説明

案内情報放送システム

【課題】ホームの頭上に設置されているスピーカからの交錯した音とは区別し、列車情報に基づいた音声案内を聞き取ることができるようにする。
【解決手段】音声出力制御装置10により、予め設定された閉そく区間毎に列車の位置を検出する検知装置1からの列車の位置情報と、外部装置2からの列車運行情報とを元に、音声案内を行わせるための列車情報である音声指示データが出力され、音声出力装置20により、音声指示データに基づき、音声案内のための音声信号が出力されると、音声信号ライン24を介して音声出力装置20に接続されるとともに、駅のホームに沿って並設されるスピーカであるフラットパネルスピーカ41を内蔵した案内情報放送装置40から列車情報に基づいた音声案内が行われるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば駅のホームに設置され、利用者に列車情報等を音声案内する案内情報放送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、駅のホームにおいては、利用者の安全対策のために、スレッドライン等が設置されている。このスレッドラインは、ホームのたとえば白線上にある自光式のラインであり、たとえば列車が接近するとスレッドライン内部のLEDが点滅し、列車の接近を知らせるとともに転落防止の注意を促すものである。
【0003】
また、視覚障害者等に対する安全対策としては、点字ブロックと呼ばれる埋め込みブロックが設置され、歩行に際しての安全や転落防止等が確保されるようになっている。
【0004】
ところで、駅のホームにおいては、利用者への案内として、それぞれのホームの頭上に設置されているスピーカから、特急、急行、普通等の列車種別や、編成数等の列車情報に基づいた様々な音声案内が行われている。
【0005】
ところが、このような音声案内は、それぞれのホームの頭上に設置されているスピーカによって行われるために、そのスピーカからの音が四方へ拡散されることになり、スピーカの取付け位置の環境や条件によってはそれぞれのスピーカからの音が交錯し、聞き取りづらいことがある。
【0006】
このような不具合を解消するためには、特許文献1に示されているような道路埋設用音声発生装置を適用することが考えられる。これは、ブロック本体に、上面が開放する取付凹部を設け、その取付凹部内に、合成樹脂材により全周面を取囲んで防水処理したスピーカの向きを上向きにセットすると共にスピーカ上面の合成樹脂層を薄肉として振動膜とする一方、複数の孔のあいたプレートをブロック本体にセットし取付凹部の上方開放部を閉塞することで、足元から音声案内ができるようにして的確な誘導案内を確保するようにしたものである。
【0007】
また、特許文献2に示されているような路面埋設ブロックも適用することが考えられる。これは、路面埋設ブロックの上壁部の下方に形成される内部空間に、上壁部の上面と平行に平面スピーカを配置することで、平面スピーカがコーンスピーカと比べ指向性が狭く、ピンポイント的な音声案内を行わせるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案第2569136号
【特許文献2】特開2008−190120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献1に示されている道路埋設用音声発生装置は、足元から音声案内ができるようになっているため、その道路埋設用音声発生装置を駅のホームに沿って複数並設することで、ホームの頭上に設置されているスピーカからの音が交錯しても、その交錯した音とは区別して聞き取ることができるような音声案内を行うことができるものと考えられる。
【0010】
また、上述した特許文献2に示されている路面埋設ブロックは、平面スピーカによりピンポイント的な音声案内を行うことができるため、その路面埋設ブロックを駅のホームに沿って複数並設することで、特許文献1と同様に、交錯した音とは区別して聞き取ることができるような音声案内を行うことができるものと考えられる。
【0011】
しかしながら、特許文献1に示されているような道路埋設用音声発生装置や、特許文献2に示されているような路面埋設ブロックを、単に駅のホームに沿って複数並設するだけでは、たとえば列車情報に基づいた音声案内を、ホームの頭上に設置されているスピーカからの交錯した音とは区別して聞き取ることができないという問題があった。
【0012】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ホームの頭上に設置されているスピーカからの交錯した音とは区別し、列車情報に基づいた音声案内を聞き取ることができる案内情報放送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の案内情報放送システムは、予め設定された閉そく区間毎に列車の位置を検出する検知装置からの列車の位置情報と、外部装置からの列車運行情報とを元に、音声案内を行わせるための列車情報である音声指示データを出力する音声出力制御装置と、前記音声指示データに基づき、音声案内のための音声信号を出力する音声出力装置と、音声信号ラインを介して前記音声出力装置に接続される、スピーカを内蔵した案内情報放送装置とを備え、前記案内情報放送装置は駅のホームに沿って並設され、該案内情報放送装置から前記列車情報に基づいた音声案内が行われることを特徴とする。
また、前記音声出力装置は、前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、前記音声指示データに対応した音声データを音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、該音声信号生成手段によって生成された音声信号を、前記音声信号ラインに出力するハイインピーダンスアンプとを有し、前記案内情報放送装置は、前記スピーカの入力側に設けられ、インピーダンスマッチングを行った前記音声信号を前記スピーカに出力するマッチングトランスを有し、前記マッチングトランスは、前記音声信号ラインに対して直列に接続されているようにすることができる。
また、前記音声出力装置は、前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、該音声信号生成手段によって生成された音声信号を、前記音声信号ラインに出力するハイインピーダンスアンプとを有し、前記案内情報放送装置は、前記スピーカの入力側に設けられ、インピーダンスマッチングを行った前記音声信号を前記スピーカに出力するマッチングトランスを有し、前記マッチングトランスは、個々の前記音声信号ラインに接続され、所定数の前記スピーカは、1台の前記マッチングトランスに対して直列に接続されるようにすることができる。
また、前記音声出力装置は、前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、該音声信号生成手段によって生成された音声信号を、前記音声信号ラインに出力する音声信号出力手段とを有し、前記案内情報放送装置は、前記スピーカの入力側に設けられ、前記音声信号を増幅して前記スピーカに出力する増幅手段を有し、前記増幅手段は、前記音声信号ラインに対して直列に接続されているようにすることができる。
また、前記音声出力装置は、前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、該音声信号生成手段によって生成された音声信号を、前記音声信号ラインに出力する音声信号出力手段とを有し、前記案内情報放送装置は、前記スピーカの入力側に設けられ、前記音声信号を増幅して前記スピーカに出力する増幅手段を有し、前記増幅手段は、個々の前記音声信号ラインに接続され、所定数の前記スピーカは、1個の前記増幅手段に対して直列に接続されるようにすることができる。
また、前記音声出力装置は、前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、前記アナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段によって変換された前記デジタルの音声信号を、前記音声信号ラインに出力するハイインピーダンスアンプとを有し、前記案内情報放送装置は、前記スピーカの入力側に設けられ、インピーダンスマッチングを行うマッチングトランスと、該マッチングトランスからの前記デジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換して前記スピーカに出力するD/A変換手段とを有し、前記マッチングトランスは、前記音声信号ラインに対して直列に接続されているようにすることができる。
また、前記音声出力装置は、前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、前記アナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段によって変換された前記デジタルの音声信号を、前記音声信号ラインに出力するハイインピーダンスアンプとを有し、前記案内情報放送装置は、前記スピーカの入力側に設けられ、インピーダンスマッチングを行うマッチングトランスと、該マッチングトランスからの前記デジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換して前記スピーカに出力するD/A変換手段とを有し、前記マッチングトランスは、個々の前記音声信号ラインに接続され、所定数の前記スピーカは、1台の前記マッチングトランスに対して直列に接続されるようにすることができる。
また、前記音声出力装置は、前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、前記アナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段によって変換された前記デジタルの音声信号を、前記音声信号ラインに出力する音声信号出力手段とを有し、前記案内情報放送装置は、前記スピーカの入力側に設けられ、前記デジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換するD/A変換手段と、該D/A変換手段によって変換された前記アナログの音声信号を増幅して前記スピーカに出力する増幅手段とを有し、前記D/A変換手段は、前記音声信号ラインに対して直列に接続されているようにすることができる。
