柔軟な特徴部を備える内在の硬いカテーテル及び/又は柔軟なカテーテルアタッチメントの少なくとも1つを有する輸液セット及び/又はパッチポンプ
ある程度の強度及び柔軟性をもたらすべく構成かつ配列されたチャンネル、溝及びコーティング(24、34、44)の1つ以上が設けられた模範的なカテーテル(14)を有する輸液セット、パッチポンプ、又はそれらのエレメントである。カテーテル(14)はまた、玉継ぎ手(66、68)、スライドプレート(86)、及び柔軟なブッシング(106)の少なくとも1つを有する、ハブ(12)との模範的な柔軟な結合体を有してもよく、そしてそれは結合部を通しての薬剤の漏れを防止しつつカテーテル(14)のさらなる運動さえをも許容すべくシールされている。そうすることで、カテーテル構造での剛体材料の使用に関連する多数の利益がもたらされる一方、カテーテル構造での柔軟な材料及び/又はハブとの柔軟な係合体の使用に関連する利益もまたもたらされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2009年1月12日に出願された「柔軟な遠位先端及び/又は柔軟なカテーテルアタッチメントを備える少なくとも1つの硬いカテーテルを有する輸液セット及び/又はパッチポンプ」という題名の米国特許仮出願第61/144,072号の米国特許法第119条(a)の利益、及び2009年9月2日に出願された「医療装置の拡大使用」いう題名の米国特許一部継続出願第12/585,061号の米国特許法第120条の利益を主張し、前記出願各々の全内容、開示及び主題は参照によりここに明示的に組み込まれているものとする。
【0002】
本発明は、概して、ユーザーへのある程度の心地よさを維持しながら、閉塞、キンキング(kinking)、及び組織の炎症、及び異物反応のような他の望ましくない問題のルスクを最小化するために、ユーザーにとって望ましい硬い及び柔軟な特徴部の両方を有するカテーテルを含む、輸液セット及び/又はパッチポンプの構成部品及び要素(エレメント)に関する。
【背景技術】
【0003】
糖尿病のような病気に悩まされている人々を含む多くの人々は、彼らの血糖値の綿密な管理を維持するために、日々のインスリン注入のような注入療法のある形態を用いている。現在のところ、当該インスリン注入処置の例においては、日々のインスリン療法の2つの主要なモード(やり方)が存在する。第1のモードは、注射器及びインスリンペンを含む。これらの装置は使用するのが簡単で比較的廉価であるが、個々の注入ごとに、典型的には1日当り3ないし4回のニードル穿刺を必要としている。第2のモードは、約3年間持続するインスリンポンプの購入を伴う注入ポンプ療法を含んでいる。ポンプの初期コストはかなりなものであるが、ユーザーの視点からすると、ポンプを用いてきた患者の圧倒的多数が、彼らの残りの寿命の間、ポンプと共にとどまることをより好む。これは、注入ポンプは注射器及びペンよりもさらに複雑であるけれども、インスリンの持続注入、精密投与、及びプログラム可能な配送予定の有利性を提供するからである。これは、より綿密な血糖管理及び健康であるとの改善された感覚に帰することになる。
【0004】
最近になって、「パッチポンプ」として知られている注入ポンプのもう1つの形式が利用可能になった。従来の注入ポンプとは異なり、パッチポンプは、流体成分の大半又は全てを、注入部位に接着して取付けられてそして典型的には別個の注入(管類)セットの使用を必要としないワンピースのハウジング内で混ぜ合わせる統合された装置である。
【0005】
経口剤による患者が最終的にはインスリンに移行し、そして彼らの集中的療法への関心が増すにつれ、ユーザーは典型的に、彼らの健康状態の管理における改善のためにインスリンポンプに関心を向ける。それ故に、より良いポンプに関連する療法における関心は増加傾向にある。この及び同様の例において、この増加した関心を十分に満たすために必要なことは、現在及び将来のインスリン輸液セット及び/又はパッチポンプの、進化され、改良され、そして新規な構成部品及びエレメントであり、例えば、ユーザーへのある程度の心地よさを維持しながら、閉塞、キンキング(kinking)、及び組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題のルスクを最小化するために、カテーテルのデザイン、構造及び実施品の領域における特徴部及びエレメントを含んでいる。
【0006】
現存する輸液セット及び/又はパッチポンプのカテーテルは、ステンレス鋼のような剛体材料、又は軟らかいプラスチック、フッ素化されたポリマーなどのような軟質材料のいずれかから製造されている。しかしながら、軟らかいプラスチックカテーテルは、通常の損耗によってねじれたり閉塞したりする傾向があり、そして、硬いカテーテルは組織内をあちこち動くので、しばしば心地良くなく感じられる。軟らかいプラスチックカテーテル及び硬いカテーテルはまた両者とも、組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題を呈す。
【0007】
キンキング(kinking)は、挿入の間における導入ニードル上での (アコーディオン又はベローズの)滑り後退又は折り返しのような機械的な原因のせいでの、カテーテルを通る流れの停止と見なされている。この故障モードは、カテーテルの内径と導入ニードルの外径との間の不十分な干渉、カテーテルが最初に皮膚の外表面を突き通るとき、過剰の力がカテーテルに伝達されるのを許容しているカテーテルの先頭端の鈍な端部、又は、挿入機構においての過剰な跳ね返りないしは振動の結果であり、再度、カテーテルに伝達される過度の力に帰する。キンキングはまた、注入又は使用サイクル中にも起こり得る。この不具合の典型的な原因は、身体活動中に著しい移動を被る、カテーテルの組織内への配置である。
【0008】
閉塞(occlusion)は、生物学的又は薬理学的な原因のせいでの流れの停止であり、これらの不具合は典型的には使用サイクル中に起こる。カテーテルによって引起された炎症及びカテーテルのハブによって許容される移動の度合いに依存して、組織は異物反応の一部として炎症を起こされ、インスリンの体内摂取の減少に帰する。さらに、流れが最小(低い基本的流れ)に低減されるか又は一時的に停止されるとき、例を挙げると、水浴び、水泳の間、又はセットの接続が解除される長期間に、インスリンは結晶化する傾向がある。増殖するために許容されるインスリンの結晶化は、必要とされるポンプ圧力がポンプの通常の流れ状態を超えるところでカテーテルを最終的に閉塞したり、そして警報を発することになろう。
【0009】
市販されて現在のところ利用可能なインスリン注入器は、テフロン(登録商標)のような柔軟なポリマーのカテーテルか、ステンレス鋼のカニューレのような硬いカテーテルのいずれかを組み込んでいる。後者の場合には、カニューレは、皮膚を突き刺すべく用いられる、従来の挿入具における導入ニードルに類似の鋭利部を有している。インスリン注入のために現在のところ市販されている内在のステンレス鋼カニューレを備える2つの製品、Medtronicによる「SURE-T」、及びICU Medicalによる「Orbit Micro」が存在する。これらの製品は、キンキングの高い発生率を有する個人用に推奨されている。残念ながら、これらの製品は2日を超える使用には推奨されない。何故ならば、上述の理由によって閉塞し得るからである。これらの2つの製品を除いて、市販されている残りの輸液セットはテフロン(登録商標)のようなポリマーから製造されているカテーテルを有している。
【0010】
さらに、現在のところ利用可能なパッチポンプ及び輸液セットは、典型的には、ハブに堅く固定されたカテーテルを含んでいる。この形式の結合部は、皮膚が皮下組織の上で滑るようなとき、カテーテル及び/又は組織を歪ませるかもしれない。柔軟なカテーテルにおけるかかる歪は、キンキング、閉塞、又はその箇所からの撤去をもたらすかもしれない。ステンレス鋼カテーテルのような硬いカテーテルにおけるかかる歪は、カテーテルが組織内を動き回るとき、不快感及び/又は強烈な組織のトラウマ、すなわち、炎症をもたらすかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,226,899号明細書
【特許文献2】米国特許第5,453,099号明細書
【特許文献3】米国特許第5,545,708号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、現在及び将来の輸液セット及び/又はパッチポンプの、進化され、改良され、そして新規な構成部品及びエレメントについて、ユーザーへのある程度の心地よさ維持しつつ、例えば、閉塞、キンキング、及び組織の炎症、及び異物反応のような他の望ましくない問題のルスクを最小化するカテーテルのデザイン、構造、及び実施品をさらに提供する必要性が存在している。
【0013】
本発明の目的は、上述及び他の関心事に実質的に取り組み、インスリン及び非インスリンの適用のために製造上の簡素性及び使用性向上をさらにもたらす、現在及び将来の輸液セット及び/又はパッチポンプの、進化し、改良され、そして新規な構成部品及びエレメントを提供することにある。
【0014】
本発明のもう1つの目的は、ユーザーへのある程度の心地よさを維持しながら、例えば、閉塞、キンキング、及び組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題のルスクを最小にするために、模範的なカテーテルのデザイン、構造、及び実施品を提供することにある。
【0015】
本発明のもう1つの目的は、ユーザーへのある程度の心地よさを維持しながら、例えば、閉塞、キンキング、及び組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題のルスクを最小にするために、デザイン、構造、及び実施品を有するハブであって、固定して取付けられたカテーテルがそれから延びているハブを提供することにある。
【0016】
本発明のもう1つの目的は、ハブから延びる模範的なカテーテルであって、当該カテーテルの1つ以上の長さが剛体材料から構成される模範的なカテーテルを提供することにある。
【0017】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することにあり、ここで剛体材料は、ステンレス鋼、ニチノール、チタン、ポリカーボネート又は環状オレフィンコポリマー(COC)又は他の同種の材料のTOPAS(商標)のような硬質プラスチックの1つ以上を含んでいる。
【0018】
本発明のもう1つの目的は、皮下(SC)注入、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入での使用のために、ユーザーに接触する実質的に柔軟な長さ部を有する模範的なカテーテルを提供することである。
【0019】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、カテーテルには所望の程度の柔軟性を許容すべく、カテーテルの特定の位置の壁を貫通するチャンネル又は溝の連続及び/又は模様が設けられる。
【0020】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、チャンネル又は溝は、カテーテルの挿入のためのコラム強さ、ユーザーの快適さのための柔軟性、及び耐久性、挿入及び取外しのための引張り強度を最適化するために構成され、かつ配列される。
【0021】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、チャンネル又は溝は、例えば、最適化されたカテーテルの挿入のためのコラム強さ、ユーザーの快適さのための柔軟性、及び耐久性、挿入及び取外しのための引張り強度を達成するために、チャンネルの幅、チャンネルの長さ、チャンネル幅の間のブリッジ、平行するチャンネルの間の各コースの幅、チャンネルの角度又はピッチ、及びコースの数を変動させることによって構成されている。
【0022】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、チャンネル又は溝は、カテーテルの末端部分の所望の最小曲げ半径の他に所望の変位量の最大円弧を標的にして構成されかつ配列される。
【0023】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、チャンネル又は溝は、皮下(SC)注入、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入での薬剤配送のための付加的な表面積をもたらすべく構成されかつ配列される。
【0024】
本発明のもう1つの目的は、2つ以上の注入部位、例えば、皮内(ID)及び皮下(SC)に、注入装置の推奨された使用期間中に同時又はそれぞれ間欠的に注入するタイプのための模範的なカテーテル配列を提供することである。
【0025】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、チャンネル又は溝は、レーザー加工、放電加工(EDM)、金属射出成形(MIM)、プラスチック射出成形、化学エッチング、又は同様の技術を用いて構成され得る。
【0026】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、カテーテル本体の少なくとも1つの部分に、カテーテルの挿入のためのコラム強さ、ユーザーの快適さのための柔軟性、及び耐久性、挿入及び取外しのための引張り強度がさらに最適化されたものをもたらすために、柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブのようなコーティングが設けられる。
【0027】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、カテーテルの先端はユーザーの皮膚を通しての挿入を容易にするために、斜めすなわち鋭利化されてもよい。
【0028】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、カテーテルは1つ以上の上述の特徴部を備えるカニューレ又はニードルとして構成されてもよく、そして挿入カニューレ又はニードル及び内在のカテーテルの両方として作用する。
【0029】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテル及びハブ係合体を提供することであり、ここで、カテーテルがユーザーの皮膚に埋め込まれ、そしてハブに対して動くのを可能にすべく、カテーテルとハブの間に柔軟な結合体が設けられる。
【0030】
本発明のもう1つの目的は、玉継ぎ手、スライドプレート、及び柔軟なブッシングの少なくとも1つを備える、カテーテルとハブの間の模範的な柔軟な結合体を提供することである。
【0031】
本発明のもう1つの目的は、結合部を介しての薬剤の漏れを防止しつつ、所望の運動を許容すべくシールされる、カテーテルとハブの間の模範的な柔軟な結合体を提供することである。
【0032】
本発明のもう1つの目的は、1つの注入装置の部分として、外側のハブ及びカテーテルのハブで各々が皮膚の表面に別個の接着剤でもって取付けられ、そして2つの間のインスリンの流れが、衝撃又は外側ハブの表面からカテーテルに加えられる力を隔絶すべく、柔軟な流体ライン又は他の同様な連結手段によって達成される2つの別個のハブを提供することにある。
【0033】
本発明のもう1つの目的は、ステンレス鋼の内在カテーテルを覆って組織とニードルの間に生体界面をもたらし、及び/又は柔軟な内在のカニューレのスロットをシールすべく用いられ得る、テフロン(登録商標)又はヴィアロン(登録商標)のような、ポリマースリーブを提供することにある。
【0034】
本発明のもう1つの目的は、鋭利な先端部が組織に露出されず、かつカニューレの剛性がキンキングを抑制し得る点への導入ニードル又は内在の硬いカニューレの部分的な引抜きのためのシステム及び方法を提供することにある。
【0035】
本発明のもう1つの目的は、皮膚の表面に単一の装置として取付けられ得、内側のハブがカテーテルが挿入されている組織に対してのカテーテル位置を維持すべくデザインされ、そしてそれによって、組織の炎症及び異物反応からの結果として次々に起こる出来事を軽減及び排除する2つのハブを構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0036】
これらの及び他の目的は、模範的なカテーテルを有する輸液セット、パッチポンプ、又はそれらのエレメントを提供することによって実質的に達成され、ここで、カテーテルの壁の1つ以上の長さ部には、ある程度のカテーテルの柔軟性をもたらすべく構成され、かつ配列された1つ以上のチャンネル又は溝が設けられている。輸液セット、パッチポンプ、又はそれらのエレメントはまた、チャンネル又は溝を備えるか又は備えないカテーテルのような、柔軟な又は硬いカテーテルを備える模範的なカテーテル及びハブを有することができ、ここで当該カテーテルはカテーテルのスリーブ内に格納され得る。輸液セット、パッチポンプ、又はそれらのエレメントはまた、カテーテルとハブの間に、玉継ぎ手、スライドプレート、及び柔軟なブッシング(ベローズ継手を含む)、柔軟な管類の連結部の少なくとも1つを備え、そして結合部を介しての薬剤の漏れを防止しつつ、カテーテルの所望の運動を許容すべくシールされている模範的な柔軟な結合体を有することができる。そうすることで、カテーテル構造内に剛体材料を用いることに関連する多数の利益がもたらされる一方、同時に、カテーテル構造内に柔軟な材料及び/又はハブと共に柔軟な係合体を用いることに関連する利益もまたもたらされ得、そしてより具体的には、標的の領域にもたらされ得る。
【0037】
すなわち、例えば、溝とチャンネル、柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブのような全てのコーティング、及びカテーテルとハブの間の柔軟な結合体は、キンキング、閉塞、及び組織の炎症や異物反応のような他の望ましくない問題を回避し、かつユーザーの快適さのために柔軟性をもたらすために強度を最適化すべく構成されてもよい。かかるチャンネル、溝、及びコーティングの付加的な利益は、限定はされないが、皮下(SC)注入、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入での薬剤配送のための付加的な表面積を提供することを含むことができる。さらに、柔軟な結合体は、カテーテルとハブの結合部に関連する自由度を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の模範的実施形態の種々の目的、利点及び新規な特徴は、添付の図面と併せて解読されるとき、以下の詳細な説明からより容易に理解されよう。
【図1】本発明の実施形態に従う、1つ以上の模範的なエレメントを含み得る輸液セットの斜視図である。
【図2A】本発明の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図2B】本発明の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図2C】本発明の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図2D】本発明の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図2E】本発明の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図5A】本発明の他の実施形態に従う、柔軟なカテーテルをもたらすためのチャンネルを有する模範的なカテーテルの拡大された斜視図である。
【図5B】図5Aの模範的なカテーテルの拡大された断面図である。
【図5C】本発明の他の実施形態に従う、硬質プラスチックから構成され、柔軟性をもたらすためのチャンネルを有する模範的なカテーテルの拡大された断面図である。
【図5D】本発明の他の実施形態に従う、硬質プラスチックから構成され柔軟性をもたらすためのチャンネルを有する模範的なカテーテルの拡大された断面図である。
【図6A】本発明の他の実施形態に従う、柔軟なカテーテルをもたらすべくコイル構造を有する模範的なカテーテルの拡大された斜視図である。
【図6B】本発明の他の実施形態に従う、柔軟なカテーテルをもたらすべくコイル構造を有する模範的なカテーテルの拡大された斜視図である。
【図6C】本発明の他の実施形態に従う、柔軟なカテーテルをもたらすためのコイル構造を有する模範的なカテーテルの拡大された斜視図である。
【図7】本発明のさらにもう1つの実施形態に従う、可撓連結をもたらすための玉継ぎ手を備える模範的なカテーテル及びハブの可撓性結合体の拡大された断面図である。
【図8】本発明のさらにもう1つの実施形態に従う、可撓連結をもたらすためのスライドプレート式結合部を備える模範的なカテーテル及びハブの可撓性結合体の拡大された断面図である。
【図9】本発明のさらにもう1つの実施形態に従う、可撓連結をもたらすためのブッシュ式結合部を備える模範的なカテーテル及びハブの可撓性結合体の拡大された断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に従う、柔軟なカテーテルを備えた模範的な2部品ハブの拡大された断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態に従う、柔軟なカテーテルを備えた模範的な2部品ハブの拡大された断面図である。
【図12A】本発明の他の実施形態に従う、事実上柔軟又は硬い格納可能な挿入カテーテルを備える模範的なハブの拡大された断面図である。
【図12B】本発明の他の実施形態に従う、事実上柔軟又は硬い格納可能な挿入カテーテルを備える模範的なハブの拡大された断面図である。
【図13A】本発明のさらに他の実施形態に従う、事実上柔軟又は硬い格納可能な挿入カテーテルを備える模範的なハブの拡大された断面図である。
【図13B】本発明のさらに他の実施形態に従う、事実上柔軟又は硬い格納可能な挿入カテーテルを備える模範的なハブの拡大された断面図である。
【図14】鋭利な端部を保護するためにスリーブ内への事実上柔軟又は硬い挿入カテーテルの僅かな格納を解説している。
【図15A】本発明のさらにもう1つの実施形態に従い形成された、硬い内部の空腔と外部のポリマーのスリーブとを備える模範的な注入カテーテルの拡大された断面図である。
【図15B】図15AのA-A,B-B、C-C、及びD-D線にそれぞれ沿って取った注入カテーテルの断面図である。
【図15C】図15AのA-A,B-B、C-C、及びD-D線にそれぞれ沿って取った注入カテーテルの断面図である。
【図15D】図15AのA-A,B-B、C-C、及びD-D線にそれぞれ沿って取った注入カテーテルの断面図である。
【図15E】図15AのA-A,B-B、C-C、及びD-D線にそれぞれ沿って取った注入カテーテルの断面図である。
【図16】本発明の実施形態に従う、双数の貯留部及び双数空腔の輸液セットを備える模範的な注入ポンプを図示している。
【図17A】本発明の実施形態に従う、鋳造され、成形され、又は中実のロッドから機械加工された模範的な注入カテーテルの拡大された断面図である。
【図17B】図17Aの注入カテーテルの斜視図である。
【図18A】本発明の実施形態に従い、模範的な注入カテーテル、及びかかる複数空腔のカニューレを平らなシートから作る形成順序を図示している。
【図18B】本発明の実施形態に従い、模範的な注入カテーテル、及びかかる複数空腔のカニューレを平らなシートから作る形成順序を図示している。
【図18C】本発明の実施形態に従い、模範的な注入カテーテル、及びかかる複数空腔のカニューレを平らなシートから作る形成順序を図示している。
【図18D】本発明の実施形態に従い、模範的な注入カテーテル、及びかかる複数空腔のカニューレを平らなシートから作る形成順序を図示している。
【図18E】本発明の実施形態に従い、模範的な注入カテーテル、及びかかる複数空腔のカニューレを平らなシートから作る形成順序を図示している。
【図19】本発明の実施形態に従う、1つは皮内(ID)組織への注入、1つは皮下(SC)組織への注入のための2つのカテーテルを備える模範的な注入ポンプを図示している。
【図20】本発明の実施形態に従う、皮内(ID)組織、皮下(SC)組織、又は皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織の両方のいずれかに選択的に注入を向わせるために電子的に制御されるバルブを備えた模範的な注入ポンプ及びセットを図示している。
【図21A】本発明の実施形態に従う、低圧の流れを皮下(SC)組織、及び高圧の流れを皮内(ID)組織に選択的に向わせる模範的な流体バルブ構造を図示し、ここでバルブ構造は高圧の状態で示されている。
【図21B】バルブ構造が低圧の状態で示されている図21Aの流体バルブ構造を図示している。
【0039】
図面の全体に亘り、同一符号は、同一の部品、構成要素及び構造を意味していると理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に説明される模範的実施形態は、かかる満たされていない欲求に取り組み、インスリン及び非インスリンの適用の両方に対し、製造上の簡素性及び使用性の向上をさらにもたらす、現在及び将来の輸液セット及び/又はパッチポンプの多数の進化され、改良され、そして新規な構成部品及びエレメントを図解している。例えば、使用サイクルの間中、カテーテルのキンキング、閉塞、及び組織の炎症、及び異物反応のような他の望ましくない問題を低減ないしは排除することは、満たされていない欲求である。現在の市販品と異なり、以下に詳細に説明される模範的実施形態は、ハイブリッドであり、カテーテルのキンキング、閉塞及び組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題に帰結する状態を実質的に低減及び排除するために、多重の材料、構成部品、特徴部及び動作を組み合わせて組み込んでいる。これらの実施形態の個々の特徴部はユーザーの必要を満たすために多くの方法で組み合わせられ得るけれども、かかる模範的実施形態は別個の説明で呈示されている。
【0041】
当業者には理解されるように、ここに開示されるインスリン関連の装置の実施例、改良例、及び配列例を実施するには多数の方法が存する。図面に描写された模範的実施形態及び下記の説明が参照されるが、ここに開示される実施形態は、開示される発明によって包括される種々の代替的なデザイン及び実施形態の全てであるとは意味されていない。
【0042】
以下に説明される現在の装置の模範的実施形態は、ユーザーへのある程度の心地よさを維持しながら、例えば、閉塞、キンキング、及び組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題のルスクを最小にするためのカテーテルのデザイン、構造、及び実施の領域における、多数の特徴部及びエレメントを図示している。模範的なエレメントの集まりが、以下により詳細に説明される本発明の実施形態を紹介するのに役立つ図1に、例として示されている。
【0043】
図1は、下記の特徴部を含む模範的な輸液セット10を図示している。図1に示されるように、模範的な輸液セット10は、ハブ12、カテーテル14、流体ラインチューブセット16、及びコネクタ18を備えている。付加的な輸液セットエレメント及び詳細は、簡明化のために省略されている。さらに、全内臓式のパッチ装置では、流体ラインチューブセット16及びコネクタ18が省略される。下記の説明では、模範的な輸液セット10又は多数の他の同様な装置と共に使用されるべく提供され得る、カテーテル14及びカテーテルとハブの連結体14/12の多数の模範的実施形態がより詳細に説明される。
【0044】
当業者には知られているように、カテーテルは、輸液セットから注入部位までの流体の連通をもたらす目的のために、導入ニードルが取外された後に内在して残るポリマーチューブを備えてもよい。カニューレは、内在して残り得る剛体のチューブを備えてもよい。しかしながら、以下に説明される下記の模範的実施形態の多くは、ハイブリッド、すなわち、カニューレとカニューレ特徴部、及びスリーブ又はカテーテルとカテーテル特徴部、及び内在の柔軟なカニューレとしての機能の組合せを組み込んでいる。しかしながら、議論を単純化するために、該ハイブリッドの内在の柔軟なカニューレは、カテーテルとして単に説明される。
