説明

柱状改良用撹拌装置

【課題】粘性の強い土を含む地盤に対しても、掘削した土砂を細かく攪拌しつつ固化材と混合することにより、品質の優れた柱状改良杭を形成することができる柱状改良用撹拌装置を提供する。
【解決手段】流動状態の固化材の流通路を備え、駆動装置に取付けられて回動しながら昇降する回動軸11と、回動軸11の先端部に設けられた掘削翼12と、掘削翼12の上方において回動軸11から径方向両側に張り出す少なくとも一対の撹拌翼13と、掘削翼12と下段の撹拌翼13との間で回動軸11に回動自在に取付けられた共回り防止翼14とを備える、掘削土砂と固化材とを地中で撹拌混合することにより柱状改良杭を形成する柱状改良用撹拌装置10において、一対の撹拌翼13は、上方から見た際の投影面積が、当該一対の撹拌翼13が回転することによる略円形断面の攪拌領域Sの断面積の15〜35%の大きさとなるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱状改良用撹拌装置に関し、特に、掘削土砂と固化材とを地中で撹拌混合することにより柱状改良杭を形成する柱状改良用撹拌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
柱状改良用撹拌装置を用いたいわゆる湿式柱状改良工法は、回動軸の先端部分に掘削翼や攪拌翼を備える当該撹拌装置によって、セメントミルク等の流動状態の固化材を掘削土砂と地中で攪拌混合することにより、例えば500〜600mm程度の杭径の柱状改良杭を形成する工法である(例えば、特許文献1参照)。このような柱状改良用撹拌装置を用いた湿式柱状改良工法によれば、住宅建築物等の建物の基礎地盤を補強したり、建物を支持する基礎杭として、複数本の柱状改良杭を、狭い敷地においても簡易に且つ効率良く形成することが可能である。
【特許文献1】特開2003−313857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の柱状改良用撹拌装置では、施工対象となる地盤が粘性の強い土を含む地盤であると、切削された土砂がダマになったまま残って細かな攪拌が困難になると共に、多くの改良残渣が発生して、改良残渣を産業廃棄物として処理するのに無駄な手間やコストがかかる場合がある。
【0004】
本発明は、粘性の強い土を含む地盤に対しても、掘削した土砂を細かく攪拌しつつ固化材と混合することにより、品質の優れた柱状改良杭を形成することができると共に、改良残渣が発生するのを効果的に抑制することのできる柱状改良用撹拌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、流動状態の固化材を流通させる流通路を備え、駆動装置に取付けられて回動しながら昇降する回動軸と、該回動軸の先端部に取付けられた掘削翼と、該掘削翼の上方において前記回動軸から径方向両側に張り出す少なくとも一対の撹拌翼と、前記掘削翼と前記撹拌翼との間で前記回動軸に回動自在に取付けられた共回り防止翼とを備える、掘削土砂と固化材とを地中で撹拌混合することにより柱状改良杭を形成する柱状改良用撹拌装置において、前記一対の撹拌翼は、上方から見た際の投影面積(平面積)が、一対(2枚)の撹拌翼の合計で、当該一対の撹拌翼が回転することによる略円形断面の攪拌領域の断面積の15〜35%の大きさ、より好ましくは17〜30%の大きさとなるように形成されている柱状改良用撹拌装置を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0006】
また、本発明の柱状改良用撹拌装置は、前記一対の撹拌翼が、各々、鋭角な先端部を有すると共に、前記回動軸による順回転方向の後方側に螺旋形状に湾曲するスクリュー羽根形状を有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の柱状改良用撹拌装置によれば、粘性の強い土を含む地盤に対しても、掘削した土砂を細かく攪拌しつつ固化材と混合することにより、品質の優れた柱状改良杭を形成することができると共に、改良残渣が発生するのを効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1(a)〜(c)に示す本発明の好ましい一実施形態に係る柱状改良用撹拌装置10は、例えば住宅建築物等の建物の基礎地盤に、当該基礎地盤を補強すると共に建物を支持する基礎杭として、複数の柱状改良杭を地中に形成する湿式柱状改良工法において用いられる。ここで、柱状改良用撹拌装置10を用いた湿式柱状改良工法は、回動軸11の先端部分に設けられた掘削翼12や攪拌翼13によって、セメントミルク等の固化材を地盤に注入しつつ掘削土砂を固化材と共に地中で攪拌混合することにより、柱状改良杭を形成する公知の工法であり、本実施形態の柱状改良用撹拌装置10は、粘性の強い土を含む地盤に対しても、ダマが生じなうように掘削土砂を細かく攪拌しつつ固化材と混合できるようにする機能を備えている。