また、前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、前記アナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段によって変換された前記デジタルの音声信号を、前記音声信号ラインに出力する音声信号出力手段とを有し、前記案内情報放送装置は、前記スピーカの入力側に設けられ、前記デジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換するD/A変換手段と、該D/A変換手段によって変換された前記アナログの音声信号を増幅して前記スピーカに出力する増幅手段とを有し、前記D/A変換手段は、個々の前記音声信号ラインに接続され、所定数の前記スピーカは、1個の前記D/A変換手段に対して直列に接続されるようにすることができる。
また、前記案内情報放送装置の近傍に配設され、重量の変化、振動の変化、光の変化のいずれかで利用客を検知し、該検知結果を前記音声出力制御装置に出力する検知手段を備え、前記音声出力制御装置は、前記検知結果に応じて前記音声信号ラインを選択し、前記音声指示データを出力するようにすることができる。
また、前記案内情報放送装置の近傍に配設され、重量の変化、振動の変化、光の変化のいずれかで利用客を検知し、該検知結果を前記音声出力制御装置に出力する検知手段を備え、前記音声出力制御装置は、前記検知結果に応じて前記音声信号ラインを選択し、前記音声指示データを出力するようにすることができる。
また、前記案内情報放送装置の近傍に配設され、重量の変化、振動の変化、光の変化のいずれかで利用客を検知し、該検知結果を前記音声出力制御装置に出力する検知手段を備え、前記音声出力装置は、前記A/D変換手段により前記アナログの音声信号がデジタルの音声信号に変換されるとき、それぞれの前記スピーカに対応させた識別データを付与する識別データ付与手段を有し、前記案内情報放送装置は、前記識別データが内蔵しているスピーカに該当するかどうかを判別し、該当する場合は前記D/A変換手段に対し、前記デジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換させるデータ判別手段を有し、前記音声出力制御装置は、前記検知結果に応じて前記音声指示データを出力するようにすることができる。
また、前記案内情報放送装置の近傍に配設され、重量の変化、振動の変化、光の変化のいずれかで利用客を検知し、該検知結果を前記音声出力制御装置に出力する検知手段を備え、前記音声出力制御装置は、前記検知結果に応じて前記音声信号ラインを選択し、前記音声指示データを出力するようにすることができる。
また、前記案内情報放送装置の近傍に配設され、重量の変化、振動の変化、光の変化のいずれかで利用客を検知し、該検知結果を前記音声出力制御装置に出力する検知手段を備え、前記音声出力制御装置は、前記検知結果に応じて前記音声指示データを出力するようにすることができる。
また、前記案内情報放送装置の近傍に配設され、重量の変化、振動の変化、光の変化のいずれかで利用客を検知し、該検知結果を前記音声出力制御装置に出力する検知手段を備え、前記音声出力制御装置は、前記検知結果に応じて前記音声信号ラインを選択し、前記音声指示データを出力するようにすることができる。
また、前記案内情報放送装置及び検知手段は、駅のホームがカーブしている箇所に配置され、前記検知手段によって少なくとも利用客が検知されると、前記案内情報放送装置から転落注意を促す音声案内が行われるようにすることができる。
また、前記案内情報放送装置及び検知手段は、駅のホームの階段の昇り付近と、その階段の降り口付近に配置され、前記検知手段によって利用客が検知されると、前記案内情報放送装置から進路方向を促す音声案内が行われるようにすることができる。
本発明の案内情報放送システムでは、音声出力制御装置により、予め設定された閉そく区間毎に列車の位置を検出する検知装置からの列車の位置情報と、外部装置からの列車運行情報とを元に、音声案内を行わせるための列車情報である音声指示データが出力され、音声出力装置により、音声指示データに基づき、音声案内のための音声信号が出力されると、音声信号ラインを介して音声出力装置に接続されるとともに、駅のホームに沿って並設されるスピーカを内蔵した案内情報放送装置から列車情報に基づいた音声案内が行われる。
この場合、案内情報放送装置は、駅のホームに沿って並設されるため、その案内情報放送装置からの音声案内が足元から聞こえることになり、列車情報に基づいた音声案内がスポット的に行われる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の案内情報放送システムによれば、駅のホームに沿って並設される案内情報放送装置からの列車情報に基づいた音声案内がスポット的に行われるようにしたので、ホームの頭上に設置されているスピーカからの交錯した音とは区別し、列車情報に基づいた音声案内を聞き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の案内情報放送システムに係る第1実施形態を説明するためのブロック図である。
【図2】図1の音声出力制御装置の詳細を示すブロック図である。
【図3】図1の案内情報放送システムにおけるホーム閉そく区間等を説明するための図である。
【図4】図1の案内情報放送システムにおける列車情報を説明するための図である。
【図5】図1の案内情報放送システムの配置例を示す図である。
【図6】図1及び図2の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【図7】図1及び図2の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【図8】図1及び図2の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図9】図1及び図2の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図10】図8及び図9の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【図11】図8及び図9の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【図12】図1及び図2の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図13】図1及び図2の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図14】図12及び図13の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【図15】図12及び図13の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【図16】図12及び図13の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図17】図12及び図13の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図18】図16及び図17の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【図19】図16及び図17の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【図20】図6及び図7の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図21】図6及び図7の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図22】図10及び図11の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図23】図10及び図11の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図24】図12及び図13の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図25】図12及び図13の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図26】図24及び図25の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図27】図24及び図25の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図28】図16及び図17の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図29】図16及び図17の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【図30】図28及び図29の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【図31】図28及び図29の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明の案内情報放送システムの第1実施形態の詳細について説明する。図1は本発明の案内情報放送システムに係る第1実施形態を説明するためのブロック図、図2は図1の音声出力制御装置の詳細を示すブロック図、図3は図1の案内情報放送システムにおけるホーム閉そく区間等を説明するための図、図4は図1の案内情報放送システムにおける列車情報を説明するための図、図5は図1の案内情報放送システムの配置例を示す図である。
【0017】
まず、図1に示すように、案内情報放送システムは、音声出力制御装置10、音声出力装置20、マッチングトランス30、案内情報放送装置40を備えている。
【0018】
音声出力制御装置10は、たとえばDC24Vで駆動するものであり、検知装置1及び外部装置2からの情報を元に、音声案内を行わせるための列車情報である音声指示データを音声出力装置20に出力する。
【0019】
