構成できる材料の説明として、以下のものがあげられるが、このリストは制限的ではない:ポリエチレンナフタレート(PEN)及びそのアイソマー、ポリ(アルキレンテレフタレート)、及びポリイミド。少なくとも二つのポリマーの層のスタックを含む反射性粒子は、Mirror Glitterの名称で3M社により市販されている。これらの粒子は、80/20の重量比で2,6−PENとポリ(メチルメタクリレート)との層を含む。そのような粒子は、特許US 5 825 643に開示されている。
【0152】
前記組成物は、一つ以上のゴニオ発色性顔料を含むことができる。
【0153】
ゴニオ発色性着色剤は、例えば複層干渉性構造体、及び液晶着色剤から選択できる。
【0154】
複層構造体の場合、後者は例えば、少なくとも二つの層を含むことができ、各層は例えば以下の材料:MgF、CeF、ZnS、ZnSe、Si、SiO、Ge、Te、Fe、Pt、Va、Al、MgO、Y、S、SiO、HfO、ZrO、CeO、Nb、Ta、TiO、Ag、Al、Au、Cu、Rb、Ti、Ta、W、Zn、MoS、クリオライト、合金、ポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一つの材料から生産された別の層とは独立にまたは独立せずに存在する。
【0155】
複層構造体は、中央層に関して、スタックされた層の化学的性質が対照性を示しても示さなくても良い。
【0156】
使用できる対称性複層反射性構造体の例として、例えば以下の構造体が挙げられる:Al/SiO/Al/SiO/Al、この構造を有する顔料はDupont de Nemours社により市販されている;Cr/MgF/Al/MgF/Cr、この構造を有する顔料はFlex社によりChromaflairの名称で市販されている;MoS/SiO/Al/SiO/MoS;Fe/SiO/Al/SiO/Fe及びFe/SiO/Fe/SiO/Fe、これらの構造を有する顔料はBASF社によりSicopearlの名称で市販されている;MoS/SiO/マイカ/SiO/MoS;Fe/SiO/マイカ/SiO/Fe;TiO/SiO/TiO及びTiO/Al/TiO;SnO/TiO/SiO/TiO/SnO;Fe/SiO/Fe;SnO/マイカ/TiO/SiO/TiO/マイカ/SnO、これらの構造を有する顔料はMerck(Darmstadt)社によりXironaの名称で市販されている。例としてこれらの顔料は、Merck社によりXirona Magicの名称で市販されているシリカ/酸化チタン/酸化スズ構造を有する顔料、Merck社によりXirona Indian Summerの名称で市販されているシリカ/褐色酸化鉄構造を有する顔料、Merck社によりXirona Caribbean Blueの名称で市販されているシリカ/酸化チタン/マイカ/酸化スズ構造を有する顔料であることができる。Shiseido社によりInfinite Color顔料もまた挙げられる。各種の層の厚み及び性質によって、各種の効果が得られる。かくして、Fe/SiO/Al/SiO/Fe構造に関しては、色彩は、320から350nmのSiO層について緑金色から赤灰色まで;380から400nmのSiO層について赤色から金色まで;410から420nmのSiO層について紫色から緑色まで;430から440nmのSiO層について銅色から赤色まで変化する。
【0157】
ポリマー層の代替物、例えばポリエチレンナフタレート及びポリエチレンテレフタレートタイプを含む複層構造を有するゴニオ発色性着色剤の使用もまた挙げられる。そのような剤は、特にWO-A-96/19347及びWO-A-99/36478に開示されている。
【0158】
ポリマー状複層構造を有する顔料の例として、Color Glitterの名称で3M社により市販されているものが挙げられる。
【0159】
液晶着色剤は、例えば中間基がグラフトされているシリコーンまたはセルロースエーテルを含む。
【0160】
液晶ゴニオ発色性粒子として、例えばChenix社により市販されているもの、及びWacker社によりHelicone(登録商標)HCの名称で市販されているものの使用が挙げられる。
【0161】
前記組成物は更にゴニオ発色性繊維を含むことができる。そのような繊維は例えば、200μmから700μmの間、例えば約300μmのサイズを示すことができる。
【0162】
特に複層構造を有する干渉性繊維の使用が挙げられる。ポリマーの複層構造を有する繊維は、特に文献EP-A-321 217、EP-A-686 858、及びUS-A-5 472 798に開示されている。複層構造体は少なくとも二つの相を含むことができ、各層が、少なくとも一つの合成ポリマーからなる他の層とは独立しているまたはしていない。繊維中に存在するポリマーは、1.30から1.82の範囲、好適には1.35から1.75の範囲の反射指数を有することができる。繊維を形成するために好ましいポリマーは、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートまたはポリカルボネート、アクリルポリマー、例えばポリ(メチルメタクリレート)、またはポリアミドである。
【0163】
ポリエチレンテレフタレート/ナイロン(登録商標)−6二層構造を有するゴニオ発色性繊維は、Morphotexの名称でTeijin社により市販されている。
【0164】
本発明に係る組成物はフィラーを含むことができる。
【0165】
用語「フィラー」は、無色または白色の、無機または合成の、ラメラ状または非ラメラ状粒子を意味するように解されるべきである。これらのフィラー及び真珠光沢剤は、組成物のきめを改変するために特に使用され、固体形態を生ずることが可能な構造化剤として特に含まれる。