【0009】
そして、本実施形態の柱状改良用撹拌装置10は、流動状態の固化材を流通させる流通路を備え、駆動装置(図示せず。)に取付けられて回動しながら昇降する回動軸11と、回動軸11の先端部に設けられた掘削翼12と、掘削翼12の上方において回動軸11から径方向両側に張り出す少なくとも一対(本実施形態では二対)の撹拌翼13と、掘削翼12と下段の撹拌翼13との間で回動軸11に回動自在に取付けられた共回り防止翼14とを備える、掘削土砂と固化材とを地中で撹拌混合することにより柱状改良杭を形成する装置において、一対の撹拌翼13は、上方から見た際の投影面積が、一対(2枚)の撹拌翼13の合計で、当該一対の撹拌翼13が回転することによる略円形断面の攪拌領域Sの断面積の15〜35%の大きさ、より好ましくは17〜30%の大きさとなるように形成されている。
【0010】
また、本実施形態では、一対の撹拌翼13は、各々、鋭角な先端部13aを有すると共に、回動軸11による順回転方向Rの後方側に螺旋形状に湾曲するスクリュー羽根形状を有している。
【0011】
本実施形態では、柱状改良用撹拌装置10は、湿式柱状改良工法に用いる公知の攪拌装置と略同様の構成を備えており、中空内部を有する鋼製パイプ状の回動軸11の先端部分(下端部分)には、先端ビット17、掘削翼12、撹拌翼13、共回り防止翼14等が一体として取り付けられている。また回動軸11には、例えばセメントミルク等の固化材を圧送するための圧送パイプ等による流通路が内部に設けられており、固化材を噴射させるための噴射ノズル18が先端部外周面に開口して設けられている。柱状改良用撹拌装置10は、例えばか回転駆動装置等を備える圧入打設用のベースマシーン(図示せず。)に取り付けて用いられ、ベースマシーンからの操作により、回転しながらガイドレールに沿って所定の深さまで地中に圧入された後に引き上げられて、先端ビット17や掘削翼12で切削した掘削土砂と噴射ノズル18から噴射した固化材とを、共回り防止翼14で掘削土砂の共回りを防止しつつ掘削翼12や撹拌翼13によって攪拌混合することにより、例えば500〜600mm程度の杭径の柱状改良杭を地中に形成するようになっている。
【0012】
ここで、回動軸11の先端に接合一体化されて設けられた先端ビット17は、先端(下端)が鋭角になった略ニ等辺三角形状のプレート状の部分であって、掘削翼12による切削に先行して、回動軸14の延長上の地盤を切削することにより、掘削翼12をガイドする機能を発揮すると共に、掘削翼12による切削を容易にする機能を備えている。
【0013】
先端ビット17の上方に配置される掘削翼12は、先端ビット17による切削箇所の外側部分を、形成するべき柱状改良杭の杭径と同様の直径の円形断面で切削して行く部分である。本実施形態では、掘削翼12は、回動軸11から径方向両側に張り出す一対の支持ロッド15a,15bに、先端に切削爪16aを備える切削プレート16を各々3箇所に固着することによって構成されている。
【0014】
掘削翼12の一対の支持ロッド15a,15bは、各々、例えば幅75mm程度、厚さ30mm程度の扁平な矩形断面を有する細長い帯板状の金属プレートであって、一端を回動軸11の下端部分の外周面に溶着固定することにより、扁平な上下のプレート面を略水平に配置した状態で、180°の中心間角度間隔をおいて、回動軸11を挟んだ反対方向に直線状に張り出した状態で取り付けられている。
【0015】
