説明

梱包装置

【課題】梱包作業の効率化を図ること。
【解決手段】実施形態に係る梱包装置は、供給ステーション、右エンドエフェクタおよび左エンドエフェクタ、右アーム部および左アーム部、組立ステーションを備える。供給ステーションは、折り畳まれた状態の段ボールが載置される場所である。右エンドエフェクタおよび左エンドエフェクタは、物体を吸着する吸着部を備える。右アーム部および左アーム部は、それぞれ右エンドエフェクタおよび左エンドエフェクタを備える。組立ステーションは、立体的に展開された段ボールが載置される場所である。梱包装置は、供給ステーションへ載置された段ボールの両側面を各吸着部を用いて吸着し、右アーム部および左アーム部を用いて段ボールを展開させ、組立ステーションへ移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、折り畳まれた状態の段ボールを箱型の形状に組み立てる組立装置が知られている。組立装置は、折り畳まれた状態の段ボールを立体的に展開し、フラップを折り曲げ、折り曲げたフラップの先端同士を粘着テープ等で接合することによって、段ボールを箱型の形状に組み立てる。
【0003】
近年では、上述した段ボールの組み立て作業だけでなく、組み立てられた段ボールへの物品の収納作業、物品が収納された段ボールの封止作業といった一連の梱包作業を1台のロボットが行う技術も提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
なお、特許文献1に記載のロボットは、1つのアーム部を備える単腕ロボットであり、アーム部の先端に設けられた特殊なエンドエフェクタを用いて段ボールを立体的に展開する作業を行う。特殊なエンドエフェクタには、吸着機構と、折り曲げ機構とが設けられている。吸着機構は、折り畳まれた状態の段ボールの一側面およびこの側面に連接する他の側面を吸着する。また、折り曲げ機構は、吸着機構により吸着された段ボールの2つの側面のうちの一側面を他の側面に対して90度の角度に折り曲げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−70917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来技術では、一連の梱包作業を1台のロボットを用いて行うことによって梱包作業の効率化を図っている。しかしながら、梱包作業の効率化は、さらに向上させることが望ましい。
【0007】
実施形態の一態様は、梱包作業の効率化を図ることができる梱包装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一態様に係る梱包装置は、第1の作業ステーションと、第1のエンドエフェクタおよび第2のエンドエフェクタと、第1のアーム部と、第2のアーム部と、第2の作業ステーションとを備える。第1の作業ステーションは、折り畳まれた状態の梱包材が載置される場所である。第1のエンドエフェクタおよび第2のエンドエフェクタは、物体を吸着する吸着部を備える。第1のアーム部は、第1のエンドエフェクタを備えるアーム部である。第2のアーム部は、第2のエンドエフェクタを備えるアーム部である。第2の作業ステーションは、立体的に展開された梱包材が載置される場所である。実施形態の一態様に係る梱包装置では、第1の作業ステーションへ載置された梱包材の両側面を第1のエンドエフェクタおよび第2のエンドエフェクタの吸着部を用いてそれぞれ吸着しつつ、梱包材の展開動作および第2の作業ステーションへの移動動作を行う。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、梱包作業の効率化を図ることが可能な梱包装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る梱包装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係るロボットの構成を示す模式図である。
【図3A】図3Aは、第1の実施形態に係る右エンドエフェクタの構成を示す模式図である。
【図3B】図3Bは、第1の実施形態に係る左エンドエフェクタの構成を示す模式図である。
【図4A】図4Aは、段ボールの展開動作の説明図である。
【図4B】図4Bは、段ボールの展開動作の説明図である。
【図5A】図5Aは、各吸着部の吸着箇所を示す模式図である。
【図5B】図5Bは、各吸着部の吸着箇所を示す模式図である。
【図6A】図6Aは、固定装置を用いて段ボールを固定する動作の説明図である。
【図6B】図6Bは、固定装置を用いて段ボールを固定する動作の説明図である。
【図6C】図6Cは、固定装置を用いて段ボールを固定する動作の説明図である。
【図7】図7は、内フラップを折り曲げる動作の説明図である。
【図8A】図8Aは、外フラップを折り曲げる動作の説明図である。
【図8B】図8Bは、外フラップを折り曲げる動作の説明図である。
【図8C】図8Cは、外フラップを折り曲げる動作の説明図である。
【図9A】図9Aは、粘着テープを貼着する動作の説明図である。
【図9B】図9Bは、粘着テープを貼着する動作の説明図である。
【図10A】図10Aは、収納動作の説明図である。
【図10B】図10Bは、収納動作の説明図である。
【図11A】図11Aは、段ボールを封止する動作の説明図である。
【図11B】図11Bは、段ボールを封止する動作の説明図である。
【図11C】図11Cは、段ボールを封止する動作の説明図である。
【図12A】図12Aは、段ボールを封止する動作の他の例を示す説明図である。
【図12B】図12Bは、段ボールを封止する動作の他の例を示す説明図である。
【図12C】図12Cは、段ボールを封止する動作の他の例を示す説明図である。
【図13】図13は、第2の実施形態に係る梱包装置の全体構成を示す模式図である。
【図14A】図14Aは、第2の実施形態に係る右エンドエフェクタの構成を示す模式図である。
【図14B】図14Bは、第2の実施形態に係る左エンドエフェクタの構成を示す模式図である。
【図15】図15は、第2の実施形態に係る供給ステーションの構成を示す模式図である。
【図16】図16は、貼着部ホルダの構成を示す模式図である。
【図17A】図17Aは、供給ステーションから段ボールを取り出す動作の説明図である。
【図17B】図17Bは、供給ステーションから段ボールを取り出す動作の説明図である。
【図18A】図18Aは、段ボールの展開動作の説明図である。
【図18B】図18Bは、段ボールの展開動作の説明図である。
【図18C】図18Cは、段ボールの展開動作の説明図である。
【図19A】図19Aは、粘着テープを貼着する動作の説明図である。
【図19B】図19Bは、粘着テープを貼着する動作の説明図である。
【図19C】図19Cは、粘着テープを貼着する動作の説明図である。
【図19D】図19Dは、粘着テープを貼着する動作の説明図である。
【図19E】図19Eは、粘着テープを貼着する動作の説明図である。
【図20A】図20Aは、段ボールを回転させる動作の説明図である。
【図20B】図20Bは、段ボールを回転させる動作の説明図である。
【図21】図21は、第2の実施形態に係る梱包装置の他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する梱包装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。たとえば、以下では、梱包材として段ボールを使用する場合の例について説明するが、梱包材は、段ボールに限らず、たとえば紙袋や封筒といった平面的に折り畳むことができる他の梱包材であってもよい。
【0012】
(第1の実施形態)
[1−1.全体構成]
図1は、第1の実施形態に係る梱包装置の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る梱包装置100は、ロボット1、供給ステーション2、組立ステーション3、梱包ステーション4、台座5,6等を備える。なお、第1の実施形態において供給ステーション2、組立ステーション3および梱包ステーション4は、それぞれ第1の作業ステーション、第2の作業ステーションおよび第3の作業ステーションの一例である。
【0013】
ロボット1は、2つのアームを備える双腕ロボットである。ロボット1は、一般的な汎用ロボットである。すなわち、ロボット1は、各アームの先端に設けられたエンドエフェクタを用途に応じて付け替えることで、様々な作業に利用することができる。ロボット1の具体的な構成については、図2等を用いて説明する。なお、ロボット1の動作は、図示しない制御装置によって制御される。
【0014】
供給ステーション2は、折り畳まれた状態の段ボール20が載置される場所である。供給ステーション2への段ボール20の載置は、作業員によって行われてもよいし、ベルトコンベア等の搬送装置によって行われてもよい。
【0015】
段ボール20は、成形することによって直方体の箱となる一般的な段ボールである。具体的には、段ボール20は、側面部21と、内フラップ22と、外フラップ23とを備える。側面部21は、箱型に成形された段ボール20の側壁となる部位である。内フラップ22および外フラップ23は、各側面部21の他の側面部21と連接しない縁部に設けられる。外フラップ23は、成形することによって段ボール20の底面または上面となるフラップである。内フラップ22は、成形時に外フラップ23よりも段ボール20の内側に位置するフラップである。
【0016】
組立ステーション3は、立体的に展開された段ボール20が載置される場所である。組立ステーション3は、固定装置30を備える。固定装置30は、立体的に展開された段ボール20の側面部21を支持することによって、段ボール20を宙に浮いた状態で固定する。具体的には、固定装置30は、第1支持部31と、第2支持部32と、駆動部33と、検知部34とを備える。
