説明

栽培土壌蘇生用土の原料製造システム

【課題】 キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物、泥土が均一に撹拌混合された栽培土壌蘇生用土の原料を製造する。
【解決手段】 混合装置17を用いてキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dを混合することにより、これらを均一に、かつ効率良く混合することができ、品質に優れた栽培土壌蘇生用土の原料Mを製造することができる。また、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、それぞれの重量を荷重計付き供給装置5によって計測した後に一緒に混合装置17に供給し、泥土Dをチューブポンプ16によってその供給量を計量しつつ混合装置17に供給することにより、これらを混合装置17によって効率良く撹拌混合することができ、混合作業の作業性を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば農作物等を栽培するための土壌を蘇生するのに好適に用いられる栽培土壌蘇生用土の原料を製造するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、農作物を栽培するための土壌には、窒素、リン、カリウム等の不足分を補うために大量の化学肥料が投入されていた。しかし、最近では、土壌中に長年にわたって投与された化学肥料の成分が蓄積することにより、深刻な連作障害を起こし、作物の抵抗力を弱めてしまうことが知られている。
【0003】
これに対し、キノコを栽培した後の消化培地を発酵させ、この消化培地を堆肥化することにより、化学肥料に代わる土壌改質用の肥料を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平1−270584号公報
【特許文献2】特開平11−171677号公報
【0005】
この場合、消化培地の発酵による堆肥化は、好気性微生物が有機物を分解することによって行われるので、この微生物の活動を活発化させるためには適度な水分が必要であり、水分が不足している場合には水を加える必要がある。
【0006】
一方、灌漑溜池や河川等における浚渫作業によって発生した泥土、あるいは浄水場に堆積した泥土等を再利用する場合、これらの泥土は水分を多く含んでいるため、通常、生石灰等の土質改良材を混合することにより、埋立て等に適した強度を有する改良土として改質処理する必要があり、この改質処理のコストが嵩んでしまうという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このため、キノコを栽培した後の消化培地(キノコ培地)と、発酵作用を行う発酵菌類と、リグニンに富む有機性廃棄物と、水分を多く含む泥土とを添加し、これらを適宜に撹拌混合することにより、栽培土壌を蘇生させるための栽培土壌蘇生用土の原料を製造することが考えられる。
【0008】
ここで、発酵菌類としては、例えば酵母菌、糸状菌、乳酸菌、枯草菌、麹菌、納豆菌等のうち、少なくとも一種類の発酵菌類が用いられる。また、リグニンに富む有機性廃棄物としては、例えば籾殻、米糠、稲わら、そば殻表皮、ふすま、麦わら、大豆かす、おから、豆茎、プレスコーン、果実かす、食品残渣、もろこし茎、野菜くず、植物の葉等のうち、少なくとも一種類の有機性廃棄物が用いられる。さらに、水分を多く含む泥土としては、例えば建設廃土、浄水場に堆積した泥土、灌漑溜池や湖沼の浚渫工事によって発生した浚渫土等のうち、少なくとも一種類の泥土が用いられる。
【0009】
しかし、上述の栽培土壌蘇生用土の原料を製造するに際しては、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物、泥土を均一に撹拌混合するのが難しいという問題がある。また、良質な栽培土壌蘇生用土の原料を製造するためには、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物、泥土をそれぞれ定められた含有量をもって混合する必要があり、これらキノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物、泥土の量をそれぞれ計測した後に混合するため、この混合作業に多大な時間がかかるという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物、泥土を均一に撹拌混合することができ、かつ、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物、泥土の量をそれぞれ効率良く計測して混合することができるようにした栽培土壌蘇生用土の原料製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため本発明は、キノコ菌が残留するキノコ培地と、発酵菌類と、リグニンに富む有機性廃棄物と、泥土とを撹拌混合して栽培土壌蘇生用原料を製造する栽培土壌蘇生用土の原料製造システムに適用される。
【0012】
そして、請求項1の発明の特徴は、前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物を定量的に供給する1台または複数台の第1の供給装置と、前記泥土を定量的に供給する第2の供給装置と、前記第1の供給装置から供給された前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物と前記第2の供給装置から供給された前記泥土とを撹拌して混合する混合装置とを備えて構成したことにある。
【0013】
請求項2の発明は、前記混合装置は、前記第1の供給装置から供給された前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物と、前記第2の供給装置から供給された前記泥土とを、バッチ処理によって撹拌混合する構成としたことにある。
【0014】
請求項3の発明は、前記混合装置は、前記第1の供給装置から供給された前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物と、前記第2の供給装置から供給された前記泥土とを、連続処理によって撹拌混合する構成としたことにある。
【0015】
請求項4の発明は、前記第1の供給装置は、前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物を一緒に計測し前記混合装置に供給する1台または複数台の供給装置によって構成したことにある。
【0016】
請求項5の発明は、前記第1の供給装置は、前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物をそれぞれ個別に計測し、または複数種類を一緒に計測し前記混合装置に供給する複数台の供給装置によって構成したことにある。
【0017】
請求項6の発明は、前記第1の供給装置は、前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物をそれぞれの重量を計測することにより定量供給する荷重計付き供給装置により構成したことにある。
【0018】
請求項7の発明は、前記第1の供給装置は、前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物をスクリューの回転数に応じて定量供給するスクリューコンベヤにより構成したことにある。
【0019】