【0166】
フィラーは、組成物の全重量の0から60%、好ましくは0.5から20%の割合で存在できる。特にタルク、マイカ、カオリン、ナイロン(登録商標)から形成されるパウダー(特にOrgasol)、及びポリエチレン、テフロン(登録商標)、デンプン、窒化ホウ素、コポリマーから形成されるミクロスフェア、例えばExpancel(Nobel Industrie)またはPolytrap(Dow Corning)、及びシリコーン樹脂ミクロビーズ(例えばToshiba社製のTospearl)。
【0167】
本発明の更なる主題は、上述の化粧品組成物のケラチン物質への適用を含む、毛髪以外のケラチン物質、例えば皮膚、唇、または睫毛のメイクアップ及び/またはケアのための美容方法である。
【0168】
本発明の別の主題は、顔、身体、または唇のリモデリングのための、唇のボリュームを増大するための、ケラチン物質の外観中の不完全性または欠陥を隠すための、顔色を均一にするための、または睫毛のボリュームを増大するための無水化粧品組成物における、少なくとも一つの架橋化ポリロタキサンの使用である。
【0169】
本発明は、以下の実施例においてより詳細に説明される。パーセンテージは重量単位で記載されている。
【実施例】
【0170】
架橋化ポリロタキサンの調製
Fluka社により市販されている0.9gのポリエチレングリコールビスアミン(PEG−BAと表記)と、3.6gのα−シクロデキストリンを、80℃で30mlの水中に溶解し、混合物を5℃で一晩維持し、封入複合体の白色ペーストを得た。
【0171】
前記ペーストを乾かし、過剰な2,4−ジニトロフルオロベンゼン(2.4ml)と同時に10mlのジメチルホルムアミドを添加し、次いで混合物を環境温度で窒素環境下で一晩攪拌した。反応混合物を50mlのDMSO中に溶解し、0.1%塩化ナトリウム水溶液(800ml)から二度沈降し、黄色の生成物を得た。前記生成物を回収し、水とメタノールで洗浄し(それぞれ三回)、乾かしてポリロタキサンを生成した(1.25g)。
【0172】
100mgのポリロタキサンを反応器中の0.5mlの1N NaOH中に5℃で溶解した。0.5mlの1N NaOH中に溶解した35mgの2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンを反応器に添加した。反応混合物を3時間環境温度で反応させ、架橋化ポリポリロタキサンを生成した。
【0173】
以下の実施例では、パーセンテージは重量ベースである。
【0174】
実施例1:唇のための光沢性ベース
ポリブテン 89.5%
上記実施例の架橋化ポリロタキサン 10%
香料 100%とする残部
【0175】
実施例2:唇のためのグロス
ポリブテン 86.5%
上記実施例の架橋化ポリロタキサン 10%
顔料 3%
香料 100%とする残部
【0176】
実施例3:唇のための光沢性ベース
ポリイソブテン 74.5%
オクチルドデカノール 15%
上記実施例の架橋化ポリロタキサン 10%
香料 100%とする残部
【0177】
実施例4:唇のためのグロス
ポリイソブテン 71.5%
オクチルドデカノール 15%
上記実施例の架橋化ポリロタキサン 10%
顔料 3%
香料 100%とする残部
【0178】
実施例5:マスカラ
ビーズワックス 10%
カルナウバワックス 7%
アリルステアレート/VAコポリマー 2.2%
(Chimex社により製造されたMexomer PQ)
ジステアリルアンモニウム変性ヘクトライト 5.32%
(Elementis社製のBentone 38VCG)
プロピレンカルボネート 1.74%
上記実施例の架橋化ポリロタキサン 7%
黒色酸化鉄 5%
防腐剤 0.2%
イソドデカン 100%とする残部
【0179】
実施例6:スティック状無水ファンデーション
ポリエチレンワックス(分子量:500) 4.5%
ポリエチレンワックス(分子量:400) 9.5%
シクロメチコーンD6 23%
上記実施例の架橋化ポリロタキサン 5%
フェニルトリメチコーン(DC556) 22%
酸化鉄 3.1%
二酸化チタン 10.9%
PMMA 6%
シクロメチコーンD5 16%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの架橋化ポリロタキサンと少なくとも一つのオイルとを含む無水化粧品組成物。
【請求項2】
前記架橋化ポリロタキサンが、少なくとも一つの第一のポリロタキサンと一つの第二のポリロタキサンとを含み、各ポリロタキサンが、少なくとも一つの直鎖状分子と少なくとも二つの環状分子とを含み、第一のポリロタキサンの少なくとも一つの環状分子と第二のポリロタキサンの少なくとも一つの環状分子とが、少なくとも一つの化学的または物理的結合を介して結合していることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記架橋化ポリロタキサンが、少なくとも一つの第一のポリロタキサンと一つの第二のポリロタキサンとを含み、各ポリロタキサンが、少なくとも一つの直鎖状分子と少なくとも二つの環状分子とを含み、第一のポリロタキサンの直鎖状分子が、二環式分子の第一の環内に通され、第二のポリロタキサンの直鎖状分子が、少なくとも一つの二環式分子の第二の環内に通されていることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
第一のポリロタキサンの直鎖状分子、及び/またはと第二のポリロタキサンの直鎖状分子が、互いに独立に、ポリマーから選択されることを特徴とする、請求項2または3に記載の組成物。
【請求項5】
第一のポリロタキサンの直鎖状分子と第二のポリロタキサンの直鎖状分子が、互いに独立に、
