説明

柔軟なウェブによって接続された隣接する要素を有するステント

柔軟で、好適にはポリマーの接続要素(32)をステントに組み込み、これらの要素が隣接する間隔の空いたステント要素(62)を接続するステント。好適には、間隔の空いた隣接するステント要素は、隣接する巻き付け部の間に提供された空間を有する螺旋状に巻き付けられた蛇行状のワイヤからステントを形成の結果として得られる。複数の、個別の間隔の空いたリング型または連結されたステント要素といった他のステント成形品を使用してもよい。接続要素は通常ウェブ型であり、ステントに施されたグラフト材料の被覆にスリットまたはアパーチャを形成してから、例えば熱をかけてスリットまたはアパーチャを拡大したことの結果である。残りのグラフト材料成形品は、隣接するステント要素間の連結ウェブを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟に接続された隣接するステント要素を有する移植可能なステントの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
血管系および他の身体導管における移植可能なステントの使用は、1960年代にDotterによって最初に提案されて以来一般的になった。こうした器具は、目的とする身体導管内に挿入し、通常カテーテルを介して、展開のため望ましい部位に輸送するため小さく圧縮された直径を有する必要があり、その部位では、身体導管の内腔表面に干渉的に嵌合するため必要に応じて大きな直径に拡張する。バルーン拡張式ステントは、拡張式ステントを圧縮された状態で前もって周囲に設置した膨張式バルーンによって器具を塑性変形させることによって拡張し、バルーンはカテーテルの遠位端に取り付けられてカテーテルを介して膨張する。自己拡張式ステントは、拘束スリーブまたは他の手段によって強制的に小さい直径に圧縮されその直径で拘束される。展開のため望ましい部位に送達された後、ステントは拘束から解放さればねのように開いて身体導管の内腔表面に接触する。こうした器具は通常ニチノール合金から製造され、通常この金属の超弾性および生体適合性に依存する。この材料の形状記憶属性に依存するニチノールステントも知られている。
【0003】
また、移植可能なステントの進化は、ステントの外側表面、内腔表面または両方の表面の何れかでステントに装着される管状被覆の使用を含んでいた。こうした被覆されたステントは一般にステントグラフトと呼ばれるようになった。被覆は一般に、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)といったポリマー生体適合性材料から製造される。例えば、Palmazの特許文献1を参照されたい。
【0004】
また、Palmazの特許文献1は、特定の用途のために望ましい場合、被覆に必要に応じて穿孔を設けてもよいことを記載している。穿孔によって提供される開いた領域のために、穿孔のある被覆を有するこの器具は、金属ステント要素と、ステント要素に接続、被覆または他の形で取り付けられたポリマー要素とを有するステントフレームを含む器具であることから、ステントとステントグラフトとの一種の混成物と見なしてもよい。ポリマー要素の存在によって、隣接する金属ステント要素間の、ポリマー要素がなければ開いていた空間は、目的とする用途および機械設計に応じてきわめてわずかかまたはきわめて大幅に縮小される。穿孔ステントグラフトは他の文献にも記載されている。例えば、特許文献2を参照されたい。
【0005】
また、ポリマーコーティングまたは被覆を設けたステント要素を有するステントも知られている。例えば、Myers他の特許文献3およびPinchuk他の特許文献4を参照されたい。
【0006】
一般に、完全に被覆されたステントグラフトは、拡張されたステントの外周にステントの長さを乗算したものに等しい表面積(以下Amax)を有すると考えることができる。(ステントグラフトと対照的な)従来のフレームが開放されたステントの場合、全てのステント要素によって表される表面積は、最大表面積Amaxのごく一部に過ぎない。展開状態で(接続要素を含む)ステントの全ての構成要素によって覆われる面積を意味する、ステントが覆う実際の表面積をAstentとする。多孔率指数すなわちP.I.は、オープン領域(最大表面積のうち、ステント組立体のいかなる構成要素によっても覆われない部分)を次式のように最大表面積の百分率で表す。

P.I.=(1−(Astent/Amax))×100%
【0007】
ステントによって覆われた実際の表面積(Astent)を測定する好適な方法は、Visicon Inspection Technologies,LLC(カリフォルニア州Napa)によって提供される機械の使用を伴うものである。Visicon Finescan(商標)ステント検査システム(Visicon Finescan machine model 85)は6000ピクセルの線走査カメラを使用して、ステントの平らに開いた図を生成する。動作の際、ステントは、優れた拡散表面を持つサファイアマンドレル上に設置される。このマンドレルはリニアアレイカメラの下に保持され、システムの電子回路によって回転され、線走査カメラを起動して逐次的に精密に画像データの線を収集するために使用される。回転を完了すると、ステントの完全な画像が得られる。ステント全体が撮像されると、ソフトウェアはステントと被覆および背景とを区別する。画素(ピクセル)の合計数を、ステントおよび被覆に関連するピクセルの合計数と比較してAstentを決定する。この種の決定のために使用される機械の基本的設定は、(例えば)照明100%、露出0.3ms/線、ゲイン5、閾値50、ノイズフィルタ20、スムージング4である。