【0045】
上で述べたように、カテーテル14のカテーテル壁の1つ以上の長さ部には、1つ以上のチャンネル又は溝、及び/又はある程度の柔軟性をもたらすべく構成かつ配列された、柔軟なスリーブのようなコーティング又は外側被覆されたコーティング/スリーブが設けられ得る。そうすることで、カテーテル構造内での剛体材料の使用に伴う多くの利益がもたらされる一方、同時に、カテーテル構造内での柔軟な材料の使用に伴う多くの利益もまたもたらされ、より詳しくは、標的にする領域においてもたらされる。すなわち、例えば、溝、チャンネル、及び/又はコーティングは、閉塞、キンキング、及び組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題を回避し、そしてユーザーの快適さのための柔軟性をもたらすために、強度を最適化すべく構成されている。仮に、カテーテルが柔軟でないと、より大きな程度の刺激及び結果としての炎症が生じて、開存性の喪失又は注入部位での組織によるインスリン摂取の減少を引起し、それは時間とともに次第に悪化するであろう。したがって、柔軟なカテーテル又は生体界面を備えるカテーテルを提供することは、注入部位の組織内での所望の生物学的処理を促進することになる。
【0046】
かかるチャンネル又は溝の追加の利益は、限定はされないが、皮下(SC)注入、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入での薬剤の配送のための追加の表面積をもたらすこと、挿入カニューレ又はニードル、及び内在のカテーテルの両者として作用させるために、上述の特徴部を1つ以上備えるカニューレ又はニードルを形成すること、1つ以上の組織の位置又は種類、例を挙げると、皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織に、同時に又はそれぞれ間欠的に注入することができる複数空腔のカテーテルを形成すること、を含むことができる。多数の模範的なカテーテルが、今、個々により詳しく説明される。
【0047】
上で述べたように、現存する輸液セットのカテーテルは、ステンレス鋼のような剛体材料、又は軟らかいプラスチック、フッ素化されたポリマーなどのような軟質材料のいずれかから製造されている。しかしながら、軟らかいプラスチックのカテーテルは、通常の損耗によって、キンキング及び/又は閉塞したりする傾向があり、そして硬いカテーテルはしばしば心地良くないとされ、そしてカテーテルの剛性がユーザーに組織内での動きを感じさせ、かつまた、組織内での動き及び組織内での次の炎症反応のせいで流れの停止を生じさせるので、2日を超える使用は推奨されていない。
【0048】
従来のカテーテルの構造、デザイン及び実施に関連するかかる問題を解決するために、本発明の模範的実施形態は、インスリン又は他の薬剤を、例えば、皮下(SC)注入、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入を経由して、ユーザーへ配送又は注入する輸液セットの改良された且つ新規なエレメントを備えている。例えば、上で述べたように、輸液セット10は、 典型的には、固定的に取付られたカテーテル14とチューブセット16とを含むハブ12を備えている。チューブセット16は、ハブ12をコネクタ18を介して注入ポンプ又は他のインスリン供給源(不図示)に連結する。そうすることで、当該チューブセット16は、注入ポンプの貯留部とハブ12との間に流体の連通をもたらす。
【0049】
ハブ12は、患者の皮膚表面(不図示)にハブの下面に配置された接着剤(不図示)を用いて、貼着されてもよい。図1に示されるように、カテーテル14は、本発明の実施形態はそれに限定されないが、好ましくは、少なくとも一部分についてハブ12の下面からほぼ直角に突出している。ハブ12の下面から延びているカテーテル14は、部分的又は全体的に、ステンレス鋼、ニチノール(ニッケルとチタンの合金)、チタンのような剛体材料、又はPEEK(Polyetheretherketone)、ポリカーボネート、COCであるTOPAS(商標)又は同様の材料のような硬質プラスチックからなってもよい。しかしながら、軟らかいプラスチックのカテーテルは、通常の損耗によってキンキング及び/又は閉塞する傾向があり、そして硬いカテーテルはしばしば心地良くない。
【0050】
したがって、本発明の模範的実施形態においては図2A-2E、3、4、5A-5D、及び6の拡大された図に示されるように、ユーザーの組織に接触するカテーテル14の一部分及び長さ部がチャンネル又は溝の連続又は模様によって柔軟に作られている。当該チャンネル又は溝は、カテーテルの改良された挿入性のためにカテーテル14のコラム強さを最適化し、ユーザーの快適さのために柔軟性をもたらし、そしてさらに、耐久性、挿入及び取外しのために引張り強さをもたらすべくデザインされている。模範的実施形態においては、カテーテルの全長の一部分が装置の内側に延在することができ、そして下記の説明の目的のために、カテーテルは、ハブから延びる部分、又は代わりに、ハブから延びているカテーテルの長さ部として述べられている。
【0051】
以下に説明される本発明の模範的実施形態において、カテーテルには、組織を突き刺しかつ配備の間にカテーテルへの損傷に耐えるために現在のところ必要とされている剛性のスリーブ、すなわち、ガイドの助け無しに、カテーテルが埋められるのを許容すべく、十分な完全性と鋭利化された、自己突刺し先端30が提供されてもよい。さらに、かかる本発明の模範的実施形態は、複雑な配備の機械化の必要性を低減し、それによって、挿入具の全体の大きさを低減させ、そして挿入具が注入ポンプの一体的部品となるのを潜在的に許容する。
【0052】
図2Aの模範的実施形態に示されるように、カテーテル14a(大きさのためには図示されていない)にはチャンネル又は溝24の連続又は模様が設けられている。図2Aのカテーテル14aは、外径20、内径22、及びカテーテル壁の中及び/又はそれを貫通してエッチングされ、切出され、、成形され、又は他の方法で創成された(すなわち、レーザー切断又は化学的にエッチングされた)1つ以上の溝24を備えている。図示された模範的実施形態の溝24は、内/外表面に直角、かつハブ12の底表面に平行に設けられている。各々の溝24は、切られていない区分26によって隣接した溝から距離を空けて配置され、かつ切られていない区分28によって隣接した平行な溝から距離を空けて配置されている。さらに、図2Aに示されるように、切られていない区分26は、少なくとも1つ以上の切られていない区分26が隣り合わないように、ジグザグに配置されている。
【0053】
本発明の模範的実施形態において、溝24は全ての適切な大きさであり得るが、好ましくは、0.05mmないし0.5mmの幅及び0.5mmないし1.0mmの長さであり、切られていない区分26は0.05mmないし1.0mmの長さで溝24と同じ幅、そして溝24の間の切られていない区分28は0.05mmないし1.0mmである。チャンネル又は溝は、1つ、2つ又はそれ以上の軸方向において柔軟性をもたらし、そしてカテーテルの挿入性向上のためのカテーテルのコラム強さや、一旦埋め込まれたときのつぶれ又はキンキングを防ぐフープ強さを最適化し、ユーザーの快適さのために柔軟性をもたらし、そしてさらに、耐久性、挿入及び引抜きのための引張り強度をもたらすようにデザインされている。
【0054】
図2Aに示された実施形態においては、チャンネル24の連続又は模様はカテーテル14aの端部の近くに位置されている。すなわち、カテーテル14aのハブ12に最も近い部分は無傷のまま残っており、そしてチャンネル24の連続又は模様がカテーテル14aの反対側の端部の近くに設けられている。チャンネル24の連続又は模様は、患者の皮膚を通る挿入を容易にすべく斜めすなわち鋭利化され得る鋭利化された自己突刺し先端30の近くの点で終了されている。かかる鋭利化されている自己突刺し先端30の模範的実施形態は、図5A、5B、及び6により詳しく図示されており、以下により詳細に説明される。図5A、5B、及び6より詳細に示されるように、鋭利化されている自己突刺し先端30は斜めの先端を創造すべくラジウスカットを備えることができる。挿入を許容するかかる鋭利化された自己突刺し先端30が設けられているカテーテルの場合、当該カテーテルはまた挿入ニードルとして作用することができ、それによりさらに、挿入ステップの複雑さを軽減する。
【0055】
連続又は模様チャンネルがそうするのに適切な方法で位置されている場合、かかるチャンネルはまた、標的にされる流体の連通のために用いられ得る。しかしながら、そうするべく位置されていない場合、1つ以上のチャンネルが、以下により詳細に説明される柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブのような生体界面鞘又はコーティングでもってシールされてもよい。
【0056】
この又は以下に説明される他の模範的実施形態において、チャンネルの連続又は模様は、カテーテルの1つの端部又は両端部の近く、又はそれらの間の部分、又はそれぞれの組合せ位置に設けられてもよい。さらに他の模範的実施形態において、カテーテル本体のほぼ全体にかかるチャンネルの連続又は模様が設けられてもよい。図示された模範的実施形態は例証目的のためのみであり、本発明をチャンネルの連続又は模様の特異的分布領域に限定するようには意図されていない。
【0057】
本発明の模範的実施形態において、カテーテル14aは全ての適切な大きさであり得るが、好ましくは、0.20mmないし0.78mmの内径22、及び0.25mmないし0.8mmの外径20を備え、3.5mmないし12mmの長さである。カテーテル14aの末端部における第1の溝24は、カテーテルの末端部から0.5mm及び2.0mmの間に設けられ、そして最後の溝はベース12から2.5mmないし3.0mmに設けられてもよい。そうすることで、1.5mm及び9.0mm長の間のカテーテル14aの長さにチャンネル24が設けられる。第1の溝が鋭利部の背面角に干渉するような場合には、第1の溝がカテーテルの末端部からより大きな距離に設けられてもよい。チャンネル又は溝は、1つ、2つ、又はそれ以上の軸方向において柔軟性をもたらし、そしてカテーテルの挿入性向上のためのカテーテルのコラム強さや、一旦埋め込まれたときのつぶれ又は閉塞を防ぐためのカテーテルの強さを最適化し、ユーザーの快適さのために柔軟性をもたらし、そしてさらに、耐久性のための引張り強度をもたらすようにデザインされている。
【0058】
図2Aに図示された模範的実施形態において、チャンネル24の各々は内/外表面に対して直角で、ハブ12の底表面に平行に設けられている。しかしながら、本発明のこの及び他の模範的実施形態において、チャンネルは非直角に設けられてもよい。
【0059】
内/外表面に直角でハブの底表面に平行に設けられたチャンネルを備える多数の本発明の他の模範的実施形態が図2Bないし2Eに図示されている。図2Bに示されるように、カテーテルは交互する「上側」及び「下側」のチャンネル24aを有してもよい。
【0060】
図2Cに図示された模範的実施形態において、当該カテーテルは反対する「上側」及び「下側」のチャンネル 24bと、反対する「前側」及び「後側」の(すなわち、上側及び下側のチャンネルから90度回転されている)チャンネル24cとを有して図示されている。チャンネル24b及び24cの寸法は、図2Bのそれと同様である。図2Dに図示された模範的実施形態において、カテーテルは反対する「上側」及び「下側」のチャンネル24dを有しているが、図2Bのそれらよりも深さが浅いチャンネル24dを有して図示されている(すなわち、チャンネルは全ての方向での柔軟性を許すべく図2Bの実施形態において中心線に交差し、図2Dの実施形態においては、チャンネルは短く又は中心線で停止している)。図2Eに図示された模範的実施形態において、カテーテルは、図2B、2C及び2Dのそれらよりもさらに深い「上側」のチャンネル24eのみを有して図示されている。かかる実施形態において、チャンネルの幅、深さ、及び他の配置上の特徴部は、柔軟性の度合い及び方向を容認するためのファクターとして用いられ得る。
【0061】
図3の模範的実施形態に示されるように、カテーテル14b(大きさのためには図示されていない)にはまた、鋸歯模様に構成されているチャンネル又は溝34の連続又は模様が設けられている。図3のカテーテル14bは、外径20、内径22、及びカテーテル壁の中及び/又はそれを貫通してエッチングされ、切出され、成形され、又は他の方法で創成された1つ以上の溝34を備えている。図示された模範的実施形態における溝34は、内/外表面に対し、及びハブ12の底表面に対して鋸歯模様に設けられている。溝34の各々は、切られていない区分36によって隣接した溝から距離を空けて配置され、かつ切られていない区分38によって隣接した溝から距離を空けて配置されている。模範的実施形態において、10度と45度の間の角度40が用いられ得るが、本発明はそれに限定されない。例えば、本発明のさらに他の実施形態において、溝34は実質的に正弦波模様で設けられ得る。さらに、図3に示されるように、切られていない区分36は、少なくとも1つ以上の切られていない区分36が隣り合わないように、ジグザグに配置されてもよい。
【0062】
本発明の模範的実施形態において、溝34は全ての適切な大きさであり得るが、好ましくは、0.05mmないし0.5mmの幅、及び0.5mmないし1.0mmの長さであり、切られていない区分36は0.05mmないし1.0mmの長さで溝34と同じ幅、及び溝34の間の切られていない区分38は0.05mmないし1.0mmであってもよい。
【0063】
図3に図示された模範的実施形態において、チャンネル34の連続又は模様はまた、カテーテル14bの端部の近くに位置されている。すなわち、カテーテル14bのハブ12に最も近い部分は無傷のまま残り、そしてチャンネル34の連続又は模様がカテーテル14bの反対側の端部の近くに設けられている。チャンネル34の連続又は模様は、患者の皮膚を通しての挿入の容易化のために斜めすなわち鋭利化され得る鋭利化された自己突刺し先端30の近くの点で終了されている。
【0064】
本発明の模範的実施形態において、カテーテル14bは全ての適切な大きさであり得るが、好ましくは、0.20mmないし0.78mmの内径22、及び0.25mmないし0.8mmの外径20を備える3.5mmないし12mmの長さである。カテーテル14bの末端部における第1の溝34は、カテーテルの末端部から0.5mmないし2.0mmに設けられ、最後の溝はベース12から2.5mmないし3.0mmに設けられ得る。そうすることで、1.5mmから9.0mm長さのカテーテル14b長さに、チャンネル34が設けられ得る。第1の溝が鋭利部の背面角に干渉するような場合には、第1の溝がカテーテルの末端部からより大きな距離に設けられてもよい。
【0065】
図示された模範的実施形態において、カテーテルは注入部位の組織に薬を移送する(すなわち、クロスポーティング)手段を提供し、そしてそれ故に、スロットはカテーテルの基端部まで遡って延在していない。約3mmであるこの距離は、クロスポートをSC組織内に位置決めし、そして皮内(ID)組織への薬の流れを禁止すべく意図されている。画像2B、2C、2D、2E、5A、5B、5C、5D、6、10、11、12A、12B、13A、13B、及び14に図示されたコンセプトのために、カテーテルは先端の斜め部の直後で始まる距離から柔軟にされ、そして柔軟なカテーテルがその軸線に直角に組織に入りかつ延在するために平坦な面又はハブの軸から「くねる」のを許容すべく、輸液セットのハブ内に延びている。
【0066】
図4の模範的実施形態に示されるように、カテーテル14cにはまた、カテーテルの中心軸の回りに向けられた螺旋模様に構成されているチャンネル又は溝44の連続又は模様が設けられてもよい。らせんは、円筒、この場合、カテーテルの本体の表面に沿って走る3次元のコイルである。図4のカテーテル14cは、外径20、内径22、及びカテーテル壁の中及び/又はそれを貫通してエッチングされ、切出され、成形され、又は他の方法で創成された1つ以上の溝44を備えている。図示された模範的実施形態における溝44は、内/外表面及びハブ12の底表面に対して螺旋模様に設けられ、そしてカテーテルの中心軸の回りに向けられている。溝44の各々は、切られていない区分46によって隣接した溝から距離を空けて配置され、かつ切られていない区分48によって隣接した溝から距離を空けて配置されている。さらに、図4に示されるように、切られていない区分46は、少なくとも1つ以上の切られていない区分46が隣り合わないように、ジグザグに配置されている。
【0067】
本発明の模範的実施形態において、溝44は全ての適切な大きさであり得るが、好ましくは、0.05mmないし0.5mmの幅、及び0.5mmないし1.0mmの長さで、切られていない区分46が、0.05mmないし1.0mmの長さで溝44の幅であり、そして溝44の間の切られていない区分48が、0.05mmないし1.0mmであってもよい。
【0068】
図4に示されている実施形態において、チャンネル44の連続又は模様はまた、カテーテル14cの端部の近くに位置されている。すなわち、カテーテル14cのハブ12に最も近い部分は無傷のまま残り、そしてチャンネル44の連続又は模様がカテーテル14cの反対側の端部近くに設けられている。チャンネル44の連続又は模様は、患者の皮膚を通る挿入を容易にするために、斜めに、すなわち、鋭利化され得る、鋭利な自己突刺し先端30の近くの点において終了されている。
【0069】
本発明の模範的実施形態において、カテーテル14cは全ての適切な大きさであり得るが、好ましくは、0.20mmないし0.78mmの内径22と0.25mmないし0.8mmの外径20とを備えた、3.5mmないし12mmの長さである。カテーテル14cの末端部における第1の溝44は、カテーテルの末端部から0.5mmないし2.0mmに設けられ、そして最後の溝はベース12から2.5mmないし3.0mmに設けられてもよい。そうすることで、1.5mm及び9.0mmの間の長さのカテーテル14cの長さ部にチャンネル44が設けられる。鋭利部の背面角に第1の溝が干渉するような場合には、第1の溝はカテーテルの末端部からより大きな距離に設けられてもよい。
【0070】
上で述べたように、さらに他の模範的実施形態において、末端部及び基端部の間のカテーテル本体のほぼ全体に、かかるチャンネルの連続又は模様が設けられてもよい。この場合には、チャンネルの連続又は模様は流体の連通のためには位置決めされず、それ故に、1つ以上のチャンネルが、以下により詳細に説明されるように、柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブのような生体界面鞘又はコーティングでもってシールされてもよい。
【0071】
上述の模範的実施形態を用いることによって、装置は、挿入カニューレ又はニードル及び内在のカテーテルの両者として作用するように、上述の特徴部を1つ以上備えるカニューレ又はニードルを提供すべく構成され得る。かかる模範的実施形態の1つが図5A及び5Bに図示され、そして好ましくは、鋭利化されている自己突刺し先端30と、実質的にシャフト全体に沿ってカテーテルの壁中及び/又はそれを貫通してエッチングされ、切出され、成形され、又は他の方法で創造(すなわち、レーザー切断又は化学的にエッチング)された交互する平行なスロット52とを備える硬いカテーテル14d(例えば、ステンレス鋼)を備えている。スロット52は、実質的に図2Aないし2Eの模範的実施形態に関して上述したように設けられてもよく、ここでスロット52の間の間隔は、図示のようにか、又は図3及び4の模範的実施形態に関して上述したように、スロットの端部の僅かなオーバーラップをもたらすべく構成されてもよい。しかしながら、本発明の模範的実施形態は、極端な値の24から34ゲージのカテーテルゲージに関して説明されているので、上述の数字寸法は変わり得るスロット/間隔の関係に帰し得る。例えば、34ゲージのカテーテルについては、最も短い長さのスロット、すなわち、0.5mm長さが、直径の周りに1つのアタッチメント点を許すのみであり、デザインの代替性及び装置の性能を制限するであろう。
【0072】
したがって、図5Bに図示されているように、極値の、又はそれらの間の値のカテーテルは、壁厚T(すなわち、外径が約3T、及び内径が約T)を有するようにデザインされてもよい。そうすることで、チャンネル52の各々は1Tから6Tの幅、そして好ましくは、2Tと3Tとの間に存し得る。チャンネル間の切られていない間隔は1Tと6Tとの間、そして好ましくは、2Tと3Tとの間に存し得る。
【0073】
図5A及び5Bの実施形態において、交互するスロット52はカテーテル14dが曲がるのを可能にし、さらにユーザーの皮膚内への挿入のために必要な剛性すなわちコラム強さをもたらすが、快適な内在のカテーテルをもたらすべく曲がる。模範的なステンレス鋼のカテーテル14dは、好ましくは、末端部に鋭利化されている自己突刺し先端30を有する単一の本体である。図5Aに示されるように、鋭利化されている自己突刺し先端30は、斜めの先端を創造すべくラジウスカットを備えてもよい。挿入を許容すべくかかる鋭利化された自己突刺し先端30がカテーテルに設けられている場合には、カテーテルは挿入ニードルとして作用することができ、それによって、さらに、挿入ステップの複雑さを軽減する。
【0074】
さらに、図5Aの露出された図解部分によって図示されるように、カテーテル14dは、スリーブ54aを創造すべく、ヴィアロン(登録商標)又はテフロン(登録商標)のようなコーティングによって、ある所望の部分を覆って鞘付けられ又は被覆されてもよい。当該スリーブ54aは、薬流体がカテーテルの先端を通ってユーザーに入るのを可能にする生体適合性の外側の流体シールをもたらし、スロット52を介しての漏出が生じないためのシールをもたらし、及び/又は挿入カニューレ又は内在のカテーテルの鋭利な端部を覆うべく、それが僅かに中に引き込まれ得るカバーをもたらしている。
【0075】
外側の鞘又はスリーブ54aは、適切な内径に処理され、そして取付のためにカテーテル14dを覆って引かれてもよい。特定の鞘又はスリーブの材料に応じて、この取付けは、浸漬コーティング処理、熱収縮、ボンディング、又は他の適切な処理によって促進されてもよい。外側の鞘又はスリーブ54aは、ステンレス鋼の内在カテーテルを覆い、そして組織とニードルの間の生体界面をもたらし、及び/又は柔軟な内在のカニューレのスロットをシールすべく用いられ得る、テフロン(登録商標)又はヴィアロン(登録商標)のようなポリマースリーブであってもよい。模範的なヴィアロン(登録商標)材料の付加的な開示は、共通に譲渡されているMin-Shiu Lee et al.の特許文献1(米国特許第5,226,899号)、及び特許文献2(米国特許第5,453,099号)、Theo Onwunaka et al.の特許文献3(米国特許第5,545,708号)、及びGary Searle et al.の米国特許出願第12585,061号に見出され、全体の内容、開示及びそれぞれの主題は、参照により明示的にここに組み込まれている。本発明のさらに他の模範的実施形態において、全ての適切な流体密封の材料が柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブのような鞘又はコーティングを形成するために用いられてもよい。本発明のこの又は他の模範的実施形態において、一旦挿入されるとより柔らか及び/又はより柔軟になる材料もまた用いられてもよい。
【0076】
かかるポリマー、外側被覆、及び他の構造技術及び材料は、内在のカニューレ又はカテーテルの構造においても用いられ得る。例えば、図5C及び5Dは、本発明の実施形態に従い、硬質プラスチックで構成され、柔軟性をもたらすためのチャンネルを有している模範的なカテーテルの一部分の拡大された断面図である。
【0077】
図5Cにおいて、射出成形され硬質プラスチックで構成された模範的なカテーテル14eが図示され、ここでスロット24fが柔軟性をもたらしている。カテーテル14eは射出成形されているので、スロット24f、ニードルポイント、及び他の全ての仕上がり特徴部が、第2の操作が必要とされないような所望の形態に成形され得る。さらに、図5Aに示された実施形態と同様に、外側被覆された外側の鞘又はスリーブ54bは、テフロン(登録商標)又はヴィアロン(登録商標)のようなポリマーからなり、そしてカテーテルを覆い、組織とカテーテルとの間に生体界面をもたらし、及び/又はカテーテルのスロットをシールすべく用いられている。
【0078】
同様の模範的実施形態が図5Dに図示され、ここでは射出成形された硬質プラスチックで構成された模範的なカテーテル14fが示されており、ここにスロット24gが柔軟性をもたらしている。カテーテル14fは、再度、射出成形されているので、スロット24g、ニードルポイント、及び他の全ての仕上がり特徴部が、第2の操作が必要とされないような所望の形態に成形され得る。さらに、押し出された外側の鞘又はスリーブ54cは、テフロン(登録商標)又はヴィアロン(登録商標)のようなポリマースリーブからなり、そしてカテーテルを覆い、組織とカテーテルとの間に生体界面をもたらし、及び/又はカテーテルのスロットをシールすべく用いられている。模範的実施形態において、外側のスリーブは、2ショット成形プロセスの部分として外側被覆され、又は別個に押し出されて挿入カニューレ又は内在のカテーテルに組立られてもよい。
【0079】
カテーテル本体の実質的に全体にチャンネルのかかる連続又は模様が設けられ得るさらに他の模範的実施形態が図6Aに図示され、そして好ましくは、トーションスプリング56に取付けられた、鋭利化されたステンレス鋼のような硬いニードル先端32を備えたカテーテル14gからなる。ニードル先端32及びその鋭利化されている自己突刺し先端30は、ユーザーの皮膚への穿通を可能にし、そして好ましくは、トーションスプリング56に溶接されるが、如何なる適切な方法を用いて取り付けられてもよい。
【0080】
トーションスプリング56は、上述の実施形態と同様の利益をもたらし、すなわち、それは快適さのための柔軟性、及び耐久性のための引張り強度をもたらす。かかるトーションスプリング56は、トーションスプリングの内側キャビティ内の流通流体をシールするヴィアロン(登録商標)又はテフロン(登録商標)のスリーブ58のような柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブ材料のようなコーティングによって、ある所望の部分を覆って鞘付けられ又は被覆されてもよい。
【0081】
図6Bに図示されたもう1つの模範的実施形態において、トーションスプリング57はまた、中実の鋼カニューレの基端部分、すなわち、鋭利な先端部30の背後から連続する渦巻き又はらせんにレーザー光を当てることによって、レーザー切断又は化学的にエッチングされてもよい。この場合に、基端部は開かれるか又は閉じられてもよい(すなわち、内容物を配送すべく開いている、又は他の開口を通しての内容物の配送を強いるべく閉じられている)。そうすることで、ワンピースの渦巻き又はらせんの切断構造は、シャフトが柔軟であること、挿入を可能にするコラム強さが維持されることを可能にし、及び、内部空腔のつぶれを防止するフープ強さが維持されるのを許容する。上述の実施形態と同様に、トーションスプリング57は、トーションスプリングの内側キャビティ内の流通流体をシールするヴィアロン(登録商標)又はテフロン(登録商標)のスリーブ58のような柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブ材料のようなコーティングによって、ある所望の部分を覆って鞘付けられ又は被覆されてもよい。
【0082】