請求項8の発明は、前記第2の供給装置は、泥土の供給量が計測可能な手段を備えたチューブポンプまたはスラリーポンプにより構成したことにある。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、第1の供給装置によってキノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物を定量的に混合装置に供給し、第2の供給装置によって泥土を定量的に混合装置に供給した状態で、これらキノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物および泥土を混合装置によって撹拌することができる。これにより、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物、泥土の混合装置への供給量をそれぞれ効率良く計測し、これらを均一に混合することができる。従って、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物、泥土がそれぞれ最適な含有量をもって混合された良質な栽培土壌蘇生用土の原料を製造することができる。また、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物、泥土を、第1,第2の供給装置によって計測して混合装置に供給した後、混合装置によって効率良く撹拌混合することができるので、混合作業の作業性を高めることができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、混合装置が、第1の供給装置から供給されたキノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物と、第2の供給装置から供給された泥土とをバッチ処理によって撹拌混合することにより、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物および泥土を、混合装置内で循環させて十分に混合することができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、混合装置が、第1の供給装置から供給されたキノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物と、第2の供給装置から供給された泥土とを連続処理によって撹拌混合することにより、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物、泥土を短時間で混合して連続的に栽培土壌蘇生用土の原料を製造することができるので、栽培土壌蘇生用土の原料の生産性を高めることができる。
【0023】
請求項4の発明によれば、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物を、1台または複数台の第1の供給装置を用いて一緒に混合装置に供給することができるので、第1の供給装置の台数を少なくすることができ、栽培土壌蘇生用土の原料製造システムをコンパクトに構成することができる。
【0024】
請求項5の発明によれば、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物を、複数台の第1の供給装置を用いてそれぞれ個別に計測し、または複数種類を一緒に計測して混合装置に供給することにより、これらキノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物を混合装置に供給する作業を効率良く行うことができ、栽培土壌蘇生用土の原料の生産性を高めることができる。
【0025】
請求項6の発明によれば、第1の供給装置を荷重計付き供給装置によって構成することにより、混合装置に供給されるキノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物の量を、それぞれの重量によって管理することができる。これにより、栽培土壌蘇生用土の原料に含まれるキノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物の含有量を適宜に調整することができ、良質な栽培土壌蘇生用土の原料を製造することができる。
【0026】
請求項7の発明によれば、第1の供給装置をスクリューコンベヤによって構成することにより、混合装置に供給されるキノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物の量を、それぞれの容量によって管理することができる。これにより、栽培土壌蘇生用土の原料に含まれるキノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物の含有量を適宜に調整することができ、良質な栽培土壌蘇生用土の原料を製造することができる。
【0027】
請求項8の発明によれば、第2の供給装置を、泥土の供給量を計測する手段を備えたチューブポンプまたはスラリーポンプによって構成することにより、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物に対する泥土の量を適宜に調整することができ、良質な栽培土壌蘇生用土の原料を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る栽培土壌蘇生用土の原料製造システムの実施の形態について、図1ないし図17を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
まず、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は前,後方向に延びる長方形の敷地上に立設された建屋で、該建屋1の内部には、後述する栽培土壌蘇生用土の原料製造システム2、発酵エリア25、袋詰めエリア29、倉庫32が配置されている。
【0030】
2は建屋1内の前部側に配置された栽培土壌蘇生用土の原料製造システムで、この栽培土壌蘇生用土の原料製造システム2は、後述のキノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物、泥土を用いて栽培土壌蘇生用土の原料を製造するものである。そして、栽培土壌蘇生用土の原料製造システム2は、後述の土壌材貯溜所3、荷重計付き供給装置5、泥土貯溜所14、チューブポンプ16、混合装置17等によって構成されている。
【0031】
3は建屋1内の前部左側に配置された土壌材貯溜所で、該土壌材貯溜所3は、栽培土壌蘇生用土の原料を製造するために必要な各種の土壌材を貯溜するものである。そして、土壌材貯溜所3は、キノコ培地貯溜部3Aと、発酵菌類貯溜部3Bと、有機性廃棄物貯溜部3C,3Cとに仕切られている。
【0032】
ここで、キノコ培地貯溜部3Aには、キノコ栽培に用いられることによりキノコ菌が残留したキノコ培地Aが貯溜されている。また、発酵菌類貯溜部3Bには、発酵作用を行う発酵菌類(微生物)、例えば酵母菌、糸状菌、乳酸菌、枯草菌、麹菌、納豆菌等のうち、少なくとも一種類の発酵菌類Bが貯溜されている。また、有機性廃棄物貯溜部3C,3Cには、リグニンに富む有機性廃棄物、例えば籾殻、米糠、稲わら、そば殻表皮、ふすま、麦わら、大豆かす、おから、豆茎、プレスコーン、果実かす、食品残渣、もろこし茎、野菜くず、植物の葉等のうち、少なくとも一種類の有機性廃棄物Cが貯溜されている。
【0033】
そして、これら土壌材となるキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cは、トラック4によって搬送され、土壌材貯溜所3のキノコ培地貯溜部3A、発酵菌類貯溜部3B、有機性廃棄物貯溜部3C,3Cにそれぞれ貯溜される構成となっている。
【0034】
5は土壌材貯溜所3の近傍に配置された第1の供給装置としての1台の荷重計付き供給装置で、該荷重計付き供給装置5は、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、それぞれの重量を計測した後に一緒に後述の混合装置17へと供給するものである。ここで、荷重計付き供給装置5は、図3及び図4に示すように定盤6上に配設され、後述のフレーム7、ホッパ8、解砕機10、フィーダ11、各荷重計12等により構成されている。
【0035】
7は荷重計付き供給装置5のベースとなるフレームで、該フレーム7は、例えば溝形鋼、山形鋼等の鉄鋼材料を用いて直方体の枠状に形成され、強固な支持構造体をなしている。そして、フレーム7は、後述の各荷重計12を介して定盤6上に取付けられ、後述のホッパ8、解砕機10、フィーダ11等を支持するものである。
【0036】
8はフレーム7の上端側に設けられたホッパで、該ホッパ8は、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cが投入されるものである。ここで、ホッパ8は、上側開口部8Aと下側開口部8Bとを有する角筒状に形成され、下側開口部8Bから上側開口部8Aに向けて漏斗状に拡開している。
【0037】
そして、土壌材貯溜所3に貯溜されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cは、図3等に示すように、油圧ショベル9によってホッパ8内に累積して投入され、ホッパ8内には、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cが一緒に収容される構成となっている。
【0038】
