説明

柱列状連続孔を削孔するための設備

柱列状連続孔(2)を孔開けするための設備であって、掘削システム(3,14,4,16及び17)と、案内システム(7,8)とにより構成され、これらシステムの両者は、孔開け中の孔(2)と、先行建造孔(2’)との中にセットされ、2つのシステムは、予め設定された孔相互の中心間距離を規定するように互いに固定され、前記掘削システムは、回転手段(3)と、それに接続されたビット(4)とを備え、そしてボーリング孔内に完全に導入されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[説明]
本発明は、柱列状連続孔を削孔するための設備に関する。
【0002】
欧州特許出願公開EP−1,770,219号には、柱列状連続孔のアレイを建造するための方法及び設備が記載されている。この場合、柱列状連続孔相互の中心間距離は、先行建造孔内をスライドする案内システムによって保障されている。これは、必要とされる中心間距離を保って次の孔内で作業している孔開け設備に接続されている。
【0003】
経験は、一連の実行上の問題並びに作業の代案の可能性を示している。そして、これら問題に対する解法は、本発明の主題を形成している。
【0004】
ここで留意されるべき点は、ガイドの直径は、孔の直径よりも小さいが、それは掘削システムの小さな移動を可能にし、この小移動が先行の軸に対し偏れた経路へと導く、ということである。この遊びは、堅固な構造体において、採掘工程と抽出工程の双方でジャミングすることを防止するために必要である。
【0005】
加えて、今日まで採用されている伝統的なタイプの解法は、掘削部外に設けられた孔開けビット旋回用モータと、一緒に結合され得る複数の孔開けロッドとを使用するものであるが、この解法は、これらロッドの組み立ておよび取り外し用の決定的に長い時間を必然的に伴う。これは、孔開けビットについて緊急保守作業が行われる場合、ボーリング孔からのビットの抽出を含むことになるので、特に不利になる。これらの場合、全てのロッドは取り外され、そして再度一緒に元へ戻される。
【0006】
加えて、ドリルストリングの増大する重量は、掘削部材を益々重くする。ところが、後者の最適性能は、一定負荷で得られる。この結果、現在の解法は、ストリング自体の可変重量に基づいて徐々に且つ注意深く与えられるべきストリングにかかるスラストの力を、あるいはそのストリングを留めることを、予見している。
【0007】
岩、コンクリート、または硬いか不規則な土壌に孔開けすると、採掘される物質の振動および破砕を生じ、その結果として粗いフレークの形成を伴う。このフレークは、泥水洗システムによって清掃することが難しい。前記フレークは、先行建造孔内に陥没して、案内システムの降下を妨げやすい。
【0008】
上記欠点を克服し、予め設定された目的を達成するために、この発明は、請求項1に係る設備の規定を提案する。
【0009】
次に、この発明に係る設備が、添付された図面の版を参照して説明される。
【0010】
この発明の解法は、例によって与えられる非限定的な実施形態では、建造中の孔2内に既知の巻揚げ手段(描かれていない)によって支持されている掘削設備1からなる。この設備は、ビット4を旋回させるためのモータ3を備えている。この孔には、少なくとも部分的に孔開け液が充填され得る。また、残骸を清掃するためのシステムは、逆循環プロセスを使用して、意図的に設けられたワインダー上に巻かれたフレキシブルな管系5を通して、孔開け残骸が表面上に搬送されるようにする。同じ手法で操作されるのは、このユニットの作動及び制御、例えば、その位置に関して既知の手段によって行われる測定および修正に必要なパイプ及び電気ケーブル6である。
【0011】
この設備を掘削部内に降下させる操作をする機械は、測定および制御用のフレキシブルなパイプや電気ケーブルを巻き取るためのシステムと同様に、例えば水車のセクターにおける既知のタイプである。
【0012】
案内システムは、互いに固定された2つの円筒形本体7及び8によって構成され、これらは、先行して完成された孔2’と現在建造中の孔2を占める。各本体7及び8は、拡張可能な表面9及び10を備える。これらの表面は、2つの孔の壁面に接触すると共にそれらを押して、現在の設備に存在する遊びを消去する。
【0013】
本体7の拡張可能な表面9は、この例では、互いに対向している。このシステムには、拡張可能な表面9を拡張及び後退させるためのピストン12が装備され得る。他方の本体8の拡張可能な表面10も、もう一度この例では、互いに対向している。他方のピストン13は、拡張可能な表面10を拡張及び後退させるために設けられる。
【0014】
ビット4は、図示された実施形態では、建造中の孔2内に滑入する本体8に内蔵されたホール・ボトムハンマー14によって搬送される。しかしながら、孔開け手段は、通常の回転孔開け用ビットでもよい。
【0015】
大きなサイズの残骸の形成及びビット4下方の先行孔2’内への落下は、ガイドの延長部又はヘッド16によって妨げられ、制限されている。この延長部は、ビット4の下方へ延びて、孔の全径を占めている。前記延長部16は、掘削装置と共に前進するようにアーム15を介して掘削装置に接続され、またビット4の下に横たわる土を支えるための拡張可能な表面17を備えている。
【0016】
ヘッド16とブロック17は、既に完全に建造された孔2’を満たし、破壊中の領域の陥没に抗する支えを与える。
【0017】
拡張可能な表面17は、使用後に、掘削領域から持ち出され得るものであるか、あるいは取り外される類のものであるか、もしくは廃棄可能なタイプである
【0018】
モータ3、ハンマー14、ビット4、ヘッド16、及びブロック17から構成される掘削システムは、それ自体の重量を受けるだけであり、そして所定範囲にわたりガイドに対しスライドして、ボーリング孔の軸に従う段階的前進をなすことが可能である。ガイドは、間隔をもって壁面から自由にされ、そして掘削装置に追従して落下することが可能にされている。
【0019】
ガイド装置7及び8に対する掘削装置4及び14の上述した前進の工程は、その代わりに、例えば水圧シリンダ18のような被制御型部材によって管理され得る。この場合、重量に加わるスラストの力を、ビットにも加えることが可能である。