図6Cに図示されたもう1つの模範的実施形態において、トーションスプリング56は連続する長さのトーションスプリングから製造され、そしてその後、当該スプリングの端部におけるいくつかのコイルを結合すべく連続溶接のレーザー光を当て、そしてその後、斜めの端部31を創造すべく溶接された端部を磨く。上述の実施形態と同様に、トーションスプリング56は、トーションスプリングの内側キャビティ内の流通流体をシールするヴィアロン(登録商標)又はテフロン(登録商標)のスリーブ58のような柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブ材料のようなコーティングによって、ある所望の部分を覆って鞘付けられ又は被覆されてもよい。
【0083】
上述の模範的なカテーテルには、適切なワイヤー又はスプリングの断面、内径、及び外径が与えられてもよく、そして代替的に、当業者には評価されるように、内部の径を最大にすべく矩形断面を備えてもよい。加えて、各々の端部はユーザーへの薬の流れのための開口を備える必要もない。閉じられた端部を備え、そして先端部の近く又はユーザーへの薬の流れを可能にする何処かに位置された側部ポートを有する実施形態を実施することが望ましいかもしれない。先細にされた先端部又はその近くに複数の孔を有している模範的なカテーテル、及びかかるカテーテルを構成する及び用いる方法は、2009年4月21日に出願された「Systems And Methods For Improving Catheter Hole Array Efficiency」という名称の米国特許出願第12/427,633号に記載されており、その全体の内容、開示、及び主題はここに参照することによって明示的に組み込まれている。他の模範的実施形態において、柔軟なカテーテルは、ユーザーの皮膚へ入るためのカテーテルに対して、随意に硬化された鋭利化されている先端部と連結されてもよい。
【0084】
上述の実施形態のいずれかに用いられる付加的な特徴はカテーテルをヘパリン化する手段を提供している。カテーテルのヘパリン化はユーザーの皮膚内への初めの挿入の前又は変化する挿入及び引抜き動作中に遂行されてもよい。ヘパリン化は、当業者に利用可能な如何なる方法によっても、カテーテルをヘパリンでコーティングすることにより遂行され得る。ヘパリン化されたカテーテルは、注入部位において、注入部位を妨害、さもなければ悪化させる血液凝固を防止することによって、注入部位の保護を促進し得る。薬ヘパリンは、抗凝血剤ファミリーの中の1つであり、そして当業者は、本発明の実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく同様の利益を得るため類似の薬に置換され得ることを理解するであろう。
【0085】
末端部分、すなわち、ユーザーの組織に接触するカテーテルの長さ部分にチャンネルを設けることによって、カテーテルの硬い部分、すなわち、長さ部分を維持しながら、カテーテルの一部分、すなわち、長さ部分が柔軟に作られる。チャンネル又は溝は、改良されたカテーテル挿入のためにカテーテルのコラム強さを最適化し、ユーザーの快適さのために柔軟性をもたらし、そしてさらに、耐久性のために引張り強度をもたらすべくデザインされている。
【0086】
上述のカテーテルの構造、デザイン、及び実施品において、各チャンネルの幅、各チャンネルの長さ、各ブリッジ、すなわち、チャンネルの間の切られていない区分の幅、平行なチャンネルの間の切られていない区分の幅、カテーテルの軸線に対するチャンネルの角度又はピッチ、及びコースの数は、カテーテル軸線の末端部分の所望の最小曲げ半径、及び変位量の最大円弧をもたらすべく決定されてもよい。チャンネル又は溝は、カテーテルの厚さ全体を通り抜けて構成されてもよく、又はカテーテルの1つの壁、すなわち、外及び内表面の間の全体又はそのある部分を通って構成されてもよい。本発明のこれらの及び他の実施形態において、上述のように構成された溝又はチャンネルのいずれもの組合せが、所望の通り提供され得る。すなわち、図2ないし6に図示されている溝又はチャンネルの1つ以上が、コーティング又は鞘を含む、単一のカテーテルに設けられ得る。
【0087】
さらに、上で述べたように、カテーテルの末端部分にチャンネル又は溝が存在することはまた、ユーザーの組織への薬剤の配送のための付加的な表面積を許容する。すなわち、薬物がカテーテルを経由して標的の領域へ配送されるとき、ある配送は、そのようにするのが望ましいときには、設けられた溝又はチャンネルを経由して起こる。他の模範的実施形態において、カテーテルは、薬流体がカテーテルの先端部を通ってユーザーに入るのを可能にする生体適合性のある外側の流体シールをもたらし、及びスロットを介しての漏れを生じさせないシールをもたらすスリーブを創造すべく、ヴィアロン(登録商標)又はテフロン(登録商標)のようなコーティングによって、ある所望の部分を覆って鞘付け又は被覆され得る。
【0088】
さらに、本発明の各実施形態において、チャンネル又は溝は、障害物、望ましくない縁部、又はデッドスペースの創造なしに、チャンネル又は溝がカテーテルの壁を通してきれいに切除されるように、レーザー加工、放電加工(EDM)、金属射出成形(MIM)、プラスチック射出成形、化学エッチング、又は同様の技術を用いて、構成されてもよい。
【0089】
要求があれば、カテーテルは柔軟性を誘導するために使用された処理、例を挙げると、レーザー切断、EDM、化学エッチング等の後に、再加工(すなわち、第2の作業)されてもよい。例えば、電解研磨は表面の不完全性の除去のために用いられ得、改良された生体適合性及び耐腐食性のための酸化皮膜を創造する。表面安定化処理は、表面から鉄汚染を除去するために、ステンレス鋼及びある量の鉄の合成物、例えば、ニチノールを含む他の金属から作られたカテーテルと共に用いられ得る。マイクロブラスティングもまた、外側被覆のために清澄で質感のある表面を確立させるべく用いられてもよい。
【0090】
さらに、カテーテルに柔軟及び硬い両特徴部と鋭利化された自己突刺し先端30が設けられ、それにより挿入ニードルの使用無しにカテーテルの挿入を許容している場合、カテーテルは挿入ニードルとして作用することができ、そして内在して残存することができ、それによりさらに、挿入ステップの複雑さを軽減する。かかるカテーテルは、ヴィアロン(登録商標)又はテフロン(登録商標)のスリーブ58のような柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブ材料のようなコーティングによって、ある所望の部分を覆って鞘付けられ又は被覆されてもよい。
【0091】
本発明の上述の及び他の模範的実施形態においては、カテーテルとハブの間に柔軟な結合体を設けることによって、さらなる利益が達成され得る。現在のところ、利用可能なパッチポンプ及び輸液セットは、典型的には、ハブに堅く取付られているカテーテルを含んでいる。この種の結合部は、皮膚が皮下組織の上で滑るようなとき、カテーテル及び/又は組織を歪ませるかもしれない。柔軟なカテーテルにおけるかかる歪みは、キンキング、閉塞、又はその箇所からの取外しに至るかもしれない。ステンレス鋼カテーテルのような硬いカテーテルにおけるかかる歪みは、カテーテルが組織内を動き回るとき、不快感及び/又は強烈な組織のトラウマに至るかもしれない。
【0092】
したがって、本発明の模範的実施形態はさらに、カテーテル及び挿入部位における動きの影響を最小にしつつ、ハブが皮膚と共に動くことが可能にされている。かかる柔軟な結合体の例は、カテーテルとハブ又はパッチポンプの間に設けられた、限定はされないが、玉継ぎ手、スライドプレート結合部、別個の接着剤アタッチメントを備えた別個の内側ハブ、柔軟な管類連結部、及び柔軟なブッシュ式結合部(ベローズ連結部又はベローズ継手を含む)によって与えられ得る。
【0093】
本発明のさらなる実施形態は、1つの注入装置の部分として、外側ハブ及びカテーテルのハブのような2つ以上の別個のハブを備えることができる。その各々は皮膚の表面に別個の接着剤でもって取付けられ、そして、2つの間の流れは、好ましくは、衝撃、すなわち、外側ハブの表面からカテーテルに加えられる力を隔絶するために、柔軟な流体ライン又は他の同様な連結手段を介して達成されている。単一の装置として皮膚の表面に取付けられ得る2つのハブは、さらに、内側ハブがカテーテルが挿入されている組織に対してのカテーテル位置を維持し、それにより組織の炎症及び異物反応結果として次々に起こる出来事を軽減及び排除するように構成されてもよい。
【0094】
図7は、本発明の実施形態に従う玉継ぎ手(ball-and-socket joint)を備えるかかる模範的なカテーテル及びハブ係合体の1つを組み込んでいる、パッチポンプに設けられるようなハブの拡大された断面図である。図7において、ハブ60は、カテーテル64の上方に又はそれに流体の連通をされて位置されている、流体の薬剤又は他の内容物を貯留する貯留部62を有して図示されている。玉継ぎ手66は、カテーテル64の一端部に固定されるか、さもなければ形成されてもよく、カテーテル64をハブ60の下面に回転可能に固定すべく設けられている。
【0095】
具体的には、ハブ60本体の下側部分は、円形戻り止め開口68又はカテーテル64の玉継ぎ手66が捕捉され得る他の同様の開口を備えてもよい。円形戻り止め開口68は、玉継ぎ手66が圧入され、その後当該円形戻り止め開口68によって捕捉されるのを許容する大きさであればよい。
【0096】
玉継ぎ手66はまた、戻り止め開口68の膨張及び収縮が戻り止め開口68内への玉継ぎ手66の取付け及びその後の捕捉を容易にすべく、ハブ60の1つ以上のエレメントを操作することによって円形戻り止め開口68内に捕捉されてもよく、又は玉継ぎ手66がハブ60本体の組立中に戻り止め開口68内に捕捉されてもよい。そうすることで、カテーテル64はハブ60に対して、矢印A及びBの方向によって図示されているような、多くの方向に自由に回転して移動する。すなわち、図7のカテーテル64はハブ60の本体の下面における戻り止め開口68の底部開口70によって許されるだけ自由に回転する。
【0097】
カテーテル64は、上述のそれらのような如何なる適切なカテーテルを備えてもよく、そして玉継ぎ手66は、カテーテル64と同じ又はそれと同様な材料から形成されてもよく、そしてカテーテル64及び玉継ぎ手66の回転中及びそれぞれの回転位置において途切れのない流体の連通を許容すべく、貫通する開口を備えてもよい。
【0098】
さらに、カテーテル64とハブ60との結合部は、チャンバー62からの、又はチャンバー62への漏れを防止するために、1つ以上のシール用エレメント72によってシールされてもよい。シール用エレメント72は、1つ以上のO−リング、ブッシング、ワッシャ、成形されたエレメント又は同様なシール用エレメントのような適切な数のエレメントであってもよい。シール用エレメント72はさらに、カテーテル64の玉継ぎ手66とハブ60との間にある程度の摩擦を与えることによってカテーテル64の回転運動を制御すべく構成されてもよい。ハブ60はさらに、ハブ60を使用のために皮膚表面に取付ける接着剤層74のような付加的なエレメント、及び明瞭さのために図7の図解からは省略されている他のエレメントをさらに備えてもよい。
【0099】
本発明の模範的実施形態において、玉継ぎ手66は、全ての適切な大きさでよいが、好ましくは、0.5mmないし4.0mmの直径を有する実質的に円形のエレメントを備えてもよい。したがって、戻り止め開口68は0.5mmないし5.0mmの直径を有し、そして戻り止め開口の底部開口70は0.4mmないし3.8mm幅の直径を有してもよい。本発明の実施形態において、底部開口70は、円形、長円形、又は必要とされる程度の運動をもたらすための所望の形状であってもよい。
【0100】
本発明のさらに他の実施形態において、カテーテルとハブとの間の運動を許容するためにスライドプレートが設けられてもよく、及び/又はカテーテルとハブとの間の運動を許容するために柔軟なブッシングが設けられてもよい。運動の程度は、玉継ぎ手、スライドプレート、及び柔軟なブッシングの各々により与えられるけれど、各々(すなわち、回転、滑り、又はそれらの組合せ)によってもたらされる運動における微妙な差異が、特定の用途における一模範的実施形態についての優先度をもたらし得る。
【0101】
例えば、図8は、本発明の他の実施形態に従うかかるスライドプレート結合部を備える模範的なカテーテル及びハブの係合体を組み込んでいる、パッチポンプに設けられているようなハブの拡大された断面図である。図8において、ハブ80は、カテーテル84の上方に位置され又はそれと流体連通する、流体の、薬剤又は他の内容物を貯留する貯留部82を有して図示されている。カテーテル84は、平面的なエレメント86のようなエレメントを一端部に備えている。当該エレメントは、ハブ80の下面にカテーテル84を滑り可能に固定すべく開口88内に摺動可能に捕捉されている。
【0102】
具体的には、ハブ本体の下側部分がチャンバー82の下面と、1つ以上のノッチ92に捕捉された1つ以上のエレメント90との間に形成された開口88を備え、それに平面的なエレメント86が捕捉されている。本発明の模範的実施形態において、ノッチ92は貯留部82の内壁に形成され、そして貯留部の全周囲を取り囲んでいる。したがって、エレメント90はノッチ92内に組み立てられる実質的に円形のワッシャ形状の部材から成ることができる。エレメント90をノッチ92に固定すべくエレメント90の肥厚部分が設けられてもよい。エレメント90のより薄い部分が、以下により詳細に説明されるように、平面的な部材86及びシール用エレメント96を保持するのを支援するある程度の撓みを許容すべく、中心開口94の近くに設けられてもよい。
【0103】
平面的なエレメント86は、ハブ本体の組立を介して又は同様な方法で、開口88内に捕捉され得る。そうすることで、カテーテル84は、ハブ80に対して、矢印A及びB’の方向で図示されているような多くの方向に自由に動き得る。すなわち、図8のカテーテル84は、ハブ80の下面の底部開口98によって許される程度、及び/又は開口88内での平面的な部材86の移動によって許されるように、自由に摺動する。ハブ80に対してのカテーテル84のいくらかの回転運動はまた、エレメント90の撓みにより許容されるように、平面的な部材86によってもたらされ得る(例えば、図7の矢印A及びBを見よ)。
【0104】
カテーテル84は、上述したもののような適切なカテーテルから成り得る。平面的な部材86は、カテーテル84と同一の又は同様な材料から形成されてもよく、そして摺動中及び各位置において途切れのない流体の連通を許容すべく貫通する開口を備えてもよい。固定用のエレメント90はまた、平面的な部材86、ハブ80と同一の又は同様な材料、又は他の適切な材料から形成されてもよい。
【0105】
さらに、カテーテル84とハブ80との間の結合部は、チャンバー82からの、又はチャンバー82への漏れを防止するために、1つ以上のシール用エレメント96によってシールされてもよい。シール用エレメント96は、O−リング、ブッシング、ワッシャ、成形されたエレメント又は同様のシール用エレメントのような複数の適切なエレメントから成ってもよい。本発明のさらに他の模範的実施形態において、Uすなわちカップ形状、X形状、又は他の種類のワイプ(wipe)シールが用いられてもよく、そしてシール用の力が軽減されるという付加的な利益をもたらす。シール用エレメント96はさらに、カテーテル84の平面的な部材86とハブ80の開口88の壁との間にある程度の摩擦をもたらすことによってカテーテル84の滑り運動を制御すべく構成されてもよい。ハブ80はさらに、ハブを使用のために皮膚表面に固定するために接着剤層74のようなエレメントを備えてもよい。
【0106】
本発明の模範的実施形態において、平面的な部材86は、必要とされる程度の運動をもたらすために、円形、長円形、又は所望の如何なる形状であってもよい。本発明の模範的実施形態において、平面的な部材86は、全ての適切な大きさの直径、好ましくは、1.0mmないし10.0mmの直径、及び0.5mmないし1.0mmの厚さを有する実質的に円形のエレメントから成り得る。したがって、底部開口98は1.0mmないし5.0mmの直径を有してもよい。本発明の実施形態において、底部開口98は、必要とされる程度の運動をもたらすべく、円形、長円形、又は所望の形状であってもよい。
【0107】
さらに他の実施例において、図9は、本発明の他の実施形態に従う柔軟なブッシュ式結合部を備える模範的なカテーテル及びハブの係合体を組み込んでいる、パッチポンプに設けられているようなハブの拡大された断面図を示している。図9において、ハブ100は、カテーテル104の上方に位置され又はそれと流体連通する、流体の、薬剤又は他の内容物を貯留する貯留部102を有して図示されている。柔軟なブッシング106は、カテーテル104の一端部に固定されるかさもなければ形成されてもよく、そしてハブ100の下面にカテーテル104を回転可能及び/又は摺動可能に固定すべく設けられている。
【0108】
具体的には、ハブ本体又は貯留部102の下側部分は柔軟なブッシング106が捕捉され得る開口を備えてもよい。開口は柔軟なブッシング106が圧入されその後貯留部102の下側部分によって捕捉されるのを許容する大きさにされてもよい。柔軟なブッシング106は又はブ本体の組立を介して又は同様の方法でハブ100内に捕捉されてもよい。そうすることで、カテーテル104は、矢印A及びB”の方向で図示されているような多くの方向に自由に動き得る。すなわち、図9のカテーテル104は柔軟なブッシング106の柔軟性及びハブ100の本体の下面の底部開口110によって許される程度、自由に回転する。
【0109】
本発明の模範的実施形態において、柔軟なブッシング106は貯留部102の下側部分で捕捉されるに十分な外径を備えていてもよい。ブッシング106はさらに、開口110内に捕捉されるに十分で、そしてそこをシールする外径を有する減縮された部分108を備えてもよい。そうするために、模範的実施形態のブッシング106は、軟らかく、低硬度で柔軟な材料から成ってもよく、それはまた流体のシールを創造すべく構成されてもよく、そしてカテーテル104とポンプ本体すなわちハブ100との間に柔軟な継手を創造している。
【0110】
カテーテル104は、上述のもののような如何なる適切なカテーテルから成ってもよい。柔軟なブッシング106はさらに、回転及び/又は摺動中、及び各回転又は摺動位置での途切れのない流体の連通を許容するために貫通した開口を備えてもよい。さらに、カテーテル104と柔軟なブッシング106との間、及び柔軟なブッシング106とハブ100との間の結合部は、チャンバー102からの、又はチャンバー102への漏れを防止するために、柔軟なブッシング106の材料を選択すること、及び/又は柔軟なブッシング106をハブ100内に固定する材料を選択することによって、シールされてもよい。ハブ100はさらに、使用のためにハブを皮膚表面に固定する接着剤層74のようなエレメントを備えてもよい。
【0111】
本発明の模範的実施形態において、柔軟なブッシング106は、必要とされる程度の運動をもたらすための、円形、長円形、又は所望の形状であってもよい。本発明の模範的実施形態において、柔軟なブッシング106は、適切な大きさ、好ましくは、2.0mmないし10.0mmの直径、及び減縮された部分108に1.0mmないし9.0mmの直径を有する実質的に円形のエレメントから成ってもよい。したがって、底部開口110は1.0mmないし9.0mmの直径を有してもよい。本発明の実施形態において、底部開口110は必要とされる程度の運動をもたらすために円形、長円形、又は所望の形状であってもよい。
【0112】
上述の本発明の各模範的実施形態において、装置の内容物と相性がよく、そして必要に応じて十分な保存可能期間及び滅菌品質を呈する材料が用いられ得る。そうすることで、本発明の模範的実施形態は、カテーテルとハブの間の柔軟な結合体をもたらすことができる。
【0113】
上で述べたように、輸液セット及びパッチポンプは、典型的にはユーザーの皮膚に適用され、そして皮下(SC)注入、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入のいずれかでの特定の使用に応じて、ユーザーの皮膚を通って皮下組織又は他の組織へ延在するカテーテルを有している。カテーテルは、インスリンのような薬剤の組織への配送のための流体の経路を提供する。上述の本発明の模範的実施形態は、ユーザーの皮膚及び組織に埋め込まれているカテーテルが柔軟なカテーテルとして動くか、又はユーザーの皮膚に貼られているハブに対して動くことを可能にしている。そうするために、カテーテルには、チャンネル、溝、及び柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブのようなコーティングが設けられてもよく、そして、カテーテルのハブへの結合部は、カテーテルが動き、かつハブに対して動くのを可能にするために、玉継ぎ手、スライドプレート、柔軟なブッシング、又は同様なデザインから成っていてもよい。各々の場合において、結合部はさらに、結合部を通っての内容物の漏れを防止するためにシールされるべく構成されてもよい。
【0114】
さらに、カテーテルに、柔軟及び硬い両特徴部、及び鋭利化された自己突刺し先端30が設けられ、それにより挿入ニードルを用いないでのカテーテルの挿入を許容する場合、カテーテルが挿入ニードルとして作用し、そして内在して残存することができ、それによりさらに、挿入ステップの複雑さを軽減する。
【0115】
本発明のさらなる実施形態は、1つの注入装置の部分として柔軟なカテーテルを備えた模範的な2部品ハブから成っている。図10に示された模範的実施形態において、1つの注入装置の部分として、外側ハブ及びカテーテルハブのような2つの別個のハブを有している装置は、各々が別個の接着剤でもって皮膚の表面に取付けられ、そして2つの間のインスリンの流れが、衝撃又は外側ハブの外部の表面からカテーテルに加えられる力を隔絶するために、好ましくは、柔軟な流体ライン又は他の同様な連結手段を通して達成される。単一の装置として皮膚の表面に取付けられ得る2つのハブはさらに、内側のハブがカテーテルが挿入されている組織に対してのカテーテル位置を維持し、そしてそれにより組織の炎症及び異物反応から結果として次々に起こる出来事を軽減及び排除するように、構成されてもよい。
【0116】
例えば、かかる装置120が図10に示され、ハウジング122とハウジング接着剤124、及びニードルハブ126とニードルハブ接着剤128を備えている。可撓性連結体130が外側のハウジング122とニードルハブ126との間に設けられている。わずかな隙間132は、外側のハウジング122がそこへのニードルハブ126の取付及び配置のための領域を提供するが、外側のハウジング122に伝達された力又は運動がニードルハブ126に伝えられないように、外側のハウジング122とニードルハブ126との間に設けられている。
【0117】
したがって、当該実施形態は、1つの注入装置120の部分としての2つの別個のハブ122及び126を有する単一の装置を備え、ここで、それぞれが別個の接着剤層124及び128でもって皮膚の表面に取付けられ、そして2つの間のインスリンの流れが、衝撃又は外側ハブ122の外部の表面からカテーテル134に加えられる力を隔絶するために、柔軟な流体ライン又は他の同様な連結手段130を通して達成される。当該2つのハブ122及び126は、皮膚の表面に単一の装置として取付けられ、そして内側のハブ126がカテーテル134が挿入されている組織に対してのカテーテル134の位置を維持し、そしてそれにより組織の炎症及び異物反応から結果として次々に起こる出来事を軽減及び排除するように、構成されてもよい。
【0118】
柔軟なカテーテルを備えたかかる2部品ハブを提供している本発明の他の模範的実施形態が図11に図示されている。図11の装置140は、ハウジング142とハウジング接着剤144及びニードルハブ146とニードルハブ接着剤148を備えている。可撓性連結体150は、外側のハウジング142がそこへのニードルハブ146の取付及び配置のための領域を提供するが、外側のハウジング142に伝達された力又は運動がニードルハブ146及びカテーテル152に伝えられないように、外側のハウジング142とニードルハブ146との間に設けられている。
【0119】
もっとさらに、上述の本発明の模範的実施形態は、挿入カニューレ又は内在のカテーテルの鋭利な縁部を覆うべくスリーブ内又はスリーブ上のいずれかに挿入カニューレ又は内在のカテーテルの格納のための1つ以上の付加的な特徴部を備える装置において用いられ得る。図12A及び12B、図13A及び13Bは、事実上、柔軟又は剛性のいずれかである格納可能な挿入カニューレ又は内在のカテーテルを備える本発明の他の実施形態に従う模範的なハブ装置の拡大断面図である。
【0120】
図12Aに示されるように、装置160は、外側のハブ162、内側のハブ164、格納可能な挿入カニューレ又は内在のカテーテル166、及び鈍な(先が尖っていない)カニューレ168を備えてもよい。押しボタン又は他のレバー170を備える格納システムが外側のハブ162を通して設けられてもよく、挿入カニューレ又は内在のカテーテル166を固定し、かつその後、スプリングのような付勢エレメントによって押圧されるとき解放する。ボタン170は、戻り止め174と挿入カニューレ又は内在のカテーテル166の肩部176との間の接触のような接触によって、挿入カニューレ又は内在のカテーテル166の位置を保持するために肩部、戻り止め、又は他の同様なエレメントを備えてもよい。
【0121】
押されたとき、ボタン170は肩部176を解放し、そして挿入カニューレ又は内在のカテーテルがスプリング172によって短い距離だけ上方に押圧され、それによって挿入カニューレ又は内在のカテーテルの鋭利な端部を鈍なカニューレ168内に滑り込ませる。挿入カニューレ又は内在のカテーテルへの流体の連通は、そのとき管類178の連結によって達成される。図12Aに示された実施形態においては、挿入カニューレ又は内在のカテーテル166が、図12Bの格納された図に示されるように、鈍なカニューレ168内に上方に格納される。
【0122】
第2の模範的実施形態が図13Aに示され、ここで装置180は外側ハブ182及び外側ハブ接着剤層184、内側ハブ186及び内側ハブ接着剤層188、鈍なカニューレ190、及び格納可能な挿入カニューレ又は内在のカテーテル192を備えてもよい。格納システムは、外側ハブ182を単に押し下げることによって作動される。図13Bに示されるように、皮膚表面に貼られるべく外側ハブ182が押し下げられたとき、上側中央ヒンジ194は、挿入カニューレ又は内在のカテーテルの鋭利な端部が、図13Bに示されるように、鈍なカニューレ190の端部の上方に持ち上げられるように、格納可能な挿入カニューレ又は内在のカテーテル192を鈍なカニューレ190の上方に引き込む内側ハブ186の移動を許す。カテーテルへの流体の連通は、そのとき管類196の連結によって達成される。内側ハブ186はさらに、例えば、シール又は潤滑剤を用いて内側及び外側のニードルの間にいくつかの適切なシール用エレメントを備えてもよい。
【0123】
図14は、かかるニードルを部分的に格納する概念を図示しており、ここで、事実上柔軟又は剛性のいずれかである挿入カニューレ又は内在のカテーテルが、鋭利な端部が露出された状態の使用前位置、挿入カニューレ又は内在のカテーテル及びスリーブがSC組織位置内に図示されている使用後位置、及び挿入カニューレ又は内在のカテーテルが挿入カニューレ又は内在のカテーテルの鋭利な端部を覆うに十分な距離だけ外側のスリーブ内に引き込まれている格納位置において、示されている。挿入カニューレ又は内在のカテーテルを挿入した後に、挿入カニューレ又は内在のカテーテルを部分的に取外すことによって、挿入カニューレ又は内在のカテーテルの鋭利な端部がSC組織に露出されず、SC組織を刺激することが許されない。さらに、テフロン(登録商標)又はヴィアロン(登録商標)の挿入カニューレ又は内在のカテーテルのキンキングが、挿入カニューレ又は内在のカテーテルを挿入位置における外側の鞘内に残すことによって低減される。図14の実施形態は皮下(SC)注入で用いられた状態で図示されているけれども、当該実施形態はまた、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入でも用いられ得る。さらに、図14に図示された内在のカテーテルは、剛性/中実(すなわち、スロット無し)か又は柔軟(すなわち、スロット付き)のいずれかでよい。
【0124】