支持ロッド15a,15bに固着される切削プレート16は、各々、例えば25mm程度の厚さのプレート片からなり、略直角台形状のプレート面を有している(図1(c)参照)。本実施形態では、各切削プレート16は、略直角台形状の底辺部を支持ロッド15a,15bに対して例えば55°の傾斜角度θ1で斜め上方に向けて、当該底辺部を回動軸11による順回転方向Rの前方側に配置した状態で取り付けられる。また各切削プレート16は、先端の切削爪16aを順回転方向Rの前方側に突出させると共に、プレート面を支持ロッド15a,15bの張出し方向Xと垂直又は略垂直に交差させるようにして支持ロッド15a,15bに縦付した状態で、上部に支持ロッド15a,15bを食い込せて当該支持ロッド15a,15bに溶着固定されている。
【0016】
ここで、各切削プレート16が、プレート面を支持ロッド15a,15bの張出し方向Xと垂直又は略垂直に交差させるようにして支持ロッド15a,15bに縦付されていることにより、当該切削プレート16によって粘性の強い土を切る作用を効果的に発揮させることが可能になる。
【0017】
また、本実施形態では、各切削プレート16は、支持ロッド15a,15bから順回転方向Rの前方側に向けて、接線方向Yに対して例えば5°の傾斜角度θ2で内側を向いた状態で、支持ロッド15a,15bに縦付けされている(図1(b)参照)。ここで、各切削プレート16は、接線方向Yに対して5〜10°の傾斜角度θ2で内側を向いた状態で支持ロッド15a,15bに縦付けされることが好ましい。これによって切削された土砂に回転力を与えることが可能になると共に、スラリー状の固化材との攪拌混合をより効果的に行うことが可能になる。
【0018】
さらに、本実施形態では、各切削プレート16は、回動軸11から径方向両側に張り出す一対の支持ロッド15a,15bに対して、一方の支持ロッド15aに固着された切削プレート16の回動軸11を中心とする回転軌跡が、他方の支持ロッド15bに固着された隣接する切削プレート16による回転軌跡の間を通るように、一方の支持ロッド15aに固着された切削プレート16と他方の支持ロッド15bに固着された切削プレート16とが、回動軸11からの距離を互い違いに異ならせた状態で取付けられている(図1(a)参照)。
【0019】
すなわち、一方の支持ロッド15aに固着される1番内側の切削プレート16は、その中心位置が、例えば回動軸11の中心からL1=92mm離れた位置に取付けられると共に、2番目、3番目の切削プレート16は、その中心位置が、例えば回動軸11の中心からL3=170mm、L5=248mm離れた位置に各々取付けられている。また、他方の支持ロッド15bに固着される1番内側の切削プレート16は、その中心位置が、例えば回動軸11の中心からL2=131mm離れた位置に取付けられると共に、2番目、3番目の切削プレート16は、その中心位置が、例えば回動軸11の中心からL4=209mm、L6=287mm離れた位置に各々取付けられている。したがって、各支持ロッド15a,15bに固着された切削プレート16の回動軸11の中心からの距離L1,L2,L3,L4,L5,L6は、互い違いにL1<L2<L3<L4<L5<L6となっている。
【0020】
これによって、各切削プレート16の回動軸11を中心とする回転軌跡は、互いに重なることなく、一方の支持ロッド15aに固着された切削プレート16の回動軸11を中心とする回転軌跡が、他方の支持ロッド15bに固着された隣接する切削プレート16による回転軌跡の間を通過して、細かいピッチの回転軌跡が形成されることになる。したがって、ダマが生じなうように掘削土砂を細かく切ることを可能にして、均質で強度が増した品質の優れた柱状改良杭を形成することが可能になると共に、ダマによる改良残渣の発生をさらに効果的に抑制することが可能になる。
【0021】
なお、本実施形態では、回動軸11の先端部外周面に開口する噴射ノズル18は、掘削翼12の一対の支持ロッド15a,15bが突出する高さ位置において、これらと90°の中心間角度間隔離れて、両側に一対開口形成されている。
【0022】
掘削翼12の上方に配置される共回り防止翼14は、本実施形態では、掘削翼12と下段の撹拌翼13との間の部分において、上下方向への動きを制限された状態で回動軸11に回動自在に取り付けられた円筒スリーブ形状のボス部19から両側に張り出して、180°の中心間角度間隔をおいて一対設けられている。共回り防止翼14は、掘削翼12の外径よりも僅かに大きな外径を有しており、掘削翼12によって形成された掘削穴の孔壁に僅かに食い込んで、掘削翼12及び撹拌翼13が回転する間、回転しない状態を保持する。これによって共回り防止翼14は、固化材と混合する前の掘削土砂が塊状となって掘削翼12や撹拌翼13と共に回転する、いわゆる共回り現象を防止して、撹拌効果を高める機能を発揮する。