ここで、検知装置1は、ホームを沿った部分を含む路線の軌道に予め設定された閉そく区間毎に列車の位置を検出するため、当該閉そく区間毎に設置された軌道回路や地上子などの列車の位置を検知する装置であり、検知された情報を列車位置情報として音声出力制御装置10に出力する。なお、検知装置1は、閉そく区間内における列車の有無を検知するだけでなく、閉そく区間内における停車位置などの所定位置に列車が停止している否か等の検知も行うように軌道上に配置される。
【0020】
また、外部装置2は、TTC(列車運行総合制御装置)等であり、検知装置1が設置されるホームの路線に関する列車の列車運行情報(ダイヤ情報)を管理する装置であって、音声出力制御装置10に対しそのダイヤ情報を供給する。この外部装置2が供給するダイヤ情報とは、具体的には、検知装置1が設置されるホームに入線する路線に関する運行詳細を示す情報である。
【0021】
音声出力装置20は、たとえばAC100Vで駆動するものであり、音声出力制御装置10からの上述した列車情報である音声指示データに基づき、音声案内のための音声信号を出力するものであり、音声信号生成部21、音声データメモリ22、ハイインピーダンスアンプ23を備えている。
【0022】
音声信号生成手段である音声信号生成部21は、音声出力制御装置10からの上述した列車情報である音声指示データを受け取ると、音声データメモリ22に格納されている音声指示データに対応した音声データを読み出し、アナログの音声信号を生成して出力する。音声データ格納手段である音声データメモリ22には、音声指示データに対応した音声データが格納されている。
【0023】
ハイインピーダンスアンプ23は、音声信号生成部21によって生成された音声信号を、音声信号ライン24に出力する。ここで、ハイインピーダンスアンプ23の定格出力は、後述のフラットパネルスピーカ41の合計定格容量に応じて設定することができる。すなわち、後述のフラットパネルスピーカ41の合計定格容量がたとえば100Wであれば、ハイインピーダンスアンプ23の定格出力は、少なくとも100Wであればよいことになる。
【0024】
マッチングトランス30は、後述のそれぞれのフラットパネルスピーカ41の入力側に接続され、インピーダンスマッチングを行い、そのインピーダンスマッチングを行った音声信号を音声信号ライン31に出力する。なお、それぞれのマッチングトランス30は、音声信号ライン24によって直列に接続されており、それぞれのマッチングトランス30によってインピーダンスマッチングが行われるようになっている。
【0025】
案内情報放送装置40は、駅のホームに沿って並設されるものであり、内部にフラットパネルスピーカ41を搭載している。そして、マッチングトランス30を介してフラットパネルスピーカ41に音声信号が与えられると、そのフラットパネルスピーカ41から音声案内が行われる。
【0026】
なお、案内情報放送装置40は、駅のホームに設置される、たとえばタイルに埋設され、フラットパネルスピーカ41からの音が、その案内情報放送装置40の表面からスポット的に放出されるようになっている。また、内部にフラットパネルスピーカ41を搭載した案内情報放送装置40の配置については、後述する。
【0027】
次に、図2〜図4を参照し、音声出力制御装置10の詳細について説明する。音声出力制御装置10は、特に図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、磁気的・光学的記憶媒体や半導体等の記憶部や各種装置と電気的に接続するインターフェイスなどを有する構成である。この音声出力制御装置10では、CPUがRAMの所定領域を作業領域としてROMや記憶部等に予め格納された制御プログラムや設定情報を順次実行することで、図2に示すように、列車位置検出部11、列車位置条件出力部12、ダイヤ情報受信部13、ダイヤ情報解析部14、音声指示データ出力部15を実現する。
【0028】
ここで、列車位置検出部11は、検知装置1から出力される列車位置情報に基づいて軌道上の列車位置や所定の距離を通過するのに要する時間から算出される速度などの走行状態を特定し、列車位置条件出力部12に出力する。列車位置条件出力部12は、列車位置検出部11で特定される列車位置及び走行状態の条件に基づいてその軌道上の列車の状態を出力する。この列車位置条件出力部12で出力される列車の状態は、走行中又は停車中などの走行状態や、ホームに沿った軌道上における列車の位置などである。
【0029】
このホームに沿った軌道上における列車の位置としては、図3に示すように、ホームHに沿って入線する軌道102上の列車100の位置であり、軌道102に設定されたホーム進入閉そく区間K1、ホーム閉そく区間K2、ホーム出発閉そく区間K3のどの位置に列車100が属するかである。たとえば、図3(a)に示すように、列車100がホームHに係るホーム閉そく区間K2にある場合(「ホーム進入」)、図3(b)に示すように、列車100がホーム閉そく区間K2とホーム出発閉そく区間K3とにまたがっている場合(「出発」)、図3(c)に示すように、列車100がホームHを通過してその車両の全てがホーム出発閉そく区間K3へ移行している場合(「通過」・「過走」)などである。さらに、図3(a)において、ホーム閉そく区間K2内に予め設定されている停車位置に列車100が停車しているか否かや、その停車位置からずれて列車Tが停車している状態なども出力する。
【0030】
ダイヤ情報受信部13は、外部装置2から出力される列車運行情報(ダイヤ情報)を受信するインターフェイスであり、その受信した列車運行情報をダイヤ情報解析部14へ出力する。ダイヤ情報解析部14は、自動放送案内データ生成機能や案内データ生成機能を有し、入力される列車運行情報を元にホームHを発着又は通過する列車毎の情報に解析し、その列車毎に案内を行うための案内制御データを音声指示データ出力部15に送る。
【0031】
ここで、ダイヤ情報解析部14から出力される案内制御データは、図4に示すように、自動放送案内データ生成機能によって生成される音声案内用の案内制御データD1と、案内データ生成機能によって生成される管理用の案内制御データD2とで構成される。
【0032】
すなわち、案内制御データD1は、列車100を識別する「列車番号」、ホームHから発車する順番を示す「発順」、貨物や旅客又は快速運転等の列車の運行種別を示す「種別」、列車の行き先を示す「行先」、プラットホームHからの発車時刻である「発車時刻」、他の路線との接続を示す「接続情報」及び「その他情報」等を有する。また、案内制御データD2は、「列車番号」、「発順」、「種別」、「行先」、「発車時刻」、「接続情報」及び「その他情報」に加え、路線を示す「線区」、上り又は下りなどの「方向」等を有する。
【0033】
音声指示データ出力部15は、ダイヤ情報解析部14の自動放送案内データ生成機能によって生成される上述の案内制御データD1と、列車位置条件出力部12から出力される列車の状態とに基づいた音声指示データを出力する。
【0034】
次に、図5により、案内情報放送装置40の配置例について説明する。なお、図5においては、説明の都合上、案内情報放送装置40を省略した形でフラットパネルスピーカ41を示している。また、図5においては、説明の都合上、列車100を2両編成の場合で示している。
【0035】
同図に示すように、案内情報放送装置40の内部のフラットパネルスピーカ41は、駅のホームHに付されている乗降位置に対応するように配置されている。つまり、その乗降位置は、列車100が駅のホームHの所定位置に停車すると、各車両のそれぞれのドア101が位置する場所である。
【0036】
次に、このような構成の案内情報放送システムの動作について説明する。まず、音声出力制御装置10が検知装置1からの列車の位置に関する情報と、外部装置2からの列車運行情報(ダイヤ情報)とを受け取ると、音声出力制御装置10のダイヤ情報解析部14により上述した案内制御データD1,D2が生成されて出力される。
【0037】
次いで、音声出力制御装置10の音声指示データ出力部15により、ダイヤ情報解析部14によって生成された上述の案内制御データD1と、列車位置条件出力部12から出力される列車の状態とに基づいた音声指示データが音声出力装置20に出力される。なお、この音声指示データは、列車位置条件出力部12から出力される、上述したホーム進入閉そく区間K1、ホーム閉そく区間K2、ホーム出発閉そく区間K3のどの位置に列車100が属するかに応じて出力されるものであり、たとえば列車100がホーム進入閉そく区間K1、ホーム閉そく区間K2、ホーム出発閉そく区間K3のそれぞれに属する毎に音声指示データが出力される。
【0038】
そして、音声出力装置20が、ホーム進入閉そく区間K1、ホーム閉そく区間K2、ホーム出発閉そく区間K3のいずれかに応じた音声指示データを受け取ると、音声出力装置20の音声信号生成部21によって音声データメモリ22に格納されている音声指示データに対応した音声データが読み出され、アナログの音声信号が生成される。その生成されたアナログの音声信号は、ハイインピーダンスアンプ23により、音声信号ライン24に出力される。
【0039】
ここで、それぞれのフラットパネルスピーカ41の入力側に接続されているマッチングトランス30は、音声信号ライン24に直列に接続されているため、ハイインピーダンスアンプ23の音声信号は全てのマッチングトランス30に与えられる。そして、それぞれのマッチングトランス30によってインピーダンスマッチングが行われると、そのインピーダンスマッチングを行った音声信号により、フラットパネルスピーカ41から音声案内が行われる。
【0040】
ここで、各フラットパネルスピーカ41からは、たとえば、「まもなく10両編成の普通列車が入線しますので、足元に注意してください」といったような音声案内や、「まもなく10両編成の普通列車が3番ホームに入線しますので、足元に注意してください」といったような音声案内や、「10両編成の普通列車が3番ホームを通過しますので、足元に注意してください」といったような音声案内が行われる。これらの音声案内は、いずれも上述した音声出力制御装置10の列車位置条件出力部12から出力される列車の状態に応じて出力されるものである。
【0041】
また、各フラットパネルスピーカ41は、駅のホームHに設置される、たとえばタイルに埋設された案内情報放送装置40に内蔵されており、その音声が足元から聞こえるようになっている。そのため、ホームHの頭上に設置されているスピーカからの音が四方へ拡散されて交錯していても、音声案内がスポット的に行われることから、ホームHの頭上に設置されているスピーカからの交錯した音とは区別して聞き取ることができる。