さらなる実施形態が図15に図示され、ここで、カテーテルは、皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織の両方に、患者の薬配送の必要性を満たすための必要に応じて、同時に又はそれぞれ間欠的に、注入を与えるべく構成されている。前の実施形態において説明したように、挿入カニューレは、ニードル先端の鋭利な縁部から組織を保護するために、カテーテルを組織内に置いた後に引き込む。図15における挿入カニューレ又は導入ニードルは格納された位置で図示されており、当該ニードルは、ポリマーの外側スリーブとの組み合わせで、2つの区別し得る流体の経路をもたらす方式で形成されている。
【0125】
図15Aに示された模範的実施形態において、装置200は、模範的な鋼カニューレ202のように形成されたカニューレであって、それを覆ってポリマースリーブ204のようなスリーブが形成され、そしてさらに、両者はクロスポート206,208、及び210を経由して互いの間での流体の連通をもたらす方式で整列されているカニューレを含んでいる。クロスポート206はチャンバー212と流体の連通をすべく設けられ、及びクロスポート208はチャンバー214と流体の連通をすべく設けられている。図示された模範的実施形態において、チャンバー212は、例えば、即効性の薬剤を提供する第1の貯留部と流体の連通をし、そしてチャンバー214は、例えば、遅効性の薬剤を提供する第2の貯留部と流体の連通をする(例えば、図16を見よ)。各エレメントは、注入ハブ216の内又は上で支持されてもよい。
【0126】
以下により詳細に説明されるように、図15Aの装置200は、ID組織空間218及びSC組織空間220に到達すべく挿入部位上に置かれる。図示された模範的実施形態において、クロスポート210は、ID組織空間218にアクセスすべく構成され、そして鋼カニューレ202及びポリマースリーブ204の開いた基端部はSC組織空間220にアクセスすべく構成されている。具体的には、鋼カニューレ202は、図15BのA-A図によって示される、末端部222において完全に閉じられてクリンプされ、図15CのB-B図によって示された点においては完全にクリンプされず、図15DのC-C図によって示された点において部分的にクリンプされ、そして図15EのD-D図によって示された点では完全にクリンプされず、そしてここで、少なくともさらなる開口230が設けられている。そうすることで、単一の鋼カニューレ202及びポリマー(スリーブ)204が第1及び第2の流れ経路226及び228を創造し、ここで流れ経路226は、クロスポート206とクロスポート210との間の連通をもたらすべく構成され、そして流れ経路228はクロスポート208と開いた基端部224との間の開口230を経由した連通をもたらすべく構成されている。当該鋼カニューレは、図示のようにこの端部で鋭利化されてもよく、又はブラント(鈍)であってもよい。
【0127】
第1の経路226は、カニューレ202が格納位置にあるとき、ポリマースリーブ204の同様の開口に整列しているカニューレ202のクロスポート206を介して、流体を皮内(ID)組織218にもたらす。当該流体の経路226はカニューレ202の内部の空腔を通って続き、そして同様なクロスポート210を通って皮内(ID)組織218内に存している。第2の流体の経路228は、外部のポリマースリーブ204のクロスポート208を通って、ポリマースリーブ204の内表面とカニューレ202の外表面との間に創造された空腔に続き、そしてカテーテルの端部224を通って皮下(SC)組織220内に出て行く。この代替的な実施形態は、少なくとも2つの場所、例えば皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織への注入を可能にする。各組織は、Pettis et al.の米国特許公開第2002/0095134号に記載されているように、インスリン摂取について区別し得る性質を有する。この全体の開示は参照によりここに明示的に組み込まれている。
【0128】
注入ポンプ療法では、活動及びストレスでの変化を補償するための注入速度での微妙な変化を伴って、基本的なインスリン注入が終日にわたって連続する。伝統的に、基本的な要件は遅効性のインスリンによって満たされてきた。食事時の炭水化物の消費を補償するため、及びまた高血糖、すなわち、高血糖症を矯正するために、ボーラス投与のインスリン注入が用いられている。即効性のインスリンはボーラス投与注入について最良の療法を提供する。インスリン摂取は、皮下(SC)組織と比べて皮内(ID)組織においての方がより速い。それ故に、図15Aに図示された模範的実施形態は、ボーラス投与要件のために即効性のインスリンを皮内(ID)組織内に注入し、そして基本的な要件のために遅効性のインスリンを皮下(SC)組織に注入するのに用いられてもよい。
【0129】
図16に示されるように、図15Aの装置200を支持すべく構成された模範的な注入ポンプ232が図示されている。注入ポンプ232は、一方が即効性のインスリン用及び第2の他方が遅効性のインスリン用の少なくとも2つの貯留部234及び236を組み込んでもよい。輸液セットはさらに、セットハブ内の別個のチャンバーに連絡するであろう2つの別個の空腔238及び240を提供してもよい。本発明のさらにもう1つの模範的実施形態において、当該2つの別個の空腔238及び240は多重のチャンネル(不図示)を備える単一の空腔内に組み込まれてもよい。
【0130】
本発明のさらに他の模範的実施形態は、図17Aに示されるように形成されたカニューレを含むことができ、ここでは、当該カニューレは、2つのチャンネルが形成されすなわち機械加工されている中実のロッドに置き換えられている。具体的には、装置250のカニューレは、2つのチャンネル256及び258が形成されすなわち機械加工されている中実のロッド252に置き換えられている。残りの特徴部は図15Aに関して説明されたのと実質的に同じである。外部のポリマースリーブ204におけるクロスポート206及び208は、チャンネル256及び258と組み合わせて、図15Aのものと実質的に同様な方法で、皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織へ異なる又は同様な薬を配送すべく、2つの別個の流体の経路をもたらしている。2つのチャンネル256及び258が形成、すなわち、機械加工された模範的な中実のロッド252の斜視図が図17Bに示されている。上述の模範的実施形態と同様に、ロッド252は図示のように端部において鋭利化されるか、又はブラントであってもよい。
【0131】
図18Aないし18Eに示されたさらに他の実施形態において、双数空腔のカテーテル 又はカニューレ260が、図18Bに示されるような適切な材料の平らなシートから形成され、図18Dに示されるような実質的に最終の所望の形状に到達するまで、図18Cに示されるように、矢印A及びBの方向に巻かれ、そしてその後、異なる又は同様な薬を皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織に配送するための2つの別個の流体の経路262及び264がもたらされるように、図18Eに示されるように、空腔を閉じかつシールすべく溶接されるか、又は外部のポリマースリーブ(不図示)内に捕捉される。代わりに、双数の空腔カニューレ260は、図17A及び17B、及び18Aないし18Dに図示されたのと同様な形状に押出又は射出成形されてもよい。例えば、押し出し法は図18Eに示されたのと同様な連続する断面を作るであろう。射出成形は、図17A及び17Bに示されたカニューレを作るのに利用され得る。
【0132】
図19に図示された本発明のさらに他の模範的実施形態において、2つ以上の別個のカテーテルが、皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織に異なる又は同様な薬を配送するために所望の2つ以上の別個の流体の経路をもたらすべく、用いられてもよい。図19に図示された模範的実施形態は、2つの別個のカテーテル272及び274を有する装置270を含み、そして即効性のインスリンのための1つと遅効性のインスリンのための第2のものとの少なくとも2つの貯留部を組み込んでいる模範的な注入ポンプ232に連結されて図示されている。図示された模範的実施形態において、カテーテル272はID組織を標的にして設けられることができ、そしてカテーテル274はSC組織を標的にして設けられることができる。
【0133】
現在のところ、販売されているインスリン注入ポンプは単一の貯留部を有するのみであり、そして即効性のインスリンは、典型的には、重複するドースの複雑さを軽減すべく用いられている。これらのポンプの使用は、組み合わせ薬療法、例えば、遅効性のインスリン注入と組み合わせた即効性のインスリン注入を許さないけれども、即効性のインスリンを皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織の両方に注入することによって、上述の多くの利益が実現され得る。ボーラス投与の用量を皮内(ID)組織に、及び基本的な注入を皮下(SC)組織に注入することが好ましいので、本発明のさらにもう1つの模範的実施形態においては、高圧のボーラス投与用量を皮内(ID)組織に再方向付けるために、注入ハブのようなのにバルブ配列が設けられてもよい。図20は、ハブ内に配置され、そして第1及び第2のチャンバー212及び214と注入ポンプ(不図示)との間で連結されたかかるバルブ282を有している模範的なハブ280を図示している。バルブは、図20に図示されたソレノイドで作動されるバルブ282のような如何なる適切なバルブであってもよい。例えば、図示されたバルブは、2位置のソレノイド作動、スプリング戻しバルブである。バルブは、通常の、すなわち、皮下(SC)組織への注入に対応するスプリング戻し状態で図示されている。ソレノイドを作動させると、皮内(ID)組織への流れを許すべくバルブをシフトする。
【0134】
使用中、装置280は、2009年7月23日に出願され、この全体の開示が参照によりここに明示的に組み込まれているSearle et al.の米国特許出願第12/458,807号に記載されたもののような無線信号、又は輸液セットに組み込まれ、ポンプのコントローラが輸液セットのハブ内の電子的バルブに通ずるのを許容する電線路を送信される信号から作動できる、図20に示されるような電子的に操作されるバルブ282を利用して流れを再方向付けるべく用いられ得る。電線路はまた、センサー、例えば、血糖センサーからポンプのコントローラまでの連通をもたらすべく利用され得る。バルブ282にはさらに、ユーザーが説明されたように、バルブを手動でシフトするのを許容すべく手動作動ボタンが設けられてもよい。
【0135】
本発明のさらにもう1つの模範的実施形態において、バルブシステムは、高圧のボーラス投与用量をカテーテルの皮内(ID)空腔に再方向付け、そしてボーラス投与注入の完了に続き、圧力が低下したときに、低圧の基本的な注入をカテーテルの皮下(SC)空腔に方向付けるべく、図21Aに示されるように構成されてもよい。図21Aに図示されたバルブ構造284において、アンブレラ型逆止めバルブ288が、それに限定されないが、かものはし型逆止めバルブ286と組み合わされて用いられている。
【0136】
図21A及び21Bに示された模範的実施形態において、アンブレラ型逆止めバルブ288のポート又は孔296は、流体の圧力が図21Bに示されるように低い間、注入ポンプ(不図示)からの基本的な又は低圧の流れのように開口294に入るインスリンが通って流れ、そしてカテーテル(不図示)の皮下(SC)空腔292に入るのを許容する。この位置においては、かものはし型逆止めバルブ286は閉じられ、カテーテルの皮内(ID)空腔290を通る流れを防いでいる。
【0137】
流体の圧力がアンブレラ型及びかものはし型逆止めバルブの動作圧力を超えると、すなわち、ボーラス投与注入中にアンブレラ型逆止めバルブ288は開き、図21Aに示されるように、皮下(SC)空腔経路292を遮断し、そしてかものはし型逆止めバルブ286が開き、カテーテルの皮内(ID)空腔290を通る流れを許容する。ボーラス投与配送に続いて、圧力は低下し、そしてかものはし型及びアンブレラ型の逆止めバルブが彼らの通常の閉じられた状態に、リセットするのを許容する、すなわち、図21Bに示されるように、カテーテルの皮下(SC)空腔292を通る基本的な流れを許容する。そうすることで、所望の注入に関連する圧力が、模範的実施形態においてバルブの制御として用いられる。
【0138】
本発明の模範的実施形態のいくつかのみが上に詳しく説明されたが、当業者は、新規な教示及び本発明有利性から本質的に逸脱することなく模範的実施形態において多くの修正が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、かかる修正の全ては本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【技術分野】
【0001】
この出願は、2009年1月12日に出願された「柔軟な遠位先端及び/又は柔軟なカテーテルアタッチメントを備える少なくとも1つの硬いカテーテルを有する輸液セット及び/又はパッチポンプ」という題名の米国特許仮出願第61/144,072号の米国特許法第119条(a)の利益、及び2009年9月2日に出願された「医療装置の拡大使用」いう題名の米国特許一部継続出願第12/585,061号の米国特許法第120条の利益を主張し、前記出願各々の全内容、開示及び主題は参照によりここに明示的に組み込まれているものとする。
【0002】
本発明は、概して、ユーザーへのある程度の心地よさを維持しながら、閉塞、キンキング(kinking)、及び組織の炎症、及び異物反応のような他の望ましくない問題のルスクを最小化するために、ユーザーにとって望ましい硬い及び柔軟な特徴部の両方を有するカテーテルを含む、輸液セット及び/又はパッチポンプの構成部品及び要素(エレメント)に関する。
【背景技術】
【0003】
糖尿病のような病気に悩まされている人々を含む多くの人々は、彼らの血糖値の綿密な管理を維持するために、日々のインスリン注入のような注入療法のある形態を用いている。現在のところ、当該インスリン注入処置の例においては、日々のインスリン療法の2つの主要なモード(やり方)が存在する。第1のモードは、注射器及びインスリンペンを含む。これらの装置は使用するのが簡単で比較的廉価であるが、個々の注入ごとに、典型的には1日当り3ないし4回のニードル穿刺を必要としている。第2のモードは、約3年間持続するインスリンポンプの購入を伴う注入ポンプ療法を含んでいる。ポンプの初期コストはかなりなものであるが、ユーザーの視点からすると、ポンプを用いてきた患者の圧倒的多数が、彼らの残りの寿命の間、ポンプと共にとどまることをより好む。これは、注入ポンプは注射器及びペンよりもさらに複雑であるけれども、インスリンの持続注入、精密投与、及びプログラム可能な配送予定の有利性を提供するからである。これは、より綿密な血糖管理及び健康であるとの改善された感覚に帰することになる。
【0004】
最近になって、「パッチポンプ」として知られている注入ポンプのもう1つの形式が利用可能になった。従来の注入ポンプとは異なり、パッチポンプは、流体成分の大半又は全てを、注入部位に接着して取付けられてそして典型的には別個の注入(管類)セットの使用を必要としないワンピースのハウジング内で混ぜ合わせる統合された装置である。
【0005】
経口剤による患者が最終的にはインスリンに移行し、そして彼らの集中的療法への関心が増すにつれ、ユーザーは典型的に、彼らの健康状態の管理における改善のためにインスリンポンプに関心を向ける。それ故に、より良いポンプに関連する療法における関心は増加傾向にある。この及び同様の例において、この増加した関心を十分に満たすために必要なことは、現在及び将来のインスリン輸液セット及び/又はパッチポンプの、進化され、改良され、そして新規な構成部品及びエレメントであり、例えば、ユーザーへのある程度の心地よさを維持しながら、閉塞、キンキング(kinking)、及び組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題のルスクを最小化するために、カテーテルのデザイン、構造及び実施品の領域における特徴部及びエレメントを含んでいる。
【0006】
現存する輸液セット及び/又はパッチポンプのカテーテルは、ステンレス鋼のような剛体材料、又は軟らかいプラスチック、フッ素化されたポリマーなどのような軟質材料のいずれかから製造されている。しかしながら、軟らかいプラスチックカテーテルは、通常の損耗によってねじれたり閉塞したりする傾向があり、そして、硬いカテーテルは組織内をあちこち動くので、しばしば心地良くなく感じられる。軟らかいプラスチックカテーテル及び硬いカテーテルはまた両者とも、組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題を呈す。
【0007】
キンキング(kinking)は、挿入の間における導入ニードル上での (アコーディオン又はベローズの)滑り後退又は折り返しのような機械的な原因のせいでの、カテーテルを通る流れの停止と見なされている。この故障モードは、カテーテルの内径と導入ニードルの外径との間の不十分な干渉、カテーテルが最初に皮膚の外表面を突き通るとき、過剰の力がカテーテルに伝達されるのを許容しているカテーテルの先頭端の鈍な端部、又は、挿入機構においての過剰な跳ね返りないしは振動の結果であり、再度、カテーテルに伝達される過度の力に帰する。キンキングはまた、注入又は使用サイクル中にも起こり得る。この不具合の典型的な原因は、身体活動中に著しい移動を被る、カテーテルの組織内への配置である。
【0008】
閉塞(occlusion)は、生物学的又は薬理学的な原因のせいでの流れの停止であり、これらの不具合は典型的には使用サイクル中に起こる。カテーテルによって引起された炎症及びカテーテルのハブによって許容される移動の度合いに依存して、組織は異物反応の一部として炎症を起こされ、インスリンの体内摂取の減少に帰する。さらに、流れが最小(低い基本的流れ)に低減されるか又は一時的に停止されるとき、例を挙げると、水浴び、水泳の間、又はセットの接続が解除される長期間に、インスリンは結晶化する傾向がある。増殖するために許容されるインスリンの結晶化は、必要とされるポンプ圧力がポンプの通常の流れ状態を超えるところでカテーテルを最終的に閉塞したり、そして警報を発することになろう。
【0009】
市販されて現在のところ利用可能なインスリン注入器は、テフロン(登録商標)のような柔軟なポリマーのカテーテルか、ステンレス鋼のカニューレのような硬いカテーテルのいずれかを組み込んでいる。後者の場合には、カニューレは、皮膚を突き刺すべく用いられる、従来の挿入具における導入ニードルに類似の鋭利部を有している。インスリン注入のために現在のところ市販されている内在のステンレス鋼カニューレを備える2つの製品、Medtronicによる「SURE-T」、及びICU Medicalによる「Orbit Micro」が存在する。これらの製品は、キンキングの高い発生率を有する個人用に推奨されている。残念ながら、これらの製品は2日を超える使用には推奨されない。何故ならば、上述の理由によって閉塞し得るからである。これらの2つの製品を除いて、市販されている残りの輸液セットはテフロン(登録商標)のようなポリマーから製造されているカテーテルを有している。
【0010】
さらに、現在のところ利用可能なパッチポンプ及び輸液セットは、典型的には、ハブに堅く固定されたカテーテルを含んでいる。この形式の結合部は、皮膚が皮下組織の上で滑るようなとき、カテーテル及び/又は組織を歪ませるかもしれない。柔軟なカテーテルにおけるかかる歪は、キンキング、閉塞、又はその箇所からの撤去をもたらすかもしれない。ステンレス鋼カテーテルのような硬いカテーテルにおけるかかる歪は、カテーテルが組織内を動き回るとき、不快感及び/又は強烈な組織のトラウマ、すなわち、炎症をもたらすかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,226,899号明細書
【特許文献2】米国特許第5,453,099号明細書
【特許文献3】米国特許第5,545,708号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、現在及び将来の輸液セット及び/又はパッチポンプの、進化され、改良され、そして新規な構成部品及びエレメントについて、ユーザーへのある程度の心地よさ維持しつつ、例えば、閉塞、キンキング、及び組織の炎症、及び異物反応のような他の望ましくない問題のルスクを最小化するカテーテルのデザイン、構造、及び実施品をさらに提供する必要性が存在している。
【0013】
本発明の目的は、上述及び他の関心事に実質的に取り組み、インスリン及び非インスリンの適用のために製造上の簡素性及び使用性向上をさらにもたらす、現在及び将来の輸液セット及び/又はパッチポンプの、進化し、改良され、そして新規な構成部品及びエレメントを提供することにある。
【0014】
本発明のもう1つの目的は、ユーザーへのある程度の心地よさを維持しながら、例えば、閉塞、キンキング、及び組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題のルスクを最小にするために、模範的なカテーテルのデザイン、構造、及び実施品を提供することにある。
【0015】
本発明のもう1つの目的は、ユーザーへのある程度の心地よさを維持しながら、例えば、閉塞、キンキング、及び組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題のルスクを最小にするために、デザイン、構造、及び実施品を有するハブであって、固定して取付けられたカテーテルがそれから延びているハブを提供することにある。
【0016】
本発明のもう1つの目的は、ハブから延びる模範的なカテーテルであって、当該カテーテルの1つ以上の長さが剛体材料から構成される模範的なカテーテルを提供することにある。
【0017】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することにあり、ここで剛体材料は、ステンレス鋼、ニチノール、チタン、ポリカーボネート又は環状オレフィンコポリマー(COC)又は他の同種の材料のTOPAS(商標)のような硬質プラスチックの1つ以上を含んでいる。
【0018】
本発明のもう1つの目的は、皮下(SC)注入、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入での使用のために、ユーザーに接触する実質的に柔軟な長さ部を有する模範的なカテーテルを提供することである。
【0019】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、カテーテルには所望の程度の柔軟性を許容すべく、カテーテルの特定の位置の壁を貫通するチャンネル又は溝の連続及び/又は模様が設けられる。
【0020】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、チャンネル又は溝は、カテーテルの挿入のためのコラム強さ、ユーザーの快適さのための柔軟性、及び耐久性、挿入及び取外しのための引張り強度を最適化するために構成され、かつ配列される。
【0021】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、チャンネル又は溝は、例えば、最適化されたカテーテルの挿入のためのコラム強さ、ユーザーの快適さのための柔軟性、及び耐久性、挿入及び取外しのための引張り強度を達成するために、チャンネルの幅、チャンネルの長さ、チャンネル幅の間のブリッジ、平行するチャンネルの間の各コースの幅、チャンネルの角度又はピッチ、及びコースの数を変動させることによって構成されている。
【0022】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、チャンネル又は溝は、カテーテルの末端部分の所望の最小曲げ半径の他に所望の変位量の最大円弧を標的にして構成されかつ配列される。
【0023】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、チャンネル又は溝は、皮下(SC)注入、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入での薬剤配送のための付加的な表面積をもたらすべく構成されかつ配列される。
【0024】
本発明のもう1つの目的は、2つ以上の注入部位、例えば、皮内(ID)及び皮下(SC)に、注入装置の推奨された使用期間中に同時又はそれぞれ間欠的に注入するタイプのための模範的なカテーテル配列を提供することである。
【0025】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、チャンネル又は溝は、レーザー加工、放電加工(EDM)、金属射出成形(MIM)、プラスチック射出成形、化学エッチング、又は同様の技術を用いて構成され得る。
【0026】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、カテーテル本体の少なくとも1つの部分に、カテーテルの挿入のためのコラム強さ、ユーザーの快適さのための柔軟性、及び耐久性、挿入及び取外しのための引張り強度がさらに最適化されたものをもたらすために、柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブのようなコーティングが設けられる。
【0027】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、カテーテルの先端はユーザーの皮膚を通しての挿入を容易にするために、斜めすなわち鋭利化されてもよい。
【0028】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテルを提供することであり、ここで、カテーテルは1つ以上の上述の特徴部を備えるカニューレ又はニードルとして構成されてもよく、そして挿入カニューレ又はニードル及び内在のカテーテルの両方として作用する。
【0029】
本発明のもう1つの目的は、模範的なカテーテル及びハブ係合体を提供することであり、ここで、カテーテルがユーザーの皮膚に埋め込まれ、そしてハブに対して動くのを可能にすべく、カテーテルとハブの間に柔軟な結合体が設けられる。
【0030】
本発明のもう1つの目的は、玉継ぎ手、スライドプレート、及び柔軟なブッシングの少なくとも1つを備える、カテーテルとハブの間の模範的な柔軟な結合体を提供することである。
【0031】
本発明のもう1つの目的は、結合部を介しての薬剤の漏れを防止しつつ、所望の運動を許容すべくシールされる、カテーテルとハブの間の模範的な柔軟な結合体を提供することである。
【0032】
本発明のもう1つの目的は、1つの注入装置の部分として、外側のハブ及びカテーテルのハブで各々が皮膚の表面に別個の接着剤でもって取付けられ、そして2つの間のインスリンの流れが、衝撃又は外側ハブの表面からカテーテルに加えられる力を隔絶すべく、柔軟な流体ライン又は他の同様な連結手段によって達成される2つの別個のハブを提供することにある。
【0033】
本発明のもう1つの目的は、ステンレス鋼の内在カテーテルを覆って組織とニードルの間に生体界面をもたらし、及び/又は柔軟な内在のカニューレのスロットをシールすべく用いられ得る、テフロン(登録商標)又はヴィアロン(登録商標)のような、ポリマースリーブを提供することにある。
【0034】
本発明のもう1つの目的は、鋭利な先端部が組織に露出されず、かつカニューレの剛性がキンキングを抑制し得る点への導入ニードル又は内在の硬いカニューレの部分的な引抜きのためのシステム及び方法を提供することにある。
【0035】
本発明のもう1つの目的は、皮膚の表面に単一の装置として取付けられ得、内側のハブがカテーテルが挿入されている組織に対してのカテーテル位置を維持すべくデザインされ、そしてそれによって、組織の炎症及び異物反応からの結果として次々に起こる出来事を軽減及び排除する2つのハブを構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0036】