【0017】
第1支持部31は、2つの吸着部31a,31bを備える。第2支持部32は、第1支持部31と対向するように配置され、第1支持部31と同様に2つの吸着部32a,32bを備える。吸着部31a,31b,32a,32bは、真空ポンプ等の吸引装置によって発生する吸引力を用いて物体を吸着する。
【0018】
駆動部33は、たとえば第1支持部31と第2支持部32との間に設けられる。駆動部33は、モータ等の駆動装置を用いてシャフト33aをシャフト33aの延在方向に沿って移動させる。シャフト33aの先端部は、第2支持部32と連結されている。したがって、駆動部33がシャフト33aを駆動させることで、第2支持部32は、第1支持部31へ向かって移動する。
【0019】
検知部34は、たとえば、光や超音波等を用いて物体を検知する近接センサである。固定装置30は、検知部34によって段ボール20が検知された場合に、駆動部33を駆動させることによって第2支持部32を第1支持部31に向かって移動させる。
【0020】
組立ステーション3では、段ボール20の底面を形成するために、内フラップ22および外フラップ23を折り曲げる作業および折り曲げた外フラップ23の両先端部に対して粘着テープを貼着する作業がロボット1によって行われる。段ボール20の固定装置30への固定方法や、内フラップ22および外フラップ23の折り曲げ作業等の具体的な内容については、後述する。
【0021】
梱包ステーション4は、底面が形成された段ボール20が載置される場所である。梱包ステーション4では、段ボール20への各種物品の収納作業がロボット1によって行われる。梱包ステーション4には、段ボール20の位置決めのためのガイド41,42が設けられる。
【0022】
台座5,6は、段ボール20へ収納する各種物品が載置される台である。たとえば、台座5には、中敷き51およびワーク52が載置される。また、台座6には、中敷き61およびワーク62が載置される。中敷き51,61は、箱状に形成された状態の段ボール20の底面と略同一寸法の部材である。なお、ロボット1による収納作業の具体的な内容については、後述する。
【0023】
梱包装置100は、上記のように構成され、双腕ロボットであるロボット1が、扁平に折り畳まれた状態の段ボール20を両アームを用いて立体的に展開させつつ供給ステーション2から組立ステーション3へ移動させる。また、ロボット1は、組立ステーション3において内フラップ22および外フラップ23を折り曲げる作業および折り曲げた外フラップ23に対して粘着テープを貼着する作業を行う。さらに、ロボット1は、梱包ステーション4において段ボール20への物品の収納作業および段ボール20の封止作業を行う。
【0024】
このように、本実施形態に係る梱包装置100では、双腕ロボットであるロボット1が、一連の梱包作業を行う。以下では、ロボット1の構成およびロボット1が各ステーションにおいて行う動作について具体的に説明する。
【0025】
[1−2.ロボットの構成]
図2は、第1の実施形態に係るロボット1の構成を示す模式図である。図2に示すように、ロボット1は、右アーム部12と左アーム部13とを双腕とする双腕ロボットである。
【0026】
具体的には、ロボット1は、本体部11と、右アーム部12と、左アーム部13と、右エンドエフェクタ14と、左エンドエフェクタ15とを備える。なお、第1の実施形態において右アーム部12および左アーム部13は、それぞれ第1のアーム部および第2のアーム部の一例である。また、第1の実施形態において右エンドエフェクタ14および左エンドエフェクタ15は、それぞれ第1のエンドエフェクタおよび第2のエンドエフェクタの一例である。
【0027】
右アーム部12および左アーム部13は、それぞれが、複数の関節軸を備える多軸ロボットである。右アーム部12および左アーム部13は、本体部11の両肩部分にそれぞれ取り付けられる。なお、本体部11も胴回りを中心として回転可能に構成されている。
【0028】
右アーム部12のアーム先端部121には、右エンドエフェクタ14が設けられる。また、左アーム部13のアーム先端部131には、左エンドエフェクタ15が設けられる。ここで、右エンドエフェクタ14および左エンドエフェクタ15の構成について図3Aおよび図3Bを用いて説明する。図3Aは、第1の実施形態に係る右エンドエフェクタ14の構成を示す模式図である。また、図3Bは、第1の実施形態に係る左エンドエフェクタ15の構成を示す模式図である。
【0029】
図3Aに示すように、右エンドエフェクタ14は、貼着部141と、吸着部142とを備える。貼着部141は、ケーシング141aと、テープ本体部141bと、ローラ141cと、切断部141dとを備える。
【0030】
ケーシング141aは、テープ本体部141bの両側面を覆う側壁と、これらの側壁間に掛け渡された軸芯(図示せず)とを備える。
【0031】
テープ本体部141bは、環状の芯部に粘着テープを多重に巻き付けた部材である。テープ本体部141bは、ケーシング141aの軸芯に対して芯部を挿通させることで、ケーシング141aに回転自在に装着される。
【0032】
ローラ141cは、ケーシング141aの2つの側壁間に回転自在に取り付けられた円柱状の部材である。ローラ141cは、テープ本体部141bから引き出された粘着テープを貼着対象である段ボール20へ押圧する。切断部141dは、ケーシング141aの2つの側壁間に設けられたカッターである。切断部141dは、テープ本体部141bから引き出された粘着テープを切断する。
【0033】
吸着部142は、真空ポンプ等の吸引装置によって発生する吸引力を用いて物体を吸着する。吸着部142は、たとえば、ケーシング141aの側壁に設けられる。
【0034】
一方、左エンドエフェクタ15は、図3Bに示すように、ケーシング151と、押圧部152と、吸着部153と、把持部154とを備える。
【0035】
ケーシング151は、右エンドエフェクタ14が備えるケーシング141aと略同形状のケーシングであり、所定間隔を空けて対向配置された2つの側壁を備える。押圧部152は、ケーシング151の2つの側壁間に設けられた円柱状の部材である。押圧部152は、後述するように、段ボール20に対して粘着テープを確実に固定させるために用いられる。
【0036】
吸着部153は、右エンドエフェクタ14が備える吸着部142と同様の吸着部である。すなわち、吸着部153は、真空ポンプ等の吸引装置によって発生する吸引力を用いて物体を吸着する。吸着部153は、たとえば、ケーシング151の両側壁間に設けられる。
【0037】
右エンドエフェクタ14が備える吸着部142や左エンドエフェクタ15が備える吸着部153は、折り畳まれた状態の段ボール20を立体的に展開する動作のほか、底部が形成された段ボール20に対して比較的軽量なワーク62等を収納する動作等に用いられる。
【0038】
把持部154は、たとえば、吸着部142,153では保持することができない重量を持ったワーク52等を収納する場合に用いられる。具体的には、把持部154は、第1鉤部154aと、第2鉤部154bと、駆動部154cと、シャフト154dとを備える。
【0039】
把持部154は、駆動部154cを用いてシャフト154dを延在方向に沿って移動させる。これにより、シャフト154dに連結された第2鉤部154bが、第1鉤部154aに向かって移動する。この結果、第1鉤部154aおよび第2鉤部154b間に位置する物体が第1鉤部154aおよび第2鉤部154bによって挟まれ、支持される。
【0040】
なお、本実施形態では、右エンドエフェクタ14が貼着部141を備え、左エンドエフェクタ15が押圧部152および把持部154を備える場合の例について説明する。しかし、右エンドエフェクタ14が押圧部152および把持部154を備え、左エンドエフェクタ15が貼着部141を備えてもよい。
【0041】
[1−3.展開動作および移動動作]
次に、折り畳まれた状態の段ボール20を立体的に展開する展開動作について図4Aおよび図4Bを用いて説明する。図4Aおよび図4Bは、ロボット1による段ボール20の展開動作の説明図である。
【0042】
まず、ロボット1は、折り畳まれた状態の段ボール20を供給ステーション2から取り出す。このとき、ロボット1は、図4Aに示すように、供給ステーション2へ載置された段ボール20の両面を右エンドエフェクタ14が備える吸着部142および左エンドエフェクタ15が備える吸着部153を用いてそれぞれ吸着する。
【0043】
たとえば、ロボット1は、折り畳まれた状態の段ボール20の上面を右エンドエフェクタ14の吸着部142を用いて吸着し、下面を左エンドエフェクタ15の吸着部153を用いて吸着する。なお、ロボット1は、段ボール20の浮き上がりを防止するために、段ボール20の下面よりも先に上面を吸着する。
【0044】
つづいて、図4Bに示すように、ロボット1は、各吸着部142,153が段ボール20の両面を吸着した状態で、右アーム部12および左アーム部13を駆動させることによって折り畳まれた状態の段ボール20を立体的に展開する。
【0045】
なお、ここでは、右アーム部12および左アーム部13の双方を駆動させる場合の例を示すが、ロボット1は、一方のアーム部(たとえば、左アーム部13)の位置を固定させた状態で、他方のアーム部(たとえば、右アーム部12)のみを駆動させてもよい。
【0046】
また、ロボット1は、右アーム部12および左アーム部13を用いて段ボール20を組立ステーション3へ移動させる。ロボット1は、段ボール20を展開する動作が終了したのち、段ボール20を組立ステーション3へ移動させる動作を開始してもよいし、段ボール20を展開する動作と、段ボール20を組立ステーション3へ移動させる動作とを並行して行ってもよい。