【0008】
オープン領域は、単一の螺旋状に巻き付けられたステント要素の巻き付け部の間の空間といった連続する単一の空間でもよい。同様に、オープン領域は、複数の個別の環状またはリング型のステント要素の間の空間であってもよい。また、オープン領域は、(例えば、Palmazの特許文献1の図1Bおよび図2Bによって示されるような)単一のステント要素または複数のアパーチャを提供する複数のステント要素の何れかによって提供される複数のアパーチャの合計面積によって表されるものでもよい。複数のアパーチャが提供される場合、それらは均等または不均等なサイズのものでもよい。また、金属ステント要素に加えて穿孔されたグラフト被覆またはポリマー要素を使用することによってオープン領域も減少する。
【0009】
50%より大きい多孔率指数を有するステントは実質上開放されたステントと考えられる。
【0010】
多孔率指数に加えて、特定のステントの用途のためにステント面積の一部だけを覆うことを目的とする場合、オープン領域を提供する任意のアパーチャのサイズを考慮しなければならない。複数のアパーチャの場合、特にアパーチャが、内腔壁から身体導管の流れ空間への生体物質の流れを制御または制限する「フィルタリング」効果を提供しようとする場合、何れかの個々のアパーチャの最大サイズを考慮しなければならないことが多い。
【0011】
ポリマー接続要素によって金属ステント要素を結合した様々なステント器具が知られている。例えば、Maeda他の特許文献5を参照されたい。もう1つは、InspireMD Ltd.(イスラエル、67892、テルアビブ、Derech Hashalom St.、4)の、金網フェンス状の小さな開放されたアパーチャを有する柔軟な編んだスリーブを設けたステントである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4,776,337号
【特許文献2】国際公開第WO00/42949号
【特許文献3】米国特許第5,735,892号
【特許文献4】米国特許第5,968,091号
【特許文献5】米国特許第5,507,767号
【特許文献6】米国特許第7,306,729号
【特許文献7】米国公開特許出願第2007/0012624号
【特許文献8】米国特許第5,476,589号
【特許文献9】米国特許第6,159,565号
【発明の概要】
【0013】
開放ステント(ステントの端部の間の場所でその厚さを貫通する開放空間を有するステント)および製造方法を説明する。ステントは、柔軟な、好適にはポリマーの接続要素(すなわち、ポリマーウェブ)をステントに組み込んでおり、こうした接続要素は隣接する、間隔の空いたステント要素を接続する。柔軟な、好適にはポリマーの接続要素は、ステント要素を均等な間隔に保持する手段を提供し、良好な柔軟性と、捻り力、曲げ力、軸方向の張力または圧縮力、または半径方向の圧縮力といった、生体内で器具に印加されうる力に対する有用な耐性とを有するステントの構成を可能にする。
【0014】
好適には、間隔の空いた隣接するステント要素はポリマーウェブの形態である。好適なステント成形品は、隣接する巻き付け部の間に提供される空間を有する螺旋状に巻き付けられた蛇行状のワイヤである。また、複数の、個別の間隔の空いたリング型のステント要素を使用してもよい。リング型のステント要素は、円周リングを形成するジグザグ要素、または器具の直径が拡張した時円周に沿って連続したダイアモンド型開口を提供する連結要素の形態でもよい。代替的には、螺旋状に巻き付けられた蛇行状の形状を利用する実施形態が多くの用途で好適である。ステントは好適には自己拡張式(ニチノールのような材料から製造される)であるが、バルーン拡張式ステントに適した材料(例えば、ステンレス鋼、マグネシウム基合金、マグネシウム、コバルトクロム合金、チタンまたはチタン基合金)から製造してもよい。
【0015】
螺旋状に巻き付けたステントフレームは隣接する横列を接続する二次結合(secondary linkage)がないため本質的に不安定である。隣接する横列を連結する前に説明したポリマーウェブ結合を利用することで、螺旋構造が安定化し、高度な柔軟性を可能にしつつ軸方向の延び、ねじれおよび曲がりを制限する。
【0016】
隣接する、間隔の空いたステント要素は好適には実質上円周方向に方向付けられている。これは、ステントがまっすぐな、湾曲していない状態にある時、ステントの長手方向軸に垂直な一般的な方向を有することを意味する。
【0017】