10はホッパ8内に設けられた解砕機で、該解砕機10は、ホッパ8内に投入されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを小片状に解砕(ほぐす)したり、ホッパ8内に投入された各材料がアーチ形状となるのを防ぐものである。ここで、解砕機10は、図3及び図4に示すように、両端側がホッパ8等に回転可能に支持された回転軸10Aと、該回転軸10Aを回転駆動する駆動モータ10Bと、回転軸10Aの外周側に突設された複数の解砕棒10Cと、該各解砕棒10Cに隣接して回転軸10Aの外周側に設けられたスクリュー羽根10Dとにより大略構成されている。
【0039】
そして、回転軸10Aは、駆動モータ10Bによって毎分4〜5回程度の低速で回転し、回転軸10Aに突設された各解砕棒10Cは、ホッパ8内に収容されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cをかき回すことにより、これらがホッパ8内でアーチを形成するのを防止し、これらをホッパ8から後述のフィーダ11へと円滑に移送することができる構成となっている。また、スクリュー羽根10Dは、ホッパ8内に収容された土壌材を解砕棒10C側へと送り出すものである。
【0040】
11はホッパ8の下側に位置してフレーム7に支持されたフィーダで、該フィーダ11は、例えばベルト11Aを有するベルトコンベヤにより構成され、水平方向に延びている。そして、フィーダ11は、解砕機10によって解砕されホッパ8の下側開口部8Bから落下したキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、ベルト11Aによって後述の混合装置17へと搬送するものである。
【0041】
12,12,…は定盤6とフレーム7との間に設けられた複数(例えば、4個)の荷重計で、該各荷重計12は、ホッパ8内に投入されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの重量を計測するものである。なお、本実施の形態では複数の荷重計12を用いた場合を例示したが、例えば1個の荷重計を用いる構成としてもよい。
【0042】
13は荷重計付き供給装置5の近傍に配設された重量表示装置で、該重量表示装置13は、各荷重計12によって計測された重量からフレーム7、ホッパ8、解砕機10、フィーダ11の重量を除き、ホッパ8内に投入されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの重量のみを表示するものである。
【0043】
ここで、重量表示装置13は、図4に示すように、個別重量表示部13Aと、累積重量表示部13Bとを有している。そして、個別重量表示部13Aは、ホッパ8内に投入されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの重量をそれぞれ個別に表示し、累積重量表示部13Bは、ホッパ8内に連続して投入されるキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの累積重量を表示するものである。
【0044】
例えば、ホッパ8内にキノコ培地Aのみを投入したときには、個別重量表示部13Aと累積重量表示部13Bとはキノコ培地Aの重量のみを表示する。また、ホッパ8内にキノコ培地Aに加えて発酵菌類Bを投入したときには、個別重量表示部13Aは発酵菌類Bのみの重量を表示し、累積重量表示部13Bはキノコ培地Aと発酵菌類Bとの累積重量(合計重量)を表示する。さらに、ホッパ8内にキノコ培地A及び発酵菌類Bに加えて有機性廃棄物Cを投入したときには、個別重量表示部13Aは有機性廃棄物Cのみの重量を表示し、累積重量表示部13Bはキノコ培地A、発酵菌類B及び有機性廃棄物Cの累積重量を表示する。
【0045】
これにより、油圧ショベル9を操作するオペレータは、重量表示装置13の個別重量表示部13Aに表示される重量を目視することにより、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、それぞれ予め定められた重量だけホッパ8内に投入することができる構成となっている。この場合、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの重量は、後述する泥土Dの単位重量当りの重量で定められるものである。
【0046】
14は荷重計付き供給装置5の近傍に設けられた泥土貯溜所で、該泥土貯溜所14は、長方形のプール状に形成され、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cに混合する泥土Dを貯溜するものである。ここで、泥土Dは、例えば建設廃土、浄水場に堆積した泥土、灌漑溜池や湖沼の浚渫工事によって発生した浚渫土等の水分を多く含んだ泥土のうち、少なくとも一種類の泥土からなり、この泥土Dは、タンク車両15によって搬送され、泥土貯溜所14内に貯溜される構成となっている。
【0047】
16は泥土貯溜所14の近傍に配設された第2の供給装置としてのチューブポンプで、該チューブポンプ16は、泥土貯溜所14に貯溜された泥土Dを、後述の混合装置17内に定量的に供給するものである。ここで、チューブポンプ16は、図5に示すように、U字状に屈曲した可撓性チューブ16Aと、可撓性チューブ16Aの一端側に接続された吸込ホース16Bと、可撓性チューブ16Aの他端側に接続された吐出ホース16Cと、可撓性チューブ16Aに沿って回転しつつ該可撓性チューブ16Aを押圧するローラ(図示せず)とにより大略構成されている。
【0048】
そして、チューブポンプ16は、ローラを回転させて可撓性チューブ16Aを押圧することにより、吸込ホース16Bを通じて泥土貯溜所14内の泥土Dを吸込み、これを吐出ホース16Cを通じて後述の混合装置17内に供給するものである。この場合、チューブポンプ16は、ローラ1回転当りの吐出量(q)が予め決っている。従って、チューブポンプ16から混合装置17への泥土Dの供給量(Q)は、ローラの回転数(n)と1回転当りの吐出量(q)との積(Q=q×n)によって計測することができる構成となっている。
【0049】
17は荷重計付き供給装置5とチューブポンプ16との近傍に配設されたバッチ処理式の混合装置で、該混合装置17は、荷重計付き供給装置5から供給されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cと、チューブポンプ16から供給された泥土Dとを、バッチ処理によって撹拌混合するものである。ここで、混合装置17は、強固な支持構造体をなす架台18上に搭載され、図6及び図7等に示すように、後述の混合槽19、ゲート装置20、各撹拌軸21等により構成されている。
【0050】
19は混合装置17の外殻をなす混合槽で、該混合槽19は、上端側が開口し左,右方向に延びる有底な直方体の箱状に形成され、架台18上に取付けられている。ここで、混合槽19は、底面部19Aと、該底面部19Aから立上り前,後方向で対面する前面部19B,後面部19Cと、底面部19Aから立上り左,右方向で対面する左側面部19D,右側面部19Eとにより大略構成されている。そして、底面部19Aの中央部には下向に突出する角筒状の排出口19Fが設けられ、混合槽19内で生成された栽培土壌蘇生用土の原料Mは、この排出口19Fを通じて後述の排出コンベヤ22に排出される構成となっている。
【0051】
また、図5及び図6等に示すように、右側面部19Eの近傍となる混合槽19の上端側には、荷重計付き供給装置5を構成するフィーダ11の先端部と、チューブポンプ16を構成する吐出ホース16Cの先端部とが配置され、混合槽19内には、荷重計付き供給装置5のフィーダ11からキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cが供給されると共に、チューブポンプ16から泥土Dが供給される構成となっている。
【0052】
20は混合槽19の底面部19Aと架台18との間に設けられたゲート装置で、該ゲート装置20は、混合槽19の排出口19Fを開,閉するものである。ここで、ゲート装置20は、架台18に取付けられた油圧シリンダ20Aと、該油圧シリンダ20Aのロッドに接続された平板状のゲート板20Bとにより構成され、油圧シリンダ20Aを伸縮させてゲート板20Bを移動させることにより、混合槽19の排出口19Fを開,閉する構成となっている。
【0053】
21,21は混合槽19内に回転可能に設けられた左,右の撹拌軸で、これら各撹拌軸21は、混合槽19内に供給されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C及び泥土Dを撹拌して均一に混合するものである。ここで、撹拌軸21は、軸方向の両端側が混合槽19の左側面部19Dと右側面部19Eとに軸受を介して回転可能に支持され、駆動モータ21Aによって回転駆動されるものである。また、撹拌軸21の外周側には、多数のパドル(撹拌羽根)21B,21B,…が突設され、これら各パドル21Bによって、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C及び泥土Dを撹拌する構成となっている。