【0042】
このように、第1実施形態では、音声出力制御装置10により、予め設定された閉そく区間毎に列車の位置を検出する検知装置1からの列車の位置情報と、外部装置2からの列車運行情報とを元に、音声案内を行わせるための列車情報である音声指示データが出力され、音声出力装置20により、音声指示データに基づき、音声案内のための音声信号が出力されると、音声信号ライン24を介して音声出力装置20に接続されるとともに、駅のホームに沿って並設されるスピーカであるフラットパネルスピーカ41を内蔵した案内情報放送装置40から列車情報に基づいた音声案内が行われるようにした。
【0043】
この場合、案内情報放送装置40は、駅のホームHに沿って並設されるため、その案内情報放送装置40からの音声案内が足元から聞こえることになり、列車情報に基づいた音声案内がスポット的に行われることから、ホームHの頭上に設置されているスピーカからの交錯した音とは区別し、列車情報に基づいた音声案内を聞き取ることができる。
【0044】
(第2実施形態)
次に、図6及び図7を参照し、本発明の案内情報放送システムの第2実施形態の詳細について説明する。ここで、図6及び図7は、図1及び図2の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。なお、以下に説明する図において、図1及び図2と共通する部分には同一符号を付し、重複する説明は適宜行うものとする。
【0045】
すなわち、第2実施形態では、図6に示すように、ハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24がマッチングトランス30に対してパラレル接続とされている点で、図1及び図2の案内情報放送システムとは構成が異なっている。
【0046】
ここで、ハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24をマッチングトランス30に対してパラレル接続とする際、図7に示すように、1両の4つのドア101に対応する4個のフラットパネルスピーカ41に対して1台のマッチングトランス30を設け、それぞれのマッチングトランス30にハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24を接続する。また、1台のマッチングトランス30に対して2個のフラットパネルスピーカ41をそれぞれ直列に接続する。
【0047】
この場合、マッチングトランス30のフラットパネルスピーカ41側の出力インピーダンスをたとえば8Ωとし、フラットパネルスピーカ41の入力インピーダンスをたとえば6Ωとすると、4個のフラットパネルスピーカ41の入力インピーダンスの合計が6Ωとなり、4個のフラットパネルスピーカ41に対し、1台のマッチングトランス30で対応可能となる。
【0048】
このような構成では、上述したように、音声出力装置20のハイインピーダンスアンプ23により、音声信号ライン24に音声信号が出力されると、それぞれのマッチングトランス30によってインピーダンスマッチングが行われ、そのインピーダンスマッチングを行った音声信号により、フラットパネルスピーカ41から音声案内が行われる。
【0049】
また、それぞれのマッチングトランス30にハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24が接続されているため、ハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24を選択することで、任意の車両に対応する位置のフラットパネルスピーカ41のみからの音声案内が行われる。
【0050】
このように、第2実施形態では、音声信号ライン24がマッチングトランス30に対してパラレル接続とされているようにし、4個のフラットパネルスピーカ41に対し、1台のマッチングトランス30で対応可能となるようにしているので、上述した作用効果に加え、マッチングトランス30の数を削減することができるとした効果を有する。
【0051】
また、第2実施形態では、音声信号ライン24がマッチングトランス30に対してパラレル接続とされているため、ハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24を選択することで、任意の車両に対応する位置のフラットパネルスピーカ41のみからの音声案内を行うことも可能となる。
【0052】
(第3実施形態)
次に、図8及び図9を参照し、本発明の案内情報放送システムの第3実施形態の詳細について説明する。ここで、図8及び図9は、図1及び図2の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【0053】
すなわち、第3実施形態では、図8に示すように、音声出力装置20のハイインピーダンスアンプ23が音声信号出力部23aに変更されている点と、案内情報放送装置40側のマッチングトランス30が省かれ、代わりに増幅手段であるアンプ42が内蔵されている点で、図1及び図の案内情報放送システムとは構成が異なっている。
【0054】
また、案内情報放送装置40側のアンプ42には、電源ライン25を介して音声出力装置20側からの電力が供給されるようになっている。また、音声信号出力手段である音声信号出力部23aはパワーアンプであり、音声信号出力部23aからの音声信号が音声信号ライン24を介して出力されると、案内情報放送装置40側のアンプ42によって増幅され、フラットパネルスピーカ41から出力されるようになっている。
【0055】
また、案内情報放送装置40の内部のフラットパネルスピーカ41においては、図9に示すように、駅のホームHに付されている乗降位置に対応するように配置される。つまり、その乗降位置は、上述したように、列車100が駅のホームHの所定位置に停車すると、各車両のそれぞれのドア101が位置する場所である。
【0056】
このような構成では、音声出力装置20の音声信号出力部23aにより、音声信号ライン24に音声信号が出力されると、その音声信号が案内情報放送装置40に内蔵されているアンプ42によって増幅されことで、フラットパネルスピーカ41からの音声案内が行われる。
【0057】
このように、第3実施形態では、音声信号出力部23aからの音声信号が案内情報放送装置40側のアンプ42によって増幅されるため、図1のハイインピーダンスアンプ23を用いた場合に比べ、フラットパネルスピーカ41の数に制約を受けないため、上述した作用効果に加え、駅のホームHが広く、しかもそのホームHの数が多くても多くのフラットパネルスピーカ41を配置することができるとした効果を有する。
【0058】
(第4実施形態)
次に、図10及び図11を参照し、本発明の案内情報放送システムの第4実施形態の詳細について説明する。ここで、図10及び図11は、図8及び図9の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【0059】
すなわち、第4実施形態では、図10に示すように、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24が案内情報放送装置40側のアンプ42aに対してパラレル接続とされている点で、図8及び図9の案内情報放送システムとは音声信号ライン24の接続形態が異なっている。
【0060】
ここで、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24を案内情報放送装置40側のアンプ42aに対してパラレル接続とする際、図11に示すように、1両の4つのドア101に対応する4個のフラットパネルスピーカ41に対して1個のアンプ42aを設け、それぞれのアンプ42aに音声信号出力部23aからの音声信号ライン24を接続する。また、1個のアンプ42aに対して2個のフラットパネルスピーカ41をそれぞれ直列に接続する。
【0061】
このような構成では、1個のアンプ42aにより4個のフラットパネルスピーカ41への音声信号を増幅するため、図8及び図9のアンプ42より増幅出力を高める必要があるものの、それぞれのアンプ42aに音声信号出力部23aからの音声信号ライン24が接続されているため、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24を選択することで、任意の車両に対応する位置のフラットパネルスピーカ41のみからの音声案内が行われる。
【0062】
このように、第4実施形態では、1個のアンプ42aにより4個のフラットパネルスピーカ41への音声信号を増幅するため、図8及び図9のアンプ42より増幅出力を高める必要があるものの、上述した作用効果に加え、アンプ42aの数を削減できるとした効果を有する。
【0063】
また、それぞれのアンプ42aに音声信号出力部23aからの音声信号ライン24が接続されているため、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24を選択することで、任意の車両に対応する位置のフラットパネルスピーカ41のみからの音声案内が行われるとした効果も有する。
【0064】
(第5実施形態)
次に、図12及び図13を参照し、本発明の案内情報放送システムの第5実施形態の詳細について説明する。ここで、図12及び図13は、図1及び図2の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【0065】
すなわち、第5実施形態では、図12に示すように、音声信号生成部21とハイインピーダンスアンプ23との間にA/D変換手段であるA/D変換器26が追加されている点と、案内情報放送装置40のフラットパネルスピーカ41の入力側にD/A変換手段であるD/A変換器43が追加されている点で、図1及び図2の案内情報放送システムとは構成が異なっている。
【0066】
また、案内情報放送装置40のフラットパネルスピーカ41の配置にあっては、図13に示すように、駅のホームHに付されている乗降位置に対応するように配置する。
【0067】
このような構成では、上述したように、音声出力装置20が音声出力制御装置10からの音声指示データを受け取ると、音声信号生成部21により、音声データメモリ22に格納されている音声指示データに対応した音声データが読み出され、列車情報となるアナログの音声信号が生成されて出力される。ここで、そのアナログの音声信号は、A/D変換器26によりデジタルの音声信号に変換されてハイインピーダンスアンプ23に出力される。