【0047】
このように、第1の実施形態に係る梱包装置100は、段ボール20を立体的に展開する動作を2つのアーム部12,13を用いて行う。
【0048】
ここで、従来技術において段ボールの展開動作を行うロボットは、1つのアーム部を備える単腕ロボットである。従来技術におけるロボットは、段ボールの展開動作を1つのエンドエフェクタで行うために、吸着機構だけでなく、段ボールの側面を隣り合う他の側面に対して90度の角度に折り曲げる折り曲げ機構を備えたエンドエフェクタを用いていた。
【0049】
このように、従来技術で用いられるエンドエフェクタは、段ボールを展開するための機構が複雑かつ大型であるため、その後の作業を行うための他の機構をエンドエフェクタに追加する余裕がない可能性がある。このため、従来技術では、ロボットがその後の作業を行うためには、エンドエフェクタの取り替えを行わなければならないおそれがあった。また、従来技術は、折り曲げ機構のような特殊な機構を用いるため、エンドエフェクタに要するコストが高くなるおそれもあった。
【0050】
これに対し、第1の実施形態に係る梱包装置100は、従来技術では段ボールの移動にのみ用いていたアーム部も利用して段ボール20の展開動作を行うため、折り曲げ機構のような特殊な機構を用いずとも展開動作を行うことができる。すなわち、第1の実施形態に係る梱包装置100は、展開動作のためのエンドエフェクタの構成を簡素化することができる。
【0051】
エンドエフェクタの構成が簡素化すれば、エンドエフェクタに対して貼着部や把持部やローラといった他の機構を容易に追加することが可能となる。また、折り曲げ機構のような特殊な機構を用いないため、エンドエフェクタに要するコストを抑えることができる。このように、第1の実施形態に係る梱包装置100は、梱包作業の効率を高めることができる。
【0052】
なお、ロボット1は、段ボール20を展開する動作と、段ボール20を組立ステーション3へ移動させる動作とを並行して行うことにより、梱包作業の効率をさらに高めることができる。
【0053】
次に、右エンドエフェクタ14が備える吸着部142および左エンドエフェクタ15が備える吸着部153の段ボール20への吸着箇所について図5Aおよび図5Bを用いて具体的に説明する。図5Aおよび図5Bは、各吸着部142,153の吸着箇所を示す模式図である。図5Aには、供給ステーション2へ載置された段ボール20の上面を、図5Bには、供給ステーション2へ載置された段ボール20の下面をそれぞれ示している。
【0054】
なお、以下では、図5Aおよび図5Bに示すように、段ボール20が備える4つの側面部21のうち、上面側に位置する側面部21をそれぞれ側面部21a,21bと呼び、下面側に位置する側面部21をそれぞれ側面部21c,21dと呼ぶ。側面部21aは、段ボール20が立体的に展開された場合に、側面部21dと対向する。また、側面部21bは、段ボール20が立体的に展開された場合に、側面部21cと対向する。
【0055】
また、以下では、側面部21aに連接する内フラップ22をそれぞれ内フラップ22a,22bと呼び、側面部21bに連接する外フラップ23をそれぞれ外フラップ23a,23bと呼ぶ。同様に、以下では、側面部21cに連接する外フラップ23をそれぞれ外フラップ23c,23dと呼び、側面部21dに連接する内フラップ22をそれぞれ内フラップ22c,22dと呼ぶ。
【0056】
図5Aに示すように、ロボット1は、段ボール20の各側面部21a〜21dのうちの側面部21aの中心点P1を、右エンドエフェクタ14の吸着部142を用いて吸着する。また、図5Bに示すように、ロボット1は、段ボール20の各側面部21a〜21dのうち、段ボール20が立体的に展開された場合に側面部21aと対向する側面部21dの中心点P2を、左エンドエフェクタ15の吸着部153を用いて吸着する。
【0057】
このように、吸着部142,153は、折り畳まれた状態の段ボール20の側面部21a〜21dのうち、立体的に展開された状態において対向する側面部同士をそれぞれ吸着する。これにより、段ボール20の側面部21a〜21dのうち、隣接する側面(たとえば、側面部21aおよび側面部21b)を吸着部142,153を用いて吸着する場合と比較して、単純な動作で段ボール20を展開することができる。
【0058】
また、ロボット1は、段ボール20の側面部の中心点を吸着することとしたため、段ボール20の展開動作を安定して行うことができる。なお、ロボット1は、中心点以外の場所を吸着しても構わない。
【0059】
ここでは、ロボット1が、段ボール20の側面部21aおよび側面部21dを吸着する場合の例を示したが、ロボット1は、段ボール20の側面部21bおよび側面部21cを吸着してもよい。また、ロボット1は、上面側に位置する側面部を左エンドエフェクタ15の吸着部153で吸着し、下面側に位置する側面部を右エンドエフェクタ14の吸着部142で吸着してもよい。
【0060】
[1−4.組立動作]
次に、組立ステーション3において行われる段ボール20の組立動作について説明する。組立ステーション3では、組立動作として、固定装置30を用いて段ボール20を固定する動作、内フラップ22および外フラップ23を折り曲げる動作、外フラップ23の先端同士を粘着テープで接合する動作が行われる。
【0061】
まず、固定装置30を用いて段ボール20を固定する動作について図6A〜図6Cを用いて説明する。図6A〜図6Cは、固定装置30を用いて段ボール20を固定する動作の説明図である。
【0062】
図6Aに示すように、ロボット1は、固定装置30の第1支持部31と第2支持部32との間の空間に対して、立体的に展開された段ボール20を位置させる。このとき、ロボット1は、外フラップ23が設けられた側面部21(図5A、図5Bに示す側面部21b,21d)が、第1支持部31および第2支持部32と対向するように段ボール20を位置させる。
【0063】
つづいて、図6Bに示すように、ロボット1は、段ボール20の側面部が第1支持部31の吸着部31a,31bに当接する位置まで段ボール20を移動させる。
【0064】
段ボール20の側面部が第1支持部31の吸着部31a,31bに当接すると、検知部34は、段ボール20を検知する。検知部34が段ボール20を検知すると、駆動部33は、第2支持部32を第1支持部31へ向かって移動させる。そして、固定装置30は、第2支持部32を移動させた後、各吸着部31a,31b,32a,32bを用いて段ボール20の側面部21を吸着する。この結果、図6Cに示すように、段ボール20は、固定装置30によって固定される。
【0065】
ここで、図6Cに示すように、段ボール20は、第2支持部32から受ける押圧力によって、外フラップ23が設けられた段ボール20の側面部21が、内側へ撓んだ状態で固定装置30に固定される。
【0066】
次に、内フラップ22を折り曲げる動作について図7を用いて説明する。図7は、内フラップ22を折り曲げる動作の説明図である。ここでは、図5A,5Bに示す内フラップ22a〜22dのうち、内フラップ22a,22cを折り曲げる動作について説明する。
【0067】
図7に示すように、ロボット1は、右アーム部12および左アーム部13を用いて、内フラップ22a,22cを段ボール20の内側へ向かって折り曲げる。たとえば、ロボット1は、右エンドエフェクタ14を内フラップ22aに当接させた状態で右アーム部12を駆動させることによって、内フラップ22aを段ボール20の内側へ向かって折り曲げる。また、ロボット1は、左エンドエフェクタ15を内フラップ22cに当接させた状態で左アーム部13を駆動させることによって、内フラップ22cを段ボール20の内側へ向かって折り曲げる。
【0068】
ここで、図6Cを用いて既に説明したように、段ボール20は、外フラップ23が設けられた段ボール20の側面部21が、内側へ撓んだ状態で固定装置30に固定されている。したがって、段ボール20の内側へ折り曲げられた内フラップ22a,22cは、段ボール20の側面部21に引っかかった状態となるため、段ボール20の外側への跳ね返りを防止することができる。
【0069】
このように、第1の実施形態に係る梱包装置100では、組立ステーション3が、外フラップ23が設けられた段ボール20の側面部21(図5A、図5Bに示す側面部21b,21c)を段ボール20の外側から押圧する固定装置30(押圧部に相当)を備える。また、第1の実施形態に係る梱包装置100では、右アーム部12および左アーム部13が、固定装置30によって押圧された段ボール20の内側へ向かって内フラップ22を折り曲げる。したがって、第1の実施形態に係る梱包装置100によれば、内フラップ22を折り曲げる動作を容易に行うことができる。
【0070】
なお、内フラップ22aに当接させる右エンドエフェクタ14の位置および内フラップ22cに当接させる左エンドエフェクタ15の位置は、任意の位置であってもよい。
【0071】
次に、外フラップ23を折り曲げる動作について図8A〜図8Cを用いて説明する。図8A〜図8Cは、外フラップ23を折り曲げる動作の説明図である。なお、図8A〜図8Cでは、理解を容易にするために、固定装置30の図示を省略している。ここでは、図5A、図5Bに示す外フラップ23a〜23dのうち、外フラップ23a,23cを折り曲げる動作について説明する。
【0072】
図8Aに示すように、ロボット1は、まず、右アーム部12および左アーム部13を用いて、外フラップ23a,23cを途中まで折り曲げる。つづいて、図8Bに示すように、ロボット1は、途中まで折り曲げた外フラップ23a,23cを右アーム部12のみを用いて最後まで折り曲げる。これにより、外フラップ23aおよび外フラップ23cは、先端部において互いに接した状態となる。
【0073】