製造方法は、選択されたステント成形品に生体適合性ポリマー被覆を施して、一時的にステントグラフトを形成することを包含する。被覆は好適には強くて薄い材料であり、管状の形態でもよいが、以下説明するように、製造上シートの形態(例えば、切断して細いテープにした比較的幅広い膜)が好適である。被覆は好適にはステントの外側表面に施されるが、内腔表面だけに施してもよく、また代替的には、ステントの内腔および反内腔側(外側)両方の表面に施してもよい。内腔側および反内腔側両方の表面を被覆することによってステントの金属表面の実質上全てを望ましいポリマーで被覆する可能性が得られる。ポリマー膜の被覆は好適には熱可塑性膜であり、好適には、膜がその融点より高い熱にさらされた時比較的均等な方向性収縮特性が得られるような強度特性を持つ膜である。膜で被覆されたステントグラフトには、好適にはさらに説明するように隣接するステント要素の間の場所に、膜の厚さを貫通する穿刺孔(スリットまたは他のアパーチャ)が設けられている。そして、穿刺したステントグラフトを膜の溶融温度より高い熱にさらすと膜は前に形成された穿刺孔の縁端から収縮して、ステントの壁を貫通する開口が生じる。こうした開口は、前に形成された穿刺孔のサイズ、形状、数量および方向、その後加えられた熱の量、および使用されるポリマー膜の厚さおよび種類の結果であるサイズ、形状、数量および方向のものである。これらが所望通りに制御しうる製造変数であることは明らかである。ステントの結果として得られるオープン領域(すなわち、多孔率指数)は広い範囲(すなわち、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、またはそれを越える割合か、これらの何れかの割合の中間にある値)に及んでもよい。加熱ステップの後残ったポリマー膜は、隣接するステント要素間に延びるポリマーウェブの形態である。
【0018】
また、代替的な製造方法は、選択されたステント成形品に生体適合性ポリマーの被覆を施して、一時的にステントグラフトを形成することを包含する。この場合好適なステント成形品は適切なバルーン拡張式材料から製造されたリング型ステント要素であろう。被覆は前に説明したものと同様であり、前の節で説明した方法と同様に選択したステント成形品に施してもよい。ポリマー膜の被覆は好適には熱可塑性膜であり、好適には単方向の強度特性を持つ膜である。膜で被覆したステントグラフトには、好適にはさらに説明するように隣接するステント要素の間の場所に、膜の厚さを貫通する穿刺孔(スリットまたは他のアパーチャ)が設けられている。そして、穿刺したステントグラフトを、膜がステント成形品に結合するのに十分な熱にさらす。結果として得られるステントの直径が拡張すると、こうした開口は、前に形成された穿刺孔のサイズ、形状、数量、および方向の結果であるサイズ、形状、数量および方向のものになる。これらが所望通りに制御しうる製造変数であることは明らかである。ステントの結果として得られるオープン領域(すなわち、多孔率指数)は、前に説明したような広い範囲に及んでもよい。穿刺/スリット形成のステップの後残ったポリマー膜は、隣接するステント要素の間に延びそれらを連結するポリマーウェブの形態である。
【0019】
さらに、完成した開放フレームステントには、望ましい場合、必要に応じてポリマーグラフト材料の別の被覆を設けてステントグラフトを形成してもよい。このグラフト被覆は、ステント要素(例えば、ワイヤ)の上に提供される被覆またはコーティングに容易に付着または結合し、連結ウェブを形成する。
【0020】
(複数の開口および複数のポリマー連結ウェブを含む)こうした完成した器具のポリマー被覆は一般に、ステント端部の間で連続的または実質上連続的であり、膜の連続シートから製造された結果であるか、または重なり合う隣接した縁端が互いに溶融結合した螺旋状に巻き付けられたポリマーテープを使用した結果である。こうした連続ウェブを形成する膜の被覆はステント要素に良好に付着する。
【0021】
またさらに、こうした器具には、特定の薬剤に適した当業技術分野で知られている様々な手段によって様々な治療薬剤(例えば、ヘパリン)のコーティング(好適には溶出可能なコーティング)を設けてもよい。
【0022】
ここで説明したように製造したステントは、柔軟性と解剖学的付着(anatomic apposition)を提供する隣接するステント要素間の柔軟な連結ウェブによって可能になる良好な順応性を有する。また、それらは、湾曲した解剖学的組織内で繰り返し長手方向に曲げることによる破損を緩和する隣接するステント要素間の連結ウェブによって可能になる良好な曲げ耐久性を有する。拡張式器具はある範囲の血管サイズ(約3mm〜55mm)に対応するため大きくしたり小さくしたりできる。
【0023】
ここで説明した拡張式器具の可能な臨床的応用は、先天的欠陥(すなわち、肺動脈狭窄症、大動脈縮窄症)、補助的大動脈治療(すなわち、I型エンドリーク、大動脈側枝のステント留置術)、末梢動脈の疾病(すなわち、腎臓および腸骨動脈の狭窄症、動脈瘤、および解剖)、および静脈への応用を含むがそれらに制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】ここで説明する好適なステントの(以前から知られている)螺旋状に巻き付けられた蛇行状のワイヤ成形品の透視図である。
【図1B】それぞれ、ここで説明する好適なステントの(以前から知られている)螺旋状に巻き付けられた蛇行状のワイヤ成形品の平面図である。