これらの及び他の目的は、模範的なカテーテルを有する輸液セット、パッチポンプ、又はそれらのエレメントを提供することによって実質的に達成され、ここで、カテーテルの壁の1つ以上の長さ部には、ある程度のカテーテルの柔軟性をもたらすべく構成され、かつ配列された1つ以上のチャンネル又は溝が設けられている。輸液セット、パッチポンプ、又はそれらのエレメントはまた、チャンネル又は溝を備えるか又は備えないカテーテルのような、柔軟な又は硬いカテーテルを備える模範的なカテーテル及びハブを有することができ、ここで当該カテーテルはカテーテルのスリーブ内に格納され得る。輸液セット、パッチポンプ、又はそれらのエレメントはまた、カテーテルとハブの間に、玉継ぎ手、スライドプレート、及び柔軟なブッシング(ベローズ継手を含む)、柔軟な管類の連結部の少なくとも1つを備え、そして結合部を介しての薬剤の漏れを防止しつつ、カテーテルの所望の運動を許容すべくシールされている模範的な柔軟な結合体を有することができる。そうすることで、カテーテル構造内に剛体材料を用いることに関連する多数の利益がもたらされる一方、同時に、カテーテル構造内に柔軟な材料及び/又はハブと共に柔軟な係合体を用いることに関連する利益もまたもたらされ得、そしてより具体的には、標的の領域にもたらされ得る。
【0037】
すなわち、例えば、溝とチャンネル、柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブのような全てのコーティング、及びカテーテルとハブの間の柔軟な結合体は、キンキング、閉塞、及び組織の炎症や異物反応のような他の望ましくない問題を回避し、かつユーザーの快適さのために柔軟性をもたらすために強度を最適化すべく構成されてもよい。かかるチャンネル、溝、及びコーティングの付加的な利益は、限定はされないが、皮下(SC)注入、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入での薬剤配送のための付加的な表面積を提供することを含むことができる。さらに、柔軟な結合体は、カテーテルとハブの結合部に関連する自由度を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の模範的実施形態の種々の目的、利点及び新規な特徴は、添付の図面と併せて解読されるとき、以下の詳細な説明からより容易に理解されよう。
【図1】本発明の実施形態に従う、1つ以上の模範的なエレメントを含み得る輸液セットの斜視図である。
【図2A】本発明の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図2B】本発明の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図2C】本発明の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図2D】本発明の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図2E】本発明の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態に従う、柔軟な遠位先端をもたらすためのチャンネルを有する模範的な硬いカテーテルの拡大された立面図である。
【図5A】本発明の他の実施形態に従う、柔軟なカテーテルをもたらすためのチャンネルを有する模範的なカテーテルの拡大された斜視図である。
【図5B】図5Aの模範的なカテーテルの拡大された断面図である。
【図5C】本発明の他の実施形態に従う、硬質プラスチックから構成され、柔軟性をもたらすためのチャンネルを有する模範的なカテーテルの拡大された断面図である。
【図5D】本発明の他の実施形態に従う、硬質プラスチックから構成され柔軟性をもたらすためのチャンネルを有する模範的なカテーテルの拡大された断面図である。
【図6A】本発明の他の実施形態に従う、柔軟なカテーテルをもたらすべくコイル構造を有する模範的なカテーテルの拡大された斜視図である。
【図6B】本発明の他の実施形態に従う、柔軟なカテーテルをもたらすべくコイル構造を有する模範的なカテーテルの拡大された斜視図である。
【図6C】本発明の他の実施形態に従う、柔軟なカテーテルをもたらすためのコイル構造を有する模範的なカテーテルの拡大された斜視図である。
【図7】本発明のさらにもう1つの実施形態に従う、可撓連結をもたらすための玉継ぎ手を備える模範的なカテーテル及びハブの可撓性結合体の拡大された断面図である。
【図8】本発明のさらにもう1つの実施形態に従う、可撓連結をもたらすためのスライドプレート式結合部を備える模範的なカテーテル及びハブの可撓性結合体の拡大された断面図である。
【図9】本発明のさらにもう1つの実施形態に従う、可撓連結をもたらすためのブッシュ式結合部を備える模範的なカテーテル及びハブの可撓性結合体の拡大された断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に従う、柔軟なカテーテルを備えた模範的な2部品ハブの拡大された断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態に従う、柔軟なカテーテルを備えた模範的な2部品ハブの拡大された断面図である。
【図12A】本発明の他の実施形態に従う、事実上柔軟又は硬い格納可能な挿入カテーテルを備える模範的なハブの拡大された断面図である。
【図12B】本発明の他の実施形態に従う、事実上柔軟又は硬い格納可能な挿入カテーテルを備える模範的なハブの拡大された断面図である。
【図13A】本発明のさらに他の実施形態に従う、事実上柔軟又は硬い格納可能な挿入カテーテルを備える模範的なハブの拡大された断面図である。
【図13B】本発明のさらに他の実施形態に従う、事実上柔軟又は硬い格納可能な挿入カテーテルを備える模範的なハブの拡大された断面図である。
【図14】鋭利な端部を保護するためにスリーブ内への事実上柔軟又は硬い挿入カテーテルの僅かな格納を解説している。
【図15A】本発明のさらにもう1つの実施形態に従い形成された、硬い内部の空腔と外部のポリマーのスリーブとを備える模範的な注入カテーテルの拡大された断面図である。
【図15B】図15AのA-A,B-B、C-C、及びD-D線にそれぞれ沿って取った注入カテーテルの断面図である。
【図15C】図15AのA-A,B-B、C-C、及びD-D線にそれぞれ沿って取った注入カテーテルの断面図である。
【図15D】図15AのA-A,B-B、C-C、及びD-D線にそれぞれ沿って取った注入カテーテルの断面図である。
【図15E】図15AのA-A,B-B、C-C、及びD-D線にそれぞれ沿って取った注入カテーテルの断面図である。
【図16】本発明の実施形態に従う、双数の貯留部及び双数空腔の輸液セットを備える模範的な注入ポンプを図示している。
【図17A】本発明の実施形態に従う、鋳造され、成形され、又は中実のロッドから機械加工された模範的な注入カテーテルの拡大された断面図である。
【図17B】図17Aの注入カテーテルの斜視図である。
【図18A】本発明の実施形態に従い、模範的な注入カテーテル、及びかかる複数空腔のカニューレを平らなシートから作る形成順序を図示している。
【図18B】本発明の実施形態に従い、模範的な注入カテーテル、及びかかる複数空腔のカニューレを平らなシートから作る形成順序を図示している。
【図18C】本発明の実施形態に従い、模範的な注入カテーテル、及びかかる複数空腔のカニューレを平らなシートから作る形成順序を図示している。
【図18D】本発明の実施形態に従い、模範的な注入カテーテル、及びかかる複数空腔のカニューレを平らなシートから作る形成順序を図示している。
【図18E】本発明の実施形態に従い、模範的な注入カテーテル、及びかかる複数空腔のカニューレを平らなシートから作る形成順序を図示している。
【図19】本発明の実施形態に従う、1つは皮内(ID)組織への注入、1つは皮下(SC)組織への注入のための2つのカテーテルを備える模範的な注入ポンプを図示している。
【図20】本発明の実施形態に従う、皮内(ID)組織、皮下(SC)組織、又は皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織の両方のいずれかに選択的に注入を向わせるために電子的に制御されるバルブを備えた模範的な注入ポンプ及びセットを図示している。
【図21A】本発明の実施形態に従う、低圧の流れを皮下(SC)組織、及び高圧の流れを皮内(ID)組織に選択的に向わせる模範的な流体バルブ構造を図示し、ここでバルブ構造は高圧の状態で示されている。
【図21B】バルブ構造が低圧の状態で示されている図21Aの流体バルブ構造を図示している。
【0039】
図面の全体に亘り、同一符号は、同一の部品、構成要素及び構造を意味していると理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に説明される模範的実施形態は、かかる満たされていない欲求に取り組み、インスリン及び非インスリンの適用の両方に対し、製造上の簡素性及び使用性の向上をさらにもたらす、現在及び将来の輸液セット及び/又はパッチポンプの多数の進化され、改良され、そして新規な構成部品及びエレメントを図解している。例えば、使用サイクルの間中、カテーテルのキンキング、閉塞、及び組織の炎症、及び異物反応のような他の望ましくない問題を低減ないしは排除することは、満たされていない欲求である。現在の市販品と異なり、以下に詳細に説明される模範的実施形態は、ハイブリッドであり、カテーテルのキンキング、閉塞及び組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題に帰結する状態を実質的に低減及び排除するために、多重の材料、構成部品、特徴部及び動作を組み合わせて組み込んでいる。これらの実施形態の個々の特徴部はユーザーの必要を満たすために多くの方法で組み合わせられ得るけれども、かかる模範的実施形態は別個の説明で呈示されている。
【0041】
当業者には理解されるように、ここに開示されるインスリン関連の装置の実施例、改良例、及び配列例を実施するには多数の方法が存する。図面に描写された模範的実施形態及び下記の説明が参照されるが、ここに開示される実施形態は、開示される発明によって包括される種々の代替的なデザイン及び実施形態の全てであるとは意味されていない。
【0042】
以下に説明される現在の装置の模範的実施形態は、ユーザーへのある程度の心地よさを維持しながら、例えば、閉塞、キンキング、及び組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題のルスクを最小にするためのカテーテルのデザイン、構造、及び実施の領域における、多数の特徴部及びエレメントを図示している。模範的なエレメントの集まりが、以下により詳細に説明される本発明の実施形態を紹介するのに役立つ図1に、例として示されている。
【0043】
図1は、下記の特徴部を含む模範的な輸液セット10を図示している。図1に示されるように、模範的な輸液セット10は、ハブ12、カテーテル14、流体ラインチューブセット16、及びコネクタ18を備えている。付加的な輸液セットエレメント及び詳細は、簡明化のために省略されている。さらに、全内臓式のパッチ装置では、流体ラインチューブセット16及びコネクタ18が省略される。下記の説明では、模範的な輸液セット10又は多数の他の同様な装置と共に使用されるべく提供され得る、カテーテル14及びカテーテルとハブの連結体14/12の多数の模範的実施形態がより詳細に説明される。
【0044】
当業者には知られているように、カテーテルは、輸液セットから注入部位までの流体の連通をもたらす目的のために、導入ニードルが取外された後に内在して残るポリマーチューブを備えてもよい。カニューレは、内在して残り得る剛体のチューブを備えてもよい。しかしながら、以下に説明される下記の模範的実施形態の多くは、ハイブリッド、すなわち、カニューレとカニューレ特徴部、及びスリーブ又はカテーテルとカテーテル特徴部、及び内在の柔軟なカニューレとしての機能の組合せを組み込んでいる。しかしながら、議論を単純化するために、該ハイブリッドの内在の柔軟なカニューレは、カテーテルとして単に説明される。
【0045】
上で述べたように、カテーテル14のカテーテル壁の1つ以上の長さ部には、1つ以上のチャンネル又は溝、及び/又はある程度の柔軟性をもたらすべく構成かつ配列された、柔軟なスリーブのようなコーティング又は外側被覆されたコーティング/スリーブが設けられ得る。そうすることで、カテーテル構造内での剛体材料の使用に伴う多くの利益がもたらされる一方、同時に、カテーテル構造内での柔軟な材料の使用に伴う多くの利益もまたもたらされ、より詳しくは、標的にする領域においてもたらされる。すなわち、例えば、溝、チャンネル、及び/又はコーティングは、閉塞、キンキング、及び組織の炎症及び異物反応のような他の望ましくない問題を回避し、そしてユーザーの快適さのための柔軟性をもたらすために、強度を最適化すべく構成されている。仮に、カテーテルが柔軟でないと、より大きな程度の刺激及び結果としての炎症が生じて、開存性の喪失又は注入部位での組織によるインスリン摂取の減少を引起し、それは時間とともに次第に悪化するであろう。したがって、柔軟なカテーテル又は生体界面を備えるカテーテルを提供することは、注入部位の組織内での所望の生物学的処理を促進することになる。
【0046】
かかるチャンネル又は溝の追加の利益は、限定はされないが、皮下(SC)注入、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入での薬剤の配送のための追加の表面積をもたらすこと、挿入カニューレ又はニードル、及び内在のカテーテルの両者として作用させるために、上述の特徴部を1つ以上備えるカニューレ又はニードルを形成すること、1つ以上の組織の位置又は種類、例を挙げると、皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織に、同時に又はそれぞれ間欠的に注入することができる複数空腔のカテーテルを形成すること、を含むことができる。多数の模範的なカテーテルが、今、個々により詳しく説明される。
【0047】
上で述べたように、現存する輸液セットのカテーテルは、ステンレス鋼のような剛体材料、又は軟らかいプラスチック、フッ素化されたポリマーなどのような軟質材料のいずれかから製造されている。しかしながら、軟らかいプラスチックのカテーテルは、通常の損耗によって、キンキング及び/又は閉塞したりする傾向があり、そして硬いカテーテルはしばしば心地良くないとされ、そしてカテーテルの剛性がユーザーに組織内での動きを感じさせ、かつまた、組織内での動き及び組織内での次の炎症反応のせいで流れの停止を生じさせるので、2日を超える使用は推奨されていない。
【0048】
従来のカテーテルの構造、デザイン及び実施に関連するかかる問題を解決するために、本発明の模範的実施形態は、インスリン又は他の薬剤を、例えば、皮下(SC)注入、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入を経由して、ユーザーへ配送又は注入する輸液セットの改良された且つ新規なエレメントを備えている。例えば、上で述べたように、輸液セット10は、 典型的には、固定的に取付られたカテーテル14とチューブセット16とを含むハブ12を備えている。チューブセット16は、ハブ12をコネクタ18を介して注入ポンプ又は他のインスリン供給源(不図示)に連結する。そうすることで、当該チューブセット16は、注入ポンプの貯留部とハブ12との間に流体の連通をもたらす。
【0049】
ハブ12は、患者の皮膚表面(不図示)にハブの下面に配置された接着剤(不図示)を用いて、貼着されてもよい。図1に示されるように、カテーテル14は、本発明の実施形態はそれに限定されないが、好ましくは、少なくとも一部分についてハブ12の下面からほぼ直角に突出している。ハブ12の下面から延びているカテーテル14は、部分的又は全体的に、ステンレス鋼、ニチノール(ニッケルとチタンの合金)、チタンのような剛体材料、又はPEEK(Polyetheretherketone)、ポリカーボネート、COCであるTOPAS(商標)又は同様の材料のような硬質プラスチックからなってもよい。しかしながら、軟らかいプラスチックのカテーテルは、通常の損耗によってキンキング及び/又は閉塞する傾向があり、そして硬いカテーテルはしばしば心地良くない。
【0050】
したがって、本発明の模範的実施形態においては図2A-2E、3、4、5A-5D、及び6の拡大された図に示されるように、ユーザーの組織に接触するカテーテル14の一部分及び長さ部がチャンネル又は溝の連続又は模様によって柔軟に作られている。当該チャンネル又は溝は、カテーテルの改良された挿入性のためにカテーテル14のコラム強さを最適化し、ユーザーの快適さのために柔軟性をもたらし、そしてさらに、耐久性、挿入及び取外しのために引張り強さをもたらすべくデザインされている。模範的実施形態においては、カテーテルの全長の一部分が装置の内側に延在することができ、そして下記の説明の目的のために、カテーテルは、ハブから延びる部分、又は代わりに、ハブから延びているカテーテルの長さ部として述べられている。
【0051】
以下に説明される本発明の模範的実施形態において、カテーテルには、組織を突き刺しかつ配備の間にカテーテルへの損傷に耐えるために現在のところ必要とされている剛性のスリーブ、すなわち、ガイドの助け無しに、カテーテルが埋められるのを許容すべく、十分な完全性と鋭利化された、自己突刺し先端30が提供されてもよい。さらに、かかる本発明の模範的実施形態は、複雑な配備の機械化の必要性を低減し、それによって、挿入具の全体の大きさを低減させ、そして挿入具が注入ポンプの一体的部品となるのを潜在的に許容する。
【0052】
図2Aの模範的実施形態に示されるように、カテーテル14a(大きさのためには図示されていない)にはチャンネル又は溝24の連続又は模様が設けられている。図2Aのカテーテル14aは、外径20、内径22、及びカテーテル壁の中及び/又はそれを貫通してエッチングされ、切出され、、成形され、又は他の方法で創成された(すなわち、レーザー切断又は化学的にエッチングされた)1つ以上の溝24を備えている。図示された模範的実施形態の溝24は、内/外表面に直角、かつハブ12の底表面に平行に設けられている。各々の溝24は、切られていない区分26によって隣接した溝から距離を空けて配置され、かつ切られていない区分28によって隣接した平行な溝から距離を空けて配置されている。さらに、図2Aに示されるように、切られていない区分26は、少なくとも1つ以上の切られていない区分26が隣り合わないように、ジグザグに配置されている。
【0053】
本発明の模範的実施形態において、溝24は全ての適切な大きさであり得るが、好ましくは、0.05mmないし0.5mmの幅及び0.5mmないし1.0mmの長さであり、切られていない区分26は0.05mmないし1.0mmの長さで溝24と同じ幅、そして溝24の間の切られていない区分28は0.05mmないし1.0mmである。チャンネル又は溝は、1つ、2つ又はそれ以上の軸方向において柔軟性をもたらし、そしてカテーテルの挿入性向上のためのカテーテルのコラム強さや、一旦埋め込まれたときのつぶれ又はキンキングを防ぐフープ強さを最適化し、ユーザーの快適さのために柔軟性をもたらし、そしてさらに、耐久性、挿入及び引抜きのための引張り強度をもたらすようにデザインされている。
【0054】
図2Aに示された実施形態においては、チャンネル24の連続又は模様はカテーテル14aの端部の近くに位置されている。すなわち、カテーテル14aのハブ12に最も近い部分は無傷のまま残っており、そしてチャンネル24の連続又は模様がカテーテル14aの反対側の端部の近くに設けられている。チャンネル24の連続又は模様は、患者の皮膚を通る挿入を容易にすべく斜めすなわち鋭利化され得る鋭利化された自己突刺し先端30の近くの点で終了されている。かかる鋭利化されている自己突刺し先端30の模範的実施形態は、図5A、5B、及び6により詳しく図示されており、以下により詳細に説明される。図5A、5B、及び6より詳細に示されるように、鋭利化されている自己突刺し先端30は斜めの先端を創造すべくラジウスカットを備えることができる。挿入を許容するかかる鋭利化された自己突刺し先端30が設けられているカテーテルの場合、当該カテーテルはまた挿入ニードルとして作用することができ、それによりさらに、挿入ステップの複雑さを軽減する。
【0055】
連続又は模様チャンネルがそうするのに適切な方法で位置されている場合、かかるチャンネルはまた、標的にされる流体の連通のために用いられ得る。しかしながら、そうするべく位置されていない場合、1つ以上のチャンネルが、以下により詳細に説明される柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブのような生体界面鞘又はコーティングでもってシールされてもよい。
【0056】
この又は以下に説明される他の模範的実施形態において、チャンネルの連続又は模様は、カテーテルの1つの端部又は両端部の近く、又はそれらの間の部分、又はそれぞれの組合せ位置に設けられてもよい。さらに他の模範的実施形態において、カテーテル本体のほぼ全体にかかるチャンネルの連続又は模様が設けられてもよい。図示された模範的実施形態は例証目的のためのみであり、本発明をチャンネルの連続又は模様の特異的分布領域に限定するようには意図されていない。
【0057】
本発明の模範的実施形態において、カテーテル14aは全ての適切な大きさであり得るが、好ましくは、0.20mmないし0.78mmの内径22、及び0.25mmないし0.8mmの外径20を備え、3.5mmないし12mmの長さである。カテーテル14aの末端部における第1の溝24は、カテーテルの末端部から0.5mm及び2.0mmの間に設けられ、そして最後の溝はベース12から2.5mmないし3.0mmに設けられてもよい。そうすることで、1.5mm及び9.0mm長の間のカテーテル14aの長さにチャンネル24が設けられる。第1の溝が鋭利部の背面角に干渉するような場合には、第1の溝がカテーテルの末端部からより大きな距離に設けられてもよい。チャンネル又は溝は、1つ、2つ、又はそれ以上の軸方向において柔軟性をもたらし、そしてカテーテルの挿入性向上のためのカテーテルのコラム強さや、一旦埋め込まれたときのつぶれ又は閉塞を防ぐためのカテーテルの強さを最適化し、ユーザーの快適さのために柔軟性をもたらし、そしてさらに、耐久性のための引張り強度をもたらすようにデザインされている。
【0058】
図2Aに図示された模範的実施形態において、チャンネル24の各々は内/外表面に対して直角で、ハブ12の底表面に平行に設けられている。しかしながら、本発明のこの及び他の模範的実施形態において、チャンネルは非直角に設けられてもよい。
【0059】
内/外表面に直角でハブの底表面に平行に設けられたチャンネルを備える多数の本発明の他の模範的実施形態が図2Bないし2Eに図示されている。図2Bに示されるように、カテーテルは交互する「上側」及び「下側」のチャンネル24aを有してもよい。
【0060】
図2Cに図示された模範的実施形態において、当該カテーテルは反対する「上側」及び「下側」のチャンネル 24bと、反対する「前側」及び「後側」の(すなわち、上側及び下側のチャンネルから90度回転されている)チャンネル24cとを有して図示されている。チャンネル24b及び24cの寸法は、図2Bのそれと同様である。図2Dに図示された模範的実施形態において、カテーテルは反対する「上側」及び「下側」のチャンネル24dを有しているが、図2Bのそれらよりも深さが浅いチャンネル24dを有して図示されている(すなわち、チャンネルは全ての方向での柔軟性を許すべく図2Bの実施形態において中心線に交差し、図2Dの実施形態においては、チャンネルは短く又は中心線で停止している)。図2Eに図示された模範的実施形態において、カテーテルは、図2B、2C及び2Dのそれらよりもさらに深い「上側」のチャンネル24eのみを有して図示されている。かかる実施形態において、チャンネルの幅、深さ、及び他の配置上の特徴部は、柔軟性の度合い及び方向を容認するためのファクターとして用いられ得る。
【0061】
図3の模範的実施形態に示されるように、カテーテル14b(大きさのためには図示されていない)にはまた、鋸歯模様に構成されているチャンネル又は溝34の連続又は模様が設けられている。図3のカテーテル14bは、外径20、内径22、及びカテーテル壁の中及び/又はそれを貫通してエッチングされ、切出され、成形され、又は他の方法で創成された1つ以上の溝34を備えている。図示された模範的実施形態における溝34は、内/外表面に対し、及びハブ12の底表面に対して鋸歯模様に設けられている。溝34の各々は、切られていない区分36によって隣接した溝から距離を空けて配置され、かつ切られていない区分38によって隣接した溝から距離を空けて配置されている。模範的実施形態において、10度と45度の間の角度40が用いられ得るが、本発明はそれに限定されない。例えば、本発明のさらに他の実施形態において、溝34は実質的に正弦波模様で設けられ得る。さらに、図3に示されるように、切られていない区分36は、少なくとも1つ以上の切られていない区分36が隣り合わないように、ジグザグに配置されてもよい。
【0062】
本発明の模範的実施形態において、溝34は全ての適切な大きさであり得るが、好ましくは、0.05mmないし0.5mmの幅、及び0.5mmないし1.0mmの長さであり、切られていない区分36は0.05mmないし1.0mmの長さで溝34と同じ幅、及び溝34の間の切られていない区分38は0.05mmないし1.0mmであってもよい。
【0063】
図3に図示された模範的実施形態において、チャンネル34の連続又は模様はまた、カテーテル14bの端部の近くに位置されている。すなわち、カテーテル14bのハブ12に最も近い部分は無傷のまま残り、そしてチャンネル34の連続又は模様がカテーテル14bの反対側の端部の近くに設けられている。チャンネル34の連続又は模様は、患者の皮膚を通しての挿入の容易化のために斜めすなわち鋭利化され得る鋭利化された自己突刺し先端30の近くの点で終了されている。
【0064】
本発明の模範的実施形態において、カテーテル14bは全ての適切な大きさであり得るが、好ましくは、0.20mmないし0.78mmの内径22、及び0.25mmないし0.8mmの外径20を備える3.5mmないし12mmの長さである。カテーテル14bの末端部における第1の溝34は、カテーテルの末端部から0.5mmないし2.0mmに設けられ、最後の溝はベース12から2.5mmないし3.0mmに設けられ得る。そうすることで、1.5mmから9.0mm長さのカテーテル14b長さに、チャンネル34が設けられ得る。第1の溝が鋭利部の背面角に干渉するような場合には、第1の溝がカテーテルの末端部からより大きな距離に設けられてもよい。
【0065】
図示された模範的実施形態において、カテーテルは注入部位の組織に薬を移送する(すなわち、クロスポーティング)手段を提供し、そしてそれ故に、スロットはカテーテルの基端部まで遡って延在していない。約3mmであるこの距離は、クロスポートをSC組織内に位置決めし、そして皮内(ID)組織への薬の流れを禁止すべく意図されている。画像2B、2C、2D、2E、5A、5B、5C、5D、6、10、11、12A、12B、13A、13B、及び14に図示されたコンセプトのために、カテーテルは先端の斜め部の直後で始まる距離から柔軟にされ、そして柔軟なカテーテルがその軸線に直角に組織に入りかつ延在するために平坦な面又はハブの軸から「くねる」のを許容すべく、輸液セットのハブ内に延びている。
【0066】
図4の模範的実施形態に示されるように、カテーテル14cにはまた、カテーテルの中心軸の回りに向けられた螺旋模様に構成されているチャンネル又は溝44の連続又は模様が設けられてもよい。らせんは、円筒、この場合、カテーテルの本体の表面に沿って走る3次元のコイルである。図4のカテーテル14cは、外径20、内径22、及びカテーテル壁の中及び/又はそれを貫通してエッチングされ、切出され、成形され、又は他の方法で創成された1つ以上の溝44を備えている。図示された模範的実施形態における溝44は、内/外表面及びハブ12の底表面に対して螺旋模様に設けられ、そしてカテーテルの中心軸の回りに向けられている。溝44の各々は、切られていない区分46によって隣接した溝から距離を空けて配置され、かつ切られていない区分48によって隣接した溝から距離を空けて配置されている。さらに、図4に示されるように、切られていない区分46は、少なくとも1つ以上の切られていない区分46が隣り合わないように、ジグザグに配置されている。