つづいて、ロボット1は、図8Cに示すように、右エンドエフェクタ14で外フラップ23a,23cを押さえた状態を維持しつつ、内フラップ22cが設けられた段ボール20の側面部21d(図5C参照)まで右アーム部12を移動させる。
【0074】
このとき、ロボット1は、右エンドエフェクタ14が側面部21dへ移動するよりも前のタイミングで、左アーム部13を用いて外フラップ23a,23cを押さえる。これにより、外フラップ23a,23cの跳ね返りを防止することができる。
【0075】
なお、右アーム部12は、図8Cに示す位置、すなわち、内フラップ22cが設けられた段ボール20の側面部21dから粘着テープの貼着動作を開始する。
【0076】
次に、外フラップ23a,23cの先端部同士を粘着テープで接合する動作について図9Aおよび図9Bを用いて説明する。図9Aおよび図9Bは、粘着テープを貼着する動作の説明図である。なお、図9Aおよび図9Bでは、理解を容易にするために、固定装置30の図示を省略している。
【0077】
図9Aおよび図9Bに示すように、ロボット1は、右エンドエフェクタ14に設けられた貼着部141および右アーム部12を用い、外フラップ23a,23cの両先端部分に対して粘着テープを貼着する。具体的には、ロボット1は、図8Cに示す位置から外フラップ23a,23cを経て他方の側面部21a(図5A参照)に至るまで粘着テープを貼着する。
【0078】
また、ロボット1は、左エンドエフェクタ15に設けられた押圧部152および左アーム部13を用い、貼着部141の後を追うようにして、段ボール20へ貼着された粘着テープを押圧する。
【0079】
このように、右アーム部12は、先端部分が互いに付き合うように折り曲げられた一対の外フラップ23a,23cの両先端部分に対して貼着部141を用いて粘着テープを貼着する。また、左アーム部13は、右アーム部12によって段ボール20へ貼着された粘着テープを押圧する。これにより、粘着テープを確実に段ボール20へ貼着させることができる。
【0080】
なお、図8Cで説明したように、左アーム部13は、内フラップ22cが設けられた段ボール20の側面部21dに対して右アーム部12が粘着テープを貼着している間、先端部分が互いに付き合うように折り曲げられた一対の外フラップ23a,23cを押圧する。したがって、外フラップ23a,23cの跳ね返りを防止することができる。
【0081】
外フラップ23a,23cへの粘着テープの貼着動作が完了すると、段ボール20は、外フラップ23a,23cによって底面が形成された状態となる。ロボット1は、底面が形成された状態の段ボール20を各吸着部142,153を用いて吸着するとともに、各アーム部12,13を用いて梱包ステーション4へ移動させる。
【0082】
[1−5.収納動作]
次に、梱包ステーション4において行われる収納動作について図10Aおよび図10Bを用いて説明する。図10Aおよび図10Bは、収納動作の説明図である。
【0083】
ロボット1は、段ボール20を梱包ステーション4へ載置すると、段ボール20に対する物品の収納作業を右アーム部12および左アーム部13を用いて行う。
【0084】
たとえば、図10Aに示すように、ロボット1は、右エンドエフェクタ14に設けられた吸着部142を用いて、台座6にあらかじめ載置された中敷き61(図1参照)を吸着する。そして、ロボット1は、右アーム部12を用いて中敷き61を段ボール20の上方まで移動させたのち、吸着部142による吸着を解除することによって、中敷き61を段ボール20の底面へ載置する。
【0085】
ここで、図10Aに示すように、ロボット1は、吸着部142を用いて吸着した中敷き61を段ボール20の底面に対して斜めに傾けた状態で段ボール20の底面へ向けて落下させる。これにより、段ボール20の底面と略同一寸法に形成された中敷き61を容易に段ボール20の底面へ載置させることができる。
【0086】
なお、ここでは、右アーム部12が吸着部142を用いて段ボール20の底面へ中敷き61を載置する場合の例を示したが、左アーム部13が吸着部153を用いて段ボール20の底面へ中敷き61を載置させてもよい。
【0087】
また、図10Bに示すように、ロボット1は、左エンドエフェクタ15に設けられた把持部154を用いて、台座5に載置されたワーク52(図1参照)を把持する。そして、ロボット1は、左アーム部13を用いてワーク52を段ボール20内へ収納する。
【0088】
このように、左エンドエフェクタ15は、吸着部153に加えて、物品を把持する把持部154をさらに備える。このため、ロボット1は、吸着部142,153では保持することができない重量あるいは形状を持ったワークであっても、段ボール20へ収納させることができる。
【0089】
なお、ここでは、左エンドエフェクタ15が把持部154を備える場合の例について示したが、右エンドエフェクタ14が把持部を備えてもよい。
【0090】
また、ここでは説明を省略するが、ロボット1は、ワーク62のように比較的軽量な物品については、吸着部142,153を用いて段ボール20まで移動させてもよい。また、ロボット1は、ワーク52,62を段ボール20へ収納したのち、たとえば吸着部153を用いて中敷き51を吸着し、段ボール20内のワーク52,62上へ載置する動作も行う。
【0091】
[1−6.封止動作]
次に、梱包ステーション4において行われる段ボール20の封止動作について図11A〜図11Cを用いて説明する。図11A〜図11Cは、段ボール20を封止する動作の説明図である。
【0092】
図11Aに示すように、ロボット1は、図7を用いて説明した動作と同様に、右アーム部12および左アーム部13を用いて内フラップ22b,22dを折り曲げる。
【0093】
ここで、梱包ステーション4は、組立ステーション3が備える固定装置30を備えていない。すなわち、段ボール20は、外フラップ23が設けられた段ボール20の側面部21が、内側へ撓んだ状態にはなっていない。このため、段ボール20の内側へ折り曲げられた内フラップ22b,22dは、段ボール20の外側への跳ね返る可能性がある。
【0094】
そこで、ロボット1は、図11Bに示すように、内フラップ22b,22dを折り曲げたのち、たとえば左アーム部13を用いて内フラップ22b,22dを押さえつける。これにより、固定装置30を用いずとも、内フラップ22b,22dの跳ね返りを防止することができる。
【0095】
また、ロボット1は、左アーム部13で内フラップ22b,22dを押さえた状態で、右アーム部12を用いて外フラップ23dを途中まで折り曲げる。これにより、内フラップ22b,22dは、外フラップ23dによって押さえられた状態となる。かかる状態とした後、ロボット1は、左アーム部13を内フラップ22b,22dから離し、左アーム部13を用いて外フラップ23dを途中まで折り曲げる。
【0096】
その後、ロボット1は、図8A〜図8Cを用いて説明した動作と同様の動作で、外フラップ23b,23dの両先端部分に対して粘着テープを貼着する。これにより、段ボール20は、封止された状態となる。
【0097】
ここでは、内フラップ22b,22dを左アーム部13で押さえ、外フラップ23dを右アーム部12で折り曲げる場合の例を示したが、内フラップ22b,22dを右アーム部12で押さえ、外フラップ23dを左アーム部13で折り曲げてもよい。
【0098】
このように、ロボット1は、固定装置30を用いなくとも、右アーム部12または左アーム部13を用いて内フラップ22b,22dを押さえることで、内フラップ22b,22dの跳ね返りを防止することができる。
【0099】
なお、内フラップ22b,22dの跳ね返りを防止する方法は、図11A〜図11Cに示した方法に限られない。以下では、内フラップ22b,22dの跳ね返りを防止する他の方法について図12A〜図12Cを用いて説明する。図12A〜図12Cは、段ボールを封止する動作の他の例を示す説明図である。
【0100】
図12Aに示すように、ロボット1は、たとえば左アーム部13を用いて、外フラップ23が設けられた段ボール20の側面部21を押圧する。これにより、固定装置30を用いて段ボール20を固定した場合と同様、外フラップ23が設けられた段ボール20の側面部21が、内側へ撓んだ状態となる。
【0101】
つづいて、ロボット1は、図12Bに示すように、左アーム部13を用いて内フラップ22b,22dを順次折り曲げる。このとき、段ボール20は、外フラップ23が設けられた段ボール20の側面部21が、内側へ撓んだ状態となっている。したがって、段ボール20の内側へ折り曲げられた内フラップ22b,22dは、段ボール20の側面部21に引っかかった状態となり、段ボール20の外側への跳ね返りが防止される。
【0102】
つづいて、ロボット1は、図12Cに示すように、左アーム部13を用いて外フラップ23bを途中まで折り曲げる。これにより、内フラップ22b,22dは、外フラップ23bによって押さえられた状態となる。かかる状態とした後、ロボット1は、右アーム部12を用いて外フラップ23dを途中まで折り曲げる。
【0103】
その後、ロボット1は、図8A〜図8Cを用いて説明した動作と同様の動作で、外フラップ23b,23dの両先端部分に対して粘着テープを貼着する。これにより、段ボール20は、封止された状態となる。
【0104】
ここでは、段ボール20の側面部21を右アーム部12で押圧し、内フラップ22b,22dを左アーム部13で折り曲げる場合の例を示したが、側面部21を左アーム部13で押圧し、内フラップ22b,22dを右アーム部12で折り曲げてもよい。
【0105】
このように、ロボット1は、右アーム部12または左アーム部13のうち一方のアーム部を用いて、外フラップ23が設けられた段ボール20の側面部21を押圧し、他方のアーム部を用いて、内フラップ22b,22dを折り曲げてもよい。これにより、図11A〜図11Cを用いて説明した動作と同様、固定装置30を用いずとも、内フラップ22b,22dの跳ね返りを防止することができる。