【図2A】隣接するステント要素間の柔軟な連結ウェブを設けた、螺旋状に巻き付けられた蛇行状のワイヤステントの一部の側面透視図である。
【図2B】図2Aのステントの平坦化した平面図である。
【図2C】図2Bによって示される単一の開口が、4つの開口である複数のアパーチャによって置き換えられた平面図である。
【図2D】図2Bによって示される単一の開口が、6つの開口である複数のアパーチャによって置き換えられた平面図である。
【図3】説明されたオープンフレームステントを製造するために有用な多軸ePTFE膜の走査顕微鏡写真である。
【図4】器具を製造する処理の一部である、スリットまたは穿刺孔を設けた、部分的に完成したステントの側面図である。
【図5A】ここで説明するように製造された完成したステントに見られうるステント要素の横断面図である。
【図5B】ここで説明するように製造された完成したステントに見られうるステント要素の横断面図である。
【図5C】ここで説明するように製造された完成したステントに見られうるステント要素の横断面図である。
【図6A】隣接するステント要素間の柔軟な連結ウェブを設けたバルーン拡張式ステント(またはそのステントの長さ部分)の側面透視図である。
【図6B】連結ポリマー被覆のない状態で示される、3つのステントリングの側面透視図である。
【図6C】連結ポリマー被覆を設けた図6Bに示すステントリングを備えるステント組立体の側面透視図である。
【図6D】透視図で細部を示した、図6Cによって説明したステント組立体の左上部分である。
【図7】隣接するステント要素間の柔軟な連結ウェブを設けたバルーン拡張式ステント(またはそのステントの長さ部分)の側面透視図である。
【図8】その後展開および拡張するためバルーン上に設置された時見られるであろうステントの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
多様なステント成形品が有用にもここで教示される柔軟な接続要素を設けうることが注目されてきた。図1Aは、ここで説明するように使用するために好適なステント10の透視図を示す。図示されるステント10は、ある長さの蛇行状のワイヤ18の螺旋状巻き付け部を備える。螺旋状に巻かれた蛇行状のワイヤ18を順次巻き付けることによって間隔の空いた隣接するステント要素12が得られる。ワイヤ18の端部17は、何らかの適切な方法(例えば、溶接)によって隣接する螺旋状巻き付け部に固定してもよい。明瞭にするため、ステント10は、ステント内腔を通じてその両端を越えて延びるマンドレル16と共に示され、ステント10の図面を見る人にもっとも近い側は明らかであるが、見る人から最も遠い側は視認できなくなっている。マンドレル16は視覚化を明瞭にするためにだけ存在するのであって、ステント10の一部ではない。
【0026】
螺旋状に巻き付けられた蛇行状のワイヤ18はステント10の対向する端部の間で連続して延び、比較的小さい半径のワイヤの湾曲部から形成された対向する頂点22aおよび22bは直線または比較的直線のワイヤセグメント24によって連結されている。頂点は通常、マンドレル16および管状の形態のステント10の長手方向軸19と実質上平行な方向を「向いて」おり、交互の頂点22aおよび22bは反対方向、すなわち、ステントの反対側の端部を向いている。図1Aに示すように、1つの方向を向いた頂点(例えば、頂点22a)は第1の共通の線に沿って整列しており、反対方向を向いた頂点(例えば、頂点22b)は第1の共通の線に平行な第2の共通の線に沿って整列しているのが好適である。
【0027】
図1Bは、図1Aによって説明した蛇行状のワイヤの細部の平面(または平坦化した)図を示し、寸法は以下説明する製造方法に関する。寸法27は隣接した対向する頂点の高さ(振幅)と考えられ、寸法28は隣接した対向する頂点の幅である。寸法29は蛇行状の形態の1周期全体を表す。ワイヤ直径25および頂点22の湾曲半径26は適宜選択してもよい。
【0028】
図2Aは、間隔の空いた、隣接するステント要素12(例えば、対向する頂点22bに接続された2つの隣接する頂点22a)が1対の柔軟なポリマーウェブ32によって連結された、オープンフレームステント10のある長さの部分の側面透視図である。図2Bは、この同じ構成体の平坦化した平面図を示す。開口34は隣接する整列した頂点22aの間に存在し、個々の単一の開口18は一般にギターピックの形状である。個々の、無作為に選択したウェブの長さの中央を通じて(すなわち、そのウェブによって接合された隣接するワイヤ頂点の間に延びる)線を引くと、その線は好適にはステントの中心線に平行な(または図1に示すマンドレル16の中心線19に平行な)線に対して15度〜75度の角度を形成する。別言すれば、要素が柔軟なウェブ32によって連結されたこの種のステントの場合、ウェブ32は好適にはステントの長さに対してある角度に方向付けられている。
【0029】
図2Bの拡大された部分は、こうした柔軟なポリマーウェブ32が、ステント要素(例えば、ニチノールワイヤ)に取り付けられる端部より長さの中央部でより細くなっていることを示す。また、ウェブ32が好適には、接合され取り付けられる対象のステント要素に接線方向に組み合わさっていることを示す。