【0067】
本発明の模範的実施形態において、溝44は全ての適切な大きさであり得るが、好ましくは、0.05mmないし0.5mmの幅、及び0.5mmないし1.0mmの長さで、切られていない区分46が、0.05mmないし1.0mmの長さで溝44の幅であり、そして溝44の間の切られていない区分48が、0.05mmないし1.0mmであってもよい。
【0068】
図4に示されている実施形態において、チャンネル44の連続又は模様はまた、カテーテル14cの端部の近くに位置されている。すなわち、カテーテル14cのハブ12に最も近い部分は無傷のまま残り、そしてチャンネル44の連続又は模様がカテーテル14cの反対側の端部近くに設けられている。チャンネル44の連続又は模様は、患者の皮膚を通る挿入を容易にするために、斜めに、すなわち、鋭利化され得る、鋭利な自己突刺し先端30の近くの点において終了されている。
【0069】
本発明の模範的実施形態において、カテーテル14cは全ての適切な大きさであり得るが、好ましくは、0.20mmないし0.78mmの内径22と0.25mmないし0.8mmの外径20とを備えた、3.5mmないし12mmの長さである。カテーテル14cの末端部における第1の溝44は、カテーテルの末端部から0.5mmないし2.0mmに設けられ、そして最後の溝はベース12から2.5mmないし3.0mmに設けられてもよい。そうすることで、1.5mm及び9.0mmの間の長さのカテーテル14cの長さ部にチャンネル44が設けられる。鋭利部の背面角に第1の溝が干渉するような場合には、第1の溝はカテーテルの末端部からより大きな距離に設けられてもよい。
【0070】
上で述べたように、さらに他の模範的実施形態において、末端部及び基端部の間のカテーテル本体のほぼ全体に、かかるチャンネルの連続又は模様が設けられてもよい。この場合には、チャンネルの連続又は模様は流体の連通のためには位置決めされず、それ故に、1つ以上のチャンネルが、以下により詳細に説明されるように、柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブのような生体界面鞘又はコーティングでもってシールされてもよい。
【0071】
上述の模範的実施形態を用いることによって、装置は、挿入カニューレ又はニードル及び内在のカテーテルの両者として作用するように、上述の特徴部を1つ以上備えるカニューレ又はニードルを提供すべく構成され得る。かかる模範的実施形態の1つが図5A及び5Bに図示され、そして好ましくは、鋭利化されている自己突刺し先端30と、実質的にシャフト全体に沿ってカテーテルの壁中及び/又はそれを貫通してエッチングされ、切出され、成形され、又は他の方法で創造(すなわち、レーザー切断又は化学的にエッチング)された交互する平行なスロット52とを備える硬いカテーテル14d(例えば、ステンレス鋼)を備えている。スロット52は、実質的に図2Aないし2Eの模範的実施形態に関して上述したように設けられてもよく、ここでスロット52の間の間隔は、図示のようにか、又は図3及び4の模範的実施形態に関して上述したように、スロットの端部の僅かなオーバーラップをもたらすべく構成されてもよい。しかしながら、本発明の模範的実施形態は、極端な値の24から34ゲージのカテーテルゲージに関して説明されているので、上述の数字寸法は変わり得るスロット/間隔の関係に帰し得る。例えば、34ゲージのカテーテルについては、最も短い長さのスロット、すなわち、0.5mm長さが、直径の周りに1つのアタッチメント点を許すのみであり、デザインの代替性及び装置の性能を制限するであろう。
【0072】
したがって、図5Bに図示されているように、極値の、又はそれらの間の値のカテーテルは、壁厚T(すなわち、外径が約3T、及び内径が約T)を有するようにデザインされてもよい。そうすることで、チャンネル52の各々は1Tから6Tの幅、そして好ましくは、2Tと3Tとの間に存し得る。チャンネル間の切られていない間隔は1Tと6Tとの間、そして好ましくは、2Tと3Tとの間に存し得る。
【0073】
図5A及び5Bの実施形態において、交互するスロット52はカテーテル14dが曲がるのを可能にし、さらにユーザーの皮膚内への挿入のために必要な剛性すなわちコラム強さをもたらすが、快適な内在のカテーテルをもたらすべく曲がる。模範的なステンレス鋼のカテーテル14dは、好ましくは、末端部に鋭利化されている自己突刺し先端30を有する単一の本体である。図5Aに示されるように、鋭利化されている自己突刺し先端30は、斜めの先端を創造すべくラジウスカットを備えてもよい。挿入を許容すべくかかる鋭利化された自己突刺し先端30がカテーテルに設けられている場合には、カテーテルは挿入ニードルとして作用することができ、それによって、さらに、挿入ステップの複雑さを軽減する。
【0074】
さらに、図5Aの露出された図解部分によって図示されるように、カテーテル14dは、スリーブ54aを創造すべく、ヴィアロン(登録商標)又はテフロン(登録商標)のようなコーティングによって、ある所望の部分を覆って鞘付けられ又は被覆されてもよい。当該スリーブ54aは、薬流体がカテーテルの先端を通ってユーザーに入るのを可能にする生体適合性の外側の流体シールをもたらし、スロット52を介しての漏出が生じないためのシールをもたらし、及び/又は挿入カニューレ又は内在のカテーテルの鋭利な端部を覆うべく、それが僅かに中に引き込まれ得るカバーをもたらしている。
【0075】
外側の鞘又はスリーブ54aは、適切な内径に処理され、そして取付のためにカテーテル14dを覆って引かれてもよい。特定の鞘又はスリーブの材料に応じて、この取付けは、浸漬コーティング処理、熱収縮、ボンディング、又は他の適切な処理によって促進されてもよい。外側の鞘又はスリーブ54aは、ステンレス鋼の内在カテーテルを覆い、そして組織とニードルの間の生体界面をもたらし、及び/又は柔軟な内在のカニューレのスロットをシールすべく用いられ得る、テフロン(登録商標)又はヴィアロン(登録商標)のようなポリマースリーブであってもよい。模範的なヴィアロン(登録商標)材料の付加的な開示は、共通に譲渡されているMin-Shiu Lee et al.の特許文献1(米国特許第5,226,899号)、及び特許文献2(米国特許第5,453,099号)、Theo Onwunaka et al.の特許文献3(米国特許第5,545,708号)、及びGary Searle et al.の米国特許出願第12585,061号に見出され、全体の内容、開示及びそれぞれの主題は、参照により明示的にここに組み込まれている。本発明のさらに他の模範的実施形態において、全ての適切な流体密封の材料が柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブのような鞘又はコーティングを形成するために用いられてもよい。本発明のこの又は他の模範的実施形態において、一旦挿入されるとより柔らか及び/又はより柔軟になる材料もまた用いられてもよい。
【0076】
かかるポリマー、外側被覆、及び他の構造技術及び材料は、内在のカニューレ又はカテーテルの構造においても用いられ得る。例えば、図5C及び5Dは、本発明の実施形態に従い、硬質プラスチックで構成され、柔軟性をもたらすためのチャンネルを有している模範的なカテーテルの一部分の拡大された断面図である。
【0077】
図5Cにおいて、射出成形され硬質プラスチックで構成された模範的なカテーテル14eが図示され、ここでスロット24fが柔軟性をもたらしている。カテーテル14eは射出成形されているので、スロット24f、ニードルポイント、及び他の全ての仕上がり特徴部が、第2の操作が必要とされないような所望の形態に成形され得る。さらに、図5Aに示された実施形態と同様に、外側被覆された外側の鞘又はスリーブ54bは、テフロン(登録商標)又はヴィアロン(登録商標)のようなポリマーからなり、そしてカテーテルを覆い、組織とカテーテルとの間に生体界面をもたらし、及び/又はカテーテルのスロットをシールすべく用いられている。
【0078】
同様の模範的実施形態が図5Dに図示され、ここでは射出成形された硬質プラスチックで構成された模範的なカテーテル14fが示されており、ここにスロット24gが柔軟性をもたらしている。カテーテル14fは、再度、射出成形されているので、スロット24g、ニードルポイント、及び他の全ての仕上がり特徴部が、第2の操作が必要とされないような所望の形態に成形され得る。さらに、押し出された外側の鞘又はスリーブ54cは、テフロン(登録商標)又はヴィアロン(登録商標)のようなポリマースリーブからなり、そしてカテーテルを覆い、組織とカテーテルとの間に生体界面をもたらし、及び/又はカテーテルのスロットをシールすべく用いられている。模範的実施形態において、外側のスリーブは、2ショット成形プロセスの部分として外側被覆され、又は別個に押し出されて挿入カニューレ又は内在のカテーテルに組立られてもよい。
【0079】
カテーテル本体の実質的に全体にチャンネルのかかる連続又は模様が設けられ得るさらに他の模範的実施形態が図6Aに図示され、そして好ましくは、トーションスプリング56に取付けられた、鋭利化されたステンレス鋼のような硬いニードル先端32を備えたカテーテル14gからなる。ニードル先端32及びその鋭利化されている自己突刺し先端30は、ユーザーの皮膚への穿通を可能にし、そして好ましくは、トーションスプリング56に溶接されるが、如何なる適切な方法を用いて取り付けられてもよい。
【0080】
トーションスプリング56は、上述の実施形態と同様の利益をもたらし、すなわち、それは快適さのための柔軟性、及び耐久性のための引張り強度をもたらす。かかるトーションスプリング56は、トーションスプリングの内側キャビティ内の流通流体をシールするヴィアロン(登録商標)又はテフロン(登録商標)のスリーブ58のような柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブ材料のようなコーティングによって、ある所望の部分を覆って鞘付けられ又は被覆されてもよい。
【0081】
図6Bに図示されたもう1つの模範的実施形態において、トーションスプリング57はまた、中実の鋼カニューレの基端部分、すなわち、鋭利な先端部30の背後から連続する渦巻き又はらせんにレーザー光を当てることによって、レーザー切断又は化学的にエッチングされてもよい。この場合に、基端部は開かれるか又は閉じられてもよい(すなわち、内容物を配送すべく開いている、又は他の開口を通しての内容物の配送を強いるべく閉じられている)。そうすることで、ワンピースの渦巻き又はらせんの切断構造は、シャフトが柔軟であること、挿入を可能にするコラム強さが維持されることを可能にし、及び、内部空腔のつぶれを防止するフープ強さが維持されるのを許容する。上述の実施形態と同様に、トーションスプリング57は、トーションスプリングの内側キャビティ内の流通流体をシールするヴィアロン(登録商標)又はテフロン(登録商標)のスリーブ58のような柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブ材料のようなコーティングによって、ある所望の部分を覆って鞘付けられ又は被覆されてもよい。
【0082】
図6Cに図示されたもう1つの模範的実施形態において、トーションスプリング56は連続する長さのトーションスプリングから製造され、そしてその後、当該スプリングの端部におけるいくつかのコイルを結合すべく連続溶接のレーザー光を当て、そしてその後、斜めの端部31を創造すべく溶接された端部を磨く。上述の実施形態と同様に、トーションスプリング56は、トーションスプリングの内側キャビティ内の流通流体をシールするヴィアロン(登録商標)又はテフロン(登録商標)のスリーブ58のような柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブ材料のようなコーティングによって、ある所望の部分を覆って鞘付けられ又は被覆されてもよい。
【0083】
上述の模範的なカテーテルには、適切なワイヤー又はスプリングの断面、内径、及び外径が与えられてもよく、そして代替的に、当業者には評価されるように、内部の径を最大にすべく矩形断面を備えてもよい。加えて、各々の端部はユーザーへの薬の流れのための開口を備える必要もない。閉じられた端部を備え、そして先端部の近く又はユーザーへの薬の流れを可能にする何処かに位置された側部ポートを有する実施形態を実施することが望ましいかもしれない。先細にされた先端部又はその近くに複数の孔を有している模範的なカテーテル、及びかかるカテーテルを構成する及び用いる方法は、2009年4月21日に出願された「Systems And Methods For Improving Catheter Hole Array Efficiency」という名称の米国特許出願第12/427,633号に記載されており、その全体の内容、開示、及び主題はここに参照することによって明示的に組み込まれている。他の模範的実施形態において、柔軟なカテーテルは、ユーザーの皮膚へ入るためのカテーテルに対して、随意に硬化された鋭利化されている先端部と連結されてもよい。
【0084】
上述の実施形態のいずれかに用いられる付加的な特徴はカテーテルをヘパリン化する手段を提供している。カテーテルのヘパリン化はユーザーの皮膚内への初めの挿入の前又は変化する挿入及び引抜き動作中に遂行されてもよい。ヘパリン化は、当業者に利用可能な如何なる方法によっても、カテーテルをヘパリンでコーティングすることにより遂行され得る。ヘパリン化されたカテーテルは、注入部位において、注入部位を妨害、さもなければ悪化させる血液凝固を防止することによって、注入部位の保護を促進し得る。薬ヘパリンは、抗凝血剤ファミリーの中の1つであり、そして当業者は、本発明の実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく同様の利益を得るため類似の薬に置換され得ることを理解するであろう。
【0085】
末端部分、すなわち、ユーザーの組織に接触するカテーテルの長さ部分にチャンネルを設けることによって、カテーテルの硬い部分、すなわち、長さ部分を維持しながら、カテーテルの一部分、すなわち、長さ部分が柔軟に作られる。チャンネル又は溝は、改良されたカテーテル挿入のためにカテーテルのコラム強さを最適化し、ユーザーの快適さのために柔軟性をもたらし、そしてさらに、耐久性のために引張り強度をもたらすべくデザインされている。
【0086】
上述のカテーテルの構造、デザイン、及び実施品において、各チャンネルの幅、各チャンネルの長さ、各ブリッジ、すなわち、チャンネルの間の切られていない区分の幅、平行なチャンネルの間の切られていない区分の幅、カテーテルの軸線に対するチャンネルの角度又はピッチ、及びコースの数は、カテーテル軸線の末端部分の所望の最小曲げ半径、及び変位量の最大円弧をもたらすべく決定されてもよい。チャンネル又は溝は、カテーテルの厚さ全体を通り抜けて構成されてもよく、又はカテーテルの1つの壁、すなわち、外及び内表面の間の全体又はそのある部分を通って構成されてもよい。本発明のこれらの及び他の実施形態において、上述のように構成された溝又はチャンネルのいずれもの組合せが、所望の通り提供され得る。すなわち、図2ないし6に図示されている溝又はチャンネルの1つ以上が、コーティング又は鞘を含む、単一のカテーテルに設けられ得る。
【0087】
さらに、上で述べたように、カテーテルの末端部分にチャンネル又は溝が存在することはまた、ユーザーの組織への薬剤の配送のための付加的な表面積を許容する。すなわち、薬物がカテーテルを経由して標的の領域へ配送されるとき、ある配送は、そのようにするのが望ましいときには、設けられた溝又はチャンネルを経由して起こる。他の模範的実施形態において、カテーテルは、薬流体がカテーテルの先端部を通ってユーザーに入るのを可能にする生体適合性のある外側の流体シールをもたらし、及びスロットを介しての漏れを生じさせないシールをもたらすスリーブを創造すべく、ヴィアロン(登録商標)又はテフロン(登録商標)のようなコーティングによって、ある所望の部分を覆って鞘付け又は被覆され得る。
【0088】
さらに、本発明の各実施形態において、チャンネル又は溝は、障害物、望ましくない縁部、又はデッドスペースの創造なしに、チャンネル又は溝がカテーテルの壁を通してきれいに切除されるように、レーザー加工、放電加工(EDM)、金属射出成形(MIM)、プラスチック射出成形、化学エッチング、又は同様の技術を用いて、構成されてもよい。
【0089】
要求があれば、カテーテルは柔軟性を誘導するために使用された処理、例を挙げると、レーザー切断、EDM、化学エッチング等の後に、再加工(すなわち、第2の作業)されてもよい。例えば、電解研磨は表面の不完全性の除去のために用いられ得、改良された生体適合性及び耐腐食性のための酸化皮膜を創造する。表面安定化処理は、表面から鉄汚染を除去するために、ステンレス鋼及びある量の鉄の合成物、例えば、ニチノールを含む他の金属から作られたカテーテルと共に用いられ得る。マイクロブラスティングもまた、外側被覆のために清澄で質感のある表面を確立させるべく用いられてもよい。
【0090】
さらに、カテーテルに柔軟及び硬い両特徴部と鋭利化された自己突刺し先端30が設けられ、それにより挿入ニードルの使用無しにカテーテルの挿入を許容している場合、カテーテルは挿入ニードルとして作用することができ、そして内在して残存することができ、それによりさらに、挿入ステップの複雑さを軽減する。かかるカテーテルは、ヴィアロン(登録商標)又はテフロン(登録商標)のスリーブ58のような柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブ材料のようなコーティングによって、ある所望の部分を覆って鞘付けられ又は被覆されてもよい。
【0091】
本発明の上述の及び他の模範的実施形態においては、カテーテルとハブの間に柔軟な結合体を設けることによって、さらなる利益が達成され得る。現在のところ、利用可能なパッチポンプ及び輸液セットは、典型的には、ハブに堅く取付られているカテーテルを含んでいる。この種の結合部は、皮膚が皮下組織の上で滑るようなとき、カテーテル及び/又は組織を歪ませるかもしれない。柔軟なカテーテルにおけるかかる歪みは、キンキング、閉塞、又はその箇所からの取外しに至るかもしれない。ステンレス鋼カテーテルのような硬いカテーテルにおけるかかる歪みは、カテーテルが組織内を動き回るとき、不快感及び/又は強烈な組織のトラウマに至るかもしれない。
【0092】
したがって、本発明の模範的実施形態はさらに、カテーテル及び挿入部位における動きの影響を最小にしつつ、ハブが皮膚と共に動くことが可能にされている。かかる柔軟な結合体の例は、カテーテルとハブ又はパッチポンプの間に設けられた、限定はされないが、玉継ぎ手、スライドプレート結合部、別個の接着剤アタッチメントを備えた別個の内側ハブ、柔軟な管類連結部、及び柔軟なブッシュ式結合部(ベローズ連結部又はベローズ継手を含む)によって与えられ得る。
【0093】
本発明のさらなる実施形態は、1つの注入装置の部分として、外側ハブ及びカテーテルのハブのような2つ以上の別個のハブを備えることができる。その各々は皮膚の表面に別個の接着剤でもって取付けられ、そして、2つの間の流れは、好ましくは、衝撃、すなわち、外側ハブの表面からカテーテルに加えられる力を隔絶するために、柔軟な流体ライン又は他の同様な連結手段を介して達成されている。単一の装置として皮膚の表面に取付けられ得る2つのハブは、さらに、内側ハブがカテーテルが挿入されている組織に対してのカテーテル位置を維持し、それにより組織の炎症及び異物反応結果として次々に起こる出来事を軽減及び排除するように構成されてもよい。
【0094】
図7は、本発明の実施形態に従う玉継ぎ手(ball-and-socket joint)を備えるかかる模範的なカテーテル及びハブ係合体の1つを組み込んでいる、パッチポンプに設けられるようなハブの拡大された断面図である。図7において、ハブ60は、カテーテル64の上方に又はそれに流体の連通をされて位置されている、流体の薬剤又は他の内容物を貯留する貯留部62を有して図示されている。玉継ぎ手66は、カテーテル64の一端部に固定されるか、さもなければ形成されてもよく、カテーテル64をハブ60の下面に回転可能に固定すべく設けられている。
【0095】
具体的には、ハブ60本体の下側部分は、円形戻り止め開口68又はカテーテル64の玉継ぎ手66が捕捉され得る他の同様の開口を備えてもよい。円形戻り止め開口68は、玉継ぎ手66が圧入され、その後当該円形戻り止め開口68によって捕捉されるのを許容する大きさであればよい。
【0096】
玉継ぎ手66はまた、戻り止め開口68の膨張及び収縮が戻り止め開口68内への玉継ぎ手66の取付け及びその後の捕捉を容易にすべく、ハブ60の1つ以上のエレメントを操作することによって円形戻り止め開口68内に捕捉されてもよく、又は玉継ぎ手66がハブ60本体の組立中に戻り止め開口68内に捕捉されてもよい。そうすることで、カテーテル64はハブ60に対して、矢印A及びBの方向によって図示されているような、多くの方向に自由に回転して移動する。すなわち、図7のカテーテル64はハブ60の本体の下面における戻り止め開口68の底部開口70によって許されるだけ自由に回転する。
【0097】
カテーテル64は、上述のそれらのような如何なる適切なカテーテルを備えてもよく、そして玉継ぎ手66は、カテーテル64と同じ又はそれと同様な材料から形成されてもよく、そしてカテーテル64及び玉継ぎ手66の回転中及びそれぞれの回転位置において途切れのない流体の連通を許容すべく、貫通する開口を備えてもよい。
【0098】
さらに、カテーテル64とハブ60との結合部は、チャンバー62からの、又はチャンバー62への漏れを防止するために、1つ以上のシール用エレメント72によってシールされてもよい。シール用エレメント72は、1つ以上のO−リング、ブッシング、ワッシャ、成形されたエレメント又は同様なシール用エレメントのような適切な数のエレメントであってもよい。シール用エレメント72はさらに、カテーテル64の玉継ぎ手66とハブ60との間にある程度の摩擦を与えることによってカテーテル64の回転運動を制御すべく構成されてもよい。ハブ60はさらに、ハブ60を使用のために皮膚表面に取付ける接着剤層74のような付加的なエレメント、及び明瞭さのために図7の図解からは省略されている他のエレメントをさらに備えてもよい。
【0099】
本発明の模範的実施形態において、玉継ぎ手66は、全ての適切な大きさでよいが、好ましくは、0.5mmないし4.0mmの直径を有する実質的に円形のエレメントを備えてもよい。したがって、戻り止め開口68は0.5mmないし5.0mmの直径を有し、そして戻り止め開口の底部開口70は0.4mmないし3.8mm幅の直径を有してもよい。本発明の実施形態において、底部開口70は、円形、長円形、又は必要とされる程度の運動をもたらすための所望の形状であってもよい。
【0100】
本発明のさらに他の実施形態において、カテーテルとハブとの間の運動を許容するためにスライドプレートが設けられてもよく、及び/又はカテーテルとハブとの間の運動を許容するために柔軟なブッシングが設けられてもよい。運動の程度は、玉継ぎ手、スライドプレート、及び柔軟なブッシングの各々により与えられるけれど、各々(すなわち、回転、滑り、又はそれらの組合せ)によってもたらされる運動における微妙な差異が、特定の用途における一模範的実施形態についての優先度をもたらし得る。
【0101】
例えば、図8は、本発明の他の実施形態に従うかかるスライドプレート結合部を備える模範的なカテーテル及びハブの係合体を組み込んでいる、パッチポンプに設けられているようなハブの拡大された断面図である。図8において、ハブ80は、カテーテル84の上方に位置され又はそれと流体連通する、流体の、薬剤又は他の内容物を貯留する貯留部82を有して図示されている。カテーテル84は、平面的なエレメント86のようなエレメントを一端部に備えている。当該エレメントは、ハブ80の下面にカテーテル84を滑り可能に固定すべく開口88内に摺動可能に捕捉されている。
【0102】
具体的には、ハブ本体の下側部分がチャンバー82の下面と、1つ以上のノッチ92に捕捉された1つ以上のエレメント90との間に形成された開口88を備え、それに平面的なエレメント86が捕捉されている。本発明の模範的実施形態において、ノッチ92は貯留部82の内壁に形成され、そして貯留部の全周囲を取り囲んでいる。したがって、エレメント90はノッチ92内に組み立てられる実質的に円形のワッシャ形状の部材から成ることができる。エレメント90をノッチ92に固定すべくエレメント90の肥厚部分が設けられてもよい。エレメント90のより薄い部分が、以下により詳細に説明されるように、平面的な部材86及びシール用エレメント96を保持するのを支援するある程度の撓みを許容すべく、中心開口94の近くに設けられてもよい。
【0103】
平面的なエレメント86は、ハブ本体の組立を介して又は同様な方法で、開口88内に捕捉され得る。そうすることで、カテーテル84は、ハブ80に対して、矢印A及びB’の方向で図示されているような多くの方向に自由に動き得る。すなわち、図8のカテーテル84は、ハブ80の下面の底部開口98によって許される程度、及び/又は開口88内での平面的な部材86の移動によって許されるように、自由に摺動する。ハブ80に対してのカテーテル84のいくらかの回転運動はまた、エレメント90の撓みにより許容されるように、平面的な部材86によってもたらされ得る(例えば、図7の矢印A及びBを見よ)。
【0104】
カテーテル84は、上述したもののような適切なカテーテルから成り得る。平面的な部材86は、カテーテル84と同一の又は同様な材料から形成されてもよく、そして摺動中及び各位置において途切れのない流体の連通を許容すべく貫通する開口を備えてもよい。固定用のエレメント90はまた、平面的な部材86、ハブ80と同一の又は同様な材料、又は他の適切な材料から形成されてもよい。
【0105】
さらに、カテーテル84とハブ80との間の結合部は、チャンバー82からの、又はチャンバー82への漏れを防止するために、1つ以上のシール用エレメント96によってシールされてもよい。シール用エレメント96は、O−リング、ブッシング、ワッシャ、成形されたエレメント又は同様のシール用エレメントのような複数の適切なエレメントから成ってもよい。本発明のさらに他の模範的実施形態において、Uすなわちカップ形状、X形状、又は他の種類のワイプ(wipe)シールが用いられてもよく、そしてシール用の力が軽減されるという付加的な利益をもたらす。シール用エレメント96はさらに、カテーテル84の平面的な部材86とハブ80の開口88の壁との間にある程度の摩擦をもたらすことによってカテーテル84の滑り運動を制御すべく構成されてもよい。ハブ80はさらに、ハブを使用のために皮膚表面に固定するために接着剤層74のようなエレメントを備えてもよい。
【0106】
本発明の模範的実施形態において、平面的な部材86は、必要とされる程度の運動をもたらすために、円形、長円形、又は所望の如何なる形状であってもよい。本発明の模範的実施形態において、平面的な部材86は、全ての適切な大きさの直径、好ましくは、1.0mmないし10.0mmの直径、及び0.5mmないし1.0mmの厚さを有する実質的に円形のエレメントから成り得る。したがって、底部開口98は1.0mmないし5.0mmの直径を有してもよい。本発明の実施形態において、底部開口98は、必要とされる程度の運動をもたらすべく、円形、長円形、又は所望の形状であってもよい。
【0107】
さらに他の実施例において、図9は、本発明の他の実施形態に従う柔軟なブッシュ式結合部を備える模範的なカテーテル及びハブの係合体を組み込んでいる、パッチポンプに設けられているようなハブの拡大された断面図を示している。図9において、ハブ100は、カテーテル104の上方に位置され又はそれと流体連通する、流体の、薬剤又は他の内容物を貯留する貯留部102を有して図示されている。柔軟なブッシング106は、カテーテル104の一端部に固定されるかさもなければ形成されてもよく、そしてハブ100の下面にカテーテル104を回転可能及び/又は摺動可能に固定すべく設けられている。