【0106】
なお、第1の実施形態では、組立ステーション3が固定装置30を備えることとしたが、組立ステーション3は、必ずしも固定装置30を備えることを要しない。組立ステーション3が固定装置30を備えない場合には、ロボット1は、図11A〜図11Cまたは図12A〜図12Cに示した動作を行えばよい。
【0107】
上述してきたように、第1の実施形態に係る梱包装置100では、ロボット1が、供給ステーション2へ載置された段ボール20の両側面を右エンドエフェクタ14が備える吸着部142および左エンドエフェクタ15が備える吸着部153を用いてそれぞれ吸着する。そして、ロボット1は、右アーム部12および左アーム部13を用いて段ボール20を展開させつつ組立ステーション3へ移動させることとした。したがって、第1の実施形態に係る梱包装置100によれば、梱包作業の効率化を図ることができる。
【0108】
また、第1の実施形態に係る梱包装置100では、右アーム部12および左アーム部13の2つのアーム部を1つの双腕ロボットが備えることとした。
【0109】
具体的には、第1の実施形態に係る梱包装置100は、アーム先端部に対して各種のエンドエフェクタを装着可能な双腕型の汎用ロボットを用いて、一連の梱包作業を行うこととした。したがって、梱包装置100によれば、たとえば梱包作業の作業内容を変更する場合であっても、ロボット自体を取り替える必要がなく、エンドエフェクタを変更することで作業内容の変更に柔軟に対応することができる。
【0110】
また、第1の実施形態に係る梱包装置100では、ロボット1が、段ボール20の組立作業、組み立てた段ボール20への物品の収納作業、物品が収納された段ボール20の封止作業等を行う。したがって、第1の実施形態に係る梱包装置100によれば、一連の梱包作業を効率的に行うことができる。
【0111】
なお、上述してきた第1の実施形態では、段ボール20への物品の収納作業および段ボール20の封止作業を梱包ステーション4において行う場合の例について説明したが、収納作業および封止作業は、組立ステーション3で行ってもよい。かかる場合には、梱包ステーション4は、不要となる。
【0112】
(第2の実施形態)
ところで、梱包装置の構成は、第1の実施形態において説明した構成に限ったものではない。たとえば、上述してきた第1の実施形態では、右エンドエフェクタ14に対して貼着部141が固定的に設けられる場合の例について説明した。しかし、貼着部は、着脱可能に設けられることとしてもよい。以下では、梱包装置の他の構成例について説明する。
【0113】
[2−1.全体構成]
まず、第2の実施形態に係る梱包装置の全体構成について図13を用いて説明する。図13は、第2の実施形態に係る梱包装置の全体構成を示す模式図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0114】
図13に示すように、第2の実施形態に係る梱包装置100aは、ロボット1a、供給ステーション2a、組立ステーション3、貼着部ホルダ7等を備える。なお、第2の実施形態において供給ステーション2aおよび組立ステーション3は、それぞれ第1の作業ステーションおよび第2の作業ステーションの一例である。
【0115】
ロボット1aは、第1の実施形態に係るロボット1と同様、2つのアーム部を備える双腕ロボットである。ロボット1aは、第1の実施形態に係るロボット1が備える右エンドエフェクタ14および左エンドエフェクタ15に替えて、右エンドエフェクタ14aおよび左エンドエフェクタ15aを備える。ロボット1aが備えるエンドエフェクタ14a,15aの構成については、図14Aおよび図14Bを用いて後述する。なお、エンドエフェクタを除くロボット1aの構成は、第1の実施形態に係るロボット1と同様である。
【0116】
供給ステーション2aは、折り畳まれた状態の段ボール20が多数積層される作業ステーションである。この供給ステーション2aの構成については、図15を用いて後述する。
【0117】
貼着部ホルダ7は、左エンドエフェクタ15aに対して着脱自在に設けられる貼着部156を保持するホルダであり、供給ステーション2aに取り付けられる。かかる貼着部ホルダ7の構成については、図16を用いて説明する。
【0118】
[2−2.エンドエフェクタの構成]
次に、ロボット1aが備えるエンドエフェクタ14a,15aの構成について図14Aおよび図14Bを用いて説明する。
【0119】
まず、右エンドエフェクタ14aの構成について図14Aを用いて説明する。図14Aは、第2の実施形態に係る右エンドエフェクタ14aの構成を示す模式図である。なお、第2の実施形態では、右エンドエフェクタ14aが、第2のエンドエフェクタの一例であり、右アーム部12が、第2のアーム部の一例である。
【0120】
図14Aに示すように、右エンドエフェクタ14aは、右アーム部12のアーム先端部121に対して設けられる。右アーム部12のアーム先端部121は、アームの延在方向と平行な回転軸を中心として右エンドエフェクタ14aを回転可能に保持する。
【0121】
右エンドエフェクタ14aは、2つの吸着部145,146と、挟持部147とを備える。吸着部145は、右アーム部12の回転軸に沿って設けられる。この吸着部145は、後述するように、段ボール20の回転動作を行う場合に用いられる。
【0122】
一方、吸着部146は、右アーム部12の回転軸に対して垂直な向きに設けられる。この吸着部146は、後述するように、段ボール20の展開動作を行う場合に用いられる。なお、吸着部145,146は、第1の実施形態に係る吸着部142と同様、真空ポンプ等の吸引装置によって発生する吸引力を用いて物体を吸着する。
【0123】
挟持部147は、後述するように、折り畳まれた状態の段ボール20を供給ステーション2aから取り出す場合に用いられる。具体的には、挟持部147は、第1爪部147aと、第2爪部147bと、駆動部147cと、シャフト147dとを備える。
【0124】
挟持部147は、駆動部147cを用いてシャフト147dを延在方向に沿って移動させることで、シャフト147dに連結された第2爪部147bが、第1爪部147aへ向かって移動する。これにより、第1爪部147aおよび第2爪部147b間に位置する物体が第1爪部147aおよび第2爪部147bによって挟まれ、支持される。なお、挟持部147は、第2の挟持部の一例である。
【0125】
つづいて、左エンドエフェクタ15aの構成について図14Bを用いて説明する。図14Bは、第2の実施形態に係る左エンドエフェクタ15aの構成を示す模式図である。なお、第2の実施形態では、左エンドエフェクタ15aが第1のエンドエフェクタの一例であり、左アーム部13が第1のアーム部の一例である。
【0126】
図14Bに示すように、左エンドエフェクタ15aは、左アーム部13のアーム先端部131に対して設けられる。左アーム部13のアーム先端部131は、アームの延在方向と平行な回転軸を中心として左エンドエフェクタ15aを回転可能に保持する。
【0127】
左エンドエフェクタ15aは、貼着部156と、挟持部157と、吸着部158とを備える。貼着部156は、テープ本体部156aと、ケーシング156bと、ローラ156cと、切断部156dと、被挟持部156eとを備える。
【0128】
テープ本体部156aは、環状の芯部160に粘着テープを多重に巻き付けた部材である。テープ本体部156aは、ケーシング156bに対して芯部160が保持されることにより、ケーシング156bに回転自在に装着される。
【0129】
ケーシング156bは、たとえば、テープ本体部156aの周面および側面を覆う部材である。かかるケーシング156bには、テープ本体部156aの芯部160と略同形の開口部(図16に示す開口部156f)が形成される。
【0130】
ローラ156cは、ケーシング156bに対して回転自在に取り付けられた円柱状の部材である。ローラ156cは、テープ本体部156aから引き出された粘着テープを貼着対象である段ボール20へ押圧する。切断部156dは、ケーシング156bに設けられ、テープ本体部156aから引き出された粘着テープを切断するカッターである。
【0131】
被挟持部156eは、挟持部157によって挟持される部材である。被挟持部156eが挟持部157によって挟持されることにより、貼着部156は、左エンドエフェクタ15aに対して装着された状態となる。
【0132】
挟持部157は、被挟持部156eを挟持する機構部である。具体的には、挟持部157は、第1爪部157aと、第2爪部157bと、駆動部157cと、シャフト157dとを備える。
【0133】
挟持部157は、駆動部157cを用いてシャフト157dを延在方向に沿って移動させることで、シャフト157dに連結された第2爪部157bが、第1爪部157aに向かって移動する。これにより、第1爪部157aおよび第2爪部157b間に配置された被挟持部156eが第1爪部157aおよび第2爪部157bによって挟まれ、支持される。
【0134】
このように、第2の実施形態に係る梱包装置100aでは、貼着部156が、第1のエンドエフェクタである左エンドエフェクタ15aに対して着脱自在に取り付けられる。このため、第2の実施形態に係る梱包装置100aによれば、たとえば、テープ本体部156aの交換作業等を容易に行うことができる。なお、挟持部157は、第1の挟持部の一例である。
【0135】
吸着部158は、左アーム部13の回転軸に沿って設けられる。この吸着部158は、右エンドエフェクタ14aが備える吸着部145と同様に、底面が形成された段ボール20を回転させる動作を行う場合等に用いられる。
【0136】