【0030】
図2Cおよび図2Dは、図2Bに示した単一の開口が各々、図2Cでは4つの開口であり図2Dでは6つの開口である複数のアパーチャによって置き換えられた平面図である。
【0031】
様々なポリマー膜が、この器具のステントを被覆(またはコーティング)する材料として使用するのに適したものとなりうるが、ePTFE膜と組み合わせて使用されるFEP(フッ化エチレンプロピレン)膜の組み合わせが好適である。こうした螺旋状に巻き付けられた蛇行状のワイヤステントと共に使用する好適なePTFE膜は、図3の走査電子顕微鏡写真によって示される多軸小繊維方向を有する膜である。ePTFE膜の平面内で小繊維があらゆる方向を向いているのが見られる。この種のePTFE膜は、Bacino他の特許文献6および特許文献7による教示にしたがって製造可能である。この同じ種類の膜は必要に応じて、FEPの薄層の部分的な被覆(FEP膜の被覆を貫通する開口を有する、すなわち、不連続な被覆)を設けてもよい。不連続(有孔)FEP被覆(コーティング)または連続(無孔)FEP被覆(コーティング)の何れかを伴う、FEPでコーティングしたePTFE膜は一般に、Myers他の特許文献3による教示にしたがって製造可能である。
【0032】
図4は、同じ方向を向いたワイヤの隣接する頂点間の膜を貫通する長手方向のスリット41が形成された、FEP膜の第1の外側(反内腔側)の被覆と、多軸ePTFE膜の追加の被覆とを設けた螺旋状に巻き付けられた部分的に完成したステント13を示す。複数のスリット41を有する器具に熱をかけて、膜を隣接するワイヤステント要素側に収縮させるので、完成したステント15(図2A)には開口ができる。この処理は以下さらに詳細に説明する。
【0033】
上述のように、ステントの被覆のため様々な種類の膜を使用してもよいが、記載したePTFE膜はその(膜の平面内の)多軸強度方向のため好適である。ePTFEは強くて薄く、優れた生体適合性を有する。スリットを形成した後適切な熱をかけると、膜は良好な均等性を持って縮小(収縮)し、ポリマーステント被覆を貫通する開口を形成し、隣接するステント要素間に柔軟なポリマーの連結ウェブを形成する。
【0034】
この処理の結果得られた柔軟な連結ウェブ32は、通常、ワイヤの頂点に接続する終点ではより幅広い幅を有し、連結する頂点間の長さの中央では比較的狭い幅を有する。さらに、同じ螺旋状巻き付け部の頂点(すなわち、頂点22aおよび22b)を接続する直線部分24には、ワイヤ18から離れて外向きに延びる膜の非常に細い、痕跡の縁端(36、図2B)が存在してもよい。図5Aは、ステントの外側または内側いずれかの表面にグラフト材料の単一の層が施された場合の縁端の一般的な外観を示す、(図2Bの平面図に示す断面5に沿った)この縁端を持つワイヤの横断面図を示す。図5Bおよび図5Cは、ステント要素の内側および外側両方の表面に被覆が施された場合に見られる横断面図を示す。
【0035】
柔軟なステントを製造する好適な方法は以下の通りである。目的とするステントの内径にほぼ等しい直径のステンレス鋼マンドレルを調達する。マンドレルの表面に、カプトン(登録商標)ポリイミド膜(Du Pont製、厚さ0.002インチ)の1”幅テープを螺旋状に巻き付ける。螺旋状に巻き付けられる蛇行状ニチノールワイヤから製造された望ましい長さと直径のステントを提供する(ワイヤ直径は所望の通り)。これをマンドレルのカプトンで被覆された表面に巻き付ける。ステントワイヤの端部は、固定結び目に結び付けたFEPの糸を使用してステントワイヤの隣接する巻き付け部に固定する。蛇行状ワイヤの頂点は、共通の方向を向いた頂点がマンドレルの長手方向軸と整列し平行になるように整列させる。そして、FEPテープの隣接する縁端の重なり合いが最小になるようにしてステントの外側表面の上に密着して引き延ばした、FEP膜(厚さ0.00015インチおよび幅約0.75インチ)から切り出したFEPテープの単独の層の被覆と共に、ステントを螺旋状に巻き付ける。そして、前に説明した種類のePTFE膜と共に、FEPテープを紙巻きたばこ状に巻き付ける(マンドレルの長手方向軸に垂直な方向に巻き付ける)。この巻き付けは、膜の横方向の縁端をマンドレルの長手方向軸と整列させ、清潔なはんだごてまたは適切な同等物といった熱源を使用してePTFE膜の縁端をFEPに注意深く溶着することによって、膜を下にあるFEP膜に取り付けることによって開始してもよい。ePTFE膜の6つの層をステントの外側表面に巻き付け、膜の縁端をステントの長さに沿って(すなわち、マンドレルの長手方向軸に平行に)切り落とす。膜の縁端を、前に使用した熱源によって固定する。
【0036】