【0054】
そして、混合装置17の混合槽19内には、ゲート装置20によって排出口19Fを閉じた状態で、荷重計付き供給装置5のフィーダ11からキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cが予め定められた重量をもって供給されると共に、チューブポンプ16から泥土Dが予め定められた量をもって供給される。この状態で、各撹拌軸21を駆動モータ21Aによって回転させることにより、図7中に矢示Fで示すように、各パドル21Bによってキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C及び泥土Dを混合槽19内で楕円を描くようにぐるぐる循環させながら撹拌し、時間をかけて十分に混合するバッチ処理モードを実行する構成となっている。
【0055】
22は混合槽19に設けられた排出口19Fの下側から前,後方向に延びて設けられた排出コンベヤで、該排出コンベヤ22は、例えばベルト22Aを有するベルトコンベヤにより構成されている。そして、排出コンベヤ22は、混合装置17により混合されて生成された栽培土壌蘇生用土の原料Mを、ベルト22Aによって外部の原料集積所23に搬送し、この原料集積所23に排出するものである。
【0056】
24は混合装置17の近傍に配置された操作盤で、該操作盤24は、作業者が操作することにより、上述した荷重計付き供給装置5、チューブポンプ16、混合装置17等に対する設定、動作制御等を行うものである。
【0057】
25は建屋1内の右側を前,後方向に延びて設けられた発酵エリアで、該発酵エリア25は、栽培土壌蘇生用土の原料Mを発酵させる場所である。ここで、図1に示すように、発酵エリア25には後述の各発酵槽26、切返し装置28等が設けられている。
【0058】
26,26は発酵エリア25に設けられた左,右の発酵槽で、これら左,右の発酵槽26は、栽培土壌蘇生用土の原料Mを一定期間に亘って貯溜しておくことにより、この栽培土壌蘇生用土の原料Mを発酵(熟成)させるものである。ここで、各発酵槽26は、周知の直線型発酵槽により構成され、各発酵槽26の前端側には原料置き場26Aが配置され、後端側には蘇生用土置き場26Bが配置されている。そして、原料集積所23に集積された栽培土壌蘇生用土の原料Mは、ホイールローダ27等を用いて各発酵槽26の原料置き場26Aに集められる構成となっている。
【0059】
28は発酵エリア25に設けられた切返し装置で、該切返し装置28は、周知のロータリー式撹拌装置により構成されている。ここで、切返し装置28は、発酵槽26の原料置き場26Aに集められた栽培土壌蘇生用土の原料Mを発酵槽26全体に広げると共に、発酵槽26に沿って自走しながら栽培土壌蘇生用土の原料Mを上,下反転するように切返し撹拌し、発酵を促進するものである。そして、栽培土壌蘇生用土の原料Mは、発酵槽26に一定期間(例えば、3週間)貯溜されることにより、発酵熟成されて栽培土壌蘇生用土Nとなり、切返し装置28によって発酵槽26の蘇生用土置き場26Bに集められる構成となっている。
【0060】
29は建屋1内の後部左側に配置された袋詰めエリアで、該袋詰めエリア29は、発酵した栽培土壌蘇生用土Nを一定量づつ袋詰めする場所である。ここで、図1に示すように、袋詰めエリア29には、周知の袋詰め装置30が設けられている。そして、各発酵槽26の蘇生用土置き場26Bに集められた栽培土壌蘇生用土Nは、ホイールローダ31等を用いて袋詰め装置30まで搬送され、この袋詰め装置30によって一定量づつ袋詰めされる構成となっている。
【0061】
32は建屋1内の左側を前,後方向に延びて設けられた倉庫で、図1に示すように、倉庫32内には複数の製品棚33が配置されている。そして、袋詰め装置30によって袋詰めされた栽培土壌蘇生用土Nは、フォークリフト等(図示せず)を用いて製品棚33に保管され、あるいはトラック34に積載されて出荷される構成となっている。
【0062】
本実施の形態による栽培土壌蘇生用土の原料製造システム2は、上述した土壌材貯溜所3、荷重計付き供給装置5、泥土貯溜所14、チューブポンプ16、混合装置17等により構成されるもので、以下、この栽培土壌蘇生用土の原料製造システム2によって栽培土壌蘇生用土の原料Mを製造する作業について説明する。
【0063】
まず、荷重計付き供給装置5のフィーダ11、チューブポンプ16、混合装置17を停止させた状態で、油圧ショベル9を土壌材貯溜所3に移動させる。そして、油圧ショベル9によって、キノコ培地貯溜部3Aに貯溜されたキノコ培地Aを掬いとり、これを荷重計付き供給装置5のホッパ8内に投入する。
【0064】
このとき、ホッパ8内に投入されたキノコ培地Aの重量は、各荷重計12によって常時計測され、重量表示装置13の個別重量表示部13Aと累積重量表示部13Bとに表示される。そして、油圧ショベル9のオペレータは、例えば個別重量表示部13Aによる重量表示を目視しながらホッパ8内にキノコ培地Aを投入し、このキノコ培地Aが予め定められた重量に達したときに投入を打切る。また、キノコ培地Aが予め定められた重量に達したときには、重量表示装置13の個別重量表示部13Aをリセットする。
【0065】
次に、油圧ショベル9を土壌材貯溜所3に移動させ、余剰のキノコ培地Aをキノコ培地貯溜部3Aに返した後、発酵菌類貯溜部3Bに貯溜された発酵菌類Bを掬いとり、この発酵菌類Bを荷重計付き供給装置5のホッパ8内に投入する。
【0066】
このとき、重量表示装置13の個別重量表示部13Aには、ホッパ8内に投入された発酵菌類Bの重量のみが表示され、累積重量表示部13Bには、キノコ培地Aと発酵菌類Bの累積重量が表示される。そして、油圧ショベル9のオペレータは、個別重量表示部13Aによる重量表示を目視しながらホッパ8内に発酵菌類Bを投入し、この発酵菌類Bが予め定められた重量に達したときに投入を打切る。また、発酵菌類Bが予め定められた重量に達したときには、重量表示装置13の個別重量表示部13Aをリセットする。
【0067】
次に、油圧ショベル9を土壌材貯溜所3に移動させ、余剰の発酵菌類Bを発酵菌類貯溜部3Bに返した後、有機性廃棄物貯溜部3Cに貯溜された有機性廃棄物Cを掬いとり、この有機性廃棄物Cをホッパ8内に投入する。
【0068】
このとき、重量表示装置13の個別重量表示部13Aには、ホッパ8内に投入された有機性廃棄物Cの重量のみが表示され、累積重量表示部13Bには、キノコ培地Aと発酵菌類Bと有機性廃棄物Cの累積重量が表示される。そして、油圧ショベル9のオペレータは、個別重量表示部13Aによる重量表示を目視しながらホッパ8内に有機性廃棄物Cを投入し、この有機性廃棄物Cが予め定められた重量に達したときに投入を打切る。
【0069】
次に、作業者は、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを混合槽19内に投入する前に、混合槽19の排出口19Fをゲート装置20によって閉塞した状態でチューブポンプ16を駆動させ、泥土貯溜所14に貯溜された泥土Dを混合槽19内に供給する。この場合、混合槽19内に供給される泥土Dの供給量は、混合装置17が1回のバッチ処理で処理する量として予め設定され、作業者は、チューブポンプ16の作動を制御することにより、設定された供給量分の泥土Dを混合槽19内に供給することができる。
【0070】
そして、混合槽19内に所定量の泥土Dを投入した後に、混合槽19内の各撹拌軸21を回転させる。次に、この状態で荷重計付き供給装置5のフィーダ11を作動させ、ホッパ8内に投入された所定量のキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、混合槽19内に供給する。
【0071】
このようにして、混合槽19内に供給されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dは、回転する各撹拌軸21のパドル21Bによって撹拌され、図7中に矢示Fで示すように、混合槽19内で楕円を描くようにぐるぐる循環し、バッチ処理によって撹拌混合される。これにより、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dが均一に混合された栽培土壌蘇生用土の原料Mを生成することができる。
【0072】