−親水性ポリマー、例えばポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルピロリドン、ポリ((メタ)アクリル酸)、セルロース(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)から誘導されるポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、デンプン、及びそれらのコポリマー;
−疎水性ポリマー、例えばポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、またはポリブタジエン;オレフィンのコポリマー、例えばエチレン/ブチレンコポリマー;ポリエステル、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ビニルクロリド)、ポリスチレン、アクリロニトリル/スチレンコポリマー、(メタ)アクリルエステルのポリマー及びコポリマー、例えばポリ(メチルメタクリレート)またはアクリロニトリル/メチルアクリレートコポリマー;ポリカルボネート、ポリウレタン、ビニルクロリド/ビニルアセテートコポリマー、またはポリ(ビニルブチラール);
並びにそれらの誘導体
から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
第一のポリロタキサンの直鎖状分子と第二のポリロタキサンの直鎖状分子が、互いに独立に、ポリエチレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、及びポリプロピレンから選択されることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
第一のポリロタキサンの直鎖状分子と第二のポリロタキサンの直鎖状分子が、互いに独立に、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選択されることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
第一のポリロタキサンの直鎖状分子、及び/または第二のポリロタキサンの直鎖状分子が、互いに独立に、350g/mol以上、例えば350から2000000の範囲、好ましくは1500から1000000の範囲、または好ましくは2800から800000の範囲、好適には7000から700000の範囲、例えば10000から600000の範囲、または10000から500000の範囲の重量平均分子量を有することを特徴とする、請求項2から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
第一のポリロタキサンの直鎖状分子、及び/または第二のポリロタキサンの直鎖状分子が、互いに独立に、ヒドロキシル基、アミノ基、トシレート基、重合可能な基、活性化されたエステル基、例えばN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、カルボキシル基、チオール基等から選択される反応性基を有することを特徴とする、請求項2から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
第一のポリロタキサン及び第二のポリロタキサンの環状分子が、
−シクロデキストリン、例えばα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ジメチルシクロデキストリン、及びグルコシルシクロデキストリン、並びにそれらの誘導体;
−クラウンエーテル;
−ベンゾクラウンエーテル、ジベンゾクラウンエーテル、及びジシクロヘキサノクラウンエーテル;
並びにそれらの誘導体
から選択されることを特徴とする、請求項2及び4から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
環状分子がα−シクロデキストリンであることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
各ポリロタキサンの直鎖状分子に沿ってつながれる環状分子の数と、この直鎖状分子に沿ってつなぐことができる同じ性質の環状分子の最大量の比が、0.001から0.6、好ましくは0.01から0.5、好適には0.05から0.4の範囲であることを特徴とする、請求項2から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
第一のポリロタキサンの直鎖状分子と、第二のポリロタキサンの直鎖状分子が、それらの末端のそれぞれで、互いに独立に、環状分子と直鎖状分子が分離することを防止する分子構造を含み、前記分子構造が一つの分子または巨大分子であることを特徴とする、請求項2から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記分子構造が、環状分子と直鎖状分子が分離することを防止するイオン性電荷を有し、及び/または環状分子と直鎖状分子が分離することを防止する体積を占めることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記分子構造が、
−ジニトロフェニル基、例えば2,4−及び3,5−ジニトロフェニル基;
−シクロデキストリン;
−アダマンタン基;
−トリチル基;
−フルオレセイン;
−ピレン;
−ナフタルイミド;及び
−それらの組み合わせ
から選択されることを特徴とする、請求項13または14に記載の組成物。
【請求項16】