【0068】
また、ハイインピーダンスアンプ23からのデジタルの音声信号がマッチングトランス30を介して案内情報放送装置40側に与えられると、案内情報放送装置40側のD/A変換器43によってアナログの音声信号に変換され、その音声信号に基づき、フラットパネルスピーカ41から音声案内が行われる。
【0069】
このように、第5実施形態では、ハイインピーダンスアンプ23からの音声信号がデジタルとされることで、案内情報放送装置40側のD/A変換器43に与えられる音声信号がノイズの影響を受け難くなることから、上述した作用効果に加え、フラットパネルスピーカ41からの音声案内をクリアな音で行うことが可能となるとした効果を有する。
【0070】
(第6実施形態)
次に、図14及び図15を参照し、本発明の案内情報放送システムの第6実施形態の詳細について説明する。ここで、図14及び図15は、図12及び図13の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【0071】
すなわち、第6実施形態では、図14に示すように、ハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24が案内情報放送装置40側のマッチングトランス30に対してパラレル接続とされている点で、図12及び図13の案内情報放送システムとは構成が異なっている。
【0072】
ここで、ハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24をマッチングトランス30に対してパラレル接続とする際、図15に示すように、1両の4つのドア101に対応する4個のフラットパネルスピーカ41に対して1台のマッチングトランス30を設け、それぞれのマッチングトランス30にハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24を接続する。また、1台のマッチングトランス30に対して2個のフラットパネルスピーカ41をそれぞれ直列に接続する。
【0073】
このような構成では、上述したように、音声出力装置20のハイインピーダンスアンプ23により、音声信号ライン24にデジタルの音声信号が出力されると、それぞれのマッチングトランス30によってインピーダンスマッチングが行われ、そのインピーダンスマッチングを行った音声信号がD/A変換器43によりアナログの音声信号に変換されることで、フラットパネルスピーカ41から音声案内が行われる。
【0074】
このように、第6実施形態では、4個のフラットパネルスピーカ41に対し、1台のマッチングトランス30で対応可能としたので、上述した作用効果に加え、案内情報放送装置40側のD/A変換器43を、1両の4つのドア101に対応する4個のフラットパネルスピーカ41に対し、4個から2個に削減することができるとした効果を有する。
【0075】
また、それぞれのマッチングトランス30にハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24が接続されているため、上記同様に、ハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24を選択することで、任意の車両に対応する位置のフラットパネルスピーカ41のみからの音声案内を行うことが可能となる。
【0076】
(第7実施形態)
次に、図16及び図17を参照し、本発明の案内情報放送システムの第7実施形態の詳細について説明する。ここで、図16及び図17は、図12及び図13の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【0077】
すなわち、第7実施形態では、図16に示すように、音声出力装置20のハイインピーダンスアンプ23が音声信号出力部23aに変更されている点と、案内情報放送装置40側のマッチングトランス30が省かれ、代わりにアンプ42が内蔵されている点で、図12及び図13の案内情報放送システムとは構成が異なっている。
【0078】
ここで、案内情報放送装置40側のアンプ42には、上述したように、電源ライン25を介して音声出力装置20側からの電力が供給されるようになっている。また、上述したように、音声信号出力部23aはパワーアンプであり、音声信号出力部23aからの音声信号が音声信号ライン24を介して出力されると、案内情報放送装置40側のアンプ42によって増幅され、フラットパネルスピーカ41から出力される。
【0079】
また、案内情報放送装置40のフラットパネルスピーカ41の配置にあっては、図17示すように、駅のホームHに付されている乗降位置に対応するように配置する。
【0080】
このような構成では、音声出力装置20の音声信号出力部23aにより、音声信号ライン24にデジタルの音声信号が出力されると、その音声信号が案内情報放送装置40に内蔵されているD/A変換器43によりアナログの音声信号に変換され、さらにアンプ42によって増幅されことで、フラットパネルスピーカ41からの音声案内が行われる。
【0081】
このように、第7実施形態では、音声信号出力部23aからのデジタルの音声信号が案内情報放送装置40側のD/A変換器43によりアナログの音声信号に変換され、さらにアンプ42によって増幅され、フラットパネルスピーカ41から出力されるため、図12のハイインピーダンスアンプ23を用いた場合に比べ、フラットパネルスピーカ41の数に制約を受けないことから、駅のホームHが広く、しかもそのホームHの数が多くても多くのフラットパネルスピーカ41を配置することが可能となるとともに、音声信号出力部23aからの音声信号がノイズの影響を受け難くなることから、上記同様に、音声案内をクリアな音で行うことが可能となる。
【0082】
(第8実施形態)
次に、図18及び図19を参照し、本発明の案内情報放送システムの第8実施形態の詳細について説明する。ここで、図18及び図19は、図16及び図17の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【0083】
すなわち、第8実施形態では、図18に示すように、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24が案内情報放送装置40側のアンプ42aに対してパラレル接続とされている点で、図16及び図17の案内情報放送システムとは構成が異なっている。
【0084】
ここで、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24を案内情報放送装置40側のアンプ42aに対してパラレル接続とする際、図19に示すように、1両の4つのドア101に対応する4個のフラットパネルスピーカ41に対して1個のアンプ42aを設け、それぞれのアンプ42aに音声信号出力部23aからの音声信号ライン24を接続する。また、1個のアンプ42aに対して2個のフラットパネルスピーカ41をそれぞれ直列に接続する。
【0085】
このような構成では、D/A変換器43によって変換されたアナログの音声信号が、1個のアンプ42aにより増幅されて4個のフラットパネルスピーカ41へ出力される。
【0086】
このように、第8実施形態では、D/A変換器43によって変換されたアナログの音声信号を、1個のアンプ42aにより増幅して4個のフラットパネルスピーカ41へ出力するため、図16及び図17のアンプ42より増幅出力を高める必要があるものの、アンプ42aの数を削減することができる。
【0087】
また、それぞれのアンプ42aに音声信号出力部23aからの音声信号ライン24が接続されていることから、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24を選択することで、上記同様に、任意の車両に対応する位置のフラットパネルスピーカ41のみからの音声案内をクリアな音で行うことが可能となる。
【0088】
(第9実施形態)
次に、図20及び図21を参照し、本発明の案内情報放送システムの第9実施形態の詳細について説明する。ここで、図20及び図21は、図6及び図7の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【0089】
すなわち、第9実施形態では、図20に示すように、各案内情報放送装置40の近傍には、検知手段であるセンサ50が配設されている点で、図6及び図7の案内情報放送システムとは構成が異なっている。ここで、センサ50としては、重量検知、振動検知、光検知等を行うものを用いることができる。このようなセンサ50により、駅のホームHの乗車位置で列車の到着を待っている利用客を、重量の変化、振動の変化、光の変化のいずれかで検知することができる。
【0090】
また、それぞれのセンサ50による検知結果は、信号ライン51を介して音声出力制御装置10に取り込まれるようになっている。ここで、センサ50と音声出力制御装置10とを接続する場合、図21に示すように、1両の4つのドア101に対応させた4個のフラットパネルスピーカ41のそれぞれの近傍にセンサ50を配置し、4個のセンサ50をそれぞれ直列に接続するとともに、これら4個のセンサ50と音声出力制御装置10とを信号ライン51によって接続する。
【0091】
なお、センサ50が重量検知又は振動検知を行うものである場合、他の車両の4つのドア101に対応する乗車位置からの影響を受ける可能性があるが、この場合は音声出力制御装置10側で所定のしきい値に基づき、センサ50からの検知出力を取り込むようにすることで、それぞれのセンサ50からの検知結果を識別することが可能となる。
【0092】
また、上述したように、4個のフラットパネルスピーカ41に対して1台のマッチングトランス30を設け、それぞれのマッチングトランス30にハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24を接続する。また、1台のマッチングトランス30に対して2個のフラットパネルスピーカ41をそれぞれ直列に接続する。
【0093】
このような構成では、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されると、少なくとも1両の4つのドア101に対応する駅のホームHの乗車位置が特定され、その乗車位置に対応する4個のフラットパネルスピーカ41からスポット的な音声案内が行われる。