なお、吸着部158は、貼着部156のケーシング156bに形成された開口部を介してテープ本体部156aの芯部160に挿通される。このように、テープ本体部156aの芯部160に挿通される位置に吸着部158を配置することにより、左エンドエフェクタ15aの大型化を抑えることができる。
【0137】
[2−3.供給ステーションの構成]
次に、第2の実施形態に係る供給ステーション2aの構成について図15を用いて説明する。図15は、第2の実施形態に係る供給ステーション2aの構成を示す模式図である。
【0138】
図15に示すように、供給ステーション2aは、支柱201と、土台202と、枠体203a〜203dとを備える。支柱201は、土台202を所定の高さに位置させるための部材である。土台202は、折り畳まれた状態の段ボール20と略同形の板状部材であり、支柱201によって支持される。
【0139】
枠体203a〜203dは、段ボール20が積層された状態を維持するために、土台202の四隅にそれぞれ設けられる部材である。枠体203a〜203dは、鉛直方向に沿って立設されており、土台202上に載置された段ボール20の四隅にそれぞれ当接する。
【0140】
枠体203a〜203dのうち、組立ステーション3側に配置される2つの枠体203c,203dには、水平方向に延在するフランジ部204が形成される。このフランジ部204は、供給ステーション2aから取り出した段ボール20を一時的に載置するための仮置き場として用いられる。かかる点については、図18A〜図18Cを用いて説明する。
【0141】
また、枠体203a〜203dのうち、ロボット1aの左アーム部13に近い位置に配置される枠体203bには、貼着部ホルダ7が取り付けられる。ここで、貼着部ホルダ7の構成について図16を用いて説明する。図16は、貼着部ホルダ7の構成を示す模式図である。
【0142】
図16に示すように、貼着部ホルダ7は、供給ステーション2aの枠体203bに対して固定される基部71と、この基部71に対して固定される保持部72とを備える。保持部72には、水平方向に突出する2つの爪部72a,72bが所定の間隔を空けて設けられる。
【0143】
これら2つの爪部72a,72bによって被挟持部156eの下部が支持されることによって、貼着部156は、保持部72に保持された状態となる。
【0144】
左エンドエフェクタ15aに対して貼着部156を取り付ける場合、ロボット1aは、左エンドエフェクタ15aを移動させ、挟持部157の第1爪部157aおよび第2爪部157b間に貼着部156の被挟持部156eを位置させた状態とする。なお、このとき、左エンドエフェクタ15aの吸着部158は、貼着部156のケーシング156bに形成された開口部156fを介してテープ本体部156aの芯部160に挿通される。
【0145】
そして、ロボット1aは、挟持部157を用いて被挟持部156eを挟持する。これにより、貼着部156は、左エンドエフェクタ15aに取り付けられた状態となる。
【0146】
このように、第2の実施形態に係る梱包装置100aでは、供給ステーション2aに対して貼着部ホルダ7を設けることとした。したがって、貼着部ホルダ7の保持部72に替えの貼着部156をあらかじめセットしておくことにより、貼着部156の交換作業を容易に行うことができる。
【0147】
なお、ここでは、貼着部ホルダ7が、2つの保持部72を備える場合の例について説明したが、保持部72の数は、3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。また、ここでは、貼着部ホルダ7が、供給ステーション2aに固定される場合の例について説明したが、貼着部ホルダ7は、供給ステーション2aとは別体に設けられてもよい。
【0148】
[2−4.段ボールの取り出し動作]
次に、供給ステーション2aから段ボール20を取り出す動作について図17Aおよび図17Bを用いて説明する。図17Aおよび図17Bは、供給ステーション2aから段ボール20を取り出す動作の説明図である。
【0149】
図17Aに示すように、ロボット1aでは、左アーム部13が、供給ステーション2aに積層された段ボール20のうち最上部に位置する段ボール20を、左エンドエフェクタ15aの吸着部158を用いて吸着しながらわずかに持ち上げる。これにより、最上部に位置する段ボール20とその1つ下に位置する段ボール20との間に、右エンドエフェクタ14aが備える挟持部147の第1爪部147aを入れ込むためのスペースが形成される。
【0150】
つづいて、図17Bに示すように、ロボット1aでは、右アーム部12が、左アーム部13によって持ち上げられた段ボール20の両側面を挟持部147を用いて挟持する。そして、ロボット1aでは、右アーム部12が、挟持部147によって挟持された段ボール20を供給ステーション2aから移動させる。
【0151】
このように、第2の実施形態に係る梱包装置100aでは、ロボット1aが、折り畳まれた状態の段ボール20が多数積層された供給ステーション2aから段ボール20を直接取り出すことができるため、作業効率を高めることができる。
【0152】
また、第2の実施形態に係る梱包装置100aでは、ロボット1aが、左エンドエフェクタ15aの吸着部158を用いて段ボール20をわずかに持ち上げた後、持ち上げた段ボール20を右エンドエフェクタ14aの挟持部147を用いて挟持する。このため、ロボット1aは、多数積層された段ボール20のうちの1つを確実に挟持することができる。
【0153】
なお、ここでは、挟持部147および吸着部158を用いて段ボール20を供給ステーション2aから取り出す場合の例を示したが、ロボット1aは、挟持部147のみを用いて段ボール20を供給ステーション2aから取り出してもよい。
【0154】
[2−5.展開動作]
次に、供給ステーション2aから取り出した段ボール20の展開動作について図18A〜図18Cを用いて説明する。図18A〜図18Cは、段ボール20の展開動作の説明図である。
【0155】
ロボット1aは、供給ステーション2aから段ボール20を取り出すと、取り出した段ボール20を、枠体203c,203dの上部に形成されたフランジ部204に一時的に載置する。その後、ロボット1aは、右エンドエフェクタ14aの挟持部147で段ボール20を挟持した状態から、右エンドエフェクタ14aの吸着部146で段ボール20を吸着した状態へ切り替える。そして、ロボット1aは、第1の実施形態において既に説明した展開動作と同様の動作を行って、折り畳まれた状態の段ボール20を展開する。
【0156】
まず、図18Aに示すように、ロボット1aでは、供給ステーション2aから取り出した段ボール20をフランジ部204に載置した後、載置した段ボール20が落下しないように、段ボール20の上面を左エンドエフェクタ15aの吸着部158で押さえ付ける。その後、ロボット1aでは、右アーム部12が、段ボール20から挟持部147を放す。
【0157】
つづいて、図18Bに示すように、ロボット1aでは、右アーム部12が、段ボール20の下面を右エンドエフェクタ14aの吸着部146を用いて吸着する。また、ロボット1aでは、左アーム部13が、段ボール20の上面を左エンドエフェクタ15aの吸着部158で吸着する。
【0158】
なお、ロボット1aは、第1の実施形態に係るロボット1と同様、折り畳まれた状態の段ボール20の各側面のうち、立体的に展開された状態において対向する側面同士をそれぞれ吸着部146および吸着部158を用いて吸着する。
【0159】
つづいて、ロボット1aは、図18Cに示すように、各吸着部146,158が段ボール20の両面を吸着した状態で、右アーム部12および左アーム部13を駆動させることによって折り畳まれた状態の段ボール20を立体的に展開する。また、ロボット1aは、立体的に展開した段ボール20を組立ステーション3へ移動させる。
【0160】
このように、第2の実施形態に係る梱包装置100aでは、右アーム部12が、供給ステーション2aから挟持部147を用いて取り出した段ボール20を枠体203c,203dのフランジ部204へ一時的に載置する。そして、その後、右アーム部12および左アーム部13が、フランジ部204へ載置された段ボール20の両側面を吸着部146,158を用いてそれぞれ吸着しつつ、段ボール20を展開する動作および組立ステーション3へ移動させる動作を行う。
【0161】
すなわち、第2の実施形態に係る梱包装置100aでは、供給ステーション2aの枠体203c,203dに形成されたフランジ部204を、供給ステーション2aから取り出した段ボール20の仮置き場として利用することとした。したがって、梱包装置100aの省スペース化を図ることができる。
【0162】
また、第2の実施形態に係る梱包装置100aでは、左アーム部13が、フランジ部204へ載置された段ボール20の上面を左エンドエフェクタ15aが備える吸着部158で下方へ押さえ付けることとした。
【0163】
これにより、フランジ部204および左エンドエフェクタ15aによって段ボール20が保持された状態となるため、フランジ部204の大きさを段ボール20と同程度とせずとも、段ボール20の落下を確実に防止することができる。また、フランジ部204を小さく形成できるため、梱包装置100aを小型化することができる。
【0164】
なお、梱包装置100aでは、段ボール20と同程度のフランジ部を枠体203c,203dに形成してもよい。このようにすることで、左アーム部13で段ボール20の上面を押さえておく必要がなくなる。
【0165】
[2−6.組立動作]
次に、組立ステーション3において行われる段ボール20の組立動作について説明する。組立ステーション3では、固定装置30を用いて段ボール20を固定する動作、内フラップ22および外フラップ23を折り曲げる動作、外フラップ23の先端同士を粘着テープで接合する動作が行われる。このうち、固定装置30を用いて段ボール20を固定する動作、内フラップ22および外フラップ23を折り曲げる動作は、第1の実施形態と同様である。このため、以下では、外フラップ23の先端同士を粘着テープで接合する動作について図19A〜図19Eを用いて説明する。