【0023】
共回り防止翼14の上方に配置される撹拌翼13は、各々、掘削翼12の上方において回動軸11から外側に張り出して設けられ、回動軸11の回転駆動により、先端ビット17や掘削翼12で切削した掘削土砂を噴射ノズル18から噴射した固化材と共に攪拌する。本実施形態では、攪拌翼13は、回動軸11から各一対の攪拌翼13が、180°の角度間隔をおいて両側に張り出した状態で回動軸11に溶着固定されることにより、周方向に90°ずれた状態で上下2段に設けられる。
【0024】
また、本実施形態では、各攪拌翼13は、図2(a),(b)にも示すように、鋭角な先端部13aを有すると共に、回動軸11による順回転方向Rの後方側に螺旋形状に湾曲するスクリュー羽根形状を有している。さらに、本実施形態では、各攪拌翼13は、回動軸11と垂直な面に対して順回転方向Rの前方側に好ましくは15〜30度程度の傾斜角度θ3で下方に傾斜した状態で取り付けられている(図1(a)参照)。さらにまた、本実施形態では、スクリュー羽根形状の各攪拌翼13は、回動軸11への接合基端部を除く周縁部分13bが鋭利な形状となるように、当該周縁部分13bの下側の面にテーパー処理が施されている(図2(b)参照)。これらによって、各攪拌翼13の周縁部分13bをさらにスムーズにダマに食い込ませて、粘性の強い土のダマになった部分をさらに効果的に攪拌することが可能になり、攪拌力を一層向上させることが可能になる。
【0025】
ここで、本実施形態では、回動軸11から両側に張り出す一対のスクリュー羽根形状の攪拌翼13は、これらを上方から見た際の投影面積(平面積)が、当該一対の撹拌翼13が回転することによる円形断面の攪拌領域Sの断面積の15〜35%の大きさ、より好ましくは17〜30%の大きさとなるように形成されている。すなわち、当該一対の撹拌翼13の各外側端部を結んだ線分を直径とする円の面積から、回動軸11の断面積を引いた面積を一対の撹拌翼13が回転することによる円形断面の攪拌領域Sの断面積A0とし、スクリュー羽根形状の2枚の攪拌翼13の投影面積(平面積)の合計をA1とした場合に、〔(2×A1)/A0〕×100(%)が15〜35%となるように形成されている。〔(2×A1)/A0〕×100(%)が15〜35%となっていることにより、一対の撹拌翼13は、相当の大きさの投影面積を備えることとなり、後述する粘性の強い土を含む地盤に対して、ダマが生じなうように掘削土砂を細かく攪拌する機能を確実に発揮させることが可能になる。
【0026】
そして、上述の構成を備える本実施形態の柱状改良用撹拌装置10によれば、粘性の強い土を含む地盤に対しても、掘削した土砂を細かく攪拌しつつ固化材と混合することにより、品質の優れた柱状改良杭を形成することが可能になると共に、改良残渣が発生するのを効果的に抑制することが可能になる。すなわち、本実施形態によれば、一対の撹拌翼13は、上方見た際の投影面積が、当該一対の撹拌翼13が回転することによる略円形断面の攪拌領域Sの断面積の15〜35%の大きさとなるように形成されているので、回動軸11と共に一対の撹拌翼13が回転する際に、一対の撹拌翼13によって、順回転方向Rに沿った面における掘削土砂との相当の接触面積が確保されることになる。これによって、粘性の強い土を含む地盤に対して、ダマが生じなうように掘削土砂を細かく攪拌しつつ固化材と混合してゆくことが可能になると共に、ダマによる改良残渣の発生を効果的に抑制することが可能になる。
【0027】
また、本実施形態によれば、一対の撹拌翼13が相当の大きさの投影面積を有しているので、掘削土砂と固化材とを攪拌混合する際に、攪拌混合された混合物が地表の削孔穴から溢れ出て多量の改良残渣が生じるの回避するべく、削孔箇所に先行堀りを行うにあたって、一度に多くの土砂を攪拌翼13の上に載せて引き上げることが可能になり、当該撹拌装置10を用いて、先行堀りを効率良く行うことが可能になる。さらに、各攪拌翼13は、順回転方向Rの前方側に傾斜角度θ3で下方に傾斜した状態で取り付けられているので、粘性の強い土を含む地盤に対して、ダマが生じなうように掘削土砂を細かく攪拌する機能をさらに向上させることが可能になる。
【0028】