【0108】
具体的には、ハブ本体又は貯留部102の下側部分は柔軟なブッシング106が捕捉され得る開口を備えてもよい。開口は柔軟なブッシング106が圧入されその後貯留部102の下側部分によって捕捉されるのを許容する大きさにされてもよい。柔軟なブッシング106は又はブ本体の組立を介して又は同様の方法でハブ100内に捕捉されてもよい。そうすることで、カテーテル104は、矢印A及びB”の方向で図示されているような多くの方向に自由に動き得る。すなわち、図9のカテーテル104は柔軟なブッシング106の柔軟性及びハブ100の本体の下面の底部開口110によって許される程度、自由に回転する。
【0109】
本発明の模範的実施形態において、柔軟なブッシング106は貯留部102の下側部分で捕捉されるに十分な外径を備えていてもよい。ブッシング106はさらに、開口110内に捕捉されるに十分で、そしてそこをシールする外径を有する減縮された部分108を備えてもよい。そうするために、模範的実施形態のブッシング106は、軟らかく、低硬度で柔軟な材料から成ってもよく、それはまた流体のシールを創造すべく構成されてもよく、そしてカテーテル104とポンプ本体すなわちハブ100との間に柔軟な継手を創造している。
【0110】
カテーテル104は、上述のもののような如何なる適切なカテーテルから成ってもよい。柔軟なブッシング106はさらに、回転及び/又は摺動中、及び各回転又は摺動位置での途切れのない流体の連通を許容するために貫通した開口を備えてもよい。さらに、カテーテル104と柔軟なブッシング106との間、及び柔軟なブッシング106とハブ100との間の結合部は、チャンバー102からの、又はチャンバー102への漏れを防止するために、柔軟なブッシング106の材料を選択すること、及び/又は柔軟なブッシング106をハブ100内に固定する材料を選択することによって、シールされてもよい。ハブ100はさらに、使用のためにハブを皮膚表面に固定する接着剤層74のようなエレメントを備えてもよい。
【0111】
本発明の模範的実施形態において、柔軟なブッシング106は、必要とされる程度の運動をもたらすための、円形、長円形、又は所望の形状であってもよい。本発明の模範的実施形態において、柔軟なブッシング106は、適切な大きさ、好ましくは、2.0mmないし10.0mmの直径、及び減縮された部分108に1.0mmないし9.0mmの直径を有する実質的に円形のエレメントから成ってもよい。したがって、底部開口110は1.0mmないし9.0mmの直径を有してもよい。本発明の実施形態において、底部開口110は必要とされる程度の運動をもたらすために円形、長円形、又は所望の形状であってもよい。
【0112】
上述の本発明の各模範的実施形態において、装置の内容物と相性がよく、そして必要に応じて十分な保存可能期間及び滅菌品質を呈する材料が用いられ得る。そうすることで、本発明の模範的実施形態は、カテーテルとハブの間の柔軟な結合体をもたらすことができる。
【0113】
上で述べたように、輸液セット及びパッチポンプは、典型的にはユーザーの皮膚に適用され、そして皮下(SC)注入、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入のいずれかでの特定の使用に応じて、ユーザーの皮膚を通って皮下組織又は他の組織へ延在するカテーテルを有している。カテーテルは、インスリンのような薬剤の組織への配送のための流体の経路を提供する。上述の本発明の模範的実施形態は、ユーザーの皮膚及び組織に埋め込まれているカテーテルが柔軟なカテーテルとして動くか、又はユーザーの皮膚に貼られているハブに対して動くことを可能にしている。そうするために、カテーテルには、チャンネル、溝、及び柔軟なスリーブ又は外側被覆されたコーティング/スリーブのようなコーティングが設けられてもよく、そして、カテーテルのハブへの結合部は、カテーテルが動き、かつハブに対して動くのを可能にするために、玉継ぎ手、スライドプレート、柔軟なブッシング、又は同様なデザインから成っていてもよい。各々の場合において、結合部はさらに、結合部を通っての内容物の漏れを防止するためにシールされるべく構成されてもよい。
【0114】
さらに、カテーテルに、柔軟及び硬い両特徴部、及び鋭利化された自己突刺し先端30が設けられ、それにより挿入ニードルを用いないでのカテーテルの挿入を許容する場合、カテーテルが挿入ニードルとして作用し、そして内在して残存することができ、それによりさらに、挿入ステップの複雑さを軽減する。
【0115】
本発明のさらなる実施形態は、1つの注入装置の部分として柔軟なカテーテルを備えた模範的な2部品ハブから成っている。図10に示された模範的実施形態において、1つの注入装置の部分として、外側ハブ及びカテーテルハブのような2つの別個のハブを有している装置は、各々が別個の接着剤でもって皮膚の表面に取付けられ、そして2つの間のインスリンの流れが、衝撃又は外側ハブの外部の表面からカテーテルに加えられる力を隔絶するために、好ましくは、柔軟な流体ライン又は他の同様な連結手段を通して達成される。単一の装置として皮膚の表面に取付けられ得る2つのハブはさらに、内側のハブがカテーテルが挿入されている組織に対してのカテーテル位置を維持し、そしてそれにより組織の炎症及び異物反応から結果として次々に起こる出来事を軽減及び排除するように、構成されてもよい。
【0116】
例えば、かかる装置120が図10に示され、ハウジング122とハウジング接着剤124、及びニードルハブ126とニードルハブ接着剤128を備えている。可撓性連結体130が外側のハウジング122とニードルハブ126との間に設けられている。わずかな隙間132は、外側のハウジング122がそこへのニードルハブ126の取付及び配置のための領域を提供するが、外側のハウジング122に伝達された力又は運動がニードルハブ126に伝えられないように、外側のハウジング122とニードルハブ126との間に設けられている。
【0117】
したがって、当該実施形態は、1つの注入装置120の部分としての2つの別個のハブ122及び126を有する単一の装置を備え、ここで、それぞれが別個の接着剤層124及び128でもって皮膚の表面に取付けられ、そして2つの間のインスリンの流れが、衝撃又は外側ハブ122の外部の表面からカテーテル134に加えられる力を隔絶するために、柔軟な流体ライン又は他の同様な連結手段130を通して達成される。当該2つのハブ122及び126は、皮膚の表面に単一の装置として取付けられ、そして内側のハブ126がカテーテル134が挿入されている組織に対してのカテーテル134の位置を維持し、そしてそれにより組織の炎症及び異物反応から結果として次々に起こる出来事を軽減及び排除するように、構成されてもよい。
【0118】
柔軟なカテーテルを備えたかかる2部品ハブを提供している本発明の他の模範的実施形態が図11に図示されている。図11の装置140は、ハウジング142とハウジング接着剤144及びニードルハブ146とニードルハブ接着剤148を備えている。可撓性連結体150は、外側のハウジング142がそこへのニードルハブ146の取付及び配置のための領域を提供するが、外側のハウジング142に伝達された力又は運動がニードルハブ146及びカテーテル152に伝えられないように、外側のハウジング142とニードルハブ146との間に設けられている。
【0119】
もっとさらに、上述の本発明の模範的実施形態は、挿入カニューレ又は内在のカテーテルの鋭利な縁部を覆うべくスリーブ内又はスリーブ上のいずれかに挿入カニューレ又は内在のカテーテルの格納のための1つ以上の付加的な特徴部を備える装置において用いられ得る。図12A及び12B、図13A及び13Bは、事実上、柔軟又は剛性のいずれかである格納可能な挿入カニューレ又は内在のカテーテルを備える本発明の他の実施形態に従う模範的なハブ装置の拡大断面図である。
【0120】
図12Aに示されるように、装置160は、外側のハブ162、内側のハブ164、格納可能な挿入カニューレ又は内在のカテーテル166、及び鈍な(先が尖っていない)カニューレ168を備えてもよい。押しボタン又は他のレバー170を備える格納システムが外側のハブ162を通して設けられてもよく、挿入カニューレ又は内在のカテーテル166を固定し、かつその後、スプリングのような付勢エレメントによって押圧されるとき解放する。ボタン170は、戻り止め174と挿入カニューレ又は内在のカテーテル166の肩部176との間の接触のような接触によって、挿入カニューレ又は内在のカテーテル166の位置を保持するために肩部、戻り止め、又は他の同様なエレメントを備えてもよい。
【0121】
押されたとき、ボタン170は肩部176を解放し、そして挿入カニューレ又は内在のカテーテルがスプリング172によって短い距離だけ上方に押圧され、それによって挿入カニューレ又は内在のカテーテルの鋭利な端部を鈍なカニューレ168内に滑り込ませる。挿入カニューレ又は内在のカテーテルへの流体の連通は、そのとき管類178の連結によって達成される。図12Aに示された実施形態においては、挿入カニューレ又は内在のカテーテル166が、図12Bの格納された図に示されるように、鈍なカニューレ168内に上方に格納される。
【0122】
第2の模範的実施形態が図13Aに示され、ここで装置180は外側ハブ182及び外側ハブ接着剤層184、内側ハブ186及び内側ハブ接着剤層188、鈍なカニューレ190、及び格納可能な挿入カニューレ又は内在のカテーテル192を備えてもよい。格納システムは、外側ハブ182を単に押し下げることによって作動される。図13Bに示されるように、皮膚表面に貼られるべく外側ハブ182が押し下げられたとき、上側中央ヒンジ194は、挿入カニューレ又は内在のカテーテルの鋭利な端部が、図13Bに示されるように、鈍なカニューレ190の端部の上方に持ち上げられるように、格納可能な挿入カニューレ又は内在のカテーテル192を鈍なカニューレ190の上方に引き込む内側ハブ186の移動を許す。カテーテルへの流体の連通は、そのとき管類196の連結によって達成される。内側ハブ186はさらに、例えば、シール又は潤滑剤を用いて内側及び外側のニードルの間にいくつかの適切なシール用エレメントを備えてもよい。
【0123】
図14は、かかるニードルを部分的に格納する概念を図示しており、ここで、事実上柔軟又は剛性のいずれかである挿入カニューレ又は内在のカテーテルが、鋭利な端部が露出された状態の使用前位置、挿入カニューレ又は内在のカテーテル及びスリーブがSC組織位置内に図示されている使用後位置、及び挿入カニューレ又は内在のカテーテルが挿入カニューレ又は内在のカテーテルの鋭利な端部を覆うに十分な距離だけ外側のスリーブ内に引き込まれている格納位置において、示されている。挿入カニューレ又は内在のカテーテルを挿入した後に、挿入カニューレ又は内在のカテーテルを部分的に取外すことによって、挿入カニューレ又は内在のカテーテルの鋭利な端部がSC組織に露出されず、SC組織を刺激することが許されない。さらに、テフロン(登録商標)又はヴィアロン(登録商標)の挿入カニューレ又は内在のカテーテルのキンキングが、挿入カニューレ又は内在のカテーテルを挿入位置における外側の鞘内に残すことによって低減される。図14の実施形態は皮下(SC)注入で用いられた状態で図示されているけれども、当該実施形態はまた、皮内(ID)注入、筋肉内(IM)注入、及び静脈内(IV)注入でも用いられ得る。さらに、図14に図示された内在のカテーテルは、剛性/中実(すなわち、スロット無し)か又は柔軟(すなわち、スロット付き)のいずれかでよい。
【0124】
さらなる実施形態が図15に図示され、ここで、カテーテルは、皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織の両方に、患者の薬配送の必要性を満たすための必要に応じて、同時に又はそれぞれ間欠的に、注入を与えるべく構成されている。前の実施形態において説明したように、挿入カニューレは、ニードル先端の鋭利な縁部から組織を保護するために、カテーテルを組織内に置いた後に引き込む。図15における挿入カニューレ又は導入ニードルは格納された位置で図示されており、当該ニードルは、ポリマーの外側スリーブとの組み合わせで、2つの区別し得る流体の経路をもたらす方式で形成されている。
【0125】
図15Aに示された模範的実施形態において、装置200は、模範的な鋼カニューレ202のように形成されたカニューレであって、それを覆ってポリマースリーブ204のようなスリーブが形成され、そしてさらに、両者はクロスポート206,208、及び210を経由して互いの間での流体の連通をもたらす方式で整列されているカニューレを含んでいる。クロスポート206はチャンバー212と流体の連通をすべく設けられ、及びクロスポート208はチャンバー214と流体の連通をすべく設けられている。図示された模範的実施形態において、チャンバー212は、例えば、即効性の薬剤を提供する第1の貯留部と流体の連通をし、そしてチャンバー214は、例えば、遅効性の薬剤を提供する第2の貯留部と流体の連通をする(例えば、図16を見よ)。各エレメントは、注入ハブ216の内又は上で支持されてもよい。
【0126】
以下により詳細に説明されるように、図15Aの装置200は、ID組織空間218及びSC組織空間220に到達すべく挿入部位上に置かれる。図示された模範的実施形態において、クロスポート210は、ID組織空間218にアクセスすべく構成され、そして鋼カニューレ202及びポリマースリーブ204の開いた基端部はSC組織空間220にアクセスすべく構成されている。具体的には、鋼カニューレ202は、図15BのA-A図によって示される、末端部222において完全に閉じられてクリンプされ、図15CのB-B図によって示された点においては完全にクリンプされず、図15DのC-C図によって示された点において部分的にクリンプされ、そして図15EのD-D図によって示された点では完全にクリンプされず、そしてここで、少なくともさらなる開口230が設けられている。そうすることで、単一の鋼カニューレ202及びポリマー(スリーブ)204が第1及び第2の流れ経路226及び228を創造し、ここで流れ経路226は、クロスポート206とクロスポート210との間の連通をもたらすべく構成され、そして流れ経路228はクロスポート208と開いた基端部224との間の開口230を経由した連通をもたらすべく構成されている。当該鋼カニューレは、図示のようにこの端部で鋭利化されてもよく、又はブラント(鈍)であってもよい。
【0127】
第1の経路226は、カニューレ202が格納位置にあるとき、ポリマースリーブ204の同様の開口に整列しているカニューレ202のクロスポート206を介して、流体を皮内(ID)組織218にもたらす。当該流体の経路226はカニューレ202の内部の空腔を通って続き、そして同様なクロスポート210を通って皮内(ID)組織218内に存している。第2の流体の経路228は、外部のポリマースリーブ204のクロスポート208を通って、ポリマースリーブ204の内表面とカニューレ202の外表面との間に創造された空腔に続き、そしてカテーテルの端部224を通って皮下(SC)組織220内に出て行く。この代替的な実施形態は、少なくとも2つの場所、例えば皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織への注入を可能にする。各組織は、Pettis et al.の米国特許公開第2002/0095134号に記載されているように、インスリン摂取について区別し得る性質を有する。この全体の開示は参照によりここに明示的に組み込まれている。
【0128】
注入ポンプ療法では、活動及びストレスでの変化を補償するための注入速度での微妙な変化を伴って、基本的なインスリン注入が終日にわたって連続する。伝統的に、基本的な要件は遅効性のインスリンによって満たされてきた。食事時の炭水化物の消費を補償するため、及びまた高血糖、すなわち、高血糖症を矯正するために、ボーラス投与のインスリン注入が用いられている。即効性のインスリンはボーラス投与注入について最良の療法を提供する。インスリン摂取は、皮下(SC)組織と比べて皮内(ID)組織においての方がより速い。それ故に、図15Aに図示された模範的実施形態は、ボーラス投与要件のために即効性のインスリンを皮内(ID)組織内に注入し、そして基本的な要件のために遅効性のインスリンを皮下(SC)組織に注入するのに用いられてもよい。
【0129】
図16に示されるように、図15Aの装置200を支持すべく構成された模範的な注入ポンプ232が図示されている。注入ポンプ232は、一方が即効性のインスリン用及び第2の他方が遅効性のインスリン用の少なくとも2つの貯留部234及び236を組み込んでもよい。輸液セットはさらに、セットハブ内の別個のチャンバーに連絡するであろう2つの別個の空腔238及び240を提供してもよい。本発明のさらにもう1つの模範的実施形態において、当該2つの別個の空腔238及び240は多重のチャンネル(不図示)を備える単一の空腔内に組み込まれてもよい。
【0130】
本発明のさらに他の模範的実施形態は、図17Aに示されるように形成されたカニューレを含むことができ、ここでは、当該カニューレは、2つのチャンネルが形成されすなわち機械加工されている中実のロッドに置き換えられている。具体的には、装置250のカニューレは、2つのチャンネル256及び258が形成されすなわち機械加工されている中実のロッド252に置き換えられている。残りの特徴部は図15Aに関して説明されたのと実質的に同じである。外部のポリマースリーブ204におけるクロスポート206及び208は、チャンネル256及び258と組み合わせて、図15Aのものと実質的に同様な方法で、皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織へ異なる又は同様な薬を配送すべく、2つの別個の流体の経路をもたらしている。2つのチャンネル256及び258が形成、すなわち、機械加工された模範的な中実のロッド252の斜視図が図17Bに示されている。上述の模範的実施形態と同様に、ロッド252は図示のように端部において鋭利化されるか、又はブラントであってもよい。
【0131】
図18Aないし18Eに示されたさらに他の実施形態において、双数空腔のカテーテル 又はカニューレ260が、図18Bに示されるような適切な材料の平らなシートから形成され、図18Dに示されるような実質的に最終の所望の形状に到達するまで、図18Cに示されるように、矢印A及びBの方向に巻かれ、そしてその後、異なる又は同様な薬を皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織に配送するための2つの別個の流体の経路262及び264がもたらされるように、図18Eに示されるように、空腔を閉じかつシールすべく溶接されるか、又は外部のポリマースリーブ(不図示)内に捕捉される。代わりに、双数の空腔カニューレ260は、図17A及び17B、及び18Aないし18Dに図示されたのと同様な形状に押出又は射出成形されてもよい。例えば、押し出し法は図18Eに示されたのと同様な連続する断面を作るであろう。射出成形は、図17A及び17Bに示されたカニューレを作るのに利用され得る。
【0132】
図19に図示された本発明のさらに他の模範的実施形態において、2つ以上の別個のカテーテルが、皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織に異なる又は同様な薬を配送するために所望の2つ以上の別個の流体の経路をもたらすべく、用いられてもよい。図19に図示された模範的実施形態は、2つの別個のカテーテル272及び274を有する装置270を含み、そして即効性のインスリンのための1つと遅効性のインスリンのための第2のものとの少なくとも2つの貯留部を組み込んでいる模範的な注入ポンプ232に連結されて図示されている。図示された模範的実施形態において、カテーテル272はID組織を標的にして設けられることができ、そしてカテーテル274はSC組織を標的にして設けられることができる。
【0133】
現在のところ、販売されているインスリン注入ポンプは単一の貯留部を有するのみであり、そして即効性のインスリンは、典型的には、重複するドースの複雑さを軽減すべく用いられている。これらのポンプの使用は、組み合わせ薬療法、例えば、遅効性のインスリン注入と組み合わせた即効性のインスリン注入を許さないけれども、即効性のインスリンを皮内(ID)組織及び皮下(SC)組織の両方に注入することによって、上述の多くの利益が実現され得る。ボーラス投与の用量を皮内(ID)組織に、及び基本的な注入を皮下(SC)組織に注入することが好ましいので、本発明のさらにもう1つの模範的実施形態においては、高圧のボーラス投与用量を皮内(ID)組織に再方向付けるために、注入ハブのようなのにバルブ配列が設けられてもよい。図20は、ハブ内に配置され、そして第1及び第2のチャンバー212及び214と注入ポンプ(不図示)との間で連結されたかかるバルブ282を有している模範的なハブ280を図示している。バルブは、図20に図示されたソレノイドで作動されるバルブ282のような如何なる適切なバルブであってもよい。例えば、図示されたバルブは、2位置のソレノイド作動、スプリング戻しバルブである。バルブは、通常の、すなわち、皮下(SC)組織への注入に対応するスプリング戻し状態で図示されている。ソレノイドを作動させると、皮内(ID)組織への流れを許すべくバルブをシフトする。
【0134】
使用中、装置280は、2009年7月23日に出願され、この全体の開示が参照によりここに明示的に組み込まれているSearle et al.の米国特許出願第12/458,807号に記載されたもののような無線信号、又は輸液セットに組み込まれ、ポンプのコントローラが輸液セットのハブ内の電子的バルブに通ずるのを許容する電線路を送信される信号から作動できる、図20に示されるような電子的に操作されるバルブ282を利用して流れを再方向付けるべく用いられ得る。電線路はまた、センサー、例えば、血糖センサーからポンプのコントローラまでの連通をもたらすべく利用され得る。バルブ282にはさらに、ユーザーが説明されたように、バルブを手動でシフトするのを許容すべく手動作動ボタンが設けられてもよい。
【0135】
本発明のさらにもう1つの模範的実施形態において、バルブシステムは、高圧のボーラス投与用量をカテーテルの皮内(ID)空腔に再方向付け、そしてボーラス投与注入の完了に続き、圧力が低下したときに、低圧の基本的な注入をカテーテルの皮下(SC)空腔に方向付けるべく、図21Aに示されるように構成されてもよい。図21Aに図示されたバルブ構造284において、アンブレラ型逆止めバルブ288が、それに限定されないが、かものはし型逆止めバルブ286と組み合わされて用いられている。
【0136】
図21A及び21Bに示された模範的実施形態において、アンブレラ型逆止めバルブ288のポート又は孔296は、流体の圧力が図21Bに示されるように低い間、注入ポンプ(不図示)からの基本的な又は低圧の流れのように開口294に入るインスリンが通って流れ、そしてカテーテル(不図示)の皮下(SC)空腔292に入るのを許容する。この位置においては、かものはし型逆止めバルブ286は閉じられ、カテーテルの皮内(ID)空腔290を通る流れを防いでいる。
【0137】
流体の圧力がアンブレラ型及びかものはし型逆止めバルブの動作圧力を超えると、すなわち、ボーラス投与注入中にアンブレラ型逆止めバルブ288は開き、図21Aに示されるように、皮下(SC)空腔経路292を遮断し、そしてかものはし型逆止めバルブ286が開き、カテーテルの皮内(ID)空腔290を通る流れを許容する。ボーラス投与配送に続いて、圧力は低下し、そしてかものはし型及びアンブレラ型の逆止めバルブが彼らの通常の閉じられた状態に、リセットするのを許容する、すなわち、図21Bに示されるように、カテーテルの皮下(SC)空腔292を通る基本的な流れを許容する。そうすることで、所望の注入に関連する圧力が、模範的実施形態においてバルブの制御として用いられる。
【0138】
本発明の模範的実施形態のいくつかのみが上に詳しく説明されたが、当業者は、新規な教示及び本発明有利性から本質的に逸脱することなく模範的実施形態において多くの修正が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、かかる修正の全ては本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
末端部及び基端部の間に延在するカテーテル本体であって、軸方向の開口が前記カテーテル本体の少なくとも一部分を貫通しているカテーテル本体、を備え、
前記カテーテル本体は、当該カテーテル本体の一部分を輸液セット又はパッチポンプ装置のハブに可動に連結するエレメントを備えることを特徴とする注入装置。
【請求項2】
前記カテーテルは、第1の組織空間及び第2の組織空間をそれぞれ標的にするために、前記カテーテル本体の少なくとも一部分を貫通している複数の別個の軸方向開口を備えていることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項3】
前記カテーテル本体の前記部分を前記ハブに可動に連結する前記カテーテル本体の前記エレメントは、
前記壁部の1つ以上の長さに前記カテーテル本体の前記軸方向の開口と外表面との間に延在する1つ以上のチャンネル、溝、又はセパレーションが設けられているカテーテル本体の壁部を備える、柔軟なカテーテル本体の部分を備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項4】
前記カテーテル本体は、コイルバネをさらに備え、前記セパレーションは前記カテーテル本体の前記コイルバネによって創造された隣り合うコイルを接触させることから成ることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項5】
前記カテーテルは、前記カテーテル本体の少なくとも一部分に配置された外側の鞘をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項6】
前記外側の鞘は、前記カテーテル本体の一部分に配置されたテフロン(登録商標)の外側コーティング層、及び前記カテーテル本体の一部分に配置されたヴィアロン(登録商標)の外側コーティング層の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項5に記載の注入装置。
【請求項7】
前記カテーテル本体は前記末端部で実質的に閉じられ、そして
前記チャンネル、溝、又はセパレーションの少なくとも1つが、前記カテーテル本体の前記軸方向の開口と前記外表面との間での流体の連通をもたらすべく構成されていることを特徴とする請求項3に記載の注入装置。
【請求項8】
カテーテル本体は、挿入の間に挿入部位を突き刺すべく構成された斜めにされた面を備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項9】
前記カテーテルは、前記カテーテル本体の少なくとも一部分に配置されたヘパリンコーティング、又は抗凝血剤ファミリーの1つを、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項10】
前記カテーテル本体の前記部分を前記ハブに可動に連結する、前記カテーテル本体の前記エレメントは、
前記カテーテル本体の前記基端部に、前記カテーテル本体の前記基端部を前記ハブに柔軟に連結すべく構成された柔軟な結合体エレメントを備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項11】
前記柔軟な結合体エレメントは、
ボールエレメントであって、前記柔軟な結合体を提供すべく、前記ハブ内に回転可能に捕捉されるように構成されたボールエレメントと、
スライドプレートであって、前記柔軟な結合体を提供すべく、前記ハブ内に摺動可能に捕捉されるように構成されたスライドプレートと、
柔軟なブッシングであって、前記柔軟な結合体を提供すべく、前記ハブ内に捕捉されるように構成された柔軟なブッシングと、