図4に示すように同じ方向を向いた隣接するワイヤ頂点間に長手方向のスリット41を形成する。こうしたスリットは、メスの刃、ウォータージェット、レーザ等の使用を含む何らかの適切な手段によって形成してもよい。こうした適切なレーザの1つは、カリフォルニア州Santa ClaraのCoherent Inc.製Model GEM−100A、CO2、CW(連続波のみ)である。ステントの各端部の最後の横列は、これらの端部の横列を完全に被覆された状態に(すなわち、ステントグラフトの状態に)保持することが望ましい場合、スリットの形成を省略してもよい。そして、巻き付けられたステントの全長に、カプトンテープの追加の一時的な螺旋状の巻き付け部を設ける。このテープの端部は、機械的クリップまたは他の一時的な留め具によって、ステントの各端部を越えてマンドレルの表面に固定してもよい。そして、カプトンのこの層は(テープの長さに平行な方向を向いた小繊維が優勢な小繊維微細構造を有するePTFE膜から製造され、マンドレルに対して方向が主として円周方向になるように小さいピッチ角で巻き付けられた)ePTFEテープの一時的な螺旋状巻き付け部と共に密着して巻き付ける。このePTFEテープは、適切に加熱されると、下にある材料に周囲方向の圧縮力を提供する。
【0037】
そして、上記の構成体を、380℃に設定された適切な対流オーブン内に11分間置き、その後オーブンから取り出してほぼ周囲温度まで冷却する。そして、ePTFE膜の外側の層とカプトンテープを除去する。結果として得られた被覆されたステントとカプトンテープの下にある層をマンドレルから注意深く取り外す。そして、カプトンテープの残りの層は、小さな鉗子またはピンセットといった適切な工具を使用してステントから取り除いてもよい。そして、ステントの端部を越えて突出する残った膜の縁端は、メスの刃で、ステントワイヤの端部の頂点の近くで横方向に注意深く切り落としてもよい。
【0038】
図6Aは、ここに記載したように使用するために好適な、バルーンと共に直径が拡張した後に現れるバルーン拡張式ステント60の透視図を示す。図示されるステント60はリング62を備え、バルーン拡張式ステントの要素は複数のダイアモンド型の開口63dを形成する。ステント60は通常1つ以上のこうしたリング62から構成される。個々のリング62は、当業技術分野で知られた何らかの適切な手段によって構成してもよいが、好適にはレーザ切断チューブから製造される。明瞭にするため、管状ステント60の見る人にもっとも近い側だけを示す。ステント60には、好適には柔軟な膜である、ポリマー被覆66が設けられている。隣接するリング62の頂点22aおよび22bの間の距離に渡るウェブ32によって、被覆66がどのように複数のリング62を連結してステント60を形成しているかが明らかである。
【0039】
様々なポリマー膜が、本器具のステントの被覆(またはコーティング)材料として使用するのに適したものとなりうるが、ePTFE膜と組み合わせて使用されるFEP(フッ化エチレンプロピレン)が好適である。本器具のために好適なePTFE膜は、バルーン拡張の前にステントの長手方向軸61と元来整列している1つの方向に高い強度を有する一軸性膜である。この種の膜は、特許文献8に記載されているものと同様である。さらなる好適なものは、特許文献9に教示されているものと同様に、FEPの不連続なコーティングを施すことによって膜を改質することであろう。
【0040】
リング62がバルーン拡張の前の状態であるため、ポリマー被覆66のないステントリング62の配置を図6bに示す。拡張していないステントリング62は切断されて、(図6Aに示すように)拡張した時ダイアモンド型の開口63dとなる開口63を有する。ステントリング62は、通常の頂点が頂点に向き合う配列では、頂点22aおよび22bを互いに近接させて配置する。隣接するリング62の距離は所望の通りでよいことは明らかである。
【0041】
図6Cは、連結ポリマー被覆66を追加した、図6Bで前に示したステントリング62を例示する。各々がポリマー被覆66の一部であるウェブ32が、隣接するリング62を連結していることが示される。図6Dは、図6Cに記載したステント60の左上端部の拡大詳細透視図である。
【0042】
また、図6Cおよび図6Dには、ステント60の長手方向軸に沿ってポリマー被覆66中に配置された穿刺孔またはスリット68が示されている。図6B〜図6Dは、ステントリング62の隣接するステント要素の間に形成された複数の開口63および64を示す。ポリマー被覆66を貫通するスリット68は、一般に各ステントリング62中の複数の開口63および64に対応するサイズと形状のものが形成される。こうしたスリット68は前に説明したような様々な手段によって形成してもよい。スリット68は、対向する頂点22aおよび22bの間に延びる開口63(各ステントリング62の端部の間に囲われた開口)を被覆するポリマー被覆66を貫通して形成される。各ステントリング62の長さの中央から各ステントリング62の端部まで(すなわち、半径方向に隣接する頂点22aおよび22aの間、および同様に半径方向に隣接する頂点22bおよび22bの間で)完全に延びる1つ置きの開口64には、被覆ポリマー材料66を貫通するスリットが設けられている。こうしたスリット68は、隣接するリング62の間で隣接するリング62中の対応する開口まで長手方向に延びる。こうしたスリット68は集合的に個々の連結ウェブ32を形成する。スリット68は所望の通りの幅のものでよい。図面はスリット68の幅が下にあるステント開口63および64の幅に対応することを示しているが、メスの刃の幅は十分なものと考えてもよい。
【0043】