【0020】
孔開け作業の最後に、種々の孔の底部間に生じるレベルの連続的差異を避けるために、孔開けされ得る物質(例えば、コンクリート)によって部分的に構成される延長部は、必要な深さを破壊するまで前進する掘削システムから放出される。
【0021】
その代わりに、延長部の拡張可能な表面は、掘削されるべき領域の外部にそれらが留まるまで、後退可能である。あるいは、全延長部は、容易に取り外され得る。これは、採掘作業の最後の部分を行うためである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明に係る設備を部分縦断面図で示す。
【図2】この発明に係る設備を図1のII−II断面で示す。
【符号の説明】
【0023】
1 掘削設備
2、2’ 孔
3 モータ
4 ビット
5 管系
6 パイプ及び電気ケーブル
7、8 円筒形本体、ガイド装置
9、10、17 表面
12、13 ピストン
14 ホール・ボトムハンマー
15 アーム
16 ヘッド
17 表面、ブロック
18 水圧シリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱列状連続孔(2)を削孔するための設備であって、掘削システム(3,14,4,16及び17)と、案内システム(7,8)とにより構成され、これらシステムの両者は、孔開け中の孔(2)と、先行建造孔(2’)との中にセットされ、2つのシステムは、予め設定された孔相互の中心間距離を規定するように互いに固定され、前記掘削システムは、回転手段(3)と、それに接続されたビット(4)とを備え、そしてボーリング孔内に完全に導入されていることを特徴とする設備。
【請求項2】
この設備は、既知の巻揚げ手段によって吊るされ、操作されることを特徴とする請求項1に記載の柱列状連続孔を削孔するための設備。
【請求項3】
案内システム(7,8)には、先行孔(2’)の壁面に押し付けられる第1の拡張可能な表面(9)が設けられ、これにより遊びのない仮枠と、固定位置の固定基礎とを得ることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項4】
案内システム(7,8)には、建造中の孔(2)の壁面に押し付けられる第2の拡張可能な表面(10)が設けられ、これにより遊びのない仮枠と、固定位置の固定基礎とを得ることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項5】
掘削システムには、延長部(16)が装備され、この延長部は、ビット(4)の下方で先行孔(2’)内にセットされ、そして破壊されている領域を支えて陥没に抗するように設計されていることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項6】
延長部には、拡張可能な表面(17)が設けられ、この表面は、ビット(4)の下方の壁面を支え、そして掘削の領域から持ち出され得るものであるか、あるいは取り外される類のものであるか、もしくは廃棄可能なタイプであることを特徴とする請求項5に記載の設備。
【請求項7】
回転手段は、巻揚げ可能なフレキシブルなパイプまたはケーブル(6)を通して供給される少なくとも1つのモータ(3)を備えることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項8】
建造中の孔(2)には、孔開け液が充填され、そして残骸を清掃するためのシステム(5)は、逆循環を使用することを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項9】
ビット(4)によって生成される残骸は、巻揚げ可能なフレキシブルなパイプ(5)を通して孔開け液によって清掃されることを特徴とする請求項8に記載の設備。
【請求項10】
掘削システム(3,14,4,16及び17)は、壁面に固定されたガイド(8,9)に対し、建造中の孔(2)の軸に沿ってスライド可能であることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項11】
スライド動作は、意図的に設けられた作動手段(18)によって得られることを特徴とする請求項10に記載の設備。
【請求項12】
補助的な採掘移動、例えばガイドおよび仮枠後退式表面の拡張やガイドに対する掘削アセンブリの前進は、巻揚げ可能なフレキシブルなパイプ(6)によって作動されることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項13】
掘削システムは、ホール・ボトムハンマー(14)によって構成される孔開けシステムを予見することを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項14】
掘削システムは、回転孔開け用の伝統的なビットによって構成される孔開けシステムを予見することを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項15】
拡張可能な表面(9,10)は、掘削の方向の修正をなすことに使用され得ることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の設備。
【請求項16】
掘削システムは、先行孔からの残骸を清掃するための少なくとも1つのパイプ(5)を備えることを特徴とする請求項1に記載の設備。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−510187(P2011−510187A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541755(P2010−541755)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/000145
【国際公開番号】WO2009/090034
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(595128167)ソイルメック ソシエタ ペル アテオニ (8)
【Fターム(参考)】