さらにまた、本実施形態によれば、各攪拌翼13は、回動軸11による順回転方向Rの後方側に螺旋形状に湾曲するスクリュー羽根形状を備えているので、粘性の強い土に食い込み易くなって、攪拌力を一層高めることが可能になと共に、例えば撹拌装置10を引き上げる際に、逆回転しつつ引き上げることにより、逆回転方向側の、内側に湾曲する部分の鋭利になった周縁部分13bがダマに食い込んで、粘性の強い土のダマになった部分をさらに効果的に攪拌することが可能になり、攪拌力を一層向上させることが可能になる。
【0029】
図2は、本発明の他の実施形態に係る柱状改良用撹拌装置20の要部を示すものである。本他の実施形態に係る柱状改良用撹拌装置20は、上記実施形態の柱状改良用撹拌装置10と略同様の構成を備える他、上下2段に各々一対取り付けられる攪拌翼13’は、順回転方向Rの前方側の回動軸11に隣接する部分を斜めに切り欠いた略矩形平面形状を備えており(図1(b)参照)、これによって平面視した際の相当の大きさの投影面積を有するようになっている。また攪拌翼13’の順回転方向Rの前方側の縁部分13aは、鋭利な形状となるように上下の面にテーパー処理が施されている。本他の実施形態に係る柱状改良用撹拌装置20によっても、一対の攪拌翼13’を上方から見た際の投影面積が、攪拌領域Sの断面積の15〜35%の大きさとなっていることにより、上記実施形態の柱状改良用撹拌装置10と略同様の作用効果が奏される。
【0030】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば切削プレートは、プレート面が支持ロッドの張出し方向と垂直又は略垂直に交差するように支持ロッドに縦付けされている必要は必ずしもなく、プレート面を支持ロッドの張出し方向に沿わせるようにして横付されていても良い。また、切削プレートは、略直角台形状のプレート面を有している必要は必ずしも無く、その他の形状のプレート面を有していても良い。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の好ましい一実施形態に係る柱状改良用撹拌装置の、(a)は要部側面図、(b)は底面図、(c)は(a)の下部を右側から見た側面図である。
【図2】(a)は、鋭角な先端部を有するスクリュー羽根形状の撹拌翼の上面図、(b)は、(a)のA−Aに沿った断面図である。
【図3】本発明の好ましい他の実施形態に係る柱状改良用撹拌装置の底面図である。
【符号の説明】
【0032】
10,20 柱状改良用撹拌装置
11 回動軸
12 掘削翼
13,13’ 撹拌翼
13a,13a’ 撹拌翼の縁部分(周縁部分)
14 共回り防止翼
15a,15b 支持ロッド
16 切削プレート
16a 切削爪
17 先端ビット
18 噴射ノズル
19 ボス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動状態の固化材を流通させる流通路を備え、駆動装置に取付けられて回動しながら昇降する回動軸と、該回動軸の先端部に取付けられた掘削翼と、該掘削翼の上方において前記回動軸から径方向両側に張り出す少なくとも一対の撹拌翼と、前記掘削翼と前記撹拌翼との間で前記回動軸に回動自在に取付けられた共回り防止翼とを備える、掘削土砂と固化材とを地中で撹拌混合することにより柱状改良杭を形成する柱状改良用撹拌装置において、
前記一対の撹拌翼は、上方から見た際の投影面積が、当該一対の撹拌翼が回転することによる略円形断面の攪拌領域の断面積の15〜35%の大きさとなるように形成されている柱状改良用撹拌装置。
【請求項2】
前記一対の撹拌翼は、各々、鋭角な先端部を有すると共に、前記回動軸による順回転方向の後方側に螺旋形状に湾曲するスクリュー羽根形状を有している請求項1に記載の柱状改良用撹拌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−7329(P2010−7329A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166762(P2008−166762)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【出願人】(506285541)スミリンベーステクノ株式会社 (11)
【出願人】(390025759)株式会社ワイビーエム (26)
【Fターム(参考)】