【0094】
このように、第9実施形態では、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されると、少なくとも1両の4つのドア101に対応する駅のホームHの乗車位置が特定されるため、ハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24を選択することで、その乗車位置に対応する4個のフラットパネルスピーカ41からスポット的な音声案内を行うことが可能となる。
【0095】
また、少なくとも1両の4つのドア101に対応する駅のホームHの乗車位置が特定されることで、たとえばその乗車位置がグリーン車の停車する位置である場合、上述した列車運行情報(ダイヤ情報)から、「この乗車位置にはグリーン車が停車します」といったような音声案内が行われるようにすることも可能となる。
【0096】
この場合、グリーン車を利用する利用客はその音声案内によってグリーン車が停車することを確認でき、グリーン車を利用しない利用客はその音声案内によって他の乗車位置に移動することができる。
【0097】
また、利用客が位置する駅のホームHの乗車位置が特定されることで、上述した列車運行情報(ダイヤ情報)から、たとえばその乗車位置が女性専用車両の停車する位置である場合、「この乗車位置は女性専用列車が停止します」といったような音声案内が行われるようにすることも可能となる。
【0098】
これにより、女性専用車両を利用する利用客(女性)はその音声案内によって女性専用車両が停車することを確認でき、女性専用車両を利用できない利用客(男性)はその音声案内によって他の乗車位置に移動することができる。
【0099】
また、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されなければ、その利用客が検知されない乗車位置が特定されるため、ハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24を選択することで、利用客が検知された場所のみでの音声案内も可能となる。
【0100】
また、案内情報放送装置40及びセンサ50を駅のホームHがカーブしている箇所に配置し、利用客あるいはベビーカや車いすがセンサ50によって検知された場合、フラットパネルスピーカ41から「ホームと列車との隙間に注意して下さい」等の転落注意を促す音声案内が行われるようにすることも可能である。
【0101】
これにより、駅のホームHがカーブしていて、駅のホームHと列車100との隙間が広くなっている箇所においては、利用客に対し転落注意を促すことができる。また、ベビーカを押している人や車いすに乗っている人に対し、ベビーカや車いすの車輪の転落注意を促すことができる。
【0102】
また、駅のホームHの階段の昇り付近と、その階段の降り口付近に案内情報放送装置40及びセンサ50を配置し、利用客がセンサ50によって検知された場合、階段の昇り付近では、「階段を昇る方は左側階段にお進み下さい」、階段の降り口付近では、「階段を降りる方は左側階段にお進み下さい」等の進路方向を促す音声案内が行われるようにすることも可能である。
【0103】
この場合、駅のホームHの既存の階段の一部にたとえば昇り専用のエスカレータが新たに設置され、さらに既存の階段部分に上りラインと下りラインとが表示されているものの、既存の階段部分が2/3程度に狭くなっていることから、特に通勤時間帯等では階段を昇る利用客と階段を降りる利用客とが交錯してスムーズな階段利用が困難となっていたが、フラットパネルスピーカ41からの音声案内により利用客の流れがスムーズになるように誘導することができる。
【0104】
なお、上述した転落注意を促す音声案内や進路方向を促す音声案内については、音声出力制御装置10に、駅のホームHがカーブしている箇所に配置されたセンサ50や、駅のホームHの階段の昇り付近と、その階段の降り口付近に配置されたセンサ50に対応する案内制御データを設けておき、さらに音声出力装置20の音声データメモリ22に、音声出力制御装置10からの案内指示データ(転落注意を促す音声案内や進路方向を促す音声案内に相当するデータ)に応じた音声データを格納しておくようにしておけばよい。
【0105】
(第10実施形態)
次に、図22及び図23を参照し、本発明の案内情報放送システムの第10実施形態の詳細について説明する。ここで、図22及び図23は、図10及び図11の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【0106】
すなわち、第10実施形態では、図22に示すように、各案内情報放送装置40の近傍にセンサ50が配設されている点で、図10及び図11の案内情報放送システムとは構成が異なっている。ここで、センサ50としては、上述したように、重量検知、振動検知、光検知等を行うものを用いることができる。また、それぞれのセンサ50による検知結果は、上述したように、信号ライン51を介して音声出力制御装置10に取り込まれるようになっている。
【0107】
ここで、センサ50と音声出力制御装置10とを接続する場合、図23に示すように、1両の4つのドア101に対応させた4個のフラットパネルスピーカ41のそれぞれの近傍にセンサ50を配置し、4個のセンサ50をそれぞれ直列に接続するとともに、これら4個のセンサ50と音声出力制御装置10とを信号ライン51によって接続する。
【0108】
このような構成では、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されると、少なくとも1両の4つのドア101に対応する駅のホームHの乗車位置が特定され、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24を選択することで、その乗車位置に対応する4個のフラットパネルスピーカ41からスポット的な音声案内が行われる。
【0109】
このように、第10実施形態では、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されると、少なくとも1両の4つのドア101に対応する駅のホームHの乗車位置が特定され、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24を選択することで、その乗車位置に対応する4個のフラットパネルスピーカ41からのスポット的な音声案内を行うことが可能となる。
【0110】
また、上記同様に、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されなければ、その利用客が検知されない乗車位置が特定されるため、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24を選択することで、利用客が検知された場所のみでの音声案内も可能となる。
【0111】
また、音声信号出力部23aからの音声信号が案内情報放送装置40側のアンプ42aによって増幅されるため、図1等のハイインピーダンスアンプ23を用いた場合に比べ、フラットパネルスピーカ41の数に制約を受けないことから、駅のホームHが広く、しかもそのホームHの数が多くても多くのフラットパネルスピーカ41を配置することが可能となる。
【0112】
(第11実施形態)
次に、図24及び図25を参照し、本発明の案内情報放送システムの第11実施形態の詳細について説明する。ここで、図24及び図25は、図12及び図13の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【0113】
すなわち、第11実施形態では、図24に示すように、各案内情報放送装置40の近傍にセンサ50が配設されている点と、音声出力制御装置10に識別データ付与部27が設けられている点と、案内情報放送装置40側にデータ判別部44が設けられている点で、図12及び図13の案内情報放送システムとは構成が異なっている。ここで、センサ50としては、上述したように、重量検知、振動検知、光検知等を行うものを用いることができる。
【0114】
また、音声出力制御装置10の識別データ付与部27は、A/D変換器26により音声信号生成部21からのアナログの音声信号がデジタルの音声信号に変換されるとき、それぞれのフラットパネルスピーカ41に対応させた識別データを付与するものである。
【0115】
また、案内情報放送装置40側のデータ判別部44は、識別データ付与部27によって付与された識別データが案内情報放送装置40内のフラットパネルスピーカ41に該当するかどうかを判別し、該当する場合はD/A変換器43に対し、デジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換させるものである。
【0116】
なお、識別データ付与部27によって付与される識別データは、個々のフラットパネルスピーカ41毎に異なるものとしてもよいが、図25に示すように、1両の4つのドア101に対応して4個配置されるそれぞれのフラットパネルスピーカ41からの音声案内がほぼ同じとなればよいことから、これら4個のフラットパネルスピーカに対しては同じ識別データが付与されるようにしてもよい。
【0117】
このような構成では、上記同様に、いずれかのセンサ50によって利用客が検知され、その利用客が位置する駅のホームHの乗車位置が特定されると、識別データ付与部27によりその特定された乗車位置に該当するフラットパネルスピーカ41に対応した識別データが付与される。
【0118】
そして、ハイインピーダンスアンプ23からのデジタルの音声信号が音声信号ライン24に出力されると、案内情報放送装置40側のデータ判別部44により、デジタルの音声信号に含まれる識別データが案内情報放送装置40内のフラットパネルスピーカ41に該当するかどうかが判別される。
【0119】
該当する場合は、D/A変換器43に対し、デジタルの音声信号がアナログの音声信号に変換され、センサ50によって利用客が検知された乗車位置に該当する、1両の4つのドア101に対応した4個のフラットパネルスピーカ41からスポット的な音声案内が行われる。
【0120】
よって、センサ50によって利用客が検知されなければ、その利用客が検知されない乗車位置に該当する、1両の4つのドア101に対応した4個のフラットパネルスピーカ41からの音声案内が行われないことになる。