ベローズ継手であって、前記柔軟な結合体を提供すべく、前記ハブに固定されるように構成されたベローズ継手と、
の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項10に記載の注入装置。
【請求項12】
前記カテーテル本体の前記基端部における前記柔軟な結合体エレメントは、前記カテーテル本体と前記ハブとの間に配置された少なくとも1つのシール用エレメントをさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の注入装置。
【請求項13】
カテーテル本体の一部分を可動に連結する開口を備えるハブ本を、
さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項14】
第1の組織空間を標的にすべく構成された第1のカテーテル本体、及び
第2の組織空間を標的にすべく構成された第2のカテーテル本体、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項15】
ボーラス投与の注入を第1の組織空間に向け、そして基本的な注入を第2の組織空間にむけるためのバルブ、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項16】
ここで、前記ハブを前記カテーテル本体に可動に連結するための前記開口は、
前記柔軟な結合体をもたらすために、前記カテーテルのボールエレメントを回転可能に固定すべく構成されたボール戻り止め開口、
前記柔軟な結合体をもたらすために、前記カテーテルのスライドプレートを摺動可能に固定すべく構成されたチャンバー開口、
前記柔軟な結合体をもたらすために、前記カテーテルの柔軟なブッシングを固定すべく構成されたチャンバー開口、及び
前記柔軟な結合体をもたらすために、前記カテーテルを固定すべく構成されたベローズ継手、
の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項13に記載の注入装置。
【請求項17】
第1の薬物を第1の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部、及び第2の薬物を第2の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部を備える注入ポンプ、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項18】
ボーラス投与の配送を第1の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部、及び基本的な配送を第2の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部を備える注入ポンプ、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項19】
ボーラス投与の注入を第1の組織空間に、及び基本的な注入を第2の組織空間に供給する単一の貯留部を備える注入ポンプ、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項20】
剛体の本体部分、及び
本体の壁部を備える少なくとも1つの柔軟な本体部分であって、前記壁部の1つ以上の長さ部に1つ以上のチャンネル、溝、又はセパレーションが設けられている少なくとも1つの柔軟な本体部分、
を備えることを特徴とする内在のカテーテル。
【請求項21】
前記内在のカテーテルの少なくとも一部分が、ステンレス鋼、ニチノール、チタン、硬質プラスチック、ポリカーボネート、COC、又は同様な材料から成ることを特徴とする請求項20に記載の内在のカテーテル。
【請求項22】
ポリマーを所望の温度にまで加熱し、
剛体の本体部分、本体の壁部を備える少なくとも1つの柔軟な本体部分であって、前記壁部の1つ以上の長さ部に1つ以上のチャンネル、溝、又はセパレーションが設けられている少なくとも1つの柔軟な本体部分、及び一端部において鋭利化された部分を形成すべく、前記加熱されたポリマーを用いて内在のカテーテルを射出成形し、
前記内在のカテーテルの少なくとも一部分に外側スリーブを施す、
ステップを備えることを特徴とする内在カテーテルを作る方法。
【請求項23】
前記カテーテル本体の少なくとも一部分を貫通している複数の別個の軸方向の開口を備えるカテーテル本体を形成すべく、当該内在のカテーテルを射出成形するステップをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の内在カテーテルを作る方法。
【請求項24】
前記内在のカテーテルの少なくとも一部分を前記外側スリーブでもって外側被覆するステップをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の内在カテーテルを作る方法。
【請求項25】
前記外側スリーブを押出加工し、及び
前記内在のカテーテルの少なくとも一部分に組み立てる、
ステップをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の内在カテーテルを作る方法。
【請求項26】
皮膚に接触する接着剤層、少なくとも1つのカテーテルスリーブ、及び内在のカテーテルを備える内側カテーテルハブと、
前記内側カテーテルハブを実質的に覆い、そして皮膚に接触する接着剤層を備える外側ハブと、
前記内側カテーテルハブと前記外側ハブとの間に柔軟に延在する衝撃隔絶手段であって、ここで前記衝撃を隔絶する部材は、前記内側カテーテルハブを前記外側ハブ内で柔軟に固定し、そして前記皮膚に接触する接着剤層によって一旦固定されると、実質的に前記外側ハブからの前記内側カテーテルハブへの運動の連通を防止すべく構成された衝撃隔絶手段と、
をそなえることを特徴とする注入装置。
【請求項27】
前記内在のカテーテルの鋭利な先端部が前記カテーテルスリーブの一端を過ぎて引き込まれるように、前記内在のカテーテルを前記カテーテルスリーブに対して引き込む引き込み手段をさらに備えることを特徴とする請求項26に記載の注入装置。
【請求項28】
単一の配置動作がカテーテル及び導入ニードルの組織への導入、カテーテルの正しい深さへの設置、及び導入ニードルの引き込みを許容すべく構成されたスナップ作用機構によって支持されている内側ハブをさらに備えることを特徴とする請求項26に記載の注入装置。
【請求項29】
外側ハブの平らな表面を越えて延在する内側ハブと、外側ハブの外部表面を皮膚に向けて押圧することがカテーテルとカニューレを組織内に導入し、そして鋭利な先端部が鈍なカニューレの端部の上方に再位置付けされるように導入ニードルを引き込むような内側ハブのための格納システムと、
をさらに備えることを特徴とする請求項26に記載の注入装置。
【請求項30】
皮膚に接触する接着剤層、少なくとも1つ格納可能なカテーテル、及び鈍なカニューレを備える内側カテーテルハブ、
実質的に前記内側カテーテルハブを覆い、そして皮膚に接触する接着剤層を備える外側ハブ、及び
前記内側カテーテルハブと前記外側ハブとの間に柔軟に延在する衝撃隔絶手段であって、ここで前記衝撃を隔絶する部材は、前記内側カテーテルハブを前記外側ハブ内で柔軟に固定し、そして前記皮膚に接触する接着剤層によって一旦固定されると、実質的に前記外側ハブからの前記内側カテーテルハブへの運動の連通を防止すべく構成された衝撃隔絶手段、
を備えることを特徴とする注入装置。
【請求項31】
前記格納可能なカテーテルの鋭利な先端部が前記鈍なカニューレの一端を過ぎて引き込まれるように、前記格納可能なカテーテルを前記鈍なカニューレに対して引き込む引き込み手段をさらに備えることを特徴とする請求項30に記載の注入装置。
【請求項32】
単一の配置動作が格納可能なカテーテル及び鈍なカニューレの組織への導入、格納可能なカテーテルの正しい深さへの設置を許容すべく構成されたスナップ作用機構によって支持されている内側ハブ、及び
格納可能なカテーテルを引き込むべく構成されたレバー、
をさらに備えることを特徴とする請求項30に記載の注入装置。
【請求項33】
外側ハブの平らな表面を越えて延在する内側ハブと、外側ハブの外部表面を皮膚に向けて押圧することが格納可能なカテーテルと鈍なカニューレを組織内に導入するような内側ハブのための格納システムと、
鋭利な先端部が鈍なカニューレの端部の上方に再位置付けされるように格納可能なカテーテルを引き込むべく構成されたレバーと、
をさらに備えることを特徴とする請求項30に記載の注入装置。
【請求項34】
中実のロッドを形成、鋳造、押出加工、射出成形、又は機械加工して、カテーテルであって、前記カテーテル本体の少なくとも一部分を通過する複数の別個の軸方向の溝を備える複数空腔のカテーテルを創造し、そして
前記カテーテル本体の少なくとも一部分に外側スリーブを施す、
ステップを備えることを特徴とする内在のカテーテルを作る方法。
【請求項35】
前記カテーテル本体の少なくとも一部分を前記外側スリーブでもって外側被覆する、
ステップをさらに備えることを特徴とする請求項34に記載の内在のカテーテルを作る方法。
【請求項36】
前記外側スリーブを押出加工し、そして
前記押し出された外側スリーブを前記カテーテル本体の少なくとも一部分に組み立てる、
ステップをさらに備えることを特徴とする請求項34に記載の内在のカテーテルを作る方法。
【請求項37】
前記複数空腔のカテーテルの外表面と前記外側スリーブの内表面との間に前記空腔を作るべく、前記複数空腔のカテーテルの外表面に複数の溝を形成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項34に記載の内在のカテーテルを作る方法。
【請求項38】
ハブと、
双数空腔のカテーテルであって、第1の組織空間及び第2の組織空間をそれぞれ標的にすべく、前記カテーテルの少なくとも一部分を貫通している複数の別個の軸方向の開口を備える双数空腔のカテーテルと、
前記第1の組織空間を標的にするために、ボーラス投与の注入を前記双数空腔のカテーテルの第1の軸方向の開口に向け、かつ前記第2の組織空間を標的にするために、基本的な注入を前記双数空腔のカテーテルの第2の軸方向の開口に向けるべく構成されたバルブと、
を備えることを特徴とする双数空腔の注入装置。
【請求項39】
前記双数空腔のカテーテルは、第1の組織空間を標的にすべく構成された第1のカテーテル本体、及び第2の組織空間を標的にすべく構成された第2のカテーテル本体を備えることを特徴とする請求項38に記載の双数空腔の注入装置。
【請求項40】
即効性のインスリンを前記第1の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部、及び遅効性のインスリンを前記第2の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部を備える注入ポンプ、
をさらに備えることを特徴とする請求項38に記載の注入装置。
【請求項41】
ボーラス投与の配送を前記第1の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部、及び基本的な配送を前記第2の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部を備える注入ポンプ、
をさらに備えることを特徴とする請求項38に記載の注入装置。
【請求項42】
ボーラス投与の注入を前記第1の組織空間に、及び基本的な注入を前記第2の組織空間に供給するための単一の貯留部を備える注入ポンプ、をさらに備えることを特徴とする請求項38に記載の注入装置。
【請求項1】
末端部及び基端部の間に延在するカテーテル本体であって、軸方向の開口が前記カテーテル本体の少なくとも一部分を貫通しているカテーテル本体、を備え、
前記カテーテル本体は、当該カテーテル本体の一部分を輸液セット又はパッチポンプ装置のハブに可動に連結するエレメントを備えることを特徴とする注入装置。
【請求項2】
前記カテーテルは、第1の組織空間及び第2の組織空間をそれぞれ標的にするために、前記カテーテル本体の少なくとも一部分を貫通している複数の別個の軸方向開口を備えていることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項3】
前記カテーテル本体の前記部分を前記ハブに可動に連結する前記カテーテル本体の前記エレメントは、
前記壁部の1つ以上の長さに前記カテーテル本体の前記軸方向の開口と外表面との間に延在する1つ以上のチャンネル、溝、又はセパレーションが設けられているカテーテル本体の壁部を備える、柔軟なカテーテル本体の部分を備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項4】
前記カテーテル本体は、コイルバネをさらに備え、前記セパレーションは前記カテーテル本体の前記コイルバネによって創造された隣り合うコイルを接触させることから成ることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項5】
前記カテーテルは、前記カテーテル本体の少なくとも一部分に配置された外側の鞘をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項6】
前記外側の鞘は、前記カテーテル本体の一部分に配置されたテフロン(登録商標)の外側コーティング層、及び前記カテーテル本体の一部分に配置されたヴィアロン(登録商標)の外側コーティング層の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項5に記載の注入装置。
【請求項7】
前記カテーテル本体は前記末端部で実質的に閉じられ、そして
前記チャンネル、溝、又はセパレーションの少なくとも1つが、前記カテーテル本体の前記軸方向の開口と前記外表面との間での流体の連通をもたらすべく構成されていることを特徴とする請求項3に記載の注入装置。
【請求項8】
カテーテル本体は、挿入の間に挿入部位を突き刺すべく構成された斜めにされた面を備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項9】
前記カテーテルは、前記カテーテル本体の少なくとも一部分に配置されたヘパリンコーティング、又は抗凝血剤ファミリーの1つを、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項10】
前記カテーテル本体の前記部分を前記ハブに可動に連結する、前記カテーテル本体の前記エレメントは、
前記カテーテル本体の前記基端部に、前記カテーテル本体の前記基端部を前記ハブに柔軟に連結すべく構成された柔軟な結合体エレメントを備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項11】
前記柔軟な結合体エレメントは、
ボールエレメントであって、前記柔軟な結合体を提供すべく、前記ハブ内に回転可能に捕捉されるように構成されたボールエレメントと、
スライドプレートであって、前記柔軟な結合体を提供すべく、前記ハブ内に摺動可能に捕捉されるように構成されたスライドプレートと、
柔軟なブッシングであって、前記柔軟な結合体を提供すべく、前記ハブ内に捕捉されるように構成された柔軟なブッシングと、
ベローズ継手であって、前記柔軟な結合体を提供すべく、前記ハブに固定されるように構成されたベローズ継手と、
の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項10に記載の注入装置。
【請求項12】
前記カテーテル本体の前記基端部における前記柔軟な結合体エレメントは、前記カテーテル本体と前記ハブとの間に配置された少なくとも1つのシール用エレメントをさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の注入装置。
【請求項13】
カテーテル本体の一部分を可動に連結する開口を備えるハブ本を、
さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項14】
第1の組織空間を標的にすべく構成された第1のカテーテル本体、及び
第2の組織空間を標的にすべく構成された第2のカテーテル本体、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項15】
ボーラス投与の注入を第1の組織空間に向け、そして基本的な注入を第2の組織空間にむけるためのバルブ、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項16】
ここで、前記ハブを前記カテーテル本体に可動に連結するための前記開口は、
前記柔軟な結合体をもたらすために、前記カテーテルのボールエレメントを回転可能に固定すべく構成されたボール戻り止め開口、
前記柔軟な結合体をもたらすために、前記カテーテルのスライドプレートを摺動可能に固定すべく構成されたチャンバー開口、
前記柔軟な結合体をもたらすために、前記カテーテルの柔軟なブッシングを固定すべく構成されたチャンバー開口、及び
前記柔軟な結合体をもたらすために、前記カテーテルを固定すべく構成されたベローズ継手、
の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項13に記載の注入装置。
【請求項17】
第1の薬物を第1の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部、及び第2の薬物を第2の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部を備える注入ポンプ、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項18】
ボーラス投与の配送を第1の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部、及び基本的な配送を第2の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部を備える注入ポンプ、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項19】
ボーラス投与の注入を第1の組織空間に、及び基本的な注入を第2の組織空間に供給する単一の貯留部を備える注入ポンプ、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
【請求項20】
剛体の本体部分、及び
本体の壁部を備える少なくとも1つの柔軟な本体部分であって、前記壁部の1つ以上の長さ部に1つ以上のチャンネル、溝、又はセパレーションが設けられている少なくとも1つの柔軟な本体部分、
を備えることを特徴とする内在のカテーテル。
【請求項21】
前記内在のカテーテルの少なくとも一部分が、ステンレス鋼、ニチノール、チタン、硬質プラスチック、ポリカーボネート、COC、又は同様な材料から成ることを特徴とする請求項20に記載の内在のカテーテル。
【請求項22】
ポリマーを所望の温度にまで加熱し、
剛体の本体部分、本体の壁部を備える少なくとも1つの柔軟な本体部分であって、前記壁部の1つ以上の長さ部に1つ以上のチャンネル、溝、又はセパレーションが設けられている少なくとも1つの柔軟な本体部分、及び一端部において鋭利化された部分を形成すべく、前記加熱されたポリマーを用いて内在のカテーテルを射出成形し、
前記内在のカテーテルの少なくとも一部分に外側スリーブを施す、
ステップを備えることを特徴とする内在カテーテルを作る方法。
【請求項23】
前記カテーテル本体の少なくとも一部分を貫通している複数の別個の軸方向の開口を備えるカテーテル本体を形成すべく、当該内在のカテーテルを射出成形するステップをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の内在カテーテルを作る方法。
【請求項24】
前記内在のカテーテルの少なくとも一部分を前記外側スリーブでもって外側被覆するステップをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の内在カテーテルを作る方法。
【請求項25】
前記外側スリーブを押出加工し、及び
前記内在のカテーテルの少なくとも一部分に組み立てる、
ステップをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の内在カテーテルを作る方法。
【請求項26】
皮膚に接触する接着剤層、少なくとも1つのカテーテルスリーブ、及び内在のカテーテルを備える内側カテーテルハブと、
前記内側カテーテルハブを実質的に覆い、そして皮膚に接触する接着剤層を備える外側ハブと、
前記内側カテーテルハブと前記外側ハブとの間に柔軟に延在する衝撃隔絶手段であって、ここで前記衝撃を隔絶する部材は、前記内側カテーテルハブを前記外側ハブ内で柔軟に固定し、そして前記皮膚に接触する接着剤層によって一旦固定されると、実質的に前記外側ハブからの前記内側カテーテルハブへの運動の連通を防止すべく構成された衝撃隔絶手段と、
をそなえることを特徴とする注入装置。
【請求項27】
前記内在のカテーテルの鋭利な先端部が前記カテーテルスリーブの一端を過ぎて引き込まれるように、前記内在のカテーテルを前記カテーテルスリーブに対して引き込む引き込み手段をさらに備えることを特徴とする請求項26に記載の注入装置。
【請求項28】
単一の配置動作がカテーテル及び導入ニードルの組織への導入、カテーテルの正しい深さへの設置、及び導入ニードルの引き込みを許容すべく構成されたスナップ作用機構によって支持されている内側ハブをさらに備えることを特徴とする請求項26に記載の注入装置。
【請求項29】
外側ハブの平らな表面を越えて延在する内側ハブと、外側ハブの外部表面を皮膚に向けて押圧することがカテーテルとカニューレを組織内に導入し、そして鋭利な先端部が鈍なカニューレの端部の上方に再位置付けされるように導入ニードルを引き込むような内側ハブのための格納システムと、
をさらに備えることを特徴とする請求項26に記載の注入装置。
【請求項30】
皮膚に接触する接着剤層、少なくとも1つ格納可能なカテーテル、及び鈍なカニューレを備える内側カテーテルハブ、
実質的に前記内側カテーテルハブを覆い、そして皮膚に接触する接着剤層を備える外側ハブ、及び
前記内側カテーテルハブと前記外側ハブとの間に柔軟に延在する衝撃隔絶手段であって、ここで前記衝撃を隔絶する部材は、前記内側カテーテルハブを前記外側ハブ内で柔軟に固定し、そして前記皮膚に接触する接着剤層によって一旦固定されると、実質的に前記外側ハブからの前記内側カテーテルハブへの運動の連通を防止すべく構成された衝撃隔絶手段、
を備えることを特徴とする注入装置。
【請求項31】
前記格納可能なカテーテルの鋭利な先端部が前記鈍なカニューレの一端を過ぎて引き込まれるように、前記格納可能なカテーテルを前記鈍なカニューレに対して引き込む引き込み手段をさらに備えることを特徴とする請求項30に記載の注入装置。
【請求項32】
単一の配置動作が格納可能なカテーテル及び鈍なカニューレの組織への導入、格納可能なカテーテルの正しい深さへの設置を許容すべく構成されたスナップ作用機構によって支持されている内側ハブ、及び
格納可能なカテーテルを引き込むべく構成されたレバー、
をさらに備えることを特徴とする請求項30に記載の注入装置。
【請求項33】
外側ハブの平らな表面を越えて延在する内側ハブと、外側ハブの外部表面を皮膚に向けて押圧することが格納可能なカテーテルと鈍なカニューレを組織内に導入するような内側ハブのための格納システムと、
鋭利な先端部が鈍なカニューレの端部の上方に再位置付けされるように格納可能なカテーテルを引き込むべく構成されたレバーと、
をさらに備えることを特徴とする請求項30に記載の注入装置。
【請求項34】
中実のロッドを形成、鋳造、押出加工、射出成形、又は機械加工して、カテーテルであって、前記カテーテル本体の少なくとも一部分を通過する複数の別個の軸方向の溝を備える複数空腔のカテーテルを創造し、そして
前記カテーテル本体の少なくとも一部分に外側スリーブを施す、
ステップを備えることを特徴とする内在のカテーテルを作る方法。
【請求項35】
前記カテーテル本体の少なくとも一部分を前記外側スリーブでもって外側被覆する、
ステップをさらに備えることを特徴とする請求項34に記載の内在のカテーテルを作る方法。
【請求項36】
前記外側スリーブを押出加工し、そして
前記押し出された外側スリーブを前記カテーテル本体の少なくとも一部分に組み立てる、
ステップをさらに備えることを特徴とする請求項34に記載の内在のカテーテルを作る方法。
【請求項37】
前記複数空腔のカテーテルの外表面と前記外側スリーブの内表面との間に前記空腔を作るべく、前記複数空腔のカテーテルの外表面に複数の溝を形成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項34に記載の内在のカテーテルを作る方法。
【請求項38】
ハブと、
双数空腔のカテーテルであって、第1の組織空間及び第2の組織空間をそれぞれ標的にすべく、前記カテーテルの少なくとも一部分を貫通している複数の別個の軸方向の開口を備える双数空腔のカテーテルと、
前記第1の組織空間を標的にするために、ボーラス投与の注入を前記双数空腔のカテーテルの第1の軸方向の開口に向け、かつ前記第2の組織空間を標的にするために、基本的な注入を前記双数空腔のカテーテルの第2の軸方向の開口に向けるべく構成されたバルブと、
を備えることを特徴とする双数空腔の注入装置。
【請求項39】
前記双数空腔のカテーテルは、第1の組織空間を標的にすべく構成された第1のカテーテル本体、及び第2の組織空間を標的にすべく構成された第2のカテーテル本体を備えることを特徴とする請求項38に記載の双数空腔の注入装置。
【請求項40】
即効性のインスリンを前記第1の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部、及び遅効性のインスリンを前記第2の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部を備える注入ポンプ、
をさらに備えることを特徴とする請求項38に記載の注入装置。
【請求項41】
ボーラス投与の配送を前記第1の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部、及び基本的な配送を前記第2の組織空間に供給すべく構成された少なくとも1つの貯留部を備える注入ポンプ、
をさらに備えることを特徴とする請求項38に記載の注入装置。
【請求項42】
ボーラス投与の注入を前記第1の組織空間に、及び基本的な注入を前記第2の組織空間に供給するための単一の貯留部を備える注入ポンプ、をさらに備えることを特徴とする請求項38に記載の注入装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図18E】
【図19】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図18E】
【図19】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【公表番号】特表2012−515016(P2012−515016A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545380(P2011−545380)
【出願日】平成22年1月11日(2010.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/000054
【国際公開番号】WO2010/080715
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月11日(2010.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/000054
【国際公開番号】WO2010/080715
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
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