第一のポリロタキサンの少なくとも一つの環状分子と、第二のポリロタキサンの少なくとも一つの環状分子が、化学的または物理的結合を介して結合し、前記結合が、架橋剤、カップリング剤、または光架橋剤での前記二つの環状分子の反応によって得られることを特徴とする、請求項2及び4から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記架橋剤が、シアヌリルクロリド、トリメゾイルクロリド、テレフタロイルクロリド、エピクロロヒドリン、ジブロモベンゼン、グルタルアルデヒド、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(例えばトリレン2,4−ジイソシアネート)、1,1'−カルボニルジイミダゾール、ジビニルスルホン、二塩化酸(例えばセバコイルジクロリド)、トリクロロ基によって置換された酸から選択されることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記架橋剤が、シアヌリルクロリド、トリレン2,4−ジイソシアネート、1,1'−カルボニルジイミダゾール、トリメゾイルクロリド、テレフタロイルクロリド、アルコキシシラン、例えばテトラメトキシシラン及びテトラエトキシシラン等から選択されることを特徴とする、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記カップリング剤が、シランタイプのカップリング剤(例えば各種のアルコキシシラン)、及びチタンに基づくカップリング剤(例えば各種のアルコキシチタン化合物)から選択されることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
前記光架橋剤が、スチルバゾリウム塩に基づく光架橋剤、例えばホルミルスチリルピリジニウム塩、ケイ皮酸、アントラセン、チミン等から選択されることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
前記オイルが、シリコーンオイル、炭化水素オイル、及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記オイルが、揮発性オイル、不揮発性オイル、及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記オイルが、揮発性炭化水素オイル、例えば8から16の炭素原子を有する炭化水素オイル、特に分枝状C−C16アルカン(イソパラフィンとも称される)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとも称される)、イソデカン、またはイソヘキサデカンから選択されることを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記オイルが、揮発性シリコーン、例えば揮発性直鎖状または環状シリコーン、特に≦8センチストーク(8×10−6/s)の粘度を有し、特に2から10のケイ素原子、特に2から7のケイ素原子を有するものから選択され、これらのシリコーンは任意に1から10の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を含むことを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記オイルが、不揮発性オイル、例えば
−動物起源の炭化水素オイル;
−植物起源の炭化水素オイル、例えばフィトステリルエステル、例えばフィトステリルオレエート、フィトステリルイソステアレート、及びラウロイル/オクチルドデシル/フィトステリルグルタメート、脂肪酸とグリセロールとのエステルからなるトリグリセリドで、脂肪酸がCからC24の各種の鎖の長さを有することができ、これらの鎖は直鎖状または分枝状で、飽和または不飽和であって良いもの;これらのオイルは特にヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリドである;麦芽、ヒマワリ、グレープシード、ゴマ、トウモロコシ、アンズ、カスター、シェア、アボカド、オリーブ、ダイズ、スィートアーモンド、ヤシ、レイプシード、綿実、ヘーゼルナッツ、マカダミア、ホホバ、アルファルファ、ケシ、カボチャ種、キュウリ、クロフサスグリ種、マツヨイグサ、アワ、オオムギ、キノア、ライムギ、サフラワー、ククイノキ、トケイソウ、またはジャコウバラの各オイル;シェアバター;またはカプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド;
−10から40の炭素原子を有する合成エーテル;
−鉱物または合成起源の直鎖状または分枝状炭化水素、例えば流動ワセリン、ポリデセン、水素添加ポリイソブテン、スクアレン、及びそれらの混合物、特に水素添加ポリイソブテン;
−合成エステル、例えば式RCOORのオイル[式中、Rは1から40の炭素原子を含む直鎖状または分枝状脂肪酸の残基を表し、Rは炭化水素鎖、特に1から40の炭素原子を含む分枝状炭化水素鎖を表し、但しR+R≧10である]、特にセトステアリルオクタノエート、イソプロピルアルコールのエステル、例えばイソプロピルミリステートまたはイソプロピルパルミテート、エチルパルミテート、2−エチルヘキシルパルミテート、イソプロピルステアレートまたはイソステアレート、イソステアリルイソステアレート、オクチルステアレート、ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテートまたはオクチルヒドロキシステアレート、ジイソプロピルアジペート、ヘプタノエート、特にイソステアリルヘプタノエート、アルコール若しくはポリアルコールのオクタノエート、デカノエート、またはリシノールエート、例えばプロピレングリコールジオクタノエート、セチルオクタノエート、トリデシルオクタノエート、2−エチルヘキシルパルミテート及び4−ジヘプタノエート、アルキルベンゾエート、プロピレングリコールジヘプタノエート、プロピレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、並びにそれらの混合物、C12からC15アルキルベンゾエート、ヘキシルラウレート、ネオペンタン酸のエステル、例えばイソデシルネオペンタノエート、イソトリデシルネオペンタノエート、イソステアリルネオペンタノエート、またはオクチルドデシルネオペンタノエート、イソノナン酸のエステル、例えばイソノニルイソノナノエート、イソトリデシルイソノナノエート、またはオクチルイソノナノエート、またはヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテート、またはジイソステアリルマレート;
−ポリオールのエステル、及びペンタエリスリトールのエステル、例えばジペンタエリスリトールテトラヒドロキシステアレート/テトライソステアレート;
−ダイマージオールとダイマー二酸のエステル;
−12から26の炭素原子を有する分枝状及び/または不飽和炭素鎖を有する、環境温度で液体である脂肪アルコール、例えば2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−ブチルオクタノール、及び2−ウンデシルペンタデカノール;
−高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及びそれらの混合物;並びに
−二つのアルキル鎖が同一または異なることができるジアルキルカルボネート、例えばジカプリリルカルボネート
から選択される、請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
前記オイルが、不揮発性シリコーンオイル、例えば不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、それぞれ2から24の炭素原子を有するペンダント状アルキル若しくはアルコキシ基及び/またはシリコーン鎖の末端でのアルキル若しくはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサン、フェニル化シリコーン、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニル(トリメチルシロキシ)ジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニル(メチルジフェニル)トリシロキサン、及び(2−フェニルエチル)トリメチルシロキシシリケート、100cSt以下の粘度を有するジメチコーンまたはフェニルトリメチコーン、並びにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
更に着色物質を含むことを特徴とする、請求項1から26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
前記着色物質が染料、顔料、及びレーキから選択されることを特徴とする、請求項1から27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
更にワックス、ペースト状脂肪物質、及び/またはフィラーを含むことを特徴とする、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
唇、瞼、眉毛、または皮膚のためのメイクアップ及び/またはケア製品の形態で存在することを特徴とする、請求項1から29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
前記環状分子がα−シクロデキストリンであり、前記直鎖状分子がポリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項2及び4から30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
前記架橋化ポリロタキサンの含量が、組成物の全重量に対して0.1から80重量%、好ましくは1から30重量%、より好ましくは3から25重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1から31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
請求項1から32のいずれか一項に記載の組成物の美容的使用。
【請求項34】
請求項1から32のいずれか一項に記載の無水化粧品組成物のケラチン物質への適用を含む、毛髪以外のケラチン物質のケアまたはメイクアップのための美容方法。
【請求項35】
顔、身体、または唇のリモデリングのための、唇のボリュームを増大するための、ケラチン物質の外観中の不完全性または欠陥を隠すための、顔色を均一にするための、または睫毛のボリュームを増大するための無水化粧品組成物における、少なくとも一つの架橋化ポリロタキサンの使用。

【公表番号】特表2008−542425(P2008−542425A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515157(P2008−515157)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006155
【国際公開番号】WO2006/131403
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】