【0121】
このように、第11実施形態では、いずれかのセンサ50によって利用客が検知され、その利用客が位置する駅のホームHの乗車位置が特定されると、識別データ付与部27によりその特定された乗車位置に該当するフラットパネルスピーカ41に対応した識別データが付与されるようにしたので、利用客が検知された乗車位置に該当する箇所のみでの音声案内を行うことが可能となる。
【0122】
(第12実施形態)
次に、図26及び図27を参照し、本発明の案内情報放送システムの第12実施形態の詳細について説明する。ここで、図26及び図27は、図24及び図25の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【0123】
すなわち、第12実施形態では、図26に示すように、各案内情報放送装置40の近傍には、上記同様に、センサ50が配設されているが、上述した音声出力制御装置10側の識別データ付与部27及び案内情報放送装置40側のデータ判別部44が省略されている点で、図24及び図25の案内情報放送システムとは構成が異なっている。
【0124】
このような構成では、上記同様に、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されると、その利用客が位置する駅のホームHの乗車位置が特定され、図27に示すように、マッチングトランス30に対してパラレル接続とされているハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24の選択により、その選択されたマッチングトランス30に接続されるフラットパネルスピーカ41からのスポット的な音声案内が行われる。
【0125】
このように、第12実施形態では、ハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24をマッチングトランス30に対してパラレル接続とし、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されると、その利用客が位置する駅のホームHの乗車位置を特定することができ、その乗車位置に対応するマッチングトランス30に接続される音声信号ライン24を選択することで、その選択されたマッチングトランス30に接続されるフラットパネルスピーカ41からスポット的な音声案内を行うことが可能となる。
【0126】
また、上記同様に、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されなければ、その利用客が検知されない乗車位置が特定されるため、ハイインピーダンスアンプ23からの音声信号ライン24を選択することで、利用客が検知された場所のみでの音声案内も可能となる。
【0127】
(第13実施形態)
次に、図28及び図29を参照し、本発明の案内情報放送システムの第13実施形態の詳細について説明する。ここで、図28及び図29は、図16及び図17の案内情報放送システムの構成を変えた場合を示す図である。
【0128】
すなわち、第13実施形態では、図28に示すように、各案内情報放送装置40の近傍に、重量検知、振動検知、光検知等を行うセンサ50が配設されている点で、図16及び図17の案内情報放送システムとは構成が異なっている。
【0129】
このような構成では、図29に示すように、上記同様に、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されると、案内情報放送装置40側のアンプ42によって音声信号出力部23aからの音声信号が増幅され、全てのフラットパネルスピーカ41からスポット的な音声案内が行われる。
【0130】
このように、第13実施形態では、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されると、案内情報放送装置40側のアンプ42によって音声信号出力部23aからの音声信号が増幅され、全てのフラットパネルスピーカ41からスポット的な音声案内が行われるようにしたので、上記同様に、ハイインピーダンスアンプ23を用いた場合に比べ、フラットパネルスピーカ41の数に制約を受けないことから、駅のホームHが広く、しかもそのホームHの数が多くても多くのフラットパネルスピーカ41を配置することができる。
【0131】
また、上記同様に、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されなければ、その利用客が検知されない乗車位置が特定されるため、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24を選択することで、利用客が検知された場所のみでの音声案内も可能となる。
【0132】
(第14実施形態)
次に、図30及び図31を参照し、本発明の案内情報放送システムの第14実施形態の詳細について説明する。ここで、図30及び図31は、図28及び図29の案内情報放送システムにおける音声信号ラインの接続形態を変えた場合を示す図である。
【0133】
すなわち、第14実施形態では、図30に示すように、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24が案内情報放送装置40側のアンプ42aに対してパラレル接続とされている点で、図28及び図29の案内情報放送システムにおける音声信号ライン24の接続形態が異なっている。
【0134】
このような構成では、図31に示すように、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24が案内情報放送装置40側のアンプ42aに対してパラレル接続とされており、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されると、その利用客が位置する駅のホームHの乗車位置が特定され、その乗車位置に対応するD/A変換器43に接続される音声信号ライン24が選択されると、その選択されたD/A変換器43に接続されるフラットパネルスピーカ41からスポット的な音声案内が行われる。
【0135】
このように、第14実施形態では、音声信号出力部23aからの音声信号ライン24を案内情報放送装置40側のアンプ42aに対してパラレル接続とし、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されると、その利用客が位置する駅のホームHの乗車位置を特定することができ、その乗車位置に対応するD/A変換器43に接続される音声信号ライン24を選択することにより、その選択されたD/A変換器43に接続されるフラットパネルスピーカ41からスポット的な音声案内が行われるようにすることができる。
【0136】
また、いずれかのセンサ50によって利用客が検知されなければ、その利用客が検知されない乗車位置が特定されるため、その乗車位置に対応するD/A変換器43に接続されるフラットパネルスピーカ41からのスポット的な音声案内が行われないことから、無駄な音声案内が不要となる。
【産業上の利用可能性】
【0137】
資料館や水族館等の公共施設における音声案内を行うシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0138】
1 検知装置
2 外部装置
10 音声出力制御装置
11 列車位置検出部
12 列車位置条件出力部
13 ダイヤ情報受信部
14 ダイヤ情報解析部
15 音声指示データ出力部
20 音声出力装置
21 音声信号生成部
22 音声データメモリ
23 ハイインピーダンスアンプ
23a 音声信号出力部
24 音声信号ライン
25 電源ライン
26 A/D変換器
27 識別データ付与部
30 マッチングトランス
31 音声信号ライン
40 案内情報放送装置
41 フラットパネルスピーカ
42,42a アンプ
43 D/A変換器
44 データ判別部
50 センサ
51 信号ライン
100 列車
101 ドア
102 軌道

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された閉そく区間毎に列車の位置を検出する検知装置からの列車の位置情報と、外部装置からの列車運行情報とを元に、音声案内を行わせるための列車情報である音声指示データを出力する音声出力制御装置と、
前記音声指示データに基づき、音声案内のための音声信号を出力する音声出力装置と、
音声信号ラインを介して前記音声出力装置に接続される、スピーカを内蔵した案内情報放送装置とを備え、
前記案内情報放送装置は駅のホームに沿って並設され、該案内情報放送装置から前記列車情報に基づいた音声案内が行われる
ことを特徴とする案内情報放送システム。
【請求項2】
前記音声出力装置は、
前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、
前記音声指示データに対応した音声データを音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、
該音声信号生成手段によって生成された音声信号を、前記音声信号ラインに出力するハイインピーダンスアンプとを有し、
前記案内情報放送装置は、前記スピーカの入力側に設けられ、インピーダンスマッチングを行った前記音声信号を前記スピーカに出力するマッチングトランスを有し、
前記マッチングトランスは、前記音声信号ラインに対して直列に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の案内情報放送システム。
【請求項3】
前記音声出力装置は、
前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、
前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、
該音声信号生成手段によって生成された音声信号を、前記音声信号ラインに出力するハイインピーダンスアンプとを有し、
前記案内情報放送装置は、前記スピーカの入力側に設けられ、インピーダンスマッチングを行った前記音声信号を前記スピーカに出力するマッチングトランスを有し、
前記マッチングトランスは、個々の前記音声信号ラインに接続され、
所定数の前記スピーカは、1台の前記マッチングトランスに対して直列に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の案内情報放送システム。