各リング62の頂点22aおよび22bは図6Aに示すように互いに向かい合うようにしてもよく、また図7に示すようにずらして配置してもよい(すなわち、図1A〜図2D、図4および図6Aに示すように山が山に向き合うやり方で整列させるのではなく、図7に示すように山を谷に向けて整列させてもよい)。頂点は通常、管状の形態のステント60の長手方向軸61に実質上平行な方向を「向いている」。
【0044】
図8は、その後の展開および拡張のためバルーン(図示せず)上に設置した状態のステント60の概略側面図である。ステント60は好適には、連結ウェブ32が湾曲またはしわを形成してステント60が短縮されるように、設置の際軸方向に圧縮される。このやり方でステント60を設置することの利点は、バルーンの拡張の際、(開口63がダイアモンド型の開口63dになり)ステントリング62が変形するに連れて、ステントリング62が短縮されることである。例えば、直径は6倍より多く拡張するのに短縮は10%未満となる。湾曲したウェブ32は、外向きに突出しないのが好適であるならば、隣接するステントリング62の下に折り込んでもよい。好適なバルーンは、その両端に向かって長さの中央から直径が拡張するバルーンである。代替的には、ステント60の端部のステントリング62は、ステント60の長さの中央の近くに配置したリング62より厚い材料から製造してもよい。こうした代替案では、拡張の際張力が湾曲したウェブ32に印加されて、ウェブ32のたるみを引き出し、長さを増大してリング62の短縮を補償しステント60の長さを維持する。
【0045】
図6A〜図7に示すステントのようなステントを製造する好適な方法は以下の通りである。標準的なダイアモンドパターン形状のステントは、オハイオ州ClevelandのNorman Nobleから入手可能な直径4.19mm×壁厚さ0.38mmの316 LVMステンレス鋼チューブから、イリノイ州WaukeganのLaserage Technology Inc.でレーザ加工され電解研磨した。ステントを粗面処理ステップにかけ、疲労耐久性能を劣化させずに付着性を改善した。金属表面を清掃し接触角を減らす目的でFEP粉末コーティングの前にステントのプラズマ処理を行った。当業技術分野で周知のプラズマ処理を行った。
【0046】
まず標準的な料理用ミキサーで粉末を攪拌して空中を浮遊する「雲」の状態とし、粉末の均等な層がステントフレームに付着するまでフレームを雲の中に吊すことによってFEP粉末(ニューヨーク州OrangeburgのDaikin America)をステント構成要素に付着させた。そしてステント構成要素を約3分間320℃で熱処理にかけた。これによって粉末は溶融し、ステント構成要素上にコーティングとして付着した。各リングを反対側の端部から吊して2度被覆し、3分間320℃のオーブン中に入れてから取り出し、室温まで冷却した。
【0047】
前に説明したようにFEPの不連続なコーティングを設けた17層の薄いePTFE膜を約3.43mmのステンレス鋼マンドレルに巻き付けた。膜は、高い強度の方向がステントの長手方向軸に平行になり、FEP側が外を向くように貼付した。個々のステントリングを膜のチューブの上に配置して整列させた。この場合、ステントリングは山が山に向き合うやり方で整列され、各リング間のギャップを約2.5mmにして均等に分離し、約40mmの器具の全長を得た。ステントの外径に向けて、追加の17層の同じ膜を、FEP側を下向きにすること以外は前に説明したのと同様に貼付した。
【0048】
組立体全体に数層のePTFE糸(部品番号SO24T4、メリーランド州ElktonのWL Gore)を巻き付けて、下にある構成体に圧縮力を付与した。組立体を約40分間320℃のオーブン(Grieves、Model MT1000、イリノイ州Round LakeのGrieve Corporation)中に入れた。ステント組立体を取り出して室温まで冷却した。そして、上に巻き付けたものを取り除き、スリットを形成して余分な材料を除去した。
【0049】
本発明の特定の実施形態を例示し説明したが、本発明はこうした例示および説明に制限されるべきではない。以下の特許請求の範囲内で、変更および修正が組み込まれ本発明の一部として実施されうることが明らかであろう。
【0050】
(関連出願の相互参照)
なお、本出願は、2008年1月11日出願の米国仮特許出願第61/020544号の利益を主張する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステント要素からなる複数の横列を備えるステントであって、前記ステント要素の各横列は、複数の頂点を組み込んでおり、1つの横列の頂点は、1対の膜ウェブによって、隣接する横列の1対の頂点に接続されている、ステント。
【請求項2】
前記ステント要素は、ワイヤを備える、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記ワイヤの横列は、螺旋状に巻き付けられたワイヤの形態である、請求項2に記載のステント。
【請求項4】
前記螺旋状に巻き付けられたワイヤは、蛇行状のワイヤである、請求項3に記載のステント。
【請求項5】
前記ワイヤは、ニチノールを含む、請求項2に記載のステント。
【請求項6】
前記膜は、ePTFEを含む、請求項1に記載のステント。
【請求項7】
前記膜は、さらに、フッ化エチレンプロピレンを含む、請求項6に記載のステント。