ここで、混合槽19内でキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dが撹拌されている間、荷重計付き供給装置5のフィーダ11は停止している。そして、荷重計付き供給装置5のホッパ8内には、次に混合装置17に供給されるキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cが、油圧ショベル9により予め定められた重量をもって投入される。
【0073】
そして、混合槽19内でキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dをバッチ処理によって撹拌することにより、栽培土壌蘇生用土の原料Mを生成した後には、ゲート装置20によって混合槽19の排出口19Fを開放する。これにより、混合槽19内の栽培土壌蘇生用土の原料Mが、排出口19Fを通じて排出コンベヤ22のベルト22A上に落下し、該排出コンベヤ22は、栽培土壌蘇生用土の原料Mを原料集積所23まで搬送してここに排出する。
【0074】
このようにして、混合装置17によって撹拌混合され、原料集積所23に集積された栽培土壌蘇生用土の原料Mは、図1に示すように、ホイールローダ27等を用いて各発酵槽26の原料置き場26Aに集められた後、切返し装置28によって発酵槽26全体に広げられ、この発酵槽26内で上,下反転するように切返し撹拌される。
【0075】
そして、発酵槽26内の栽培土壌蘇生用土の原料Mは、所定の期間(例えば、3週間)をかけて発酵され、切返し装置28は、栽培土壌蘇生用土の原料Mの切返し撹拌を2回以上行う。これにより、栽培土壌蘇生用土の原料Mは、水分率が低下して適度に熟成された栽培土壌蘇生用土Nとなって発酵槽26の蘇生用土置き場26Bに集められる。
【0076】
このようにして、発酵槽26の蘇生用土置き場26Bに集められた栽培土壌蘇生用土Nは、ホイールローダ31等を用いて袋詰め装置30まで搬送され、この袋詰め装置30によって一定量づつ袋詰めされる。そして、袋詰めされた栽培土壌蘇生用土Nは、フォークリフト等(図示せず)を用いて倉庫32内に搬送され、製品棚33に保管される。
【0077】
かくして、本実施の形態によれば、混合装置17を用いることにより、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dを均一に、かつ効率良く混合することができ、品質に優れた栽培土壌蘇生用土の原料Mを製造することができる。
【0078】
また、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、それぞれの重量を荷重計付き供給装置5によって計測した後に一緒に混合装置17に供給し、泥土Dをチューブポンプ16によってその供給量を計測しつつ混合装置17に供給し、これらキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dを混合装置17によって効率良く撹拌混合することができるので、混合作業の作業性を高めることができる。
【0079】
また、混合槽19の排出口19Fをゲート装置20で閉塞し、バッチ処理によって撹拌混合することにより、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dを混合槽19内で循環させて一層確実に混合することができるので、栽培土壌蘇生用土の原料Mの品質をさらに高めることができる。
【0080】
しかも、従来では廃棄処理されていたキノコ培地Aや、土質改良材を用いて改質処理されていた水分を多く含む泥土Dを利用して栽培土壌蘇生用土の原料Mを製造することができるので、これらキノコ培地Aや泥土Dに対する処理コストを削減できる上に、環境保護にも寄与することができる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、混合装置17の混合槽19内に供給されるキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの重量を、荷重計付き供給装置5によって管理すると共に、混合槽19内に供給される泥土Dの供給量をチューブポンプ16によって管理することができる。これにより、栽培土壌蘇生用土の原料Mに含まれるキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dの含有量を適宜に調整することができ、品質に優れた栽培土壌蘇生用土の原料Mを製造することができる。
【0082】
さらに、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、1台の荷重計付き供給装置5によってそれぞれ計測した後に一緒に混合装置17に供給することができるので、栽培土壌蘇生用土の原料製造システム2をコンパクトに構成することができ、当該製造システム2を構築するためのコストを低減することができる。
【0083】
次に、図8ないし図10は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物、泥土を連続処理によって撹拌混合する混合装置を用いたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0084】
図中、41は本実施の形態による栽培土壌蘇生用土の原料製造システムで、該栽培土壌蘇生用土の原料製造システム41は、第1の実施の形態とほぼ同様に、土壌材貯溜所3、荷重計付き供給装置5、泥土貯溜所14、チューブポンプ16、後述の混合装置42等により構成されるものの、混合装置42の構成が第1の実施の形態による混合装置17とは異なるものである。
【0085】
42は連続処理式の混合装置で、該混合装置42は、第1の実施の形態によるバッチ処理式の混合装置17に代えて本実施の形態に用いたものである。ここで、混合装置42は、強固な支持構造体をなす架台43上に搭載され、後述の混合槽44、ゲート装置45、各撹拌軸46等により構成されている。そして、混合装置42は、荷重計付き供給装置5から供給されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cと、チューブポンプ16から供給された泥土Dとを、連続処理によって撹拌混合するものである。
【0086】
44は混合装置42の混合槽で、該混合槽44は、底面部44A、前面部44B、後面部44C、左側面部44D、右側面部44E等により、上端側が開口した有底な直方体の箱状に形成され、架台43上に取付けられている。
【0087】
そして、左側面部44Dの近傍となる底面部44Aの左端側には、下向に突出する角筒状の排出口44Fが設けられ、混合槽44内で生成された栽培土壌蘇生用土の原料Mは、この排出口44Fを通じて排出コンベヤ22に排出される構成となっている。また、右側面部44Eの近傍となる混合槽44の上端側には、荷重計付き供給装置5を構成するフィーダ11の先端部と、チューブポンプ16を構成する吐出ホース16Cの先端部とが配置されている。
【0088】
45は混合槽44の排出口44Fを開,閉するゲート装置で、該ゲート装置45は、油圧シリンダ45Aと、該油圧シリンダ45Aのロッドに接続された平板状のゲート板45Bとにより構成され、油圧シリンダ45Aを伸縮させてゲート板45Bを移動させることにより、混合槽44の排出口44Fを開,閉するものである。
【0089】
46は混合槽44内に回転可能に設けられた左,右の撹拌軸で、これら各撹拌軸46は、軸方向の両端側が混合槽44の左側面部44Dと右側面部44Eとに回転可能に支持され、駆動モータ46Aによって回転駆動されるものである。また、撹拌軸46の外周側には、混合槽44内に供給されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C及び泥土Dを撹拌する多数のパドル(撹拌羽根)46B,46B,…が突設されている。
【0090】
そして、混合装置42は、ゲート装置45によって混合槽44の排出口44Fを開いた状態で、左,右の撹拌軸46を回転させることにより、荷重計付き供給装置5のフィーダ11から混合槽44内に供給されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cと、チューブポンプ16から混合槽44内に供給された泥土Dとを撹拌しつつ、混合槽44の右側面部44E側から左側面部44Dへと矢示F方向に直線的に移送する。
【0091】
このように、混合装置42は、混合槽44内に供給されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dを、左,右の撹拌軸46によって直線的に移送しつつ撹拌混合することにより栽培土壌蘇生用土の原料Mを生成し、この栽培土壌蘇生用土の原料Mを排出口44Fを通じて連続的に排出コンベヤ22に排出する連続処理モードを実行する構成となっている。