【0166】
図19A〜図19Eは、粘着テープを貼着する動作の説明図である。なお、図19A〜図19Eでは、理解を容易にするために、固定装置30の図示を省略する。
【0167】
図19Aに示すように、段ボール20は、外フラップ23a,23cが折り曲げられた状態となっている。ロボット1aは、折り曲げられた状態の外フラップ23a,23cの跳ね返りを防止するために、左エンドエフェクタ15aの挟持部157が備える第1爪部157aで外フラップ23a,23cを押さえる。なお、第1爪部157aは、外フラップ23a,23cを傷つけないように、外フラップ23a,23cと当接する部分が曲線状に形成される。
【0168】
第1爪部157aで外フラップ23a,23cを押さえた状態で、ロボット1aは、左エンドエフェクタ15aが備える貼着部156の粘着テープTを、右エンドエフェクタ14aの挟持部147で挟持して引き出す。
【0169】
つづいて、ロボット1aは、図19Bに示すように、第1爪部157aを基点として左エンドエフェクタ15aを段ボール20へ向けて移動させながら、右エンドエフェクタ14aの挟持部147を用いて粘着テープTを段ボール20へ貼着する。なお、ロボット1aは、図19Bに示す位置、すなわち、段ボール20の側面部21aに対して、挟持部147によって挟持された粘着テープTを貼着する。
【0170】
このように、第2の実施形態に係る梱包装置100aでは、ロボット1aの右アーム部12が、挟持部147で粘着テープTを挟持して引き出し、引き出した粘着テープTを段ボール20に対して貼着する。これにより、ロボット1aは、段ボール20に対して粘着テープTをより綺麗に貼着することができる。たとえば、ロボット1aは、段ボール20の側面部21aに貼着された粘着テープTを段ボール20から捲れにくくすることができる。
【0171】
また、図19Cに示すように、ロボット1aでは、左アーム部13が、図19Bに示す位置から外フラップ23a,23cを経て側面部21dに至るまで粘着テープTを貼着する。また、ロボット1aでは、右アーム部12が、挟持部147の第1爪部147aを用い、段ボール20の側面部21aに貼着された粘着テープTを押圧する。
【0172】
つづいて、ロボット1aでは、図19Dに示すように、右アーム部12が、挟持部147の第1爪部147aを用い、外フラップ23a,23cに貼着された粘着テープTを押圧する。また、図19Eに示すように、ロボット1aでは、左アーム部13が、左エンドエフェクタ15aの第1爪部157aを用い、段ボール20の側面部21dに貼着された粘着テープTを押圧する。
【0173】
このように、段ボール20に対して貼着された粘着テープTを右エンドエフェクタ14aおよび左エンドエフェクタ15aを用いて押圧することで、粘着テープTを段ボール20に対して確実に貼着させることができる。
【0174】
[2−7.段ボールの回転動作]
段ボール20は、外フラップ23a,23cに対して粘着テープTが貼着されることにより、外フラップ23a,23cによって底面が形成された状態となる。このとき、段ボール20は、外フラップ23a,23cによって形成された底面が上方を向いた状態となっている。このため、ロボット1aは、段ボール20への収納動作を行う前に、段ボール20の開口部が上向きとなるように、段ボール20を回転させる動作を行う。
【0175】
以下では、段ボール20の回転動作について図20Aおよび図20Bを用いて説明する。図20Aおよび図20Bは、段ボール20を回転させる動作の説明図である。
【0176】
図20Aに示すように、ロボット1aでは、右アーム部12が、右エンドエフェクタ14aの吸着部145で段ボール20の側面部21aを吸着する。また、ロボット1aでは、左アーム部13が、左エンドエフェクタ15aの吸着部158で側面部21aと対向する側面部21dを吸着する。
【0177】
ここで、右エンドエフェクタ14aの吸着部145は、アーム先端部121の回転軸R1に沿って設けられる。また、左エンドエフェクタ15aの吸着部158は、アーム先端部131の回転軸R2に沿って設けられる。
【0178】
つづいて、ロボット1aは、段ボール20を組立ステーション3の固定装置30から取り外した後、図20Bに示すように、アーム先端部121およびアーム先端部131をそれぞれ回転軸R1および回転軸R2を中心として180度回転させる。これにより、段ボール20は、開口部が上向きとなる。
【0179】
このように、第2の実施形態に係る梱包装置100aでは、右エンドエフェクタ14aの吸着部145および左エンドエフェクタ15aの吸着部158が、それぞれアーム先端部121,131の回転軸R1,R2に沿って設けられる。また、第2の実施形態に係る梱包装置100aでは、右アーム部12および左アーム部13が、底面が形成された段ボール20の互いに対向する側面をそれぞれ吸着部145,158を用いて吸着した後、アーム先端部121,131を回転させる。
【0180】
すなわち、第2の実施形態に係る梱包装置100aでは、吸着部145,158をそれぞれアーム先端部121,131の回転軸R1,R2に沿って設けることにより、アーム先端部121,131を回転させるだけで、段ボール20を回転させることができる。したがって、第2の実施形態に係る梱包装置100aによれば、段ボール20を回転させる動作を容易に行うことができる。
【0181】
ところで、ロボット1aは、図20Aおよび図20Bに示す段ボール20の回転動作を行った後、固定装置30を用いて段ボール20を再度固定したうえで、段ボール20に対する物品の収納動作を行う。
【0182】
ここで、図13では図示していないが、梱包装置100aは、段ボール20へ収納する物品を載置しておくための台座をさらに備えてもよい。以下では、物品を載置しておくための台座をさらに備える梱包装置の構成例について図21を用いて説明する。図21は、第2の実施形態に係る梱包装置の他の構成例を示す図である。
【0183】
図21に示すように、梱包装置100bは、第2の実施形態に係る梱包装置100aが備える各構成要素に加えて、台座8をさらに備える。台座8は、段ボール20へ収納する各種物品が載置される台である。たとえば、台座8には、ワーク81およびワーク82が載置される。
【0184】
ここで、図13に示すように、第2の実施形態に係る梱包装置100aでは、供給ステーション2aが、ロボット1aから見て左前方に配置され、組立ステーション3が、ロボット1aから見て右方に配置される。このため、第2の実施形態に係る梱包装置100aには、ロボット1aから見て右前方に空きスペースSが存在している。
【0185】
そこで、図21に示す梱包装置100bは、この空きスペースSに対して台座8を配置することとした。これにより、空きスペースSを有効利用することができる。また、梱包装置100bの設置スペースの省スペース化を図ることもできる。
【0186】
なお、ロボット1aは、段ボール20に対するワーク81,82の収納を終えると、図19A〜図19Eを用いて説明した動作と同様の動作を行って段ボール20を封止する。そして、ロボット1aは、封止された段ボール20を固定装置30から取り外し、図示しない搬出場所へ移動させる。搬出場所は、たとえば、ロボット1aの後方に設置されたベルトコンベア等である。
【0187】
上述してきたように、第2の実施形態では、貼着部156が、左エンドエフェクタ15aに対して着脱自在に取り付けられることとしたため、テープ本体部156aの交換作業を容易に行うことができる。
【0188】
また、第2の実施形態では、右エンドエフェクタ14aに対して挟持部147を設け、かかる挟持部147を用いて供給ステーション2aから段ボール20を取り出す作業を行うこととした。これにより、ロボット1aは、折り畳まれた状態の段ボール20が多数積層された供給ステーション2aから段ボール20を直接取り出すことができるため、作業効率を高めることができる。
【0189】
また、第2の実施形態では、ロボット1aが、右エンドエフェクタ14aが備える挟持部147を用いて粘着テープTの貼着動作を行うこととした。これにより、ロボット1aは、段ボール20に対して粘着テープTをより綺麗に貼着することができる。
【0190】
なお、上述してきた第2の実施形態では、段ボール20への物品の収納作業および段ボール20の封止作業を組立ステーション3において行う場合の例について説明した。しかし、梱包装置100a,100bは、たとえば、第1の実施形態に係る梱包装置100が備える梱包ステーション4を設け、収納作業および封止作業を梱包ステーション4で行ってもよい。
【0191】
また、上述してきた第2の実施形態では、右エンドエフェクタ14aが、2つの吸着部145,146を備える場合の例について説明したが、右エンドエフェクタ14aは、いずれか一方の吸着部だけを備えてもよい。
【0192】
たとえば、第2の実施形態では、供給ステーション2aのフランジ部204に載置した段ボール20の下面を吸着部146を用いて吸着する場合の例について説明した。しかし、この段ボール20の下面に吸着部145が届く場合には、右エンドエフェクタ14aは、吸着部145だけを備えてもよい。
【0193】
また、上述してきた各実施形態では、2つのアーム部を1つの双腕ロボットが備えることとしたが、梱包装置は、1つのアーム部を備える単腕ロボットを2台用いて上述した梱包作業を行うこととしてもよい。
【0194】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施の形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0195】