【請求項8】
前記ステント要素は、ステンレス鋼を備える、請求項1に記載のステント。
【請求項9】
前記ステント要素は、複数のリングを備える、請求項1に記載のステント。
【請求項10】
前記リングは、直径が拡張した後各リングを貫通するダイアモンド型開口を有する、請求項9に記載のステント。
【請求項11】
前記ステントは、開放フレームステントである、請求項1に記載のステント。
【請求項12】
前記ステントは、ステントグラフトである、請求項1に記載のステント。
【請求項13】
前記膜ウェブは、前記ステント要素に溶融結合する、請求項1に記載のステント。
【請求項14】
前記ステントは、長さを有し、前記膜ウェブが前記長さに沿って連続している、請求項1に記載のステント。
【請求項15】
貫通する複数の開口を有する管状形態を備えるステントであって、前記開口がウェブによって連結された隣接するステント要素を備える、ステント。
【請求項16】
前記ステントは、長さを有し、前記膜ウェブが前記長さに沿って連続している、請求項15に記載のステント。
【請求項17】
前記ウェブは、ePTFEを備える、請求項15に記載のステント。
【請求項18】
前記ウェブは、さらに、フッ化エチレンプロピレンを備える、請求項17に記載のステント。
【請求項19】
前記ステント要素は、ニチノールを備える、請求項15に記載のステント。
【請求項20】
前記ステント要素は、ステンレス鋼を備える、請求項15に記載のステント。
【請求項21】
前記ステント要素は、螺旋状に巻き付けられた蛇行状のワイヤを備える、請求項15に記載のステント。
【請求項22】
前記ステント要素は、複数の個別のリングを備える、請求項15に記載のステント。
【請求項23】
複数の頂点を組み込んだ複数のステント要素を備えるステントであって、3つの隣接する頂点は、1対の膜ウェブによって連結される、ステント。
【請求項24】
前記ステントは、長さを有し、前記膜ウェブが前記長さに沿って連続している、請求項23に記載のステント。
【請求項25】
前記ステントは、ePTFEを含む、請求項23に記載のステント。
【請求項26】
前記ウェブは、さらにフッ化エチレンプロピレンを含む、請求項25に記載のステント。
【請求項27】
前記ステント要素は、ニチノールを含む、請求項23に記載のステント。
【請求項28】
前記ステント要素は、ステンレス鋼を備える、請求項23に記載のステント。
【請求項29】
前記ステント要素は、螺旋状に巻き付けられた蛇行状のワイヤを備える、請求項23に記載のステント。
【請求項30】
前記ステント要素は、複数の個別のリングを備える、請求項23に記載のステント。
【請求項31】
柔軟なステントを製造する方法であって、
a)反対側の端部の間に長さを有しステント要素を有するステントを提供するステップと、
b)ステントの長さの少なくとも一部にポリマー被覆を提供するステップと、
c)隣接するステント要素間の被覆を貫通するスリットまたはアパーチャを穿刺するステップと、
d)ステントおよびポリマー被覆を加熱して、スリットまたはアパーチャを拡大させるステップとを含む、方法。
【請求項32】
前記加熱ステップは、前記ステント要素を連結するポリマーウェブの形成に帰結する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ウェブは、ePTFEおよびフッ化エチレンプロピレンを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ポリマー被覆は、ePTFEを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記ポリマー被覆は、フッ化エチレンプロピレンを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
柔軟なステントを製造する方法であって、
a)直径が拡張する前の小さい圧縮された直径と直径が拡張した後の大きい直径とを有し、反対側の端部の間に長さを有しステント要素を有するステントを提供するステップと、
b)ステントが小さい圧縮された直径である時ステントの長さの少なくとも一部にポリマー被覆を設けるステップと、
c)隣接するステント要素の間の被覆を貫通するスリットまたはアパーチャを穿刺するステップとを含み、
直径が拡張した後前記スリットまたはアパーチャがダイアモンド型になる、方法。
【請求項37】
ポリマー被覆を設けられた前記ステントは、加熱されて穿刺の前に被覆をステント要素に結合する、請求項36に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−509151(P2011−509151A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542279(P2010−542279)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/000144
【国際公開番号】WO2009/089055
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】