【0092】
本実施の形態による栽培土壌蘇生用土の原料製造システム41は、上述の如き連続処理式の混合装置42を備えるもので、この製造システム41によって栽培土壌蘇生用土の原料Mを製造するときの基本的な作業については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0093】
然るに、本実施の形態によれば、ゲート装置45によって混合槽44の排出口44Fを開いた状態で、混合槽44内に供給されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dを各撹拌軸46によって撹拌することにより、これらが混合槽44の右側面部44E側から左側面部44Dへと移送される間に栽培土壌蘇生用土の原料Mを生成し、この栽培土壌蘇生用土の原料Mを、排出口44Fを通じて連続的に排出コンベヤ22に排出することができる。
【0094】
このように、本実施の形態による栽培土壌蘇生用土の原料製造システム41によれば、連続処理式の混合装置42を用いることにより、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dを短時間で混合して連続的に栽培土壌蘇生用土の原料Mを製造することができるので、この栽培土壌蘇生用土の原料Mの生産性を高めることができる。
【0095】
次に、図11ないし図13は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物を混合装置に供給する第1の供給装置を、2台の荷重計付き供給装置によって構成したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0096】
図中、51は本実施の形態による栽培土壌蘇生用土の原料製造システムで、該栽培土壌蘇生用土の原料製造システム51は、第1の実施の形態とほぼ同様に、土壌材貯溜所3、泥土貯溜所14、チューブポンプ16、混合装置17等により構成されるものの、後述する2台の荷重計付き供給装置52,52を設けた点で第1の実施の形態とは異なるものである。
【0097】
52,52は混合装置17の近傍に左,右方向に並んで設けられた第1の供給装置としての2台の荷重計付き供給装置で、該各各荷重計付き供給装置52は、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、それぞれの重量を計測した後に一緒に混合装置17へと供給するものである。
【0098】
ここで、各荷重計付き供給装置52は、第1の実施の形態に用いた荷重計付き供給装置5と同一の構成を有している。即ち、荷重計付き供給装置52は、定盤53上に設けられた強固な支持構造体をなすフレーム54と、該フレーム54の上端側に設けられたホッパ55と、該ホッパ55内に設けられた解砕機56と、ホッパ55の下側に位置してフレーム54に支持されたフィーダ57と、定盤53とフレーム54との間に設けられた複数の荷重計58,58,…とにより構成されている。
【0099】
そして、図13に示すように、各荷重計付き供給装置52を構成するフィーダ57の先端部は、混合装置17(混合槽19)の上端側に左,右方向に並んで配置されている。これにより、混合装置17の混合槽19内には、一方の荷重計付き供給装置52のフィーダ57と、他方の荷重計付き供給装置52のフィーダ57のうちのいずれか一方から、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cが供給される構成となっている。
【0100】
また、各荷重計付き供給装置52の近傍にはそれぞれ重量表示装置59が配設され、該各重量表示装置59は、上述した第1の実施の形態による重量表示装置13と同様に構成されている。即ち、各重量表示装置59は、荷重計付き供給装置52のホッパ55内に投入されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの重量をそれぞれ個別に表示する個別重量表示部(図示せず)と、ホッパ55内に連続して投入されるキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの累積重量を表示する累積重量表示部(図示せず)とを有している。
【0101】
そして、各荷重計付き供給装置52は、油圧ショベル9等によってホッパ55内に投入されるキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの重量を各荷重計58によって計測し、これらキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの個別重量と累積重量とを重量表示装置59に表示した後、ホッパ55内に収容されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、混合装置17の混合槽19内に一緒に供給するものである。
【0102】
本実施の形態による栽培土壌蘇生用土の原料製造システム51は、上述の如き2台の荷重計付き供給装置52,52を備えるもので、以下、この栽培土壌蘇生用土の原料製造システム51によって栽培土壌蘇生用土の原料Mを製造する作業について説明する。
【0103】
まず、各荷重計付き供給装置52、チューブポンプ16、混合装置17を停止させた状態で、一方の荷重計付き供給装置52のホッパ55と他方の荷重計付き供給装置52のホッパ55とに、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cをそれぞれ定められた重量をもって投入する。
【0104】
次に、他方の荷重計付き供給装置52は停止させたまま、一方の荷重計付き供給装置52を作動させ、ホッパ55内に収容したキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cをフィーダ57によって混合装置17の混合槽19内に供給する。また、チューブポンプ16を作動させることにより、混合槽19内に泥土Dを供給する。
【0105】
そして、混合槽19の排出口19Fをゲート装置20によって閉塞した状態で、各撹拌軸21を回転させることにより、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dを各撹拌軸21のパドル21Bによって撹拌し、これらをバッチ処理によって十分に混合する。
【0106】
ここで、混合槽19内でキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dを撹拌している間、空になった一方の荷重計付き供給装置52のホッパ55内には、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cが、油圧ショベル9により予め定められた重量をもって投入される。
【0107】
しかし、混合装置17による撹拌時間が短い場合には、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cが一方の荷重計付き供給装置52のホッパ55内に投入される前に、混合装置17内で栽培土壌蘇生用土の原料Mが生成され、排出コンベヤ22へと排出されてしまう。この場合には、栽培土壌蘇生用土の原料Mを排出した後、一方の荷重計付き供給装置52から次のキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cが混合装置17に供給されるまでの間に、無駄な待ち時間が発生してしまうことになる。
【0108】
これに対し、本実施の形態では、混合装置17の混合槽19内で生成された栽培土壌蘇生用土の原料Mが排出コンベヤ22へと排出された後には、他方の荷重計付き供給装置52を作動させることにより、当該他方の荷重計付き供給装置52のホッパ55内に収容されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、途切れることなく混合装置17の混合槽19内に供給することができる。
【0109】
そして、他方の荷重計付き供給装置52から供給されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cと、チューブポンプ16から供給された泥土Dとを、混合装置17によって撹拌混合している間に、一方の荷重計付き供給装置52のホッパ55内へのキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの投入を完了しておくことができる。