1 ロボット
11 本体部
12 右アーム部
121 アーム先端部
13 左アーム部
131 アーム先端部
14 右エンドエフェクタ
141 貼着部
141a ケーシング
141b テープ本体部
141c ローラ
141d 切断部
142 吸着部
15 左エンドエフェクタ
151 ケーシング
152 押圧部
153 吸着部
154 把持部
154a 第1鉤部
154b 第2鉤部
154c 駆動部
154d シャフト
2 供給ステーション
20 段ボール
21,21a〜21d 側面部
22,22a〜22d 内フラップ
23,23a〜23d 外フラップ
3 組立ステーション
30 固定装置
31 第1支持部
31a,31b 吸着部
32 第2支持部
32a,32b 吸着部
33 駆動部
33a シャフト
34 検知部
4 梱包ステーション
41,42 ガイド
5,6 台座
51,61 中敷き
52,62 ワーク
100 梱包装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれた状態の梱包材が載置される場所である第1の作業ステーションと、
物体を吸着する吸着部を備える第1のエンドエフェクタおよび第2のエンドエフェクタと、
前記第1のエンドエフェクタを備える第1のアーム部および前記第2のエンドエフェクタを備える第2のアーム部と、
立体的に展開された梱包材が載置される場所である第2の作業ステーションと
を備え、
前記第1の作業ステーションへ載置された梱包材の両側面を前記第1のエンドエフェクタが備える前記吸着部および前記第2のエンドエフェクタが備える前記吸着部を用いてそれぞれ吸着しつつ、前記第1のアーム部および前記第2のアーム部を用い、前記梱包材を展開する動作および前記梱包材を前記第2の作業ステーションへ移動させる動作を行うことを特徴とする梱包装置。
【請求項2】
前記梱包材を前記第2の作業ステーションへ移動させたのち、前記梱包材の各側面に設けられたフラップを前記第1のアーム部および前記第2のアーム部を用いて前記梱包材の内側へ向かって折り曲げることを特徴とする請求項1に記載の梱包装置。
【請求項3】
前記第2の作業ステーションは、
前記フラップのうち前記梱包材の底面を形成するフラップである外フラップが設けられた前記梱包材の側面を該梱包材の外側から押圧する押圧部
を備え、
前記第1のアーム部および前記第2のアーム部は、
前記フラップのうち前記外フラップよりも前記梱包材の内側に位置することとなるフラップである一対の内フラップを、前記押圧部によって押圧された前記梱包材の内側へ向かって折り曲げることを特徴とする請求項2に記載の梱包装置。
【請求項4】
前記第1のエンドエフェクタは、
所定の貼着部材を貼着するための貼着部
を備え、
前記第1のアーム部は、
先端部分が互いに付き合うように折り曲げられた一対の前記外フラップの両先端部分に対して前記貼着部を用いて所定の貼着部材を貼着することを特徴とする請求項3に記載の梱包装置。
【請求項5】
前記貼着部は、
前記第1のエンドエフェクタに対して着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項4に記載の梱包装置。
【請求項6】
前記第1のエンドエフェクタは、
第1の挟持部を備え、前記貼着部に形成される被挟持部を前記第1の挟持部を用いて挟持することによって前記貼着部が取り付けられた状態とすることを特徴とする請求項5に記載の梱包装置。
【請求項7】
前記貼着部は、
環状の芯部に対して貼着部材が多重に巻き付けられた貼着部材本体部を備え、
前記第1のエンドエフェクタが備える前記吸着部は、
前記貼着部材本体部の芯部に挿通される位置に配置されることを特徴とする請求項5または6に記載の梱包装置。
【請求項8】
前記第1の作業ステーションは、
前記貼着部を保持するホルダを備えることを特徴とする請求項5,6または7に記載の梱包装置。
【請求項9】
前記第2のエンドエフェクタは、
第2の挟持部を備え、
前記第2のアーム部は、
折り畳まれた状態の前記梱包材の両側面を前記第2の挟持部を用いて挟持し、挟持した前記梱包材を前記第1の作業ステーションから取り出すことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の梱包装置。
【請求項10】
前記第1の作業ステーションは、
折り畳まれた状態の前記梱包材が多数積層され、
前記第1のアーム部は、
前記第1の作業ステーションに積層される梱包材のうち最上部に位置する梱包材を前記第1のエンドエフェクタが備える前記吸着部を用いて吸着しながら持ち上げ、
前記第2のアーム部は、
前記第1のアーム部によって持ち上げられた梱包材の両側面を第2の挟持部を用いて挟持することを特徴とする請求項9に記載の梱包装置。
【請求項11】
前記第1の作業ステーションは、
水平方向に突出するフランジ部が上部に形成される枠体を備え、
前記第2のアーム部は、
前記第1の作業ステーションから前記第2の挟持部を用いて取り出した梱包材を前記枠体のフランジ部へ載置し、
前記第1のアーム部および前記第2のアーム部は、
前記フランジ部へ載置された梱包材の両側面を前記第1のエンドエフェクタが備える前記吸着部および前記第2のエンドエフェクタが備える前記吸着部を用いてそれぞれ吸着しつつ、前記梱包材を展開する動作および前記梱包材を前記第2の作業ステーションへ移動させる動作を行うことを特徴とする請求項10に記載の梱包装置。
【請求項12】
前記第1のアーム部は、
前記フランジ部へ載置された梱包材の上面を前記第1のエンドエフェクタで押さえ付け、
前記第2のアーム部は、
前記フランジ部へ載置された梱包材を前記第1のアーム部が押さえ付けた後、前記フランジ部へ載置された梱包材の下面を前記第2のエンドエフェクタが備える前記吸着部を用いて吸着することを特徴とする請求項11に記載の梱包装置。
【請求項13】
前記第2のアーム部は、
前記第1のエンドエフェクタが備える貼着部の貼着部材を前記第2の挟持部で挟持して引き出し、引き出した貼着部材を前記梱包材に対して貼着することを特徴とする請求項4〜12のいずれか一つに記載の梱包装置。
【請求項14】
前記第1のアーム部および前記第2のアーム部は、
それぞれ前記第1のエンドエフェクタおよび前記第2のエンドエフェクタを回転可能に保持するアーム先端部
を備え、
前記第1のエンドエフェクタおよび前記第2のエンドエフェクタは、
それぞれ前記アーム先端部の回転軸に沿って前記吸着部が設けられることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の梱包装置。
【請求項15】
前記第1のアーム部および前記第2のアーム部は、
底面が形成された状態の前記梱包材における互いに対向する側面をそれぞれ前記第1のエンドエフェクタが備える前記吸着部および前記第2のエンドエフェクタが備える前記吸着部を用いて吸着した後、前記アーム先端部を回転させることを特徴とする請求項14に記載の梱包装置。
【請求項16】
前記第2のアーム部は、
前記第1のアーム部によって前記梱包材へ貼着された貼着部材を押圧することを特徴とする請求項4に記載の梱包装置。
【請求項17】
前記第1のアーム部は、
前記内フラップが設けられた前記梱包材の側面から前記貼着部材を貼着し始め、
前記第2のアーム部は、
前記内フラップが設けられた前記梱包材の側面に対して前記第1のアーム部が前記貼着部材を貼着している間、先端部分が互いに付き合うように折り曲げられた一対の前記外フラップを押圧することを特徴とする請求項16に記載の梱包装置。
【請求項18】
前記外フラップによって底面が形成された前記梱包材に対する物品の収納作業を前記第1のアーム部および前記第2のアーム部を用いて行うことを特徴とする請求項16または17に記載の梱包装置。
【請求項19】
前記第1のエンドエフェクタまたは前記第2のエンドエフェクタは、
前記物品を把持する把持部を備えることを特徴とする請求項18に記載の梱包装置。
【請求項20】
前記第1のアーム部または前記第2のアーム部は、
前記梱包材の底面と略同一寸法の中敷きを前記吸着部を用いて吸着し、吸着した中敷きを前記梱包材の底面に対して斜めに傾けた状態で前記梱包材の底面へ向けて落下させることを特徴とする請求項19に記載の梱包装置。
【請求項21】
前記物品の収納作業が行われる場所である第3の作業ステーション
を備え、
前記外フラップによって底面が形成された前記梱包材を前記第1のアーム部および前記第2のアーム部を用いて前記第2の作業ステーションから前記第3の作業ステーションへ移動させることを特徴とする請求項16〜20のいずれか一つに記載の梱包装置。
【請求項22】
前記第1のエンドエフェクタが備える前記吸着部および前記第2のエンドエフェクタが備える前記吸着部は、
折り畳まれた状態の前記梱包材の側面のうち、立体的に展開された状態において対向する側面同士をそれぞれ吸着することを特徴とする請求項1〜21のいずれか一つに記載の梱包装置。
【請求項23】
前記第1のアーム部および前記第2のアーム部は、1つの双腕ロボットが備えるアーム部であることを特徴とする請求項1〜22のいずれか一つに記載の梱包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図19E】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−52925(P2013−52925A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210618(P2011−210618)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】