【請求項4】
前記音声出力装置は、
前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、
前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、
該音声信号生成手段によって生成された音声信号を、前記音声信号ラインに出力する音声信号出力手段とを有し、
前記案内情報放送装置は、前記スピーカの入力側に設けられ、前記音声信号を増幅して前記スピーカに出力する増幅手段を有し、
前記増幅手段は、前記音声信号ラインに対して直列に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の案内情報放送システム。
【請求項5】
前記音声出力装置は、
前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、
前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、
該音声信号生成手段によって生成された音声信号を、前記音声信号ラインに出力する音声信号出力手段とを有し、
前記案内情報放送装置は、前記スピーカの入力側に設けられ、前記音声信号を増幅して前記スピーカに出力する増幅手段を有し、
前記増幅手段は、個々の前記音声信号ラインに接続され、
所定数の前記スピーカは、1個の前記増幅手段に対して直列に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の案内情報放送システム。
【請求項6】
前記音声出力装置は、
前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、
前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、
前記アナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するA/D変換手段と、
該A/D変換手段によって変換された前記デジタルの音声信号を、前記音声信号ラインに出力するハイインピーダンスアンプとを有し、
前記案内情報放送装置は、
前記スピーカの入力側に設けられ、インピーダンスマッチングを行うマッチングトランスと、
該マッチングトランスからの前記デジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換して前記スピーカに出力するD/A変換手段とを有し、
前記マッチングトランスは、前記音声信号ラインに対して直列に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の案内情報放送システム。
【請求項7】
前記音声出力装置は、
前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、
前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、
前記アナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するA/D変換手段と、
該A/D変換手段によって変換された前記デジタルの音声信号を、前記音声信号ラインに出力するハイインピーダンスアンプとを有し、
前記案内情報放送装置は、
前記スピーカの入力側に設けられ、インピーダンスマッチングを行うマッチングトランスと、
該マッチングトランスからの前記デジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換して前記スピーカに出力するD/A変換手段とを有し、
前記マッチングトランスは、個々の前記音声信号ラインに接続され、
所定数の前記スピーカは、1台の前記マッチングトランスに対して直列に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の案内情報放送システム。
【請求項8】
前記音声出力装置は、
前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、
前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、
前記アナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するA/D変換手段と、
該A/D変換手段によって変換された前記デジタルの音声信号を、前記音声信号ラインに出力する音声信号出力手段とを有し、
前記案内情報放送装置は、
前記スピーカの入力側に設けられ、前記デジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換するD/A変換手段と、
該D/A変換手段によって変換された前記アナログの音声信号を増幅して前記スピーカに出力する増幅手段とを有し、
前記D/A変換手段は、前記音声信号ラインに対して直列に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の案内情報放送システム。
【請求項9】
前記音声指示データに対応した音声データが格納されている音声データ格納手段と、
前記音声指示データに対応した音声データを前記音声データメモリから読み出し、アナログの音声信号を生成する音声信号生成手段と、
前記アナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するA/D変換手段と、
該A/D変換手段によって変換された前記デジタルの音声信号を、前記音声信号ラインに出力する音声信号出力手段とを有し、
前記案内情報放送装置は、
前記スピーカの入力側に設けられ、前記デジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換するD/A変換手段と、
該D/A変換手段によって変換された前記アナログの音声信号を増幅して前記スピーカに出力する増幅手段とを有し、
前記D/A変換手段は、個々の前記音声信号ラインに接続され、
所定数の前記スピーカは、1個の前記D/A変換手段に対して直列に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の案内情報放送システム。
【請求項10】
前記案内情報放送装置の近傍に配設され、重量の変化、振動の変化、光の変化のいずれかで利用客を検知し、該検知結果を前記音声出力制御装置に出力する検知手段を備え、
前記音声出力制御装置は、前記検知結果に応じて前記音声信号ラインを選択し、前記音声指示データを出力する
ことを特徴とする請求項2に記載の案内情報放送システム。
【請求項11】
前記案内情報放送装置の近傍に配設され、重量の変化、振動の変化、光の変化のいずれかで利用客を検知し、該検知結果を前記音声出力制御装置に出力する検知手段を備え、
前記音声出力制御装置は、前記検知結果に応じて前記音声信号ラインを選択し、前記音声指示データを出力する
ことを特徴とする請求項5に記載の案内情報放送システム。
【請求項12】
前記案内情報放送装置の近傍に配設され、重量の変化、振動の変化、光の変化のいずれかで利用客を検知し、該検知結果を前記音声出力制御装置に出力する検知手段を備え、
前記音声出力装置は、
前記A/D変換手段により前記アナログの音声信号がデジタルの音声信号に変換されるとき、それぞれの前記スピーカに対応させた識別データを付与する識別データ付与手段を有し、
前記案内情報放送装置は、
前記識別データが内蔵しているスピーカに該当するかどうかを判別し、該当する場合は前記D/A変換手段に対し、前記デジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換させるデータ判別手段を有し、
前記音声出力制御装置は、前記検知結果に応じて前記音声指示データを出力する
ことを特徴とする請求項6に記載の案内情報放送システム。
【請求項13】
前記案内情報放送装置の近傍に配設され、重量の変化、振動の変化、光の変化のいずれかで利用客を検知し、該検知結果を前記音声出力制御装置に出力する検知手段を備え、
前記音声出力制御装置は、前記検知結果に応じて前記音声信号ラインを選択し、前記音声指示データを出力する
ことを特徴とする請求項7に記載の案内情報放送システム。
【請求項14】
前記案内情報放送装置の近傍に配設され、重量の変化、振動の変化、光の変化のいずれかで利用客を検知し、該検知結果を前記音声出力制御装置に出力する検知手段を備え、
前記音声出力制御装置は、前記検知結果に応じて前記音声指示データを出力する
ことを特徴とする請求項8に記載の案内情報放送システム。
【請求項15】
前記案内情報放送装置の近傍に配設され、重量の変化、振動の変化、光の変化のいずれかで利用客を検知し、該検知結果を前記音声出力制御装置に出力する検知手段を備え、
前記音声出力制御装置は、前記検知結果に応じて前記音声信号ラインを選択し、前記音声指示データを出力する
ことを特徴とする請求項9に記載の案内情報放送システム。
【請求項16】
前記案内情報放送装置及び検知手段は、駅のホームがカーブしている箇所に配置され、
前記検知手段によって少なくとも利用客が検知されると、前記案内情報放送装置から転落注意を促す音声案内が行われる
ことを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の案内情報放送システム。
【請求項17】
前記案内情報放送装置及び検知手段は、駅のホームの階段の昇り付近と、その階段の降り口付近に配置され、
前記検知手段によって利用客が検知されると、前記案内情報放送装置から進路方向を促す音声案内が行われる
ことを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の案内情報放送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2010−173578(P2010−173578A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20534(P2009−20534)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000001292)株式会社京三製作所 (324)
【Fターム(参考)】