【0110】
かくして、本実施の形態によれば、2台の荷重計付き供給装置52,52から混合装置17の混合槽19に対し、交互にキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを供給することにより、混合装置17は途切れることなく連続してキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dの撹拌混合を行うことができる。従って、栽培土壌蘇生用土の原料Mを効率良く製造することができ、その生産性を高めることができる。
【0111】
なお、上述した第3の実施の形態では、一方の荷重計付き供給装置52を用いてキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの3種類を一緒に混合装置17に供給すると共に、他方の荷重計付き供給装置52を用いてキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの3種類を一緒に混合装置17に供給する場合を例示している。
【0112】
しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば一方の荷重計付き供給装置52によってキノコ培地Aと発酵菌類Bの2種類を混合装置17に供給し、有機性廃棄物Cのみを他方の荷重計付き供給装置52によって混合装置17に供給する構成としてもよい。
【0113】
この場合には、一方の荷重計付き供給装置52に設けられたホッパ55の容量分だけキノコ培地Aと発酵菌類Bとを混合装置17に供給し、かつ、他方の荷重計付き供給装置52に設けられたホッパ55の容量分だけ有機性廃棄物Cを混合装置17に供給することができるので、混合装置17によって1回に製造される栽培土壌蘇生用土の原料Mの製造量を増大することができる。
【0114】
次に、図14ないし図16は本発明の第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、第1の供給装置を、キノコ培地、発酵菌類、有機性廃棄物をそれぞれ個別に混合装置に供給する複数台の供給装置によって構成したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0115】
図中、61は本実施の形態による栽培土壌蘇生用土の原料製造システムで、該栽培土壌蘇生用土の原料製造システム61は、第1の実施の形態とほぼ同様に、土壌材貯溜所3、後述する複数台のスクリューコンベヤ62、泥土貯溜所14、チューブポンプ16、混合装置17等により構成されるものであり、1台の荷重計付き供給装置5に代えて複数台のスクリューコンベヤ62を用いた点で第1の実施の形態とは異なるものである。
【0116】
62,62,…は土壌材貯溜所3の近傍に配置された第1の供給装置としての複数台(例えば、4台)のスクリューコンベヤで、これら各スクリューコンベヤ62は、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、それぞれ予め定められた容量をもって個別に混合装置17へと供給するものである。ここで、各スクリューコンベヤ62は、図15に示すように、後述のフレーム63、ホッパ64、解砕機65、スクリュー66等により構成されている。
【0117】
63はスクリューコンベヤ62のベースとなるフレームで、該フレーム63は、例えば溝形鋼、山形鋼等の鉄鋼材料を用いて枠状に形成され、強固な支持構造体をなしている。そして、フレーム63は、後述のホッパ64、解砕機65、スクリュー66等を支持するものである。
【0118】
64はフレーム63の上端側に設けられたホッパで、該ホッパ64は、下端側から上端側に向けて漏斗状に拡開した角筒状に形成されている。そして、土壌材貯溜所3に貯溜されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cは、油圧ショベル9によって各スクリューコンベヤ62のホッパ64にそれぞれ個別に投入される構成となっている。
【0119】
65はホッパ64内に設けられた解砕機で、該解砕機65は、ホッパ64内に投入されたキノコ培地A等を小片状に解砕(ほぐす)したり、ホッパ64内に投入された各材料がアーチ形状となるのを防ぐものである。ここで、解砕機65は、両端側がホッパ64等に回転可能に支持された回転軸65Aと、該回転軸65Aの外周側に突設された複数の解砕棒65Bとにより大略構成されている。そして、回転軸65Aが回転し、各解砕棒65Bがホッパ64内に投入されたキノコ培地A等をかき回すことにより、当該キノコ培地A等を、ホッパ64から後述のスクリュー66へと円滑に移送することができる構成となっている。
【0120】
66はホッパ64の下側に位置してフレーム63に支持されたスクリューで、該スクリュー66は、基端側がホッパ64の下側に位置し先端側がフレーム63から突出した円筒状のケーシング66Aと、該ケーシング66A内に回転可能に設けられたスクリュー羽根66Bと、該スクリュー羽根66Bを回転駆動する駆動モータ66Cとにより大略構成されている。ここで、ケーシング66Aの基端側には、ホッパ64に投入されたキノコ培地A等を取入れる取入れ口66Dが上向きに開口して設けられ、ケーシング66Aの先端側には、後述の搬送コンベヤ67に向けて下向きに開口する排出口66Eが設けられている。
【0121】
そして、スクリュー66は、駆動モータ66Cによってスクリュー羽根66Bを回転させることにより、ホッパ64から取入れ口66Dを通じてケーシング66A内に取入れたキノコ培地A等を、スクリュー羽根66Bによってケーシング66Aの先端側へと移送し、排出口66Eを通じて搬送コンベヤ67へと供給するものである。
【0122】
そして、各スクリューコンベヤ62は、駆動モータ66Cの回転数を制御してスクリュー羽根66Bの回転数を制御することにより、搬送コンベヤ67に供給されるキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cの容量をそれぞれ計測することができる構成となっている。
【0123】
67は各スクリューコンベヤ62から排出されるキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを混合装置17へと搬送する搬送コンベヤで、該搬送コンベヤ67は、例えばベルト67Aを有するベルトコンベヤにより構成され、各スクリューコンベヤ62と混合装置17との間を連結しつつ前,後方向に延びている。
【0124】
ここで、搬送コンベヤ67の前端側は、図15に示すように各スクリューコンベヤ62を構成するスクリュー66の排出口66Eの下側に配置され、搬送コンベヤ67の後端側は、混合装置17(混合槽19)の上側に配置されている。そして、搬送コンベヤ67は、各スクリューコンベヤ62から予め定められた容量をもってそれぞれ排出されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、混合装置17へと搬送し、混合槽19内に供給する構成となっている。
【0125】
本実施の形態による栽培土壌蘇生用土の原料製造システム61は、上述の如き複数台のスクリューコンベヤ62を備えるもので、以下、この栽培土壌蘇生用土の原料製造システム61によって栽培土壌蘇生用土の原料Mを製造する作業について説明する。
【0126】
まず、油圧ショベル9を用いて、各スクリューコンベヤ62のホッパ64にキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄Cをそれぞれ個別に投入する。そして、各スクリューコンベヤ62のスクリュー66を作動させることにより、各ホッパ64に投入されたキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、それぞれ個別に搬送コンベヤ67に排出する。
【0127】
このとき、スクリュー66は、駆動モータ66Cの回転数を制御してスクリュー羽根66Bの回転数を適宜に設定することにより、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、それぞれ予め定められた容量をもって搬送コンベヤ67に排出することができる。これにより、搬送コンベヤ67から混合装置17の混合槽19内に、予め定められた容量のキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを供給することができる。
【0128】
そして、混合槽19の排出口19Fをゲート装置20によって閉塞した状態で、チューブポンプ16から混合槽19内に予め定められた供給量をもって泥土Dを供給した後、各撹拌軸21を回転させる。これにより、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物C、泥土Dを各撹拌軸21のパドル21Bによって撹拌し、これらをバッチ処理によって十分に混合することにより、栽培土壌蘇生用土の原料Mを製造することができる。
【0129】
このように、本実施の形態によれば、キノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを、複数台のスクリューコンベヤ62を用いてそれぞれ個別に混合装置17に供給することができるので、これらキノコ培地A、発酵菌類B、有機性廃棄物Cを混合装置17に迅速かつ効率良く供給することができ、栽培土壌蘇生用土の原料Mの生産性を高めることができる。
【0130】
なお、上述した第1の実施の形態では、泥土貯溜所14に貯溜した泥土Dを混合装置17に供給する第2の供給装置として、チューブポンプ16を用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図17に示す変形例のように、第2の供給装置としてスラリーポンプ71を用い、このスラリーポンプ71によって吸上げた泥土Dをホース72を通じて混合装置17の混合槽19内に供給する構成としてもよい。
【0131】
この場合には、スラリーポンプ71によって混合槽19内に供給される泥土Dの液面レベルを検出するため、例えばフロート式、超音波式、レーザ式等の各種の液面センサ73を用いる。そして、スラリーポンプ71による泥土Dの供給量は、この液面センサ73によって検出された泥土Dの液面レベルに応じて計測することができる。従って、液面センサ73が所定の液面レベルに達したことを検出したときに、スラリーポンプ71の作動を停止することにより、混合槽19に所定量の泥土Dを供給することができる。このことは、第2,第3,第4の実施の形態についても同様である。
【0132】
また、上述した第1の実施の形態ではバッチ処理式の混合装置17を用いた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、例えば連続処理式の混合装置を用いる構成としてもよい。このことは、第3,第4の実施の形態についても同様である。
【0133】
さらに、上述した第3の実施の形態では、第1の供給装置として2台の荷重計付き供給装置52,52を用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば3台以上の荷重計付き供給装置を用いる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の第1の実施の形態による栽培土壌蘇生用土の原料製造システムを、発酵エリア、袋詰めエリア、倉庫等と共に示す平面図である。
【図2】図1中の栽培土壌蘇生用土の原料製造システムを示す平面図である。
【図3】荷重計付き供給装置等を図2中の矢示III− III方向からみた拡大図である。
【図4】荷重計付き供給装置、混合装置等を図2中の矢示IV− IV方向からみた拡大図である。
【図5】混合装置、チューブポンプ等を図2中の矢示V−V方向からみた断面図である。
【図6】図5中の混合装置等を拡大した拡大断面図である。
【図7】混合装置を上方からみた平面図である。
【図8】第2の実施の形態による栽培土壌蘇生用土の原料製造システムを示す平面図である。
【図9】混合装置、チューブポンプ等を図8中の矢示IX−IX方向からみた断面図である。
【図10】混合装置を上方からみた平面図である。
【図11】第3の実施の形態による栽培土壌蘇生用土の原料製造システムを示す平面図である。
【図12】荷重計付き供給装置等を図11中の矢示XII−XII方向からみた拡大図である。
【図13】混合装置、チューブポンプ等を図11中の矢示XIII−XIII方向からみた断面図である。
【図14】第4の実施の形態による栽培土壌蘇生用土の原料製造システムを示す平面図である。
【図15】スクリューコンベヤ等を図14中の矢示XV−XV方向からみた断面図である。
【図16】スクリューコンベヤ、搬送コンベヤ、混合装置等を図14中の矢示XVI− XVI方向からみた拡大図である。
【図17】変形例によるスラリーポンプを示す図5と同様の断面図である。
【符号の説明】
【0135】
2,41,51,61 栽培土壌蘇生用土の原料製造システム
3 土壌材貯溜所
3A キノコ培地貯溜部
3B 発酵菌類貯溜部
3C 有機性廃棄物貯溜部
5,52 荷重計付き供給装置(第1の供給装置)
12,58 荷重計
13,59 重量表示装置
14 泥土貯溜所
16 チューブポンプ(第2の供給装置)
17,42 混合装置
19,44 混合槽
21,46 撹拌軸
71 スラリーポンプ(第2の供給装置)
A キノコ培地
B 発酵菌類
C 有機性廃棄物
D 泥土
M 栽培土壌蘇生用土の原料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キノコ菌が残留するキノコ培地と、発酵菌類と、リグニンに富む有機性廃棄物と、泥土とを撹拌混合して栽培土壌蘇生用原料を製造する栽培土壌蘇生用土の原料製造システムにおいて、
前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物を定量的に供給する1台または複数台の第1の供給装置と、
前記泥土を定量的に供給する第2の供給装置と、
前記第1の供給装置から供給された前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物と前記第2の供給装置から供給された前記泥土とを撹拌して混合する混合装置とを備えて構成したことを特徴とする栽培土壌蘇生用土の原料製造システム。
【請求項2】
前記混合装置は、前記第1の供給装置から供給された前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物と、前記第2の供給装置から供給された前記泥土とを、バッチ処理によって撹拌混合する構成としてなる請求項1に記載の栽培土壌蘇生用土の原料製造システム。
【請求項3】
前記混合装置は、前記第1の供給装置から供給された前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物と、前記第2の供給装置から供給された前記泥土とを、連続処理によって撹拌混合する構成としてなる請求項1に記載の栽培土壌蘇生用土の原料製造システム。
【請求項4】
前記第1の供給装置は、前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物を一緒に計測し前記混合装置に供給する1台または複数台の供給装置によって構成してなる請求項1,2または3に記載の栽培土壌蘇生用土の原料製造システム。
【請求項5】
前記第1の供給装置は、前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物をそれぞれ個別に計測し、または複数種類を一緒に計測し前記混合装置に供給する複数台の供給装置によって構成してなる請求項1,2または3に記載の栽培土壌蘇生用土の原料製造システム。
【請求項6】
前記第1の供給装置は、前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物をそれぞれの重量を計測することにより定量供給する荷重計付き供給装置により構成してなる請求項1,2,3,4または5に記載の栽培土壌蘇生用土の原料製造システム。
【請求項7】
前記第1の供給装置は、前記キノコ培地、前記発酵菌類および前記有機性廃棄物をスクリューの回転数に応じて定量供給するスクリューコンベヤにより構成してなる請求項1,2,3,4または5に記載の栽培土壌蘇生用土の原料製造システム。
【請求項8】
前記第2の供給装置は、泥土の供給量が計測可能な手段を備えたチューブポンプまたはスラリーポンプにより構成してなる請求項1,2,3,4,5,6または7に記載の栽培土壌蘇生用土の原料製造システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−312647(P2007−312647A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−144425(P2006−144425)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【出願人】(596114059)大廣建設株式会社 (3)
【出願人】(000209832)
【Fターム(参考)】